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特許7318856切替装置、および、当該切替装置を備えた電力システム
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  • 特許-切替装置、および、当該切替装置を備えた電力システム 図1
  • 特許-切替装置、および、当該切替装置を備えた電力システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】切替装置、および、当該切替装置を備えた電力システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/14 20060101AFI20230725BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230725BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20230725BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230725BHJP
   H02J 3/38 20060101ALN20230725BHJP
【FI】
H02J3/14
H02J13/00 311T
H02J3/46
H02J13/00 311R
G06Q50/06
H02J3/38 130
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019187389
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021065005
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】花尾 隆史
(72)【発明者】
【氏名】大堀 彰大
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-122150(JP,A)
【文献】特開2019-134602(JP,A)
【文献】特開2003-061248(JP,A)
【文献】特開2014-171378(JP,A)
【文献】特開2018-148627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/14
H02J 13/00
H02J 3/46
G06Q 50/06
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力システムに接続され、かつ、入出力電力を制御できない電力装置が電力系統から受電または送電を行っている状態である通電状態と、受電および送電を行っていない状態である不通状態とを切り替える切替装置であって、
前記切替装置を管理する集中管理装置から入力される誘導指標と、あらかじめ設定されている最適化問題とに基づいて、前記電力装置を前記通電状態とするか前記不通状態とするかを判断するための判断指標を算出する判断指標演算部と、
前記判断指標を所定値と比較した比較結果に基づいて、前記通電状態と前記不通状態とを切り替える比較部と、
を備えることを特徴とする切替装置。
【請求項2】
前記電力装置と前記電力系統とを接続する接続線に配置され、前記電力装置が前記電力系統に連系した状態と、解列した状態とを切り替える開閉器をさらに備え、
前記比較部は、前記比較結果に基づいて、前記開閉器の切り替えを指示する、
請求項1に記載の切替装置。
【請求項3】
前記判断指標演算部は、前記誘導指標をpr、前記誘導指標の最大値をprlmtとし、
2を優先順位に基づくパラメータ、a1,a3を任意のパラメータとした場合、下記式の
Xとして、前記判断指標を算出する、
請求項1または2に記載の切替装置。
【数1】
【請求項4】
前記比較部は、前記判断指標が前記所定値に基づく所定範囲内にある場合、前記通電状態と前記不通状態との切り替えを行わない、
請求項1ないし3のいずれかに記載の切替装置。
【請求項5】
前記比較部は、
前記不通状態が継続する時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した時間が所定時間以上になった場合に抽選を行う抽選手段と、
を備え、
前記抽選手段によって当選した場合に、前記比較結果にかかわらず、前記通電状態に切り替える、
