(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】物品搬送車
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020112082
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安部 健史
(72)【発明者】
【氏名】浅日 一弥
(72)【発明者】
【氏名】吉山 智裕
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-168531(JP,A)
【文献】特開2016-023010(JP,A)
【文献】特開2013-206970(JP,A)
【文献】特開2010-074108(JP,A)
【文献】特開2003-128381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動経路に沿って移動して複数種類の物品を搬送する物品搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、前記収容部と当該収容部よりも下側に位置する移載対象箇所との間で前記物品の移載を行う移載機構と、前記収容部に収容された状態の前記物品が前記収容部から外側に脱落することを規制する脱落規制部と、前記収容部に収容された状態の前記物品である収容物品の種類を検出する物品検出部と、を備え、
前記移載機構は、前記物品を保持する保持部と、前記保持部を前記収容部と前記移載対象箇所との間で昇降させる昇降機構と、を備え、
前記物品には、第1種物品と、前記第1種物品よりも平面視での外形が小さい第2種物品と、の2種類が少なくとも含まれ、
前記脱落規制部は、前記収容物品の脱落を規制する規制姿勢と前記規制姿勢よりも前記収容物品から離間した離間姿勢とに姿勢変更する規制体と、前記規制体の姿勢変更を制御する規制体制御部と、を備え、
前記規制体は、前記規制姿勢において前記収容物品の下面に対向する下面対向部と、前記規制姿勢において前記収容物品の側面に対向する側面対向部と、を備え、
前記規制体制御部は、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第1種物品である場合に、前記下面対向部が上下方向に沿う上下方向視で前記第1種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部
が前記第1種物品の側面に
対して前記第1種物品の脱落を規制できる間隔で対向する位置に配置される前記規制姿勢である第1規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第2種物品である場合に、前記下面対向部が前記上下方向視で前記第2種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部
が前記第2種物品の側面に
対して前記第2種物品の脱落を規制できる間隔で対向する位置であって前記第1種物品とは重複する位置に配置される前記規制姿勢である第2規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記保持部が前記物品を保持した状態で前記昇降機構により昇降する場合に、前記保持部に保持された前記物品の移動軌跡と重複しない位置に前記規制体が配置される前記離間姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させる、物品搬送車。
【請求項2】
前記脱落規制部は、前記規制体を一対備え、
前記規制体制御部は、一対の前記規制体を互いに接近及び離間させることにより姿勢変更させる、請求項1に記載の物品搬送車。
【請求項3】
前記物品は、物品本体部と、前記物品本体部よりも上側に設けられ、前記保持部によって保持される被保持部と、を備え、
前記物品本体部の下面から前記被保持部までの寸法を物品高さとして、前記第1種物品は第1高さを有し、前記第2種物品は前記第1高さよりも小さい第2高さを有し、
前記規制体制御部は、前記第1規制姿勢及び前記第2規制姿勢の何れの状態であっても、前記被保持部から前記下面対向部の上面までの前記上下方向の距離が前記第1高さよりも大きく、前記被保持部から前記側面対向部の上端までの距離が前記第2高さよりも小さくなるように、前記規制体を配置する、請求項1又は2に記載の物品搬送車。
【請求項4】
前記物品検出部は、前記収容物品の側面の位置を検出する側面位置検出センサと、前記収容物品の下面の位置を検出する下面位置検出センサと、を備えており、前記側面位置検出センサ及び前記下面位置検出センサの双方による検出結果に基づいて前記物品の種類を検出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送車。
【請求項5】
前記物品の搬送指令を上位制御装置から取得する指令取得部を備え、
前記指令取得部が取得する前記搬送指令には、当該搬送指令に係る前記物品の種類を示す物品種類情報が含まれ、
前記規制体制御部は、前記物品種類情報に示された前記物品の種類と、前記物品検出部によって検出された前記物品の種類とが、一致している場合には、当該種類に応じた前記規制姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させ、一致していない場合には、前記第1規制姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動経路に沿って移動して複数種類の物品を搬送する物品搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許第5700255号公報(特許文献1)には、複数種類の物品それぞれに対応した複数種類の物品搬送車が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1には、物品搬送車として、ウェハ収納容器(W)の搬送専用の第1天井搬送車(B1)とレチクル収納容器(R)の搬送専用の第2天井搬送車(B2)とが開示されている。ウェハ収納容器(W)とレチクル収納容器(R)とは、互いに大きさや形状が異なるため、特許文献1に開示された技術では、上記のように種類の異なる物品搬送車を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、搬送対象の物品の種類によっては、搬送頻度が異なる場合などがあるため、それぞれを搬送する物品搬送車の使用頻度も異なってくる。そのため、より効率的な運用を図るために、複数種類の物品を同じ物品搬送車により搬送可能とすることが要望されている。これが可能になれば、設備に備えられる複数の物品搬送車の使用頻度の均一化を図ることができ、効率的な運用が可能となる。しかし、物品搬送車による物品の搬送中には、当該物品搬送車からの物品の脱落を規制するための措置がとられるのが一般的であるが、上記のように大きさや形状が異なる複数種類の物品を搬送可能な物品搬送車を実現しようとする場合、複数種類の物品のそれぞれに対応した脱落規制の措置が必要となる。
【0006】
上記実状に鑑みて、複数種類の物品を搬送可能な物品搬送車において、それら複数種類の物品のそれぞれについて搬送中に脱落することを適切に規制できる技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
移動経路に沿って移動して複数種類の物品を搬送する物品搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、前記収容部と当該収容部よりも下側に位置する移載対象箇所との間で前記物品の移載を行う移載機構と、前記収容部に収容された状態の前記物品が前記収容部から外側に脱落することを規制する脱落規制部と、前記収容部に収容された状態の前記物品である収容物品の種類を検出する物品検出部と、を備え、
