(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】選択的ボンドアウトのための電源島セグメンテーション
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20230724BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230724BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20230724BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
H01L21/82 W
H01L23/12 501B
H01L27/04 E
(21)【出願番号】P 2020548716
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2019000225
(87)【国際公開番号】W WO2019175656
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カー、ベンジャミン
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-091552(JP,A)
【文献】特開2011-082524(JP,A)
【文献】特開2007-129144(JP,A)
【文献】特開2004-273844(JP,A)
【文献】特開2007-250835(JP,A)
【文献】特開2015-220250(JP,A)
【文献】特開平09-331023(JP,A)
【文献】特開昭64-015948(JP,A)
【文献】特開2003-188351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 23/12
H01L 27/04
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された半導体ダイを具備する半導体チップであって、前記半導体ダイは、
前記基板上に形成された第1の電源メッシュと、
前記基板上に形成され、前記第1の電源メッシュから電気的に分離されるように構成された第2の電源メッシュと、
前記基板上に形成された第1の回路ブロックであって、前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成された前記第1の電源メッシュに電気的に接続された第1の回路ブロックと、
前記基板上に形成された第2の回路ブロックであって、前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成された第2の電源メッシュに電気的に接続された前記第2の回路ブロックと、
前記第1の回路ブロックに通信可能に結合され、前記第2の回路ブロックから通信的に分離された第1の複数の外部回路接続部と、
前記第2の回路ブロックに通信可能に結合され、前記第1の回路ブロックから通信的に分離された第2の複数の外部回路接続部と、
前記基板上に形成され、第1の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成された一つ以上の第1の信号ピンと、
前記基板上に形成され、第2の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成された一つ以上の第2の信号ピンとを具備
し、
前記第1の回路ブロックは、前記第1の複数の外部回路接続部を介して、前記半導体チップを含むパッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、前記第2の回路ブロックは、前記第2の複数の外部回路接続部を介して、前記パッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、
前記第1の電源メッシュは前記第1の回路ブロックの上に形成され、前記第2の電源メッシュは前記第2の回路ブロックの上に形成される、半導体チップ。
【請求項2】
前記第2の回路ブロックは、稼働しないように構成されている請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項3】
前記第1の回路ブロックは、前記一つ以上の第1の信号ピンの少なくとも一つおよび前記一つ以上の第2の信号ピンの少なくとも一つに結合されている請求項2に記載の半導体チップ。
【請求項4】
前記第2の回路ブロックは、前記一つ以上の第2の信号ピンの少なくとも一つに結合され、且つ前記一つ以上の第1の信号ピンのうちのいずれにも結合されていない請求項3に記載の半導体チップ。
【請求項5】
前記一つ以上の第1の信号ピンは、電源を受け取るように構成され、前記一つ以上の第2の信号ピンは、グランド電源を受け取るように構成されている請求項4に記載の半導体チップ。
【請求項6】
前記第2の電源メッシュは、前記電源から電力を受け取らない請求項5に記載の半導体チップ。
【請求項7】
前記第1の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された接続部の第1の層と、電源に接続するように構成された接続部の第2の層とを提供することによってセグメント化され、前記第2の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された接続部の第3の層と、電源に接続するように構成された接続部の第4の層とを提供することによってセグメント化されている請求項4に記載の半導体チップ。
【請求項8】
前記第3の層および前記第4の層に接続された信号ピンそれぞれは前記電源に結合されていない請求項7に記載の半導体チップ。
【請求項9】
前記第3
の層および前記第4
の層に接続された信号ピンそれぞれはグランド電源に結合されている請求項8に記載の半導体チップ。
【請求項10】
前記第1の回路ブロックを通る電流のフローは、前記第2の回路ブロックにおける漏れ電流を含まない請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項11】
前記第1の回路ブロックおよび前記第2の回路ブロックは、ボールグリッドアレイで実現される請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項12】
前記第2の回路ブロックは、複数のボール接続部によって、グランド電源に接続される請求項11に記載の半導体チップ。
【請求項13】
前記第1の複数の外部回路接続部に結合された複数の外部デバイスをさらに具備する請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項14】
基板上に形成された半導体ダイを製造する製造方法であって、
前記基板上に第1の回路ブロックを形成することと、
前記基板上に第2の回路ブロックを形成することと、
前記半導体ダイを、第1の電源メッシュと、電気的に電離された第2の電源メッシュとにセグメント化することと、
前記第1の電源メッシュは、前記第1の回路ブロックに電気的に結合し、前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されており、前記第2の電源メッシュは、前記第2の回路ブロックに電気的に結合し、前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成されており、
第1の複数の外部回路接続部が前記第2の回路ブロックから通信的に分離するように、前記第1の複数の外部回路接続部を前記第1の回路ブロックに通信可能に結合することと、
第2の複数の外部回路接続部が前記第1の回路ブロックから通信的に分離するように、前記第2の複数の外部回路接続部を前記第2の回路ブロックに通信可能に結合することと、
前記第1の電源メッシュを、一つ以上の外部信号を受け取るように構成された一つ以上の第1の信号ピンに接続することと、
