(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】医療用インプラント搬送システムおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/08 20060101AFI20230724BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20230724BHJP
A61B 17/90 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A61F2/08
A61B17/86
A61B17/90
(21)【出願番号】P 2020531153
(86)(22)【出願日】2018-12-06
(86)【国際出願番号】 US2018064215
(87)【国際公開番号】W WO2019113292
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-06-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-08
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511290927
【氏名又は名称】ローテーション メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ROTATION MEDICAL,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ゼンズ-オルソン、ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ナサニエル
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】安井 寿儀
【審判官】佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/117415(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0189164(US,A1)
【文献】特表2019-501716(JP,A)
【文献】特表2013-523353(JP,A)
【文献】米国特許第5261914(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント搬送システムであって、前記インプラント搬送システムは、
近位部、遠位部、およびその間に延在するルーメンを含む搬送シャフトと、
前記搬送シャフトの前記遠位部に着脱可能に結合され
るフレームと、
前記フレーム
の一部を貫通して延びる鋲部材と、を備え、
前記鋲部材の近位端部は前記鋲部材の縦軸に沿って延びるボアを備え、
繋具部材を備え、前記繋具部材の遠位端部は
、当該繋具部材が前記鋲部材の前記縦軸と同心になるように前記鋲部材の前記ボア内で当該鋲部材に固定され
、前記繋具部材は、前記搬送シャフトの前記ルーメンを通って前記鋲部材から近位方向に延びるインプラント搬送システム。
【請求項2】
前記鋲部材の遠位端部はテーパ領域を含む、請求項1に記載のインプラント搬送システム。
【請求項3】
前記鋲部材は周面と、前記周面から径方向に離れて延びる1つまたは複数の突出部とを有する軸を含む、請求項1または2に記載のインプラント搬送システム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の突出部は前記鋲部材を
皮質殻の層の下に係留するように構成される、請求項3に記載のインプラント搬送システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の突出部は、前記軸の前記周面を超えて径方向の外側に延びる連続的な周方向の平面を含む、請求項4に記載のインプラント搬送システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の突出部は、前記軸の前記周面から径方向の外側に延び、かつ0.889ミリメートルから2.54ミリメートルの間の直径を有するリムを含む、請求項5に記載のインプラント搬送システム。
【請求項7】
前記鋲部材は軸を含み、該軸は、周面と、前記軸に沿って互いに離間した複数の突出部とを有する、請求項1または2に記載のインプラント搬送システム。
【請求項8】
前記複数の突出部の各々は、前記軸の前記周面を超えて径方向の外側に延びる連続的な周方向の平面を含む、請求項7に記載のインプラント搬送システム。
【請求項9】
前記複数の突出部の各々は、前記軸の前記周面から径方向の外側に延び、かつ0.889ミリメートルから2.54ミリメートルの間の直径を有するリムを含む、請求項8に記載のインプラント搬送システム。
【請求項10】
前記複数の突出部の間において、前記軸は0.254ミリメートルから1.905ミリメートルの間の直径を有する請求項9に記載のインプラント搬送システム。
【請求項11】
前記鋲部材は第1の材料から形成された軸と、前記軸に沿って配置された1つまたは複数の固定部材とを含み、前記1つまたは複数の固定部材は前記第1の材料とは異なる第2の材料から形成される、請求項1または2に記載のインプラント搬送システム。
【請求項12】
前記1つまたは複数の固定部材は前記軸の周面から径方向に離れて延びる、請求項11に記載のインプラント搬送システム。
【請求項13】
前記フレームは、
本体部と、
前記本体部から分かれて延びる複数の取り付けアームであって、各取り付けアームは前記取り付けアームの厚みを貫通して延びる1つまたは複数の開口部を含む取り付けアームと、
各取り付けアームの前記1つまたは複数の開口部に通された取り付け部材と、
各取り付けアームの遠位部上に成形されたロック部材であって、関連する前記取り付け部材を前記取り付けアームに固定するために前記取り付け部材および1つまたは複数の開口部を覆うロック部材と、を備える請求項1乃至12のいずれか一項に記載のインプラント搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にしかし限定の目的ではなく、整形外科用のインプラント及び治療方法に関する。より詳細には、本願は腱修復インプラント、例えば肩の棘上筋腱の完全断裂または部分断裂した領域上ないし領域内における関節鏡的置換術用に設計された腱修復インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
複雑であることとその運動範囲と広範な使用とにより、軟組織損傷の傷害の多くは、腱板または腱板腱の損傷である。腱板の損傷は、急性外傷性断裂または関節の使い過ぎなどに由来する過伸展している間に生じる可能性のある潜在的に深刻な医学的状態である。棘上筋腱の50%に満たない部分断裂を修復するための適切な施術は存在しない。現在の施術は、さらなる損傷を防止して不快感を軽減する為に、衝撃を和らげることや腱の可動空間を形成することを目的としているが、腱を修復や強化するものではない。損傷している腱を使い続ければ、さらに損傷したり傷害したりする可能性がある。したがって、腱板や腱板腱もしくは他の軟組織または全身の腱の損傷に生じた損傷を治療する為に関節鏡的手術の際に医療用インプラントを搬送して適切に配置することについて依然として需要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療装置の為の設計、材料、製造方法および代替的使用を提供する。例示のインプラント搬送システムは、近位部、遠位部、およびその間に延在するルーメンを含む搬送シャフトを含む。インプラント搬送システムはまた、搬送シャフトの遠位部に着脱可能に結合されたフレームと、フレームに結合された鋲部材とを含む。
【0004】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材の近位部に結合された繋具部材、をさらに備える。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、繋具部材は搬送シャフトのルーメン内で延びる。
【0005】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、フレームは、本体部および本体部から延びる複数の取り付けアームを含む。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は、フレームの本体部の孔を貫通して延びる。
【0006】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材の遠位端部は骨に係合するよう構成される。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、繋具部材は後退することで鋲部材を骨から離脱させるよう設計されている。
【0007】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材の遠位端部はテーパ領域を含む。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材の近位端部は鋲部材縦軸に沿って延びるボアを含む。
【0008】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、繋具部材の遠位端部は鋲部材のボア内で固定されている。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、複数の取り付けアームはインプラントに取り付けられるよう構成される。
【0009】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、フレームは生体内で搬送シャフトから外れるよう構成される。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、繋具はフレームに直接的に結合される。
【0010】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、繋具は連結部材によってフレームに間接的に結合される。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、フレームは連結部材に結合するよう構成された第1孔をさらに備える。
【0011】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、連結部材は第1の輪郭を含み、搬送シースのルーメンは第2の輪郭を含み、第1の輪郭は第2の輪郭に適合するよう構成される。
【0012】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、連結部材は搬送シャフトから離脱するよう構成され、連結部材は、搬送シャフトから離脱した後にフレームに係合されたままでいるよう構成される。
【0013】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は連結部材に対して静止する。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は連結部材に対して平行移動が可能である。
【0014】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は周面と、周面から離れて径方向に延びる1つまたは複数の湾曲した突出部とを有する軸を含む。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、1つまたは複数の曲面状の突出部は鋲部材を骨の層の下に係留するよう構成される。
【0015】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、1つまたは複数の曲面状の突出部は軸に沿って互いに離間する。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は第1の材料から形成された軸と、軸に沿って配置された1つまたは複数の固定部材とを含み、1つまたは複数の固定部材は第1の材料とは異なる第2の材料から形成される。
【0016】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、1つまたは複数の固定部材は軸の周面から径方向に離れて延びる。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、搬送シャフトがフレームに取り付けられている間、繋具は搬送シャフトのルーメン内で延び、搬送シャフトがフレームから外れた場合に繋具はフレームに連結されたままである。
【0017】
修復するためにインプラントを搬送する例示的な方法は、インプラント修復システムを標的部位まで前進させる工程を備える。インプラント修復システムは、近位部および遠位部を含む搬送シャフトと、連結部材によって搬送シャフトの遠位部に着脱可能に結合されたフレームを含む。フレームは、本体部および本体部から分かれて延びる複数の取り付けアームを含む。鋲部材が連結部材に結合される。インプラントは取り付けアームに取り付けられる。方法はさらに、インプラントを標的部位の骨構造に隣接して配置して鋲部材を骨構造に係合する工程を含む。その後、搬送シャフトが生体内でフレームから外され、鋲部材が骨構造に係合したままになる。その後、インプラントが標的部位に固定される。
