(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20230725BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230725BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230725BHJP
【FI】
H05K5/02 E
F21V33/00 300
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020532211
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2019023343
(87)【国際公開番号】W WO2020021895
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2018140524
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】児島 清茂
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌義
(72)【発明者】
【氏名】松尾 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】山合 碧
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-4527(JP,U)
【文献】登録実用新案第3125525(JP,U)
【文献】特開昭60-189101(JP,A)
【文献】登録実用新案第3091637(JP,U)
【文献】特開2009-111669(JP,A)
【文献】特開2003-249672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
F21V 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングと、
第2ハウジングと、
前記第1ハウジングが前記第2ハウジングに対して回動可能となるように、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを連結する支点部と、
前記第1ハウジングの一端が前記第2ハウジングの一端に当接するように、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングに弾性力を付与するスプリングと、
前記第1ハウジングの内部に配置されるコネクタと、を備え、
前記第1ハウジング、前記第2ハウジング、前記支点部及び前記スプリングは、前記第1ハウジングの前記一端と前記第2ハウジングの前記一端とで対象物を挟持可能なクリップとして機能し、
前記コネクタは、前記第1ハウジングの側面に設けられた開口部を通して、外部の環境発電モジュールが備えるコネクタと機械的かつ電気的に着脱可能であり、
前記第1ハウジングは、前記コネクタに前記環境発電モジュールが装着されているとき、前記環境発電モジュールと一体構成となり、
前記第2ハウジングは、平面状の底面部、又は脚部を有
し、
前記平面状の底面部又は前記脚部を平面上に載置して、前記環境発電モジュールを前記コネクタに装着した場合、前記環境発電モジュールは、前記平面に対して斜めに保持される、電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記環境発電モジュールから前記コネクタを介して供給される電力を蓄える二次電池と、
前記環境発電モジュールから供給される電力、又は、前記二次電池から供給される電力を消費可能な負荷回路要素と、をさらに備え、
前記二次電池及び前記負荷回路要素は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングのいずれかの内部に配置されている、電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記二次電池及び前記負荷回路要素は、前記第1ハウジングの内部に配置されている、電子機器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電子機器において、
前記負荷回路要素は、発光素子である、電子機器。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の電子機器において、
前記負荷回路要素は、
発光素子と、
第1の期間及び第2の期間を交互に生成するタイマと、
前記発光素子に供給する電流を制御する波形整形回路と、を備え、
前記波形整形回路は、前記第1の期間の間は前記発光素子に供給する電流を時間とともに増加させ、前記第2の期間の間は前記発光素子に供給する電流を時間とともに減少させる、電子機器。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載の電子機器において、
