(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】高密度レセプタクル
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20230724BHJP
H01R 13/03 20060101ALI20230724BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20230724BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/03 D
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2022032255
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2020557133の分割
【原出願日】2019-01-08
【審査請求日】2022-03-03
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】テン カイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン シー ロールクス
(72)【発明者】
【氏名】リー チュワン
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/201024(WO,A1)
【文献】特開2002-050436(JP,A)
【文献】特開2017-212232(JP,A)
【文献】特表2017-510031(JP,A)
【文献】特表2015-525427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581
H01R 13/03
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリであって、
ポートを画定するケージと、
前記ポート内に配置されたプラグであって、カードスロットを含み、前記ポートと位置合わせされたプラグと、
前記カードスロットと位置合わせされたウェハブロックであって、一対の接地ウェハと一対の信号伝達ウェハとを含み、該一対の信号伝達ウェハがそれぞれ少なくとも4つの端子を支持し、該端子は、2列の接点が前記カードスロットの第1の側及び第2の側に提供されるように配置され、前記一対の信号伝達ウェハは互いに隣接して配置され、前記接地ウェハは前記隣接する信号伝達ウェハのいずれかの側に配置される、ウェハブロックと、
該ウェハブロックに前記プラグを固定するための保持クリップと、
を備えたコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記ポートは底壁を含み、前記プラグは前記底壁と嵌合する嵌合部分を含む、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記底壁は舌部を含み、前記嵌合部分は前記舌部を挿入可能なスロットを含む、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
コネクタアセンブリであって、
ポートを画定するケージと、
前記ポート内に配置された
プラグであって、カードスロット
を含み、前記ポートと位置合わせされたプラグと、
前記カードスロットと位置合わせされたウェハブロックであって、一対の接地ウェハと一対の信号伝達ウェハとを含み、該一対の信号伝達ウェハがそれぞれ少なくとも4つの端子を支持し、該端子は、2列の接点が前記カードスロットの第1の側及び第2の側に提供されるように配置され、前記一対の信号伝達ウェハは互いに隣接して配置され、前記接地ウェハは前記隣接する信号伝達ウェハのいずれかの側に配置される、ウェハブロックと、
該ウェハブロックの少なくとも一方の側に配置される保持バーであって、前記接地ウェハ又は信号伝達ウェハに接続されるとともに前記ケージと係合する、保持バーと、
前記ウェハブロックに前記プラグを固定するための保持クリップと、
を備えたコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記保持バーは、前記ケージの側壁に沿って摺動するように、前記ウェハブロックよりも幅広に作製される、請求項4に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
コネクタアセンブリであって、
一対のポートを画定するケージと、
一対のプラグであって、各プラグが各ポート内に配置され、各プラグは、カードスロットを含み、各ポートと位置合わせされた、一対のプラグと、
前記カードスロットと位置合わせされたウェハブロックであって、一対の接地ウェハと一対の信号伝達ウェハとを含み、該一対の信号伝達ウェハがそれぞれ少なくとも4つの端子を支持し、該端子は、2列の接点が前記カードスロットの第1の側及び第2の側に提供されるように配置され、前記一対の信号伝達ウェハは互いに隣接して配置され、前記接地ウェハは前記隣接する信号伝達ウェハのいずれかの側に配置される、ウェハブロックと、
該ウェハブロックに前記プラグを固定するための保持クリップと、
を備えたコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記保持クリップは、U字状であり、前方に向けて延在する一対のアームであって、各アームが前記プラグに接続される一対のアームを含む、請求項6に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
コネクタアセンブリであって、
ポートを画定するケージと、
前記ポート内に配置された
プラグであって、カードスロット
を含み、前記ポートと位置合わせされたプラグと、
前記カードスロットと位置合わせされたウェハブロックであって、一対の接地ウェハと一対の信号伝達ウェハとを含み、該一対の信号伝達ウェハがそれぞれ少なくとも4つの端子を支持し、該端子は、2列の接点が前記カードスロットの第1の側及び第2の側に提供されるように配置され、前記一対の信号伝達ウェハは互いに隣接して配置され、前記接地ウェハは前記隣接する信号伝達ウェハのいずれかの側に配置され、前記接地ウェハ及び信号伝達ウェハの各々は、少なくとも1つの上部突出部及び少なくとも1つの端子の尾部を含み、前記上部突出部は前記接地ウェハ及び信号伝達ウェハの各々の上端から上方に突出し、前記尾部は前記接地ウェハ及び信号伝達ウェハの各々の下端から下方に突出する、ウェハブロックと、
少なくとも1つのビアを含む回路基板であって、前記尾部が前記ビアに挿入可能である、回路基板と、
前記ウェハブロックに前記プラグを固定するための保持クリップと、
を備えたコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記上部突出部は、複数の切欠部が、前記ケージの上壁に沿って空気が流れ得るようなパターンで提供されるように配置される、請求項8に記載のコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年1月9日に出願され、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第62/615301号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、入出力(IO)コネクタの分野に関し、より具体的には、高いデータレート用途での使用に好適なIOコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
入出力(IO)コネクタは、高いデータレートを支持するように設計され、25Gbps、更にはより高速に達するデータレートを提供することを支援するべく、多くの改良技術が開発されてきた。しかしながら、消費者のニーズ及び要望を支援するべく、多くの企業は、実質的により高いデータレートを支持する方法を探している。その結果、NRZ又はPAM4符号化を使用して、非常に高いデータレートのペイロードを支持するための開発作業が進行中である。しかしながら、従来の回路基板及びコネクタが共に、25GHz信号を超える最大値を有する関連するナイキスト周波数を容易に支持することができないため、これらの増加は、既存の製造技術に関する重大な問題を提起する。したがって、新たな構造及び方法が必要とされる。
