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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】金額表示装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/10 20060101AFI20230725BHJP
   G07F 9/02 20060101ALI20230725BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G07F9/10 C
G07F9/02 103
H05K5/02 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019116371
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021002269
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹中 章
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】加藤 謙治
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-125521(JP,A)
【文献】特開2002-325212(JP,A)
【文献】特開2017-157729(JP,A)
【文献】特開2012-109629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00- 9/10
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を背面に有する筐体を備え、
前記筐体は、上面の少なくとも背面側に、前記背面に向かって傾斜した前記背面に沿う細長形状の傾斜面から構成され、前記上面に付着する水滴を水滴の表面張力により形状を維持できなくなるまで溜める液溜まり部を有し、
前記液溜まり部は、前記開口部に対応する位置とは異なる位置であって前記傾斜面の背面側の位置に設けられ、前記液溜まり部において水滴の量が増え表面張力により形状を維持できなくなった水滴を前記背面に垂らす液垂れ部を有する、
金額表示装置。
【請求項2】
前記液垂れ部は、凹部により構成された、請求項1に記載の金額表示装置。
【請求項3】
前記液垂れ部は、複数の凹部により構成された、請求項1に記載の金額表示装置。
【請求項4】
前記液溜まり部は、前記液垂れ部に向かって傾斜する2つの傾斜面により構成された、請求項1に記載の金額表示装置。
【請求項5】
前記液垂れ部は、前記2つの傾斜面の端部に設けられた凹部により構成された、請求項4に記載の金額表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金額表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動販売機用の金額表示装置の筐体の開口部に防水対策を施した構成を備え、水滴が開口部から侵入することを防ぐ金額表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
特許文献1に記載された金額表示装置は、筐体の上面は平坦になっており、開口部の上端縁部に筐体外側に向けて傾斜する傾斜面を有した庇部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-125521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、自動販売機が屋外に設置され、自動販売機の金額表示装置が取り付けられている前扉を開けて作業してする際に、雨が降って、その雨が金額表示装置の筐体に降って、筐体の上面に水滴が溜まった後、筐体の背面を水滴が垂れる場合がある。筐体の上面は平坦であるため、水滴が垂れる位置を制限できず水滴が開口部に侵入するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、筐体の上面に溜まった水滴を開口部に対応する位置と異なる位置から筐体下部に流す金額表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]開口部を背面に有する筐体を備え、前記筐体は、上面の少なくとも背面側に、前記背面に向かって傾斜した前記背面に沿う細長形状の傾斜面から構成され、前記上面に付着する水滴を水滴の表面張力により形状を維持できなくなるまで溜める液溜まり部を有し、前記液溜まり部は、前記開口部に対応する位置とは異なる位置であって前記傾斜面の背面側の位置に設けられ、前記液溜まり部において水滴の量が増え表面張力により形状を維持できなくなった水滴を前記背面に垂らす液垂れ部を有する、金額表示装置。
[2]前記液垂れ部は、凹部により構成された、[1]に記載の金額表示装置。
[3]前記液垂れ部は、複数の凹部により構成された、[1]に記載の金額表示装置。
[4]前記液溜まり部は、前記液垂れ部に向かって傾斜する2つの傾斜面により構成された、前記[1]に記載の金額表示装置。
[5]前記液垂れ部は、前記2つの傾斜面の端部に設けられた凹部により構成された、[4]に記載の金額表示装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、2、3に係る発明によれば、筐体の上面に溜まった水滴を開口部に対応する位置とは異なる位置から垂れるようにすることができる。
さらに、請求項4、5に係る発明によれば、筐体の上面の液溜まり部が平坦な場合と比べて液垂れ部から水滴を垂れやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る自動販売機の概略の構成例を示す正面図である。
図2図2は、金額表示装置の一例を示す斜視図である。
図3図3は、金額表示装置の背面図である。
図4図4は、図3に示すA-A’断面を示す断面図である。
図5図5は、金額表示装置の液溜まり部に水滴が溜まった場合の水滴の動きを示す平面図である。
図6図6は、金額表示装置の液溜まり部に水滴が溜まった場合の水滴の動きを示す断面図である。
図7図7は、第1の変形例に係る金額表示装置の背面図である。
図8図8は、第2の変形例に係る金額表示装置の背面図である。
図9図9は、第3の変形例に係る金額表示装置の背面図である。