【0018】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、連結部材が搬送シャフトの遠位端とフレームの間に結合され、搬送シャフトをフレームから外す工程は、連結部材を搬送シャフトの遠位端から離脱させる工程を含む。
【0019】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材を係合する工程はさらに、鋲を骨構造に係留する工程を含む。
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は周面と、周面から離れて径方向に延びる1つまたは複数の突出部とを有する軸を含み、鋲を骨構造に係留する工程は、1つまたは複数の湾曲部を骨の皮質層の下に配置する工程を含む。
【0020】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、鋲部材は第1の材料から形成された軸と、軸に沿って配置された1つまたは複数の固定部材とを含み、1つまたは複数の固定部材は第1の材料とは異なる第2の材料から形成され、鋲を骨構造に係留する工程は、1つまたは複数の固定部材を骨の皮質層に隣接して配置する工程を含む。
【0021】
上記の実施形態に対して代替的または追加的に、方法はさらに、インプラントを標的部位に固定した後でフレームを標的部位から引き抜く工程を備え、フレームを標的部位から引き抜く工程は、フレームに結合された繋具を後退させる工程を備える。
【0022】
いくつかの実施形態にかかる上記概要は、本願発明の開示されている各実施形態またはすべての実施態様を説明することを意図したものではない。以下の図面及び詳細な説明は、より具体的に、上記の実施形態を例示するものである。
【0023】
本願発明は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を考慮することにより、さらに深く理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】関節窩上腕関節において、肩甲骨の関節窩に係合する上腕骨頭と腱に固定されたインプラントとを含む肩を示す図。
【
図3】インプラントに取り付けられたインプラント搬送装置の例を示す図。
【
図5A】インプラントに取り付けられたインプラント搬送装置の別例を示す図。
【
図5B】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図5C】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図7】インプラントに取り付けられたインプラント搬送装置の例を示す図。
【
図9A】インプラントに取り付けられたインプラント搬送装置の別例を示す図。
【
図9B】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図9C】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図9D】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図9E】インプラントに取り付けられた搬送装置の例を示す図。
【
図12A】インプラント搬送装置の別例を示す平面図。
【
図13A】シースの断面と共にインプラント搬送装置の別例を示す側面図。
【
図13B】シースの断面と共にインプラント搬送装置の別例を示す側面図。
【
図14】標的部位において例示のインプラント搬送装置とインプラントとを配置する方法の例を示す図。
【
図15】標的部位において例示のインプラント搬送装置とインプラントとを配置する方法の例を示す図。
【
図16】標的部位において例示のインプラント搬送装置とインプラントとを配置する方法の例を示す図。
【
図17】標的部位において例示のインプラント搬送装置とインプラントとを配置する方法の例を示す図。
【
図18】標的部位において例示のインプラント搬送装置とインプラントとを配置する方法の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願発明は、様々な変更形態と代替形態とが可能であるが、それらのもののうち特別なものが例示の方法により図面に示され且つ詳細に説明されている。しかしながら、これは、説明されている具体的な実施形態に本願発明を限定することを意図したものではないと理解しなければならない。逆に、これは、本願発明の主旨および範囲に入る全ての変更形態と均等形態と代替形態とを包含させることを意図するものである。
【0026】
以下の定義された用語については、請求項または本明細書のいずれかにおいて別の定義がなされていない限り、これらの定義が適用されるものとする。
すべての数値は、明示の記載の有無にかかわらず、「約」という用語で修飾されると想定される。「約」という用語は、一般的に当業者が記載された値に均等であると考える数値範囲のことを指す(例えば、同じ機能または結果をもたらす)。多くの例において、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数字を含みうる。
【0027】
終点で数値範囲が記載されている場合には、その範囲に入るすべての数字が含まれる(1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5が含まれる)。
本明細書及び添付の請求項で使用する単数形「a(ひとつ)」、「an(ひとつ)」、「the(その)」は、逆のことが明確に記載されていな限り複数の指示対象も含む。本明細書及び添付の請求項で使用される「or(または)」は、逆のことが明確に記載されていない限り、一般的に「and/or(および/または)」を含む意味で用いられる。
【0028】
本明細書において、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等に対する言及は、説明された実施形態が、1つまたは複数の特徴、構造、および/または特性を含んでよいことを示している。しかしながら、そのような記載は、必ずしもすべての実施形態が、特定の特徴、構造、および/または特性を含んでいることを意味していない。加えて、特定の特徴、構造、および/または特性が、ある実施形態と関連付けて記載されている場合には、そのような特徴、構造、および/または特性は、逆のことが明示されていない限り、明確に記載されているかいないかにかかわらず、他の実施形態に関連付けて使用することも可能である。
【0029】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれたい。異なる複数の図面において類似する要素には同一の附番が付されている。図面は、必ずしも縮尺通りではないが、例示の実施形態を示すものであって本願発明の範囲を限定することを意図していない。
【0030】
複雑であることとその運動範囲と広範な使用とにより、軟組織損傷の傷害の多くは、腱板または腱板腱の損傷である。腱板の損傷は、急性外傷性断裂または関節の使い過ぎなどに由来する過伸展中に生じる可能性のある潜在的に深刻な医学的状態である。現在の修復施術は、さらなる損傷を防止して不快感を軽減する為に、衝撃を和らげることや腱のゆとりを形成することを目的とし得るが、腱を修復や強化するものではない。腱板断裂の受け入れられている治療には、縫合糸を用いて、断裂した腱を上腕骨頭に再固定することが含まれる。加えて、腱板断裂の治療には、修復した腱を機械的に補強する為に、修復した腱の上に足場を配置することも含まれる。したがって、腱板や腱板腱もしくは他の軟組織または全身の腱の損傷に生じた損傷を治療する為に関節鏡的手術の際に医療用インプラントを搬送して適切に配置することについて依然として需要がある。
【0031】
図1は、例示のインプラント12を含む肩10を示す断面図である。肩10には、肩甲骨20の関節窩18に係合する上腕骨16の骨頭14がさらに示されている。関節窩18は、肩甲骨20の狭小の陥没からなる。棘上筋腱22も示されている。これらの筋肉は他の筋肉と共に、肩甲骨20に対する上腕骨16の相対移動を制御する。棘上筋腱22の遠位の腱24は、挿入部26で上腕骨16と合している。
【0032】
図1において、腱24は、挿入部26近くに位置する損傷部28を含む。損傷部28は、腱24を部分的に貫通して延びる断裂30を含む。断裂30は、部分断裂とも呼ばれる。図示の部分断裂30は、腱の滑液包側にあるが、断裂は、腱24の反対側、即ち関節側である場合もあるし、いずれの表面でも目視できない腱24の内側の断裂である場合もある。
【0033】
図1は、腱修復インプラント12が部分断裂30の上に配置されている様子をさらに示す。この例では、腱修復インプラント12は、断裂が滑液包側または関節側または腱の内部にあるか否かにかかわらず、腱の滑液包側に配置されている。さらには、腱修復インプラント12は複数の断裂をおおってもよい。
【0034】
いくつかの例では、患者の標的部位にインプラント12(例えば、シート状インプラント)を搬送する際には、医師は、標的のインプラント部位にアクセスする為に十分な切開口を患者に形成する必要がある場合がある。この「アクセス部位」を形成した後、医師は、アクセス部位によってインプラント搬送システムを挿入して、標的のインプラント部位の近くにそのインプラント搬送システムの遠位端を配置する。医師は、その後、インプラント搬送システムを操作して、標的のインプラント部位の近くで搬送シースの外にインプラントを展開する。
【0035】
例えば、
図2は、患者の肩10を貫通して延びるインプラント搬送システム40を示す斜視図である。
図2は、標的部位(例えば、棘上筋腱の断裂)の近くに展開されたインプラント搬送システム40を示している。少なくともいくつかの実施形態では、インプラント搬送システム40は、近位部(図示略)と、遠位部48と、カニューレ42の少なくとも一部の内部に延びるルーメンを含むシース部材42(例えば、カニューレ)とを備える。加えて、インプラント搬送システム40は、シース部材42のルーメン内に延びて、それに対して縦方向に相対移動する搬送シャフト44を備えうる。
【0036】
搬送シャフト44は、シース部材42の近位部から外側に延在するおよび/または使用者によってシース部材42に対して操作可能である近位部(図示略)を備えてよい。加えて、いくつかの例では、搬送シャフト44および/またはシース部材44の近位部は、ハンドル部材(図示略)に取り付けられてよい。ハンドル部材は、搬送シャフト44を操作するために使用されうる。例えば、ハンドル部材は、搬送シャフト44に対して回転方向の力を加えるために使用されうる。
【0037】
加えて、搬送シャフト44は、シース部材42の遠位部48の外側に延びる遠位部50を備えうる。さらに、搬送シャフト44は、内部に延びるルーメンを備えうる。搬送シャフト44のルーメンは、搬送シャフト44の一部または全長に沿って延びてよい(例えば、搬送シャフト44の遠位部50から近位部まで)。
【0038】
搬送システム40は、搬送シャフト44の遠位部50に取り付けられた取り外し可能なフレーム部材46をさらに備えうる。
図2に示されているように、取り外し可能なフレーム46は、インプラント12(例えば、シート状インプラント)に取り付けられうる。フレーム46とインプラント12を含む組み合わせの構造体は、
図2で示されているように近位端52と遠位端54とを有するものとして形成されうる。
【0039】
フレーム46とインプラント12とを標的部位の近傍に最初に配置した際、医師は、近位部52が上腕(例えば骨)の一部に隣接(例えば重なって)する一方、フレーム46とインプラント12の遠位部54とは腱24に重なるように、フレーム46とインプラント12(例えば、搬送シャフト44の近位部に取り付けられているハンドル部材によって)の向きを変えてよい。
【0040】
上述したように、インプラント搬送システム40の搬送には、アクセス部位(例えば切開部)によって搬送シース42を挿入することと、標的部位に前進することとが含まれうる。搬送シース42の遠位端48を標的部位近くに配置した後、医師は、搬送シャフト44とフレーム46に対して搬送シース42を後退することおよび標的部位に被さってインプラント12とフレーム46とを配置することによって、搬送シース42の遠位部48内部に沿って配置されているルーメンの外にインプラント12と共に取り外し可能なフレーム46を展開してよい。
【0041】
展開前において、取り外し可能なフレーム46とインプラント12の組み合わせは、後で搬送シース42の遠位開口部の外に遠位方向に展開する為に、搬送シース42のルーメン内部に含まれ(収容され)うる。以下にさらに詳細に説明されるように、取り外し可能なフレーム46とインプラント12の組み合わせは、搬送シース42のルーメン内部に配置されるように、包まるおよび/または自身の上に巻き付きうる。代替的には、取り外し可能なフレーム46とインプラント12とは、搬送シース42内部に配置される間、インプラント搬送シャフト44周囲に包まっているか、巻きついていてよい。
【0042】
図3は、例示のインプラント12に取り付けられた取り外し可能なフレーム部材46の例を示す。
図2について説明したように、取り外し可能なフレーム部材46とインプラント12とは、ここで説明する目的のために、搬送シャフト44に隣接して配置されて上腕骨16近傍に配置されうる近位部52を有しうる。加えて、取り外し可能なフレーム部材46とインプラント12とは、ここで説明する目的のために、搬送シャフト44から離れて延びて腱24の近傍に配置される遠位部54を有しうる。
【0043】
