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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20230724BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A61F13/56 211
A61F13/493
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019170657
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021045398
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福元 淳生
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-193208(JP,A)
【文献】中国実用新案第204133713(CN,U)
【文献】特開2011-147712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A44B18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向と前後方向を有し、おむつ本体の幅方向の両側に止着テープが取り付けられた使い捨ておむつであって、
前記止着テープは、テープ基材の一方端に形成され、おむつ本体に取り付けられた固定部と、テープ基材の他方端に形成されたつまみ部と、固定部とつまみ部の間に位置する中間部とを有し、
前記つまみ部には、第1留め具と、前記第1留め具よりもおむつ本体側に第2留め具とが設けられ、
前記つまみ部は、前記第1留め具と前記第2留め具の間に形成された第1折り目で、前記第1留め具と前記第2留め具を内側にして折り返され、
前記中間部には、前記折り返されたつまみ部の第1留め具と重なって、第1開口部が設けられ、
前記中間部は、前記折り返されたつまみ部の先端よりもおむつ本体側に形成された第2折り目で、前記折り返されたつまみ部を内側にして折り返され、
前記おむつ本体は、前記折り返された中間部を内側にして第3折り目で折り返され、前記第1留め具が前記第1開口部を介して前記おむつ本体に仮留めされていることを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記つまみ部には、前記第1留め具と前記第2留め具の間に第2開口部が設けられ、前記つまみ部が前記第1折り目で折り返されることにより、前記第2開口部が前記第2留め具と重ねられ、
前記中間部が前記第2折り目で折り返されることにより、前記第2留め具が前記第2開口部を介して前記おむつ本体に仮留めされている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記第1開口部は前記第2開口部と重なって配置されない請求項2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記第1折り目は、前記第2留め具と前記第2開口部の間に形成されている請求項2または3に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記第3折り目は、前記止着テープと重ならない位置に形成される請求項1~4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記第1開口部の前後方向の長さは、前記つまみ部の先端の前後方向の長さよりも短い請求項1~5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記テープ基材は、単位面積あたりの質量が50g/m以上120g/m 以下の不織布から構成されている請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープタイプの使い捨ておむつに関するものであり、詳細には、折り畳まれた使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、止着テープを備えた使い捨ておむつが広く知られている。例えば、特許文献1には、本体部の両側部に止着テープを備えた使い捨ておむつであって、止着テープは先端側から第1止着部と第2止着部を有し、第1止着部と第2止着部の間で止着テープが折り返された使い捨ておむつが開示されている。特許文献2には、おむつの背側の両側部に止着手段が設けられた基材シートを備えた使い捨ておむつであって、基材シートには先端側開口部と基端側開口部が設けられ、基材シートの先端部止着手段と先端側開口部との間で内側へ折り曲げられ、折り曲げられた基材シートが先端側開口部と基端側開口部との間で外側へさらに折り曲げられることで、先端側開口部および基端側開口部が重なり合い、その重なり合った開口部分から臨む止着手段を介して、基材シートをおむつの腹側外表面に仮止め可能にした使い捨ておむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-147712号公報
