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特許7317992コンテンツのターゲットを絞った表示を行うためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】コンテンツのターゲットを絞った表示を行うためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230724BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021561145
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2020001625
(87)【国際公開番号】W WO2020145412
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】62/791,089
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/823,329
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/708,043
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/708,108
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ベンチュラ
(72)【発明者】
【氏名】春日 宏行
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・キース・プラット
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-055924(JP,A)
【文献】特表2018-504050(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0111892(US,A1)
【文献】特開2010-160780(JP,A)
【文献】特表2011-520304(JP,A)
【文献】特開2009-175739(JP,A)
【文献】特開2004-171151(JP,A)
【文献】特開2006-339780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置と、前記装置に接続されたコンテンツ管理システム(CMS)と、を含むシステムであって、
前記装置は、
ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続し、
前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信し、
前記ルールセットまたはAIモデルにデモグラフィックデータを適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツから第1のメディアコンテンツを選択し、
前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させるための複数の信号を、それぞれ異なる時間に前記CMSへ送信し、
前記CMSは、
前記複数のメディアコンテンツのうちの1つである第2のメディアコンテンツを表示させている間に、前記複数の信号を受信するように構成され、
前記複数の信号のうち、前記第2のメディアコンテンツの第1の所定時間の前に受信した信号を無視し、前記第1の所定時間の後に受信した信号に基づいて、前記ディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させる
システム。
【請求項2】
前記CMSは、
前記信号を前記第1の所定時間の後に前記信号を受信せず、前記第1の所定時間の前に受信している場合には、前記第1の所定時間の前に受信した信号に基づいて、前記第1のメディアコンテンツを表示させる
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記CMSは、
前記信号を前記第1の所定時間の後に前記信号を受信せず、第2のメディアコンテンツの第1の所定時間よりも前の所定の時間枠において受信している場合には、当該所定の時間枠において受信した信号に基づいて、前記第1のメディアコンテンツを表示させる
請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記CMSは、
前記第1の所定時間および前記所定の時間枠に前記信号を受信しない場合、プレイリスト内のメディアコンテンツのうちいずれかのメディアコンテンツを表示させる
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記CMSは、
前記第1の所定時間および前記所定の時間枠に前記信号を受信しない場合、プレイリスト内のメディアコンテンツのうち、以前再生されていないメディアコンテンツであって、前記プレイリストの順序が最も早いメディアコンテンツを表示させる
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記CMSは、
前記第1の所定時間および前記所定の時間枠に前記信号を受信しない場合、プレイリスト内のメディアコンテンツのうち、前記第2のメディアコンテンツに関連したメディアコンテンツであって、前記プレイリストの順序が次のメディアコンテンツを表示させる
請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記装置は、
前記デモグラフィックデータとして、少なくとも1つのセンサーからのセンサーデータに基づく顧客デモグラフィックデータを取得し、前記顧客デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記装置は、
モバイルセンサー、無線周波数識別装置、およびビーコンのうちの少なくとも1つからデータを取得し、取得されたデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用する
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサーは、第1のカメラと第2のカメラとを含み、
前記第1のカメラは、前記ディスプレイの近くにあり、
前記第2のカメラは、前記ディスプレイから離れた位置にある
請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記装置は、
前記顧客デモグラフィックデータを前記リモートシステムに送信する
請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記装置は、前記装置によって前記リモートシステムに送信される前記顧客デモグラフィックデータの量が、前記装置によって取得された前記顧客デモグラフィックデータの総量よりも少なくなるように、前記装置によって取得された前記顧客デモグラフィックデータの一部のみを前記リモートシステムに送信する
請求項7または請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記装置は、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを前記リモートシステムから受信し、前記デモグラフィックデータと前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択する
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記装置は、前記リモートシステムに送信された前記顧客デモグラフィックデータに基づいて更新される、前記ルールセットの更新後のルール、更新後のルールセット、または更新後のAIモデルを前記リモートシステムから受信するように構成され、更に、前記更新後のルール、前記更新後のルールセット、または前記更新後のAIモデルに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させるように構成される
請求項7、請求項10、請求項11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のメディアコンテンツは、前記CMSのメモリに保存され、
前記装置は、前記ルールセットまたはAIモデルの前記出力に基づいて、前記装置の外部にある前記メモリに保存された前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させる
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記CMSは、前記リモートシステムから前記複数のメディアコンテンツを受信し、前記CMSのメモリに前記複数のメディアコンテンツを保存し、前記装置からの前記信号に基づいて、前記ディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させる
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記CMSは、前記CMSによって保存された前記複数のメディアコンテンツのリストを前記装置に送信し、
前記装置は、前記CMSから受信した前記複数のメディアコンテンツの前記リストに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを表示するための前記信号を前記CMSに送信する
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記CMSは、
前記第1の所定時間および前記所定の時間枠に前記複数の信号のいずれも受信しない場合、プレイリスト内の他のメディアコンテンツの位置に基づいて、前記プレイリストの他のメディアコンテンツを表示させる
請求項3に記載のシステム。
【請求項18】
前記リモートシステムは、前記ルールセットまたはAIモデルを作成し、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワークを介して前記装置に送信する
請求項1から請求項17のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記リモートシステムは、更に、前記装置によって取得された前記デモグラフィックデータの少なくとも一部を受信し、受信された前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、前記装置に送信された前記ルールセットまたはAIモデルを更新する
請求項7から請求項18のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記リモートシステムは、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを受信し、前記外部データを前記装置に送信する
請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの一部に基づいて、新しいメディアコンテンツを作成し、前記新しいメディアコンテンツを前記CMSに送信して、前記複数のメディアコンテンツの一部として前記CMSのメモリに保存するように構成される
請求項14または請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの一部に基づいて、ユーザのディスプレイに表示するための顧客インサイトを作成する
請求項13から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記リモートシステムは、前記CMSから配信証明(PoD)通知を受信し、以前に前記PoD通知を受信したことに基づいて、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワーク経由で前記装置に送信する
請求項1から請求項22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
装置と、前記装置に接続されたコンテンツ管理システム(CMS)と、を含むシステムにおける方法であって、
前記装置は、
ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続し、
前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信し、
前記ルールセットまたはAIモデルにデモグラフィックデータを適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツから第1のメディアコンテンツを選択し、
前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させるための複数の信号を、それぞれ異なる時間に前記CMSへ送信し、
前記CMSは、
前記複数のメディアコンテンツのうちの1つである第2のメディアコンテンツを表示させている間に、前記複数の信号を受信し、
前記複数の信号のうち、前記第2のメディアコンテンツの第1の所定時間の前に受信した信号を無視し、前記第1の所定時間の後に受信した信号に基づいて、前記ディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させる
