(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】マクロライド誘導体、その製造方法および用途
(51)【国際特許分類】
C07D 498/22 20060101AFI20230724BHJP
A61K 31/529 20060101ALI20230724BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230724BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230724BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230724BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230724BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20230724BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
C07D498/22 CSP
A61K31/529
A61P43/00 111
A61P25/04
A61P35/00
A61P29/00
A61P33/00
A61P25/00
(21)【出願番号】P 2021569373
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020091434
(87)【国際公開番号】W WO2020233645
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】201910422337.4
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510116819
【氏名又は名称】浙江海正薬業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Hisun Pharmaceutical CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.46 Waisha Road,Jiaojiang District,Taizhou,Zhejiang 318000,P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】521508896
【氏名又は名称】上海昂睿医薬技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Aryl Pharmtech Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 3, 301 Minqiang Road, Songjiang, Shanghai, 201612, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】陳友喜
(72)【発明者】
【氏名】▲キョウ▼亮
(72)【発明者】
【氏名】朱行武
(72)【発明者】
【氏名】向清
(72)【発明者】
【氏名】毛文涛
(72)【発明者】
【氏名】葉成
(72)【発明者】
【氏名】胡泰山
(72)【発明者】
【氏名】陳磊
(72)【発明者】
【氏名】蒋国平
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-519806(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111171049(CN,A)
【文献】国際公開第2019/037761(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/185755(WO,A1)
【文献】特表2013-530142(JP,A)
【文献】特表2017-503867(JP,A)
【文献】特表2018-519343(JP,A)
【文献】RN 1054459-75-4 REGISTRY,DATABASE REGISTRY [ONLINE] Retrieved from STN,2008年09月29日,検索日: 21 OCT 2022
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩
:
【化1】
式中:
環B
は、
【化2】
から選択され;
X
は-NH-から選択され;
R
A
はメチルから選択され;
L
2
は-(CR
d
R
e
)
n
-から選択され;
R
d
は水素原子から選択され;
R
e
は水素原子、アルキルまたはアルコキシから選択され、前記アルキルまたはアルコキシは、任意に、ハロゲンから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
1
およびR
2
はそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルから選択され、
R
3
は水素原子から選択され;
nは1、2、または3から選択され;
qは1、2、または3から選択される。
【請求項2】
一般式(IV)もしくは(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって:
【化3】
式中:
G
1およびG
2は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、結合
、-(CR
hR
i)-または-O-から選択され;
R
hおよびR
iは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子
から選択され;
R
1およびR
2はそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子
、ハロゲン
、シアノ
またはアルキ
ルから選択され
;
R
Bは、水素原子
またはアルキ
ルから選択され
;
R
DおよびR
Eは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子
、ハロゲン
またはアルキ
ルから選択され;
L
2
およびR
3
は、請求項
1の定義の通りである;
請求項
1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
R
1
およびR
2
が、それぞれ独立して、水素原子、シアノ、F、Cl、Brまたはメチルから選択される、請求項1または2に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
R
B
が、水素原子またはメチルから選択される、請求項1または2に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
一般式(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって、
【化4】
式中:L
2、G
1、G
2、R
1~R
3、R
B、R
DおよびR
Eは、請求項
2の定義の通りである;
請求項
2に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式中:
L
2は、-(CR
dR
e)
n-から選択され;
R
dは、水素原子から選択され;
R
eは、水素原
子または
メチルから選択され
;および、
nは、1、2または3である;
請求項1
、2または5に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
前記化合物は、以下から選択される:
【化5】
【化6】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
有効量の、請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩と、
薬学的に許容可能な担体、賦形剤、またはそれらの組み合わせと、
を含む、薬学的組成物。
【請求項9】
TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼによって媒介される疾患を治療するための医薬品の製造における、請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、請求項
8に記載の薬学的組成物の使用
。
【請求項10】
TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼによって媒介される前記疾患は、疼痛、癌、炎症、神経変性疾患またはトリパノソーマ感染症である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記癌は、神経細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌、肉腫、頭頸部腫瘍および腎癌である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼの阻害剤の製造における、請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、請求項
8に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項13】
疼痛、癌、炎症、神経変性疾患またはトリパノソーマ感染症を治療するための医薬品の製造における、請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、請求項
8に記載の薬学的組成物の使用
。
【請求項14】
前記癌は、神経細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌、肉腫、頭頸部腫瘍および腎癌である、請求項13の使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、新規なマクロライド誘導体、その製造方法、当該誘導体を含む薬学的組成物、および、治療剤としての、特にTRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼの阻害剤としてのその用途に関する。
【0002】
〔背景技術〕
トロポミオシン関連受容体チロシンキナーゼ(TRK)は、ニューロトロフィン(NT)(タンパク質の神経栄養因子(NGF)ファミリー)の高親和性受容体である。神経栄養因子受容体チロシンキナーゼ遺伝子NTRK1、NTRK2およびNTRK3はそれぞれ、TRKA、TRKBおよびTRKCタンパク質をコードする。これらTRKA、TRKBおよびTRKCタンパク質は、すべてチロシンキナーゼであり、TRKファミリータンパク質と総称される。TRKタンパク質はすべて、類似した細胞外ドメイン構造を有するが、それぞれ異なるリガンドを有する:NGFはTRKAに結合し、脳由来神経栄養因子(BDNF)および神経栄養因子4(NT-4)はTRKBに結合し、神経栄養因子3(NT-3)はTRKCに結合する。
【0003】
遺伝子発現の研究は、TRKファミリーのメンバーが神経組織に広く発現し、神経細胞の維持、シグナル伝達および生存に関係していることを示す。NTRK遺伝子は、主に神経系で発現し、胚発育および成体でも発現する。シグナル誘導によって活性化されると、TRKは自己リン酸化を受けることがあり、下流のシグナル経路を活性化して様々な生理機能を実行する。TRKの下流のシグナル分子は、SHC、FRS2、PLCγ、MAPK、PI3K、PKCなどを含む。これらのシグナル分子の大部分は、細胞エネルギー交換、生存および増殖を含む機能に密接に関連している。TRKが機能不全に陥ると、細胞の生理機能が制御不能になることがあり、細胞が癌細胞になることさえある。TRKタンパク質の過剰発現、活性化、増幅および変異、ならびにTRK遺伝子融合は、多くの癌に関連する。TRK遺伝子融合とは、染色体変異による、NTRK遺伝子ファミリーのメンバー(NTRK1、NTRK2、NTRK3)と別の無関係な遺伝子との融合を指す。TRK融合タンパク質は、持続的な活性状態になることがあり、永久的なシグナルカスケード反応を引き起こし、TRK融合腫瘍の拡散および成長を駆動する。癌は、神経芽細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌(MASC)、肉腫、頭頸部腫瘍、腎癌などを含む。
【0004】
TRK阻害剤は、前臨床疼痛モデルにおいて有効であり、特に拮抗NGFおよびTRKA抗体(RN-624)は、炎症性および神経病性疼痛の動物モデル、ならびにヒト臨床試験において有効である。加えて、BDNF/TRKB経路の活性化は、炎症性疼痛、神経病性疼痛および外科的疼痛を含む様々な種類の疼痛の調節因子として、使用し得る。TRKAおよびRKBキナーゼは、NGF駆動性生物学的反応の伝達物質として使用してもよいので、TRKAおよび/または他のTRKキナーゼ阻害剤は、慢性疼痛に対して有効な治療を提供し得る。TRK阻害剤は、喘息、間質性膀胱炎、潰瘍性大腸炎、クローン病を含む炎症性腸疾患、湿疹、乾癬などを含むがこれらに限定されない炎症性疼痛を効果的に治療し得る。TRKA受容体は、ヒト宿主におけるトリパノソーマ・クルージ(trypanosoma cruzi)の寄生虫感染症の疾患過程にとって非常に重要であり、TRKA阻害剤は、シャーガス病および関連する原虫感染症の治療のために使用し得る。同時にBDNF/TRKBを指すTRK/神経栄養因子経路は、多発性硬化症、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む神経変性疾患の原因とも関連している。TRK阻害剤はまた、骨粗鬆症、慢性関節リウマチおよび骨転移のような、骨リモデリング規則の不均衡に関連する疾患の治療のためにも使用し得る。
【0005】
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、受容体チロシンキナーゼのインスリン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、造血性および非造血性腫瘍の腫瘍形成に密接に関連している。ALK遺伝子は、第2番染色体上に位置しており、主にニューロンにおいて、特に発達の過程において、発現される。ALK遺伝子は、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の大サブセットにおいて、第5番染色体上の核小体リンタンパク質(NPM)遺伝子の均衡型染色体転座に関与する。ALK+ALCLにおいて、転座の結果として、NPMの遍在性プロモーターは融合タンパク質の異所性発現を駆動し、ここで、NPMは部分的に二量体化され、ALKキナーゼドメインは自己リン酸化を受け、恒常的に活性化する。全長ALK受容体タンパク質は、神経芽細胞腫および膠芽細胞腫において、異常発現されることが報告されている。さらに、ALK融合タンパク質は、変性大細胞リンパ腫において出現している。ALK融合タンパク質に関する研究は、ALK陽性悪性疾患を有する患者のための新規な治療方法の実現性を促進している。ROS1は、インスリン受容体スーパーファミリーに属し、他のチロシンキナーゼ受容体分子と類似している。ROS1は、細胞の外部環境からの成長シグナルを細胞核内に伝達する役割を担う。遺伝子再配列、突然変異またはコピー数増加のようなROS1の遺伝子変化は、癌を引き起こし得る腫瘍遺伝子を産生する。ROS1は、NSCLC患者においては融合タンパク質(ROS1の6つの異なるパートナー)の形態であり、NSCLCに罹患している患者の約2%に存在することが見出されている(Bergethonら、2012;Daviesら、2012)。他の2つのROS1遺伝子再配列が様々な他の癌において検出されている。当該癌は、多形性膠芽細胞腫、胆管癌、卵巣癌、胃腺癌、結腸直腸癌、炎症性筋線維芽細胞腫、血管肉腫および類上皮血管内皮腫を含む。ROS1遺伝子再配列は恒常的に活性なキナーゼドメインとの融合タンパク質をもたらし、キナーゼドメインは下流のシグナル伝達経路を活性化して細胞内の発癌特性をもたらし、発癌特性は腫瘍細胞の生存を延長させることによって制御不能な増殖および細胞死に対する耐性を含む。
【0006】
2018年11月、米国食品医薬品局は、TRKの異常変異を有する患者を治療するための新規な経口薬であるTRK阻害剤ラロトレクチニブのリストを承認した。これまでの研究から、TRKをコードするNTRK遺伝子が他の遺伝子と異常に融合し、身体の多くの部位で癌が成長し得ること、および、ラロトレクチニブはTRKを選択的に阻害することができることが示されている。一方、LOXO-195(Loxo Oncology Inc、フェーズ2)およびレポトレクチニブ(TP therapeutics Inc、フェーズ2)を含む、試験中のTRKキナーゼ阻害薬が存在する。現在、WO2015089139A1、WO2006082392A1、WO2007123269A1などを含む一連のTRK阻害剤の特許出願が公開されている。TRK阻害剤の研究および用途は、いくらか進展しているが、依然として大きな改善の余地がある。したがって、新規なTRK阻害剤の研究および開発を継続することが依然として求められる。
【0007】
〔概要〕
上記の技術的課題に鑑み、本発明は、一般式(I)で表される新規なマクロライド誘導体を提供する。当該マクロライド誘導体は、野生型および変異型TRKA、TRKBおよびTRKC酵素の活性を有意に改善することができる。一方、本発明の化合物は、良好な薬物動態における吸収、有意に増加したCmax、低いクリアランス速度、有意に改善されたバイオアベイラビリティおよび好ましい薬物動態特性を有する。
【0008】
したがって、第1の態様において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって、
【化1】
式中:
環Aは、二環式ヘテロアリールから選択され;
環Bは、二環式アリール、二環式ヘテロアリールまたは二環式縮合環から選択され、ここで、前記二環式縮合環は好ましくは、アリールまたはヘテロアリールと、単環式ヘテロシクリルまたは単環式シクロアルキルとの縮合環であり;
L
1は、-(CR
aR
b)
m-から選択され、ここで、-(CR
aR
b)-のうちいずれか1つは、任意に、-N(R
c)-、-O-または-S(O)
r
-によってさらに置き換わっており;
L
2は、-(CR
dR
e)
n-から選択され、ここで、-(CR
dR
e)-のうちいずれか1つは、任意に、-N(R
f)-、-O-または-S(O)
r
-によってさらに置き換わっており;
R
a、R
b、R
dおよびR
eはそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたは-NR
5R
6から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
aおよびR
bは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
aのうちいずれか2つは、それらとそれぞれ結合している異なる炭素原子と共に、C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
dおよびR
eは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
dのうちいずれか2つは、それらとそれぞれ結合している異なる炭素原子と共に、C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
cおよびR
fはそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、アルキルまたはシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;R
cおよびR
fは好ましくは、水素原子から選択され;
代替的に、1つの-(CR
aR
b)-が-N(R
c)-によって置き換わっているとき、R
aまたはR
bおよびR
cは、それらとそれぞれ結合している炭素原子および窒素原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、1つの-(CR
dR
e)-が-N(R
f)-によって置き換わっているとき、R
dまたはR
eおよびR
fは、それらとそれぞれ結合している炭素原子および窒素原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
1およびR
2はそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;好ましくは、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アミノ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルから選択され;より好ましくは、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、アミノ、シアノ、F、Cl、Br、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたはメトキシメチルから選択され;
R
3は、水素原子、アルキルまたはシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
4、R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
7、-C(O)OR
7、-OC(O)R
7、-NR
8R
9、-C(O)NR
8R
9、-SO
2NR
8R
9または-NR
8C(O)R
9から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
5およびR
6は、それらと結合している原子と共に、4~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記4~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記4~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
7、-C(O)OR
7、-OC(O)R
7、-NR
8R
9、-C(O)NR
8R
9、-SO
2NR
8R
9または-NR
8C(O)R
9から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
7、R
8およびR
9は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
mおよびnは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、1、2、3または4から選択され;
pおよびqは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、0、1、2、3、4または5から選択され;および、
rは、0、1または2から選択される;
化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0009】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって、
【化2】
式中:
環Bは、以下から選択され:
【化3】
環Cは、単環式シクロアルキル、単環式ヘテロシクリル、単環式アリールまたは単環式ヘテロアリールから選択され、ここで、環Cは、L
2と結合しており;
Xは、-N(R
c)-、-O-または-S(O)
r-から選択され;好ましくは-NH-であり;
Z
1、Z
2、およびZ
4~Z
6は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、N、NH、C(=O)またはC(R
1)から選択され;
Z
3およびZ
7は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、NまたはCから選択され;
Z
1~Z
7のうち少なくとも1つは、NまたはNHから選択されておらず;
X
1~X
4は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、結合、N、NH、C(=O)またはC(R
2)から選択され;X
1~X
4のうち少なくとも1つは、NまたはNHから選択されておらず;X
1~X
4のうち多くとも1つは、結合から選択されており;
R
Aは、水素原子またはアルキルから選択され、ここで、前記アルキルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;R
Aは好ましくは、メチルであり;
R
cは、水素原子、アルキルまたはシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、Xが-N(R
c)-から選択されるとき、R
AおよびR
cは、それらとそれぞれ結合している炭素原子および窒素原子と共に、4~8員ヘテロシクリルを形成しており、前記4~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記4~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;および、
R
1~R
6、L
2、qおよびrは、一般式(I)の定義の通りである。
【0010】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって、
【化4】
式中:環B、X、L
2、R
1~R
3、R
Aおよびqは、一般式(II)の定義の通りである。
【0011】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩では、環Bは、8~10員二環式縮合環から選択され、好ましくは以下から選択される。
【化5】
【0012】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩では、環Bは、8~10員二環式ヘテロアリールから選択され、好ましくは以下から選択される。
【化6】
【0013】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、一般式(IV)もしくは(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって:
【化7】
式中:
G
1およびG
2は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、結合、-N(R
g)-、-(CR
hR
i)-または-O-から選択され;
R
gは、水素原子、アルキルまたはシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキルまたはシクロアルキルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
hおよびR
iは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
hおよびR
iは、それらと結合している炭素原子と共に、C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
8シクロアルキルまたは3~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
1およびR
2はそれぞれ、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;好ましくは、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アミノ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルから選択され;より好ましくは、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、アミノ、シアノ、F、Cl、Br、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたはメトキシメチルから選択され;
R
Bは、水素原子、アルキルまたはアルコキシから選択され、ここで、前記アルキルまたはアルコキシは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によって置換されており;好ましくは、R
Bは、水素原子またはメチルから選択され、ここで、前記メチルは、任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルコキシまたは-NR
5R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
R
DおよびR
Eは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して、水素原子、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;
代替的に、R
DおよびR
Eは、それらと結合している炭素原子と共に、C
3~C
6シクロアルキルまたは3~6員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~6員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)
rを内部に含み、前記C
3~C
6シクロアルキルまたは3~6員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R
4、-C(O)OR
4、-OC(O)R
4、-NR
5R
6、-C(O)NR
5R
6、-SO
2NR
5R
6または-NR
5C(O)R
6から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されており;および、
L
2、rおよびR
3~R
6は、一般式(III)の定義の通りである。
【0014】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、一般式(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であって、
【化8】
式中:L
2、G
1、G
2、R
1~R
3、R
B、R
DおよびR
Eは、一般式(IV)または(V)の定義の通りである。
【0015】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩では、式中:
L2は、-(CRdRe)n-から選択され;
Rdは、水素原子から選択され;
Reは、水素原子、アルキルまたはアルコキシから選択され、好ましくは水素原子またはメチルから選択され、ここで、前記アルキルまたはアルコキシは、任意に、1つ以上のハロゲンによってさらに置換されており;および、
nは、1、2または3である。
【0016】
本発明の典型的な化合物、もしくは、その立体異性体、互変異性体、またははそれらの薬学的に許容可能な塩は、以下を含むが、これらに限定されない。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
別の態様において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法であって、
前記方法は、以下を含み:
【化9】
一般式(IA)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(I)で表される化合物を得ること;
式中:環A、環B、R
1~R
3、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである;
方法を提供する。
【0023】
別の態様において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法であって、
前記方法は、以下を含み:
【化10】
一般式(If)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(I)で表される化合物を得ること;
式中:
R
jは、アルキルから選択され;および、
環A、環B、R
1~R
3、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである;
方法を提供する。
【0024】
別の態様において、本発明は、一般式(IA)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体であって、
【化11】
式中:環A、環B、R
1~R
3、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである;
化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体を提供する。
【0025】
一般式(IA)で表される典型的な化合物、もしくは、その立体異性体、互変異性体、またははそれらの薬学的に許容可能な塩は、以下を含むが、これらに限定されない。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
別の態様において、本発明は、一般式(IA)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法であって、
前記方法は、以下を含み:
【化12】
一般式(Ic)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(Id)で表される化合物を得ること;
一般式(Id)で表される前記化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(Ie)で表される化合物を得ること;および、さらに、
一般式(Ie)で表される前記化合物から保護基PGを除去し、一般式(IA)で表される化合物を得ること;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
環A、環B、R
1~R
2、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである;
方法を提供する。
【0030】
さらに、本発明は、有効量の、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、またはそれらの組み合わせと、を含む、薬学的組成物を提供する。
【0031】
本発明はさらに、TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼの活性を阻害するための方法であって、TRK受容体を、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、その薬学的組成物と接触させることを含む、方法を提供する。
【0032】
本発明はさらに、TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼによって媒介される疾患を治療するための医薬品の製造における、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、その薬学的組成物の使用であって、ここで、TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼによって媒介される前記疾患は好ましくは、疼痛、癌、炎症、神経変性疾患またはトリパノソーマ感染症であり、ここで、前記癌は好ましくは、神経細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌、肉腫、頭頸部腫瘍および腎癌である、使用を提供する。
【0033】
本発明はさらに、TRK、ALKおよびROS1の1つ以上のプロテインキナーゼの阻害剤の製造における、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、その薬学的組成物の使用を提供する。
【0034】
本発明はさらに、疼痛、癌、炎症、神経変性疾患またはトリパノソーマ感染症を治療するための医薬品の製造における、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、その薬学的組成物の使用であって、ここで、前記癌は好ましくは、神経細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌、肉腫、頭頸部腫瘍および腎癌である、使用を提供する。
【0035】
本発明はさらに、疼痛、炎症、神経変性疾患またはトリパノソーマ感染症の病徴を治療するための方法であって、治療有効量の、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、またはそのの薬学的組成物を、必要としている患者に投与することを含む、方法を提供する。
【0036】
本発明はさらに、癌を治療するための方法であって、治療有効量の、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)もしくは(IX)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、あるいは、その薬学的組成物を、必要としている患者に投与することを含み、前記癌は好ましくは、神経細胞腫、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、胆管癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、甲状腺癌、肺癌、マグノ細胞神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌、乳房類似体分泌性乳癌、肉腫、頭頸部腫瘍および腎癌である、方法を提供する。
【0037】
〔発明の詳細な説明〕
逆のことが述べられない限り、本発明の明細書および特許請求の範囲において使用されるいくつかの用語は、以下のように定義される。
【0038】
「結合」は、指示される置換基が存在せず、置換基の両末端が直接的に結合し、結合を形成していることを意味する。
【0039】
「アルキル」は、基または基の一部とみなされるとき、C1~C20直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を含むことを意味する。アルキルは、好ましくはC1~C10アルキルであり、より好ましくはC1~C6アルキルである。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどを含む。アルキルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0040】
「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなる上記で定義したアルキルを指す。アルケニルの代表的な例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-または3-ブテニルなどを含むが、これらに限定されない。アルケニルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0041】
「アルキニル」は、1つの炭素-炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素基を指す。アルキニルは、直鎖または分岐鎖であってもよい。アルキニルは、好ましくはC2~C10アルキニルであり、より好ましくはC2~C6アルキニルであり、最も好ましくはC2~C4アルキニルである。アルキニル基の例は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-、2-または3-ブチニルなどを含むが、これらに限定されない。アルキニルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0042】
「シクロアルキル」は、飽和または部分飽和の単環式、縮合、架橋およびスピロ環式炭素環を指す。シクロアルキルは、好ましくはC3~C12シクロアルキルであり、より好ましくはC3~C8シクロアルキルであり、最も好ましくはC3~C6シクロアルキルである。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプトリエニル、シクロオクチルなどを含むが、これらに限定されず、シクロプロピルおよびシクロヘキセニルが好ましい。シクロアルキルは、任意に、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0043】
「スピロシクロアルキル」は、2つ以上の環状構造を有する5~18員の多環式基を指し、単環は互いに1つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する。環は、1つ以上の二重結合を含むが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有しない。スピロシクロアルキルは、好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員である。環の間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロシクロアルキルは、モノスピロ、ジスピロまたはマルチスピロシクロアルキル、好ましくはモノスピロおよびジスピロシクロアルキルに分類してもよく、好ましくは4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員である。「スピロシクロアルキル」の非限定的な例は、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、およびスピロ[2.4]ヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0044】
「縮合シクロアルキル」は、一対の炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~18員の全炭素多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。縮合シクロアルキルは、好ましくは6~12員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、縮合シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合シクロアルキル、好ましくは二環式または三環式に分類してもよく、より好ましくは5員/5員または5員/6員のビシクロアルキルである。「縮合シクロアルキル」の非限定的な例は、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプト-1-エニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、デカリニルまたはテトラデカヒドロフェナントレニルを含むが、これらに限定されない。
【0045】
「架橋シクロアルキル」は、互いに直接結合していない2つの炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~18員の全炭素多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。架橋シクロアルキルは、好ましくは6~12員、より好ましくは7~10員である。架橋シクロアルキルは、好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、架橋シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式の架橋シクロアルキル、好ましくは二環式、三環式または四環式、より好ましくは二環式または三環式に分類してもよい。「架橋シクロアルキル」の非限定的な例は、(1s,4s)-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、(1s,5s)-ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、および(1r,5r)-ビシクロ[3.3.2]デシルを含むが、これらに限定されない。
【0046】
