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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】ロッカー管理法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230724BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230724BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20230724BHJP
   G07F 17/12 20060101ALI20230724BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
B65G1/00 521E
G06F3/01 510
G06F3/01 570
G06F3/04845
G07F17/12
E05B49/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020516545
(86)(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018047355
(87)【国際公開番号】W WO2019060075
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】15/711,614
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】マギー ウィリアム ヴイ
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0155281(US,A1)
【文献】特開2002-259545(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002686(WO,A1)
【文献】特開2015-160696(JP,A)
【文献】特開2016-188123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
G06F 3/01
G06F 3/04845
G07F 17/12
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカーシステムであって、
ロッカー区域と、
前記ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、
複数の拡張現実ヘッドセットであって、前記複数の拡張現実ヘッドセットの個々の拡張ヘッドセットは、ディスプレイを含み、かつそれぞれの個々のユーザによって装着されるように構成される、複数の拡張現実ヘッドセットと、
前記複数のロッカー及び前記複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラであって、メモリと、前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む、コントローラと、
を含み、前記命令は、
前記複数のロッカーの個々のロッカーを前記それぞれの個々のユーザに割り当てるロッカー割り当てを生成し、
前記複数の拡張現実ヘッドセットを使用して、前記割り当てられた個々のロッカーの前記ロッカー割り当てを前記それぞれの個々のユーザに伝達し、
前記それぞれの個々のユーザの前記複数の拡張現実ヘッドセットから受け取られた信号に基づいて、前記複数のロッカーの前記割り当てられた個々のロッカーの動作を制御する、
ための命令であり、前記信号は、前記それぞれの個々のユーザによって与えられたコマンドを示し、前記コマンドは、前記複数の拡張現実ヘッドセットを使用して感知され
前記ロッカーシステムは、前記ロッカー区域を監視するように構成された1又は2以上のカメラを含み、前記ロッカー割り当てを生成することは、前記複数の拡張現実ヘッドセット、前記1又は2以上のカメラ、又はこれらの組み合わせを介して受け取られた情報に基づく、
ロッカーシステム。
【請求項2】
ロッカーシステムであって、
ロッカー区域と、
前記ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、
複数の拡張現実ヘッドセットであって、前記複数の拡張現実ヘッドセットの個々の拡張ヘッドセットは、ディスプレイを含み、かつそれぞれの個々のユーザによって装着されるように構成される、複数の拡張現実ヘッドセットと、
前記複数のロッカー及び前記複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラであって、メモリと、前記メモリに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む、コントローラと、
を含み、前記命令は、
前記複数のロッカーの個々のロッカーを前記それぞれの個々のユーザに割り当てるロッカー割り当てを生成し、
前記複数の拡張現実ヘッドセットを使用して、前記割り当てられた個々のロッカーの前記ロッカー割り当てを前記それぞれの個々のユーザに伝達し、
前記それぞれの個々のユーザの前記複数の拡張現実ヘッドセットから受け取られた信号に基づいて、前記複数のロッカーの前記割り当てられた個々のロッカーの動作を制御する、
ための命令であり、前記信号は、前記それぞれの個々のユーザによって与えられたコマンドを示し、前記コマンドは、前記複数の拡張現実ヘッドセットを使用して感知され、
前記ロッカー割り当てを生成することは、ロッカー利用可能性、ユーザ位置、ユーザプロファイル、ユーザ選好、ユーザ識別、会員状態、入場状態、又はこれらの組み合わせに基づく、
ッカーシステム。
【請求項3】
特定の割り当てられた個々のロッカーが、前記特定の割り当てられた個々のロッカーの実際のビューに対応するように配置されたインジケータを用いて個々の拡張現実ヘッドセットの前記ディスプレイ上に示される、請求項1又は2に記載のロッカーシステム。
【請求項4】
前記割り当てられた個々のロッカーの動作を制御することは、前記割り当てられた個々のロッカーの施錠及び開錠を行うことを含む、請求項1又は2に記載のロッカーシステム。
【請求項5】
前記命令は、前記それぞれの拡張現実ヘッドセットの前記ディスプレイ上に、前記割り当てられた個々のロッカーへのナビゲーションを表示することを含む、請求項1又は2に記載のロッカーシステム。
【請求項6】
前記拡張現実ヘッドセットのジェスチャ認識システムからの情報に基づいて、前記複数の拡張現実ヘッドセットを用いて前記信号を生成することを含む、請求項1又は2に記載のロッカーシステム。
【請求項7】
前記命令は、前記ロッカー割り当てに基づいて、前記複数のロッカーの利用可能性を更新することを含む、請求項1又は2に記載のロッカーシステム。
