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特許7318135ロボットシステムにおけるセンサーを入れるための構造ロードセルケース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】ロボットシステムにおけるセンサーを入れるための構造ロードセルケース
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/02 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
B25J19/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022540921
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2021040278
(87)【国際公開番号】W WO2022010773
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】62/705,593
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523017235
【氏名又は名称】エックスワイゼット ロボティクス グローバル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】レイリー,マイケル,コレス
(72)【発明者】
【氏名】ユ,クアン-ティン
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-205976(JP,A)
【文献】特開2001-220086(JP,A)
【文献】特開2012-233868(JP,A)
【文献】特開2012-250334(JP,A)
【文献】特開2013-056402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0229666(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0169828(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0011406(US,A1)
【文献】米国特許第09346165(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/00-19/02
B21D 39/02
G01G 19/18
G01L 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードセルを入れるためのロボットシステム用の構造ロードセルケースであって、前記ロードセルは、力を測定するように適合されており、前記構造ロードセルケースは、
荷に連結するように適合された基部であって、前記基部は、前記ロードセルの第1の部分と連結された可撓継手を備える、基部と、
前記ロードセルを収容する内管と、
記内管の外側のローラースリーブであって、前記ローラースリーブは、前記内管と接触している複数のころ軸受を備える、ローラースリーブと、
を備え、
前記内管は、前記ローラースリーブの軸に沿ってスライドするように適合され、
前記内管は、前記ローラースリーブの軸以外の方向に回転および平行移動するのを制限される、構造ロードセルケース。
【請求項2】
前記可撓継手は圧縮ばねである、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項3】
前記内管は、
前記ロードセルの第2の部分を前記内管に固定するアダプタプレート
をさらに備える、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項4】
前記構造ロードセルケースは、
複数の空圧式取付け具および外部可撓管
をさらに備え、
前記複数の空圧式取付け具のうちの第1の空圧式取付け具は、前記内管を上管に連結し、
前記第1の空圧式取付け具は、前記外部可撓管の第1の端部に連結する組込み空気流路を介して、前記内管上に前記複数の空圧式取付け具のうちの第2の空圧式取付け具まで流路をつけ、
前記外部可撓管の第2の端部は、前記基部上で前記複数の空圧式取付け具のうちの第3の空圧式取付け具に連結し、
前記第3の空圧式取付け具は、前記複数の空圧式取付け具のうちの第4の空圧式取付け具まで流路をつけ、
前記第4の空圧式取付け具は、前記基部を下管に連結する、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項5】
前記内管は、流体を搬送するために適合された組込み空気流路を備える、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項6】
前記組込み空気流路に流体連結された内部空気流路と、
前記内部空気流路に流体連結された可撓エアフィッティングと、
をさらに備える、請求項5に記載の構造ロードセルケース。
【請求項7】
前記内管は、
前記組込み空気流路を収容するマニホールドプレート
をさらに備える、請求項5に記載の構造ロードセルケース。
【請求項8】
前記内管は、非円形断面形状を有する、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項9】
前記非円形断面形状は六角形である、請求項8に記載の構造ロードセルケース。
【請求項10】
前記複数のころ軸受は、前記内管の壁に沿ってスライドする、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項11】
共有肩上に前記複数のころ軸受の一対の間のスペーサ
をさらに備える、請求項10に記載の構造ロードセルケース。
【請求項12】
前記ローラースリーブはホイールブラケットをさらに備える、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項13】
前記複数のころ軸受のサブセットは一緒に回転して、前記ローラースリーブに固定された共有肩付きねじ上にある、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項14】
前記構造ロードセルケースは、前記ロードセルに伝達される力を所定の限度に制限する、請求項1に記載の構造ロードセルケース。
【請求項15】
ロードセルを入れるための構造ロードセルケースを備えるロボットシステムであって、前記ロードセルは、力を測定するために適合されており、前記構造ロードセルケースは、
荷に連結するように適合された基部であって、前記基部は、前記ロードセルの第1の部分と連結された可撓継手を備える、基部と、
前記ロードセルを収容する内管と、
記内管の外側のローラースリーブであって、前記ローラースリーブは、前記内管と接触している複数のころ軸受を備える、ローラースリーブと、
を備え、
前記内管は、前記ローラースリーブの軸に沿ってスライドするように適合され、
前記内管は、前記ローラースリーブの軸以外の方向に回転および平行移動するのを制限される、ロボットシステム。
【請求項16】
前記可撓継手は圧縮ばねである、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項17】
前記内管は、
前記ロードセルの第2の部分を前記内管に固定するアダプタプレート
をさらに備える、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記内管は、流体を搬送するために適合された組込み空気流路を備える、請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記組込み空気流路に流体連結された内部空気流路と、
前記内部空気流路に流体連結された可撓エアフィッティングと、
をさらに備える、請求項18に記載のロボットシステム
【請求項20】
前記内管は、
前記組込み空気流路を収容するマニホールドプレート
をさらに備える、請求項18に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人工知能、コンピュータビジョン、および/または機械システムを使用してピックアンドプレースアプリケーションを実行するロボットシステムの分野であり、特にロボットシステム内のセンサーを入れるための構造ロードセルケースに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術における記述は、本発明ならびにその用途および使用の理解を支援するために提供されており、従来技術を構成しない可能性がある。
【0003】
物体を選び取って(pick)、重量および寸法などの、様々な物体特性および状態を測定するためのセンサーをロボットシステム(例えば、ピックアンドプレースロボットシステム)に統合するために使用されているいくつかのアプローチがある。これらのセンサーは、例えば、選び取った物体の重量を量るために検出および測定できる電気信号に力を変換する力センサーである、ロードセルであり得る。しかし、これらのアプローチの多くは、捻り、曲げ、および圧縮でロードセルが損傷するのを防ぐことができず、雑然としたコンテナ内で使用するには大き過ぎ、狭い範囲の負荷重量内のみで動作して、それ以外では損傷リスクがあり、圧縮空気もしくは真空によって影響を受けるか、または信頼性を欠く。
【0004】
従って、機械的に頑丈でコンパクトであり、伝達される力を制限することによって様々な積荷に適していて、圧縮空気もしくは真空によって影響を受けず、捻り、曲げ、および圧縮でロードセルが損傷するのを防ぐ、ロボットシステムにおいてロードセルを収容するために構造ロードセルケースを提供することは最先端における進歩であろう。かかる構造ロードセルケースをロードセルと共に組み込むことは、積荷計量、二重ピッキング検出、負荷重量に応答したシステム調整、および物体存在検出に対するリミットスイッチの実装などの、様々な用途に対して有益であろう。それは、組立て中に引っ張り、または押す力を維持するためにも使用され得る。
【0005】
それが本発明が開発された本背景である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロボットによるピックアンドプレースシステムのための構造ロードセルケースに関する。より詳細には、様々な実施形態において、構造ロードセルケースは、基部、ロードセルを収容する内管、およびローラースリーブを含む。基部は、ロードセルの第1の部分と接合された可撓継手を含む。内管は組込み空気流路を含む。ローラースリーブは、内管と接触している複数のころ軸受を含み、内管はローラースリーブの軸に沿って自由にスライドでき、内管は、ローラースリーブの軸以外の方向に回転および平行移動するのを制限される。
【0007】
いくつかの実施形態では、可撓継手は圧縮ばねである。
【0008】
いくつかの実施形態では、内管は、ロードセルの第2の部分を内管に固定するためのアダプタプレートをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、構造ロードセルケースは、複数の空圧式取付け具および外部可撓管をさらに含む。複数の空圧式取付け具の第1の空圧式取付け具は内管を上管に連結する。第1の空圧式取付け具は、組込み空気流路を介して内管上の複数の空圧式取付け具の第2の空圧式取付け具まで流路をつけ、それは、外部可撓管の第1の端部に連結する。外部可撓管の第2の端部は、基部上の複数の空圧式取付け具の第3の空圧式取付け具に連結する。第3の空圧式取付け具は、複数の空圧式取付け具の第4の空圧式取付け具まで流路をつける。第4の空圧式取付け具は基部を下管に連結する。
【0010】
いくつかの実施形態では、構造ロードセルケースは、内部空気流路および可撓エアフィッティングをさらに含み、内部空気流路は可撓エアフィッティングに連結する。
【0011】
いくつかの実施形態では、内管は、組込み空気流路を収容するマニホールドプレートをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、内管は、非円形断面形状を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、非円形断面形状は六角形である。
【0014】
いくつかの実施形態では、ローラースリーブは、複数のセットのころ軸受をさらに含み、ころ軸受の各セットは内管の壁に沿ってスライドする。
【0015】
いくつかの実施形態では、構造ロードセルケースは、共有肩上の複数のセットのころ軸受の中の一対のころ軸受の間にスペーサをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ローラースリーブはホイールブラケットをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数のころ軸受のサブセットは、ローラースリーブに固定された共有肩付きねじ上にあることによって一緒に回転する。
【0018】
様々な実施形態では、本発明は、ロードセルを入れるための構造ロードセルケースを含むロボットシステムである。構造ロードセルケースは、基部、ロードセルを収容する内管、およびローラースリーブを含む。基部は、ロードセルの第1の部分と接合された可撓継手を含む。内管は組込み空気流路を含む。ローラースリーブは、内管と接触している複数のころ軸受を含み、内管はローラースリーブの軸に沿って自由にスライドでき、内管は、ローラースリーブの軸以外の方向に回転および平行移動するのを制限される。
【0019】
いくつかの実施形態では、可撓継手は圧縮ばねである。
【0020】
いくつかの実施形態では、内管は、ロードセルの第2の部分を内管に固定するためのアダプタプレートをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、複数の空圧式取付け具および外部可撓管をさらに含む。複数の空圧式取付け具の第1の空圧式取付け具は内管を上管に連結する。第1の空圧式取付け具は、組込み空気流路を介して内管上の複数の空圧式取付け具の第2の空圧式取付け具まで流路をつけ、それは、外部可撓管の第1の端部に連結する。外部可撓管の第2の端部は、基部上の複数の空圧式取付け具の第3の空圧式取付け具に連結する。第3の空圧式取付け具は、複数の空圧式取付け具の第4の空圧式取付け具まで流路をつける。第4の空圧式取付け具は基部を下管に連結する。
【0022】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、内部空気流路および可撓エアフィッティングをさらに含み、内部空気流路は可撓エアフィッティングに連結する。
【0023】
いくつかの実施形態では、内管は、組込み空気流路を収容するマニホールドプレートをさらに含む。
【0024】
様々な実施形態では、本発明は、ロボットシステム用のロードセルを入れる構造ロードセルケースを操作するための方法であって、ピックアンドプレースアプリケーションを実行すること、構造ロードセルケースを介してロードセルに伝達される力を所定の限度に制限すること、および積荷の重量をロードセルを使用して所定の限度まで測定することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、ロードセルに印加される流体圧力の影響を除去することをさらに含む。
【0026】
本発明の他の態様および実施形態は、本明細書で説明されるステップを含む方法およびプロセスを含み、本明細書で説明されるシステムおよび装置の操作のプロセスおよびモードも含む。
【0027】
本発明のさらに他の態様および実施形態は、本発明の詳細な説明を、添付の図面と一緒に読むと明らかになるであろう。
【0028】
本明細書で説明される本発明の実施形態は例示であり、制限ではない。実施形態はここで、例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】いくつかの実施形態に従った例示的なロボットシステムを示す。
図1B】いくつかの実施形態に従った例示的なロボットシステムを示す。
図1C】いくつかの実施形態に従った例示的なロボットシステムを示す。
