(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】制御プログラム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230725BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G06F3/12 343
B41J3/36 T
G06F3/12 308
G06F3/12 351
G06F3/12 378
G06F3/12 385
G06F3/12 392
(21)【出願番号】P 2019116128
(22)【出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-117256(JP,A)
【文献】特開2014-063328(JP,A)
【文献】特開2005-246701(JP,A)
【文献】特開2015-027769(JP,A)
【文献】特開2009-093247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
オブジェクトを繰り返し印刷する印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が印刷指示を受け付けたことに応じて、前記オブジェクトが、メインオブジェクトと、当該メインオブジェクトのフレームとして機能するフレームオブジェクトとにより構成されている場合に、前記メインオブジェクトを含まず、前記フレームオブジェクトの両端部のみを含む前記オブジェクトの両端部であるオブジェクト両端部と、前記オブジェクトから前記オブジェクト両端部を除いたオブジェクト中央部とに、前記オブジェクトを分割し、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像
の両端に、前記オブジェクト両端部の画像を付加した画像の印刷用画像データを作成する第1作成手段と、
前記第1作成手段により作成された印刷用画像データを印刷部に出力する出力手段と、
して機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記受付手段が印刷指示を受け付けたことに応じて、前記オブジェクトが前記フレームオブジェクトを含むか否かを判断する第1判断手段として機能させ、
前記第1作成手段は、
前記第1判断手段により、前記オブジェクトが前記フレームオブジェクトを含むと判断された場合に、前記印刷用画像データを作成することを特徴とする請求項
1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記第1作成手段は、
1つの前記フレームオブジェクトに対する前記メインオブジェクトの繰り返し回数を受け付けた場合に、前記オブジェクト中央部を、当該回数、繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成することを特徴とする請求項1
又は2に記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記オブジェクトを前記オブジェクト両端部と前記オブジェクト中央部とに分割し、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像の印刷処理である第1印刷処理と、前記オブジェクトを前記オブジェクト両端部と前記オブジェクト中央部とに分割することなく、前記オブジェクトを繰り返して配置した画像の印刷処理である第2印刷処理との何れを実行するかを、印刷用紙の種類に基づいて判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記第2印刷処理を実行すると判断された場合に、前記オブジェクトを前記オブジェクト両端部と前記オブジェクト中央部とに分割することなく、前記オブジェクトを繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成する第2作成手段と、
して機能させ、
前記第1作成手段は、
前記第2判断手段により前記第1印刷処理を実行すると判断された場合に、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成することを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1項に記載の制御プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記第1作成手段により作成された印刷用画像データに基づく画像を、前記情報処理装置のディスプレイに表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とする請求項1乃至
4の何れか1項に記載の制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータを備える情報処理装置であって、
前記コンピュータを、
オブジェクトを繰り返し印刷する印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が印刷指示を受け付けたことに応じて、前記オブジェクトが、メインオブジェクトと、当該メインオブジェクトのフレームとして機能するフレームオブジェクトとにより構成されている場合に、前記メインオブジェクトを含まず、前記フレームオブジェクトの両端部のみを含む前記オブジェクトの両端部であるオブジェクト両端部と、前記オブジェクトから前記オブジェクト両端部を除いたオブジェクト中央部とに、前記オブジェクトを分割し、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像
の両端に、前記オブジェクト両端部の画像を付加した画像の印刷用画像データを作成する第1作成手段と、
前記第1作成手段により作成された印刷用画像データを印刷部に出力する出力手段と、