前記移載機構は、前記物品を保持する保持部と、前記保持部を前記収容部と前記移載対象箇所との間で昇降させる昇降機構と、を備え、
前記物品には、第1種物品と、前記第1種物品よりも平面視での外形が小さい第2種物品と、の2種類が少なくとも含まれ、
前記脱落規制部は、前記収容物品の脱落を規制する規制姿勢と前記規制姿勢よりも前記収容物品から離間した離間姿勢とに姿勢変更する規制体と、前記規制体の姿勢変更を制御する規制体制御部と、を備え、
前記規制体は、前記規制姿勢において前記収容物品の下面に対向する下面対向部と、前記規制姿勢において前記収容物品の側面に対向する側面対向部と、を備え、
前記規制体制御部は、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第1種物品である場合に、前記下面対向部が上下方向に沿う上下方向視で前記第1種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部が前記第1種物品の側面に対して前記第1種物品の脱落を規制できる間隔で対向する位置に配置される前記規制姿勢である第1規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第2種物品である場合に、前記下面対向部が前記上下方向視で前記第2種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部が前記第2種物品の側面に対して前記第2種物品の脱落を規制できる間隔で対向する位置であって前記第1種物品とは重複する位置に配置される前記規制姿勢である第2規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記保持部が前記物品を保持した状態で前記昇降機構により昇降する場合に、前記保持部に保持された前記物品の移動軌跡と重複しない位置に前記規制体が配置される前記離間姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させる。
【0008】
本構成によれば、規制体制御部によって、規制体を第1規制姿勢と第2規制姿勢と離間姿勢とに姿勢変更することができる。規制体が第1規制姿勢の状態においては、下面対向部が上下方向視で第1種物品に重複する位置に配置されると共に、側面対向部が上下方向視で第1種物品の側面に沿う位置に配置されるため、下面対向部及び側面対向部によって第1種物品の脱落を適切に規制できる。また、規制体が第2規制姿勢の状態においては、下面対向部が上下方向視で第2種物品に重複する位置に配置されると共に、側面対向部が上下方向視で第2種物品の側面に沿う位置であって第1種物品とは重複する位置に配置されるため、下面対向部及び側面対向部によって第2種物品の脱落を適切に規制できる。ここで、第2規制姿勢では、側面対向部が、第1種物品と重複するほど第2種物品の側面に近い位置に配置されることから、第1種物品よりも平面視での外形が小さい第2種物品の脱落をより適切に規制できる。従って、本構成によれば、物品の種類に関係無く、搬送中における物品の脱落を適切に規制できる。さらに、規制体が離間姿勢の状態では、保持部に保持された物品が第1種物品であっても第2種物品であっても、それらの昇降移動軌跡と重複しない位置に規制体が配置されるため、保持部を収容部と移載対象箇所との間で昇降させる場合に、規制体が妨げとならないようにできる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】物品検出部による検出結果と物品の種類との関係を示す表
【
図7】規制体の第1規制姿勢と第2規制姿勢とを示す説明図
【
図9】その他の実施形態において、物品検出部による検出結果と物品の種類との関係を示す表
【
図10】その他の実施形態において、規制体の動作を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
物品搬送車の実施形態について図面を参照して説明する。以下では、物品搬送車が、物品の搬送が行われる物品搬送設備に適用される場合を例示して、本実施形態に係る物品搬送車について説明する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備は、物品8を搬送する物品搬送車Vと、設備の天井近くに設置され、物品搬送車Vの移動経路Rを構成するレールRaと、物品搬送車Vとの間で物品8の移載が行われる移載対象箇所9と、を備えている。
【0013】
移載対象箇所9には、物品8に対する処理を行う処理装置91と、処理装置91に隣接して配置され、物品8を支持する支持台92と、が設けられている。本実施形態では、物品搬送車Vは、処理装置91による処理が行われる前の物品8を、図外の搬送元から支持台92に搬送すると共に、処理装置91による処理が行われた後の物品8を、支持台92から図外の搬送先に搬送する。本実施形態では、物品8は、処理装置91による処理の対象となる処理対象物を収納する容器であり、上述の「物品8に対する処理」とは、物品8に収納された処理対象物に対する処理を意味する。例えば、物品8としては、ウェハを収納するウェハ収納容器(いわゆるFOUP:Front Opening Unified Pod)であっても良いし、レチクルを収容するレチクル収納容器(いわゆるレチクルポッド)であっても良い。物品8がFOUPである場合、処理対象物はウェハとされる。物品8がレチクルポッドである場合、処理対象物はレチクルとされる。
【0014】
以下、
図1~
図3を参照して、物品搬送車Vの構成について詳細に説明する。なお、以下では、物品搬送車Vが移動経路Rに沿って物品8を搬送する方向を「搬送方向X」とする。そして、搬送方向Xに対して上下方向に沿う上下方向視で交差する方向を「交差方向Y」とする。本例では、交差方向Yは、搬送方向Xに対して上下方向視で直交する方向である。なお、搬送方向Xを第1方向、交差方向Yを第2方向とそれぞれ言い換えても良い。第1方向と第2方向とは上下方向視で互いに交差する方向である。
【0015】
物品搬送車Vは、移動経路Rに沿って移動して複数種類の物品8を搬送する。物品搬送車Vは、物品8を収容する収容部2と、収容部2と当該収容部2よりも下側に位置する移載対象箇所9との間で物品8の移載を行う移載機構4と、を備えている。本実施形態では、物品搬送車Vは、走行機構1と、収容部2を覆うカバー3と、を更に備えている。
【0016】
走行機構1は、レールRa上を転動する走行車輪10と、走行車輪10を駆動する走行用モータM1(
図6参照)と、を備えている。図示の例では、複数の走行車輪10が、物品搬送車Vに備えられている。走行用モータM1は、複数の走行車輪10のうち少なくとも1つを駆動して、物品搬送車Vが搬送方向Xに沿って走行するための推進力を付与する。
【0017】
カバー3は、走行機構1によって吊下げ支持されている。レールRaに対して上側に走行機構1が配置され、レールRaに対して下側にカバー3が配置されている。本実施形態では、カバー3は、収容部2の上側及び搬送方向Xの両側を覆っている。本例では、カバー3は、収容部2の上側を覆う上側カバー部30と、収容部2における搬送方向Xの一方側を覆う第1カバー部31と、収容部2における搬送方向Xの他方側を覆う第2カバー部32と、を備えている。第1カバー部31及び第2カバー部32のそれぞれは、収容部2に収容された物品8における搬送方向Xを向く面に対して対向するように配置される。収容部2に対して交差方向Yの両側は、カバー3が配置されておらず、開放されている。
