(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】二叉の放射パターンを有する光源、マルチビューバックライトおよび方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230724BHJP
F21V 9/00 20180101ALI20230724BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20230724BHJP
G02F 1/13357 20060101ALN20230724BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230724BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230724BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230724BHJP
【FI】
F21S2/00 441
F21V9/00 200
F21V7/00 510
F21S2/00 433
G02F1/13357
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y103:10
(21)【出願番号】P 2021564410
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020030320
(87)【国際公開番号】W WO2020223264
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-12-21
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0278846(US,A1)
【文献】特許第3632208(JP,B2)
【文献】特表2019-511079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/00
F21V 7/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射光として光源の出力開口に向けて放射するように構成された光エミッターと、
前記出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、前記出力開口から変位され、前記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を備える放射制御層と、
を備える光源であって、
前記放射制御層は、前記放射光の一部を、前記第1の複数の遮光要素と前記第2の複数の遮光要素との間の隙間を通して透過させて、前記垂直方向に二叉の放射パターンを有する出力光を前記光源開口において提供するように構成される、光源。
【請求項2】
前記光エミッターは発光ダイオードであり、前記放射光のパターンはランバート分布を有する、請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記光エミッターは、前記出力開口に向かって光を反射するように構成された反射器を備える、請求項1に記載の光源。
【請求項4】
前記第1の複数の遮光要素および前記第2の複数の遮光要素の一方または両方の前記遮光要素は、反射性材料を備える、請求項1に記載の光源。
【請求項5】
前記放射制御層は、前記光エミッターと前記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、前記透明材料層は、前記出力開口に隣接する前記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、前記第1の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記溝の複数の溝の間の透明材料層表面上に配置された遮光材料の層を備え、前記第2の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記溝の複数の前記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、請求項1に記載の光源。
【請求項6】
前記遮光材料は、反射性金属および反射性金属-ポリマー複合材料のうちの1つを含む、請求項5に記載の光源。
【請求項7】
前記複数の溝のうちの1つの溝の側壁は、前記透明材料層表面に対して垂直である、請求項5に記載の光源。
【請求項8】
前記複数の溝のうちの1つの溝の側壁は湾曲形状を有する、請求項5に記載の光源。
【請求項9】
前記二叉の放射パターンは、前記垂直方向に正の角度を有する第1のローブと、前記垂直方向に負の角度を有する第2のローブとを含む、請求項1に記載の光源。
【請求項10】
光をガイドするように構成されたライトガイドであって、前記光源は、前記ライトガイドの入力縁部に光学的に結合されて、前記ライトガイド内のガイド光として前記二叉の放射パターンを有する出力光を提供するライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間して配置されたマルチビーム要素のアレイであって、前記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして、前記ガイド光の一部を前記ライトガイドから散乱出力するように構成されている、マルチビーム要素のアレイと、
をさらに備える、マルチビューバックライトであって、
前記二叉の放射パターンは、前記ライトガイドの第1のガイド面に向かう角度を有する第1のローブと、前記ライトガイドの第2のガイド面に向かう角度を有する第2のローブとを含み、前記第2のガイド面は、前記垂直方向に前記第1のガイド面の反対側である、
請求項1に記載の前記光源を備えるマルチビューバックライト。
【請求項11】
マルチビューバックライトであって、
光エミッターと、前記光エミッターによって放射された光を前記二叉の放射パターンを有する出力光に変換するように構成された放射制御層と、を備える二叉の放射パターンの光源と、
前記出力光をガイド光として受け取るように構成されたライトガイドであって、前記出力光の前記二叉の放射パターンは、前記ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられた第1のローブと、前記ライトガイドの第2のガイド面に向かって角度が付けられた第2のローブとを含む、ライトガイドと、
マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる方向を有する複数の指向性光ビームとして前記ガイド光の一部を散乱出力するように構成されたマルチビーム要素のアレイと、
を備え
、
前記放射制御層は、前記二叉の放射パターンの光源の出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、前記出力開口から変位され、前記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を含み、前記垂直方向は、前記ライトガイドの前記第1のガイド面および第2のガイド面の一方または両方に垂直であり、
前記放射制御層は、前記光エミッターによって放射された前記光の一部を、前記第1の複数の遮光要素と前記第2の複数の遮光要素との間の間隙を通して透過させて、前記二叉の放射パターンを有する前記出力光を前記出力開口において提供するように構成される、
マルチビューバックライト。
【請求項12】
前記放射制御層は、前記光エミッターと前記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、前記透明材料層は、前記出力開口に隣接する前記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、前記第1の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記複数の溝の間の透明材料層表面に配置された遮光材料の層を備え、前記第2の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記複数の溝の前記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、請求項
11に記載のマルチビューバックライト。
【請求項13】
前記第1の複数の遮光要素および前記第2の複数の遮光要素の一方または両方の遮光要素は、前記放射光の一部を前記出力開口から離れて前記光エミッターに向けて反射するように構成された反射性材料を備え、前記放射光の前記反射された部分は再利用され、前記光エミッターによって前記放射制御層の方に再度向けられる、請求項
11に記載のマルチビューバックライト。
【請求項14】
前記マルチビーム要素のサイズは、前記マルチビューディスプレイの光弁のアレイ内の光弁のサイズの25%~200%である、請求項11に記載のマルチビューバックライト。
【請求項15】
前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素は、前記ライトガイドに光学的に接続され、かつ前記ガイド光の前記一部を散乱出力するように構成された回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つまたはそれ以上を備える、請求項11に記載のマルチビューバックライト。
【請求項16】
複数の指向性光ビームの前記指向性光ビームを変調するように構成された光弁のアレイをさらに備え、前記変調された光ビームはマルチビュー画像を表す、請求項11に記載のマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイ。
【請求項17】
光源動作の方法であって、
光エミッターを使用して光を放射するステップであって、前記放射された光は前記光源の出力開口の方に向けられるステップと、
前記放射光の一部を、放射制御層の遮光要素間の間隙を通して透過させて、二叉の放射パターンを有する出力光を前記出力開口において提供するステップと、
を含
み、
前記放射制御層は、前記出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、前記出力開口から変位され、前記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を備え、前記間隙は、前記第1の複数の遮光要素の遮光要素と前記第2の複数の遮光要素の遮光要素との間にある、
光源動作の方法。
【請求項18】
前記遮光要素は反射性材料を含み、光源動作の前記方法は、前記放射光の別の部分を、再利用され、前記放射制御層の方に再度向けられるように、前記光エミッターに向けて戻すように反射するステップをさらに含む、請求項
17に記載の光源動作方法。
【請求項19】
前記放射制御層は、前記光エミッターと前記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、前記透明材料層は、前記出力開口に隣接する前記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、前記第1の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記複数の溝の溝間の透明材料層表面に配置された遮光材料の層を備え、前記第2の複数の遮光要素の前記遮光要素は、前記複数の溝の前記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、請求項
17に記載の光源動作の方法。
【請求項20】
ライトガイドを使用して前記光源から前記二叉の放射パターンを有する前記出力光を受け取るステップであって、前記二叉の放射パターンの第1のローブは前記ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられており、前記二叉の放射パターンの第2のローブは前記ライトガイドの第2のガイド面に向かって角度が付けられている、ステップと、
前記受け取った出力光を前記ライトガイド内でガイド光としてガイドするステップと、