【請求項8】
システムであって、
ロッカー区域と、
前記ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、
複数の拡張現実ヘッドセットと、
前記複数のロッカー及び前記複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラと、
を含み、前記コントローラは、1又は2以上の基準に基づいて前記複数のロッカーの割り当てを決定し、かつ前記割り当てを前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットに伝達するように構成され、前記複数のロッカーのうちの前記割り当てられたロッカーは、前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットを介して与えられた命令に応答して施錠及び開錠されるように構成され
前記1又は2以上の基準は、前記複数の拡張現実ヘッドセットを使用して収集された情報を含む、
システム。
【請求項9】
システムであって、
ロッカー区域と、
前記ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、
複数の拡張現実ヘッドセットと、
前記複数のロッカー及び前記複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラと、
を含み、前記コントローラは、1又は2以上の基準に基づいて前記複数のロッカーの割り当てを決定し、かつ前記割り当てを前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットに伝達するように構成され、前記複数のロッカーのうちの前記割り当てられたロッカーは、前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットを介して与えられた命令に応答して施錠及び開錠されるように構成され、
前記システムは、前記ロッカー区域内に配置された1又は2以上のカメラを含み、前記1又は2以上の基準は、前記1又は2以上のカメラを使用して収集された情報を含む、
ステム。
【請求項10】
システムであって、
ロッカー区域と、
前記ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、
複数の拡張現実ヘッドセットと、
前記複数のロッカー及び前記複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラと、
を含み、前記コントローラは、1又は2以上の基準に基づいて前記複数のロッカーの割り当てを決定し、かつ前記割り当てを前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットに伝達するように構成され、前記複数のロッカーのうちの前記割り当てられたロッカーは、前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットを介して与えられた命令に応答して施錠及び開錠されるように構成され、
前記1又は2以上の基準は、前記複数のロッカーと前記複数の拡張現実ヘッドセットとの間の距離を含む、
ステム。
【請求項11】
前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットの各々はディスプレイを含み、前記割り当てられたロッカーは前記ディスプレイ上に示される、請求項8から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記命令は、前記それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットのジェスチャ認識システムを使用して与えられる、請求項8から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
ロッカーシステムの使用方法であって、
複数のロッカーを含むロッカー区域内における拡張現実ヘッドセットのユーザに関する情報を、前記拡張現実ヘッドセットからコントローラを介して受け取るステップと、
前記複数のロッカーのロッカー利用可能性を示すセンサからの情報に、前記コントローラを介してアクセスするステップと、
前記ユーザに関する前記情報及び前記ロッカー利用可能性に関する前記情報に基づいて、潜在的な利用可能なロッカー割り当てを拡張現実において図形的に示すことによって、前記コントローラから前記ユーザによって装着された前記拡張現実ヘッドセットに前記潜在的な利用可能なロッカー割り当てを伝達するステップと、
前記ユーザが前記潜在的な利用可能なロッカー割り当てのうちの1つのロッカーを選択した旨の信号を、前記コントローラを介して受け取るステップと、
前記コントローラを介して、前記1つのロッカーを前記ユーザに関連付けるステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記ユーザに関する前記情報は、前記ロッカー区域におけるユーザ位置と、前記ユーザの注視方向とを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記拡張現実ヘッドセットのディスプレイ上に、前記潜在的な利用可能なロッカー割り当ての強調表示又はオーバーレイを表示するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザが前記1つのロッカーを選択した旨の前記信号は、前記拡張現実ヘッドセットのジェスチャ認識システムによって提供された1又は2以上の信号を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記1又は2以上のロッカー区域内に配置された1又は2以上のカメラから前記ユーザに関する前記情報を収集するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ユーザに関する前記情報は、データサーバからのユーザプロファイル情報、ユーザ選好情報、ユーザ識別、会員状態、入場状態、又はこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にロッカー管理システム及び方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、ロッカーを割り当てて、割り当てられた又は指定されたロッカーへのアクセスを可能にするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下で説明及び/又は特許請求する本技術の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0003】