【0018】
移載機構4は、物品8を保持する保持部41と、保持部41を収容部2と移載対象箇所9との間で昇降させる昇降機構42と、を備えている。本実施形態では、移載機構4は、保持部41を交差方向Yに沿って移動させるスライド機構43と、保持部41を上下軸心まわりに旋回させる旋回機構44と、を更に備えている。
【0019】
保持部41は、一対の把持爪411と、一対の把持爪411を互いに接近離間させる把持用モータM41(
図6参照)と、を備えている。そして、保持部41は、把持用モータM41の駆動により一対の把持爪411を互いに接近又は離間させることで、一対の把持爪411が物品8を把持する把持状態と、当該把持状態を解除する把持解除状態と、を切り換えるように構成されている。本実施形態では、物品8は、物品本体部8bと、物品本体部8bよりも上側に設けられた被保持部8gと、を備えている。そして、保持部41は、物品8における被保持部8gを保持することで、より詳細には、被保持部8gを一対の把持爪411によって把持することで、物品8を保持するように構成されている。
【0020】
スライド機構43は、収容部2に対して交差方向Yに沿って移動するスライド体431と、スライド体431を交差方向Yに沿って移動させるスライド用モータM43(
図6参照)と、を備えている。スライド機構43は、スライド用モータM43の駆動によりスライド体431を交差方向Yに沿って移動させることで、昇降機構42並びに保持部41及び保持部41に保持された物品8を交差方向Yに沿って移動させるように構成されている。例えば、移載対象箇所9における支持台92が移動経路Rに対して交差方向Yにずれた位置に配置されている場合、保持部41に保持された物品8を交差方向Yに沿って移動させることで、物品8を支持台92に対して上下方向視で重複する位置に配置することができる。これにより、昇降機構42による、支持台92への物品8の移載を適切に行うことができるようになる。
【0021】
旋回機構44は、スライド体431に対して上下軸心まわりに旋回自在に支持された旋回体441と、旋回体441を上下軸心まわりに旋回させる旋回用モータM44(
図6参照)と、を備えている。旋回機構44は、旋回用モータM44の駆動により旋回体441を旋回させることで、保持部41及び保持部41に保持された物品8を上下軸心まわりに沿って旋回させるように構成されている。保持部41に保持された物品8を旋回させることで、物品8が移載対象箇所9に対して適した方向に向くようにできる。例えば、物品8がFOUPである場合には、その前面に、処理対象物を出し入れするための開口部が設けられている。この場合、当該開口部が処理装置91に対向するように、旋回機構44によって物品8の向きが変更される。これにより、処理装置91に対して適切な向きで、物品8を支持台92に載置することができる。
【0022】
昇降機構42は、旋回体441に支持されたプーリ421と、プーリ421に巻回されて先端部に保持部41が連結されたベルト422と、プーリ421を回転させてベルト422を駆動する昇降用モータM42(
図6参照)と、を備えている。昇降機構42は、昇降用モータM42の駆動によりプーリ421を正転方向に回転させて、ベルト422を巻き取ることで、保持部41及び保持部41に保持された物品8を上昇させる。また、昇降機構42は、昇降用モータM42の駆動によりプーリ421を逆転方向に回転させて、ベルト422を繰り出すことで、保持部41及び保持部41に保持された物品8を下降させる。昇降機構42が保持部41に保持された物品8を昇降させることで、収容部2よりも下側に配置された支持台92(移載対象箇所9)との間で物品8を移載することが可能となっている。
【0023】
図3に示すように、物品搬送車Vは、収容部2に収容された状態の物品8が収容部2から外側に脱落することを規制する脱落規制部5と、収容部2に収容された状態の物品8である収容物品8の種類を検出する物品検出部Sと、を備えている。
【0024】
ここで
図4に示すように、物品8には、第1種物品81と、第1種物品81よりも平面視での外形が小さい第2種物品82と、の2種類が少なくとも含まれる。上述のように、物品8は、物品本体部8bと被保持部8gとを備えている。本実施形態では、物品本体部8bの水平方向の寸法を物品幅として、第1種物品81は第1幅W1を有し、第2種物品82は第1幅W1よりも小さい第2幅W2を有している。本明細書において「物品幅」は、物品8が収容部2に収容されて走行機構1によって搬送される際の搬送姿勢とされた状態での、物品本体部8bの搬送方向Xに沿う寸法により定義される。すなわち、物品本体部8bにおける搬送方向Xの一方側を向く側面8sと、搬送方向Xの他方側を向く側面8sとの間の距離が、物品幅とされる。「物品本体部8bの側面8s」は、物品8の側面8sに相当し、以下では、物品本体部8bの側面8sと物品8の側面8sとを同義のものであるとして説明する。なお、本実施形態では、第1種物品81の物品本体部8bと第2種物品82の物品本体部8bとの双方は、平面視で矩形状、より詳細には、正方形状に形成される。従って、本例において物品8は、互いに搬送方向Xにおける反対側を向く一対の側面8sと、互いに交差方向Yにおける反対側を向く一対の側面8sと、を有している(
図8も参照)。そして、搬送方向Xにおける反対側を向く一対の側面8sの距離と、交差方向Yにおける反対側を向く一対の側面8sの距離とは、同じである。ここで、搬送姿勢における物品8の向きは、搬送元又は搬送先の処理装置91の向きに応じて変更される場合がある。以下では、2対の側面8sを互いに区別する必要がある場合には、搬送姿勢での物品8の向きを基準として、搬送方向Xにおける反対側を向く一対の側面8sを単に側面8sと称し、交差方向Yにおける反対側を向く一対の側面8sを前面8f及び背面8rと称する。なお、物品本体部8bの平面視での形状は、多角形状、円形状、或いは楕円形状など、様々な形状であって良い。
【0025】
また、本実施形態では、物品本体部8bの下面8dから被保持部8gまでの寸法を物品高さとして、第1種物品81は第1高さH1を有し、第2種物品82は第1高さH1よりも小さい第2高さH2を有している。本実施形態では、被保持部8gは、物品本体部8bの上面から上方に突出すると共にフランジ状に形成されたフランジ部とされる。本明細書において「物品高さ」は、物品本体部8bの下面8dから被保持部8gにおける上端までの上下方向の寸法により定義される。なお、「物品本体部8bの下面8d」は、物品8の下面8dに相当し、以下では、物品本体部8bの下面8dと物品8の下面8dとを同義のものであるとして説明する。
【0026】
本実施形態では、物品検出部Sは、収容物品8の側面8sの位置を検出する側面位置検出センサSwと、収容物品8の下面8dの位置を検出する下面位置検出センサShと、を備えており、側面位置検出センサSw及び下面位置検出センサShの双方による検出結果に基づいて物品8の種類を検出する。
【0027】
本実施形態では、側面位置検出センサSwは、収容物品8の側面8sの位置を検出することにより、収容物品8の物品幅を検出する。具体的には、側面位置検出センサSwは、カバー3に取り付けられて収容部2に配置されている。本例では、側面位置検出センサSwは、カバー3における第1カバー部31又は第2カバー部32に取り付けられる。側面位置検出センサSwは、距離センサとして構成されており、収容部2に配置された収容物品8の側面8sまでの距離を検出する。ここで、保持部41は収容部2に配置されており、保持部41に保持された状態の収容物品8の水平方向の中心位置(