マルチビーム要素を使用して、前記ガイド光の一部を複数の指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱出力するステップであって、前記複数の指向性光ビームの前記指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する方向を有するステップと、
をさらに含む、請求項
17に記載の光源動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/841,222号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイスおよび製品のユーザに情報を伝達するためのほぼユビキタスな媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)およびアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、ならびに電気機械的または電気流体的光変調(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を採用する様々なディスプレイが含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を発するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明白な例は、CRT、PDPおよびOLED/AMOLEDである。放射光を考慮するときに典型的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCDおよびEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、これに限定されないが、本質的に電力消費が低いことなどの魅力的な性能特性を示すことが多いが、発光能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途において用途が幾分制限される場合がある。
【0004】
放射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイは外部光源に結合される。結合された光源によって、これらのそうでなければパッシブであるディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することが可能になり得る。このような結合光源の例は、バックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照らすために他のパッシブディスプレイの背後に配置される光の供給源(多くの場合、パネルバックライト)として機能する場合がある。例えば、バックライトは、LCDまたはEPディスプレイに結合されてよい。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を放射する。放射光は、LCDまたはEPディスプレイによって変調され、変調された光は、次にLCDまたはEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは白色光を発するように構成されている。次いで、カラーフィルタを使用して、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換する。カラーフィルタは、例えば、LCDもしくはEPディスプレイの出力に(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDもしくはEPディスプレイとの間に配置されてよい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解することができ、これらの図面では、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
本開示は、以下の[1]から[21]を含む。
[1]光を放射光として光源の出力開口に向けて放射するように構成された光エミッターと、
上記出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、上記出力開口から変位され、上記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を備える放射制御層と、
を備える光源であって、
上記放射制御層は、上記放射光の一部を、上記第1の複数の遮光要素と上記第2の複数の遮光要素との間の隙間を通して透過させて、上記垂直方向に二叉の放射パターンを有する出力光を上記光源開口において提供するように構成される、光源。
[2]上記光エミッターは発光ダイオードであり、上記放射光のパターンはランバート分布を有する、上記[1]に記載の光源。
[3]上記光エミッターは、上記出力開口に向かって光を反射するように構成された反射器を備える、上記[1]に記載の光源。
[4]上記第1の複数の遮光要素および上記第2の複数の遮光要素の一方または両方の上記遮光要素は、反射性材料を備える、上記[1]に記載の光源。
[5]上記放射制御層は、上記光エミッターと上記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、上記透明材料層は、上記出力開口に隣接する上記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、上記第1の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記溝の複数の溝の間の透明材料層表面上に配置された遮光材料の層を備え、上記第2の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記溝の複数の上記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、上記[1]に記載の光源。
[6]上記遮光材料は、反射性金属および反射性金属-ポリマー複合材料のうちの1つを含む、上記[5]に記載の光源。
[7]上記複数の溝のうちの1つの溝の側壁は、上記透明材料層表面に対して垂直である、上記[5]に記載の光源。
[8]上記複数の溝のうちの1つの溝の側壁は湾曲形状を有する、上記[5]に記載の光源。
[9]上記二叉の放射パターンは、上記垂直方向に正の角度を有する第1のローブと、上記垂直方向に負の角度を有する第2のローブとを含む、上記[1]に記載の光源。
[10]光をガイドするように構成されたライトガイドであって、上記光源は、上記ライトガイドの入力縁部に光学的に結合されて、上記ライトガイド内のガイド光として上記二叉の放射パターンを有する出力光を提供するライトガイドと、
上記ライトガイドの長さに沿って互いに離間して配置されたマルチビーム要素のアレイであって、上記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームとして、上記ガイド光の一部を上記ライトガイドから散乱出力するように構成されている、マルチビーム要素のアレイと、
をさらに備える、マルチビューバックライトであって、
上記二叉の放射パターンは、上記ライトガイドの第1のガイド面に向かう角度を有する第1のローブと、上記ライトガイドの第2のガイド面に向かう角度を有する第2のローブとを含み、上記第2のガイド面は、上記垂直方向に上記第1のガイド面の反対側である、
上記[1]に記載の上記光源を備えるマルチビューバックライト。
[11]光エミッターと、上記光エミッターによって放射された光を上記二叉の放射パターンを有する出力光に変換するように構成された放射制御層と、を備える二叉の放射パターンの光源と、
上記出力光をガイド光として受け取るように構成されたライトガイドであって、上記出力光の上記二叉の放射パターンは、上記ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられた第1のローブと、上記ライトガイドの第2のガイド面に向かって角度が付けられた第2のローブとを含む、ライトガイドと、
マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる方向を有する複数の指向性光ビームとして上記ガイド光の一部を散乱出力するように構成されたマルチビーム要素のアレイと、
を備えるマルチビューバックライト。
[12]上記放射制御層は、上記二叉の放射パターンの光源の出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、上記出力開口から変位され、上記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を含み、上記垂直方向は、上記ライトガイドの上記第1のガイド面および第2のガイド面の一方または両方に垂直であり、
上記放射制御層は、上記光エミッターによって放射された上記光の一部を、上記第1の複数の遮光要素と上記第2の複数の遮光要素との間の間隙を通して透過させて、上記二叉の放射パターンを有する上記出力光を上記出力開口において提供するように構成される、
上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[13]上記放射制御層は、上記光エミッターと上記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、上記透明材料層は、上記出力開口に隣接する上記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、上記第1の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記複数の溝の間の透明材料層表面に配置された遮光材料の層を備え、上記第2の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記複数の溝の上記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、上記[12]に記載のマルチビューバックライト。
[14]上記第1の複数の遮光要素および上記第2の複数の遮光要素の一方または両方の遮光要素は、上記放射光の一部を上記出力開口から離れて上記光エミッターに向けて反射するように構成された反射性材料を備え、上記放射光の上記反射された部分は再利用され、上記光エミッターによって上記放射制御層の方に再度向けられる、上記[12]に記載のマルチビューバックライト。
[15]上記マルチビーム要素のサイズは、上記マルチビューディスプレイの光弁のアレイ内の光弁のサイズの25%~200%である、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[16]上記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素は、上記ライトガイドに光学的に接続され、かつ上記ガイド光の上記一部を散乱出力するように構成された回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つまたはそれ以上を備える、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[17]複数の指向性光ビームの上記指向性光ビームを変調するように構成された光弁のアレイをさらに備え、上記変調された光ビームはマルチビュー画像を表す、上記[11]に記載のマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイ。
[18]光エミッターを使用して光を放射するステップであって、上記放射された光は上記光源の出力開口の方に向けられるステップと、
上記放射光の一部を、放射制御層の遮光要素間の間隙を通して透過させて、二叉の放射パターンを有する出力光を上記出力開口において提供するステップと、
を含む、光源動作の方法であって、
上記放射制御層は、上記出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、上記出力開口から変位され、上記第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素と、を備え、上記間隙は、上記第1の複数の遮光要素の遮光要素と上記第2の複数の遮光要素の遮光要素との間にある、