「ヘテロシクリル」、「複素環(ヘテロサイクル、heterocycle)」または「複素環(ヘテロシクリック、heterocyclic)」は、本出願において相互交換可能に使用される。すべてが、1つ以上の環形成原子が酸素、窒素、硫黄原子などのヘテロ原子である非芳香族ヘテロシクリルを指し、単環式環、縮合環、架橋環およびスピロ環を含む。非芳香族ヘテロシクリルは、好ましくは5~7員の単環式環または7~10員の二環式もしくは三環式環を有し、窒素、酸素および/または硫黄から選択される1、2または3つの原子を含んでいてもよい。「ヘテロシクリル」の例は、モルホリニル、オキセタニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ピペリジニル、2-オキソ-ピペリジニル、ピロリジニル、2-オキソ-ピロリジニル、ピペラジン-2-オン、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチルおよびピペラジニルを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクリルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0047】
「スピロヘテロシクリル」は、2つ以上の環状構造を有する5~18員の多環式基を指し、単環は互いに1つの原子を共有する。環は、1つ以上の二重結合を含むが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。スピロヘテロシクリルは、好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員環である。環の間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロヘテロシクリルは、モノスピロヘテロシクリル、ビスピロヘテロシクリルまたはマルチスピロヘテロシクリル、好ましくはモノスピロヘテロシクリルおよびビスピロヘテロシクリルに分類してもよい。スピロヘテロシクリルは、より好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員のモノスピロヘテロシクリルである。「スピロヘテロシクリル」の非限定的な例は、1,7-ジオキサスピロ[4.5]デシル、2-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノニル、7-オキサスピロ[3.5]ノニルおよび5-オキサスピロ[2.4]ヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0048】
「縮合ヘテロシクリル」は、一対の原子を共有する2つ以上の環状構造を有する全炭素多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。縮合ヘテロシクリルは、好ましくは6~14員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、縮合ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合ヘテロシクリル、好ましくは二環式または三環式に分類してもよく、より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。「縮合ヘテロシクリル」の非限定的な例は、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オクタヒドロ-1H-イソインドリル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、およびオクタヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンを含むが、これらに限定されない。
【0049】
「架橋ヘテロシクリル」は、互いに直接結合していない2つの原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~14員または5~18員の多環式基を指す。1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6~14員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、架橋ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の架橋ヘテロシクリル、好ましくは二環式、三環式または四環式、より好ましくは二環式または三環式に分類してもよい。「架橋ヘテロシクリル」の非限定的な例は、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクチルおよび2-アザビシクロ[3.3.2]デシルを含むが、これらに限定されない。
【0050】
「アリール」は、1つまたは2つの環を含む炭素環式芳香族系を指し、ここで、環は縮合様式で共に結合していてもよい。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、およびテトラヒドロナフチルの芳香族基などの単環式または二環式アリールを含む。好ましくは、アリールはC6~C10アリールであり、より好ましくは、アリールはフェニルおよびナフチルであり、最も好ましくは、アリールはナフチルである。アリールは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0051】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および/または硫黄から選択される1~4つの原子を含んでいてもよい、5~6員の単環式環または8~10員の二環式環を指す。ヘテロアリールは、好ましくは二環式ヘテロアリールである。「ヘテロアリール」の例は、以下を含むが、これらに限定されない:フラニル、ピリジニル、2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、1,3-ジオキソ-イソインドリル、キノリニル、インダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、およびベンゾイソオキサゾリル、
【化13】
ヘテロアリールは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0052】
「縮合環」は、互いに一対の原子を共有する2つ以上の環状構造を有する多環式基を指す。1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、少なくとも1つの環は完全に共役したπ電子芳香族系を有さず、一方、少なくとも1つの環は、完全に共役したπ電子芳香族系を有する。ここで、環原子のうち0、1またはそれ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)
n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。縮合環は、好ましくは二環式または三環式の縮合環であり、ここで、二環式縮合環は好ましくは、アリールまたはヘテロアリールと、単環式ヘテロシクリルまたは単環式シクロアルキルとの縮合環である。融合環は、好ましくは7~14員、より好ましくは8~10員である。「縮合環」の例は、以下を含むが、これらに限定されない。
【化14】
【0053】
「アルコキシ」は、(アルキル-O-)の基を指す。ここで、アルキルの定義については、本明細書中の関連する定義を参照されたい。C1~C6アルコキシが好ましい。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0054】
「ハロアルキル」は、ハロゲンによって置換されたアルキルを指す。ここで、ハロゲンおよびアルキルの定義については、本明細書中の関連する定義を参照されたい。
【0055】
「ハロアルコキシ」は、ハロゲンによって置換されたアルコキシを指す。ここで、ハロゲンおよびアルコキシの定義については、本明細書中の関連する定義を参照されたい。
【0056】
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシによって置換されたアルキルを指す。ここで、アルキルの定義については、本明細書中の関連する定義を参照されたい。
【0057】
「アルコキシアルキル」は、アルコキシによって置換されたアルキルを指す。ここで、アルキルおよびアルコキシの定義については、本明細書中の関連する定義を参照されたい。
【0058】
「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0059】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0060】
「アミノ」は、-NH2を指す。
【0061】
「シアノ」は、-CNを指す。
【0062】
「ニトロ」は、-NO2を指す。
【0063】
「ベンジル」は、-CH2-フェニルを指す。
【0064】
「カルボキシル」は、-C(O)OHを指す。
【0065】
「カルボキシレート」は、-C(O)O-アルキルまたは-C(O)O-シクロアルキルを指す。ここで、アルキルおよびシクロアルキルの定義は、上記の通りである。
【0066】
「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指す。
【0067】
「BOC」は、tert-ブトキシカルボニルを指す。
【0068】
「Ts」は、p-トルエンスルホニルを指す。
【0069】
「脱離基」は、化学反応において、より大きな分子から分離した原子または官能基であり、求核置換反応および脱離反応において使用される用語である。求核置換反応において、求核試薬によって攻撃される反応物は基質と呼ばれる一方、基質分子中で電子対を有し分離する原子または原子群は脱離基と呼ばれる。電子を容易に受容し、負電荷を保持する能力が強力な基は、良好な脱離基である。脱離基の共役酸のpKaが小さいほど、脱離基が他の分子から分離しやすくなる。その理由は、脱離基の共役酸のpKaが小さいほど、対応する脱離基が他の原子と結合する必要がなく、アニオンの形態(または電気的に中性な脱離基)で存在する傾向が高まるからである。一般的な脱離基は、ハロゲン、-OTsまたは-OHを含むが、これらに限定されない。
【0070】
「置換されている」は、基中の1つ以上の水素原子、好ましくは多くとも5つ、より好ましくは1~3つの水素原子が、対応する数の置換基によって、独立して、置き換わっていることを意味する。当然ながら、置換基は、それらの可能な化学的な位置にのみ存在し、当業者は、多くの努力をすることなく、(実験または理論を通して)可能な置換または不可能な置換を判断することができる。例えば、遊離水素を有するアミノまたはヒドロキシルは、不飽和(例えば、オレフィン)結合を有する炭素原子と組み合わされるとき、不安定であることがある。
【0071】
本明細書において使用される場合、「置換する」または「置換されている」は、特に明記しない限り、基が、以下から選択される1つ以上の基によって置換されていることがあることを意味する:アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、メルカプト、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリック、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリックアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ、アミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシル、カルボキシレート、=O、-C(O)R4、-C(O)OR4、-OC(O)R4、-NR5R6、-C(O)NR5R6、-SO2NR5R6または-NR5C(O)R6。
【0072】
R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、当該アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R7、-C(O)OR7、-OC(O)R7、-NR8R9、-C(O)NR8R9、-SO2NR8R9または-NR8C(O)R9から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されている。
【0073】
代替的に、R5およびR6は、それらと結合している原子と共に、4~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、当該4~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、OまたはS(O)rを内部に含み、当該4~8員ヘテロシクリルは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-C(O)R7、-C(O)OR7、-OC(O)R7、-NR8R9、-C(O)NR8R9、-SO2NR8R9または-NR8C(O)R9から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されている。
【0074】
R7、R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、当該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されている。
【0075】
本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでもよく、したがって、様々な立体異性体の形態で存在してもよい。ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体ならびに幾何学的(立体配座)異性体、ならびにそれらの混合物(ラセミ混合物など)を含むがこれらに限定されない、本発明の化合物の立体異性体形態すべてが、本発明の範囲内であることが意図される。
【0076】
特に明記しない限り、本発明に記載される構造は、この構造の異性体すべて(例えば、ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアンチメタマーならびに幾何学的(立体配座)異性体形態;例えば、それぞれの不斉中心のRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに、(Z)および(E)立体配座異性体)も含む。したがって、本発明の化合物の、単一の立体異性体ならびにエナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物および幾何学的(立体配座)異性体混合物は、すべて本発明の範囲内である。
【0077】
「薬学的に許容可能な塩」は、元の生物学的活性を維持することができ、医学的使用に適している、上記の化合物のいくつかの塩を指す。式(I)で表される化合物の薬学的に許容可能な塩は、金属塩、適切な酸で形成されたアミン塩であってもよい。
【0078】
「薬学的組成物」は、本明細書中に記載される1つ以上の化合物またはその生理学的に許容可能な塩もしくはプロドラッグ、および他の化学成分、ならびに生理学的に許容可能な担体および賦形剤などの他の成分を含む混合物を表す。薬学的組成物の目的は、生物への投与を促進し、活性成分の吸収を促進して、生物学的活性を発揮することである。
【0079】
〔本発明の化合物の合成方法〕
本発明の目的を達成するために、以下の技術的解決策が、本発明によって採用される。
【0080】
〔解決策1〕
本発明に係る、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化15】
一般式(Ia)で表される化合物を一般式(Ib)で表される化合物と塩基性条件下で反応させて、一般式(Ic)で表される化合物を得る工程;一般式(Ic)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(Id)で表される化合物を得る工程;一般式(Id)で表される化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(Ie)で表される化合物を得る工程;さらに、一般式(Ie)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(IA)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IA)で表される化合物を縮合試薬の存在下で縮合反応に供し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
R
kは、脱離基であり、好ましくはハロゲンであり;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
環A、環B、R
1~R
2、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである。
【0081】
〔解決策2〕
本発明に係る、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む
:
【化16】
一般式(Ic)で表される化合物をトリフェニルホスフィンおよび水の条件下で反応させて、一般式(If)で表される化合物を得る工程;および、一般式(If)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;および、
環A、環B、R
1~R
2、L
1、L
2、pおよびqは、一般式(I)の定義の通りである。
【0082】
〔解決策3〕
本発明に係る、一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化17】
一般式(IIa)で表される化合物を一般式(IIc)で表される化合物と塩基性条件下で反応させて、一般式(IIc)で表される化合物を得る工程;一般式(IIc)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(IId)で表される化合物を得る工程;一般式(IId)で表される化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(IIe)で表される化合物を得る工程;さらに、一般式(IIe)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(IIA)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IIA)で表される化合物を縮合試薬の存在下で縮合反応に供し、一般式(II)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
R
kは、脱離基であり、好ましくはハロゲンであり;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
環B、R
1~R
2、R
A、Z
1~Z
7、X、L
2、pおよびqは、一般式(II)の定義の通りである。
【0083】
〔解決策4〕
本発明に係る、一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化18】
一般式(IIc)で表される化合物をトリフェニルホスフィンおよび水の条件下で反応させて、一般式(IIf)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IIf)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(II)で表される化合物を得る工程;
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;および、
環B、R
1~R
2、R
A、Z
1~Z
7、X、L
2、pおよびqは、一般式(II)の定義の通りである。
【0084】
〔解決策5〕
本発明に係る、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化19】
一般式(IIIa)で表される化合物を一般式(IIIb)で表される化合物と塩基性条件下で反応させて、一般式(IIIc)で表される化合物を得る工程;一般式(IIIc)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(IIId)で表される化合物を得る工程;一般式(IIId)で表される化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(IIIe)で表される化合物を得る工程;さらに、一般式(IIIe)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(IIIA)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IIIA)で表される化合物を縮合試薬の存在下で縮合反応に供し、一般式(III)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
R
kは、脱離基であり、好ましくはハロゲンであり;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
環B、R
1~R
2、R
A、X、L
2およびqは、一般式(III)の定義の通りである。
【0085】
〔解決策6〕
本発明に係る、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化20】
一般式(IIIc)で表される化合物をトリフェニルホスフィンおよび水の条件下で反応させて、一般式(IIIf)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IIIf)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(III)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;および、
環B、R
1~R
2、R
A、X、L
2およびqは、一般式(III)の定義の通りである。
【0086】
〔解決策7〕
本発明に係る、一般式(IV)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化21】
一般式(IIIa)で表される化合物を一般式(IVa)で表される化合物と塩基性条件下で反応させて、一般式(IVb)で表される化合物を得る工程;一般式(IVb)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(IVc)で表される化合物を得る工程;一般式(IVc)で表される化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(IVd)で表される化合物を得る工程;さらに、一般式(IVd)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(IVA)で表される化合物を得る工程;および、一般式(IVA)で表される化合物を縮合試薬の存在下で縮合反応に供し、一般式(IV)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
R
kは、脱離基であり、好ましくはハロゲンであり;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
R
1~R
2、G
1、G
2、R
B、R
D、R
EおよびL
2は、一般式(IV)の定義の通りである。
【0087】
〔解決策8〕
本発明に係る、一般式(IV)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化22】
一般式(IVb)で表される化合物をトリフェニルホスフィンおよび水の条件下で反応させて、一般式(IVe)で表される化合物を得る工程;一般式(IVe)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(IV)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;および、
R
1~R
2、G
1、G
2、R
B、R
D、R
EおよびL
2は、一般式(IV)の定義の通りである。
【0088】
〔解決策9〕
本発明に係る、一般式(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化23】
一般式(IIIa)で表される化合物を一般式(Va)で表される化合物と塩基性条件下で反応させて、一般式(Vb)で表される化合物を得る工程;一般式(Vb)で表される化合物を、二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、水素および触媒の条件下で反応させて、一般式(Vc)で表されるた化合物を得る工程;一般式(Vc)で表される化合物を塩基性条件下で加水分解に供し、一般式(Vd)で表される化合物を得る工程;さらに、一般式(Vd)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(VA)で表される化合物を得る工程;および、一般式(VA)で表される化合物を縮合試薬の存在下で縮合反応に供し、一般式(V)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;
R
kは、脱離基であり、好ましくはハロゲンであり;
PGは、アミノ保護基であり、好ましくはtert-ブトキシカルボニルであり;および、
R
1~R
2、G
1、G
2、R
B、R
D、R
EおよびL
2は、一般式(V)の定義の通りである。
【0089】
〔解決策10〕
本発明に係る、一般式(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の製造方法は、以下の工程を含む:
【化24】
一般式(Vb)で表される化合物をトリフェニルホスフィンおよび水の条件下で反応させて、一般式(Ve)で表される化合物を得る工程;および、一般式(Ve)で表される化合物を塩基性条件下で縮合反応に供し、一般式(V)で表される化合物を得る工程;
式中:
R
3は、水素原子から選択され;
R
jは、アルキルから選択され;および、
R
1~R
2、G
1、G
2、R
B、R
D、R
EおよびL
2は、一般式(V)の定義の通りである。
【0090】
一般式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)を製造するための上記の反応条件において:
塩基性条件は、有機塩基または無機塩基によって、提供される。有機塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、トリエチルアミン、ピペリジン、N-メチルピペラジンおよび4-ジメチルアミノピリジンから選択される。無機塩基は、リン酸カリウム、リン酸カリウム三水和物、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムから選択され、好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムである。
【0091】
縮合試薬は、2-(7-ベンゾトリアゾールオキシド)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、1-ヒドロキシ-7-アゾベンゾトリアゾール、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサヘキサフルオロホスフェート、またはベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートから選択され、好ましくはペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネートである。
【0092】
〔発明を実施するための形態〕
以下の実施例は本発明をさらに説明するために使用されるが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0093】
〔実施例〕
実施例は、式(I)で表される典型的な化合物の調製および関連する構造の同定データを示す。以下の実施例は、本発明を例示するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことに留意されたい。1H NMRスペクトルはBruker社の装置(400MHz)で測定し、化学シフトはppmで表した。テトラメチルシラン内部標準(0.00ppm)を使用した。1H NMRを次のように表した:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、m=マルチプレット、br=ブロード、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット。結合定数が示される場合は定数の単位はHzである。
【0094】
質量スペクトルはLC/MSで測定した。イオン化法はESIでもAPCIでもよい。
【0095】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲルプレートとして、Yantai Huanghai HSGF254またはQingdao GF254シリカゲルプレートを使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)に用いたシリカゲルプレートの寸法は0.15mm~0.2mmであり、TLCで分離および精製した生成物の寸法は0.4mm~0.5mmであった。
【0096】
全般に、200~300メッシュのYantai Huanghaiシリカゲルをカラムクロマトグラフィー用の担体として使用した。
【0097】
以下の実施例において、特に明記しない限り、全ての温度は摂氏温度である。特に明記しない限り、種々の出発物質および試薬は市販されているかまたは公知の方法に従って合成し、市販の物質および試薬はさらなる精製を行わずに直接使用する。特に明記しない限り、市販品の製造業者として、Shanghai Hao Hong Biomedical Technology Co., Ltd.、Shanghai Accela ChemBio Inc.およびShanghai Han Feng Chemical Co., Ltd.,等を含むが、これらに限定されない。
【0098】
CD3OD:重水素化メタノール。
CDCl3:重水素化クロロホルム。
DMSO-d6:重水素化ジメチルスルホキシド。
【0099】
アルゴン雰囲気とは、反応フラスコが約1Lの体積のアルゴンバルーンに接続されていることを示す。
【0100】
本実施例において特に明記しない限り、溶液は水溶液を示す。
【0101】
化合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離系および薄層クロマトグラフィーによって精製される。溶離系は、A:石油エーテルおよび酢酸エチル系;B:ジクロロメタンおよびメタノール系;ならびにC:ジクロロメタンおよび酢酸エチル系から選択される。溶媒の体積比は化合物の極性の違いによって変化し、酢酸またはトリエチルアミン等の酸性または塩基性の試薬を少量添加して調整してもよい。
【0102】
〔実施例1〕
(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化25】
【化26】
【0103】
(ステップ1)
(R,1E)-N-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド
3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド 1a(2.80g、15.5mmol)(特許出願WO2014022858に従って調製)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド((R)-2-methylpropane-2-sulfinamide) 1b(2.07g、17.1mmol)および炭酸セシウム(8.08g、24.8mmol)を50mLのジクロロメタンに加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に水(30mL)を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R,1E)-N-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 1c(4.39g、黄色半固体)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):284.1[M+1]
【0104】
(ステップ2)
(R)-N-((1R)-1-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド
(R,1E)-N-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 1c(4.39g、15.5mmol)を50mLのテトラヒドロフランに加え、温度を-65℃に制御した後、臭化メチルマグネシウム(77.5ml、77.5mmol、1mol/L)を滴下した。滴下後、混合物を室温に移し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R)-N-((1R)-1-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 1d(1.5g、黄色粘性物質)を収率32.6%で得た。
MS m/z(ESI):300.1[M+1]
【0105】
(ステップ3)
(1R)-2-アリル-6-(1-アミノエチル)-4-フルオロフェノール
(R)-N-((1R)-1-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 1d(0.50g、1.67mmol)を5mLのジクロロメタンに加えた。次に、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を濾過し、濾過ケーキを採取し、10mLの水に溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを中性に調整した。反応液を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(1R)-2-アリル-6-(1-アミノエチル)-4-フルオロフェノール 1eの粗生成物(黄色および粘稠)を得た。
MS m/z(ESI):178.1[M-16]
【0106】
(ステップ4)
(1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(1R)-2-アリル-6-(1-アミノエチル)-4-フルオロフェノール 1eの粗生成物(300mg)を5mLのテトラヒドロフランに加え、0℃に冷却した後、ヨードスクシンイミド(516mg、2.29mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:B)により分離および精製し、(1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 1f(100g、褐色粘性物質)を収率20%で得た。
MS m/z(ESI):304.0[M-16]
【0107】
(ステップ5)
((1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル
(1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 1f(500mg、1.56mmol)およびトリエチルアミン(316mg、3.12mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解し、次いで二炭酸ジ-tert-ブチル(374mg、1.71mmol)を加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過および濃縮して、((1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 1g(黄色、粘稠)の粗生成物を得た。
MS m/z(ESI):422.1[M+1]
【0108】
(ステップ6)
((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル
((1R)-1-(2-(ヨードメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 1gの粗生成物(170mg)を2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに加え、次いでアジ化ナトリウム(32mg、0.49mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 1hの粗生成物(黄色液体)を得た。
MS m/z(ESI):337.2[M+1]
【0109】
(ステップ7)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 1hの粗生成物(120mg)を3mLのジクロロメタンに加え、次に1.5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液を加え、室温で2時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮して、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 1iの粗生成物を得た(黄色、粘稠)。
【0110】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 1iの粗生成物(84mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(280mg、2.16mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(84mg、0.4mmol)を3mLのn-ブチルアルコールに溶解し、120℃で5時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1k(120mg、黄色固体)を得た。
MS m/z(ESI):426.2[M+1]
【0111】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1k(120mg、0.28mmol)およびトリフェニルホスフィン(82mg、0.31mmol)を6mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:水=2:1)に加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1l(76g、黄色固体)を収率67.25%で得た。
MS m/z(ESI):400.2[M+1]
【0112】
(ステップ10)
(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1l(76mg、0.19mmol)を3mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:メタノール:水=1:4:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(48mg、1.14mmol)を加え、70℃で一晩撹拌した。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 1m、および、標題生成物である(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 1(5mg)を収率7%で得た。
1m MS m/z(ESI):372.0[M+1]
1 MS m/z(ESI):354.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.88 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.65 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.55 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 6.84 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.75 (dd, J = 9.9, 2.7 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.36 (dt, J = 10.0, 4.7 Hz, 1H), 4.92-5.04 (m, 1H), 3.56-3.70 (m, 2H), 3.50 (dd, J = 13.4, 4.9 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 16.9, 4.8 Hz, 1H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0113】
〔実施例2]
(12S)-6-フルオロ-3-メチル-10,24-ジオキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,12.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4(9),5,7,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
【化27】
【化28】
【0114】
(ステップ1)
1-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン
4-フルオロ-2-メトキシフェノール 2a(13.5g、95mmol)を200mLの三フッ化ホウ素-酢酸錯体に加え、135℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、1-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 2b(1.2g、黄色固体)を収率7.5%で得た。
MS m/z(ESI):171.0[M+1]
【0115】
(ステップ2)
(2S)-1-(7-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
水酸化ナトリウム(564mg、14.1mmol)を20mLの水に溶解し、1-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 2b(1.2g、7.05mmol)および(R)-2-(クロロメチル)オキシランを加え、105℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を冷却し、反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(2S)-1-(7-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 2c(320mg、黄色粘性物質)を収率20.5%で得た。
MS m/z(ESI):227.0[M+1]
【0116】
(ステップ3)
(2R)-(5-アセチル-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸
(2S)-1-(7-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 2c(320mg、1.41mmol)を1.5mLのジクロロメタンに加え、0℃に冷却し、4-ジメチルアミノピリジン(350mg、2.86mmol)を加え、塩化メチルスルホニル(243mg、2.12mmol)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、30mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。そして、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、反応液を減圧下で濃縮して、(2R)-(5-アセチル-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸 2dの粗生成物(430mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):305.0[M+1]