【0004】
増加したデータレートを支持する別の方法は、ポートの数を増加させることを試みてきた。ポートの数を増やす1つの方法は、コネクタのサイズを縮小させ、それによって、追加のポート及びより高い信号密度を有する同様のサイズのコネクタを可能にすることである。例えば、0.8mm又は0.75mmピッチで動作するように設計された多くの標準的なコネクタ、及び最近では、0.5mmを支持するコネクタ標準が承認されている(OCULINKコネクタ)。コネクタのサイズを縮小することは、白紙の状態の設計には十分に機能し、ラックの前方で非常に高い密度を支持するのに有効であるが、非常に小さいサイズであることは能動的用途で使用されるときに十分な熱エネルギーを消散することが困難であるため、より小さいコネクタは光コネクタ設計に使用することがより困難である。これらはまた、より小さいサイズの導体を使用する傾向があり、これにより、電気信号伝達を伴う2又は3メートル超の長さのケーブルを支持することが困難になる。加えて、新しいより小さいコネクタサイズは、後方互換性に関する潜在的な問題を提起する。その結果、特定の個人は、コネクタ技術の更なる改善を高く評価するであろう。
【発明の概要】
【0005】
絶縁フレームによって支持される端子で形成された1組のウェハを備えるコネクタが開示される。筐体を有さないケージ内にウェハのセットが配置され得る。カードスロット部材が端子の接点と位置合わせされる。一実施形態では、コネクタは、カードスロットの両側の2列の端子を支持するウェハを含むことができ、コネクタは、圧入尾部を有するように配置され得る。圧入尾部に加えて、他の終端方法も意図される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は例として図示されるが、添付図面に限定されるものではなく、図中、同様の符号は同様の要素を示す。
【0007】
【
図1】コネクタシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図2】線1-1に沿って描かれた、
図1に示される実施形態の斜視断面図を示す。
【
図3】
図1に示される実施形態の別の斜視図を示す。
【
図4】
図3に示される実施形態の簡略斜視図を示す。
【
図5】受容体に挿入される前のプラグモジュールの一実施形態の斜視図を示す。
【
図7A】線7-7に沿って描かれた、
図6に示される実施形態の斜視断面図を示す。
【
図7B】
図7Aに示される実施形態の拡大された簡略斜視図を示す。
【
図7C】従来の第1の端子セットの後に直列に続く第2の端子セットを見ることができる、
図7Aに示される実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図8】ケージが部分的に除去されている、
図6に示される実施形態の斜視図を示す。
【
図9】ケージの上壁及び前部が取り除かれた、
図6に示される実施形態の簡略斜視図を示す。
【
図10】修正された上壁を有する、
図7に示される実施形態の斜視断面図を示す。
【
図15】カードスロットプラグが取り外された状態の、
図13に示される実施形態の斜視図を示す。
【
図16】ウェハセットを固定する保持バーの一実施形態の斜視図を示す。
【
図17】コネクタの一実施形態の部分分解斜視図を示す。
【
図18】接地ウェハによって取り囲まれた信号ウェハ対の実施形態の部分分解斜視図を示す。
【
図19】例示目的のために絶縁フレームが除去された、
図18に示される実施形態の簡略斜視図を示す。
【
図20】信号ウェハ対の一実施形態の斜視図を示す。
【
図21】絶縁フレームが取り外された状態の実施形態の斜視図を示す。
【
図22】底部ポート内の接点列を提供する端子の実施形態の斜視図を示す。
【
図26】インサートを備えたコネクタの実施形態の概略図を示す。
【
図30】いくつかの特徴が取り除かれた、
図28に示される実施形態の部分分解斜視図を示す。
【
図31】
図28に示される実施形態のウェハブロックの部分分解斜視図を示す。
【
図32】
図28に示される実施形態の高速ウェハブロックの斜視図を示す。
【
図33】
図32に示される高速ウェハブロックの部分分解斜視図を示す。
【
図34】接地ウェハ接点及び尾部インサートを示す、
図32に示される高速ウェハブロックからの外側接地ウェハの部分分解斜視図を示す。
【
図35】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハの側面図を示す。
【
図36】
図32に示される高速ウェハブロックからの中間接地ウェハの斜視図を示す。
【
図37】
図32に示される高速ウェハブロックからの中間接地ウェハの別の斜視図を示す。
【
図38】
図32に示される高速ウェハブロックからの中間接地ウェハの拡大斜視図を示す。
【
図39】
図32に示される高速ウェハブロックからの中間接地ウェハの正面左斜視図を示す。
【
図40】
図32に示される高速ウェハブロックからの左信号ウェハの正面右斜視図を示す。
【
図41】
図32に示される高速ウェハブロックからの左信号ウェハの正面右拡大斜視図を示す。
【
図42】
図32に示される高速ウェハブロックからの左信号ウェハの正面右分解斜視図を示す。
【
図43】
図32に示される高速ウェハブロックからの左信号ウェハの正面左分解斜視図を示す。
【
図44】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハの斜視図を示す。
【
図45】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハの拡大斜視図を示す。
【
図46】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハの別の斜視図を示す。
【
図47】
図32に示される高速ウェハブロックからの左接地ウェハ及び左信号ウェハの斜視図を示す。
【
図48】
図32に示される高速ウェハブロックからの左接地ウェハ及び左信号ウェハの拡大斜視図を示す。
【
図49】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハ及び右信号ウェハの斜視図を示す。
【
図50】
図32に示される高速ウェハブロックからの右接地ウェハ及び右信号ウェハの拡大斜視図を示す。
【
図51】概ね線51-51に沿って描かれた、
図32に示される高速ウェハブロックの斜視断面図を示す。
【
図52】明確にするために右信号ウェハが除去された、
図51に示される高速ウェハブロックの部分分解図を示す。
【
図53】
図51に示される高速ウェハブロックの部分分解図を示す。
【
図54】明確にするために右信号ウェハの絶縁体が除去された、
図53と同様の高速ウェハブロックの部分分解図を示す。
【
図55】
図51に示される高速ウェハブロックの斜視断面図であり、右接地ウェハの一部分が線55-55に概ね沿って切断されている。
【
図56】明確にするために右信号ウェハの絶縁体が除去された、
図55と同様の高速ウェハブロックの斜視断面図を示す。
【
図57】
図32に示される高速ウェハブロックからの中間接地ウェハの代替実施形態の斜視図を示す。
【
図58】明確にするために左信号ウェハの絶縁体が除去された、
図32に示される高速ウェハブロックからの左接地ウェハ及び左信号ウェハの拡大斜視図を示す。
【
図59】明確にするために左信号ウェハの絶縁体が除去されている、