して機能させる
プログラムを有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインオブジェクトとフレームオブジェクトとにより構成されるオブジェクトの印刷処理を実行するための情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、メインオブジェクトとフレームオブジェクトとにより構成されるオブジェクトの印刷処理を実行するための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、メインオブジェクトとフレームオブジェクトとにより構成されるオブジェクトを適切に印刷することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する制御プログラムは、情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、前記コンピュータを、オブジェクトを繰り返し印刷する印刷指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が印刷指示を受け付けたことに応じて、前記オブジェクトが、メインオブジェクトと、当該メインオブジェクトのフレームとして機能するフレームオブジェクトとにより構成されている場合に、前記メインオブジェクトを含まず、前記フレームオブジェクトの両端部のみを含む前記オブジェクトの両端部であるオブジェクト両端部と、前記オブジェクトから前記オブジェクト両端部を除いたオブジェクト中央部とに、前記オブジェクトを分割し、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成する第1作成手段と、前記第1作成手段により作成された印刷用画像データを印刷部に出力する出力手段と、して機能させることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するために、実施例に開示する情報処理装置は、コンピュータを備える情報処理装置であって、前記コンピュータを、オブジェクトを繰り返し印刷する印刷指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が印刷指示を受け付けたことに応じて、前記オブジェクトが、メインオブジェクトと、当該メインオブジェクトのフレームとして機能するフレームオブジェクトとにより構成されている場合に、前記メインオブジェクトを含まず、前記フレームオブジェクトの両端部のみを含む前記オブジェクトの両端部であるオブジェクト両端部と、前記オブジェクトから前記オブジェクト両端部を除いたオブジェクト中央部とに、前記オブジェクトを分割し、前記オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成する第1作成手段と、前記第1作成手段により作成された印刷用画像データを印刷部に出力する出力手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施例に開示する制御プログラム等では、メインオブジェクトを含まず、フレームオブジェクトの両端部のみを含むオブジェクトの両端部であるオブジェクト両端部と、オブジェクトからオブジェクト両端部を除いたオブジェクト中央部とに、オブジェクトが分割される。そして、オブジェクト中央部を繰り返して配置した画像の印刷用画像データが作成される。これにより、メインオブジェクトとフレームオブジェクトとにより構成されるオブジェクトを適切に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】文字列だけで構成されるオブジェクトを繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図6】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトを繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図7】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図8】オブジェクト両端部122とオブジェクト中央部124とに分割されたオブジェクト120を示す図である。
【
図9】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトを示す図である。
【
図10】オブジェクト両端部が繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図11】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図13】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図14】制御アプリケーション30のフローチャートを示す図である。
【
図15】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトを示す図である。
【
図16】
図15のオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図17】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトを示す図である。
【
図18】
図17のオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図19】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトを示す図である。
【
図20】
図19のオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した画像を示す図である。
