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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】電池の製造方法および電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20230724BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20230724BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/262 P
H01M50/262 Z
H01M50/289
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020063384
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163601
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100113011
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸得
(72)【発明者】
【氏名】江川 太一
(72)【発明者】
【氏名】刑部 友敬
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-050187(JP,A)
【文献】特表2020-501320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0214570(US,A1)
【文献】特開2006-339031(JP,A)
【文献】特表2008-535175(JP,A)
【文献】国際公開第2019/244413(WO,A1)
【文献】特表2016-516265(JP,A)
【文献】特表2014-517995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルアレイおよびケースを備える電池の製造方法であって、
前記セルアレイは、一定方向に配列された複数の単セルを含み、
前記ケースは、前記単セルの配列方向を長手方向とする一対の区画部材と、前記長手方向の第1端部に設けられる第1エンド部材と、を備え、
前記製造方法は、
前記区画部材と、前記第1エンド部材とで囲まれる空間に、前記セルアレイと、前記セルアレイを隔てて前記第1エンド部材と向かい合う第2エンド部材と、を配置するステップと、
前記第2エンド部材の外部から前記セルアレイを圧縮する方向に、前記セルアレイを拘束する荷重を加えながら、前記区画部材のそれぞれと、前記第2エンド部材とを、前記長手方向の第2端部において接合するステップと、
を備え
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップが、
前記第2エンド部材の側面の中央部に前記荷重を加えるステップと、
前記第2エンド部材のエッジ部を、当該エッジ部と向かい合う前記区画部材のそれぞれの表面に溶接するステップと、
を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電池の製造方法であって、
前記ケースは、前記区画部材の間を連結する連結部材を更に備え、
前記製造方法は、前記ケースのフレーム部材を準備するステップを更に備え、
前記フレーム部材の準備ステップにおいて、前記区画部材および前記連結部材が、一枚の板材のプレス加工により一体成型される
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電池の製造方法であって、
前記長手方向に直交する前記ケースの深さ方向において、前記第2エンド部材の長さは、前記第2エンド部材と向かい合う前記区画部材の長さ以下である
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
前記第2エンド部材は、前記セルアレイの側面と向かい合う外側面を有するトレー状部材と、前記トレー状部材の内側面を支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記内側面に接触する接触部と、前記接触部と平行に設けられた平行部と、前記接触部と前記平行部の間を連結する連結部と、を備え、
前記接触部および前記平行部は、前記区画部材が向かい合う方向に延びており、
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップにおいて、前記荷重が前記平行部に加えられる
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