光源動作の方法。
[19]上記遮光要素は反射性材料を含み、光源動作の上記方法は、上記放射光の別の部分を、再利用され、上記放射制御層の方に再度向けられるように、上記光エミッターに向けて戻すように反射するステップをさらに含む、上記[18]に記載の光源動作方法。
[20]上記放射制御層は、上記光エミッターと上記出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、上記透明材料層は、上記出力開口に隣接する上記透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有し、上記第1の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記複数の溝の溝間の透明材料層表面に配置された遮光材料の層を備え、上記第2の複数の遮光要素の上記遮光要素は、上記複数の溝の上記溝の各々の底部上に配置された遮光材料の層を備える、上記[18]に記載の光源動作の方法。
[21]ライトガイドを使用して上記光源から上記二叉の放射パターンを有する上記出力光を受け取るステップであって、上記二叉の放射パターンの第1のローブは上記ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられており、上記二叉の放射パターンの第2のローブは上記ライトガイドの第2のガイド面に向かって角度が付けられている、ステップと、
上記受け取った出力光を上記ライトガイド内でガイド光としてガイドするステップと、
マルチビーム要素を使用して、上記ガイド光の一部を複数の指向性光ビームとして上記ライトガイドから散乱出力するステップであって、上記複数の指向性光ビームの上記指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する方向を有するステップと、
をさらに含む、上記[18]に記載の光源動作の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図である。
【0007】
【
図1B】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフ表示を示す図である。
【0008】
【
図2】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における回折格子の断面図である。
【0009】
【
図3A】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における光源の断面図である。
【0010】
【
図3B】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における
図3Aの光源の一部の拡大断面図である。
【0011】
【
図4】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層の斜視図である。
【0012】
【
図5】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層の斜視図である。
【0013】
【
図6A】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層の透明材料層内の溝の断面図である。
【0014】
【
図6B】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における放射制御層の透明材料層内の溝の断面図である。
【0015】
【
図6C】本明細書に記載の原理と一致するさらに別の実施形態による、一例における放射制御層の透明材料の層内の溝の断面図である。
【0016】
【
図7A】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図である。
【0017】
【
図7B】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの斜視図である。
【0018】
【
図8】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトのブロック図である。
【0019】
【
図9】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、光源動作の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の例および実施形態は、上記に参照した図面に示された特徴に加えて、およびその代わりに、他の特徴を有する。これらおよび他の特徴は、上記に参照した図を参照して以下に詳述される。
【0021】
本明細書に記載の原理による例および実施形態は、マルチビューディスプレイへの適用を伴う、二叉の放射パターンを有する光源、およびその光源を使用するマルチビューバックライトを提供する。特に、本明細書に記載の原理と一致する実施形態は、様々な実施形態において、二叉の放射パターンを有する出力光を提供する光源を提供する。さらに、光源は、複数の異なる主角度方向を有する指向性光ビームを提供または放射するように構成されたマルチビーム要素を使用するマルチビューバックライトにおいて使用されてよい。様々な実施形態では、二叉の放射パターンを有する光源を使用してマルチビューバックライトによって放射された指向性光ビームは、マルチビュー画像のビュー方向または同等にマルチビューディスプレイのビュー方向に対応するか、またはそれと一致する方向を有し得る。いくつかの実施形態によれば、二叉の放射パターンは、マルチビューバックライト内に、マルチビューバックライトの照明効率および全体的な輝度の一方または両方を改善するガイド光を提供し得る。
【0022】
様々な実施形態によれば、マルチビューバックライトを使用するマルチビューディスプレイは、いわゆる「メガネ不要の」または自動立体視ディスプレイであってよい。本明細書に記載のマルチビューディスプレイにおけるマルチビューバックライトの使用には、これらに限定されないが、携帯電話(例えば、スマートフォン)、時計、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、パーソナルコンピュータおよびコンピュータモニタ、自動車ディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、ならびに様々な他のモバイルならびに実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーションが含まれる。
【0023】
本明細書では、「二次元(2D)ディスプレイ」は、画像が見られる方向(すなわち、2Dディスプレイの事前定義された視野角または視野範囲内)に関係なく、実質的に同じ画像の視野を提供するように構成されたディスプレイとして定義される。多くのスマートフォンおよびコンピュータモニタに見られる液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対照的に本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向で、または異なるビュー方向からマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。特に、異なるビューは、マルチビュー画像のシーンまたは対象物の異なる遠近感の見え方を表すことができる。場合によっては、マルチビューディスプレイは、例えば、マルチビュー画像の2つの異なるビューを同時に見ることが、3次元画像を見ているという知覚を提供する場合、3次元(3D)ディスプレイと呼ばれることもある。
【0024】
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。
図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、見るべきマルチビュー画像を表示するためのスクリーン12を備える。マルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16でマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、スクリーン12から様々な異なる主角度方向に延びる矢印として示されており、異なるビュー14は、矢印の終端に(すなわち、ビュー方向16を描いている)影付きの多角形ボックスとして示されており、および限定ではなく一例として、4つのビュー14および4つのビュー方向16のみが示されている。
図1Aでは異なるビュー14がスクリーンの上にあるように示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されるとき、ビュー14は実際にはスクリーン12上またはその近くに現れることに留意されたい。スクリーン12の上にビュー14を描写することは、説明を簡単にするためだけであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれ1つからマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意味する。
【0025】
ビュー方向、または同等にマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般に、本明細書の定義により、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」または「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」または「方位角」と呼ばれる。定義により、仰角θは、(例えば、マルチビューディスプレイスクリーンの面に垂直である)垂直面内の角度であるのに対し、方位角φは、(例えばマルチビューディスプレイスクリーン面に平行な)水平面内の角度である。
【0026】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、
図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角度方向または単に「方向」を有する光ビーム20の角度成分{θ、φ}のグラフ表示を示す。加えて、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射される、または生じる。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連付けられた中心光線を有する。
図1Bは、光ビーム(またはビュー方向)の原点Oも示している。
【0027】
さらに本明細書では、「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる見え方を表すか、または複数のビューのビュー間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書の定義により、3つ以上の異なるビュー(すなわち、最低3つのビュー、および一般的には4つ以上のビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すために2つの異なるビューしか含まない立体ディスプレイとは明確に区別される。しかしながら、本明細書の定義により、マルチビュー画像およびマルチビューディスプレイは3つ以上のビューを含み得るが、マルチビュー画像は、一度に(例えば、1つの眼で1つの視野を)見るためにマルチビューのうちの2つのみを選択することによって、画像の立体ペアとして(例えば、マルチビューディスプレイ上で)見ることができることに留意されたい。
