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特許7317781乾燥フィルタ装置およびそれを備えた洗濯機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】乾燥フィルタ装置およびそれを備えた洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/22 20060101AFI20230724BHJP
   D06F 58/02 20060101ALI20230724BHJP
   D06F 25/00 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
D06F58/22
D06F58/02 K
D06F25/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020156909
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050790
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 浩司
(72)【発明者】
【氏名】菅原 道太
(72)【発明者】
【氏名】藁谷 二郎
(72)【発明者】
【氏名】北 慎勇希
(72)【発明者】
【氏名】林 祐太朗
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-117137(JP,A)
【文献】特開2016-059552(JP,A)
【文献】特開2007-282729(JP,A)
【文献】特開2016-036528(JP,A)
【文献】特開2016-179146(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03124687(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F58/00-58/52
D06F25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の乾燥ダクトに接続される乾燥フィルタ装置であって、
前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、
前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部と対向する側に当該開口部に向けて下るように傾斜するフィルタ側傾斜部と、
前記フィルタ部および前記フィルタ側傾斜部が設けられるフィルタケースと、を備え、
前記フィルタケースは、前記開口部に向けて下るように傾斜するケース側傾斜部を有し、
前記フィルタ部と前記フィルタ側傾斜部は、一体に形成された第1フィルタを有し、
前記第1フィルタは、前記フィルタケースに回動可能に支持されていることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乾燥フィルタ装置であって、
前記フィルタ側傾斜部は、前記開口部の投影上の全体を覆う面を有することを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の乾燥フィルタ装置であって、
前記フィルタ側傾斜部は、凹面が下向きとなる曲面によって形成されていることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の乾燥フィルタ装置であって、
前記第1フィルタの下流側に配置される第2フィルタを有し、
前記第2フィルタは、前記フィルタケースに回動自在に支持されていることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の乾燥フィルタ装置であって、
前記第1フィルタと前記第2フィルタは、異なる方向に回動して開閉することを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の乾燥フィルタ装置であって、
前記第2フィルタは、前記フィルタケースにロックするロック部材と、前記第1フィルタに向けて突出する押圧部と、を有し、
前記第2フィルタを前記フィルタケースにロックしたときに、前記第1フィルタが前記押圧部によって押圧されることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項7】
洗濯機の乾燥ダクトに接続される乾燥フィルタ装置であって、
前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、
前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部と対向する側に当該開口部に向けて下るように傾斜するフィルタ側傾斜部と、
前記開口部に向けて下るように傾斜する別のフィルタ側傾斜部と、を備え、
前記別のフィルタ側傾斜部と前記フィルタ側傾斜部との間に前記開口部に向けて凸条の境界部が形成されていることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の乾燥フィルタ装置と、
前記乾燥フィルタ装置が収容される収容部と、
前記収容部が固定される筐体と、