図10図10は、第4の変形例に係る金額表示装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[実施の形態の要約]
本実施の形態に係る金額表示装置は、開口部を背面に有する筐体を備え、筐体は、上面の少なくとも背面側に液溜まり部を有し、液溜まり部は、開口部に対応する位置とは異なる位置に液垂れ部を有する。
【0012】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る自動販売機の概略の構成例を示す正面図である。
【0013】
この自動販売機100は、図1に示すように、例えば、各種の飲料を販売するものであり、金額表示装置1と、上下方向に長い直方体型の筐体により形成された販売機本体2とを備える。
【0014】
販売機本体2は、前方に開口する箱体2aと、箱体2aの前方の開口部を開閉する扉体2bとを備える。ここで、前面側とは、販売機本体2において、正面側をいう。背面側とは、前面側と反対の面側をいう。
【0015】
扉体2bの前面中央部は、釣銭切れ表示や挿入された紙幣又は投入された硬貨の金額の表示を行う金額表示装置1が配置されている。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る金額表示装置1を示す斜視図である。図3は、金額表示装置1の背面図である。図4は、図3に示すA-A’断面を示す断面図である。
【0017】
金額表示装置1は、金額表示装置1の外形を構成する筐体10と、釣銭切れ表示や挿入された紙幣又は投入された硬貨の金額の表示を行う表示部20と、筐体10内に配置され、表示部20を制御する基板30と、扉体2bに金額表示装置1を取り付けるための左右一体のネジ穴40と、同軸ケーブルを接続するための端子50と、を備える。
【0018】
筐体10は、筐体10の上面の背面側に設けられた、筐体10の上面に付着した水滴を溜める液溜まり部11と、液溜まり部11に設けられ、液溜まり部11に溜まった水滴を筐体10の背面13へ流す液垂れ部12と、筐体10の背面13に設けられた開口部14~16とを備える。開口部14~16から、基板30上に設けられた外部装置と電気的に接続するコネクタ34~36が露出する。
【0019】
液溜まり部11は、筐体10の上面の背面側に設けられ、筐体10の背面13に向かって傾斜する構造を有する。液溜まり部11は、扉体2bを開けた際に筐体10の上面に付着する水滴を水滴の表面張力により溜める機能を有する。
【0020】
液垂れ部12は、凹部形状を有し、液溜まり部11に溜まった水滴を筐体10の背面13から垂れるように水滴が垂れる位置を制限する機能を有する。液垂れ部12は、液溜まり部11の開口部14~16に対応する位置とは異なる位置に設けられている。また、液垂れ部12は、図4に示す断面図において先端側に設けているが、先端から後端に渡って設けてもよい。
【0021】
液垂れ部12の凹部形状は、例えば、2つの傾斜面の組合せからなり、筐体10の背面13側から視て略三角形状となっている。なお、液垂れ部12の形状は、略三角形状に限られず、他の形状でもよい。
【0022】
開口部14~16は、基板30上に設けられたコネクタ34~36の外形に対応した形状を有し、基板30がコネクタ34~36に接続されたケーブルを介して自動販売機100の制御部と電気的に接続することを可能とする。
【0023】
表示部20は、基板30上に設けられ、例えば、発光ダイオード(LED)等を用いて金額表示を行う。
【0024】
(本実施の形態の作用、効果)
次に、本実施の形態の作用、効果を図5及び図6を参照して説明する。
【0025】
図5は、金額表示装置1の液溜まり部11に水滴が溜まった場合の水滴の動きを示す背面である。図6は、金額表示装置1の液溜まり部11に水滴が溜まった場合の水滴の動きを示す断面図である。
【0026】
作業者が扉部2bを開けて作業をしている間に雨が降り、液溜まり部11に水滴60が溜まる場合がある。この場合、水滴60は、表面張力により形状を維持しながら液溜まり部11に集まる。液溜まり部11に集まった水滴60は、水滴の量が増えると表面張力によって形状を維持できなくなり、液垂れ部12から筐体10の背面13に垂れる。これにより、筐体10の上面に溜まった水滴60が背面13から垂れ落ちる際に、垂れ落ちる場所を限定し、開口部14~16に水滴60が垂れないようにすることが可能となる。この結果、コネクタ34~36や同軸ケーブルの電気的接続の不具合を回避することが可能となる。
【0027】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形、実施が可能である。
【0028】
図7は、第1の変形例に係る金額表示装置1の背面図である。図7に示すように、金額表示装置1の液垂れ部は、複数の凹部(図7では2つ)で構成されたものである。これにより、水滴60を分散して垂らすことができる。
【0029】
図8は、第2の変形例に係る金額表示装置1の背面図である。図8に示すように、金額表示装置1の液垂れ部は、円弧形状を有する凹部で構成されたものである。これによって、本実施の形態と同様に開口部14~16に水滴60が垂れないようにすることができる。
【0030】
図9は、第3の変形例に係る金額表示装置1の背面図である。図9に示すように、液溜まり部11は、液垂れ部12に向かって傾斜する2つの傾斜面から構成され、液溜まり部11と液垂れ部12とが一体化している。これにより、液溜まり部11が平坦な場合に比べて、水滴60を液垂れ部12に誘導しやすくすることができる。
【0031】
図10は、第4の変形例に係る金額表示装置1の背面図である。図10に示すように、液溜まり部11は、2つの傾斜面から構成され、液垂れ部12は、2つの傾斜面の端部に設けられ、液溜まり部11を構成する2つの傾斜面とは異なる凹部から構成されている。これにより、液溜まり部11が平坦な場合に比べて液垂れ部12に水滴60が向かいやすくなり、水滴60を液垂れ部12から垂らしやすくすることができる。
【0032】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1…金額表示装置、2…販売機本体、2a…箱体、2b…扉体、10…筐体、11…液溜まり部、12…液垂れ部、13…背面、14~16…開口部、20…表示部、34~36…コネクタ、40…ネジ穴、50…端子、60……水滴
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8
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図10