(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】アナログ入力装置
(51)【国際特許分類】
H03M 1/10 20060101AFI20230725BHJP
G05B 19/05 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
H03M1/10 C
G05B19/05 L
(21)【出願番号】P 2019169311
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花井 喬
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-103358(JP,A)
【文献】特開2019-054359(JP,A)
【文献】特開平01-241221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00-1/88
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用制御装置に用いられ、アナログ信号を入力してディジタル信号に変換して出力するアナログ入力装置であって、
入力される前記アナログ信号を第1分解能にてディジタル信号にアナログディジタル変換して出力する高分解能AD変換部と、
入力される前記アナログ信号を、前記第1分解能よりも低い第2分解能にてアナログディジタル変換する第1低分解能AD変換部を有する第1マイクロコンピュータと、
入力される前記アナログ信号を、前記第2分解能にてアナログディジタル変換する第2低分解能AD変換部を有する第2マイクロコンピュータと、
前記高分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第1ディジタル信号と、前記第1低分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第2ディジタル信号と、を比較する第1比較処理を実行する第1比較部と、
前記第1比較処理の結果、前記第1ディジタル信号と前記第2ディジタル信号との差分が、予め定められた第1閾値以下の場合に前記第1ディジタル信号を出力し、前記第1閾値よりも大きい場合に前記第1ディジタル信号を出力しないディジタル信号出力部と、
前記第1マイクロコンピュータと前記第2マイクロコンピュータとのうち、の少なくとも一方からの指令に応じて、前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力の可否を切り替える切替部と、
を備え、
前記第1マイクロコンピュータと前記第2マイクロコンピュータとのうち、の少なくとも一方は、
前記第2ディジタル信号と、前記第2低分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第3ディジタル信号と、を比較する第2比較処理を実行する第2比較部を有し、
前記第2比較処理の結果、前記第2ディジタル信号と前記第3ディジタル信号との差分が、予め定められた第2閾値以下の場合に前記切替部に前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力を行なわせ、前記第2閾値よりも大きい場合に前記切替部に前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力を行なわせない、
アナログ入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアナログ入力装置において、
前記切替部は、前記高分解能AD変換部と前記第1比較部との間に配置されたスイッチング素子により構成されている、アナログ入力装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアナログ入力装置において、
前記ディジタル信号出力部は、前記第1比較処理の結果、前記第1ディジタル信号と前記第2ディジタル信号との差分が前記第1閾値以下の場合に、前記第1ディジタル信号を、前記産業用制御装置が有する通信バスを介して前記産業用制御装置が有する前記アナログ入力装置とは異なる外部装置に、ディジタル信号として出力する、アナログ入力装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアナログ入力装置において、
前記アナログ信号は、センサから出力されるアナログ信号であり、
前記外部装置は、ロボットを制御するロボットコントローラに対し、前記センサの検出値に応じた指令を生成して出力するコントロール装置である、アナログ入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アナログ信号を入力し、ディジタル信号に変換して出力するアナログ入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プログラマブルロジックコントローラ(以下、「PLC」とも呼ぶ)等で構成された産業用制御装置により、位置センサや温度センサ等の各種センサによる検出結果を利用して、ロボット操作用のアクチュエータ等を駆動させることが行われている。このような産業用制御装置では、コントローラ装置(コントローラユニット)に加えて、センサから入力するアナログ信号を、アナログディジタル変換(以下、「AD変換」とも呼ぶ)して、変換後のディジタル信号をコントローラ装置に出力するアナログ入力装置(入力ユニット)が用いられることがある(特許文献1参照)。