請求項1ないし4のいずれかに記載の切替装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の複数の切替装置と、
共通の前記誘導指標を、前記各切替装置に出力する前記集中管理装置と、
を備えることを特徴とする電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力装置が電力系統から受電または送電を行っている状態である通電状態と、受電および送電を行っていない状態である不通状態とを切り替える切替装置、および、当該切替装置を備えた電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統に接続された複数の電力装置を管理して、電力系統との間で送受される電力の制御を行う電力システムが普及しつつある。例えば、特許文献1には、集中管理装置と複数の電力装置とを備え、自律分散協調制御方式により出力電力の制御を行う電力システムの一例が開示されている。集中管理装置は、電力システム全体の出力電力を目標電力に制御するための誘導指標を算出する。複数の電力装置は、集中管理装置が算出した共通の誘導指標を用いて、それぞれ設定されている最適化問題に基づいて、自装置の出力電力の目標値を算出する。そして、出力電力が当該目標値となるように、自装置の出力電力を制御する。各電力装置が、誘導指標に基づいて自律的に出力電力を制御することで、電力システム全体の出力電力が目標電力に制御される。集中管理装置は、各電力装置の状態などを把握することなく、指標を算出して送信するだけなので、演算や通信の負担が小さい。したがって、高性能で高価な集中管理装置は必要でなく、初期導入費用を軽減できる。また、電力システムを拡張する場合に、集中管理装置の大きな改修が必要にならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-148627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、電力装置として、出力電力を制御可能な太陽光発電装置と、充電および放電が可能であり、入出力電力を制御可能な蓄電装置とを想定している。集中管理装置は、入出力電力を制御できない電力装置を管理対象に含めることができない。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、集中管理装置による管理対象を入出力電力を制御できない電力装置まで拡張できる電力システム、および、当該電力システムに用いられる切替装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される切替装置は、電力装置が電力系統から受電または送電を行っている状態である通電状態と、受電および送電を行っていない状態である不通状態とを切り替える切替装置であって、前記切替装置を管理する集中管理装置から入力される誘導指標と、あらかじめ設定されている最適化問題とに基づいて、前記電力装置を前記通電状態とするか前記不通状態とするかを判断するための判断指標を算出する判断指標演算部と、前記判断指標を所定値と比較した比較結果に基づいて、前記通電状態と前記不通状態とを切り替える比較部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電力装置と前記電力系統とを接続する接続線に配置され、前記電力装置が前記電力系統に連系した状態と、解列した状態とを切り替える開閉器をさらに備え、前記比較部は、前記比較結果に基づいて、前記開閉器の切り替えを指示する。
【0008】
前記判断指標演算部は、前記誘導指標をpr、前記誘導指標の最大値をprlmtとし、a2を優先順位に基づくパラメータ、a1,a3を任意のパラメータとした場合、下記式のXとして、前記判断指標を算出する。
【数1】
【0009】
前記比較部は、前記判断指標が前記所定値に基づく所定範囲内にある場合、前記通電状態と前記不通状態との切り替えを行わない。
【0010】
前記比較部は、前記不通状態が継続する時間を計時する計時手段と、前記計時手段が計時した時間が所定時間以上になった場合に抽選を行う抽選手段とを備え、前記抽選手段によって当選した場合に、前記比較結果にかかわらず、前記通電状態に切り替える。
【0011】