配線基板をさらに備え、
前記負荷回路要素は、前記配線基板上に配置されている、電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
前記二次電池及び前記配線基板は、前記第1ハウジングの内部に配置され、
前記二次電池は、前記第1ハウジングの前記第2ハウジング側の面と、前記配線基板との間に配置されている、電子機器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記第1ハウジングは、前記支点部及び前記スプリングと連結する第1クリップ部と、前記第1クリップ部と着脱可能なカバー部と、を備える、電子機器。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記第1ハウジングは、
前記支点部及び前記スプリングと連結する第1クリップ部と、
前記コネクタが内部に配置されているカバー部と、
前記第1クリップ部の一端と、前記カバー部の一端とを連結する連結部と、を備え、
前記カバー部は、前記連結部を支点として前記第1クリップ部に対して回動可能である、電子機器。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の電子機器において、
前記カバー部は、
光透過性
が異なる第1カバー部ユニット及び第2カバー部ユニットを備える、電子機器。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記第2ハウジングは、外部支持体に接着可能な接着部を有
し、
前記接着部は、接着剤又は粘着剤を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商用電源を得られない外出先などでも電力を供給できるように、外部環境に応じた電力を発電する携帯型の環境発電モジュールの需要が高まっている。このような環境発電モジュールとしては、例えば、太陽光等の光エネルギーを用いて発電する太陽電池を備える太陽電池モジュールが挙げられる。
【0003】
携帯型の環境発電モジュールを何らかの対象物に装着できると、環境発電モジュールを設置する際の自由度が高まり便利である。例えば、特許文献1には、装着クリップの表面に太陽電池が設けられた電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
装着クリップの表面に太陽電池が設けられていると、クリップを対象物に装着する際に、太陽電池を直接把持してクリップを開く必要があるため、太陽電池に直接応力がかかり、太陽電池が破損しやすくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、環境発電モジュールに直接応力をかけずに対象物に装着可能であり、かつ、環境発電モジュールから電力の供給を受けることが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の電子機器は、第1ハウジングと、第2ハウジングと、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングに対して回動可能となるように、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを連結する支点部と、前記第1ハウジングの一端が前記第2ハウジングの一端に当接するように、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングに弾性力を付与するスプリングと、前記第1ハウジングの内部に配置されるコネクタと、を備え、前記第1ハウジング、前記第2ハウジング、前記支点部及び前記スプリングは、前記第1ハウジングの前記一端と前記第2ハウジングの前記一端とで対象物を挟持可能なクリップとして機能し、前記コネクタは、前記第1ハウジングの側面に設けられた開口部を通して、外部の環境発電モジュールが備えるコネクタと機械的かつ電気的に着脱可能である。このような構成とすることで、本発明の電子機器は、クリップとして機能して対象物を挟持する際、第1ハウジングの他端及び第2ハウジングの他端に力が加えられるため、外部の環境発電モジュールがコネクタに装着されている場合でも、環境発電モジュールに直接応力がからない。また、本発明の電子機器は、コネクタに装着された環境発電モジュールから電力の供給を受けることができる。従って、本発明の電子機器は、環境発電モジュールに直接応力をかけずに対象物に装着可能であり、かつ、環境発電モジュールから電力の供給を受けることが可能である。
【0008】