方法。
【請求項25】
装置と、前記装置に接続されたコンテンツ管理システム(CMS)と、を含むシステムであり、
前記装置が、
ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続し、
前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信し、
前記ルールセットまたはAIモデルにデモグラフィックデータを適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツから第1のメディアコンテンツを選択し、
前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させるための複数の信号を、それぞれ異なる時間に前記CMSへ送信する
システムにおける前記CMSのコンピュータに、
前記複数のメディアコンテンツのうちの1つである第2のメディアコンテンツを表示させている間に、前記複数の信号を受信し、
前記複数の信号のうち、前記第2のメディアコンテンツの第1の所定時間の前に受信した信号を無視し、前記第1の所定時間の後に受信した信号に基づいて、前記ディスプレイに前記第1のメディアコンテンツを表示させる
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2019年1月11日に出願された米国仮出願第62/791,089号、2019年3月25日に出願された米国仮出願第62/823,329号、2019年12月9日に出願された米国特許出願第16/708,108号、および2019年12月9日に出願された米国特許出願第16/708,043号から優先権を主張し、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【分野】
【0002】
本開示は、メディアコンテンツのターゲットを絞った表示に関し、より具体的には、ルールセットまたはAIモデルを使用したメディアコンテンツのターゲットを絞った表示に関する。
【背景】
【0003】
従来のシステムには、ターゲットを絞ったメディアコンテンツを視聴者に提供しようとするものがある。但し、関連性の高いターゲットを絞ったメディアコンテンツの配信には複雑さが伴う。例えば、どのメディアコンテンツをどの時間とどの場所でどの個人に配信すべきかを決定するために必要なデータの管理と把握に問題がある。更に、ターゲットを絞ったメディアコンテンツを表示しているエンティティのパフォーマンスと生産性、様々な要因がパフォーマンスと生産性にどのように影響するか、パフォーマンスと生産性をどのように向上させることができるかをより理解する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの実施形態は、前述の問題および背景技術の他の問題を解決する。本発明の一目的は、例えば、メディアコンテンツのターゲットを絞った表示を可能にするための装置、システム、方法、およびプログラムを提供することである。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、メディアコンテンツのターゲットを絞った表示を可能にする。本開示のいくつかの実施形態は、メディアコンテンツのターゲットを絞った表示を可能にし、ターゲットを絞った表示のための新しいメディアコンテンツの作成を可能にする。本開示のいくつかの実施形態は、ターゲットを絞った表示およびメディアコンテンツの作成を実行するために分析に使用されるデータ、メディアコンテンツのターゲットを絞った表示を行うために使用されるダウンロード可能なルールまたはAIモデルを更新するために使用されるデータ、そして、分析、視覚化、およびレポートのために使用されるデータのアップロードを可能にする。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置が提供される。前記装置は、プログラム命令が保存されたメモリと、前記プログラム命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと含み、前記プログラム命令は、前記装置を制御して、ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続させ、前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信させ、前記ルールセットまたはAIモデルにデモグラフィックデータを適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツからメディアコンテンツを選択させ、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させる。
【0007】
一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、前記デモグラフィックデータとして、少なくとも1つのセンサーからのセンサーデータに基づく顧客デモグラフィックデータを取得し、前記顧客デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用するように構成される。一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、モバイルセンサー、無線周波数識別装置、およびビーコンのうちの少なくとも1つからデータを取得するように構成される。
【0008】
一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記顧客デモグラフィックデータを前記リモートシステムに送信するように構成される。一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサによって前記リモートシステムに送信される前記顧客デモグラフィックデータの量が、前記少なくとも1つのプロセッサによって取得された前記顧客デモグラフィックデータの総量よりも少なくなるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって取得された前記顧客デモグラフィックデータの一部のみを前記リモートシステムに送信するように構成される。一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを前記リモートシステムから受信し、前記デモグラフィックデータと前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択するように構成される。一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記リモートシステムに送信された前記顧客デモグラフィックデータに基づいて更新される、前記ルールセットの更新後のルール、更新後のルールセット、または更新後のAIモデルを前記リモートシステムから受信するように構成され、更に、前記更新後のルール、前記更新後のルールセット、または前記更新後のAIモデルに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させるように構成される。
【0009】
一実施形態では、前記複数のメディアコンテンツは、前記装置の外部にあるメモリに保存され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ルールセットまたはAIモデルの前記出力に基づいて、前記装置の外部にある前記メモリに保存された前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させるように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムが提供される。前記システムは、前記装置と、前記少なくとも1つのセンサーとを含み、前記少なくとも1つのセンサーは、第1のカメラと第2のカメラとを含み、前記第1のカメラは、前記ディスプレイの近くにあり、前記第2のカメラは、前記ディスプレイから離れた位置にある。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムが提供される。前記システムは、前記装置と、ローカルネットワークによって前記装置に接続されたコンテンツ管理システム(CMS)とを含み、前記装置は、前記リモートシステムから前記ルールセットまたはAIモデルを受信し、前記デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択し、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを表示するための信号を前記CMSに送信するように構成され、前記CMSは、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含み、前記リモートシステムから前記複数のメディアコンテンツを受信し、前記CMSの前記メモリに前記複数のメディアコンテンツを保存し、前記ALPアプライアンスからの前記信号に基づいて、前記ディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させるように構成される。
【0012】
一実施形態では、前記CMSは、前記CMSによって保存された前記複数のメディアコンテンツのリストを前記装置に送信するように構成され、前記装置は、前記装置によって以前受信された前記複数のメディアコンテンツの前記リストに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを表示するための前記信号を前記CMSに送信するように構成される。
【0013】
一実施形態では、前記装置は、前記信号を含み、それぞれ異なる時間に送信される複数の信号を前記CMSに送信して、前記CMSをトリガーして前記ディスプレイ上に前記複数のメディアコンテンツのうちの1つまたは複数を表示させるように構成され、前記CMSは、前記ディスプレイ上でプレイリストのメディアコンテンツを再生しながら、前記複数の信号を受信するように構成され、更に、前記再生中の前記プレイリストの前記メディアコンテンツの最初の所定時間の前に受信した前記複数の信号のそれぞれを無視し、前記再生中の前記プレイリストの前記メディアコンテンツの前記第1の所定時間よりも遅い第2の所定時間に前記複数の信号のうちの1つを受信した場合、前記受信した複数の信号のうちの1つに基づいて、前記複数のメディアコンテンツのうちの1つを再生し、前記複数の信号のいずれも前記第2の所定時間に受信せずに、前記複数の信号のうちの1つを前記第1の所定時間に受信した場合、前記受信した複数の信号のうちの1つに基づいて、前記複数のメディアコンテンツのうちの1つを再生し、前記第1の所定時間および前記第2の所定時間に前記複数の信号のいずれも受信しない場合、前記プレイリスト内の他のメディアコンテンツの位置に基づいて、前記プレイリストの他のメディアコンテンツを再生するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、システムが提供される。前記システムは、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含む装置と、ワイドエリアネットワークを介して前記装置と通信するように構成されたリモートシステムとを含み、前記リモートシステムは、ルールセットまたはAIモデルを作成し、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワークを介して前記装置に送信するように構成され、前記ルールセットまたはAIモデルは、前記装置にローカルなディスプレイ上に表示するための複数のメディアコンテンツの中からメディアコンテンツを選択するために構成され、前記装置は、デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択し、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記ディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させるように構成される。
【0015】