【0117】
(ステップ4)
(2S)-1-(2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
(2R)-(5-アセチル-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸 2d(430mg)を10mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液に加え、次にアジ化ナトリウム(193mg、2.97mmol)を加え、55℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(2S)-1-(2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 2e(230g、黄色半固体)を収率65%で得た。
MS m/z(ESI):252.0[M+1]
【0118】
(ステップ5)
1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン
(2S)-1-(2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 2e(230mg、0.92mmol)、酢酸アンモニウム(710mg、9.2mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(116mg、1.84mmol)を5mLのメタノールに加え、室温で1時間反応させた後、加熱還流し、次いで一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 2fの粗生成物230mgを得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):253.1[M+1]
【0119】
(ステップ6)
5-((1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾール[1,5]-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 2fの粗生成物(230mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(95mg、0.74mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(248mg、1.10mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、120℃で5時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-((1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾール[1,5]-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 2g(50mg、黄色半固体)を収率12.4%で得た。
MS m/z(ESI):442.2[M+1]
【0120】
(ステップ7)
5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-((1-((2S)-2-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾール[1,5]-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 2g(50mg、0.11mmol)を5mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(30mg、0.14mmol)および10mgの10%パラジウム炭素を加え、水素の保護下、室温で5時間反応させた。反応液を濾過し、濾液を直接濃縮し、5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 2hの粗生成物(58mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):516.2[M+1]
【0121】
(ステップ8)
5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 2hの粗生成物(58mg)を、3mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:メタノール:水=1:4:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(46mg、1.10mmol)を加え、75℃で一晩撹拌した。反応完了後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 2iの粗生成物(54mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):488.2[M+1]
【0122】
(ステップ9)
5-((1-((2S)-2-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-((1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 2iの粗生成物(54mg)を2mLのジクロロメタンに加え、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、5-((1-((2S)-2-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 2jの粗生成物を得た。当該生成物を精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):388.1[M+1]
【0123】
(ステップ10)
(12S)-6-フルオロ-3-メチル-10,24-ジオキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,12.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4(9),5,7,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
5-((1-((2S)-2-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 2jの粗生成物(43mg)、ペンタフルオロベンゼンジフェニルホスフェート(pentafluorobenzene diphenyl phosphate)(51mg、0.13mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(142mg、1.10mmol)を、4mLの混合溶液(ジクロロメタン:N.N-ジメチルホルムアミド=3:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(12S)-6-フルオロ-3-メチル-10,24-ジオキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,12.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4(9),5,7,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 2(3mg)を、収率7.5%で得た。
MS m/z(ESI):370.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.56 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 6.65 (dd, J = 9.6, 3.0 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.16-5.21 (m, 1H), 4.80-4.86 (m, 2H), 4.35-4.38 (m, 1H), 4.16-4.22 (m, 2H), 3.55 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 1.57 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0124】
〔実施例3および4〕
(3R,11R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,11.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 3
(3R,11S)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,11.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 4
【化29】
【化30】
【0125】
(ステップ1)
(1R,2E)-4-(3-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ブタ-2-エン酸エチル
1eの調製方法を参照して調製した(1R)-(3-アリル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 3a(2.95g、10mmol)、アクリル酸エチル(2.5g、25mmol)、ベンジリデン-ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(170mg、0.2mmol)およびヨウ化第一銅(40mg、0.2mmol)を50mLのジエチルエーテルに加え、40℃に加熱し、一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(1R,2E)-4-(3-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ブタ-2-エン酸エチル 3b(2.3g、黄色液体)を収率57.07%で得た。
MS m/z(ESI):368.2[M+1]
【0126】
(ステップ2)
2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)酢酸エチル
(1R,2E)-4-(3-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ブタ-2-エン酸エチル 3b(2.18g、5.95mmol)および炭酸セシウム(1.94g、5.95mmol)を4mLのアセトニトリルに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)酢酸エチル 3c(1.18g、黄色固体)を収率53.63%で得た。
MS m/z(ESI):368.2[M+1]
【0127】
(ステップ3)
((1R)-1-(5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル
2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)酢酸エチル 3c(1.18g、3.2mmol)を15mLのジクロロメタンに溶解し、アルゴンの保護下で-78℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(3.84mL、3.84mmol、1M)を滴下した。滴下後、混合物を室温で反応させた。反応完了後、30mLの水で反応液をクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、((1R)-1-(5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 3dの粗生成物(黄色、粘稠)を得た。
MS m/z(ESI):326.2[M+1]
【0128】
(ステップ4)
2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)エチルメタンスルホン酸
((1R)-1-(5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 3d(1.05g)およびトリエチルアミン(1.34mL、9.6mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、塩化メチルスルホニル(440mg、3.84mmol)を0℃で徐々に滴下し、室温で2時間反応させた。反応完了後、30mLの水で反応液をクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)エチルメタンスルホン酸 3eの粗生成物(黄色、粘稠)を得た。
MS m/z(ESI):404.2[M+1]
【0129】
(ステップ5)
((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル
2-(7-((1R)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)エチルメタンスルホン酸 3eの粗生成物(300mg)を3mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液に加えた。次いでアジ化ナトリウム(64mg、0.98mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 3fの粗生成物(黄色液体)を得た。
MS m/z(ESI):351.2[M+1]
【0130】
(ステップ6)
(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル 3fの粗生成物を5mLのジクロロメタンに加えた。次に2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で直接濃縮し、(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 3gの粗生成物を得た。
MS M/z(ESI):233.1[M-16]
【0131】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 3gの粗生成物(193mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(597mg、4.62mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(182mg、0.81mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、120℃で5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で直接濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3hの粗生成物を得た。
MS m/z(ESI):440.2[M+1]
【0132】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3hの粗生成物およびトリフェニルホスフィン(200mg、0.92mmol)を6mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:水=2:1)に加え、室温で一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3i(280mg、黄色泡状固体)を収率88%で得た。
MS m/z(ESI):414.2[M+1]
【0133】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3i(110mg、0.27mmol)およびトリエチルアミン(55mg、0.54mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(69mg、0.32mmol)を加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応液に飽和塩化アンモニウム溶液を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3jの粗生成物(黄色液体)を得た。
MS m/z(ESI):514.2[M+1]
【0134】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 3j(100mg)を5mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:メタノール:水=1:3:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(50mg、1.19mmol)を加え、70℃で一晩撹拌した。反応完了後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 3kの粗生成物を得た。
MS m/z(ESI):486.2[M+1]
【0135】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 3k(80mg)を3mLのジクロロメタンに加えた。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 3lの粗生成物を得た。
MS m/z(ESI):386.2[M+1]
【0136】
(ステップ12)
(3R,11R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 3
(3R,11S)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 4
5-(((1R)-1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 3l、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(97mg、0.19mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(170mg、1.31mmol)を5mLの混合溶液(ジクロロメタン:N.N-ジメチルホルムアミド=1.5:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの水を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である、(3R,11R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 3(8mg)および(3R,11S)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 4(6mg)を得た。
3 MS m/z(ESI):368.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.64 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.04 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 7.63-7.72 (m, 1H), 6.78 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 6.68 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.28 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.07 (s, 1H), 3.94-4.30 (m, 1H), 3.31 (dt, J = 9.9, 5.5 Hz, 2H), 2.90 (dt, J = 16.1, 8.0 Hz, 1H), 2.10-2.18 (m, 1H), 1.71-1.75 (m, 1H), 1.42 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
4 MS m/z(ESI):368.3[M+1]
1
H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.90 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 6.98 (t, J = 9.3 Hz, 2H), 6.28 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.55 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 4.37-4.42 (m, 1H), 4.11 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.22-3.24 (m, 1H), 2.99 (dd, J = 14.7, 6.3 Hz, 1H), 2.87 (t, J = 13.9 Hz, 1H), 2.18 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 1.97- 2.12 (m, 1H), 1.54 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
【0137】
〔実施例5〕
(3R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化31】
【化32】
【0138】
(ステップ1)
1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 5a(12g、57.67mmol)(特許出願WO2014022858に従って調製)を75mLのテトラヒドロフランに加えた。次いで、ヨードスクシンイミド(25.95g、115.33mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)で分離および精製し、1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5b(15.2g、黄色固体)を収率78.9%で得た。
MS m/z(ESI):335.0[M+1]
【0139】
(ステップ2)
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5b(3g、8.98mmol)を20mLのN,N-ジメチルホルムアミドに加え、撹拌して溶解させた。次いで、アジ化ナトリウム(1.17g、17.96mmol)を加え、75℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に60mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、30mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5c(1.2g、黄色液体)を収率60%で得た。
MS m/z(ESI):250.1[M+1]
【0140】
(ステップ3)
(R)-N-((1E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5c(1.2g、4.8mmol)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(1.17g、9.6mmol)およびチタン酸テトラエチル(4.4g、19.3mmol)を20mLのテトラヒドロフランに溶解し、75℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製して、(R)-N-((1E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 5d(1.02g、黄色液体)を収率60.3%で得た。
MS m/z(ESI):353.1[M+1]
【0141】
(ステップ4)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド
(R)-N-((1E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 5d(1.02g、2.90mmol)を20mLのテトラヒドロフランに加え、9-ボロンビシクロ[3,3,1]-ノナン(11.6mL、5.80mmol、0.5mol/L)を加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を30mLの水でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 5e(840mg、黄色固体)を収率81.9%で得た。
MS m/z(ESI):355.1[M+1]
【0142】
(ステップ5)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド 5e(840mg、2.37mmol)を5mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮して、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 5fの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):234.1[M-16]
【0143】
(ステップ6)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 5fの粗生成物(593mg)、5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(533mg、2.37mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.45g、18.96mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、125℃で3時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 5gの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):440.1[M+1]
【0144】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 5g(410mg、0.93mmol))を5mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(244mg、1.12mmol)および100mgの10%パラジウム炭素を加え、水素保護下、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を直接濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 5hの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):514.2[M+1]
【0145】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 5hの粗生成物(479mg)を、6mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:エタノール:水:2:2:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(310mg、7.39mmol)を加え、80℃で一晩撹拌した。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を冷却し、希塩酸を徐々に滴下して酸性に調整した後、10mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 5iの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):486.2[M+1]
【0146】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 5i(451mg)を10mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 5jの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):386.1[M+1]
【0147】
(ステップ10)
(3R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 5j(358mg)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(428mg、1.12mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(961mg、7.44mmol)を6mLの混合溶液(ジクロロメタン:N.N-ジメチルホルムアミド=5:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液に20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(3R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 5(20mg)を得た。
MS m/z(ESI):368.1[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.22-7.30 (m, 1H), 7.02-7.14 (m, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.74 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.74 (dd, J = 13.0, 5.5 Hz, 1H), 3.46-3.59 (m, 1H), 3.24 (dd, J = 15.4, 5.4 Hz, 1H), 3.19-3.04 (m, 1H), 1.64 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
【0148】
〔実施例6〕
(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,11.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,11(24),16(23),17,20-オクタエン-15-オン
【化33】
【化34】
【0149】
(ステップ1)
4-フルオロ-2,6-ジヨードフェノール
4-フルオロフェノール 6a(1.12g、0.01mol)、ヨウ素(3.81g、0.015mol)およびヨウ化カリウム(2.50g、0.015mol)を50mLの水に加え、0℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(800mg、0.02mol、水50mL)を滴下し、室温に移し、一晩反応させた。反応完了後、希塩酸で溶液のpHを弱酸性に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、4-フルオロ-2,6-ジヨードフェノール 6b(3.5g、褐色粘性物質)を収率96.25%で得た。
MS m/z(ESI):364.8[M+1]
【0150】
(ステップ2)
2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)エタン-1-オール
4-フルオロ-2,6-ジヨードフェノール 6b(960mg、2.64mmol)ブト-3-イン-1-オール 6c(185mg、2.64mmol)、酢酸カリウム(778mg、7.92mmol)、トリフェニルホスフィン(104mg、0.40mmol)、酢酸パラジウム(30mg、0.13mmol)およびヨウ化第一銅(50mg、0.26mmol)を10mLのアセトニトリルに加え、アルゴンの保護下で80℃に加熱し、一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)エタン-1-オール 6d(510mg、黄色固体)を収率63.1%で得た。
MS m/z(ESI):307.0[M+1]
【0151】
(ステップ3)
2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)メタンスルホン酸エチル
2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)エタン-1-オール 6d(6.7g、21.9mmol)を70mLのジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(6.1mL、44.0mmol)を加え、塩化メタンスルホニル(3.0g、26.2mmol)を0℃で徐々に滴下し、室温に移し、4時間反応させた。反応完了後、50mLの飽和塩化アンモニウム水溶液で反応液をクエンチし、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)メタンスルホン酸エチル 6eの粗生成物(7.7g、黄色液体)を得た。
MS m/z(ESI):384.9[M+1]
【0152】
(ステップ4)
2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン
2-(5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン-2-イル)メタンスルホン酸エチル 6eの粗生成物(7.7g)を60mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液に加えた。次いで、アジ化ナトリウム(1.56g、24.0mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応液に150mLの水を加え、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン 6fの粗生成物(黄色液体)を得た。
MS m/z(ESI):332.0[M+1]
【0153】
(ステップ5)
1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
2-(2-アジドエチル)-5-フルオロ-7-ヨードベンゾフラン 6f、トリブチル-(1-エトキシビニル)スタンナン(2.78g、7.7mmol)およびジクロロブ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(250mg、0.36mmol)を25mLの1,4-ジオキサンに加え、アルゴンの保護下で90℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、10%フッ化カリウム水溶液(405mg、7mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濾過した後、濾液を濃縮し、10mLの1mol/L希塩酸を加え、室温で2時間撹拌した。溶液のpHを飽和水酸化ナトリウム溶液で塩基性に調整した後、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 6g(580mg、黄色液体)を収率33.7%で得た。
MS m/z(ESI):248.0[M+1]
【0154】
(ステップ6)
(R,1E)-N-(1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 6g(580mg、2.35mmol)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(287mg、2.37mmol)およびチタン酸テトラエチル(1.07g、4.69mmol)を8mLのテトラヒドロフランに溶解し、75℃で一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R,1E)-N-(1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 6h(750mg、黄色半固体)を収率91.2%で得た。
MS m/z(ESI):351.1[M+1]
【0155】
(ステップ7)
(R)-N-((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R,1E)-N-(1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 6h(750mg、2.14mmol)を15mLのメタノールに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(162mg、4.28mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を50mLの水でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製して、(R)-N-((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 6i(262mg、黄色半固体)を収率34.7%で得た。
MS m/z(ESI):353.1[M+1]
【0156】
(ステップ8)
(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 6i(262mg、0.74mmol)を2mLのジクロロメタンに加えた。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 6jの粗生成物183mgを得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
【0157】
(ステップ9)
(1R)-5-((1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 6jの粗生成物(183mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(597mg、4.62mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(200mg、0.89mmol)を3mLのn-ブタノールに溶解し、120℃で6時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(1R)-5-((1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 6k(300mg、黄色固体)を収率92.8%で得た。
MS m/z(ESI):438.2[M+1]
【0158】
(ステップ10)
(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-5-((1-(2-(2-アジドエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 6k(300mg、0.69mmol)を5mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(180mg、0.82mmol)および60mgの10%パラジウム炭素を加え、水素の保護下、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を直接濃縮し、(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 6lの粗生成物(353mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):512.2[M+1]
【0159】
(ステップ11)
(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 6lの粗生成物(353mg)を、5mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:メタノール:水=1:3:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(290mg、6.9mmol)を加え、70℃で一晩撹拌した。反応完了後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 6mの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):484.2[M+1]
【0160】
(ステップ12)
(1R)-5-((1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
(1R)-5-((1-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 6mを2mLのジクロロメタンに加え、4mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で直接濃縮し、(1R)-5-((1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 6nの粗生成物を得た。
MS m/z(ESI):384.1[M+1]
【0161】
(ステップ13)
(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,11(24),16(23),17,20-オクタエン-15-オン
(1R)-5-((1-(2-(2-アミノエチル)-5-フルオロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 6n(265mg)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(318mg、0.83mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(713mg、5.52mmol)を4mLの混合溶液(ジクロロメタン:N.N-ジメチルホルムアミド=3:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,11(24),16(23),17,20-オクタエン-15-オン 6(64mg)を収率25.4%で得た。
MS m/z(ESI):366.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.22-7.30 (m, 1H), 7.02-7.14 (m, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.74 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.74 (dd, J = 13.0, 5.5 Hz, 1H), 3.46-3.59 (m, 1H), 3.24 (dd, J = 15.4, 5.4 Hz, 1H), 3.19-3.04 (m, 1H), 1.64 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
【0162】
〔実施例7〕
(2R,14R)-19-フルオロ-2-メチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.2
4,7.0
6,10.0
17,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン
【化35】
【化36】
(3R)-1-(7-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
水酸化ナトリウム(564mg、14.1mmol)を20mLの水に溶解し、1-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 2b(1.2g、7.05mmol)および(R)-2-(クロロメチル)エチレンオキシドを加え、105℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(3R)-1-(7-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 7a(320mg、黄色ドープ)を収率20.5%で得た。
