IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニコベンチャーズ トレーディング リミテッドの特許一覧

特許7317988エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス
<>
  • 特許-エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス 図1
  • 特許-エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス 図2
  • 特許-エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス 図3
  • 特許-エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム、エアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給手段、エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20230724BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230724BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021557816
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 GB2020050702
(87)【国際公開番号】W WO2020201701
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】1904843.8
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニ-, パトリック
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/190603(WO,A1)
【文献】特表2014-533513(JP,A)
【文献】米国特許第08869792(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成媒体と、
前記エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱用のエネルギー源と、
前記エアロゾル生成媒体を収容するように構成され、前記加熱用のエネルギー源が配置されるハウジングであって、ヒータを保護するための保護領域をさらに備えたハウジングと
を備える、エアロゾル供給システムであって、
前記エアロゾル供給システム内で、前記エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域にある格納位置との間で移動するように、前記加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記保護領域が、前記ハウジング内の凹部、開口部、通路、貫通穴、溝、又は空洞のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記保護領域が配置される保護構造体をさらに備える、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記エアロゾル生成媒体が前記保護領域に入るのを防止するように配置構成された防止要素を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記エアロゾル生成位置から前記格納位置へ前記加熱用のエネルギー源が移動するときに、前記加熱用のエネルギー源が通って動くように配置構成されている少なくとも1つの開口部を、前記保護領域が有しており、
前記少なくとも1つの開口部が、1.5cm未満、1.2cm未満、又は1.0cm未満の面積を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開口部が、12mm以下の最小寸法を有する、請求項5に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部が、およそπ*(6mm)以下の面積を有する、請求項6に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置から0.5~2.0cmの範囲内に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記エアロゾル供給システムのカバー開口部を覆うためのカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記カバー開口部を覆うための閉位置と、前記カバー開口部を介して前記エアロゾル供給システムへのユーザのアクセスをもたらすための開位置との間で動くように構成されており、前記カバーは、該カバーが前記開位置に向かって移動するときに前記加熱用のエネルギー源が前記格納位置になるように配置構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記カバーを前記開位置にすることと、前記加熱用のエネルギー源を前記エアロゾル生成位置にすることとを同時に可能にするように構成されたオーバライドシステムをさらに備える、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記カバーが、前記エアロゾル生成媒体の供給源の近くに位置している、請求項9又は10に記載のエアロゾル供給システム
【請求項12】
前記加熱用のエネルギー源が、前記カバー開口部を通過する大きさのものである、請求項9~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置よりも前記ハウジングの外側表面から遠くに配置されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
前記加熱用のエネルギー源が、伝導加熱、放射加熱、及び対流加熱のうちの少なくとも1つにより、前記エアロゾル生成媒体に熱を伝えるように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
請求項14に記載のエアロゾル供給システムのための消耗品部分。
【請求項16】
エアロゾル供給デバイスにおいてエアロゾルを生成する方法であって、
エアロゾル生成媒体を用意するステップと、
加熱用のエネルギー源を用意するステップと、
保護領域を有するハウジングを用意するステップと、
前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域に配置される格納位置から、前記加熱用のエネルギー源が前記エアロゾル生成媒体に近接して配置されるエアロゾル生成位置に、前記加熱用のエネルギー源を移動させるステップと、
前記エアロゾル生成媒体を加熱してエアロゾルを作り出すステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記加熱用のエネルギー源を、前記エアロゾル生成位置から前記格納位置に移動させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記加熱用のエネルギー源を前記格納位置に移動させる前に、前記加熱用のエネルギー源を停止するステップをさらに含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
エアロゾル生成手段と、
前記エアロゾル生成手段の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱手段と、
前記エアロゾル生成手段及び前記加熱手段を収容するように構成されたハウジング手段であって、前記加熱手段を保護するための保護手段をさらに備えるハウジング手段と
を備える、エアロゾル供給手段であって、
デバイス内で、前記エアロゾル生成手段に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱手段が前記保護手段において保護される格納位置との間で移動するように、前記加熱手段が構成されている、エアロゾル供給手段。
【請求項20】
エアロゾル生成媒体を受けるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、
使用時に前記エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱用のエネルギー源と、