一実施形態では、前記リモートシステムは、更に、前記装置によって取得された前記デモグラフィックデータの少なくとも一部を受信し、前記リモートシステムによって前記装置から受信された前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、前記装置に送信された前記ルールセットまたはAIモデルを更新するように構成される。一実施形態では、前記リモートシステムは、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを受信し、前記外部データを装置に送信するように構成され、前記装置は、前記デモグラフィックデータと前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記メディアコンテンツを選択するように構成される。一実施形態では、前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、新しいメディアコンテンツを作成し、前記新しいメディアコンテンツを前記装置と前記ディスプレイにローカルに接続されているコンテンツ管理システム(CMS)に送信して、前記複数のメディアコンテンツの一部として前記CMS装置のメモリに保存するように構成される。一実施形態では、前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、ユーザのディスプレイに表示するための顧客インサイトを作成するように構成される。一実施形態では、前記リモートシステムは、前記装置と前記ディスプレイにローカルに接続されているコンテンツ管理システム(CMS)から配信証明(PoD)通知を受信し、以前に前記PoD通知を受信したことに基づいて、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワーク経由で前記装置に送信するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法が提供される。前記方法は、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含み、ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続された装置によって実行され、前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信し、デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツからメディアコンテンツを選択し、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させる。
【0017】
一実施形態では、前記方法は、更に、前記装置の前記少なくとも1つのプロセッサにローカルに接続されている少なくとも1つのセンサーからのセンサーデータに基づいて前記デモグラフィックデータを取得する。一実施形態では、前記方法は、更に、前記装置によって取得された前記デモグラフィックデータの少なくとも一部を前記リモートシステムにアップロードする。一実施形態では、前記方法は、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを前記リモートシステムからダウンロードし、前記選択は、前記デモグラフィックデータおよび前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択する。
【0018】
一実施形態では、プログラムが提供される。前記プログラムは、装置に上記の方法のいずれかを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
開示された主題のさらなる特徴、性質、および様々な利点は、以下の詳細な説明および添付の図面からより明らかになる。
【0020】
図1は、一実施形態のシステムの概要を示す。
【0021】
図2は、一実施形態のリモートシステムおよびローカルシステムを示す。
【0022】
図3は、一実施形態のALPクラウドの機能例を示す図である。
【0023】
図4は、一実施形態のALPシステムおよび接続される構成要素を示す図である。
【0024】
図5は、一実施形態のALPアプライアンスの機能例を示す図である。
【0025】
図6は、一実施形態のCMSおよび接続される構成要素を示す図である。
【0026】
図7は、一実施形態の機械学習プロセスのフローを示す図である。
【0027】
図8は、本開示の方法を示す図である。
【0028】
図9は、本開示の方法を示す図である。
【0029】
図10Aは、一実施形態のALPシステムとCMSとの間の相互作用のシーケンス例の第1の部分を示す図である。
【0030】
図10Bは、該実施形態のALPシステムとCMSとの間の相互作用のシーケンス例の第2の部分を示す図である。
【0031】
図10Cは、該実施形態のALPシステムとCMSとの間の相互作用のシーケンス例の第3の部分を示す図である。
【0032】
図10Dは、該実施形態のALPシステムとCMSとの間の相互作用のシーケンス例の第4の部分を示す図である。
【0033】
図10Eは、該実施形態のALPシステムとCMSとの間の相互作用のシーケンス例の第5の部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本開示の一実施形態のシステムを示す。図1に示されるように、該システムは、1つ以上のローカルシステム120と、リモートシステム130と、例えば、ディスプレイを備えたコンピューティング装置でもよい1つ以上のユーザ端末140と、を含む。一実施形態では、ローカルシステム120のそれぞれは、それぞれの場所110(例えば、店舗)に位置してもよい。一実施形態では、図2に示されるように、各ローカルシステム120は、分析学習プラットフォーム(ALP)システム210と、コンテンツ管理システム(CMS)240と、装置290と、およびデジタルディスプレイであるディスプレイ280と、を含むことができる。リモートシステム130は、例えば、ALPクラウド310と、CMSクラウド340と、を含むことができる。
【0035】
ローカルシステム120およびリモートシステム130は、互いにリモート通信することができる。例えば、図2を参照すると、リモートシステム130のALPクラウド310は、ローカルシステム120のALPシステム210およびCMS 240とリモート通信することができ、リモートシステム130のCMSクラウド340は、ローカルシステム120のCMS 240とリモート通信することができる。ローカルシステム120のALPシステム210、CMS 240、装置290、およびディスプレイ280は、互いにローカル通信することができる。例えば、図2を参照すると、装置290は、ALPシステム210とローカル通信することができ、ALPシステム210およびCMS 240は、互いにローカル通信することができ、CMS 240は、ディスプレイ280と更にローカル通信することができる。図2を参照すると、リモートシステム130のALPクラウド310およびCMSクラウド340は、互いにリモート通信することができる。リモート通信とは、例えば、任意のワイドエリアネットワーク(インターネットなど)のことを指す。ローカル通信とは、リモート通信を使用せずにローカルエリアネットワーク技術を使用した通信のことを指す。例えば、ローカル通信には、ローカルエリアの有線接続(同軸、ツイストペア、光ファイバーなど)とローカルエリアのワイヤレス通信方法(Bluetooth、Wi-FI、Zigbeeなど)が含まれる。
【0036】
実施形態では、ALPクラウド310およびCMSクラウド340はそれぞれ、クラウドサーバとして実装されたクラウドコンピューティングシステムであってもよい。実施形態では、ALPクラウド310およびCMSクラウド340は、リモートシステム130の単一のクラウドとして一緒に統合されてもよく、また、それぞれの機能が、リモートシステム130に含まれる任意の数の別個のクラウドコンピューティングシステム間で分割されてもよい。或いは、実施形態では、ALPクラウド310およびCMSクラウドが、例えば、専用サーバによって、クラウドコンピューティングシステムの外部に実装されてもよい。
【0037】
図2を参照すると、リモートシステム130のコンポーネント(例えば、ALPクラウド310および/またはCMSクラウド340)は、実施形態において以下の任意の数の機能例を実行するように構成されてもよい。(1)天気とイベントに関するデータを外部ソースから受信する。(2)店舗数、群衆数、およびデモグラフィックデータに関するデータをALPシステム210から受信する。(3)販売時点(POS)および顧客関係管理(CRM)、在庫、および製品カタログに関するデータを小売業者またはALPシステム210から受信する。(4)メディアコンテンツがディスプレイ280の少なくとも1つによって再生されていることの証拠に関するデータをALPシステム210またはCMS 240から受信する。(5)メディアコンテンツがリモートシステム130からCMS 240に送信されたことの証拠に関するデータを受信する。(6)外部ソース、ALPシステム210、および小売ソースから受信したデータに基づいて、またはユーザ端末140からの入力に基づいて、ルールセットまたは人工知能(AI)モデルを作成および更新する。(7)ルールセットまたはAIモデルをALPシステム210に送信する。(8)ALPシステム210、外部ソース、および小売ソースから受信したデータを、ALPクラウド310に保存された同一のまたは異なるルールセットまたはAIモデルに適用することによって新しいメディアコンテンツを自動的に作成する、または、ユーザ端末140上の入力を介して、リモートシステム130のメモリに保存されている画像、ビデオ、および/またはテキストを含む新しいメディアコンテンツを手動で作成する。(9)ユーザ端末140上の入力に基づいて、リモートシステム130のメモリで利用可能な画像、ビデオ、および/またはテキストを更新する。(10)新しいメディアコンテンツをCMS 240に送信する。(11)CMS装置に新しいメディアコンテンツを再生させる。(12)CMSプレイリストデータをローカルシステム120に送信する。(13)新しいメディアコンテンツを含む複数のメディアコンテンツをALPシステム210またはCMS 240に送信する。(14)CMS 240、ALPシステム210、および外部ソースから受信したデータに基づいて、レポートを作成し、ユーザ端末140に出力する。(15)ディスプレイ280の少なくとも1つで、少なくとも指定された期間、トリガーされたメディアコンテンツを視聴した人々のデモグラフィック情報をユーザ端末140上に報告する。(16)人々がディスプレイ280の少なくとも1つで、トリガーされたメディアコンテンツを見るのに費やした時間をユーザ端末140上に報告する。(17)ディスプレイ280の少なくとも1つで、少なくとも指定された期間、トリガーされたメディアコンテンツを人々が何回視聴したかをユーザ端末上に報告する。(18)ALPシステム120に接続されたセンサーによってカバーされる特定の領域で人々が過ごした時間を報告する。
【0038】
一実施形態では、ALPクラウド310は、ルールまたはAIモデルを作成し、更に、ユーザの手動の指示および/または人工知能(AI)の支援に従ってメディアコンテンツを作成する。ALPクラウド310は、作成されたルール(またはAIモデル)をALPシステム210に送信して、ALPシステム210がルールエンジンで該ルール(またはAIモデル)を使用することによってメディアコンテンツの再生をトリガーできるようにすることができる。ルール(またはAIモデル)には、特定のメディアコンテンツが再生されるための要件(年齢層、性別、天気など)を定義することができる。「ルール」という用語は、システムが与えられた入力に基づいて決定を下せるようにする一連の原則であってもよい。実行される入力とアクションは、ルール(またはAIモデル)が保存されているシステムに依存してもよい。
【0039】
一実施形態では、ALPクラウド310は、ルール(またはAIモデル)を更新し、および/または新しいルール(またはAIモデル)を作成し、更新したルール(またはAIモデル)および/または新しいルール(またはAIモデル)をALPシステム210に送信して、ALPシステム210に保存されたルールセット(又はAIモデル)を更新することができる。一実施形態では、ALPクラウド310は、ALPクラウド310によって受信されたデータに基づいてルール(またはAIモデル)を作成することができる。そのようなデータは、ALPシステム210などのローカルシステム120から受信されたデータと、ローカルシステム120の外部から受信されたデータとを含んでもよい。一実施形態では、ALPシステム310に送信されたルール(またはAIモデル)は、ALPクラウド310によって実行される機械学習技術を使用して作成または更新することができる。
【0040】
一実施形態では、ALPクラウド310は、例えば、ALPクラウド310に保存されたルールセットまたはAIモデルを使用して、新しいメディアコンテンツを作成することができる。ALPクラウド310は、作成されたメディアコンテンツをCMSクラウド340を介してCMS 240に送信して、CMS 240に保存することができる。或いは、ALPクラウド310は、作成されたメディアコンテンツをCMS 240に直接送信して、CMS 240に保存することができる。
【0041】
以下、図3を参照して、ALPクラウド310をさらに詳細に説明する。ALPクラウド310は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにALPクラウド310の機能を実行させるように構成されたコンピュータプログラミングコードを含むメモリと、を含んでもよい。
【0042】
図3は、ALPクラウド310のメモリと共にALPクラウド310の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なALPクラウド310の機能例を示す図である。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに該機能を実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを含んでもよい。図3に示されるように、ALPクラウド310は、データ取込層312のモジュールと、マーケティングエンジン(ME)モジュール315と、データストア320と、顧客分析モジュール(CAM)325と、を提供することができる。MEモジュール315は、コンテンツスティッチング316、コンテンツマッチング317、CMS/CRMインターフェース318、および請求319の機能を含むことができる。データストアは、ルールエンジンまたはAIモデル322を含み、デジタル資産管理(DAM)ストレージ324を含むメモリであってもよい。CAM 325は、CAM AIモジュール327と、CAM BIモジュール329と、を含むことができる。