図4において被保持部8gを通る一点鎖線で示される位置)は、保持部41の位置に対応しているため既知である。側面位置検出センサSwは、当該側面位置検出センサSwから収容物品8の側面8sまでの距離と、当該収容物品8の水平方向における中心位置とに基づいて、収容物品8の物品幅を検出する。そして、側面位置検出センサSwにより検出された収容物品8の物品幅に基づいて、当該収容物品8が、第1幅W1の物品幅を有する第1種物品81であるか、第2幅W2の物品幅を有する第2種物品82であるかを検出可能となっている。なお、側面位置検出センサSwは、第1種物品81及び第2種物品82以外の収容物品8の物品幅を検出することもできる。例えば本例では、
図5に示すように、側面位置検出センサSwは、第N種物品の物品幅Wnを検出することもできる。なお、側面位置検出センサSwを構成する距離センサとしては、例えば、レーザセンサ、光センサ、超音波センサなど、公知のセンサを用いることができる。
【0028】
本実施形態では、下面位置検出センサShは、収容物品8の下面位置を検出することにより、収容物品8の物品高さを検出する。具体的には、下面位置検出センサShは、カバー3に取り付けられて収容部2に配置されている。本例では、下面位置検出センサShは、カバー3における第1カバー部31又は第2カバー部32に取り付けられる。下面位置検出センサShは、光軸の遮断の有無により検出位置における遮光物体の有無を検出するオンオフセンサとして構成されている。そして、下面位置検出センサShは、収容部2に配置された各種類の収容物品8の下面8dの上下方向の位置に応じた位置を検出位置として、当該検出位置における収容物品8の有無を検出する。下面位置検出センサShは、上下方向の各検出位置において、収容部2における水平方向の全域を横切るように水平方向に沿って検出光を投光する。保持部41によって保持された収容物品8の被保持部8gの上下方向の位置は既知であるため、各種類の収容物品8の下面8dの上下方向の位置も既知である。従って、下面位置検出センサShは、各種類の収容物品8の下面8dの上下方向の位置に応じて設定された複数の検出位置における、収容物品8の有無の検出結果に基づいて、当該収容物品8が、第1高さH1の物品高さを有する第1種物品81であるか、第2高さH2の物品高さを有する第2種物品82であるかを検出可能となっている。
【0029】
本実施形態では、下面位置検出センサShは、物品高さに沿う方向(上下方向)に並んで配置された複数のセンサを備えている。図示の例では、下面位置検出センサShは、第1センサSh1と、第1センサSh1よりも下側に配置された第2センサSh2と、を備えている。上記のとおり、物品搬送車Vが搬送可能な物品8の種類は、予め設定されているため、第1センサSh1と第2センサSh2とは、予め定められた物品8の種類に応じた物品高さを検出可能な位置に配置される。より具体的には、第1センサSh1は、第1種物品81と第2種物品82とのいずれによっても遮光される位置を検出位置とするように配置され、第2センサSh2は、第1種物品81によって遮光されるが第2種物品82によっては遮光されない位置を検出位置とするように配置されている。
【0030】
下面位置検出センサShは、第1センサSh1と第2センサSh2との検出結果に基づいて、収容物品8の物品高さを検出する。例えば本例では、
図4及び
図5に示すように、第1センサSh1により投光された検出光が遮断された場合(検出結果:ON)であって、第2センサSh2により投光された検出光が遮断された場合(検出結果:ON)には、下面位置検出センサShは、収容物品8の物品高さが第1高さH1であることを検出する。また、第1センサSh1により投光された検出光が遮断された場合(検出結果:ON)であって、第2センサSh2により投光された検出光が遮断されていない場合(検出結果:OFF)には、下面位置検出センサShは、収容物品8の物品高さが第2高さH2であることを検出する。これにより、下面位置検出センサShは、第1種物品81の物品高さである第1高さH1、及び第2種物品82の物品高さである第2高さH2を検出可能となっている。なお、
図5に示す例では、第1センサSh1により投光された検出光、及び、第2センサSh2により投光された検出光の双方が遮断されていない場合(検出結果:OFF)には、下面位置検出センサShは、収容物品8の物品高さが、第1高さH1及び第2高さH2以外の高さであり第2高さH2よりも小さな高さであることを検出する。この図示の例では、第1センサSh1及び第2センサSh2の検出結果が「OFF」である場合、収容物品8が、第1種物品81及び第2種物品82以外の物品8である第N種物品であることを検出する。
【0031】
図6~
図8に示すように、脱落規制部5は、収容物品8の脱落を規制する規制姿勢Arと規制姿勢Arよりも収容物品8から離間した離間姿勢Adとに姿勢変更する規制体51と、規制体51の姿勢変更を制御する規制体制御部52と、を備えている。本実施形態では、脱落規制部5は、規制体51を駆動する規制体駆動機構53(
図8参照)を更に備えている。そして、規制体制御部52は、規制体駆動機構53を制御することにより、規制体51の姿勢変更を制御する。本実施形態では、脱落規制部5は、規制体51を一対備えている。規制体制御部52は、一対の規制体51を互いに接近及び離間させることにより姿勢変更させる。
【0032】
図3に示すように、一対の規制体51は、カバー3に設けられており、収容部2を挟んで互いに離間して配置されている。本例では、一対の規制体51のうち一方は、カバー3における第1カバー部31に取り付けられ、一対の規制体51のうち他方は、カバー3における第2カバー部32に取り付けられている。本実施形態では、一対の規制体51は、互いに同構造となっている。以下、規制体51の構造について説明する場合には、特に断らない限り、一対の規制体51のそれぞれの構造について説明しているものとする。
【0033】
図7及び
図8に示すように、規制体51は、規制姿勢Arにおいて収容物品8の下面8dに対向する下面対向部511と、規制姿勢Arにおいて収容物品8の側面8sに対向する側面対向部512と、を備えている。本実施形態では、下面対向部511は、水平方向に沿う板状に形成されている。側面対向部512は、下面対向部511と一体的に形成され、下面対向部511の上面から上方に突出するように形成されている。本例では、側面対向部512は、板状に形成されている。側面対向部512は、規制体51の規制姿勢Arにおいて、その板面が収容物品8における側面8sを向くように配置されている。本実施形態では、側面対向部512は、下面対向部511に複数設けられている。複数の側面対向部512は、搬送方向Xにおける同じ位置において、交差方向Yに並ぶように離間して配置されている。これにより、物品8の交差方向Yの幅が種類に応じて異なっていても、交差方向Yに並ぶ複数の側面対向部512のうち少なくとも1つを、収容物品8の側面8sに対向させて配置することができる。
【0034】
上記のとおり、交差方向Yにおける反対側を向く一対の側面8sを前面8f及び背面8rと称する。
図8に示すように、本実施形態では、規制体51は、規制姿勢Arにおいて収容物品8の前面8fに対向する前面対向部513と、規制姿勢Arにおいて収容物品8の背面8rに対向する背面対向部514と、を更に備えている。前面対向部513及び背面対向部514は、下面対向部511と一体的に形成され、 下面対向部511の上面から上方に突出するように形成されている。本例では、前面対向部513及び背面対向部514は、板状に形成されている。前面対向部513は、規制体51の規制姿勢Arにおいて、その板面が収容物品8における前面8fを向くように配置されている。背面対向部514は、規制体51の規制姿勢Arにおいて、その板面が収容物品8における背面8rを向くように配置されている。本実施形態では、一対の規制体51のうち一方に前面対向部513が形成され、一対の規制体51のうち他方に背面対向部514が形成されている。但し、一対の規制体51のそれぞれに、前面対向部513及び背面対向部514の双方が形成されていても良い。なお、
