(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】定型処理装置、及び定型処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2019181397
(22)【出願日】2019-10-01
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡広
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 9/00- 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
アプリケーションの動作を規定するアプリケーション・パラメータ、及び、前記アプリケーションを実行するための環境であるシステムの動作を規定するシステム・パラメータが登録された定型処理における、前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更する、
定型処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、当該一致しないことを解決するための対策をユーザから受け付け、
前記受け付けた対策を実行する、
請求項1記載の定型処理装置。
【請求項3】
前記対策は、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを変更した上で前記定型処理を実行することである、
請求項2記載の定型処理装置。
【請求項4】
前記対策は、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを変更することなく前記定型処理を実行することである、
請求項2記載の定型処理装置。
【請求項5】
前記対策は、前記定型処理を実行しないことである、
請求項2記載の定型処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更することに代えて、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータを、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更する、
請求項1記載の定型処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更された後の、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータを、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更される前の、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに戻すことを、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータが登録されている他の定型処理の実行開始前までに行う、
請求項6記載の定型処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、アプリケーションの動作を規定するアプリケーション・パラメータ、及び、前記アプリケーションを実行するための環境であるシステムの動作を規定するシステム・パラメータが登録された定型処理における、前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更する処理を実行させるための定型処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定型処理装置、及び定型処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像読取側で原稿を読み取る際の読み取り条件であるパラメータを設定するパラメータ設定方法において、前記画像読取側で前記パラメータを設定し、ネットワークを介して接続する画像管理装置から予めパラメータを設定した少なくとも1つのジョブメモリを取得し、該取得したジョブメモリの中の所望のジョブメモリを選択し、該選択したジョブメモリのパラメータと前記画像読取側で設定したパラメータとを合成し、該合成したパラメータを前記画像管理装置でジョブメモリとして登録することを特徴とするパラメータ設定方法を開示する。
【0003】
特許文献2は、画像処理の設定条件を定めた設定情報と識別子との対応関係を記憶するとともに、当該設定情報の実行条件を定めた実行情報を記憶する記憶手段と、コード画像に埋め込まれた識別子と実行情報とを撮影により取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記実行情報と前記記憶手段が記憶する前記実行情報とが異なる場合に、当該取得手段が取得した前記識別子に対応付けられた前記設定情報の実行を禁止する禁止手段とを含む画像処理装置を開示する。
【0004】