多くの場合、遊園地又は同様の娯楽施設は、ユーザ(例えば、来園客及び職員)が遊園地にいる間に所持品をロッカーに保管できるように1又は2以上のロッカーシステムを含む。しかしながら、多くのロッカーのうちの利用可能なロッカーの発見又は登録を行うことには時間が掛かり得る。(例えば、物を運んだり、遊園地を楽しんだりなどの)他の必要性に注意を払いながらロッカーの開錠/施錠(unlock/lock)を行うことも負担となり得る。また、ロッカーを探し求めている多くのユーザに好適なロッカーを効率的に同時に提供することも困難となり得る。従って、ロッカーを割り当てて、割り当てロッカーへのアクセスを可能にする効率的なシステム及び方法を提供することが望ましいと思われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0005】
本開示の1つの態様によれば、ロッカーシステムが、ロッカー区域(locker area)と、ロッカー区域内に配置された複数のロッカーとを含む。ロッカーシステムは複数の拡張現実ヘッドセット(augmented reality headsets)を含み、複数の拡張現実ヘッドセットの個々の拡張ヘッドセットはディスプレイを含み、それぞれの個々のユーザによって装着されるように構成される。ロッカーシステムは、複数のロッカー及び複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合された、メモリと、メモリに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサとを含むコントローラも含む。命令は、複数のロッカーの個々のロッカーをそれぞれの個々のユーザに割り当てるロッカー割り当て(locker assignments)を生成し、複数の拡張現実ヘッドセットを使用して、割り当てられた個々のロッカーのロッカー割り当てをそれぞれの個々のユーザに伝達すること(communicating)を含む。命令は、それぞれの個々のユーザの複数の拡張現実ヘッドセットから受け取られた信号に基づいて、複数のロッカーの割り当てられた個々のロッカーの動作を制御することも含み、この信号は、それぞれの個々のユーザによって提供されたコマンドを示し、コマンドは、複数の拡張現実ヘッドセットを使用して感知される(sensed)。
【0006】
本開示の別の態様によれば、ロッカー区域と、ロッカー区域内に配置された複数のロッカーと、複数の拡張現実ヘッドセットと、複数のロッカー及び複数の拡張現実ヘッドセットに通信可能に結合されたコントローラとを含む。コントローラは、複数のロッカーの割り当てを1又は2以上の基準(criteria)に基づいて決定し、この割り当てをそれぞれの複数の拡張現実ヘッドセットに伝達するように構成される。複数のロッカーのうちの割り当てられたロッカーは、それぞれの複数の拡張現実ヘッドセットを介して与えられた命令に応答して施錠/開錠されるように構成される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、ロッカーシステムの使用方法が、複数のロッカーを含むロッカー区域内における拡張現実ヘッドセットのユーザに関する情報を、拡張現実ヘッドセットからコントローラを介して受け取るステップを含む。方法は、複数のロッカーのロッカー利用可能性(locker availability)を示すセンサからの情報に、コントローラを介してアクセスするステップを含む。方法は、ユーザに関する情報及びロッカー利用可能性に関する情報に基づいて、潜在的な利用可能なロッカー割り当てを拡張現実において図形的に示すことによって、コントローラからユーザによって装着された拡張現実ヘッドセットに潜在的な利用可能なロッカー割り当てを伝達するステップを含む。方法は、ユーザが潜在的な利用可能なロッカー割り当てのうちの1つのロッカーを選択した旨の信号を、コントローラを介して受け取るステップと、コントローラを介して、1つのロッカーをユーザに関連付けるステップとをさらに含む。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、ロッカーシステムを有する施設の概略図である。
図2】本開示の態様による、図1のロッカーシステムのブロック図である。
図3】本開示の態様による、図2の拡張現実ヘッドセットのブロック図である。
図4】本開示の態様による、拡張現実ヘッドセットディスプレイを使用して図1のロッカーシステムと相互作用するユーザの概略図である。
図5】本開示の態様による、図1のロッカーシステムを利用してユーザにロッカーを割り当て、ユーザが拡張現実ヘッドセットを使用して割り当てロッカーを施錠/開錠できるようにするプロセスを示すフローチャートである。
図6】本開示の態様による、図1のロッカーシステムの割り当てロッカーにユーザを導くプロセスを示すフローチャートである。
図7】本開示の態様による、ジェスチャによる施錠又は開錠法を使用して図1のロッカーシステムと相互作用するユーザの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような現実の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。さらに、本発明において平行及び垂直などの特定の用語を使用する限り、これらの用語は、厳密な数学的定義からの逸脱を可能にし、例えば製造上の不完全性及び関連する許容誤差に関連する逸脱を認めるものであると理解されたい。
【0011】
本開示は、ロッカーシステムを使用するためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、効率的にロッカーを割り当てて、割り当てロッカーにユーザが便利にアクセスできるようにする解決策を提示する。開示する技術は、ユーザが装着する拡張現実(AR)ヘッドセットと共に使用することができる。特定の実施形態では、開示する技術を、AR機能を提供するモバイル装置と共に使用することができる。例えば、このARヘッドセットを介して、複数のロッカーを有するロッカーシステムのロッカー割り当てをユーザに伝達することができる。また、ユーザは、ARヘッドセットを使用して、割り当てロッカーを開錠/施錠することができる。1つの実装では、ユーザがロッカー区域に近づくと、ARヘッドセットがロッカーシステムから利用可能なロッカー(例えば、未使用のロッカー、ユーザに近い未使用のロッカー、特定の基準又は選好に一致する未使用のロッカー)を識別する情報を受け取り、その後にこの情報を処理してユーザに1又は2以上のロッカーの割り当て又は提案を行うことができる。このロッカー割り当て情報は、ARヘッドセットディスプレイを介してユーザに伝達することができる。ユーザは、(単複の)割り当てロッカーに自分の所持品を入れると、身体ジェスチャ(例えば、ARヘッドセットが追跡できる眼のジェスチャ、手のジェスチャなど)を使用して(単複の)割り当てロッカーを施錠することができる。ARヘッドセットのディスプレイは、このような身体ジェスチャを誘導することにより、ユーザに適切な身体ジェスチャを完了するように、例えば特定の動きパターンを模倣するように促すことができる。ユーザがロッカー区域に戻ると、ARヘッドセットは、ユーザを(単複の)割り当てロッカーに導き、ユーザは、身体ジェスチャを使用して割り当てロッカーを開錠することができる。従って、ユーザは、割り当てロッカーの番号及び/又は位置を覚えておく必要がなく、代わりにARヘッドセットディスプレイに依拠して正しいロッカーに誘導され、これによって気楽な体験を促すことができる。
