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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20230725BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G15/08 330
G03G21/16 152
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019165357
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021043333
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
(72)【発明者】
【氏名】岸 勲朗
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028345(JP,A)
【文献】特開2019-101178(JP,A)
【文献】特開2010-066525(JP,A)
【文献】特開2002-149021(JP,A)
【文献】特開2006-163143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに関する情報を記憶するドラムメモリと、
現像カートリッジに関する情報を記憶するトナーメモリを有する現像カートリッジを装着可能なスロットを有するドラムフレームであって、
前記第1方向における前記感光体ドラムの一端に位置する第1フレームと、
前記第1方向における前記感光体ドラムの他端に位置する第2フレームと、
前記第1方向と交差する第2方向における前記第1フレームの一端と前記第2方向における前記第2フレームの一端とを接続する第3フレームと、
前記第2方向における前記第1フレームの他端と前記第2方向における前記第2フレームの他端とを接続する第4フレームと、
を有するドラムフレームと、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジの前記トナーメモリと電気的に接続可能な第1コネクタであって、前記第2フレームに位置する第1コネクタと、
前記第1コネクタおよび前記ドラムメモリと電気的に接続可能な中継基板と、
画像形成装置の本体フレームにドラムカートリッジが装着された状態において、前記画像形成装置の本体コネクタと電気的に接続可能な第2コネクタであって、前記第4フレームに位置する第2コネクタであり、前記中継基板を介して前記第1コネクタと電気的に接続可能な第2コネクタと、
を備えるドラムカートリッジであって、
前記感光体ドラムおよび前記スロットは、前記第2方向において、前記第3フレームと前記第4フレームの間に位置し、
前記中継基板は、前記第4フレームの外表面に位置し、
前記中継基板上に位置するサーミスタをさらに備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のドラムカートリッジであって、
現像ローラを有する前記現像カートリッジが前記スロットに装着された状態において、前記感光体ドラムは、前記現像ローラと向かい合い、
前記現像カートリッジが前記スロットに装着された状態において、前記第4フレームは、前記第2方向において、前記中継基板と、前記感光体ドラムおよび前記現像ローラと、の間に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームは、前記第2方向に並ぶ複数の前記感光体ドラムを回転可能に保持することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームは、複数の前記感光体ドラムに対応する複数の前記現像カートリッジを装着可能であることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載のドラムカートリッジであって、
複数の前記現像カートリッジに対応する複数の前記第1コネクタを備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記第3フレームは、前記画像形成装置の前記本体フレームに対する前記ドラムカートリッジの装着方向の上流側に位置し、
前記第4フレームは、前記画像形成装置の前記本体フレームに対する前記ドラムカートリッジの装着方向の下流側に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記第2コネクタは、前記第4フレームの外表面の前記第1方向における一端部に位置し、
前記中継基板は、前記第4フレームの外表面の前記第1方向における他端部に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のドラムカートリッジであって、