【0043】
データ取込層312は、異なるデータソース(例えば、ローカルシステム120および外部ソース)からデータ395を受信すると共に、データ395をクレンジングすることができる。
【0044】
CAM 325は、リモートシステム130の分析コンポーネントとして機能することができる。CAM 325は、店内報告とビッグデータアプリケーションの両方を包含することができる。ビッグデータは、大規模(構造化および非構造化の両方)で複雑なデータセットを表し、価値のある情報を保存、管理、分析、および視覚化するための高度なテクノロジーを必要とする。一実施形態では、CAM 325は以下のように機能することができる。(1)小売業者が店舗のパフォーマンスを測定および監視し、消費者の行動を把握し、有益なアクションを実行することを可能にする。(2)分析処理を実行して、デジタル装置(例えば、ディスプレイ280)へのメディアコンテンツ配信を最適化し、影響を測定する。(3)MEモジュール315に分析サポートを提供する。一実施形態では、CAM 325は、小売業者および第三者のデータ(構造化データと非構造化データの両方)をインポート、管理、および保存することができる。様々なレポート、分析モデル、およびAIがデータを処理および分析して、意思決定とアクションを行うことを可能にする情報と知識を生成し、小売業者が顧客のニーズを把握し、顧客の欲求と需要を予測し、関連するメッセージを配信し、影響を測定および監視し、その他、顧客のリソースの使用を最適化するのに役立つ能力を強化することができる。
【0045】
一実施形態では、CAM 325は、ルールエンジンまたはAIモデル322を使用して分析を実行し、データマイニングおよびレポートの機能を実行することができる。一実施形態では、CAM 325は、ルールエンジンまたはAIモデル322を使用することにより、小売業者が顧客のニーズを把握し、顧客の欲求と要求を予測し、そして顧客のリソースの使用を最適化することを可能にする情報、知識、決定、そしてアクションにデータを変換するというサイクルによって価値のある情報を提供することができる。従って、CAM 325は、データから洞察を管理および取得するという困難なタスクを達成することができ、それにより、主要な競争上の優位性を確保することができる。
【0046】
一実施形態では、CAM AI 327は、データ取込層312によって取り込まれたデータ395をルールエンジンまたはAIモデル322に適用することにより、メディアコンテンツの作成および/またはALPシステム210によって使用されるAIモデルまたはルールの作成および更新のために、リアルタイムデータに対してデータ分析を実行することができる。CAM AI 327は、リアルタイムデータ(ホットパス)を受信するためにデータ取込層312とインターフェースすることができる。また、CAM 325は、MEモジュール315とのインターフェースを有してもよい。CAM AI 327は、データ取込層312からの情報をルールエンジンまたはAIモデル322に適用することによってメディアコンテンツタグを生成し、更なる処理のためにこれらのタグをMEモジュール315に提供することができる。例えば、タグをMEモジュール315に適用して、表示用の関連メディアコンテンツを作成および選択することによってメディアコンテンツの最適化を実行することができる。一実施形態では、CAM AI 327は、店内の顧客体験を強化し、顧客当たりより多くのドル売り上げにつながるプロモーション効果を提供するために、ターゲットを絞ったメディアコンテンツの作成のための推奨としてタグを作成することができる。一実施形態では、CAM 325の機能は、リモートシステム130によってユーザ端末140に表示されるGUIs 380のCAM GUI 384を介して視覚化および制御することができる。
【0047】
CAM BI 329は、様々なタイプのレポートを生成することができる。これらの各レポートは、例えば、店舗の小売業者やマーケターなどの個人に洞察を提供するために使用することができる。レポートは、リモートシステム130によってユーザ端末140に表示されるGUIs 380の小売業者ダッシュボード382および/またはCAM GUI 384を用いて実施することができる。レポートは、例えば、店舗トラフィック、顧客の待ち時間、店舗の変換率、店舗の生産性率、およびそれらの変動に関するレポートを含んでもよい。追加的または代替的に、レポートは、例えば、店内の顧客、ゾーントラフィック、在庫および運用の強化、インプレッション数、見る機会(OTS)数、メディアコンテンツの視聴率、メディアコンテンツの効果率、メディアコンテンツの変換率、センサーがカバーするある領域で人々が費やした時間、および無線周波数識別(RFID)と表示メッセージの間の関係に関する情報、についての顧客インサイト(例えば、視聴分析情報)に関するレポートを含んでもよい。
【0048】
店舗転換とは、例えば、特定の店舗に存在する個人(例えば、顧客)の数を指す。店舗の生産性とは、例えば、収益を特定の店舗に存在する個人の数で割ったものを指す。デモグラフィック情報に関するレポートには、トリガーされたメディアコンテンツを少なくとも所定の時間枠に視聴した人のデモグラフィック情報を含むことができる。インプレッション数は、人がトリガーされたメディアコンテンツを少なくとも所定の期間視聴した回数であってもよい。OTS数は、ディスプレイ280上でメディアコンテンツを見る機会があったと判断された人の数であってもよい。例えば、ディスプレイ280の前にいる人で、ディスプレイ280上のメディアコンテンツを見た人と見なかった人の数である。
【0049】
運用の強化とは、例えば、動きの遅い在庫を検出し、その耐用年数の終わりに近づいている在庫を検出することを指す。一実施形態では、ルールエンジンまたはAIモデル322は、データ取込層312およびALPクラウド310によって取り込まれたデータ395に基づいて運用の強化を決定し、出力するように、CAM AI 327またはCAM BI 329によって使用されてもよく、CAM BI 329は、運用の強化をGUIs 380の1つで報告させることができる。例えば、ALPクラウド310は、運用の強化として、指定された在庫またはプロモーションを推奨することができる。従って、本開示のいくつかの実施形態は、マージンを最大化するために、小売業者が賞味期限が短く(ミルクのような)かつ売れ行きの悪い製品を積極的に監視および促進する際に直面する問題を解決することができる。また、本開示のいくつかの実施形態は、オンデマンド在庫が適切に管理されないことを回避してピーク販売期間中の在庫不足を回避し、不十分な在庫予測を回避して顧客満足度の低下による製品の販売減少を回避することができる。一実施形態では、CAM AI 327またはCAM BI 329は、任意の定期的または他の任意の基準でルールエンジンまたはAIモデル322を実行して、運用の強化および他の分析を提供することができる。例えば、ルールエンジンまたはAIモデル322は、毎晩または毎週実行されてもよい。
【0050】
MEモジュール315は、資産および静的メッセージをDAMストレージ324に保存することができる。資産は、オーディオ、ビデオ、静止画、ロゴグラフィックス、アニメーションなどや、同様の要素を含んでもよい。一実施形態では、資産は、完成した広告スポットとして使用されるメディアコンテンツを作成するためのコンポーネントとして使用することができる。MEモジュール315は、例えば、ALPクラウド310によって取り込まれたデータからの分析的洞察と指示に基づいて、DAMストレージ325に保存された資産および静的メッセージを用いて自動生成することによって、新しいメディアコンテンツを作成することができる。例えば、MEモジュール315は、推奨として使用されている、ルールセットまたはCAM AI 327のAIモデル322によって出力されたメディアコンテンツタグに基づいて、新しいメディアコンテンツを自動生成することができる。一実施形態では、メディアコンテンツタグを受信した後、MEモジュール315は、コンテンツマッチング317の機能を使用することによって、メディアコンテンツタグによって通知された推奨事項と一致したメディアコンテンツがALPクラウド310、CMSシステム240、および/またはCMSクラウド340に既に存在するかどうかを決定することができ、一致するメディアコンテンツがない場合には、推奨事項に従って新しいメディアコンテンツを作成することができる。
【0051】
メディアコンテンツの作成は、コンテンツスティッチング316およびコンテンツマッチング317の機能を使用して実行することができる。コンテンツスティッチング316は、異なる資産および/または静的メッセージを単一の新しいメディアコンテンツに結合することを含んでもよい。コンテンツマッチング317は、作成される新しいメディアコンテンツおよび/またはディスプレイ280によって再生されるメディアコンテンツを決定するために、分析入力とCAM 325によって発行されるガイダンスとをマッチングすることを含んでもよい。MEモジュール315の機能(例えば、メディアコンテンツの作成)は、リモートシステム130によってユーザ端末140に表示されるGUIs 380のME GUI 386を介して視覚化および制御することができる。例えば、ユーザは、ME GUI 386を介して、MEモジュール315を用いてメディアコンテンツを手動で作成および管理することができる。
【0052】
MEモジュール315は、新しいメディアコンテンツをCMS 240に配信することができる。或いは、一致するメディアコンテンツが存在し、一致するメディアコンテンツをCMS 240が未だに有していない場合、MEモジュール315は、新しいメディアコンテンツを作成せずに、一致するメディアコンテンツをCMS 240に送信することができる。
【0053】
図2および図4を参照すると、ローカルシステム120の構成要素(例えば、ALPシステム210および/またはCMS 240)は、実施形態において以下の任意の数の機能例を実行するように構成することができる。(1)センサーおよびPOS装置を含むことができる装置290からデータを受信する。(2)装置290からALPクラウド310にデータを送信する。(3)ALPクラウド310からルールセットまたはAIモデルを受信して■■保存する。(4)ALPクラウド310を介して外部ソースからデータ295を受信する。(5)ALPクラウド310またはCMSクラウド340からCMSプレイリストデータを受信する。(6)センサーからのデータ、POS装置からのデータ、外部ソースからのデータ295、およびCMSプレイリストデータを、受信および保存されたルールセットまたはAIモデルに適用する。(7)受信および保存されたルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、複数のメディアコンテンツからメディアコンテンツを選択し、複数のディスプレイ280からディスプレイを選択する。(8)選択されたディスプレイ280のディスプレイ上で選択されたメディアコンテンツを再生するためのトリガーを出力する。
【0054】
例えば、一実施形態では、ALPシステム210は、データを取得し、取得したデータをルール398またはALPシステム210に保存されたAIモデルに適用することに基づいて、CMS 240に保存されたどのメディアコンテンツを複数のディスプレイ280の1つ以上で再生するかを決定する。
【0055】
図2および図4を参照すると、ALPシステム210は、ALPアプライアンス220およびメモリ232を含むことができる。ALPアプライアンス220は、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含むことができる。一実施形態では、ALPアプライアンス220は、ルール398またはAIモデルをALPクラウド310からダウンロードし、更に、装置290からデータを受信してメモリ232に保存することができる。
【0056】
装置290は、例えば、ビデオデータ(例えば、カメラ画像)をALPシステム210または検出モジュール250に送信する1つ以上のカメラ260を含むことができる。また、装置290は、例えば、モバイルセンサー、RFID、センサーデータをALPシステム210に提供するビーコンを含んでもよく、ALPシステム210は該センサーデータをALPクラウド310に送信する、および/または保存されたルール398またはAIモデルに適用することができる。また、そのようなセンサーデータは、検出モジュール250によって受信および使用されて、その検出機能を実行することができる。モバイルセンサーは、例えば、検出領域内のモバイル装置のMACアドレスを検出して、装置の数をトラフィック数としてカウントする装置であってもよい。ビーコンは、例えば、近くにある他のBLE装置で識別できる信号をブロードキャストするBluetooth Low Energy(BLE)装置であってもよい。ビーコンは、個別に配備することも、ネットワークとして配備することもできます。また、装置290は、ALPシステム210にPOSデータを提供するPOS装置を含むことができ、ALPシステム210は該POSデータをALPクラウド310に送信する、および/または保存されたルール398またはAIモデルに適用することができる。