図3は、インプラント12の内部の様々な部位に配置される固定部15をさらに示している。
図3に示されているように、固定部15は、フレーム部材46の構造を欠く部位に配置される。換言すれば、フレーム46の形状は、部位15でインプラント12を生体構造に個別に固定可能にする。例えば、医師は、部位15でインプラント12を生体構造に留めつけることができる。
【0044】
図4Aは、取り外し可能なフレーム部材46の例を示す。
図4Aに示されているように、フレーム部材46は、本体部56を含みうる。いくつかの例では、本体部56は、他の部材がそこから延びる円形、卵形、または類似形状のフレームワークを形成すると理解される。例えば、フレーム46の本体部56は、近位部52と遠位部54を有する長尺状の卵形にいくらか類似しうる。本体部56は、1つまたは複数の孔74を備えてよい。加えて、フレーム46は、近位部52の内部に配置されているおよび/または近位部から離間して延びているヘッド部58を備えてもよい。ヘッド部52は、孔60を備えてよい。
【0045】
図4に示されているように、取り外し可能なフレーム46は、本体部56から分かれて延びる1つまたは複数の取り付けアーム64を含んでよい。各取り付けアーム64は、近位部66と遠位部68とを含みうる。各取り付けアーム64の近位部66は、本体部56に堅固に取り付けられているが、その遠位部68は、本体部56から間隔をあけて分かれて配置された取り付けアーム64の自由端であってよい。
図4Aに示されているようにいくつかの例では、取り付けアーム64とヘッド部58とは、本体部56とモノリシック構造を形成しうる。言い換えれば、いくつかの例では、本体部56とヘッド部58と取り付けアーム64とは、単一の材料から単体の構造物として形成されうる(例えば、機械成形、切断、成形、打ち抜き、レーザーカット)。しかしながら、上記の説明は、限定を意図していない。むしろ、取外し可能なフレーム46は、代替材料および/または代替製造方法を用いて形成されてよいと考えられる。例えば、フレーム46またはその一部は、ポリマー材料、セラミック材料および/またはその他の様々な材料から形成されてよい。加えて、フレーム46は、射出成形または代替的なポリマー製造方法によって製造されうる。代替的には、所望される場合には、フレーム46は、3Dプリンティング工程を用いて形成されてよい。加えて、フレーム46の異なる部分(上述したものなど)は、様々な材料から形成されて代替的な方法を用いて組み合わされてよい。例えば、取り付けアーム64は、ポリマー材料から形成されてよく、また金属で形成された中心フレーム部材と組み合わされてよい。フレーム46の異なる部分に様々な異なる材料を組み合わせることが想定される。
【0046】
図4Aは、取り付けアーム64が様々な形状を備えうることをさらに示す。例えば、いくつかの例では、取り付けアーム64は、ヘッド部58の最も近い取り付けアーム64に示されているように、弓形状および/または一般的な湾曲形状を備える。別例では、取り付けアーム64は、ヘッド部58から最も遠くに位置する取り付けアーム64で示されているように、追加的な特徴、例えば、取り付けアーム64に沿って配置された円形部72を備えうる。いくつかの例では、円形部72は、ユーザ(例えば医師)が二次的な医療装置を係合させ、最初の展開後にフレーム46の位置を操作できる「視覚的な係合マーカ」を提供するように設計されてよい。換言すれば、医師は二次的な医療装置を円形部72に係合させ、その後に二次的な医療装置を操作することでフレーム46の最初の展開位置を変更しうる。
【0047】
いくつかの例では、フレーム46は、多様な形状、および/または多様な幾何学的配置を備える。例えば、上記説明では、
図4Aに示されているフレーム46の形状に注目したが、これは限定することを意図していない。例えば、フレーム46は、フレーム46の全体に亘って延びる1つまたは複数の補強部材62を備えてよい。加えて、補強部材62は、1つまたは複数の孔74を形成するように、フレーム46内部(例えば、本体部56内部)に配置されてよい。補強部材62および/または孔74の数、形状、構成、および/または配置は、取り外し可能なフレーム46に備えさせたい特定の機能特性に依存してよい。例えば、フレーム46の強度を高めるために、追加的な補強部材62がフレーム46に付加されうる。別例では、補強部材62は、ある特定の方向において強度又は可撓性を高めるが、異なる方向においては強度または可撓性を減ずる特別な幾何学的構造をとりうる。
【0048】
補強部材62は特定のフレームの形状に追加的な強度および/または構造上の一体性を付与する為に、様々な構成でフレーム46の全体に亘って配置(配列)されてよい。言い換えれば、フレーム46のカスタマイズされた特性を付与するために、補強部材62の様々な形状および/または配置が、フレーム46の内部に含まれてよい。例えば、いくつかの例では、ヘッド部58に加えられた回転力を、フレーム46の遠位部に配置された取り付けアーム64に対して伝達することが所望される場合がある。補強部材62を追加することによって、フレーム部材が不要に湾曲してフレーム全体から力が損失したり消滅したりすることを最小にしつつ、フレーム46全体に(例えば、フレーム46の遠位部まで)回転力を伝達することができる。
【0049】
図4Bは、フレーム46の別例を示す。簡潔化のため、
図4Bに表示されている番号は、
図4Aと同様の要素を示す。
図4Bに示されているように、フレーム46は、
図4Aに示されているフレーム46について説明されたものに類似する幾何学的形状を備える。しかしながら、
図4Bに示されているように、フレーム46は、
図4Aに示されていた補強部材62と比べて、異なる配置で延びて間隔をあけて配置された補強部材62を備えてよい。これに加えて、
図4Bに示されているフレーム46は、補強部材62の代替的な配置により形成された異なる孔74を備えてよい。
【0050】
図4Aと4Bとは、フレーム46が1つまたは複数の取り付けアーム64の遠位部68に沿って配置された1つまたは複数の取り付け孔70を備えうることをさらに示す。例えば、
図4Aまたは4Bは、取り付けアーム64の遠位部68に配置された取り付け孔70を示す。以下においてさらに詳細に説明するように、取り付け孔70は、例示のインプラント12にフレーム46を取り付けることに使用されうる。
【0051】
図4Aは、各取り付けアーム64の遠位部68に沿って配置された3つの取り付け孔70を示すが、示された取り付け孔70の数は、限定することを意図していない。別の実施形態では、取り付け孔70は、本体部56の近位の取り付けアーム64の近位部などの取り付けアーム64の別の部位に沿って配置されてもよい。換言すれば、1つまたは複数の取り付けアームの孔は、フレーム46の任意の部分に沿って配置されうる。例えば、
図4Bは、各取り付けアーム64の遠位部68に沿って配置されている2つの取り付け孔70を示す。フレーム46に沿って配置された取り付け孔の数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20個またはそれ以上であってよい。別例では、取り付けアーム64は、取り付け孔を欠きうる。そのような例では、取り付けアーム64は、インプラント12に取り付けるための代替的な取り付け構造を備えうる。
【0052】
簡潔化のために、例示のインプラント12と結合した際、フレーム46は、インプラント12がフレーム46に取り付けられた際に、インプラント12から離間して面する第1表面(例えば、体内の標的部位から離間して面する第1表面)と、インプラント12に面する第2表面(例えば、体内の標的部位に面する第2表面)とを有するものとして形成される。いくつかの例では、取り付け孔70は、第1表面から第2表面まで延びる。言い換えれば、いくつかの例では、取り付け孔70は、インプラント12から離間して面するフレーム46の第1表面からインプラント12に面するフレーム46の第2表面までフレーム46の厚みを貫通する孔および/または開口部として形成される。
【0053】
上述したように、取り付け孔70は、例示のインプラント12にフレーム46を取り付けるおよび/または結合するために使用されうる。
図5Aは、例示のインプラント12に取り付けられた例示のフレーム46を示す。さらに、
図5は、4つの取り付けアーム64のうちの各アームの遠位、即ち自由端で例示のインプラント12に取り付けられた例示のフレーム46を示す。インプラント12に対する取り付けアーム64の自由遠位端の取り付けは、任意の所望される取り付け機構によってなされてよい。
【0054】
図5Bは、
図2~
図4に関して上述したものに類似する構成でインプラント12に取り付けられたフレーム46の近位部54の一部拡大図である。加えて、
図5Bは、遠位部68を備える例示の取り付けアーム64を示す。3つの取り付け孔70が、取り付けアーム64の遠位部68に沿って配置されている。加えて、
図5Bは、取り付けアーム64の遠位部68に配置された1つまたは複数の取り付け孔70の間で貫通して延びる例示の取り付け部材76(例えばワイヤ)を示す。
【0055】
取り付け部材76は、例示のインプラント12に例示のフレーム46を取り付けうると考えられるいくつかの構造体および/または技術の1つであってよい。
図5Bに示されているように、取り付け部材76は、該部材76が取り付けアーム64の遠位部68から抜け落ちることを防止するように1つまたは複数の取り付け孔70を通じて配置されるか、ループ状にされるか、巻きつけられるか、および/または孔に通されてよい。言い換えれば、取り付け部材76を1つまたは複数の取り付け孔70を貫通させて巻くことによって、取り付け部材76を取り付けアーム64に効果的に固定することが可能である。換言すれば、取り付け部材76は、そのいずれの端部もいかなる構造体(例えば、フレーム46)にも直接的に取り付け(例えば、溶接、締付等)ることなく、取り付けアーム64の遠位部68に固定することが(例えば、取り付け孔70によって)可能である。いくつかの例では、部材76は、引き抜く力が取り付け部材76に加えられた際に解けることまたはほどけることに対する摩擦結合および/または抵抗張力を付加するために、1回または複数回取り付け孔70を貫通して巻き付けられるおよび/またはループ状にされてよい。
【0056】
図5Bは、2つの取り付け孔70の間で延びる単一の取り付け部材76を示すが、取り付け部材76は、2つ以上の取り付け孔70の間を延びるおよび/または巻き付くと考えられる。例えば、取り付け部材76は、部材76を取り付けアーム64の遠位端68にロックする為に、3つの孔70を貫通して(例えば、上下)織られてよい。
【0057】
上記の説明及び前出の例は、フレーム46をインプラント12に取り付けるために取り付け部材(例えば、ワイヤ、糸、ケーブル等)を使用するものに本願発明を限定することを意図していない。むしろ、フレーム46をインプラント12に取り付けるためには、様々な方法が使用されうる。例えば、フレーム46をインプラント12に取り付ける為に、接着剤が、単独でまたは別の取り付け機構と組み合わせて使用されうる。加えて、様々な射出成形技術が、フレーム46をインプラント12に取り付けることに使用されうる。さらに、開示された技術の組み合わせが、フレーム46をインプラント12に取り付けることに使用されうる。例えば、取り付け部材76は、取り付け部材76を取り付け孔70を貫通して巻き付けることなく、フレーム46をインプラント12に取り付けるために接着剤と組み合わせて使用されうる。
【0058】
上述したように、ここで説明した例において、フレーム46は、インプラント12から取り外し可能であると考えられる。例えば、フレーム46は、インプラント12が体内の標的部位に、ステープルおよび/または縫合糸で固定された後、インプラント12から外れるよう構成されてよい。したがって、ここで説明したいくつかの例では、フレーム部材46は、インプラント12に一時的に取り付けられていると考えることができる。例えば、フレーム46は、搬送シース42の内部に配置されて、搬送シース42の外に展開されて標的部位に向かって移動される間、インプラント12に結合、固定、または取り付けられてよい。標的部位に配置されると(例えば、腱および/または上腕骨頭に沿って)、インプラント12は、標的部位において骨および/または腱組織に対してステープル止めおよび/または縫合糸止めされること等で、標的部位に堅固に固定されうる。しかしながら、インプラント12が一旦標的部位に堅固に固定されると、フレーム46は、インプラント12から抜き取られて(例えば、取り外されて)、体内から除去される。
【0059】
図5Bは、インプラント12からフレーム46を取り外し可能にする取り付け構成の例を示す。
図5Bは、標的部位に面するインプラント12の表面に沿って渦巻きパターン80で巻かれた取り付け部材76を示す。言い換えれば、取り付け部材76は、標的部位に面するインプラント12の表面の平面に略平行な平面に位置する渦巻きパターン80を形成してよい。加えて、取り付け部材76は、取り付けアーム64のインプラント12から離間して面する側から、取り付けアーム64とインプラント12を合わせた厚みを貫通して延びて最終的に標的部位に面するインプラント12表面に出てよい。さらに、
図5Bに示されている渦巻きパターン80は、フレーム46がインプラント12から途中で外れることを防止する為に、取り付け部材76が巻かれる様々な構成の1つである。
【0060】
