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特許7318018セルラー電気通信ネットワークにおけるフロントホール物理レイヤスプリット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】セルラー電気通信ネットワークにおけるフロントホール物理レイヤスプリット
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20230724BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20230724BHJP
【FI】
H04L1/00 E
H04W92/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021573532
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020062656
(87)【国際公開番号】W WO2020249326
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】19179353.8
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390028587
【氏名又は名称】ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 Braham Street,London,E1 8EE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー、リチャード
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/027711(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/152982(WO,A1)
【文献】特開2011-077795(JP,A)
【文献】特開2002-232427(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012873(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04W 92/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー電気通信ネットワーク中の基地局を動作させる方法であって、前記基地局が、中央基地局ユニットと分散基地局ユニットとを有し、ここにおいて、前記中央基地局ユニットと前記分散基地局ユニットとが、第1および第2の容量構成を有するフロントホールリンクを介して通信し、前記セルラー電気通信ネットワークが、前記基地局を介してサービスを消費するユーザ機器UEをさらに含み、前記方法は、
第1の容量構成と第1のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップと、
前記サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するステップ、ここにおいて、前記サービスの前記信頼性測度が前記サービスの信頼性を示す、と、
(a)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも小さい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールリンクを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも大きい、と、
によって応答するステップと、
(b)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも大きい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールリンクを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも小さい、と、
によって応答するステップと、
前記第2の容量構成と前記第2のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記フロントホールリンクが、異なる送信モードに切り替わることと、異なる通信プロトコルに切り替わることと、代替または追加の送信ハードウェアに切り替わることとのうちの1つまたは複数によって、前記第2の容量構成を使用するように再構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成する前記ステップは、
前記第2のビット幅を使用して前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するときの容量要件を推定することと、
前記推定された容量要件を前記フロントホールリンクの第2の容量構成と比較することと
を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプルが、同相および直交(IQ)サンプルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記中央基地局ユニットと前記UEとの間の通信が、構成可能なエラー緩和技法を利用し、ここにおいて、前記エラー緩和技法は前記第1のビット幅の変更及びMCSの変更を含まない、前記方法が、前記エラー緩和技法を再構成するステップをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、プログラムがコンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を行わせる、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項8】
セルラー電気通信ネットワークのための基地局ユニットであって、前記セルラー電気通信ネットワークが、前記基地局ユニットを介してサービスを消費するユーザ機器UEを含み、前記基地局ユニットが、