使用時に前記エアロゾル生成媒体を収容するためのハウジングであって、前記加熱用のエネルギー源が配置され、前記加熱用のエネルギー源を保護するための保護領域をさらに備える、ハウジングと
を備え、
使用時に当該エアロゾル供給デバイス内で、前記エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域にある格納位置との間で移動するように、前記加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記保護領域が、前記ハウジング内の凹部、開口部、通路、貫通穴、溝、又は空洞のうちの少なくとも1つである、請求項20に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記ハウジングが、前記保護領域が配置される保護構造体をさらに備える、請求項20又は21に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
使用時に、前記エアロゾル生成媒体が前記保護領域に入るのを防止するように配置構成された防止要素を備える、請求項20~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
前記エアロゾル生成位置から前記格納位置へ前記加熱用のエネルギー源が移動するときに、前記加熱用のエネルギー源が通って動くように配置構成された少なくとも1つの開口部を、前記保護領域が有しており、
前記少なくとも1つの開口部が、1.5cm未満、1.2cm未満、又は1.0cm未満の面積を有する、請求項20~23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項25】
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置から0.5~2.0cmの範囲内に配置されている、請求項20~24のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項26】
当該エアロゾル供給デバイスのカバー開口部を覆うためのカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記カバー開口部を覆うための閉位置と、前記カバー開口部を介して前記デバイスへのユーザのアクセスをもたらすための開位置との間で動くように構成されており、前記カバーは、該カバーが前記開位置に向かって移動するときに前記加熱用のエネルギー源が前記格納位置になるように配置構成されている、請求項20~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項27】
前記カバーを前記開位置にすることと、前記加熱用のエネルギー源を前記エアロゾル生成位置にすることとを同時に可能にするように構成されたオーバライドシステムをさらに備える、請求項26に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項28】
前記カバーが、前記エアロゾル生成媒体の供給源の近くに位置している、請求項26又は27に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項29】
前記加熱用のエネルギー源が、前記カバー開口部を通過する大きさのものである、請求項26~28のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置よりも前記ハウジングの外側表面から遠くに配置されている、請求項20~29のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、エアロゾル供給デバイスにおいてエアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給デバイス用の消耗品部分、及びエアロゾル供給デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給デバイスが知られている。一般的なデバイスは、ヒータを使用して適切な媒体からエアロゾルを発生させ、そのエアロゾルがユーザによって吸引される。適切な媒体は、吸引用のエアロゾルを生成する前に、かなりの程度の加熱を必要とすることが多い。したがって、このようなデバイスのヒータは、高い動作温度に到達する。このようなデバイスのユーザ安全性が重要である。
【0003】
上に述べた問題の少なくとも一部に対処するのに役立つ又はそれを軽減するのに役立つことを目的とした様々な手法を、本明細書において説明する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲に規定される。
【0005】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成媒体と、エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された、加熱用のエネルギー源と、エアロゾル生成媒体を収容するように構成され、加熱用のエネルギー源が配置されるハウジングであって、ヒータを保護するための保護領域をさらに備えたハウジングとを備え、デバイス内で、エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、加熱用のエネルギー源が保護領域にある格納位置との間で移動するように、加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給システムが提供される。
【0006】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイス用の消耗品部分ないしは消耗品部品が提供される。
【0007】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスにおいてエアロゾルを生成する方法であって、エアロゾル生成媒体を用意するステップと、加熱用のエネルギー源を用意するステップと、保護領域を有するハウジングを用意するステップと、加熱用のエネルギー源が保護領域に配置される格納位置から、加熱用のエネルギー源がエアロゾル生成媒体に近接して配置されるエアロゾル生成位置に、加熱用のエネルギー源を移動させるステップと、エアロゾル生成媒体を加熱してエアロゾルを作り出すステップとを含む方法が提供される。
【0008】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成手段と、エアロゾル生成手段の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱手段と、エアロゾル生成手段及び加熱手段を収容するように構成されたハウジング手段であって、加熱手段を保護するための保護手段をさらに備えるハウジング手段とを備え、デバイス内で、エアロゾル生成手段に近接したエアロゾル生成位置と、加熱手段が保護手段において保護される格納位置との間で移動するように、加熱手段が構成されている、エアロゾル供給手段が提供される。
【0009】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成媒体を受けるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、使用時にエアロゾル生成媒体を加熱してエアロゾルを作り出すように構成された、加熱用のエネルギー源と、使用時にエアロゾル生成媒体を収容するための、加熱用のエネルギー源が配置されるハウジングであって、加熱用のエネルギー源を保護するための保護領域をさらに備えたハウジングとを備え、使用時にデバイス内で、エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、加熱用のエネルギー源が保護領域にある格納位置との間で移動するように、加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0010】
この教示を、ここで以下の図を参照しながら単なる例として説明する。図において、同様の部分は同様の参照符号によって示してある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一例によるエアロゾル供給システムの一部分を示す概略断面図である。
図2】一例によるエアロゾル供給システムの一部分を示す概略断面図である。
図3】一例によるエアロゾル供給システムの一部分を示す概略断面図である。