特許文献3は、画像入力手段と、画像処理手段と、画像出力手段と、操作表示手段と、プログラム登録手段と、制御手段と、を有する画像処理装置を開示する。画像入力手段は、画像を入力する。画像処理手段は、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する。画像出力手段は、前記出力用画像データによって画像出力を行う。操作表示手段は、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける。プログラム登録手段は、前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録する。制御手段は、前記画像入力手段、画像処理手段、画像出力手段、操作表示手段及びプログラム登録手段を含む画像処理装置の各部を制御下において、画像入出力要求に応じて画像処理装置全体を制御する。また、操作表示手段は、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付けることができる手段である。さらに、制御手段は、前記操作表示手段を通して、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求を受付けたときに、当該操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認し、異なっている場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じ場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-112067号公報
【文献】特開2017-011627号公報
【文献】特開2010-114607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
定型処理には、例えば、外部サーバにファイルを格納するアプリケーションの動作を規定するためのアプリケーション・パラメータ、及び、上記したアプリケーションを実行するための環境であるシステムの動作を規定するシステム・パラメータが、登録され得る。上記したシステム・パラメータの一つである認証用パラメータが、例えば、「システム設定利用」から「デバイス認証情報利用」へ変更されると、変更前には認証に成功し、ファイルを格納することができていた者が、変更後には認証に失敗し、ファイルを格納することができなくなり、即ち、上記した定型処理を実行することができなくなるとの課題があった。
【0007】
本発明の目的は、システム・パラメータが変更されたときであっても、前記変更の前に登録されたシステム・パラメータを含む定型処理を実行することができる定型処理装置及び定型処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決すべく、第1態様に係る定型処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、アプリケーションの動作を規定するアプリケーション・パラメータ、及び、前記アプリケーションを実行するための環境であるシステムの動作を規定するシステム・パラメータが登録された定型処理における、前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更する。
【0009】
第2態様に係る定型処理装置は、第1態様に係る定型処理装置において、前記プロセッサは、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、当該一致しないことを解決するための対策をユーザから受け付け、前記受け付けた対策を実行する。
【0010】
第3態様に係る定型処理装置は、第2態様に係る定型処理装置において、前記対策は、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを変更した上で前記定型処理を実行することである。
【0011】
第4態様に係る定型処理装置は、第2態様に係る定型処理装置において、前記対策は、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを変更することなく前記定型処理を実行することである。
【0012】
第5態様に係る定型処理装置は、第2態様に係る定型処理装置において、前記対策は、前記定型処理を実行しないことである。
【0013】
第6態様に係る定型処理装置は、第1態様に係る定型処理装置において、前記プロセッサは、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更することに代えて、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータを、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更する。
【0014】
第7態様に係る定型処理装置は、第6態様に係る定型処理装置において、前記プロセッサは、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更された後の、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータを、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータに変更される前の、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに戻すことを、遅くとも、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータが登録されている他の定型処理が実行開始前までに行う。
【0015】