図32に示される高速ウェハブロックからの左接地ウェハ及び左信号ウェハの別の拡大斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、開示される特徴は、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定されることを意図するものではない。したがって、特に明記しない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にするために別様に示されていない追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0009】
図1~
図5から理解され得るように、レセプタクル100は、回路基板上に取り付けられ、プラグモジュール20を受容するように構成された直角(ライトアングル)構造を提供する。図示されたレセプタクル設計は、冷却スロット115を含むプラグモジュールと共に使用することが有益である。モジュールにおける冷却スロット115の使用は必須ではないが、冷却スロット115は、追加の冷却を提供することができ、本明細書に開示される他の特徴と共に使用される場合、8ワット以上の電力を使用するモジュールをより容易に冷却することができる。
【0010】
レセプタクル100は、ケージ120を含み、所望であれば、光パイプ105を支持することができる。
図6を参照すると、ケージは、上壁122、第1の側壁123、第2の側壁124、後壁125、及び前縁126を含む。レセプタクル100は、上部ポート121a及び底部ポート121bを画定する。第1の側壁123及び第2の側壁124は、通気孔135を含むことができる。
【0011】
理解され得るように、描写される設計は、挿入されたプラグモジュール20の冷却を容易にすることを意図している。したがって、この設計は、本明細書で論じられる多くの方法で空気流を改善するように調整されている。特定の実施形態では、レセプタクル100は、前グリル130及び後部開口セット132と連通している内部ライディングヒートシンク134を含むことができる。上壁122は、冷却開口122aを含むことができ、その中に外部ライディングヒートシンク133を配置することができる。ライディングヒートシンクは、典型的には、それらがポート内に延在し、挿入されたプラグモジュールと係合するように設計され、プラグモジュールから熱を導く導電経路を提供するのに役立つ。特定の状況では、追加の冷却を有することが望ましくない場合があり(例えば、能動モジュールを使用する意図がない用途において)、そのような状況では、任意の熱機構の多くを省略することができることに留意されたい。したがって、図示された内部ライディングヒートシンク及び様々な通気機構は、所望されない場合には省略することができる。(明確にするために、本明細書に記載される技術の使用は、能動モジュール及び受動モジュールの両方において企図される。)
【0012】
既存のレセプタクルの1つの一般的な設計は、ケージの内部に配置された筐体の使用であり、筐体はコネクタを画定するのに役立つ。ケージは、嵌合プラグモジュールを支持する助けとなり、コネクタを支持するのに役立ち、またEMI保護も提供することができる。ケージ内に配置されたコネクタは、嵌合プラグモジュールが回路基板に(又は、バイパス設計が所望される場合にはケーブルに)電気的に接続されることを可能にする尾部及び接点を含む端子を支持する。したがって、典型的には、アセンブリを容易にするために回路基板上に圧入されるレセプタクルは、ケージ上の端子と位置合わせされたコネクタの端子を有しなければならない。理解され得るように、ケージは金属で形成することができ、互いに対して所望の寸法制御を有する尾部のかなり繰り返し可能な配置を有することが予想される。コネクタの尾部はまた、互いに整列するように慎重に製造することができる。しかしながら、寸法積層の複数の点があるため、コネクタの尾部をケージの尾部と位置合わせすることは、幾分困難である。この寸法問題は、典型的な圧入設計において、端子を支持するウェハを筐体が支持するという事実によって、より困難になる。したがって、筐体がケージと寸法積層している一方で、端子は、ウェハ内で互いに対して寸法制御されるが、筐体及び他のウェハの両方に対して寸法積層を有する。従来の設計は、基準点とケージ及びコネクタの両方の尾部との間の公差を制御するために、ケージへの筐体の挿入を慎重に制御するための停止部として機能する基準点を設けることが試みられている。
【0013】
そのような制御は可能であるが、特に尾部のサイズが小さくなるため、より大変なかつ困難なものになる。出願人らは、ケージに対する筐体の位置を制限及び制御する停止部を設ける代わりに、ケージ120及びコネクタ129が、ケージ120とコネクタ129との嵌合が制御された様式で行われ、寸法制御が確保され得るように、ケージ120とコネクタ129との嵌合が、小さい範囲にわたって無限の調節を可能にするシステムを設けることがより望ましいと判断した。図示のように、ケージ120は、それぞれがそれぞれのカードスロットプラグ150、160に挿入される舌部142を有する底壁140、141を含む。より具体的には、ケージ120からの舌部142は、カードスロットプラグ150、160の嵌合部分152、162の舌部スロット153、163内に挿入される。理解され得るように、カードスロットプラグ150、160は、ウェハセット220に係合し、それらの間にいくつかの追加の寸法積層を提供する。一実施形態では、挿入は、ウェハセット220とケージ120との間の位置合わせに基づいて行うことができ、したがって、そうでなければ存在する寸法積層の一部を排除する。一実施形態において、舌部142は、ケージ及びコネクタ129が適切に接合され、互いに対して適切な位置に留まるように、舌部スロット153、163との締まり嵌めを有する。このような製造プロセスにより、ケージ120及びウェハセット220の位置を互いに対してより良好に制御することができ、レセプタクル100を適切に回路基板上に取り付けることを確実にする一方で、レセプタクル100の収率を向上させることができる。
【0014】
図から理解され得るように、図示されたコネクタ129は筐体を省略している。出願人らは、驚くべきことに、ウェハが、好ましくは少なくとも2つの側面上でウェハがしっかりと締結される限り、ウェハセット220を支持するのに筐体を用いる必要がないことを発見した。図示の実施形態では、保持バー171は対向する側に配置され、側部のうちの1つは2つの保持バー171を有する。保持バー171は、保持バー171上に熱を留めることができるウェハナブ229を介してウェハ221に接続される。図示のコネクタ129は、三角形の配置が、一方の側に配置された2つの保持バー171と、ウェハセットの第2の側に配置された1つの保持バー171とを備える実施形態を示す。少なくとも2つの保持バー171(それぞれ、コネクタの異なる側面上に配置される)を有することが望ましいが、保持バー171の三角形の配置は、ウェハセット220を構成するウェハ221の改善された制御及び支持を提供するので、有益であると判定されている。筐体を取り外すことは、特定の予想外の利益を提供することが判明している。1つの問題は、筐体が完全に正方形及び直線状でないことであり、したがって、筐体内の公差がウェハの公差に加えられ、したがって、尾部の位置の公差を増加させることである。筐体を取り外すことによって、出願人は、ケージに対するウェハセットの尾部の位置をより良好に制御することができる。筐体の除去はまた、レセプタクルのサイズを減少させることを可能にし、それによって密度の増加を可能にする。
【0015】
各ウェハ221は、絶縁フレーム221aを含む。図示された絶縁フレーム221aは、上部突出部224を含み、(接地ウェハ及び2つの信号ウェハを含む3つのウェハシステムが存在する実施形態において予想されるように)端子セット252、262、272を支持する。図示された端子の構成は、図示されたレセプタクルに有益であるが、筐体を有さないコネクタを提供する特徴は広い適用性を有するため、限定することを意図するものではないことに留意されたい。したがって、筐体の取り外しを提供する設計要素は、広範なウェハ構成と共に使用することができる。
【0016】