本発明の第2の側面によって提供される電力システムは、本発明の第1の側面によって提供される複数の切替装置と、共通の前記誘導指標を、前記各切替装置に出力する前記集中管理装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、判断指標演算部は、集中管理装置から入力される共通の誘導指標と、あらかじめ設定されている最適化問題とに基づいて判断指標を算出する。そして、比較部は、判断指標を所定値と比較した比較結果に基づいて、通電状態と不通状態とを切り替える。つまり、切替装置は、電力装置の送受電を、誘導指標に基づいて自律的にオンオフする。したがって、集中管理装置は、入出力電力を制御できない電力装置に対して、誘導指標に基づくオンオフ制御を行わせることができる。これにより、電力システムにおいて、集中管理装置による管理対象を、入出力電力を制御できない電力装置まで拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る電力システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】誘導指標に対する判断指標の変化特性を示す特性図である。
図3】第2実施形態に係る切替装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】シミュレーションでの各値の時間変化を示すタイムチャートであり、(a)は抽選処理を行わない場合のものであり、(b)は抽選処理を行った場合のものである。
図5】比較部が行う抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図6】第3実施形態に係る切替装置の内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態に係る電力システムの全体構成を示すブロック図である。電力システムGは、電力系統Eに連系しており、電力系統Eから送受電可能である。電力システムGは、電力システムGと電力系統Eとの接続点における電力(以下「接続点電力」とする)が目標電力となるように、自律分散協調制御方式により出力電力の制御を行う。なお、以下の説明において、電力システムGが電力系統Eに送電している(逆潮流している)場合、接続点電力を正の値とする。一方、電力システムGが電力系統Eから受電している場合、接続点電力を負の値とする。電力システムGは、集中管理装置F、パワーコンディショナC1~Cn、パワーコンディショナD1~Dm、および切替装置A1~Akを備えている。
【0016】
集中管理装置Fは、接続点電力を監視し、接続点電力を目標電力に瞬時値制御するための指標を算出する。本実施形態では、集中管理装置Fは、電力システムGと電力系統Eとの接続点で検出した電力値を、接続点電力P(t)として用いる。なお、集中管理装置Fは、各パワーコンディショナC1~Cn,D1~Dm、および、各切替装置A1~Akがそれぞれ検出した出力電力の検出値を受信して、これらの検出値から算出される推算値を接続点電力P(t)として用いてもよい。集中管理装置Fは、設定された目標電力Pcと接続点電力P(t)との差に基づいて誘導指標prを算出し、各パワーコンディショナC1~Cn,D1~Dm、および、各切替装置A1~Akに、共通の誘導指標prを送信する。なお、通信方法は限定されず、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0017】
パワーコンディショナC1~Cnは、それぞれ太陽電池が接続され、太陽電池が発電した直流電力を交流電力に変換して出力する。各パワーコンディショナC1~Cnは、目標電力算出部91および出力制御部92を備えている。目標電力算出部91は、集中管理装置Fから受信した誘導指標prを用いて、あらかじめ設定されている最適化問題に基づいて、自装置の出力電力の目標値である目標電力値Prefを算出する。出力制御部92は、目標電力算出部91が算出した目標電力値Prefに基づいて、出力電力の制御を行う。
【0018】
パワーコンディショナD1~Dmは、それぞれ蓄電池が接続され、蓄電池の充放電を行う。図1においては省略しているが、各パワーコンディショナD1~Dmは、パワーコンディショナC1~Cnと同様、目標電力算出部91および出力制御部92を備えている。パワーコンディショナD1~Dmの目標電力算出部91には、蓄電池の充放電に適した最適化問題があらかじめ設定されている。
【0019】
