(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】車両に供給される通信プロファイルのインストレーション
(51)【国際特許分類】
H04W 4/44 20180101AFI20230724BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20230724BHJP
【FI】
H04W4/44
H04W4/021
(21)【出願番号】P 2021507754
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019070917
(87)【国際公開番号】W WO2020035334
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102018213790.0
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592245937
【氏名又は名称】バイエリッシェ モトーレン ヴェルケ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Petuelring 130, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ノイホイザー
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0196585(US,A1)
【文献】特表2013-519248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 -H04B 7/26
H04W 4/00 -H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(105)の通信ユニット(115)用の通信プロファイル(135)を動的に割り当ててインストールする方法(200)であって、
・前記車両(105)には、通信ネットワーク(155)用の前記通信プロファイル(135)を識別する識別子(175)が記憶されており、
・前記車両(105)があらかじめ定められた地理的領域にあるか否かを特定し(230)、
・前記車両(105)があらかじめ定められた前記地理的領域にある場合
、かつ、前記車両(105)が、前記識別子(175)が識別する前記通信プロファイル(135)が必要な領域にある場合に、リモート計算システム(110)から、前記識別子(175)によって識別される前記通信プロファイル(135)をダウンロードし(240)、前記通信ネットワーク(155)における前記通信ユニット(115)の通信のためにインストールする(245)、
方法
(200)。
【請求項2】
あらかじめ定められた通信プロバイダが前記通信ネットワーク(155)に利用可能な場合、前記車両(105)があらかじめ定められた前記地理的領域にあることを特定する(230)、
請求項1記載の方法(200)。
【請求項3】
前記車両(105)の位置検出ユニット(145)を用いて、前記車両(105)があらかじめ定められた地理的領域にあるか否かを特定し(230)、
前記位置検出ユニット(145)により、あらかじめ定められた前記地理的領域に前記車両(105)があるか否かを示す信号を前記通信ユニット(115)に出力する、
請求項1または2記載の方法(200)。
【請求項4】
前記通信ユニット(115)による使用のために少なくとも1つの別の通信プロファイル(135)が前記車両(105)にインストールされている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(200)。
【請求項5】
あらかじめ定められた前記通信プロファイル(135)のダウンロードに、前記通信ユニット(115)に対してインストールされた前記別の通信プロファイル(135)を使用し、かつ/または、無線通信ネットワーク(155)を介して前記ダウンロードを行う、
請求項4記載の方法(200)。
【請求項6】
ダウンロードされた前記通信プロファイル(135)を、選択的、持続的、付加的かつ/または排他的にアクティブ化し、かつ/または、通信に使用する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法(200)。
【請求項7】
前記通信ユニット(115)は、データおよび/または音声通信の伝送をサポートするように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法(200)。
【請求項8】
前記通信プロファイル(135)には、eSIMプロファイルが含まれる、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法(200)。
【請求項9】
通信ユニット(115)と無線通信ネットワーク(155)へのインタフェースとを有する車両(105)において、
・前記車両(105)には、通信ネットワーク(155)用の通信プロファイル(135)を識別する識別子(175)が記憶されており、