前記筐体内に設けられ、鉛直方向に回転軸を有する外槽と、
前記外槽と一体に構成され、前記乾燥フィルタ装置と接続される乾燥ダクトと、を備え、
前記乾燥フィルタ装置は、前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部に向けて下るフィルタ側傾斜部と、を備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項9】
請求項8に記載の洗濯機において、
前記乾燥フィルタ装置は、前記フィルタ部および前記フィルタ側傾斜部が収納されるフィルタケースを備え、
前記フィルタケースは、前記開口部に向けて下るように傾斜するケース側傾斜部を有することを特徴とする洗濯機。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の洗濯機において、
前記乾燥ダクトは、前記開口部に向けて下るように傾斜するダクト側傾斜部を有することを特徴とする洗濯機。
【請求項11】
洗濯機の乾燥ダクトに接続される乾燥フィルタ装置であって、
前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、
前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部と対向する側に当該開口部に向けて下るように傾斜するフィルタ側傾斜部と、
前記フィルタ部および前記フィルタ側傾斜部が設けられるフィルタケースと、を備え、
前記フィルタケースは、前記開口部に向けて下るように傾斜するケース側傾斜部を有し、
前記フィルタ部は、前記ケース側傾斜部の鉛直方向上方に位置していることを特徴とする乾燥フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥フィルタ装置およびそれを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機能を備えた縦型の洗濯機は、着脱式の乾燥フィルタ装置を備えたものが種々提案されている。この種の乾燥フィルタ装置は、リントを捕集するものであり、外槽の奥側に設けられたダクトに接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-12119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のような乾燥フィルタ装置を備えた洗濯機では、洗濯時のダクトからの水はねや、脱水時の水の巻き上がりなどによって、乾燥フィルタ装置に水滴が付着するおそれがあった。また、乾燥フィルタを洗濯機本体から引き出した際に、フィルタケースに溜まった水があふれ出すおそれもあった。また、フィルタ部に水滴が付着した状態のまま運転を継続した場合、下流にあるヒータに水滴が付着するおそれもあった。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、フィルタ部への水滴の付着を防止して、信頼性の向上を図ることが可能な乾燥フィルタ装置およびそれを備えた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洗濯機の乾燥ダクトに接続される乾燥フィルタ装置であって、前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部と対向する側に当該開口部に向けて下るように傾斜するフィルタ側傾斜部と、前記フィルタ部および前記フィルタ側傾斜部が設けられるフィルタケースと、を備え、前記フィルタケースは、前記開口部に向けて下るように傾斜するケース側傾斜部を有し、前記フィルタ部と前記フィルタ側傾斜部は、一体に形成された第1フィルタを有し、前記第1フィルタは、前記フィルタケースに回動可能に支持されていることを特徴とする。
また、本発明は、洗濯機の乾燥ダクトに接続される乾燥フィルタ装置であって、前記乾燥ダクトの下流側に設けられるフィルタ部と、前記乾燥ダクトの開口部の上方に位置し、かつ、前記開口部と対向する側に当該開口部に向けて下るように傾斜するフィルタ側傾斜部と、前記開口部に向けて下るように傾斜する別のフィルタ側傾斜部と、を備え、前記別のフィルタ側傾斜部と前記フィルタ側傾斜部との間に前記開口部に向けて凸条の境界部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルタ部への水滴の付着を防止して、信頼性の向上を図ることが可能な乾燥フィルタ装置およびそれを備えた洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の乾燥フィルタ装置が搭載される洗濯機を示す右側縦断面図である。
図2】乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図3】第2フィルタを開いた状態の乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図4】第1フィルタと第2フィルタを開いた状態の乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図5】乾燥フィルタ装置の縦断面図である。
図6】乾燥フィルタ装置が装着されるフィルタ装着部を示す斜視図である。
図7】フィルタ装着部の縦断面図である。