取り付け部材76は、インプラント12の第1側部に配置された取り付けアーム64の自由遠位端に固定された第1端部と、インプラント12の反対側である第2側部に配置された第2端部とを有してよい。いくつかの例では、取り付け部材76は、インプラント12の第1側部から第2側部までインプラント12を貫通して延びてよい。しかしながら、別例では、取り付け部材76は、インプラント12の第1側部から第2側部までインプラント12の縁の周囲に延びてよい。
【0061】
取り付け部材76は、閾値レベルの力を加えた際に、インプラント12から外れるように構成されてよい。例えば、
図5Bに示されている渦巻きパターン80によって、フレーム46は、閾値以上の引き抜く力がフレーム46に加えられたときに、インプラント12から外れるようにされうる。例えば、インプラント12が標的部位に固定された後、フレーム46がインプラント12から引き抜かれるように、医師は、繋具などを用いてフレーム46に力を加える。加えた力が十分に大きい場合には(例えば、閾値の力を超えた場合)、取り付け部材76(例えば、
図5Bの取り付け部材76の渦巻き部80)は、ほどかれて、インプラント12の本体(例えば厚み)を通って引き戻されることによって、フレーム46はインプラント12から外れる。換言すれば、閾値の引き抜く力をフレーム46に加えることによって、
図5Bに示されている渦巻き80を形成している取り付け部材76は、ほどかれてインプラント12を貫通して引き戻される。いくつかの例では、フレーム46をインプラント12から外す閾値の引き抜く力は、約0.25ポンド(約1.11N)から1.75ポンド(約7.78N)であってよく、約0.75ポンド(約3.34N)から約1.25ポンド(約5.56N)であってよく、または約1.0ポンド(約4.4N)であってよい。したがって、4つの取り付け部材76の各々をインプラント12から外す閾値の引き抜く力は、約0.0625ポンド(約0.28N)から0.4375ポンド(約1.95N)であってよく、約0.1875ポンド(約8.34N)から約0.3125(約1.39N)ポンドであってよく、または約0.25ポンド(約1.11N)であってよい。
【0062】
図5Cは、フレーム46を例示のインプラント12に取り付ける方法の別例を示す。
図5Cに示されているように、取り付け部材76は、
図5Bに示されている渦巻き80と同様に、標的部位から離間して面するインプラント12の表面上に配置される渦巻き81を含んでよい。加えて、
図5Cは、取り付け部材76がインプラント12から離間して面する取り付けアーム68の表面に配置された第2渦巻き82を備えうることを示す。換言すれば、
図5Cは、取り付け部材76の対向する端部に形成され、インプラント12から離間して面する取り付けアーム64上(
図5C渦巻きの82)と、治療部位に沿って相対するインプラント12の上(
図5Cの渦巻き81)の両方に配置された2つの渦巻き81,82を示す。渦巻き81と渦巻き82の構成により、フレーム46は、
図5Bについて説明したインプラントに類似するインプラント12に対して解除可能な連結性を備えうる。
【0063】
図6は、上述した取り付け部材76によって例示のインプラント12に結合された例示のフレーム46を示している。これに加えて、
図6は、インプラント12と共に例示のインプラント搬送システム40に結合されたフレーム46を示す。
図2について説明されたものと同様に、インプラント搬送システム40は、例示の搬送シース42の例示のルーメン84を貫通して延びるインプラント搬送シャフト44を備える。
【0064】
さらに、
図6は、連結アセンブリ88によってフレーム46に結合された搬送シャフト44を示す。連結アセンブリ88は、フレーム46のヘッド部58に取り付けられた第1連結部材90と搬送シャフト44の遠位端50に取り付けられた第2連結部材92とを備えうる。
図6は、第1連結部材90が第2連結部材92に直接的に取り付けられていることを直接的に示していないが、連結アセンブリ88の第1連結部材90と第2連結部材92とは係合連結を形成しうると理解される。例えば、いくつかの例では、第1連結部材90は、オス連結部材を形成し、第2連結部材92は、相手方のメス連結部材を形成する。言い換えれば、いくつかの例では、第2連結部材92は、第1連結部材90の上に延びて第1連結部材がその内部に挿入されることを許容する腔所を備えうる。別例では、第1連結部材90がメス連結部材であり、第2連結部材92が相手方のオス連結部材であってよい。
【0065】
加えて、
図6に示されているように、第2連結部材92は、第1連結部材90から離脱または分離されうると理解される。例えば、いくつかの例では、第1連結部材90と第2連結部材92とを含む連結アセンブリ88は、「クイック解除」な連結アセンブリ、または分離する連結アセンブリとして定義されうる。第1連結部材90と第2連結部材92を互いから係合/離脱(結合/分離)するために様々なデザイン構成が使用されうると解される。例えば、第1連結部材90と第2連結部材92とは、ねじ式連結、摩擦フィット、バネ負荷式連結、バイオネット接続、移動可能な環またはその他の作動機構等によって連結されうる。さらに、連結部材90と92とは、装置の操作者によっても係合や離脱されうる。
【0066】
いくつかの例では、搬送シャフト44は、フレーム部材46のヘッド部58に取り付けられてよい(例えば、連結アセンブリ88によって)。
図6に示されているように、連結アセンブリ88の第1連結部材90は、孔60(
図3に示されている)を介してヘッド部58に取り付けられうる。いくつかの例では、第1連結部材90は、様々な機械的な固定手段(例えば、射出成形、封入、結合等)によってフレーム部材46のヘッド部58に取り付けられる。
【0067】
加えて、いくつかの例では、搬送システム40は、フレーム46に結合された繋具96を備えうる。例えば、
図16と同様に
図6は、第1連結部材90に取り付けられた繋具96を示す。しかしながら、いくつかの例では、例示の繋具96は、フレーム46および/または任意の好適な構造体に、直接的にまたは間接的に結合しうると考えられる。加えて、繋具96は、堅い構造体(例えばロッド)や、堅くない構造体(例えばワイヤやケーブル等)であってよい。加えて、繋具96は、標的部位に配置されたフレーム46から挿入部位(例えば切開部)を通って患者の体外の場所、例えば、搬送シャフト44のルーメン86を通ってインプラント搬送システム40の近位部の外(例えば、搬送シャフト44の近位部)まで延びるのに十分に長いと考えられる。しかし、いくつかの例では、繋具96は、搬送シャフト44外部のフレーム46から、インプラント搬送システム40の近位部の外まで延びうるとも考えられる。以下に詳細に説明されるように、繋具96は、インプラント12が取り付けられた後で体からフレーム46を引き抜くために利用されてよい。
【0068】
上述したように、いくつかの例では、医師は、切開部を貫通して搬送シース42と搬送シャフト44とフレーム46とインプラント12とを含むインプラント搬送システム40を挿入して標的インプラント部位(例えば、断裂した腱)に隣接してインプラント搬送システム40の遠位端を配置する。標的部位に隣接して配置したら、医師は、インプラント搬送シャフト44を操作して、標的インプラント部位に隣接する位置においてインプラントを搬送シース42の外に前進させる(取り外し可能なフレーム46に取り付けたまま)。例えば、医師は、搬送シャフト44とフレーム46に対して近位方向に搬送シース42を後退させる、および/または搬送シース42に対して遠位方向に搬送シャフト44とフレーム46とを前進させうる。
【0069】
図6は、搬送シース42の遠位部48から展開されたフレーム46とインプラント12とを示す。いくつかの例では、フレーム46とインプラント12とは、搬送シース42に対してほぼ凹形状を有する。フレーム部材46とインプラント12との凹形状は、ヒトの肩の丸みのある形状に沿ってインプラント12を配置するのを容易にすると理解することができる。
【0070】
しかしながら、搬送シース42内に配置されている時(例えば、展開する前)には、フレーム46とインプラント12とは、凸構成で搬送シャフト44周囲に巻き付けられていてよい。したがって、フレーム46とインプラント12とは、シース42の外に前進された際には(例えば、展開された際)、第1凸構成(搬送シース42のルーメン84内部で搬送シャフト44の周囲に堅く巻き付けられている)から第2凹構成にシフトしうる。
【0071】
換言すれば、フレーム46とインプラント12とは、搬送シャフト42のルーメン84内部に配置された際に、連結アセンブリ88によって搬送シャフト44に取り付けられていてよい。一例では、搬送シース42内に配置されている時には、フレーム46とインプラント12とは、搬送シャフト44周囲に巻きつけられるか延びている。フレーム46とインプラント12の配置は、搬送シャフト44の遠位端50に対して凸構成をなしうる。フレーム46とインプラント12とが、搬送シャフト44の遠位端50の外に展開されると、フレーム46とインプラント12とは、搬送シャフト44の遠位端50から見て凸構成から凹構成にシフトしうる。
【0072】
図7は、インプラント112に取り付けられた取り外し可能なフレーム部材146の別例を示す。ここで説明する任意のフレーム部材および/またはインプラントは、ここで説明する任意の搬送システムおよび/または搬送システム要素を組み合わせて使用しうる。加えて、フレーム部材146および/またはインプラント112は、ここで説明した別例のフレーム部材に対して、形状および機能の点で類似する。例えば、取り外し可能なフレーム部材146とインプラント112とは、ここで説明する目的のために、上述した搬送シャフト44に隣接して、
図1に示した上腕骨16に配置される近位部152を有する。さらに、取り外し可能なフレーム部材146とインプラント112とは、ここに説明する目的のために、搬送シャフト44から離れて延びて
図1に示されている腱24に隣接して配置される遠位部154を有する。
【0073】
図8は、取り外し可能なフレーム部材146の例を示す。
図8に示されているように、フレーム部材146は、中央本体部156を備えうる。いくつかの例では、本体部156は、その他の部材がそこから延びる円形、卵形、正方形、長方形、または類似の形状のフレームワークを形成すると理解される。例えば、フレーム146の本体部156は、近位部152と遠位部154とを有する長尺状長方形に似ている。本体部156は、1つまたは複数の孔を備えうる。加えて、フレーム146は、本外部156の内部に配置されているおよび/または本体部から分かれて延びているヘッド部158を備えてもよい。ヘッド部158は、孔160を備えてよい。
【0074】
図8に示されているように、取り外し可能なフレーム146は、本体部156から分かれて延びる1つまたは複数の取り付けアーム164を備えてよい。各取り外しアーム164は、近位部166と遠位部168とを備えてよい。各取り付けアーム164の近位部166は、堅固に本体部156に取り付けられているが、遠位部168は、本体部156から間隔をあけて分かれて配置された取り付けアーム164の自由端である。
図8に示されているように、いくつかの例では、取り付けアーム164とヘッド部158とは、本体部156とモノリシック構造を形成しうる。換言すれば、いくつかの例では、本体部156とヘッド部158と取り付けアーム164とは、単一の材料から単体の構造体として形成されうる(例えば、機械成形、切断、成形、打ち抜き、レーザーカット等)。しかしながら、上記の説明は、限定を意図していない。むしろ、取り外し可能なフレーム146は、代替材料および/または代替製造方法を用いて形成されてよいと考えられる。例えば、フレーム146、またはその一部は、ポリマー材料、セラミック材料および/またはその他の様々な材料から形成されてよい。加えて、フレーム146は、射出成型、または代替的なポリマー製造方法によって製造されうる。代替的には、フレーム146は、所望される場合には、3Dプリンティング工程を用いて形成されうる。さらに、例えば、上述したようにフレーム146の異なる複数の部分は、様々な材料から形成されて代替方法を用いて組み合わされてよい。例えば、取り付けアーム164は、ポリマー材料から形成されてよく、また金属で形成された中心フレーム部材と組み合わせされてよい。フレーム146の異なる部分に様々な異なる材料を組み合わせることが想定される。
【0075】
図8は、取り付けアーム164が、様々な形状を備えうることをさらに示す。例えば、いくつかの例では、取り付けアーム164は、(ヘッド部158に最も近い取り付けアーム164に示されているように、)弓形状および/または一般的な湾曲形状を備える。別例では、取り付けアーム164は、(ヘッド部158から最も離れた位置にある2つの隣り合う取り付けアーム164に示されているように、)追加的な特徴、例えば、1つまたは複数の取り付けアーム164に隣接して配置された円形部172を備えうる。
図4Aに示される円形部72について説明されたものと同様に、円形部172は、ユーザ(例えば医師)が二次的な医療装置を係合させ、最初の展開後にフレーム146の位置を操作できる「視覚的な係合マーカ」を提供するように設計されてよい。換言すれば、医師は二次的な医療装置を円形部172に係合させ、その後に二次的な医療装置を操作することでフレーム146の最初の展開位置を変更しうる。
【0076】
いくつかの例では、フレーム146は、様々な形状および/または幾何学的配置を備えうる。例えば、上記説明は、