・前記通信ユニット(115)は、前記車両(105)があらかじめ定められた地理的領域にあるか否かを検査するように構成されており、
・前記車両(105)があらかじめ定められた前記地理的領域にある場合
、かつ、前記車両(105)が、前記識別子(175)が識別する前記通信プロファイル(135)が必要な領域にある場合、前記通信ユニット(115)は、リモート計算システム(110)から、前記識別子(175)によって特定される前記通信プロファイル(135)をロードし、前記通信ネットワーク(155)における前記通信ユニット(115)の通信のためにインストールするように構成されている、
車両(105)。
【請求項10】
通信ユニット(115)用のあらかじめ定められた通信プロファイル(135)を動的に割り当ててインストールするシステム(100)であって、前記システムは、
・請求項9記載の車両(105)と、
・あらかじめ定められた複数の通信プロファイル(135)を保持し、受信された識別子(175)に応じて、対応付けられた少なくとも1つの通信プロファイル(135)を供給するように構成されているリモート計算システム(110)と、
を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に供給される通信プロファイルのインストレーションに関する。本発明は、特に、地域的な状況を考慮したインストレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、無線通信ネットワークを介してリモートサイトと通信可能な通信ユニットが含まれている。例えば、自動で緊急通話を発信可能であり、自動車に供給されたインターネットサービスが利用可能であり、またはクラウドサービスを用いて自動車の制御を改善可能である。通信ネットワークには一般に移動無線ネットワークが含まれ、それを利用するためには一般にネットワークプロバイダに料金を支払わなければならない。一意の加入者識別子は、典型的には通信ユニットにインストール可能なSIMカード上にある。加入者識別子は、移動無線ネットワークのプロバイダによって準備されることが可能であり、この加入者識別子により、プロバイダのサブネットワークにおいて、また場合によっては、このプロバイダがデータ交換(「ローミング」)を申し合わせた別のサブネットワークにおいて通信が可能になる。
【0003】
互いに独立した、異なる複数の移動無線プロバイダを利用しようとする場合、複数の加入者識別子を自動車に記憶し、都度に適切な移動無線プロバイダを選択することが可能である。しかしながら、利用されない加入者識別子に対してもコストが発生することもあり、これらのコストにより、加入者識別子の個数が増えるのに伴い、この解決手段は、経済的でなくなる可能性がある。これに対し、製造時点に適切な通信プロファイルを使用することにより、あらかじめ定められた地域の市場に自動車が個別化される場合、このことは、製造における車両の複雑さを増大させてしまい、複数の地域において完全に使用可能な車両を製造することを困難にしてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある1つの課題は、車両に供給される通信プロファイルをインストレーションするための改善された技術を示すことである。この課題は、本発明により、独立請求項の対象によって解決される。従属請求項には、好ましい実施形態が示されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
通信ユニットを備えた車両には、通信ネットワーク用の通信プロファイルを識別する識別子が記憶されている。本発明の一態様によれば、方法には、車両が、あらかじめ定められた地理的領域にあるか否かを特定するステップと、車両が、あらかじめ定められた地理的領域にある場合に、リモート計算システムから、識別子によって識別される通信プロファイルをダウンロードするステップと、通信ネットワークにおける通信ユニットの通信のために通信プロファイルをインストールするステップと、が含まれている。
【0006】
通信プロファイルは一般に通信プロバイダに対応付けられており、この通信プロバイダにより一般に、あらかじめ定められた地域においてのみ通信が可能になる。通信プロファイルを後付けでインストールすることにより、利用の地域的な制限を設けることなく、車両を製造可能である。
【0007】
識別子それ自体は、通信には使用できないが、通信プロファイルのダウンロードを可能にする。識別子と通信プロファイルとの間の対応付けは、通信ネットワークを利用する前の任意の時点に、例えば、車両の製造前、製造中もしくは製造後に、出荷中に、または顧客に引き渡す際に行うことができる。したがって車両の使用場所は、その製造の後にはじめて選択することも可能である。これにより、車両製造のキャパシティプランニングを軽減することができる。異なる地域における使用のために、同じ部品でより良好に車両を装備することができる。
【0008】