ここで、本発明の電子機器において、前記環境発電モジュールから前記コネクタを介して供給される電力を蓄える二次電池と、前記環境発電モジュールから供給される電力、又は、前記二次電池から供給される電力を消費可能な負荷回路要素と、をさらに備え、前記二次電池及び前記負荷回路要素は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングのいずれかの内部に配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、電子機器に装着された環境発電モジュールから供給された電力を二次電池に蓄え、環境発電モジュールが脱着された状態でも、二次電池から負荷回路要素に電力を供給することができる。
【0009】
また、本発明の電子機器において、前記二次電池及び前記負荷回路要素は、前記第1ハウジングの内部に配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、一つのハウジングの内部に、コネクタと、二次電池と、負荷回路要素とが配置されるため、コネクタ、二次電池、及び負荷回路要素の間の配線が容易になる。
【0010】
また、本発明の電子機器において、前記負荷回路要素は、発光素子であることが好ましい。このような構成とすることで、ユーザは、環境発電モジュールから供給された電力による発光素子の発光を楽しむことができる。
【0011】
また、本発明の電子機器において、前記負荷回路要素は、発光素子と、第1の期間及び第2の期間を交互に生成するタイマと、前記発光素子に供給する電流を制御する波形整形回路と、を備え、前記波形整形回路は、前記第1の期間の間は前記発光素子に供給する電流を時間とともに増加させ、前記第2の期間の間は前記発光素子に供給する電流を時間とともに減少させることが好ましい。このような構成とすることで、後述する光拡散機能を有するカバー部等を介することで、発光素子はホタルが発光する光のように発光することができ、ユーザに生命感を感じさせることができる。
【0012】
また、本発明の電子機器において、配線基板をさらに備え、前記負荷回路要素は、前記配線基板上に配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、負荷回路要素の配線を簡便にすることができる。
【0013】
また、本発明の電子機器において、前記二次電池及び前記配線基板は、前記第1ハウジングの内部に配置され、前記二次電池は、前記第1ハウジングの前記第2ハウジング側の面と、前記配線基板との間に配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、第1ハウジングを小型化することができる。
【0014】
また、本発明の電子機器において、前記第2ハウジングは、平面状の底面部、又は脚部を有することが好ましい。このような構成とすることで、電子機器は、テーブル及び床のような平らな面を有する場所に安定して置くことができる。
【0015】
また、本発明の電子機器において、前記第1ハウジングは、前記支点部及び前記スプリングと連結する第1クリップ部と、前記第1クリップ部と着脱可能なカバー部と、を備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明の電子機器において、前記第1ハウジングは、前記支点部及び前記スプリングと連結する第1クリップ部と、カバー部と、前記第1クリップ部の一端と、前記カバー部の一端とを連結する連結部と、を備え、前記カバー部は、前記連結部を支点として前記第1クリップ部に対して回動可能であることが好ましい。このような構成とすることで、電子機器1は、装着された環境発電モジュールの受光面を向けることができる方向の自由度を高めることができる。
【0017】
また、本発明の電子機器において、前記カバー部は、複数の光透過性を有するカバー部ユニットを備えることが好ましい。このような構成とすることで、複数のカバー部ユニットのそれぞれに異なる機能を持たせることができる。
【0018】
また、本発明の電子機器において、前記第2ハウジングは、外部支持体に接着可能な接着部を有することが好ましい。このような構成とすることで、電子機器を設置することができる場所の自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、環境発電モジュールに直接応力をかけずに対象物に装着可能であり、かつ、環境発電モジュールから電力の供給を受けることが可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1の電子機器の概略構成を示す側面図である。
【
図3】
図1の電子機器の概略構成を示す正面図である。
【
図4A】電子機器に環境発電モジュールが装着されている様子の側面図である。
【
図4B】電子機器に環境発電モジュールが装着されている様子の上面図である。
【
図5A】第2ハウジングが脚部を有する場合の側面図である。
【
図5B】第2ハウジングが脚部を有する場合の底面図である。
【
図6】電子機器がクリップとして開状態になっている様子を示す図である。
【
図7A】環境発電モジュールが電子機器に装着されている状態で、電子機器が紐を挟持している様子を示す図である。
【