図8】乾燥フィルタ装置のフィルタ装着部への抜き差し途中の状態を示す縦断面図である。
図9】乾燥フィルタ装置のフィルタ装着部への抜き差し途中の状態を示す断面斜視図である。
図10】乾燥フィルタ装置がフィルタ装着部に装着された状態を示す縦断面図である。
図11】フィルタ入口から見たときの平面図である。
図12】乾燥フィルタ装置がフィルタ装着部に装着された状態を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機S(いわゆる、縦型の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る乾燥フィルタ装置が搭載される洗濯機を示す右側縦断面図である。
図1に示すように、洗濯機Sは、筐体の外枠1、洗濯水を貯留する外槽2、洗濯兼脱水槽3、回転翼盤4および駆動モータ(駆動部)10を備えている。
【0011】
外枠1は、板金(鉄板)をプレス加工等によって四角筒状に形成したものである。また、外枠1の下部には、合成樹脂製のベース32が設けられている。また、外枠1の上部には、合成樹脂製のトップカバー(上板)6が設けられている。なお、図示していないが、外枠1の内部は、補強部材を用いて外枠1が補強されている。また、ベース32は、内部に格子状のリブなどを設けて補強されている。
【0012】
外槽2は、合成樹脂製であり、有底略円筒状を呈し、外枠1内の中央において、防振装置(不図示)を介して支持されている。防振装置は、バネや弾性ゴムからなり、外枠1内の上部から外槽2を吊り下げ支持している。
【0013】
洗濯兼脱水槽(洗濯槽)3は、洗濯、脱水、乾燥される洗濯物(衣類)を収容する有底円筒形状を有する。また、洗濯兼脱水槽3は、回転軸が略鉛直方向を向いている。また、洗濯兼脱水槽3は、外槽2の内部中央に設けられ、外槽2内において回転自在に支持される。また、洗濯兼脱水槽3は、その外周壁に通水および通風のための多数の小さな貫通孔3a(図1では一部のみ図示)を有している。また、洗濯兼脱水槽3は、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔3bを有している。また、洗濯兼脱水槽3の上縁部には、流体バランサー3cを備えている。また、洗濯兼脱水槽3の底部には、洗濯水を攪拌して、洗いやすすぎなどを行う回転翼盤4が回動自在に設けられている。
【0014】
回転翼盤4は、洗濯運転時および乾燥運転時に、正転/逆転を繰り返す動作が行われる。また、回転翼盤4は、脱水運転時に、洗濯兼脱水槽3と一緒に洗濯兼脱水槽3内の洗濯物とともに高速回転し、洗濯物に含まれる水分を遠心力で脱水する。
【0015】
駆動モータ10は、外枠1内に設けられ、回転翼盤4および洗濯兼脱水槽3を選択的に回転駆動する。また、駆動モータ10は、例えばDCブラシレスモータが使用される。DCブラシレスモータは、ベクトル制御によって制御が行われる。また、駆動モータ10は、回転翼盤4および洗濯兼脱水槽3をダイレクトドライブするものであってもよく、ベルトなどの減速機構を用いて駆動してもよい。
【0016】
外枠1の上部には、開閉自在な外蓋5が設けられている。外蓋5は、外枠1の上部に設けられたトップカバー6に後側が軸支持されている。外槽2の上部には、外蓋5の下方に、内蓋34が後側の軸周りに開閉自在に設けられている。洗濯兼脱水槽3に対する洗濯物の出し入れは、外蓋5および内蓋34を開くことで行われる。
【0017】
外枠1内には、トップカバー6の外蓋5の後側に、給水ユニット7が設けられている。給水ユニット7は、内部に複数の水路を有する給水ボックス(図示せず)を有している。給水ユニット7は、トップカバー6から上方に突き出る給水ホース接続口8から供給される。この給水ホース接続口8から水道水や風呂水が供給され、外槽2の内部に注がれる。また、トップカバー6の前側には、洗剤、仕上剤の投入装置35が設けられている。洗剤、仕上剤は、投入ホース36により、外槽2と洗濯兼脱水槽3との間に注がれる。
【0018】
また、洗濯機Sは、洗濯物を乾かす乾燥機構9を備えている。乾燥機構9は、洗濯兼脱水槽3内の洗濯物を乾燥する乾燥用空気の循環送風や除湿を行う。乾燥機構9は、大部分が乾燥用空気循環路で占められている。乾燥用空気循環路は、外槽2の底部に連通する底部循環路20と、底部循環路20から上向きに延びる除湿用縦通路21(乾燥ダクト)とを備える。除湿用縦通路21は、外枠1にねじ固定されるものではなく、外槽2と一体に構成されている。
【0019】
また、乾燥機構9は、洗濯機Sの乾燥工程において、乾燥風を作る送風機22およびヒータ(不図示)を有する。送風機22の下部の吸込側は、除湿用縦通路21の上端部に接続される。
【0020】
送風機22と除湿用縦通路21の間には乾燥フィルタ装置45が配置され、送風機22に異物が流入しないようになっている。なお、乾燥フィルタ装置45の詳細については後記する。
【0021】
送風機22の前部の排出側は、戻り接続循環路25と接続されている。戻り接続循環路25は、その一部の上部蛇腹ホース23を介して、外槽2の上部に連通する。戻り接続循環路25には、乾燥風を洗濯兼脱水槽3内に吐出する吐出口23aが形成されている。吐出口23aからは、図1において矢印で示すように、乾燥風が上部蛇腹ホース23から洗濯兼脱水槽3内に鉛直方向下方に向けて吐出され、回転翼盤4の外周領域に吹き付けられるようになっている。