第8態様に係る定型処理プログラムは、コンピュータに、アプリケーションの動作を規定するアプリケーション・パラメータ、及び、前記アプリケーションを実行するための環境であるシステムの動作を規定するシステム・パラメータが登録された定型処理における、前記登録がされたときの前記システム・パラメータと、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータとが一致しないとき、前記定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを、前記定型処理を実行しようとするときの前記システムに設定されているシステム・パラメータに変更させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様に係る定型処理装置及び第8態様に係る定型処理プログラムによれば、システム・パラメータが変更されたときであっても、前記変更の前に登録されたシステム・パラメータを含む定型処理を実行することができる。
【0017】
第2態様に係る定型処理装置によれば、上記した両システム・パラメータが一致しないときに、ユーザが希望する対策を実行することができる。
【0018】
第3態様~第5の態様に係る定型処理装置によれば、上記した対策の何れか以外の対策を実行することを回避することができる。
【0019】
第6態様に係る定型処理装置によれば、定型処理における前記登録がされたときの前記システム・パラメータを変更することなく、定型処理を実行することができる。
【0020】
第7態様に係る定型処理装置によれば、上記した他の定型処理を実行することができない事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】実施形態の第1の記憶媒体に記憶される情報を示す。
【
図7】実施形態の第2の記憶媒体に記憶される情報を示す。
【
図10】実施形態のシステム設定・パラメータ情報を示す。
【
図11】実施形態の定型処理装置の機能ブロック図である。
【
図13】実施形態の画像処理ステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〈実施形態〉
以下、本発明に係る画像処理システムの実施形態について説明する。
【0023】
〈実施形態の構成〉
図1は、実施形態の画像処理システムの構成を示す。以下、実施形態の画像処理システムの構成について、
図1を参照して説明する。
【0024】
実施形態の画像処理システムGSは、ユーザが選択する定型処理(
図6に図示された定型処理IDの内容)を実行すべく、
図1に示されるように、定型処理装置TSと、管理サーバKSと、ネットワークNWとを含む。
【0025】
【0026】
定型処理装置TSは、
図2に示されるように、入力部1と、CPU2(Central Processing Unit)と、出力部3と、第1の記憶媒体4と、第2の記憶媒体5と、メモリ6と、を有する。
【0027】
入力部1は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ネットワーク接続ユニット、スキャナから構成される。CPU2は、プロセッサの一例であり、ソフトウェアに従ってハードウェアを動作させる、よく知られたコンピュータの中核である。出力部3は、例えば、プリンタ、液晶モニター、ネットワーク接続ユニットから構成される。第1の記憶媒体4及び第2の記憶媒体5は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)から構成される。メモリ6は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)から構成される。ここで、第1の記憶媒体4は、画像処理システムGSのユーザにより用いられ、他方で、第2の記憶媒体5は、画像処理システムGSの管理者により用いられる。
【0028】
〈第1の記憶媒体〉
図3は、実施形態の第1の記憶媒体に記憶される情報を示す。
【0029】
第1の記憶媒体4は、
図3に示されるように、アイコン情報AJと、定型処理情報TJと、を備える。
【0030】
【0031】
アイコン情報AJは、
図4に示されるように、アイコンID及び定型処理IDからなる。
【0032】
【0033】
定型処理装置TSは、例えば、液晶モニターである出力部3(
図2に図示。)に、
図5に示されるように、定型処理装置TSのユーザによる操作を容易にすべく、ホーム画面HGを表示する。ホーム画面HGは、
図5に示されるように、ログインのボタン、リセットのボタンに加えて、複数のアイコンAK1~AK3を含む。複数のアイコンAK1~AK3は、
図5に示されるように、それぞれ、アイコンIDが付与されており、かつ、アイコンIDは、それぞれ、
図4に示されるように、定型処理IDが割り当てられている。
【0034】
より詳しくは、
図5及び
図4に示されるように、アイコンAK1には、アイコンID「1234」及び定型処理ID「0001」が割り当てられている。アイコンAK2には、アイコンID「2345」及び定型処理ID「0002」が割り当てられている。アイコンAK3には、アイコンID「1222」及び定型処理ID「0003」が割り当てられている。
【0035】
【0036】
定型処理情報TJは、
図6に示されるように、定型処理IDと、アプリケーション・パラメータと、システム・パラメータと、を有する。換言すれば、定型処理の内容は、アプリケーション・パラメータとシステム・パラメータとにより規定される。ここで、「アプリケーション」とは、画像処理システムGSという環境の下でユーザが行いたい作業を実行するソフトウェアである。また、「システム」とは、画像処理システムGS自体である。「アプリケーション・パラメータ」とは、アプリケーションを実行するために、ユーザが選択しかつ設定するパラメータである。「システム・パラメータ」とは、画像処理システムGSにより画像処理を実行するために、画像処理システムGSの管理者が設定するパラメータである。