前記第2エンド部材は、前記セルアレイの側面と向かい合う外側面を有するトレー状部材と、前記トレー状部材の内側面を支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記内側面に接触する接触部と、前記接触部と平行に延びる平行部と、前記接触部と前記平行部の間を連結する連結部と、を備え、
前記接触部および前記平行部は、前記区画部材が向かい合う方向に延びており、
前記製造方法は、前記第2エンド部材を準備するステップを更に備え、
前記第2エンド部材の準備ステップにおいて、前記平行部のエッジ部が、当該エッジ部と向かい合う前記内側面にそれぞれ溶接され、
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップにおいて、前記トレー状部材のエッジ部が、当該エッジ部と向かい合う前記区画部材のそれぞれの表面に溶接され、
前記トレー状部材の前記長手方向と平行な方向において、前記区画部材との接合箇所が、前記支持部材との接合箇所と一致しない
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
前記ケースのフレーム部材を準備するステップと、
前記第1エンド部材を準備するステップと、
前記ケースを準備するステップと、
を備え、
前記ケースの準備ステップが、
前記フレーム部材の端部に前記第1エンド部材を配置するステップと、
前記区画部材と、前記第1エンド部材とを接合するステップと、
を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
前記第1エンド部材と前記第2エンド部材は、同一部材から構成され、
前記製造方法は、前記第1エンド部材および前記第2エンド部材を準備するステップを更に備える
ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法により製造された電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の製造方法および電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-075226号公報は、トレー状の収容部と、セルアレイと、を備える電池の製造方法を開示する。この従来の方法では、セルアレイが準備される。セルアレイは、一定方向に配列された複数の単セルを含んでいる。これらの単セルの配列方向の両端には、エンド部材が設けられている。エンド部材には、セルアレイを拘束するための治具(拘束治具)が着脱可能に取り付けられている。
【0003】
この従来の方法では、また、収容部の長手方向の一端に、スペーサが配置される。スペーサは、収容部に収容された後のセルアレイの拘束荷重を調整するために用いられる。スペーサが配置された収容部の一端には、治具(挟持スペーサ)が取り付けられる。挟持スペーサは、収容部内でスペーサが倒れるのを抑えるために用いられる。
【0004】
従来の方法では、挟持スペーサによって収容部の一端にスペーサを押し付けている間に、拘束治具によって拘束されたセルアレイが収容部に挿入される。その後、エンド部材から拘束治具が取り外され、更には、収容部から挟持スペーサが取り外される。以上のステップを経ることで、セルアレイが拘束された状態で収容部に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-075226号公報
【文献】国際公開第2019/031169号
【文献】特開2017-021960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スペーサが利用される従来の方法には次の問題がある。第1に、電池の製造のたびに所望のサイズを有するスペーサを準備しなければならない。そのため、製造工程が煩雑化し易く、電池の生産性が低下するおそれがある。第2に、挟持スペーサの厚みに相当するスペースを収容部に確保しなければならない。そのため、電池のサイズの増大が避けられない。
【0007】
電池のサイズが増大する問題は、拘束治具の厚みに相当するスペースの確保によっても生じうる。更に、従来の方法は、拘束治具を用いたセルアレイの収容部への挿入の際、収容後のセルアレイの拘束荷重よりも大きな荷重が一時的にセルアレイに加えられる。必要以上の荷重の印加は、最終製品の歩留まりや信頼性の低下に繋がるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、電池の生産性を高めることが可能な技術を提供することにある。本発明の別の目的は、電池のサイズの増大を抑えることが可能な技術を提供することにある。本発明のまた別の目的は、最終製品の歩留まりや信頼性の低下を抑えることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、セルアレイおよびケースを備える電池の製造方法であり、次の特徴を有する。
前記セルアレイは、一定方向に配列された複数の単セルを含む。
前記ケースは、前記単セルの配列方向を長手方向とする一対の区画部材と、前記長手方向の第1端部に設けられる第1エンド部材と、を備える。