【0012】
これらを踏まえた上で、本開示の様々な態様を示すために、遊園地、娯楽施設、又は他のいずれかの好適な施設内のユーザ(例えば、来園客及び/又は職員)にロッカーを提供するロッカーシステムに関して本発明の実施形態を説明する。具体的には、本開示の実施形態は、効率的にロッカーを割り当てて、ユーザが割り当てロッカーに便利にアクセスできるようにする解決策を提示する。さらに、本技術の実施形態は、ロッカー代金の支払い、又は来園客が無料で使用できるロッカーへのアクセスを容易にすることもできる。例えば、図1は、本開示の態様による、遊園地12内のロッカーシステム10の概略図である。図示のように、遊園地12は、ユーザ16(例えば、来園客、職員)が遊園地12への入園又は遊園地12内の1又は2以上のアトラクションへの入場を登録できる登録エリア14を含むことができる。いくつかの実施形態では、登録時に、一部又は全部のユーザ16が拡張現実(AR)ヘッドセット18を取得する(例えば、借りる)ことができる。例えば、ユーザ16は、遊園地12における体験の一部とすることができる、又はこのような体験を高めることができるARヘッドセット18を装着することができる。いくつかの実施形態では、ARヘッドセット18の登録又は受け取りの一部として、個々のARヘッドセット18を特定のユーザ16に関連付けることができる。
【0013】
ユーザ16は、ロッカー区域21内の複数のロッカー20を含むロッカーシステム10に近づいて所持品を収納し、又は複数のロッカー20のうちの1つ又は2つ以上から所持品を取り出すことができる。後述するように、ARヘッドセット18を装着したユーザ16は、ARヘッドセット18を使用して1又は2以上のロッカー20と相互作用(例えば、選択、返却、開放/開錠、及び閉鎖/施錠)することができる。
【0014】
図2に、ロッカーシステム10のブロック図の実施形態を示す。図示のように、ロッカーシステム10は、複数のロッカー20と、プロセッサ32、及びプロセッサ32に通信可能に結合されたメモリ34(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体/メモリ回路)を含むコントローラ30とを含む。コントローラ30は、個々のアトラクションのロッカーシステム10のための専用コントローラ、又は遊園地12の制御システムの一部とすることができる。コントローラ30は、無線又は有線通信を介して複数のロッカー20に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、各個々のロッカー20をコントローラ30と通信するように構成することができる。他の実施形態では、個々のロッカー20が、個々のロッカー20の利用可能性情報を収集してコントローラ30に受け渡すハブ又はプロセッサベースの装置と通信することができる。コントローラ30は、無線通信を介してARヘッドセット18に通信可能に結合される。
【0015】
各個々のロッカー20は、コントローラ30から命令を受け取った時点で個々のロッカー20を施錠/開錠及び/又は開放/閉鎖するように構成された好適なアクチュエータ23などのロック機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ30がロッカー20に通信可能に結合されているので、アクチュエータ23の動作状態をコントローラ30に伝達してロッカー20の利用可能性情報を提供することができる。すなわち、コントローラ30は、個々のアクチュエータ23の状態(施錠又は開錠)に関する情報を受け取ることができ、これに従って関連するロッカー20の利用可能性(アクチュエータ23の開錠時には利用可能であり、アクチュエータ23の施錠時には利用不可能であること)を示すことができる。コントローラ30は、無線通信を介してデータサーバ36に通信可能に結合される。データサーバ36は、ユーザ16のユーザ情報を記憶及び/又は処理する遠隔又は現地データサーバとすることができる。ユーザ情報は、支払い情報、会員情報、個人情報(例えば、年齢、身長、特殊ニーズなど)、ロッカー選好情報(例えば、ロッカーのサイズ、数、位置など)などの、ユーザ16によって提供又は承認されたいずれかの好適な情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロッカーシステム10が、ロッカー区域21内に配置された1又は2以上のカメラ38を含むことができ、コントローラ30は、有線又は無線通信を介して1又は2以上のカメラ38に通信可能に結合することができる。1又は2以上のカメラ38は、認識(例えば、顔認識)に基づくアクセス制御を容易にすることができ、さらに個々のユーザ16へのロッカー割り当てのための入力として使用する情報をコントローラ30に提供することができる。
【0016】
ARヘッドセット18の各々は、コンピュータによって生成された感覚入力によって増強された音、映像、グラフィックス又は全地球測位システム(GPS)データなどの要素を有する物理的現実世界環境の鮮明な直接的又は間接的視野を提供することができる。ARヘッドセット18を活用すると、ユーザ16の周囲の現実世界に関する情報が相互作用的なもの及び/又はデジタル操作可能なものになる。ARヘッドセット18は、眼鏡、ヘッドマウント装置及びヘッドアップディスプレイなどのいずれかの好適な形をとることができる。ARヘッドセット18の各々は、好適なARプラットフォームを可能にするいずれかの好適なハードウェア、ソフトウェア及びアルゴリズムを含むことができる。図3に、ARヘッドセット18のブロック図の実施形態を示す。ヘッドセット18は、プロセッサ40と、プロセッサ40に通信可能に結合されたメモリ42と、ディスプレイ44と、感覚及び追跡装置46(例えば、カメラ、加速度計、全地球測位システム又はGPS、ジャイロスコープ、固体コンパス、慣性計測装置又はIMUなど)と、ネットワークシステム48(例えば、無線通信システム、有線通信、赤外線又はIRトランシーバ、光学トランシーバ)と、入力装置50(例えば、音声認識システム、ジェスチャ認識システムなど)とを含むことができ、メモリ42に記憶された好適なソフトウェア/アルゴリズム52(例えば、ファームウェア、アプリケーション、アプリケーションポータビリティプロファイル又はAPPなど)をプログラムすることができる。さらに、メモリ42は、識別情報、或いはコントローラ30によってアクセスされた時に個々のユーザ16の記憶されたプロファイルにARヘッドセット18をリンクする情報を記憶することができる。このように、ARヘッドセットディスプレイ及びロッカー割り当ては、ユーザの選好(例えば、届く範囲が限られた子供のための低位置のロッカー)を考慮して実装することができる。他の実施形態では、ARヘッドセット18を特定のユーザ16に関連付けないこともできる。