端子セット252は、端子253を含み、端子253はそれぞれ、接点253aと、尾部253bと、それらの間に延在する本体253cとを含む。同様に、端子セット262は、接点263aと、尾部263bと、それらの間に延在する本体263cとを含む端子263を含む。図示される尾部253b、263bは回路基板に圧入されるように意図されるため、力が尾部に容易に適用されて、それらを回路基板上のビアに押し込むことができるレセプタクルを提供することが有用である。図示のように、絶縁フレーム121aは、ケージ120の上壁122に延在する上部突出部を含む。図示の設計の結果として、ケージ120に加えられる力は、絶縁フレーム121aを介して尾部253b、263bに伝達され、したがって、確実な圧入動作が可能である。
【0017】
図示された上部突出部124は、ウェハがいくつかの場所で上壁に係合するが、間隙も残すように、多数の切欠部124aを有する。切欠部124aは、空気がケージの上壁122に沿って所望の様式で流れることを可能にするパターンで配置することができる。理解され得るように、切欠部124aの数及びサイズ並びに位置は、所望の空気流を提供するために適切に変化し得る。
【0018】
空気が流れる蛇行経路を提供しながら、切欠部124aは、ウェハと上壁との間に空気が流れるための直線経路を提供せず、したがって、レセプタクルを通る空気流の圧力低下を増加させることができることに留意されたい。図示された経路はジグザグ又は波状経路と見なすことができるが、上壁の構成に応じて、他の経路も提供され得る。より多くの層流(より少ない乱流又は蛇行)気流を促進するために、上部突出部の一部又は全部(例えば、
図32の上部突出部528を参照されたい)に面取り(chamfers)を使用することができる。代替的な実施形態では、突出部124を短縮することができ、ウェハセット220と上壁122との間にインサート129a(
図26に概略図で示される)を配置することができる。インサート129aは、上壁122とウェハセット220との間により最適化された空気流路を提供しながら、上壁122からウェハ221に力を伝達することができる(したがって、空気抵抗を低減する)。別の代替的な実施形態では、インサート129aは、除去可能であってもよく、除去される前に単に回路基板10上にコネクタを取り付けるために使用される。このような設計では、ケージ120の後壁125は、ケージ120(又は少なくともそれの最も多く)とコネクタ129とが両方とも回路基板に押し込まれた後に取り付けられてもよく、開口部は、空気抵抗を低減することができる。したがって、空気流の必要性及びコストを管理する要望に応じて、多くの変形が可能である。
【0019】
図示された設計は、プラグモジュール挿入方向に離間された前方接点列245及び後方接点列246を有するウェハ221を提供し、接点列は、嵌合コネクタ上の2列のパッドに係合するように構成されている。必要とされないが、このような設計の利益は、密度が実質的に増加することである。そのような密度が所望されない場合、ウェハは、より少ない数の端子を支持するように作製することができる。図示されたウェハは、繰り返され得る接地、信号、信号パターンを提供するパターンで配置されることに留意されたい。所望であれば、他のパターンも可能である。所望であれば、接地ウェハは、一緒に共有される端子を含むことができ、一実施形態では、接地ウェハは、ケージに電気接地を提供するために、上壁に係合する接点を有することができる。
【0020】
コネクタ129は筐体を必要としないため(特定の実施形態では、所望により筐体を使用することが可能であるが)、図示のコネクタ129は、ウェハセット220を有するカードスロットプラグを支持する。図示のように、カードスロットプラグ150、160はそれぞれ、所望の位置及び安定性制御を提供するために、ウェハセット220内のウェハの少なくとも一部上の保持特徴部にラッチする肩部156a、156bと同様の肩部を有する。一実施形態では、接地ウェハのみが保持特徴部を含むことができる。図示のように、肩部156a、156bは、突出部226と係合する溝154を有することができるが、他の保持構成も好適である。カードスロットプラグ150、160は、ケージ120によって画定されるポート121a、121b内に配置され、カードスロット151の両側に配置された接点を有するカードスロット151を提供する。カードスロット151は、最も脆弱な接点が嵌合プラグコネクタとの最初の嵌合中に保護されるように、前部接点列245のための端子溝155を含むことが好ましい。カードスロットプラグ150、160の前部が嵌合パドルカードを整列及び制御するのを助けるため、後方接点列246は、端子スロットを有益に省略することができる。所望であれば、カードスロットプラグ160は、回路基板に挿入されることが意図されるペグ166を含むことができるが、そのような特徴は任意であり、2×N構成の2つの垂直に配置されたポートを含む設計に有用であるとは予想されない。
【0021】
一実施形態では、保持バー171は、ケージ120と係合するように構成され得る。保持バー171は、保持バー171がケージ220の側壁に沿って摺動するように、ウェハセット220よりも幅広に作製することができる。このような構造(ケージ120のウェハセット220への適切な位置合わせを確実にするのに役立つ)が望まれる場合、保持バー171は、空気がレセプタクルを通ってより容易に流れることを可能にするための通気孔172を含むことができる。
【0022】
完全な2列設計では、全ての接点がブランク化及び形成されることが望ましいことが判明している(これは機械的及び信号的一体性の利益を提供すると判定された)。したがって、図示される実施形態は、カードスロット151の両側151a、151b上のスタンピング及び形成された接点の2つの列を特徴とする。
【0023】
前方接点列245を支持するために、ウェハ221は、後方接点列246を越えて延在するアーム228を含む。アーム228は、インピーダンスがウェハの本体を通してより一貫して管理されることを確実にするのに役立つ。好適な可撓性を提供するために、アーム228は、アーム228がわずかに屈曲することを可能にするノッチ228aを含むことができる。
【0024】
上記のように、端子のそれぞれは、接点、尾部、及びそれらの間に延在する本体を含む。図示された構成は、接地ウェハ271と、第1の信号ウェハ251及び第2の信号ウェハ261を含む信号ウェハセット250とを含む。1つの信号ウェハは、いくつかのマイナス(-V)信号を支持してもよく、他の信号ウェハはそれに対応して、いくつかのプラス(+V)信号を支持してもよい。これらの信号は、差動対信号のセット(-V/+V)を形成する。したがって、信号ウェハセット250は、上部ポートに、第1の差動対254a、第2の差動対254b、第3の差動対254c、及び第4の差動対254dを提供する。信号ウェハセット250はまた、底部ポートに、第5の差動対255a、第6の差動対255b、第7の差動対255c、及び第8の差動対255dも提供する。図示された端子構成から、2つの後方差動対を形成する端子は、前方接点を形成する2つの差動対の尾部の間に位置付けられる尾部を有することが理解され得る。例えば、差動尾部セット257b及び257cは、それぞれ接点対258b及び258cに関連付けられ、接点対258b、258cは、後方接点列にある。差動尾部セット257a及び257dは、差動尾部セット257b、257cの両側にあり、前方接点列内にある接点対258a、258dと関連付けられる。この構成は、1つの著しく長い端子を有する一方で、3列の端子が、同様の長さを有することを可能にするために有益であると判定された。したがって、示される実施形態は、より一貫した端子長さを提供するのに役立つ。
【0025】