前記第4フレームに位置するハンドルであって、前記第1方向における前記第2コネクタと前記中継基板との間に位置するハンドルをさらに備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記中継基板と前記第1コネクタを接続する第1ワイヤであって、前記第2フレームに位置する第1ワイヤであり、前記第2方向に延びる第1ワイヤと、
前記中継基板と前記第2コネクタを接続する第2ワイヤであって、前記第4フレームに位置する第2ワイヤであり、前記第1方向に延びる第2ワイヤと、
をさらに備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載のドラムカートリッジであって、
前記第1ワイヤは、前記第2フレームの内表面に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のドラムカートリッジであって、
前記第2ワイヤは、
前記第4フレームの外表面に位置する第1部分と、
前記第4フレームの内表面に位置する第2部分と、
を有することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームは、前記中継基板を覆うカバーを有することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムメモリは、前記中継基板上に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記サーミスタは、前記ドラムメモリ上に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記中継基板は、前記第2方向に対して傾斜することを特徴とするドラムカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドラムカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、ドラムカートリッジを有する。ドラムカートリッジは、複数の感光体ドラムを有する。複数の現像カートリッジは、ドラムカートリッジに着脱可能である。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着されると、現像カートリッジの現像ローラと、ドラムカートリッジの感光体ドラムとが接触する。
【0003】
ドラムカートリッジについては、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-28345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、特許文献1に記載のように、トナーメモリを有する現像カートリッジが知られている。トナーメモリは、現像カートリッジに関する種々の情報を記憶している。
【0006】
また、特許文献1に記載の例では、現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが画像形成装置に装着された状態において、トナーメモリに記憶された情報を、ドラムカートリッジを介して、画像形成装置に伝達する。詳しくは、ドラムカートリッジが、感光体ドラムと、トナーメモリと電気的に接続されるトナー用コネクタと、トナーメモリに記憶された情報を中継する中継基板と、画像形成装置と電気的に接続される本体用コネクタと、トナー用コネクタと中継基板とを電気的に接続する第1ハーネスと、中継基板と本体用コネクタとを電気的に接続する第2ハーネスと、を有する。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の例では、トナーが現像カートリッジの外に排出された場合に、中継基板にトナーが付着することにより、中継基板が汚れてしまう可能性があった。
【0008】
本開示の目的は、現像カートリッジの外に排出されたトナーが、中継基板に付着し難くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1の観点においては、感光体ドラムと、ドラムメモリと、ドラムフレームと、第1コネクタと、中継基板と、第2コネクタとを備えるドラムカートリッジが提供される。前記感光体ドラムは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能である。前記ドラムメモリは、前記感光体ドラムに関する情報を記憶する。前記ドラムフレームは、現像カートリッジに関する情報を記憶するトナーメモリを有する現像カートリッジを装着可能なスロットを有する。前記ドラムフレームは、第1フレームと、第2フレームと、第3フレームと、第4フレームとを有する。前記第1フレームは、前記第1方向における前記感光体ドラムの一端に位置する。