第1の容量構成と第1のビット幅とにおいて別の基地局ユニットとのフロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成されたトランシーバと、
前記サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するように構成されたプロセッサと、ここにおいて、前記サービスの前記信頼性測度が前記サービスの信頼性を示す、を備え、
(a)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも小さい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールリンクを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも大きい、と、
によって応答することと、
(b)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも大きい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールリンクを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも小さい、と、
によって応答することと
を行い、ここにおいて、再構成に続いて、前記トランシーバが、前記第2の容量構成と前記第2のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成された、
基地局ユニット。
【請求項9】
前記トランシーバが、異なる送信モードに切り替わることと、異なる通信プロトコルに切り替わることと、代替または追加の送信ハードウェアに切り替わることとのうちの1つまたは複数によって、前記第2の容量構成を使用するように再構成された、請求項8に記載の基地局ユニット。
【請求項10】
前記第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成することが、
前記第2のビット幅を使用して前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するときの容量要件を推定することと、
前記推定された容量要件を前記フロントホールリンクの第2の容量構成と比較することと
を含む、請求項8または請求項9に記載の基地局ユニット。
【請求項11】
前記サンプルが、同相および直交(IQ)サンプルである、請求項8から10のいずれか一項に記載の基地局ユニット。
【請求項12】
構成可能なエラー緩和技法を使用して前記UEと通信するように構成された中央基地局ユニットであり、ここにおいて、前記エラー緩和技法は前記第1のビット幅の変更及びMCSの変更を含まない、ここにおいて、前記プロセッサが、前記エラー緩和技法を再構成するようにさらに構成された、請求項8から11のいずれか一項に記載の基地局ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラー電気通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー電気通信ネットワークは、コアネットワークと、無線アクセスネットワークと、複数のユーザ機器(UE)とを備え得る。各UEは、無線アクセスネットワークを介してコアネットワークに(およびコアネットワークからインターネットなどへの何らかのオンワード接続に)アクセスし得る。基地局は、無線アクセスネットワークノードの一例である。基地局は、ベースバンド処理として知られるいくつかの機能を実装する。一例では、ベースバンド処理は、物理レイヤ(PHY)レイヤ機能、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ機能、無線リンク制御(RLC)レイヤ機能、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤ機能、および無線リソース制御(RRC)レイヤ機能を含む。
【0003】
集中型無線アクセスネットワーク(C-RAN)を実装する現代のセルラー電気通信ネットワークでは、基地局機能は、(ハードウェアで実装される場合は物理的に、またはソフトウェア定義ネットワーク中で実装される場合は論理的のいずれかで)いくつかの(典型的には2つの)構成要素に分割され得る。これら2つの構成要素は、一般には中央ユニット(CU)および分散ユニット(DU)として知られているが、他の用語(ベースバンドユニット(BBU)およびリモート無線ユニット(RRU)など)が使用されることがある。CUとDUは、ワイヤレスまたはワイヤード(典型的には光ファイバー)接続であり得るフロントホールリンクによって接続される。DUは、少なくとも無線周波数(RF)機能(たとえばアナログデジタルおよびデジタルアナログ変換)のセット、ならびに場合によっては1つまたは複数のベースバンド処理機能を実装する。ベースバンド処理機能の残りは、CUにおいて実装される。CUとDUとの間の機能のスプリットは、「機能スプリット」として知られている。
【0004】
CUが複数のDUに接続されるとき、機能スプリットの選定において利点と欠点とがある。すなわち、より多くの機能がCUにおいて実装される(したがって、少ない機能がDUにおいて実装される)ほど、DUの処理要件は低減され、CUは、複数のDUにわたる協調を改善し得る。しかしながら、そのような実装形態は、概して、より大きい容量およびより低いレイテンシなど、より厳しいフロントホール要件を有する。
【0005】