図2A】本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケースを、ロボットシステムの文脈において示す。
図2B】本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケースを、ロボットシステムの、垂直コンプライアンス機構を含む、ロボットアームの文脈において示す。
図2C】本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケースを、ロボットシステムの、垂直コンプライアンス機構を除外した、ロボットアームの文脈において示す。
図2D】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステムのロボットアームの管にフランジクランプを介して連結された例示的な構造ロードセルケースを示す。
図2E】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステムのロボットアームの管に空圧式取付け具を介して連結された例示的な構造ロードセルケースを示す。
図2F】本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケースのシースルー図を、ロボットシステムの端部エフェクタの文脈において示す。
図2G】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステムの端部エフェクタの管に連結された例示的な構造ロードセルケースのシースルー図を示す。
図3A】本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例の断面側面図を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステムのために、外部可撓管を使用する。
図3B】本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例の等角図を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステムのために、外部可撓管を使用する。
図3C】本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例の様々な上面および側面図を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステムのために、外部可撓管を使用する。
図3D】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路を備えた、構造ロードセルケース例の断面側面図を示す。
図3E】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路を備えた、構造ロードセルケース例の様々な半側面図を示す。
図3F】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路を備えた、構造ロードセルケース例の様々な側面、上面、および底面図を示す。
図4A】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例の分解図を示す。
図4B】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例のローラースリーブの上面図を示す。
図4C】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例のローラースリーブの側面図を示す。
図4D】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例のローラースリーブの断面図を示す。
図4E】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例のホイールブラケットの断面図を示す。
図4F】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例の内側部分組立体の様々な図を示す。
図4G】本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例のいくつかの構成要素の分解図を示す。
図4H】本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例のいくつかの構成要素の組立図を示す。
図4J】本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例のいくつかの構成要素の切断図を示す。
図4K】本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例の上部管の端部を含むいくつかの構成要素の分解図を示す。
図4L】本発明の一実施形態に従った、ダストカバーが組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例の分解図を示す。
図4M】本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例のいくつかの構成要素の組立図を示す。
図5】本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の分解された構造ロードセルケース例の図解を示す。
図6A】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例に19gの積荷で単一ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラムを示す。
図6B】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例に19gの積荷で二重ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラムを示す。
図6C】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例に204gの積荷で単一ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラムを示す。
図6D】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例に204gの積荷で二重ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラムを示す。
図7A】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケースを操作するための例示的な流れ図を示す。
図7B】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケースを使用して複数のピッキングを検出するための例示的な流れ図を示す。
図7C】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケースを使用して負荷重量に応答してシステム操作を調整するための例示的な流れ図を示す。
図7D】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケースをリミットスイッチとして使用するための例示的な流れ図を示す。
図7E】本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケースを使用してロードセル測定を較正するための例示的な流れ図を示す。
図7F】本発明の一実施形態に従い、測定される最大の正の力(positive force)を制限するロボットシステム用の構造ロードセルケースを操作するための例示的な流れ図を示す。
図7G】本発明の一実施形態に従い、端部エフェクタに印加される流体圧力のロードセル測定への影響を取り除くロボットシステム用の構造ロードセルケースを操作するための例示的な流れ図を示す。
図8】本発明の一実施形態に従ったサーバー(管理コンピューティングエンティティ)の略図を提供する。
図9】本開示の実施形態と共に使用できるクライアント(ユーザーコンピューティングエンティティ)を表す例示的な概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
概要
提供される図面を参照して、本発明の実施形態がここで詳細に説明される。
【0031】
以下の記述では、説明を目的として、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明はこれらの具体的な詳細なしで実施できることが当業者には明らかであろう。他の事例では、構造、装置、活動、および方法は、本発明を分かり難くするのを回避するために略図、使用事例、および/または流れ図を使用して示されている。以下の説明は例示を目的として多くの詳細を含むが、当業者は、提案された詳細に対する多数の変形および/または代替は本発明の範囲内であることを理解するであろう。同様に、本発明の特徴の多くは相互に関して、または相互と共に説明されるが、当業者は、これらの特徴の多くは他の特徴とは無関係に提供できることを理解するであろう。それに応じて、本発明のこの記述は、本発明に対する一般性を失わず、かつ本発明に制限を課すことなく、記載される。
【0032】
ロボットシステム内の構造ロードセルケースの文脈
図1A図1B、および図1Cは、本技術のいくつかの実施形態に従った例示的なロボットシステム100を示す。ロボットシステム100は、システムが以前に選び取ったことも、配置したことも、識別さえしたこともない新規の物体を含む多種多様な物体103を操作するように構成される。いくつかの実施形態では、ロボットシステムはピック、ソート、アンドプレースロボットシステムである。
【0033】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は端部エフェクタを含み、それは、物体を操作するツールをさらに含む。いくつかの実施形態では、端部エフェクタおよびツールは、ロボットシステムに対して固定したままであり、その間、物体の位置が制御される。例えば、ロボットシステムは、物体が位置している表面の傾斜または他の特性を変えて、グリッパまたは吸着などの、固定ツールにそれを滑り込ませる。
【0034】
他の実施形態では、端部エフェクタおよびツールは、可動式ロボットアーム102などの、運動装置に取り付けられる。ツールは、例えば、物体を薄切りにするか、もしくは突き得るナイフ、錠を開け得る鍵、プレートに印を付け得るセンターポンチを含み得る。いくつかの実施形態では、ツールは、ピック、ソート、アンドプレースロボットシステムにおいて有用である。かかるツールは、グリッパおよび吸着を含み得る。下の説明は、ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム用のツールおよび関連システムを開示するが、他のタイプのツールにとって有用な実施形態が当業者には容易に明らかであろう。
【0035】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、ロボットアーム102、様々な入力および出力構成要素ならびに分類スタンド150および載置台180などの構造物を含む。オペレータ101は、ロボットアームを監督および支援し得る(図1Aを参照)。いくつかの事例では、分類スタンド150および/または載置台180は、図1Bに示されるように、コンベア184、壁面棚186、および/もしくは無人搬送車(AGV)188によって置換されるか、またはそれらを含む。ロボットアーム102は、分類スタンド150内の荷物152から物体103を識別して、その物体を選び取り、掴んだ物体を載置台180内の位置(例えば、置き場182)に置く。図1Cに示されるように、分類スタンド150は支持構造154を含み得、それは、ボルトで一緒に固定された金属支持部材のシステムである。支持構造154のロボットアーム102と反対側は、荷物(例えば、荷物152)または他の容器が分類スタンド150に挿入されるのを可能にする開口部を含み得る。分類スタンド150は任意選択で、容器を支持するための基部156を含む。
【0036】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、ロボット運動を監視および管理するための制御システム170も含む。制御システムは、ロボットアーム102の様々な構成要素を動かす(例えば、回転、拡張、引込め)ための指示および/またはコマンド信号を提供する。制御システム170は、プロセッサ171、メモリ172(例えば、持続性コンピュータ可読記憶媒体)、データリンク173、通信インタフェース、および他の構成要素を含む。制御システムは、ローカルまたはリモートネットワーク(例えば、インターネット)を介してアクセス可能なプロセッサ175およびデータベース176を備えた任意選択のクラウド構成要素174も含み得る。
【0037】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、ビジョンプロセッサ169、センサー装置160、および他の構成要素を備えたビジョンシステムも含む。各センサー装置160は、1つ以上のカメラ162、様々なセンサー163(例えば、画像、深度、可視光、および/または赤外線センサー)、バーコードリーダー164、または他の構成要素を有し得る。いくつかの事例では、カメラ162は、可視光データ(例えば、RGBデータ)および/または深度情報(例えば、画像内の物体がカメラからどれくらい遠いか)を含む画像データを捕捉する。捕捉された画像データは、処理のために制御システムに送信される。ビジョンシステムは任意の数のセンサーおよびカメラを有することができる。その構成要素は、任意のロボット、入力/出力構成要素または構造物によって支持されて、他の位置に配置できる。
【0038】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、モーションコントローラ177も含む。ビジョンプロセッサ169およびモーションコントローラ177は、外部であるか、または制御システム170内に配置され得る。図1Aおよび図1Bは、例えば、外部モーションコントローラ177および制御システム内に配置されているビジョンプロセッサ169を示す。
【0039】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、ライトカーテン166を生成する複数のセンサー165を含むライトカーテンシステムも含み得る。ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、LIDAR 167も含み得る。ライトカーテンシステムおよびLIDARは、安全を目的として(例えば、ロボットシステム周辺の人の動きの監視)、または操作のため(例えば、物体またはシステム構成要素の動きの検出)のいずれかで使用され得る。ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、荷物の色または他の環境および操作要因に応じて薄暗くできる照明装置168も含み得る。
【0040】
ロボットアーム102は、支持表面(例えば、床または何らかの他の支持構造)に取り付けるための基部104を含む。フレーム106は、基部104に回転自在に連結される。下側アーム108はフレーム110に回転自在に連結される。上側アーム112は下側アーム108に回転自在に連結される。端部エフェクタ114は上側アーム112に回転自在に連結される。端部エフェクタ114は、1つ以上のツール116および管115を含む。端部エフェクタ114および各ツール116はツールチェンジャ117部を有していて、様々なツールが端部エフェクタ114と互換性を有するのを可能にする。ツールラック118は様々なツールを保管してアクセスするために使用される。ツールラック118上の各ツールスロットは、ツールの有無を示すためにツールセンサー119を有する。図1Aおよび図1Bは、様々なサイズの指状グリッパおよび吸着ツールなどの、複数の把持および吸着ツールを示す。図1の事例では、グリッパ116は空気圧グリッパである。把持指または他のタイプの吸着グリッパなどの、他のグリッパも使用できる。いくつかの事例では、端部エフェクタ114はコンプライアントおよび/または多目的である。