一実施形態では、あらかじめ定められた通信プロバイダが通信ネットワークに利用可能な場合、車両が、あらかじめ定められた地理的領域にあることを特定する。言い換えると、車両が通信を試みる前に、あらかじめ定められた通信プロバイダに到達できるか否かを検査可能である。到達できる場合、この通信プロバイダに対応付けられた通信プロファイルは、上で説明されたようにインストールおよびアクティブ化可能である。利用可能であることのこの検査により、通信プロファイルが使用可能でもあるところでこの通信プロファイルをアクティブ化可能である。この検査は、容易かつ確実に行うことができる。通信プロバイダによってサポートされる地理的領域の変更に、じかに対応することができる。
【0009】
別の一実施形態では、車両の位置検出ユニットを用いて、あらかじめ定められた地理的領域に車両があるか否かを特定する。このために、位置検出ユニットにより、あらかじめ定められた地理的領域に車両があるか否かを示す信号を通信ユニットに出力可能である。位置検出ユニットは、互いに重なり合ってもいる複数の領域のうちの1つに車両があることも示すことができる。これにより、適切な識別子を迅速かつ簡単に探し出すことができる。この際には通信装置の処理負荷を少なく維持することができる。
【0010】
通信ユニットによる使用のために、少なくとも1つの別の通信プロファイルを車両にインストール可能である。この別の通信プロファイルは、好ましくは、他の通信プロファイルが使用されなければならない領域に車両がない場合に使用可能である。例えば、この別の通信プロファイルは、複数の領域においてワールドワイドに通信を提供する通信プロバイダに対応付け可能である。この通信プロバイダが活動していない国が存在し、かつそこでは、対応するデータ交換(「ローミング」)が持続的にも行われ得ない場合、この国における通信のために識別子を格納することができ、この国の通信プロバイダに割り当てられる通信プロファイルに結び付けることができる。このような国々の例には、例えばブラジルまたはトルコが含まれ得る。
【0011】
あらかじめ定められた通信プロファイルのダウンロードに、通信ユニットに対してインストールされた上記の別の通信プロファイルを使用可能である。ダウンロードは、無線通信ネットワークを介して行うことができる。これにより、通信プロファイルのダウンロードのために通信ネットワークの非認証の利用ができない場合であっても、通信プロファイルをダウンロード可能である。
【0012】
ダウンロードされた通信プロファイルは、選択的、持続的、付加的かつ/または排他的にアクティブ化され、かつ/または通信に使用されてよい。実践的には、通信プロファイルおよび別の通信プロファイルの組み合わせのあらゆる選択肢をサポート可能である。
【0013】
通信ユニットは、データおよび/または音声通信の伝送をサポートするように構成可能である。通信プロファイルには、好ましくはeSIMプロファイルが含まれる。eSIMとは、組み込みSIMのことであり、このeSIMは、SIMカードのような物理的なデータ担体に結び付けられておらず、電子的に交換可能な通信プロファイルを表す。SIMとは、"subscriber identity module"(例えば、加入者識別モジュール)のことであり、このSIMは、エンドユーザの側で移動無線ネットワークを利用するために必要な情報を表す。
【0014】
本発明の別の一態様によれば、車両は、通信ユニットと、無線通信ネットワークへのインタフェースと、を有する。車両には、通信ネットワーク用の通信プロファイルを識別する識別子が記憶されており、通信ユニットは、車両が、あらかじめ定められた地理的領域にあるか否かを検査し、あらかじめ定められた地理的領域にある場合、リモート計算システムから、識別子によって特定される通信プロファイルをロードし、通信ユニットの通信のために通信ネットワークにインストールする、ように構成されている。
【0015】
通信ユニットは、車両の固定の、または組み込まれた構成要素であってよい。車両には、特に自動車、例えばオートバイまたは乗用車が含まれていてよい。
【0016】
通信ユニットは、ここで説明される方法を完全に、または部分的に実施するように構成されていてよい。このために通信ユニットは、プログラミング可能なマイクロコンピュータまたはマイクロコントローラを有していてよく、上記の方法は、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品の形態であってよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読出し可能データ担体に記憶することも可能である。上記の方法の特徴および利点は、通信ユニットに転用可能であり、またこの逆も可能である。
【0017】
本発明のさらに別の一態様によれば、通信ユニット用のあらかじめ定められた通信プロファイルを動的に割り当ててインストールするシステムには、ここで説明される車両と、リモート計算システムと、が含まれる。このリモート計算システムは、あらかじめ定められた複数の通信プロファイルを保持し、受信された識別子に応じて、対応付けられた少なくとも1つの通信プロファイルを供給するように構成されている。