1つの可能な機能スプリットは、RFおよび下位PHY機能がDUにおいて実装され、すべての残りの機能がCUにおいて実装される、PHY内スプリットとして知られている。この実装形態では、CUとDUとは、フロントホール接続を介して同相および直交(IQ)サンプルを通信する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、セルラー電気通信ネットワーク中の基地局を動作させる方法が提供され、基地局は、中央基地局ユニットと分散基地局ユニットとを有し、ここにおいて、中央基地局ユニットと分散基地局ユニットとは、第1および第2の容量構成を有するフロントホールリンクを介して通信し、セルラー電気通信ネットワークは、基地局を介してサービスを消費するユーザ機器UEをさらに含み、本方法は、第1の容量構成と第1のビット幅とにおいてフロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップと、サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するステップと、(a)サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さい場合、(1)第2のビット幅を使用するようにサンプルを再構成すること、ここにおいて、第2のビット幅が、サンプルごとに第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、(2)第2の容量構成を使用するようにフロントホールを再構成すること、ここにおいて、第2の容量構成が、第1の容量構成よりも大きい、と、によって応答するステップと、(b)サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも大きい場合、(1)第2のビット幅を使用するようにサンプルを再構成すること、ここにおいて、第2のビット幅が、サンプルごとに第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、(2)第2の容量構成を使用するようにフロントホールを再構成すること、ここにおいて、第2の容量構成が、第1の容量構成よりも小さい、と、によって応答すること、第2の容量構成と第2のビット幅とにおいてフロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップとを備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、命令を備えるコンピュータプログラム製品が提供され、命令は、プログラムがコンピュータによって実行されたとき、コンピュータに、本発明の第1の態様の方法を行わせる。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリア上に記憶され得る。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、セルラー電気通信ネットワークのための基地局ユニットが提供され、ここにおいて、セルラー電気通信ネットワークは、基地局ユニットを介してサービスを消費するユーザ機器UEを含み、基地局ユニットは、第1の容量構成と第1のビット幅とにおいて分散基地局ユニットとのフロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成されたトランシーバと、サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するように構成されたプロセッサとを備え、(a)サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さい場合、(1)第2のビット幅を使用するようにサンプルを再構成すること、ここにおいて、第2のビット幅が、サンプルごとに第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、(2)第2の容量構成を使用するようにフロントホールを再構成すること、ここにおいて、第2の容量構成が、第1の容量構成よりも大きい、と、によって応答することと、(b)サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも大きい場合、(1)第2のビット幅を使用するようにサンプルを再構成すること、ここにおいて、第2のビット幅が、サンプルごとに第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、(2)第2の容量構成を使用するようにフロントホールを再構成すること、ここにおいて、第2の容量構成が、第1の容量構成よりも小さい、と、によって応答することとを行い、ここにおいて、再構成に続いて、トランシーバは、第2の容量構成と第2のビット幅とにおいてフロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成される。
【0009】
フロントホールは、異なる送信モードに切り替わることと、異なる通信プロトコルに切り替わることと、代替または追加の送信ハードウェアに切り替わることとのうちの1つまたは複数によって、第2の容量構成を使用するように再構成され得る。
【0010】
第2のビット幅を使用するようにサンプルを再構成するステップは、第2のビット幅を使用してフロントホールを介してサンプルを通信するときの容量要件を推定することと、推定された容量要件をフロントホールの第2の容量構成と比較することとを含み得る。
【0011】
サンプルは、同相および直交(IQ)サンプルであり得る。
【0012】
中央基地局ユニットとUEとは、構成可能なエラー緩和技法を利用し得、本方法は、エラー緩和技法を再構成するステップをさらに備え得る(またはプロセッサが、このステップを実装するようにさらに適応され得る)。
【0013】
サービスのレイテンシ測度またはそれの派生物がしきい値よりも大きいと決定すると、第2のビット幅は、サンプルごとに第1のビット幅よりも多くのビットを有し得る。代替的に、サービスのレイテンシ測度またはそれの派生物がしきい値よりも小さいと決定すると、第2のビット幅は、サンプルごとに第1のビット幅よりも少ないビットを有し得る。
【0014】
エラー緩和技法を再構成するステップは、エラー緩和技法がアクティブである第1の状態と、エラー緩和技法が非アクティブである第2の状態との間で切り替わることを含み得る。
【0015】
本発明がより良く理解され得るために、次に、それの実施形態について、単に例として、添付の図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のセルラー電気通信ネットワークの一実施形態の概略図。
図2図1のネットワークの中央基地局ユニットの概略図。
図3図1のネットワークの分散基地局ユニットの概略図。