【0017】
再び図2を参照すると、メモリ34又はデータサーバ36は、ユーザ識別(ID)情報又はユーザプロファイル情報などの識別データ又は認証データを記憶することができる。メモリ34は、1又は2以上の命令セット(例えば、プロセッサ実行可能命令)と、ロッカーシステム10の機能又は動作に関連する動作を実行するように実装されたアルゴリズムとを記憶することができる。例えば、メモリ34は、メモリ34又はデータサーバ36に記憶されている情報(例えば、ユーザプロファイル情報)、並びにロッカー20(例えば、アクチュエータ23の状態表示(status indications))、ARヘッドセット18、データサーバ36及び/又は1又は2以上のカメラ38によって1又は2以上のユーザ16のためのロッカー割り当ての決定を可能にする入力として提供された(単複の)信号に対するアクセス、処理及び/又は分析を行うためのアルゴリズム又はルールベースの命令を含むロッカー割り当てモジュール35を記憶することができる。ルールベースの命令は、所定の重み係数に従っていくつかの入力に重み付けすることができる。例えば、ロッカー区域21の混雑が激しい時間中には、この重み付けが、例えばカメラ38からの信号を介して評価された通りに、他の割り当てられていないロッカー20に隣接するロッカー20の割り当て、又は低いユーザ密度に関連するロッカー20の割り当てを促して、トラフィックフローを混雑度の低い区域に促すことができる。従って、重み付け係数は、個々のロッカー20の付近のユーザ16の密度、又は個々のロッカー20の付近の隣接する利用可能な未割り当てのロッカー20の数又は密度を含むことができる。別の実施形態では、ルールベースの命令が、ユーザ16と利用可能なロッカー20との間のロッカー-ユーザ間距離に重み付けして、ユーザから離れた他のロッカー20に比べて近くのロッカー20に高い重みを与えることができる。
【0018】
ロッカー割り当てモジュール35は、ロッカーシステム10がロッカー20の使用(例えば、利用可能性、継続使用時間など)を追跡できるようにロッカー割り当てを更新するための命令を含むこともできる。従って、各個々のロッカー20は、利用可能性(例えば、使用状態又は空き状態)に関する情報をコントローラ30に伝達するように構成することができる。1つの実施形態では、ロッカー20が、(例えば、使用中から利用可能状態への又はこの逆への)状態(status)の変化時に状態又は利用可能性情報を提供することができる。別の実施形態では、ロッカー20が、状況情報を定期的に提供することができる。
【0019】
ロッカー割り当てモジュール35は、ロッカー割り当ての重複及び/又はオーバーブッキングを避けるように特定の基準に従ってユーザ16にロッカー20を効率的に割り当てるように構成することができる。ロッカー割り当てモジュール35は、ロッカー割り当てを処理して複数のユーザ16に同時に又は実質的に同時に(例えば、複数のユーザ16に同じロッカー20を割り当てることなく)伝達することができる。例えば、ロッカー割り当て基準は、ロッカーの利用可能性、ユーザの位置(例えば、それぞれのロッカーまでの距離)、個々のARヘッドセット18のユーザのユーザプロファイル情報(例えば、年齢、身長、特殊ニーズ)、ユーザ選好(user preferences)(例えば、サイズ、位置、数、コストなど)、ユーザID、会員状態(membership status)、入場状態(admission status)(例えば、遊園地12への入園及び/又は遊園地12内の(単複の)特定のアトラクションへの入場)などのいずれかの好適な要素を含むことができる。1つの実施形態では、ユーザ16がロッカー20を選択している集団(例えば、家族集団)の一部である場合、コントローラ30は、ルールベースのメトリックに従って、互いに隣接する又はできるだけ近くの割り当てロッカー20を家族のためにグループ化するように動作することができる。別の実施形態では、コントローラ30が、ユーザの位置を考慮して、閾値距離(例えば、3メートル又はそれ未満)内の1又は2以上のロッカー20の利用可能性のみの割り当て/指示を行うことができる。さらに、コントローラ30は、位置情報と(ARヘッドセット18によって提供される)ユーザ注視情報とを組み合わせて、ロッカー区域21におけるユーザ16の前方注視方向に概ね対応する距離閾値内のロッカー20の利用可能性のみの割り当て/指示を行うこともできる。別の実施形態では、特別な入場状態を有するユーザ16のために、(例えば、最上列又は最下列ではない)中間の組のロッカー20の一部を確保しておくことができる。別の実施形態では、2人のユーザ16が同時にロッカー区域21に入った場合、コントローラ30は、第1のユーザ16を第2のユーザ16から離れたロッカー20の組に(AR矢印又は足跡を介して)導くことによってロッカー区域21内のトラフィックフローを容易にすることができる。第1のユーザ16が遠く離れたロッカー20の組に近づくと、コントローラ30は、この離れたロッカー20の組内の1又は2以上の利用可能なロッカー20を強調表示することができる。
【0020】
1つの実施形態では、コントローラ30を、ARヘッドセット18の機能又は動作を制御するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラ30は、取得されたロッカー区域21の画像などからの空間情報を使用して構築されたロッカー区域21のモデルをメモリ34に記憶し、或いはデータサーバ36内でこのようなモデルにアクセスすることができる。このモデルを、例えばカメラ38及びセンサ46からの、ロッカー区域内の各ユーザ16の位置を特定するための他の入力、及びARヘッドセット18からの各ユーザ16の注視方向と共に使用して、ロッカー区域21内でユーザ16が移動した時に動的に更新される表示信号をARヘッドセットに提供する。コントローラ30は、モデル、ユーザ位置及び注視方向に基づいて、本明細書に示すようなオーバーレイ表示された拡張現実画像を提供することができる。
【0021】