図8に示されているフレーム146の形状に注目して行ったが、これは限定することを意図していない。例えば、フレーム146は、本体部156に全体に亘る等、フレーム146全体に延びる1つまたは複数の補強部材162を備えてよい。加えて、補強部材162は、1つまたは複数の孔174を形成するようにフレーム146の内部(例えば、本体部156の内部)に配置されてよい。補強部材162および/または孔174の数、形状、構成、および/または配置は、取り外し可能なフレーム146に備えさせたい特定の機能特性に依存してよい。例えば、追加的な補強部材12は、フレーム146の強度を増加させるためにフレーム146に付加されうる。別例では、補強部材162は、異なる方向および/または部分において強度または可撓性を低下させるが、ある特定の方向および/または部分において強度または可撓性を増加する特別な幾何学的配置を取りうる。
【0077】
補強部材162は、特定のフレームの形状に追加的な強度および/または構造上を付与する為に、様々な構成でフレーム146の全体に亘って配置(配列)されてよい。言い換えれば、フレーム146にカスタマイズされた特性を付与するために、補強部材162の様々な形状および/または配置がフレーム146内に含まれてよい。例えば、いくつかの例では、ヘッド部158に加えられた回転力を、フレーム146の遠位部154に配置された取り付けアーム164に対して伝達することが所望される場合がある。補強部材162を追加することにより、フレーム部材が不要に湾曲してフレーム146全体から力が損失したり消滅したりすることを最小にしつつ、フレーム146全体に(例えば、フレーム146の遠位部154まで)回転力を伝達することができる。
【0078】
図8は、(
図8に示されている平坦構成で見た場合に)フレーム146が、ヘッド部158から離れて延びる延長部材180を備えうることをさらに示す。延長部材180は、延長部材180の近位領域184に形成された連結孔182を備えうる。加えて、延長部材180は、本体部156の近位部に延びる1つまたは複数の延長アーム186を備えうる。延長アーム186は、本体部156の一部であってよい(例えば、本体部のモノリシック構造体)。
図8は、延長アーム186は湾曲を含みうることを示す。しかしながら、延長アーム186および/または孔186を含む延長部180の形状は、様々な形状および/または構成を含みうると考えられる。
【0079】
図8は、フレーム146が、1つまたは複数の取り付けアーム164の遠位部168に沿って配置された1つまたは複数の取り付けチャネル170を含みうることをさらに示す。
図8は、取り付けアーム164の遠位部168に配置されている取り付けチャネル170を示している。以下で詳細に説明するように、取り付けチャネル170は、例示のインプラントにフレーム146を取り付ける際に使用されうる。
図8は、各取り付けアーム164の遠位部168に沿って単一の取り付けチャネルが配置されることを示すが、図示の取り付けチャネル170の数は、限定することを意図していない。言い換えれば、1つまたは複数の取り付けチャネル170がフレーム146の任意の部分に沿って配置されうると考えられる。フレーム146に沿って配置される取り付けチャネル170の数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20個またはそれ以上でありうる。別例では、取り付けアーム164は、取り付けチャネル170を欠きうる。そのような例では、取り付けアーム164は、インプラントに取り付けるための代替的な取り付け構造を備えうる。
【0080】
例示のインプラントに結合した場合には、フレーム146は、インプラントがフレーム146に取り付けられた際にインプラントから離間して面する第1表面(例えば、体内の標的部位から離間して面する第1表面)と、インプラントに面する第2表面(例えば、体内の標的部位に面する第2表面)を有するものとして定義されうる。いくつかの例では、取り付けチャネル170は、第1表面から第2表面まで延びる。言い換えれば、いくつかの例では、取り付けチャネル170は、インプラントから離間して面するフレーム146の第1表面から、インプラントに向かって面するフレーム146の第2表面まで延びるフレーム146の厚みを貫通して延びる開口部であると定義されうる。上述したように、取り付けチャネル170は、例示のインプラントにフレーム146を取り付けるおよび/または結合するために使用されてよい。
図9Aは、例示のインプラント112に取り付けられた例示のフレーム146を示す。加えて、
図9Aは、4つの取り付けアーム164の各アームの遠位、即ち自由端において例示のインプラント112に取り付けられた例示のフレーム146を示す。インプラント112に対する取り付けアーム164の自由遠位端の取り付けは、任意の所望された取り付け機構によってなされてよい。
【0081】
以下に詳細に説明するように、
図9Aは、取り付けアーム164の遠位部168に沿って配置されたロックカバー198をさらに示す。ロックカバー198は、取り付けチャネル170と共に使用されフレーム146をインプラント112に固定する。ロックカバー198は、様々な材料から形成されうる。例えば、ロックカバー198は、例えば、金属、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含みうる。
【0082】
図9Bは、
図7と
図8について上述したものと類似する構成でインプラント112に取り付けられているフレーム146の一部拡大図である。具体的には、
図9Bは、遠位部168を含む例示の取り付けアーム164を示す。取り付けチャネル170は、取り付けアーム164の遠位部168に沿って配置される。加えて、
図9Bは、取り付けアーム164の遠位部168に配置された1つまたは複数の取り付けチャネル170の間を延びるおよび/または貫通する例示の取り付け部材176(例えばワイヤ)を示す。
【0083】
取り付け部材176は、例示のフレーム146を例示のインプラント112に取り付けるように設計された様々な構造および/または技術を含みうる。
図9Bに示されているように、取り付け部材176は、取り付け部材176が取り付けアーム164の遠位部168から抜け落ちることを防止するように1つまたは複数の取り付けチャネル170を通じて挿入されるか、ループ状にされるか、巻き付けられるか、および/または孔に通されてよい。言い換えれば、取り付け部材176を1つまたは複数の取り付けチャネル170を貫通させてスライドすること、挿入することおよび/または及び巻き付けることによって、取り付け部材176を取り付けアーム164に効果的に固定しうる。換言すれば、取り付け部材176は、いかなる構造体(例えばフレーム146)にも取り付け部材176のいずれの端部も永久的に取り付ける(例えば溶接される等)ことなく、例えば取り付けチャネル170によって、取り付けアーム164の遠位部168に固定されうる。いくつかの例では、取り付け部材176は、引き抜く力が取り付け部材176に加えられた際に解けることまたはほどけることに対する摩擦結合、干渉結合、および/または抵抗張力を付与するために、1回または複数回取り付けチャネル170を貫通して巻き付けられるおよび/またはループ状にされてよい。
【0084】
図9Bは、取り付けチャネル170が、取り付けアーム164の厚みを貫通して延びる(例えば、取り付けアーム164の上面から下面まで)開口部を備えること、および取り付け部材176が取り付けチャネル170の中に側方から挿入されるおよび/またはそこから取り外されるように、取り付けチャネル170が取り付けアーム164の側壁171を貫通して延びうることをさらに示している。加えて、取り付けチャネル170は、取り付けチャネル170の長さに沿って1つまたは複数の幅を備えうる。例えば、
図9Bは、取り付けチャネル170が取り付けアーム164の側壁171を貫通して延びる第1幅「X」を備えることを示す。取り付けチャネル170は、第2幅「Y」をさらに備える。いくつかの例では、幅「X」は、幅「Y」より狭い。加えて、幅「X」は、取り付け部材176の幅(例えば直径)よりもやや小さくなるように形成されていると考えられる。加えて、取り付けチャネル170の一般的な形状は、取り付け部材が、幅「X」で定義されるチャネル170のより狭い部分を貫通して延びる(例えば挿入される)ことを許容し、且つ、幅「Y」で定義されるチャネル170のより広い部分までさらに前進させられるように十分な程度に湾曲するように設計されうる。
【0085】
図9Bは、戻り止め173の例をさらに示す。戻り止めは、側壁171の表面から内方に延びうる。いくつかの例では、戻り止め173は、ロック部材198の内表面から延びる突出部又はタブに係合するように設計されてよい。代替的には、戻り止めは、ロックカバー198の要素に係合する取り付けアーム164の表面から延びる突出部又は隆起であってもよい。
【0086】
図5Bについて上述したものと同様に、
図9Bは、フレーム146をインプラント112から取り外し可能にする例示の取り付け構成を示す。例えば、
図9Bは、標的部位に面するインプラント112の表面に沿って渦巻きパターン180で巻かれた取り付け部材176の一部を示している。換言すれば、取り付け部材176は、標的部位に面するインプラント112の表面の平面に略平行な面に位置する渦巻きパターン180を形成してよい。加えて、取り付け部材176は、インプラント112から離間して面する取り付けアーム164側から、取り付けアーム164(例えば、取り付けチャネル170によって)とインプラント112を合わせた厚みを貫通して延びて、最終的に標的部位に面するインプラント112の表面でインプラント112から出ると考えられる。取り付け部材176は、保持部、例えば、インプラント112を取り付けアーム164に結合する為に取り付けアーム164からインプラント112とは反対側に配置された渦巻きパターン180等の保持部を備えてよい。加えて、
図9Bに示されている渦巻きパターン180は、フレーム146がインプラント112から途中で外れることを防止する為に、取り付け部材176が巻かれる様々な構成の1つである。さらに、上述したように、十分な閾値の引き抜く力をフレーム146に加えると、
図9Bに示されている渦巻き180を形成する取り付け部材176の部分は、ほどかれておよび/または直線状にされて、インプラント112を通って引き戻される。渦巻き180の代わりに、取り付け部材176は、標的部位に面するインプラント112の表面に配置された別の形状の構成を有し、それは、インプラント112を通過して引き戻すための十分な取り外し力を加えた際に、直線状にされるまたは外れてよいと考えられる。
【0087】
図9Bは、取り付けアーム164の遠位部168に沿って配置されたロック部材198をさらに示す。ここで開示されている少なくともいくつかの例では、ロック部材198は、取り付けアーム164に沿って移動(例えばスライド)可能である。例えば、
図9Bは、ロック部材198の少なくとも一部を貫通して延びる取り付けアーム164の遠位部168を示す。このような例では、ロック部材198は、取り付けアーム164がそのルーメンを貫通して延びるスリーブでありうる。ここで開示されている少なくともいくつかの例では、ロック部材198は、ロック部材198が取り付けアーム164に沿ってスライド可能なように、ロック部材198の内表面(例えば内径)と取り付けアーム164の外表面(例えば外径)との間に十分なクリアランスが存在するように設計されている。
【0088】
ロック部材198は、ロック部材198が取り付け部材176および/または取り付けチャネル170をカバーする位置に取り付けアーム164に沿ってスライドしうる。例えば、
図9Cは、取り付けアーム164の遠位端168に配置されたロック部材198を示す。さらには、
図9Cは、取り付け部材176と取り付けチャネル170に被さった(例えば覆う)ロック部材198を示す。取り付け部材176および/または取り付けチャネル170に被さった場合には、ロック部材198は、例えば、取り付けチャネル170の中に取り付け部材176を固定することまたはロックすることによって、取り付け部材176を取り付けアーム164に挟持、保持、固定、および/またはロックしうると考えられる。いくつかの例では、ロック部材198は、ロック部材198が取り付け部材176の上に引かれる圧縮状の結合に似せることで、取り付け部材176が取り付けアーム164から分離しないように、取り付け部材176を取り付けアーム164上に押し付けうる。
【0089】
これに加えて、ロック部材198が、取り付け部材176および/または取り付けチャネル170に被さった場合には、ロック部材198は、戻り止め173によって定位置にロックしうる。換言すれば、ロック部材198が、固定位置に配置された場合には、取り付け部材176は、取り付けアーム164に固定されて、ロック部材198の要素は、戻り止め173に係合して、ロック部材198が
図9Bに示されている非固定位置に戻ることを抑制または防止しうる。例えば、ロック部材198は、戻り止め173に挿入(例えば係合)するように設計された、1つまたは複数の内方に延びるタブ(図示略)を備えうる。タブと戻り止め173の組み合わせは、ロック部材198が、取り付け部材176および/または取り付けチャネル170に被さったあと、取り付けアーム164に沿って移動することを防止するように設計されている。
【0090】
インプラント112をフレーム146に取り付ける間に、取り付け部材176は、フレーム146から離間して面するインプラント112の第2表面に配置された遠位の拡大部(例えば渦巻き180)と共にインプラント112を貫通してよい。フレーム146に面する第1表面から延びる取り付け部176の部分は、取り付けチャネル170の中に側方向に通されるなど、取り付けチャネル170を通過された後、取り付けアーム164周囲に曲げられ、巻き付けられ、または操作されてよい。ロック部材198は、その後、取り付け部材176を取り付けアーム164に固定する為に、