【0028】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれにおけるサブピクセルまたは「ビュー」ピクセルのセットとして定義される。特に、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれのビューピクセルに対応する、またはビューピクセルを表す個々のビューピクセルを有してよい。さらに、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書の定義により、ビューピクセルのそれぞれが、異なるビューのうちの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられているという点において、いわゆる「指向性ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等または少なくとも実質的に同様の位置または座標を有し得る。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおいて{x1y1}に位置する個々のビューピクセルを有してよく、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて{x2y2}に位置する個々のビューピクセルを有してよく、以下同様である。いくつかの実施形態では、マルチビューピクセル内のビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてよい。
【0029】
本明細書では、「ライトガイド」は、全内部反射または「TIR」を使用して構造内で光をガイドする構造として定義される。特に、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長で実質的に透明なコアを含み得る。様々な例において、「ライトガイド」という用語は、一般に、ライトガイドの誘電材料とライトガイドを取り囲む材料または媒体との間の界面で光をガイドするために全内部反射を使用する誘電光導波路を指す。定義により、全内部反射の条件は、ライトガイドの屈折率がライトガイド材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも大きいことである。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、全内部反射をさらに促進するために、前述の屈折率の差に加えて、またはその代わりにコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングであってよい。ライトガイドは、これらに限定されないが、プレートまたはスラブガイドおよびストリップガイドの一方または両方を含む、いくつかのライトガイドのいずれかであってよい。
【0030】
さらに本明細書では、「プレートライトガイド」でのようにライトガイドに適用される場合の「プレート」という用語は、区分的または特異的に平面の層またはシートとして定義され、これは「スラブ」ガイドと呼ばれることもある。特に、プレートライトガイドは、ライトガイドの上面および底面(すなわち、反対に位置する表面)によって境界が定められた2つの実質的に直交する方向に光をガイドするように構成されたライトガイドとして定義される。さらに、本明細書の定義により、上面および底面は両方とも互いから隔てられており、少なくとも特異的な意味において互いに実質的に平行であってもよい。すなわち、プレートライトガイドの任意の特異的に小さい区画内で、上面および底面は実質的に平行または同一平面上にある。
【0031】
いくつかの実施形態では、プレートライトガイドは実質的に平坦(すなわち、平面に限定される)であってもよく、したがって、プレートライトガイドは平面ライトガイドである。他の実施形態では、プレートライトガイドは、1つまたは2つの直交する寸法で湾曲していてもよい。例えば、プレートライトガイドは、円筒形のプレートライトガイドを形成するために一次元に湾曲されてもよい。しかしながら、いずれの曲率も、光をガイドするためにプレートライトガイド内で全内部反射が維持されることを保証するのに十分に大きい曲率半径を有する。
【0032】
本明細書で定義されるように、ガイド光の「非ゼロ伝播角度」は、ライトガイドのガイド面に対する角度である。さらに、非ゼロ伝播角度は、本明細書の定義により、0より大きく、ライトガイド内の全内部反射の臨界角より小さい。さらに、特定の非ゼロ伝播角度がライトガイド内の全内部反射の臨界角より小さい限り、特定の実装に対して特定の非ゼロ伝播角度が(例えば、任意に)選択されてもよい。様々な実施形態では、光は、ガイド光の非ゼロ伝播角度でライトガイドに導入されるか、または結合されてよい。
【0033】
様々な実施形態によれば、光をライトガイド内に結合することによって生成されるガイド光または同等にガイドされた「光ビーム」は、コリメートされた光ビームであってもよい。本明細書では、「コリメートされた光」または「コリメートされた光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が光ビーム内で互いに実質的に平行である光ビームとして定義される。さらに、コリメートされた光ビームから分岐する、または散乱される光線は、本明細書の定義により、コリメートされた光ビームの一部とは見なされない。
【0034】
本明細書では、「回折格子」は、一般に、回折格子に入射する光の回折を提供するように配置された複数の特徴部(すなわち、回折特徴部)として定義される。いくつかの例では、複数の特徴部は、周期的または準周期的に配置されてもよい。例えば、回折格子は、一次元(1D)アレイに配置された複数の特徴部(例えば、材料表面内の複数の溝または隆起部)を含んでもよい。他の例では、回折格子は、特徴部の二次元(2D)アレイであってもよい。回折格子は、例えば、材料表面内の隆起または穴の2Dアレイであってもよい。
【0035】
したがって、本明細書の定義により、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折を提供する構造である。光がライトガイドから回折格子に入射する場合、提供される回折または回折散乱は、回折格子が回折によってライトガイドから光を散乱させることができるという点において「回折散乱」をもたらす可能性があり、したがって「回折散乱」と呼ばれる場合がある。さらに、本明細書の定義により、回折格子の特徴部は、「回折特徴部」と呼ばれ、材料表面(すなわち2つの材料の境界)における、材料表面内、および材料表面上の1つまたはそれ以上であってよい。表面は、例えば、ライトガイドの表面であってもよい。回折特徴部は、これらに限定されないが、表面における、表面内または表面上の溝、隆起、穴、および隆起のうちの1つまたはそれ以上を含む、光を回折する様々な構造のいずれかを含み得る。例えば、回折格子は、材料表面に複数の実質的に平行な溝を含む場合がある。別の例では、回折格子は、材料表面から立ち上がる複数の平行な隆起部を含む場合もある。回折特徴部(例えば、溝、隆起、穴、隆起など)は、これらに限定されないが、正弦波外形、矩形外形(例えば、二元回折格子)、三角形の外形および鋸歯の外形(例えば、ブレーズド格子)のうちの1つまたはそれ以上を含む回折を提供する様々な断面形状または外形のいずれかを有し得る。
【0036】
本明細書に記載の様々な例によれば、回折格子(例えば、以下に説明するように、マルチビーム要素の回折格子)を使用して、ライトガイド(例えば、プレートライトガイド)から出てくる光を光ビームとして回折的に散乱出力または結合出力することができる。特に、局所的に周期的な回折格子の回折角θ
mまたは局所的に周期的な回折格子によって与えられる回折角θ
mは、以下の式(1)によって与えられてよく、
【数1】
式中、λは光の波長であり、mは回折次数であり、nはライトガイドの屈折率であり、dは回折格子の特徴部間の距離または間隔であり、θ
iは回折格子への光の入射角である。簡単にするために、式(1)は、回折格子がライトガイドの表面に隣接し、ライトガイドの外側の材料の屈折率が1に等しい(すなわち、n
out=1である)と仮定する。一般に、回折次数mは整数によって与えられる。回折格子によって生成される光ビームの回折角θ
mは、回折次数が正(例えば、m>0)である式(1)によって与えられてよい。例えば、回折次数mが1に等しい(すなわち、m=1である)場合、一次回折が提供される。
【0037】
図2は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における回折格子30の断面図を示す。例えば、回折格子30は、ライトガイド40の表面に配置されてよい。さらに、
図2は、入射角θ
iで回折格子30に入射する光ビーム50を示す。入射光ビーム50は、ライトガイド40内のガイド光のビーム(すなわち、ガイド光ビーム)であってよい。また、
図2には、入射光ビーム50の回折の結果として回折格子30によって回折的に生成され、結合出力された指向性光ビーム60が示されている。指向性光ビーム60は、式(1)によって与えられるような回折角θ
m(または本明細書では「主角度方向」)を有する。回折角θ
mは、回折格子30の回折次数「m」、例えば回折次数m=1(すなわち、第1の回折次数)に対応してよい。
【0038】
本明細書の定義により、「マルチビーム要素」は、複数の光ビームを含む光を生成するバックライトまたはディスプレイの構造または要素である。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、バックライトのライトガイドに光学的に結合されて、ライトガイド内にガイドされた光の一部を結合出力する、または散乱出力することによって複数の光ビームを提供することができる。さらに、マルチビーム要素によって生成された複数の光ビームは、本明細書の定義により、互いに異なる主角度方向を有する。特に、定義により、複数の光ビームのうちの1つの光ビームは、複数の光ビームのうちの別の光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。したがって、本明細書の定義により、光ビームは「指向性光ビーム」と呼ばれ、複数の光ビームは「複数の指向性光ビーム」と呼ばれてよい。
【0039】
さらに、複数の指向性光ビームは、ライトフィールドを表してよい。例えば、複数の指向性光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に限定されてよい、または複数の光ビームにおける光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角度広がりを有してもよい。したがって、組み合わせた光ビーム(すなわち、複数の光ビーム)の所定の角度広がりは、ライトフィールドを表してよい。
【0040】
様々な実施形態によれば、複数の様々な指向性光ビームの異なる主角度方向は、これに限定されないが、マルチビーム要素のサイズ(例えば、長さ、幅、面積など)を含む特性によって決定される。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書の定義により、「拡張された点光源」、すなわちマルチビーム要素の範囲にわたって分散された複数の点光源と考えることができる。さらに、マルチビーム要素によって生成された指向性光ビームは、本明細書の定義により、および
図1Bに関して上述した角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。
【0041】
本明細書では、「コリメータ」は、光をコリメートするように構成された実質的に任意の光学デバイスまたは装置として定義される。例えば、コリメータは、これらに限定されないが、コリメートミラーまたは反射器、コリメートレンズ、回折格子、テーパーライトガイド、およびそれらの様々な組み合わせを含んでよい。様々な実施形態によれば、コリメータによって提供されるコリメーションの量は、実施形態ごとに所定の程度または所定の量で変化し得る。さらに、コリメータは、2つの直交する方向(例えば、垂直方向および水平方向)の一方または両方においてコリメーションを提供するように構成されてもよい。すなわち、コリメータは、いくつかの実施形態によれば、光コリメーションを提供する2つの直交方向の一方または両方に形状特性または同様のコリメート特性を含み得る。
【0042】