切替装置A1~Akは、それぞれ電力装置B1~Bkが接続されており、電力装置B1~Bkが電力系統Eに連系した状態と、解列した状態とを切り替える。各電力装置B1~Bkは、電力を消費する負荷、または、電力を供給する発電設備である。各電力装置B1~Bkは、比較的小規模の設備であり、消費する電力および供給する電力の制御を行うことができない。電力を消費する負荷の例としては、消費電力を調整できない産業用、家庭用の負荷や、小規模なEV充電設備などがある。小規模なEV充電設備は、接続されたEV車への充電量の制御ができない。電力を供給する発電設備の例としては、家庭用などの小規模な太陽光発電装置などがある。以下では、切替装置A1~Akを区別せず説明する場合、「切替装置A」と記載する。また、電力装置B1~Bkを区別せず説明する場合、「電力装置B」と記載する。各切替装置Aは、接続された電力装置Bが電力系統Eに連系した状態に切り替えることで、当該電力装置Bが電力を受電(または送電)している通電状態に切り替える。一方、各切替装置Aは、接続された電力装置Bが電力系統Eから解列した状態に切り替えることで、電力装置Bが電力を受電(または送電)しない不通状態に切り替える。切替装置Aは、集中管理装置Fから受信した誘導指標prに基づいて、接続された電力装置Bの連系と解列とを切り替える。切替装置Aの詳細については、後述する。
【0020】
各パワーコンディショナC1~Cn,D1~Dmが、集中管理装置Fから受信した共通の誘導指標prに基づいて自律的に入出力電力を制御し、各切替装置A1~Akが、共通の誘導指標prに基づいて自律的に通電状態と不通状態とを切り替えることで、電力システムG全体の出力電力(接続点電力P(t))が目標電力Pcに制御される。本実施形態においては、集中管理装置Fは、接続点電力P(t)が目標電力Pcより大きい場合に誘導指標prを大きくし、接続点電力P(t)が目標電力Pcより小さい場合に誘導指標prを小さくする。各パワーコンディショナC1~Cn,D1~Dmおよび各切替装置A1~Akは、集中管理装置Fから受信した誘導指標prが大きいほど、接続点電力P(t)を小さくするように動作し、誘導指標prが小さいほど、接続点電力P(t)を大きくするように動作する。パワーコンディショナC1~Cn,D1~Dmおよび集中管理装置Fの詳細な説明は省略する。
【0021】
次に、切替装置Aの詳細について説明する。切替装置Aは、判断部11および開閉器12を備えている。判断部11は、集中管理装置Fから受信した誘導指標prを用いて、あらかじめ設定されている最適化問題に基づいて、電力装置Bを電力系統Eに連系させるか、電力系統Eから解列させるかを判断する。判断部11は、判断結果を開閉器12に出力する。判断部11は、判断指標演算部111および比較部112を備えている。
【0022】
判断指標演算部111は、集中管理装置Fから受信した誘導指標prを用いて、あらかじめ設定されている最適化問題に基づいて、電力装置Bを連系させるか解列させるかを判断するための判断指標Xを算出する。この最適化問題は、評価関数を含んでいる。
【0023】
判断指標演算部111は、設定されている評価関数から導出される下記(1)式で示す演算式が設定されており、この演算式によって、判断指標Xを算出する。指標限界prlmtは、集中管理装置Fが算出する誘導指標prの最大値および最小値を定義する値である。a1,a2,a3は設定パラメータであり、電力装置Bの特性や優先順位などに応じて設定される。パラメータa1は、主に、誘導指標prの変化に応じた判断指標Xの変化量を調整する値であり、0より大きい値が設定される。パラメータa2は、主に、優先順位を設定する値である。パラメータa2は、-1以上1以下の値が設定される。パラメータa3は、主に、判断指標Xが変化し始める誘導指標prを調整する値である。本実施形態では、パラメータa1およびパラメータa3には「1」が設定されている。なお、パラメータa1およびパラメータa3は限定されない。また、パラメータa1およびパラメータa3は、誘導指標prが正の値の場合と負の値の場合とで異なった値が設定されてもよい。判断指標演算部111は、算出した判断指標Xを、比較部112に出力する。なお、判断指標演算部111は、下記(1)式で示す演算式ではなく、設定されている評価関数を解くことで、判断指標Xを算出してもよい。
【数2】
【0024】