【0057】
図4に示されるように、装置290の複数のカメラ260の1つ以上は、近くに配置されるか、又は、複数のディスプレイ280の1つ以上と統合されて、複数のディスプレイ280の1つ以上を見ている個人270の画像をキャプチャすることができる。カメラ260のいくつかは、例えば、ディスプレイ280の視聴位置以外の位置で、ディスプレイ280から離れて配置されてもよい。装置290のセンサー(例えば、カメラ260)によって検出される領域のそれぞれは、1つのみまたは複数のゾーン115を有する場所110のそれぞれの特定ゾーン115の一部であってもよい。一実施形態では、複数のセンサーの1つ以上は、場所110の単一のゾーン115に向けられてもよい。実施形態では、ゾーン115のいくつかは、個人270がディスプレイ280を見ることができる可視ゾーンであってもよく、ゾーン115のいくつかは、個人270が再生されているメディアコンテンツを聞くことができる可聴ゾーンであってもよい。実施形態では、1つまたは複数のディスプレイ280は、ゾーン115の内側または外側にあってもよい。実施形態によれば、各ローカルシステム120は、それぞれの場所110の複数のゾーン115において検出を実行することができ、任意の数のゾーン115が、ローカルシステム120のディスプレイ280の視聴位置であってもよい。
【0058】
ALPシステム210、またはそれと通信する装置は、ビデオデータを処理して、ビデオデータに含まれる1人または複数の個人270のデモグラフィックデータ(例えば、年齢層、性別など)を取得することができる。例えば、検出モジュール250は、ビデオデータを処理してデモグラフィックデータを取得することができる。また、検出モジュール250は、ビデオデータを処理して、例えば、店舗交通の群集数および滞留時間、個人270の顔の向きまたは視線を取得することができる。一実施形態では、検出モジュールは、少なくとも日付を含む分析データを生成することができる。検出モジュール250は、図4に示されるように、ALPシステム210の外部にメモリを備えた少なくとも1つのプロセッサによって、または、図5に示されるように、ALPシステム210によって実現することができる。検出モジュール250は、顔検出または認識ソフトウェアを含んでもよい。顧客の匿名性を維持するために、検出モジュール250は、認識機能なしで検出機能を実行して、匿名のビデオ分析を取得することができる。デモグラフィックデータとは、ターゲットになるオーディエンスが誰であるかを定義する特性を指す。例えば、年齢、性別、民族、文化的背景、宗教的または政治的所属、経済的地位、家族の背景、グループメンバーシップなどの特性が、取得されたデモグラフィックデータとなり得る。滞留時間とは、ディスプレイ280の前に個人がどれくらいの時間存在しているかの測定値を指す。
【0059】
ALPシステム210は、デモグラフィックデータを保存されたルール398またはAIモデルに適用して、CMS 240に保存されたどのコンテンツを複数のディスプレイ280の1つ以上で再生するかを決定することができる。いくつかの実施形態では、ALPシステム210は、また、ALPクラウド310からデータ295をダウンロードし、それを保存されたルール398または保存されたAIモデルに適用することができる。ダウンロードされたデータ295は、例えば、イベントデータ、気象データ、およびPOSデータを含んでもよい。イベントデータは、例えば、過去および/または将来のローカルイベント、スポーツゲーム(例えば、ゲームの結果)などに関するデータであってもよい。
【0060】
どのコンテンツを再生するかの決定に達した後、ALPシステム210は、信号をCMS240に送信して、ディスプレイ280の1つ以上でコンテンツを再生することができる。この信号は、例えば、メディアコンテンツの1つ以上の特定のメディアコンテンツを再生させる命令であってもよい。
【0061】
また、いくつかの実施形態では、ALPシステム210は、分析、報告、ルールセットまたはAIモデルの更新、およびALPクラウド310による他の用途のためにデータをALPクラウド310にアップロードすることができる。アップロードされたデータは、検出モジュール250によって取得された情報の全部または一部、ALPアプライアンス220によって取得された他の情報の全部または一部を含んでもよい。
【0062】
図5は、ALPシステム210のメモリ(例えば、メモリ232)と共にALPアプライアンス220の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なALPアプライアンス220の機能例を示す。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに該機能を実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを含むことができる。図5に示されるように、ALPアプライアンス220は、検出モジュール250、エッジ通信モジュール221、ルールエンジン/AIモデル222、ルール同期223、データソースプラグイン224、CMSインターフェース225、エッジ装置管理サービス226、エッジ装置プラグイン227、リモートプロビジョニング228、ZMQとRedis 229、およびモノのインターネット(IoT)エッジクライアント230のモジュールを提供することができる。
【0063】
図5に示されるように、検出モジュール250は、図4に示されるような別個の構成要素としてではなく、ALPアプライアンス220と共に実装することができる。
【0064】
エッジ通信モジュール221は、ALPクラウド310およびCMSクラウド340を含むリモートシステム130と通信するためのモジュールであってもよい。例えば、ALPアプライアンス220は、エッジ通信モジュール221を使用して、新規または更新後のルール、または、新規または更新後のAIモデルを検索することができる。また、ALPアプライアンスは、エッジ通信モジュール221を使用してALPクラウド310にデータをアップロードすることができる。
【0065】
ALPアプライアンス220は、再生するコンテンツを決定するために使用されるルールエンジン/AIモデル222を用いて新しいルール/AIモデルを実装することができ、エッジ通信モジュール221によって受信された新規または更新後のルール/AIモデルをルールエンジン/AIモデル222と同期することによって、ルールエンジン/AIモデル222を更新することができる。一実施形態では、ルールエンジン/AIモデル222は、例えば、限定されたデモグラフィックデータのセットと、限定された外部データのセットとを含む限定されたデータセットを用いて実行することができる。当然のことならが、リモートシステム130のALPクラウド310は、複数のローカルシステム120からデータを受信し、また、該システムの外部から外部データを受信することができる。従って、ALPクラウド310およびそのルールエンジンまたはAIモデル322のいくつかの実施形態とは異なり、ALPアプライアンス220は、いくつかの実施形態では、ビッグデータ分析ソリューションとして機能しなくてもよい。
【0066】
データソースプラグイン224およびエッジ装置プラグイン227は、例えば、センサー、ビーコン、およびRFIDを含む装置290からデータを検索するためのプラグインであってもよい。CMSインターフェース225は、ALPアプライアンス220とCMS 240とをインターフェースすることができる。
【0067】
ALPアプライアンス220は、装置の管理機能を達成するために、エッジ装置管理サービス226、エッジ装置プラグイン227、およびリモートプロビジョニング228を含むことができる。例えば、エッジ装置管理サービス226は、例えば、データソースプラグイン224およびルールエンジン/AIモデル222を含むALPアプライアンス220の他の機能を更新するために使用することができる。また、リモートプロビジョニング228は、ALPアプライアンス220のトラブルシューティングおよび管理のために、ALPアプライアンス220へリモートログインするために使用することができる。
【0068】
ZMQおよびRedisキャッシュは、ALPアプライアンス220が更なる処理のために異なるソース(例えば、ALPクラウド310、装置290、および検出モジュール250)からデータを取り込んで保存するのに使用することができる。
【0069】
IoTエッジクライアント230は、マシンツーマシン(M2M)クライアントとして、および検出モジュールデータおよび装置290からALPクラウド310へのデータを含むデータを送信するためのパイプラインとして機能することができる。
【0070】
図2を参照すると、CMS 240は、ALPクラウド310および/またはCMSクラウド340からメディアコンテンツをダウンロードし、メディアコンテンツをCMS 240のメモリに保存し、CMS 240からの信号に基づいて、複数のメディアコンテンツの少なくとも1つのメディアコンテンツを複数のディスプレイ280の少なくとも1つのディスプレイで再生させるシステムであってもよい。CMS 240は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにCMS 240の機能を実行させるように構成されたコンピュータプログラミングコードを含むメモリと、を含むことができる。
【0071】
一実施形態では、CMS 240は、CMS 240がALPクラウド310および/またはCMSクラウド340からコンテンツを受信したことを示す配信証明(PoD)通知をALPクラウド310に送信することができる。CMS 240は、PoD通知をALPクラウド310に直接送信するか、または、CMSクラウド340を介してALPクラウド310に送信することができる。一実施形態では、CMS 240がPoD通知をALPシステム210に送信し、ALPシステム210がPoD通知をALPクラウド310に送信することができる。一実施形態では、CMS 240は、CMS 240のメモリに保存されたメディアコンテンツのリストを示す情報をALPシステム210に送信することができる。CMS 240がそのような情報をALPシステム210に送信する頻度またはタイミングは、CMS 240に設定することができ、そのような情報の送信は、CMS 240の在庫チェックとして使用することができる。一実施形態では、CMS 240は、その情報を1日1回送信することができる。一実施形態では、CMS240は、ALPシステム210、ALPクラウド310、およびCMSクラウド340のうちの1つまたは複数に対して、メディアコンテンツが複数のディスプレイ280のうちの少なくとも1つで再生されたことを示す再生証明(PoP)通知を送信することができる。例えば、PoPは、メディアコンテンツ(例えば、広告)が複数のディスプレイ280の1つ以上で実際に再生されたことを示すためにログが使用される報告メカニズムであってもよい。一実施形態では、PoP通知には、少なくともメディアコンテンツの再生日時、および再生されたメディアコンテンツのIDを含めることができる。
【0072】
図6は、少なくとも1つのCMSプレーヤー242とコンテンツデータベース246とを含むCMS 240の実施形態の一例を示す。CMSプレーヤー242は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにCMS 240の機能を実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを含むメモリと、を含むことができる。コンテンツデータベース246は、CMSプレーヤー242が複数のディスプレイ280の1つ以上で再生させることができるメディアコンテンツを含むメモリであってもよい。
【0073】
以下、本開示のAIモデルおよびルールの使用および生成の詳細を説明する。
【0074】
本開示のAIモデルは、分析プロセスによって決定されるように、様々なデータポイント間の関係の理解の上に構築することができる。本開示のAIモデルは、機械学習プロセスを使用して構築および更新することができる。例えば、一実施形態では、ALPクラウド310は、機械学習プロセスを実行して、ALPクラウド310によって使用されるAIモデルと、ALPシステム210によって使用されるAIモデルまたはルールセットとを構築および更新するように構成されてもよい。機械学習プロセスは、AIモデルに入力されたデータの種類に基づいて、監視付きまたは監視なしの学習手法を使用することができる。
【0075】