本明細書では、「コリメーション係数」は、光がコリメートされる程度として定義される。特に、コリメーション係数は、本明細書の定義により、コリメートされた光ビーム内の光線の角度広がりを定義する。例えば、コリメーション係数σは、コリメートされた光のビーム内の光線の大部分が特定の角度広がり(例えば、コリメートされた光ビームの中心または主角度方向の周りに+/-σ度)内にあることを指定してよい。いくつかの例によれば、コリメートされた光ビームの光線は、角度に関してガウス分布を有してよく、角度広がりは、コリメートされた光ビームのピーク強度の半分によって決定される角度であってよい。
【0043】
本明細書では、「光源」は、一般に、光の供給源(例えば、光を生成し放射するように構成された光エミッター)として定義される。例えば、光源は、起動される、またはオンにされると光を発する発光ダイオード(LED)などの光エミッターを備えてよい。特に、本明細書では、光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッター、蛍光灯、白熱灯、および事実上任意の他の光の供給源のうちの1つまたはそれ以上を含む、実質的に任意の光の供給源であってよい、または実質的に任意の光エミッターを備えてもよく、ただしそれらに限定されない。光源によって生成された光は、特定の色を有してよい(すなわち、特定の波長の光を含んでよい)、または特定の範囲の波長(例えば、白色光)であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、複数の光エミッターを備えてもよい。例えば、光源は、光エミッターの少なくとも1つが、そのセットまたはグループの少なくとも1つの他の光エミッターによって生成される光の色または波長とは異なる色を有する光、または同等にそれとは異なる波長を有する光を生成する、光エミッターのセットまたはグループを含んでもよい。異なる色は、例えば原色(例えば、赤色、緑色、青色)を含んでよい。別の例では、複数の光エミッターは、光源の幅にわたって一列にまたはアレイとして配置されてよい。
【0044】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたはそれ以上」を有することが意図されている。例えば、「マルチビーム要素」は1つまたはそれ以上のマルチビーム要素を意味し、したがって、本明細書では「マルチビーム要素」は「マルチビーム要素(複数)」を意味する。また、本明細書における「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「前方(front)」、「後方(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」または「右(right)」への言及はいずれも、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用される場合、一般に、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味するか、または特に明記しない限り、プラスまたはマイナス10%、プラスまたはマイナス5%、またはプラスまたはマイナス1%を意味する場合がある。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、またはほとんどすべて、またはすべて、または約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみが意図されており、限定ではなく説明の目的で提示されている。
【0045】
本明細書に開示された原理に従って、光源が提供される。
図3Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における光源100の断面図を示す。
図3Bは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、例における
図3Aの光源100の一部の拡大断面図を示す。特に、
図3Aおよび
図3Bは、
図7Aおよび
図7Bを参照して以下により詳細に説明するように、例えばマルチビューバックライトにおいて有用な光源100の一実施形態を描写する。
【0046】
様々な実施形態によれば、光源100は、光エミッター110を備える。いくつかの実施形態では、光エミッター110は、これに限定されないが、発光ダイオード(LED)またはレーザ(例えば、レーザダイオード)を含む様々な光エミッターのいずれかであるか、またはそれを備えてよい。いくつかの実施形態では、光エミッター110は、光源100の水平方向(y方向)に、またはその幅にわたって分散された複数の光エミッターまたは光エミッターのアレイ(例えば、LEDアレイ)を備えてもよい。光エミッター110は、光を放射光112として放射するように構成される。様々な実施形態において、放射光112は、光エミッター110によって、光源100の出力開口102に向かう一般的な方向に向けられてよい。これに関連して、光エミッター110がLEDを備える場合、光源100はLEDパッケージと呼ばれてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、光エミッター110は、比較的コリメートされていない形態で、または比較的広いビーム幅(例えば、約90度より大きい)を有する光のビームとして、放射光112を提供する場合がある。特に、いくつかの実施形態では、放射光112の放射パターンは、ランバート分布、すなわち、
図3Aに示すような単一のローブを有し得る。
【0047】
図示のように、光源100は、放射制御層120をさらに備える。様々な実施形態(例えば、図示されているように)によれば、放射制御層120は、第1の複数の遮光要素122および第2の複数の遮光要素124を備える。図示のように、第1の複数の遮光要素122または第1の複数の遮光要素の第1の遮光要素122は、出力開口102において、例えばz軸に沿って、垂直方向に互いに離間している。様々な実施形態によれば、第2の複数の遮光要素124または第2の複数の遮光要素の遮光要素は、出力開口102から変位され、第1の複数の遮光要素122と交互に配置されている。例えば、第2の複数の遮光要素124は、x軸に沿って光エミッター110に向かって変位されるものとして
図3A~
図3Bに示されている。さらに、図示されるように、第2の複数の遮光要素の個々の遮光要素124は、第1の複数の遮光要素の個々の遮光要素122の間に交互に配置される。したがって、
図3Aのx方向で考慮すると、個々の遮光要素124は、個々の遮光要素122間の空間と整列される、すなわち、図示のように、第2の複数の遮光要素124は、x方向から考慮すると、z方向に沿って第1の複数の遮光要素122と交互に配置される。
【0048】
様々な実施形態によれば、放射制御層は、放射光112の一部を、第1の複数の遮光要素122の遮光要素122と第2の複数の遮光要素124の遮光要素124との間の間隙120a、120bを通して透過させるように構成される。放射光の一部の透過は、図示のように、垂直方向に、例えばz方向に二叉の放射パターンを有する出力光104を光源100の出力開口102において提供するように構成される。特に、いくつかの実施形態によれば、出力光の二叉の放射パターンは、垂直方向(z方向)に正の角度を有する第1のローブ104aと、垂直方向(z方向)に負の角度を有する第2のローブ104bとを備えてよい。出力光104の二叉の放射パターンの第1のローブ104aは、一セットの第1の間隙120aを通って透過された放射光112の一部を含んでよく、その一方で、放射光112の別の部分が透過する一セットの第2の間隙120bは、例えば、第2のローブ104bの出力光104を提供してよい。さらに、二叉の放射パターンの第1のローブ104aの正の角度および第2のローブ104bの負の角度は、出力開口102の表面法線に対して、すなわち、
図3Aに示すようなx軸に対してx-z平面内に画定された角度であってよい。
【0049】
様々な実施形態によれば、遮光要素122、124は、光の透過を遮断する、または少なくとも実質的に遮断する事実上任意の不透明材料を備えてよい。例えば、遮光要素122、124は、黒色塗料または黒色インクを含んでもよい。別の例では、遮光要素122、124は、不透明な透明材料、層、またはストリップを備えてよい。いくつかの実施形態では、遮光要素122、124は、反射性材料を含んでもよい。特に、遮光要素122、124は、反射性金属(例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケルなど)および反射性金属-ポリマー複合材料(例えば、アルミニウムーポリマー複合材料)のうちの1つのうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遮光要素122、124は、同じ材料(例えば、両方とも反射性金属であり得る、または両方とも反射性金属-ポリマー複合材料であってもよい)を含んでもよい。他の実施形態では、第1の複数の遮光要素の遮光要素122の材料および材料特性は、第2の複数の遮光要素の遮光要素124の材料および材料特性と異なっていてもよい。例えば、第1の複数の遮光要素122は反射性材料を含んでもよく、第2の複数の遮光要素124は不透明であるが、実質的に非反射性の材料を含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の複数の遮光要素122および第2の複数の遮光要素124は、材料のストリップ(例えば、不透明材料、反射性材料など)であるか、またはそれを備える。
図4は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層120の斜視図を示す。
図4に示すように、第1の複数の遮光要素122は、例えば出力開口102の平面内で、z方向に互いに離間した不透明材料のストリップを備える。
図4に示す第2の複数の遮光要素124は、第1の複数の遮光要素の平面からx方向に変位されている。さらに、第2の複数の遮光要素の遮光要素124はまた、第1の複数の遮光要素122と交互に配置されるようにz方向に互いに離間された不透明材料のストリップを備える。また、
図4には、第1の複数の遮光要素122の遮光要素122と第2の複数の遮光要素124の遮光要素124との間の第1の間隙120aおよび第2の間隙120bも示されている。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、放射制御層は、光エミッターと出力開口との間に透明材料のシートまたは層をさらに備えてよく、透明材料層は、出力開口に隣接する透明材料層の表面に水平方向に配向された複数の溝を有する。
図5は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層120の斜視図を示す。特に、
図5は、透明材料126の表面に水平方向(y方向)に配向された溝128を有する透明材料の層126を含む放射制御層120を示す。これらの実施形態によれば、第1の複数の遮光要素122の遮光要素122は、例えば図示されるように、複数の溝の溝128の間の透明材料層表面上に配置された遮光材料の層を備えてよい。さらに、図示するように、これらの実施形態のいくつかによれば、第2の複数の遮光要素124の遮光要素124は、複数の溝の溝128の各々の底部上または底部に配置された遮光材料の層を備えてよい。例えば、遮光要素122、124を設けるために、溝128の底部上および溝128の間の透明材料の層126の表面上に反射性材料の層(例えば、反射性金属または反射性金属-ポリマー複合材料)を設ける、または堆積(例えば、スパッタ蒸着、蒸着、印刷などによって)させてもよい。様々な実施形態によれば、透明材料層の透明材料126は、これらに限定されないが、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)、実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)、および同様の他の誘電材料のうちの1つまたはそれ以上を含む、実質的に任意の光学的に透明または実質的に透明な材料を含んでよい。
【0052】
様々な実施形態によれば、溝128は、様々な形状および構成の側壁を有し得る。例えば、複数の溝のうちの溝128の側壁は、透明材料層表面に対して垂直であってよい、または実質的に垂直であってもよい。別の例では、複数の溝のうちの溝128の側壁は湾曲形状を有してもよい。様々な実施形態によれば、側壁の傾斜は正または負のいずれかであってよく、溝128の各側壁は同一形状または互いとは異なる形状のいずれかを有してよい。