前記第2の電源メッシュを、一つ以上の外部信号を受け取るように構成された一つ以上の第2の信号ピンに接続することとを具備
し、
前記第1の回路ブロックは、前記第1の複数の外部回路接続部を介して、前記半導体ダイを含むパッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、前記第2の回路ブロックは、前記第2の複数の外部回路接続部を介して、前記パッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、
前記第1の電源メッシュは前記第1の回路ブロックの上に形成され、前記第2の電源メッシュは前記第2の回路ブロックの上に形成される、製造方法。
【請求項15】
前記一つ以上
の第1の信号ピンに電源信号を供給し、前記一つ以上の第2の信号ピンにグランド信号を供給することをさらに具備する請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
複数の外部デバイスを、前記第1の複数の外部回路接続部に結合することをさらに具備する請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記半導体ダイを前記第1の電源メッシュと前記第2の電源メッシュとにセグメント化することは、グランドに接続するように構成された接続部の第1の層と、電源に接続するように構成された接続部の第2の層とを提供することを具備し、前記第2の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された第3の層と、前記電源に接続するように構成された第4の層とを提供することによってセグメント化される請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
前記一つ以上の第1の信号ピンに電源信号を供給することによって第1の電源メッシュを通して電流のフローを供給することをさらに具備し、前記第1の電源メッシュを通る電流のフローは、前記第2の電源メッシュにおける漏れ電流を誘発しない請求項14に記載の製造方法。
【請求項19】
前記第1の回路ブロックを形成すること、および前記第2の回路ブロックを形成することとは、前記第1の回路ブロック、および前記第2の回路ブロックをボールグリッドアレイで実現することをさらに具備する請求項14に記載の製造方法。
【請求項20】
第1の個数のボール接続部によって、前記一つ以上の第1の信号ピンに前記第1の回路ブロックを接続することをさらに具備し、前記一つ以上の第1の信号ピン
は、前記第1の電源メッシュを通して前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されている請求項19に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの回路機能に選択的に電力を供給するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップは、しばしば商業的に製造され、結果として得られるデバイスにおいて必要とされてもよいし、または必要とされなくてもよい様々な回路を有する。単一の半導体ダイは、複数のチップ製品を作成するために使用され得、これらチップ製品のうちの幾つかは追加の機能を必要とする。結果として、幾つかのデバイスは、それらの意図された最終用途に基づき過剰にプロビジョニングされる。
【0003】
従って、今日の半導体デバイスを意図された最終用途に応じてよりカスタマイズできるように設計する、という未充足のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
ある観点では、半導体チップは、基板上に形成された半導体ダイを具備し、前記基板上に形成された第1の電源メッシュ(power mesh)と、前記基板上に形成され、前記第1の電源メッシュから電気的に分離された第2の電源メッシュとを含む。前記半導体ダイは、さらに、前記基板上に形成され前記第1の電源メッシュに電気的に接続された第1の回路ブロックを含んでおり、前記第1の電源メッシュは前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されている。前記半導体ダイは、前記基板上に形成され前記第2の電源メッシュに電気的に接続された第2の回路ブロックを含んでおり、前記第2の電源メッシュは前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成されている。第1の複数の外部回路接続部は、前記第1の回路ブロックに通信可能に結合し、前記第2の回路ブロックから通信的に分離されている。第2の複数の外部回路接続部は、前記第2の回路ブロックに通信可能に結合し、前記第1の回路ブロックから通信的に分離されている。前記基板上に形成された一つ以上の第1の信号ピンは、第1の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成され、前記基板に形成された一つ以上の第2の信号ピンは、第2の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成されている。前記第1の回路ブロックは、前記第1の複数の外部回路接続部を介して、前記半導体チップを含むパッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、前記第2の回路ブロックは、前記第2の複数の外部回路接続部を介して、前記パッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成されている。前記第1の電源メッシュは前記第1の回路ブロックの上に形成され、前記第2の電源メッシュは前記第2の回路ブロックの上に形成される。
【0005】
別の観点では、基板上に形成された半導体ダイを製造する方法は、前記基板上に第1の回路ブロックを形成することと、前記基板上に第2の回路ブロックを形成することと、前記半導体ダイを第1の電源メッシュと、電気的に分離された第2の電源メッシュとにセグメント化することとを含み、前記第1の電源メッシュは、前記第1の回路ブロックに電気的に結合され、前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されており、前記第2の電源メッシュは、前記第2の回路ブロックに電気的に接続され、前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成されている。前記製造方法は、また、前記第2の回路ブロックから通信的に分離された第1の複数の外部回路接続部を、前記第1の回路ブロックに通信可能に結合することと、第2の複数の外部回路接続部が前記第1の回路ブロックから通信的に分離されるように、前記第2の複数の外部回路接続部を前記第2の回路ブロックに通信可能に結合することとを含む。前記製造方法は、また、前記第1の電源メッシュを一つ以上の第1の信号ピンに接続することを含み、前記一つ以上の第1の信号ピンは、一つ以上の外部信号を受信するように構成されている。また、前記製造方法は、前記第2の電源メッシュを一つ以上の第2の信号ピンに接続することを含み、前記一つ以上の第2の信号ピンは、一つ以上の外部信号を受信するように構成されている。前記第1の回路ブロックは、前記第1の複数の外部回路接続部を介して、前記半導体ダイを含むパッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成され、前記第2の回路ブロックは、前記第2の複数の外部回路接続部を介して、前記パッケージに含まれる複数の外部デバイスと通信するように構成されている。前記第1の電源メッシュは前記第1の回路ブロックの上に形成され、前記第2の電源メッシュは前記第2の回路ブロックの上に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】