MS m/z(ESI):227.0[M+1]
【0163】
(ステップ2)
(2S)-(8-アセチル-6-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸
(3R)-1-(7-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 7a(320mg、1.41mmol)を1.5mLのジクロロメタンに加え、0℃に冷却し、4-ジメチルアミノピリジン(350mg、2.86mmol)を加え、塩化メチルスルホニル(243mg、2.12mmol)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、30mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、反応液を減圧下で濃縮して、(2S)-(8-アセチル-6-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸 7bの粗生成物(430mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):305.0[M+1]
【0164】
(ステップ3)
(3R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
(2S)-(8-アセチル-6-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-2-イル)メチルメタンスルホン酸 7b(430mg、1.41mmol)を10mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液に加えた。次いで、アジ化ナトリウム(193mg、2.97mmol)を加え、55℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(3R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 7c(230g、黄色半固体)を収率65%で得た。
MS m/z(ESI):252.0[M+1]
【0165】
(ステップ4)
(R)-N-((1E)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(3R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 7c(230mg、0.92mmol)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(333mg、2.75mmol)およびチタン酸テトラエチル(836mg、3.66mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、75℃で一晩反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R)-N-((1E)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 7d(218mg、黄色固体)を収率66.9%で得た。
MS m/z(ESI):355.1[M+1]
【0166】
(ステップ5)
(R)-N-((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((1E)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 7d(1.0g、2.82mmol)を10mLのテトラヒドロフランに加えた。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(11.3mL、5.65mmol、0.5mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、30mLの水で反応液をクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 7eの粗生成物(1.0g、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):357.1[M+1]
【0167】
(ステップ6)
(1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 7eの粗生成物(1.0g)を10mLのジクロロメタンに加え、10mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 7fの粗生成物708mgを収率100%で得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):253.1[M+1]
【0168】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 7fの粗生成物(708mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.62g、28.0mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(695mg、3.09mmol)を、10mLのn-ブタノールに溶解し、120℃で5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-(((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 7g(570mg、黄色粘性物質)を収率46%で得た。
MS m/z(ESI):442.2[M+1]
【0169】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-((3R)-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-((3R)-3-(アジドメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 7g(570mg、1.29mmol)を5mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(338mg、1.55mmol)および100mgの10%パラジウム炭素を加え、水素の保護下、室温で5時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を直接濃縮し、5-(((1R)-1-((3R)-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 7hの粗生成物(666mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):516.2[M+1]
【0170】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-((3R)-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸7hの粗生成物(666mg)を、5mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:メタノール:水=1:3:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(845mg、13.0mmol)を加え、75℃で一晩撹拌した。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-((3R)-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 7iの粗生成物を収率100%で得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):488.2[M+1]
【0171】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-((3R)-3-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-((3R)-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 7iの粗生成物(630mg)を3mLのジクロロメタンに加え、5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-((3R)-3-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 7jの粗生成物500mgを収率100%で得た。
MS m/z(ESI):388.1[M+1]
【0172】
(ステップ11)
(2R,14R)-19-フルオロ-2-メチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン
5-(((1R)-1-((3R)-3-(アミノメチル)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 7jの粗生成物(500mg)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(600mg、1.56mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.35g、10.44mmol)を6mLの混合溶液(ジクロロメタン:N,N-ジメチルホルムアミド=5:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(2R,14R)-19-フルオロ-2-メチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 7(200mg)を収率42%で得た。
MS m/z(ESI):370.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.39 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 8.74 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.58 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 6.68 (ddd, J = 14.1, 9.4, 3.0 Hz, 2H), 6.38 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.45 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 4.91 (dt, J = 9.3, 4.5 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 11.8, 3.3 Hz, 1H), 3.90 (dd, J = 11.8, 5.4 Hz, 1H), 3.67 (dt, J = 13.7, 5.5 Hz, 1H), 3.48 (dt, J = 13.5, 5.5 Hz, 1H), 1.47 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0173】
〔実施例8〕
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化37】
【化38】
【0174】
(ステップ1)
(R)-N-((1E)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8a
(R)-N-((1E)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8b
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5c(1.92g、7.71mmol)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(1.87g、15.4mmol)およびチタン酸テトラエチル(7.03g、30.8mmol)を20mLのテトラヒドロフランに溶解し、75℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液に30mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により分離および精製し、最初に溶離された(R)-N-((1E)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8a(1.32g、黄色液体、収率:48.8%)、および徐々に溶離された(R)-N-((1E)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8b(1.02g、黄色液体、収率37.4%)を得た。
MS m/z(ESI):353.2[M+1]
【0175】
(ステップ2)
(R)-N-((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((1E)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8a(1.32g、3.77mmol)を20mLのテトラヒドロフランに加えた。次いで、9-ボロンビシクロ[3,3,1]-ノナン(15.08mL、7.54mmol、0.5mol/L)を加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を30mLの水でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R)-N-((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8c(1.22g、黄色固体)を収率91.1%で得た。
MS m/z(ESI):355.1[M+1]
【0176】
(ステップ3)
(1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8c(1.22g、3.46mmol)を5mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮して、(1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 8dの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):234.1[M-16]
【0177】
(ステップ4)
5-(((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 8dの粗生成物(866mg)、5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(810mg、3.46mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.58g、27.68mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解し、125℃で3時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)によりさらに分離および精製し、5-(((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 8e(910mg、微黄色固体)を収率59.8%で得た。
MS m/z(ESI):440.0[M+1]
【0178】
(ステップ5)
5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-((2R)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 8e(910mg、2.07mmol)を10mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(543mg、2.49mmol)および200mgの10%パラジウム炭素を加え、水素の保護下、室温で6時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 8fの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):514.2[M+1]
【0179】
(ステップ6)
5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 8fの粗生成物(1.06g)を、5mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:エタノール:水=2:2:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(868mg、20.7mmol)を加え、80℃で一晩撹拌した。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を冷却し、希塩酸を滴下して酸性に調整した後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 8gの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):486.2[M+1]
【0180】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-((2R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-((2R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 8g(1.00g)を10mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、10mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-((2R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 8hの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):386.1[M+1]
【0181】
(ステップ8)
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-((2R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 8h(797mg)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(1.08g、2.48mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.14g、16.56mmol)を12mLの混合溶液(ジクロロメタン: N.N-ジメチルホルムアミド=5:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液に30mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 8(200mg)を得た。
MS m/z(ESI):368.1[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 6.80 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.94 (s, 1H), 4.03 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 3.79 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 3.24-3.15 (m, 2H), 1.59 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0182】
〔実施例9〕
(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化39】
【化40】
【0183】
(ステップ1)
(R)-N-((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((1E)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 8b(1.02g、2.90mmol)を10mLのテトラヒドロフランに加えた。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(11.6mL、5.80mmol、0.5mol/L)を加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を30mLの水でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、(R)-N-((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 9a(793mg)を収率77.5%で得た。
MS m/z(ESI):355.1[M+1]
【0184】
(ステップ2)
(1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 9a(793mg、2.24mmol)を3mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮して、(1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 9bの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):234.1[M-16]
【0185】
(ステップ3)
5-(((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 9bの粗生成物(560mg)、5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(504mg、2.24mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.32g、17.92mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解し、125℃で4時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、5-(((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 9c(610mg、淡黄色固体)を収率61.9%で得た。
MS m/z(ESI):440.0[M+1]
【0186】
(ステップ4)
5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-((2S)-2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 9c(610mg、1.39mmol)を10mLのメタノールに加えた。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(364mg、1.67mmol)および200gの湿潤パラジウム炭素(wet palladium carbon)を加え、水素の保護下、室温で6時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 9dの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):514.2[M+1]
【0187】
(ステップ5)
5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 9dの粗生成物(713mg)を、5mLの混合溶液(テトラヒドロフラン:エタノール:水=2:2:1)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(583mg、13.9mmol)を加え、80℃で一晩撹拌した。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を冷却し、希塩酸を滴下して酸性に調整した後、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 9eの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):486.2[M+1]
【0188】
(ステップ6)
5-(((1R)-1-((2S)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-((2S)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 9e(674mg)を8mLのジクロロメタン溶液に加えた。次いで、8mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-((2S)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 9fの粗生成物を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に供した。
MS m/z(ESI):386.1[M+1]
【0189】
(ステップ7)
(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-((2S)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 9f(535mg)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(641mg、1.67mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.44g、11.12mmol)を6mLの混合溶液(ジクロロメタン:N.N-ジメチルホルムアミド=5:1)に溶解し、室温で一晩反応させた。反応が完了したことをLC-MSでモニターした後、反応液に20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、標題生成物である(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 9(90mg)を得た。
MS m/z(ESI):368.1[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.64 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 6.8 0(d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.93 (s, 1H), 4.03 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 3.93-3.68(m, 2H), 3.66-3.58 (m, 2H), 1.60 (m, 3H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0190】
〔実施例10および11〕
(3R,11R)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 10
(3R,11S)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 11
【化41】
【化42】
【0191】
(ステップ1)
1-(4,5-ジフルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 10a(5.8g、33.7mmol)を30mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、3-ブロモ-2-メチルプロペン(4.5g、33.7mmol)および炭酸カリウム(9.3g、67.4mmol)を順次加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、200mLの水を加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(4,5-ジフルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 10b(7.2g、灰色液体)を収率94.5%で得た。
MS m/z(ESI):227.1[M+1]
【0192】
(ステップ2)
1-(2,3-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-5-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10c
1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10d
1-(4,5-ジフルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 10b(7.2g、31.8mmol)を220℃に加熱した後、撹拌し、10時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLのジクロロメタンを加えて溶解し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2,3-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-5-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10c(700mg、黄色液体、収率9.7%)および1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10d(2.7g、黄色液体、収率37.6%)をた。
10c
MS m/z(ESI):227.1[M+1]
10d
MS m/z(ESI):227.1[M+1]
【0193】
(ステップ3)
1-(5,6-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(2,3-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-5-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10c(700mg、3.08mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶解し、N-ヨードスクシンイミド(1.39g、6.16mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加えた後、チオ硫酸ナトリウムの固形分を徐々に加え、溶液の色が明るくなくなるまで撹拌して溶解し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5,6-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 10e(440mg、黄色粘性物質)を収率40.7%で得た。
MS m/z(ESI):353.2[M+1]
【0194】
(ステップ4)
1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5,6-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 10e(440mg、1.25mmol)を3mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、アジ化ナトリウム(98mg、1.5mmol)を加え、60℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 10f(300mg、淡褐色粘性物質)を収率90.9%で得た。
MS m/z(ESI):268.0[M+1]
【0195】
(ステップ5)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 10f(300mg、1.12mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(272mg、2.25mmol)およびチタン酸テトラエチル(1.02g、4.48mmol)を順次加え、次いで還流し、4時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 10g(370mg、黄色粘性物質)を収率89.16%で得た。
MS m/z(ESI):371.2[M+1]
【0196】
(ステップ6)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 10g(370mg、1.0mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(4mL、2.0mmol、0.5mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応完了後、反応液を30mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 10hの粗生成物(372mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):373.2[M+1]
【0197】
(ステップ7)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 10h(372mg、1.0mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、反応液を減圧下で濃縮して、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 10iの粗生成物(268mg)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):268.2[M+1]
【0198】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 10i(268mg、1.0mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(225mg、1.0mmol)を3mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.03g、8.0mmol)を加え、125℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 10j(120mg、黄色粘性物質)を収率26.2%で得た。
MS m/z(ESI):458.2[M+1]
【0199】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 10j(120mg、0.26mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(338mg、1.55mmol)および10%パラジウム炭素(30mg、30%の水を含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で5時間反応させた。反応完了後、反応液を珪藻土で濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 10kの粗生成物(138mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):532.2[M+1]
【0200】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 10k(138mg、0.26mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=2:1:1)4mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(110mg、2.6mmol)を加え、80℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮してエタノールとテトラヒドロフランを除去し、20mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整した後、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、50mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 10l(123mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):504.2[M+1]
【0201】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 10l(123mg、0.24mmol)を2mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、4mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 10mの粗生成物(98mg)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):404.2[M+1]
【0202】
(ステップ12)
(3R,11R)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 10
(3R,11S)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 11
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5,6-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 10m(98mg、0.24mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(111mg、0.28mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(248mg、1.92mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=5:1)6mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11R)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 10(20mg、収率20.4%)および(3R,11S)-5,6-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 11(40mg、収率40.8%)を得た。
10
MS m/z(ESI):386.2[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.86 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.08 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.98-4.89 (m, 1H), 3.83 (dd, J = 16.3, 7.3 Hz, 1H), 3.16-3.15 (m, 1H), 3.03-3.01 (m, 1H), 2.98-2.96 (m, 1H), 1.82 (s, 3H), 1.56 (d, J = 18.1 Hz, 3H).
11
MS m/z(ESI):386.2[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.92 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.75 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.55 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.06 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.01 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 3.81 (dd, J = 13.3, 9.8 Hz, 1H), 3.27-3.15 (m, 2H), 3.00 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 1.67 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.59 (s, 3H).
【0203】
〔実施例12〕
(3R)-6,7-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化43】
【化44】
【0204】
(ステップ1)
1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 10d(2.7g、11.9mmol)を50mLのテトラヒドロフランに溶解し、N-ヨードスクシンイミド(5.4g、23.8mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液にチオ硫酸ナトリウムを加えて脱色した後、50mLの水を加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、300mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により分離および精製し、1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 12a(1.35g、白色固体)を収率37.5%で得た。
MS m/z(ESI):353.0[M+1]
【0205】
(ステップ2)
(R)-N-((E)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 12a(352mg、1.0mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(242mg、2.0mmol)およびチタン酸テトラエチル(912g、4.0mmol)を順次加え、75℃で6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、20mLの水を加えて濾過した。濾液を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12b(162mg、黄色油状物質)を収率36%で得た。
MS m/z(ESI):456.0[M+1]
【0206】
(ステップ3)
(R)-N-((1R)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12b(162mg、0.36mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(1.4mL、0.72mmol、0.5mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を30mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12c(130mg、黄色油状物質)を収率78%で得た。
MS m/z(ESI):458.0[M+1]
【0207】