前記製造方法は、
前記区画部材と、前記第1エンド部材とで囲まれる空間に、前記セルアレイと、前記セルアレイを隔てて前記第1エンド部材と向かい合う第2エンド部材と、を配置するステップと、
前記第2エンド部材の外部から前記セルアレイを圧縮する方向に、前記セルアレイを拘束する荷重を加えながら、前記区画部材のそれぞれと、前記第2エンド部材とを、前記長手方向の第2端部において接合するステップと、
を備える。
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップは、
前記第2エンド部材の側面の中央部に前記荷重を加えるステップと、
前記第2エンド部材のエッジ部を、当該エッジ部と向かい合う前記区画部材のそれぞれの表面に溶接するステップと、
を備える。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において更に次の特徴を有する。
前記ケースは、前記区画部材の間を連結する連結部材を更に備える。
前記製造方法は、前記ケースのフレーム部材を準備するステップを更に備える。
前記フレーム部材の準備ステップにおいて、前記区画部材および前記連結部材が、一枚の板材のプレス加工により一体成型される。
【0011】
第3の発明は、第1または2の発明において更に次の特徴を有する。
前記長手方向に直交する前記ケースの深さ方向において、前記第2エンド部材の長さは、前記第2エンド部材と向かい合う前記区画部材の長さ以下である。
【0013】
の発明は、第1~のいずれか1つの発明において更に次の特徴を有する。
前記第2エンド部材は、トレー状部材と、支持部材と、を備える。前記トレー状部材は、前記セルアレイの側面と向かい合う外側面を有する。前記支持部材は、前記トレー状部材の内側面を支持する。
前記支持部材は、接触部と、平行部と、連結部と、を備える。前記接触部は、前記内側面に接触する。前記平行部は、前記接触部と平行に延びる。前記連結部は、前記接触部と前記平行部の間を連結する。前記接触部および前記平行部は、前記区画部材が向かい合う方向に延びている。
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップにおいて、前記荷重が前記平行部に加えられる。
【0014】
の発明は、第1~のいずれか1つの発明において更に次の特徴を有する。
前記第2エンド部材は、トレー状部材と、支持部材と、を備える。前記トレー状部材は、前記セルアレイの側面と向かい合う外側面を有する。前記支持部材は、前記トレー状部材の内側面を支持する。
前記支持部材は、接触部と、平行部と、連結部と、を備える。前記接触部は、前記内側面に接触する。前記平行部は、前記接触部と平行に設けられる。前記連結部は、前記接触部と前記平行部の間を連結する。前記接触部および前記平行部は、前記区画部材が向かい合う方向に延びている。
前記製造方法は、前記第2エンド部材を準備するステップを更に備える。
前記第2エンド部材の準備ステップにおいて、前記平行部のエッジ部が、当該エッジ部と向かい合う前記内側面にそれぞれ溶接される。
前記区画部材と前記第2エンド部材の接合ステップにおいて、前記トレー状部材のエッジ部が、当該エッジ部と向かい合う前記区画部材のそれぞれの表面に溶接される。
前記トレー状部材の前記長手方向と平行な方向において、前記区画部材との接合箇所が、前記支持部材との接合箇所と一致しない。
【0015】
の発明は、第1~のいずれか1つの発明において更に次の特徴を有する。
前記製造方法は、
前記ケースのフレーム部材を準備するステップと、
前記第1エンド部材を準備するステップと、
前記ケースを準備するステップと、
備える。
前記ケースの準備ステップは、
前記フレーム部材の端部に前記第1エンド部材を配置するステップと、
前記区画部材と、前記第1エンド部材とを接合するステップと、
を備える。
【0016】
の発明は、第1~のいずれか1つの発明において更に次の特徴を有する。
前記第1エンド部材と前記第2エンド部材は、同一部材から構成される。
前記製造方法は、前記第1エンド部材および前記第2エンド部材を準備するステップを更に備える。
【0017】
の発明は、第1~のいずれか1つの発明により製造された電池である。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、セルアレイを拘束する荷重を加えながら、ケースと第2エンド部材の接合が行われる。そのため、従来の電池において必須とされていたスペーサに頼ることなく、最終製品におけるセルアレイの拘束荷重を容易に実現することが可能となる。したがって、電池の生産性を高めることが可能となる。
【0019】
第1の発明によれば、また、セルアレイの配列方向のサイズの管理が簡素化されることも期待される。したがって、最終製品の歩留まりや信頼性の低下を抑えることが可能となる。更に、製造コストを削減することも可能となる。
【0020】
