(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】建物周囲システム
(51)【国際特許分類】
E04B 9/30 20060101AFI20230724BHJP
E04F 19/04 20060101ALI20230724BHJP
E04B 9/20 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
E04B9/30 A
E04F19/04 Z
E04B9/20 A
(21)【出願番号】P 2021568704
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(86)【国際出願番号】 US2020033384
(87)【国際公開番号】W WO2020236704
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-04-12
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512127109
【氏名又は名称】ユーエスジー・インテリアズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンダーコフラー、アブラハム エム.
(72)【発明者】
【氏名】グルブランセン、ペーダー ジェイ.
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-194884(JP,A)
【文献】特開2015-203283(JP,A)
【文献】米国特許第09476194(US,B1)
【文献】米国特許第06446394(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/20,9/30
E04F 19/04,19/06
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放底部ポケットを形成する少なくとも上部および
側壁を有する建築周囲ポケットアセンブリであって、前記
側壁は、上部セクションと、前記上部セクションとは別個に形成され、前記上部セクションに沿って延びる下部延長セクションとを含み、前記上部セクションおよび下部延長セクションの各々は、
互いに組み合わせることで前記
側壁の垂直高さ
を形成し、前記上部セクションは結合形成
部を含み、前記下部延長セクションは結合形成
部を含み、前記上部セクションの前記結合形成
部は、前記上部セクションの下端に隣接し、前記下部延長セクションの前記結合形成
部は、前記下部延長セクションの上端に隣接し、前記上部セクション及び前記下部延長セクションの結合形成
部は、前記上部セクションが前記下部延長セクションを垂直に支持し、前記下部延長セクションの振り子運動を抑制することを可能にする
ように前記上部セクション及び前記下部延長セクションの主要部分から水平方向に変位され、前記上部セクションおよび前記下部延長セクションの結合形成
部は、2つの係合ゾーンを含む両セクションの相互係合表面を含み、前記上部セクションおよび前記下部延長セクションの表面は、前記2つの係合ゾーンの各々で相互に接触しており、前記2つの係合ゾーンは、前記下部延長セクションの垂直長さの少なくとも1/15に等しい距離だけ離間されており、前記相互係合表面は、前記下部延長セクションを設置位置へと前記上部セクションに対して上昇位置から下げることによって係合され、前記上部セクションの結合形成
部は、垂直に直立したフックを含み、前記下部延長セクションの結合形成
部は、前記直立したフックと相互係合するように適合された垂直に従属するフックを含み、前記上部セクションの結合形成
部は、さらに前記上部セクションの脚と直角フランジによって形成され、前記上部セクションの壁厚よりも広い幅の開放底部スロットを含み、前記スロットの垂直範囲は、前記直立したフック及び前記従属するフックの高さよりも大きく、前記直角フランジは、水平部と垂直部とを含み、前記水平部は前記上部セクションの脚から外側に突出し、前記垂直部は前記水平部から延び、前記下部延長セクションは、前記上部セクションの前記直角フランジの垂直部を貫通するねじによって前記上部セクションに対して所定の位置にロックされていることを特徴とする建築周囲ポケットアセンブリ。
【請求項2】
前記下部延長セクションは、垂直面から外向きに突出するフランジを含み、前記下部延長セクションは、前記垂直面に沿って存在し、前記フランジが、
前記下部延長セクションの安定性を補う安定化留め具に固定されるように
エル型断面を有することを特徴とする請求項1に記載の建築周囲ポケットアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面の上にポケットを提供する天井および壁の交差部のための建物周囲システムの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
壁、典型的には外壁に隣接する天井の周囲の上に位置するいわゆる「ポケット」を構築するための様々なシステムが提案されてきた。これらのポケットは、フレーミング材料および乾式壁から完全に現場で製造されているか、あるいは板金または押し出しアルミニウムのプレハブユニットまたは組み立てられたパネルで構築されている。従来技術の事前に製造されたアルミニウム押出物は、例えば、3つの一体側面を有する。
【0003】
周囲ポケットには、例えば、1つもしくは2つのロールアップシェード、カーテンロッドもしくはチャネル、格納式ブラインド、照明ストリップ、および/またはHVACグリルを収納することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周囲ポケットの必要な寸法は、建物の設計およびインテリアデザイナーの仕様によって異なる。現在の構造における一般的な設計変量は、ポケットの「深さ」、すなわち、適切な天井面からのポケットの垂直方向の上昇である。したがって、システムが設置されている建物の特定の用途に応じて、異なるポケットの深さを容易かつ便利に提供することができる周囲ポケットシステムが必要とされている。
【0005】
本発明は、異なるトリム延長部の選択された1つと結合する主要またはベースチャネル形状のポケットを備えた建物周囲システムを提供する。選択した延長部は、天井面からのポケットの望ましい上昇に対応する。延長部および主要ポケットチャネルには、主要チャネル上の延長部の振り子の動きに有利に抵抗する水平にロックされた接合への迅速な組み立てを容易にする嵌合部分がある。
【0006】