図7では、説明の便宜上、前面対向部513及び背面対向部514を省略している。
【0035】
本実施形態では、脱落規制部5は、規制体51を駆動する規制体駆動機構53を備えている。規制体駆動機構53は、規制体51を駆動することにより、規制体51の姿勢変更を行う。本例では、規制体駆動機構53は、複数のリンクを備えたリンク機構として構成されている。複数のリンクのそれぞれは、上下軸心に沿う回転軸53Axまわりに回転するように構成されている。本実施形態では、規制体駆動機構53は、互いに離間して配置された一対のリンク531を備えている。一対のリンク531それぞれに回転軸53Axに連結された回転軸部と、規制体51に連結された連結部とが設けられている。一対のリンク531のうち少なくとも1つは、駆動モータM53に連結された駆動リンクとされ、当該駆動モータM53に駆動されて回転する。駆動リンクであるリンク531の回転により、これに連結された規制体51及び、規制体51に連結された他のリンク531に駆動力が伝達される。これにより、規制体51が、水平面に沿って揺動する。より具体的には、規制体51は、回転軸53Axまわりに旋回するように、
図8に示す矢印の方向に揺動する。これにより、規制体51は、搬送方向X及び交差方向Yの双方に移動可能となっている。
【0036】
このように、本実施形態では、規制体51は、水平面に沿って揺動し、搬送方向X及び交差方向Yの双方に移動するように構成されている。本実施形態では、規制体51は、搬送方向X(第1方向)及び交差方向Y(第2方向)の双方に、物品8の種類に応じて異なる移動量で移動して、規制姿勢Arと離間姿勢Adとに姿勢変更する。規制体51が、搬送方向Xに収容物品8の種類に応じて異なる移動量で移動することで、収容物品8の種類に関わらず、下面対向部511を収容物品8の下面8dに対して適切な位置に配置できると共に、側面対向部512を収容物品8の側面8sに対して適切な位置に配置できる。そして、規制体51が、交差方向Yに収容物品8の種類に応じて異なる移動量で移動することで、収容物品8の種類に関わらず、前面対向部513を収容物品8の前面8fに対して適切な位置に配置できると共に、背面対向部514を収容物品8の背面8rに対して適切な位置に配置できる。
【0037】
次に、物品搬送車Vの制御構成について
図6を参照して説明する。
【0038】
本実施形態では、物品搬送設備は、設備全体を管理する上位制御装置Ctを備えており、物品搬送車Vは、当該物品搬送車Vの各部を制御する下位制御装置Cvを備えている。上位制御装置Ctと下位制御装置Cvとは、相互に通信可能に構成されている。上位制御装置Ct及び下位制御装置Cvは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0039】
上位制御装置Ctは、物品8の搬送指令を下位制御装置Cvに送信する。本実施形態では、物品搬送車Vは、物品8の搬送指令を上位制御装置Ctから取得する指令取得部6を備えている。上位制御装置Ctからの搬送指令を取得した指令取得部6は、取得した搬送指令を下位制御装置Cvに送信し、下位制御装置Cvは、当該搬送指令に従って物品搬送車Vを制御して物品8を搬送する。指令取得部6が取得する搬送指令には、当該搬送指令に係る物品8の搬送元を示す搬送元情報、及び、搬送先を示す搬送先情報が含まれる。更に本実施形態では、この搬送指令には、当該搬送指令に係る物品8の種類を示す物品種類情報が含まれる。すなわち本例では、上位制御装置Ctは、搬送元と搬送先とを指定して、第1種物品81、第2種物品82、或いはそれ以外の物品8(例えば第N種物品)を搬送する搬送指令を、指令取得部6を介して下位制御装置Cvに送信する。
【0040】
搬送指令を受けた下位制御装置Cvは、走行機構1と移載機構4とを制御して、当該搬送指令に係る物品8の搬送及び移載を行う。本実施形態では、下位制御装置Cvは、走行用モータM1、把持用モータM41、昇降用モータM42、スライド用モータM43、旋回用モータM44の一部又は全部を制御して、搬送指令に係る物品8の搬送及び移載を行う。
【0041】
規制体制御部52は、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果を取得するように構成されている。本実施形態では、規制体制御部52は、下位制御装置Cvを介して、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果を取得するように構成されている。具体的には、
図6に示すように、下位制御装置Cvは、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果を取得する。そして、下位制御装置Cvは、物品検出部Sからの検出結果を規制体制御部52に送信する。これにより、規制体制御部52は、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果を取得する。
【0042】
規制体制御部52は、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果に基づいて規制体駆動機構53(駆動モータM53)を制御する。そして、規制体制御部52は、規制体駆動機構53を制御することにより、規制体51の姿勢を、第1規制姿勢Ar1、第2規制姿勢Ar2、又は離間姿勢Adに変更する(
図7及び
図8参照)。
【0043】
図7の上図に示すように、規制体制御部52は、物品検出部Sによって検出された収容物品8の種類が第1種物品81である場合に、下面対向部511が上下方向視で第1種物品81に重複する位置に配置されると共に側面対向部512が上下方向視で第1種物品81の側面8sに沿う位置に配置される規制姿勢Arである第1規制姿勢Ar1となるように、規制体51を姿勢変更させる。これにより、下面対向部511及び側面対向部512によって第1種物品81の脱落を適切に規制できる。本実施形態では、第1規制姿勢Ar1では、前面対向部513が上下方向視で第1種物品81の前面8fに沿う位置に配置され、背面対向部514が上下方向視で第1種物品81の背面8rに沿う位置に配置される(
図8参照)。これにより、収容物品8が第1種物品81である場合において、第1種物品81の各面に対向するように規制体51の各部を配置することができ、第1種物品81の収容部2からの脱落を更に適切に規制することができる。
【0044】
また、
図7の下図に示すように、規制体制御部52は、物品検出部Sによって検出された収容物品8の種類が第2種物品82である場合に、下面対向部511が上下方向視で第2種物品82に重複する位置に配置されると共に側面対向部512が上下方向視で第2種物品82の側面8sに沿う位置であって第1種物品81とは重複する位置に配置される規制姿勢Arである第2規制姿勢Ar2となるように、規制体51を姿勢変更させる。これにより、下面対向部511及び側面対向部512によって第2種物品82の脱落を適切に規制できる。なお、第2規制姿勢Ar2では、側面対向部512が上下方向視で第2種物品82とは重複せず、第1種物品81とは重複する位置に配置される。これにより、側面対向部512が上下方向視で第1種物品81及び第2種物品82の双方と重複しない位置に配置される場合に比べて、第2規制姿勢Ar2での側面対向部512と第2種物品82の側面8sとの対向間隔を近くすることができる。従って、側面対向部512によって第2種物品82の脱落を適切に規制できる。本実施形態では、第2規制姿勢Ar2では、上記の第1規制姿勢Ar1の場合と同様に、前面対向部513が上下方向視で第2種物品82の前面8fに沿う位置に配置され、背面対向部514が上下方向視で第2種物品82の背面8rに沿う位置に配置される(
