(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】土工ローラ及び土工ローラを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/28 20060101AFI20230724BHJP
E01C 19/26 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
E01C19/28
E01C19/26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022185106
(22)【出願日】2022-11-18
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10 2021 130 259.5
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508123375
【氏名又は名称】ハム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Hamm AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ダグナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブラウンシュレーガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ボイムル
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-214820(JP,A)
【文献】特開2016-194218(JP,A)
【文献】特開平07-197415(JP,A)
【文献】国際公開第2020/200509(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/28
E01C 19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機
械のための土工ローラであって、ローラ回転軸(D
1、D
2)の方向に長い、ローラ内部空間(16、28)を包囲するローラシェル(18、26)と、少なくとも部分的に前記ローラ内部空間(16、28)に配置されたアンバランス装置(32、34)と、を含んでおり、前記アンバランス装置(32、34)は、アンバランス回転軸(U)に対して偏心の質量中心(M)を有する、前記アンバランス回転軸(U)の周りに回転可能な少なくとも1つのアンバランス質量(36)と、前記アンバランス回転軸(U)の周りに回転するように、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を駆動させるための、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(38)を有するアンバランス駆動システム(40)と、を含んでおり、前記アンバランス装置(32、34)が非アクティブ化された場合、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)は
、静止位置にあり、前記アンバランス駆動システム(40)は、アンバランス質量戻り段階において前記アンバランス装置(32、34)を非アクティブ化する際、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)が静止位置に移動するように動作させるように構成されている土工ローラ。
【請求項2】
前記アンバランス駆動システム(40)が、アンバランス質量戻り段階において、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を、変位位置から前記静止位置に移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の土工ローラ。
【請求項3】
前記静止位置では、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の質量中心(M)が、垂直方向において
、垂直に、前記アンバランス回転軸(U)の下に位置していること、及び、前記変位位置では、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の質量中心(M)は、変位角を有して、静止位置から変位していることを特徴とする、請求項2に記載の土工ローラ。
【請求項4】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項5】
前記アンバランス駆動システム(40)が、保持トルクを生成するために、保持電流が少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を通るように誘導するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の土工ローラ。
【請求項6】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス質量戻り段階に先行するアンバランス制動段階において、前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の回転数を動作回転数から低下させるために、制動トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項7】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていること、及び、前記制動トルクが、保持トルクよりも大きいことを特徴とする、