図4】本発明の方法の一実施形態の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明のセルラー電気通信ネットワークの第1の実施形態について、図1から図3を参照しながら説明される。図1は、中央ユニット(CU)10と、分散ユニット(DU)20と、ユーザ機器(UE)30とを含む集中型無線アクセスネットワーク(C-RAN)1を示す。CU10とDU20は、フロントホールリンク40によって接続される。
【0018】
CU10は、図2においてより詳細に示されている。CU10は、バス19を介してすべて接続されている、CU10を(バックホールリンクを介して)セルラーコアネットワークに接続するための第1の通信インターフェース11と、プロセッサ13と、メモリ15と、CU10を(フロントホールリンク40を介して)DU20に接続するための第2の通信インターフェース17とを含む。この実施形態では、第1の通信インターフェース11は、CU10を光ファイバーバックホールリンクに接続するための光ファイバーインターフェースであり、第2の通信インターフェース17も、CU10を光ファイバーフロントホールリンクに接続するための光ファイバーインターフェースである。しかしながら、当業者は、ワイヤード接続の別の形態(たとえばxDSL)またはワイヤレス接続の形態(たとえばセルラー電気通信プロトコルに従って動作するもの)など、他の形態のバックホールおよびフロントホールリンクが可能であることを理解されよう。
【0019】
DU20は、図3においてより詳細に示されている。DU20は、DU20をフロントホールリンク40を介してCU10に接続するための第1の通信インターフェース21と、プロセッサ23と、メモリ25と、DU20をアクセスリンクを介してUE30に接続するための第2の通信インターフェース27とを含む。この実施形態では、第2の通信インターフェース27は、UE30とのワイヤレス通信のためのアンテナへのインターフェースである。
【0020】
図1に戻ると、CU10とDU20とが、セルラー電気通信プロトコルの異なる機能を実施することが示されている。この実施形態では、DU20は、無線周波数(RF)機能(図示されず)と、下位物理(PHY)レイヤ機能とを実施し、一方、CU10は、上位PHYレイヤ機能と、媒体アクセス制御(MAC)機能と、無線リンク制御(RLC)機能と、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)機能とを含む、すべての上位レイヤ機能を実施する。これは、PHY内機能スプリットとして知られている。この構成では、CU10とDU20とは、フロントホールリンク40を介して送信される、周波数領域同相および直交(IQ)サンプルを使用して通信する。
【0021】
xRANフロントホールワーキンググループ技術仕様書「Control, User and Synchronisation Plane Specification」v02.00は、各IQサンプル中で使用されるビット数が変動する様々なIQサンプル構造を(アネックスDにおいて)指定している。IQサンプル中のビット数は、「ビット幅」として知られている。これらのIQサンプルビット幅は、6から16ビットにわたる(両端値を含む)。これらの異なるIQサンプルビット幅は、異なる圧縮レベルを使用して達成可能である。すなわち、IQサンプルは、サンプルごとのより比較的多くのビットを達成するためにより低い圧縮レベルの代わりに、サンプルごとのより比較的少ないビットを達成するためにより大きい圧縮レベルを使用し得る。上記のxRAN仕様書のアネックスAは、使用され得る様々な圧縮技法を定義している。CU10とDU20とのそれぞれのプロセッサ13、23は、利用可能なビット幅のいずれか1つを達成するために、これらの圧縮技法のうちの1つまたは複数を実装することが可能である。
【0022】
受信機または送信機の性能は、それのエラーベクトル振幅(EVM)パラメータによって定義され得る。エラーベクトルは、理想的なコンスタレーションポイントと被測定信号との間のI-Q平面中のベクトルである。ピーク信号振幅に正規化されたエラーベクトルの平均振幅は、EVMである。3GPP(登録商標)技術仕様書36.104「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Base Station (BS) radio transmission and reception」は、セクション6.5.2において、E-UTRAキャリアのためのいくつかのEVM要件を次のように定義している。
【0023】
【表1】
【0024】
表1は、より高次の変調方式が、改善されたEVM性能を必要とすることを示している(より低いEVMパーセンテージは、改善されたEVM性能と対応する)。さらに、表1は、変調およびコーディング方式(MCS)ごとに最小EVMがあることを示している。
【0025】
以下の説明は、送信機EVMに関係する。しかしながら、受信機EVMも測定可能であり、信号対干渉雑音比(SINR)の低減に寄与することに留意されたい。すなわち、アップリンクトラフィックのためのビット幅の効果は、量子化効果とも見なされ得、ここで、低減されたビット幅は、受信信号の有効な信号対干渉雑音比(SINR)を劣化させることができる。
【0026】
本発明の方法の第1の実施形態について、次に図1図4とを参照しながら説明される。この実施形態では、セルラー電気通信ネットワーク1は、図1に示されているように構成され、CU10とDU20とは、サンプルごとに6ビット(上記のXRAN仕様書によるサンプルごとの最も小さいビット数)を有するIQサンプルを使用して通信し、したがって、最も高い圧縮レベルを使用する。この開始シナリオでは、UE30は、セルラーコアネットワークからのサービスのためのトラフィックが、CU10と、DU20と、フロントホールリンク40とを介してUE30とセルラーコアネットワークとの間で送信されるように、このサービスを消費している。
【0027】
この実施形態では、CU10とDU20とは、サービスの現在のトラフィックをサポートする初期容量を有するフロントホールリンク40を利用する。しかしながら、CU10とDU20とは、(たとえば、100Mb/sイーサネット(登録商標)を使用する)低容量構成から(たとえば、1Gb/sイーサネットを使用する)高容量構成に切り替わることによって、この容量を変動させ得る。この開始シナリオでは、フロントホールリンク40は、低容量構成を使用しており、したがって、それの潜在的容量の一部分のみを使用している。