メモリ34は、ARヘッドセット18の感覚及び追跡装置46を使用してロッカー20の利用可能性及び/又はユーザ16の位置/向きに関する情報を取得するための命令、又はこのような情報にアクセスするための命令を記憶することもできる。感覚及び追跡装置46のカメラによって取得された情報は、どのロッカー20が利用可能であるか(例えば、開錠及び/又は開放中のロッカー20)を示すことができる。感覚及び追跡装置46の加速度計、GPS、ジャイロスコープ、固体コンパス及び/又はIMUによって取得された情報は、利用可能として示された対応するロッカー20に対するユーザ16の相対的位置/配向及び/又は動きを示すことができる。いくつかの実施形態では、メモリ34が、1又は2以上のカメラ38を使用して上述したようなロッカー20の利用可能性及び/又はユーザ16の位置/配向に関する情報を取得するための命令を記憶することができる。
【0022】
例えば、メモリ34は、1又は2以上の利用可能な及び/又は提案されるロッカー20をユーザ16に表示するようにARヘッドセット18のディスプレイ44を動作させるための命令を記憶することができる。利用可能な及び/又は提案されるロッカー20は、ディスプレイ44上に表示されるテキスト、画像、又はこれらの組み合わせを含むいずれかの好適な視覚的識別を介して伝達することができる。例えば、利用可能な及び/又は提案されるロッカー20は、この視覚的識別がディスプレイ44上で周囲の現実世界の対応するロッカー20と重なり合うようにいずれかの好適な視覚的強調表示(例えば、陰影付きの色、明滅、丸囲み表示など)を介して示すことができる。ディスプレイ44上には、利用可能な及び/又は提案されるロッカー20までのナビゲーション(navigation)(例えば、視覚的GPSナビゲーション)を表示することもできる。ディスプレイ44上には、利用可能な又は提案されるロッカーのうちの1つ又は2つ以上の選択、割り当てロッカー20の施錠/開錠及び/又は開放/閉鎖などの操作オプションを表示することもできる。ディスプレイ44上には、割り当てロッカー20に保管された所持品を取り出すためのリマインダなどの他の好適な通信を表示することもできる。さらに、メモリ34は、ユーザ16がロッカー区域21内に滞在している間に特別な又はテーマ化された画像をディスプレイ44上に表示するための命令を記憶することもできる。
【0023】
例えば、メモリ34は、ユーザ16が促したロッカー選択及び動作(例えば、ロッカーの選択、施錠/開錠及び/又は開放/閉鎖)を示す情報をARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)から取得するための命令を記憶することができる。具体的に言えば、ユーザ16は、発話、注視、手/腕のジェスチャなどによってロッカー選択及び動作を促すことができる。例えば、メモリ34は、コントローラ30がロッカー20を施錠/開錠及び/又は開放/閉鎖できるようにアクチュエータ23を動作させるための命令を記憶することができる。
【0024】
図4は、ARヘッドセット18を介してユーザ16に示されるロッカー区域内の提案される利用可能なロッカー54のビューの概略図である。図示の実施形態では、推定注視フィールド56又はユーザ16の注視方向に関する情報に基づいて、全ロッカー20のうちの利用可能なロッカーの一部が提示される。推定注視フィールド56は、カメラ38から、又はユーザのARヘッドセット18からのフィードバックから判定することができる。システムコントローラ30は、推定注視フィールド56内又はその付近の利用可能なロッカーのみをユーザ16への提示に選択することができる。提案される利用可能なロッカー54は、ARヘッドセット18を介して提供される強調表示、オーバーレイ画像又はその他の差別化表示を通じて推定注視フィールド56内の利用できないロッカー55と区別することができる。1つの実施形態では、利用可能なロッカー20に特定の色(例えば、緑色)がオーバーレイ表示されるのに対し、利用できないロッカー20は、色のオーバーレイ表示を伴わずに、又は異なる色(例えば、赤色)で示される。利用可能又は利用不可能なロッカー20は、テキストオーバーレイ(例えば、「利用可能(AVAILABLE)」又は「利用不可能(UNAVAILABLE)」)、又は乗り物に関連する画像で示す(例えば、笑顔の乗り物キャラクタは利用可能なロッカー20を示し、悪役の乗り物キャラクタは利用できないロッカー20を示す)ことができる。別の実施形態では、割り当てられた又は利用可能なロッカーが、ユーザ16の名前などの個別のテキストオーバーレイ、或いはロッカー20上にテキストオーバーレイ表示される記憶されたユーザのプロファイル画像、又は(記憶されたユーザプロファイル情報からコントローラ30などを介してアクセスされる)プロファイルアバターなどのユーザに関連する画像で示される。従って、ユーザ16は、容易に自身の割り当てロッカー20を見分けることができる。さらなる効果(点滅効果、効果音)を使用してユーザの注意を引き付けることもできる。1つの実施形態では、ユーザ16が割り当てロッカー20に到達するまで、オーバーレイ画像が頻度を増して点滅する。オーバーレイ画像は、(単複の)割り当てロッカー20又は提案ロッカー20にユーザ16を導く矢印、足跡などのナビゲーション支援を含むこともできる。別の例では、乗り物キャラクタがユーザ16のナビゲータの役割を果たし、ユーザ16は、キャラクタのオーバーレイ画像に従って割り当てロッカー20を発見することができる。ユーザ16が提案された利用可能なロッカー54を選択すると、ARヘッドセット18は、別のあらゆる提案された利用可能なロッカー54を消滅させ、又はその表示を中止することができる。
【0025】
図示の実施形態では、提案される利用可能なロッカー54の複数のオプションをユーザ16に提示できることを示しているが、他の実施形態では、1つの提案される又は割り当てられた利用可能なロッカー54のみをユーザ16に提示することもできると理解されたい。従って、このような実施形態では、推定注視フィールド56内の他のロッカー20が空いているとしても、単一の提案される利用可能なロッカー54のみがユーザ16に提示される。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザ16が利用できるオプションの数にかかわらず、コントローラ30が、いずれかの個々のロッカー20を同時に1人のユーザ16しか利用できないものとして示すように動作することができる。このようにすると、2人のユーザ16が同じロッカー20を争うことがなくなる。
【0026】