【0022】
底部循環路20は、外槽2の底側の側面(周面)と連通している。また、外槽2の底部に設けられた底落込部31は、排水時のみ開弁される常閉型の排水弁44を介して、排水用の洗濯水排水路42に連通している。
【0023】
排水弁44は、洗濯運転時や乾燥運転時には閉じられている。排水弁44は、洗濯水を排水する排水時に開いて、外槽2に溜まっている洗濯水やすすぎ水を、洗濯水排水路42から洗濯機Sの外部(機外)に排出する。
【0024】
外槽2に溜まる洗濯水やすすぎ水は、循環水路11a、12aから循環水路11b、12bに流入し、循環水路11b、12b内を上方へ向かって流れる。循環水路11b、12bを上昇した洗濯水は、糸屑が糸屑フィルタ33で取り除かれ、洗濯兼脱水槽3内に入る。
【0025】
次に、乾燥フィルタ装置45の詳細について図2図12を参照して説明する。
図2は、乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図2に示すように、乾燥フィルタ装置45は、洗濯機S(図1参照)に装着して使用されるものであり、外蓋5(図1参照)を開けたときの、外槽2(図1参照)の上部後側に設けられている。また、乾燥フィルタ装置45は、洗濯機Sに対して着脱可能に構成されている。
【0026】
また、乾燥フィルタ装置45は、ケース本体50(フィルタケース)、ケース本体50の内側に配置される第1フィルタ60、第1フィルタ60の外側に配置される第2フィルタ70を備えて構成されている。第1フィルタ60は、第2フィルタ70よりも上流側に配置されるフィルタである。
【0027】
ケース本体50は、第1フィルタ60を収容する収容部51を有している。この収容部51の手前側には、乾燥フィルタ装置45を洗濯機S(図1参照)から取り外す際に手を掛ける手掛け部52が形成されている。この手掛け部52は、矩形状の板部の下部が凹状に切り欠かれることで構成されている。
【0028】
また、収容部51と手掛け部52との間には、洗濯機S(図1参照)に設けられたフィルタ装着部80(図6参照)との間を気密状態にするシール部53が形成されている。
【0029】
第2フィルタ70は、収容部51の上部に回動自在に支持されるとともに、該第2フィルタ70を収容部51にロックするロック部材71が設けられている。本実施形態では、第2フィルタ70の左側にヒンジ部72(図3参照)が位置し、ヒンジ部72の反対の右側にロック部材71が位置しているが、ヒンジ部72とロック部材71とが左右逆であってもよい。
【0030】
また、第2フィルタ70は、四角形状の枠部73と、この枠部73内を格子状に区画する区画部材74と、を有している。なお、図示省略しているが、それぞれの格子には、例えば金属製のメッシュ部材が、インサート成形によって一体に構成されている。なお、本実施形態では、第2フィルタ70を収容部51から取り外すことができないようになっている。これは、第2フィルタ70は、第1フィルタ60よりも下流に位置するので、第2フィルタ70には、第1フィルタ60よりも多くの埃が溜まらないことによる。
【0031】
ロック部材71は、枠部73にヒンジ75を介して回動自在に支持される板部76と、この板部76の先端に形成されるフック部77と、を有している。第2フィルタ70を閉じる場合には、第2フィルタ70を収容部51の開口と接するまで倒した後、収容部51の側面に対向する位置に板部76を回動させる。板部76を回動させることで、フック部77が収容部51の下面の突起(不図示)に引っ掛かってロックされる。このように、ロック部材71の板部76が回動支持されることで、ロック部材71が側方に出っ張るのを防ぐことができ、第1フィルタ60や第2フィルタ70のフィルタ面を広く確保できる。
【0032】
図3は、第2フィルタを開いた状態の乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図3に示すように、第1フィルタ60は、前側(フィルタ装着方向の手前側)にフィルタ部61と、後側(フィルタ装着方向の奥側)に壁部62と、を有している。壁部62は、非フィルタ部であり、塵埃を含めて空気や水などの流体を透過しないようになっている。
【0033】
フィルタ部61は、四角形状の枠部61aと、この枠部61a内を格子状に区画する区画部材61bと、を有している。なお、フィルタ部61についても図示省略しているが、第2フィルタ70と同様に、格子の内側に、金属製のメッシュ部材がインサート成形によって一体に構成されている。
【0034】
また、第1フィルタ60は、フィルタ部61と壁部62とが樹脂成形によって一体に形成されている。また、第1フィルタ60は、該第1フィルタ60の外周縁部60aが、収容部51の内周側面51sと面で接するようにして収容部51に収容されている。つまり、外周縁部60aと内周側面51sとの間に隙間がほぼできないようなっている。
【0035】
また、第2フィルタ70の裏面には、枠部73から四角枠状の押圧部78が第1フィルタ60側に突出して形成されている。第2フィルタ70を閉じることで、押圧部78によって第1フィルタ60の周縁部が押圧され、第1フィルタ60が収容部51内においてがたつかないようになっている。
【0036】
図4は、第1フィルタと第2フィルタを開いた状態の乾燥フィルタ装置を示す斜視図である。