【0041】
ピック、ソート、アンドプレースロボットシステム100は、ツールを使用するために必要な圧力を供給するために真空源120(例えば、ポンプ)または圧縮空気源121も含み得、ここで真空は陰圧を示し、圧縮空気は陽圧を示す。各供給源は、制御システムによって操作可能な供給源スイッチ122によって制御される。供給源選択スイッチ123は、制御システムが、現在使用中のツールを操作するために適正な供給源を選択するのを可能にする。ホース124は、端部エフェクタから供給源までロボットアームを貫通する。弁125は、制御システムが、圧力源を選択するか、またはホースを大気に連結する(すなわち、陽圧も陰圧も印加されていない)のを可能にする。圧力センサー126は制御システムが、ホース内部の圧力レベルを監視するのを可能にする。ツールチェンジャ127の構成要素は効率的で信頼できるツール交換を可能にする。端部エフェクタ上に配置された重量センサー131は、制御システムが、ツールおよびその積荷の重量を監視するのを可能にする(図1Aを参照)。いくつかの実施形態では、端部エフェクタからロボットアームの基部またはフレームまで伸びるツールワイヤー128は、ツールが端部エフェクタに取り付けられているかどうかを制御システムが判断するのを可能にする。
【0042】
制御システム170およびビジョンシステム(例えば、カメラおよびセンサー)の全ての構成要素は、データリンク173を通して接続されている。さらに、動きまたは監視に関与するロボットシステムの全ての構成要素(例えば、モーションコントローラ177、ポンプ/選択スイッチ122/123、弁125、圧力センサー126、ツールセンサー119、照明装置168)は、制御システム170へのデータリンク173を有する。
【0043】
ロボットシステムが、ロードセルが取り付けられた端部エフェクタ114を使用して積荷をピックアップする場合、ロードセルは、ロードセルに印加された、積荷の重力、すなわち、その重量を、ロボットシステムが収集する電気出力に変換する、トランスデューサとして機能することにより、積荷の重量を検出する。しかし、大部分の市販のロードセルは力を一次元のみで処理および測定するように設計される。ロードセルが他の方向に力を受ける場合、結果として生じる捩れまたは屈曲はロードセルを損傷して、重量測定を歪め得る。
【0044】
ロボットピックアンドプレースアプリケーションでは、積荷が選び取られるか、または移動された後、それは、特にロボットアームが高加速または減速を様々な方向で受ける場合、慣性のために左右交互に、または回転的に揺れ続け得る。かかる加速および減速は典型的には、効率的なピックアンドプレースタスクを実行するためである。管、物体、および環境の間の影響もある。
【0045】
これらの追加の力からロードセルを保護するために、ロードセルは、捻りおよび曲げ力に耐性がある構造ロードセルケース内に入れられて長期使用のための機械的耐久性を確実にする。かかる構造ロードセルケースは、ロードセルを損傷せずに重量測定の精度を保つために、いくつかの構成要素の自由かつ低摩擦の動きを可能にする。
【0046】
関連して、従来技術設計は、積荷からロードセルに伝達される力を制限しない可能性がある。本明細書で開示される構造ロードセルケースは、ロードセルによって測定される最大の正の力(例えば、引っ張ること)または最大の負の力(例えば、押すこと)を制限するように構成され、それは、ロードセルをその許容限度を超えた力の行使から保護する。従来技術の構造ロードセルケースはまた、測定される積荷に影響を及ぼす、端部エフェクタに印加される正圧(例えば、圧縮空気)も負圧(例えば、真空)も考慮に入れない。それに対して、本明細書で開示される構造ロードセルケースは、ピックアンドプレースツールに印加される流体圧力のロードセル測定への影響を取り除く。
【0047】
最後に、様々なセンサーに関して、ユーザーが動的環境内で正確な測定値を得ることは非常に困難である。典型的には、かかるロードセルは、雑音に対する感度、積荷までの長距離に起因する低精度、および長期間の反復使用に対する強度の欠如などの、欠点を有する。本開示で説明される構造ロードセルケースは、これらの欠点に対処するように設計されたシステムを含む。それは、端部エフェクタを含むカスタマイズされたシステムに設置されるときにはいつでも較正を必要とし得るが、構造ロードセルケースの使用は、積荷に対する重量の反復測定を高速かつ弾性的に行うことを可能にすることにより、また、ロボットアームの動きを中断することなく、全体的な操作時間を節約して、長期的には時間を節約する。構造ロードセルケースは従って、側面荷重、モーメント荷重、捻り荷重、および過度の圧縮荷重に対する高い耐性を維持しながら、ピックアンドプレース操作中に、選び取られた物体の重量を量るための堅牢なソリューションを提供する。
【0048】
システム構成要素間のやり取り
いくつかの実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、その遠位端に取り付けられたツールを有するように構成された端部エフェクタを備えたロボットアーム、ツール交換装置、ツールラック、ビジョンシステム、および制御システムを含む。ツール交換装置は、ロボットアーム取付け部およびツール取付け部をさらに含む。ツールラックは1つ以上のツールプレートおよび複数のツールを含む。制御システムは、プロセッサ、持続性コンピュータ可読記憶媒体、および複数の通信インタフェースを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのツールはその近位端にツール交換装置のツール取付け部を含む。ロボットアーム取付け部は、ツール取付け部に付着するように構成され、1つ以上のツールプレートの少なくとも1つのツールプレートはツールスロットを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、各ツールプレートはツールスロットを1つだけ有する。他の実施形態では、ツールプレートは、2つ以上のツールスロットを有し得る。一実施形態では、ツールラックは、ツールスロットと関連付けられた1つ以上のセンサーをさらに含み、1つ以上のセンサーはツールスロット内のツールの存在を示すように構成される。
【0051】
一実施形態では、制御システムは、ツールラック上のセンサーの各々からデータを受信して、所与のツールがツールラック内のそのスロットに配置されているかどうかを、いつでも判断できる。
【0052】
さらに別の実施形態では、ツール取付け部は複数の溝をさらに含み、複数の溝はツールプレート上のツールスロットに空間的に対応する。
【0053】
溝は、ツールが、ツールラックに滑り込んで、ツールラックから取り出されるのを、堅牢でタイムリーな方法で可能にする。
【0054】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、端部エフェクタの遠位端に重量センサーをさらに含み、重量センサーは取り付けられたツールおよびその積荷(例えば、1つ以上の物体)の重量を測定するように構成される。
【0055】
重量センサーは制御システムが、ツールの有無、それによって運ばれている物体の数を検出するのを可能にし得る。
【0056】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは電気回路をさらに含み、電気回路は、端部エフェクタに取り付けられているツールの存在を示すように構成される。一実施形態では、電気回路はツールワイヤーである。
【0057】
ツールワイヤーは、ツールが取り付けられているかどうかを制御システムに伝達するようにツールが端部エフェクタに取り付けられるとツールと接触するように構成され得る。一実施形態では、ツールの存在は電気的に判断される(例えば、ワイヤーインピーダンス、電流強度、電圧等における変化の検出を通して)。
【0058】
一実施形態では、ツールワイヤーはツールから、端部エフェクタ貫通管を通って、その基部またはそのフレームなどのロボットアームの近位部まで伸びており、情報はデータリンクを通して制御システムに伝達される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、複数の入力および出力構成要素をさらに含み、少なくとも1つの出力構成要素は物体タイプに対応し、複数の入力および出力構成要素は、分類スタンド、荷物、載置台、容器、荷物コンベア、物体コンベア、壁面棚、無人搬送車(AGV)、および棚から成る群から選択される。
【0060】
物体はタイプによって分類され得る。物体のタイプはそれらの形状(例えば、丸い対細長い物体)、それらが作られている材料(例えば、プラスチック対金属製物体)、それらの色、またはそれらの特質(例えば、果物対野菜、りんご対オレンジ)を伴い得る。一実施形態では、同じバーコードまたは同じ宛先(例えば、発送先住所、事務所または工場内の宛先部門など)を持つ物体は、同じ物体タイプに属する。一実施形態では、同じ注文(例えば、それらは同じ注文番号を有する)に属する物体は、同じ物体タイプに属する。一実施形態では、様々な出力構成要素(例えば、分類スタンド内の容器)の各々は別個の物体タイプと関連付けられる。
【0061】
いくつかの実施形態では、ロボットアームおよびツールの取付け部は、貫通孔をさらに含む。いくつかの実施形態では、貫通孔は、取り付けられたツールとその対応する供給源ポンプとの間で真空または圧縮空気を伝達する。いくつかの実施形態では、貫通孔は機械的パススルー(pass-through)を含む。いくつかの実施形態では、貫通孔は電気的パススルーを含む。さらなる実施形態では、ロボットアームおよびツールの取付け部は複数の貫通孔を含み、その各々は前述のタイプのいずれかであり得る。
【0062】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、第1のホースをさらに含み、ロボットアーム取付け部の貫通孔は第1のホースの遠位端に連結される。
【0063】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、圧力センサーをさらに含み、圧力センサーは第1のホース上に配置される。圧力センサーからのデータ(例えば、圧力測定値)は、取り付けられたツールまたは選び取られた物体の有無を示し得る。
【0064】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、供給源ポンプをさらに含み、供給源ポンプは第1のホースの近位端に連結され、供給源ポンプは真空ポンプおよび圧縮空気ポンプから成る群から選択される。
【0065】
単一の供給源ポンプを使用して動作するシステムでは、第1のホースは、図1Aおよび図1Bに示されていて、ツールを直接供給源ポンプに連結する、ホース124であり、用語「連結する(connect)」は、空気、真空、または圧力の流れが可能となることを意味する。
【0066】
別の実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、弁および1つ以上の第2のホースをさらに含み、弁は第1のホースの近位端を、大気および1つ以上の第2のホースから成る群から選択された1つの弁出力に連結する。
【0067】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、1つ以上の供給源ポンプをさらに含み、1つ以上の第2のホースの少なくとも1つは弁出力を1つ以上の供給源ポンプの1つに連結し、複数のツールの少なくとも1つのツールは1つ以上の供給源ポンプの1つに対応し、1つ以上の供給源ポンプの1つの供給源ポンプは、真空ポンプおよび圧縮空気ポンプから成る群から選択される。
【0068】
2つ以上の供給源ポンプ(例えば、1つの真空ポンプおよび1つの圧縮空気ポンプ)を使用して動作するシステムでは、弁は、ポンプ間で切り替えるか、またはツールを大気に連結する(すなわち、全てのポンプからの連結を絶つ)ことが要求される。この事例では、第1のホースは、図1Aおよび図1Bに示されるホース124の遠位部である。さらに、第2のホースは、弁を供給源ポンプの各々に連結するように要求される。第2のホースは、図1Aおよび図1Bに示されるホース124の近位部を表しており、弁を供給源ポンプの各々に連結する。
【0069】
一実施形態では、各供給源ポンプはそれを作動させるためのポンプスイッチを有しており、ポンプ選択スイッチは、データリンクまたは任意の他の形の制御信号通信(例えば、電気オン/オフ信号)を通して必要なポンプスイッチを作動させるために制御システムによって使用される。
【0070】
他の実施形態では、ツールを制御するために流体ポンプが使用される。この場合、貫通孔、ホース、圧力センサー、および弁は、流体で動作するように構成される。
【0071】
一実施形態では、ビジョンシステムは、ビジョンプロセッサ、複数のビジョン通信インタフェース、ならびにカメラ、バーコードリーダー、深度センサー、赤外線センサー、ライトカーテンシステム、およびLIDARから成る群から選択された1つ以上のビジョン構成要素を含み、ビジョンシステムの少なくとも1つの構成要素は、データリンクを通してビジョンプロセッサに接続され、ビジョンプロセッサはデータリンクを通して制御システムに接続される。
【0072】
一実施形態では、ピックアンドプレースロボットシステムは、照明源をさらに含み、照明源は複数の光強度を放出するように構成される。
【0073】
一実施形態では、制御システムはロボットアームの動きをモーションコントローラを通して制御する。一実施形態では、モーションコントローラは弁も制御する。
【0074】
一実施形態では、圧力センサー、重量センサー、ツールワイヤー、ビジョンシステムセンサー、ツールセンサー、または通信インタフェースを備えた任意の他の構成要素からのデータは、一定の時間間隔で制御システムに送信される(すなわち、データプッシュ)。別の実施形態では、かかるデータは制御システムからの要求に応じてのみ送信される(すなわち、データプル)。
【0075】
一実施形態では、ツールワイヤーは、端部エフェクタに取り付けられたツールの存在に関する情報を制御システムに、電気信号を通して、継続的かつ即時に提供するように構成される。
【0076】
構造ロードセルケースの構造および構成要素
図2Aは、本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケース211を、ロボットシステム210の文脈において示す。いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース211は重量センサー131の構成要素であって、ロボットシステム210のロボットアーム102の端部内に組み込まれ得、それは、図1A図1B、および図1Cに示されるようなロボットシステム100の一実施形態であり得る。構造ロードセルケース211は、任意のタイプの端部エフェクタ114とモジュール式に互換性があるように設計され得、そのためそれは容易かつ素早く取り付けまたは交換され得る。いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース211は軸管115(例えば、直径16mm)に従って取り付けられる。いくつかの実施形態では、装置は、外部の空気ホースまたは取付具を使用して、端部エフェクタ114から下流の端部エフェクタツール116まで真空を通す。いくつかの実施形態では、内部空気流路を使用して、装置は、外部の空気ホースまたは取付具を必要とすることなく、端部エフェクタから下流の端部エフェクタツールまで真空を通す。
【0077】
図2Bは、本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケース211を、ロボットシステム210の、垂直コンプライアンス機構221を含む、ロボットアーム220の文脈において示す。いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース211は、垂直コンプライアンス機構221とピックアンドプレースツール116(図示せず)との間に取り付けられる。