【0003】
産業用制御装置が故障した場合の安全性を高める方策として、機能安全設計が求められる場合がある。例えば、アナログ入力装置の構成として、AD変換部を二重化し、一方のAD変換部の変換結果と、他方のAD変換部の変換結果とを比較部にて比較し、所定の誤差以上が検知された場合に故障を検知し、コントローラ装置に故障を通知する構成が設計され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにAD変換部を二重化し、両方のAD変換部による変換結果を比較して故障を検知する構成では、高分解能のAD変換の要請に応えるためには、高分解能のAD変換部を二重で配置しなければならず、製造コストの増大を招いていた。また、このような高分解能の2つのAD変換部の変換結果を比較するためには、両方のAD変換部からの出力信号のタイミングを高い精度で一致させる必要がある。このため、各AD変換部と比較部との間に同期を制御するマイクロコンピュータが配置され、二重化されたAD変換部と共に部品点数の増大および発熱の増大を招き、集積度が低下するという問題があった。
【0006】
これらの問題は、PLCにより構成される産業用制御装置に限らず、アナログ入力装置を有する任意の構成の産業用制御装置に共通する。このため、産業用制御装置において、高分解能のAD変換および高い機能安全性能を実現しつつ、製造コストの上昇および集積度の低下を抑制可能な技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本開示の一形態によれば、産業用制御装置に用いられ、アナログ信号を入力してディジタル信号に変換して出力するアナログ入力装置が提供される。このアナログ入力装置は、入力される前記アナログ信号を第1分解能にてディジタル信号にアナログディジタル変換して出力する高分解能AD変換部と、入力される前記アナログ信号を、前記第1分解能よりも低い第2分解能にてアナログディジタル変換する第1低分解能AD変換部を有する第1マイクロコンピュータと、入力される前記アナログ信号を、前記第2分解能にてアナログディジタル変換する第2低分解能AD変換部を有する第2マイクロコンピュータと、前記高分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第1ディジタル信号と、前記第1低分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第2ディジタル信号と、を比較する第1比較処理を実行する第1比較部と、前記第1比較処理の結果、前記第1ディジタル信号と前記第2ディジタル信号との差分が、予め定められた第1閾値以下の場合に前記第1ディジタル信号を出力し、前記第1閾値よりも大きい場合に前記第1ディジタル信号を出力しないディジタル信号出力部と、前記第1マイクロコンピュータと前記第2マイクロコンピュータとのうち、の少なくとも一方からの指令に応じて、前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力の可否を切り替える切替部と、を備える。前記第1マイクロコンピュータと前記第2マイクロコンピュータとのうち、の少なくとも一方は、前記第2ディジタル信号と、前記第2低分解能AD変換部によるアナログディジタル変換後の第3ディジタル信号と、を比較する第2比較処理を実行する第2比較部を有し、前記第2比較処理の結果、前記第2ディジタル信号と前記第3ディジタル信号との差分が、予め定められた第2閾値以下の場合に前記切替部に前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力を行なわせ、前記第2閾値よりも大きい場合に前記切替部に前記第1ディジタル信号の前記第1比較部への入力を行なわせない。
この形態のアナログ入力装置によれば、高分解能AD変換部を二重に設けず、第1マイクロコンピュータおよび第2マイクロコンピュータが有する低分解能AD変換部を利用して高分解能AD変換部の上位ビット側の変換精度ずれ異常を検出できるので、高分解能のAD変換およびAD変換の高い機能安全性能を実現しつつ、高分解能AD変換部を二重に設けて各高分解能AD変換部にマイクロコンピュータを接続して高分解能AD変換部の故障を検出する構成に比べて、アナログ入力装置の製造コストの上昇および集積度の低下を抑制できる。また、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号と第2ディジタル信号との差分が、予め定められた第1閾値以下の場合に第1ディジタル信号を出力し、第1閾値よりも大きい場合に第1ディジタル信号を出力しないので、高分解能AD変換部の異常に起因して精度の低いAD変換結果である第1ディジタル信号が出力されることを抑制できる。加えて、第2比較処理の結果、第2ディジタル信号と第3ディジタル信号との差分が、予め定められた第2閾値以下の場合に切替部に第1ディジタル信号の第1比較部への入力を行なわせ、第2閾値よりも大きい場合に切替部に第1ディジタル信号の第1比較部への入力を行なわせないので、第1マイクロコンピュータまたは第2マイクロコンピュータに異常が発生して、高分解能AD変換部の異常を精度良く検出できない状況において、精度の低い可能性のある第1ディジタル信号が出力されることを抑制できる。したがって、アナログ入力装置の高い機能安全性能を実現できる。