【文献】特開2014-193208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使い捨ておむつは、通常、折り畳まれた状態で包装容器内に収容されて、店頭などで販売される。テープタイプの使い捨ておむつでは、止着テープがおむつ本体から幅方向の外方に延出して設けられているため、テープタイプの使い捨ておむつを折り畳む際は、止着テープをおむつ本体と重なるように折り畳み、さらにおむつ本体を折り畳むことが必要となる。このとき、止着テープを含め使い捨ておむつが安定して折り畳まれることが望ましい。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、おむつ本体の幅方向の両側に止着テープが取り付けられた使い捨ておむつであって、止着テープおよびおむつ本体が折り畳まれた状態を安定して維持することができる使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の使い捨ておむつとは、幅方向と前後方向を有し、おむつ本体の幅方向の両側に止着テープが取り付けられた使い捨ておむつであって;止着テープは、テープ基材の一方端に形成され、おむつ本体に取り付けられた固定部と、テープ基材の他方端に形成されたつまみ部と、固定部とつまみ部の間に位置する中間部とを有し;つまみ部には、第1留め具と、第1留め具よりもおむつ本体側に第2留め具とが設けられ;つまみ部は、第1留め具と第2留め具の間に形成された第1折り目で、第1留め具と第2留め具を内側にして折り返され;中間部には、折り返されたつまみ部の第1留め具と重なって、第1開口部が設けられ;中間部は、折り返されたつまみ部の先端よりもおむつ本体側に形成された第2折り目で、折り返されたつまみ部を内側にして折り返され;おむつ本体は、折り返された中間部を内側にして第3折り目で折り返され、第1留め具が第1開口部を介しておむつ本体に仮留めされているところに特徴を有する。
【0007】
本発明の使い捨ておむつは、上記のように止着テープに第1留め具と第2留め具が設けられ、止着テープが第1折り目と第2折り目で折り返されることにより、おむつの使用前、止着テープを安定して折り畳むことができる。このように折り畳まれた止着テープは、第1留め具が第1開口部を通しておむつの肌面側に露出するため、おむつ本体をさらに第3折り目で折り返すことにより、第1留め具を第1開口部を介しておむつ本体に仮留めすることができる。そのため、本発明の使い捨ておむつは、使用前、折り畳んだ状態を安定して維持することができ、携帯性が向上する。また、第1留め具は第1開口部を介しておむつ本体に接合されるため、第1留め具を比較的弱い接合力でおむつ本体に仮留めすることができ、第1留め具をおむつ本体に仮留めした際におむつ本体の損傷を抑えることができる。
【0008】
止着テープのつまみ部には、第1留め具と第2留め具の間に第2開口部が設けられていてもよい。この場合、つまみ部が第1折り目で折り返されることにより、第2開口部が第2留め具と重ねられ、中間部が第2折り目で折り返されることにより、第2留め具が第2開口部を介しておむつ本体に仮留めされていることが好ましい。このように止着テープに第2開口部が設けられていれば、止着テープを第2折り目で折り返した際に、第2留め具を第2開口部を介しておむつ本体に仮留めすることができ、止着テープを折り畳んだ状態が好適に維持される。
【0009】
第1開口部は第2開口部と重なって配置されないことが好ましい。これにより、止着テープが折り畳まれた状態で不用意におむつ本体や他の部材に引っ掛かることが起こりにくくなる。
【0010】
第1折り目は、第2留め具と第2開口部の間に形成されていることが好ましい。このように第1折り目を形成することにより、第2開口部を過度に大きく形成しなくて済み、また第2開口部に第1折り目が形成されないことにより、つまみ部の剛性を確保しやすくなる。
【0011】
第3折り目は、止着テープと重ならない位置に形成されることが好ましい。このように第3折り目を形成することにより、止着テープが過度に折り返されず、止着テープの取り扱い性が良好となる。
【0012】
第1開口部の前後方向の長さは、つまみ部の先端の前後方向の長さよりも短いことが好ましい。このように止着テープが形成されていれば、止着テープを第1折り目で折り返した際に、つまみ部の先端が第1開口部に入り込まず、つまみ部の先端部が不用意に折れ曲がることを防ぐことができる。
【0013】
テープ基材は、単位面積あたりの質量が50g/m2以上の不織布から構成されていることが好ましい。これによりテープ基材が十分な剛性を有するものとなり、止着テープの取り扱い性が向上する。また、止着テープを第1折り目や第2折り目で折り返すことが容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の使い捨ておむつは、止着テープに第1留め具と第2留め具が設けられ、止着テープが第1折り目と第2折り目で折り返されることにより、おむつの使用前、第1留め具と第2留め具によって止着テープを安定して折り畳むことができる。折り畳まれた止着テープは、第1留め具が第1開口部を通しておむつの肌面側に露出するため、おむつ本体をさらに第3折り目で折り返すことにより、第1留め具を第1開口部を介しておむつ本体に仮留めすることができる。そのため、本発明の使い捨ておむつは、使用前、折り畳んだ状態を安定して維持することができ、携帯性が向上する。また、第1留め具は第1開口部を介しておむつ本体に接合されるため、第1留め具を比較的弱い接合力でおむつ本体に仮留めすることができ、第1留め具をおむつ本体に仮留めした際におむつ本体の損傷を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の使い捨ておむつの一例を表し、使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表す。