請求項6に記載の土工ローラ。
【請求項8】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていること、及び、前記アンバランス駆動システム(40)が、移行回転数に到達した場合、又は/及び、アンバランス制動段階の開始後、所定の制動時間が経過した場合に、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、
請求項6に記載の土工ローラ。
【請求項9】
前記移行回転数が、ゼロであることを特徴とする、請求項8に記載の土工ローラ。
【請求項10】
保持トルクが、少なくとも1つの前記アンバランス質量によって、少なくとも1つの前記アンバランス質量の位置決めの際に基準変位角において生成されるトルクに一致していることを特徴とする、
請求項4に記載の土工ローラ。
【請求項11】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていること、保持トルクが、少なくとも1つの前記アンバランス質量によって、少なくとも1つの前記アンバランス質量の位置決めの際に基準変位角において生成されるトルクに一致していること、及び、前記基準変位角が、前記静止位置に関して90°の範囲にあることを特徴とする、
請求項3に記載の土工ローラ。
【請求項12】
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていること、及び、前記アンバランス駆動システム(40)が、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)が変位位置に位置決めされた場合、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を前記変位位置から前記静止位置に移動させるために、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されるトルクを保持トルクから低下させるために、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を動作させるように構成されていることを特徴とする、
請求項2に記載の土工ローラ。
【請求項13】
前記アンバランス駆動システム(40)が、保持トルクを生成するために、保持電流が少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を通るように誘導するように構成されていること、及び、前記アンバランス駆動システム(40)が、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されるトルクを低下させるために、前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって誘導される電流を保持電流から低下させるように構成されていることを特徴とする、
請求項12に記載の土工ローラ。
【請求項14】
少なくとも1つのアンバランス質
量のアンバランス回転軸(U)が、ローラ回転軸(D
1、D
2)に一致すること、又は/及び、少なくとも1つのアンバランス質量(36
)のアンバランス回転軸(U)が、前記ローラ回転軸(D
1、D
2)に対してずらされて、平行に配置されていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項15】
前記アンバランス質量それぞれのアンバランス回転軸(U)が、ローラ回転軸(D
1
、D
2
)に一致すること、又は/及び、前記アンバランス質量それぞれのアンバランス回転軸(U)が、前記ローラ回転軸(D
1
、D
2
)に対してずらされて、平行に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項16】
請求項1に記載の土工ローラ(14、24)を少なくとも1つ含んでいる土工機
械。
【請求項17】
土工機械がソイルコンパクタであることを特徴とする、請求項16に記載の土工機械。
【請求項18】
請求項1に記載の土工ローラ(14、24)を動作させるための方法であって、
a)アンバランス装置(32、34)を非アクティブ化する際に、アンバランス制動段階における少なくとも1つのアンバランス質量(36)の回転数を、動作回転数から低下させるステップと、
b)アンバランス制動段階に続くアンバランス質量戻り段階において、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(38)によって保持トルクを生成し、少なくとも1つのアンバランス質量(36)を静止位置に移動させるために、前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されたトルクを、保持トルクから減少させるステップと、