前記第2フレームは、前記第1方向における前記感光体ドラムの他端に位置する。前記第3フレームは、前記第1方向と交差する第2方向における前記第1フレームの一端と前記第2方向における前記第2フレームの一端とを接続する。前記第4フレームは、前記第2方向における前記第1フレームの他端と前記第2方向における前記第2フレームの他端とを接続する。前記第1コネクタは、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジの前記トナーメモリと電気的に接続可能な第1コネクタであって、前記第2フレームに位置する。前記中継基板は、前記第1コネクタおよび前記ドラムメモリと電気的に接続可能である。前記第2コネクタは、画像形成装置の本体フレームにドラムカートリッジが装着された状態において、前記画像形成装置の本体コネクタと電気的に接続可能な第2コネクタであって、前記第4フレームに位置する第2コネクタであり、前記中継基板を介して前記第1コネクタと電気的に接続可能である。前記感光体ドラムおよび前記スロットは、前記第2方向において、前記第3フレームと前記第4フレームの間に位置する。前記中継基板は、前記第4フレームの外表面に位置する。
【0010】
本願の第2の観点では、第1の観点のドラムカートリッジにおいて、現像ローラを有する前記現像カートリッジが前記スロットに装着された状態において、前記感光体ドラムは、前記現像ローラと向かい合う。前記現像カートリッジが前記スロットに装着された状態において、前記第4フレームは、前記第2方向において、前記中継基板と、前記感光体ドラムおよび前記現像ローラと、の間に位置する。
【0011】
本願の第3の観点では、第1の観点または第2の観点のドラムカートリッジにおいて、前記ドラムフレームは、前記第2方向に並ぶ複数の前記感光体ドラムを回転可能に保持する。
【0012】
本願の第4の観点では、第1の観点または第2の観点のドラムカートリッジにおいて、前記ドラムフレームは、複数の前記感光体ドラムに対応する複数の前記現像カートリッジを装着可能である。
【0013】
本願の第5の観点では、第4の観点のドラムカートリッジにおいて、複数の前記現像カートリッジに対応する複数の前記第1コネクタを備える。
【0014】
本願の第6の観点では、第1の観点から第5の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記第3フレームは、前記画像形成装置の前記本体フレームに対する前記ドラムカートリッジの装着方向の上流側に位置する。前記第4フレームは、前記画像形成装置の前記本体フレームに対する前記ドラムカートリッジの装着方向の下流側に位置する。
【0015】
本願の第7の観点では、第1の観点から第6の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記第2コネクタは、前記第4フレームの外表面の前記第1方向における一端部に位置する。前記中継基板は、前記第4フレームの外表面の前記第1方向における他端部に位置する。
【0016】
本願の第8の観点では、第7の観点のドラムカートリッジにおいて、ハンドルをさらに備える。前記ハンドルは、前記第4フレームに位置する。前記ハンドルは、前記第1方向における前記第2コネクタと前記中継基板との間に位置する。
【0017】
本願の第9の観点では、第1の観点から第8の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、第1ワイヤと、第2ワイヤとをさらに備える。前記第1ワイヤは、前記中継基板と前記第1コネクタを接続する第1ワイヤであって、前記第2フレームに位置する第1ワイヤであり、前記第2方向に延びる。前記第2ワイヤは、前記中継基板と前記第2コネクタを接続する第2ワイヤであって、前記第4フレームに位置する第2ワイヤであり、前記第1方向に延びる。
【0018】
本願の第10の観点では、第9の観点のドラムカートリッジにおいて、前記第1ワイヤは、前記第2フレームの内表面に位置する。
【0019】
本願の第11の観点では、第9の観点または第10の観点のドラムカートリッジにおいて、前記第2ワイヤは、第1部分と、第2部分とを有する。前記第1部分は、前記第4フレームの外表面に位置する。前記第2部分は、前記第4フレームの内表面に位置する。
【0020】
本願の第12の観点では、第1の観点から第11の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記ドラムフレームは、前記中継基板を覆うカバーを有する。
【0021】
本願の第13の観点では、第1の観点から第12の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記ドラムメモリは、前記中継基板上に位置する。