図2図1に示した使い捨ておむつのII-II断面図を表す。
図3図1に示した使い捨ておむつの右側に取り付けられた止着テープの拡大平面図を表す。
図4図3のIV-IV断面図を表す。
図5図3に示した止着テープを第1折り目で折り返した状態の平面図を表す。
図6図5のVI-VI断面図を表す。
図7図5に示した止着テープをさらに第2折り目で折り返した状態の平面図を表す。
図8図7のVIII-VIII断面図を表す。
図9図1に示した使い捨ておむつに取り付けられた止着テープを折り畳んで、おむつ本体を第3折り目で折り返した状態の平面図を表す。
図10】本発明の使い捨ておむつの他の一例を表し、使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表す。
図11図10に示した使い捨ておむつの右側に取り付けられた止着テープの拡大平面図を表す。
図12図11のXII-XII断面図を表す。
図13図11に示した止着テープを第1折り目で折り返した状態の平面図を表す。
図14図13のXIV-XIV断面図を表す。
図15図13に示した止着テープをさらに第2折り目で折り返した状態の平面図を表す。
図16図15のXVI-XVI断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の使い捨ておむつについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0017】
図1図9には、本発明の使い捨ておむつの一例を示した。図1は、止着テープを備えた使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した使い捨ておむつのII-II断面図を表す。図1では、図面の上側がおむつの前側に相当し、図面の下側がおむつの後側に相当する。図1に示した使い捨ておむつにおいて、おむつの右側に取り付けられた止着テープは、止着テープを展開した状態を表し、おむつの左側に取り付けられた止着テープは、止着テープを折り畳んだ状態を表す。図3は、図1に示した使い捨ておむつに備えられた展開状態の止着テープの拡大平面図を表し、図4は、図3のIV-IV断面図を表す。図5は、図3に示した止着テープを第1折り目で折り返した状態の平面図を表し、図6は、図5のVI-VI断面図を表し、図7は、図5に示した止着テープをさらに第2折り目で折り返した状態の平面図を表し、図8は、図7のVIII-VIII断面図を表す。図9は、図1に示した使い捨ておむつに取り付けられた止着テープを図7に示すように折り畳んで、さらにおむつ本体を第3折り目で折り返した状態の平面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
【0018】
使い捨ておむつ1(1A)は、おむつ本体2と、おむつ本体2の幅方向xの両側に取り付けられた止着テープ21とを有する。おむつ本体2は、前側部と後側部とこれらの間に位置する股部とを有し、止着テープ21がおむつ本体2の後側部の両側に取り付けられている。使い捨ておむつ1は、着用の際、前側部を着用者の腹部に、股部を着用者の股間部に、後側部を着用者の背部に当て、止着テープ21をおむつ本体2の前側部に止着することで、パンツ形状に形成して使用する。例えば、おむつ本体2の前側部の外側面に止着対応部10が設けられ、止着テープ21を止着対応部10に止着することで、おむつを着用する。
【0019】
使い捨ておむつ1は、前後方向yと幅方向xを有する。前後方向yとは、使い捨ておむつを着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向xとは、使い捨ておむつと同一面上にあり前後方向yと直交する方向を意味し、使い捨ておむつを着用した際の着用者の左右方向に相当する。また本発明において、使い捨ておむつの肌面側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、使い捨ておむつの外側とは、使い捨ておむつを着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
【0020】
おむつ本体2は、トップシート3と、バックシート4と、これらの間に配された吸収体5とを有する。トップシート3は、使い捨ておむつを着用した際に着用者側に位置するシートであり、バックシート4は、使い捨ておむつを着用した際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートである。着用者から排泄された尿等は、トップシート3を透過して吸収体5に収容される。バックシート4は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