図2は、パラメータa1およびパラメータa3に「1」が設定され、パラメータa2に「0」が設定された場合の、誘導指標prに対する判断指標Xの変化特性を示す特性図である(実線参照)。同図においては、横軸が誘導指標prであり、縦軸が判断指標Xである。判断指標Xの変化特性は、同図に示すように、誘導指標prに比例して、誘導指標prが大きいほど小さくなり、誘導指標prが「0」のときに「0」になっている。また、誘導指標prが最大値prlmtのときに「-1」になり、誘導指標prが最小値(-prlmt)のときに「1」になっている。なお、判断指標演算部111に設定される各設定値は限定されず、切替装置Aに接続される電力装置Bの特性や優先順位などに応じて、適宜設定すればよい。
【0025】
電力装置Bの優先順位(電力系統Eに連系させておくべき順位)は、電力装置Bの定格容量および設計寿命などの特性に応じて、適宜設定される。何を優先させるかは、電力システムGの設計思想や環境、状態などによって異なる。また、設計者は、接続される電力装置Bの重要度に応じて、任意に優先順位を設定することができる。本実施形態では、電力装置Bの特性および重要度を総合的に勘案した優先順位に応じた値が、パラメータa2に設定される。電力装置Bには、電力を消費する負荷と、電力を供給する発電設備とがある。負荷である電力装置Bの中で、優先順位が設定される。この場合、優先順位が高いほど、パラメータa2により小さい値が設定される。また、発電設備である電力装置Bの中で、優先順位が設定される。この場合、優先順位が高いほど、パラメータa2により大きい値が設定される。パラメータa2により小さい値が設定されるほど、誘導指標prが「0」のときの判断指標Xが小さくなり、図2の判断指標Xの変化特性を示す直線が図における下方に平行移動する。
【0026】
なお、電力装置Bの特性に応じた優先順位と、電力装置Bの重要度に応じた優先順位とが、異なるパラメータに設定されてもよい。例えば、電力装置Bの重要度に応じた優先順位がパラメータa2に設定され、電力装置Bの特性に応じた優先順位がパラメータa1に設定されてもよい。この場合、負荷である電力装置Bでは、a2<0のときには、優先順位が高いほど、パラメータa1により小さい値が設定される。一方、a2>0のときには、優先順位が高いほど、パラメータa1により大きい値が設定される。また、発電設備である電力装置Bでは、a2<0のときには、優先順位が高いほど、パラメータa1により大きい値が設定される。一方、a2>0のときには、優先順位が高いほど、パラメータa1により小さい値が設定される。パラメータa1により小さい値が設定されるほど、図2の判断指標Xの変化特性を示す直線の傾きが緩やかになる。
【0027】
比較部112は、判断指標演算部111より入力される判断指標Xを所定値と比較することで、電力装置Bを電力系統Eに連系させるか、電力系統Eから解列させるかを判断する。比較部112は、判断結果を開閉器12に出力する。接続されている電力装置Bが電力を消費する負荷である場合、比較部112は、判断指標Xが所定値以下であれば連系させ、所定値より大きければ解列させると判断する。また、接続されている電力装置Bが電力を供給する発電設備である場合、比較部112は、判断指標Xが所定値以下であれば解列させ、所定値より大きければ連系させると判断する。本実施形態では、比較のための所定値は「0」である。なお、所定値は限定されない。
【0028】
開閉器12は、電力装置Bと電力系統Eとを接続する接続線に配置されており、電力装置Bが電力系統Eに連系した状態と、電力装置Bが電力系統Eから解列した状態とを切り替えるスイッチである。開閉器12は、比較部112より入力される判断結果に基づいて、切り替えを行う。
【0029】
上記(1)式から明らかなように、判断指標Xは、誘導指標prに比例して、誘導指標prが大きいほど小さくなる(図2参照)。したがって、電力装置Bが負荷である場合、誘導指標prが大きくなると、判断指標Xが小さくなって、所定値を下回ることにより、電力装置Bが解列状態から連系状態に切り替えられる。これにより、消費される電力が増加して、接続点電力P(t)が減少する。一方、誘導指標prが小さくなると、判断指標Xが大きくなって、所定値を上回ることにより、電力装置Bが連系状態から解列状態に切り替えられる。これにより、消費される電力が減少して、接続点電力P(t)が増加する。また、電力装置Bが発電設備である場合、誘導指標prが大きくなると、判断指標Xが小さくなって、所定値を下回ることにより、電力装置Bが連系状態から解列状態に切り替えられる。これにより、供給される電力が減少して、接続点電力P(t)が減少する。一方、誘導指標prが小さくなると、判断指標Xが大きくなって、所定値を上回ることにより、電力装置Bが解列状態から連系状態に切り替えられる。これにより、供給される電力が増加して、接続点電力P(t)が増加する。