理解され得るように、上段の接点列は、下段の接点列に対向する。一実施形態では、上段の接点が形成する端子の接点は、第1の方向に折り畳まれた形態256bを有することができ、下段の接点を形成する端子は、同様に第1の方向に折り畳まれる形態256aを有することができる。例えば、プラグモジュール挿入方向の接点を真っ直ぐに見たとき、全ての接点のセットは、1つの側に折り畳まれた形態を有することができる(例えば、それらは全て左又は右に折り畳むことができる)。そのような構成は有益であるが、特定の用途では、上段の接点が下段の接点からオフセットしていることが望ましいことが判明した。この機能を提供するために、パッド接触部分301a、301bがビーム部分302a、302bの幅の半分未満であるパッド接触部分301a、301bへと、梁部分302a、302bから先細になっていてもよい。所望であれば、上部列のパッド接触部分は、オフセット位置合わせを提供するように、下部列上のパッド接触部分とは反対側に存在し得る。このような位置合わせが必要でない場合、接点は、対称的に、又は何らかの他の所望の構成で構成することができる。
【0026】
ピッチは、意図されるインターフェースに応じて変化し得る。示されるように、端子はxピッチ上にあり、これは0.8mmであり得、上部端子及び底部端子は、0.4mmであり得るyオフセットを有することができる。コネクタが上部及び底部に2列の接点を提供し、前部接点が既存の設計と互換性があることを意図する場合、接点のピッチを既存の設計に適合させることが有益である。白紙の状態の設計が好ましい場合、ピッチは所望通りに変化させることができ、ピッチが0.8mm未満に減少し、0.65未満のピッチが、典型的には、付勢パドルカード及び/又は接触界面(OCULINKコネクタで使用されるものなど)などの追加の特徴を通常必要とすることを念頭に置いておくことができる。
【0027】
図27~
図51は、上記の
図1~
図26を参照して説明されたコネクタ実施形態の特定の態様の代替実施形態を示す。ここで
図27~
図51に関連して説明される実施形態は、実装される特定の態様に応じて、既に記載されている特定のコネクタ実施形態と組み合わされてもよい。したがって、一部のコネクタの実施形態の態様は、変更されないままであってもよく、一部の態様は、ここで説明される構造と置き換えられ、一部の態様は、ここで説明される構造を組み込むように変更されている。
【0028】
図27から理解され得るように、レセプタクル500は、回路基板510上に取り付けられ、プラグモジュール(図示せず)を受容するように構成された直角構造を提供し、例えば、プラグモジュール20を参照されたい。図示されたレセプタクル500の設計は、冷却スロット(例えば、冷却スロット115を参照)を含むプラグモジュールと共に使用されてもよいが、そのような冷却スロットは、レセプタクル500に適合するプラグモジュール上で必要とされない。
【0029】
レセプタクル500は、ケージ520を含み、所望であれば光パイプを支持することができる(例えば、光パイプ105を参照)。ケージは、上壁522、第1の側壁523、第2の側壁524、後壁525、及び前縁部526を含む。レセプタクル500は、上部ポート521a及び底部ポート521bを画定する。上壁及び側壁は、通気孔535を含んでもよい。
【0030】
理解され得るように、描写された設計は、挿入されたプラグモジュールの冷却を容易にすることを意図している。したがって、この設計は、本明細書で論じられる多くの方法で空気流を改善するように調整されている。特定の実施形態では、レセプタクル500は、前グリル530及び後部開口セット(例えば、後部開口セット132を参照)と通信する内部ライディングヒートシンク(例えば、内部ライディングヒートシンク134を参照)を含むことができる。上壁522は、冷却開口522aを含むことができ、外部ライディングヒートシンクをその中に配置することができる。ライディングヒートシンクは、典型的には、それらがポート内に延在し、挿入されたプラグモジュールと係合するように設計され、プラグモジュールから熱を導く導電経路を提供するのに役立つ。特定の状況では、追加の冷却を有することが望ましくない場合があり(例えば、能動モジュールを使用する意図がない用途において)、そのような状況では、任意の熱機構の多くを省略することができることに留意されたい。したがって、図示された内部ライディングヒートシンク及び様々な通気機構は、所望されない場合には省略することができる。
【0031】
既存のレセプタクルの1つの一般的な設計は、ケージの内部に配置された筐体の使用であり、筐体はコネクタを画定するのに役立つ。ケージは、嵌合プラグモジュールを支持する助けとなり、コネクタの支持を助けることができ、またEMI保護も提供することができる。ケージ内に配置されたコネクタは、嵌合プラグモジュールが回路基板に(又は、バイパス設計が所望される場合にはケーブルに)電気的に接続されることを可能にする尾部及び接点を含む端子を支持する。典型的には、アセンブリを容易にするために回路基板上に圧入されるレセプタクルは、ケージ上の端子と位置合わせされたコネクタの端子を有するべきである。理解され得るように、ケージは金属で形成することができ、互いに対して所望の寸法制御を有する尾部のかなりの繰り返し可能な配置を有することが予想される。コネクタの尾部はまた、互いに整列するように慎重に製造することができる。しかしながら、寸法積層の複数の点があるため、コネクタの尾部をケージの尾部と位置合わせすることは、幾分困難である。この寸法問題は、典型的な圧入設計において、端子を支持するウェハを筐体が支持するという事実によって、より困難になる。したがって、筐体がケージと寸法積層している一方で、端子は、ウェハ内で互いに対して寸法的に制御されるが、筐体及び他のウェハの両方に対して寸法積層を有する。従来の設計は、基準点とケージ及びコネクタの両方の尾部との間の公差を制御するために、ケージへの筐体の挿入を慎重に制御するための停止部として機能する基準点を設けることが試みられている。
【0032】
そのような制御は可能であるが、特に尾部のサイズが小さくなるため、より大変なかつ困難なものになる。出願人らは、ケージに対する筐体の位置を制限及び制御する停止部を有する代わりに、ケージ520及びコネクタ529を有するシステムを有することがより望ましいと判定した。ケージ520とコネクタ529との嵌合が十分な寸法制御を提供する方法で行われ得るように、小さい範囲にわたって無限の調節を可能にする方法で一緒に嵌合される。先に説明した実施形態(
図7Bに示すように、例えば、底壁140及び141、舌部142、舌部スロット153及び163を参照)、ケージ520は、それぞれがそれぞれのカードスロットプラグ550、560に挿入される舌部を有する底壁を含む。より具体的には、ケージ520からの舌部は、カードスロットプラグ550、560のそれぞれの嵌合部分の舌部スロット内に挿入される。理解され得るように、カードスロットプラグ550、560は、ウェハセット620に係合し、それらの間にいくつかの追加の寸法積層を提供する。いくつかの実施形態では、挿入は、ウェハセット620とケージ520との間の位置合わせに基づいて行うことができ、それゆえ、そうでなければ存在する寸法積層体の一部を排除する。いくつかの実施形態では、舌部は、ケージ及びコネクタ529が適切に接合され、互いに対して適切な位置に留まるように、舌部スロットとの締まり嵌めを有する。このような製造プロセスにより、ケージ520及びウェハセット620の位置を互いに対してより良好に制御することができ、レセプタクルの収率及び回路基板上のそれらの適切な実装を改善する。
【0033】
図から理解され得るように、図示されたコネクタ529は筐体を省略している。出願人らは、驚くべきことに、ウェハが、好ましくは少なくとも2つの側面上でウェハがしっかりと締結される限り、ウェハセット620を支持するのに筐体を用いる必要がないことを発見した。図示の実施形態では、保持バー571は対向する側に配置され、側部のうちの1つは2つの保持バー571を有する。保持バー571は、保持バー571上に熱を留めることができるウェハナブ629などのウェハナブを介してウェハセット620に接続される。図示されたコネクタ529は、ウェハセット620の一方の側に配置された2つの保持バーと、第2の側に配置された1つの保持バーと、第3の側に配置された1つの保持バーとを有する実施形態を示す。筐体を取り外すことは、特定の予想外の利益を提供することが判明している。1つの問題は、筐体が完全に正方形及び直線状でないことであり、したがって、筐体内の公差がウェハの公差に加えられ、したがって、尾部の位置の公差を増加させることである。筐体を取り外すことによって、ケージに対するウェハセットの尾部の位置をより良好に制御することができると考えられる。筐体の除去はまた、レセプタクルのサイズを減少させることを可能にし、それによって密度の増加を可能にする。