図4】一例による様々な使用段階のエアロゾル供給システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、様々な修正及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書に詳細に説明される。しかし、特定の実施形態の図面及び詳細な説明は、開示される特定の形態に本発明を限定することを意図しないことが、理解されるべきである。反対に、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれるすべての修正形態、等価物、及び代替形態を網羅する。
【0013】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴を、ここで検討/説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来どおりに実装されてもよく、これらについては、簡潔にするために詳細に検討/説明しない。したがって、本明細書において検討する、詳細に説明されない装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実装するための任意の従来技法に従って実装されてもよい。
【0014】
本開示は、エアロゾル供給システムとも呼ぶことができるeシガレットなどのエアロゾル供給システムに関する。以下の説明全体を通して、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語を使用することがあるが、この用語は、エアロゾル供給システム/デバイス、及び電子エアロゾル供給システム/デバイスと交換可能に使用されてもよいことが理解される。さらに、この技術分野において一般的なように、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語、並びに「気化させる」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」といった関連用語は、全体的に交換可能に使用されてもよい。
【0015】
図1は、エアロゾル供給システム100(本明細書では「エアロゾル供給デバイス」又は単に「デバイス」と呼ばれることもある)の一部分の概略図を示している。デバイス100は、デバイス100内にエアロゾル生成媒体110の供給源を有している。デバイス100は、エアロゾル生成媒体110の供給源を加熱してエアロゾルを作り出すように構成された、加熱用のエネルギー源120(本明細書では「ヒータ」と呼ばれることもある)を有している。デバイス100は、エアロゾル生成媒体110の供給源を収容するように構成された、ヒータ120が位置しているハウジング130を有している。ハウジング130は、ヒータ120を保護するための保護領域132を備えている。ヒータ120は、デバイス100内で、エアロゾル生成媒体110の供給源に近接したエアロゾル生成位置140と、ヒータ120が保護領域132にある格納位置145との間で、移動するように構成されている。
【0016】
本明細書で使用される「保護」領域132とは、隠される、カバーされる、又は手を入れにくいなど、何らかの方法で全体的に保護された、デバイス100内の領域のことを意味する。ヒータ120が保護領域132にあるとき、ヒータ120は、ユーザによる接触が困難であり、ヒータ120は格納位置145にあるとみなされる。デバイス100において、ユーザが例えばデバイス100を開放することによりエアロゾル生成媒体110の供給源を交換する場合に、ユーザがデバイス100の構成要素に接触し得る危険性があり、次いでこのデバイス100が、このような接触により破損するおそれがある。同様に、ヒータ120が高温で、ユーザがデバイス100の内側に手を入れた場合には、ユーザが負傷する危険性がある。したがって、使用されていないときにヒータ120を保護領域132内に移動させることにより、ユーザが負傷する可能性が低下し、同様にデバイス100の寿命が延びる。保護領域132は、エアロゾル生成位置140から0.5cm~2.0cmの範囲内に配置されてもよい。一例において、保護領域132は、エアロゾル生成位置140から約1.0cmに配置されてもよい。
【0017】
図1に示してあるように、ヒータ120は、格納位置145とエアロゾル生成位置140との間で、矢印Aによって示してある方向に沿って移動することができる。ヒータ120は、エアロゾル生成媒体110の供給源及びエアロゾル生成位置140に向かって一方向に移動してもよいし、又は2つ以上の方向に移動してもよい。ヒータ120の移動方向が1つであることには、実現するのが機械的に非常に簡単であるという利点があってもよい。これにより、デバイス100全体のコストが削減される。2つ以上の移動方向は、機械的には実現するのがより複雑であり得るが、これにより、エアロゾル生成媒体110の供給源又はエアロゾル若しくはエアロゾルが、保護領域132に入る可能性が低減される。ヒータ120が、入り組んだ経路に沿って移動してエアロゾル生成位置140に到達する場合には、エアロゾル生成媒体110の供給源が、例えば輸送中に外れた場合に、保護領域132内に落下し得る可能性は低い。
【0018】
ヒータ120の移動は、モータ又は弾性部材を配置することによって実現されてもよく、この弾性部材は、ヒータ120を付勢して格納位置145又はエアロゾル生成位置140にするためのレバーとともに動作してもよい。一例では、弾性部材は、ヒータ120を付勢して保護領域132に入れ、レバーは、作動すると、その付勢力に対抗してヒータ120をエアロゾル生成位置に押しやるように動作することができる。ヒータ120はシャフト上にあってもよく、このシャフトは、関連するモータなどの作用により、デバイス100の使用中にはエアロゾル生成位置140に向かって突出し、使用後には、格納位置145に向かって後退する。デバイス100は、ヒータ120を移動させるためのカム又はジェネバホイールなどを備えてもよい。
【0019】
ヒータ120は、デバイス100のより奥の方へ動かされてもよい。ここで「より奥の方」とは、ハウジング130の外側縁部からさらにデバイス100内に入ることを意味することが意図される。デバイス100内のより奥の方への移動により、ヒータ120から発生した熱が、ユーザに触れる又はユーザが触れることがあるデバイス100の表面に伝わることが防止される。したがって、これによりデバイス100の安全性が向上する。このような配置構成は、ヒータの熱容量が高い場合に特に有利であり、熱容量の高いヒータは、喫煙セッションが終了した後も熱を発し続ける。この配置構成は、ハウジング130の外側表面との接触によりヒータ120でやけどをしないよう、ユーザを保護することができる。
【0020】
デバイス100の非稼働期間中、ヒータ120は格納位置145に維持されてもよい。図1に示してあるように、保護領域132は、デバイス100のハウジング130内の凹部、開口部、コリドー(通路)、貫通穴、溝、又は空洞のうちの少なくとも1つとすることができる。保護領域132にあるときにヒータ120が取る位置である格納位置145は、デバイス100のハウジング130の2つの部分間に配置されてもよい。格納位置145は、保護領域132内に存在することにより、デバイス100内で保護される位置であり、この位置は、デバイス100の輸送中の破損からヒータ120を保護することができる。
【0021】
保護は、図1に示してあるように、デバイス100のハウジングの要素又は特徴部によって実現されてもよい。保護は、何らかの方法でヒータ120を隠す又は覆うことにより、例えばヒータ120の大部分を覆うことにより、実現されてもよい。ヒータ120の移動軸線に沿って保護領域132に出入りするルートは1つのみであってもよい。別の配置構成(図示せず)では、ヒータ120が保護領域132にあるときにヒータ120を全体的に覆うことができるように閉鎖可能な蓋又はカバーを、デバイス100が有していてもよい。ヒータ120が格納位置145の入口を通って格納位置145内に動かされたときに、蓋は、保護領域132の入口を覆うように自動的に閉じてもよい。デバイス100のハウジング130は、保護領域132が位置している保護構造体を有してもよい。この構造体は、ヒータ120が後退してハウジング130全体そのものに入るのではなく、ヒータ120が後退して入ることができる例えばプレート、又はブロック、又は側壁などとすることができる。
【0022】
図1の破線によりマークされた位置に示してあるエアロゾル生成位置140は、ヒータ120がエアロゾル生成媒体110の供給源を加熱することができる位置である。ヒータ120がエアロゾル生成位置140にあるとき、ヒータ120とエアロゾル生成媒体110の供給源とは、近接しているか、隣り合っているか、当接していてもよい。エアロゾル生成媒体110の供給源をヒータ120が加熱した結果生成されたエアロゾルが、ヒータ120から離れる方向に流れるように、エアロゾル生成媒体110の供給源は、ヒータ120の下流に配置されてもよい。この配置構成により、ヒータ120上でエアロゾルが凝縮する可能性が低減し、したがってデバイス100の動作の清浄度が向上する。ひいては、これにより、ヒータ120の寿命が延び、したがってデバイス100の維持コストが削減される。