【0028】
この実施形態の第1のステップ(ステップS1)において、CU10が、サービスのトラフィックのエラーレートを決定するために、UE30へのアクセスリンクを監視する。エラーレートは、プロトコルスタックの特定のレイヤにおけるエラーレートの単一の測定値、またはプロトコルスタックの複数のレイヤにおけるエラーレートの測定値のセットであり得る。
【0029】
ステップS3において、CU10とUE30との間のエラーレートをしきい値と比較する。このしきい値は、サービスが、たとえば、10%以下の物理レイヤブロックエラーレートを必要とする場合、10%未満のエラーレートがこのしきい値を満たすように、UE30よって消費されている特定のサービスに基づく。しきい値は、0.1%以下のMACレイヤブロックエラーレート、またはおよび0.0001%以下のRLCレイヤブロックエラーレートなど、プロトコルの他のレイヤにも基づき得る。
【0030】
例示的なシナリオでは、DU20とUE30との間のRF環境は、DU20とUE30との間のエラーレートがしきい値を上回って増加するように、劣化する。この劣化は、たとえば、DU20とUE30との間を移動している障害物に起因し得る。従来技術では、このイベントは、CU10がそれの現在のMCSから別のMCSに切り替わるためのトリガとして使用され得る。しかしながら、この実施形態では、CU10は、(たとえば、それが、最もロバストなMCSをすでに使用しているので)MCSを切り替えず、代わりに、以下のステップを実装する。
【0031】
ステップS5において、CU10が、可能な最大ビット幅(すなわち、サンプルごとの最大ビット数)を決定する。この実施形態では、この決定は以下に基づく。
【0032】
ダウンリンクの場合、逆高速フーリエ変換(iFFT)の最大ビット幅、および電力増幅器とデジタルアナログ変換器の両方の精度、ならびに
アップリンクの場合、FFTの最大ビット幅、アナログデジタル変換器と受信機の両方の感度の精度。
【0033】
この例では、CU10は、最大ビット幅がサンプルごとに9ビットであると決定する。したがって、フロントホールリンク40は、サンプルごとに、6、7、8または9ビットのいずれか1つを使用し得る。ステップS7において、CU10が、次いで、以下に基づいてこれらの候補ビット幅からビット幅を選択する。
【0034】
1. それの高容量構成の下で動作するときのフロントホールリンクの容量に対する、候補ビット幅を使用するときのフロントホールリンク40の予想される容量要件の比較、ならびに
2. (証明および/または較正データから知られる)サービスのエラーレートしきい値に対する、候補ビット幅を使用するときの予想されるエラーレートの比較。
【0035】
予想される容量要件は、次のように計算され得、
【0036】
【数1】
【0037】
ここで、Rは、送信時間間隔(TTI)tの瞬時ユーザプレーンレートであり、
【0038】
【数2】
【0039】
は、時間tにおいてレイヤlにおいてスケジュールされる物理リソースブロック(PRB)の数であり、
Qは、PRBごとのビット数であり、
は、時間tにおける共同スケジュールされたUEの数である。
【0040】
CU10は、次いで、フロントホールリンク40の現在の容量よりも大きい(が、それの高容量構成の下で動作するときのフロントホールリンク40の潜在的容量内である)予想される容量要件を有し、および(場合によっては、裕度を加えた)ステップS3において使用されたエラーレートしきい値を下回る、予想されるエラーレートを有する、候補ビット幅を選択する。この例では、選択されるビット幅は、サンプルごとに8ビットである。
【0041】
ステップS9において、CU10とDU20とが、高容量構成に切り替わることによってフロントホールリンク40の容量を増加させるように協働する。この例では、これは、100Mb/sイーサネット接続から1Gb/sイーサネット接続に切り替わることによって達成される。このステップはまた、フロントホールリンク40を介して送信されている他のサービスのトラフィックによって使用されているリソースを除去し、それらを当該サービスに再割り振りするための、承認制御機能を含み得る。
【0042】
フロントホールリンク40の容量を増加させるための再構成に続いて、ステップS11において、CU10とDU20とが、IQサンプルのビット幅をサンプルごとに8ビットに増加させる。これは、IQサンプルのためにより低い圧縮レベルを使用することによって達成される。ステップS13において、CU10とDU20とが、新しいビット幅を有するIQサンプルを使用して通信する。
【0043】
従来技術では、CU10は、MCSを修正することによって、送信において使用されるシンボルの品質を改善することによって、悪化しているRF環境に応答し得る。上記の表1に示されているように、よりロバストなMCS(すなわち、各シンボルがより少ないビットを表すMCS)への変更は、EVM性能を改善し、したがって、エラーレートを改善する。しかしながら、よりロバストなMCSに切り替わることは、DU20とUE30との間のアクセスリンクが、(理論的にあるいはサービス制約に基づいて)最もロバストな方式をすでに使用しているときなどには、常に適切であり得るとは限らない。本発明のこの実施形態では、DU20は、対応する増加したフロントホール容量要件に適応するために、IQサンプルのビット幅を増加させることと、フロントホールリンク40の容量を増加させることの両方によって、悪化しているRF環境に応答する。IQサンプルのビット幅を増加させることの効果は、DU20が、許容できるエラーレートを維持しながらそれの現在のMCSを維持し得るような、EVM性能の改善である。したがって、UE30は、劣化したRF環境において、許容できるエラーレートを維持しながら、サービスを消費し続け得る。本発明のこの実施形態は、したがって、自律駆動サービスなど、セルラー電気通信ネットワーク上で動作する高信頼性サービスに特に好適である。この実施形態はまた、典型的にはユーザデータよりも信頼できる必要がある、制御データ通信に特に好適である。
【0044】