【0078】
図2Cは、本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケース211を、ロボットシステム210の、垂直コンプライアンス機構221を除外した、ロボットアーム230の文脈において示す。
【0079】
図2Dは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム210のロボットアーム240の軸115にフランジクランプ241を介して連結された例示的な構造ロードセルケース211を示す。かかる実施形態では、フランジクランプ241は構造ロードセルケース211を垂直コンプライアンス機構221に取り付けるために使用される。この管クランプ取付けは優れた耐屈曲性を提供する。
【0080】
図2Eは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム210のロボットアーム250の軸115に空圧式取付け具251を介して連結された例示的な構造ロードセルケース211を示す。かかる実施形態では、構造ロードセルケース211は垂直コンプライアンス機構221に空圧式取付け具251を介して取り付けられる。
【0081】
図2Fは、本発明の一実施形態に従った、例示的な構造ロードセルケース261のシースルー図260を、ロボットシステム210のロボットアーム102の文脈において示す。ケーシング481の点線の境界は読者の便宜のためである。ケーシングは内部構成要素を衝突から保護し、ダストおよびデブリが内部構成要素上に集積するのを防ぐのに役立つ。
【0082】
図2Gは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム210のロボットアーム102の軸115に連結された例示的な構造ロードセルケース261のシースルー図270を示す。この図は、図2Fからの構造ロードセルケース261をさらに詳細に示す。ソフトワッシャ271の目的は、軸クランプ273の管本体115に対する衝撃、または構造ロードセルケース261の管本体115に対する衝撃を和らげることである。それらの構成要素は、ロボットアーム102が物体を下に押す、管115がスライドする、ロボットアーム102が上方へ動いて戻る場合に、衝撃を与える。
【0083】
図3Aは、本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例310の断面側面図を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステム210のために、外部可撓管を使用する。構造ロードセルケース310は、側面荷重、曲げモーメント、および捻りモーメントを拒絶しながら、垂直荷重を分離して測定するために、ころ軸受システムを採用する。内側部分は、固定のローラー組立体に対して自由に移動し、両半分は、構造ロードセルケース310内に収容されたロードセル(例えば、力センサー)によって連結されている。いくつかの実施形態では、導管システム(例えば、空気流路)は装置の上部から下部へ流体(例えば、空気)を送る。いくつかの実施形態では、組立体の固定された半分と能動的な半分が可撓空気管によって連結されていて、それは軸(例えば、六角管)の動きを制限することなく、真空圧力の伝達を可能にする。
【0084】
構造ロードセルケース310は、基部311、内管312、ローラースリーブ313を含む。構造ロードセルケース310および関連システムは本明細書では、ロードセル314、すなわち、構造ロードセルケース310によって収容されているロードセルにより、力がそれに沿って測定される寸法である垂直方向で、説明される。
【0085】
内管312は、ロードセル314を収容し、曲げおよびせん断力をロードセル314から移転させることによって保護する主要な構成要素である。この特徴は、ロボットアーム102が、多くの効率的なピックアンドプレースシナリオにおいて典型的である、高加速または高減速を様々な方向で受ける場合に、有用である。曲げおよびせん断力が取り除かれることがなければ、この加速または減速は、強い力がロードセル314に移転される結果となり、それは、測定の精度に影響を及ぼし、かつ/またはロードセル314を損傷し得る。いくつかの実施形態では、ロードセル314の上部はアダプタプレート315に固定され、アダプタプレート315は次いで複数のねじ316によって内管312に固定される。他の実施形態では、ロードセル314は内管312に直接取り付けられる。
【0086】
可撓継手317は、基部311内に位置付けられてロードセル314と結合して、ロードセル314が傾くか、または圧縮するのを可能にする。いくつかの実施形態では、可撓継手317は、玉継ぎ手である。いくつかの実施形態では、可撓継手317は、圧縮ばね317である(図3Aに示されるとおり)。いくつかの実施形態では、圧縮ばね317は、ロードセル314が横方向に動くのを可能にする(例えば、それは組立体の前を左右交互にスライドすることが可能である)ように構成され、それはロードセル314が側面荷重下に置かれないことを確実にする。
【0087】
いくつかの実施形態では、接合は、ロードセル314の底部に螺入する止めナット318を含み、圧縮ばね317はロードセル314を押す。いくつかの実施形態では、接合は、圧縮ばね317に直接連絡されているロードセル314の下部を含み、それは一体成形のねじ付き機械加工構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、止めナット318の1つの部分は複数の低摩擦ワッシャ319Aによって囲まれており、それは、ロードセル314が圧縮ばね317に対して水平にスライドするのを可能にする。いくつかの実施形態では、ロードセル314の下部は保持ワッシャ321を貫通し、その大き過ぎるセンター穴はロードセル314が水平にスライドして傾くのを可能にする。保持ワッシャ321は、ねじ322または他の締付け機構によって基部311に固定される。保持ワッシャ321は複数の低摩擦ワッシャ319Bと接触しており、それはロードセル314が保持ワッシャ321に対してスライドするのを可能にする。
【0088】
ロードセル314の上部が内管312に固定されて、ロードセル314の下部が基部311に固定されているので、ロードセル314の上部とロードセル314の下部との間の相対的な動きはローラースリーブ313によって制約され、それは内管312が基部311に対して曲がるか、または捻れるのを防ぐ。ローラースリーブ313はねじ323または他の締付け機構によって基部311に固定される。いくつかの実施形態では、ローラースリーブ313は複数のころ軸受324を含み、それは内管312と接触して曲げおよびせん断力を伝達する。内管312は、複数のころ軸受324によって誘導されるローラースリーブ313に沿って垂直に自由にスライドできるが、回転および水平移動などの、他の動きは、内管312の幾何形状およびローラースリーブ313のそれによって許されない。他の実施形態では、ローラースリーブ313は複数のリニア軸受または複数の空気軸受を含み、それらは、内管312がローラースリーブ313に沿って垂直にスライドする際に内管312を誘導する。
【0089】
いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース310は、ロードセル314によって測定される最大の正の力(例えば、引っ張ること)または最大の負の力(例えば、押すこと)を制限するように構成される。これは、内管312がローラースリーブ313に沿って垂直にスライドする範囲を制限することによって達成される。垂直スライドがいずれかの側で限界に達すると、構造ロードセルケース310は内管312がそれ以上スライドするのを阻止し、それはロードセル314に伝達される力の範囲を制限する。垂直スライドの範囲を特定のロードセル314に対して適切に設計することにより、ロードセル314は従って、その許容限度を超えた力の行使から保護されて、それはロードセル314が損傷するのを防ぐ。
【0090】
最後に、いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース310は、流体、例えば、空気を、構造ロードセルケース310の上部と下部との間で移動させる導管システムを含む。いくつかの実施形態では、導管システムは複数の空圧式取付け具を含む。かかる実施形態では、内管312は、構成要素内に機械加工された、組込み空気流路325を含む。第1の空圧式取付け具326は、内管312を上管331に連結する。いくつかの実施形態では、上管331は剛性である。他の実施形態では、下管332は非剛性、すなわち、可撓である。第1の空圧式取付け具326は内管312上の第2の空圧式取付け具327まで組込み空気流路325を介して流路をつけ、それは外部可撓管(管は図3Aに示されていない)の第1の端部に連結する。外部可撓管の第2の端部は基部311上の第3の空圧式取付け具328に連結し、それは、基部311を下管332に連結する、第4の空圧式取付け具329まで流路をつける。いくつかの実施形態では、下管332は剛性である。他の実施形態では、下管332は非剛性、すなわち可撓である。一連の密封されたチャネルを通して、圧縮空気などの、流体は、上管331から内管312内のチャネルを通って障害なく進むことができ、下管332に滑り込む。導管システムの別の実施態様が図3Dに示されている。いくつかの実施形態では、第1の空圧式取付け具326および第4の空圧式取付け具329は、上管331および下管332に適合するようにカスタマイズされた、クランプ設計である。
【0091】
いくつかの実施形態では、流体を移動させる導管システムは、導管システムが正圧(例えば、圧縮空気)または負圧(例えば、真空)を移送している場合、この圧力がロードセル314によって測定される力に影響を及ぼすことがないように、構成される。従って、ピックアンドプレースツールに印加された流体圧力のロードセル314からの測定への影響が除去される。この特徴は、ピックアンドプレースロボット端部エフェクタに取り付けられた従来のロードセルシステムに対する進歩であり、従来のシステムでは、正圧または負圧がロードセル314によって測定される力に影響を及ぼして、意図する測定、例えば、選び取られた積荷の重量、において不正確さを引き起こす。例えば、真空操作吸着で積荷103をピックアップする場合、真空圧は管の壁、軸115、または真空のための他の導管チャネルを引き込み、それはロードセル314によって測定される力を増加させる。
【0092】
図3Bは、本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例310の等角図320を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステムのために、外部可撓管を使用する。いくつかの実施形態では、内管312は非円形(例えば、多角形)断面を有しており、それはローラースリーブ313内での回転を防ぐ。いくつかの実施形態では、ローラースリーブ313はころ軸受324の3つのセットを含み、ころ軸受324の各セットは多角形断面の1つの壁に沿ってスライドし、3つのセットは概ね円形のローラースリーブ313に沿って等距離に間隔が空けられている。いくつかの実施形態では、多角形断面形状は六角形である。
【0093】
図3Cは、本発明の一実施形態に従った、構造ロードセルケース例310の様々な上面および側面図330を示しており、ここで導管システムは、ロボットシステムのために、外部可撓管を使用する。
【0094】
図3Dは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路333を備えた、構造ロードセルケース例340の断面側面図を示す。導管システムが装置の上部と下部を連結するために外部可撓管を使用する、ロードセル310とは異なり、構造ロードセルケース340の導管システムは、内部空気流路333および可撓エアフィッティング334を含む。いくつかの実施形態では、内部空気流路はローラースリーブ313の一部である。いくつかの実施形態では、可撓エアフィッティング334は、重量測定に影響を及ぼすことも、または加圧下で著しく圧縮することもなく、装置の両半分の間の間隙を埋める部品である。
【0095】
構造ロードセルケース310のように、内部空気流路および可撓エアフィッティング334は、内部空気流路が正圧(例えば、圧縮空気)または負圧(例えば、真空)を移送している場合、この圧力がロードセル314によって測定される力に影響を及ぼすことがないように、構成される。
【0096】
いくつかの実施形態では、構造ロードセルケース340は、マニホールドプレート335をさらに含み、それは、構造ロードセルケース310の1つと同様に、組込み空気流路325を収容する。これらの特徴の様々な置換が可能であることに留意されたい:構造ロードセルケース340は、前述の導管システムの選択とは無関係に、構造ロードセルケース310におけるように内管312構成要素内に機械加工された組込み空気流路325と共に、または構造ロードセルケース340のマニホールドプレート335と共に、構築され得る。マニホールドプレート335は内管312の残りにボルトで留める。いくつかの実施形態では、前述の可撓エアフィッティング334はマニホールドプレート335を内部空気流路に連結し、それは基部311の下部への密封された経路を作る。
【0097】
図3Eは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路333を備えた、構造ロードセルケース例340の様々な半側面図350を示す。クランプ339は、可撓エアフィッティング334をマニホールドプレート335および構造ロードセルケース340の残りの部分にぴったりと取り付ける。
【0098】
図3Fは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の、内部空気流路333を備えた、構造ロードセルケース例340の様々な側面、上面、および底面図360を示す。
【0099】
図4Aは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340の分解図410を示す。この図は、基部311、内管312、およびローラースリーブ313を示す。
【0100】
図4Bは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のローラースリーブ313の上面図420を示す。いくつかの実施形態では、ローラースリーブ313はホイールブラケット422をさらに含み、それはホイールを内管312に対してぴったり適合させるのを可能にする。複数のねじ428およびゴムワッシャ429はホイールブラケット422をローラースリーブ313に固定して、ころ軸受324に軽い与圧力(light preload force)を提供する。ころ軸受は肩付きねじ424の周りを回転する。
【0101】
図4Cは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のローラースリーブ313の側面図を430示す。この図は、ホイールブラケット422、ころ軸受324、スペーサ423,および肩付きねじ424を示す。
【0102】
図4Dは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のローラースリーブ313の断面図440を示す。いくつかの実施形態では、複数のころ軸受324、例えば、一対は、同じ肩付きねじ424上にあることによって一緒に回転し、肩付きねじ424はローラースリーブ313に取り付けられる。いくつかの実施形態では、同じ肩付きねじ424上のころ軸受324間のスペーサ423は、ころ軸受324を分離した状態に保ち、それは、ころ軸受がそれに対して回転する内管312に対する追加の機械的支持を提供する。いくつかの実施形態では、各々が複数のころ軸受324を保持している、複数の肩付きねじ424は、ローラースリーブ313の側面に沿って垂直に、例えば、図4Dに示されるように、1つを上部に1つを下部に、位置合わせされ、そのため内管312の壁の様々な天頂が支持されるようになる。