【0023】
ヒータ120は、喫煙セッションの開始前又は開始時に、エアロゾル生成位置140に動かされてもよい。ヒータ120の移動は、自動的に行われてもよく、又はユーザの要求に応じて行われてもよい。ヒータ120の移動の自動化は、例えば吹かし検出器を使用して実現されてもよい。ユーザによる吹かしが検出されると、ヒータ120は、格納位置145からエアロゾル生成位置140へ動かされてもよい。ユーザがデバイス100を口に入れたとき、ヒータ120が格納位置145からエアロゾル生成位置140へ動かされるように、デバイス100は、例えばデバイス100のマウスピースに位置する検出器又はセンサを有してもよい。代替的に、マウスピースは、ヒータ120の移動に作用するように移動可能であってもよい。マウスピースは、ユーザの口にマウスピースを入れることにより作用する引張ばねといった付勢部材などの要素を有してもよく、これによりヒータ120を直接又は間接的に移動させる。デバイス100のマウスピースとハウジング130は、互いに対して摺動可能に移動可能であってよく、それによりマウスピースの移動が、ヒータ120を直接的にエアロゾル生成位置140に移動させる。デバイス100は、代替的又は付加的にボタンなどを有してもよく、これをユーザが押して、格納位置145からエアロゾル生成位置140へのヒータ120の移動を命令してもよい。ヒータ120の作動は、ヒータ120の移動の前に、ヒータ120の移動と同時に、又はヒータ120の移動から遅れて行われてもよい。
【0024】
図2は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の概略図を示している。図1に示してある特徴と同じ特徴を示す参照符号は、図1に使用されている参照符号と同じである。これらの同じ特徴は、ここでは詳細に検討しない。図2に示してある保護領域132は、ハウジングの2つの要素134間に配置されていてもよい。図2の例における要素134は、突出要素134である。突出要素134は、ハウジング130の両側から中央位置に向かって突出している。突出要素134は、2つの突出要素134の端部間に保護領域132を残すように配置されており、この保護領域132にヒータ120が示してある。ヒータ120は、矢印Aによって示された方向に、この保護領域132から移動してもよく、この保護領域132内に後退してもよい。
【0025】
エアロゾル生成媒体110の供給源の形状は、エアロゾル生成媒体110の供給源が保護領域132に入れないような形状である。エアロゾル生成媒体110の供給源が保護領域132に入れないようにすることにより、デバイス100の清浄度を向上させることができる。エアロゾル生成媒体110の供給源が保護領域に入ると、ヒータ120の近くに長時間存在し続けることにより燃焼してしまうおそれがある。このことは、望ましくないユーザエクスペリエンスにつながることがある。別の例では、デバイス100は、エアロゾル生成媒体110が保護領域132に入るのを防止するように配置された防止物体を有する。防止物体は、ブロック、棒、グリル、又はメッシュなどとすることができる。
【0026】
一例において、ヒータ120がエアロゾル生成位置140から格納位置145へ移動するときにヒータ120が通って動くように配置構成された入口136を、保護領域132が有している。この入口136は、1.5cm未満、1.2cm未満、又は1.0cm未満の面積を有していてもよい。一例において、入口136は、12mm×12mmの方形開口部を有している。こうして、エアロゾル生成媒体110の供給源は、保護領域132に入ることができないような大きさにされてもよい。別の例では、入口136は、12mm以下の最小寸法を有する。一例では、入口136は、π*(6mm)未満の面積を有し、ここで入口の半径は6mmであり、入口は実質的に円形である。
【0027】
図2に示してある例からわかるように、エアロゾル生成媒体110の供給源は、保護領域132の入口136の大きさよりも広い幅を有する。エアロゾル生成媒体110の供給源は、大きすぎて保護領域132に嵌まらないような大きさの基部を有してもよい。一例において、保護領域132とエアロゾル生成位置140との間の距離は、入口136の面積の端から端までの最大線形距離の半分に実質的に等しい長さであってもよい。
【0028】
図3は、一例によるエアロゾル供給デバイス100の一部分の概略断面図を示している。図1又は図2に示してある特徴と同じ特徴を示す参照符号は、図1又は図2に使用されている参照符号と同じである。これらの同じ特徴は、ここでは詳細に検討しない。図3に示してあるデバイス100は、エアロゾル生成媒体110の供給源が保護領域132に入ることを防ぐことができるさらなる要素150を有している。さらに、この要素150は、エアロゾル生成位置140とエアロゾル生成媒体110の供給源との間に配置され、それによりエアロゾル生成媒体110の供給源は、ヒータ120の近くに移動することが実質的にできなくなる。ヒータ120が、格納位置145からエアロゾル生成位置140へ移動するときのみ、ヒータ120とエアロゾル生成媒体110の供給源とが互いに近づく。こうして、エアロゾル生成媒体110の供給源の加熱を容易に制御することができ、指定された加熱セッションの前にエアロゾル生成媒体110の供給源が加熱されてしまう危険性が著しく低下する。
【0029】
さらに、ユーザがエアロゾル生成媒体110の供給源を取り外す及び/又は交換するためにデバイス100に手を入れたときに接触しないよう、要素150はヒータ120をさらに保護することができる。要素150は、熱伝導性の材料から作られた網、又はフェンス状の構造体とすることができる。この例において、熱伝導性の網150は、エアロゾル生成媒体110の供給源の移動を防止しながら、ヒータ120からエアロゾル生成媒体110の供給源への熱エネルギーの通過は可能にする。網150は、ワイヤメッシュ又は金属の接合部などから作られてもよい。機能的に、要素150は熱エネルギーの通過を可能にしながら、大きい構造的な要素の通過を防止する。
【0030】
図4は、一例による様々な使用段階のエアロゾル供給デバイス100の3つの概略図を示している。図1図2、又は図3に示してある特徴と同じ特徴を示す参照符号は、図1図2、又は図3に使用されている参照符号と同じである。図4の(i)は、エアロゾルの生成に使用されていないときの休止状態のデバイス100を示している。ヒータ120は、保護領域132に位置している。保護領域132は、上述したように溝などとすることができるが、これは図4に明示的に示されていない。エアロゾル生成媒体110の供給源は、ヒータ120から離れた距離に位置している。ヒータ120は、矢印Aによって示される方向に沿ってエアロゾル生成位置140へ、及びエアロゾル生成位置から、移動可能である。デバイス100は、デバイス100のカバー開口部170(図4の(iii)を参照)を覆うためのカバー160を有している。カバー160は、開口部を覆うための閉位置(図4の(i)を参照)と、カバー開口部170を介してデバイス100へのユーザのアクセスを提供するための開位置(図4の(iii)を参照)との間で移動するように構成されている。カバー160が開位置に向かって移動するときにヒータ120が格納位置145になるよう、デバイス100は構成されている。
【0031】
加熱セッションが開始されるとき、図4の(ii)に示してあるように、カバー160はすでに閉じられ、ヒータ120はエアロゾル生成位置140に移動している。加熱セッションの完了後、ヒータ120は格納位置145に移動し、カバー160は、矢印Bの一方の端部によって示される方向への移動により、開位置に動かされてもよい。カバー開口部170を覆っている状態からカバー160を移動させることにより、ユーザはデバイス100の内側に手を入れることができる。矢印Bの他方の端部によって示してある他方の方向に沿ってカバー160を移動させることにより、カバー160を閉じることができる。カバー160の移動は、図4において回転運動として示してある。
【0032】