図9Bに示されている第1の非固定位置から
図9Cに示されている第2の固定位置に移動されてよい。
【0091】
上記の説明は、取り付けアームの遠位端部の例示の構成を記載し、取り付けアームが例示のインプラントにどのように連結されうるかの例示の構成を示した。しかしながら、これらの構成は限定を意図していない。むしろ、取り付けアームの様々な構成が考えられる。例えば、
図9Dは、
図9A乃至
図9Cについて上述したものと類似する構成でインプラント112に取り付けられている別の例示のフレーム246の一部拡大図である。
【0092】
具体的には、
図9Dは、遠位部268を含む例示の取り付けアーム264を示す。取り付けチャネル270は、取り付けアーム264の遠位部268に沿って配置される。加えて、
図9Dは、取り付けアーム264の遠位部268に配置された取り付けチャネル270を貫通する例示の取り付け部材276(例えばワイヤ)を示す。
図9Dは、取り付けアーム264の遠位部268が、取り付けアーム264の厚みを貫通して延びる(例えば取り付けアーム264の上面から下面まで)1つまたは複数の開口部273を備えること、および取り付け部材276が取り付けチャネル270の中に側方から挿入されるおよび/またはそこから取り外されるように、取り付けチャネル270が取り付けアーム264の側壁271を貫通して延びうることをさらに示している。
図9Dに示されるように、取り付け部材276は、取り付けチャネル270内に固定されることに加えて、1つまたは複数の開口部273とインプラント112(
図9Dにおける破線は、インプラント112を通じてループ状の取り付け部材276を示す)を通じてループ状にされてよい。
【0093】
取り付け部材276は、例示のフレーム246を例示のインプラント112に取り付けるように設計された様々な構造および/または技術を含みうる。
図9Dに示されているように、取り付け部材276は、取り付け部材276が取り付けアーム264の遠位部268から抜け落ちることを防止するように1つまたは複数の取り付けチャネル270および/または開口部273を通じて挿入されるか、ループ状にされるか、巻き付けられるか、および/または孔に通されてよい。言い換えれば、取り付け部材276を1つまたは複数の取り付けチャネル270および/または開口部273を貫通させてスライドすること、挿入することおよび/または及び巻き付けることによって、取り付け部材276を取り付けアーム264に効果的に固定しうる。換言すれば、取り付け部材276は、任意の構造体(例えばフレーム246)にも取り付け部材276のいずれの端部も永久的に取り付ける(例えば溶接される)ことなく、例えば取り付けチャネル270および/または開口部273によって、取り付けアーム264の遠位部268に固定されうる。いくつかの例では、取り付け部材276は、引き抜く力が取り付け部材276に加えられた際に解けることまたはほどけることに対する摩擦結合、干渉結合、および/または抵抗張力を付与するために、1回または複数回取り付けチャネル270を貫通して巻き付けられるおよび/またはループ状にされてよい。
【0094】
図9Eは、いくつかの例において、ロック部材298が取り付けアーム264の遠位部268上に直接的に成形されうるおよび/または別の方法で配置されうることを示す。例えば、
図9Eは、ロック部材298が取り付け部材276および/または取り付けチャネル270の少なくとも一部を覆うように、取り付けアーム264の遠位部268に沿って配置された例示のロック部材298を示す。さらに、
図9Eは、取り付け部材276および取り付けチャネル270を囲む(例えば覆う)ロック部材298を示す。取り付け部材276および/または取り付けチャネル270の上に成形された場合には、ロック部材298は、例えば取り付けチャネル270および/または開口部273の中に取り付け部材276を固定することまたはロックすることによって、取り付け部材276を取り付けアーム264に挟持、保持、固定、および/またはロックしうると考えられる。いくつかの例では、ロック部材298は、取り付け部材276が取り付けアーム264から分離しないように、取り付け部材276を取り付けアーム264上に押しつけうる。本明細書に記載されたいずれの例においても、(
図9A乃至
図9Cに示すような)スライドするロック部材198および/または(
図9Eに示すような)上に成形されたロック部材298を利用しうると考えられる。
【0095】
図10は、体内に挿入された際のフレーム146の姿勢を示すフレーム146の斜視図である。
図10は、(形状および機能の点で上述の連結部材90に類似する)連結部材90とヘッド部158の両方に結合された延長部材180を含むフレーム146を示す。上述したように、
図10は、(形状および機能の点で上述の繋具96に類似する)繋具96が連結部材90に結合され、そこから近位方向に延びてよいことを示す。
図10に示されているように、延長部材180は、上方に湾曲して自身の上に戻りうる(例えば上方したのちフレーム146の遠位端154に向かって戻る)。加えて、ヘッド部158は、フレーム146の本体部156から上方に延びて離間しうる。連結部材90は、孔182と160とによって延長部材180をヘッド部158に結合しうると考えられる。換言すれば、連結部材90は、孔182と160の両方を貫通して挿入されることで、延長部材180をヘッド部158に固定してよい。これに加えて、
図10は、フレーム146の一部を貫通して延びる鋲部材94を示す。鋲部材94は、以下で詳細に説明する。
【0096】
加えて、
図10は、フレーム146が体内に挿入された際に凹姿勢をとりうることを示す。フレーム146の凹形状は、例示のインプラントが固定される生体構造(例えば肩)の輪郭に沿うと考えられる。
【0097】
図11は、
図10で説明したフレーム146の側面図である。
図11は、フレーム146の凹形状を示す。加えて、
図11には、上述したように、延長部材180が上方に湾曲してフレーム146の遠位部154に向かって戻りうることが示されている。さらに、
図11には、フレーム146の本体部156から上方に延びて離間するヘッド部158が示されている。延長部材180とヘッド部158とは、連結孔182、160を貫通して延びる連結部材90によって互いに結合されている。したがって、連結孔182、160は、同軸であって、連結部材90はそれを貫通して延びてよい。加えて、
図11には、鋲部材94がフレーム146の一部を貫通して延び、鋲部材94の遠位端は、インプラント112を貫通して、インプラント112の下面(フレーム146に対向するインプラント112の表面)の下方に配置されることも示されている。
図11はさらに、
図10に関して上記された繋具部材96を示す。いくつかの例では、繋具部材96は鋲部材94に結合されてよい。上記では、連結部材90によってフレーム部材146に間接的に結合された繋具部材96を記載したが、他の例では、繋具部材96はフレーム146(または本明細書に記載される他の類似のフレーム部材)に直接的に結合されうると考えられる。
【0098】
いくつかの例では、
図7乃至
図11に示されているフレーム146の姿勢は、医師又は医療装置の別の操作者に正確な制御と操作性を提供しうる。例えば、ヘッド部158と連結部材90と連結状態にある延長部材180の幾何学的形状は、フレーム146の遠位部154の正確な操作を提供しうる。例えば、いくつかの例では、操作者は、上述した搬送シャフト44で連結部材90を操作しうる。搬送シャフトは、連結部材190と延長部材180とヘッド部158の組み合わせによってフレーム146に下向きの力(例えば、患者の肩に向かう力)を付加することが可能である。さらに、フレーム146の凹の幾何学的形状により、フレーム146の遠位部は、インプラント112が配置される肩の表面に沿って延びることができる。換言すれば、
図10および
図11に示されているフレーム146の幾何学的形状は、医師が体内でフレーム146を操作した際に、取り付けアーム164を含むフレーム146の遠位部154が肩の表面から上方に持ち上げられて離間することを防止しうる。加えて、
図10と
図11に示されたフレーム146の幾何学的形状により、フレーム146の遠位部154がインプラント112の配置される肩の表面に向かって前進することを可能にしうる。
【0099】
加えて、
図11に示されているフレーム146の幾何学的形状により、医療装置を埋め込む間の、フレーム146(例えば、フレーム146の遠位部154)の視認性が医師にとって高くなる。例えば、いくつかの場合では、医師は、埋め込み部位近傍にカメラを配置しうる。医師は、カメラを用いて、患者の体内に例示のインプラントを正確に操作および/または配置してよい。しかしながら、いくつかの例では、カメラがフレームまたはインプラントの全体または一部(例えば、フレーム146および/またはインプラント112)の視認性を不鮮明にするおよび/または妨害しうる。しかしながら、
図11に示されているフレーム146の幾何学的形状により、連結部材90(および連結部材90に結合された搬送シース44)は、フレーム146の遠位端154から離間する方向にある角度(
図11で示されているθ)で挿入される。角度θは、本体部156によって定義される湾曲の頂点に通常配置される点153の接線である線151に直交する線155から計測されうる。フレーム146の遠位端154から離間するように連結部材90の方向を変えることにより、手術中において、カメラが配置される空間量を増大しうる。換言すれば、医師は、埋め込まれた医療装置(例えば、フレーム146によって埋め込まれたインプラント112)の全体または一部の視認性が高くなるようにカメラを操作しうる。
【0100】
図10と
図11について簡潔に上述したように、ここで説明されている任意のインプラント搬送システムは、医師がインプラント12を骨および/または腱に固定する前に搬送システムを定位置に係留するように設計された鋲部材を備えうる。例えば、
図12Aは、第1連結部材90から遠位方向に延びる鋲部材94を示す。
図12Aに示されているように、鋲部材94は、第1連結部材90から遠位方向に延びてインプラント12および/またはフレーム46に対してほぼ直交しうる。いくつかの例では、鋲部材94は、搬送シース42および/またはフレーム46を備える搬送シャフト44の縦軸に一般に並行に延び、インプラント12は、搬送シース42および/または搬送シャフト44の縦軸に対して一般に直交して延びる。しかしながら、この構成は、限定することを意図していない。むしろ、鋲部材94は、搬送シース42、搬送シャフト44、および/またはフレーム46の縦軸に対して斜角で第1連結部材90および/またはフレーム46から遠位方向に延びてもよいと考えられる。
【0101】
いくつかの例では、鋲部材94は、フレーム46から離間して延びる円筒状のピンまたはロッドに類似しうる。鋲部材94は、骨の中に打ち込まれるおよび/または挿入されるのに十分な剛性を有するよう設計されうる。例えば、いくつかの例では、医師は、鋲部材94が、身体構造(例えば骨)の中に「打ち込まれ」うるように、インプラント搬送システム40(例えば搬送シャフト44)の近位部に力を加えてよい。いくつかの例では、鋲部材94は、テーパ付きの遠位端を備えてよく、いくつかの例では、先がとがった、または平坦なテーパの付いた遠位端である。
【0102】
いくつかの例では、鋲部材94は、フレーム46および/または連結アセンブリ88の第1連結部材90に対して静止してよい(例えば、定位置に固定されている)。例えば、鋲部材94は、第1連結部材90から遠位方向に延び、標的部位に面するフレーム46の表面から離間して延びてよい。
【0103】
上記の説明は、例示の鋲部材94について記載したが、これに関する説明は限定を意図していない。むしろ、鋲部材の様々な設計および構成が考えられる。鋲が身体構造(例えば骨)に挿入される間、特定の挿入力を付与するように、異なる鋲部材が設計されてよい。加えて、これらの鋲設計はまた、鋲を身体構造(例えば骨)から取り外す際に特定の外す力を付与してよい。
【0104】
例えば、
図12Bは別の鋲部材394を示している。鋲部材394は、近位端部340および遠位端部350を含んでよい。遠位端部350は軸部材352および端部材354を含んでよい。端部材354は、軸部材352の遠位端に配置されてよい。加えて、いくつかの例では、鋲部材394は、軸部材352に沿って配置される、1つまたは複数の径方向膨出部を含んでよい。径方向膨出部は、例えば、軸部材352の外面を超えて径方向の外側に延びる隆起または突出(例えば、連続的または非連続的な周方向のおよび/または螺旋状のリム等)であってよい。例えば、
図12Bは、軸部材352に沿って配置される、第1径方向膨出部356Aおよび第2径方向膨出部356Bを示す。しかしながら、鋲部材394は、単一の径方向膨出部または3つ以上の径方向膨出部を含んでよい。例えば、鋲部材394は、1,2,3,4,5,6,7,8個またはそれ以上の径方向膨出部を含んでよい。いくつかの例では、第1径方向膨出部356Aは、端部材354に隣接して配置されてよい。
【0105】
いくつかの例では、鋲部材394の近位端部340は、鋲部材394の近位端表面357から内側に延びる垂直ボア355を含んでよい。垂直ボア355は、鋲部材394の縦軸359に沿って延びてよい。加えて、
図12Bは、垂直ボア355内で延びる(
図12Aについて記載された)繋具部材96を示す。