プロセスは、次いで、DU20がサービスのエラーレートを監視するように、ステップS1にループバックし、ステップS3において、エラーレートをしきい値と比較する。この実施形態の方法のこの第2のイタレーションにおいて、エラーレートは、しきい値を下回る。従来技術では、これは、典型的には、サービスを、あまりロバストでない(したがって、シンボルごとにより多くのビットを使用し、したがって、サービスのためのリンクの容量利用を増加させ得る)MCSに切り替えるためのトリガとして使用されるであろう。しかしながら、この第2のイタレーションでは、このイベントは、ビット幅を変更し、および、場合によっては、それの低容量構成に切り替わることによってフロントホールリンク40の容量を低減するためのトリガとして使用される。
【0045】
この第2のイタレーションのステップS5において、DU20が、最小可能ビット幅を決定し、ステップS7において、DU20が、以下に基づいて、低減されたビット幅を選択する。
【0046】
1. それの低容量構成を使用するときのフロントホールリンクの容量に対する、候補ビット幅を使用するときのフロントホールリンク40の予想される容量要件の比較、ならびに
2. サービスのエラーレートしきい値に対する、候補ビット幅を使用するときの予想されるエラーレートの比較。
【0047】
この例では、DU20は、サービスのエラーレートしきい値を満たす予想されるエラーレートを有し、しかも、フロントホールが低容量構成に切り替わることを可能にし得る予想される容量要件を有する、サンプルごとの7ビットの低減されたビット幅を選択する。
【0048】
ステップS9において、DU20とCU10とが、低容量構成に切り替わるように協働し、ステップS11において、CU10とDU20とが、IQサンプルのビット幅をサンプルごとに7ビットに減少させる。ステップS13において、CU10とDU20とが、新しいビット幅を有するIQサンプルを使用して通信する。そのように行う際に、(たとえば、増加したビット幅がもはや不要になるように改善しているRF環境により)今や冗長になった追加のフロントホール容量は、もはや使用されていない。これは、CU10とDU20とを動作させるエネルギー要件を低減し、別のエンティティによって使用されるべきリソースを解放する。
【0049】
上記の実施形態では、IQサンプルのビット幅と、フロントホールリンクの容量とを再構成するプロセスは、変化するRF環境が検出されるときに(または、少なくとも、変化するエラーレートなどの派生測定値によって)トリガされる。しかしながら、当業者は、これが本質的ではなく、他のトリガが使用され得ることを理解されよう。たとえば、プロセスは、UE30が新しいサービスを要求するか、または既存のサービスが再分類され、それにより、新しいまたは再分類されるサービスの要件がフロントホールリンク40のリソースを超えるときにトリガされ得る。
【0050】
一実装形態では、すべてのサービスのトラフィックではなく、特定のサービスのトラフィック(たとえば、新しいまたは再分類されるサービスのトラフィック)のために、上記の実施形態を実装することが可能である。したがって、異なるサービスのトラフィックは、異なるビット幅であり得る。
【0051】
さらに、上記の実施形態では、フロントホールリンク40は、低容量構成と高容量構成とを有する光ファイバー接続である。しかしながら、当業者は、複数の容量構成を有する他の形態の接続が使用され得ることを理解されよう。たとえば、フロントホールリンクは、ワイヤレス接続に基づき得、容量は、アンテナを有効化/無効化すること、または異なる通信プロトコルに切り替わることによって修正され得る。さらに、複数の容量構成を有するCU10とDU20との間の単一のフロントホール接続があることは、必須ではない。代わりに、CU10とDU20とは、(たとえば、CU10とDU20との間の複数の光ファイバー、または異なる形態のCU10とDU20との間の複数の接続を使用した)マルチパスフロントホール接続を有し得、容量は、異なる数のこれらの接続を使用することによって修正され得る。
【0052】
上記の実施形態の第2のイタレーションにおいて、選択されるビット幅は、フロントホールリンク40の容量の再構成を生じたものであった。しかしながら、CU10は、いくつかのイタレーションの間にフロントホールの容量の変化を直ちに可能にしないであろう、(第1のイタレーションにおいてビット幅を増加させるときに使用された増分と比較して)ビット幅が比較的小さい増分で低減される保守的な手法を取り得る。これは、ビット幅の低減に続いて予測されるエラーレートがあまりに楽観的である場合、高信頼性サービスに何らかの保護を提供する。
【0053】
上記の実施形態では、CUは、候補ビット幅の容量要件を推定し、推定された容量要件を、特定の容量構成を使用するときのフロントホールリンクの潜在的容量と比較した。しかしながら、当業者は、この比較が、どんな後続の再構成もフロントホールリンクのリソースの不当な比率を使用しないような、特定の容量構成の潜在的容量の関数(たとえば潜在的容量の90%)であり得ることを理解されよう。
【0054】
次に、本発明の方法の第2の実施形態について説明される。この実施形態は、第1の実施形態と同じCU10と、DU20と、UE30とを利用し、CU10とDU20とは、CU10とDU20との間の通信が(初期にサンプルごとに6ビットのビット幅で)IQサンプルを使用するように、PHY内スプリットを再び使用する。しかしながら、この第2の実施形態では、CU10とUE30との間の通信は、自動再送要求(ARQ)が通信に適用される第1の状態と、ARQが通信に適用されない第2の状態との間で、CU10とUE30とのそれぞれのプロセッサによって選択的に適用され得るエラー緩和技法の一例である、ARQをも利用する。ARQは、特定のエラーレートを必要とするサービスのためにCU10とUE30とのRLCレイヤにおいて可能にされる、サービス固有のエラー緩和技法である。ARQは、特定の時間期間内に受信されないか、あるいは受信されたが復号され得ないデータパケットの送信ノードからの再送信を要求する受信ノードによって、動作する。応答して、受信ノードは、送信ノードにフィードバックメッセージを送ることによって、そのデータパケットの再送信を要求する。(送信ノードにフィードバックメッセージを送り、送信ノードがデータパケットを再送信する際の)この遅延は、全体的な送信に遅延をもたらし、レイテンシの増加を生じる。したがって、ARQ技法は、信頼性を改善するために使用されるが、レイテンシを劣化させる。