を含んでいる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソイルコンパクタ等の土工機械において、地面を加工する、特に締固めるために用いられ得る土工ローラに関する。本発明はさらに、当該土工ローラ、又は、当該土工ローラを有する土工機械を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばソイルコンパクタとして構成された土工機械において、締固めローラとして用いられ得る土工ローラは、アンバランス回転軸の周りに回転可能な少なくとも1つのアンバランス質量を備えたアンバランス装置を有し得る。アンバランス回転軸が、土工ローラの回転軸と一致する場合、少なくとも1つの回転しているアンバランス質量によって、ローラ回転軸に直交する方向の力が土工ローラに作用し、これによって、土工ローラは、土工ローラの回転軸に対して略直交する、周期的な振動運動を行う。例えば、土工ローラの回転軸に対してずらされて、平行に配置され、土工ローラの回転軸に関して直径上で互いに向かい合うアンバランス回転軸を有する2つのアンバランス質量が設けられている場合、土工ローラに周期的な揺動運動を行わせるために、回転しているアンバランス質量によって、土工ローラの回転軸に関して略接線方向に方向付けられた、周期的に変化するトルクが、土工ローラに作用し得る。
【0003】
当該土工機械において、化石燃料の使用を回避するため、又は、化石燃料の消費を削減するために、土工ローラに割り当てられたアンバランス電気駆動モータが設けられていてよく、当該アンバランス電気駆動モータによって、少なくとも1つのアンバランス質量が、回転するように駆動され得る。アンバランス装置が非アクティブ化されており、従って、アンバランス電気駆動モータが作動していない場合、アンバランス電気駆動モータは、駆動トルクも制動トルクも生成しないので、アンバランス電気駆動モータによって基本的に回転するように駆動され得るアンバランス質量は、ポテンシャルエネルギーが最小である静止位置に位置決めされ、当該静止位置では、当該アンバランス質量の質量中心は、概ね垂直に、アンバランス回転軸の下に位置している。当該静止位置にアンバランス質量が移動するのは、アンバランス質量が動作回転数で、配設されたアンバランス回転軸の周りを回転する動作状態から出発して、配設されたアンバランス電気駆動モータが非アクティブ化される場合である。静止状態への移行又は静止位置への移動が終了する際、基本的に制動トルクが加えられていないアンバランス質量は、比較的低い周波数及び減少する振幅で、静止位置の周りで揺動するが、これは、土工ローラ又は土工機械における対応する振動によって感知できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、土工機械のための土工ローラと、当該土工ローラを動作させるための方法であって、アンバランス装置の非アクティブ化の際、すなわち静止状態への移行の際に、アンバランス質量の揺動運動の発生を回避することが可能である方法と、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、本課題は、土工機械、特にソイルコンパクタのための土工ローラによって解決され、当該土工ローラは、ローラ回転軸の方向に長い、ローラ内部空間を包囲するローラシェルと、少なくとも部分的にローラ内部空間に配置されたアンバランス装置と、を含んでおり、当該アンバランス装置は、アンバランス回転軸に対して偏心の質量中心を有する、アンバランス回転軸の周りに回転可能な少なくとも1つのアンバランス質量と、アンバランス回転軸の周りに回転するように、少なくとも1つのアンバランス質量を駆動するための、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを有するアンバランス駆動システムと、を含んでおり、アンバランス装置が非アクティブ化された場合、少なくとも1つのアンバランス質量は、概ね静止位置にあり、当該アンバランス駆動システムは、アンバランス質量戻り段階(Unwucht-Rueckfuehrphase)においてアンバランス装置を非アクティブ化する際、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを、少なくとも1つのアンバランス質量が静止位置に移動するように動作させるように構成されている。
【0006】
本発明に係る土工ローラの場合、アンバランス装置の非アクティブ化の際、すなわち静止状態への移行の際の、アンバランス質量の揺動は、アンバランス電気駆動モータの対応する動作によって、少なくとも1つのアンバランス質量が規定の静止位置に、すなわちポテンシャルエネルギーが最小の状態に移行することによって防止される。揺動運動は生じないが、少なくとも1つのアンバランス質量は、ポテンシャルエネルギーがより高い状態、すなわち少なくとも1つのアンバランス質量の質量中心が静止位置におけるよりも高い状態から、概ね連続的な下降運動において、静止位置の方向に移動する。
【0007】
この際、アンバランス駆動システムは、アンバランス装置の非アクティブ化に際して、少なくとも1つのアンバランス質量を、変位位置(Auslenklage)から静止位置に移動させるように構成されていてよい。つまり、少なくとも1つのアンバランス質量は、配設されたアンバランス電気駆動モータの動作によって、2つの位置、すなわち一方での変位位置と他方での静止位置との間で、揺動運動を生じずに、ポテンシャルエネルギーがより小さい、又は、最小の状態にもたらされる。
【0008】
静止位置において、少なくとも1つのアンバランス質量の質量中心は、垂直方向において、概ね垂直に、アンバランス回転軸の下に位置決めされていてよく、すなわち、ポテンシャルエネルギーが最小の状態にあってよいが、変位位置では、少なくとも1つのアンバランス質量の質量中心は、変位角を有して、静止位置から変位していてよい。