【0030】
また、解列状態と連系状態とが切り替るタイミングは、パラメータa2によって異なる。例えば、電力装置Bが負荷である場合、優先順位が高いほどパラメータa2が小さな値に設定される。図2では、パラメータa2に「0」が設定された場合の判断指標Xを実線で示し、パラメータa2に「-0.5」が設定された場合の判断指標Xを破線で示している。破線で示す判断指標Xの方が、実線で示す判断指標Xの場合より、誘導指標prがより小さいときに所定値(例えば「0」)以下になるので、連系されやすい。つまり、優先順位が高いほど(パラメータa2が小さいほど)、誘導指標prが増加したときに、解列状態から連系状態に切り替わるタイミングが早くなり、誘導指標prが減少したときに、連系状態から解列状態に切り替わるタイミングが遅くなる。電力装置Bが発電設備である場合、優先順位が高いほどパラメータa2が大きな値に設定される。実線で示す判断指標Xの方が、破線で示す判断指標Xの場合より、誘導指標prがより大きいときに所定値(例えば「0」)以上になるので、連系されやすい。つまり、優先順位が高いほど(パラメータa2が大きいほど)、誘導指標prが減少したときに、解列状態から連系状態に切り替わるタイミングが早くなり、誘導指標prが増加したときに、連系状態から解列状態に切り替わるタイミングが遅くなる。
【0031】
次に、本実施形態に係る切替装置A、および、電力システムGの作用および効果について説明する。
【0032】
本実施形態によると、判断指標演算部111は、集中管理装置Fから受信した共通の誘導指標prと、あらかじめ設定されている最適化問題とに基づいて判断指標Xを算出する。そして、比較部112は、判断指標Xを所定値と比較することで、電力装置Bを電力系統Eに連系させるか、電力系統Eから解列させるかを判断し、判断結果を開閉器12に出力する。開閉器12は、比較部112より入力される判断結果に基づいて、切り替えを行う。つまり、切替装置Aは、集中管理装置Fから受信した誘導指標prに基づいて、接続された電力装置Bの連系と解列とを、自律的に切り替える。したがって、集中管理装置Fは、入出力電力を制御できない電力装置Bに対して、誘導指標prに基づくオンオフ制御を行わせることができる。これにより、電力システムGにおいて、集中管理装置Fによる管理対象を、入出力電力を制御できない電力装置Bまで拡張することができる。
【0033】
また、本実施形態によると、各切替装置Aは、判断指標演算部111に設定されている演算式(上記(1)式参照)のパラメータa2によって、優先順位が設定されている。したがって、各切替装置Aは、優先順位に応じて、接続されている電力装置Bの連系と解列との切り替えのタイミングを異ならせることができる。よって、同時に大量の電力装置Bが連系したり、解列したりすることが抑制される。また、本実施形態によると、各切替装置Aは、開閉器12を備え、電力装置Bが電力系統Eに連系した状態と、電力装置Bが電力系統Eから解列した状態とを切り替える。これにより、通電状態と不通状態とを確実に切り替えることができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、比較部112が、判断指標演算部111より入力される判断指標Xを所定値と比較することで、電力装置Bを電力系統Eに連系させるか、電力系統Eから解列させるかを判断する場合について説明したが、これに限られない。誘導指標prの変化によって解列した電力装置Bが、誘導指標prのわずかな変化によって再度連系し、結果的に連系と解列との切り替えが短時間に繰り返して行われるチャタリングが発生する場合がある。チャタリングが頻繁に発生すると、開閉器12の寿命が短くなってしまう懸念がある。チャタリングの発生を抑制するために、比較部112は、所定値に基づく所定範囲、例えば所定値が「0」の場合、-0.1~0.1の範囲を不感帯領域として設定してもよい。なお、所定範囲は限定されない。比較部112は、判断指標Xが不感帯領域にある場合、連系と解列との切り替えを行わない。ただし、不感帯領域を広く設定し過ぎると、チャタリングを抑制できる代わりに細かな制御ができなくなる。つまり、不感帯領域の設定は、チャタリングの抑制と細かな制御とのトレードオフになる。不感帯領域は、チャタリングの頻繁な発生を抑制しつつ、ある程度細かな制御が行えるように設定される。また、不感帯領域が設定されることで、優先順位が同じ電力装置Bであっても、先に電源がオンされた電力装置Bが優先的に連系することになる。