【0055】
この実施形態では、CU10は、レイテンシメトリック(レイテンシ、または再送信のカウントなど、レイテンシの何らかの派生物のいずれか)がしきい値を満たすかどうかを決定するために、サービスについてCU10とUE30との間の通信を監視する。レイテンシがこのしきい値を上回る場合、CU10は、以下の方法で応答する。第1に、CU10とDU20とは、フロントホールリンクを介して通信されるIQサンプルのビット幅を増加させるように協働する。これは、第1の実施形態について上記で説明されたのと同様の方法で実装され、これにおいて、CU10は、(フロントホールリンクの現在の容量と、各ビット幅の予想されるエラーレートとに基づいて)最大ビット幅を識別して候補ビット幅のセット(たとえばサンプルごとに8ビット)を識別し、これらの候補ビット幅のうちの1つを選択し、フロントホールリンク上の通信のビット幅をこの選択されたビット幅に増加させるようにDU20と協働する。第2に、CU10とUE30とは、ARQを無効にするように協働する。これは、第1の状態から第2の状態に切り替わるCU10とUE30とのそれぞれのプロセッサによって実装される。
【0056】
イベントの順序(ARQを無効化にすることおよびビット幅を切り替えること)は非必須であるが、ARQを無効にする前にビット幅を切り替えることが好ましいことに留意されたい。これは、イベントの中間のエラーレート性能を増加させ得るが、増加したリソース利用のペナルティを負い得る。(たとえば、リソース利用がすでに最大であるかまたはその近くにある場合)ビット幅を切り替える前にARQを無効にすることも可能であり得るが、これは、イベントの中間の増加したエラーレートにつながり得る。2つのプロセスを同時に実装することが可能であるが、(たとえばオフセットを適用することによって)レイヤ間トラフィックが考慮されなければならない。
【0057】
フロントホールリンク上の通信のビット幅を増加させることの効果は、サービスのための通信の全体的なエラーレートの低減である。したがって、ARQは、エラー緩和技法として冗長になり、したがって、この技法はオフに切り替えられ、サービスのための通信は、ARQ再送信によって引き起こされるレイテンシ劣化をもはや受けない。実際には、この第2の実施形態は、上位レイヤエラー緩和技法(ARQ)を(ビット幅を増加させる)下位レイヤエラー緩和技法に置き換えることによってしきい値を超えて増加するレイテンシのトリガに応答し、これにおいて、下位レイヤエラー緩和技法は、上位レイヤエラー緩和技法に勝る、改善されたレイテンシ性能を供給する。したがって、この第2の実施形態は、特に、低レイテンシ(および高信頼性、低レイテンシ)サービスに適用可能である。
【0058】
この再構成に続いて、CU10と、DU20と、UE30とは、サービスの通信のレイテンシを監視し続け、レイテンシが改善した(たとえば、しきい値を満たす)場合、これらのノードは、フロントホールリンク上の通信のビット幅を低減し、ARQを再びオンに切り替えることによって、それらの元の構成に戻り得る。これは、より低いビット幅における通信がより少ないリソースを必要とするときに、フロントホール利用を低減する。
【0059】
ARQが一例として使用されたが、当業者は、これが本質的ではないことを理解されよう。すなわち、この第2の実施形態のステップに従い得る多くの他のエラー緩和技法がある。同じプロトコルスタックを利用する他の実施形態では、エラー緩和技法は、(MACレイヤにおいて実装された)ハイブリッドARQであり得、これにおいて、トリガは、(たとえば)成功した送信のための再送信のカウントに基づき得、再構成は、各データパケットの再送信の数に対する限度を低減することであり得る。別の実施形態では、エラー緩和技法は、(IPレイヤにおいて実装された)トランスポート制御プロトコル(TCP)再送信であり得、これにおいて、トリガは、成功した送信のための再送信のカウントであり得、再構成は、TCPからユーザデータグラムプロトコル(UDP)に切り替わることであり得る。他のエラー緩和技法は、他のプロトコルスタックのために適用され得る。
【0060】
さらに、当業者は、トリガがレイテンシの直接的測度であることは、本質的ではないことを理解されよう。すなわち、トリガは、再送信のカウント、またはレイテンシにリンクされた別の測度など、レイテンシの派生物に基づき得る。すなわち、レイテンシとエラーレートとの定義は、(エラーレートは、特定の時間期間内に正常に到着しないデータパケットの数の測度であるので)リンクされ、したがって、エラーレートに基づくしきい値も、トリガとして使用され得る。さらに、トリガは、サービスがそれのレイテンシ要件を変更し、したがって、それらがもはや現在のレイテンシ測定値によって満たされなくなることに基づき得る。
【0061】
当業者は、第1および第2の実施形態の方法は、3つの再構成(ビット幅を変更すること、フロントホール容量を変更すること、および上位レイヤエラー緩和構成を変更すること)が、すべて並列に使用され得るように組み合わされ得ることを理解されよう。これは、高信頼性、低レイテンシサービスに大いに適用可能であり得る。
【0062】
上記の実施形態では、基地局は、ビット幅をサンプルごとに6ビットからサンプルごとに16ビットに変動させるために、XRAN仕様書からの1つまたは複数の圧縮技法を実装している。しかしながら、これは一例にすぎず、他の圧縮技法が使用され得、他のビット幅が使用され得る。
【0063】
さらに、上記の実施形態では、方法はCU10において実装されている。しかしながら、当業者は、方法が、もっぱらDU20において実装され得るか、あるいは(必要なデータを通信するためのCU10とDU20との間の適切な追加のメッセージを用いて)CU10と組み合わせてDU20において実装され得ることを理解されよう。さらに、当業者は、方法のステップの一部または全部が、CU10および/またはDU20への接続をもつXRANコントローラ中になど、基地局に対して別個のノード中に実装され得ることを理解されよう。
【0064】