カバー160は、蓋又はハッチなどであってよく、これらは開位置まで回転してもよいし、又は開位置までスライドするなどしてもよい。カバー160は、デバイス100から完全に取外し可能であってもよい。エアロゾル生成媒体110の供給源は、カバー160の近くに位置するものとして図4に示してある。これにより、ユーザがデバイス100からエアロゾル生成媒体110の供給源を取り外すことがより簡単になる。ヒータ120がエアロゾル生成位置140にあるときに、デバイス100の内側へのアクセスを防止するために、カバー160はロックを有していてもよい。ロックは、ヒータ120がエアロゾル生成位置140に移動することにより自動的に作動してもよい。カバー160が開位置にあるときにデバイス100を作動させることができないように、デバイス100にフィードバックシステムが存在してもよい。これらの安全策により、ユーザがデバイス100の内側に手を入れているときに、高温のヒータ120に接触してしまう危険性が低下する。
【0033】
デバイス100のメンテナンス又はトラブルシューティングなど、一部の事例では、ヒータ120がエアロゾル生成位置140にあるときにカバー160が開位置にあることが必要になることがある。カバー160を開位置にすることと、ヒータ120をエアロゾル生成位置140にすることとを同時に可能にするためのオーバライドシステムを、このデバイス100は備えていてもよい。オーバライドシステムは、指定されたオペレータによって作動可能にすることができる。オーバライドシステムは、指定されたオペレータだけが知っているコード又はキーなどによって作動されてもよい。これにより、例えば専門家によるヒータ120のメンテナンスが可能になる。ヒータ120の取外し及び/若しくは交換、又はメンテナンスを可能にするために、ヒータ120は、カバー開口部170を通過する大きさのものとすることができる。
【0034】
一例において、ハウジング130内でエアロゾル生成位置140よりも保護領域132の方が実質的により中央に配置されるように、デバイス100が構成されてもよい。その理由は、エアロゾルが生成されたときに、エアロゾルが例えばマウスピース又は出口を通ってデバイス100から出る前にデバイス100内で流れる距離が短くなるように、エアロゾル生成位置140はデバイス100のマウスピースの近くに位置しているからである。これにより、エアロゾルが凝縮することがあるデバイス100内の面積が縮小される。生成されたエアロゾルの流れ経路を短くすることにより、生成されたエアロゾルの凝縮が起こり得るデバイス100内の構成要素の個数が少なくなる。デバイス100内で凝縮するエアロゾルは、これらの構成要素を損傷するおそれがある。したがって、ハウジング130内でエアロゾル生成位置140よりも保護領域132の方が実質的により中央に配置された配置は、デバイス100の寿命の延長とともにデバイス100の清浄度の向上につながることがある。
【0035】
このような配置は、ユーザが把持することがあるデバイス100の外側表面の近くで、デバイス100によって生成される熱エネルギーの量も低減させる。したがってこれにより、デバイス100の高温のハウジング130を保持することによりユーザが負傷する危険性が低下する。ヒータ120は、格納位置145への移動前に停止されてもよいが、この構成では、ヒータ120の潜在的な熱が、ハウジング130の加熱によりデバイス100の表面を容易に加熱してしまうことが防止される。
【0036】
一例において、ヒータ120は、図4の(i)の矢印Aによって示してある軸線に沿った移動の前に作動してもよい。この作動は、上述したように、喫煙セッションの開始を吹かしセンサが検出したこと、又はユーザ作動可能ボタンが作動したことに応答して、行われてもよい。エアロゾルが生成される前にユーザが待機する時間を最小限に抑えるために、エアロゾル生成媒体110の供給源とヒータ120が互いに近づいたとき、ヒータ120は動作温度に近い状態であるべきである。したがって、エアロゾル生成媒体110の供給源若しくはヒータ120の移動中、又は移動前に、ヒータ120が加熱されていてもよい。デバイス100は、移動段階及び加熱段階を制御してユーザ経験を最大化するためのコントローラを有していてもよい。
【0037】
デバイス100は、ヒータ120を移動させるための移動機構を有していてもよい。ヒータ120用の移動機構は、格納位置145とエアロゾル生成位置140との両方に近い位置に位置していてもよい。一例において、移動機構は、保護領域132内に配置されてもよい。別の例において、移動機構は、エアロゾル生成位置140の近くに配置されてもよい。移動機構は、図4の矢印Aによって示された軸線に配置されてもよい。例えば、移動機構は、矢印Aによって示された軸線に沿って、エアロゾル生成位置140に対してヒータ120の反対側に配置されてもよい。
【0038】
エアロゾル生成媒体110の供給源は、エアロゾル生成材料の単回用量か、エアロゾル生成材料の別々の複数回用量を含んでいてもよい。複数回用量の実装形態では、使用のたびに所定量のエアロゾルを発生させるために、それぞれの用量を別々に加熱可能であってもよい。用量は、エアロゾル生成媒体110の供給源内で、若しくはエアロゾル生成媒体110の供給源上で、1つ1つ別々になるように、エアロゾル生成媒体110の供給源の基部若しくは基材に配置されていてもよく、又は重なっているか隣り合っていてもよい(つまり、異なる用量は、エアロゾル生成材料の異なる面積の単一領域を含んでいてもよい)。
【0039】
エアロゾル生成媒体110の供給源は、任意の適切な形態又は構造を取ってもよい。一実施形態では、エアロゾル生成媒体の供給源は、第1及び第2の側面を含む基材(例えば、紙、カード、ホイル)を含んでもよく、エアロゾル生成媒体は、この基材の第1の側面に堆積する。この例における基材は、エアロゾル生成媒体のキャリアとして作用してもよい。いくつかの実装形態では、基材は、変動磁場によって加熱されるように配置された金属元素であってもよいし、又はその金属元素を含んでいてもよい。このような実装形態では、加熱用のエネルギー源120は、誘導コイルを含んでいてもよく、この誘導コイルは、通電されると、供給源110の金属元素内で加熱を生じさせる。加熱の程度は、金属元素と誘導コイルとの間の距離によって影響を受けることがある。さらに代替的な実装形態では、エアロゾル生成媒体110の供給源は、全体が(又は実質的に全体が)エアロゾル生成媒体から構成されてもよい(すなわち、キャリアを含まない)。具体的な例の説明を目的として、本明細書に記載の供給源110は基材を含んでおり、この基材の第1の側面にエアロゾル生成媒体が堆積しており、加熱用のエネルギー源120は、本明細書において抵抗ヒータである。
【0040】
基材は、エアロゾル不透過性であってもよく、又は多孔性であってもよく、それによりエアロゾル生成媒体は基材の孔に配置されてもよい。一例において、基材は、透過性の部分と不透過性の部分とを有していてもよい。透過性の部分は、基材を通ってデバイス100の出口に向かう流れを可能にするためなど、エアロゾルが基材を通過することが望ましい部分に配置されてもよい。不透過性の部分は、エアロゾルが加熱用のエネルギー源120に向かって流れられないようにすることが望ましい部分に配置されてもよい。
【0041】
異なる用量を異なる時間にヒータ120と位置合わせするための、ヒータ120とエアロゾル生成材料の用量との間の相対移動により、複数用量のそれぞれは別々に加熱可能であってもよい。したがって、エアロゾル生成媒体110の供給源は、ヒータ120に依存せずに動くことができる。エアロゾル生成媒体110の供給源は、中心軸線の周りで回転して、エアロゾル生成媒体110の供給源の異なる部分をヒータ120に呈してもよい。これは、エアロゾル生成媒体110の供給源の異なる用量が加熱されることに相当してもよく、エアロゾル生成媒体110の供給源の異なる用量は、タバコ又はメンソールなど、異なるエアロゾル生成媒体に相当してもよい。これにより、デバイス100は、複数の異なるユーザ経験を提供できるようになる。エアロゾル生成媒体110の供給源は、ヒータ120に移動に関して本明細書で説明した任意の方法又は構成要素によって動かされてもよい。
【0042】
エアロゾル生成媒体110の供給源、又はエアロゾル生成媒体110の供給源に含まれた用量は、タバコ及びグリコールのうちの少なくとも1つを含んでもよく、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、モモ、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、オランダハッカ、セイヨウハッカ、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウィキョウ、ピーマン、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含んでもよい。これらは模倣成分、合成成分、若しくは天然成分であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば油状、液体状、又は粉末状であってもよい。用量は、別々でも、隣り合っていても、重なっていてもよい。