【0009】
アンバランス質量戻り段階の開始に際して、少なくとも1つのアンバランス質量の規定の運動を導入可能にするために、アンバランス駆動システムが、アンバランス装置の非アクティブ化に際して、特にアンバランス質量戻り段階の開始と共に、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを、保持トルクの生成のために動作させるように構成されていることが提案される。
【0010】
このために、例えばアンバランス駆動システムは、保持トルクを生成するために、保持電流が少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを通るように誘導するように構成されていてよい。
【0011】
少なくとも1つのアンバランス質量を、通常の回転動作から、アンバランス質量戻り段階においてアンバランス質量が大きな揺動運動を生じさせずに、静止位置に戻る状態に移行させるために、アンバランス駆動システムは、アンバランス質量戻り段階に先行するアンバランス制動段階において、アンバランス電気駆動モータを、少なくとも1つのアンバランス質量の回転数を動作回転数から低下させるために、制動トルクを生じさせるように動作させるように構成されていてよい。特に、当該アンバランス制動段階を、少なくとも1つのアンバランス質量を変位位置に移動させる、又は、変位位置の領域に位置決めするために用いることが可能であり、これによって、少なくとも1つのアンバランス質量は、変位位置において、概ね静止する。
【0012】
アンバランス制動段階を可能な限り短く保つために、制動トルクが保持トルクよりも大きいことが提案される。例えば、制動トルクは、アンバランス電気駆動モータによって生じ得る最大の制動トルクの範囲にあり得る。
【0013】
アンバランス質量戻り段階に導入するために、アンバランス駆動システムは、移行回転数に到達した場合、又は/及び、アンバランス制動段階の開始後、所定の制動時間が経過した場合に、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを、保持トルクの生成のために動作させるように構成されていてよい。
【0014】
移行回転数は、例えばゼロであってよい。これは、アンバランス制動段階において、少なくとも1つのアンバランス質量が、実際に停止させられており、アンバランス制動段階の終了時に変位位置に位置している、又は、変位位置の領域において、非常に低い速度でのみ運動を実施しているということを意味している。
【0015】
いずれの変位位置において、アンバランス制動段階の終了時に、少なくとも1つのアンバランス質量が停止するか又は略停止するかは、一般的に知られていないので、保持トルクが、少なくとも1つのアンバランス質量によって、少なくとも1つのアンバランス質量の位置決めの際に基準変位角において生成されるトルクに一致していると有利であり、好ましくは、基準変位角は、静止位置に関して90°の範囲内にある。このように、少なくとも1つのアンバランス質量が、保持トルクが小さすぎるゆえに突然落下することが防止される。
【0016】
アンバランス質量戻り段階において少なくとも1つのアンバランス質量を静止位置に移動させるために、アンバランス駆動システムは、少なくとも1つのアンバランス質量が変位位置に位置決めされた場合、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータを、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって生成されるトルクを、保持トルクから低下させるように動作させるように構成されていてよい。
【0017】
トルクの保持トルクからの低下は、例えばアンバランス駆動システムが、アンバランス電気駆動モータによって誘導される電流を保持電流から低下させるように構成されていることによって得られる。
【0018】
土工ローラの振動運動を生じさせるために、少なくとも1つのアンバランス質量、好ましくは各アンバランス質量のアンバランス回転軸は、ローラ回転軸に一致し得る。土工ローラを揺動運動させるべき場合には、代替的又は付加的に、少なくとも1つのアンバランス質量、好ましくは各アンバランス質量のアンバランス回転軸が、ローラ回転軸に対してずらされて、平行に配置されていると規定してよい。
【0019】
本発明はさらに、本発明に従って構成された少なくとも1つの土工ローラを含む土工機械、好ましくはソイルコンパクタに関する。
【0020】
さらに、冒頭に述べた課題は、好ましくは本発明に従って構成された土工機械内の、本発明に従って構成された土工ローラを動作させるための方法によって解決され、当該方法は、
a)アンバランス装置を非アクティブ化する際に、アンバランス制動段階における少なくとも1つのアンバランス質量の回転数を、動作回転数から低下させるステップと、
b)アンバランス制動段階に続くアンバランス質量戻り段階において、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって保持トルクを生成し、少なくとも1つのアンバランス質量を静止位置に移動させるために、アンバランス電気駆動モータによって生成されたトルクを、保持トルクから減少させるステップと、
を含んでいる。
【0021】
以下において、本発明を、添付の図面を参照して詳細に記載する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】2つの土工ローラを備えた、ソイルコンパクタとして構成された土工機械を示す側面図である。