(2)上記形態のアナログ入力装置において、前記切替部は、前記高分解能AD変換部と前記第1比較部との間に配置されたスイッチング素子により構成されていてもよい。
この形態のアナログ入力装置によれば、切替部は、高分解能AD変換部と第1比較部との間に配置されたスイッチング素子により構成されているので、切替部を簡易な構成とすることができると共に、第1および第2マイクロコンピュータによる切替部の制御を容易に実現できる。
(3)上記形態のアナログ入力装置において、前記ディジタル信号出力部は、前記第1比較処理の結果、前記第1ディジタル信号と前記第2ディジタル信号との差分が前記第1閾値以下の場合に、前記第1ディジタル信号を、前記産業用制御装置が有する通信バスを介して前記産業用制御装置が有する前記アナログ入力装置とは異なる外部装置に、ディジタル信号として出力してもよい。
この形態のアナログ入力装置によれば、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号と第2ディジタル信号との差分が第1閾値以下の場合に、第1ディジタル信号が、産業用制御装置が有する通信バスを介して外部装置にディジタル信号として出力されるので、産業用制御装置において、高分解能のAD変換の結果を利用することができる。したがって、例えば、かかる高分解能のAD変換の結果を、コントローラ装置(コントローラユニット)において利用できる。
(4)上記形態のアナログ入力装置において、前記アナログ信号は、センサから出力されるアナログ信号であり、前記外部装置は、ロボットを制御するロボットコントローラに対し、前記センサの検出値に応じた指令を生成して出力するコントロール装置であってもよい。
この形態のアナログ入力装置によれば、アナログ信号は、センサから出力されるアナログ信号であり、外部装置は、ロボットを制御するロボットコントローラに対し、前記センサの検出値に応じた指令を生成して出力するコントロール装置であるので、センサから出力されるアナログ信号を利用してロボットを精度良く制御できる。
【0009】
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、産業用制御装置、プログラマブルロジックコントローラ、ロボットコントローラ、アナログディジタル変換装置、アナログディジタル変換装置の管理装置、アナログディジタル変換装置の正常性判定方法等の形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示のアナログ入力装置の一実施形態としてのアナログ入力ユニットを含むロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】アナログ入力ユニットの詳細構成を示すブロック図である。
【
図3】コントロールユニットへの第1ディジタル信号の出力実行時におけるアナログ信号、および第1ないし第3ディジタル信号を模式的に示す説明図である。
【
図4】コントロールユニットへの第1ディジタル信号の出力停止時におけるアナログ信号、および第1ないし第3ディジタル信号を模式的に示す説明図である。
【
図5】コントロールユニットへの第1ディジタル信号の出力停止時におけるアナログ信号、および第1ないし第3ディジタル信号を模式的に示す説明図である。
【
図6】比較例のアナログ入力ユニットの詳細構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.実施形態:
A-1.ロボット制御システム500の概略構成:
図1は、本開示のアナログ入力装置の一実施形態としてのアナログ入力ユニット10を含むロボット制御システム500の概略構成を示すブロック図である。ロボット制御システム500は、産業用ロボット400(以下、単に「ロボット400」と呼ぶ)を制御するためのシステムであり、アナログセンサ200による検出値に応じてロボット400を制御する。ロボット制御システム500は、上述のセンサ200に加えて、産業用制御装置100と、ロボットコントローラ300と、アクチュエータ350とを備える。
【0012】
アナログセンサ200は、ロボット400の動作制御に関わるパラメータの値を検出し、アナログ信号として出力する。本実施形態において、アナログセンサ200は、ロボット400の動作制御に関わるパラメータの値として、電圧値を測定する。アナログセンサ200は、-10V(ボルト)以上+10V以下の範囲の合計20Vの測定範囲を有し、かかる測定範囲の電圧値をアナログ値として出力する。なお、ロボット400の動作制御に関わるパラメータとしては、上述した電圧値に限らず、任意のパラメータを採用してもよい。例えば、ロボット400が多関節型の産業用ロボットである場合には、アームや手首の位置や角度であってもよい。また、例えば、ロボット400の動作する環境の温度であったり、ロボット400が移動する場合には、かかる移動距離であったり、ロボット400による処理対象のワークを搬送する搬送路が設けられている場合には、かかる搬送路における所定位置の重量であったり、ロボット400によって流体流量の調整用の弁が制御される場合には、かかる流体流量であったりしてもよい。
【0013】