図1Aは、第1および第2の回路ブロックに電力を供給するセグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイスのブロック図である。
【
図2】
図2は、セグメント化された電源メッシュを有する半導体ダイのブロック図である。
【
図3】
図3は、全てのセグメントに電力が供給されるセグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイスのブロック図である。
【
図4】
図4は、一つの電源メッシュに関連付けられた非稼働の回路ブロックを有するセグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイスのブロック図である。
【
図5】
図5は、外部回路またはデバイスに接続された複数の電気的に分離された電源メッシュを有する半導体デバイスのブロック図である。
【
図6】
図6は、複数のパッケージボールを除去したフリップチップ半導体デバイスのブロック図である。
【
図7】
図7は、セグメント化された電源メッシュを有する半導体ダイを製造する方法を図示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、第1および第2の回路ブロックに電力を供給するセグメント化された電源メッシュそれぞれを有する半導体デバイス100のブロック図である。半導体デバイス100は、パッケージ102と、半導体ダイ104と、第1の回路ブロック106と、第2の回路ブロック108と、第1の電源メッシュ110と、第2の電源メッシュ112とを含む。基板103は半導体ダイ104の基部を形成し、半導体ダイ104は、半導体デバイス100を形成するためにパッケージ102に接合されることができる。基板103上の半導体ダイ104の回路の一部は、第1の回路ブロック106を形成する。第1の回路ブロック106は、入出力信号あるいはバスのような第1の外部回路接続部114および第2の外部回路接続部116に通信可能に結合する。ここで、信号あるいはバスは、アナログあるいはデジタルであり得る。アナログの信号あるいはバスの例は、DC電圧、オーディオ、超音波、あるいは高周波(RF)入出力を含む。デジタルのデータ信号あるいはバスの例は、ロジック信号、USB,SATA,PCIeのようなシリアルデータバス、または、DRAMあるいはNANDフラッシュメモリチャンネルのようなパラレルデータバスを含む。第1の外部回路接続部114および第2の外部回路接続部116は、第2の回路ブロック108から通信的に分離される。半導体ダイ104上に形成された第1の電源メッシュ110は、第1の回路ブロック106に電気的に接続する。第1の電源メッシュ110は、第1の信号ピン128と第2の信号ピン130とを含む。第1の信号ピン128は、パッケージ102上に配置された第1の外部端子122に結合し、第2の信号ピンは、パッケージ102上に配置された第2の外部端子124に結合する。分かりやすくするために第1の電源メッシュ110は、二つの信号ピンによって二つの外部端子のみに結合するように示されているが、任意の数の外部端子および信号ピンが使用され得る。
【0008】
図1Bは、電源メッシュ101の構成をさらに図示しており、この電源メッシュは、例えば、
図1Aの第1の電源メッシュ110あるいは第2の電源メッシュ112、またはその他の電源メッシュであってもよい。第1の電源メッシュ110は半導体ダイ104の複数の層に形成される。一つ以上の層に形成された複数の第1の接続部107a、107b、および107cは、グランド113(VSS)に結合する。一つ以上の層に形成された複数の第2の接続部109a、109b、109c、および109dは、電源111(VDD)に結合する、ここで、複数の第1の接続部107a、107bおよび107cと、複数の第2の接続部109a、109b、109c、および109dとは、それぞれ異なる層に形成されている。複数の第1の接続部107a、107bおよび107cと、複数の第2の接続部109a、109b、109c、および109dとは、絶縁層によって分離された層に形成されている。複数の第1の接続部107a、107bおよび107cと、複数の第2の接続部109a、109b、109c、および109dとは、それぞれ、グランドと電源に結合され得る。グランドあるいは電源のいずれかに接続されたワイヤを含む様々な層は、第1の電源メッシュ110を形成する。ワイヤの層それぞれは、信号ピンあるいはパッケージボールを通して外部の電源あるいはグランド電源に結合され得る。信号ピンを使用する実施形態では、電源メッシュの層それぞれは、ボンドアウト(bond-out)中に電源あるいはグランド信号に接続される。ボールグリッドアレイが使用される実施形態では、電源メッシュの層それぞれは、フリップチップパッケージ自体に配置されたパッケージボールによって電源あるいはグランド信号に接続される。
【0009】
半導体ダイ104の回路の別の部分は、第2の回路ブロック108を形成し、この第2の回路ブロック108は、第3の外部回路接続部118および第4の外部回路接続部120に通信可能に結合する。第3の外部回路接続部118と第4の外部回路接続部120とは、第1の回路ブロック106から通信的に分離される。半導体ダイ104上に形成された第2の電源メッシュは、第2の回路ブロック108に電気的に接続する。第2の電源メッシュ112は、第3の外部端子132および第4の外部端子134にそれぞれ結合する第3の信号ピン132および第4の信号ピン134を含む。分かりやすくするために、第2の電源メッシュ112は、二つの信号ピンによって二つの外部端子のみに結合するように示されているが、任意の数の端子および信号ピンが使用され得る。第1の電源メッシュ110は、第2の電源メッシュ112から電気的に分離された状態に維持される。
【0010】
第1の回路ブロック106と第2の回路ブロック108とは、それぞれ異なる機能を提供し得、あるいは、同じまたは類似する機能に向けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108は、第1の外部回路接続部114、第2の外部回路接続部116、第3の外部回路接続部118、および第4の外部回路接続120によって、複数の外部回路あるいはデバイス(図示せず)に結合されたコントローラであってもよい。第1の回路ブロック106および第2の回路ブロックの各々は二つの接続された外部回路接続部を有するように図示されているが、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108は、任意の数の外部回路接続部、例えば、外部回路あるいはデバイスに結合するための16個の外部回路接続部に結合され得る。一つの実施形態では、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108の各々は、8個の外部回路接続部に通信可能に結合する。
【0011】
第1の電源メッシュ110および第2の電源メッシュ112は、半導体ダイ104内の第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108にそれぞれ重ね合わる(overlay)ように図示されているが、必ずしもそうである必要はない。第1の電源メッシュ110は、第1の回路ブロック106に関連付けられているが、第1の回路ブロック106に幾何学的に一致する必要はなく、または、半導体ダイ104の垂直あるいは水平面において第1の回路ブロック106に対していかなる特定の関係で配置される必要もない。同じことが第2の電源メッシュ112および第2の回路ブロック108にも当てはまる。
【0012】
半導体ダイ104全体にわたる単一の電源メッシュではなく、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108に電力を供給する分離された電源メッシュそれぞれを設けることは、第1の電源メッシュまたは第2の電源メッシュのそれぞれに電力を供給しないことによって、第1の回路ブロックまたは第2の回路ブロックのそれぞれを非稼働状態のままにすることを可能にする。