【0021】
トップシート3は液透過性であることが好ましく、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート3として、織布、編布、有孔樹脂フィルム等を用いてもよい。
【0022】
バックシート4は液不透過性であることが好ましく、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、樹脂フィルム等を用いることができる。またバックシート4として、不織布とフィルムとの積層体を用いてもよい。
【0023】
吸収体5は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体5としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは当該成形体を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱溶着性繊維が含まれてもよい。これらの熱溶着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
【0024】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
【0025】
吸収体5は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
【0026】
吸収体5の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体(あるいは吸収体を構成する成形体)の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。なお、吸収体が着用者の大腿部に挟まれて幅方向に圧迫されても歪みにくくする点から、吸収体、あるいは吸収体を構成する成形体は、砂時計形に形成されていることが好ましい。
【0027】
おむつ本体2には、トップシート3の幅方向xの両側に、トップシート3よりも幅方向xの外方に延在するサイドシート6が接合していることが好ましい。サイドシート6は液不透過性であることが好ましく、バックシート4に使用可能なシート材料から構成することができる。
【0028】
サイドシート6は、トップシート3の幅方向xの両側に、立ち上がりフラップ7を形成することが好ましい。この場合、サイドシート6には、図2に示すように、トップシート3との接合部9よりも幅方向xの内方部分に前後方向yに延びる起立用弾性部材8が設けられることが好ましく、起立用弾性部材8の収縮力によってサイドシート6の内方部分が立ち上げられて、立ち上がりフラップ7を形成することができる。立ち上がりフラップ7を設けることにより、尿等の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップ7は前後方向yの端部の内面がトップシート3上に接合されてもよく、これにより、おむつを着用の際に立ち上がりフラップ7が着用者の肌に向かって立ち上がりやすくなる。
【0029】
上記説明した各シートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。各シートの単位面積あたりの質量は、10g/m2以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましく、また40g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましい。
【0030】
おむつ本体2には、幅方向xの両側にそれぞれ、前後方向yに延びる脚周り弾性部材11が設けられることが好ましい(図1を参照)。脚周り弾性部材11を設けることにより、着用者の脚周りにギャザーを形成して脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
【0031】
おむつ本体2には、前後方向yの端部に、幅方向xに延びるウェスト用弾性部材12を設けてもよい。ウェスト用弾性部材12の収縮力により、着用者の胴周りに沿ったウェストギャザーが形成され、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。
【0032】
上記に説明した各弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤等の接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度40~1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1~5.0倍に伸張して配設し、固定する。接着剤としては、ゴム系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
【0033】