【0035】
また、本実施形態においては、電力装置Bの種類に関係なく、判断指標演算部111に共通の演算式(上記(1)式参照)が設定されており、比較部112の判断方法が電力装置Bの種類によって異なる場合について説明したが、これに限られない。例えば、電力装置Bが電力を供給する発電設備である場合、判断指標演算部111には上記(1)式の正負を反転させた下記(2)式で示す演算式が設定され、比較部112の判断方法が共通であってもよい。
【数3】
【0036】
また、本実施形態においては、電力装置Bに電力を消費する負荷と、電力を供給する発電設備とが含まれる場合について説明したが、これに限られない。すべての電力装置Bが負荷であってもよいし、すべての電力装置Bが発電装置であってもよい。
【0037】
図3は、第2実施形態に係る切替装置A’を説明するための図であり、切替装置A’の内部構成を示すブロック図である。図3において、第1実施形態に係る切替装置Aと同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態に係る切替装置A’は、判断部11の内部構成が、第1実施形態に係る切替装置Aとは異なる。
【0038】
電力システムGに多数の電力装置Bが含まれている場合、複数の電力装置Bが同じ優先順位になる場合がある。この場合、これらの複数の電力装置Bの連系と解列との切り替えのタイミングが同じになる。例えば、これらの複数の電力装置Bが負荷の場合、一斉に連系することで消費電力が急増して誘導指標prが低下し、これにより複数の電力装置Bが一斉に解列する。そして、複数の電力装置Bが一斉に解列することで消費電力が急減して誘導指標prが上昇し、これにより複数の電力装置Bが一斉に連系する。このように、複数の電力装置Bの一斉連系と一斉解列が繰り返される場合がある。
【0039】
図4(a)は、優先順位が同じ複数の電力装置Bが一斉連系と一斉解列とを繰り返す状態をシミュレーションしたときの各値の時間変化を示すタイムチャートである。当該シミュレーションでは、消費電力が3kWの負荷である10台の電力装置Bが、それぞれ切替装置Aを介して電力系統Eに接続され、消費電力が90kWの固定負荷が直接電力系統Eに接続されている状態としている。10台の電力装置Bの優先順位は同じになっている。上段は、誘導指標prの時間変化を示している。中段は、システム全体での消費電力(a参照)と目標消費電力(b参照)の時間変化を示している。下段は、連系している電力装置B(負荷)の数の時間変化を示している。当該シミュレーションでは、時刻4:00までの目標消費電力を80kWとし、時刻4:00からの目標消費電力を110kWとしている。また、誘導指標prは、1分毎に算出される。
【0040】
図4(a)に示すように、時刻4:00までは、目標消費電力が80kWであるのに対して、電力装置Bがすべて解列しており、全体の消費電力は、固定負荷の90kWに固定されている。つまり、全体の消費電力が目標消費電力より大きく、誘導指標prは負の値に固定されている。これにより、判断指標Xも固定され、電力装置Bの解列状態が維持されている。
【0041】
時刻4:00において、目標消費電力が80kWから110kWに変化したことで、全体の消費電力が目標消費電力を下回って、誘導指標prが増加している。これにより、判断指標Xが減少して、所定値以下になったときに、10台の電力装置Bが一斉に連系する。10台の電力装置Bが連系したことで、全体の消費電力は120kW(=90kW+3kW×10)になっている。全体の消費電力が目標消費電力を上回ったので、誘導指標prが減少している。これにより、判断指標Xが増加して、所定値以上になったときに、10台の電力装置Bが一斉に解列する。以後、10台の電力装置Bの一斉連系と一斉解列とが繰り返されている。図4(a)では、約10分毎に一斉連系と一斉解列とが繰り返されている。なお、一斉連系と一斉解列との間隔は、10台の電力装置Bの全体の消費電力、固定負荷の消費電力、全体の消費電力の目標値、および、誘導指標prの算出間隔などによって変化する。