図4に示すように、ケース本体50の収容部51には、底面に矩形状の開口51aが形成されている。この開口51aは、前後方向の奥側に形成され、除湿用縦通路21(乾燥ダクト)と蛇腹管37(乾燥ダクト、図1参照)を介して連通するようになっている。また、収容部51には、開口51aの手前に傾斜面51b(ケース側傾斜部)からなる底部が形成されている。
【0037】
また、第1フィルタ60は、収容部51に回動可能に支持されている。図4は、第1フィルタ60を全開にした状態である。また、第1フィルタ60は、第2フィルタ70とは回動軸の方向が異なり、開く方向が互いに異なっている。すなわち、第1フィルタ60は、手前側を支点として手前側に回動して開き、第2フィルタ70は、左端を支点として左側に向けて回動して開くようになっている。これにより、図4に示すように、第1フィルタ60と第2フィルタ70は、開いたときに互いに重ならないようになっている。
【0038】
図5は、乾燥フィルタ装置の縦断面図である。
図5に示すように、壁部62の下面(開口51aに対向する側の面)は、前側から後側に向けて下るように傾斜する傾斜面62a(フィルタ側傾斜部)が形成されている。また、開口51aの手前側の縁の鉛直方向上方には壁部62が位置している(図5のラインS1参照)。また、傾斜面62aの後側の端部は、開口51aの後側の縁よりも手前側に位置している。また、壁部62の傾斜面62aは、凹面が下向きとなるように湾曲して(曲面を有して)形成されている。
【0039】
また、第1フィルタ60は、前後方向の略真ん中よりも後ろ側が壁部62であり、前後方向の略真ん中よりも前側がフィルタ部61である。
【0040】
また、第1フィルタ60のフィルタ部61は、収容部51の手前側(前側)から奥側(後側)に向けて上昇するように湾曲して形成されている。また、フィルタ部61の下方には、収容部51の底部に形成された傾斜面51bが対向して配置されている。この傾斜面51bは、開口51aに向けて下るように傾斜している。また、傾斜面51bは、開口51aに向けて連続して傾斜している。つまり、傾斜面51bは、水滴が溜まる水平な面を有していない。
【0041】
また、壁部62には、傾斜面62aの奥側に、奥側(後側)から手前側(前側)に向けて下る傾斜面62b(別のフィルタ側傾斜部)が形成されている。この傾斜面62bは、傾斜面62aよりも短く且つ傾斜が急になるように構成されている。また、傾斜面62aの後端と傾斜面62bの前端とが接続される境界部62cは、下方に向けて凸条に形成されている。この境界部62cは、開口51aの高さよりも上方に位置している。
【0042】
また、傾斜面62aの前後方向の長さは、傾斜面62bの前後方向の長さよりも長く形成されている。これにより、開口51aから導入された空気をフィルタ部61側に向けて円滑に流すことができる。
【0043】
また、収容部51には、開口51aの周縁に、パッキンpが取り付けられる凹状の溝51cが環状に形成されている。図5に示す前後に位置する溝51c,51dは、凹面が後側を向くように形成されている。なお、図示していないが、左右に位置するパッキンが取り付けられる溝は、凹面がそれぞれ下向きとなるように構成されている。この溝51c,51dに環状のパッキンpが配置される。
【0044】
また、開口51aの前端縁の鉛直方向上方(ラインS1参照)には、壁部62の傾斜面62aが位置し、開口51aの後端縁の鉛直方向上方(ラインS2参照)には、壁部62の傾斜面62bが位置している。これにより、開口51aから水滴が上昇してきたときでも、壁部62で受けることができ、水滴がフィルタ部61に流れ込むのを抑えることができる。
【0045】
図6は、乾燥フィルタ装置が装着されるフィルタ装着部を示す斜視図である。
図6に示すように、フィルタ装着部80は、洗濯機Sの筐体側(外枠1側)に固定されるものであり、四角箱型の収納部81を有している。この収納部81の左右側面には、筐体側にねじ固定するための固定部81a(右側のみ図示)が複数個所に形成されている。
【0046】
収納部81の上面には、送風機22と接続されるフィルタ出口82が形成されている。このフィルタ出口82は、円形状に形成され、その周縁部に上方に向けて突出する円筒部82aが形成されている。また、収納部81の下面には、除湿用縦通路21(図1参照)に接続された蛇腹管37(図1参照)と接続されるフィルタ入口83が形成されている。
【0047】
図7は、フィルタ装着部の縦断面図である。
図7に示すように、フィルタ入口83は、鉛直方向下方に向けて略筒状に延びる筒体83aを有している。また、フィルタ入口83は、収納部81と樹脂成形によって一体に形成されている。また、収納部81内には、別部品で構成された管状部材84が取り付けられている。この管状部材84は、筒体83aの内側に挿入されている。また、管状部材84と筒体83aは、図示しないパッキン(シール材)を介して接続されている。
【0048】
また、管状部材84は、該管状部材84の上端の開口部84aから前方(手前側)に延びるつば部84b(ダクト側傾斜部)が形成されている。このつば部84bは、前側から後側に向けて(開口部84aに向けて)下る傾斜面84b1を有している。
【0049】