止着テープ21は、図3および図4に示すように、テープ基材22と、テープ基材22に設けられた留め具25,26とから構成されている。テープ基材22は、留め具25,26が設けられる第1面23と、第1面23の反対側の第2面24を有する。止着テープ21を折り畳まずに展開した状態で、第1面23はテープ基材22の肌面側の面に対応し、第2面24はテープ基材22の外側の面に対応する。止着テープ21は、テープ基材22の一方端に形成され、おむつ本体2に取り付けられた固定部27と、テープ基材22の他方端に形成されたつまみ部29と、固定部27とつまみ部29の間に位置する中間部28とを有する。止着テープ21において、固定部27と中間部28とつまみ部29は幅方向xに対して区分される。
【0034】
テープ基材22としては、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、あるいはこれらの積層体等を用いることができる。なお、テープ基材22とおむつ本体2との接着性を高める点から、テープ基材22は、織布、編布、または不織布から構成されていることが好ましく、不織布から構成されていることがより好ましい。また、テープ基材22を不織布から構成することにより、テープ基材22を折り返すことが容易になる。
【0035】
テープ基材22に不織布を用いる場合、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることができるが、テープ基材22としては、スパンボンドまたはSMS不織布を用いることが好ましく、スパンボンド不織布を用いることがより好ましい。このような不織布を用いれば、高強度のテープ基材を得やすくなる。また、テープ基材22に用いられる不織布は、エンボス加工されていることが好ましく、これによりテープ基材22に剛性が付与され、止着テープ21の取り扱い性が向上する。
【0036】
テープ基材22の単位面積あたりの質量は、50g/m2以上が好ましく、55g/m2以上がより好ましく、また120g/m2以下が好ましく、100g/m2以下がより好ましい。テープ基材22の単位面積あたりの質量が50g/m2以上であれば、テープ基材22が十分な剛性を有するようになり、後述するようにテープ基材22に開口部が形成されても止着テープ21が歪みにくくなる。テープ基材22の単位面積あたりの質量が120g/m2以下であれば、テープ基材22が厚くなりすぎず、取り扱い性が向上する。
【0037】
固定部27は、テープ基材22の一方端に形成され、おむつ本体2に取り付けられる部分である。固定部27は、接着剤、熱溶着、超音波溶着等の接合手段によりおむつ本体2に固定される。テープ基材22の固定部27は、図4に示すように、サイドシート6とバックシート4の間に配されることが好ましく、これにより止着テープ21をおむつ本体2に安定して取り付けることができる。
【0038】
つまみ部29は、テープ基材22の他方端に形成される部分であり、つまみ部29には、第1留め具25と第2留め具26が設けられている。図面では、1つの止着テープ21につまみ部29が2つ設けられているが、つまみ部29は1つの止着テープ21に対して1つだけ設けられてもよく、3つ以上設けられてもよい。
【0039】
第1留め具25と第2留め具26は、テープ基材22の第1面23に設けられている。第2留め具26は、第1留め具25よりもおむつ本体2側に設けられている。詳細には、第2留め具26は、第1留め具25から離隔して、第1留め具25よりもおむつ本体2側に設けられている。止着テープ21において、テープ基材22の第2面24には留め具は設けられないことが好ましく、また留め具はつまみ部29のみに設けられることが好ましい。
【0040】
第1留め具25と第2留め具26としては、面ファスナーや粘着テープを用いることができる。第1留め具25と第2留め具26は、おむつ本体2の前側部に設けられた止着対応部10と着脱可能に形成されている。面ファスナーとしては、フック・ループ・ファスナーのフック部材やループ部材を用いることができる。留め具25,26として面ファスナーのフック部材を用いる場合は、おむつ本体2の前側部の外側面に面ファスナーのループ部材を止着対応部10として設けたり、あるいは、おむつ本体2の前側部の外側面をループ部材として機能する材料(例えば、不織布、織布、編布等)で構成し、これを止着対応部10としてもよい。留め具25,26として粘着テープを用いる場合は、止着対応部10として、おむつ本体2の前側部の外側面に樹脂フィルムを設けたり、おむつ本体2の前側部の外側面を樹脂フィルムで構成し、これを止着対応部10としてもよい。面ファスナーのフック部材は、例えば、基盤から、錨形や鉤形やきのこ形等の形状のフックが多数突出して構成される。
【0041】
中間部28は、固定部27とつまみ部29との間に形成される部分である。中間部28は、固定部27とつまみ部29との間の部分であって、おむつ本体2に取り付けられず、かつ留め具25,26が設けられない部分に相当する。固定部27と中間部28は、テープ基材22がおむつ本体2に取り付けられる部分の幅方向xの外側縁で区分される。つまみ部29と中間部28は、第2留め具26のおむつ本体2側の側縁(幅方向xの内側縁)で区分される。
【0042】