(ステップ4)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((1R)-1-(4,5-ジフルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12c(1.65g、3.6mmol)を20mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(351mg、5.4mmol)を加え、95℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、50mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12d(700mg、黄色油状物質)を収率52%で得た。
MS m/z(ESI):373.1[M+1]
【0208】
(ステップ5)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 12d(700mg、1.9mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 12eの粗生成物(500mg)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):269.1[M+1]
【0209】
(ステップ6)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 12e(500mg、1.87mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(420.75mg、1.87mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.45g、11.22mmol)を加え、125℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 12f(550mg、黄色油状物質)を収率64%で得た。
MS m/z(ESI):458.0[M+1]
【0210】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 12f(550mg、1.2mmol)を10mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(315mg、1.2mmol)および10%パラジウム炭素(100mg、50%の水を含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 12gの粗生成物(637mg、黄色油状物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):532.1[M+1]
【0211】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 12g(637mg、1.2mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=5:5:2)12mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(503.5mg、12mmol)を加え、80℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、エタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、50mLの水を加え、2.0M希塩酸で酸性に調整した後、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、50mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 12hの粗生成物(603mg、黄色固体)を収率99%で得た。
MS m/z(ESI):504.2[M+1]
【0212】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 12h(603mg、1.2mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、反応物を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 12iの粗生成物(484mg、黄色油状物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):404.2[M+1]
【0213】
(ステップ10)
(3R)-6,7-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4,5-ジフルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 12i(484mg、1.2mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(554mg、1.44mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.24g、9.6mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=1:1)10mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6,7-ジフルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 12(20mg)を収率5%で得た。
MS m/z(ESI):386.1[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.88 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.58-8.52 (m, 1H), 8.01 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 11.5, 8.1 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.89 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.84 (dd, J = 13.4, 9.8 Hz, 1H), 3.56 (dd, J = 14.2, 7.2 Hz, 1H), 3.25 (s, 1H), 3.10 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 1.62 (s, 3H), 1.53 (d, J = 7.3 Hz, 3H).
【0214】
〔実施例13〕
(3R)-7-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化45】
【化46】
【0215】
(ステップ1)
1-(4-フルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 13a(1.54g、10mmol)を30mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、3-ブロモ-2-メチルプロペン(1.62g、12mmol)および炭酸カリウム(2.76g、20mmol)を順次加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(4-フルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 13bの粗生成物(2.08g、白色固体)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):209.0[M+1]
【0216】
(ステップ2)
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン
1-(4-フルオロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 13bの粗生成物(2.08g)を220℃に加熱し、撹拌して6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、100mLのジクロロメタンを加えて溶解し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 13c(1.35g、黄色油状物質)を収率65%で得た。
MS m/z(ESI):209.0[M+1]
【0217】
(ステップ3)
1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 13c(5.4g、25.96mmol)を50mLのテトラヒドロフランに溶解し、N-ヨードスクシンイミド(11.7g、51.92mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、50mLの酢酸エチルを加えて希釈した。次いで、飽和重亜硫酸ナトリウム溶液(30mL×2)および飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 13d(3.4g、白色固体)を収率39%で得た。
MS m/z(ESI):335.0[M+1]
【0218】
(ステップ4)
(R)-N-((E)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 13d(2.98g、8.92mmol)を40mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(2.16g、17.8mmol)およびチタン酸テトラエチル(8.14g、35.68mmol)を順次加え、次いで一晩還流し、反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、40mLの酢酸エチルおよび50mLの水を加え、濾過した。濾液を分離し、有機相を保持し、水相を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13e(980mg、黄色油状物質)を収率30%で得た。
MS m/z(ESI):438.0[M+1]
【0219】
(ステップ5)
(R)-N-((1R)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13e(980mg、2.24mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(9mL、4.48mmol、0.5mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を30mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((1R)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13f(770mg、白色固体)を収率78.3%で得た。
MS m/z(ESI):440.0[M+1]
【0220】
(ステップ6)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((1R)-1-(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13f(770mg、1.75mmol)を10mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(228mg、3.5mmol)を加え、95℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、20mLの水を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、水(10mL)および飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13g(450mg、無色油状物質)を収率72.7%で得た。
MS m/z(ESI):355.1[M+1]
【0221】
(ステップ7)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 13g(450mg、1.27mmol)を4mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、1mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 13hの粗生成物(317mg、無色液体)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS M/z(ESI):234.0[M-16]
【0222】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 13h(317mg、1.27mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(343mg、1.52mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解した。次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.31g、10.16mmol)を加え、125℃に加熱し、4時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 13i(380mg、白色固体)を収率68%で得た。
MS m/z(ESI):440.0[M+1]
【0223】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 13i(380mg、0.86mmol)を10mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(226mg、1.04mmol)および10%パラジウム炭素(80mg、水50%を含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 13j(200mg、白色固体)を収率45%で得た。
MS m/z(ESI):514.0[M+1]
【0224】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 13j(200mg、0.39mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=2:2:1)5mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(130mg、3.1mmol)を加え、85℃に加熱し、4時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除き、20mLの酢酸エチルを加えて希釈し、10%クエン酸水溶液(20mL)および飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 13kの粗生成物(189mg、白色固体)を得た。当該生成物を次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):386.0[M-100]
【0225】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 13k(189mg、0.39mmol)を2mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、0.5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応が完了した後、反応物を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 13lの粗生成物(150mg、赤色油状物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):386.0[M+1]
【0226】
(ステップ12)
(3R)-7-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-4-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 13l(150mg、0.26mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(119.8mg、0.31mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(268mg、2.08mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=1:1)4mLに溶解し、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、10mLの酢酸エチルに溶解し、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-7-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 13(20mg)を収率21.1%で得た。
MS m/z(ESI):368.0[M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.22-9.20 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.22-8.14 (m, 2H), 6.97-6.94 (m, 1H), 6.49-6.44 (m, 1H), 6.14-6.12 (m, 1H), 5.91 (s, 1H), 5.19-5.13 (m, 1H), 4.02-3.96 (m, 1H), 3.43-3.23 (m, 3H), 1.67-1.64 (m, 6H).
【0227】
〔実施例14および15〕
(3R,11S)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 14
(3R,11R)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 15
【化47】
【化48】
【0228】
(ステップ1)
1-(2-((2-(ブロモメチル)アリル)オキシ)-5-フルオロフェニル)エタン-1-オン
3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロパ-1-エン 14b(4.28g、20mmol)および炭酸カリウム(1.66g、12mmol)を40mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 14a(1.54g、10mmol)を15mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、上記混合溶液に滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(200mL)で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-((2-(ブロモメチル)アリル)オキシ)-5-フルオロフェニル)エタン-1-オン 14c(1.8g、灰色液体)を収率62.5%で得た。
MS m/z(ESI):287.1[M+1]
【0229】
(ステップ2)
1-(5-フルオロ-2-((2-(メトキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(2-((2-(ブロモメチル)アリル)オキシ)-5-フルオロフェニル)エタン-1-オン 14c(1.8g、6.29mmol)を20mLのメタノールに溶解し、メタノール酸ナトリウム(1.37g、25.16mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、水100mLを加えて溶解し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-((2-(メトキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 14d(1.1g、黄色油状物質)を収率73.8%で得た。
MS m/z(ESI):239.1[M+1]
【0230】
(ステップ3)
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(メトキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-((2-(メトキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 14d(1.1g、4.6mmol)を220℃に加熱し、撹拌して8時間反応させた。反応が完了した後、反応液を室温に冷却して、1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(メトキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン 14eの粗生成物(1.1g、褐色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):239.1[M+1]
【0231】
(ステップ4)
1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(メトキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン 14e(1.1g、4.6mmol)を10mLのアセトニトリルに溶解し、ヨウ素(2.34g、9.2mmol)および重炭酸ナトリウム(1.55g、18.4mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加えた後、固体のチオ硫酸ナトリウムを徐々に加え、溶液の色が明るくなくなるまで撹拌して溶解し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 14f(1.4g、褐色粘性物質)を収率83.6%で得た。
MS m/z(ESI):365.0[M+1]
【0232】
(ステップ5)
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 14f(1.4g、3.84mmol)を15mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(500mg、7.69mmol)を加え、60℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLの水を注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 14g(430mg、黄色粘性物質)を収率41.2%で得た。
MS m/z(ESI):280.1[M+1]
【0233】
(ステップ6)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 14g(430mg、1.54mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(373mg、3.08mmol)およびチタン酸テトラエチル(1.41g、6.16mmol)を順次加え、次いで還流し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 14h(440mg、黄色粘性物質)を収率74.8%で得た。
MS m/z(ESI):383.2[M+1]
【0234】
(ステップ7)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 14h(440mg、1.15mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(4.6mL、2.31mmol、0.5mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を30mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 14iの粗生成物(440mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):385.2[M+1]
【0235】
(ステップ8)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 14i(440mg、1.15mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 14jの粗生成物(320mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):281.1[M+1]
【0236】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 14j(320mg、1.14mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(257mg、1.14mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.18g、9.12mmol)を加え、135℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 14k(170mg、黄色粘性物質)を収率31.8%で得た。
MS m/z(ESI):470.3[M+1]
【0237】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 14k(170mg、0.36mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(97mg、0.44mmol)および10%パラジウム炭素(50mg、50%の水を含む)を加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 14lの粗生成物(197mg、黄色粘性物質)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):544.3[M+1]
【0238】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 14l(197mg、0.36mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=5:1:1)7mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(152mg、3.6mmol)を加え、90℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、20mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整した後、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、50mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 14mの粗生成物(187mg、黄色泡状固体)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):516.2[M+1]
【0239】
(ステップ12)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 14m(187mg、0.36mmol)を1mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、反応物を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 14nの粗生成物(151mg)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):416.2[M+1]
【0240】
(ステップ13)
(3R,11S)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 14
(3R,11R)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 15
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 14n(151mg、0.36mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(167mg、0.44mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(374mg、2.93mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=3:1)4mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に50mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、50mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11S)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 14(3.85mg、収率2.7%)および(3R,11R)-6-フルオロ-11-(メトキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 15 (30mg、収率21%)を得た。
14
MS m/z(ESI):398.2[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.66 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.94 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.48 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 3.76-3.60 (m, 1H), 3.14 (d, J = 14.0 Hz, 2H), 3.03 (s, 1H), 2.99 (s, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.73 (s, 1H), 1.56 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
15
MS m/z(ESI):398.2[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.62 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 6.82 (dd, J = 8.2, 2.6 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 10.1, 2.7 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.95 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.78-3.68 (m, 1H), 3.67-3.58 (m, 2H), 3.46 (s, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.28 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 2.89 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 1.54 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0241】
〔実施例16〕
(3R)-6-ブロモ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化49】
【化50】
【0242】
(ステップ1)
1-(5-ブロモ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 16a(10g、46.5mmol)を100mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、3-ブロモ-2-メチルプロペン(7.53g、55.8mmol)および炭酸カリウム(12.8g、93mmol)を順次加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に200mLの水を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(5-ブロモ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 16bの粗生成物(12.46g、黄色油状物質)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):269.0[M+1]
【0243】
(ステップ2)
1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-ブロモ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 16b(12.46g、46.5mmol)を220℃に加熱し、撹拌して6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、100mLのジクロロメタンを加えて溶解し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 16c(6.97g、赤色油状物質)を収率56%で得た。
MS m/z(ESI):268.9[M+1]
【0244】
(ステップ3)
1-(5-ブロモ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 16c(11g、41mmol)を200mLのアセトニトリルに溶解し、ヨウ素(20.8g、82mmol)および重炭酸ナトリウム(13.8g、164mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。そして、残渣に200mLの酢酸エチルを加えて溶解し、25%飽和重亜硫酸ナトリウム溶液(100mL×2)および飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-ブロモ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 16d(15g、白色固体)を収率92.6%で得た。
MS m/z(ESI):394.5[M+1]
【0245】
(ステップ4)
1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-ブロモ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 16d(6.4g、16.2mmol)を50mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(2.1g、32.4mmol)を加え、95℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 16e(3.97g、白色固体)を収率79.4%で得た。
MS m/z(ESI):310.9[M+1]
【0246】
(ステップ5)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 16e(3.97g、12.8mmol)を50mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(3.1g、25.6mmol)およびチタン酸テトラエチル(11.67g、51.2mmol)を順次加え、75℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLの水を加え、多量の固体を沈殿させ、濾過した。濾過ケーキを100mLの酢酸エチルですすいで濾液を得た後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 16f(5.17g、白色固体)を収率97.8%で得た。
MS m/z(ESI):413.0[M+1]
【0247】
(ステップ6)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 16f(5.17g、12.5mmol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(50mL、25mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を100mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 16g(4.5g、白色固体)を収率86.7%で得た。
MS m/z(ESI):415.0[M+1]
【0248】
(ステップ7)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 16g(4.5g、10.8mmol)を40mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、10mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 16h(3.36g、白色固体)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):294.0[M-16]
【0249】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 16h(3.36g、10.8mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(2.67g、11.8mmol)を60mLのn-ブタノールに溶解した。、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(15mL,86.4mmol)を加え、125℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 16i(4.5g、白色固体)を収率83.3%で得た。
MS m/z(ESI):501.1[M+1]
【0250】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(5-ブロモ-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 16i(3.19mg、6.38mmol)を25mLのメタノールに溶解し、トリフェニルホスフィン(2.5g、9.57mmol)を加え、80℃で1.5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、50mLの酢酸エチルを加えて希釈し、1.0M希塩酸でpHの値を4に調整した。反応液を分離して水相を回収し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpHの値を10に調整した後、反応液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を100mLのジクロロメタンに溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.09g、9.57mmol)およびトリエチルアミン(1.3g、12.76mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(5-ブロモ-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 16j(2.776g、白色固体)を収率76%で得た。
MS m/z(ESI):473.9[M-100]
【0251】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(5-ブロモ-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(5-ブロモ-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 16j(450mg、0.78mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=2:2:1)5mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(238mg、6.28mmol)を加え、80℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、20mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、20mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(5-ブロモ-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 16kの粗生成物(426mg、白色固体)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):545.9[M+1]
【0252】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(5-ブロモ-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 16k(426mg、0.78mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、0.5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、反応液を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 16lの粗生成物(348mg、白色固体)を得た。当該生成物は精製せずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):445.9[M+1]
【0253】
(ステップ12)
(3R)-6-ブロモ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 16l(348mg、0.78mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(360mg、0.94mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(805mg、6.24mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=1:1)6mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に10mLの水を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、10mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6-ブロモ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 16(100mg)を収率29.9%で得た。
MS m/z(ESI):427.9[M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.16-9.13 (d, J =12.0 Hz, 1H), 8.23-8.19 (m, 2H), 7.08 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.15-6.13 (d, J =8.0 Hz, 1H),5.72 (s, 1H), 5.19-5.15 (m, 1H), 3.99-3.94 (m, 1H), 3.41-3.15 (m, 3H), 1.66-1.65 (m, 6H).