当業者は、特徴の任意の組合せが、特許請求されるような本発明の範囲内で可能であることを理解されよう。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
セルラー電気通信ネットワーク中の基地局を動作させる方法であって、前記基地局が、中央基地局ユニットと分散基地局ユニットとを有し、ここにおいて、前記中央基地局ユニットと前記分散基地局ユニットとが、第1および第2の容量構成を有するフロントホールリンクを介して通信し、前記セルラー電気通信ネットワークが、前記基地局を介してサービスを消費するユーザ機器UEをさらに含み、前記方法は、
第1の容量構成と第1のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップと、
前記サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するステップと、
(a)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも小さい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも大きい、と、
によって応答するステップと、
(b)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも大きい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも小さい、と、
によって応答するステップと、
前記第2の容量構成と前記第2のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するステップと
を備える、方法。
[C2]
前記フロントホールが、異なる送信モードに切り替わることと、異なる通信プロトコルに切り替わることと、代替または追加の送信ハードウェアに切り替わることとのうちの1つまたは複数によって、前記第2の容量構成を使用するように再構成される、C1に記載の方法。
[C3]
第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成する前記ステップは、
前記第2のビット幅を使用して前記フロントホールを介してサンプルを通信するときの容量要件を推定することと、
前記推定された容量要件を前記フロントホールの第2の容量構成と比較することと
を含む、C1またはC2に記載の方法。
[C4]
前記サンプルが、同相および直交(IQ)サンプルである、C1から3のいずれか一項に記載の方法。
[C5]
前記中央基地局ユニットと前記UEとの間の通信が、構成可能なエラー緩和技法を利用し、前記方法が、前記エラー緩和技法を再構成するステップをさらに備える、C1から4のいずれか一項に記載の方法。
[C6]
命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、プログラムがコンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、C1から5のいずれか一項に記載の方法を行わせる、コンピュータプログラム製品。
[C7]
C6に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読データキャリア。
[C8]
セルラー電気通信ネットワークのための基地局ユニットであって、前記セルラー電気通信ネットワークが、前記基地局ユニットを介してサービスを消費するユーザ機器UEを含み、前記基地局ユニットが、
第1の容量構成と第1のビット幅とにおいて分散基地局ユニットとのフロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成されたトランシーバと、
前記サービスの信頼性測度が信頼性しきい値よりも小さいかあるいは大きいと決定するように構成されたプロセッサとを備え、
(a)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも小さい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも多くのビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも大きい、と、
によって応答することと、
(b)前記サービスの前記信頼性測度が前記信頼性しきい値よりも大きい場合、
1. 第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成すること、ここにおいて、前記第2のビット幅が、サンプルごとに前記第1のビット幅よりも少ないビットを有する、と、
2. 第2の容量構成を使用するように前記フロントホールを再構成すること、ここにおいて、前記第2の容量構成が、前記第1の容量構成よりも小さい、と、
によって応答することと
を行い、ここにおいて、再構成に続いて、前記トランシーバが、前記第2の容量構成と前記第2のビット幅とにおいて前記フロントホールリンクを介してサンプルを通信するように構成された、
基地局ユニット。
[C9]
前記トランシーバが、異なる送信モードに切り替わることと、異なる通信プロトコルに切り替わることと、代替または追加の送信ハードウェアに切り替わることとのうちの1つまたは複数によって、前記第2の容量構成を使用するように再構成された、C8に記載の基地局ユニット。
[C10]
第2のビット幅を使用するように前記サンプルを再構成する前記ステップが、
前記第2のビット幅を使用して前記フロントホールを介してサンプルを通信するときの容量要件を推定することと、
前記推定された容量要件を前記フロントホールの第2の容量構成と比較することと
を含む、C8またはC9に記載の基地局ユニット。
[C11]
前記サンプルが、同相および直交(IQ)サンプルである、C8から10のいずれか一項に記載の基地局ユニット。
[C12]
構成可能なエラー緩和技法を使用して前記UEと通信するように構成された中央基地局ユニットであり、ここにおいて、前記プロセッサが、前記しきい値を満たす前記信頼性測度に応答して前記エラー緩和技法を再構成するようにさらに構成された、C8から11のいずれか一項に記載の基地局ユニット。
図1
図2
図3
図4