止着テープ21は、使用前は、図1に示した使い捨ておむつ1の左側に取り付けられた止着テープ21のように、おむつ本体2と重なるように折り畳まれている。このように止着テープ21を折り畳むことにより、使用前の使い捨ておむつ1をコンパクトに形成することができる。以下、止着テープ21の折り畳みについて、図5図8を参照して詳しく説明する。
【0043】
止着テープ21は、つまみ部29に形成された第1折り目F1で、第1留め具25と第2留め具26を内側にして折り返され(図5および図6を参照)、さらに中間部28に形成された第2折り目F2で、折り返されたつまみ部29を内側にして折り返される(図7および図8を参照)。第1折り目F1は第1留め具25と第2留め具26の間に形成され、つまみ部29を第1折り目F1で折り返すことにより、第1留め具25が中間部28と対向し、第2留め具26がつまみ部29と対向する。止着テープ21を第1折り目F1で折り返すことにより、第1留め具25および/または第2留め具26をテープ基材22に仮留めすることができ、おむつ使用前に止着テープ21を安定して折り畳むことができる。
【0044】
止着テープ21の中間部28には、折り返されたつまみ部29の第1留め具25と重なって第1開口部31が形成され、第1開口部31を通して第1留め具25が露出している(図6を参照)。第2折り目F2は折り返されたつまみ部29の先端30よりもおむつ本体2側に形成され、止着テープ21を、第2折り目F2で、折り返されたつまみ部29を内側にして折り返すことにより、第1開口部31を通して露出した第1留め具25がおむつの肌面側を向くようになる(図7おおび図8を参照)。
【0045】
第1折り目F1は、第2留め具26の幅方向xの外側縁に沿って形成されることが好ましく、例えば、第2留め具26の幅方向xの外側縁から幅方向xの外方に3mm以内に形成されることが好ましく、2mm以内に形成されることがより好ましい。このように第1折り目F1が形成されることより、第1折り目F1で折り返されたつまみ部29を手で摘まみやすくなり、止着テープ21の取り扱い性が良好となる。第2留め具26の幅方向xの外側縁は、前後方向yに直線状に延びるように形成されていることが好ましい。
【0046】
第2折り目F2は、おむつ本体2の幅方向xの側縁に沿って形成されることが好ましく、例えば、おむつ本体2の幅方向xの側縁から幅方向xの外方に3mm以内に形成されることが好ましく、2mm以内に形成されることがより好ましい。これにより、止着テープ21をおむつ本体2と重なるようにコンパクトに折り畳むことができる。
【0047】
第1留め具25や第2留め具26のテープ基材22への仮留めが容易になる点から、第1留め具25と第2留め具26は面ファスナーのフック部材から構成され、テープ基材22は不織布から構成されていることが好ましい。
【0048】
第1開口部31の形状や大きさは特に限定されない。第1開口部31の形状は、図3図7に示すように円形であってもよく、楕円形、長円形、半円形や、三角形、四角形等の多角形であってもよい。第1開口部31の大きさは、例えば、幅方向xと前後方向yの長さが5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、また50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、25mm以下がさらに好ましい。
【0049】
使い捨ておむつ1は、上記のように止着テープ21が折り畳まれた上で、止着テープ21の折り返された中間部28を内側にして、おむつ本体2が第3折り目F3で折り返される(図9を参照)。この際、図7および図8に示すように第1開口部31を通して第1留め具25がおむつの肌面側に露出しているため、おむつ本体2を第3折り目F3で折り返すことにより、第1留め具25を第1開口部31を介しておむつ本体2に仮留めすることができる。このように第1留め具25をおむつ本体2に仮留めすることにより、使い捨ておむつ1は、使用前、折り畳んだ状態を安定して維持することができ、例えば使い捨ておむつ1を包装容器から取り出して個別に携帯することが容易になる。また、第1留め具25は第1開口部31を介しておむつ本体2に接合されるため、第1留め具25を比較的弱い接合力でおむつ本体2に仮留めすることができ、第1留め具25をおむつ本体2に仮留めした際におむつ本体2の損傷を抑えることができる。
【0050】
第3折り目F3は、止着テープ21と重ならない位置に形成されることが好ましい。このように第3折り目F3が形成されることにより、止着テープ21が過度に折り返されず、止着テープ21の取り扱い性が良好となる。第3折り目F3は、例えば、立ち上がりフラップ7と重なる位置に形成されることが好ましく、これにより、使い捨ておむつ1を幅方向xに狭く折り畳むことができる。
【0051】
使い捨ておむつ1は、上記のように第3折り目F3で折り返されて幅方向xに3つ折りされた後、さらに前後方向yにも折り畳まれることが好ましい。これにより、使用前の使い捨ておむつ1をコンパクトに折り畳むことができる。使い捨ておむつ1は、前後方向yに2つ折り、3つ折り、または4つ折りされることが好ましい。
【0052】