【0053】
図6Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における放射制御層120の透明材料の層126内の溝128の断面図を示す。特に、
図6Aは、垂直側壁128aを有する溝128を示す。また、
図6Aには、複数の溝の溝128の間の透明材料表面上の第1の複数の遮光要素122の遮光要素122と、溝128の底部上または底部にある第2の複数の遮光要素124の遮光要素124とが示されている。第1の複数の遮光要素および第2の複数の遮光要素それぞれの遮光要素122、124の幅は、例えば
図6Aに示すように、垂直側壁128aのおかげで実質的に同様であり得る。
【0054】
図6Bは、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における放射制御層120の透明材料の層126内の溝128の断面図を示す。
図6Bに示すように、溝128は湾曲した側壁128bを有する。
図6Bはまた、複数の溝の溝128の間の透明材料の表面上の第1の複数の遮光要素の遮光要素122と、溝128の底部上または底部にある第2の複数の遮光要素の遮光要素124とを示す。
【0055】
図6Cは、本明細書に記載の原理と一致するさらに別の実施形態による、一例における放射制御層120の透明材料の層126内の溝128の断面図を示す。特に、
図6Cは、傾斜した側壁128cを有する溝128を示す。
図6Cに示す傾斜した側壁128cは、限定ではなく一例として示すように、負の傾斜を有する。負の傾斜のために、溝128の底部にある第2の複数の遮光要素の遮光要素124は、
図6Cに示されるように、第1の複数の遮光要素の遮光要素122よりも幅が広い。なお、傾斜した側壁128cが正の傾斜を有する場合(図示せず)、第2の複数の遮光要素124の遮光要素124は一般に、第1の複数の遮光要素の遮光要素122よりも幅が狭くなる。
【0056】
いくつかの実施形態(図示せず)では、例えば、第1の複数の遮光要素122および第2の複数の遮光要素124の一方または両方の遮光要素122、124が反射性材料を含む場合、放射制御層120は、遮光要素122、124によって反射された光を再利用するように構成されてもよい。特に、遮光要素122、124は、放射光112の一部を出力開口102から離れて光エミッター110に向けて反射するように構成されてよい。いくつかの実施形態によれば、反射された部分は再利用され、光エミッター110によって放射制御層120に方に再度向けられてよい。例えば、光エミッター110は、反射された部分を出力開口102に向けて戻す反射器または反射散乱層を備えてもよい。反射器は、例えば、光エミッター110のハウジングの一部であってもよい。別の例では、放射制御層120は、例えば、放射制御層120の入力面に反射器または部分反射層を備えてもよく、これは、反射された部分を選択的に反射し、光源100の出力開口102に向けて戻すように構成される。部分反射層の例には、これらに限定されないが、反射偏光子およびいわゆる半銀ミラーが含まれる。様々な実施形態によれば、反射された部分を再利用することにより、光源100の輝度の向上または電力効率の向上をもたらすことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、遮光要素122、124のサイズまたは幅、第1の複数の遮光要素122と第2の複数の遮光要素124との間の変位または分離、および第1の複数の遮光要素の遮光要素122および第2の複数の遮光要素の遮光要素124の数のうちの1つまたはそれ以上が選択されて、二叉の放射パターンの特性を制御してもよい。例えば、変位または分離を選択または変更することによって、二叉の放射パターンの第1のローブ104aおよび第2のローブ104bの角度が調整されてもよい。別の例では、第1のローブ104aおよび第2のローブ104bの広がり角度は、遮光要素122、124の幅によって決定されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の複数の遮光要素の遮光要素122および第2の複数の遮光要素の遮光要素124の幅は、約5マイクロメートル(5μm)~約50マイクロメートル(50μm)であってよい。例えば、遮光要素122、124の幅は、25マイクロメートル(25μm)程度であってもよい。他の例では、遮光要素122、124の幅は、約10マイクロメートル(10μm)~約40マイクロメートル(40μm)または約20マイクロメートル(20μm)~約30マイクロメートル(30μm)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数の遮光要素122と第2の複数の遮光要素124との間の変位または分離は、約5マイクロメートル(5μm)~約50マイクロメートル(50μm)であってもよい。例えば、第1の複数の遮光要素122と第2の複数の遮光要素との間の変位は、約25マイクロメートル(25μm)であってもよい。他の例では、変位は、約10マイクロメートル(10μm)~約40マイクロメートル(40μm)または約20マイクロメートル(20μm)~約30マイクロメートル(30μm)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数の遮光要素内に約3個から約50個の遮光要素122が存在してよい、または第2の複数の遮光要素124内に約2個から約49個の遮光要素124が存在してもよい。例えば、第1の複数の遮光要素122は約8個あり、第2の複数の遮光要素124は約7個であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数の遮光要素および第2の複数の遮光要素の各々における遮光要素122、124は、等しい幅、例えば50パーセント(50%)のデューティサイクルを有する。他の実施形態では、第1の複数の遮光要素の遮光要素122の幅は、第2の複数の遮光要素の遮光要素124の幅と異なってもよい。これらの実施形態では、遮光要素の幅のデューティサイクルは、約1パーセント(1%)~約75パーセント(75%)の範囲であり得る。デューティサイクルが50パーセント(50%)でない場合、第1の複数の遮光要素122の幅は、第2の複数の遮光要素124の幅よりも大きくても小さくてもよく、すなわち、いくつかの実施形態では、デューティサイクルは正であっても負であってもよいことに留意されたい。さらに、上記の幅寸法は、約400マイクロメートル(400μm)のライトガイドの厚さに基づいており、他のライトガイドの厚さ、例えば、後述するライトガイド210に応じて調整されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、光源100は、これらに限定されないが、マルチビューバックライトなどのバックライトに光を供給するために使用されてよい。特に、本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、上述の光源100と実質的に同様の光源を備えるマルチビューバックライトが提供される。
【0060】
図7Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト200の断面図を示す。
図7Bは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト200の斜視図を示す。
図7Aおよび
図7Bに示されるマルチビューバックライト200は、(例えば、ライトフィールドとして)互いに異なる主角度方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。特に、提供された指向性光ビーム202は、様々な実施形態によれば、マルチビューディスプレイのそれぞれのビュー方向で対応する異なる主角度方向にマルチビューバックライト200から離れるように向けられる。いくつかの実施形態では、指向性光ビーム202は、3D内容を有する情報の表示を容易にするために(例えば、以下で説明するように、光弁を使用して)変調されてもよい。
【0061】
図7A~
図7Bに示すように、マルチビューバックライト200は、ライトガイド210を備える。いくつかの実施形態によれば、ライトガイド210は、プレートライトガイドであってもよい。ライトガイド210は、ガイド光204として、ライトガイド210の長さに沿って光をガイドするように構成される。例えば、ライトガイド210は、光導波路として構成された誘電材料を含み得る。誘電材料は、誘電材料光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有してよい。屈折率の差は、例えば、ライトガイド210の1つまたはそれ以上のガイドモードに従って、ガイド光204の全内部反射を促進するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ライトガイド210は、光学的に透明な誘電材料の延長された実質的に平面のシートを備えるスラブまたはプレート光導波路であってよい。誘電材料の実質的に平坦なシートは、全内部反射を使用してガイド光204をガイドするように構成される。様々な例によれば、ライトガイド210の光学的に透明な材料は、これらに限定されないが、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)および実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つまたはそれ以上を含む様々な誘電材料のいずれかを含むか、またはそれらで構成されてもよい。いくつかの例では、ライトガイド210は、ライトガイド210の表面(例えば、上面および底面の一方または両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含む場合がある。いくつかの例によれば、クラッド層は、全内部反射をさらに促進するために使用されてよい。
様々な実施形態によれば、ライトガイド210は、ライトガイド210の第1のガイド面210’(例えば、「前」面または側面)と第2のガイド面210’’(例えば、「裏」面または側面)との間の非ゼロ伝播角度での全内部反射に従ってガイド光204をガイドするように構成されている。ガイド光204はまた、いくつかの実施形態によれば、コリメーション係数σに従ってガイドされてもよい。本明細書で定義されるように、「非ゼロ伝搬角度」は、ライトガイド210のガイド面(例えば、第1のガイド面210 ’または第2のガイド面210’’)に対する角度である。さらに、非ゼロ伝播角度は、様々な実施形態によれば、ゼロよりも大きく、かつライトガイド210内の全内部反射の臨界角よりも小さい。
図7Aにおいて、太い矢印は、ライトガイド210内のガイド光204のガイドされた光(例えば、x方向に向けられた)の伝播方向203を示す。
【0063】
図7A~
図7Bに示すように、マルチビューバックライト200は、ライトガイド210内でガイドされるべき二叉の放射パターンを有する出力光をガイド光204として提供するように構成された光源220をさらに備える。図示のように、光源220は、ライトガイド210の入力縁部に光学的に結合され、入力縁部を介して二叉の放射パターンを有する出力光をライトガイド210に導入するように構成される。ライトガイド210によって導入され、ガイドされると、出力光はガイド光204になるか、またはガイド光204として機能し、ガイド光204はまた二叉の放射パターンを有するか、または二叉の放射パターンを含む。特に、図示のように、二叉の放射パターンは、ライトガイド210の第1のガイド面210’に向かう角度を有する第1のローブ204aと、ライトガイド210の第2のガイド面210’’に向かう角度を有する第2のローブ204bとを含む。様々な実施形態によれば、第1のローブ204aおよび第2のローブ204bの角度は、ガイド光204の非ゼロ伝播角度に対応し得る。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、光源220は、上述の光源100と実質的に同様であってもよい。例えば、