産業用制御装置100は、アナログセンサ200とロボットコントローラ300とに電気的に接続されている。産業用制御装置100は、アナログセンサ200から出力されるアナログ信号を入力してアナログディジタル変換(以下、「AD変換」とも呼ぶ)を行い、得られたディジタル信号(以下、「変換後ディジタル信号」とも呼ぶ)に基づき指示信号を生成してロボットコントローラ300に出力する。本実施形態において、産業用制御装置100は、プログラマブルロジックコントローラ(以下、「PLC」とも呼ぶ)により構成されている。産業用制御装置100は、高い機能安全性能を実現するためにAD変換に関わる構成の異常を自己診断する機能を有する。かかる自己診断機能については後述する。産業用制御装置100は、アナログ入力ユニット10と、コントロールユニット20と、出力ユニット30とが、通信バス40を介して互いに通信可能に構成されている。
【0014】
アナログ入力ユニット10は、アナログセンサ200から出力されるアナログ信号を入力してAD変換し、変換後ディジタル信号を、通信バス40を介してコントロールユニット20に出力する。また、アナログ入力ユニット10は、上述の自己診断機能を有する。また、アナログ入力ユニット10は、自己診断の結果、異常を検出した場合には、異常を検出した旨を、通信バス40を介してコントロールユニット20に出力する。アナログ入力ユニット10の詳細構成については、後述する。アナログ入力ユニット10は、本開示のアナログ入力装置に相当する。
【0015】
コントロールユニット20は、アナログ入力ユニット10から出力される変換後ディジタル信号に基づき、出力ユニット30に指示信号を生成して出力する。指示信号とは、ロボット400の動作の制御内容を指示する信号を意味する。また、コントロールユニット20がアナログ入力ユニット10から出力される異常を検出した旨を入力する場合には、指示信号とは、ロボット400の動作停止を指示する信号を意味する。コントロールユニット20は、本開示の外部装置およびコントロール装置に相当する。
【0016】
出力ユニット30は、コントロールユニット20から出力された指示信号を、ロボットコントローラ300に出力する。
【0017】
ロボットコントローラ300は、産業用制御装置100(出力ユニット30)から出力される指示信号に応じて、アクチュエータ350を制御する。アクチュエータ350は、ロボット400の動作を実現する。例えば、ロボット400が交流モータを有する構成においては、アクチュエータ350は、かかる交流モータに電力を供給するインバータ回路として構成される。この構成においては、ロボットコントローラ300は、インバータ回路が有するスイッチング素子を駆動するための信号を出力する機能を有する。ロボットコントローラ300は、例えば、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」とも呼ぶ)によって構成されてもよい。
【0018】
A-2.アナログ入力ユニット10の詳細構成:
図2は、アナログ入力ユニット10の詳細構成を示すブロック図である。アナログ入力ユニット10は、メインAD変換部11と、診断AD変換部12と、切替部15と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、アナログ信号入力ポート17と、通信ポート18とを備える。
【0019】
メインAD変換部11は、アナログ信号入力ポート17を介して入力されるアナログ信号Vaに対してAD変換を行い、変換後ディジタル信号Vh1を出力する。メインAD変換部11は、AD変換IC(Integrated Circuit)110を備える。AD変換IC110は、アナログ信号入力ポート17と切替部15とに電気的に接続されている。AD変換IC110は、診断AD変換部12よりも高分解能でAD変換を実行する。具体的には、本実施形態では、AD変換IC110は、24ビットの分解能でAD変換を実行する。したがって、上述のように、アナログセンサ200から出力されるアナログ信号Vaの示す電圧値の幅が20Vである場合、AD変換IC110によるAD変換における1LSB(Least Significant Bit)は、およそ0.001192mVである。AD変換IC110は、変換後ディジタル信号Vh1を切替部15に出力する。なお、AD変換IC110から出力される変換後ディジタル信号Vh1(以下、「第1ディジタル信号Vh1」とも呼ぶ)は、AISC16において実行される後述の第1比較処理に用いられる。メインAD変換部11は、本開示における高分解能AD変換部に相当する。また、AD変換IC110によるAD変換の分解能は、本開示における第1分解能に相当する。
【0020】
診断AD変換部12は、メインAD変換部11の異常を検出するための自己診断用のAD変換部である。診断AD変換部12は、第1マイクロコンピュータ13と、第2マイクロコンピュータ14とを備える。第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14は、アナログ信号入力ポート17に対して互いに並列に接続されている。また、第1マイクロコンピュータ13と第2マイクロコンピュータ14とは、互いに専用配線によって通信可能に構成されている。また、第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14は、それぞれ切替部15に電気的に接続されている。また、第1マイクロコンピュータ13は、ASIC16に電気的に接続されている。
【0021】