図7に示されるように、機械学習プロセスのフローは、計画セグメント910、探索セグメント920、構築セグメント930、および評価セグメント940を含むことができる。計画セグメント910は、入力データの識別および問題解決アプローチのフレーミングを遂行することができる。例えば、計画セグメント910は、データ収集ステップ912と、データクリーニングステップ914とを含むことができる。探索セグメント920は、データ構造の評価と仮説の作成、データのサンプリング、サンプルの統計的特性のチェック、および仮説の統計的テストの実行を遂行することができる。例えば、探索セグメント920は、初期データ分析ステップ922と、詳細データ探索ステップ924と、を含むことができる。構築セグメント930は、各アルゴリズムの技術と、それが特定のデータセットに対してどのように機能するかを理解し、モデルが初期データ分析ステップ922の結果を満たすことを保証することができる。例えば、構築セグメント930は、モデル構築ステップ932と、データ製品構築ステップ934と、を含むことができる。評価セグメント940は、例えば、モデルの実行能力と調整能力を評価することにより、作成されたモデルを検証するための方法を適用することができる。例えば、評価セグメント940は、モデル評価ステップ942と、モデル調整ステップ944と、を含むことができる。モデル評価ステップ942の初期段階において、AIモデルは、例えば、印象、滞留時間、変換率、および生産性に関してリフトを最大化することを目標としてもよい。モデル評価ステップ942の更なる段階において、AIモデルは、例えば、印象品質、見る機会(OTS)、SNSレビュー、およびエンゲージメントレベルを含む他の側面のリフトを最大化することを目標としてもよい。
【0076】
図9に示されるように、プロセスは、初期データ分析ステップ922からデータ収集ステップ912にループバックすることができ、プロセスは、モデル構築ステップ932から初期データ分析ステップ922にループバックすることができ、プロセスは、モデル評価ステップ942からモデル構築ステップにループバックすることができ、プロセスは、モデル評価ステップ942からデータ収集ステップ912にループバックすることができる。
【0077】
本開示のAIモデルおよびルールセットは、様々な入力を受け入れ、情報を出力するように構成することができる。例えば、本開示のAIモデルおよびルールセットは、デモグラフィック情報、店舗交通情報、群集数情報、待ち時間、気象情報、販売時点(POS)情報、カタログ情報、在庫情報、CRM情報、イベント情報、表示場所情報、店舗情報、小売業者のデジタルデータ、再生または配信の証明情報、メディアコンテンツタグ、センサーデータ、プロモーションデータなどの入力を受け入れることができる。
【0078】
デモグラフィックデータとは、ターゲットになるオーディエンスが誰であるかを定義する個人270の特徴を指す。例えば、年齢、性別、民族、文化的背景、宗教的または政治的所属、経済的地位、家族の背景、グループのメンバーシップなどの特性が、取得されるデモグラフィックデータとなり得る。実施形態では、検出モジュール250は、デモグラフィックデータを取得することができる。デモグラフィックデータをルールまたはAIモデルに適用して、場所110を訪れる人々のデモグラフィックに基づいて分析レポートを生成し、デモグラフィックおよび他の関連する詳細に基づいてターゲットになるメディアコンテンツを生成またはトリガーすることができる。
【0079】
店舗交通情報は、例えば、場所110の入口に配置されたカメラ260から得られる、場所110に入る人の数に関する情報であってもよい。群集数情報は、例えば、場所110の指定されたゾーン115内(例えば、ディスプレイ280の前)にいる人の数であってもよい。店舗交通情報および群集数情報をルールまたはAIモデルに適用して、場所110を訪れる人々のデモグラフィックに基づいて分析レポートを生成し、デモグラフィックおよび他の関連する詳細に基づいてターゲットになるメディアコンテンツを生成またはトリガーすることができる。
【0080】
待ち時間は、例えば、個人270が場所110の任意のゾーン115で列を成して待っていた時間に関するデータであってもよい。待機時間データは、ルールまたはAIモデルに適用されて、場所110を訪れる人々のデモグラフィックに基づく分析レポートを生成し、デモグラフィックおよび他の関連する詳細に基づいてターゲットになるメディアコンテンツを生成またはトリガーし、顧客の待ち時間が閾値を超えたことに基づいて顧客のニーズをチェックするようスタッフへのアラートを生成し、長い待ち時間に基づいて、オファーと割引を用いてターゲットとなるメディアコンテンツを作成および表示することができる。
【0081】
気象情報は、例えば、郵便番号に基づく気象データを含んでもよい。気象情報は、予測分析や、気象データと他のデータの分析に基づく動的なメディアコンテンツの作成またはトリガーのために、ルールまたはAIモデルに適用することができる。
【0082】
POS情報は、例えば、POSマシン上で発生するトランザクションのための小売業者のデータを含んでもよい。POS情報は、例えば、取引データ、購入場所、購入されたアイテムおよび対応する数量、顧客の購入習慣、小売店の販売情報、店舗の転換率に基づく顧客の購入履歴を含んでもよい。POS情報をルールまたはAIモデルに適用して、場所110を訪れる人のデモグラフィックに基づいて分析レポートを生成し、デモグラフィックおよび他の関連する詳細に基づいてターゲットを絞ったメディアコンテンツを生成またはトリガーすることができる。
【0083】
カタログ情報は、例えば、製品の詳細とそれらの価格設定情報を含む小売業者の製品カタログデータを含んでもよい。特別なイベントまたは特定の時期のデータであるキャンペーンデータを、製品カタログデータとともに提供してもよい。在庫情報は、例えば、小売業者の場所110の在庫データとサプライチェーンデータを含んでもよい。カタログ情報をルールまたはAIモデルに適用して、カタログ情報内の製品提供に基づいてメディアコンテンツを作成またはトリガーすることができる。ここで、分析および製品カタログに基づいて、提供、割引、アップセル、およびクロスセルのメッセージをカタログ情報に含めることができる。キャンペーン情報をルールまたはAIモデルに適用して、小売業者が行うキャンペーンに基づいてメディアコンテンツを作成またはトリガーすることができる。
【0084】
CRM情報は、例えば、顧客の場所および忠誠情報などの顧客関連データを含んでもよい。このような情報は、例えば、小売業者のCRMまたはロイヤルティプログラムのデータから取得することができる。CRM情報は、ルールまたはAIモデルに適用されて、年齢や性別などの顧客のデモグラフィック、特定の地域に住む人々の購入習慣に関する情報を提供する顧客の場所情報(zipコードなど)、および、例えば、ロイヤルティプログラム基づく顧客の購入履歴と好みに基づいて、分析を行うことができる。
【0085】
イベント情報は、例えば、過去および/または将来のローカルイベント、スポーツゲーム(例えば、ゲームの結果)などに関するデータであってもよい。イベント情報は、ルールまたはAIモデルに適用されて、過去のイベントに基づいて予測分析を実行し、売上、天気、場所などに一致するイベントデータに基づいてレポートを作成し、イベントに基づいてメディアコンテンツを作成およびトリガーすることができる。
【0086】
表示位置情報は、例えば、店舗内のディスプレイ280の特定の位置に関する情報であってもよい。表示位置情報をルールまたはAIモデルに適用して、場所110を訪れる人のデモグラフィックに基づいて分析レポートを生成し、デモグラフィックおよび他の関連する詳細に基づいてターゲットを絞ったメディアコンテンツを生成またはトリガーすることができる。
【0087】
店舗情報は、例えば、小売業者の場所110(例えば、店舗)に関する情報であってもよい。例えば、店舗情報には、(1)店舗の場所、およびその地域の人々の購買習慣、(2)店舗周辺の気象条件、(3)店舗周辺で発生するイベント、および(4)他の競合店からの距離、に関するデータを含むことができる。店舗情報をルールまたはAIモデルに適用して、ストアデータ、および対応する売上、天気、イベント、店舗の交通量、およびその他のデータに基づいて分析を実行することができる。また、データに基づいてメディアコンテンツを作成およびトリガーすることができる。
【0088】
小売業者のデジタルデータは、例えば、特定の顧客に関する場所110によって保存されたデータであってもよい。例えば、そのデータには、データが提供される特定の顧客ごとに特定のテーマ、画像、ビデオなどを含むことができる。小売業者のデジタルデータをルールまたはAIモデルに適用して、特定のテーマ、画像、ビデオなどを利用してメッセージを作成およびトリガーすることができる。
【0089】
センサーデータには、例えば、RFIDおよびビーコンデータを含むことができる。RFIDデータには、RFIDタグでタグ付けされた店舗内の製品の追跡に関連する情報を含めることができる。ビーコンデータには、店舗内で操作している顧客の位置に関連する情報を含めることができる。プロモーションデータには、例えば、場所110内の製品に適用されるプロモーションに関する情報を含めることができる。センサーデータをルールまたはAIモデルに適用して、場所110を訪れる人のデモグラフィックに基づいて分析レポートを生成し、デモグラフィックおよびその他の関連する詳細に基づいてターゲットを絞ったメディアコンテンツを生成およびトリガーすることができる。また、ビーコンデータをルールまたはAIモデルに適用して、顧客の店舗内の位置と、他の入力ソース(CRM、検出モジュール250、RFID、ディスプレイ280の位置など)から得られる顧客関連データとの関係を構築することができる。
【0090】
本開示のAIモデルおよびルールセットは、表示するメディアコンテンツを選択するため、またはメディアコンテンツタグを含むメディアコンテンツを作成するために使用される任意のタイプの情報を出力することができる。一実施形態では、メディアコンテンツタグは、メディアコンテンツ作成の推奨およびメッセージ作成の推奨であってもよい。
【0091】
メディアコンテンツタグには、例えば、単純なキーワードの形で資産と関連付けられた情報であるメタタグを含むことができる。メタタグは、メタデータのサブセットであってもよく、資産の主題を示す目的で使用されてもよい。本開示の一実施形態では、メディアコンテンツタグには、確率係数、メディアコンテンツのメタタグ、製品在庫管理単位(SKU)情報、製品のメタタグ、年齢情報、性別情報、天気情報、およびイベントID情報を含めることができる。メディアコンテンツのメタタグは、メディアコンテンツを識別する一意のIDであってもよい。製品のメタタグは、例えば、製品の部門、分類、およびカテゴリを含む製品を識別する一意のタプルであってもよい。年齢情報は、メディアコンテンツが対象とする顧客の年齢であってもよい。性別情報は、メディアコンテンツが対象とする顧客の性別であってもよい。気象情報は、メディアコンテンツが対象とする気象情報であってもよい。イベント情報は、メディアコンテンツが対象とする情報であってもよい。生成されたメディアコンテンツタグは、最適化されたメディアコンテンツを生成し、メディアコンテンツの再生をトリガーするためにALPクラウド310によって使用されてもよく、メディアコンテンツの再生をトリガーするためにALPシステム210によって使用されてもよい。
【0092】
メディアコンテンツ作成のためのメディアコンテンツタグの一例を以下に示す。
{
<Hit Probability> 90%
<Product SKU>
<Asset Meta-tag> {Fashion, Coat, North Face}
<age> 25-35
<gender> Female
<DS ID> DS101
},
{
<Hit Probability> 50%
<Product SKU>
< Asset Meta-tag> {Fashion, Shoes, Adidas}
<age> 25-35
<gender> Female
<DS ID> DS101
}
【0093】
異なる入力データを使用して生成された、メディアコンテンツ作成のためのメディアコンテンツタグの別の例を以下に示す。
{
<Hit Probability> 70%
<Product SKU>
<Asset Meta-tag> {Toys & Games, Video Games, PS4}
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
},
{
<Hit Probability> 50%
<Product SKU>
<Asset Meta-tag> {Fashion, Polo, USPA}
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
},
{
<Hit Probability> 30%
<Product SKU>
<Asset Meta-tag> {Fashion, Shades, Ray Ban}
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
}
【0094】
メディアコンテンツ選択のためのメディアコンテンツタグの一例を以下に示す。
{
<Hit Probability> 90%
<Product SKU>
<Message Meta-tag> MSG-2061 (it could be {Fashion, Coat, North Face})
<age> 25-35
<gender> Female
<DS ID> DS101
},
{
<Hit Probability> 50%
<Product SKU>
<Product Meta-tag> MSG-2761 (it could be {Fashion, Shoes, Adidas})