図7Aに示すように、光源220は、光エミッター222および放射制御層224を備える。いくつかの実施形態では、光エミッター222は、上述の光源100の光エミッター110と実質的に同様であってもよい。同様に、放射制御層224は、いくつかの実施形態によれば、光源100に関して上述した放射制御層120と実質的に同様であってもよい。特に、放射制御層224は、第1の複数の遮光要素と、第2の複数の遮光要素とを含み、第2の複数の遮光要素は、図示のように、第1の複数の遮光要素から離れるように変位されており、第1の複数遮光要素と交互に配置されている。放射制御層224は、光エミッター222によって放射された光を、第1の複数の遮光要素の遮光要素と第2の複数の遮光要素の遮光要素と間の間隙を通して透過させることにより、二叉の放射パターンを有する出力光に変換する。
【0065】
様々な実施形態(例えば、
図7A~
図7Bに示すような)によれば、マルチビューバックライト200は、ライトガイド210の長さに沿って、または概ねその全域にわたって互いに離間したマルチビーム要素230のアレイをさらに備える。特に、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素230は、有限の空間によって互いに分離されており、ライトガイドの長さに沿った個々の別個の要素を表す。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、アレイのマルチビーム要素230は、一次元(1D)アレイまたは二次元(2D)アレイのいずれかに配置されてよい。例えば、複数のマルチビーム要素230は、線形1Dアレイとして配置され得る。別の例では、マルチビーム要素230のアレイは、長方形の2Dアレイとして、または円形の2Dアレイとして配置されてもよい。さらに、アレイ(すなわち、1Dまたは2Dアレイ)は、いくつかの例では、規則的または均一なアレイであってもよい。特に、マルチビーム要素230間の要素間距離(例えば、中心間距離または間隔)は、アレイ全域にわたって実質的に均一または一定であり得る。他の例では、マルチビーム要素230間の要素間距離は、アレイ全域にわたって、およびライトガイド210の長さに沿っての一方またはその両方で変化してもよい。
【0067】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素230は、ガイド光204の一部を指向性光ビーム202として結合出力または散乱出力させるように構成される。特に、
図7A~
図7Bは、指向性光ビーム202を、ライトガイド210の第1(または前方)のガイド面210’から離れるように向けられるように描かれた複数の分岐する矢印として示している。いくつかの実施形態(例えば、
図7Aに示すような)によれば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素230は、ライトガイド210の第1のガイド面210’に配置されてよい。他の実施形態(図示せず)では、マルチビーム要素230は、ライトガイド210内に配置されてもよい。さらに他の実施形態(図示せず)では、マルチビーム要素230は、ライトガイド210の第2のガイド面210’’に、またはその上に配置されてもよい。さらに、マルチビーム要素230のサイズは、マルチビューバックライト200を使用するマルチビューディスプレイの光弁のサイズに匹敵し得る。
【0068】
図7Aおよび
図7Bはまた、限定ではなく例として、光弁206のアレイ(例えば、マルチビューディスプレイ)を示す。様々な実施形態では、これに限定されないが、液晶光弁、電気泳動光弁、およびエレクトロウェッティングに基づく、またはエレクトロウェッティングを使用する光弁のうちの1つまたはそれ以上を含む、光弁アレイの光弁206として、様々な異なるタイプの光弁のいずれかが使用されてよい。さらに、図示のように、マルチビーム要素230のアレイの各マルチビーム要素230に対して、光弁206の1つの固有のセットが存在してよい。光弁アレイは、例えば、指向性光ビーム202を変調してマルチビュー画像を提供するように構成されてよい。光弁206の固有のセットは、マルチビュー画像を表示するように構成され、例えば、指向性光ビーム202を提供するためにマルチビューバックライト200を使用するマルチビューディスプレイのマルチビューピクセル206’に対応し得る。
【0069】
本明細書では、「サイズ」は、これに限定されないが、長さ、幅、または面積を含むように様々な方法のいずれかで定義されてよい。例えば、光弁(例えば、光弁206)のサイズはその長さであってもよく、マルチビーム要素230の匹敵するサイズもまたマルチビーム要素230の長さであってよい。別の例では、サイズは、マルチビーム要素230の面積が光弁の面積に匹敵し得る面積を指す場合がある。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素230のサイズは、マルチビーム要素のサイズが光弁サイズの約25パーセント(25%)~約200パーセント(200%)になるような光弁サイズに匹敵する。例えば、マルチビーム要素サイズが「s」で示され、光弁サイズが「S」で示される場合(例えば、
図7Aに示すように)、マルチビーム要素のサイズsは式(2)によって次のように与えられてよい。
【数2】
他の例では、マルチビーム要素のサイズは、光弁サイズの約50パーセント(50%)超、または光弁サイズの約60パーセント(60%)、または光弁サイズの約70パーセント(70%)、または光弁サイズの約80パーセント(80%)超、または光弁サイズの約90パーセント(90%)超であり、マルチビーム要素は、光弁サイズの約180パーセント(180%)未満、または光弁サイズの約160パーセント(160%)未満、または光弁サイズの約140パーセント(140%)未満、または光弁サイズの約120パーセント(120%)未満である。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素230および光弁の比較可能なサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間のダークゾーンを低減する、またはいくつかの例では最小化するのと同時に、マルチビューディスプレイのビュー間または同等にマルチビュー画像のビュー間のオーバーラップを低減する、または一部の例では最初かするように選択されてよい。
【0070】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素230は、ガイド光204の一部を結合出力するように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備えてよい。例えば、異なる構造は、これらに限定されないが、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはそれらの様々な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、回折格子を含むマルチビーム要素230は、ガイド光の一部を、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビーム202として回折的に結合出力するように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を含むマルチビーム要素230は、ガイド光の一部を複数の指向性光ビーム202として反射的に結合出力するように構成されるか、またはマイクロ屈折要素を含むマルチビーム要素230は、屈折によって、または屈折を使用して(すなわち、ガイド光部分を屈折的に結合出力する)、ガイド光の一部を複数の指向性光ビーム202として結合出力するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、光源220の光エミッターは、上述の光エミッター110と実質的に同様である。例えば、光源220の光エミッターは、これらに限定されないが、1つまたはそれ以上の発光ダイオード(LED)またはレーザ(例えば、レーザダイオード)を含む実質的に任意の光源を備えてよい。いくつかの実施形態では、光源220は、特定の色で示される狭帯域スペクトルを有する実質的に単色の光を生成するように構成されてもよい。特に、単色光の色は、特定の色空間または色モデル(例えば、赤-緑-青(RGB)カラーモデル)の原色であってもよい。他の例では、光源220は、実質的に広帯域または多色の光を提供するように構成された実質的に広帯域の光源として機能する場合もある。例えば、光源220は、例えば、光源100に関して上述したように白色光を提供してもよい。いくつかの実施形態では、光源220は、異なる色の光を提供するように構成された複数の異なる光エミッター、例えば複数の光源220を備えてもよい。いくつかの実施形態では、異なる光エミッターは、異なる色の光のそれぞれに対応するガイド光204の異なる、色固有の非ゼロ伝搬角度を有する光を提供するように構成され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト200は、二叉の放射パターンを有するガイド光204の伝播方向203に直交する、ライトガイド210を通り抜ける方向の光に対して実質的に透明であるように構成される。特に、ライトガイド210およびマルチビーム要素アレイの離間したマルチビーム要素230は、いくつかの実施形態では、光が第1のガイド面210’および第2のガイド面210’’の両方を通ってライトガイド210を通過することを可能にする。マルチビーム要素230のサイズが比較的小さいこと、およびマルチビーム要素230の要素間間隔(例えば、マルチビューピクセル206’との一対一対応)が比較的大きいことの両方のために、透明性は少なくとも部分的に促進され得る。さらに、特にマルチビーム要素230が回折格子を含む場合、いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素230はまた、ガイド面210’、210’’に直交して伝播する光に対して実質的に透明であり得る。透明性は、例えば、広角放射光を提供するために、第2のガイド面210’’に隣接する広角バックライトの組み込みおよび使用を容易にし得る。広角放射光は、いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト200と広角バックライトの両方を含むマルチビューディスプレイに二次元(2D)画像を表示するために使用されてよい。
【0073】
図8は、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト300のブロック図を示す。
図8に示すように、マルチビューバックライト300は、二叉の放射パターンの光源310を備える。二叉の放射パターンの光源310は、光を放射するように構成された光エミッターを備える。二叉の放射パターンの光源310は、光エミッターによって放射された光を、二叉の放射パターンを有する出力光302に変換するように構成された放射制御層をさらに備える。
【0074】
図8に示すマルチビューバックライト300は、ライトガイド320をさらに備える。ライトガイド320は、出力光302をガイド光として受け取り、ガイドするように構成される。様々な実施形態によれば、出力光302の二叉の放射パターンは、ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられた第1のローブと、ライトガイド320の第2のガイド面に向かって角度が付けられた第2のローブとを含む。いくつかの実施形態では、ライトガイド320は、上述したように、マルチビューバックライト200のライトガイド210と実質的に同様であってよい。
【0075】
様々な実施形態によれば、マルチビューバックライト300は、