【0254】
〔実施例17〕
(3R)-6-シアノ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化51】
【化52】
【0255】
(ステップ1)
(3R)-6-シアノ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
(3R)-6-ブロモ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 16(45mg、0.105mmol)、シアン化亜鉛(62mg、0.525mmol)、亜鉛粉末(0.7mg、0.0105mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(29mg、0.053mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19.2mg、0.021mmol)を5mLのN,N-ジメチルアニリンに溶解し130℃で3時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、10mLの水を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6-シアノ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 17(10mg)を収率25.6%で得た。
MS m/z(ESI):375.0[M+1]
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 9.02-9.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.22-8.18 (m, 2H), 7.36 (s, 1H),7.21 (s, 1H), 6.19-6.17 (d, J =8.0 Hz, 1H),6.03 (s, 1H), 5.23-5.19 (m, 1H), 4.13-4.10 (m, 1H), 3.43-3.29 (m, 3H), 1.69-1.66 (m, 6H).
【0256】
〔実施例18〕
(3R)-6-フルオロ-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化53】
【化54】
【0257】
(ステップ1)
5-メチレン-1,3,2-ジオキサチアン-2-オキシド
2-メチレンプロパン-1,3-プロパンジオール 18aを100mLの四塩化炭素に溶解し、0℃に冷却した。塩化チオニル(50.7g、426mmol)を50mLの四塩化炭素に溶解し、上記溶液に0℃で滴下し、0℃で1時間反応させた。反応完了後、反応液を200mLの氷水に注ぎ、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(200mL)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(200mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-メチレン-1,3,2-ジオキサチアン-2-オキシド 18b(28.7g、黄色液体)を得た。当該生成物は次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):135.0[M+1]
【0258】
(ステップ2)
1-(5-フルオロ-2-((2-(ヒドロキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 14a(33.0g、214mmol)を100mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、0℃に冷却し、水素化ナトリウム(10.2g、256mmol)をバッチで徐々に加え、0℃で0.5時間撹拌した。次いで、5-メチレン-1,3,2-ジオキサチアン-2-オキシド 18b(28.7g、214mmol)を0℃で滴下し、室温まで自然に昇温させ、50℃まで加熱し、1時間反応させた後、100℃まで連続的に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した。反応液を300mLの氷水に注ぎ、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-((2-(ヒドロキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 18c(20g、暗褐色液体)を収率41.7%で得た。
MS m/z(ESI):225.2[M+1]
【0259】
(ステップ3)
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(ヒドロキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-((2-(ヒドロキシメチル)アリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 18c(20g、89.2mmol)を220℃に加熱し、撹拌し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、100mLの酢酸エチルを加えて溶解し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(ヒドロキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン 18d(5.5g、黄色液体)を収率27.5%で得た。
MS m/z(ESI):225.2[M+1]
【0260】
(ステップ4)
1-(5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2-(ヨードメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-(ヒドロキシメチル)アリル)フェニル)エタン-1-オン 18d(5.5g、24.55mmol)を55mLのアセトニトリルに溶解し、ヨウ素(12.4g、49.1mmol)および重炭酸ナトリウム(8.24g、98.1mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、有機相の色が明るくなくなるまで飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(200mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2-(ヨードメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18e(5.4g、黄色固体)を収率62.8%で得た。
MS m/z(ESI):351.1[M+1]
【0261】
(ステップ5)
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2-(ヨードメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18e(5.4g、15.4mmol)を50mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(2.0g、30.8mmol)を加え、85℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18f(2.9g、褐色粘性物質)を収率70.7%で得た。
MS m/z(ESI):266.0[M+1]
【0262】
(ステップ6)
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18f(1g、3.77mmol)を10mLのジクロロメタンに溶解し、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(diethylaminosulfur trifluoride)(728mg、4.5mmol)を加え、還流し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18g(440mg、黄色液体)を収率44%で得た。
MS m/z(ESI):268.1[M+1]
【0263】
(ステップ7)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18g(440mg、1.65mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(400mg、3.3mmol)およびチタン酸テトラエチル(1.51g、6.6mmol)を順次加え、90℃で一晩還流反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 18h(420mg、黄色粘性物質)を収率68.9%で得た。
MS m/z(ESI):371.2[M+1]
【0264】
(ステップ8)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 18h(420mg、1.14mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(6.8mL、3.42mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を10mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 18i(420mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):373.1[M+1]
【0265】
(ステップ9)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 18i(420mg、1.13mmol)を3mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 18j(303mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):269.2[M+1]
【0266】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 18j(303mg、1.13mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(255mg、1.13mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.17g、9mmol)を加え、130℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 18k(200g、白色固体)を収率38.7%で得た。
MS m/z(ESI):458.3[M+1]
【0267】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 18k(200mg、0.44mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(115mg、0.52mmol)および10%パラジウム炭素(水を50%含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 18l(232mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):532.2[M+1]
【0268】
(ステップ12)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 18l(232mg、0.44mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=3:1:1)5mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(185mg、4.4mmol)を加え、95℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、20mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、20mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 18mの粗生成物(222mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):504.2[M+1]
【0269】
(ステップ13)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 18m(222mg、0.44mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、4mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で0.5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 18nの粗生成物(178mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):404.3[M+1]
【0270】
(ステップ14)
(3R)-6-フルオロ-11-(フルオロメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(フルオロメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 18n(178mg、0.44mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(203mg、0.88mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(340.56mg、2.64mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=5:1)6mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に10mLのジクロロメタンを加え、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL×3)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、10mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6-フルオロ-11-(フルオロメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 18(90mg)を収率53.2%で得た。
MS m/z(ESI):386.2[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 7.6, 2.3 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.91-6.78 (m, 1H), 6.76 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.38 (dd, J = 7.6, 2.3 Hz, 1H), 4.96 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 4.78 (q, J = 12.2, 11.4 Hz, 1H), 4.66 (q, J = 12.4, 11.5 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 13.0, 9.3 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 3.29 (s, 1H), 2.96 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 1.55 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0271】
〔実施例19〕
(3R)-6-フルオロ-11-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化55】
【化56】
【0272】
(ステップ1)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 18f(500mg、1.89mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(459mg、3.79mmol)およびチタン酸テトラエチル(1.73g、7.59mmol)を順次加え、90℃で一晩還流反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した。2つの反応液を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19a(278mg、黄色粘性物質)を全収率40%で得た。
MS m/z(ESI):369.1[M+1]
【0273】
(ステップ2)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19a(50mg、0.136mmol)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、イミダゾール(19mg、0.28mmol)およびtert-ブチルジメチルシリルクロリド(24mg、0.16mmol)を加え、75℃で6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、100mLの水に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19b(50mg、黄色粘性物質)を収率76.9%で得た。
MS m/z(ESI):483.3[M+1]
【0274】
(ステップ3)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19b(50mg、0.1037mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(0.4mL、0.2mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を10mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19c(50mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):485.2[M+1]
【0275】
(ステップ4)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 19c(1g、2.1mmol)をテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V=10:1)11mLに溶解し、ヨウ素(105mg、0.42mmol)を加え、50℃で3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、50mLの水を加えた後、チオ硫酸ナトリウムの固形分を徐々に加え、、溶液の色が明るくなくなるまで撹拌して溶解し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 19d(黄色粘性物質)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):381.2[M+1]
【0276】
(ステップ5)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 19dおよび5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(489mg、2.17mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.25g、17.44mmol)を加え、130℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 19e(110mg、白色固体)を9.2%の2段階収率で得た。
MS m/z(ESI):570.3[M+1]
【0277】
(ステップ6)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 19e(110mg、0.19mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(51mg、0.23mmol)および10%パラジウム炭素(50mg、50%の水を含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 19f(122mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):644.3[M+1]
【0278】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 19f(122mg、0.19mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=5:1:1)7mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(160mg、3.8mmol)を加え、90℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、20mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、50mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 19gの粗生成物(95mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):502.2[M+1]
【0279】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 19g(95mg、0.19mmol)を3mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、5mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で0.5時間反応させた。反応が完了した後、反応液を減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 19hの粗生成物(76mg)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):402.2[M+1]
【0280】
(ステップ9)
(3R)-6-フルオロ-11-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 19h(76mg、0.19mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(88mg、0.228mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(196mg、1.52mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=5:1)6mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に10mLのジクロロメタンを加え、水(20mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、10mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6-フルオロ-11-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 19(14mg)を収率18.4%で得た。
MS m/z(ESI):384.1[M+1]
【0281】
〔実施例20〕
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,11.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
【化57】
【化58】
【0282】
(ステップ1)
1-(3-アセチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 5a(5g、24mmol)を500mLのジクロロメタンに溶解し、室温で撹拌し、オゾンを導入した後、得られた溶液を室温で6時間反応させた。反応完了後、反応液をトリフェニルホスフィンでクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(3-アセチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-オン 20a(2g、黄色固体)を収率39.7%で得た。
MS m/z(ESI):211.1[M+1]
【0283】
(ステップ2)
(E)-3-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ブタ-2-エンニトリル
シアノメチルホスホン酸ジエチル(6.3g、35.5mmol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解し、0℃に冷却し、水素化ナトリウム(1.42g、35.5mmol)をバッチで徐々に加え、0℃で1時間反応させた。次いで、1-(3-アセチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-オン 20a(5g、23.7mmol)を加え、室温まで加温し、一晩連続反応させた。反応完了後、当該系を50mLの氷水に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(E)-3-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ブタ-2-エンニトリル 20b(1.1g、黄色固体)を収率18.1%で得た。
MS m/z(ESI):257.1[M+1]
【0284】
(ステップ3)
2-(7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル
(E)-3-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)ブタ-2-エンニトリル 20b(1.9g、2.4mmol)を50mLのジクロロメタンに溶解し、室温で撹拌し、オゾンを導入し、得られた溶液を室温で4時間連続反応させた。反応完了後、反応液をトリフェニルホスフィンでクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、2-(7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 20c(560mg、オフホワイト色固体)を収率56%で得た。
MS m/z(ESI):234.1[M+1]
【0285】
(ステップ4)
(R)-N-((E)-1-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
、2-(7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 20c(1.2g、5.15mmol)を20mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(1.25g、10.3mmol)およびチタン酸テトラエチル(4.7g、20.6mmol)を順次加え、90℃で一晩還流反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20d(1.3g、黄色粘性物質)を収率75%で得た。
MS m/z(ESI):337.2[M+1]
【0286】
(ステップ5)
(R)-N-((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20e
(R)-N-((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20f
(R)-N-((E)-1-(2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20d(1.3g、3.87mmol)を15mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(15mL、7.5mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、メタノール10mLで反応液をクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20e(300mg、黄色粘性物質、収率23.1%)、および、(R)-N-((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20f(530mg、黄色粘性物質、収率40.77%)を得た。
MS m/z(ESI):339.0[M+1]
【0287】
(ステップ6)
2-((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル
(R)-N-((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20e(300mg、0.89mmol)を2mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、3mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、2-((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 20g(208mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):235.3[M+1]
【0288】
(ステップ7)
5-(((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
2-((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 20g(208mg、0.89mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(240mg、1.07mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(918mg、7.12mmol)を加え、80℃に加熱し、5時間反応させた。2-((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 20g(1.3g、5.56mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(1.26g、5.6mmol)をn-ブタノール10mLに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.74g、44mmol)を加え、80℃に加熱し、5時間反応させた。反応が完了した後、2つの反応液を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 20h(678mg、白色固体)を収率24.8%で得た。
MS m/z(ESI):424.3[M+1]
【0289】
(ステップ8)
5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((R)-1-((R)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 20h(678mg、1.6mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(419mg、1.92mmol)およびラネーニッケル(1g)を加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 20i(843mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):528.4[M+1]
【0290】
(ステップ9)
5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 20i(843mg、1.6mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=10:10:1)12mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(671mg、15.99mmol)を加え、80℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してエタノールおよびテトラヒドロフランを除去し、50mLの水を加え、1.0M希塩酸で酸性に調整した後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、100mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 20j(720mg、黄色粘性物質)を収率90%で得た。
MS m/z(ESI):500.2[M+1]
【0291】
(ステップ10)
5-(((R)-1-((R)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((R)-1-((R)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 20j(720mg、1.44mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、8mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((R)-1-((R)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 20k(574mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):400.1[M+1]
【0292】
(ステップ11)
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
5-(((R)-1-((R)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 20k(574mg、1.44mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(665mg、1.73mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.49g、11.55mmol)をジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=10:1)11mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に50mLのジクロロメタンを加え、水(50mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 20(100mg)を、収率18.22%で得た。
MS m/z(ESI):382.0[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.77-8.68 (m, 1H), 8.50 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.66-4.47 (m, 1H), 3.61 (s, 2H), 3.26 (d, J = 22.3 Hz, 2H), 2.88 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 2.14 (s, 1H), 1.51-1.40 (m, 3H), 1.43-1.34 (m, 3H).