<age> 25-35
<gender> Female
<DS ID> DS101
}
【0095】
異なる入力データを使用して生成された、メディアコンテンツ選択のためのメディアコンテンツタグの別の一例を以下に示す。
{
<Hit Probability> 70%
<Product SKU>
<Product Meta-tag> MSG-101 {Toys & Games, Video Games, PS4}
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
},
{
<Hit Probability> 50%
<Product SKU>
<Product Meta-tag> MSG-161 ({Fashion, Polo, USPA})
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
},
{
<Hit Probability> 30%
<Product SKU>
<Product Meta-tag> MSG-186 ({Fashion, Shades, Ray Ban})
<age> 15-25
<gender> Male
<DS ID> DS120
}
【0096】
一実施形態では、出力されたメディアコンテンツタグは、AIモデルの入力になることもできる。例えば、メディアコンテンツタグは、図3に示されるCAM AI 327によって出力されて、CAM AI 327によって使用されるAIモデルおよびALPシステム210によって使用されるAIモデルを再訓練することができる。一実施形態では、AIモデルは、AIモデルのパフォーマンスの尺度となるリフトの特定レベルを達成するために再訓練されてもよい。「リフト」という用語は、ターゲット応答を平均応答で割った比率を指す。
【0097】
本開示の実施形態は、図8に示される方法を実現することができる。例えば、図2に示される実施形態を参照すると、ALPクラウド310は、ユーザ端末140を使用するユーザの手動指示に従って、またはALPクラウド310に保存されたルールまたはAIモデルに従って、1つ以上のメディアコンテンツを作成し、該メディアコンテンツをCMSクラウド340を介してCMS 240に配信することができる(ステップ410)。続いて、CMS 240は、配信証明通知をALPクラウドに送信することができる(ステップ420)。CMS 240はまた、CMS 240に保存されたメディアコンテンツのリストをALPシステム210に送信することができる(ステップ430)。ALPクラウド310は、ルールまたはAIモデルをALPシステム210に配信して、ALPクラウド310が該ルールまたはAIモデルを保存および使用して、該ルールまたはAIモデルへの入力に基づいて再生される特定のメディアコンテンツをトリガーすることができる。
【0098】
一実施形態では、ステップ440は、ステップ420の後に実行されて、CMS 240がメディアコンテンツを受信する前に、配信されたルールまたはAIモデルに基づいてメディアコンテンツの再生の試みがトリガーされることを回避することができる。このような場合、ステップ430は省略されてもよい。一実施形態では、ALPシステム210は、特定のメディアコンテンツがステップ430でALPシステム210によって受信されるメディアコンテンツのリストに含まれる場合に限り、特定のメディアコンテンツを1つまたは複数のディスプレイ280に表示するためのトリガーとしてCMS 240に命令を送信することができる。例えば、ALPシステム210は、受信されるメディアコンテンツのリストに一部基づいて、再生するメディアコンテンツを決定することができる。そのような場合、ステップ420は省略されてもよい。
【0099】
本開示の実施形態は、図9に示される方法を実現することができる。例えば、図2および図5を参照すると、1つまたは複数のカメラ260は、複数の個人270の少なくとも1人の画像を含むビデオをキャプチャすることができる(ステップ510)。続いて、検出モジュール250は、ビデオからの画像を処理して、複数の個人270の少なくとも1人のデモグラフィックデータを取得することができる(ステップ520)。また、ALPシステム210は、ALPクラウド310から外部データ295を受信し、複数の装置290から他のデータ(例えば、モバイルセンサーデータ、RFIDデータ、ビーコンデータ)を受信し(ステップ530)、そのようなデータを、ALPシステム210に保存されたルールまたはAIモデルに適用することができる(ステップ540)。一実施形態では、ALPシステム210は、少なくとも取得されたデモグラフィックデータを、複数のルールを含むルールエンジン/AIモデル222に適用することができる。ALPシステム210は、ルールまたはAIモデルの出力に基づいて、指定されたメディアコンテンツの再生をトリガーすることができる(ステップ550)。例えば、ALPシステム210は、CMS 240に接続された1つまたは複数のディスプレイ280に指定されたメディアコンテンツを表示するためのトリガーとしてCMS 240に命令を送信することができる。
【0100】
図10Aから図10Eは、CMS 240がCMSプレイリスト600に従って現在メディアコンテンツを再生しているときにメディアコンテンツの再生をトリガーするための、一実施形態のALPシステム210とCMS 240との間の一連の相互作用を説明するための図を示す。
【0101】
一実施形態では、CMS 240は、1つまたは複数のディスプレイによって再生されるCMSプレイリスト600を作成およびスケジュールし、CMSプレイリスト600内のメディアコンテンツリストを管理するように構成されてもよい。ALPシステム210は、再生用のCMSプレイリスト600の内外に存在するメディアコンテンツを選択するためのトリガーをCMS 240に送信するように構成されてもよい。
【0102】
様々なデータソースから受信した情報に基づいて、ALPシステム210は、再生される適切なメディアコンテンツを選択し、所定の時間間隔ごとに(例えば、1秒ごとに)トリガーをCMS 240に送信して、メディアコンテンツを再生する。CMS 240は、現在再生されているメディアコンテンツが終了する前の所定期間までトリガーを無視することができ、該所定期間は、システムの性能に基づいて変更することができる。例えば、図10Aを参照すると、CMS 240は、現在再生されているメディアコンテンツ610の(N-1)秒でトリガーを受け入れることができる。ここで、Nは、メディアコンテンツの長さであり、CMS 240は、現在再生されているメディアコンテンツ610の(N-1)秒の前に受信されたトリガーを無視する。
【0103】
CMS 240は、受け入れられたトリガーに基づいて、トリガーを受信したメディアコンテンツを再生することができる。例えば、図10Bを参照すると、図10Aで再生されたメディアコンテンツ610の(N-1)秒で受信されたトリガーがメディアコンテンツ620に対するものである場合、CMS 240は、メディアコンテンツ620を再生することができる。
【0104】
CMS 240が現在再生されているメディアコンテンツの(N-1)秒でトリガーを受信しない場合、CMS 240は、異なる所定の時間枠(例えば、現在再生されているメディアコンテンツの(N-2)秒)で受信されたトリガーを受け入れることができ、該トリガーによって参照されるメディアコンテンツを再生することができる。そのような所定の期間は、システムのパフォーマンスに基づいて変更することができる。しかしながら、CMS 240が異なる時間枠(例えば、現在再生されているメディアコンテンツの(N-2)秒)でトリガーを受信しない場合、CMS 240は、ルールに基づいて、CMSプレイリスト600内の次のメディアコンテンツを再生させることができる。例えば、CMS 240は、以前再生されていないメディアコンテンツであって、CMSプレイリスト600の順序が最も低いメディアコンテンツ、以前にALPシステム210によって自動的にトリガーされなかったメディアコンテンツであって、CMSプレイリスト600の順序が最も低いメディアコンテンツ、または、現在再生されているメディアコンテンツに関連したメディアコンテンツであって、CMSプレイリスト600の順序が次のメディアコンテンツを再生させることができる。例えば、図10Cを参照すると、CMS 240は、CMSプレイリスト600内の第2のメディアコンテンツであるメディアコンテンツ630を再生することができる。このメディアコンテンツ630は、以前再生されていないメディアコンテンツであって、CMSプレイリスト600の順序が最も早いメディアコンテンツであるからである。また、図10Dを参照すると、CMS 240は、再生されたメディアコンテンツ630の(N-1)秒および(N-2)秒でトリガーが受信されなかった場合、CMSプレイリスト600内の第3のメディアコンテンツであるメディアコンテンツ640を再生することができる。
【0105】
図10Dをさらに参照すると、再生されたメディアコンテンツ640の(N-1)秒で受信されないが、再生されたメディアコンテンツ640の(N-2)秒で受信されるトリガーに基づいて、CMS 240は、該トリガーを受信したメディアコンテンツを再生することができる。例えば、図10Eを参照すると、CMS 240は、図10Dで再生されたメディアコンテンツ640の(N-2)秒で受信されたトリガーがメディアコンテンツ650に対するものであった場合に、メディアコンテンツ650を再生することができる。
【0106】
本開示の実施形態では、ALPシステム210、CMS 240、およびクラウドサービス(CAM 325、MEモジュール315、およびCMSクラウド340を含む)のそれぞれは、少なくとも1つのプロセッサによって実現することができる。例えば、一実施形態では、ALPシステムおよびCMS 240は、同一または別々の少なくとも1つの第1のプロセッサによって実現することができ、クラウドサービスのCAM 325、MEモジュール315、およびCMSクラウド340は、同一または別々の少なくとも1つの第2プロセッサによって実現することができる。
【0107】
新しいメディアコンテンツの作成およびメディアコンテンツの再生のトリガーに関する本開示の態様によれば、特定の顧客層のニーズにより合致したメディアコンテンツを作成および再生を可能にするという利点を得ることができる。従って、本開示のいくつかの実施形態によれば、作成およびトリガーされたメディアコンテンツがより魅力的になり、その結果、店舗の売上向上につながり得る。更に、メディアコンテンツの形でターゲットを絞った製品およびサービス情報を個人に提供することにより、個人の関与と忠誠心を高めることができる。従って、本開示のいくつかの実施形態は、顧客体験(例えば、印象)の向上をもたらし、その結果、小売業者の売上向上につながる。また、本開示のいくつかの実施形態によれば、ユーザが特定の時間に店内または通路に誰がいるかを把握し、再生される関連メディアコンテンツをトリガーし、ユーザが個人に対するメディアコンテンツの影響を把握し、どのメディアコンテンツが個人に最も関連するかを予測することが可能になる。
【0108】
以上に開示された実施形態例の全部または一部は、以下の付記として記載することができるが、これらに限定されない。
【0109】
[付記1]
プログラム命令が保存されたメモリと、
前記プログラム命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
含む装置であって、
前記プログラム命令は、前記装置を制御して、
ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続させ、
前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信させ、
前記ルールセットまたはAIモデルにデモグラフィックデータを適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツからメディアコンテンツを選択させ、
前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させる。
【0110】
[付記2]
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、前記デモグラフィックデータとして、少なくとも1つのセンサーからのセンサーデータに基づく顧客デモグラフィックデータを取得し、前記顧客デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用するように構成される
付記1に記載の装置。
【0111】
[付記3]
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、モバイルセンサー、無線周波数識別装置、およびビーコンのうちの少なくとも1つからデータを取得するように構成される
付記1または2に記載の装置。
【0112】
[付記4]
付記2に記載の装置と、
前記少なくとも1つのセンサーと、
を含むシステムであって、
前記少なくとも1つのセンサーは、第1のカメラと第2のカメラとを含み、
前記第1のカメラは、前記ディスプレイの近くにあり、
前記第2のカメラは、前記ディスプレイから離れた位置にある。
【0113】
[付記5]