図8に示すように、マルチビーム要素330のアレイをさらに備える。マルチビーム要素330のアレイは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向、または同等にマルチビューバックライト300を使用するマルチビューディスプレイに表示されるマルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる方向を有する複数の指向性光ビーム304としてガイド光の一部を散乱出力するように構成される。様々な実施形態では、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素330は、異なる方向を有する複数の指向性光ビーム304を別々に提供するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、二叉の放射パターンの光源310は、上述の光源100と実質的に同様であってよい。特に、いくつかの実施形態では、光エミッターは、光源100と実質的に同様であってよく、放射制御層は、上述の光源100の放射制御層120と実質的に同様であってよい。
【0077】
例えば、放射制御層は、いくつかの実施形態では、二叉の放射パターンの光源の出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素を備えてよい。さらに、放射制御層はまた、出力開口から変位され、第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素も備えてよい。これらの実施形態のいくつかでは、垂直方向は、ライトガイド320の第1のガイド面および第2のガイド面の一方または両方に対して垂直である、またはほぼ垂直である。様々な実施形態によれば、放射制御層は、光エミッターによって放射された光の一部を、第1の複数の遮光要素と第2の複数の遮光要素との間の間隙を通して透過させて、二叉の放射パターンを有する出力光302を出力開口において提供するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、放射制御層は、光エミッターと出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、透明材料層は、出力開口に隣接する透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有する。これらの実施形態では、第1の複数の遮光要素の遮光要素は、複数の溝の溝の間の透明材料層表面上に配置された遮光材料の層を備えてよい。加えて、第2の複数の遮光要素の遮光要素は、これらの実施形態では、複数の溝の各溝の底部に、または底部上に配置された遮光材料の層を備えてよい。上述の放射制御層120の透明材料126と同様に、放射制御層の透明材料層は、様々な実施形態によれば、これらに限定されないが、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)、実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)、および同様の他の誘電材料のうちの1つまたはそれ以上を含む、事実上任意の光学的に透明または実質的に透明な材料を含んでよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、放射制御層の第1の複数の遮光要素および第2の複数の遮光要素の一方または両方の遮光要素は、反射性材料を含み得る。反射性材料は、放射光の一部を出力開口から離れて光エミッターに向けて反射するように構成される。反射性材料は、これらに限定されないが、反射性金属および反射性金属-ポリマー複合材料(例えば、およびアルミニウムーポリマー複合材料)のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。透明材料層を含む上述の実施形態では、反射性材料は、溝の間の透明材料表面上、および溝の底部に、または底部上の一方または両方に堆積された層であってもよい。いくつかの実施形態によれば、反射された部分は再利用され、光エミッターによって放射制御層の方に再度向けられてよい。例えば、光エミッターの反射器または反射部材は、反射された部分を放射制御層に向けて戻すように反射し、リサイクルを提供するように構成されてもよい。上述したように、リサイクルは、いくつかの実施形態によれば、二叉の放射パターンの光源310の全体的な効率および輝度の一方または両方を改善することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ライトガイド320は、マルチビューバックライト200に関して上述したライトガイド210と実質的に同様であってよい。例えば、ライトガイド210は、プレートライトガイドであってよい。さらに、ライトガイド320は、ライトガイドの第1のガイド面と第2のガイド面との間の全内部反射(TIR)に従って光をガイドするように構成された誘電材料を含んでもよい。さらに、ライトガイド320は、非ゼロ伝播角度(例えば、二叉の放射パターンの第1のローブおよび第2のローブの一方または両方に対応する角度)で光をガイドするように構成されてもよい。また、ライトガイド320は、所定のコリメーション係数を有するコリメート光として光をガイドするように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、ライトガイド320の誘電材料は、これらに限定されないが、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)および実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つまたは複数を含む様々な誘電材料のいずれかを含むか、それらで構成されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素330のアレイは、マルチビューバックライト200に関して上述したマルチビーム要素230のアレイと実質的に同様であってよい。例えば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素330は、ライトガイド320の長さに沿って、または概ねライトガイド320全域にわたって互いに離間されてもよい。さらに、マルチビーム要素230は、ライトガイド320に光学的に接続され、ガイド光の一部を散乱出力するように構成された回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つまたはそれ以上を備えてもよい。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素330のサイズは、マルチビューバックライト300を使用するマルチビューディスプレイの光弁のアレイ内の光弁のサイズの25パーセント(25%)~200パーセント(200%)であり得る。
【0082】
いくつかの実施形態(例えば、図示されているような)では、マルチビューバックライト300をマルチビューディスプレイで使用して、マルチビュー画像を提供してもよい。
図8は、マルチビューディスプレイ400をさらに示す。マルチビューディスプレイ400は、マルチビューバックライト300を備え、光弁410のアレイをさらに備える。光弁410のアレイは、複数の指向性光ビームの指向性光ビーム304を変調するように構成され、変調された指向性光ビーム402はマルチビュー画像を表す。光弁410のアレイから延びる破線の矢印は、
図8に示すように、変調された指向性光ビーム402を表す。
【0083】
本明細書に記載の原理の他の実施形態によって、光源動作の方法が提供される。
図9は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、光源動作の方法500のフローチャートを示す。
図9に示すように、光源動作の方法500は、光エミッターを使用して光を放射するステップ510を含む。様々な実施形態によれば、光は、放射光として光源の出力開口に向けて放射される510。いくつかの実施形態では、光エミッターは、光源100に関して上述した光エミッター110と実質的に同様であってよい。例えば、光エミッターは、発光ダイオード(LED)またはLEDのアレイを備えてもよい。光を放射するステップ510は、上述の放射光112と実質的に同様の光を生成することができる。
【0084】
図9に示すように、方法500は、放射光の一部を放射制御層の遮光要素間の間隙を通して透過させて、二叉の放射パターンを有する出力光を出力開口において提供するステップ520をさらに含む。いくつかの実施形態では、放射制御層および二叉の放射パターンは、光源100に関して上述した放射制御層120および二叉の放射パターン(例えば、第1のローブ104aおよび第2のローブ104b)と実質的に同様であってよい。特に、放射制御層は、出力開口において垂直方向に互いに離間した第1の複数の遮光要素と、出力開口から変位され、第1の複数の遮光要素と交互に配置された第2の複数の遮光要素とを備えてよい。様々な実施形態によれば、間隙は、第1の複数の遮光要素と第2の複数の遮光要素との間にある。
【0085】
いくつかの実施形態では、遮光要素は反射性材料を備えてもよい。これらの実施形態では、光源動作の方法500は、放射光の別の部分を、再利用され、放射制御層の方に再度向けられるように、光エミッターに向けて戻すように反射するステップをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、放射制御層は、光エミッターと出力開口との間に透明材料の層をさらに備え、透明材料層は、出力開口に隣接する透明材料層の表面内に水平方向に配向された複数の溝を有する。これらの実施形態では、第1の複数の遮光要素の遮光要素は、複数の溝の溝の間の透明材料層表面上に配置された遮光材料(例えば、不透明材料または反射性材料)の層を備えてよい。同様に、これらの実施形態では、第2の複数の遮光要素の遮光要素は、複数の溝の各溝の底部上に配置された遮光材料(例えば、不透明材料または反射性材料)の層を備えてよい。
【0087】
いくつかの実施形態(図示せず)では、光源動作の方法500は、ライトガイドを使用して光源から二叉の放射パターンを有する出力光を受け取るステップをさらに含んでよい。いくつかの実施形態によれば、二叉の放射パターンの第1のローブは、ライトガイドの第1のガイド面に向かって角度が付けられてよく、二叉の放射パターンの第2のローブは、ライトガイドの第2のガイド面に向かって角度が付けられてよい。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、マルチビューバックライト200のライトガイド210と実質的に同様であってよい。
【0088】
さらに、いくつかの実施形態(図示せず)では、光源動作の方法500は、受け取った光をライトガイド内で二叉の放射パターンに従ってガイド光としてガイドするステップをさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、ガイド光は、非ゼロ伝播角度で、および所定のコリメーション係数を有することの一方または両方でガイドされてよい。
【0089】
さらに、光源動作の方法500は、マルチビーム要素のアレイを使用して、ガイド光の一部を複数の指向性光ビームとしてライトガイドから散乱出力するステップを含んでよい。様々な実施形態によれば、マルチビーム要素アレイによって散乱された複数の光ビームの指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する方向を有する。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のアレイは、上述のマルチビューバックライト200のマルチビーム要素230のアレイと実質的に同様であってよい。
【0090】
したがって、二叉の放射パターンを提供するように構成された光源、この光源を使用するマルチビューバックライト、および二叉の放射パターンを有する出力光を提供する光源動作の方法の例および実施形態を説明してきた。上述の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例のうちのいくつかの単なる例示であることを理解されたい。明らかに、当分野の技術者は、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。