【
図21】文字列とフレームとで構成されるオブジェクトをフレーム内繰返印刷処理により繰り返し配置した変形例の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話(情報処理装置の一例)10、プリンタ(印刷部の一例)50、アクセスポイント58、基地局62を備える。プリンタ50は、例えば、ラベルプリンタであり、携帯電話10との間で各種の情報や指示信号を送受信し、携帯電話10による制御に基づいて、所望のテキストや画像等のオブジェクトを印刷したラベルを作成する。また、アクセスポイント58は、無線LANアクセスポイント、及びルーターとしての機能を備える。
【0010】
携帯電話10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ14、無線通信I/F16、携帯電話通信I/F18、LCD(ディスプレイの一例)20、タッチパネル22を主に備えている。これらの構成要素は、バス28を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
無線通信I/F16は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(登録商標)方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント58へアクセスし、WF方式の無線通信を行える状態になれば、アクセスポイント58を介して、プリンタ50とデータ通信することが可能になる。
【0012】
携帯電話通信I/F18は、基地局62との間で携帯電話通信方式の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信を行える状態になれば、基地局62を介して、データ通信することが可能になる。
【0013】
CPU12は、メモリ14内の制御アプリケーション(制御プログラムの一例)30に従って処理を実行する。制御アプリケーション30は、携帯電話10を用いてプリンタ50に印刷処理を実行させるためのプログラムである。なお、制御アプリケーション30を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御アプリケーション30が」という記載は、「制御アプリケーション30を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0014】
また、メモリ14は、データ記憶領域32を備える。データ記憶領域32は、制御アプリケーション30の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
LCD20は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。タッチパネル22は、タッチセンサを有し、LCD20の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル22は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル22への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。
【0016】
なお、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「設定」等の処理は、入力された設定情報をメモリに記憶することで行われる。
【0017】
通信システム1では、上述した構成に従って、携帯電話10において、プリンタ50での印刷媒体であるラベルへの印刷対象のオブジェクトが編集される。詳しくは、制御アプリケーション30の処理により、
図2に示す選択画面70がLCD20に表示される。選択画面70には、複数のテンプレート画像72a~fが表示されている。各テンプレート画像72a~fは、印刷対象のオブジェクトのテンプレート画像であり、各テンプレート画像72a~fには、文字列のみにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像と、文字列および、文字列を装飾するためのフレームにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像とがある。具体的には、テンプレート画像72b,c,eは、文字列のみにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像であり、テンプレート画像72a,d,fは、文字列とフレームとにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像である。なお、フレームは、文字列を装飾するものであり、文字列の周囲に配置されており、文字列の周囲の全体若しくは、一部に配置される。つまり、フレームは、文字列の周囲を完全に囲むようなフレーム以外も含む。例えば、文字列の下方と上方との少なくとも一方に配置されるフレーム、つまり、下線,上線等,文字列の先端と後端との少なくとも一方に配置されるフレーム、つまり、カッコ等がある。
【0018】
そして、選択画面70において、任意のテンプレート画像がユーザ操作により選択されると、その選択画面70の代わりに、
図3に示す編集画面80がLCD20に表示される。編集画面80には、編集画像82と印刷ボタン84と設定ボタン85とが表示されている。編集画像82には、選択画面70において選択されたテンプレート画像72a~fに応じた画像が表示される。なお、
図3では、テンプレート画像72fに応じた画像が、編集画像82として表示されている。つまり、編集画像82には、文字列「test」(メインオブジェクトの一例)86とフレーム(フレームオブジェクトの一例)88とにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像が表示される。