図8参照)。これにより、収容物品8が第2種物品82である場合において、第2種物品82の各面に対向するように規制体51の各部を配置することができ、第2種物品82の収容部2からの脱落を更に適切に規制することができる。
【0045】
また、
図1及び
図8に示すように、規制体制御部52は、保持部41が物品8を保持した状態で昇降機構42により昇降する場合に、保持部41に保持された物品8の移動軌跡と重複しない位置に規制体51が配置される離間姿勢Adとなるように規制体51を姿勢変更させる。これにより、規制体51が離間姿勢Adの状態では、保持部41に保持された物品8が第1種物品81であっても第2種物品82であっても、それらの昇降移動軌跡と重複しない位置に規制体51が配置されるため、保持部41を収容部2と移載対象箇所9との間で昇降させる場合に、規制体51が妨げとならないようにできる。
【0046】
本実施形態では、
図6に示すように、規制体制御部52は、指令取得部6が取得する搬送指令に含まれる物品種類情報と、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果とに基づいて、規制体51を姿勢変更させる。これにより、物品8の種類に関して、異なる情報元から取得される2つの情報に基づいて規制体51を動作させることができ、物品8の種類に応じた確実性の高い動作を規制体に行わせることができる。なお、本例では、規制体制御部52は、下位制御装置Cvを介して、搬送指令に含まれる物品種類情報を指令取得部6から取得する。
【0047】
そして、規制体制御部52は、物品種類情報に示された物品8の種類と、物品検出部Sによって検出された物品8の種類とが、一致している場合には、当該種類に応じた規制姿勢Arとなるように規制体51を姿勢変更させる。例えば、物品種類情報に示された物品8の種類が第1種物品81であり、物品検出部Sによって検出された物品8の種類も第1種物品81である場合には、規制体制御部52は、規制体51を第1規制姿勢Ar1に姿勢変更させる(
図7上図参照)。また、物品種類情報に示された物品8の種類が第2種物品82であり、物品検出部Sによって検出された物品8の種類も第2種物品82である場合には、規制体制御部52は、規制体51を第2規制姿勢Ar2に姿勢変更させる(
図7下図参照)。
【0048】
ここで、規制体51は、第2規制姿勢Ar2の状態では、収容物品8が第1種物品81である場合に、当該第1種物品81と重複する位置に配置される。そのため、収容物品8の種類が第1種物品81の場合に誤って規制体51を第2規制姿勢Ar2にすると、規制体51が収容物品8(第1種物品81)に干渉することになる。しかし、規制体51の第1規制姿勢Ar1は、第2種物品82よりも外形の大きな第1種物品81に対応した姿勢である。そのため、規制体51が第1規制姿勢Ar1の状態では、収容物品8が第1種物品81及び第2種物品82の何れの場合であっても、規制体51は当該収容物品8に干渉することはない。
【0049】
そこで本実施形態では、規制体制御部52は、物品種類情報に示された物品8の種類と、物品検出部Sによって検出された物品8の種類とが、一致していない場合には、第1規制姿勢Ar1となるように規制体51を姿勢変更させる。すなわち本実施形態では、物品種類情報に示された物品8の種類が第1種物品81であるにもかかわらず、物品検出部Sによって検出された物品8の種類が第2種物品82である場合、及び、物品種類情報に示された物品8の種類が第2種物品82であるにもかかわらず、物品検出部Sによって検出された物品8の種類が第1種物品81である場合には、規制体制御部52は、規制体51を第1規制姿勢Ar1に姿勢変更させる(
図7上図参照)。これにより、実際の収容物品8が第1種物品81及び第2種物品82の何れであっても、当該収容物品8に規制体51が干渉することを確実に防止できる。
【0050】
本実施形態では、
図7に示すように、規制体制御部52は、第1規制姿勢Ar1及び第2規制姿勢Ar2の何れの状態であっても、収容物品8の被保持部8gから下面対向部511の上面までの上下方向の距離(以下、下端距離Ddと称する。)が第1高さH1よりも大きく、収容物品8の被保持部8gから側面対向部512の上端までの距離(以下、上端距離Duと称する。)が第2高さH2よりも小さくなるように、規制体51を配置する。すなわち、規制体51が第1規制姿勢Ar1及び第2規制姿勢Ar2の何れの状態であっても、下端距離Ddは第1高さH1よりも大きく、上端距離Duは第2高さH2よりも小さい。換言すれば、規制体51が第1規制姿勢Ar1及び第2規制姿勢Ar2の何れの状態であっても、下面対向部511の上面は収容物品8(第1種物品81及び第2種物品82)の下面8dよりも下側に配置され、側面対向部512の上端は収容物品8(第1種物品81及び第2種物品82)の下面8dよりも上側に配置される。
【0051】
上述のように本例では、規制体51は、水平面に沿って移動するように構成されており、上下方向には移動しない。従って、下面対向部511の上面の位置は、物品搬送車Vによって搬送される複数種類の物品8のうち、物品高さが最大となる物品8(本例では第1種物品81)に合わせて、規制姿勢Arにおいて当該物品8の下面8dよりも下側に配置されるように設定される。そして、側面対向部512の上端の位置は、物品搬送車Vによって搬送される複数種類の物品8のうち、物品高さが最小となる物品8(本例では第2種物品82)に合わせて、規制姿勢Arにおいて当該物品8の下面8dよりも上側に配置されるように設定される。上記の構成によれば、互いに物品高さの異なる第1種物品81と第2種物品82とのそれぞれに合わせて規制体51の上下方向の位置を変更する必要が無いため、規制体制御部52の構成を簡略化することができる。そして、規制体51の上下方向の位置を変更することなく、規制体51が第1規制姿勢Ar1及び第2規制姿勢Ar2の何れの状態であっても、下面対向部511と側面対向部512とを第1種物品81又は第2種物品82の脱落を規制するための適切な位置に配置することができる。
【0052】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送車のその他の実施形態について説明する。
【0053】
(1)上記の実施形態では、物品8には、第1種物品81と第2種物品82との2種類が少なくとも含まれる例について説明した。従って、物品8の種類は、3種類以上であっても良い。例えば、
図9に示すように、側面位置検出センサSwによる検出結果と下面位置検出センサShによる検出結果との組み合わせに応じて検出可能な、物品幅や物品高さが異なる3種類以上の物品8が含まれていても良い。
図9における縦の列には、例えば、互いに物品幅が等しく、物品高さがそれぞれ異なる第10種物品、第11種物品、第12種物品…が示されている。
図9における横の列には、例えば、互いに物品高さが等しく、物品幅がそれぞれ異なる第10種物品、第20種物品…が示されている。
【0054】
(2)上記の実施形態では、規制体51が、水平面に沿って揺動し、搬送方向X(第1方向)及び交差方向Y(第2方向)の双方に移動するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制体51は、搬送方向Xにのみ移動するように構成されていても良い。或いは、規制体51は、例えば
図10に示すように、搬送方向Xや交差方向Yに加えて、上下方向にも移動するように構成されていても良い。規制体51が移動可能な方向は、規制体51を駆動する規制体駆動機構53の構造により定まる。