【0037】
定型処理における、アプリケーション・パラメータ及びシステム・パラメータの組み合わせは、ユーザにより登録される。より正確には、ユーザは、定型処理に、必ず、アプリケーション・パラメータを登録し、かつ、必要なときに限り、システム・パラメータを登録する。換言すれば、定型処理は、アプリケーション・パラメータを必ず有するものの、システム・パラメータを有するとは限らない。
【0038】
図4~
図6を参照すると、ユーザは、アイコンAK1に割り当てられている定型処理ID「0001」に、アプリケーション・パラメータとして、色「白黒」及び原稿種別「テキスト」を登録し、かつ、システム・パラメータとして、システム設定ID「123001」にシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」を登録する。同様に、ユーザは、アイコンAK2に割り当てられている定型処理ID「0002」に、アプリケーション・パラメータとして、色「カラー」及び原稿種別「写真」を登録し、かつ、システム・パラメータとして、システム設定ID「123001」にシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」を登録する。
【0039】
ここで、システム設定ID「123001」は、画像処理システムGSが有する複数のシステムに関する設定のうち、「管理サーバKSへアクセスするための認証情報」を意味することを想定する。また、システム設定・パラメータ「第1の認証情報」は、管理サーバKSへのアクセスを、「何人も」できることを意味し、他方で、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」(定型処理ID「0003」に付与。)は、管理サーバKSへのアクセスを、「アクセスのためのユーザID及びパスワードを有する者のみ」ができることを意味することを想定する。要約すれば、管理サーバKSへのアクセスの条件については、「第1の認証情報」より「第2の認証情報」の方が、より厳格である。
【0040】
〈第2の記憶媒体〉
図7は、実施形態の第2の記憶媒体に記憶される情報を示す。
【0041】
第2の記憶媒体5は、
図7に示されるように、第1の認証情報NJ1と、第2の認証情報NJ2と、システム設定・パラメータ情報SJと、プログラムPRと、を有する。
【0042】
【0043】
第1の認証情報NJ1は、
図8に示されるように、ユーザIDと、パスワードと、から構成されており、定型処理装置TSと管理サーバKSへログインする際の認証情報として用いられる。上述したように、「第1の認証情報」は、定型処理装置TSと管理サーバKSへのアクセスを「何人も」できることを意味する。そのため、ユーザIDに「全てのユーザ」が登録されており、パスワードに「不要」が登録されている。換言すれば、ユーザID「全てのユーザ」、及び、パスワード「不要」により、上記した「何人も」によるアクセスを確保する。
【0044】
【0045】
第2の認証情報NJ2は、
図9に示されるように、第1の認証情報NJ1(
図8に図示。)と同様に、ユーザIDと、パスワードと、から構成されており、定型処理装置TSと管理サーバKSへログインする際の認証情報として用いられる。上述したように、「第2の認証情報」は、定型処理装置TSと管理サーバKSへのアクセスを、「アクセスのためのID及びパスワードを有する者のみ」ができることを意味することから、例えば、ユーザIDに「A」が登録され、かつ、そのパスワードに「a1b2c3」が登録されている。これにより、ユーザ「A」が、ユーザID「A」及びパスワード「a1b2c3」を用いて定型処理装置TSにログインすることによって、ユーザ「A」は、定型処理装置TSと管理サーバKSを利用することが可能となる。他のユーザについても同様に、のユーザ「B」が、ユーザID「B」及びパスワード「e4f5g6」を用いて定型処理装置TSにログインすることによって、ユーザ「B」は、定型処理装置TSと管理サーバKSを利用することが可能となる。また、ユーザ「C」が、ユーザID「C」及びパスワード「h7j8k9」を用いて定型処理装置TSにログインすることによって、ユーザ「C」は、定型処理装置TSと管理サーバKSを利用することが可能となる。
【0046】
図10は、実施形態のシステム設定・パラメータ情報SJを示す。
【0047】
システム設定・パラメータ情報SJは、
図10に示されるように、システム設定IDと、システム設定・パラメータと、変更日と、からなる。システム設定・パラメータ情報SJは、画像処理システムGSが有する複数のシステムに関する設定を規定するためのパラメータを示す。システム設定・パラメータ情報SJは、
図10に示されるように、例えば、システム設定ID「123001」、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」、変更日「2019年9月2日」が登録されている。システム設定ID「123001」は、上記したように、「管理サーバKSへアクセスするための認証情報」を意味し、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」は、管理サーバKSへアクセスする際の認証情報として、第2の認証情報NJ2(
図9に図示。)を用いることを意味し、「2019年9月2日」は、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」が「2019年9月2日」に行われたことを意味する。
【0048】