【0019】
また、編集画像82として表示される画像にフレーム88が含まれている場合に、フレーム選択ボタン90が、編集画面80に表示されており、そのフレーム選択ボタン90が操作されることで、
図4に示すフレーム選択画面100が、LCD20に表示される。フレーム選択画面100には、編集画面80の編集画像82と同じ画像102と、その画像102の下方に、複数のサンプルフレーム104が表示される。そして、それら複数のサンプルフレーム104のうちの任意のものが選択されることで、画像102でのフレームを変更することができる。なお、フレーム選択画面100において、完了ボタン106が操作されることで、
図3に示す編集画面80がLCD20に表示される。
【0020】
また、編集画面80において、設定ボタン85が操作されることで、各種印刷設定を行うための設定画面(図示省略)がLCD20に表示される。設定画面では、印刷媒体の種類等が設定される。さらに、編集画面80において、編集画像82が操作されることで、文字列「test」86の編集を行うことができる。そして、編集操作が完了した後に、印刷ボタン84が操作されることで、編集画像82の印刷用画像データが作成される。なお、
図3に示す編集画像82の基となるテンプレート画像72fは、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像とされている。繰返印刷処理とは、テープ状のラベル,リボン等の印刷媒体に、オブジェクトを、テープ状の印刷媒体の延びる方向に沿って、繰り返し配置した画像を印刷する処理である。このため、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像が、選択画面70において選択され、その選択されたテンプレート画像に応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、繰返印刷処理を実行するための繰返印刷実行画面(
図12参照)110がLCD20に表示される。
【0021】
なお、選択画面70において表示される複数のテンプレート画像72a~fのうちのテンプレート画像72a,c~fが繰返印刷処理に対応するテンプレート画像であり、テンプレート画像72bのみが、繰返印刷処理に対応していないテンプレート画像である。このため、選択画面70においてテンプレート画像72bが選択され、その選択されたテンプレート画像72bに応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、繰返印刷処理は実行されず、通常のラベル印刷処理が実行される。つまり、編集画像82として表示されているオブジェクトの印刷用画像データが作成され、作成された印刷用画像データがプリンタ50に送信される。これにより、プリンタ50において、通常のラベル印刷処理が実行される。
【0022】
また、繰返印刷処理は、上述したように、テープ状の印刷媒体に、オブジェクトを繰り返し配置した画像を印刷する処理であるが、オブジェクトが文字列とフレームとにより構成される場合に、装飾性の高い画像を印刷することができない虞がある。詳しくは、例えば、選択画面70においてテンプレート画像72eが選択された場合には、印刷対象の画像は、文字列「test」のみにより構成されるオブジェクトとなる。このような場合に、そのテンプレート画像72eに応じたオブジェクトが繰り返し配置されると、印刷対象の画像は、
図5に示すように、文字列「test」のみが繰り返し配置された画像となる。一方、例えば、選択画面70においてテンプレート画像72fが選択された場合には、印刷対象の画像は、文字列「test」と、その文字列「test」を囲むフレームとにより構成されるオブジェクトとなる。このような場合に、そのテンプレート画像72fに応じたオブジェクトが繰り返し配置されると、印刷対象の画像は、
図6に示すように、フレームに囲まれた文字列「test」が繰り返し配置された画像となる。このような画像では、フレームに囲まれた文字列「test」が単に繰り返して配置されるため、装飾性が低いと考えられる。一方で、例えば、
図7に示すように、1つのフレームの内部において、文字列「test」が繰り返して配置された画像は、一体性があり、繰り返し配置された文字列「test」が、1つのフレームにより装飾されることで、装飾性が高い画像となる。このため、印刷対象のオブジェクトが文字列とフレームとにより構成される場合には、1つのフレームに対応して文字列が繰り返し配置された画像の印刷処理(以下、「フレーム内繰返印刷処理」と記載する)(第1印刷処理の一例)が実行される。
【0023】
フレーム内繰返印刷処理では、まず、制御アプリケーション30が、
図8に示すように、文字列「test」とフレームとにより構成されるオブジェクト120を、文字列「test」を含まず、フレームの両端のみを含むオブジェクト120の両端部(以下、「オブジェクト両端部」と記載する)122と、オブジェクト120からオブジェクト両端部122を除いたオブジェクト120の中央部(以下、「オブジェクト中央部」と記載する)124とに分割する。具体的には、
図9での点線は、文字列「test」の表示領域を示しており、その表示領域の両端を境に、つまり、
図9での一点鎖線を境に、制御アプリケーション30が、オブジェクト120を、オブジェクト両端部122とオブジェクト中央部124とに分割する。
【0024】
次に、制御アプリケーション30は、
図10に示すように、オブジェクト中央部124を繰り返し配置する。続いて、制御アプリケーション30は、
図11に示すように、繰り返し配置されたオブジェクト中央部124の両端に、オブジェクト両端部122を配置する。これにより、1つのフレームの内部において文字列「test」が繰り返して配置された画像130、つまり、繰り返し配置された文字列「test」が1つのフレームにより装飾された画像130が形成される。このように、選択画面70において選択されたテンプレート画像が繰返印刷処理に対応する画像であり、その選択されたテンプレート画像に応じた編集画像82にフレームが含まれる場合に、フレーム内繰返印刷処理が実行されることで、装飾性の高い画像130を形成することができる。