【0013】
半導体デバイス100のいくつかの実装例では、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108の双方が電力を受け取る。第1の回路ブロック106は、第1の信号ピン128によって第1の外部端子122に接続された第1の電源メッシュ110から電力が供給され得、また、第2の信号ピン130によって第2の外部端子124に接続された第1の電源メッシュ110からグランド接続され得る。
図1Bで示されるように、第1の電源メッシュ110は、半導体ダイ110における接続部の異なる層を介してグランドおよび電源に結合される。同様に、第2の回路ブロック108は、第3の信号ピン136によって第3の外部端子132に接続された第2の電源メッシュ112から電力が供給され得、また、第4の信号ピン138によって第4の外部端子134に接続された第1の電源メッシュ110からグランド接続され得る。外部端子が第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108の双方に電力を供給するこの実施形態では、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108は、結合された外部回路接続部を介して外部回路あるいはデバイスと通信し得、または、第1の回路ブロック106および第2の回路ブロック108の内部回路に応じた他の動作を行い得る。
【0014】
半導体デバイス100の他の実施形態では、第1の回路ブロック106または第2の回路ブロック108は、稼働しないように構成される。第1の回路ブロック106は、電力を受け取らず、代わりに、第1の外部端子122および第2の外部端子124によって第1の電源メッシュ110からグランド接続される。第1の信号ピン128および第2の信号ピン130を、電源ではなく、グランドに接続することは、第1の電源メッシュが電力を引き込むことを防止する。いくつかの実施形態では、第1の電源メッシュ110は、第1の外部端子122と第2の外部端子124とのうちの一つによってグランドに結合され、追加の信号ピンそれぞれは、電源またはグランドのいずれにも結合されなくてもよい。第2の回路ブロック108は、第3の信号ピン136に第3の外部端子132から結合された第2の電源メッシュ112から電力が供給され得、また、第4の信号ピン138に接合された第4の外部端子134からグランド接続され得る。本実施形態では、第3の外部端子132は、第2の回路ブロック108に電力を供給して、結合された第3の外部回路接続部118および第4の外部回路接続部120を介して第2の回路ブロック108と外部回路あるいはデバイス(不図示)との間の通信を可能にする。しかし、第1の電源メッシュ110と第2の電源メッシュ112とは電気的に分離されているため、第2の回路ブロック108に電力を供給することは、第1の回路ブロック106に影響を与えない。さらに、電源メッシュそれぞれは、電気的に分離されており、且つ別々に電源あるいはグランド電源に結合しているため、第1の回路ブロック106では、第2の回路ブロック108への電力供給中に漏れ電流が生じない。
【0015】
第1の電源メッシュ110と第2の電源メッシュ112とを電気的に分離することは、単一の半導体ダイ104を使用して、様々な数の有効な回路ブロックを有する複数の半導体ダイを作成することを可能にする。上述のように、回路ブロックそれぞれは、第1のデバイス、第2のデバイスのような、多数の外部回路またはデバイスのためのコントローラであり得、第1のデバイスは、半導体ダイから作成され、電気的に分離された電源メッシュによって電力が供給される二つの回路ブロックに結合された第1の個数を含み、それよりも少ない個数の外部回路またはデバイスを含むように意図された同じ半導体ダイから作成された第2のデバイスは、電力が供給されない一つの非稼働の回路ブロックを含む。使われていない外部回路接続部に接続された回路ブロックには、電力が供給される必要がないためである。このような方法によって製造された異なる製品は、機能的に異なっていてもよいし、あるいは、ここで記述された例のように、削減された機能および対応したデバイスサイズを提供してもよい。
【0016】
複数の製品の製造において単一のシリコンダイを使用することは、コスト効率が良く、各製品を意図された最終用途のためにカスタマイズすることを可能にする。さらに、未使用の回路ブロックに電力を供給しないことは、削減された機能モードにおけるデバイスの全体的な電力を削減する。未使用の回路への電力を除去するために、内部電力スイッチセルを備えた一つの電源メッシュの代わりに、「電源島(power islands)」を形成する複数の電気的に分離された電源メッシュを利用することは、スイッチベースのシステムに存在する漏れ電流を削減する。
【0017】
図2は、
図1Aのようにセグメント化された電源メッシュを有する半導体ダイ200のブロック図である。半導体ダイ200は、メイン電源メッシュ208と、第1の電源メッシュ202と、第2の電源メッシュ204と、第3の電源メッシュ206とを含む。便宜上、電源ピン210とグランドピン212の二つにのみラベルが付けられているが、半導体ダイ200は、複数の電源およびグランド信号ピンを含む。グランドおよび電力を供給する他の信号ピンそれぞれは、灰色および黒色の点として、半導体ダイ200にわたって示されている。
図1Bにおいて図示されるように、グランドピンおよび電源ピンは、電源あるいはグランドに接続されることを目的とした半導体ダイ200の様々な層で電源メッシュに接続されよう。
【0018】
第1の電源メッシュ202と、第2の電源メッシュ204と、第3の電源メッシュ206とは、メイン電源メッシュ208から電気的に分離されている。第1の電源メッシュ202と第2の電源メッシュ204は電気的に結合され得、また、さらに第3の電源メッシュ206から電気的に分離され得る。第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204、および第3の電源メッシュ206は、メイン電源メッシュ208から電気的に分離される「電源島」を形成する。これによって、電源メッシュそれぞれに結合された回路および入出力セルを、デバイスの意図される最終用途に応じて有効または無効にすることができる。
【0019】
例えば、第1の電源メッシュ202および第2の電源メッシュ204に関連する回路がデバイスにおいて使用されることが意図されていない場合、使用されない回路に関連した第1の電源メッシュ202および第2の電源メッシュ204は、第1の電源メッシュ202および第2の電源メッシュ204をグランド電源のみに結合することによって、電力が供給されないようにすることができる。従って、使用されない回路は、電力を引き込まない。
【0020】
関連する回路がチップの意図された用途のために電力が供給されることを必要とするならば、第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204および第3の電源メッシュ206によって作成された電源島それぞれは、電源(「VDD」)に接続されることができる。あるいは、関連する回路のすべてがチップの意図された用途のために必要とされないならば、第1の電源メッシュ202と、第2の電源メッシュ204と、第3の電源メッシュ206とのうちの幾つかあるいはすべては、グランド(「VSS」)にのみ接続されることができる。これは、外部端子が回路の部分集合にのみ電力を供給する半導体ダイ200の機能削減バージョンをもたらし、これによって電力を節約する。
【0021】