使い捨ておむつ1を使用する際は、図9に示すように使い捨ておむつ1が第3折り目F3で折り返された状態から、第1留め具25のおむつ本体2への仮留めを解いて、おむつ本体2の第3折り目F3での折り返しを展開し、図7および図8に示すように、使い捨ておむつ1の肌面側から見て折り畳まれた止着テープ21が露出した状態とする。次いで、止着テープ21の第2折り目F2での折り返しを展開して図5および図6に示す状態とし、さらに止着テープ21のつまみ部29の第1折り目F1での折り返しを展開することで、図3および図4に示すように第1留め具25と第2留め具26が完全に露出した状態とする。このように止着テープ21を展開した上で、おむつ本体2を着用者の股間に当てて、第1留め具25と第2留め具26を止着対応部10に止着することで、使い捨ておむつ1を装着することができる。
【0053】
止着テープ21は、第1開口部31の前後方向yの長さが、つまみ部29の先端30の前後方向yの長さよりも短く形成されていることが好ましい。このように止着テープ21が形成されていれば、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、つまみ部29の先端30が第1開口部31に入り込まず、つまみ部29の先端部が不用意に折れ曲がることを防ぐことができる。従って、つまみ部29の先端30は前後方向yに延びる直線状の外縁を有することが好ましい。
【0054】
1つの止着テープ21につまみ部29が複数設けられる場合は、各つまみ部29に対応して第1開口部31が設けられてもよく、そうでなくてもよい。後者の場合、複数設けられたつまみ部29のうちの一部が、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した状態で、第1留め具25と重なる位置に第1開口部31が設けられないこととなる。これにより、使い捨ておむつ1を第3折り目F3で折り返した際に、第1留め具25によるおむつ本体2への仮留めの接合力を弱めることができ、おむつ本体2の損傷をより抑えることができる。
【0055】
1つの止着テープ21につまみ部29が複数設けられる場合、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、複数のつまみ部29の第1留め具25と重なって第1開口部31を設けることもできる。この場合は、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、1つの第1開口部31から複数のつまみ部29の第1留め具25が露出することとなる。
【0056】
第1留め具25は、テープ基材22のつまみ部29を前後方向yに横切るように設けられることが好ましい。このように第1留め具25を設けることにより、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、第1留め具25が中間部28に仮留めできる面積を増やすことができる。また、止着テープ21のつまみ部29の先端部の剛性が高まり、止着テープ21のつまみ部29を指で摘まみやすくなる。
【0057】
第2留め具26は、テープ基材22のつまみ部29を前後方向yに横切るように設けられることが好ましい。このように第2留め具26を設けることにより、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、第2留め具26がつまみ部29に仮留めできる面積を増やすことができる。この場合、つまみ部29が先端30にいくほど前後方向yの長さが短くなるように形成されていると、止着テープ21を第1折り目F1で折り返した際に、第2留め具26の前後方向yの端部が折り返されたつまみ部29と重ならずに露出するようになる。そのため、このように第2留め具26とつまみ部29を形成することにより、止着テープ21を第2折り目F2で折り返した際に、第2留め具26の前後方向yの端部をおむつ本体2に仮留めすることができ、おむつ使用前に止着テープ21を安定して折り畳むことができる。
【0058】
次に、本発明の使い捨ておむつの他の一例について、図10図16を参照して説明する。図10は、止着テープを備えた使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図10において、おむつの右側に取り付けられた止着テープは、止着テープを展開した状態を表し、おむつの左側に取り付けられた止着テープは、止着テープを折り畳んだ状態を表す。図11は、図10に示した使い捨ておむつに備えられた展開状態の止着テープの拡大平面図を表し、図12は、図11のXII-XII断面図を表し、図13は、図11に示した止着テープを第1折り目で折り返した状態の平面図を表し、図14は、図13のXIV-XIV断面図を表し、図15は、図13に示した止着テープをさらに第2折り目で折り返した状態の平面図を表し、図16は、図15のXVI-XVI断面図を表す。なお下記において、上記の説明と重複する部分の説明は省略する。
【0059】