図12Bに示されているように、垂直ボア355は、垂直ボア355内で延びる繋具部材96の形状を反映した輪郭を含んでよい。繋具部材96は垂直ボア355によって鋲部材394に取り付けられてよいと考えられる。換言すれば、繋具部材96は、様々な取り付け技術(例えば、溶接、接着材、圧接、かしめ等)によって、垂直ボア355内で鋲部材394に堅固に固定されてよい。繋具部材96の直径は垂直ボア355の直径未満として示されているが、垂直ボア355内で繋具部材96を固定する際に、繋具部材96はボア355内をほぼ占めてよい。
【0106】
図12Bは、第1径方向膨出部356Aおよび第2径方向膨出部356Bが、軸部材352に沿ってお互いに縦方向に間隔をあけて配置され、軸352の一部がその間に位置してよいことを示す。例えば、
図12Bは、第1径方向膨出部356Aおよび第2径方向膨出部356Bがそれぞれ端部材354の遠位端360から離間する距離を示す。例えば、X1は第1径方向膨出部356Aが端部材354の遠位端360から離間する距離を示す。いくつかの例では、X1は0.030インチ(0.762ミリメートル)から0.090インチ(0.762ミリメートル)の間、0.045インチ(1.143ミリメートル)から0.075インチ(1.905ミリメートル)の間、または約0.059インチ(1.4986ミリメートル)であってよい。例えば、X2は第2径方向膨出部356Bが端部材354の遠位端360から離間する距離を示す。いくつかの例では、X2は0.100インチ(2.54ミリメートル)から0.150インチ(3.81ミリメートル)の間、0.115インチ(2.921ミリメートル)から0.130インチ(3.302ミリメートル)の間、または約0.124インチ(3.1496ミリメートル)であってよい。
【0107】
しかしながら、いくつかの例では、第1径方向膨出部356Aおよび第2径方向膨出部356Bは互いに隣接してよい。換言すると、第1径方向膨出部356Aおよび第2径方向膨出部356Bは直接的に互いに隣接するよう配置されてよい。いくつかの例では、鋲部材394は、3つ以上の径方向膨出部を含んでよく、そのいくつかは、他の径方向膨出部から離れて配置されてよく、および/またはそのいくつかは、他の径方向膨出部と直接的に隣接するように配置されてよい。
【0108】
加えて、
図12Bの一部拡大図は、第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部356Bは、湾曲部357を含みうることを示す。湾曲部357は、湾曲部357に隣接して位置する軸部材352の外面から横方向に離れて延びる外面を有する。換言すると、径方向膨出部356の湾曲部357は、湾曲部357と直接的に隣接する軸部材352の外径よりも大きい外径を有してよい。例えば、
図12Bの一部拡大図は、湾曲部357が軸部材352の表面から径方向の外側に延びる距離をX3として示す。いくつかの例では、X3は0.001インチ(0.0254ミリメートル)から0.015インチ(0.381ミリメートル)の間、0.005インチ(0.127ミリメートル)から0.010インチ(2.54ミリメートル)の間、または約0.006インチ(0.1524ミリメートル)であってよい。いくつかの例では、第1径方向膨出部および第2径方向膨出部が軸部材352の表面から離れて延びる距離は異なってよい。例えば、より近位の径方向膨出部は、より遠位の径方向膨出部よりも多い距離または少ない距離で、軸部材352から径方向の外側に延びてよい。他の例では(上記のように)、第1径方向膨出部および第2径方向膨出部が軸部材352の表面から離れて延びる距離はほぼ同等でよい。
【0109】
湾曲部357が軸部材352の表面から径方向に離れて延びる距離は、鋲部材394が挿入されうる身体構造から鋲部材394を後退させるのに必要な力に対応してよいと考えられる。さらに、鋲部材394の形状、幾何学的形状、材料等は、鋲部材394が挿入されうる身体構造からの特定の引き抜く力を付与するように調整されてよいと考えられる。
【0110】
加えて、いくつかの例では、軸部材352はテーパを含んでよい。例えば、軸部材352は、軸部材352の縦軸359に対して斜めにテーパが付されてよい。いくつかの例では、テーパの角度は約1度から約5度であってよい。
【0111】
図12Cは、別例の鋲部材494を示す。鋲部材494は、ここで説明した他の鋲部材に対して、形状および機能の点で類似しうる。例えば、鋲部材494は、近位端部440および遠位端部450を含んでよい。遠位端部450は軸部材452および端部材454を含んでよい。端部材454は、軸部材452の遠位端に配置されてよい。鋲部材494はさらに、垂直ボア455を含んでよい。
図12Cは、垂直ボア455内で延びる繋具部材96を示す。上記のように、繋具部材96は垂直ボア455によって鋲部材494に取り付けられてよい。
【0112】
加えて、
図12Cは、軸部材452は、軸部材452に沿って螺旋状に配置される、1つまたは複数の径方向膨出部462を含みうることを示す。
図12Bに関して上記された径方向膨出部356A/356Bと同様に、螺旋状径方向膨出部462は、湾曲部を含みうる。湾曲部は、軸部材452の外面を超えて径方向の外側に延びる外面を有する。
図12Cに示されるように、螺旋状径方向膨出部462は、軸部材452に沿って縦方向に螺旋状に延びてよい。さらに、
図12Cは軸部材452の表面に沿って延びる単一の螺旋状径方向膨出部を示すが、鋲部材494は2つ以上の螺旋状径方向膨出部462を含んでよいと考えられる。例えば、鋲部材494は、軸部材452に沿って螺旋状に配置された2つの螺旋状径方向膨出部を含んでよい。いくつかの例では、第1および第2螺旋状径方向膨出部は、軸部材452に沿って軸部材452の周囲で同一の螺旋方向(例えば時計回り方向または反時計回り方向)に延びてよい。いくつかの例では、第1および第2螺旋状径方向膨出部は、軸部材452に沿って軸部材452の周囲で反対方向に延びてよい(例えば、時計回り方向に延びる第1の螺旋状径方向膨出部、および反時計回り方向に延びる第2の螺旋状径方向膨出部)。
【0113】
図12Dは、別例の鋲部材594を示す。鋲部材594は、ここで説明した他の鋲部材に対して、形状および機能の点で類似しうる。例えば、鋲部材594は、近位端部540および遠位端部550を含んでよい。遠位端部550は軸部材552および端部材554を含んでよい。端部材554は、軸部材552の遠位端に配置されてよい。鋲部材594はさらに、垂直ボア555を含んでよい。
図12Dは、垂直ボア555内で延びる繋具部材96を示す。上記のように、繋具部材96は垂直ボア555によって鋲部材594に取り付けられてよい。
【0114】
さらに、
図12Dは、異なる材料から形成された複数の構成要素を含む複合構造として鋲部材594が形成されうることを示す。例えば、鋲部材594は、軸部材552(
図12Dにおいて破線で示される)と、軸部材552に沿って配置された1つまたは複数の固定部材564とを含んでよい。
図12Dに示されるように、固定部材564は、軸部材552を構成するために使用された材料とは異なる材料から構成されてよい。例えば、固定部材564は、軸部材552を構成するために使用された材料よりも軟質および/または柔軟な材料から形成されてよく、それによって、固定部材564が鋲部材594の縦軸に向かって径方向に圧縮可能になる。固定部材564は、ポリマー材料、複合材料、または所望の圧縮/膨張特性を有する任意の他の材料を含んでよい一方、軸部材552は、例えば、金属材料から形成されてよい。
【0115】
図12Dに示されるように、1つまたは複数の固定部材564は、軸部材552の表面を囲みまたは別の方法でその表面から径方向の外側に延び、軸部材552は1つまたは複数の固定部材564を貫通して延びてよい。いくつかの例では、1つまたは複数の固定部材564は、軸部材552の外面に形成された1つまたは複数の溝部または凹部に配置されてよい。固定部材564は、鋲部材が挿入されうる身体構造からの特定の引き抜く力を提供するよう設計されてよい。例えば、固定部材564は、身体構造に挿入されている間に材料が圧縮されることを可能にする選択された弾性率を有する材料から設計されてよい。しかしながら、この材料はまた、固定部材564が、身体構造に挿入されている間に、身体構造に対して特定の径方向外側の力を付与することを可能にしてもよい。この径方向外側の力は、鋲部材594を本体構造から取り外すのに必要な力に対応してよい。したがって、固定部材564の径方向の圧縮は、鋲部材594を身体構造(例えば骨)に挿入し、鋲部材594を身体構造(例えば骨)から除去するために必要であってよい。固定部材564の材料、数、幾何学的形状、間隔等は、鋲部材564を身体構造から除去するために医師が付与したいと望みうる最大の閾値の力に対応する、特定の外す力を提供するように調整されてよい。
【0116】
図12Eは別の鋲部材694を示している。鋲部材694は、近位端部640および遠位端部650を含んでよい。遠位端部650は軸部材652および端部材654を含んでよい。端部材654は、軸部材652の遠位端に配置されてよい。加えて、いくつかの例では、鋲部材694は、軸部材652に沿って配置される、径方向に延在する1つまたは複数の部分を含んでよい。径方向延在部分は、例えば、軸部材652の外面を超えて径方向の外側に延びる隆起(例えば、連続的または非連続的な周方向のおよび/または螺旋状の平面等)であってよい。例えば、
図12Eは、軸部材652に沿って配置され、および軸部材652の外面から径方向の外側に延びる径方向延在部分653Aを示す。加えて、
図12Eは、端部材654に隣接して配置されているおよび/または端部材から延びている、第2径方向延在部分653Bを示す。しかしながら、鋲部材694は、単一の径方向延在部分または3つ以上の径方向延在部分を含んでよい。例えば、鋲部材694は、1,2,3,4,5,6,7,8個またはそれ以上の径方向延在部分を含んでよい。いくつかの例では、第1径方向膨出部652Aは、端部材654に隣接して配置されてよい。
【0117】
いくつかの例では、鋲部材694の近位端部640は、鋲部材694の近位端表面657から内側に延びる垂直ボア655を含んでよい。垂直ボア655は、鋲部材694の縦軸659に沿って延びてよい。加えて、
図12Eは、垂直ボア655内で延びる(
図12Aについて記載された)繋具部材96を示す。
図12Eに示されているように、垂直ボア655は、垂直ボア655内で延びる繋具部材96の形状を反映した輪郭を含んでよい。繋具部材96は垂直ボア655によって鋲部材694に取り付けられてよいと考えられる。換言すれば、繋具部材96は、様々な取り付け技術(例えば、溶接、接着材、圧接、かしめ等)によって、垂直ボア655内で鋲部材694に堅固に固定されてよい。繋具部材96の直径は垂直ボア655の直径未満として示されているが、垂直ボア655内で繋具部材96を固定する際に、繋具部材96はボア655内をほぼ占めてよい。
【0118】
図12Eは、第1径方向延在部分653Aおよび第2径方向延在部分653Bは、軸部材652に沿ってお互いに縦方向に間隔をあけて配置され、軸652の一部がその間に位置してよいことを示す。例えば、
図12Eは、第1径方向延在部分653Aおよび第2径方向膨出部653Bがそれぞれ端部材654の遠位端660から離間する距離を示す。例えば、X5は第1径方向延在部分653Aが端部材654の遠位端660から離間する距離を示す。いくつかの例では、X5は0.090インチ(2.286ミリメートル)から0.175インチ(4.445ミリメートル)の間、0.115インチ(2.921ミリメートル)から0.150インチ(3.81ミリメートル)の間、または約0.127インチ(3.2258ミリメートル)であってよい。加えて、X4は第2径方向延在部分653Bが端部材654の遠位端660から離間する距離を示す。いくつかの例では、X4は0.025インチ(0.635ミリメートル)から0.100インチ(2.54ミリメートル)の間、0.050インチ(1.27ミリメートル)から0.075インチ(1.905ミリメートル)の間、または約0.062インチ(1.5748ミリメートル)であってよい。
【0119】
しかしながら、いくつかの例では、第1径方向延在部分653Aおよび第2径方向膨出部653Bは互いに隣接してよい。換言すると、第1径方向延在部分653Aおよび第2径方向膨出部653Bは直接的に互いに隣接するよう配置されてよい。いくつかの例では、鋲部材694は、3つ以上の径方向延在部分を含んでよく、そのいくつかは、他の径方向延在部分から離れて配置されてよく、および/またはそのいくつかは、他の径方向延在部分と直接的に隣接するように配置されてよい。
【0120】
加えて、
図12Eの詳細図は、第1径方向膨出部653Aおよび/または第2径方向膨出部653Bは、リムまたはリップ部651を含みうることを示す。リムまたはリップ部651は、軸部材652の外面から横方向に延びる径方向延在端655を有する。径方向延在部分653A(リムまたはリップ部651を含む)は、軸部材652の外径よりも大きい外径を有してよい。例えば、