【
図2】土工ローラに配設されたアンバランス質量と共に、土工ローラの原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1では、ソイルコンパクタとして構成された土工機械が全体として符号10で示されている。土工機械10は、車両後部12に、ローラ回転軸D
1の周りに回転可能な土工ローラ14を、ローラ内部空間16を包囲するローラシェル18と共に含んでいる。土工機械10を操縦するために、関節連結領域20で車両後部12と関節連結された車両前部22において、土工機械10は、ローラシェル26によって包囲されたローラ内部空間28を備えたさらなる土工ローラ24を有している。車両後部12には、さらに運転台30が設けられており、運転台30から、操作者が、例えば土工機械10を、アスファルト材料等の締め固められるべき地面の上で移動させるために、土工機械10を操作することができる。
【0024】
土工機械10において、両方の土工ローラ14は、そのローラ回転軸D1、D2の周りに回転するように駆動されていてよい。このために、例えば電気油圧式駆動システムには、電動機によって駆動されるトラクション油圧ポンプと、各土工ローラ14に割り当てられたトラクション油圧モータと、が設けられていてよい。
【0025】
さらに、少なくとも1つの土工ローラ、好ましくは両方の土工ローラに割り当てられた、
図1において破線で原理が示されたそれぞれ1つのアンバランス装置32、34が設けられていてよい。当該アンバランス装置の構造及び作用機構に関しては、車両後部12の土工ローラ14に配設されたアンバランス装置32を用いて、以下において詳細に記載する。両方の土工ローラ14、24において当該アンバランス装置32又は34が設けられている場合、当該アンバランス装置は、互いに同じ構造を有し、同じように動作し得ることが指摘される。
【0026】
土工ローラ14に配設されたアンバランス装置32は、図示された例ではローラ回転軸D
1に一致するアンバランス回転軸Uの周りに回転するように駆動可能である少なくとも1つのアンバランス質量36を含んでおり、アンバランス質量36は、アンバランス回転軸Uに対して偏心の質量中心Mを有している。
図2では、アンバランス質量36は、アンバランス回転軸Uの周りの、以下において言及する2つの回転位置に位置決めされて示されていることが指摘される。さらに、例えば複数の当該アンバランス質量36が、アンバランス回転軸Uの方向において連続して、ローラ内部空間16内に配置されていてよいことが指摘される。
【0027】
アンバランス質量36には、例えば同じくローラ内部空間16に配置されたアンバランス電気駆動モータ38が配設されている。アンバランス電気駆動モータ38は、ソイルコンパクタ10に設けられたバッテリ、燃料電池等から供給を受け、土工動作において、すなわち例えばアスファルト材料等を締固める際に、配設されたアンバランス質量36を、アンバランス回転軸Uの周りに回転するように駆動することができる。この関連において、アンバランス電気駆動モータ38が、例えばアンバランス回転軸Uの方向において連続して配置された複数のアンバランス質量36を駆動するために設けられていてよいことが指摘される。代替的に、当該アンバランス質量36が複数設けられている場合、各アンバランス質量36に割り当てられた、アンバランス質量36を駆動する別個のアンバランス電気駆動モータ38が設けられていてもよいであろう。アンバランス電気駆動モータ38は、好ましくは三相電動機であり、インバータの制御下にあり、目標回転数又は目標トルクで回転するために、インバータを用いて、それぞれ必要な電圧又はそれぞれ必要な電流が供給される。
【0028】
土工機械10が動作している間、アンバランス装置32がアクティブ化された、つまり動作している場合、アンバランス電気駆動モータ38は、アンバランス質量36を、アンバランス回転軸Uの周りに、毎分数千回転で回転するように駆動する。これによって、ローラ回転軸D1に対して概ね直交する力が、土工ローラ14に作用し、土工ローラ14は、周期的な振動運動を行う。
【0029】
アンバランス装置32の動作が終了すべき場合、つまり、アンバランス装置32が非アクティブ化されるべき場合、まず例えばアンバランス制動段階における非アクティブ化の開始と共に、アンバランス回転軸Uの周りでのアンバランス質量36の回転数が減少させられる。このために、例えばアンバランス電気駆動モータ38は、発電機として動作可能であり、これによって、アンバランス質量36の減少する運動エネルギーから電気エネルギーが得られ、電気エネルギーが、エネルギー貯蔵装置、つまり例えば土工機械10に設けられたバッテリに貯蔵される。代替的に、アンバランス電気駆動モータ38は、制動モードで動作することも可能であり、制動モードでは、アンバランス電気駆動モータ38の給電によって、アンバランス質量36の回転に抵抗する制動トルクが生成される。基本的に、アンバランス制動段階の異なる部分段階においても、アンバランス電気駆動モータ38は、発電モード又は制動モードで動作し得る。アンバランス制動段階を可能な限り短く保つために、アンバランス制動段階では、アンバランス電気駆動モータ38は、目標回転数として、ゼロの領域の回転数が到達されるべきであるというさらなる要求のもとで、例えば可能な限り最大の制動トルクを生成するために制御され得る。
【0030】
アンバランス制動段階の終了時、すなわち移行回転数がゼロの領域に到達する際、アンバランス質量36は、基本的には知られていない変位位置にある。アンバランス質量36又はその質量中心は、