第1マイクロコンピュータ13は、AD変換部131と、比較部132とを備える。AD変換部131は、アナログ信号入力ポート17を介して入力されるアナログ信号Vaに対してAD変換を行い、変換後ディジタル信号Vl2を比較部132に出力する。本実施形態において、AD変換部131から出力される変換後ディジタル信号Vl2を「第2ディジタル信号Vl2」とも呼ぶ。AD変換部131は、第2ディジタル信号Vl2を、第2マイクロコンピュータ14にも出力する。さらには、AD変換部131は、第2ディジタル信号Vl2を、ASIC16にも出力する。AD変換部131は、第1マイクロコンピュータ13が有する基本機能部のひとつであり、上述のAD変換IC110よりも低分解能でAD変換を実行する。具体的には、本実施形態では、AD変換部131は、12ビットの分解能でAD変換を実行する。したがって、上述のように、アナログセンサ200から出力されるアナログ信号Vaの示す電圧値の幅が20Vである場合、AD変換部131によるAD変換における1LSBは、およそ4.88mVである。また、AD変換部131によるAD変換の分解能は、本開示における第2分解能に相当する。AD変換部131は、本開示における第1低分解能AD変換部に相当する。また、AD変換部131によるAD変換の分解能は、本開示における第2分解能に相当する。
【0022】
比較部132は、AD変換部131から入力する第2ディジタル信号Vl2と、第2マイクロコンピュータ14から出力される後述の第3ディジタル信号Vl3とを比較する処理(以下、「第2比較処理」と呼ぶ)を実行する。第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との比較とは、単位時間において各ディジタル信号Vl2、Vl3の示す値の平均値同士を比較してその差分を求めることを意味する。第2比較処理の結果、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlが所定の第2閾値Vth2以下の場合に、比較部132は、切替部15に対して、AD変換IC110から出力される第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行わせ、第2閾値Vth2よりも大きい場合に、第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行わせないように、制御信号を切替部15に出力する。なお、上述の第2閾値Vth2とは異なる第1閾値Vth1は、後述のASIC16による処理において用いられる。第1閾値Vth1の詳細は後述する。比較部132は、本開示における第2比較部に相当する。
【0023】
第2マイクロコンピュータ14は、第1マイクロコンピュータ13と同様な構成を有する。第2マイクロコンピュータ14は、AD変換部141と、比較部142とを備える。AD変換部141は、上述のAD変換部131と同じ分解能でAD変換を実行し、変換後ディジタル信号Vl3を比較部132および第1マイクロコンピュータ13に出力する。本実施形態において、AD変換部141から出力される変換後ディジタル信号Vl3を、「第3ディジタル信号Vl3」とも呼ぶ。比較部142は、AD変換部141から入力する第3ディジタル信号Vl3と、第2マイクロコンピュータ14から出力される第2ディジタル信号Vl2とを比較する処理を実行する。かかる比較処理の結果、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlが所定の第2閾値Vth2以下の場合に、比較部142は、比較部142と同様に、切替部15に対して、AD変換IC110から出力される第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行わせ、第2閾値Vth2よりも大きい場合に、第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行わせないように、制御信号を切替部15に出力する。AD変換部131は、本開示における第2低分解能AD変換部に相当する。
【0024】
上述の2つのマイクロコンピュータ13、14により実行される第2比較処理の結果、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlが第2閾値Vth2よりも大きい場合には、第1マイクロコンピュータ13または第2マイクロコンピュータ14が異常である可能性が高い。そこで、このような場合、すなわち、自己診断が正常に機能しない可能性が高い場合に、切替部15に対して、第1ディジタル信号のASIC16への入力を行わせないように制御信号を出力し、メインAD変換部11の異常を検出できない状況において、第1ディジタル信号Vh1がコントロールユニット20に出力されることを回避するようにしている。上述のように、各マイクロコンピュータ13、14の有するAD変換部131、142のAD変換の分解能は、いずれもメインAD変換部11(AD変換IC110)のAD変換の分解能よりも低い。しかし、これら2つのAD変換部131、141を並列に配置して、互いのAD変換結果を比較して異常検出することにより、診断AD変換部12の自己診断率を向上できる。したがって、低分解能の単一のAD変換部をメインAD変換部11と並列に配置して自己診断を行う構成に比べて、アナログ入力ユニット10全体としての自己診断率を向上できる。
【0025】