また、管状部材84は、つば部84bの前端突部84cが溝51c(図5参照)に嵌るように形成されている。また、管状部材84は、溝51d(図5参照)に嵌る後端突部84dが形成されている。また、前端突部84cは、後端突部84dよりも低い位置に形成されている。また、前端突部84cと後端突部84dの左端同士を繋ぐ傾斜縁部84eが形成されている。この傾斜縁部84eは、前側から後側に向けて昇るように傾斜している。なお、図示していないが、前端突部84cと後端突部84dの右端同士を繋ぐ場所にも傾斜縁部84eと同様な傾斜縁部が形成されている。
【0050】
なお、本実施形態では、管状部材84を別部品としてフィルタ装着部80に取り付けた場合を例に挙げて説明したが、管状部材84を設けずに、管状部材84の形状をフィルタ装着部80に直接に形成してもよい。これにより、部品点数を削減でき、組立性を向上できる。
【0051】
図8は、乾燥フィルタ装置のフィルタ装着部への抜き差し途中の状態を示す縦断面図である。
図8に示すように、乾燥フィルタ装置45は、フィルタ装着部80の前面の開口80aから、第1フィルタ60および第2フィルタ70を備えた収容部51が、収納部81に挿入される。このとき、収容部51が収納部81の内壁面と摺動しながら挿入される。
【0052】
図8に示す状態は、乾燥フィルタ装置45の後端が、管状部材84に形成された開口部84aの途中の位置であり、収容部51のパッキンp(図5参照)が設けられる溝51cと管状部材84の前端突部84cとが前後方向に離間し、溝51dと後端突部84dとが前後方向に離間した状態である。
【0053】
図9は、乾燥フィルタ装置のフィルタ装着部への抜き差し途中の状態を示す断面斜視図である。
図9に示すように、開口部84aは、矩形状ではなく、右側から左側に向けて前後方向の長さが短くなるように、略三角状に形成されている。このため、つば部84bは、右側から左側に向けて前後方向の長さが長くなるように形成されている。
【0054】
つば部84bの前端突部84cは、左右方向に延びて形成されている。また、収容部51の溝51cも、前端突部84cと同様に左右方向に延びて形成されている。
【0055】
図10は、乾燥フィルタ装置がフィルタ装着部に装着された状態を示す縦断面図である。
図10に示すように、乾燥フィルタ装置45がフィルタ装着部80に装着が完了した状態では、管状部材84の前端突部84cが、収容部51の溝51c内のパッキンp(図5参照)を押圧し、後端突部84dが、溝51d内のパッキンp(図5参照)を押圧した状態になる。このように、乾燥フィルタ装置45の移動方向と同様な方向において、シールが行われるので、パッキンp(図5参照)がずれることなく確実にシールが可能になる。
【0056】
また、乾燥フィルタ装置45がフィルタ装着部80に装着が完了した状態では、管状部材84の傾斜縁部84e(図9参照)が収容部51の傾斜した溝内のパッキンp(図5参照)を押圧した状態になる。このように、開口51aの左右が傾斜して形成されているので、開口51aが水平に形成されている場合よりも、傾斜縁部84eから押圧力を受けやすくなり、シール性を確保し易くなる。
【0057】
また、管状部材84の開口部84aの鉛直方向上方には、壁部62の傾斜面62a,62bが位置している。傾斜面62aは、開口部84aの前側から後側に向けて下るように傾斜している。傾斜面62bは、開口部84aの後側から前側に向けて下るように傾斜している。
【0058】
また、フィルタ部61は、開口部84aの鉛直方向上方から外れた位置となるように構成されている。また、フィルタ部61は、第2フィルタ70のフィルタ部と上下方向に離間した状態で配置されている。また、フィルタ部61の鉛直方向上方には、第2フィルタ70が位置している。また、フィルタ部61は、フィルタ装着部80のフィルタ出口82と鉛直方向において一部が重なるように構成されている。
【0059】
第2フィルタ70は、フィルタ出口82の一部と鉛直方向において重なる位置に配置されている。また、第2フィルタ70は、壁部62と鉛直方向において重なるように構成されている。
【0060】
図11は、フィルタ入口から見たときの平面図である。図11は、フィルタ装着部80に乾燥フィルタ装置45が装着された状態である。
図11に示すように、フィルタ入口83には管状部材84が嵌合するように構成されている。管状部材84の開口部84aは、底側から平面視において略三角状に形成されている。つまり、乾燥工程時において、開口部84aから乾燥フィルタ装置45に向けて、除湿用縦通路21によって除湿された空気が上向きに吐出するようになっている。また、開口部84aの全体の鉛直方向上方の投影上には、壁部62が位置している。換言すると、開口部84aの全体が、壁部62の傾斜面62a,62bによって覆われるように構成されている。
【0061】
また、フィルタ入口83を鉛直方向下方から見たときに、傾斜面62a,62bの境界部62cを開口部84aから視認できるようになっている。また、境界部62cの前側において、傾斜面62aを視認でき、境界部62cの後側において、傾斜面62bの傾斜面62bを視認できる。傾斜面62a,62bと開口部84aとを前記のような配置にすることで、洗い工程時やすすぎ工程時に、開口部84aから上方に飛び出した水(水滴)を傾斜面62a,62bで受けることができ、水滴がフィルタ部61に流れ込むのを抑えることができる。
【0062】