第1の発明によれば、また、スペーサを使用することなく電池を製造することが可能となる。したがって、最終製品のサイズの増大を抑えることが可能となり、また、最終製品のコストを低減することも可能となる。
【0021】
第1の発明によれば、また、第2エンド部材の側面の中央部に荷重が加えられている間に、この第2エンド部材のエッジ部が、このエッジ部と向かい合う側板のそれぞれの表面に溶接される。したがって、セルアレイに加えられる荷重を所定荷重に保ちながら、第2エンド部材のエッジ部を区画部材の表面に接合することが可能となる。
【0022】
第2の発明によれば、フレーム部材の準備ステップにおいて、区画部材および連結部材が、一枚の板材のプレス加工により一体成型される。そのため、製造コストを削減することが可能となる。また、ダイキャストでケースを準備する場合に比べてケースの厚みの増大を抑えることも可能となる。したがって、最終製品のサイズの増大を抑えることが可能となる。
【0023】
第3の発明によれば、ケースの深さ方向における区画部材の長さ以下の長さを有する第2エンド部材と、区画部材との接合ステップにおいて、第2エンド部材のエッジ部が、このエッジ部と向かい合う区画部材のそれぞれの表面に溶接される。そのため、第2エンド部材のエッジ部を、区画部材の表面に確実に接合することが可能となる。
【0024】
の発明によれば、区画部材と第2エンド部材の接合ステップにおいて、支持部材の平行部に荷重が加えられる。ここで、支持部材は、平行部に加えて、接触部と連結部とを備えている。そのため、区画部材と第2エンド部材の接合ステップにおいて平行部に加えられた荷重は、連結部および接触部を介してトレー状部材にも作用する。また、ここで、接触部および平行部は、区画部材が向かい合う方向に延びている。そのため、トレー状部材に作用する荷重は、この方向に分散する。これにより、セルアレイの側面の水平方向に均一な圧力が加わる。従って、区画部材と第2エンド部材の接合を安定化して、最終製品の歩留まりや信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0025】
の発明によれば、区画部材と第2エンド部材の接合ステップにおけるトレー状部材の区画部材との接合箇所を、第2エンド部材の準備ステップにおいて形成されるトレー状部材の支持部材との接合箇所と異なる位置に形成することが可能となる。そのため、トレー状部材の区画部材との接合強度を確保することが可能となる。
【0026】
の発明によれば、ケースを簡易に準備することが可能となる。したがって、低コストで最終製品を製造することが可能となる。
【0027】
の発明によれば、第1および第2エンド部材を同時に準備することが可能となる。したがって、これらのエンド部材を異なる部材を用いて別々に準備する場合に比べて、製造コストおよび最終製品のコストを低減することが可能となる。
【0028】
の発明によれば、信頼性が高く小型化された電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施の形態に係る電池の製造方法の流れを説明するフローチャートである。
図2】ステップS1の第1の例を示す図である。
図3】ステップS1の第2の例を示す図である。
図4】ステップS2の第1の例を示す図である。
図5】ステップS2の第2の例を示す図である。
図6】ステップS3の一例を示す図である。
図7】ステップS4の一例を示す図である。
図8】ケースと第2エンド部材の接合箇所の一例を示す図である。
図9】仕切り板を備えるケースに適用されるステップS4の一例を示す図である。
図10】ステップS1における構成部材の準備方法の流れを説明するフローチャートである。
図11】ステップS12の一例を示す図である。
図12】トレー状部材と支持部材の接合箇所の一例を示す図である。
図13図12で説明した接合箇所と、図8で説明した接合箇所との位置関係を説明する図である。
図14】フレーム部材と第1エンド部材の接合箇所の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係る電池の製造方法と、この製造方法により製造される電池と、について、図面を参照しながら説明する。この製造方法により製造される電池は、車両などの移動体に好適に適用される。
【0031】
1.電池の製造方法
1-1.製造方法の流れ
図1は、本実施の形態に係る電池の製造方法の流れを説明するフローチャートである。図1に示されるように、本実施の形態に係る製造方法は、電池の主要な構成部材を準備するステップ(S1)と、セルアレイをケースの収容空間に配置するステップ(S2)と、第2エンド部材を収容空間に配置するステップ(S3)と、セルアレイに荷重を加えながら、ケースと第2エンド部材を接合するステップ(S4)と、を備えている。以下、ステップS1~S4について説明する。
【0032】
1-2.各ステップの説明
1-2-1.ステップS1