【0103】
図4Eは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のホイールブラケット422の断面図450を示す。
【0104】
図4Fは、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340の内側部分組立体460の様々な図を示す。内側部分組立体460は内管312に連結された基部311を含む。
【0105】
図4Gは、本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のいくつかの構成要素の分解図470を示す。いくつかの実施形態では、ユーザーは上部軸331および下部軸332を用途に適した長さに切断することによって開始する。次に、ユーザーはセンサーワイヤー(「ケーブル」)471をワイヤーグロメット475および上部軸331を通して送る。いくつかの実施形態では、小さい結束バンド(図示せず)でケーブル471をケーブル取付け台472(図4Hに示される)に固定する。結束バンドはワイヤーを所定の位置に保ち、ロードセル314に対して張力緩和を提供する。これは、幾何形状を再考することのない容易なソリューションである。ユーザーは、圧力を上部軸331および下部軸332に印加し、ねじ474を使用して軸クランプ479を固定する。いくつかの実施形態では、ユーザーはスレッドロッカーを塗布して、ねじ474に十分にトルクを与える。ユーザーは、上部軸331を鍔付頭ねじ474で締め付けながら、上部軸331に圧力を印加する。いくつかの実施形態では、ユーザーは上部軸331および下部軸332の長さを必要に応じて調整する。
【0106】
この時点で、構造ロードセルケース340は図4Hに示されるとおりであり、それは、本発明の一実施形態に従って、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のいくつかの構成要素の組立図480を示す。図4Jは、本発明の一実施形態に従って、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のいくつかの構成要素の切断図490を示す。図4Kは、本発明の一実施形態に従って、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340の上部軸331の端部を含むいくつかの構成要素の分解図491を示す。図4Kを参照すると、ユーザーは次いでソフトワッシャ271および管本体115を上部軸331に取り付ける。ユーザーはセンサーケーブル471を、ワイヤーグロメット475を通りワイヤークランプ476内のスリットを通して送る。ユーザーはワイヤークランプ476およびワイヤーグロメット475に圧力をかけて、ワイヤーを所定の位置にねじ477で固定する。ユーザーはねじ477を十分にねじる。ユーザーは次いで、ツールチェンジャおよび吸着カップを必要に応じて設置する。最後に、ユーザーは管の上部にアダプタ取付け具を取り付け得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、ユーザーは、ロードセルをコンピュータに接続するためにロボットシステム上に延長ケーブル(図示せず)を設置し得、十分なたるみを残してロボットアームが動く際にワイヤーを損傷するのを回避する。
【0108】
図4Lは、本発明の一実施形態に従った、ダストカバー481を組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340の分解図492を示す。この図は、ダストカバー481の両方の半分を示しており、それらは、基部311に、そして相互に留められる。
【0109】
図4Mは、本発明の一実施形態に従った、組み立て中のロボットシステム用の構造ロードセルケース例340のいくつかの構成要素の組立図493を示す。図は、センサーワイヤー471はダストカバー481内の小さい窪みを通ってダストカバー481から出ることを示す。ワイヤーは次いで、ワイヤーグロメット475を経て上部管を通して送られる。
【0110】
図5は、本発明の一実施形態に従った、ロボットシステム用の分解された構造ロードセルケース例340の図解500を示す。
【0111】
実験データ
ロードセル314、端部エフェクタ114、および選び取られた物体103を有する様々な構造ロードセルケース340に関して実験を行った。いくつかの実施形態では、構造ロードセルケースシステムに対する仕様は:0.00~4.54kgの荷重検出範囲、±5g誤差の測定精度(静的測定に対して)である。センサーは既製であるので、大容量センサーが使用され得る。これは、より大きな測定範囲、およびより高い安全な過負荷力を与える。下側は測定精度が低下する。いくつかの実施形態では、力センサーは、ロボットシステムからオフボードである、信号取得モジュールにワイヤーで接続される。信号増幅器は、力センサーから電気信号を読み取って、値をコンピュータに(例えば、TCP/IPを介して)十分に高い周波数(例えば、500Hz)で伝達する。
【0112】
図6Aは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340に19gの積荷で単一ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラム610を示す。この実験では、19gの積荷は、積荷の重量を測定するように較正されたロードセル314を入れている構造ロードセルケース340を備えたロボットシステムによって、514回選び取られた。25回のピッキング(総計の4.9%)において、ロードセル314は9.5g、つまり積荷の実際の重量の半分未満の重量と測定された。35回のピッキング(総計の6.8%)において、ロードセル314は28.5g、つまり積荷の実際の重量の1.5倍以上の重量と測定され、それは二重ピックの誤検出となる。
【0113】
図6Bは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340に19gの積荷で二重ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラム620を示す。この実験では、19gの2つの同一の物体を含む積荷(合計38g)が、積荷の重量を測定するように較正されたロードセル314を入れている構造ロードセルケース340を備えたロボットシステムによって、156回選び取られた。11回のピッキング(総計の4.5%)において、ロードセル314は28.5g、つまり単一の19gの物体の実際の重量の1.5倍未満の重量と測定され、それは単一ピックの誤検出となる。
【0114】
図6Cは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340に204gの積荷で単一ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラム630を示す。この実験では、204gの積荷が、積荷の重量を測定するように較正されたロードセル314を入れている構造ロードセルケース340を備えたロボットシステムによって、113回選び取られた。
【0115】
図6Dは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース例340に204gの積荷で二重ピッキング負荷テストを行うことによって生じた結果のヒストグラム640を示す。この実験では、204gの2つの同一の物体を含む積荷(合計408g)が、積荷の重量を測定するように較正されたロードセル314を入れている構造ロードセルケース340を備えたロボットシステムによって、47回選び取られた。
【0116】
作動中の構造ロードセルケース
図7Aは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース340を操作するための例示的な流れ図710を示す。流れ図710は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールで積荷をピッキングすることによって、ステップ711から始まる。ピックアンドプレースツールは、例えば、グリッパ、吸着カップ、または磁性ツールであり得る。ステップ712で、システムはロードセル314を使用して積荷の重量を測定する。いくつかの実施形態では、ステップ713で、複数の測定が行われ、ステップ714で、それらの繰り返された測定に関して何らかの処理が実行されて出力測定を生成する。これは、例えば、短い外れ測定が無視されるか、またはそれらの影響が低下するように使用され得る。いくつかの実施形態では、1つのかかる処理は、複数の測定の平均を取ることである。他の実施形態では、1つのかかる処理は、複数の測定の中央値を取ることである。いくつかの実施形態では、平均または中央値は複数の測定のサブセットから取られる。この結果として生じる出力測定は積荷に対する重量測定である。
【0117】
図7Bは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース340を使用して複数のピッキングを検出するための例示的な流れ図720を示す。流れ図720は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールで積荷をピッキングすることによって、ステップ721から始まる。ピックアンドプレースツールは、例えば、グリッパ、吸着カップ、または磁性ツールであり得る。ステップ722で、システムはロードセル314を使用して積荷の重量を測定する。いくつかの実施形態では、ステップ723で、複数の測定が行われ、ステップ724で、それらの繰り返された測定に関して何らかの処理が実行されて出力測定を生成する。これは、例えば、短い外れ測定が無視されるか、またはそれらの影響が低下するように使用され得る。いくつかの実施形態では、1つのかかる処理は、複数の測定の平均を取ることである。他の実施形態では、1つのかかる処理は、複数の測定の中央値を取ることである。いくつかの実施形態では、平均または中央値は複数の測定のサブセットから取られる。この結果として生じる出力測定は積荷に対する重量測定である。
【0118】
ステップ725で、システムは、ステップ724から得られた重量測定から、ピッキングが単一ピックか、または多重ピックかを判断する。ステップ726で、ピッキングが単一ピックであると判断される場合、システムは積荷の移動を予定通りに続行する。最後に、ステップ727で、ピッキングが多重ピックであると判断される場合、システムは1つの操作を実行する。いくつかの実施形態では、この操作はピッキングに取って代わる。他の実施形態では、この操作は、ピッキングは多重ピックであると指摘することである。いくつかの実施形態では、多重ピックは二重ピックである。
【0119】
図7Cは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース340を使用して積荷重量に応答してシステム操作を調整するための例示的な流れ図730を示す。流れ図730は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールで積荷をピッキングすることによって、ステップ731から始まる。ピックアンドプレースツールは、例えば、グリッパ、吸着カップ、または磁性ツールであり得る。ステップ732で、システムはロードセル314を使用して積荷の重量を測定する。いくつかの実施形態では、ステップ733で、複数の測定が行われ、ステップ734で、平均または中央値測定のいずれかがそれらの複数の測定から決定されて積荷に対する重量測定を生成する。
【0120】
最後に、ステップ735で、システムは、ステップ734から得られた重量測定に応答して操作を調整する。いくつかの実施形態では、調整は、積荷がピックアンドプレースツールまたはシステムの他の構成要素に対して重すぎると判断されているので、積荷を交換することである。他の実施形態では、調整は、積荷をどこに置くかを判断することである。他の実施形態では、調整は、ピックアンドプレースツールを交換することである。他の実施形態では、調整は、物体の取り扱い中に、ロボットシステムの構成要素が移動させるために用いるように命じられた最大加速度を変更することである。他の実施形態では、調整は、重量測定を書き留めるか、または記録することである。「優しい(gentle)ピッキング」モードでは、重量測定の記録は、任意のアームツーリングの端部が積荷または環境に働かせる測定された力を監視するために使用され、壊れやすいか、または繊細な物体をピッキングするために使用され得るモードである。他の実施形態では、調整は、積荷または環境に働かせる力を制御することである。かかる制御は、製造工程、例えば、研磨および挿入のため、または操縦操作、例えば、押すこと、引っ張ること、もしくは引き倒しのために有用であり得る。
【0121】
図7Dは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース340をリミットスイッチとして使用するための例示的な流れ図740を示す。流れ図740は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314から繰り返された測定を行うことによって、ステップ741から始まる。かかる操作は、例えば、ロードセル314に作用する無視できない力があるかどうかを検出するために使用され得る。ステップ742で、それらの繰り返された測定に関して何らかの処理が実行されて出力測定を生成する。これは、例えば、短い外れ測定が無視されるか、またはそれらの影響が低下するように使用され得る。いくつかの実施形態では、1つのかかる処理は、ある期間にわたる測定の平均を取ることである。他の実施形態では、1つのかかる処理は、ある期間にわたる測定の中央値を取ることである。いくつかの実施形態では、平均または中央値はある期間にわたる測定のサブセットから取られる。最後に、ステップ743で、システムは、事前に設定された閾値を上回る、ステップ742から取得された出力測定に応答して、操作を調整する。事前に設定された閾値を上回ることは、流れ図740に従って実装されたリミットスイッチのトリガーになる。操作の調整は、例えば、操作の停止である。流れ図740は、部品の組立て中に引っ張り、または押す力を維持するためのなどの、操作における使用のために変更され得る。例えば、力測定は指定の時間間隔で監視され得、端部エフェクタの動きは、力測定が値の所定の目標範囲から外れているかどうかに基づいて、または力測定が所定の目標値からどれくらい逸脱しているかに基づいて、調整される。ロボットシステムは、かかる引っ張り、または押す力を維持するためフィードバック制御機構を採用し得る。さらに、構造ロードセルケースは、かかる操作中に、ロードセルを横力から保護する。
【0122】
図7Eは、本発明の一実施形態に従い、ロボットシステム用の構造ロードセルケース340を使用してロードセル314測定を較正するための例示的な流れ図750を示す。かかる較正方法は、例えば、配線または構造ロードセルケース340自体などの、様々な要因に起因して、任意のオフセットおよび/またはスケーリングを吸収することにより任意のロードセル314測定を補正するために使用され得る。流れ図750は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に物体を取り付けることによって、ステップ751から始まり、この場合、その物体の重量は既知である。いくつかの実施形態では、物体は、アームツールの端部である。かかる実施形態では、システムは、ツールを新しいツールに交換し、その新しいツールによってピッキングされた積荷の測定を較正するために、新しいツールの既知の重量を使用し得る。ステップ752で、システムは、ロードセル314から測定を行って測定を生成する。いくつかの実施形態では、ステップ751および752は、既知の重量の複数の物体に対して繰り返されて、複数の測定を生成する。ステップ753で、システムは測定または複数の測定を使用して補正関数を生成する。最後に、ステップ754で、システムは補正関数を使用して、積荷が、ロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールでピックされる場合にロードセル314からの測定を調整する。