【0018】
以下では、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、車両105およびリモートサイト110を含むシステム100が示されている。車両105は、例示的に自動車として、特に乗用車として構成されており、好ましくは車両105に固定に搭載されてインストールされている通信ユニット115を有する。通信ユニット115は、好ましくは処理装置120と、データ記憶装置125と、通信プロファイル135を収容する記憶場所130と、特に位置検出ユニット145に接続可能な選択的なインタフェース140と、通信ネットワーク155に接続するための無線インタフェース150と、を有する。リモートサイト110には、好ましくは処理装置160およびデータ記憶装置165が含まれており、さらに好ましくは、有線または無線のインタフェース170により、通信ネットワーク155に接続されている。
【0021】
通信ユニット115は、通信ネットワーク155を介して通信が可能になるように構成されている。通信をしようとする、車両105に搭載された装置またはサービスは、例えばインタフェース140を介して接続可能である。通信相手には、通信ネットワーク155に直接または間接的に接続されている任意の装置、例えばサーバ、クラウドにおけるサービス、インフラストラクチャ設備または別の車両105が含まれていてよい。
【0022】
通信ネットワーク155は、一般に複数の通信プロバイダ(プロバイダ、提供者、通信事業者とも称される)によって営まれ、管理技術的、政治的または技術的に制限されたさまざまな境界を有し得る種々異なる地域に分割されている。プロバイダには、1つ以上の地域を対応付け可能である。車両105のようなエンドユーザが、通信ネットワーク155を利用したい場合、エンドユーザは、このエンドユーザが一般に複数のプロバイダのうちの1つから入手する通信プロファイル135を使用しなければならない。通信プロファイル135は、例えば、モバイルエンドユーザから、もしくはこのモバイルエンドユーザに正しくデータ伝送するために、または通信ネットワーク155の利用されたサービスを精算するために使用可能である。
【0023】
通信プロファイル135を利用するためには一般に、これを記憶場所130にロードしてアクティブ化しなければならない。通信プロファイル135はまず、提供したプロバイダによってのみ使用可能であり、これにより、エンドユーザの通信は、提供したプロバイダに対応付けられている領域に限定されることがある。しかしながらプロバイダは、他のプロバイダとデータ交換を申し合わせることができ、これにより、エンドユーザは、このエンドユーザの、提供したプロバイダとは別のプロバイダに対応付けられている領域において、ゲストとして通信可能である。
【0024】
例えば、技術的、経済的または政治的な理由から、あらかじめ定められたプロバイダのあらかじめ定められた通信プロファイル135を使用するエンドユーザの通信が、あらかじめ定められた領域において不可能であるかまたは持続的には不可能であることがあり得る。この場合、通信を可能にするためには、問題の領域において動作可能なプロバイダに割り当てられている別の通信プロファイル135をアクティブ化しなければならない。
【0025】
このために提案されるのは、例えば、通信ユニット115のデータ記憶装置125に識別子175を格納することである。識別子175が指し示すあらかじめ定められた通信プロファイル135が必要な領域に車両があることが確認されると、リモートサイト110から、この識別子175に割り当てられている通信プロファイル135を車両105にダウンロードすることができる。リモートサイト110との通信のためには、別の通信プロファイル135を使用可能である。車両105があらかじめ定められた領域にあるか否かの特定は、あらかじめ定められた通信プロバイダが利用できることに基づくか、またはこの領域の地理的境界に対する、車両105の特定された地理的位置に基づいて特定可能である。通信プロバイダの利用可能性は、通信プロバイダのあらかじめ定められた識別子を有する、電波塔の無線信号が受信されることによって特定可能である。
【0026】
リモートサイト110のデータ記憶装置165には、異なる複数の通信プロファイル135が存在してよい。通信プロファイル135は、好ましくは、より前の時点にプロバイダによって受け取られており、さらに好ましくはアクティブであり、すなわち直ちに使用可能である。これらの通信プロファイル135の中から、1つの通信プロファイルが、識別子175にすでに割り当てられていてよい。一実施形態では、通信プロファイル135への識別子175の対応付けは、通信プロファイル135をダウンロードするための車両105の要求が、リモートサイト110に到着した際にはじめて行われる。この場合、車両105の要求記述に可能な限りに対応する通信プロファイル135を選択可能である。要求記述には、特に、プロバイダの識別子の、領域の、または意図されるサービスの、例えばデータ、音声または両方の交換の記述が含まれていてよい。