【0293】
〔実施例21〕
(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.1
8,11.0
4,9.0
19,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
【化59】
【化60】
【0294】
(ステップ1)
2-((R)-7-((S)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル
(R)-N-((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 20f(530mg、1.57mmol)を3mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、4mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、2-((R)-7-((S)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 21a(367mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):235.4[M+1]
【0295】
(ステップ2)
5-(((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
2-((R)-7-((S)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 21a(367g、1.57mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(433mg、1.92mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.62g、12.56mmol)を加え、80℃に加熱し、5時間反応させた。2-((R)-7-((S)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)アセトニトリル 21a(831mg、3.55mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(800mg、3.56mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.67g、28.4mmol)を加え、80℃に加熱し、5時間反応させた。反応が完了した後、2つの反応液を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 21b(1.0g、白色固体)を収率46.18%で得た。
MS m/z(ESI):424.2[M+1]
【0296】
(ステップ3)
5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((R)-1-((S)-2-(シアノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 21b(1.0g、2.36mmol)を5mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(618mg、2.8mmol)およびラネーニッケル(1g)を加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 21c(1.24g、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):528.3[M+1]
【0297】
(ステップ4)
5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 21c(1.24g、2.36mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=10:1:1)12mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(994mg、23.69mmol)を加え、80℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下でエタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。次いで、50mLの水を加え、1.0M希塩酸を加えて酸性に調整した後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、10mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 21dの粗生成物(910mg、黄色粘性物質)を収率77.27%で得た。
MS m/z(ESI):500.2[M+1]
【0298】
(ステップ5)
5-(((R)-1-((S)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((R)-1-((S)-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 21d(910mg、1.8mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、8mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((R)-1-((S)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 21e(728mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):400.1[M+1]
【0299】
(ステップ6)
(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン
5-(((R)-1-((S)-2-(2-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 21e(728mg、1.8mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(840mg、2.18mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.89g、14.65mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=10:1)11mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に50mLのジクロロメタンを加え、水(50mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11S)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,14,18,19,22-ペンタアザペンタシクロ[14.5.2.18,11.04,9.019,23]テトラコサ-1(22),4,6,8,16(23),17,20-ヘプタエン-15-オン 21(230mg)を収率33.54%で得た。
MS m/z(ESI):382.3[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.55 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.47 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 6.96-6.90 (m, 1H), 6.85 (dd, J = 10.0, 2.8 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.25-5.06 (m, 1H), 3.75 (dt, J = 15.2, 7.7 Hz, 1H), 3.70-3.62 (m, 1H), 3.48 (dt, J = 13.3, 5.5 Hz, 1H), 3.22 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 2.17-2.05 (m, 1H), 1.49 (s, 3H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
【0300】
〔実施例22〕
(3R)-6-クロロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化61】
【化62】
【0301】
(ステップ1)
1-(5-クロロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 22a(5.1g、30mmol)を50mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、3-ブロモ-2-メチルプロペン(4.86g、36mmol)および炭酸カリウム(8.29g、60mmol)を順次加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(5-クロロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 22b(6.72g、黄色油状物質)を得た。当該生成物はさらなる精製を行わずに次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):225.0[M+1]
【0302】
(ステップ2)
1-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-クロロ-2-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 22b(6.72g、30mmol)を220℃に加熱した後、撹拌し、5.5時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、100mLのジクロロメタンを加えて溶解し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 22c(6.72g、赤色油状物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):224.9[M+1]
【0303】
(ステップ3)
1-(5-クロロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(2-メチルアリル)フェニル)エタン-1-オン 22c(1g、4.46mmol)を30mLのテトラヒドロフランに溶解し、ヨードスクシンイミド(2g、8.93mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。残渣に30mLのジクロロメタンを加えて溶解した。次いで、25%重亜硫酸ナトリウム溶液(20mL×2)および飽和塩化ナトリウム溶液(20mL×2)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-クロロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 22d(1.34g、白色固体)を収率85.9%で得た。
MS m/z(ESI):351.0[M+1]
【0304】
(ステップ4)
1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン
1-(5-クロロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 22d(1.34g、3.82mmol)を20mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(496mg、7.64mmol)を加え、95℃に加熱し、一晩反応させた。LC-MSは反応が不完全であることを示し、反応を115℃で3時間継続した。反応完了後、反応液を室温まで冷却した後、50mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をさらに分離し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 22e(1g、黄色油状物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):265.9[M+1]
【0305】
(ステップ5)
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 22e(940mg、3.55mmol)を20mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(858mg、7.09mmol)およびチタン酸テトラエチル(3.24g、14.2mmol)を順次加え、75℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、50mLの水に注ぎ、50mLの酢酸エチルを加え、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 22f(360mg、白色固体)を収率27.7%で得た。
MS m/z(ESI):368.9[M+1]
【0306】
(ステップ6)
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 22f(360mg、1mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(4mL、2mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 22g(271mg、白色固体)を収率73%で得た。
MS m/z(ESI):371.0[M+1]
【0307】
(ステップ7)
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 22g(271mg、0.73mmol)を3mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、4mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 22h(195mg、白色固体)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):250.0[M-16]
【0308】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 22h(525mg、1.97mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(443mg、1.97mmol)を10mLのn-ブタノールに溶解した。次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.7mL、15.76mmol)を加え、125℃に加熱し、5時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 22i(731mg、黄色固体)を収率81%で得た。
MS m/z(ESI):456.1[M+1]
【0309】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 22i(731mg、1.6mmol)を10mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(420mg、1.93mmol)および10%パラジウム炭素(100mg、水50%を含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を珪藻土で濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 22j(350mg、白色固体)を収率41%で得た。
MS m/z(ESI):530.2[M+1]
【0310】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(アジドメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 22j(350mg、0.66mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=2:2:1)5mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(222mg、5.29mmol)を加え、85℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、15mLの酢酸エチルを加えて反応液を希釈し、10%クエン酸水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで洗浄し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 22k(330mg、黄色油状物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):502.2[M+1]
【0311】
(ステップ11)
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 22k(330mg、0.66mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 22l(264mg、白色固体)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):401.8[M+1]
【0312】
(ステップ12)
(3R)-6-クロロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
5-(((1R)-1-(2-(アミノメチル)-5-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 22l(264mg、0.66mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(304mg、0.79mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.5mL、2.44mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=1:1)6mLに溶解し、35℃で4時間反応させた。反応完了後、反応液に10mLの水を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R)-6-クロロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 22(50mg)を収率19.8%で得た。
MS m/z(ESI):384.0[M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.18-9.16 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.22-8.13 (m, 2H), 6.97 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.59 (s, 1H),6.25-6.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.17-5.15 (m, 1H), 3.99-3.93 (m, 1H) , 3.43-3.14 (m, 3H), 1.66-1.63 (m, 6H).
【0313】
〔実施例23および24〕
(2R,14R)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.2
4,7.0
6,10.0
17,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 23
(2R,14S)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.2
4,7.0
6,10.0
17,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 24
【化63】
【化64】
【0314】
(ステップ1)
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン 23a(1.7g、10mmol)を20mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、炭酸カリウム(1.52g、11mmol)を加えて室温で撹拌した。3-ブロモ-2-メチルプロペン(1.35g、10mmol)を15mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、上記混合溶液に滴下し、50℃まで昇温し、50℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 23b(430mg、黄色油状物質)を収率19.1%で得た。
【0315】
(ステップ2)
1-(7-フルオロ-3-(ヨードメチル)-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-((2-メチルアリル)オキシ)フェニル)エタン-1-オン 23b(130mg、0.58mmol)および重炭酸ナトリウム(97mg、1.16mmol)をアセトニトリル5mLに溶解し、ヨウ素(176mg、0.7mmol)を加え、60℃で4時間反応させ、85℃まで加温し、3時間連続反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、50mLの水を加えた後、チオ硫酸ナトリウムの固形分を徐々に加え、溶液の色が明るくなくなるまで撹拌して溶解し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、1-(7-フルオロ-3-(ヨードメチル)-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 23c(190mg、淡黄色固体)を収率93.6%で得た。
MS m/z(ESI):351.0[M+1]
【0316】
(ステップ3)
1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン
1-(7-フルオロ-3-(ヨードメチル)-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 23c(190mg、0.54mmol)を3mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、アジ化ナトリウム(71mg、1.09mmol)を加え、75℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、50mLの水を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 23d(143mg)を収率98%で得た。
MS m/z(ESI):266.2[M+1]
【0317】
(ステップ4)
(R)-N-((E)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-オン 23d(143mg、0.54mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(131mg、1.08mmol)およびチタン酸テトラエチル(492mg、2.16mmol)を順次加え、95℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 23e(90mg、黄色液体)を収率45.5%で得た。
MS m/z(ESI):369.0[M+1]
【0318】
(ステップ5)
(R)-N-((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソ-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 23e(90mg、0.24mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(1mL、0.48mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を10mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮して、(R)-N-((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソ-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 23f(90mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):371.4[M+1]
【0319】
(ステップ6)
(1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン
(R)-N-((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソ-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 23f(90mg、0.24mmol)を2mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、(1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 23g(65mg、白色固体)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):267.0[M+1]
【0320】
(ステップ7)
5-(((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
(1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エタン-1-アミン 23g(65mg、0.24mmol)および5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 1j(55mg、0.24mmol)を5mLのn-ブタノールに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(248mg、1.92mmol)を加え、130℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、5-(((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 23h(50mg、黄色粘性物質)を収率45.87%で得た。
MS m/z(ESI):456.3[M+1]
【0321】
(ステップ8)
5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ)[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル
5-(((1R)-1-(3-(アジドメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 23h(50mg、0.1098mmol)を3mLのメタノールに溶解した。次いで、二炭酸ジ-tert-ブチル(29mg、0.13mmol)と10%パラジウム炭素(10mg、水を50%含む)を順次加え、水素ガスを3回置換し、水素バルーンを挿入し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を珪藻土で濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ)[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 23i(58mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):530.1[M+1]
【0322】
(ステップ9)
5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ)[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル 23i(58mg、0.11mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=2:1:1)4mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(41mg、1.1mmol)を加え、85℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、5mLの酢酸エチルを加えて反応液を希釈し、10%クエン酸水溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 23j(55mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):502.1[M+1]
【0323】
(ステップ10)
5-(((1R)-1-(3-(アミノメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
5-(((1R)-1-(3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 23j(55mg、0.11mmol)を2mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、2mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、5-(((1R)-1-(3-(アミノメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 23k(44mg、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):402.2[M+1]
【0324】
(ステップ11)
(2R,14R)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 23
(2R,14S)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 24
5-(((1R)-1-(3-(アミノメチル)-7-フルオロ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-5-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 23k(44mg、0.11mmol)、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(51mg、0.13mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(114mg、0.88mmol)を、ジクロロメタンとN.N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=3:1)4mLに溶解し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に10mLの水を加え、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(2R,14R)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 23(10mg、収率23.8%)、(2R,14S)-19-フルオロ-2,14-ジメチル-16,22-ジオキサ-3,5,7,8,12-ペンタアザペンタシクロ[12.6.2.24,7.06,10.017,21]テトラコサ-1(20),4,6(10),8,17(21),18,23-ヘプタエン-11-オン 24(4.1mg)を収率9.3%で得た。
23
MS m/z(ESI):384.1[M+1]
24
MS m/z(ESI):384.1[M+1]
【0325】
〔実施例25〕
(3R,11R)-16-アミノ-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
【化65】
【化66】
【0326】
(ステップ1)
2-((7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
1-(5-フルオロ-2-(ヨードメチル)-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エタン-1-オン 5b(33.4g、100mmol)およびフタルイミドカリウム塩 25a(22g、120mmol)を、200mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、145℃で6時間反応させた。反応完了後、反応液に1Lの水を加え、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、2-((7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン 25b(22g、白色固体)を収率62.8%で得た。
MS m/z(ESI):354.1[M+1]
【0327】
(ステップ2)
(R)-N-((E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2-((7-アセチル-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン 25b(21.3g、60mmol)を250mLのテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 1b(14.6g、120mmol)およびチタン酸テトラエチル(54.7g、240mmol)を順次加え、75℃で一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(R)-N-((E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25c(21.4g、黄色固体)を収率78.2%で得た。
MS m/z(ESI):457.1[M+1]
【0328】
(ステップ3)
(R)-N-((R)-1-((R)-2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25c(21.4g、47mmol)を250mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、9-ボラビシクロ[3,3,1]-ノナン(188mL、94mmol、0.5mol/L)を滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液を100mLのメタノールでクエンチし、減圧下で濃縮し、(R)-N-((R)-1-((R)-2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25d(4.5g、黄色粘性物質)を収率21%で得た。
MS m/z(ESI):459.2[M+1]
【0329】
(ステップ4)
(R)-N-((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((R)-1-((R)-2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25d(4.5g、10mmol)およびヒドラジン水和物(2.5g、50mmol)を100mLのエタノールに溶解し、還流し、2時間反応させた。反応完了後、反応液を濾過し、濾過ケーキをエタノール(50mL×3)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、500mLの水を加え、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(R)-N-((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25e(2.9g、黄色油状物質)を収率88%で得た。
MS m/z(ESI):329.1[M+1]
【0330】
(ステップ5)
(((R)-7-((R)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル
(R)-N-((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 25e(2.9g、8.84mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.1g、9.7mmol)およびトリエチルアミン(2.4mL、17.68mmol)を加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応液に300mLの水を加え、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離系:A)により精製し、(((R)-7-((R)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル 25f(1.4g、黄色油状物質)を収率33.6%で得た。
MS m/z(ESI):329.0[M-100]
【0331】
(ステップ6)
(((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル
(((R)-7-((R)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル 25f(1.4g、3mmol)およびヨウ素(152mg、0.6mmol)を、テトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V=4:1)15mLに溶解し、50℃で3時間反応させた。反応完了後、100mLの水を加え、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。そして、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル 25g(0.9g、黄色油状物質)を収率92%で得た。
MS m/z(ESI):325.1[M+1]
【0332】
(ステップ7)
2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸tert-ブチル
(((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル 25g(3.7g、11.41mmol)、2-アミノ-5-(p-トシロキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸tert-ブチル 25h(4.61g、11.41mmol、公開特許WO2019023417A1に従って調製した)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(11.79g、91.25mmol)を、35mLの第三級ブチルアルコールに溶解し、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(展開系:A)により精製し、2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸tert-ブチル 25i(2.4g、黄色泡状固体)を収率37.8%で得た。
MS m/z(ESI):557.1[M+1]
【0333】
(ステップ8)
2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸tert-ブチル 25i(2.4g、4.31mmol)を25mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、10mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応液を減圧下で濃縮し、2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 25j(1.73g、黄色粘性物質)を収率100%で得た。
MS m/z(ESI):401.1[M+1]
【0334】
(ステップ9)
(3R,11R)-16-アミノ-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン
2-アミノ-5-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸 25j(1.73g、4.32mmol)をジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=5:1)30mLに溶解し、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(1.99g、5.18mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.47g、34.56mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応完了後、反応液に100mLのジクロロメタンを加えた。当該系を飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11R)-16-アミノ-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,18,21-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15(22),16,19-ヘプタエン-14-オン 25(700mg)を収率42.37%で得た。
MS m/z(ESI):383.0[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 8.1, 2.7 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 10.0, 2.8 Hz, 1H), 6.09 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.90 (ddd, J = 7.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H), 3.75 (dd, J = 13.1, 9.8 Hz, 1H), 3.23 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.18 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.00 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 1.58 (s, 3H), 1.51 (d, J = 7.0 Hz, 3H).