【0123】
図7Fは、本発明の一実施形態に従い、測定される最大の正の力を制限するロボットシステム用の構造ロードセルケース340を操作するための例示的な流れ図760を示す。流れ図760は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールで積荷をピッキングすることによって、ステップ761から始まる。ピックアンドプレースツールは、例えば、グリッパ、吸着カップ、または磁性ツールであり得る。ステップ762で、構造ロードセルケース340に作用する力が所定の限度を超える場合、構造ロードセルケース340はロードセル314に伝達される力を所定の限度に制限する。ステップ763で、システムはロードセル314を使用して積荷の重量を所定の限度まで測定する。流れ図760によって説明される方法は、測定される最大の負の力を同様に制限するように変更され得、例えば、構造ロードセルケース340は引っ張られる代わりに押される。流れ図760によって説明される方法は、前述の方法のいずれとも当業者に明らかな方法で組み合わされ得る。
【0124】
図7Gは、本発明の一実施形態に従い、ピックアンドプレースツールに印加される流体圧力のロードセル314測定への影響を取り除くロボットシステム用の構造ロードセルケース340を操作するための例示的な流れ図770を示す。流れ図770は、構造ロードセルケース340に入れられたロードセル314に取り付けられたピックアンドプレースツールで積荷をピッキングすることによって、ステップ771から始まる。ピックアンドプレースツールは、例えば、グリッパ、吸着カップ、または磁性ツールであり得る。ステップ772で、ピックアンドプレースツールに印加される流体圧力(例えば、圧縮空気からの陽圧、真空からの負圧)がある場合、構造ロードセルケース340は、その流体圧力のロードセル314への影響を取り除く。ステップ773で、システムはロードセル314を使用して積荷の重量を測定する。流れ図770によって説明される方法は、前述の方法のいずれとも当業者に明らかな方法で組み合わされ得る。
【0125】
コンピュータプログラム製品、方法、およびコンピューティングエンティティを使用した実装
本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの組合わせで実装され得る。本発明の一実施形態を実装するための例示的なハードウェアおよびソフトウェア操作環境がここで説明される。
【0126】
本開示の実施形態は、製造品を含むコンピュータプログラム製品などを含む、様々な方法で実装され得る。コンピュータプログラム製品は、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、プログラムコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械コード、実行可能命令、および/または同様のもの(本明細書では、実行可能命令、実行用命令、コンピュータプログラム製品、プログラムコード、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語、とも呼ばれる)を格納する持続性コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。かかる持続性コンピュータ可読記憶媒体は、全てのコンピュータ可読媒体(揮発性および不揮発性媒体を含む)を含む。
【0127】
一実施形態では、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、フロッピィディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステート記憶(SSS)(例えば、半導体ドライブ(SSD)、ソリッドステートカード(SSC)、ソリッドステートモジュール(SSM)、エンタープライズフラッシュドライブ、磁気テープ、もしくは任意の他の持続性磁気媒体、および/または同様のものを含み得る。不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、パンチカード、紙テープ、光学式マークシート(または穴のパターンもしくは他の光学的に認識可能な証印をもつ任意の他の物理媒体)、読み取り専用コンパクトディスク(CD-ROM)、再書き込み可能コンパクトディスク(CD-RW)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、任意の他の持続性光媒体、および/または同様のものも含み得る。かかる不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、シリアル、NAND、NOR、および/または同様のもの)、マルチメディアメモリカード(MMC)、セキュアデジタル(SD)メモリカード、スマートメディアカード、コンパクトフラッシュ(CF)カード、メモリスティック、および/または同様のものも含み得る。さらに、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、導電性ブリッジングランダムアクセスメモリ(CBRAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)、抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM)、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコンメモリ(SONOS)、浮遊接合ゲートランダムアクセスメモリ(FJG RAM)、Millipedeメモリ、レーストラックメモリ、および/または同様のものも含み得る。
【0128】
一実施形態では、揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、高速ページモードダイナミックランダムアクセスメモリ(FPM DRAM)、拡張データアウトダイナミックランダムアクセスメモリ(EDO DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM)、ダブルデータレートタイプ2シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR2 SDRAM)、ダブルデータレートタイプ3シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR3 SDRAM)、ラムバスダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、ツイントランジスタRAM(TTRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)、ゼロキャパシタ(Z-RAM)、ラムバスインラインメモリモジュール(RIMM)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、シングルインラインメモリモジュール(SIMM)、ビデオランダムアクセスメモリ(VRAM)、キャッシュメモリ(様々なレベルを含む)、フラッシュメモリ、レジスタメモリ、および/または同様のものを含み得る。実施形態がコンピュータ可読記憶媒体を使用するように記述されている場合、他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が、前述のコンピュータ可読記憶媒体の代わりに、または前述のコンピュータ可読記憶媒体に加えて使用され得ることが理解されるであろう。
【0129】
理解されるように、本開示の様々な実施形態は、方法、装置、システム、コンピューティング装置、コンピューティングエンティティ、および/または同様のものとしても実装され得る。そのため、本開示の実施形態は、あるステップまたは操作を実行するためにコンピュータ可読記憶媒体上に格納された命令を実行する、装置、システム、コンピューティング装置、コンピューティングエンティティ、および/または同様のものの形を取り得る。従って、本開示の実施形態は、あるステップまたは操作を実行する、完全にハードウェア実施形態、完全にコンピュータプログラム製品実施形態、および/またはコンピュータプログラム製品とハードウェアの組合わせを含む一実施形態の形も取り得る。
【0130】
本開示の実施形態はブロック図および流れ図を参照して説明される。従って、ブロック図および流れ図の各ブロックは、コンピュータプログラム製品、完全にハードウェア実施形態、ハードウェアとコンピュータプログラム製品の組合わせ、ならびに/または実行のためのコンピュータ可読記憶媒体上の命令、操作、ステップ、および区別しないで使用される類似の語(例えば、実行可能命令、実行のための命令、プログラムコード、および/または同様のもの)を実行する、装置、システム、コンピューティング装置、コンピューティングエンティティ、および/または同様のものの形で実装され得ることが理解されるべきである。例えば、コードの取得、ロード、および実行は、1つの命令が一度に取得、ロード、および実行されるように連続的に実行され得る。いくつかの例示的な実施形態では、取得、ロード、および/または実行は、複数の命令が一緒に取得、ロード、および/または実行されるように並行して実行され得る。従って、かかる実施形態は、ブロック図および流れ図で指定されたステップまたは操作を実行する特別に構成された機械を作り出し得る。それに応じて、ブロック図および流れ図は、指定された命令、操作、またはステップを実行するための実施形態の様々な組合わせを支持する。
【0131】
例示的なシステムアーキテクチャ
本開示の例示的な実施形態は、1つ以上のサーバー(管理コンピューティングエンティティ)、1つ以上のネットワーク、および1つ以上のクライアント(ユーザーコンピューティングエンティティ)を含み得る。これらの構成要素、エンティティ、装置、システム、および本明細書で区別しないで使用される類似の語の各々は、例えば、同じか、もしくは異なる有線または無線ネットワークを通して相互に、直接または間接的に通信し得る。追加として、図8および図9は様々なシステムエンティティを別個の、スタンドアロンエンティティとして示しているが、様々な実施形態は、この特定のアーキテクチャに制限されない。
【0132】
例示的な管理コンピューティングエンティティ
図8は、本開示の一実施形態に従ったサーバー(管理コンピューティングエンティティ)801の概略図を提供する。一般に、用語コンピューティングエンティティ、コンピュータ、エンティティ、装置、システム、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の語は、例えば、1つ以上のコンピュータ、コンピューティングエンティティ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、タブレット、ファブレット、ノートブック、ラップトップ、分散システム、ゲーム機、ウォッチ、眼鏡、iBeacon、近接ビーコン、キーフォブ、無線自動識別(RFID)タグ、イヤホン、スキャナ、テレビ、ドングル、カメラ、リストバンド、ウェアラブルアイテム/デバイス、キオスク、入力端末、サーバーもしくはサーバーネットワーク、ブレード、ゲートウェイ、スイッチ、処理装置、処理エンティティ、セットトップボックス、リレー、ルーター、ネットワークアクセスポイント、基地局、同様のもの、ならびに/または本明細書で説明される機能、操作、および/もしくはプロセスを実行するように適合された装置もしくはエンティティの任意の組合わせを指し得る。かかる機能、操作、および/またはプロセスは、例えば、送信、受信、作用、処理、表示、格納、判断、作成/生成、監視、評価、比較、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語を含み得る。一実施形態では、これらの機能、操作、および/またはプロセスは、データ、コンテンツ、情報、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語、に関して実行できる。
【0133】
図のように、一実施形態では、管理コンピューティングエンティティ801は、送信、受信、作用、処理、表示、格納、および/もしくは同様のことが実行できる、データ、コンテンツ、情報、ならびに/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語、の伝達によってなど、様々なコンピューティングエンティティとの通信のための1つ以上の通信インタフェース820も含み得る。
【0134】
図8に示されるように、一実施形態では、管理コンピューティングエンティティ801は、例えば、バスを介して、管理コンピューティングエンティティ801内の他の要素と通信する1つ以上の処理要素805(プロセッサ、処理回路、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語)を含むか、またはそれらと通信し得る。理解されるように、処理要素805は、いくつかの異なる方法で具現化され得る。例えば、処理要素805は、1つ以上の結合プログラム可能論理回路(CPLD)、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コプロセッシングエンティティ、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、マイクロコントローラ、および/またはコントローラとして具現化され得る。さらに、処理要素805は、1つ以上の他の処理装置または回路として具現化され得る。用語回路は、完全にハードウェア実施形態またはハードウェアとコンピュータプログラム製品の組合わせを指し得る。従って、処理要素805は、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、ハードウェアアクセラレータ、他の回路、および/または同様のものとして具現化され得る。従って理解されるように、処理要素805は、特定の使用のために構成され得るか、または揮発性もしくは不揮発性媒体内に格納されているか、もしくは別の方法で処理要素805がアクセス可能な命令を実行するように構成され得る。そのため、ハードウェアもしくはコンピュータプログラム製品によって構成されているか、またはそれらの組合わせによるかに関わらず、処理要素805は、適切な方法で構成される場合、本開示の実施形態に従ったステップまたは操作を実行することが可能であり得る。
【0135】
一実施形態では、管理コンピューティングエンティティ801は、不揮発性媒体(不揮発性記憶、メモリ、メモリ記憶、メモリ回路、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語とも呼ばれる)をさらに含むか、または不揮発性媒体と通信し得る。一実施形態では、不揮発性記憶またはメモリは、ハードディスク、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、NVRAM、MRAM、RRAM、SONOS、FJG RAM、Millipedeメモリ、レーストラックメモリ、および/または同様のものを含むが、それらに制限されない、1つ以上の不揮発性記憶またはメモリ媒体810を含み得る。認識されるように、不揮発性記憶またはメモリ媒体は、データベース、データベースインスタンス、データベース管理システム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械コード、実行可能命令、および/または同様のものを格納し得る。用語データベース、データベースインスタンス、データベース管理システム、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語は、階層型データベースモデル、ネットワークモデル、リレーショナルモデル、エンティティ関係モデル、オブジェクトモデル、ドキュメントモデル、意味モデル、グラフモデル、および/または同様のものなどの、1つ以上のデータベースモデルを使用してコンピュータ可読記憶媒体内に格納されるレコードまたはデータの集合を指し得る。