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記顧客デモグラフィックデータを前記リモートシステムに送信するように構成される
付記2に記載の装置。
【0114】
[付記6]
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサによって前記リモートシステムに送信される前記顧客デモグラフィックデータの量が、前記少なくとも1つのプロセッサによって取得された前記顧客デモグラフィックデータの総量よりも少なくなるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって取得された前記顧客デモグラフィックデータの一部のみを前記リモートシステムに送信するように構成される
付記5に記載の装置。
【0115】
[付記7]
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを前記リモートシステムから受信し、前記デモグラフィックデータと前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択するように構成される
付記1から5のいずれか一項に記載の装置。
【0116】
[付記8]
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記リモートシステムに送信された前記顧客デモグラフィックデータに基づいて更新される、前記ルールセットの更新後のルール、更新後のルールセット、または更新後のAIモデルを前記リモートシステムから受信するように構成され、更に、前記更新後のルール、前記更新後のルールセット、または前記更新後のAIモデルに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させるように構成される
付記1から5のいずれか一項に記載の装置。
【0117】
[付記9]
前記複数のメディアコンテンツは、前記装置の外部にあるメモリに保存され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ルールセットまたはAIモデルの前記出力に基づいて、前記装置の外部にある前記メモリに保存された前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを前記ディスプレイに表示させるように構成される
付記1から8のいずれか一項に記載の装置。
【0118】
[付記10]
付記1、4、5、または6のいずれか一項に記載の装置と、
ローカルネットワークによって前記装置と接続されたコンテンツ管理システム(CMS)と
を含むシステムであって、
前記装置は、前記リモートシステムから前記ルールセットまたはAIモデルを受信し、前記デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択し、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを表示するための信号を前記CMSに送信するように構成され、
前記CMSは、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含み、前記リモートシステムから前記複数のメディアコンテンツを受信し、前記CMSの前記メモリに前記複数のメディアコンテンツを保存し、前記ALPアプライアンスからの前記信号に基づいて、前記ディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させるように構成される。
【0119】
[付記11]
前記CMSは、前記CMSによって保存された前記複数のメディアコンテンツのリストを前記装置に送信するように構成され、
前記装置は、前記装置によって以前受信された前記複数のメディアコンテンツの前記リストに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから選択された前記メディアコンテンツを表示するための前記信号を前記CMSに送信するように構成される
付記10に記載のシステム。
【0120】
[付記12]
前記装置は、前記信号を含み、それぞれ異なる時間に送信される複数の信号を前記CMSに送信して、前記CMSをトリガーして前記ディスプレイ上に前記複数のメディアコンテンツのうちの1つまたは複数を表示させるように構成され、
前記CMSは、前記ディスプレイ上でプレイリストのメディアコンテンツを再生しながら、前記複数の信号を受信するように構成され、更に、
前記再生中の前記プレイリストの前記メディアコンテンツの最初の所定時間の前に受信した前記複数の信号のそれぞれを無視し、
前記再生中の前記プレイリストの前記メディアコンテンツの前記第1の所定時間よりも遅い第2の所定時間に前記複数の信号のうちの1つを受信した場合、前記受信した複数の信号のうちの1つに基づいて、前記複数のメディアコンテンツのうちの1つを再生し、
前記複数の信号のいずれも前記第2の所定時間に受信せずに、前記複数の信号のうちの1つを前記第1の所定時間に受信した場合、前記受信した複数の信号のうちの1つに基づいて、前記複数のメディアコンテンツのうちの1つを再生し、
前記第1の所定時間および前記第2の所定時間に前記複数の信号のいずれも受信しない場合、前記プレイリスト内の他のメディアコンテンツの位置に基づいて、前記プレイリストの他のメディアコンテンツを再生するように構成される
付記10または11に記載のシステム。
【0121】
[付記13]
少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含む装置と、
ワイドエリアネットワークを介して前記装置と通信するように構成されたリモートシステムと、
を含むシステムであって、
前記リモートシステムは、ルールセットまたはAIモデルを作成し、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワークを介して前記装置に送信するように構成され、前記ルールセットまたはAIモデルは、前記装置にローカルなディスプレイ上に表示するための複数のメディアコンテンツの中からメディアコンテンツを選択するために構成され、
前記装置は、デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択し、前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記ディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させるように構成される
システム。
【0122】
[付記14]
前記リモートシステムは、更に、前記装置によって取得された前記デモグラフィックデータの少なくとも一部を受信し、前記リモートシステムによって前記装置から受信された前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、前記装置に送信された前記ルールセットまたはAIモデルを更新するように構成される
付記13に記載のシステム。
[付記15]
前記リモートシステムは、更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを受信し、前記外部データを装置に送信するように構成され、
前記装置は、前記デモグラフィックデータと前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記メディアコンテンツを選択するように構成される
付記13または14に記載のシステム。
【0123】
[付記16]
前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、新しいメディアコンテンツを作成し、前記新しいメディアコンテンツを前記装置と前記ディスプレイにローカルに接続されているコンテンツ管理システム(CMS)に送信して、前記複数のメディアコンテンツの一部として前記CMS装置のメモリに保存するように構成される
付記13、14、または15に記載のシステム。
【0124】
[付記17]
前記リモートシステムは、更に、前記リモートシステムが前記装置から受信した前記デモグラフィックデータの前記一部に基づいて、ユーザのディスプレイに表示するための顧客インサイトを作成するように構成される
付記13、14、15、または16に記載のシステム。
【0125】
[付記18]
前記リモートシステムは、前記装置と前記ディスプレイにローカルに接続されているコンテンツ管理システム(CMS)から配信証明(PoD)通知を受信し、以前に前記PoD通知を受信したことに基づいて、前記ルールセットまたはAIモデルを前記ワイドエリアネットワーク経由で前記装置に送信するように構成される
請求項13、14、15、16、または17に記載のシステム。
【0126】
[付記19]
少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含み、ワイドエリアネットワークを介してリモートシステムに接続された装置によって実行される方法であって、
前記リモートシステムからルールセットまたは人工知能(AI)モデルを受信し、
デモグラフィックデータを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、複数のメディアコンテンツからメディアコンテンツを選択し、
前記ルールセットまたはAIモデルの出力に基づいて、前記装置にローカルなディスプレイに前記メディアコンテンツを表示させる
方法。
【0127】
[付記20]
更に、前記装置の前記少なくとも1つのプロセッサにローカルに接続されている少なくとも1つのセンサーからのセンサーデータに基づいて前記デモグラフィックデータを取得する
付記19に記載の方法。
【0128】
[付記21]
更に、前記装置によって取得された前記デモグラフィックデータの少なくとも一部を前記リモートシステムにアップロードする
付記19または20に記載の方法。
【0129】
[付記22]
更に、イベントデータ、気象データ、および販売時点管理(POS)データのうちの少なくとも1つを含む外部データを前記リモートシステムからダウンロードし、
前記選択は、前記デモグラフィックデータおよび前記外部データを前記ルールセットまたはAIモデルに適用することに基づいて、前記複数のメディアコンテンツから前記メディアコンテンツを選択する
付記19、20、21に記載の方法。本明細書で使用される場合、コンポーネントという用語は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして広く解釈されることを意図している。
【0130】
[付記23]
付記請求項19から22のいずれか一項に記載の方法を装置に実行させるプログラム。
【0131】
前述の開示は、例示および説明を与えるが、網羅的ではなく、また、実施を明示的に記載された形式に限定することを意図するものでもない。上記の開示に照らして、或いは、実施の慣習から複数の修正および変形が可能である。
【0132】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法は、異なる形態のハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現できることは明らかである。これらのシステムおよび/または方法を実現するために使用される実際の特別な制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、本開示の実施形態を限定するものではない。
【0133】
特徴の組み合わせが特許請求の範囲および/または明細書に記載されているとしても、これらの組み合わせは、可能な実施の開示を制限することを意図するものではない。記載された特徴の多くは、特許請求の範囲および/または上記の開示に明示的に記載されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙された各従属クレームは、1つのクレームのみに直接従属してもよいが、可能な実施の開示には、クレームセット内の他のすべてのクレームと組み合わせた各従属クレームが含まれる。
【0134】
本明細書で使用されるどの要素、行為、または命令も、明示的に記載されていない限り、重要または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用されているように、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むことを意図しており、「one or more」と交換可能に使用することができる。また、本明細書で使用されているように、「has」、「have」、「having」などの用語は、開放型の用語を意図している。さらに、「based on」という句は、特に明記しない限り、「based, at least in part, on」を意味することを意図している。本明細書で使用される「or」という用語は、包括的な「or」であり、「and/or」と同等の意味を有する。
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図10A
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図10D
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