【0022】
本願の第14の観点では、第1の観点から第13の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記中継基板上に位置するサーミスタをさらに備える。
【0023】
本願の第15の観点では、第14の観点のドラムカートリッジにおいて、前記サーミスタは、前記ドラムメモリ上に位置する。
【0024】
本願の第16の観点では、第1の観点から第15の観点のいずれか1つのドラムカートリッジにおいて、前記中継基板は、前記第2方向に対して傾斜する。
【発明の効果】
【0025】
本願の第1の観点~第16の観点によれば、現像カートリッジの外に排出されたトナーが、中継基板に付着し難くなる。
【0026】
本願の第2の観点によれば、現像ローラから漏れたトナーにより中継基板が汚れることを抑制できる。
【0027】
本願の第8の観点によれば、ユーザが、第4フレームの外表面の第1方向における中央部を把持しやすくなる。
【0028】
本願の第12の観点によれば、現像カートリッジの外に排出されたトナーが、中継基板に付着し難くなる。
【0029】
本願の第16の観点によれば、中継基板の面積を広くとることができる。また、中継基板の外方に空間を確保しやすいので、中継基板に接続される配線を、中継基板の外方の空間において無理なく曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成装置の概略図である。
図2】ドラムカートリッジの斜視図である。
図3】ドラムカートリッジの斜視図であり、1つの現像カートリッジを取り外した様子を示す斜視図である。
図4】ドラムカートリッジの斜視図であり、カバーを取り外した様子を示す斜視図である。
図5】回路部の斜視図である。
図6】ドラムカートリッジの一部の断面図である。
図7】中継基板の平面図である。
図8】カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
なお、以下の説明においては、ドラムカートリッジの感光体ドラムの回転中心軸(ドラム軸)が延びる方向を「第1方向」とする。また、複数の感光体ドラムが並ぶ方向を「第2方向」とする。第1方向と第2方向とは、交差、より好ましくは直交する。さらに、第1方向および第2方向に交差、より好ましくは直交する方向を「第3方向」とする。
【0033】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置1の概略図である。画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置1の例としては、レーザプリンタまたはLEDプリンタが挙げられる。図1に示すように、画像形成装置1は、ドラムカートリッジ10と、画像形成装置本体2とを備える。画像形成装置本体2は、本体フレーム99を備える。ドラムカートリッジ10は、画像形成装置本体2の本体フレーム99に対して着脱可能である。画像形成装置本体2は、制御部3を有する。
【0034】
<2.ドラムカートリッジの構成>
以下では、ドラムカートリッジ10の構成について説明する。図2は、ドラムカートリッジ10の斜視図である。図3は、ドラムカートリッジ10の斜視図であり、1つの現像カートリッジ13を取り外した様子を示している。図4は、ドラムカートリッジ10の斜視図であり、後述するカバー14を取り外した様子を示している。ドラムカートリッジ10は、4つの感光体ドラム11(図1を参照)、ドラムフレーム12、4つの現像カートリッジ13、カバー14、および回路部100(後述の図5を参照)を備える。また、各現像カートリッジ13は、トナーメモリ15を有する。
【0035】
4つの感光体ドラム11は、それぞれ、第1方向に延びる回転中心軸であるドラム軸を中心とする円筒状の外周面を有する。感光体ドラム11の外周面は、感光材料に覆われている。4つの感光体ドラム11は、それぞれ、第1方向に延びるドラム軸を中心として回転可能である。
【0036】
ドラムフレーム12は、4つの感光体ドラム11を回転可能に保持する枠体である。ドラムフレーム12は、複数の感光体ドラム11を第2方向において互いに間隔をあけた状態で保持する。ドラムフレーム12は、第1フレーム12aと、第2フレーム12bと、第3フレーム12cと、第4フレーム12dとを有する。
【0037】
第1フレーム12aは、第1方向における感光体ドラム11の一端に位置する。第2フレーム12bは、第1方向における感光体ドラム11の他端に位置する。第2フレーム12bは、第1方向において第1フレーム12aと間隔を隔てて位置する。第1フレーム12aと第2フレーム12bとは、互いに平行である。
【0038】