電気的に分離された電源メッシュそれぞれを電源あるいはグランド電源に直接的に結合することは、スイッチを使用するシステムに比べ電力を節約する。なぜなら、回路ブロックへの電力をオンまたはオフするために使用されるダイ上のスイッチそれぞれは、それらスイッチがオフの時でさえ、漏れ電力を消費するためである。電源またはグランドへの電源メッシュそれぞれのボンドアウトまたは接続中に、デバイスの機能はそのデバイスの意図された最終用途に設定される。このとき、関連する回路への電力の分配を有効または無効にするために、第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204および第3の電源メッシュ206をグランド電源および/または電源に接続することは、デバイスの機能を設定する。
【0022】
第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204および第3の電源メッシュ206は、半導体ダイ内の信号ピンそれぞれからパッケージ上の外部端子(図示せず、例えば、
図1Aにおける第1および第2の外部端子122、124と、パッケージ102)それぞれにボンドアウトすることによって、グランド電源および/または電源に結合する。あるいは、ボールグリッドアレイを使用するいくつかの実施形態では、第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204および第3の電源メッシュ206は、パッケージ上に配置されたボールパッドからボンドアウトすることによって、電源および/またはグランド電源に結合する。特定の部分をボンドアウトすることによってデバイスの機能を単に選択するのではなく、電源島を使用することは、不必要な回路を選択的に無効化することを可能にする。このように、個々の回路および機能それぞれは、共通の半導体ダイから作られたチップの異なるバージョンのためにオンあるいはオフされ得る。
【0023】
フリップチップがパッケージとして使用される実施形態では、フリップチップパッケージは、ボンディングワイヤーを必要とせずに半導体ダイ上に直接置かれる。電源島は、電源メッシュを電源およびグランド電源に接続するためにボンドアウトを必要とするチップと同様に、フリップチップパッケージにおいても使用することができる。フリップチップパッケージが使用される実装例においては、チップがフリップチップパッケージに一旦結合されると、ダイの面へのアクセスが失われ、半導体ダイに対する更なる接続または変更が妨げられる。
【0024】
一つの実施形態では、
図2において、チップの機能削減バージョンに必要とされない回路ブロックそれぞれと関連付けられた第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204、および第3の電源メッシュ206は、メイン電源メッシュ208からセグメント化される。第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204、および第3の電源メッシュ206の各々は、グランド(VSS)に接続し、且つ電力を受け取らない。チップのフル機能バージョンのために、これら三つの電源メッシュにそれぞれ関連付けられた回路を必要とする別の実施形態では、第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204、および第3の電源メッシュ206に関連付けられた回路それぞれは、電力の供給を必要とするので、第1の電源メッシュ202、第2の電源メッシュ204、および第3の電源メッシュ206の各々は、電源(VDD)に接続する。このような実施形態では、第1の電源メッシュ202と、第2の電源メッシュ204と、第3の電源メッシュ206とは、一つ以上の異なる電源に接続するか、あるいはどちらの例でも電力を受け取るメイン電源メッシュに関連付けられた回路と同じ電源に接続する。
【0025】
図3は、全てのセグメントに電力が供給されるセグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイス300のブロック図である。半導体デバイス300は、パッケージ302と、基板303上に形成された半導体ダイ304とを含み、半導体ダイ304は、メイン電源メッシュ305と、第1の電源メッシュ306と、第2の電源メッシュ308と、第3の電源メッシュ310とを有する。半導体ダイ304は、電源メッシュそれぞれを外部の電源およびグランド電源に接続するための複数の信号ピンを含む。
【0026】
半導体デバイスは、パッケージ302に接合された半導体ダイ304を含み、パッケージ302は、半導体ダイの電源メッシュそれぞれに電力を供給およびグランド接続するために、半導体ダイ304の信号ピンそれぞれに通信可能に結合するように設計された複数の外部端子を含む。第1の電源メッシュ306は、第1の信号ピン330から第1の外部端子314への接続によって電力が供給され得る。第2の信号ピン332から第2の外部端子312への接続は、第1の電源メッシュ306をグランド接続する。第1の信号ピン330と第2の信号ピン332のみがパッケージ302上の外部端子と結合するように描かれているが、電源メッシュ内の任意の数の信号ピンが外部端子それぞれに結合されることができる。
【0027】
第2の電源メッシュ308は、第3の信号ピン334から第3の外部端子318への接続によって電力が供給され得る。第4の信号ピン336から第4の外部端子316への接続は、第2の電源メッシュ308をグランド接続する。第3の電源メッシュ310は、第5の信号ピン342から第5の外部端子322への接続によって電力が供給され得る。第6の信号ピン340から第6の外部端子320への接続は、第3の電源メッシュ310をグランド接続する。メイン電源メッシュ305は、第7の信号ピン344から第7の外部端子324への接続によって電力が供給され得る。第8の信号ピン346から第8の外部端子328への接続は、メイン電源メッシュ305をグランド接続する。
【0028】
メイン電源メッシュ305と、第1の電源メッシュ306と、第2の電源メッシュ308と、第3の電源メッシュ310との各々は、電力が供給され、且つグランド接続されているため、結果として得られるデバイスにおいては、これら電源メッシュの各々に関連付けられた回路は、電力が供給される。いくつかの実施形態において、メイン電源メッシュ305、第1の電源メッシュ306、第2の電源メッシュ308および第3の電源メッシュ310は、同じ電源およびグランド電源に結合する。他の実施形態においては、メイン電源メッシュ305と、第1の電源メッシュ306と、第2の電源メッシュ308と、第3の電源メッシュ310とのうちの少なくとも一つは、一つ以上の異なる電源に結合する。このような実施形態においては、第1の電源メッシュ306と、第2の電源メッシュ308と、第3の電源メッシュ310とは、メイン電源メッシュ305から電気的に分離されているため、メイン電源メッシュの電源がオンである間、異なる電源に接続されている任意の電源メッシュは、デバイスを低消費電力状態に移行させるために、電力を受け取れる機能を維持しつつ、電源にて電源を落とされることができる。
【0029】
図4は、一つのセグメントが非稼働であるセグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイス400のブロック図である。半導体デバイス400は、パッケージ402に接合された半導体ダイ404を含む。半導体ダイは、基板403上に形成され、半導体ダイ404は、メイン電源メッシュ405と、第1の電源メッシュ406と、第2の電源メッシュ408と、第3の電源メッシュ410とを有する。半導体デバイス400は、電源メッシュそれぞれに電力を供給し且つグランド接続するために、パッケージ402上の外部端子に接続するための複数の信号ピンを含む。
【0030】