図7に戻り、プログラムPRは、定型処理装置TSが実行すべき処理の内容を規定する命令群である。
【0049】
図11は、実施形態の定型処理装置の機能ブロック図である。
【0050】
定型処理装置TSは、
図11に示されるように、読出部10と、判断部11と、変更部12と、実行部13と、制御部14と、記憶部15と、を含む。
【0051】
定型処理装置TSにおける、ハードウェアの構成(
図2に図示。)と機能的な構成(
図11に図示。)との関係については、ハードウェア上で、CPU2が、第2の記憶媒体5(記憶部15の一部の機能を実現する。)に記憶されたプログラムPRを、メモリ6(記憶部15の他の一部の機能を実現する。)を用いつつ実行すると共に、必要に応じて、制御部14として、入力部1及び出力部3の動作を制御することにより、読出部10、判断部11、変更部12、及び実行部13の各部の機能を実現する。各部の機能については、後述する。
【0052】
図1に戻り、管理サーバKSは、記憶媒体(図示せず。)を有する。管理サーバKSは、例えば、定型処理が、例えば、画像(
図12に示されるカラー写真SY)を保存することであるとき、定型処理装置TSからネットワークNWを介して受信するカラー写真SYを管理サーバKS内の記憶媒体に格納する。
【0053】
ネットワークNWは、従来知られたネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネットであり、また、無線ネットワーク、有線ネットワークである。
【0054】
〈実施形態の動作〉
図13は、実施形態の画像処理ステムGSの動作を示すフローチャートである。以下、実施形態の定型処理装置TSの動作について、
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
説明及び理解を容易にすべく、画像処理システムGSのユーザ「C」(
図9に図示。)が、カラー写真SY(
図12に図示。)を管理サーバKSへ格納しようとすることを想定する。
【0056】
また、定型処理ID「0002」(
図6に図示。)は、2019年9月2日より前に、登録されたことを想定する。
【0057】
更に、画像処理システムGSの管理者用である第2の記憶媒体5(
図2に図示。)に記憶されている、システム設定・パラメータ情報SJにおけるシステム設定ID「123001」のシステム設定・パラメータ(
図10に図示。)は、2019年9月2日より前では「第1の認証情報」であり、2019年9月2日以後では「第2の認証情報」に変更されたことを想定する。
【0058】
ステップS1:定型処理装置TS(
図1に図示。)のCPU2(
図2に図示。)は、ユーザ「C」によるアイコンの選択を受け付けるべく、例えば、液晶モニターである出力部3に、ホーム画面HG(
図5に図示。)を表示させる。ホーム画面HGが表示されると、ユーザ「C」は、ホーム画面HG中のアイコンAK1~AK3のうち、アイコンAK2を押下する。
【0059】
ステップS2:ステップS1で、アイコンAK2が押下されると、定型処理装置TSでは、CPU2(
図2に図示。)は、読出部10(
図11に図示。)として、第1の記憶媒体4(
図2に図示。)に記憶されているアイコン情報AJ(
図4に図示。)を参照することにより、アイコンAK2のアイコンID「2345」に対応する定型処理ID「0002」を読み出す。
【0060】
ステップS3:ステップS2で、定型処理ID「0002」が読み出されると、CPU2は、判断部11(
図11に図示。)として、第1の記憶媒体4に記憶されている定型処理情報TJ(
図6に図示。)を参照することにより、定型処理ID「0002」がシステム・パラメータを含むか否かを判断する。定型処理ID「0002」が、
図6に示されるように、システム・パラメータを含むことから、「あり」に進む。
【0061】
ステップS4:ステップS3で、定型処理ID「0002」がシステム・パラメータを含むと判断されると、CPU2は、読出部10として、第1の記憶媒体4に記憶されている定型処理情報TJから、システム・パラメータを読み出し、即ち、システム設定ID「123001」の内容であるシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」を読み出す。
【0062】
ステップS5:ステップS4で、システム設定ID「123001」の内容であるシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」が読み出されると、CPU2は、読出部10として、第2の記憶媒体5(
図2に図示。)に記憶されているシステム設定・パラメータ情報SJ(
図10に図示。)から、システム設定・パラメータを読み出し、即ち、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」を読み出す。
【0063】
ステップS6:ステップS5で、第2の記憶媒体5のシステム設定・パラメータ情報SJから、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」が読み出されると、CPU2は、判断部11として、ステップS4でユーザ用である第1の記憶媒体4に記憶されている定型処理情報TJから読み出されたシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」と、ステップS5で管理者用である第2の記憶媒体5に記憶されているシステム設定・パラメータ情報SJから読み出されたシステム設定・パラメータ「第2の認証情報」が同一であるか相違するかを判断する。ここで、両システム設定・パラメータが相違することから、「相違」に進む。