ステップS1では、電池の主要な構成部材が準備される。図2は、ステップS1の第1の例を示す図である。この第1の例では、ケース1と、第2エンド部材2と、複数の単セル3とが、構成部材として準備される。なお、図2には、複数の単セル3のうちの1つのみが示される。
【0033】
ケース1は、底板11と、一対の側板12および13と、第1エンド部材14と、を備えている。ケース1の長手方向(X軸の方向)の一端は開口している。ケース1の深さ方向(Z軸の方向)の一端も開口している。底板11は、側板12と13の間を連結する「連結部材」である。底板11の中央部には、ケース1の長手方向に沿って長方形状のスリットが形成されている。スリットは、複数の単セル3を冷却する目的で形成される。第1エンド部材14は、ケース1の長手方向の端部(第1端部)に設けられている。第1エンド部材14は、側板12および13と繋がっている。第1エンド部材14は、更に、底板11と繋がっていてもよい。
【0034】
第2エンド部材2は、第1エンド部材14と組み合わせられることによって電池の一部を構成する。最終製品において、第2エンド部材2は、第1エンド部材14と共にセルアレイを挟み込んで拘束する。セルアレイは、ケース1の長手方向に沿って並べられた複数の集合体である。第2エンド部材2の構成の詳細については後述される。
【0035】
複数の単セル3のそれぞれは、樹脂製のフレームと、いわゆる膜電極接合体と、から構成される。このような単セル3の構成については公知である。そのため、単セル3の構成の説明については省略される。
【0036】
図3は、ステップS1の第2の例を示す図である。この第2の例では、第2エンド部材2aおよび2bが構成部材として準備される。第2の例では、また、複数の単セル3aと、複数の単セル3bと、が構成部材として準備される。なお、図3には、複数の単セル3aと、複数の単セル3bのうちの1組のみが示される。第2の例では、更に、仕切り板15および16が構成部材として準備される。第2エンド部材2aおよび2bは、同一部材である。同一部材であるとは、使用材料や形状が共通することを意味する。単セル3aおよび3bも同一部材である。仕切り板15および16も同一部材である。
【0037】
第2の例において、ケース1は、底板11と、一対の側板12および13と、第1エンド部材14aおよび14bと、仕切り板15および16と、を備えている。仕切り板15は、第1エンド部材14aに繋がっている。第1エンド部材14aは、側板12に繋がっている。仕切り板16は、第1エンド部材14bに繋がっている。第1エンド部材14bは、側板13に繋がっている。第1エンド部材14aおよび14bは、更に、底板11と繋がっていてもよい。
【0038】
仕切り板15は、側板12と組み合わせられることでケース1の収容空間を区画する。仕切り板16は、側板13と組み合わせられることでケース1の別の収容空間を区画する。これらの収容空間は、ケース1の幅方向(Y軸の方向)に形成される。このように、側板12、13、仕切り板15および16は、それらの組み合わせに応じて、ケース1の「区画部材」を構成する。なお、第2の例において、仕切り板15および16の一方が省略されてもよい。この場合は、省略された仕切り板の機能を、残された仕切り板に付与すればよい。
【0039】
1-2-2.ステップS2
ステップS2では、セルアレイがケースの収容空間に配置される。図4は、ステップS2の第1の例を示す図である。この第1の例では、複数の単セル3それぞれが、ケース1の収容空間4に独立して並べられる。収容空間4は、少なくとも側板12および13と、第1エンド部材14と、により囲まれる空間である。収容空間4は、実際には、底板11と、側板12および13と、第1エンド部材14と、により囲まれる空間である。
【0040】
個々の単セル3の収容空間4への挿入方向は、ケース1の長手方向からでもよいし((i)の方向)、ケース1の深さ方向からでもよい((ii)の方向)。収容空間4に並べられた複数の単セル3は、セルアレイを構成する。複数の単セル3の総数は、ケース1の長手方向における収容空間4のサイズと、個々の単セル3の厚さ方向のサイズと、に応じて適宜変更される。
【0041】
図5は、ステップS2の第2の例を示す図である。この第2の例では、ケース1(収容空間4)の外部において、セルアレイ5が組み立てられる。セルアレイ5の収容空間4への挿入は、セルアレイ5の配列方向をケース1の長手方向に揃えて行われる。セルアレイ5の挿入方向は、ケース1の長手方向からでもよいし((i)の方向)、ケース1の深さ方向からでもよい((ii)の方向)。
【0042】
1-2-3.ステップS3
ステップS3では、第2エンド部材が収容空間に配置される。図6は、ステップS3の一例を示す図である。この例では、セルアレイ5を隔てて第1エンド部材14と向かい合うように第2エンド部材2が配置される。第2エンド部材2の収容空間4への挿入方向は、ケース1の長手方向からでもよいし((i)の方向)、ケース1の深さ方向からでもよい((ii)の方向)。
【0043】