【0034】
図示されたコネクタ529は、カードスロットプラグ550及び560をウェハセット620に固定するための保持クリップ572を有する実施形態を示す。保持クリップ572は、保持クリップ572上に熱を留めることができる突出部又はポストを介してカードスロットプラグ550及び560に接続される。実施形態に応じて、保持バー又はいずれか若しくは両方の保持クリップの一部又は全ては、接地ウェハの一部又は全てにわたって共通化するために使用される導電性構造であってもよい。また、実施形態に応じて、デジタル接地及びシャーシ接地の両方が存在してもよく、デジタル接地は一般的に信号伝達及び信号参照と関連付けられ、シャーシ接地は一般的に外部遮蔽機能及び地球基準と関連付けられている。特定のシステム又は状況では、デジタル接地及びシャーシ接地は、理想的には互いに隔離されているが、他の状況では、一般的なデジタル及びシャーシ接地に有利であり得る。保持バー及び保持クリップは、任意の共通化機能を実行しなくてもよく、又はデジタル接地若しくはシャーシ接地のいずれか、又はその両方のいくつかの組み合わせのいずれかの共通化を実行してもよい。例えば、保持バーは、デジタル接地用の共通化を実行することができ、保持クリップは、シャーシ接地用の共通化を実行してもよい。他の実施形態では、保持バーの少なくとも一部は、ケージに係合して、1つ以上の接地ウェハのめっきプラスチックと接触することが望ましくない場合があり、それによってウェハ及びケージの異なる接地間の分離を維持することが望ましくない場合がある。
【0035】
既に説明したウェハ設計と同様に、ウェハセット620は、プラグモジュール挿入方向に離間された前方接点列641及び後方接点列642を有し、接点列は、嵌合コネクタ上の2列のパッドに係合するように構成されている。必要とされないが、このような設計の利益は、密度の実質的な増加である。そのような密度が所望されない場合、ウェハは、より少ない数の端子を支持するように作製することができる。
【0036】
図示のウェハセット620は、低速/パワーウェハブロック670の両側に、3つのウェハブロック、2つの高速ウェハブロック660を含む。図示した高速ウェハブロック660は、接地-信号-信号-接地-信号-信号-接地パターンを提供する方法で配置され、一方、低速/パワーウェハブロック670は、信号-信号-電力-信号-信号パターン又は信号-信号-接地-信号-信号パターンのいずれかを提供する方法で配置されていることに留意されたい。他のパターンも可能である。したがって、高速ウェハブロック660は、左接地ウェハ661、左差動対信号伝達ウェハ対662、中間接地ウェハ663、右差動対信号伝達ウェハ対664、及び右接地ウェハ665を順に含む。
【0037】
信号伝達ウェハ対662、664の各ウェハは、複数の信号端子の上又は周囲に配置された絶縁フレーム(例えば、LCPなどの成形プラスチック)を含む。例えば、
図40~
図43を参照すると、信号伝達ウェハ対662は、絶縁フレーム662a及び絶縁フレーム662bを含む。前述の実施形態(例えば、
図21では、端子セット252及び262を参照されたい)に関連して示されるように、図示された絶縁フレーム662a、662bは、端子セット710、712をそれぞれ支持する。絶縁フレームは、端子セット710、712を中心にインサート又はオーバーモールドすることによって、又は端子セットとは別個に製造される筐体構成要素によって形成されてもよい。端子セット710、712及び端子711、713は、上記の端子セット252、263及び端子253、263と同一又は類似であってもよい。
【0038】
図42及び
図43(及び参照のための
図21~
図25)に示されるように、各差動対の各端子は、それらがそれぞれのウェハの絶縁フレームによって支持されるそれらの外縁部を除いて、それらの間の空隙のみで、互いにブロード側に連結されている。より具体的には、端子セット710の各端子711は、絶縁フレーム662aの絶縁材料の端子ウェブ715を含み、絶縁フレーム662aは、その長さに沿って、又はその実質的に全長に沿って端子を部分的に取り囲む。端子ウェブ715は、全長に沿って連続的に延在し、各端子711の上縁に沿って連続的に延在する上部715aと、全長に沿って、かつ各端子の下端に沿って連続的に延在する下部715bとを含む。各端子の内側表面(すなわち、そのブロード側結合された対応端子に面する)は、
図42に最もよく見られるように絶縁材を含まず、一方、各端子の反対側(すなわち、隣接する接地ウェハ661に面する)は、一般に絶縁材を含まないが、その特定の部分に沿った絶縁を含む。絶縁フレーム662aは、端子ウェブ715の間に延在し、それを接続する接続ウェブ716を更に含む。図示のように、接続ウェブ716は、716aにおいて端子711の一部の上に延在する。いくつかの実施形態では、重複部分716aは省略されてもよい。端子ウェブ715及び接続ウェブ716は、その長さに沿って、垂直に整列された対の端子ウェブ間に複数の空隙又は開口部717を画定する。
【0039】
端子セット712の端子713は、絶縁フレーム662bの絶縁材料の端子ウェブ720を用いて構成され、絶縁フレーム662bの絶縁材料の端子ウェブ720は、端子を、部分的に端子の長さに沿って又は実質的に全ての長さを囲み、ウェブ715と比較して同様であるが鏡像様式で端子を取り囲む。端子ウェブ720は、ウェブ721、絶縁部分721a及び開口部722を接続する同様の上部720a下部720bを含み、その説明は繰り返さない。絶縁フレーム662a及び662bを合わせて整列させ固定すると、接続ウェブ716の端子ウェブ715及びフレーム662aの開口部717は、それぞれフレーム662bの接続ウェブ721及び開口部722の端子ウェブ720と位置合わせされる。絶縁フレーム662a及び662bを一緒に固定すると、整列された開口部717及び722は、信号伝達ウェハの対全体を通過する開口部723を画定する。
【0040】
各信号伝達ウェハ対662、664の絶縁フレームは、任意の所望の方法で一緒に固定され得る。例えば、
図42~
図43に示されるように、信号伝達ウェハ対662の絶縁フレーム662a、662bは、ペグ又は突出部691と、接合されたときに互いに嵌合するための相補的な形状の穴又は凹部692とを有する。(本実施形態では、一部又は全ての信号伝達ウェハ穴は、ウェハを貫通して全ての方向に延在しなくてもよく、図示されるペグ及び穴の配列は単なる1つの実施例であり、多くの実施形態の依存的な変形が可能である。)いくつかの実施形態では、1つの信号伝達ウェハのペグ及び穴は、他の信号伝達ウェハとの締まり嵌めを有する。また、いくつかの実施形態では、信号伝達ウェハ対は、それらの対応する端子セットの整列を固定するために一緒に溶接され、したがって、各対応する一対の端子(各端子セットからの1つの端子)が生成する、結果として得られる差動対の整列が生成される。
【0041】
接地ウェハ661、663、665は、導電及び共通化を可能にする金属化プラスチックで形成される。例えば、金属化プラスチックは、様々な形態をとることができる。すなわち、金属化プラスチックは、十分に導電性になるようにドープすることができ、それをめっきすることができ、それをドープしてめっきすることができ、エッチングすることができ、又は前述のいずれかの何らかの組み合わせであってもよい。めっきの場合には、めっきは、接地ウェハの表面全体を覆うことができるが、代わりに選択的めっきを所望することができる。いくつかの実施形態では、金属接触インサート668及び金属尾部インサート669(
図34に示されるような)は、(上記の他の実施形態に関して説明したように)端子オーバーモールドプロセスによって形成されるのではなく、(