【0136】
一実施形態では、管理コンピューティングエンティティ801は、揮発性媒体(揮発性記憶、メモリ、メモリ記憶、メモリ回路、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語とも呼ばれる)をさらに含むか、または揮発性媒体と通信し得る。一実施形態では、揮発性記憶またはメモリは、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、TTRAM、T-RAM、Z-RAM、RIMM、DIMM、SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリ、および/または同様のものを含むがそれらに制限されない、1つ以上の揮発性記憶またはメモリ媒体815も含み得る。認識されるように、揮発性記憶またはメモリ媒体は、例えば、処理要素805によって実行されている、データベース、データベースインスタンス、データベース管理システム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械コード、実行可能命令、および/または同様のものの少なくとも一部を格納するために使用され得る。従って、データベース、データベースインスタンス、データベース管理システム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械コード、実行可能命令、および/または同様のものは、処理要素805およびオペレーティングシステムの助けを借りて、管理コンピューティングエンティティ801の操作のある態様を制御するために使用され得る。
【0137】
図のように、一実施形態では、管理コンピューティングエンティティ801は、送信、受信、作用、処理、表示、格納、および/もしくは同様のことが実行できる、データ、コンテンツ、情報、ならびに/または本明細書で区別しないで使用される類似の用語、の伝達によってなど、様々なコンピューティングエンティティとの通信のための1つ以上の通信インタフェース820も含み得る。かかる通信は、光ファイバー分散データインタフェース(FDDI)、デジタル加入者回線(DSL)、イーサネット、非同期転送モード(ATM)、フレームリレー、ケーブルによるデータサービスインタフェース標準(DOCSIS)、または任意の他の有線伝送プロトコルなどの、有線データ伝送プロトコルを使用して実行され得る。同様に、管理コンピューティングエンティティ801は、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、符号分割多重アクセス方式2000(CDMA2000)、CDMA2000 1X(1xRTT)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access(TD-SCDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)、進化データ最適化(EVDO)、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、IEEE802.11(Wi-Fi)、Wi-Fi Direct、802.16(WiMAX)、超広帯域(UWB)、赤外線(IR)プロトコル、近距離無線通信(NFC)プロトコル、Wibree、ブルートゥースプロトコル、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコル、および/または任意の他の無線プロトコルなどの、様々なプロトコルのいずれかを使用して無線外部通信ネットワークを通して通信するように構成され得る。
【0138】
図示されていないが、管理コンピューティングエンティティ801は、キーボード入力、マウス入力、タッチスクリーン/ディスプレイ入力、モーション入力、移動量入力、音声入力、ポインティングデバイス入力、ジョイスティック入力、キーパッド入力、および/または同様のものなどの、1つ以上の入力要素を含むか、またはそれらと通信し得る。管理コンピューティングエンティティ801は、音声出力、ビデオ出力、スクリーン/ディスプレイ出力、モーション出力、移動量出力、および/または同様のものなどの、1つ以上の出力要素(図示せず)も含むか、またはそれらと通信し得る。
【0139】
理解されるように、管理コンピューティングエンティティ801の構成要素の1つ以上は、分散システムにおけるように、他の管理コンピューティングエンティティ801構成要素からリモートに配置され得る。さらに、構成要素の1つ以上が組み合わされ得、本明細書で説明される機能を実行する追加の構成要素が管理コンピューティングエンティティ801に含まれ得る。従って、管理コンピューティングエンティティ801は様々なニーズおよび環境に対応するように適合できる。認識されるように、これらのアーキテクチャおよび記述は例示のみを目的として提供され、様々な実施形態を制限しない。
【0140】
例示的なユーザーコンピューティングエンティティ
ユーザーは、個人、会社、組織、実体、組織内の部署、組織および/もしくは人の代表者、ならびに/または同様のものであり得る。図9は、本開示の実施形態と共に使用できるクライアント(ユーザーコンピューティングエンティティ)901を表す例示的な概略図を提供する。一般に、用語装置、システム、コンピューティングエンティティ、エンティティ、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の語は、例えば、1つ以上のコンピュータ、コンピューティングエンティティ、デスクトップ、携帯電話、タブレット、ファブレット、ノートブック、ラップトップ、分散システム、ゲーム機、ウォッチ、眼鏡、キーフォブ、無線自動識別(RFID)タグ、イヤホン、スキャナ、カメラ、リストバンド、キオスク、入力端末、サーバーもしくはサーバーネットワーク、ブレード、ゲートウェイ、スイッチ、処理装置、処理エンティティ、セットトップボックス、リレー、ルーター、ネットワークアクセスポイント、基地局、同様のもの、ならびに/または本明細書で説明される機能、操作、および/もしくはプロセスを実行するように適合された装置もしくはエンティティの任意の組合わせを指し得る。ユーザーコンピューティングエンティティ901は、様々な当事者によって操作できる。図9に示されるように、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、アンテナ912、送信機904(例えば、ラジオ)、受信機906(例えば、ラジオ)、ならびに、それぞれ、送信機904および受信機906に信号を提供し、送信機904および受信機906から信号を受信する処理要素908(例えば、CPLD、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コプロセッシングエンティティ、ASIP、マイクロコントローラ、および/またはコントローラ)を含むことができる。
【0141】
送信機904および受信機906に提供される信号ならびに送信機904および受信機906から受信される信号はそれぞれ、適用可能な無線システムの無線インタフェース標準に従った信号通信情報を含み得る。これに関して、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、1つ以上の無線インタフェース標準、通信プロトコル、変調形式、およびアクセスタイプで動作可能であり得る。より具体的には、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、管理コンピューティングエンティティ801に関して前述したものなどの、いくつかの無線通信標準およびプロトコルのいずれかに従って動作し得る。特定の実施形態では、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、UMTS、CDMA2000、1xRTT、WCDMA、TD-SCDMA、LTE、E-UTRAN、EVDO、HSPA、HSDPA、Wi-Fi、Wi-Fi Direct、WiMAX、UWB、IR、NFC、ブルートゥース、USB、および/または同様のものなどの、複数の無線通信標準およびプロトコルに従って動作し得る。同様に、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、ネットワークインタフェース920を介して管理コンピューティングエンティティ801に関して前述したものなどの、複数の有線通信標準およびプロトコルに従って動作し得る。
【0142】
これらの通信標準およびプロトコルを介して、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、非構造化付加サービスデータ(USSD)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、デュアルトーン多重周波数信号(DTMF)、および/または加入者識別モジュールダイヤラ(SIMダイヤラ)などの概念を使用する様々な他のエンティティと通信できる。ユーザーコンピューティングエンティティ901は、例えば、そのファームウェア、ソフトウェア(例えば、実行可能命令、アプリケーション、プログラムモジュールを含む)、およびオペレーティングシステムに対する、変更、アドオン、およびアップデートをダウンロードすることもできる。
【0143】
一実施形態によれば、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、位置決定態様、装置、モジュール、機能、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の語を含み得る。例えば、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、例えば、緯度、経度、高度、ジオコード、コース、方向、方位、速度、世界時(UTC)、日付、および/または様々な他の情報/データを取得するように適合された位置モジュールなどの、屋外位置決め態様を含み得る。一実施形態では、位置モジュールは、ビュー内の衛星の数およびおよびそれらの衛星の相対位置を識別することにより、時には天体暦データとして知られている、データを取得できる。衛星は、地球低軌道(LEO)衛星システム、国防総省(DOD)衛星システム、欧州連合ガリレオ測位システム、中国のコンパスナビゲーションシステム、インドの地域航行衛星システム、および/または同様のものを含む、様々な異なる衛星であり得る。代替として、位置情報は、移動体通信塔、Wi-Fiアクセスポイント、および/または同様のものを含む、様々な他のシステムと接続して、ユーザーコンピューティングエンティティ901の位置を三角測量することによって決定できる。同様に、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、例えば、緯度、経度、高度、ジオコード、コース、方向、方位、速度、時間、日付、および/または様々な他の情報/データを取得するように適合された位置モジュールなどの、屋内位置決め態様を含み得る。屋内システムの一部は、RFIDタグ、屋内ビーコンもしくは送信機、Wi-Fiアクセスポイント、移動体通信塔、近くのコンピューティング装置(例えば、スマートフォン、ラップトップ)および/または同様のものを含む、様々な位置決めもしくは位置技術を使用し得る。例えば、かかる技術は、iBeacon、Gimbal近接ビーコン、ブルートゥースローエナジー(BLE)送信機、NFC送信機、および/または同様のものを含み得る。これらの屋内位置決め態様は、誰か、または何かの位置を数インチもしくは数センチ以内で決定するために様々な設定で使用できる。
【0144】
ユーザーコンピューティングエンティティ901は、(処理要素908に結合されたディスプレイ916を含むことができる)ユーザーインタフェースおよび/または(処理要素908に結合された)ユーザー入力インタフェースも含み得る。例えば、ユーザーインタフェースは、本明細書で説明されるような、管理コンピューティングエンティティ801からの情報とやり取りし、かつ/またはその情報を表示するためにユーザーコンピューティングエンティティ901上で実行し、かつ/またはユーザーコンピューティングエンティティ901によってアクセス可能な、ユーザーアプリケーション、ブラウザ、ユーザーインタフェース、および/または本明細書で区別しないで使用される類似の語であり得る。ユーザー入力インタフェースは、キーパッド918(ハードまたはソフト)、タッチディスプレイ、音声/スピーチもしくはモーションインタフェース、または他の入力装置などの、ユーザーコンピューティングエンティティ901がデータを受信するのを可能にするいくつかの装置またはインタフェースのいずれかを含むことができる。キーパッド918を含む実施形態では、キーパッド918は、従来の数字(0~9)および関連キー(#、*)、ならびにユーザーコンピューティングエンティティ901を操作するために使用される他のキーを含む(またはそれらを表示させる)ことができ、英数字キーの完全なセットまたは作動されて英数字キーの完全なセットを提供し得るキーのセットを含み得る。入力を提供することに加えて、ユーザー入力インタフェースは、例えば、スクリーンセーバーおよび/またはスリープモードなどの、ある機能を作動または停止するために使用できる。
【0145】
ユーザーコンピューティングエンティティ901は、揮発性記憶もしくはメモリ922および/または不揮発性記憶もしくはメモリ924も含むことができ、それは組み込むことができ、かつ/または取り外し可能であり得る。例えば、不揮発性メモリは、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、NVRAM、MRAM、RRAM、SONOS、FJG RAM、Millipedeメモリ、レーストラックメモリ、および/または同様のものであり得る。揮発性メモリは、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、TTRAM、T-RAM、Z-RAM、RIMM、DIMM、SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリ、および/または同様のものを含み得る。揮発性および不揮発性記憶またはメモリは、ユーザーコンピューティングエンティティ901の機能を実装するために、データベース、データベースインスタンス、データベース管理システム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械コード、実行可能命令、および/または同様のものを格納できる。図のように、これは、エンティティ上に存在するか、または管理コンピューティングエンティティ801および/もしくは様々な他のコンピューティングエンティティと通信するためにブラウザもしくは他のユーザーインタフェースを通してアクセス可能なユーザーアプリケーションを含み得る。
【0146】
別の実施形態では、ユーザーコンピューティングエンティティ901は、上でさらに詳細に説明されるように、管理コンピューティングエンティティ801と同じか、または類似の1つ以上の構成要素または機能を含み得る。認識されるように、これらのアーキテクチャおよび記述は例示のみを目的として提供され、様々な実施形態を制限しない。
【0147】
追加の実施態様詳細
処理システム例が前述されているが、本明細書で説明される主題および機能操作の実施態様は、他のタイプのデジタル電子回路で、または、本明細書で開示される構造およびそれらの構造的同等物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで、またはそれらの1つ以上の組合わせで、実装できる。
【0148】