ステップS3は、ステップS2の一環として行われてもよい。具体的に、図4で説明した第1の例において、セルアレイ5の配列方向における末端に位置する単セル3に第2エンド部材2を装着して一体化し、収容空間4にこれを配置してもよい。この場合は、ステップS3が実質的にステップS2に組み込まれる。また、図5で説明した第2の例において、セルアレイ5の配列方向の末端に第2エンド部材2を装着して一体化し、収容空間4にこれを配置してもよい。
【0044】
1-2-4.ステップS4
ステップS4では、セルアレイに荷重を加えながら、ケースと第2エンド部材が接合される。図7は、ステップS4の一例を示す図である。図7に示す例では、第2エンド部材2の側面の中央部に加圧治具6が押し当てられる。ケース1の長手方向の移動は、固定治具(不図示)によって規制されている。そのため、加圧治具6をケース1の長手方向に沿って移動させると、セルアレイ5がこの方向(すなわち、配列方向)に圧縮される(図7上段)。
【0045】
加圧治具6によりセルアレイ5に加えられる荷重Fは、荷重センサ(不図示)によって計測される。加圧治具6の移動は、計測荷重が所定荷重以上となるまで継続される。所定荷重は、最終製品におけるセルアレイ5の拘束荷重に応じて事前に設定されている。
【0046】
計測荷重が所定荷重以上となると、加圧治具6の移動が停止される。加圧治具6の移動が停止されると、ケース1の長手方向の端部(第2端部)で第2エンド部材2が停止する。計測荷重が所定荷重に保たれるように、計測荷重に応じて加圧治具6の停止位置(つまり、第2エンド部材2の停止位置)が微調整されてもよい。図7に示す例では、計測荷重を所定荷重に保ちながら、ケース1と第2エンド部材2の接合が行われる(図7下段)。この接合は、接合治具7を用いて行われる。接合治具7による接合は、アーク溶接、レーザ溶接などのいわゆる「融接」を利用して行われる。
【0047】
図8は、ケース1と第2エンド部材2の接合箇所の一例を示す図である。図8に示されるように、接合箇所71は、第2エンド部材2のエッジ部と向かい合う側板12および13の表面に、このエッジ部に沿って帯状に形成される。ケース1の深さ方向における第2エンド部材2の長さは、側板12または13のそれよりも短い。そのため、接合箇所71は必ず、第2エンド部材2のエッジ部と向かい合う側板12および13の表面に形成される。接合箇所71の形状は特に限定されず、ドット状でもよい。接合箇所71の数も特に限定されず、側板12および13の表面に、接合箇所71が1つずつ形成されていてもよい。
【0048】
側板12および13の表面に接合箇所71が形成されると、第2エンド部材2は停止位置で接合される。また、接合箇所71が形成されると、第1エンド部材14と、第2エンド部材2とによって、セルアレイ5が拘束される。このときのセルアレイ5の拘束荷重は、所定荷重と等しい。
【0049】
また、接合箇所71が形成されると、ケース1の幅方向において側板12および13に作用する力に対抗することが可能となり、側板12および13の変形が抑えられる。なお、接合箇所71は、第2エンド部材2のエッジ部と向かい合う底板11の表面に形成されていてもよい。底板11の表面に接合箇所71が形成されると、ケース1の深さ方向において底板11に作用する力に対抗することが可能となる。
【0050】
図9は、図3で説明した仕切り板15および16を備えるケース1に適用されるステップS4の一例を示す図である。図9に示す例では、ケース1と第2エンド部材2aの接合と、ケース1と第2エンド部材2bの接合とが、独立して行われる。具体的に、図7で説明した一連の接合が、第2エンド部材2a、2bの順に行われる。図9に示す例では、第2エンド部材2aが、側板12および仕切り板15と接合される。第2エンド部材2bは、側板13および仕切り板16と接合される。
【0051】
仕切り板15および16を備えるケース1に適用されるステップS4の別の例では、セルアレイ5aと5bの両方を圧縮しながら、ケース1と、第2エンド部材2aおよび2bとの接合が同時に行われる。この例では、セルアレイ5aおよび5bをそれぞれ圧縮するために、2基の加圧治具6が使用される。
【0052】
1-3.ステップS1の詳細な説明
図10は、ステップS1における構成部材の準備方法の流れを説明するフローチャートである。図10に示されるように、ステップS1における準備方法は、フレーム部材を準備するステップ(S11)と、第1および第2エンド部材を準備するステップ(S12)と、フレーム部材と第1エンド部材を接合するステップ(S13)と、をサブステップとして備えている。ステップS11とS12の順序が逆転していてもよい。以下、ステップS11~S13を説明する。
【0053】
1-3-1.ステップS11