図35で縫合した後に示されるように)接地ウェハ665内のポケットにステッチ又は挿入される。インサートのこの縫い合わせ(接点又は尾部又は両方のいずれかにかかわらず)は、全て又はいずれかの接地ウェハ661、663、665に対して行うことができる。同様の接点及び/又は尾部インサートは、様々な信号伝達ウェハ又は電力ウェハのために形成され、次いで、所望により、それらのウェハに縫い合わせされてもよい。加えて、尾部インサートは、圧入尾部インサート又は表面実装尾部インサートであってもよい。尾部インサートの代わりに、一部の実施形態は、めっき又は金属化された導電性プラスチックの尾部を含むことが想定される。このような尾部は、任意の成形ウェハの一部として形成することができ、導電性であるか、又は導電性(例えば、めっき)されてもよい。
【0042】
この場合もまた、より一般的には、PCBに接続された圧入端子セットなどの、従来の嵌合可能なコネクタ部分と従来の終端部分との間の導電性ウェハ支持通信と組み合わせることを容易にするアプローチが記載されている。この導電性通信セクションは、伝統的に、積層され、形成された圧入尾部の延長によって、接地及び/又は信号端子を形成する同様の積層された金属部分が形成される。固有の導電性要素を有する成形プラスチックの正確性及び汎用性を有する型打ち及び形成された特徴の汎用性を組み合わせるハイブリッドな解決策を提供することが可能なインサートの考えられる縫製が想到される。本明細書に記載される解決策は、主に、共通の端子セットを有する成形された導電性接地システムの組み込みに関するものであるが、この技術の適用はまた、別個の信号端子に適用することができる。
【0043】
図示のように、接地ウェハ661、663、665は、それらの間に信号伝達ウェハ対662及び664を挟むとき、互いに嵌合するための多くの隆起領域(こぶ)、ペグ、及び凹部を有する。いくつかの実施形態では、1つの接地ウェハのペグ及び凹部は、反対側のサンドイッチ型接地ウェハとの締まり嵌めを有し、いくつかの実施形態では、それぞれの隆起領域は、挟持された信号伝達ウェハの対の空隙を実質的に充填する。(この実施形態に応じて、接地ウェハ凹部の一部又は全部は、代わりに、反対側の接地ウェハのペグを受容するための接地ウェハ内の穴であってもよく、図示されたペグ及び凹部の配置は、単なる1つの実施例であり、多くの実施形態の従属変形が可能である。)隆起領域(こぶ)、ペグ、及び/又は凹部の一部又は全部が金属化されて、接地ウェハ661、663、665間の伝導及び共通化を可能にすることが望ましい。
【0044】
より具体的には、接地ウェハ661、663、665は、信号伝達ウェハ対662、664の各差動信号対に沿って、実質的に又は完全に電気的に絶縁し、所望のインピーダンス制御を提供するように構成される。
図51~
図56を参照すると、隣接する一対の接地ウェハ(すなわち、接地ウェハ661及び663並びに接地ウェハ663及び665)は、接地ウェハの概ね平面的な構造と共に、シールド構造の一部を形成する一連の相互係着突出部735、738、739を含み、端子ウェブ715、720が、それらの長さの全体又は実質的な部分に沿って端子の差動対を少なくとも実質的に遮蔽するように配置される経路730を取り囲むか、又は実質的に取り囲む。インターロック突出部735、738、739は、接地ウェハ661、663、665間に導電性接地リンクを形成する。
【0045】
図36~
図37を参照すると、中間接地ウェハ663は、第1の側面663a及び反対側の第2の側面663bのそれぞれの上に、複数の離間した隆起領域又は突出部735を含む。突出部735は、一緒にグループ化され、整列されて、信号伝達ウェハ対662、664の端子ウェブ715、720が配置される経路730の一部分を形成するチャネル731aを形成する。突出部735は、複数の形状及び構成を有するものとして示されているが、各例では、対向する接地ウェハ661、665上の同様であるが反対方向に構成された構造と嵌合するか、又はこれと係合して相補的な相互係合構造を形成するように構成されている。
【0046】
一実施例では、突出部735aのいくつかは、複数の概ね矩形の、離間した小さい方の突出部又は歯736を含む。別の例では、突出部735bは、1つ以上の矩形突出部736を有するか、又は有さない1つ以上の丸柱又は突出部737を含む。更に別の実施例では、突出部735cは、単一の矩形突出部736を含む。更に他の実施例では、突出部735dは円形レセプタクルを含み、突出部735eは単一の矩形レセプタクルを含む。突出部735は、直線状であってもよく、及び/又は、角度付けされて延在し、接続ウェブ716、721の部分が配置されるチャネル732aを更に画定するように離間されている。他の構成が想到される。図示のように、突出部736、737は、接地ウェハ661、663、665の位置合わせ及び組み立てを支援するように機能し得る異なる高さを有する。いくつかの例では、突出部736、737の千鳥状の高さはまた、改善された電気的機能性を提供し得る。
【0047】
図34を参照すると、左側の接地ウェハ661は、平坦な第1の表面661a及び反対側の第2の側面661bを含む。第2の側面661bは、中間接地ウェハ663の第1の側面663a上の突出部735と同様であるが、反対側に構成された突出部738を含む。上記の実施例を使用して、突出部738aのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735aと嵌合し、突出部738bのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735bと嵌合し、突出部738cのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735cと嵌合する。突出部738は、同様に、端子ウェブ715、720の部分が配置されるチャネル731bと、接続ウェブ716、721の部分が配置されるチャネル732bとを画定する。チャネル731a及び731bは相互作用して、端子ウェブ715、720の部分が配置される遮蔽された端子経路730を画定するように相互作用し、チャネル732a及び732bは相互作用して、接続ウェブ716、721が配置されるウェブ経路733を画定する。
【0048】
同様に、右接地ウェハ665は、平面的な第1の表面665a及び反対側の第2の側面665bを含む。第2の側面665bは、中間接地ウェハ663の第2の側面663b上の突出部735と同様であるが反対方向に構成された突出部739を含む。上記の実施例を使用して、突出部739aのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735aと嵌合し、突出部739dのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735dと嵌合し、突出部739eのそれぞれは、反対向きに構成され、位置合わせされた突出部735dと嵌合する。突出部739は、同様に、端子ウェブ715、720の部分が配置されるチャネル731bと、接続ウェブ716、721の部分が配置されるチャネル732bとを画定する。チャネル731a及び731bは相互作用して、端子ウェブ715、720が配置される端子経路730を画定し、チャネル732a及び732bが相互作用して、接続ウェブ716、721が配置されるウェブ経路733を画定する。
【0049】
中間接地ウェハ663の反対側663a、663b上の突出部735は同一に構成されているため、突出部738及び739は同一に構成されている。接地ウェハ661、663、665の突出部が相互係合して、端子チャネル731及びウェブチャネル732によって形成されるウェブ経路733によって形成される端子経路730を形成するために、他の構成が利用されてもよい。
【0050】