【0043】
本明細書に記載のエアロゾル形成層は、「無定形固体」を含んでおり、この無定形固体は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)又は「乾燥ゲル」と呼ばれてもよい。無定形固体は、液体など多少の流体をその中に保持することがある固体材料である。いくつかの場合においては、エアロゾル形成層は、約50重量%、60重量%、又は70重量%の無定形固体から、約90重量%、95重量%、又は100重量%までの無定形固体を含む。いくつかの場合においては、エアロゾル形成層は、無定形固体から構成される。
【0044】
いくつかの場合においては、無定形固体は、ゲル化剤を1~50重量%含んでもよく、ここでこれらの重量は、乾燥重量に基づき計算されている。
【0045】
無定形固体は、ゲル化剤を約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から、約50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、又は27重量%まで含むことが適切である(すべて乾燥重量に基づき計算)。例えば、無定形固体は、ゲル化剤を5~40重量%、10~30重量%、又は15~27重量%含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、ゲル化剤は親水コロイドを含む。いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ若しくはシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール、及びこれらの組合せを含むグループから選択された1つ又は複数の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、アガロース、アカシアガム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの場合においては、ゲル化剤は、アルギン酸及び/又はペクチンを含み、無定形固体の形成中には(カルシウム源などの)硬化剤で結合されてもよい。いくつかの場合においては、無定形固体は、カルシウム架橋したアルギン酸及び/又はカルシウム架橋したペクチンを含んでもよい。
【0047】
無定形固体は、エアロゾル生成剤を約5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%から、約80重量%、70重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、又は35重量%まで含むことが適切である(すべて乾燥重量に基づき計算)。エアロゾル生成剤は、可塑剤として作用してもよい。例えば、無定形固体は、エアロゾル生成剤を10~60重量%、15~50重量%、又は20~40重量%含んでもよい。いくつかの場合においては、エアロゾル生成剤は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール、及びキシリトールから選択された1つ又は複数の化合物を含む。いくつかの場合においては、エアロゾル生成剤は、グリセロールを含むか、本質的にグリセロールから構成されるか、グリセロールから構成される。可塑剤の含有量が多すぎる場合には、無定形固体が水分を吸収してしまうことがあり、その結果、使用中に適切な消費経験を創り出さない材料が得られることを、発明者らは証明してきた。可塑剤の含有量が少なすぎる場合には、無定形固体が脆くなることがあり、容易に破損してしまうことを、発明者らは証明してきた。本明細書において特定される可塑剤の含有量により、無定形固体の可撓性が与えられ、この可撓性により、無定形固体シートをボビンに巻き付けることが可能になり、このことはエアロゾル生成物品の製造に有用である。
【0048】
いくつかの場合においては、無定形固体は、香料を含んでもよい。無定形固体は、香料を最大で約60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、又は5重量%を含むことが適切である。いくつかの場合においては、無定形固体は、香料を少なくとも約0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、20重量%、又は30重量%含んでもよい(すべて乾燥重量に基づき計算)。例えば、無定形固体は、香料を10~60重量%、20~50重量%、又は30~40重量%含んでもよい。いくつかの場合においては、香料は(存在する場合)、メンソールを含むか、本質的にメンソールから構成されるか、メンソールから構成される。いくつかの場合においては、無定形固体は香料を含まない。
【0049】
いくつかの場合においては、無定形固体は、タバコ材料及び/又はニコチンをさらに含む。例えば、無定形固体は、粉末状のタバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物をさらに含んでもよい。いくつかの場合においては、無定形固体は、タバコ材料及び/又はニコチンを約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から、約70重量%、60重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%まで含んでもよい(乾燥重量に基づき計算)。
【0050】
いくつかの場合においては、無定形固体は、タバコ抽出物を含む。いくつかの場合においては、無定形固体は、タバコ抽出物を5~60重量%含んでもよい(乾燥重量に基づき計算)。いくつかの場合においては、無定形固体は、タバコ抽出物を約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から、約55重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%まで含んでもよい(乾燥重量に基づき計算)。例えば、無定形固体は、タバコ抽出物を5~60重量%、10~55重量%、又は25~55重量%含んでもよい。無定形固体がニコチンを1重量%、1.5重量%、2重量%、又は2.5重量%から、約6重量%、5重量%、4.5重量%、又は4重量%(乾燥重量に基づき計算)まで含むような濃度で、タバコ抽出物はニコチンを含んでもよい。いくつかの場合においては、タバコ抽出物から得られるニコチン以外のニコチンが、無定形固体には存在しなくてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、無定形固体は、タバコ材料を含むのではなく、ニコチンを含んでもよい。そのような場合には、無定形固体は、ニコチンを約1重量%、2重量%、3重量%、又は4重量%から、約20重量%、15重量%、10重量%、又は5重量%まで含んでもよい(乾燥重量に基づき計算)。例えば、無定形固体は、ニコチンを1~20重量%、又は2~5重量%含んでもよい。
【0052】
いくつかの場合においては、タバコ材料と、ニコチンと、香料との総含有量は、少なくとも約1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、又は30重量%であってもよい。いくつかの場合においては、タバコ材料と、ニコチンと、香料との総含有量は、約70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、又は40重量%未満であってもよい(すべて乾燥重量に基づき計算)。
【0053】
いくつかの実施形態において、無定形固体はハイドロゲルであり、湿重量に基づき計算された水分を約20重量%未満含む。いくつかの場合においては、ハイドロゲルは、湿重量に基づき(WWB)計算された水分を約15重量%未満、12重量%未満、又は10重量%未満含んでもよい。いくつかの場合においては、ハイドロゲルは、水分(WWB)を少なくとも約2重量%、又は少なくとも約5重量%含んでもよい。
【0054】
無定形固体は、ゲルから作られてもよく、このゲルは、0.1~50重量%で含まれる溶媒をさらに含んでもよい。しかし、香料を溶解できる溶媒を含めることにより、ゲルの安定性が低下し、ゲルから香料が晶出することがあることを、発明者らは証明してきた。したがって、いくつかの場合においては、ゲルは、香料を溶解できる溶媒を含まない。
【0055】