ステップS11では、フレーム部材が準備される。フレーム部材は、一枚の金属板材の加工により一体成型される。金属板材の加工には、プレス加工(例えば、絞り成形、曲げ成形)と、型抜き加工と、穴抜き加工と、が含まれる。プレス加工が行われると、断面が略U字型の収容形状を有する部材が得られる。この部材の底板に対して型抜き加工が行われると、底板11のスリットに相当する面積の金属板材が打ち抜かれる。穴抜き加工が行われると、各種のネジ孔が金属板材に形成される。一連の加工が行われると、底板11と、側板12および13と、を備えるフレーム部材が準備される。
【0054】
図3で説明した仕切り板15および16を備えるケース1が準備される場合、ステップS11では、フレーム部材に加えて、これらの仕切り板が準備される。これらの仕切り板も、金属板材の加工により成型される。
【0055】
1-3-2.ステップS12
ステップS12では、第1および第2エンド部材が準備される。第1および第2エンド部材は、同一部材である。そのため、ステップS12の段階では、どちらのエンド部材として使用するかは決まっていない。ただし、以下では、第2エンド部材を準備すると仮定して説明する。図11は、ステップS12の一例を示す図である。図11に示される例では、まず、トレー状部材21と、支持部材22とが準備される(図11上段)。
【0056】
トレー状部材21は、フレーム部材同様、金属板材の加工により成型される。トレー状部材21は、外側面21aと、内側面21bとを備えている。外側面21aは、最終製品においてセルアレイ5の側面に向かい合う面である。内側面21bは、支持部材22によって支持される面である。
【0057】
支持部材22も、金属板材の加工により成型される。支持部材22は、接触部22aと、平行部22bと、連結部22cと、を備えている。接触部22aは、支持部材22がトレー状部材21と組み合わされたときに、内側面21bに接触する部位である。平行部22bは、接触部22aと平行に延びる部位である。平行部22bは、ステップS4において、加圧治具6が押し当てられる部位でもある。連結部22cは、接触部22aと平行部22bを連結する部位である。接触部22aの数は2つであり、平行部22bの数は3つであり、連結部22cの数は4つである。
【0058】
図11に示されるように、支持部材22は、断面が略W字型の形状を有している。平行部22bおよび連結部22cの外周部は、支持部材22がトレー状部材21と組み合わされたときに、内側面21bに接触する。このように、支持部材22は、接触部22a、平行部22bおよび連結部22cがそれぞれ内側面21bを支持する。
【0059】
図11に示される例では、続いて、トレー状部材21と支持部材22の接合が行われる(図11下段)。この接合は、接合治具7を用いて行われる。接合治具7による接合は、アーク溶接、レーザ溶接などのいわゆる「融接」を利用して行われる。
【0060】
図12は、トレー状部材21と支持部材22の接合箇所の一例を示す図である。図12に示されるように、接合箇所72は、平行部22bのエッジ部が向かい合う内側面21bに、このエッジ部に沿って帯状に形成される。接合箇所72の形状は特に限定されず、ドット状でもよい。接合箇所72の数も特に限定されない。
【0061】
ここで、図13を参照して、図12で説明した接合箇所72と、図8で説明した接合箇所71との位置関係を説明する。図13は、接合箇所71および72の位置の例を示す断面図である。図13に示されるように、支持部材22の奥行き方向(X軸の方向)の長さは、トレー状部材21の高さ方向(X軸の方向)のそれよりも短い。そのため、接合箇所72は必ず、平行部22bのエッジ部と向かい合う内側面21bに形成される。一方、図8で説明したように、接合箇所71は、第2エンド部材2のエッジ部に沿って形成される。したがって、X軸の方向において、接合箇所72は接合箇所71よりもセルアレイ5に近い側に位置することになる。
【0062】
1-3-3.ステップS13
ステップS13では、フレーム部材と第1エンド部材とが接合される。ステップS13では、まず、第1エンド部材がフレーム部材の長手方向の端部(第1端部)に配置される。続いて、フレーム部材と第1エンド部材の接合が行われる。この接合は、接合治具7を用いて行われる。接合治具7による接合は、アーク溶接、レーザ溶接などのいわゆる「融接」を利用して行われる。
【0063】
図14は、フレーム部材と第1エンド部材14の接合箇所の一例を示す図である。図14に示されるように、接合箇所73は、第1エンド部材14のエッジ部と向かい合う側板12および13の表面に、このエッジ部に沿って帯状に形成される。フレーム部材の深さ方向における第1エンド部材14の長さは、側板12または13のそれよりも短い。そのため、接合箇所73は必ず、第1エンド部材14のエッジ部と向かい合う側板12および13の表面に形成される。接合箇所73の形状および数が特に特定されないことは、図8で説明した接合箇所71と同じである。
【0064】
ステップS13の別の例では、第1エンド部材14がフレーム部材にネジ留めされる。ステップS13のまた別の例では、第1エンド部材14がフレーム部材に摩擦撹拌接合により接合される。ステップS13の更に別の例では、第1エンド部材14がフレーム部材に接着剤を用いて接合される。