本明細書で説明される主題および操作の実施形態は、デジタル電子回路で、または、本明細書で開示される構造およびそれらの構造的同等物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくは、ハードウェアで、またはそれらの1つ以上の組合わせで実装できる。本明細書で説明される主題の実施形態は、情報/データ処理装置による実行のために、または情報/データ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化された、1つ以上のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装できる。代替として、または追加として、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号、例えば、機械生成された電気、光、または電磁信号上に符号化でき、それは、情報/データ処理装置による実行のために適切な受信機装置への伝送のために情報/データを符号化するために生成される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダムもしくは順次アクセスメモリアレイもしくは装置、またはそれらの1つ以上の組合わせにできるか、または含めることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝搬信号内に符号化されたコンピュータプログラム命令の供給源または送信先にできる。コンピュータ記憶媒体はまた、1つ以上の別個の物理構成要素もしくは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶装置)にできるか、または含めることができる。
【0149】
本明細書で説明される操作は、1つ以上のコンピュータ可読記憶装置上に格納されているか、または他の供給源から受信された情報/データに関して情報/データ処理装置によって実行される操作として実装できる。
【0150】
用語「データ処理装置」は、例として、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、または前述の、複数のもの、もしくは組合わせを含む、データを処理するための、全ての種類の装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる。装置は、ハードウェアに加えて、問題になっているコンピュータプログラムのために実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォーム実行時環境、仮想マシン、またはそれらの1つ以上の組合わせを構成するコードも含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング、およびグリッドコンピューティングインフラストラクチャなどの、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現化できる。
【0151】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られている)は、コンパイラ型またはインタープリタ型言語、宣言型または手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、それは、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして、を含む、任意の形式で配備できる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応し得るが、対応しなくてもよい。プログラムは、他のプログラムもしくは情報/データ(例えば、マークアップ言語文書内に格納された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部内、問題になっているプログラムに専用の単一ファイル内、または複数の調整ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を格納するファイル)内に、格納できる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、または1つのサイトに配置されているか、もしくは複数のサイトにわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続されている、複数のコンピュータ上で実行されるように配備できる。
【0152】
本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力情報/データに関して操作して出力を生成することにより動作を実行するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能プロセッサによって実行できる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令および情報/データを受信する。コンピュータの必須要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサならびに命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリである。一般に、コンピュータは、データを格納するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、もしくは光ディスクも含むか、またはそれから情報/データを受信するため、もしくはそれに情報/データを格納するため、もしくはその両方のために、動作可能に結合される。しかし、コンピュータはかかる装置を有する必要はない。コンピュータプログラム命令および情報/データの格納に適した装置は、例として、半導体メモリ装置、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクもしくは取り外し可能ディスク;光磁気ディスク;ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、全ての形式の不揮発性メモリ、媒体およびメモリ装置を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足できるか、またはそれに組み込むことができる。
【0153】
ユーザーとのやり取りを提供するために、本明細書で説明される主題の実施形態は、情報/データをユーザーに表示するための、ディスプレイ装置、例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター、ならびにユーザーがそれによって入力をコンピュータに提供できる、キーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボール、を有するコンピュータ上で実装できる。他の種類の装置もユーザーとのやり取りを提供するために使用でき、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであり、ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む、任意の形で受信できる。加えて、コンピュータは、文書をユーザーによって使用される装置に送信して、文書をその装置から受信することにより、例えば、ウェブブラウザから受信した要求に応答してユーザーのクライアント装置上のウェブブラウザにウェブページを送信することにより、ユーザーとやり取りできる。
【0154】
本明細書で説明される主題の実施形態は、バックエンド構成要素を、例えば、情報/データサーバーとして含むか、またはミドルウェア構成要素を、例えば、アプリケーションサーバーとして含むか、またはフロントエンド構成要素を、例えば、本明細書で説明される主題の実施態様とユーザーがそれを通してやり取りできるグラフィカルユーザーインタフェースもしくはウェブブラウザを持つクライアントコンピュータとして含む、コンピューティングシステム、または1つ以上のかかるバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合わせで実装できる。システムの構成要素は、デジタル情報/データ通信の任意の形式または媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続できる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、ならびにピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)を含む。
【0155】
コンピューティングシステムはクライアントおよびサーバーを含むことができる。クライアントおよびサーバーは一般に、相互に離れていて、典型的には、通信ネットワークを通してやり取りする。クライアントおよびサーバーの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行していて、相互にクライアント-サーバー関係を有するコンピュータプログラムのおかげで生じる。いくつかの実施形態では、サーバーは情報/データ(例えば、HTMLページ)をクライアント装置に送信する(例えば、情報/データを、クライアント装置とやり取りしているユーザーに表示して、ユーザー入力をユーザーから受信するため)。クライアント装置で生成された情報/データ(例えば、ユーザーやり取りの結果)はサーバーでクライアントから受信できる。
【0156】
本明細書は特定の実施態様詳細を含むが、これらは任意の実施形態の範囲または、クレームされ得る何かの制限として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有の特徴の記述として解釈されるべきである。本明細書で別個の実施形態の文脈で説明されるある特徴は、単一の実施形態で組み合わせても実装できる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、または任意の適切な部分的組合わせでも実装できる。その上、特徴はある組合わせで動作すると前述されて、そのようなものとして最初にクレームさえされ得るが、クレームされた組合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの事例では、組合わせから削除でき、クレームされた組合わせは部分的組合わせまたは部分的組合わせの変形を対象にし得る。
【0157】
同様に、操作は図面において特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、かかる操作は図示される特定の順序で、もしくは順番に実行されること、または図示された全ての操作が実行されることが要求されると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が好都合であり得る。さらに、前述された実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、かかる分離が全ての実施形態において要求されると理解されるべきでなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品に一緒に統合できるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化できることが理解されるべきである。
【0158】
従って、主題の特定の実施形態が説明されている。他の実施形態は以下のクレームの範囲内である。いくつかの事例では、クレームに列挙されている動作は異なる順序で実行でき、依然として望ましい結果が達成できる。加えて、添付の図面に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、または順番を必ずしも要求しない。ある実施態様では、マルチタスキングおよび並列処理が好都合であり得る。
【0159】
本発明のいくつかの実施形態では、システム全体がエンドユーザーおよびオペレータに対してインターネットを通して、所謂、クラウド実装で、実施されて提供できる。ソフトウェアおよびハードウェアのローカルインストレーションは必要なく、エンドユーザーおよびオペレータは、クライアント上のウェブブラウザまたは同様のソフトウェアのいずれかを使用して、本発明のシステムにインターネットを通して直接アクセスするのを許可され、そのクライアントは、デスクトップ、ラップトップ、モバイルデバイスなどであり得る。これは、クライアント側上でのカスタムソフトウェアのインストレーションの必要性を排除して、サービスの提供(software-as-a-service(サービスとしてのソフトウェア))の柔軟性を向上させて、ユーザー満足度および使い勝手の良さを高める。本発明に対する様々なビジネスモデル、収益モデル、および配送機構が想定され、全て、本発明の範囲内であると見なされる。
【0160】
一般に、本発明の実施形態を実装するために実行される方法は、オペレーティングシステムの一部または特定のアプリケーション、構成要素、プログラム、オブジェクト、モジュールまたは「コンピュータプログラム(複数可)」もしくは「コンピュータコード(複数可)」と呼ばれる命令のシーケンスとして実装され得る。コンピュータプログラムは典型的には、1つ以上の命令セットを様々な時点においてコンピュータ内の様々なメモリおよび記憶装置内に含み、それは、コンピュータ内の1つ以上のプロセッサによって読み取られて実行される場合、コンピュータに、本発明の様々な態様を伴う要素を実行するために必要な操作を実行させる。さらに、本発明は完全に機能するコンピュータおよびコンピュータシステムの文脈で説明されているが、当業者は、本発明の様々な実施形態は様々な形のプログラム製品として配布可能であること、および本発明は、配布を実際に達成するために使用された特定のタイプの機械もしくはコンピュータ可読媒体に関係なく、均等に適用されることを理解するであろう。コンピュータ可読媒体の例は、揮発性および不揮発性メモリ装置などの記録可能なタイプの媒体、フロッピィおよび他の取り外し可能ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含む、光ディスク、ならびにデジタルおよびアナログ通信媒体を含むが、それらに制限されない。
【0161】
当業者は、使用事例、構造、概略図、および流れ図は、他の順序または組合わせで実行され得るが、本発明の発明概念は本発明のより広い範囲から逸脱していないままであることが分かっている。全ての実施態様は固有であり、本発明の方法を実施するために、方法/ステップは短くされるか、もしくは長くされ、他の活動と重ねられ、延期、遅延され、時隔の後に続行され得る。
【0162】
結論
本明細書に記載されている本開示の多くの修正および他の実施形態は、前述の説明および関連した図面に提示されている教示の利益を得るこれらの実施形態が関連する当業者には思い浮かぶであろう。従って、実施形態は開示される特定の実施形態に限定されないこと、および他の実施形態は添付のクレームの範囲内に含まれるように意図されていることが理解されるはずである。特定の用語が本明細書で採用されているが、それらは一般的で記述的な意味のみで使用されており、制限する目的はない。
【0163】
本発明は特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、様々な修正および変更が、本発明の幅広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して行うことができることは明らかである。それに応じて、明細書および図面は制限的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。前述の実施形態は、教示される特異な記述よりも幅広い範囲を有し得る単一のより幅広い発明の特定の例であることも明らかであろう。本発明の範囲から逸脱することなく記述において行われる多くの代替があり得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4J
図4K
図4L
図4M
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9