第3フレーム12cは、第2方向における第1フレーム12aの一端と、第2方向における第2フレーム12bの一端とを、接続する。第3フレーム12cは、画像形成装置本体2の本体フレームに対するドラムカートリッジ10の装着方向の上流側に位置する。第4フレーム12dは、第2方向における第1フレーム12aの他端と、第2方向における第2フレーム12bの他端とを、接続する。第4フレーム12dは、画像形成装置本体2の本体フレーム99に対するドラムカートリッジ10の装着方向の下流側に位置する。第4フレーム12dは、第2方向において第3フレーム12cと間隔を隔てて位置する。第3フレーム12cと第4フレーム12dとは、互いに平行である。
【0039】
また、図1および図3に示すように、ドラムフレーム12は、複数のスロット130を有する。複数のスロット130は、第2方向に間隔をあけて配列される。現像カートリッジ13は、スロット130に装着される。したがって、このドラムフレーム12には、複数の現像カートリッジ13が装着可能である。スロット130に現像カートリッジ13が装着されると、感光体ドラム11の外周面と、現像カートリッジ13の現像ローラ18の外周面とが、接触する。
【0040】
ドラムフレーム12に複数の現像カートリッジ13が装着されている状態において、各現像カートリッジ13は、第1方向において、第1フレーム12aの内表面と第2フレーム12bの内表面の間に位置する。また、ドラムフレーム12に複数の現像カートリッジ13が装着されている状態において、各現像カートリッジ13は、第3フレーム12cと第4フレーム12dとの間において、第2方向に間隔を隔てて位置する。
【0041】
カバー14は、回路部100(図5を参照)のうち、第4フレーム12dの外表面に位置する一部を、覆う。カバー14については、後に詳述する。
【0042】
<3.回路部の概略構成>
次に、回路部100の概略構成について説明する。
【0043】
図5は、回路部100の斜視図である。回路部100は、中継基板101、ドラムメモリ102、複数の第1コネクタ103、第2コネクタ104、第1ワイヤ105、第2ワイヤ106、およびサーミスタ107を有する。
【0044】
ドラムメモリ102は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。第2コネクタ104は、画像形成装置本体2の本体フレーム99にドラムカートリッジ10が装着された状態において、画像形成装置本体2の制御部3と電気的に接続される。複数の第1コネクタ103は、それぞれ、ドラムカートリッジ10に現像カートリッジ13が装着された状態において、トナーメモリ15と電気的に接続される。本実施形態では、ドラムカートリッジ10に装着される現像カートリッジ13の数が4つであるため、第1コネクタ103の数も4つである。
【0045】
第1ワイヤ105は、中継基板101と複数の第1コネクタ103のそれぞれとを電気的に接続する。第2ワイヤ106は、中継基板101と第2コネクタ104とを電気的に接続する。
【0046】
複数の現像カートリッジ13は、それぞれ、トナー回路基板(図示省略)と、トナーメモリ15(図1を参照)と、トナー側コネクタ16(図3を参照)とを有する。トナーメモリ15は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。トナー側コネクタ16は、ドラムカートリッジ10に現像カートリッジ13が装着された状態において、ドラムカートリッジ10の第1コネクタ103と接触し、電気的に接続される。
【0047】
このような構成により、ドラムカートリッジ10に現像カートリッジ13が装着されると、各現像カートリッジ13のトナー回路基板と、中継基板101とが、電気的に接続される。また、複数の現像カートリッジ13が装着されたドラムカートリッジ10が画像形成装置本体2に装着されると、画像形成装置本体2の制御部3(図1を参照)と、中継基板101とが、電気的に接続される。これにより、各現像カートリッジ13のトナー回路基板と、画像形成装置本体2の制御部3とが、中継基板101を介して電気的に接続される。すなわち、中継基板101は、各現像カートリッジ13のトナー回路基板と、画像形成装置本体2の制御部3との間での、情報のやり取りを中継する。
【0048】
<4.回路部の詳細構成>
続いて、回路部100についてより詳述する。図5に示すように、中継基板101は、複数の第1コネクタ103、および第2コネクタ104と電気的に接続された回路基板である。図4に示すように、中継基板101は、ドラムフレーム12の第4フレーム12dの第1方向における他端部の外表面に位置する。
【0049】