【0065】
図3で説明した仕切り板15および16を備えるケース1が準備される場合、ステップS13では、フレーム部材および仕切り板15と、第1エンド部材14aとが接合される。また、フレーム部材および仕切り板16と、第1エンド部材14bとが接合される。
【0066】
ステップS11~13の一連のステップを経ることで、ケース1が準備される。
【0067】
1-4.効果
本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS4において、セルアレイ5に所定荷重を加えながら、ケース1と第2エンド部材2の接合が行われる。そのため、従来の電池において必須とされていたスペーサに頼ることなく、最終製品におけるセルアレイ5の拘束荷重を容易に実現することが可能となる。したがって、電池の生産性を高めることが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS4におけるセルアレイ5の配列方向のサイズの管理が簡素化されることも期待される。したがって、最終製品の歩留まりや信頼性の低下を抑えることが可能となる。更に、製造コストを削減することも可能となる。
【0069】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、スペーサを使用することなく電池を製造することが可能となる。したがって、最終製品のサイズの増大を抑えることが可能となり、また、最終製品のコストを低減することも可能となる。
【0070】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS4において、第2エンド部材2のエッジ部と向かい合う側板12および13の表面に、このエッジ部に沿って接合箇所71が形成される。そのため、ケース1の幅方向において側板12および13に作用する力に対抗することが可能となり、側板12および13の変形が抑えられた最終製品を得ることが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS11において、ケース1のフレーム部材が1枚の金属板材のプレス加工により一体成型される。そのため、製造コストを削減することが可能となる。また、ダイキャストでケース1を準備する場合に比べてケース1の厚みの増大を抑えることも可能となる。したがって、最終製品のサイズの増大を抑えることが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS4において、第2エンド部材2のエッジ部が、このエッジ部と向かい合う側板12および13のそれぞれの表面に溶接される。そして、フレーム部材の深さ方向における第1エンド部材14の長さは、側板12または13のそれよりも短い。したがって、第2エンド部材のエッジ部を、これらの側板の表面に確実に接合することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS12において、第2エンド部材2が準備される。そのため、ステップS4において加圧治具6から加えられる荷重を側板12および13が向かい合う方向に分散して、セルアレイ5の側面の水平方向に均一な圧力を加えることが可能となる。従って、ケース1と第2エンド部材2の接合を安定化して、最終製品の歩留まりや信頼性の低下を抑えることが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ステップS4において、ステップS13において形成された接合箇所72と異なる位置に接合箇所71を形成することが可能となる。したがって、ケース1と第2エンド部材2の接合強度を確保することが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、第1エンド部材14および第2エンド部材2が同一のステップS12において準備される。そのため、これらのエンド部材を別々に準備する場合に比べて、製造コストおよび最終製品のコストを低減することが可能となる。
【0076】
また、本実施の形態に係る製造方法によれば、ケース1のフレーム部材と第1エンド部材14の接合が行われる。この接合自体は容易であることから、ケースを簡易に準備することが可能となる。したがって、低コストで最終製品を製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1 ケース
11 底板
12,13 側板
14,14a,14b 第1エンド部材
15,16 仕切り板
2,2a,2b 第2エンド部材
21 トレー状部材
21a 外側面
21b 内側面
21c エッジ部
22 支持部材
22a 接触部
22b 平行部
22c 連結部
3,3a,3b 単セル
4 収容空間
5,5a,5b セルアレイ
6 加圧治具
7 接合治具
71,72,73 接合箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14