パッケージ402は、外部信号を受信するように設計された複数の外部端子を含む。第1の電源メッシュ406は、第1の信号ピン430から第1の外部端子414への接続と、第2の信号ピン432から第2の外部端子412への接続によって、電力が供給されてもよい。第1の電源メッシュ406は、どの電源(VDD)にも結合しておらず、どの電源(VDD)によっても電力が供給されない。第1の信号ピン430と第2の信号ピン432のみが外部端子に結合するように描かれているが、電源メッシュ内の任意の数の信号ピンが外部端子それぞれに結合されることができる。
【0031】
第2の電源メッシュ408は、第3の信号ピン434から第3の外部端子418への接続と、第4の信号ピン436から第4の外部端子416への接続によって、グランド電源(VSS)に結合する。第2の電源メッシュ408は、電源に結合しておらず、電源から電力が供給されない。
【0032】
第3の電源メッシュ410は、第5の信号ピン442から、電源(VDD)を受け取る第5の外部端子422への接続によって、電力が供給される。第3の電源メッシュ410は、第6の信号ピン440から第6の外部端子420への接続によってグランド電源(VSS)に結合する。メイン電源メッシュ405は、第7の信号ピン444から、電源(VDD)を受け取る第7の外部端子424への接続によって、電力が供給される。メイン電源メッシュ405は、第8の信号ピン446から第8の外部端子428への接続によってグランド電源(VSS)に結合する。
【0033】
図3のように、メイン電源メッシュ405、第1の電源メッシュ406、第2の電源メッシュ408、および第3の電源メッシュ410は、電源島それぞれを形成する。この場合、第1の電源メッシュ406および第2の電源メッシュ408には電力が供給されず、その結果、これらの電源メッシュの各々に関連付けられた回路は、デバイスにおいて機能しない。
【0034】
第1の電源メッシュ406および第2の電源メッシュ408はボンドアウト中に電源に通信可能に結合されないので、結果として得られるデバイスは、全てのセグメントを選択的にパワーアップまたはパワーダウンできる
図3のデバイスに比較して、恒久的なより低電力のオプションである。このように、デバイスの機能性は、ボンドアウト中または半導体ダイへのフリップチップの半田付け中に決定される。上述のように、フリップチップパッケージの使用においてはボンドアウトは必要とされないが、一旦フリップチップパッケージが半導体ダイに結合されると、半導体ダイの面へのアクセスが失われる。従って、フリップチップパッケージが半導体ダイに半田付けされるときに、デバイスの機能性が決定される。しかし、フリップチップパッケージのパッケージボールへの信号ピンあるいはダイバンプの接続は、フリップチップパッケージを半導体ダイに半田付けした後でも決定することができる。
【0035】
電気的に分離された第1の電源メッシュ406および第2の電源メッシュ408に電力が供給されていない半導体デバイス400は、第3の電源メッシュ410とメイン電源メッシュ405とに電源およびグランドが印加されている間、いかなる漏れ電流の発生も防止する。第1の電源メッシュ406および第2の電源メッシュ408から電源への接続は存在しないため、これらのメッシュセグメントそれぞれによって消費される電力はゼロである。
【0036】
いくつかの実施形態では、電源島の使用は、半導体ダイの再使用あるいは再パッケージを可能にする。電気的に分離された電源メッシュそれぞれに関連付けられた回路ブロックはデバイスのフル機能および機能削減バージョンの両方に存在しているので、半導体ダイ上の回路は、関連する電源メッシュに電力が供給されているか否かにかかわらず、維持される。ダイが機能削減された最終用途用に最初にパッケージ化された場合、そのダイは、未使用回路に関連付けられた電源メッシュそれぞれへの電力の供給および再接続によって、デバイスのフル機能の最終用途のバージョンで再パッケージ化または再使用され得る。未使用の回路ブロックは、未使用の回路ブロックに電力が供給されるのを妨げるほど物理的にダメージを受けていないため、その未使用の回路ブロックは、フル機能を有する再パッケージ化されたデバイスにおいて、電力が供給され且つ利用され得る。
【0037】
さらに、いくつかの実施形態では、電源島の使用は、未使用回路の領域における半導体ダイの製造不良を許容することを可能にする。電力の供給されない電源島に関連した回路の不良は、この回路は電力が供給されるあるいはオンされることはないので、見逃しあるいは受け入れ可能である。
【0038】
図5は、外部回路あるいはデバイスに結合された複数の電気的に分割された電源メッシュを有する半導体デバイス500のブロック図である。半導体デバイス500は、パッケージ502と、基板503上に形成された半導体ダイ504を含み、半導体ダイ504は、メイン電源メッシュ505と、第1の電源メッシュ506と、第2の電源メッシュ510とを有する。半導体デバイス500は、外部の電源およびグランド電源に接続するための複数の信号ピンを含む。
【0039】
パッケージ502は、外部信号を受信するように通信可能に結合されるように構成された複数の外部端子を含む。第1の電源メッシュ506は、第1の信号ピン530から第1の外部端子514への接続と、第2の信号ピン532から第2の外部端子512への接続とによって、グランド電源(VSS)に結合する。第1の電源メッシュ506は、電源(VDD)に結合しておらず、電源(VDD)から電力を受け取らない。第1の電源メッシュ506に関連付けられた半導体ダイの回路の一部に形成される回路ブロック(不図示)は、第1の外部回路接続部556、および第2の外部回路接続部554に通信可能に結合する。第1の外部回路接続部556、および第2の外部回路接続部554は、どの外部回路あるいはデバイスにも結合しない。第1の信号ピン530と第2の信号ピン532のみが外部端子に結合するように描かれているが、電源メッシュ内の任意の数の信号ピンが外部端子それぞれに結合されることができる。
【0040】
第2の電源メッシュ510は、電力を受け取る第3の外部端子522に対する第3の信号ピン542からの接続によって、電力が供給される。第2の電源メッシュ510は、第4の信号ピン540から第4の外部端子520への接続によって、グランド電源(VSS)に結合する。第2の電源メッシュ510に関連付けられたダイ内の回路に形成された回路それぞれは、第3の外部回路接続部562および第4の外部回路接続部564に通信可能に結合する。第3の外部回路接続部562は、第1の外部回路あるいはデバイス558に通信可能に結合し、第4の外部回路接続部564は、第2の外部回路あるいはデバイス560に通信可能に接続する。第2の電源メッシュ510に関連付けられた回路ブロックは、外部回路に結合された二つの外部回路接続部のみを有するように示されているが、ダイに形成された回路それぞれは、任意の数の外部回路あるいはデバイスに接続され得る。
【0041】
メイン電源メッシュ505は、第5の信号ピン544から第5の外部端子524への接続によって、電力が供給される。メイン電源メッシュ505はまた、第6の信号ピン546から第6の外部端子528への接続によって、グランド電源(VSS)に結合する。
【0042】
半導体デバイス500は、フル機能あるいは機能削減された最終用途で利用可能な半導体ダイを図示している。半導体デバイス500の機能削減バージョンは、利用可能な外部回路接続部の部分集合のみを利用する。半導体デバイス500は第1の外部回路接続部556および第2の外部回路接続部554を利用せず、そのため第1の電源メッシュ506に電力が供給される必要はない。さらに、外部回路あるいはデバイスは第1の外部回路接続部556および第2の外部回路接続部554に結合されず、それによってデバイスに必要とされるパッケージサイズを削減し、また、デバイス全体の全体的なサイズを潜在的に削減する。代わりに、メイン電源メッシュ505および第2の電源メッシュ510のみに電力が供給される。
【0043】