【0055】
(3)上記の実施形態では、物品検出部Sが、収容物品8の側面8sの位置を検出する側面位置検出センサSwと、収容物品8の下面8dの位置を検出する下面位置検出センサShとによって、物品8の種類を検出する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、物品検出部Sは、収容物品8の重量を検出する重量検出センサを備え、重量検出センサによって検出された収容物品8の重量に基づいて物品8の種類を検出しても良い。この場合、物品搬送車Vは、搬送対象となり得る複数種類の物品8それぞれの重量を重量情報として記憶した記憶部を備え、記憶部に記憶された重量情報と重量検出センサによって検出された収容物品8の重量とに基づいて、当該収容物品8の種類を特定すると良い。
【0056】
(4)上記の実施形態では、側面位置検出センサSwが、距離センサとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、側面位置検出センサSwは、光軸の遮断の有無により検出位置における遮光物体の有無を検出するオンオフセンサとして構成されていても良い。また、上記の実施形態では、側面位置検出センサSwが、カバー3における第1カバー部31又は第2カバー部32に取り付けられる例について説明したが、上記のように側面位置検出センサSwが複数のオンオフセンサを備えて構成されている場合には、例えば側面位置検出センサSwはカバー3における上側カバー部30に取り付けられていると良い。この場合、複数のオンオフセンサは、収容物品8の物品幅(搬送方向X)に沿う方向に並んで配置され、収容物品8の側面8sの位置を検出するように構成されていると良い。
【0057】
(5)上記の実施形態では、下面位置検出センサShは、光軸の遮断の有無により検出位置における遮光物体の有無を検出するオンオフセンサとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、下面位置検出センサShは、距離センサとして構成されていても良い。この場合、下面位置検出センサShは、収容物品8の下面8dに対して交差する方向に検出光を投光するように構成されると良い。そして、下面位置検出センサShは、当該下面位置検出センサShから収容物品8の下面8dまでの距離を検出し、この距離と、保持部41の位置により既知である被保持部8gの上下方向の位置とに基づいて、収容物品8の物品高さを検出する。
【0058】
(6)上記の実施形態では、側面対向部512が、下面対向部511と一体的に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、側面対向部512と下面対向部511とは、別々に形成されていても良い。この場合、側面対向部512と下面対向部511とは、それぞれ別の駆動機構によって駆動されても良い。
【0059】
(7)上記の実施形態では、側面対向部512が板状に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、側面対向部512は、多角柱状や円柱状に形成されていても良いし、或いは、ブロック状に形成されていても良い。
【0060】
(8)上記の実施形態では、規制体駆動機構53が、複数のリンクを備えたリンク機構として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制体駆動機構53は、リンク機構以外の公知の機構で構成されていても良い。例えば、規制体駆動機構53は、ボールねじ等を備えた直動機構として構成されていても良い。
【0061】
(9)上記の実施形態では、脱落規制部5が、規制体51を一対備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、脱落規制部5は、規制体51を1つのみ備え、或いは、3つ以上備えていても良い。
【0062】
(10)上記の実施形態では、規制体51が第1規制姿勢Ar1及び第2規制姿勢Ar2の何れの状態であっても、収容物品8の被保持部8gから下面対向部511の上面までの上下方向の距離(下端距離Dd)が第1高さH1よりも大きく、収容物品8の被保持部8gから側面対向部512の上端までの距離(上端距離Du)が第2高さH2よりも小さい例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制体51を上下方向に移動可能に構成し、下端距離Ddと上端距離Duとを、物品8の種類に応じて変更しても良い。すなわち、収容物品8が第1種物品81である場合において、規制体51が、第1種物品81に応じた第1規制姿勢Ar1の状態では、上端距離Duは、第1高さH1より小さければ、第2高さH2より大きくても良い。また、収容物品8が第2種物品82である場合において、規制体51が、第2種物品82に応じた第2規制姿勢Ar2の状態では、下端距離Ddは、第2高さH2より大きければ、第1高さH1より小さくても良い。
【0063】
(11)上記の実施形態では、規制体制御部52は、物品種類情報に示された物品8の種類と、物品検出部Sによって検出された物品8の種類とが一致していない場合には、第1規制姿勢Ar1となるように規制体51を姿勢変更させる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、規制体制御部52は、物品種類情報に示された物品8の種類と、物品検出部Sによって検出された物品8の種類とが一致していない場合には、規制体51の動作を停止させてエラーを報知しても良い。
【0064】
(12)上記の実施形態では、規制体制御部52は、指令取得部6が取得する搬送指令に含まれる物品種類情報と、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果とに基づいて、規制体51を姿勢変更させる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制体制御部52は、指令取得部6が取得する搬送指令に含まれる物品種類情報は考慮せずに、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果のみに基づいて、規制体51を姿勢変更させても良い。或いは、規制体制御部52は、物品検出部Sによる物品8の種類の検出結果は考慮せずに、指令取得部6が取得する搬送指令に含まれる物品種類情報のみに基づいて、規制体51を姿勢変更させても良い。
【0065】
(13)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0066】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送車について説明する。
【0067】
移動経路に沿って移動して複数種類の物品を搬送する物品搬送車であって、
前記物品を収容する収容部と、前記収容部と当該収容部よりも下側に位置する移載対象箇所との間で前記物品の移載を行う移載機構と、前記収容部に収容された状態の前記物品が前記収容部から外側に脱落することを規制する脱落規制部と、前記収容部に収容された状態の前記物品である収容物品の種類を検出する物品検出部と、を備え、
前記移載機構は、前記物品を保持する保持部と、前記保持部を前記収容部と前記移載対象箇所との間で昇降させる昇降機構と、を備え、
前記物品には、第1種物品と、前記第1種物品よりも平面視での外形が小さい第2種物品と、の2種類が少なくとも含まれ、
前記脱落規制部は、前記収容物品の脱落を規制する規制姿勢と前記規制姿勢よりも前記収容物品から離間した離間姿勢とに姿勢変更する規制体と、前記規制体の姿勢変更を制御する規制体制御部と、を備え、