図6は、ドラムカートリッジ10の一部の断面図である。具体的には、図6は、ドラムカートリッジ10を第1方向に対して垂直に切ったときの断面図である。図6に示すように、中継基板101は、第2方向に対して傾斜する。ドラムフレーム12の第4フレーム12dの第1方向における他端部の外表面も、中継基板101に沿うように傾斜している。具体的には、第4フレーム12dの第1方向における他端部の外表面は、第3方向の一方側に向かうにつれて第3フレーム12cに近づくように傾斜している。中継基板101は、第4フレーム12dに沿って傾斜する。なお、図3および図6に示すように、中継基板101は通常、カバー14により覆われている。
【0050】
中継基板101は、第1コネクタ103と第2コネクタ104との間で、電気的に情報を中継する基板である。図5に示すように、中継基板101と第1コネクタ103とは、第1ワイヤ105を介して、電気的に接続される。また、中継基板101と第2コネクタ104とは、第2ワイヤ106を介して、電気的に接続される。第1ワイヤ105および第2ワイヤ106は、例えば複数の導線を含むワイヤハーネスである。
【0051】
図7は、中継基板101の平面図である。図7に示すように、ドラムメモリ102は、中継基板101上に位置する。より具体的には、ドラムメモリ102は、中継基板101の第2方向の他端部の外表面に位置する。ドラムメモリ102は、ドラムカートリッジ10に関する種々の情報を記憶している。例えば、ドラムメモリ102は、ドラムカートリッジ10の識別のための情報およびドラムカートリッジ10の特性を示す情報の、少なくとも1つを記憶している。ドラムカートリッジ10の識別のための情報は、例えば、ドラムカートリッジ10の製造シリアル番号、純正品であることを示す識別コード、の少なくとも1つである。ドラムカートリッジ10の特性を示す情報は、例えば、ドラムカートリッジ10の適合機種、ドラムカートリッジ10の仕様、感光体ドラム11の寿命、感光体ドラム11の帯電特性、新品であるかどうかを示す情報、感光体ドラム11の回転数、感光体ドラム11の帯電時間、印刷枚数、エラー履歴、の少なくとも1つである。
【0052】
第1コネクタ103は、ドラムフレーム12のスロット130に現像カートリッジ13が装着されたときに、トナー側コネクタ16(図3を参照)と電気的に接続される部分である。各第1コネクタ103は、スロット130の第1方向における他端部に位置する。また、各第1コネクタ103は、例えばドラムフレーム12の表面に固定される。ただし、第1コネクタ103は、ドラムフレーム12に対して移動不能に固定されてもよいし、僅かに移動可能に保持されていてもよい。
【0053】
中継基板101と第1コネクタ103とを接続する第1ワイヤ105は、ドラムフレーム12の第2フレーム12bの内表面に位置する。第1ワイヤ105は、第2方向に延びている。
【0054】
第2コネクタ104は、現像カートリッジ13が装着されたドラムカートリッジ10が画像形成装置本体2の本体フレーム99に装着されたときに、画像形成装置本体2の内部に位置する本体側コネクタ(図示省略)と電気的に接続される部分である。本体側コネクタは、制御部3と電気的に接続される。第2コネクタ104は、ドラムフレーム12の第4フレーム12dの第1方向における一端部の外表面に位置する。
【0055】
中継基板101と第2コネクタ104とを接続する第2ワイヤ106は、第1方向に延びている。第2ワイヤ106は、第1部分106aと第2部分106bとを有する。第1部分106aは、第2ワイヤ106のうち、第2部分106bよりも中継基板101寄りの部分であり、ドラムフレーム12の第4フレーム12dの外表面に位置する。第2部分106bは、第2ワイヤ106のうちの上記第1部分106a以外の部分であり、ドラムフレーム12の第4フレーム12dの内表面に位置する。
【0056】
図7に示すように、サーミスタ107は、中継基板101上に位置する。より具体的には、サーミスタ107は、中継基板101の第2方向の他端部の外表面に位置する。サーミスタ107は、画像形成装置本体2内の雰囲気の温度を検出するセンサである。上述のように、中継基板101は、通常はカバー14により覆われている。そのため、中継基板101にも、サーミスタ107にも、トナーが付着し難い。
【0057】
中継基板101について、より具体的に説明すると、中継基板101の外表面に、第1ワイヤ105の一端が接続されるコネクタ111と、第2ワイヤ106の一端が接続されるコネクタ112とが位置している。コネクタ111から延びる第1ワイヤ105は、カバー14の内部空間に位置する第1部分と、カバー14の内部空間以外の位置に位置する第2部分と、を有する。第1ワイヤ105の第1部分の一部は、曲がる。第1ワイヤ105の第2部分は第2方向に延びる。また、コネクタ112から延びる第2ワイヤ106は、カバー14の内部空間に位置する第1部分と、カバー14の内部空間以外の位置に位置する第2部分と、を有する。第2ワイヤ106の第1部分は、カバー14の内部空間において曲がる。第2ワイヤ106の第2部分は、第2方向に延びる。
【0058】