図7B】環境発電モジュールが電子機器から脱着されている状態で、電子機器が紐を挟持している様子を示す図である。
【
図8】電子機器の第1ハウジングの内部の構成の一例を示す図である。
【
図9】負荷回路要素の回路構成の一例を示す図である。
【
図10】
図9のA点における電圧の一例を示す図である。
【
図11A】第1変形例に係る電子機器の概略構成を示す側面図である。
【
図11B】第1変形例に係る電子機器の概略構成をZ軸負方向側から見た図である。
【
図12】第2変形例に係る電子機器の概略構成を示す図である。
【
図13】第3変形例に係る電子機器の概略構成を示す図である。
【
図14】第4変形例に係る電子機器の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。各図において共通の構成部には、同一の符号を付している。
【0022】
まず、
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器1の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の概略構成を示す斜視図である。
図2は、電子機器1の側面図である。
図3は、電子機器1を、
図2に示すA方向から見た正面図である。
【0023】
電子機器1は、外部の環境発電モジュールを機械的かつ電気的に着脱可能な電子機器である。
図4A及び
図4Bに、電子機器1に環境発電モジュール50が装着されている様子を示す。
図4Aは、電子機器1に環境発電モジュール50が装着されている様子の側面図である。
図4Bは、電子機器1に環境発電モジュール50が装着されている様子の上面図である。
【0024】
電子機器1は、環境発電モジュール50が装着されていると、環境発電モジュール50から発電電力の供給を受けることができる。電子機器1は、環境発電モジュール50から電力の供給を受けると、電子機器1の内部に配置されている負荷回路要素に電力を供給し、負荷回路要素を動作させることができる。負荷回路要素は、例えば発光素子であってよい。また、電子機器1は、内部に二次電池を備えてよい。電子機器1は、環境発電モジュール50から供給された電力で二次電池が充電されていると、環境発電モジュール50が脱着されていても、二次電池から負荷回路要素に電力を供給することができる。
【0025】
本実施形態においては、環境発電モジュール50は、例えば、太陽光、室内光などの光エネルギーを利用して発電する太陽電池を有するものとして説明するが、環境発電モジュール50は、例えば、地熱等の熱エネルギーを利用して発電する熱電変換素子を有するものであってもよい。
【0026】
環境発電モジュール50は、環境発電要素51と、コネクタ52とを備える。環境発電要素51は、平面形状である。環境発電要素51は、太陽光、室内光などの光エネルギーを利用して発電する太陽電池を有する。コネクタ52は、環境発電要素51による発電電力を出力する。環境発電モジュール50は、環境発電要素51の外周部にさらに保護部材を備えていてもよい。保護部材を備えていると、環境発電モジュール50は、落下した場合又は人にぶつかった場合などに、環境発電要素51を保護することができる。
【0027】
電子機器1は、
図1~
図3に示すように、第1ハウジング10と、第2ハウジング20と、支点部30と、スプリング35とを備える。
【0028】
第1ハウジング10は、第1クリップ部11と、カバー部12とを備える。
【0029】
第1クリップ部11は、第2ハウジング20側が平面状になっている。言い換えれば、第1クリップ部11は、第2ハウジング20側に平面部を有する。
【0030】
カバー部12は、第1クリップ部11と結合している。カバー部12は、第1クリップ部11に対し、第2ハウジング20とは反対側に位置する。
【0031】
カバー部12は、第1クリップ部11と一体化されていてもよいし、第1クリップ部11と着脱可能であってもよい。カバー部12と第1クリップ部11とが着脱可能である場合、カバー部12と第1クリップ部11とを係合するための係合手段が、カバー部12及び第1クリップ部11の双方に設けられていてよい。係合手段は、例えば、爪、切欠き部、又は、溝などであってよい。
【0032】
例えば、第1ハウジング10の内部に負荷回路要素として発光素子が配置されている場合、カバー部12を光の透過性及び拡散性等が異なるものに変更すると、ユーザは、発光素子に対して異なる照明効果を得ることができる。
【0033】
第1ハウジング10の側面には、開口部13が設けられている。開口部13は、環境発電モジュール50を電子機器1と着脱する際に、環境発電モジュール50のコネクタ52が通る穴として機能する(
図4A及び
図4B参照)。
図1~
図3に示す例においては、開口部13は、第1クリップ部11及びカバー部12にわたって設けられているが、この構成に限定されない。開口部13は、例えば、カバー部12のみに設けられていてもよい。
【0034】