前記規制体は、前記規制姿勢において前記収容物品の下面に対向する下面対向部と、前記規制姿勢において前記収容物品の側面に対向する側面対向部と、を備え、
前記規制体制御部は、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第1種物品である場合に、前記下面対向部が上下方向に沿う上下方向視で前記第1種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部が前記上下方向視で前記第1種物品の側面に沿う位置に配置される前記規制姿勢である第1規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記物品検出部によって検出された前記収容物品の種類が前記第2種物品である場合に、前記下面対向部が前記上下方向視で前記第2種物品に重複する位置に配置されると共に前記側面対向部が前記上下方向視で前記第2種物品の側面に沿う位置であって前記第1種物品とは重複する位置に配置される前記規制姿勢である第2規制姿勢となるように、前記規制体を姿勢変更させ、
前記保持部が前記物品を保持した状態で前記昇降機構により昇降する場合に、前記保持部に保持された前記物品の移動軌跡と重複しない位置に前記規制体が配置される前記離間姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させる。
【0068】
本構成によれば、規制体制御部によって、規制体を第1規制姿勢と第2規制姿勢と離間姿勢とに姿勢変更することができる。規制体が第1規制姿勢の状態においては、下面対向部が上下方向視で第1種物品に重複する位置に配置されると共に、側面対向部が上下方向視で第1種物品の側面に沿う位置に配置されるため、下面対向部及び側面対向部によって第1種物品の脱落を適切に規制できる。また、規制体が第2規制姿勢の状態においては、下面対向部が上下方向視で第2種物品に重複する位置に配置されると共に、側面対向部が上下方向視で第2種物品の側面に沿う位置であって第1種物品とは重複する位置に配置されるため、下面対向部及び側面対向部によって第2種物品の脱落を適切に規制できる。ここで、第2規制姿勢では、側面対向部が、第1種物品と重複するほど第2種物品の側面に近い位置に配置されることから、第1種物品よりも平面視での外形が小さい第2種物品の脱落をより適切に規制できる。従って、本構成によれば、物品の種類に関係無く、搬送中における物品の脱落を適切に規制できる。さらに、規制体が離間姿勢の状態では、保持部に保持された物品が第1種物品であっても第2種物品であっても、それらの昇降移動軌跡と重複しない位置に規制体が配置されるため、保持部を収容部と移載対象箇所との間で昇降させる場合に、規制体が妨げとならないようにできる。
【0069】
ここで、
前記脱落規制部は、前記規制体を一対備え、
前記規制体制御部は、一対の前記規制体を互いに接近及び離間させることにより姿勢変更させる、と好適である。
【0070】
本構成によれば、規制姿勢とした場合に、一対の規制体により収容物品を両側から挟んだ状態とすることができる。従って、物品の脱落をより適切に規制できる。また、一対の規制体それぞれの移動範囲を小さくすることができ、一対の規制体の姿勢変更に要する時間の短縮を図ることができる。
【0071】
また、
前記物品は、物品本体部と、前記物品本体部よりも上側に設けられ、前記保持部によって保持される被保持部と、を備え、
前記物品本体部の下面から前記被保持部までの寸法を物品高さとして、前記第1種物品は第1高さを有し、前記第2種物品は前記第1高さよりも小さい第2高さを有し、
前記規制体制御部は、前記第1規制姿勢及び前記第2規制姿勢の何れの状態であっても、前記被保持部から前記下面対向部の上面までの前記上下方向の距離が前記第1高さよりも大きく、前記被保持部から前記側面対向部の上端までの距離が前記第2高さよりも小さくなるように、前記規制体を配置する、と好適である。
【0072】
本構成によれば、互いに物品高さの異なる第1種物品と第2種物品とのそれぞれに合わせて規制体の上下方向の位置を変更する必要が無いため、規制体制御部の構成を簡略化することができる。そして、規制体の上下方向の位置を変更することなく、規制体が第1規制姿勢及び第2規制姿勢の何れの状態であっても、下面対向部と側面対向部とを第1種物品又は第2種物品の脱落を規制するための適切な位置に配置することができる。
【0073】
また、
前記物品検出部は、前記収容物品の側面の位置を検出する側面位置検出センサと、前記収容物品の下面の位置を検出する下面位置検出センサと、を備えており、前記側面位置検出センサ及び前記下面位置検出センサの双方による検出結果に基づいて前記物品の種類を検出する、と好適である。
【0074】
本構成によれば、側面位置検出センサによって収容物品の側面の位置を検出することで、収容物品の平面視での外形寸法を間接的に検出することができる。そして、下面位置検出センサによって収容物品の下面の位置を検出することで、収容物品の高さ寸法を間接的に検出することができる。従って、本構成によれば、収容物品の大きさ或いは形状を特定でき、それによって、大きさや形状が異なる物品の種類を特定することができる。
【0075】
また、
前記物品の搬送指令を上位制御装置から取得する指令取得部を備え、
前記指令取得部が取得する前記搬送指令には、当該搬送指令に係る前記物品の種類を示す物品種類情報が含まれ、
前記規制体制御部は、前記物品種類情報に示された前記物品の種類と、前記物品検出部によって検出された前記物品の種類とが、一致している場合には、当該種類に応じた前記規制姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させ、一致していない場合には、前記第1規制姿勢となるように前記規制体を姿勢変更させる、と好適である。
【0076】
本構成によれば、物品の種類に関して、異なる情報元から取得される2つの情報に基づいて規制体を動作させるため、物品の種類に応じた確実性の高い動作を規制体に行わせることができる。ここで、規制体は、第2規制姿勢の状態では第1種物品と重複する位置に配置されるため、収容物品の種類が第1種物品の場合に誤って規制体を第2規制姿勢にすると、規制体が物品に干渉することになる。しかし、本構成によれば、上位制御装置から取得する物品種類情報に示された物品の種類と、物品検出部によって検出された物品の種類とが一致していない場合には、第1規制姿勢となるように規制体を姿勢変更させる。そのため、物品の種類を示す2つの情報が一致していない場合には、収容部に収容されている物品が第1種物品及び第2種物品の何れであっても、当該物品に規制体が干渉しないようにできる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本開示に係る技術は、移動経路に沿って移動して複数種類の物品を搬送する物品搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
V :物品搬送車
2 :収容部
4 :移載機構
41 :保持部
42 :昇降機構
5 :脱落規制部
51 :規制体
511 :下面対向部
512 :側面対向部
52 :規制体制御部
6 :指令取得部
S :物品検出部
Sh :下面位置検出センサ
Sw :側面位置検出センサ
8 :物品
8 :収容物品
81 :第1種物品
82 :第2種物品
8b :物品本体部
8d :下面
8g :被保持部
8s :側面
9 :移載対象箇所
Ad :離間姿勢
Ar :規制姿勢
Ar1 :第1規制姿勢
Ar2 :第2規制姿勢
Ct :上位制御装置
Dd :下端距離
Du :上端距離
R :移動経路