図5は、ロッカーシステム10を利用してユーザ16にロッカー20を割り当てる方法60を示すフローチャートである。方法60の1又は2以上のステップは、ロッカーシステム10のコントローラ30によって実行することができる。方法60は、ARヘッドセット18を連動させるステップ(ステップ62)を含む。ARヘッドセット18のロッカーシステム10との連動(engagement)は、ユーザ16が1又は2以上のロッカー(例えば、ロッカー20)にアクセスしたいと望んでいる旨を示すユーザ入力によって引き起こすことができる。例えば、ARヘッドセット18は、ロッカー20にアクセスしたいと望んでいるかどうかを示すようにユーザ16を促す(単複の)オプション及び/又は(単複の)命令をディスプレイ44上に表示することができる。いくつかの実施形態では、ユーザ16が登録エリア14においてARヘッドセット18を受け取った時に、或いはユーザ16がロッカー区域に近づいた(例えば、ロッカー区域21に近接近した)時に、ARヘッドセット18のロッカーシステム10との連動を自動的に引き起こすことができる。コントローラ30は、ユーザ16がロッカー20にアクセスしたいと望んでいる旨の指示を受け取ると、ユーザ16の識別/状態(例えば、ユーザ16が会員状態、入場状態、支払い方法などの点で良好な状態(good standing)にあること)を検証することができる。例えば、コントローラ30は、データサーバ36から関連情報を収集することができる。例えば、コントローラ30は、ユーザ16が対応する支払いを行っているかどうか、又は認証されているかどうか(例えば、ロッカー20のレンタルに関連する支払い、又は無料)を検証することができる。検証に合格すると、コントローラ30は、対応するARヘッドセット18をロッカーシステム10と連動させることができる。
【0027】
方法60は、ロッカー割り当てに関する情報を収集及び/又は処理するステップ(ステップ64)を含む。具体的に言えば、コントローラ30は、ロッカー20、ARヘッドセット18、データサーバ36及び/又は1又は2以上のカメラ38からロッカー割り当てに関する情報/データ(例えば、ロッカー割り当て基準)を取得することができる。この情報/データは、以下に限定するわけではないが、ロッカー利用可能性、ユーザ位置(例えば、それぞれのロッカーまでの距離)、ユーザプロファイル(例えば、年齢、身長、特殊ニーズ)、ユーザ選好(例えば、サイズ、位置、数、コストなど)、ユーザID、会員状態、入場状態(例えば、遊園地12への入園及び/又は遊園地12内の(単複の)特定のアトラクションへの入場)などを含むことができる。具体的に言えば、ロッカー割り当てモジュール35は、ロッカー割り当て基準の処理及び分析を行って、(例えば、データサーバ36上に記憶された)各ロッカーに関するデータに基づいて割り当て基準に最も一致するロッカーをユーザ16のために選択するための、コントローラ30が実行できる命令を含むことができる。例えば、ロッカー割り当てモジュール35は、利用可能な(例えば、空いている、予約されていない、などの)ロッカー20から選択を行うことができる。例えば、ロッカー割り当てモジュール35は、ユーザ16が特定のロッカー20の近くに存在すると判断して比較的近いロッカー20から選択を行うための命令を含むことができる。例えば、ロッカー割り当てモジュール35は、ユーザの身長及び/又は特殊ニーズに基づいてロッカー20を割り当てる命令を含むことができる。別の例では、ロッカー割り当てモジュール35が、厳選された会員状態に対して利用できる特定のロッカー20をユーザ16が承認されていると判断し、これらのロッカー20から選択を行うことができる。例えば、ロッカー割り当てモジュール35は、ユーザ16が遊園地12内の厳選された(単複の)アトラクションに関連する特定のロッカー20の使用を承認されていると判断するための命令を含むことができる。
【0028】
方法60は、選択されたロッカー20をユーザ16に表示するステップ(ステップ66)を含むことができる。上述したロッカー選択プロセス/分析が完了すると、コントローラ30は、ARヘッドセット18に、ディスプレイ44を使用して、(単複の)選択されたロッカー20を表示するように命令することができる。具体的に言えば、ステップ66においてユーザ16に示される(単複の)ロッカー20はロッカーシステム10が行った選択であり、ユーザ16は、この選択を承認又は拒否し、及び/又はロッカーシステム10が選択した利用可能なオプションから1又は2以上のロッカー20を選択することができる。いくつかの実施形態では、方法60が、利用可能なロッカー20をユーザ16に表示するステップ(ステップ68)を含むことができる。例えば、上述したロッカー選択プロセス/分析が完了すると、コントローラ30は、ARヘッドセット18に、ディスプレイ44を使用して、(単複の)選択されたロッカー20ではなく全ての利用可能なロッカー20を表示するように命令することができる。具体的には、ユーザ16に選択を行うように促す命令と共に、利用可能なロッカー20をユーザ16に示す(ステップ68)ことができる。いくつかの実施形態では、選択されたロッカー20(ステップ66)又は利用可能なロッカー(ステップ68)を表示するステップが、選択された又は利用可能な(単複の)ロッカー20までのナビゲーションルートをディスプレイ44上に表示するステップを含む。
【0029】
方法60は、ロッカー割り当てを確認するステップ(ステップ70)を含むことができる。例えば、ARヘッドセット18に通信可能に結合されたコントローラ30は、ユーザ16からロッカー選択を確認する入力を受け取ることができる。例えば、ユーザ16は、ステップ66の後に、ARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)を使用して、ロッカーシステム10によって選択されたロッカーを承認又は拒否することができる。例えば、ユーザ16は、ステップ68の後に、ARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)を使用して、ロッカーシステム10が識別した利用可能なロッカーから1又は2以上のロッカーを選択することができる。方法60は、ロッカーの利用可能性を更新するステップ(ステップ72)を含むことができる。ステップ70においてユーザ16が選択を確認すると、コントローラ30は、ロッカー割り当て又は利用可能性指示の重複又はオーバーブッキングを避けるためにロッカーの利用可能性を更新する。
【0030】
方法60は、ロッカー割り当てが確認される(ステップ72)と、割り当てロッカー20の使用を可能にするステップ(ステップ74)を含むことができる。例えば、コントローラ30は、ARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)から命令を受け取り、受け取った命令に基づいて、(単複の)確認された割り当てロッカー20の開錠又は開放を行うための命令をアクチュエータ23に送信することができる。例えば、コントローラ30は、アクチュエータ23、ARヘッドセット18、(単複の)カメラ38、又はこれらの組み合わせから情報を収集して、それぞれのロッカー20内にユーザの所持品が配置されたと判断し、その後にそれぞれのロッカー20を閉鎖及び/又は施錠するための命令をアクチュエータ23に送信することができる。