なお、洗い工程の前では、粉末などの洗剤を溶かすことによって外槽2の底部に高濃度の洗剤液を生成する。外槽2に給水後、洗剤液を含んだ洗い水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼盤4を正逆方向に回転させて、洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させることによって押し洗いする。洗い後のすすぎ工程では、外槽2の底部に溜まるように給水したすすぎ水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼盤4を正逆方向に回転させて、洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させる。これによって、洗濯物に含まれる洗い水(洗剤成分)を押し出す、すすぎを行う。乾燥工程では、回転翼盤4を正逆方向に回転させながら外槽2内の空気を外槽2の底部から吸い出す。吸い出された空気は、外槽2と一体に形成された除湿用縦通路21を上昇しながら水冷除湿され、乾燥フィルタ装置45に送られる。乾燥フィルタ装置45では、フィルタ入口83から導入された空気が開口部84aから吹き出す。開口部84aから噴き出した除湿後の空気は、フィルタ部61によって空気に同伴する埃が除去される。フィルタ部61を通過した空気は、第2フィルタ70によって、フィルタ部61によって除去しきれなかった埃が除去され、フィルタ出口82から送風機22に送られる。送風機22によって高速な風が生成され、その後ヒータによって加熱され、乾燥した高速の空気が洗濯兼脱水槽3内に吹きまれる。このようにして空気を循環させることで洗濯物を乾燥させる。
【0063】
図12は、乾燥フィルタ装置がフィルタ装着部に装着された状態を示す断面斜視図である。なお、図12において、太い破線矢印は、空気の流れを示し、太い実線矢印は、水滴の流れを示している。
図12に示すように、乾燥フィルタ装置45がフィルタ装着部80に装着されると、収容部51の開口51aと管状部材84とが気密性を有して連結される。これにより、収容部51の傾斜面51bと、管状部材84のつば部84bとが略連続した面として形成される。傾斜面51bは開口部84aに向けて下るように傾斜し、つば部84bも開口部84aに向けて下るように傾斜している。
【0064】
ところで、洗い工程やすすぎ工程時における乾燥フィルタ装置のフィルタ入口に接続されるダクトから水はねや、脱水工程時における水滴の巻き上がりによって、乾燥フィルタ装置に水滴が付着する。また、ユーザが洗濯機から乾燥フィルタ装置を引き出したときに、乾燥フィルタ装置に溜まっていた水があふれ出す。また、乾燥フィルタ装置に水滴が付着したままや、乾燥フィルタ装置に水が溜まったまま、乾燥運転を実施した場合、ヒータに水滴が付着して、洗濯機が故障するおそれがある。
【0065】
また、従来では、除湿用縦通路21が外枠1の背面に固定され、除湿用縦通路21と外槽2とが離れて配置されていた。これにより、乾燥フィルタ装置と乾燥ダクト(除湿用縦通路21)との接続位置が乾燥フィルタ装置よりも後方に位置していたため、除湿用縦通路21から水が上がってきたとしても、乾燥フィルタ装置まで水滴が届き難いものであった。これに対して、本実施形態では、外槽2と除湿用縦通路21とを樹脂成形によって一体に構成したことで、乾燥フィルタ装置45と除湿用縦通路21との位置が近くなったこと、また縦型の洗濯機Sに対応するために高速の風を生成して送風機22の回転速度を従来よりも高めたことで、乾燥フィルタ装置45に水滴が流れ込むような事象が発生するようになったものである。
【0066】
そこで、本実施形態では、開口部84aの鉛直投影上の全体を覆うように第1フィルタ60の傾斜面62a,62bを配置したものである。これにより、第1フィルタ60の傾斜面62aに水滴が付着したとしても、傾斜面62aが開口部84aに向けて下るように傾斜しているので、太い実線矢印Aで示すように、水滴が傾斜面62aに沿って流れ、開口部84aに向けて落下する。これにより、水滴がフィルタ部61に流れ込むのを防止できる。
【0067】
また、第1フィルタ60の傾斜面62bに水滴が付着したとしても、傾斜面62bが開口部84aに向けて下るように傾斜しているので、太い実線矢印Bで示すように、水滴が傾斜面62bに沿って流れ、開口部84aに向けて落下する。これにより、水滴がフィルタ部61に流れ込むのを防止できる。
【0068】
また、収容部51の傾斜面51bに水滴が付着したとしても、傾斜面51bが開口部84aに向けて下るように傾斜しているので、太い実線矢印Cで示すように、水滴が傾斜面51bに沿って流れ、開口部84aに向けて流れる。また、傾斜面51bに連結されるつば部84bが開口部84aに向けて下るように傾斜しているので、太い実線矢印Dで示すように、水滴がつば部84bに沿って流れ、開口部84aに向けて流れ込む。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の洗濯機Sでは、洗濯機Sの除湿用縦通路21に接続される乾燥フィルタ装置45であって、除湿用縦通路21の下流側に設けられるフィルタ部61と、除湿用縦通路21の開口部84aの上方に位置し、かつ、開口部84aと対向する側に当該開口部84aに向けて下るように傾斜する傾斜面62aと、を備える。これによれば、開口部84aから水滴が上がってきたとしても、水滴が傾斜面62aに当たり、傾斜面62aの傾斜に沿って水滴を開口部84aに流して戻すことができる。その結果、フィルタ部61への水滴の付着を防止して、洗濯機Sの信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0070】