図2において下側に示した静止位置にあってよく、当該静止位置では、アンバランス質量36の質量中心Mは、概ね垂直に、ローラ回転軸D
1の下に位置決めされている。しかしながら、一般的に、アンバランス質量36は、アンバランス制動段階の終了時に、静止位置には一致しない変位位置に位置決めされているであろうし、アンバランス電気駆動モータ38の制御を継続する場合、アンバランス質量36の目標回転数がゼロであるべきだという要求のもとで、当該変位位置に保持されるであろう。
【0031】
アンバランス質量36がアンバランス電気駆動モータ38によって回転するように駆動される場合、例えばアンバランス電気駆動モータ38の制御から、又は、速度センサによって供給されて、一般的に、アンバランス質量36又はアンバランス電気駆動モータ38の現在の回転数に関する情報が存在する。動作回転数から低下したアンバランス質量36の回転数が、例えばゼロの領域の、アンバランス制動段階に関して設定された目標回転数に一致し得る移行回転数に到達する場合、又は、アンバランス制動段階の開始後、アンバランス質量36が、静止位置に一致しない変位位置において静止に至ることを確実にする、十分に長い時間が経過した場合、例えばアンバランス電気駆動モータ38及び配設された制御ユニットを含むアンバランス駆動システム40は、アンバランス質量36の振動及び揺動を回避するために、アンバランス質量戻り段階に移行する。このような状態において、まずアンバランス質量36が変位位置に保持されている場合に、アンバランス電気駆動モータ38が完全に非アクティブ化される、つまり非通電になるならば、アンバランス質量は、アンバランス回転軸Uの周りで揺動運動を実施するであろう。すなわち、アンバランス質量は、もはや円運動の上死点を越えては移動しない。当該揺動運動は、
図2において下側に示した、アンバランス質量36の質量中心Mが垂線Vの方向、すなわち重力の方向において直接、すなわち垂直にアンバランス回転軸Uの下に位置している位置にアンバランス質量36が着くまで、振幅を減少させながら継続するであろう。アンバランス装置32が非アクティブ化されている場合、又は、アンバランス駆動システム40が非アクティブ化されている場合でも、アンバランス質量36は、このアンバランス質量36の静止位置に対応する位置にあるか、又は、当該位置に留まる。
【0032】
この土工機械10における感知可能な振動をもたらすアンバランス質量36の揺動運動を回避するために、アンバランス電気駆動モータ38は、アンバランス質量戻り段階に移行する際に、アンバランス電気駆動モータ38が規定の保持トルクを生成するように給電される。保持トルクは、基本的に、アンバランス制動段階において生成される、又は、生成可能な最大の制動トルクよりも小さく、例えば、基本的に、保持トルクがアンバランス電気駆動モータ38によって生成される場合に、アンバランス質量36が、静止位置から変位した変位位置に位置したままであるか、又は、保持され得るように規定されている。このために、例えば、保持トルクとして、変位位置が静止位置に関して90°の基準変位角を有する場合にも、アンバランス質量36が静止位置への方向に移動しない大きさであるトルクが生成される、と規定してよい。当該変位位置において、アンバランス質量36は、その質量中心Mが、アンバランス回転軸Uに交差する水平線H上にあるように位置決めされている。これは、重力場におけるアンバランス回転軸Uと質量中心Mとの間の最大有効てこ(maximalen effektiven Hebels)Eに基づいて、アンバランス質量36が、最大の、かつ、保持トルクに抵抗する、又は、対応するトルクを生成する状態である。
【0033】
アンバランス電気駆動モータ38が、アンバランス質量戻り段階の開始時に、このような保持トルクを生成する場合、アンバランス質量はまず変位位置に留まるであろう。この状態から出発して、アンバランス質量戻り段階において、アンバランス電気駆動モータ38によって生成されるトルクは、保持トルクから徐々に低下させられる。これは、アンバランス電気駆動モータ38によって誘導される電流の低下によって行われる。例えば直線的に低下するトルク又は電流に基づいて、アンバランス質量36は、さしあたり位置している変位位置から、徐々に下に向かって、静止位置の方向に移動し、アンバランス電気駆動モータ38によって生成されるトルクがゼロの値にまで低下した場合、アンバランス質量36は静止位置にあるであろう。
【0034】
アンバランス電気駆動モータ38によって供給されるトルクを、保持トルクからゼロの値にまで低下させる際、アンバランス質量36は、揺動運動を生じずに、徐々に、かつ、概ね連続的に、静止位置に戻されるので、オーバーシュート、又は、静止位置を超える移動は概ね生じない。つまり、アンバランス質量36は、土工機械10で感知可能な揺動運動を生じずに、静止位置に戻される。この状態に達した場合、アンバランス駆動システム40の動作は停止するか、又は、アンバランス電気駆動モータ38には、もはや電圧は印加されないので、アンバランス電気駆動モータは通電しておらず、アンバランス質量36に作用するトルクも生成しない。アンバランス質量36は、重力によってその静止位置に留まり、静止位置では、アンバランス質量36又はその質量中心Mは、ポテンシャルエネルギーが最小である位置にある。
【0035】