第2ハウジング20は、第2クリップ部21を備える。なお、
図1~
図3においては、第2ハウジング20の構成要素として、第2クリップ部21のみを示しているが、第2ハウジング20は、第2クリップ部21以外の構成要素を備えていてもよい。例えば、第2ハウジング20は、第1ハウジング10と同様に、第2クリップ部21と結合しているカバー部を備えていてもよい。
【0035】
第2クリップ部21は、第1ハウジング10側が平面状になっている。言い換えれば、第2クリップ部21は、第1ハウジング10側に平面部を有する。
【0036】
第2クリップ部21は、
図1~
図3に示す例においては、第1ハウジング10とは反対側に平面状の底面部を有する。第2ハウジング20が平面状の底面部を有することにより、電子機器1は、テーブル及び床のような平らな面を有する場所に安定して置くことができる。
【0037】
第2ハウジング20は、
図5A及び
図5Bに示すように、第2クリップ部21の第1ハウジング10とは反対側の面(Z軸の負方向側の面)に、脚部22を有していてもよい。
図5Aは、脚部22を有する場合の第2ハウジング20の側面図である。
図5Bは、脚部22を有する場合の第2ハウジング20の底面図である。第2ハウジング20が脚部22を有することにより、電子機器1は、テーブル及び床のような平らな面を有する場所に安定して置くことができる。
【0038】
支点部30は、
図1~
図3に示すように、第1ハウジング10が第2ハウジング20に対して回動可能となるように、第1ハウジング10と第2ハウジング20とを連結する。支点部30は、第1支点部31と、第2支点部32と、支点軸33とを有する。
【0039】
第1支点部31は、第1クリップ部11の第2ハウジング20側の面に結合している。第2支点部32は、第2クリップ部21の第1ハウジング10側の面に結合している。
【0040】
支点軸33は、第1支点部31が有する貫通孔、及び、第2支点部32が有する貫通孔を貫通し、第1ハウジング10が第2ハウジング20に対して回動する際の軸として機能する。支点軸33は、円柱形状、又は、内部が空洞となっている円筒形状であってよい。
【0041】
スプリング35は、第1クリップ部11の第2ハウジング20側の面、及び、第2クリップ部21の第1ハウジング10側の面に結合している。
図1~
図3に示す例においては、スプリング35は板ばねであるが、これに限定されない。スプリング35は、例えば、コイルばねのような他の種類のばねであってもよい。
【0042】
スプリング35は、第1ハウジング10及び第2ハウジング20に対して、
図2に示すS方向に弾性力を付与する。第1ハウジング10は、スプリング35から付与される弾性力によって、支点軸33を軸として、第2ハウジング20に対して回動する。その結果、外力が加えられていない状態では、第1ハウジング10の一端が第2ハウジング20の一端に当接する。ここで、第1ハウジング10の一端とは、第1ハウジング10のX軸負方向側の端付近の部分である。第2ハウジング20の一端とは、第2ハウジング20のX軸負方向側の端付近の部分である。
【0043】
図1~
図3に示すような構造により、第1ハウジング10、第2ハウジング20、支点部30及びスプリング35は、第1ハウジング10の一端と第2ハウジング20の一端とで対象物を挟持可能なクリップとして機能する。クリップが挟持する対象物としては、例えば、紐、服、帽子、鞄、及び家具などが挙げられる。
【0044】
第1ハウジング10の一端と第2ハウジング20の一端とを離間させて、対象物を第1ハウジング10の一端と第2ハウジング20の一端との間に差し込むには、第1ハウジング10の他端及び第2ハウジング20の他端に、
図6に示すT方向の力を加えればよい。
図6は、クリップが開状態となっている様子を示す図である。ここで、第1ハウジング10の他端とは、第1ハウジング10のX軸正方向側の端付近の部分である。第2ハウジング20の他端とは、第2ハウジング20のX軸正方向側の端付近の部分である。このように、電子機器1は、クリップとして機能して対象物を挟持する際、
図6に示すように、第1ハウジング10の他端及び第2ハウジング20の他端に、T方向の力を加える。そのため、電子機器1に装着された環境発電モジュール50には、直接応力がかけられることがない。これにより、電子機器1は、装着されている環境発電モジュール50が破損するおそれを低減することができる。また、電子機器1がクリップとして機能して対象物を挟持する際、ユーザは環境発電モジュール50に触れる必要がないため、環境発電モジュール50が指紋などで汚れる可能性を低減することができる。
【0045】
図7A及び
図7Bに、クリップとして機能する電子機器1が紐60を挟持している様子を示す。
図7Aは、環境発電モジュール50が電子機器1に装着されている状態で、電子機器1が紐60を挟持している様子を示す図である。
図7Bは、環境発電モジュール50が電子機器1から脱着されている状態で、電子機器1が紐60を挟持している様子を示す図である。例えば、電子機器1は、内部に備える二次電池が充電されていないときは、