【0064】
ステップS7:ステップS6で、上記した両システム設定・パラメータが相違すると判断されると、CPU2は、変更部12として、ステップS4で読み出された、定型処理ID「0002」のシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」を、ステップS6で読み出された、システム設定パラメータ情報SJ中のシステム設定・パラメータ「第2の認証情報」に変更する。
【0065】
ステップS8:ステップS7で、読み出された定型処理ID「0002」のシステム設定・パラメータが「第1の認証情報」から「第2の認証情報」へ変更されると、CPU2は、実行部13(
図11に図示。)として、システム設定・パラメータが「第2の認証情報」である定型処理ID「0002」の定型処理を実行する。
【0066】
より詳しくは、CPU2は、操作開始時にユーザが入力部1(
図2に図示。)から入力するユーザID「C」及びパスワード「h7j8k9」が、第2の記憶媒体5に記憶された第2の認証情報NJ2に予め登録されているユーザID「C」及びパスワード「h7j8k9」(
図9に図示。)と一致することから、定型処理装置TSを利用しようとするユーザ「C」のログインを許可する。さらに、CPU2は、ログイン許可されたユーザ「C」が、アイコンAK2を押下することにより実施される定型処理として、定型処理装置TSの入力部1(例えば、スキャナ)から取り込んだカラー写真SY(
図10に図示。)をネットワークNW(
図1に図示。)を介して、管理サーバKS(
図1に図示。)に第2の認証情報NJ2に登録されているユーザID「C」及びパスワード「h7j8k9」を用いて認証することによりアクセス可能となり、管理サーバKS内の記憶媒体に格納する。
【0067】
〈変形例〉
上記したステップS6で、ユーザ用である第1の記憶媒体4に記憶された定型処理情報TJから読み出された定型処理ID「0002」のシステム設定・パラメータ「第1の認証情報」と、管理者用である第2の記憶媒体5に記憶されたシステム設定・パラメータ情報SJから読み出されたシステム設定・パラメータ「第2の認証情報」とが相違するとき、以下のような処理を実行してもよい。
【0068】
CPU2は、出力部3(例えば、液晶モニター)に、ユーザ「C」に、「ステップS6より後の処理をどのようにしたいか?」等の質問を表示させる。次に、CPU2は、入力部1(例えば、キーボード)を介して、ユーザ「C」の回答である対策を受け付け、当該受け付けた対策を実行するようにしてもよい。
【0069】
CPU2は、ユーザ「C」に上記した質問を行うとき、出力部3に、例えば、「定型処理をそのまま実行する」、「定型処理を実行しない」、及び、「定型処理のシステム設定・パラメータを変更した上で、定型処理を実行する」との複数の選択肢を表示した上で、前記した複数の選択肢のうちの一つを受け付け、当該受け付けた対策を実行するようにしてもよい。
【0070】
上記したステップS7で、CPU2は、読み出された定型処理ID「0002」のシステム設定・パラメータを「第1の認証情報」から「第2の認証情報」へ変更することに代えて、管理者用である第2の記憶媒体5に記憶されているシステム設定・パラメータ情報SJのシステム設定・パラメータを「第2の認証情報」から「第1の認証情報」へ変更しても良い。
【0071】
より正確には、CPU2は、システム設定・パラメータ情報SJのシステム設定・パラメータを「第2の認証情報」から「第1の認証情報」へ変更した後に、システム設定・パラメータ「第1の認証情報」を含む定型処理ID「0002」を実行しても良い。この場合、CPU2は、システム設定・パラメータ情報SJのシステム設定・パラメータを「第1の認証情報」から「第2の認証情報」へ戻すことを、遅くとも、システム設定・パラメータ「第2の認証情報」が設定されている他の定型処理、例えば、定型処理「0003」(
図6に図示。)を実行する前までに行うことが望ましい。
【0072】
〈プロセッサ、プログラムの補足説明〉
上記した実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit等)に加えて、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含む。
【0073】
上記した実施形態において、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって実現されてもよく、また、複数のプロセッサの協働によって実現されてもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記した実施形態における順序に限定されず、適宜変更してもよい。
【0074】
上記した実施形態において、プログラムPRは、第2の記憶媒体5に予め記憶(インストール)されていることに代えて、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録されて提供されてもよく、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0075】
GS 画像処理システム
TS 定型処理装置
KS 管理サーバ
NW ネットワーク
1 入力部
2 CPU
3 出力部
4 第1の記憶媒体
5 第2の記憶媒体
6 メモリ
AJ アイコン情報
TJ 定型処理情報
HG ホーム画面
AK1~AK3 アイコン
NJ1 第1の認証情報
NJ2 第2の認証情報
SJ システム・パラメータ情報
PR プログラム
SY カラー写真