また、本実施形態は、フィルタ部61および傾斜面62aが設けられるケース本体50を備える。ケース本体50は、開口部84aに向けて下るように傾斜する傾斜面51bを有する。これによれば、開口部84aからケース本体50に流れた水滴を、ケース本体50に溜めることなく、開口部84aに戻すことができる。その結果、ユーザが乾燥フィルタ装置45を洗濯機Sから抜き出したときに、水があふれ出すといった不具合を防止できる。
【0071】
また、本実施形態は、傾斜面62aは、開口部84aの投影上の全体を覆う面を有する。これによれば、開口部84aから上がってきた水滴を確実に開口部84aに戻すことができ、洗濯機Sの信頼性を向上できる。
【0072】
また、本実施形態は、傾斜面62aは、凹面が下向きとなる曲面によって形成されている。これによれば、開口部84aから乾燥フィルタ装置45に流れ込む空気を円滑にフィルタ部61に流すことができ、より高速な風を発生させることができる。
【0073】
また、本実施形態は、フィルタ部61と傾斜面62aは、一体に形成された第1フィルタ60を有する。第1フィルタ60は、ケース本体50に回動可能に支持されている。これによれば、埃が付いたままのフィルタ部61がケース本体50から脱落するのを防止できる。
【0074】
また、本実施形態は、第1フィルタ60の下流側に配置される第2フィルタ70を有する。第2フィルタ70は、ケース本体50に回動自在に支持されている。これによれば、第1フィルタ60で取り切れなかった埃を第2フィルタ70で取り除くことができ、ヒータに埃が流れ込むのを防止でき、洗濯機Sの信頼性を向上できる。
【0075】
また、本実施形態は、第1フィルタ60と第2フィルタ70は、異なる方向に回動して開閉する。これによれば、フィルタを清掃する際に、第1フィルタ60と第2フィルタ70とが重なることがないので、清掃性を向上できる。
【0076】
また、本実施形態は、第2フィルタ70は、ケース本体50にロックするロック部材71と、第1フィルタ60に向けて突出する押圧部78と、を有する。第2フィルタ70をケース本体50にロックしたときに、第1フィルタ60が押圧部78によって押圧される。これによれば、開口部84aからの風によって、第1フィルタ60が浮き上がって、ケース本体50と第1フィルタ60との間に隙間が形成され、隙間から水滴が下流(第2フィルタ70側)に漏れるのを防止することができる。
【0077】
また、本実施形態は、開口部84aに向けて下るように傾斜する傾斜面62bを備える。傾斜面62bと傾斜面62aとの間に開口部84aに向けて凸条の境界部62cが形成されている。これによれば、傾斜面62a,62bを流れた水滴を、開口部84aに向けて落下させて戻すことができる。
【0078】
また、本実施形態の洗濯機Sは、乾燥フィルタ装置45と、乾燥フィルタ装置45が収容されるフィルタ装着部80と、フィルタ装着部80が固定される外枠1と、外枠1内に設けられ、鉛直方向に回転軸を有する外槽2と、外槽2と一体に構成され、乾燥フィルタ装置45と接続される除湿用縦通路21と、を備える。乾燥フィルタ装置45は、除湿用縦通路21の下流側に設けられるフィルタ部61と、除湿用縦通路21の開口部84aの上方に位置し、かつ、開口部84aに向けて下る傾斜面62aと、を備える。これによれば、開口部84aから水滴が上がってきたとしても、水滴が傾斜面62aに当たり、傾斜面62aの傾斜に沿って水滴を開口部84aに流して戻すことができる。その結果、フィルタ部61への水滴の付着を防止して、洗濯機Sの信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0079】
また、本実施形態は、乾燥フィルタ装置45は、フィルタ部61および傾斜面62aが収納されるケース本体50を備える。ケース本体50は、開口部84aに向けて下るように傾斜する傾斜面51bを有する。これによれば、開口部84aからケース本体50に流れた水滴を、ケース本体50に溜めることなく、開口部84aに戻すことができる。その結果、ユーザが乾燥フィルタ装置45を洗濯機Sから抜き出したときに、水があふれ出すといった不具合を防止できる。
【0080】
また、本実施形態は、除湿用縦通路21は、開口部84aに向けて下るように傾斜するつば部84bを有する。これによれば、乾燥フィルタ装置45の傾斜面51bを流れる水滴を、つば部84bに流して、開口部84aに戻すことができる。
【符号の説明】
【0081】
1 外枠(筐体)
2 外槽
3 洗濯兼脱水槽
21 除湿用縦通路(乾燥ダクト)
45 乾燥フィルタ装置
50 ケース本体(フィルタケース)
51 収容部
51a 開口
51b 傾斜面(ケース側傾斜部)
51c,51d 溝
60 第1フィルタ
61 フィルタ部
62 壁部
62a 傾斜面(フィルタ側傾斜部)
62b 傾斜面(別のフィルタ側傾斜部)
62c 境界部
70 第2フィルタ
71 ロック部材
78 押圧部
80 フィルタ装着部(収容部)
84a 開口部
84b つば部(ダクト側傾斜部)
S 洗濯機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12