図7Aの状態で使用し、二次電池が充電されているときは、
図7Bの状態で使用することができる。このように、電子機器1は、内部に備える二次電池を充電させているときと放電させているときとで、使用形態を変更することができ、使用時の形態の自由度が高い。
【0046】
電子機器1はクリップとして機能するため、
図7A及び
図7Bに示すように、紐60等のような対象物を挟持して、様々な場所に設置することができる。
【0047】
また、電子機器1は、第2ハウジング20に、平面状の底面部、又は脚部22を有するため、クリップとして機能させて対象物を挟持する代わりに、平面上に載置することもできる。この際、第1ハウジング10は、
図4Aに示すように、電子機器1が載置される平面に対して斜めに保持されるため、電子機器1に装着された環境発電モジュール50の受光面を斜め上側に向けて保持することができる。従って、環境発電モジュール50が装着された電子機器1は、太陽の向きに合わせて容易に向きを変えて設置することができる。
【0048】
図8は、電子機器1の第1ハウジング10の内部の構成の一例を示す図である。
図8に示すように、電子機器1は、第1ハウジング10の内部に、配線基板14と、二次電池15と、負荷回路要素16と、コネクタ17とを備える。
【0049】
配線基板14は、第1ハウジング10の内部に配置され、第1ハウジング10に固定されている。配線基板14は、第1クリップ部11に固定されてもよいし、カバー部12に固定されてもよい。または、配線基板14は、第1クリップ部11とカバー部12の双方に固定されてもよい。
【0050】
配線基板14には、二次電池15、負荷回路要素16及びコネクタ17が配置される。二次電池15、負荷回路要素16及びコネクタ17は、配線基板14内の配線を介して電気的に接続される。このように、第1ハウジング10の内部において、二次電池15、負荷回路要素16及びコネクタ17を配線基板14に配置することで、二次電池15、負荷回路要素16及びコネクタ17間の配線を簡便にすることができる。また、配線基板14を第1クリップ部11の平面部と平行に配置すると、第1クリップ部11の平面部に対して垂直方向の高さを低くすることができるため、第1ハウジング10を小型化することができる。
【0051】
二次電池15は、充放電可能な二次電池である。二次電池15は、例えば、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池などである。二次電池15は、環境発電モジュール50がコネクタ17に装着されると、コネクタ17を介して、環境発電モジュール50から電力の供給を受け、電力を蓄えることができる。
【0052】
二次電池15は、環境発電モジュール50から供給された電力で蓄電されていると、蓄電された電力を負荷回路要素16に供給することができる。
【0053】
二次電池15を、配線基板14の第1クリップ部11側に配置すると、第1ハウジング10を小型化することができる。
【0054】
負荷回路要素16は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子、又はスピーカなどであってよい。負荷回路要素16は、環境発電モジュール50がコネクタ17に装着されると、コネクタ17を介して、環境発電モジュール50から電力の供給を受けることができる。また、負荷回路要素16は、二次電池15から電力の供給を受けることができる。負荷回路要素16は、環境発電モジュール50又は二次電池15から供給される電力を消費可能である。負荷回路要素16が発光素子である場合、カバー部12は光透過性を有することが好ましい。カバー部12が光透過性を有することにより、ユーザは、発光素子が発する光を見ることができる。
【0055】
コネクタ17は、環境発電モジュール50のコネクタ52と、機械的かつ電気的に着脱可能である(
図4A及び
図4B参照)。環境発電モジュール50のコネクタ52は、開口部13を通して第1ハウジング10の内部に挿入される。
【0056】
コネクタ17は、環境発電モジュール50が装着されると、環境発電モジュール50から供給される電力を、二次電池15又は負荷回路要素16に供給することができる。
【0057】
図8には図示していないが、負荷回路要素16を起動するためのスイッチを、第1ハウジング10に配置してもよい。スイッチは、例えば、第1ハウジング10の外側の側面に配置してよい。スイッチを第1ハウジング10の側面に配置すると、クリップを開状態にする際に、ユーザが第1ハウジング10の他端を押圧しても、ユーザが誤ってスイッチを操作する可能性を低減することができる。また、スイッチとしては、ボタン式及びスライド式などが例示されるが、スイッチの変位方向を、ユーザが第1ハウジング10を押圧する方向と垂直になるようにすると、ユーザが第1ハウジング10の他端を押圧した際に、ユーザが誤ってスイッチを操作する可能性をさらに低減することができる。スイッチは、第2ハウジング20に配置してもよい。