ここで、中継基板102の第2方向における他端部の外表面は、カバー14の内部空間に露出している。中継基板102は、第2方向に対して傾斜しているので、カバー14の内表面と、中継基板102の第2方向における他端部の外表面と、の間には、中継基板102が第2方向に対して垂直な構成とした場合と比べて、広い空間(内部空間)が確保される。よって、第1ワイヤ105の第1部分および第2ワイヤ106の第1部分が、無理なく所望の方向へ曲がる。
【0059】
図8は、カバーの斜視図である。カバー14は、第4フレーム12dに取り付けたときに第2ワイヤ106の第1部分と接触するリブ14aを有する。第2ワイヤ106の第1部分は、カバー14のリブ14aにガイドされることにより、所望の方向へと曲がる。これにより、カバー14と第4フレーム12dとの隙間に、第2ワイヤ106の第1部分が挟まってしまう虞が軽減される。
【0060】
上述したように、第4フレーム12dの第1方向における一端部に第2コネクタ104が位置し、第4フレーム12dの第1方向における他端部に中継基板101に位置している。別の言い方をすれば、第4フレーム12dの第1方向における中央部の外表面には、第2コネクタ104および中継基板101が位置しない。本実施形態では、第4フレーム12dの第1方向における中央部に、ユーザがドラムカートリッジ10を把持するときに用いるハンドル19が位置する。ハンドル19は、第1方向において、第2コネクタ104と中継基板101との間に位置する。このように、第4フレーム12dの外表面においては、第2コネクタ104と、中継基板101と、ハンドル19とが、位置する。
【0061】
<5.まとめ>
以上に示したように、本実施形態のドラムカートリッジ10は、感光体ドラム11と、ドラムメモリ102と、ドラムフレーム12と、第1コネクタ103と、中継基板101と、第2コネクタ104とを備える。感光体ドラム11およびスロット130は、第2方向において、ドラムフレーム12の第3フレーム12cと第4フレーム12dとの間に位置する。中継基板101は、ドラムフレーム12の第4フレーム12dの外表面に位置する。これにより、現像カートリッジ13から排出されたトナーが、中継基板101に付着し難くなる。
【0062】
また、本実施形態のドラムカートリッジ10においては、現像カートリッジ13がスロット130に装着された状態において、感光体ドラム11は現像ローラ18と向かい合う。現像カートリッジ13がスロット130に装着された状態において、第4フレーム12dは、第2方向において、中継基板101と、感光体ドラム11および現像ローラ18と、の間に位置する。これにより、現像ローラ18から漏れたトナーにより中継基板101が汚れることを抑制できる。
【0063】
また、本実施形態のドラムカートリッジ10は、ハンドル19を備える。これにより、ユーザが、第4フレーム12dの外表面の第1方向における中央部を把持しやすくなる。
【0064】
また、本実施形態のドラムカートリッジ10においては、ドラムフレーム12は、中継基板101を覆うカバー14を有する。これにより、中継基板101にトナーが付着し難くなる。
【0065】
また、本実施形態のドラムカートリッジ10においては、中継基板101は、第2方向に対して傾斜する。これにより、中継基板101に接続されるワイヤなどの配線を、無理なく所望の方向へ曲げることができる。また、中継基板101の面積を広くとることができる。
【0066】
<6.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。以下では、いくつかの変形例について簡単に説明する。
【0067】
上記の実施形態では、ドラムメモリ102とサーミスタ107が中継基板101上に個別に位置していた。しかしながら、これに代えて、ドラムメモリ102上にサーミスタ107が位置していてもよい。
【0068】
サーミスタ107は省略してもよい。
【0069】
中継基板101は、第2方向に対して垂直に位置していてもよい。
【0070】
また、ドラムカートリッジおよび画像形成装置を構成する各部品の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 制御部
10 ドラムカートリッジ
11 感光体ドラム
12 ドラムフレーム
12a 第1フレーム
12b 第2フレーム
12c 第3フレーム
12d 第4フレーム
13 現像カートリッジ
14 カバー
14a リブ
15 トナーメモリ
16 トナー側コネクタ
19 ハンドル
21 感光体ドラム
100 回路部
101 中継基板
102 ドラムメモリ
103 第1コネクタ
104 第2コネクタ
105 第1ワイヤ
106 第2ワイヤ
107 サーミスタ
130 スロット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8