第1の電源メッシュ506と、第2の電源メッシュとは、電気的に分離されているため、第1の電源メッシュ506は、第2の電源メッシュ510あるいはメイン電源メッシュ505に電力が供給されている間、漏れ電流を引き込まないように、完全に電源から切り離すことができる。さらに、第1の電源メッシュ506は、このメッシュへの電力フローをオフする内部スイッチに依存しないため、追加のシリコン領域は必要とされない。このことは、内部スイッチによってセグメントに対して電源が切り離される半導体ダイの改良を提供する。
【0044】
電気的に分離された第1の電源メッシュ506および第2の電源メッシュは、また、未使用回路に対してパッケージ上の外部的なスイッチオフ電源を使用するソリューションを改良し、必要なパッケージボールあるいはボンドアウト接続の数が少なくなるという点で、全体的なパッケージサイズはより小さくなる。電源メッシュそれぞれからの必要な全ての電源接続は、パッケージ上で直接的になされ、パッケージ設計に既に存在するグランドまたは電源ボールを電源メッシュが共有することを可能にする。
【0045】
図6は、複数のパッケージボールを除去した半導体デバイスのブロック図である。半導体デバイス600は、パッケージ602と、基板603上に形成された半導体ダイ604とを含み、半導体ダイ604は、メイン電源メッシュ605と、第1の電源メッシュ606と、第2の電源メッシュ608と、第3の電源メッシュ610とを有する。半導体デバイス600は、外部の電源およびグランド電源に接続するための複数のパッケージボールを含む。
【0046】
パッケージ602は、外部信号を受信するように通信可能に結合されるように設計された複数の外部端子を含む。第1の電源メッシュ606は、第1のパッケージボール630から第1の外部端子614への接続と、第2のパッケージボール632から第2の外部端子612への接続とによって、グランド電源(VSS)に結合する。第1の電源メッシュ606は、電力を供給する外部端子には結合しない。第1のパッケージボール630および第2のパッケージボール632のみが、外部端子と結合するように描かれているが、電源メッシュ内の任意の数のパッケージボールが外部端子に結合されることができる。追加のパッケージボールそれぞれは、半導体ダイ600にわたって、灰色と黒色の点として図示されているが、すべてが電源あるいはグランド電源に結合されているように示されているわけではない。
【0047】
第2の電源メッシュ608は、第1のパッケージボール634から第3の外部端子618への接続と、第4のパッケージボール636から第4の外部端子616への接続とによって、グランド電源(VSS)に結合する。第2の電源メッシュ608は、電源を供給する外部端子に結合されない。
【0048】
第3の電源メッシュ610は、第6のパッケージボール642から第5の外部端子622への接続によって、電力が供給される。また、第3の電源メッシュ610は、第6のパッケージボール640から第6の外部端子620への接続によってグランド電源(VSS)に結合する。メイン電源メッシュ605は、第7のパッケージボール644から第7の外部端子624への接続によって、電力が供給される。メイン電源メッシュ605は、第8のパッケージボール646から第8の外部端子628への接続によって、グランド電源(VSS)に結合する。
【0049】
半導体デバイス608の第1の電源メッシュ606および第2の電源メッシュ608は、電力が供給されず、これにより関連する回路は稼働しない。第1の電源メッシュ606内の全てのパッケージボールがグランドに接続し、電源に接続するパッケージボールが無いため、半導体ダイ604内のパッケージボールの部分集合は、追加の信号ルーティングのためのスペースを作るために除去され得る。第1の電源メッシュ606内の半導体ダイ604上の領域607は、複数の接続パッケージボールが除去されている。このような場合、除去されたパッケージボールそれぞれのためのビアそれぞれも除去される。
【0050】
電力が供給されない電源メッシュ内の不要なパッケージボールの除去は、しばしば不十分な領域があるパッケージ603の側面ではなく、半導体ダイ604の下に信号ルーティングのための追加のスペースを提供する。セグメント化された電源それぞれがパッケージ603上の適切なグランド電源あるいは電源と接続することを確実にするように電源メッシュおよび基板を設計することと、非稼働の回路の領域における不要なパッケージボールそれぞれを除去することとによって、追加のビアに穴を開けることなく、不使用の電源メッシュの下に信号ルーティングのためのスペースを確保することができる。
【0051】
パッケージボールの除去または「ボールアウト(ball-out)」は、パッケージが稼働中に受ける通常の熱および機械的ストレスに耐えるために、残りのパッケージボールの機械的強度を考慮に入れなければならない。第1の電源メッシュ606(および第2の電源メッシュ608)の領域におけるパッケージボールそれぞれがグランド信号にのみ接続し、それらの領域におけるパッケージボールそれぞれが電力を受け取らないため、関連する回路ブロックそれぞれをオフにするのには、少数のパッケージボールしか必要としない。
【0052】
パッケージボールは、半導体ダイの設計にいかなる変更も必要とせずに、その製造サイクルにおいて後で除去することができる。このことは、パッケージの設計の柔軟性を増し、追加のビアを必要とせずに、未使用の回路の領域における信号接続のための追加の領域を利用可能とする。
【0053】
図7は、セグメント化された電源メッシュを有する半導体デバイスの製造方法を図示するフローチャートである。そのプロセスは、ステップ702から始まり、基板上の半導体ダイの回路の一部分から第1の回路ブロックおよび第2の回路ブロックが形成される。これら回路ブロックは、同じまたは異なる機能を提供し得る。いくつかの実装例では、二つよりも多くの回路ブロックが半導体ダイの回路から形成される。
【0054】
ステップ704にて、半導体ダイは、第1の回路ブロックに結合する第1の電源メッシュと、第2の回路ブロックに結合する第2の電源メッシュとにセグメント化される。第1の電源メッシュおよび第2の電源メッシュは、第1の回路ブロックおよび第2の回路ブロックにそれぞれ関連付けられている。第1の電源メッシュおよび第2の電源メッシュは、互いに電気的に分離されている。いくつかの実装例では、半導体ダイ上に追加の電源メッシュが形成される。
【0055】
ステップ706にて、第1の複数の外部回路接続部は、第1の回路ブロックに通信可能に結合され、また、第2の複数の外部回路接続部は、第2の回路ブロックに通信可能に結合される。
【0056】
ステップ708にて、第1の電源メッシュは、一つ以上の第1の信号ピンに接続され、また、第2の電源メッシュは、一つ以上の第2の信号ピンに接続される。信号ピンそれぞれは、第1および第2の電源メッシュに電力またはグランドを供給する外部端子それぞれに結合するように構成される。外部端子それぞれは、一つ以上の第1および第2の信号ピンによって電源メッシュそれぞれに供給される電源あるいはグランド信号のうちの一つを含む、様々な外部信号を供給し得る。第1の電源メッシュおよび第2の電源メッシュは、一つ以上の第1の信号ピンおよび一つ以上の第2の信号ピンによって、一つ以上の外部端子にそれぞれ結合する。
【0057】
ステップ710にて、一つ以上の第1の信号ピンは、外部端子から電源信号およびグランド信号を第1の電源メッシュに供給する。第1の電源メッシュは、電力が供給され、関連する第1の回路ブロックをオンし且つ機能させることを可能にし、例えば、第1の複数の回路を通して外部回路あるいはデバイスと通信することを可能にする。
【0058】
ステップ712にて、一つ以上の第2の信号ピンは、グランド信号のみを第2の電源メッシュに供給する。第2の電源メッシュには電力が供給されず、また、関連する第2の回路ブロックは稼働しない。第2の複数の外部回路接続部を介して信号は送信されない。第2の電源メッシュは、電力が供給されず、どの信号ピンによっても、電力を供給する外部端子に接続されていないため、第2の電源メッシュは、第1の電源メッシュに電力が供給されたとき、いかなる漏れ電流も引き込まず、そして第1の電源メッシュは最低電力状態で存在する。