【0058】
(負荷回路要素の一例)
図9に、負荷回路要素16の回路構成の一例を示す。負荷回路要素16は、充電電流制御回路101と、充電状態検出回路102と、スイッチ103と、波形整形回路104と、タイマ105と、抵抗106と、発光素子107とを備える。
【0059】
図9に示す負荷回路要素16は、発光素子107が発光する光の強さを、周期的に増減させる回路である。
【0060】
充電電流制御回路101は、二次電池15の充電量に応じて、スイッチ103の接続先を切り替える。
【0061】
充電状態検出回路102は、二次電池15の充電状態を検出して、検出した充電状態を充電電流制御回路101に通知する。
【0062】
充電電流制御回路101は、二次電池15の充電量が所定の閾値未満である場合、環境発電モジュール50からコネクタ17を介して供給される電力で二次電池15が充電されるように、スイッチ103を制御する。
【0063】
充電電流制御回路101は、二次電池15の充電量が所定の閾値以上である場合、二次電池15に充電されている電力が、波形整形回路104及び抵抗106を介して発光素子107に供給されるように、スイッチ103を制御する。
【0064】
波形整形回路104は、タイマ105から第1の期間及び第2の期間のタイミングを受け取り、発光素子107に供給する電流を制御する。
【0065】
図10に、波形整形回路104の出力部であるA点の電圧の時間依存を示す。タイマ105は、第1の期間及び第2の期間のタイミングを交互に生成し、波形整形回路104に出力する。第1の期間と第2の期間は、同じ時間間隔であってもよいし、異なる時間間隔であってもよい。
【0066】
波形整形回路104は、第1の期間の間は、A点の電圧を時間とともに増加させる。すなわち、波形整形回路104は、第1の期間の間は、発光素子107に供給する電流を時間とともに増加させる。
【0067】
波形整形回路104は、第2の期間の間は、A点の電圧を時間とともに減少させる。すなわち、波形整形回路104は、第2の期間の間は、発光素子107に供給する電流を時間とともに減少させる。
【0068】
発光素子107は、波形整形回路104によって整形された電流の供給を受け、第1の期間においては時間とともに発光強度を強め、第2の期間においては時間とともに発光強度を弱める。
【0069】
このように、
図9に示す負荷回路要素16は、ホタルが発光する光のように、時間とともに強度を変えて発光素子107を発光させることができる。これにより、
図9に示すような負荷回路要素16で発光した発光素子107を見たユーザは、後述するような光拡散機能を有するカバー部12を用いた際、発光強度の強弱の変化に伴いカバー部12全体への光が拡散したりつぼまる様子を見ることで、生命感を感じることができる。
【0070】
(第1変形例)
図11A及び
図11Bに、第1変形例に係る電子機器2の概略構成を示す。第1変形例に係る電子機器2については、
図1~
図8などを参照して説明した電子機器1との相違点について主に説明する。
【0071】
図11Aは、環境発電モジュール50が装着された状態の電子機器2の側面図である。第1変形例に係る電子機器2において、第1ハウジング10は、第1クリップ部11及びカバー部12に加えて、連結部18を備える。
【0072】
連結部18は、第1クリップ部11の一端と、カバー部12の一端とを、カバー部12が第1クリップ部11に対して回動可能となるように連結する。連結部18は、例えばヒンジであってよい。連結部18で第1クリップ部11と連結されていることにより、カバー部12は、方向Bに沿って回動可能である。
【0073】
第2ハウジング20は、
図11Aに示すように、第2クリップ部21の第1ハウジング10とは反対側の面(Z軸の負方向側の面)に、外部支持体に接着可能な接着部23を有していてもよい。ここで、「接着可能」との用語は、「粘着可能」との意味も含むものとする。
図11Aは、電子機器2を、接着部23によって、室内から外部支持体としての窓70に貼り付けている様子を示す図である。
【0074】
電子機器2は、
図11Aに示すように、室内から窓70に貼り付けている状態で、カバー部12を第1クリップ部11から離れるように回動させると、環境発電モジュール50の受光面53を、窓70側に向けることができる。これにより、電子機器2は、室内から窓70に貼り付けた状態で、受光面を窓70側に向け、環境発電モジュール50の発電電力の供給を受けることができる。
【0075】
図11Bは、第1変形例に係る電子機器2を、Z軸負方向側から見た図である。
図11Bにおいては、窓70の図示は省略している。
【0076】
(第2変形例)
図12に、第2変形例に係る電子機器3の概略構成を示す。第2変形例に係る電子機器3については、
図1~
図8などを参照して説明した電子機器1との相違点について主に説明する。
【0077】