【0025】
このため、例えば、選択画面70においてテンプレート画像72fが選択され、その選択されたテンプレート画像72fに応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、制御アプリケーション30は、
図12に示す繰返印刷実行画面110をLCD20に表示する。繰返印刷実行画面110には、上述した手順に従って作成された画像、つまり、1つのフレームの内部において文字列「test」が繰り返して配置された画像130がプレビュー画像112として表示される。
【0026】
また、繰返印刷実行画面110には、テープ状の印刷媒体の長さ寸法を設定するための設定ボタン114も表示されている。このため、設定ボタン114への操作により、任意の長さ寸法が入力されることで、入力された長さ寸法に応じた長さの画像130が形成される。つまり、入力された長さ寸法がXである場合に、オブジェクト両端部122の一方の長さ寸法(=Y)を用いて、繰り返し配置されるオブジェクト中央部124の長さ寸法Z(=X-2Y)が演算される。そして、その長さ寸法Zとなるように、オブジェクト中央部124が繰り返し配置される。これにより、ユーザの望む長さ寸法Xのテープ状の印刷媒体に、画像130を適切に印刷することができる。なお、演算された長さ寸法Zとなるように、オブジェクト中央部124が繰り返し配置されるため、
図13に示すように、1つのフレームの内部において文字列「test」が繰り返して配置された画像130において、文字列「test」の後端部が欠けた状態、例えば、「t」が欠けた状態となる場合がある。そして、繰返印刷実行画面110において、印刷ボタン116が操作されることで、制御アプリケーション30が、入力された長さ寸法Xに応じた長さの画像130の印刷用画像データ(以下、「フレーム内繰返印刷用画像データ」と記載する)を作成し、作成した印刷用画像データをLCD20に送信する。これにより、テープ状の印刷媒体に、装飾性の高い画像130を印刷することができる。
【0027】
ただし、文字列とフレームとにより構成されるオブジェクトであっても、フレーム内繰返印刷処理が実行されると、ユーザが望む画像が印刷されない場合がある。具体的には、印刷媒体がダイカット紙である場合、つまり、型抜き可能に配設された複数のラベルが1枚のシート状にされたダイカットラベルである場合に、複数のラベルの各々に、文字列とフレームとにより構成されるオブジェクトが1個ずつ印刷されることを、ユーザは望んでいる。しかしながら、ダイカット紙に
図7に示す画像が印刷されると、複数のラベルの各々に、文字列とフレームとにより構成される1個のオブジェクトでなく、文字列と、端部が欠けたフレームとにより構成される画像が印刷される。このように、フレームの端部の欠けた画像が、複数のラベルの各々に印刷されると、ユーザが望む画像がラベルに印刷されないだけでなく、装飾性も非常に低くなる。
【0028】
このようなことに鑑みて、制御アプリケーション30は、選択画面70において選択されたテンプレート画像が繰返印刷処理に対応する画像であり、その選択されたテンプレート画像に応じた編集画像82にフレームが含まれる場合であっても、印刷媒体がダイカット紙であれば、フレーム内繰返印刷処理を実行しない。詳しくは、先に説明したように、編集画面80において、設定ボタン85が操作されることで、印刷媒体の種類が設定される。このため、制御アプリケーション30は、フレーム内繰返印刷処理を実行する前に、設定されている印刷媒体の種類がダイカット紙であるか否かを判断する。そして、設定されている印刷媒体の種類がダイカット紙でない場合に、制御アプリケーション30は、上述した手順に従って、フレーム内繰返印刷用画像データを作成し、その印刷用画像データをプリンタ50に送信する。
【0029】
一方、設定されている印刷媒体の種類がダイカット紙である場合に、制御アプリケーション30は、オブジェクト全体を繰り返し配置した画像を印刷するための処理(以下、「全オブジェクト繰返印刷処理」と記載する)(第2印刷処理の一例)を実行する。具体的には、オブジェクトに文字列とフレームとが含まれている場合であっても、制御アプリケーション30は、文字列とフレームとを分割することなく、文字列とフレームとを一体的に、オブジェクト全体を繰り返し配置した画像の印刷用画像データ(以下、「全オブジェクト繰返印刷用画像データ」と記載する)を作成する。つまり、例えば、選択画面70においてテンプレート画像72fが選択されている場合に、制御アプリケーション30は、
図6に示す画像の印刷用画像データを作成する。そして、その印刷用画像データがプリンタ50に送信されることで、プリンタ50において、ダイカット紙の複数のラベルの各々に、文字列とフレームとにより構成される1個のオブジェクトが印刷される。これにより、ユーザが望む装飾性の高い画像を、ダイカット紙のラベルに印刷することができる。
【0030】
なお、文字列のみを含むオブジェクトには、フレームが含まれていないため、文字列のみを含むオブジェクトに対して、当然、フレーム内繰返印刷処理は実行されず、全オブジェクト繰返印刷処理が実行される。つまり、文字列を繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する。例えば、選択画面70においてテンプレート画像72eが選択されている場合に、制御アプリケーション30は、
図5に示す画像の印刷用画像データを作成する。
【0031】
上述した印刷処理は、CPU12において制御アプリケーション30が実行されることによって行われる。以下に、
図14を用いて、制御アプリケーション30のフローが実行される際の処理を説明する。