無定形固体は、充填剤を20重量%未満含み、10重量%未満又は5重量%未満含むことが適切である。充填剤は、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイド状シリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなど、1つ又は複数の無機充填剤材料と、分子ふるいなど、適切な無機吸着剤とを含んでもよい。充填剤は、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体など、1つ又は複数の有機充填材料を含んでもよい。いくつかの場合においては、無定形固体は、充填剤を1重量%未満含み、いくつかの場合においては充填剤を含まない。特に、いくつかの場合においては、無定形固体は、チョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
【0056】
いくつかの場合においては、無定形固体は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ材料及び/若しくはニコチン供給源、水分、並びに任意選択で香料から本質的に構成されてもよく、又はこれらから構成されてもよい。
【0057】
上記の例において、エアロゾル生成媒体110の供給源は、実質的にエアロゾル不透過性の基部又はコーティングなどを有していてもよい。この構成は、エアロゾル生成媒体110の供給源の加熱により生成されたエアロゾルが、ヒータ120から離れる方向に、デバイス100のマウスピース又は出口に向かって流れることを促進することができる。このことは、上に述べたように、デバイス100内でエアロゾルの凝縮が生じる可能性を低下させるのに役立ち、したがってデバイス100の清浄度と寿命の両方を改善するのに役立つことが可能である。基部は、紙、厚紙、木材、パルプ、プラスチック、セラミック、タバコ、又はニコチン含有物質のうちの少なくとも1つの材料から形成されてもよい。
【0058】
こうして、エアロゾル生成媒体の供給源と、エアロゾル生成媒体を加熱してエアロゾルを作り出すように構成されたヒータとを備え、デバイス内で、ヒータから離れている(遠い)格納位置と、エアロゾル生成媒体の供給源がヒータに接しているエアロゾル生成位置との間で移動するように、供給源が構成されている、エアロゾル供給デバイスが説明されてきた。
【0059】
エアロゾル供給システムは、タバコ産業製品、例えば不燃エアロゾル供給システムにおいて使用されてもよい。
【0060】
一実施形態において、タバコ産業製品は、ヒータ及びエアロゾル化可能基材など、不燃エアロゾル供給システムの1つ又は複数の構成要素を備える。
【0061】
一実施形態において、エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
【0062】
一実施形態において、電子タバコは、ヒータと、ヒータに電力を供給可能な電源と、液体又はゲルなどのエアロゾル化可能基材と、ハウジングと、任意選択でマウスピースとを備える。
【0063】
一実施形態において、エアロゾル化可能基材は、基材容器内に又は基材容器上に収容される。一実施形態において、基材容器は、ヒータと組み合わされているか、ヒータを備えている。
【0064】
一実施形態において、タバコ産業製品は、基材材料を加熱するが燃焼させないことにより1つ又は複数の化合物を放出する加熱製品である。基材材料は、例えばタバコ製品又は他の非タバコ製品とすることができるエアロゾル化可能材料であり、この材料はニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。一実施形態において、加熱デバイス製品は、タバコ加熱製品である。
【0065】
一実施形態において、加熱製品は電子デバイスである。
【0066】
一実施形態において、タバコ加熱製品は、ヒータと、ヒータに電力を供給可能な電源と、固体材料又はゲル材料などのエアロゾル化可能基材とを備える。
【0067】
一実施形態において、加熱製品は非電子物品である。
【0068】
一実施形態において、加熱製品は、固体材料又はゲル材料などのエアロゾル化可能基材と、チャコールなどの燃焼材料を燃焼させることなどにより電子手段なしにエアロゾル化可能基材に熱エネルギーを供給可能な熱源とを備える。
【0069】
一実施形態において、加熱製品は、エアロゾル化可能基材を加熱することにより生成されるエアロゾルを濾過可能なフィルタも備える。
【0070】
いくつかの実施形態において、エアロゾル化可能基材材料は、エアロゾル、又はエアロゾル生成剤、又はグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコールなどの保湿剤を含んでもよい。
【0071】
一実施形態において、タバコ産業製品は、基材材料の組合せを加熱するが燃焼させないことによりエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。基材材料は、例えば固体、液体、又はゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。一実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルの基材と、固体の基材とを含む。固体の基材は、例えばタバコ製品又は他の非タバコ製品であってもよく、これらはニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。一実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルの基材と、タバコとを含む。
【0072】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示全体は、特許請求される本発明を実施可能な、優れた電子エアロゾル供給システムを提供する様々な実施形態を例として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の単なる代表的な実例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。本開示の利点及び特徴は、特許請求される特徴の理解を促し、それを教示するためだけに提供される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本開示に対する限定、又は特許請求の範囲の等価物に対する限定と考えられるべきではなく、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことが理解されるべきである。様々な実施形態は、開示される要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの様々な組合せを備えてもよいし、それらから構成されてもよいし、本質的にそれらから構成されてもよいことが適切である。さらに、本開示は、明示的に特許請求されないが、将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
[発明の項目]
[項目1]
エアロゾル生成媒体と、
前記エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱用のエネルギー源と、
前記エアロゾル生成媒体を収容するように構成され、前記加熱用のエネルギー源が配置されるハウジングであって、ヒータを保護するための保護領域をさらに備えたハウジングと
を備える、エアロゾル供給システムであって、
デバイス内で、前記エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域にある格納位置との間で移動するように、前記加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給システム。
[項目2]
前記保護領域が、前記ハウジング内の凹部、開口部、通路、貫通穴、溝、又は空洞のうちの少なくとも1つである、項目1に記載のエアロゾル供給システム。
[項目3]
前記ハウジングが、前記保護領域が配置される保護構造体をさらに備える、項目1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
[項目4]
前記エアロゾル生成媒体が前記保護領域に入るのを防止するように配置構成された防止要素を備える、項目1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目5]
前記エアロゾル生成位置から前記格納位置へ前記加熱用のエネルギー源が移動するときに、前記加熱用のエネルギー源が通って動くように配置構成されている少なくとも1つの開口部を、前記保護領域が有しており、