本発明に係る土工ローラ14又は24の態様では、アンバランス質量36の静止位置への移行が、土工機械10が、重力場において水平に方向付けられた地面の上に停止しているのか、又は、傾斜した地面の上に停止しているのかとは無関係に行われ得ると特に有利である。アンバランス質量36は、静止位置において、アンバランス電気駆動モータ38が非アクティブ化されている場合に、つねにポテンシャルエネルギーが最小の状態にあり、当該状態においては、その質量中心Mは、垂直に、すなわち重力の方向においてアンバランス回転軸Uの下に位置している。土工機械10が位置している地面の傾斜に関する情報を提供するために、センサ系は不要である。
【0036】
最後に指摘しておくべきことに、本発明に従って構成された土工ローラ14、24、又は、当該土工ローラを動作させるための方法において、アンバランス電気駆動モータ38によって生成されるべき保持トルクは、例えば
図2に示した、アンバランス質量36によって生成されるトルクが最大である状態においてアンバランス質量36を保持するために必要な保持トルクよりも小さくてよい。これによって、アンバランス質量戻り段階の時間を短縮することができる。基本的に、アンバランス質量戻り段階の長さは、例えばトルクの直線的な低下からは外れて、保持トルクを始点として、まずアンバランス質量戻り段階の開始時に、トルク又はアンバランス電気駆動モータ38によって誘導される電流を、アンバランス質量戻り段階の終了時よりも速く低下させることによっても短縮することができる。基本的に、アンバランス質量戻り段階内には、一時的に、アンバランス質量36を静止位置により速く接近させるために、一時的に、アンバランス電気駆動モータ38によって供給されるトルクがゼロ又はゼロの領域の値にまで低下させられる段階もあり得る。
【0037】
さらに指摘しておくべきことに、アンバランス質量戻り段階の開始時における保持トルクは、アンバランス回転軸Uの周りで、アンバランス質量36が静止位置に落下しないこと、又は、静止位置への方向において加速することを確実にする方向において生成される。従って、
図2に示された変位位置にアンバランス質量36を位置決めする際、保持トルクは時計回りの方向に生成される。アンバランス質量36が、
図2においてアンバランス回転軸Uの右に位置しているのであれば、保持トルクは、反時計回りに生成されるであろう。
【0038】
最後に指摘しておくべきことに、本発明の原理は、振動運動を生じさせるために設けられたアンバランス装置にだけではなく、例えば2つのアンバランス質量が、ローラ回転軸に対してずらされた、平行なアンバランス回転軸を有して、例えばローラ回転軸に関して互いに直径上で向かい合うように配置されているアンバランス装置にも適用され得る。このようなローラ回転軸に対して偏心のアンバランス回転軸の場合も、1つ又は複数のアンバランス電気駆動モータがアクティブでない場合、アンバランス質量は、ポテンシャルエネルギーが最小の状態において位置決めされる。このような配置の場合にも、アンバランス質量の揺動運動を回避するために、上述した方法を用いることができる。
[付記項1]
土工機械、特にソイルコンパクタのための土工ローラであって、ローラ回転軸(D
1
、D
2
)の方向に長い、ローラ内部空間(16、28)を包囲するローラシェル(18、26)と、少なくとも部分的に前記ローラ内部空間(16、28)に配置されたアンバランス装置(32、34)と、を含んでおり、前記アンバランス装置(32、34)は、アンバランス回転軸(U)に対して偏心の質量中心(M)を有する、前記アンバランス回転軸(U)の周りに回転可能な少なくとも1つのアンバランス質量(36)と、前記アンバランス回転軸(U)の周りに回転するように、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を駆動させるための、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(38)を有するアンバランス駆動システム(40)と、を含んでおり、前記アンバランス装置(32、34)が非アクティブ化された場合、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)は、概ね静止位置にあり、前記アンバランス駆動システム(40)は、アンバランス質量戻り段階において前記アンバランス装置(32、34)を非アクティブ化する際、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)が静止位置に移動するように動作させるように構成されている土工ローラ。
[付記項2]
前記アンバランス駆動システム(40)が、アンバランス質量戻り段階において、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を、変位位置から前記静止位置に移動させるように構成されていることを特徴とする、付記項1に記載の土工ローラ。
[付記項3]
前記静止位置では、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の質量中心(M)が、垂直方向において、概ね垂直に、前記アンバランス回転軸(U)の下に位置していること、及び、前記変位位置では、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の質量中心(M)は、変位角を有して、静止位置から変位していることを特徴とする、付記項2に記載の土工ローラ。
[付記項4]