切替部15は、第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14から入力される制御信号(指令)に応じて、第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力の可否を切り替える。本実施形態において、切替部15は、トランジスタ等のスイッチング素子により構成されている。第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14から入力される制御信号は、ゲート信号として切替部15に供給される。
【0026】
ASIC16は、第1取得部161と、第2取得部162と、比較部163と、バス通信部164とを備える。第1取得部161は、バッファを備え、切替部15を介して入力される第1ディジタル信号Vh1を取得して一時的に保存する。第2取得部162は、バッファを備え、第1マイクロコンピュータ13のAD変換部131から入力される第2ディジタル信号Vl2を取得して一時的に保存する。
【0027】
比較部163は、第1取得部161に一時的に保存されている第1ディジタル信号Vh1と、第2取得部162に一時的に保存されている第2ディジタル信号Vl2とを比較する処理(以下、「第1比較処理」と呼ぶ)を実行する。第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との比較とは、単位時間において各ディジタル信号Vh1、Vl2の示す値の平均値同士を比較してその差分を求めることを意味する。比較部163は、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが所定の第1閾値Vth1以下の場合に、第1取得部161に一時的に保存されている第1ディジタル信号Vh1を、バス通信部164および通信バス40を介してコントロールユニット20に出力し、また、第1閾値Vth1よりも大きい場合には、第1ディジタル信号Vh1を出力しない。さらに、本実施形態においては、比較部163は、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが第1閾値Vth1よりも大きい場合には、異常を検出し、異常を検出した旨をバス通信部164および通信バス40を介してコントロールユニット20に出力する。バス通信部164は、通信バス40を介した他の装置との通信を実行する。比較部163と、第1取得部161と、第2取得部162とは、本開示における第1比較部に相当する。また、バス通信部164は、本開示におけるディジタル信号出力部に相当する。
【0028】
第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vk2との差分ΔVhが第1閾値Vth1よりも大きい場合、メインAD変換部11の異常発生または診断AD変換部12の異常発生が想定される。メインAD変換部11に異常が発生した場合、第1ディジタル信号Vh1の精度が低くなり、正しいアナログ値を示す第2ディジタル信号Vl2とは大きく異なる値となり得る。そこで、この場合、第1ディジタル信号Vh1をコントロールユニット20に出力しないようにしている。また、診断AD変換部12に異常が発生した場合、第2ディジタル信号Vl2の精度が低くなり、もはや第2ディジタル信号Vl2と比較しても、第1ディジタル信号Vh1の精度を担保できない。したがって、この場合も、第1ディジタル信号Vh1をコントロールユニット20に出力しないようにしている。このようにして、産業用制御装置100としての安全性を機能的に担保している。
【0029】
アナログ信号入力ポート17は、アナログセンサ200と電気的に接続され、アナログセンサ200から出力されるアナログ信号Vaを入力する。また、アナログ信号入力ポート17は、メインAD変換部11および診断AD変換部12の各マイクロコンピュータ13、14にそれぞれ接続されており、これらにアナログ信号Vaを供給する。通信ポート18は、通信バス40およびバス通信部164とそれぞれ電気的に接続されている。
【0030】
図3は、コントロールユニット20への第1ディジタル信号Vh1の出力実行時におけるアナログ信号Va、および第1ないし第3ディジタル信号Vh1、Vl2、Vl3を模式的に示す説明図である。
図4および
図5は、コントロールユニット20への第1ディジタル信号Vh1の出力停止時におけるアナログ信号Va、および第1ないし第3ディジタル信号Vh1、Vl2、Vl3を模式的に示す説明図である。
図3ないし
図5において、最も左は、アナログ信号Vaを示す。また、左から2番目は第2ディジタル信号Vl2を、左から3番目は第3ディジタル信号Vl3を、最も右は第1ディジタル信号Vh1を、それぞれ示す。なお、各信号は、或る単位時間におぃて各信号の示す値の平均値を示す。また、各信号の縦の大きさは、電圧の大きさを示す。
【0031】
図3に示す例では、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlは第2閾値Vth2以下である。このとき、第1マイクロコンピュータ13のAD変換部131による変換誤差、すなわち、アナログ信号Vaと第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVl2は、小さい。同様に、第2マイクロコンピュータ14のAD変換部141による変換誤差、すなわち、アナログ信号Vaと第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVl3は、小さい。このような場合、診断AD変換部12の異常は発生していないと推定される。そして、