【0032】
制御アプリケーション30は、印刷ボタンが操作されると、
図14に示すように、選択画面70において選択されたテンプレート画像が、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像であるか否かを判断する(S100)。そして、選択されたテンプレート画像が、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像である場合(S100:YES)に、制御アプリケーション30は、選択されたテンプレート画像に応じたオブジェクトがフレームを含有しているか否かを判断する(S102)。
【0033】
そして、選択されたテンプレート画像に応じたオブジェクトがフレームを含有している場合(S102:YES)に、制御アプリケーション30は、印刷媒体の種類がダイカット紙であるか否かを判断する(S104)。この際、印刷媒体の種類がダイカット紙でない場合(S104:NO)に、制御アプリケーション30は、フレーム内繰返印刷用画像データを作成する(S106)。そして、制御アプリケーション30は、作成した印刷用画像データをプリンタ50に送信する(S108)。これにより、本フローが終了する。
【0034】
また、S102でテンプレート画像に応じたオブジェクトがフレームを含有していない場合(S102:NO)、若しくは、S104で印刷媒体の種類がダイカット紙である場合(S104:YES)に、制御アプリケーション30は、全オブジェクト繰返印刷用画像データを作成する(S110)。そして、制御アプリケーション30は、作成した印刷用画像データをプリンタ50に送信する(S108)。これにより、本フローが終了する。
【0035】
また、S100でテンプレート画像が繰返印刷処理に対応するテンプレート画像でない場合(S100:NO)に、制御アプリケーション30は、通常の印刷用画像データを作成する(S112)。つまり、制御アプリケーション30は、選択されたテンプレート画像に応じたオブジェクトを繰り返し配置することなく、1個のオブジェクトの印刷用画像データを作成する。そして、制御アプリケーション30は、作成した印刷用画像データをプリンタ50に送信する(S108)。これにより、本フローが終了する。
【0036】
なお、S100を実行するCPU12は、受付手段の一例である。S102を実行するCPU12は、第1判断手段の一例である。S104を実行するCPU12は、第2判断手段の一例である。S106を実行するCPU12は、第1作成手段の一例である。S108を実行するCPU12は、出力手段の一例である。S110を実行するCPU12は、第2作成手段の一例である。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、文字列の周囲全体を囲むフレーム88が採用されているが、種々の形状のフレームを採用することが可能である。例えば、
図15に示すように、文字列の先端と後端との両方に、カッコ形状に配置されるフレームを採用することが可能である。このようなフレームが採用された場合に、
図15での一点鎖線を境に、オブジェクトは、オブジェクト両端部122とオブジェクト中央部124とに分割される。そして、そのオブジェクトに対してフレーム内繰返印刷処理が実行されることで、
図16に示す画像の印刷用画像データが作成される。また、例えば、
図17に示すように、文字列の上方と下方との両方に直線状に配置されるフレームを採用することが可能である。このようなフレームが採用された場合に、
図17での一点鎖線を境に、オブジェクトは、オブジェクト両端部122とオブジェクト中央部124とに分割される。そして、そのオブジェクトに対してフレーム内繰返印刷処理が実行されることで、
図18に示す画像の印刷用画像データが作成される。また、例えば、
図19に示すように、文字列の下方に直線状に配置されるフレームを採用することが可能である。このようなフレームが採用された場合に、
図19での一点鎖線を境に、オブジェクトは、オブジェクト両端部122とオブジェクト中央部124とに分割される。そして、そのオブジェクトに対してフレーム内繰返印刷処理が実行されることで、
図20に示す画像の印刷用画像データが作成される。
【0038】
また、上記実施形態では、印刷媒体の長さ寸法Xがユーザ操作により入力され、入力された長さ寸法Xとなるように、オブジェクト中央部124が繰り返し配置されている。つまり、印刷媒体の長さ寸法を優先して、オブジェクト中央部124が繰り返し配置されている。一方で、繰り返し配置する回数を優先して、オブジェクト中央部124が繰り返し配置されてもよい。つまり、配置回数がユーザ操作により入力され、入力された回数、オブジェクト中央部124が繰り返し配置されてもよい。このようにオブジェクト中央部124が配置されることで、
図13に示すような文字列の中断を防止することができる。
【0039】
また、上記実施形態では、フレーム内繰返印刷処理において、
図7に示すように、1つの印刷媒体に対して、1のフレームと、その1のフレーム内で繰り返し配置される文字列が印刷されるが、
図21に示すように、1つの印刷媒体に対して、複数のフレームと、各フレーム内で繰り返し配置される文字列が印刷されてもよい。この場合、制御アプリケーション30は、例えば繰返印刷実行画面110にて、1のフレーム内におけるメインオブジェクトの繰り返し回数を設定項目として表示し、その設定項目に対して、ユーザから1のフレーム内におけるメインオブジェクトの繰り返し回数の指定操作を受け付けた場合に、メインオブジェクトを、指定された繰り返し回数だけ繰り返して配置した画像の印刷用画像データを作成する。
【0040】
また、上記実施形態では、CPU12によって
図14に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10:携帯電話、12:CPU、20:LCD、30:制御アプリケーション、50:プリンタ