接地ウェハ661、663、665は、任意の所望の方法で一緒に固定することができる。図示のように、中間接地ウェハ663は、第1の側面663a上の複数の凹部又はレセプタクル740、及び第2の側面663b上の複数のポスト741を含む。左接地ウェハ661は、中間接地ウェハ663の第1の側面663a上のレセプタクル740内に固定されるように構成された、第2の側面661b上の複数のポスト742を含み、左接地ウェハ及び中間接地ウェハを共に固定する。右接地ウェハ665は、右接地ウェハと中間接地ウェハを一緒に固定するよう、中間接地ウェハ663の第2の側面663b上のポスト741に固定されるように構成された、第2の側面665b上の複数のレセプタクル743を含む。所望であれば、ポスト741、742は、接地ウェハ661、663、665を一緒に固定するのを補助するために、クラッシュリブ741a、742aを含むことができる。
【0051】
高速ウェハブロック660を組み立てるために、信号伝達ウェハ対662は、その中に端子セット710、712を有する絶縁フレーム662a、662bを整列及び固定することによって組み立てられる。第2の信号伝達ウェハ対664は、同じ方法で組み立てられてもよい。左接地ウェハ661は、中間接地ウェハ663に固定され、第1の信号伝達ウェハの対662がそれらの間に位置付けられる。そうすることにより、第1の信号伝達ウェハ対662は、左接地ウェハ661と中間接地ウェハ663との間に配置され、端子ウェブ715、720は、中間接地ウェハ663の第1の側面663a内の端子チャネル731a及び左接地ウェハ661の第2の側面661bの端子チャネル731bとの間に配置される。接続ウェブ716、721は、中間接地ウェハ663の第1の側面663a内のウェブチャネル732a、及び左接地ウェハ661の第2の側面661bのウェブチャネル732bと整列される。
【0052】
右接地ウェハ665は、中間接地ウェハ663に固定され、第2の信号伝達ウェハの対664がそれらの間に配置される。そうすることで、第2の信号伝達ウェハ対664は、中間接地ウェハ663と右接地ウェハ665との間に位置付けられ、端子ウェブ715、720は、中間接地ウェハ663の第2の側面663a内の端子チャネル731a及び右接地ウェハ665の第2の側面665bの端子チャネル731bとの間に配置される。接続ウェブ716、721は、中間接地ウェハ663の第2の側面663bのウェブチャネル732aと、右接地ウェハ665の第2の側面665bのウェブチャネル732bと整列される。
【0053】
図51~
図56を参照すると、第1の信号伝達ウェハ対662は、左接地ウェハ661と中間接地ウェハ663との間に挟まれ、一方、第2の信号伝達ウェハ対664は、中間接地ウェハ663と右接地ウェハ665との間に挟まれる。端子チャネル731a、731bに沿った接地ウェハ661、663、665の導電性及び構造は、信号伝達ウェハ対662、664内の端子のための横方向遮蔽及びインピーダンス制御を提供する。中間接地ウェハ663の突出部735は、左接地垂直ウェハ661の突出部738及び右接地ウェハ665の突出部739と相互作用又は相互作用して、信号伝達ウェハ対662、664内の空隙又は開口部723を実質的に充填する。開口部723内の突出部735、738、739の導電性及び構造は、信号伝達ウェハ対662、664内の端子のための垂直シールド及びインピーダンス制御を提供する。したがって、接地ウェハ661、663、665上の導電めっきの結果として、各差動信号対の端子711、713は、接地ウェハからの導電性遮蔽によって、その全長に沿って実質的に囲まれる。シールド内の中断は、ウェブチャネル732を形成する突出部735、738、739間の間隙内に生じる。しかしながら、このような中断は、描写されたコネクタシステムの電気的性能を著しく中断又は影響しないように、十分に小さくかつ頻度が低い。
【0054】
完全に組み立てられた構造は、端子チャネル731a、731b内に配置された端子ウェブ715、720と、ウェブチャネル732a、732b内に配置された接続ウェブ716、721とを含み、それにより、信号伝達ウェハの対662、664及び接地ウェハ661、663、665のアセンブリは、剛性アセンブリを形成する。アセンブリの剛性は、アセンブリを回路基板に圧入するプロセス中にアセンブリに力を分配するのを支援し得る。
【0055】
様々な代替構成が想到される。例えば、
図57を参照すると、接地ウェハ661、663、665間の突出部735、738、739などの接地リンクは、より少ない矩形突出部745と、整列した接地ウェハ661、663、665上の相補的な形状の嵌合構造体と共に、より多くの数の円筒形ポスト746を含む他の構成を有してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、接地リンクの全ては、隣接する接地ウェハとガルバニック又は直接電気的接続を行わなくてもよい。
【0056】
更に、金属化プラスチックの接地ウェハ661、663、665を形成するのではなく、金属接触インサート668及び金属尾部インサート669の接地ウェハを、リードフレームアセンブリの一部として接触及び尾部をスタンピング及び形成し、次いで、接点及び尾部を含むリードフレームの周囲に金属化プラスチック構造体を形成することなどによって、他の方法で形成することができる。換言すれば、別の形態の接地ウェハは、
図18の271に示されるものと同様の接地ウェハで形成することができる(すなわち、接点及び尾部を有するリードフレーム)が、信号伝達ウェハ対を通って延在するウェハ間に接地リンクを組み込むことができる。接地リンクを含む代替的な接地ウェハは、金属化プラスチックで形成されてもよく、金属化プラスチックはその後、ウェハ内のリードフレームに電気的に接続される。
【0057】
更に、別の実施形態では、突出部735、738、739を含む金属化プラスチックなどの構造体が形成されてもよく、この構造は、続いて接点及び尾部を有する導電性グランド板に接続される。更にまた、信号端子は、ブロード側結合ではなくエッジ結合されてもよい。一実施例では、各差動対の端子は、それらが水平に、かつ一対の接地ウェハの間で整列するように結合された別個の信号ウェハ又は筐体及び縁部に存在し得る。別の実施例では、各差動対の端子は、一対の接地ウェハの間にある筐体内で、縁部に結合され、垂直に整列され得る。
【0058】
更なる態様では、接地ウェハ661、663、665は、カードスロット750、751内の後部接点列642からの前部接点列641の間の遮蔽を強化し、更に電気的に絶縁するように構成されてもよい。より具体的には、
図58~
図59を参照すると、接地ウェハ661、663、665は、上部及び下部カードスロット750、751内で横方向に延在する更なる突出部を含む。左接地ウェハ661は、スロット750、751内に、第2の側面661bから中央ウェハ663に向かって、かつスロットの水平中心線に向かって横方向に延在する突出部755を含む。
【0059】
中間接地ウェハ663は、スロット750、751内に、第1の側面663aから左接地ウェハ661に向かって、かつスロットの水平中心線に向かって横方向に延在する突出部756を含む。中間接地ウェハ663はまた、スロット750、751内に、第2の側面663bから右接地ウェハ665に向かって、かつスロットの水平中心線に向かって横方向に延在する突出部757を含む。右接地ウェハ665は、スロット750、751内に突出部758(
図44)を含み、スロット750、751は、第2の側面665bから中央のウェハ663に向かって、かつスロットの水平中心線に向かって延在する。突出部755~58は、カードスロット750、751内の後部接点列642からの前部接点列641の間の遮蔽を強化し、更に電気的に絶縁する。一実施形態では、一対の突出部(例えば、757及び758と共に755及び756)は、遮蔽及び隔離機能を更に向上させるために、機械的及び電気的に相互接続されてもよい。
【0060】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲及び趣旨の範囲内での修正及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。