図3の例では、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhは、第1閾値Vth1以下である。したがって、この場合、第1ディジタル信号Vh1は、コントロールユニット20に出力されることとなる。
【0032】
図4に示す例では、
図3に示す例と同様に、差分ΔVlは第2閾値Vth2以下であり、診断AD変換部12の異常は発生していないと推定される。このような状況において、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが第1閾値Vth1よりも大きい場合、メインAD変換部11の異常発生が推定される。したがって、この場合、第1ディジタル信号Vh1は、コントロールユニット20に出力されない。
【0033】
図5に示す例では、第1ディジタル信号Vh1とアナログ信号Vaとの差分は小さく、メインAD変換部11(AD変換IC110)による変換誤差は小さい。しかし、第1マイクロコンピュータ13のAD変換部131の変換誤差である差分ΔVl2が大きいため、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlは第2閾値Vth2よりも大きい。このような状況では、仮にアナログ信号Vaの精度が高い場合であっても、その信頼性を担保できない。そこで、本実施形態では、このような場合、変換後ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが第1閾値Vth1よりも大きくなるような第1閾値Vth1を予め設定しておき、第1ディジタル信号Vh1をコントロールユニット20に出力させないようにしている。
【0034】
図6は、比較例のアナログ入力ユニット70の詳細構成を示すブロック図である。アナログ入力ユニット70は、メインAD変換部71と、診断AD変換部72と、ASIC76と、アナログ信号入力ポート77と、通信ポート78とを備える。
【0035】
メインAD変換部71は、AD変換IC710と、マイクロコンピュータ711とを備える。診断AD変換部72は、AD変換IC720と、マイクロコンピュータ721とを備える。メインAD変換部71と診断AD変換部72とは互いにほぼ同じ構成を有し、互いにアナログ信号入力ポート77に対して並列に接続されている。AD変換IC710およびAD変換IC720は高い分解能にてAD変換を行う。マイクロコンピュータ711およびマイクロコンピュータ721は、それぞれ接続されているAD変換ICにおける信号の出力タイミングを同期するために配置されている。具体的には、マイクロコンピュータ711およびマイクロコンピュータ721は、ASIC76からそれぞれ所定のタイミングで出力される信号要求を受けると、そのタイミングに合わせてAD変換IC710、720によるAD変換後のディジタル信号を、ASIC76に送信する。
【0036】
ASIC76は、第1取得部761と、第2取得部762と、比較部763と、バス通信部764とを備える。第1取得部761および第2取得部762は、実施形態の第1取得部161および第2取得部162とそれぞれ同様な機能を有する。比較部763は、AD変換IC710によるAD変換によって得られたディジタル信号と、AD変換IC720によるAD変換によって得られたディジタル信号とを比較し、これら2つのディジタル信号の差分が所定の閾値以下であれば、AD変換IC710によるAD変換によって得られたディジタル信号をコントロールユニット20に出力し、閾値よりも大きい場合には、コントロールユニット20に出力しない。
【0037】
このような比較例のアナログ入力ユニット70によれば、高分解能でAD変換を行うAD変換部を2つ備えるため、製造コストの増大を招くと共にアナログ入力ユニット70の集積度の低下を招く。
【0038】
これに対して、本実施形態のアナログ入力ユニット10によれば、高分解能のAD変換部(メインAD変換部11)を二重に設けず、第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14が有する低い分解能のAD変換部131、141を利用してメインAD変換部11の異常を検出できるので、高分解能でのAD変換およびAD変換の高い機能安全性能を実現しつつ、少なくとも比較例に比べて、アナログ入力ユニット10の製造コストの上昇および集積度の低下を抑制できる。また、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが、予め定められた第1閾値Vth1以下の場合に第1ディジタル信号Vh1をコントロールユニット20に出力し、第1閾値Vth1よりも大きい場合に第1ディジタル信号Vh1を出力しないので、メインAD変換部11の異常に起因して精度の低いAD変換結果である第1ディジタル信号Vh1が出力されることを抑制できる。加えて、第2比較処理の結果、第2ディジタル信号Vl2と第3ディジタル信号Vl3との差分ΔVlが、予め定められた第2閾値Vth2以下の場合に切替部15に第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行なわせ、第2閾値Vth2よりも大きい場合に切替部15に第1ディジタル信号Vh1のASIC16への入力を行なわせないので、第1マイクロコンピュータ13または第2マイクロコンピュータ14に異常が発生して、メインAD変換部11の異常を精度良く検出できない状況において、精度の低い可能性のある第1ディジタル信号Vh1がコントロールユニット20に出力されることを抑制できる。したがって、アナログ入力ユニット10の高い機能安全性能を実現できる。