電子機器3において、第2ハウジング20は、第2クリップ部21の第1ハウジング10とは反対側の面(Z軸の負方向側の面)に、吸盤24を有する。
【0078】
吸盤24を有することにより、電子機器3は、壁又は窓などに貼り付けて使用することができる。これにより、電子機器3は、クリップ機能によっては設置できないところにも設置することができるため、設置自由度が向上する。
【0079】
(第3変形例)
図13に、第3変形例に係る電子機器4の概略構成を示す。第3変形例に係る電子機器4については、
図1~
図8などを参照して説明した電子機器1との相違点について主に説明する。
【0080】
電子機器4において、カバー部12は、第1カバー部ユニット121及び第2カバー部ユニット122という複数の光透過性を有するカバー部ユニットを備える。
図13は、カバー部12の構成を見やすくするため、カバー部12を第1クリップ部11から外した状態を示したものである。
図13に示すように、第2カバー部ユニット122は、第1カバー部ユニット121の外側に配置される。
【0081】
第1カバー部ユニット121は、例えば、光拡散機能を有してよい。例えば、表面に光拡散フィルムを有することにより、第1カバー部ユニット121は、光拡散機能を有することができる。
【0082】
第1ハウジング10の内部に配置されている負荷回路要素16が発光素子である場合、第1カバー部ユニット121が光拡散機能を有することにより、発光素子が発光する光を拡散することができる。
【0083】
第2カバー部ユニット122は、例えば、ハーフミラーの機能を有してよい。第2カバー部ユニット122は、例えば、デザイン性の高い構成としてよい。
【0084】
このように、カバー部12が光拡散機能を有する第1カバー部ユニット121を備える構成とすると、例えば、負荷回路要素16が
図9に示したような回路構成である場合に、強度が変わる光が拡散されるため、生命感の演出効果をさらに高めることができる。
【0085】
(第4変形例)
図14に、第4変形例に係る電子機器5の概略構成を示す。第4変形例に係る電子機器5については、
図1~
図8などを参照して説明した電子機器1との相違点について主に説明する。
【0086】
電子機器5において、第1クリップ部11は、一端に鋸歯部19を有する。また、第2クリップ部21は、一端に鋸歯部25を有する。鋸歯部19と鋸歯部25とは、第1クリップ部11の一端と第2クリップ部21の一端とが当接する際に噛み合う構造となっている。
【0087】
電子機器5は、鋸歯部19及び鋸歯部25を有することにより、クリップとして機能して対象物を挟持する際、滑り止めの効果を有することができる。
【0088】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0089】
例えば、配線基板14は、第1ハウジング10の内部に配置されるとしたが、配線基板14は、第2ハウジング20の内部に配置されてもよい。
【0090】
また、例えば、二次電池15は、第1ハウジング10の内部に配置されるとしたが、二次電池15は、第2ハウジング20の内部に配置されてもよい。
【0091】
また、例えば、負荷回路要素16は、第1ハウジング10の内部に配置されるとしたが、負荷回路要素16は、第2ハウジング20の内部に配置されてもよい。
【0092】
また、例えば、配線基板14は、第1ハウジング10の内部に配置されるとしたが、第1ハウジング10を構成する第1クリップ部11が配線基板として機能してもよい。これにより、第1ハウジング10をさらに小型化できる。
【0093】
また、例えば、カバー部12が第1クリップ部11から着脱可能である場合、コネクタ17は、カバー部12の内部に配置されていてよい。この場合、配線基板14、二次電池15及び負荷回路要素16も、カバー部12の内部に配置されていてよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、環境発電モジュールに直接応力をかけずに対象物に装着可能であり、かつ、環境発電モジュールから電力の供給を受けることが可能な電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0095】
1、2、3、4、5 電子機器
10 第1ハウジング
11 第1クリップ部
12 カバー部
13 開口部
14 配線基板
15 二次電池
16 負荷回路要素
17 コネクタ
18 連結部
19 鋸歯部
20 第2ハウジング
21 第2クリップ部
22 脚部
23 接着部
24 吸盤
25 鋸歯部
30 支点部
31 第1支点部
32 第2支点部
33 支点軸
35 スプリング
50 環境発電モジュール
51 環境発電要素
52 コネクタ
53 受光面
60 紐
70 窓
101 充電電流制御回路
102 充電状態検出回路
103 スイッチ
104 波形整形回路
105 タイマ
106 抵抗
107 発光素子
121 第1カバー部ユニット
122 第2カバー部ユニット