【0027】
対応付けられた通信プロファイル135は、車両105に返送され、この車両105において記憶場所130に格納されてアクティブ化されることが可能である。その後、車両105は、通信ユニット115を用い、ダウンロードされた通信プロファイル135を使用して、通信ネットワーク155を介して通信可能である。
【0028】
図2には、特に
図1のシステム100との組み合わせにおいて実施可能な方法200の流れ図が示されている。よりよい説明のために、図示された方法200は、車両105の製造の時点で開始される。
【0029】
ステップ205では、車両105を製造するかまたは完成することが可能である。ステップ210では、識別子175を特定し、通信ユニット115のデータ記憶装置125にロードすることができ、これは、車両105に通信ユニット115を組み込める前にまたは組み込めた後、ステップ215において行われる。この時点には、識別子175にはすでに通信プロファイル135が対応付けられていてよく、この通信プロファイル135は、このために通信プロバイダによって供給されていてよい。通信プロファイル135は、これが要求されるまで、リモートサイト110のデータ記憶装置165に格納可能である。別の一実施形態では、識別子175が、リモートサイト110の通信プロファイル135を一般に指し示してはいるものの、通信プロファイル135の特定の選択が行われていないことにより、識別子175はまだ不特定である。車両105は、車両105が利用されるはずである領域を確定する部分を組み込むかまたは設定することなく、完成させることができる。例えば、車両105は、北米大陸において多くの車両のうちの1つとして製造され、アジアにおいて使用されるように想定されることが可能である。
【0030】
ステップ220では、車両は、例えば船によってその送り先に届けられることが可能である。車両105は、少なくともその通信機能について地上の特定の領域に固定されていないため、送り先は、後になって初めて確定するか、またはさらに、例えばアジアから南米に変更することも可能である。ステップ230では、車両105を出荷するかまたは動作させることができる。
【0031】
ステップ230では、通信ユニット115により、選択的にすでにアクティブ化された別の通信プロファイル135が使用できないかまたは持続的には使用できないあらかじめ定められた領域にこの通信ユニット115があるか否かを特定可能である。このためには位置検出ユニット145を用いて車両105の位置を特定し、あらかじめ定められた領域の境界と比較することができる。この比較は、位置検出ユニット145によって、または処理装置120によって行うことができる。択一的には、無線インタフェース150を用いて受信可能な、無線信号における通信プロバイダの識別子を特定可能である。
【0032】
上記の比較が、ノー(-)になった場合、すなわち車両105は、あらかじめ定められた領域にはない場合、記憶場所130にすでにロードされている可能性のある一般的な通信プロファイル135を使用できる。そうでない場合、すなわち車両105があらかじめ定められた領域にあることが特定される場合、ステップ240では、リモートサイト110から適切な通信プロファイル135をダウンロードすることができる。このためには、識別子175をデータ記憶装置125から取り出してダウンロードの要求に追加することができる。この要求は、例えば、通信ネットワーク155を介して、リモートサイト110に伝達可能である。この通信ネットワークが、要求の匿名的な伝達を許容しない場合、通信は、別の通信プロファイル135に基づいて行うことができる。リモートサイト110は、探し求められた通信プロファイル135を供給することによって応答可能である。一般に行われるように、通信プロファイル135の要求のための、またはダウンロードのための通信は、暗号化法によって保護可能である。
【0033】
ステップ245では、ダウンロードされた通信プロファイル135を記憶場所130にロードしてアクティブ化可能である。引き続いて、ダウンロードされた通信プロファイル135を利用して、通信ネットワーク155との通信を行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
100 システム
105 車両
110 リモートサイト
115 通信ユニット
120 処理装置
125 データ記憶装置
130 記憶場所
135 通信プロファイル
140 インタフェース
145 位置検出ユニット
150 無線インタフェース
155 通信ネットワーク
160 処理装置
165 データ記憶装置
170 インタフェース
175 識別子
200 方法
205 車両の製造
210 識別子の供給
215 通信ユニットの組み込み
220 車両の船積み
225 車両の出荷
230 現在の領域=あらかじめ定められた領域?
235 一般的な通信プロファイルを使用
240 あらかじめ定められた通信プロファイルをダウンロード
245 あらかじめ定められた通信プロファイルを使用