【0059】
いくつかの実装例では、パッケージ上の信号接続部のための追加のスペースを作るために、第2の電源メッシュの領域から複数のパッケージボールが除去される。第2の電源メッシュは、電力が供給されず、また、電源に接続していないため、パッケージをサポートするために全てのパッケージボールが必要なわけではない。
【0060】
半導体ダイを電気的に分離された電源メッシュそれぞれにセグメント化することによって、関連する回路は、デバイスのある特定のバージョンにおいて稼働しないように、完全にオフにすることができ、一方、同じ半導体ダイで作られた他のバージョンは、半導体ダイ上にあるすべての回路のフル機能を有することができる。分離された電源メッシュは、非稼働の回路が電力を引き込まないように、回路ブロックそれぞれをデバイスバージョンのために選択的にオフまたはオンすることを可能にする。
【0061】
本発明の様々な観点の他の目的、利点、および実施形態は、当業者には明らかであり、また、本記載および添付図面の範囲内である。例えば、限定されないが、構造的または機能的な要素は、本発明と一致して再構成され得る。同様に、本発明に係る原理は他の例に適用することができ、これは、たとえここに詳細に記載されていなくても、本発明の範囲内であろう。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]基板上に形成された半導体ダイを具備する半導体チップであって、前記半導体ダイは、前記基板上に形成された第1の電源メッシュと、
前記基板上に形成され、前記第1の電源メッシュから電気的に分離されるように構成された第2の電源メッシュと、
前記基板上に形成された第1の回路ブロックであって、前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成された前記第1の電源メッシュに電気的に接続された第1の回路ブロックと、
前記基板上に形成された第2の回路ブロックであって、前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成された第2の電源メッシュに電気的に接続された前記第2の回路ブロックと、
前記第1の回路ブロックに通信可能に結合され、前記第2の回路ブロックから通信的に分離された第1の複数の外部回路接続部と、
前記第2の回路ブロックに通信可能に結合され、前記第1の回路ブロックから通信的に分離された第2の複数の外部回路接続部と、
前記基板上に形成され、第1の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成された一つ以上の第1の信号ピンと、
前記基板上に形成され、第2の一つ以上の外部信号を受信するように通信可能に結合するように構成された一つ以上の第2の信号ピンとを具備する、半導体チップ。
[2]前記第2の回路ブロックは、稼働しないように構成されている[1]に記載の半導体チップ。
[3]前記第1の回路ブロックは、前記一つ以上の第1の信号ピンの少なくとも一つおよび前記一つ以上の第2の信号ピンの少なくとも一つに結合されている[2]に記載の半導体チップ。
[4]前記第2の回路ブロックは、前記一つ以上の第2の信号ピンの少なくとも一つに結合され、且つ前記一つ以上の第1の信号ピンのうちのいずれにも結合されていない[3]に記載の半導体チップ。
[5]前記一つ以上の第1の信号ピンは、電源を受け取るように構成され、前記一つ以上の第2の信号ピンは、グランド電源を受け取るように構成されている[4]に記載の半導体チップ。
[6]前記第2の電源メッシュは、前記電源から電力を受け取らない[5]に記載の半導体チップ。
[7]前記第1の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された接続部の第1の層と、電源に接続するように構成された接続部の第2の層とを提供することによってセグメント化され、前記第2の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された接続部の第3の層と、電源に接続するように構成された接続部の第4の層とを提供することによってセグメント化されている[4]に記載の半導体チップ。
[8]前記第3の層および前記第4の層に接続された信号ピンそれぞれは前記電源に結合されていない[7]に記載の半導体チップ。
[9]前記第3層および前記第4層に接続された信号ピンそれぞれはグランド電源に結合されている[8]に記載の半導体チップ。
[10]前記第1の回路ブロックを通る電流のフローは、前記第2の回路ブロックにおける漏れ電流を含まない[1]に記載の半導体チップ。
[11]前記第1の回路ブロックおよび前記第2の回路ブロックは、ボールグリッドアレイで実現される[1]に記載の半導体チップ。
[12]前記第2の回路ブロックは、複数のボール接続部によって、グランド電源に接続される[11]に記載の半導体チップ。
[13]前記第1の複数の外部回路接続部に結合された複数の外部デバイスをさらに具備する[1]に記載の半導体チップ。
[14]基板上に形成された半導体ダイを製造する製造方法であって、
前記基板上に第1の回路ブロックを形成することと、
前記基板上に第2の回路ブロックを形成することと、
前記半導体ダイを、第1の電源メッシュと、電気的に電離された第2の電源メッシュとにセグメント化することと、
前記第1の電源メッシュは、前記第1の回路ブロックに電気的に結合し、前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されており、前記第2の電源メッシュは、前記第2の回路ブロックに電気的に結合し、前記第2の回路ブロックに電力を供給するように構成されており、
第1の複数の外部回路接続部が前記第2の回路ブロックから通信的に分離するように、前記第1の複数の外部回路接続部を前記第1の回路ブロックに通信可能に結合することと、
第2の複数の外部回路接続部が前記第1の回路ブロックから通信的に分離するように、前記第2の複数の外部回路接続部を前記第2の回路ブロックに通信可能に結合することと、
前記第1の電源メッシュを、一つ以上の外部信号を受け取るように構成された一つ以上の第1の信号ピンに接続することと、
前記第2の電源メッシュを、一つ以上の外部信号を受け取るように構成された一つ以上の第2の信号ピンに接続することとを具備する、製造方法。
[15]前記一つ以上第1の信号ピンに電源信号を供給し、前記一つ以上の第2の信号ピンにグランド信号を供給することをさらに具備する[14]に記載の製造方法。
[16]複数の外部デバイスを、前記第1の複数の外部回路接続部に結合することをさらに具備する[15]に記載の製造方法。
[17]前記半導体ダイを前記第1の電源メッシュと前記第2の電源メッシュとにセグメント化することは、グランドに接続するように構成された接続部の第1の層と、電源に接続するように構成された接続部の第2の層とを提供することを具備し、前記第2の電源メッシュは、グランドに接続するように構成された第3の層と、前記電源に接続するように構成された第4の層とを提供することによってセグメント化される[14]に記載の製造方法。
[18]前記一つ以上の第1の信号ピンに電源信号を供給することによって第1の電源メッシュを通して電流のフローを供給することをさらに具備し、前記第1の電源メッシュを通る電流のフローは、前記第2の電源メッシュにおける漏れ電流を誘発しない[14]に記載の製造方法。
[19]前記第1の回路ブロックを形成すること、および前記第2の回路ブロックを形成することとは、前記第1の回路ブロック、および前記第2の回路ブロックをボールグリッドアレイで実現することをさらに具備する[14]に記載の製造方法。
[20]第1の個数のボール接続部によって、前記一つ以上の第1の信号ピンに前記第1の回路ブロックを接続することをさらに具備し、前記一つ以上の第1の信号ピンし、前記第1の電源メッシュを通して前記第1の回路ブロックに電力を供給するように構成されている[19]に記載の製造方法。