図12Eは、軸部材652の表面から径方向の外側に延びるリムまたはリップ部651の直径をD2として示し、軸部材652の直径をD1として示す。いくつかの例では、D2は0.035インチ(0.889ミリメートル)から0.100インチ(2.54ミリメートル)の間、0.050インチ(1.27ミリメートル)から0.075インチ(1.905ミリメートル)の間、または約0.070インチ(1.778ミリメートル)であってよい。いくつかの例では、D1は0.010インチ(0.254ミリメートル)から0.075インチ(1.905ミリメートル)の間、0.025インチ(0.635ミリメートル)から0.060インチ(1.524ミリメートル)の間、または約0.044インチ(1.1176ミリメートル)であってよい。いくつかの例では、第1径方向延在部分653Aおよび第2径方向延在部分653Bが軸部材652の表面から離れて延びる距離は異なってよい。例えば、より近位の径方向延在部分は、より遠位の径方向延在部分よりも多い距離または少ない距離で、軸部材652から径方向の外側に延びてよい。他の例では(上記のように)、第1径方向延在部分および第2径方向延在部分が軸部材652の表面から離れて延びる距離はほぼ同等でよい。
【0121】
径方向延在部分653A/653Bが軸部材652の表面から径方向に離れて延びる距離は、鋲部材694が挿入されうる身体構造から鋲部材694を後退させるのに必要な力に対応してよいと考えられる。さらに、鋲部材694の形状、幾何学的形状、材料等は、鋲部材694が挿入されうる身体構造からの特定の引き抜く力を付与するように調整されてよいと考えられる。
【0122】
さらに、一例において、鋲部材94は、搬送システム40の展開時にフレーム46と搬送シャフト44とが搬送シャフト42の外まで前進させられた際に、搬送シース42の遠位端48から出る搬送システム40の第1部分である。いくつかの例では、搬送シース42が標的部位に向かって挿入部位を貫通して前進する際には、インプラント12が取り付けられているフレーム46と静止している鋲部材94とは、搬送シャフト48のルーメン84内に完全に収容されてよい。加えて、搬送シャフト44が搬送シース44の遠位端48の外に前進された際には、静止している鋲部材94は、隣接する構造(例えば骨)の中に直接的に挿入されてよい。
【0123】
しかしながら、別例では、フレーム部材46とインプラント12とは、
図13Aに示されているように、搬送シース42(破線で図示)の内部に配置されうる。
図13Aは、搬送シャフト44と鋲部材94とに対して概ね縦方向に配列される、インプラント12付きのフレーム部材46を示す。この例では、フレーム46の遠位部54とインプラント12とは、搬送シース42内部において鋲部材94の遠位側に配置されてよいため、搬送システム40の第1部分は、搬送システム40の展開時にフレーム46および搬送シャフト44が搬送シース42の外まで前進させられた際に、搬送シース42の遠位端48から出る。
【0124】
さらに別例では、フレーム部材146とインプラント112とは、
図13Bに示されているように、搬送シース42の内部に配置されてよい。加えて、
図13Bは、搬送シャフト44および鋲部材94に対して概ね縦方向に配列される、フレーム部材146およびインプラント112を示す。この例では、フレーム146の遠位部とインプラント112とは、搬送シース42内部において鋲部材94の遠位側に配置されてよいため、搬送システム140の第1部分は、搬送システム40の展開時にフレーム146および搬送シャフト44が搬送シース42の外まで前進させられた際に、搬送シース42の遠位端から出る。
【0125】
加えて、
図13Cは、インプラント112が巻かれてフレーム部材146と搬送シース42の間に配置されうることを示す。さらに、インプラント112は、
図13Bに示されているように搬送シース42内に配置された際には、インプラント112の径方向内方に位置するフレーム部材146の周囲に巻きつくことで、搬送シース42の内表面の全体または一部に沿って延びる。インプラント112が搬送シース42の遠位端から出た際には、インプラント112は、
図10や
図11に示されているような構成に広がる。
【0126】
別例では、鋲部材94は、接続アセンブリ88の第1連結部材90のルーメン(図示略)内部で縦軸に沿って平行移動(例えば、スライド、移動等)してよい。例えば、
図14は、例示の標的部位に隣接して配置された例示の展開システム40を示す。
図14は、上腕骨頭16に隣接して配置される(インプラント12を含む)フレーム46の近位部52を示す。この位置では、フレーム46の遠位部54は、腱24に隣接して配置される。
図14は、鋲部材94が接続アセンブリ88の第1連結部材90から前進および/または延長して上腕骨頭に挿入されていないことをさらに示す。詳細には、鋲部材94は、接続アセンブリ88(例えば第1連結部材90)の内部に配置されたままである。しかしながら、ここで考えられるいくつかの例では、鋲部材94は、搬送シャフト44の遠位部および/または接続アセンブリ88から前進してよい。言い換えれば、鋲部材94は、接続アセンブリ88に対して平行移動(例えば、スライド、移動等)して搬送シャフト44の遠位端50から離れて前進する。
【0127】
図15は、(フレーム46とインプラント12とを含む)搬送シャフト44が例示の標的部位に隣接するよう操作および/または配置された後で、搬送シャフト44の遠位部50から前進された鋲部材94を示す。いくつかの例では、
図15は、鋲部材94が搬送シャフト44の遠位端50から上腕骨頭16中に前進された(例えば、第1連結部材90の遠位方向に前進された)後の、(
図7と
図8について記載された)搬送システム40を示しうる。上述したように、鋲部材94は、搬送システム40の近位端における力の付加および/または第1連結部材90に対して鋲部材94を動かす作動機構の作動によって、搬送シャフト44の遠位端50から前進されうる。いくつかの例では、搬送シャフト44の縦軸に沿って鋲部材94を前進させかつ第1連結部材90の遠位で搬送シャフト44の遠位端50から出るための力を生成する為に、柄部品が使用されてよい。
【0128】
図15Aは、例示の(上記)鋲部材394の係留機構を示す。
図15について記載されたように、いくつかの例では、鋲部材94(
図15Aに示す鋲部材394は変形例)は上腕の上腕骨頭16(
図15Aに示す部分)に係留されうる。
図15Aに示されるように、上腕骨頭16は、軟骨19の層を覆う皮質殻17を有しうる。皮質殻は、硬骨と称される場合がある。
図15Aはさらに、いくつかの例では、第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aが皮質骨層の下に配置されるよう、鋲部材394が皮質骨の層を貫通して前進することが望ましい場合があることを示す。換言すると、第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aが軟骨の層内に位置し、そこで第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aは、皮質骨層の下面を通じて引き戻されることに対する抵抗を与えるよう、鋲部材394が上腕骨頭16中に前進してよい。第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aが圧縮可能な材料で作られて」いる例では、第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aは、皮質殻17を通過する際に圧縮されてよい。第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aが与える抵抗量は、第1径方向膨出部356Aおよび/または第2径方向膨出部357Aの特定の大きさおよび幾何学的形状に依存してよいと考えられる。
【0129】
いくつかの例では、鋲部材94が標的部位中に(上記のように)係留されると、追加的な器具が標的部位の近傍に前進するための空間を作るために搬送シャフト44を除去することが望ましい場合がある。
図16は、フレーム46とインプラント12とを鋲部材94によって上腕骨頭16に係留させた状態で搬送シャフト44を標的部位から除去する様子(
図16に矢印で示す)を示している。上述したように、搬送シャフト44は、第1連結部材90から第2連結部材92を離脱(例えば取り外し)することによってフレーム46から外されうる。
【0130】
いくつかの例では、第1連結部材90から第2連結部材92を外した後で、搬送シャフト44を再係合することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの例では、鋲部材94が最初に挿入された骨(例えば上腕骨頭)が異常に柔らかいか堅い場合があり、配置を維持するため(例えば、骨が柔らかすぎる場合)あるいは、除去するために(例えば、骨が堅すぎる場合)追加の力が必要とされうる。したがって、医師は、以下に記載されるように、1つまたは複数の骨および/または腱ステープルによってインプラント12を標的部位に取り付けた後などに、第2連結部材92を第1連結部材90に再結合することによって、シャフト部材44を再挿入してフレーム46に再係合することを選択しうる。代替的には、以下で説明するように、1つまたは複数の骨および/または腱ステープルによってインプラント12を標的部位に取り付けている間、シャフト部材44は、フレーム46に係合されたままにされてよい。したがって、医師は、1つまたは複数の骨および/または腱ステープルによってインプラント112を例示の標的部位に取り付ける際に、フレーム46および/または鋲部材92に追加の力を加えることができる。
【0131】
上記のように、搬送システム40は、フレーム46に対して直接的にまたは間接的に結合された繋具96を備えうる。加えて、繋具96は、フレーム46に(例えば第1連結部材90によって)取り付けられたままで、挿入部位(例えば切開部)を通って患者の体外の位置まで延びてよく、搬送シャフト44はフレーム46から外され挿入部位(例えば切開部)から除去される一方で、追加的な器具が、挿入部位を通って標的部位まで前進する。例えば、
図17は、フレーム46とインプラント12の近位端52に隣接して位置する医療機器98(例えばインプラントステープラー)を示す。上述しかつ
図17に示されているように、繋具96は、フレーム46に(例えば第1連結部材90によって)取り付けられたままで、例示の医療機器98の外部に並んで位置する。医療機器98は、インプラント12を、1つまたは複数のステープルおよび/または縫合糸で、治療部位に取り付けるために使用されてよい。
【0132】
上述したように、いくつかの例では、インプラント12は、標的部位に固定されてよく、その後、フレーム46がインプラント12と標的部位の両方から外され(そして除去され)てよい。例えば、いくつかの例では、インプラント12は、1つまたは複数の骨および/または腱ステープルによって標的部位に取り付けられうる。ステープルは、ステープル機器(例えば医療機器98)によって標的部位に適用されてよい。
【0133】
加えて、いくつかの例では、標的部位の腱部分24にインプラントを固定する前に、標的部位の骨の部分(例えば上腕骨頭16)にインプラント12を固定することが有益でありうる。例えば、医師にとっては、標的部位にインプラントを固定する前に、
図17に示されている位置/配置でフレーム46およびインプラント12の向きを変えるおよび/または位置づけることが有益でありうる。
図17に示されまた上述されているように、フレーム46の近位部52とインプラント12とは上腕骨頭16に隣接して配置される一方、遠位部54は腱24に隣接して配置されるように、インプラントが配置される。フレーム46とインプラント12とが適切に配置されると、ステープル機器を使用して、インプラントの近位部52(例えば、骨に隣接して配置されているインプラント12の部分)に沿って骨の中にステープルを初めに挿入して、その後にインプラント12の両側と遠位部に沿って腱組織の中にステープルを挿入することが望ましい場合がある。
【0134】
本明細書に開示されている例は、ステープル機器を挿入する前に、搬送シース42と搬送シャフト44とを取り除くことが可能なので、上腕骨頭16に隣接したインプラントの近位部52に沿ってステープルを正確に配置するためにステープル機器を操作する十分な空間が存在すると理解することができる。
【0135】
加えて、上述したように、鋲部材94は、フレーム46とインプラント12とを定位置に(例えば骨16に)係留してよく、これによって医師は、インプラント12中にステープルを挿入する前にフレーム46とインプラント12との組み合わせが位置を変えてしまうことを恐れることなく、搬送シャフト44を取り除くことが可能になる。
【0136】
インプラント12が、標的部位に十分に固定されたら、医師は、体内でインプラント12からフレーム46を外して、挿入部位を通じて体からフレーム46を除去する。例えば、
図18は、インプラント12が標的部位に(例えばステープルによって)固定されたあと、体内でインプラント12からフレーム46を外して除去することを示す。いくつかの例では、医師は、フレーム46に引き抜く力を付加することによってインプラント12および体内からフレーム46を外して除去しうる。引き抜く力は、繋具96によって付加されてよい。例えば、医師は、(近位端が体外に位置しうる)繋具96を引っ張ることにより、フレーム46に引き抜く力を付加してよい。上述したように、引き抜く力が閾値レベルに達すると、フレーム46は、インプラント12から外れる。挿入部位を通じて体外にフレーム46を引き抜くように繋具96をさらに引くことが継続されてよい。
【0137】
本開示は、多くの点において、例示的であるに過ぎないことを理解されたい。特に形状、大きさ、および工程の順番において発明の範囲を逸脱することなく詳細の変更が可能である。これは、適切な範囲で、例示の実施形態の任意の特徴を他の実施形態に使用しうることも含む。本願発明の範囲は、当然、添付の請求項に表現されている文言によって定義される。