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス装置(32、34)の非アクティブ化に際して、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項1から3のいずれか一項に記載の土工ローラ。
[付記項5]
前記アンバランス駆動システム(40)が、保持トルクを生成するために、保持電流が少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を通るように誘導するように構成されていることを特徴とする、付記項4に記載の土工ローラ。
[付記項6]
前記アンバランス駆動システム(40)が、前記アンバランス質量戻り段階に先行するアンバランス制動段階において、前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)の回転数を動作回転数から低下させるために、制動トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項1から5のいずれか一項に記載の土工ローラ。
[付記項7]
前記制動トルクが、保持トルクよりも大きいことを特徴とする、付記項4を引用する場合の付記項6に記載の土工ローラ。
[付記項8]
前記アンバランス駆動システム(40)が、移行回転数に到達した場合、又は/及び、アンバランス制動段階の開始後、所定の制動時間が経過した場合に、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を、保持トルクを生成するために動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項4を引用する場合の、付記項6又は7に記載の土工ローラ。
[付記項9]
前記移行回転数が、ゼロであることを特徴とする、付記項8に記載の土工ローラ。
[付記項10]
保持トルクが、少なくとも1つの前記アンバランス質量によって、少なくとも1つの前記アンバランス質量の位置決めの際に基準変位角において生成されるトルクに一致していることを特徴とする、付記項4から9のいずれか一項に記載の土工ローラ。
[付記項11]
基準変位角が、前記静止位置に関して90°の範囲にあることを特徴とする、付記項3を引用する場合の付記項10に記載の土工ローラ。
[付記項12]
前記アンバランス駆動システム(40)が、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)が変位位置に位置決めされた場合、少なくとも1つの前記アンバランス質量(36)を前記変位位置から前記静止位置に移動させるために、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されるトルクを保持トルクから低下させるために、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)を動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項2を引用する場合の、付記項4から9のいずれか一項に記載の土工ローラ。
[付記項13]
前記アンバランス駆動システム(40)が、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されるトルクを低下させるために、前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって誘導される電流を保持電流から低下させるように構成されていることを特徴とする、付記項5を引用する場合の付記項12に記載の土工ローラ。
[付記項14]
少なくとも1つのアンバランス質量、好ましくは前記アンバランス質量それぞれのアンバランス回転軸(U)が、ローラ回転軸(D
1
、D
2
)に一致すること、又は/及び、少なくとも1つのアンバランス質量(36)、好ましくは前記アンバランス質量それぞれのアンバランス回転軸(U)が、前記ローラ回転軸(D
1
、D
2
)に対してずらされて、平行に配置されていることを特徴とする、付記項1から13のいずれか一項に記載の土工ローラ。
[付記項15]
付記項1から14のいずれか一項に記載の土工ローラ(14、24)を少なくとも1つ含んでいる土工機械、好ましくはソイルコンパクタ。
[付記項16]
好ましくは付記項15に記載の土工機械(10)内の、付記項1から14のいずれか一項に記載の土工ローラ(14、24)を動作させるための方法であって、
a)アンバランス装置(32、34)を非アクティブ化する際に、アンバランス制動段階における少なくとも1つのアンバランス質量(36)の回転数を、動作回転数から低下させるステップと、
b)アンバランス制動段階に続くアンバランス質量戻り段階において、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(38)によって保持トルクを生成し、少なくとも1つのアンバランス質量(36)を静止位置に移動させるために、前記アンバランス電気駆動モータ(38)によって生成されたトルクを、保持トルクから減少させるステップと、
を含んでいる方法。
【符号の説明】
【0039】
10 土工機械
12 車両後部
14、24 土工ローラ
16、28 ローラ内部空間
18、26 ローラシェル
20 関節連結領域
22 車両前部
30 運転台
32、34 アンバランス装置
36 アンバランス質量
38 アンバランス電気駆動モータ
40 アンバランス駆動システム
D1、D2 ローラ回転軸
E 最大有効てこ
H 水平線
M 質量中心
U アンバランス回転軸
V 垂線