前記少なくとも1つの開口部が、1.5cm 未満、1.2cm 未満、又は1.0cm 未満の面積を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目6]
前記少なくとも1つの開口部が、12mm以下の最小寸法を有する、項目5に記載のエアロゾル供給システム。
[項目7]
前記少なくとも1つの開口部が、およそπ*(6mm) 以下の面積を有する、項目6に記載のエアロゾル供給システム。
[項目8]
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置から0.5~2.0cmの範囲内に配置されている、項目1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目9]
デバイスのカバー開口部を覆うためのカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記カバー開口部を覆うための閉位置と、前記カバー開口部を介して前記デバイスへのユーザのアクセスをもたらすための開位置との間で動くように構成されており、前記カバーは、該カバーが前記開位置に向かって移動するときに前記加熱用のエネルギー源が前記格納位置になるように配置構成されている、項目1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目10]
前記カバーを前記開位置にすることと、前記加熱用のエネルギー源を前記エアロゾル生成位置にすることとを同時に可能にするように構成されたオーバライドシステムをさらに備える、項目9に記載のエアロゾル供給システム。
[項目11]
前記カバーが、エアロゾル形成材料から形成されている、項目9又は10に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目12]
前記加熱用のエネルギー源が、前記カバー開口部を通過する大きさのものである、項目9~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目13]
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置よりも前記ハウジングの外側表面から実質的に遠くに配置されている、項目1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目14]
前記加熱用のエネルギー源が、伝導加熱、放射加熱、及び対流加熱のうちの少なくとも1つにより、前記エアロゾル生成媒体に熱を伝えるように構成されている、項目1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目15]
項目14に記載のエアロゾル供給デバイスのための消耗品部分。
[項目16]
エアロゾル供給デバイスにおいてエアロゾルを生成する方法であって、
エアロゾル生成媒体を用意するステップと、
加熱用のエネルギー源を用意するステップと、
保護領域を有するハウジングを用意するステップと、
前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域に配置される格納位置から、前記加熱用のエネルギー源が前記エアロゾル生成媒体に近接して配置されるエアロゾル生成位置に、前記加熱用のエネルギー源を移動させるステップと、
前記エアロゾル生成媒体を加熱してエアロゾルを作り出すステップと
を含む、方法。
[項目17]
前記加熱用のエネルギー源を、前記エアロゾル生成位置から前記格納位置に移動させる、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記加熱用のエネルギー源を前記格納位置に移動させる前に、前記加熱用のエネルギー源を停止するステップをさらに含む、項目16又は17に記載の方法。
[項目19]
エアロゾル生成手段と、
前記エアロゾル生成手段の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱手段と、
前記エアロゾル生成手段及び前記加熱手段を収容するように構成されたハウジング手段であって、前記加熱手段を保護するための保護手段をさらに備えるハウジング手段と
を備える、エアロゾル供給手段であって、
デバイス内で、前記エアロゾル生成手段に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱手段が前記保護手段において保護される格納位置との間で移動するように、前記加熱手段が構成されている、エアロゾル供給手段。
[項目20]
エアロゾル生成媒体を受けるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、
使用時に前記エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを作り出すように構成された加熱用のエネルギー源と、
使用時に前記エアロゾル生成媒体を収容するためのハウジングであって、前記加熱用のエネルギー源が配置され、前記加熱用のエネルギー源を保護するための保護領域をさらに備える、ハウジングと
を備え、
使用時に当該エアロゾル供給デバイス内で、前記エアロゾル生成媒体に近接したエアロゾル生成位置と、前記加熱用のエネルギー源が前記保護領域にある格納位置との間で移動するように、前記加熱用のエネルギー源が構成されている、エアロゾル供給デバイス。
[項目21]
前記保護領域が、前記ハウジング内の凹部、開口部、通路、貫通穴、溝、又は空洞のうちの少なくとも1つである、項目20に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目22]
前記ハウジングが、前記保護領域が配置される保護構造体をさらに備える、項目20又は21に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目23]
使用時に、前記エアロゾル生成媒体が前記保護領域に入るのを防止するように配置構成された防止要素を備える、項目20~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目24]
前記エアロゾル生成位置から前記格納位置へ前記加熱用のエネルギー源が移動するときに、前記加熱用のエネルギー源が通って動くように配置構成された少なくとも1つの開口部を、前記保護領域が有しており、
前記少なくとも1つの開口部が、1.5cm 未満、1.2cm 未満、又は1.0cm 未満の面積を有する、項目20~23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目25]
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置から0.5~2.0cmの範囲内に配置されている、項目20~24のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目26]
当該エアロゾル供給デバイスのカバー開口部を覆うためのカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記カバー開口部を覆うための閉位置と、前記カバー開口部を介して前記デバイスへのユーザのアクセスをもたらすための開位置との間で動くように構成されており、前記カバーは、該カバーが前記開位置に向かって移動するときに前記加熱用のエネルギー源が前記格納位置になるように配置構成されている、項目20~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目27]
前記カバーを前記開位置にすることと、前記加熱用のエネルギー源を前記エアロゾル生成位置にすることとを同時に可能にするように構成されたオーバライドシステムをさらに備える、項目26に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目28]
前記カバーが、エアロゾル形成材料から形成されている、項目26又は27に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目29]
前記加熱用のエネルギー源が、前記カバー開口部を通過する大きさのものである、項目26~28のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
[項目30]
前記保護領域が、前記エアロゾル生成位置よりも前記ハウジングの外側表面から実質的に遠くに配置されている、項目20~29のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
図1
図2
図3
図4