図10図16に示した使い捨ておむつ1(1B)は、図1図9に示した使い捨ておむつ1Aに対し、止着テープ21のつまみ部29にさらに第2開口部32が設けられたものとなっている。第2開口部32は第1留め具25と第2留め具26の間に設けられ(図10図12を参照)、第2開口部32が第2留め具26に重なるように、つまみ部29が第1折り目F1で折り返される(図13および図14を参照)。これにより、第2留め具26が第2開口部32を通して露出することとなる。使い捨ておむつ1Bはこのように第2開口部32が設けられることにより、止着テープ21をさらに第2折り目F2で折り返した際に、第2留め具26を第2開口部32を介しておむつ本体2に仮留めすることができる(図15および図16を参照)。なお図16では、第2留め具26が第2開口部32を介しておむつ本体2のサイドシート6から離れて描かれているが、第2留め具26をサイドシート6側に押し付けることにより、第2留め具26を第2開口部32を介してサイドシート6に仮留めすることができる。このように止着テープ21を折り畳むことにより、使い捨ておむつ1の使用前、第1留め具25と第2留め具26が意図せず他の部材に接合しにくくなり、おむつの取り扱い性が向上する。また、第2留め具26を第2開口部32を介しておむつ本体2に仮留めすることによって、止着テープ21を折り畳んだ状態が好適に維持される。
【0060】
使い捨ておむつ1Bは、上記のように第2開口部32が止着テープ21に設けられることにより、おむつを装着する際、第1折り目F1の折り返しを展開せずに図13および図14に示した状態で、第2開口部32から露出した第2留め具26をおむつ本体2の止着対応部10に仮止着することができるという効果も得られる。この場合、第2留め具26は第2開口部32を介しておむつ本体2の止着対応部10に接合されるため、止着テープ21を弱い力で止着対応部10に止着させることができる。そのため、使い捨ておむつ1Bの装着の際、おむつ本体2の幅方向xの両側に設けられた止着テープ21の止着対応部10への止着位置を調整することが容易になる。止着テープ21の止着位置が決まったら、止着テープ21の仮止着を1つずつ解除して改めて止着対応部10に止着し直す、すなわち、止着テープ21の第1折り目F1の折り返しを展開して、第1留め具25と第2留め具26を止着対応部10に止着することで、使い捨ておむつ1Bを着用者の腰周りに左右のバランス良く適度な締め付け具合で装着することが容易になる。
【0061】
つまみ部29に第2開口部32が設けられる場合、第1折り目F1は、第2留め具26と第2開口部32の間または第2開口部32と重なる部分に形成されればよく、好ましくは、第2留め具26と第2開口部32の間に形成される。これにより、第2開口部32を過度に大きく形成しなくて済み、また第2開口部32に第1折り目F1が形成されないことにより、つまみ部29の剛性を確保しやすくなる。また、第1折り目F1で折り返されたつまみ部29の折り返し部分(すなわち、折り返されたつまみ部29の第1折り目F1の近傍部分)を手で摘まみやすくなり、止着テープ21の取り扱い性が良好となる。
【0062】
なお使い捨ておむつ1Bでは、止着テープ21が第1折り目F1で折り返された状態、あるいはさらに第2折り目F2で折り返された状態で、第1開口部31が第2開口部32と重なって配置されないことが好ましい。これにより、止着テープ21を折り畳んだ状態で、止着テープ21に第1開口部31と第2開口部32の重なりによる開口が形成されず、止着テープ21が不用意におむつ本体2や他の部材に引っ掛かることが防止される。
【0063】
第2開口部32の形状や大きさは特に限定されない。第2開口部32の形状は、図11図13に示すように円形であってもよく、楕円形、長円形、半円形や、三角形、四角形等の多角形であってもよい。第2開口部32の大きさは、例えば、幅方向xと前後方向yの長さが5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、また30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。
【0064】
第2開口部32は、第1開口部31よりも面積が小さいことが好ましい。第2開口部32が複数設けられる場合は、各第2開口部32の面積が第1開口部31の面積(第1開口部31が複数設けられる場合は各第1開口部31の面積)よりも小さいことが好ましい。第2開口部32は止着テープ21のつまみ部29に形成されるが、第2開口部32の面積を小さくすることで、止着テープ21のつまみ部29の剛性を確保しやすくなる。一方、第1開口部31は止着テープ21のおむつ本体2に近い中間部28に形成され、第1開口部31を比較的に広い面積で設けても止着テープ21の中間部28の剛性を確保することが可能となる。また、第1開口部31を広い面積で設けることで、使い捨ておむつ1Bを第3折り目F3で折り返した際に、第1留め具25を確実におむつ本体2に仮留めしやすくなる。同様の観点から、第1開口部31の前後方向yの長さが、第2開口部32の前後方向yの長さよりも長いことも好ましい。
【符号の説明】
【0065】
1,1A,1B: 使い捨ておむつ
2: おむつ本体
3: トップシート
4: バックシート
5: 吸収体
21: 止着テープ
22: テープ基材
25: 第1留め具
26: 第2留め具
27: 固定部
28: 中間部
29: つまみ部
30: (つまみ部の)先端
31: 第1開口部
32: 第2開口部
F1: 第1折り目
F2: 第2折り目
F3: 第3折り目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16