延長部には、音響天井タイルまたは乾式壁のシートを支持するために、下端に一体型フランジを設けることができる。好ましい実施形態では、延長部は、延長部の露出側の美観に穴を開けたり、またはさもなければ影響を与えたりすることなく安定化留め具を取り付けるために、その隠された側または外側にフランジを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の周囲ポケットアセンブリの端面図である。
【
図2】
図2は、周囲ポケットアセンブリの結合領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明のポケットアセンブリ10の例の端部または断面図を示す。図示の例では、アセンブリは、逆長方形のU字形チャネルの形態の主要部分11、および従属する概ね平面の延長部の形態の付属部分12を備える。チャネル11および延長部12は、10フィートなどの好適な長さで提供することができ、好ましくは、各々が、建築グレードのアルミニウムの一体型の一続きの押出物として形成することができる。
【0009】
限定ではないが例として、チャネル11の主要部分は、公称幅5インチで、上部13を横切って測定され、深さ5インチで、垂直脚または側面14、16に沿って測定され得る。
【0010】
図示のチャネル11および延長部12は、好ましくは、建築グレードのアルミニウムから押し出されている。チャネルおよび延長部12の上部ならびに側壁13、14、および16上の平面形成は、概ね均一な厚さの壁を有することが理解されよう。壁および延長部上のこれらの形成および他の隆起は、通常、対象部分の全長にわたって連続的に延びる。各部分11、12の長さは、
図1および
図2の図面の平面に垂直に突出していると理解される。
【0011】
チャネル11の内面にある押し出されたスロット20は、エンドプレートをチャネルの端部に固定するためのねじを受け入れることができる。チャネル11および延長部12の上部13および内脚または側面16の外面上の間隔を置いて対向するスロット21のセットは、米国特許第US9,476,194号に開示されるようなフレーミングクリップまたは米国特許第US9,464,433号に開示されるようなスプライスクリップを受け入れることができる。
【0012】
フック22を使用して、アセンブリ10を建物の外壁に吊るすことができる。チャネル11の上部13にある2つの直立フランジ23を使用して、それらの間に従来の板金スタッドを受け入れて取り付ける(attach)ことができ、それにより、建物へのアセンブリ10の取り付けを容易にする。
【0013】
理想的には、延長部12は実質的に平面であり、その片側にエル型断面のフランジ26を有する。留め具(図示せず)は、例えば、延長部12の安定性を補うためにセルフドリルねじを使用して、フランジ26のいずれかの外面に取り付けることができる。図示の実施形態では、延長部12の下端は、音響天井タイルを支持するためのフランジ27を含む。したがって、延長部21が取り付けられている内壁または側面16は、天井の周囲の外側の建物の壁から離れている。
【0014】
チャネル11および延長部12は、延長部をチャネル上に容易かつ迅速に手動で組み立て、チャネルによって支持することを可能にする、相互に係合可能な形成または結合要素を有する。チャネル上のこれらの要素は、直立した直角フック31および下向きの直角フランジ32を含み、脚または側面16の主要部分と、好ましくは実質的に大きい、すなわち、延長部12の壁の厚さの3倍を超える幅を有する、開放底部スロット33を形成する。延長部12の上縁にある結合要素は、水平フランジ34、およびフランジの下に垂直に間隔を空けられた従属フック35を含む。従属フック35の先端とフランジ34の上面との間の垂直距離は、直立フック31とフランジ32の水平部分36との間の距離よりも短い。延長部12の本体のオフセット37は、延長部がチャネルに取り付けられた(mounted)ときに、直立チャネルフック31をクリアする。
【0015】
通常の設置では、チャネル11は支持壁に取り付けられるか、またはさもなければ空間に固定される。その後、延長部12は、延長部12の向きによって直立フック31が回避される一方で、フランジ34が広いスロット33に位置付けられ得るように、延長部12を鉛直から傾けることによって、内側脚または側面16に手動で取り付けられる。延長部12がチャネル11に対して十分に上昇しているので、延長部の従属フック35は、チャネル脚16の直立フック31よりも高く、延長部12は、鉛直に振り戻され、次に下げられる。フック35および31は、スロット33内でフランジ34を相互に係合および維持し、直角フランジ32の垂直部分および脚16の隣接部分と相互係合する。
【0016】
図1および2に示されるように、フック31、34が互いに、および延長フランジ34がスロット33を形成する表面と相互係合することにより、チャネル11は、延長部12を垂直に支持し、これらの要素の間に形成された接合または結合の周りの延長部の下部の振り子またはスイング運動に抵抗することができる。チャネルと延長結合要素との垂直方向の間隔は、それらの壁の厚さよりも実質的に大きいか、または示されているように延長部の高さの少なくとも1/15が、剛性のあるアセンブリを得るのに有益である。
【0017】
延長部12およびチャネル11は、延長部12の上部フランジ34の上のチャネルフランジ32の垂直部分を通して駆動される、1つまたは複数の長手方向に間隔を置いたセルフドリルねじ38(1つは図に示されている)で一緒に解放可能にロックすることができる。ねじ38の取り外しは、組み立てステップを逆にすることによって、延長部12をチャネル11から分離することを可能にする。組み立てられると、チャネル脚16および延長部12の垂直面は実質的に一致する。
【0018】
チャネル11は、長方形のU字形の構成で示されているが、他の形状が企図されている。例えば、チャネル11は、上側または上面、および脚16に対応する従属脚のみを含む直角構成を有することができる。
【0019】
延長部12は、様々な高さ、例えば、4、6、および8インチで製造することができる。これにより、建築家またはインテリアデザイナーは、チャネルと組み合わせて、所望のポケットの高さを形成する延長部を選択することができる。
【0020】
本開示が例示であること、および本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく、詳細を追加、修正、または削除することによって様々な変更を行ってもよいことが明白であろう。したがって、本発明は、本開示の特定の詳細に限定されないが、以下の特許請求の範囲がそのように必然的に限定される範囲を除く。