【0335】
〔実施例26〕
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,21,22-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.1
8,11.0
4,9.0
18,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15,17,19-ヘプタエン-14-オン
【化67】
【化68】
【0336】
(ステップ1)
6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸エチル
(((R)-7-((R)-1-アミノエチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル)メチル)カルバミン酸tert-ブチル 25g(500mg、1.54mmol)、6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸エチル 26a(417.33mg、1.85mmol)およびフッ化カリウム(447.76mg、7.71mmol)を、10mLのジメチルスルホキシドに溶解し、120℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に100mLの水を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。そして、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(展開系:A)により精製し、6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸エチル 26b(230mg、黄色泡状固体)を収率29.1%で得た。
MS m/z(ESI):514.3[M+1]
【0337】
(ステップ2)
6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸エチル 26b(230mg、0.447mmol)を、エタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒(V:V:V=5:1:1)7mLに溶解し、水酸化リチウム一水和物(187.92mg、4.48mmol)を加え、85℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、100mLの水を加え、1M希塩酸で酸性に調整し、酢酸エチル(100mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸 26c(217mg、黄色粘性物質)を収率99.8%で得た。
MS m/z(ESI):486.2[M+1]
【0338】
(ステップ3)
6-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾール[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
、6-(((R)-1-((R)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸 26c(217mg、0.447mmol)を5mLのジクロロメタンに溶解した。次いで、0.11mLの塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(4mol/L)を加え、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、反応液を減圧下で濃縮して、6-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾール[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸 26dの粗生成物(172mg、黄色固体)を得た。当該生成物は次の反応に直接使用した。
MS m/z(ESI):386.2[M+1]
【0339】
(ステップ4)
(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,21,22-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15,17,19-ヘプタエン-14-オン
6-(((R)-1-((R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-2-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)エチル)アミノ)イミダゾール[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸 26d(172mg、0.447mmol)を、ジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒(V:V=5:1)6mLに溶解し、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(172mg、0.447mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.461mg、3.57mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応完了後、反応液に50mLのジクロロメタンを加え、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣から液相を調製し(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm(内径);5μm、20mL/分;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)、(3R,11R)-6-フルオロ-3,11-ジメチル-10-オキサ-2,13,17,21,22-ペンタアザペンタシクロ[13.5.2.18,11.04,9.018,22]トリコサ-1(21),4,6,8,15,17,19-ヘプタエン-14-オン 26(80mg)を収率26%で得た。
MS m/z(ESI):368.1[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.34 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.88-7.72 (m, 2H), 6.86-6.73 (m, 3H), 4.89-4.74 (m, 1H), 3.93 (dd, J = 13.5, 9.6 Hz, 1H), 3.33-3.25 (m, 2H), 3.06 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 1.63 (s, 3H), 1.55 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0340】
〔生物学的評価〕
〔試験例1〕TRKA、TRKB、TRKC、TRKA(G595R)、TRKA(G667C)およびTRKC(G623R)キナーゼ活性における本発明の化合物の測定
インビトロでの組換えヒトNTRKファミリーキナーゼの活性に対する本発明の化合物の抑制度を測定するために、以下の手法を使用した。この方法では、Cisbio社のHTRF(登録商標)KinEASE-TKチロシンキナーゼキット(品番:62TK0PEB)を使用した。当該キットの原理は時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TF-FRET)に基づいている。NTRKキナーゼの活性に対する化合物の阻害は、NTRKキナーゼによって媒介されるビオチン化ポリペプチド基質のリン酸化度を測定することによって反映した。詳細な実験操作については、キットの説明書を参照されたい。組換えヒト野生型NTRKタンパク質はCarna bioscienceから購入した(品番はそれぞれ、TRKA#08-186、TRKB#08-187およびTRKC#08-197)。組換えヒト変異NTRKタンパク質をSignalChemから購入した(品番はそれぞれ、TRKA G595R #N16-12BG-10、TRKA G667C #N16-12CG-10、および、TRKC G623R #N18-12CH-10)。
【0341】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作した。以下に簡略化して記載する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、キットに提供されている緩衝液で段階希釈した。反応系における試験化合物の最終濃度は、1,000nM~0.004nMの範囲であった。各NTRKタンパク質のATP Km値濃度を、段階希釈したATP溶液(Sangon Biotech(Shanghai)Co., Ltd.、A600311)を用いて測定した。得られたKm値から、反応系におけるATP濃度を、100μM(TRKA)、10μM(TRKB)、50μM(TRKC)、7μM(TRKA(G595R))、1μM(TRKA(G667C))、100μM(TRKC(G623R))とした。反応は384ウェルマイクロプレート中で行った。最初に、化合物および一定量の対応するNTRKタンパク質をウェルに加え、室温において5分間~10分間インキュベートした。次いで、ATP溶液およびビオチン化ポリペプチド基質溶液を反応液に加え、振盪しながら室温で60分間インキュベートした。次いで、ユーロピウム化合物と結合した抗リン酸化チロシン抗体および改変アロフィコシアニンXL665と結合したストレプトアビジンを反応物に加え、室温で1時間振盪しながら連続的にインキュベートした。インキュベーション後、304nmの励起波長、ならびに620nMおよび665nMの発光波長における各ウェルの蛍光強度値を、マイクロプレートリーダーのTF-FRETモードで測定した。対照群(0.1%DMSO)の蛍光強度比と比較して、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって化合物のIC50値を得た(表1参照)。
【0342】
【0343】
結論:野生型および変異型TRKA、TRKBおよびTRKCの両方において本発明の化合物は良好な阻害効果を有する。
【0344】
〔試験例2〕BAF3 LMNA-TRKAWTおよびBAF3 LMNA-TRKAG667Cの細胞増殖活性における本発明の化合物の測定
以下の手法を用いて、細胞増殖における本発明の化合物の効果を測定した。BAF3細胞は、National Infrastructure of Cell Line Resource(Beijing Headquarter)から購入した。TRKAについては、BAF3細胞を用いてBAF3 LMNA-TRKAWTおよびBAF3 LMNA-TRKAG667Cの3つの安定な細胞株を構築した。上記の3つの細胞株を用いて、細胞活性に対する化合物の阻害を測定した。細胞を、10%ウシ胎仔血清、100Uペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを含むRPMI 1640培地中で培養した。細胞を37℃の5%CO2インキュベーター中で培養した。細胞の活性は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay kit(Promega、品番:G7573)によって測定した。
【0345】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作した。以下に簡略化して記載する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、対応する細胞培養液で段階希釈して試験試料を調製した。化合物の最終濃度は、1μM~0.15nMの範囲であった。対数増殖期の細胞を96ウェル細胞培養プレートに適切な濃度で接種し、37℃の5%CO2インキュベーターで一晩培養した。試験化合物の試料を加えてから、細胞を72時間連続的に培養した。培養後、50μLのCellTiter-Glo検出液を各ウェルに加え、5分間振盪した後、10分間静置し、発光モードを用いてマイクロプレートリーダーで各ウェルの発光値を読み取った。対照群(0.3%DMSO)の吸光度値と比較することにより、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって、細胞増殖阻害における化合物のIC50値を得た(表2参照)。
【0346】
【0347】
結論:BAF3 LMNA-TRKAWTおよびBAF3 LMNA-TRKAG667Cの安定な転移細胞株の増殖に対して、本発明の化合物は有意な阻害効果を有する。
【0348】
〔試験例3〕BAF3 LMNA-TRKAG595Rの細胞増殖活性における本発明の化合物の測定
以下の手法を用いて、細胞増殖における本発明の化合物の効果を測定した。BAF3細胞は、National Infrastructure of Cell Line Resource(Beijing Headquarter)から購入した。TRKAについては、BAF3細胞からBAF3 LMNA-TRKAG595Rの安定な形質転換細胞株を構築した。上記細胞株を用いて、細胞活性に対する化合物の阻害を測定した。細胞を、10%ウシ胎仔血清、100Uペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを含むRPMI 1640培地中で培養した。細胞を37℃の5%CO2インキュベーター中で培養した。細胞の活性は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay kit(Promega、品番:G7573)によって測定した。
【0349】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作した。以下に簡略化して記載する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、対応する細胞培養液で段階希釈して試験試料を調製した。化合物の最終濃度は、1μM~0.15nMの範囲であった。対数増殖期の細胞を96ウェル細胞培養プレートに適切な濃度で接種し、37℃の5%CO2インキュベーターで一晩培養した。試験化合物の試料を加えてから、細胞を72時間連続的に培養した。培養後、50μLのCellTiter-Glo検出液を各ウェルに加え、5分間振盪した後、10分間静置し、発光モードを用いてマイクロプレートリーダーで各ウェルの発光値を読み取った。対照群(0.3%DMSO)の吸光度値と比較することにより、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって、細胞増殖阻害における化合物のIC50値を得た(表3参照)。
【0350】
【0351】
結論:レポトレクチニブと比較すると、BAF3 LMNA-TRKAG595の安定な転移細胞株の増殖に対して、本発明の化合物は有意な阻害効果を有する。化合物8および25はBAF3 LMNA-TRKAG595に対して予想外の阻害効果(レクチニブの2.9~4.1倍の阻害効果)を有する。
【0352】
〔試験例4〕ALKキナーゼの活性における本発明の化合物の測定
インビトロでの組換えヒトALKキナーゼの活性に対する本発明の化合物の抑制度を測定するために、以下の手法を使用した。この方法ではCisbio社のHTRF(登録商標)KinEASE-TKチロシンキナーゼキット(品番:62TK0PEB)を使用した。当該キットの原理は時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TF-FRET)に基づいている。ALKキナーゼの活性に対する化合物の阻害は、ALKキナーゼによって媒介されるビオチン化ポリペプチド基質のリン酸化度を測定することによって反映した。詳細な実験操作については、キットの説明書を参照されたい。組換えヒトALKはSignalChemから購入した(品番はALK#A19-11G-10であった)。
【0353】
以下に、実験の流れを簡単に説明する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、キットに提供されている緩衝液で段階希釈した。反応系における試験化合物の最終濃度は、1,000nM~0.004nMの範囲であった。各ALKタンパク質のATP Km値濃度を、段階希釈したATP溶液(Sangon Biotech(Shanghai)Co., Ltd.、A600311)を用いて測定した。得られたKm値から、反応系におけるATP濃度を、1μM(ALK)、10μM(ALK(G1202R))、25μM(ALK(L1196M、G1202R))とした。反応は384ウェルマイクロプレート中で行った。最初に、化合物および一定量の対応するALKタンパク質をウェルに加え、室温において5分間~10分間インキュベートした。次いで、ATP溶液およびビオチン化ポリペプチド基質溶液を反応液に加え、振盪しながら室温で60分間インキュベートした。次いで、ユーロピウム化合物と結合した抗リン酸化チロシン抗体および改変アロフィコシアニンXL665と結合したストレプトアビジンを反応物に加え、室温で1時間振盪しながら連続的にインキュベートした。インキュベーション後、304nmの励起波長、ならびに620nMおよび665nMの発光波長における各ウェルの蛍光強度値を、マイクロプレートリーダーのTF-FRETモードで測定した。また、各セルの蛍光強度比665/620を算出した。対照群(0.1%DMSO)の蛍光強度比と比較して、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって化合物のIC50値を得た(表4参照)。
【0354】
【0355】
結論:レポトレクチニブと比較すると、ALKに対して、本発明の化合物は好ましい阻害効果を有する。化合物8および25はALKに対して予想外の阻害効果(レクチニブの4.7~4.9倍の阻害効果)を有する。
【0356】
〔試験例5〕ALK(G1202R)およびALK(L1196M、G1202R)キナーゼの活性における本発明の化合物の測定
組換えヒトALK(G1202R)およびALK(L1196M、G1202R)キナーゼの活性に対する本発明の化合物の抑制度を測定するために、以下の手法を用いた。この方法ではCisbio社のHTRF(登録商標)KinEASE-TKチロシンキナーゼキット(品番:62TK0PEB)を使用した。当該キットの原理は時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TF-FRET)に基づいている。ALK(G1202R)およびALK(L1196M、G1202R)キナーゼの活性に対する化合物の阻害はALKキナーゼによって媒介されるビオチン化ポリペプチド基質のリン酸化度を測定することによって反映した。詳細な実験操作については、キットの説明書を参照されたい。組換えヒトALK(G1202R)およびALK(L1196M、G1202R)は、両方ともSignalChemから購入した(品番はそれぞれ、ALK(G1202R)#A19-12HG-10、およびALK(L1196M、G1202R)#A19-12NG-10であった)。
【0357】
以下に、実験の流れを簡単に説明する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、キットに提供されている緩衝液で段階希釈した。反応系における試験化合物の最終濃度は、1000nM~0.004nMの範囲であった。各ALKタンパク質のATP Km値濃度を、段階希釈したATP溶液(Sangon Biotech(Shanghai)Co., Ltd.、A600311)を用いて測定した。得られたKm値から、反応系におけるATP濃度を、10μM(ALK(G1202R))、25μM(ALK(L1196M、G1202R))とした。反応は384ウェルマイクロプレート中で行った。最初に、化合物および一定量の対応するALKタンパク質をウェルに加え、室温において5分間~10分間インキュベートした。次いで、ATP溶液およびビオチン化ポリペプチド基質溶液を反応液に加え、振盪しながら室温で60分間インキュベートした。次いで、ユーロピウム化合物と結合した抗リン酸化チロシン抗体および改変アロフィコシアニンXL665と結合したストレプトアビジンを反応物に加え、室温で1時間振盪しながら連続的にインキュベートした。インキュベーション後、304nmの励起波長、ならびに620nMおよび665nMの発光波長における各ウェルの蛍光強度値を、マイクロプレートリーダーのTF-FRETモードで測定した。また、各セルの蛍光強度比665/620を算出した。対照群(0.1%DMSO)の蛍光強度比と比較して、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって化合物のIC50値を得た(表5参照)。
【0358】
【0359】
結論:本発明の化合物はALK(G1202R)およびALK(L1196M、G1202R)キナーゼの両方に対して好ましい阻害効果を有する。
【0360】
〔試験例6〕ROS1およびROS1(G2032R)キナーゼの活性における本発明の化合物の測定
インビトロでの組換えヒトROS1キナーゼの活性に対する本発明の化合物の抑制度を測定するために、以下の手法を使用した。この方法では、Cisbio社のHTRF(登録商標)KinEASE-TKチロシンキナーゼキット(品番:62TK0PEB)を使用した。当該キットの原理は時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TF-FRET)に基づいている。ROS1キナーゼの活性に対する化合物の阻害は、ROS1キナーゼによって媒介されるビオチン化ポリペプチド基質のリン酸化度を測定することによって反映した。詳細な実験操作については、キットの説明書を参照されたい。組換えヒトROS1およびROS1(G2032R)は、両方ともSignalChemから購入した(品番はそれぞれR14-11G-10およびROS1(G2032R)#R14-12BG-10であった)。
【0361】
以下に、実験の流れを簡単に説明する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、キットに提供されている緩衝液で段階希釈した。反応系における試験化合物の最終濃度は、1000nM~0.004nMの範囲であった。各ROS1タンパク質のATP Km値濃度を、段階希釈したATP溶液(Sangon Biotech(Shanghai)Co., Ltd.、A600311)を用いて測定した。得られたKm値から、反応系におけるATP濃度を、1μM(ROS1)、0.5μM(ROS1(G2302R))とした。反応は384ウェルマイクロプレート中で行った。最初に、化合物および一定量の対応するROS1タンパク質をウェルに加え、室温において5分間~10分間インキュベートした。次いで、ATP溶液およびビオチン化ポリペプチド基質溶液を反応液に加え、振盪しながら室温で60分間インキュベートした。次いで、ユーロピウム化合物と結合した抗リン酸化チロシン抗体および改変アロフィコシアニンXL665と結合したストレプトアビジンを反応物に加え、室温で1時間振盪しながら連続的にインキュベートした。インキュベーション後、304nmの励起波長、ならびに620nMおよび665nMの発光波長における各ウェルの蛍光強度値を、マイクロプレートリーダーのTF-FRETモードで測定した。また、各セルの蛍光強度比665/620を算出した。対照群(0.1%DMSO)の蛍光強度比と比較して、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 6ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって化合物のIC50値を得た(表6参照)。
【0362】
【0363】
結論:本発明の化合物は、ROS1およびROS1(G2032R)キナーゼの両方に対して好ましい阻害効果を有する。
【0364】
〔試験例7〕H2228(ヒト肺癌細胞)およびKARPAS-299(ヒト未分化大細胞リンパ腫細胞)の細胞増殖活性における本発明の化合物の測定
以下の手法を用いて、細胞増殖に対する本発明の化合物の効果を測定した。H2228細胞(EML4-ALK融合物を含む)を、Cell Resource Center of Shanghai Institutes for Biological Sciences, Chinese Academy of Sciencesから購入した。KARPAS-299細胞(NPM-ALK融合物を含む)は、Nanjing COBIOER Biotechnology Co., Ltd.から購入した。上記の2つの細胞株を用いて、細胞活性に対する化合物の阻害を測定した。細胞を、10%ウシ胎仔血清、100Uペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、および1mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI 1640培地中で培養した。細胞を37℃の5%CO2インキュベーター中で培養した。細胞の活性は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay kit(Promega、品番:G7573)によって測定した。
【0365】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作した。以下に簡略化して記載する。試験化合物を最初にDMSOに溶解して保存液を調製した。次いで、対応する細胞培養液で段階希釈して試験試料を調製した。化合物の最終濃度は、10μM~1.5nMの範囲であった。対数増殖期の細胞を96ウェル細胞培養プレートに適切な濃度で接種し、37℃の5%CO2インキュベーターで一晩培養した。試験化合物の試料を加えてから、細胞を72時間連続的に培養した。培養後、50μLのCellTiter-Glo検出液を各ウェルに加え、5分間振盪した後、10分間静置し、発光モードを用いてマイクロプレートリーダーで各ウェルの発光値を読み取った。対照群(0.3%DMSO)の吸光度値と比較することにより、各濃度での化合物の阻害率を算出し、GraphPad Prism 5ソフトウェアによって化合物の濃度-阻害率の対数値の非線形回帰分析を行うことによって、細胞増殖阻害における化合物のIC50値を得た(表7参照)。
【0366】
【0367】
結論:H2228細胞およびKARPAS-299細胞の増殖に対して、本発明の化合物は好ましい阻害効果を有する。
【0368】
〔試験例8〕ICRマウスにおける本発明の化合物の薬物動態試験
(1.実験目的)
本試験では、ICRマウスを試験動物として使用した。また、LC/MS/MS法を使用して、レポトレクチニブおよび本発明の化合物を静脈内注射または胃内投与したマウスの血漿中の薬物濃度を測定し、マウスにおける本発明の化合物の薬物動態特性を試験した。
【0369】
(2.実験方法)
(2.1 実験薬物および実験動物)
レポトレクチニブ、実施例5の化合物、実施例8の化合物および実施例25の化合物。ICRマウスは29.0g~33.8gの雄マウスであり、Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltdから購入した。動物品質証明書番号は33000800001184である。
【0370】
(2.2 薬物の調製)
静脈内注射群:適正量の薬物を秤量し、混合溶媒(DMA:30%のSolutol HS-15:生理食塩水=10:10:80(v/v/v))を加え、最終濃度0.2mg/mLの薬物を調製した。
強制経口投与群:適正量の薬物を秤量し、適正量のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na、0.5%のTween80を含む)を加え、ボルテックス振盪し、0.5mg/kgの懸濁液に超音波調製した。
【0371】
(2.3 投与)
ICRマウスについては、各試験対象化合物を静脈内注射群(各群9匹のマウス)および胃内投与群(各群9匹のマウス)に分けた。ICRマウスを一晩絶食させた後、眼窩静脈内注入(投与用量(administration dose)1mg/kg、投与量(administration volume)5mL/kg)により投与、および、胃内注入(投与用量5mg/kg、投与量10mL/kg)により投与し、投与4時間後に食餌を摂取させた。
【0372】
(3.操作)
投与前、ならびに、投与してから0.083時間後、0.25時間後、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後および24時間後に頚静脈から約0.2mLの血液を採取し、抗凝固剤としてヘパリンナトリウムを用いた。採取した血液サンプルを氷上に置き、遠心分離(遠心分離条件:1500g、10分)により血漿を分離した。回収した血漿を分析前に-40℃~-20℃で保存した。
【0373】
LC-MS/MSを使用して、静脈内注射および胃内投与後のマウス血漿中の種々の試験対象化合物の含有量を測定した。
【0374】
(4.薬物動態学的パラメータの結果)
本発明の化合物および陽性対照の薬物動態学的パラメータを表8に示す。
【0375】
【0376】
結論:レポトレクチニブと比較して、本発明である実施例5の化合物、実施例8の化合物および実施例25の化合物は、CmaxおよびAUC0-∞が有意に高く、クリアランス速度が有意に低く、バイオアベイラビリティが有意に改善し、薬物動態における吸収が良く、薬物動態特性が優れていた。特に、レポトレクチニブと比較して、本発明の実施例8の化合物のCmax、AUC0-∞およびバイオアベイラビリティはそれぞれ、レポトレクチニブの14.7倍、10.6倍および4.1倍である。この結果は、本発明の一般式(I)中の環Bがベンゾヘテロシクリルであるとき、化合物の薬物動態における吸収が有意に改善され、本発明の化合物が薬物動態における利点を有することを十分に立証している。
【0377】
備考:レポトレクチニブは特許出願WO2017007759に従って調製した。レポトレクチニブの具体的な構造は以下の通りである。
【化69】