【0039】
また、切替部15は、メインAD変換部11とASIC16との間に配置されたスイッチング素子により構成されているので、切替部15を簡易な構成とすることができると共に、第1マイクロコンピュータ13および第2マイクロコンピュータ14による切替部15の制御を容易に実現できる。
【0040】
また、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが第1閾値Vth1以下の場合に、第1ディジタル信号Vh1が通信バス40を介してコントロールユニット20に出力されるので、アナログセンサ200の検出結果を高分解能でAD変換した結果を用いてロボット400を制御でき、産業用ロボット400を精度良く制御できる。
【0041】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態では、切替部15は、スイッチング素子により構成されていたが、スイッチング素子に限らず任意の装置や回路によって構成されてもよい。例えば、マイクロコンピュータにより構成されてもよい。かかる構成においては、例えば、第1マイクロコンピュータ13と第2マイクロコンピュータ14とのうちのいずれか一方のマイクロコンピュータが、ひとつの機能部として切替部を有する構成としてもよい。
【0042】
(B2)上記実施形態では、第1比較処理の結果、第1ディジタル信号Vh1と第2ディジタル信号Vl2との差分ΔVhが第1閾値Vth1以下の場合に、第1ディジタル信号Vh1が通信バス40を介してコントロールユニット20に出力されていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、産業用制御装置100が不揮発性メモリを有する記憶ユニットを備える構成においては、通信バス40を介してかかる記憶ユニットに出力してもよい。また、アナログ入力ユニット10自身が不揮発性メモリを備える構成とし、かかる不揮発性メモリに第1ディジタル信号Vh1を出力し、通信バス40を介して他の外部装置に出力しない構成としてもよい。
【0043】
(B3)産業用制御装置100は、ロボット400(産業用ロボット400)を制御するためのロボット制御システム500に限らず、AD変換機能を有する任意の産業用設備や産業用機械を制御するために用いられてもよい。
【0044】
(B4)上記実施形態では、第1マイクロコンピュータ13と第2マイクロコンピュータ14とがいずれも制御信号を切替部15に出力していたが、これに代えて、いずれか一方のみが制御信号を送信してもよい。かかる構成においては、制御信号を出力しないマイクロコンピュータにおいては、比較部を省略してもよい。また、AD変換部131が第2ディジタル信号Vl2をASIC16に出力することに代えて、AD変換部141が第3ディジタル信号Vl3をASIC16に出力する構成としてもよい。かかる構成において、比較部163は、第1ディジタル信号Vh1と第3ディジタル信号Vl3とを比較してもよい。
【0045】
(B5)上記実施形態において、AD変換IC110のAD変換の分解能は24ビットであり、AD変換部131およびAD変換部141のAD変換の分解能は12ビットであったが、本開示はこれに限定されない。いずれの分解能も、AD変換IC110の分解能がAD変換部131およびAD変換部141の分解能よりも高い関係を満たす任意の分解能であってよい。
【0046】
(B6)上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、比較部132および比較部142のうちの少なくとも1つの機能部を、集積回路、ディスクリート回路、またはそれらの回路を組み合わせたモジュールにより実現してもよい。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
【0047】
本開示は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
10…アナログ入力ユニット、11…メインAD変換部、12…診断AD変換部、13…第1マイクロコンピュータ、14…第2マイクロコンピュータ、15…切替部、16…ASIC、17…アナログ信号入力ポート、18…通信ポート、20…コントロールユニット、30…出力ユニット、40…通信バス、70…アナログ入力ユニット、71…メインAD変換部、72…診断AD変換部、76…ASIC、77…アナログ信号入力ポート、78…通信ポート、100…産業用制御装置、110…AD変換IC、131…AD変換部、132…比較部、141…AD変換部、142…比較部、161…第1取得部、162…第2取得部、163…比較部、164…バス通信部、200…アナログセンサ、300…ロボットコントローラ、350…アクチュエータ、400…産業用ロボット、500…ロボット制御システム、710…AD変換IC、711…マイクロコンピュータ、720…AD変換IC、721…マイクロコンピュータ、761…第1取得部、762…第2取得部、763…比較部、764…バス通信部、Va…アナログ信号、Vh1…第1ディジタル信号、Vl2…第2ディジタル信号、Vl3…第3ディジタル信号、Vth1…第1閾値、Vth2…第2閾値、ΔVh…差分、ΔVl…差分、ΔVl2…差分、ΔVl3…差分