【0031】
図6は、ロッカーシステム10を利用して、ユーザ16がそれぞれのロッカー20(例えば、ユーザ16に割り当てられたロッカー)にアクセスするのを支援する方法80を示すフローチャートである。方法80の1又は2以上のステップは、ロッカーシステム10のコントローラ30によって実行することができる。方法80は、ロッカー割り当てを検証するステップ(ステップ82)を含む。ロッカー割り当て検証ステップは、ユーザ16がそれぞれの割り当てロッカー20にアクセスしたいと望んでいる旨を示すユーザ入力によって引き起こすことができる。例えば、ユーザ16は、ARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)を使用して、それぞれの割り当てロッカー20にアクセスするための要求を示すことができる。いくつかの実施形態では、ARヘッドセット18を装着したユーザ16がロッカー区域21に近づいた(例えば、ロッカー区域21に近接近した)時にこのステップを自動的に引き起こすことができる。コントローラ30は、ユーザ16がロッカー20にアクセスしたいと望んでいる旨の指示を受け取ると、ユーザ16の識別/状態(例えば、ユーザ16が良好な状態にあり、それぞれのロッカー20を現在借りていること)を検証してロッカー割り当てを検証することができる。
【0032】
他の実施形態では、図7に示すように、ユーザの割り当てロッカー100の施錠/開錠が、ユーザ16が生成してARヘッドセット18又は1又は2以上のカメラ38が感知したジェスチャ認識入力に基づくことができる。例えば、ARヘッドセット18のディスプレイを介して、(図7にはほんの一例として数字の「4」として示す)表示記号102を模倣するようにユーザ16を促すことができる。他の実施形態では、ユーザ16に独自のジェスチャを生成するように促すことができる。ARヘッドセット18は、適切なジェスチャを検出すると、ユーザの割り当てロッカー100を施錠/開錠するための信号をコントローラ30に送信することができる。1つの実施形態では、ユーザの割り当てロッカー100を施錠するジェスチャと、その後に開錠するジェスチャとが同じものである。
【0033】
再び図6を参照すると、方法80は、ユーザ16を自分の割り当てロッカー20にナビゲートするステップ(ステップ84)を含むことができる。具体的に言えば、コントローラ30は、ARヘッドセット18に、割り当てロッカー20を表示するように、及び/又は割り当てロッカー20までのナビゲーション(例えば、視覚的GPSナビゲーション)を表示するように命令することができる。方法80は、割り当てロッカー20の使用を可能にするステップ(ステップ86)を含むことができる。例えば、コントローラ30は、割り当てロッカー20の開錠及び/又は開放を行うための命令をアクチュエータ23に送信することができる。例えば、コントローラ30は、ARヘッドセット18の入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)から命令を受け取り、受け取った命令に基づいて、割り当てロッカー20の開錠及び/又は開放を行うようにアクチュエータ23に命令することができる。
【0034】
方法80は、ロッカー割り当てをクリアするステップ(ステップ88)と、ロッカーの利用可能性を更新するステップ(ステップ90)とを含むことができる。これらのステップは、ユーザ16がロッカー割り当てをクリアしたいと望んでいる旨の指示によって引き起こすことができる。例えば、コントローラ30は、ARヘッドセット18の(単複の)入力装置50(例えば、音声認識システム及び/又はジェスチャ認識システム)から、ユーザ16がもはやロッカー20を必要としていない(例えば、ユーザ16がロッカー割り当てをクリアしたいと望んでいる)旨を示す入力を受け取ることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、コントローラ30が、アクチュエータ23、ARヘッドセット18、データサーバ36、1又は2以上のカメラ38、又はこれらの組み合わせから情報を収集し、収集された情報に基づいて、ユーザ16がもはやロッカー20を必要としていないと判断することができる。例えば、コントローラ30は、ARヘッドセット18及び/又は1又は2以上のカメラ38から情報を収集して、ユーザ16が所持品を取り出してアトラクション及び/又は遊園地12の出口に向かっていると判断することができる。いくつかの実施形態では、センサ(例えば、光学センサ又は重量センサ)がロッカー20内のアイテムの存在を検出してこの判断を促すことができる。その後、コントローラ30は、ロッカー割り当てをクリアし(ステップ88)、それぞれのロッカー20が次のロッカー割り当てに利用可能になるようにロッカーの利用可能性を更新する(ステップ90)ことができる。
【0036】
なお、ロッカーシステム10の態様について、ARヘッドセット18を使用して実装されるものとして説明しているが、本開示の実施形態は、他のいずれかの好適なモバイル装置(例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット)を使用して実装することもできると理解されたい。例えば、モバイル装置は、ARヘッドセット18と同様の機能(例えば、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、感覚及び追跡装置、ネットワークシステム、入力装置、ファームウェア、アプリケーション、アプリケーションポータビリティプロファイル又はAPPなどのハードウェア及びソフトウェアによって実装される機能)を有することができる。1つの例では、ヘッドセットディスプレイ44を介して拡張現実画像を見るのではなく、モバイル装置又はパーソナル装置のディスプレイ上で拡張現実画像を見ることができる。例えば、ユーザ16は、自身のモバイル装置にAPPをダウンロードして、このモバイル装置をロッカーシステム10、コントローラ30などに接続することができる。その後、ロッカーシステム10は、上述した方法と同様に効率的にロッカーを割り当てて、ユーザ16が割り当てロッカー20に容易にアクセスできるようにすることができる。
【0037】
本明細書では、いくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲では、全てのこのような修正及び変更が本開示の実際の趣旨に含まれるものとして対象になると理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7