【0042】
切替装置A’は、このような一斉連系と一斉解列とが繰り返される状態となることを抑制できるように、複数の電力装置Bが一斉に連系する前に、選択された電力装置Bを連系させる。
【0043】
本実施形態に係る判断部11の比較部112は、計時部113および抽選部114を備えている。計時部113は、電力装置Bの解列状態が継続する時間を計時する。抽選部114は、判断指標Xに関係なく電力装置Bを連系させるための抽選を行う。例えば、抽選部114は、乱数を発生させて、発生した乱数が所定の当選判断値以上である場合に、抽選に当選したと判断する。当選判断値は、当選確率に応じてあらかじめ設定される。なお、抽選部114が行う抽選方法は限定されない。抽選部114は、当選をランダムに設定できればよい。
【0044】
本実施形態に係る比較部112は、計時部113が計時した時間が所定時間以上になった場合に、抽選部114に抽選を行わせる。所定時間は、複数の電力装置Bが一斉解列してから一斉連系するまでの時間より短い時間が設定される。図4(a)に示すように、複数の電力装置Bは、約10分毎に一斉連系と一斉解列とを繰り返す。したがって、本実施形態では、所定時間は、10分程度に設定されている。なお、所定時間は、限定されず、優先順位が同じ電力装置Bの全体の消費電力の範囲、負荷の消費電力の範囲、全体の消費電力の目標値の範囲、および、誘導指標prの算出間隔などに応じて、適宜設定される。そして、比較部112は、抽選部114によって抽選に当選したと判断された場合には、判断指標Xの比較に基づく判断にかかわらず、電力装置Bを電力系統Eに連系させるとの判断結果を開閉器12に出力する。各電力装置Bが接続されている切替装置A’が、解列状態が継続する時間が所定時間になったときに上記抽選を行い、当選した切替装置A’だけが、接続されている電力装置Bを連系させる。多数の電力装置Bが一斉に連系する前に、一部の電力装置Bだけが連系するので、消費電力の急増が抑制されて、誘導指標prの低下が抑制される。これにより、電力装置Bの一斉解列が抑制される。
【0045】
図5は、比較部112が行う抽選処理を説明するためのフローチャートである。当該抽選処理は、比較部112が判断指標Xに基づく判断を、連系から解列に切り替えたときに開始される。
【0046】
まず、計時部113による計時が開始される(S1)。次に、電力装置Bが解列したままであるか否かが判別される(S2)。具体的には、比較部112が、解列させるとの判断結果を開閉器12に出力したか否かが判別される。電力装置Bが解列したままである場合(S2:YES)、所定時間が経過したか否かが判別される(S3)。具体的には、比較部112が、計時部113が計時した計時時間を所定時間と比較し、計時時間が所定時間以上になったか否かを判別する。所定時間が経過していない場合(S3:NO)、ステップS2に戻って、ステップS2およびステップS3の判別が繰り返される。
【0047】
ステップS2において、電力装置Bが連系した場合(S2:NO)、抽選が行われず、抽選処理は終了する。ステップS3において、所定時間が経過した場合(S3:YES)、抽選が行われる(S4)。具体的には、抽選部114が乱数を発生させる。次いで、当選したか否かが判別される(S5)。具体的は、抽選部114が、発生させた乱数を当選判断値と比較して、乱数が当選判断値以上である場合に、抽選に当選したと判断する。当選した場合(S5:YES)、電力装置Bが連系されて(S6)、抽選処理は終了する。具体的には、比較部112が連系させるとの判断結果を開閉器12に出力する。一方、当選しなかった場合(S5:NO)、電力装置Bは連系されずに、抽選処理は終了する。
【0048】
なお、図5のフローチャートに示す処理は一例であって、比較部112が行う抽選処理は上述したものに限定されない。
【0049】
図4(b)は、図4(a)におけるシミュレーションと同様のシミュレーションを、切替装置A’を用いて行ったときの各値の時間変化を示すタイムチャートである。当該シミュレーションでの各設定は、図4(a)におけるシミュレーションと同様である。図4(b)においても、上段は誘導指標prの時間変化を示し、中段は消費電力(a参照)と目標消費電力(b参照)の時間変化を示し、下段は連系している電力装置B(負荷)の数の時間変化を示している。
【0050】
図4(b)に示すように、時刻4:00までは、図4(a)の場合と同様に、目標消費電力が80kWなので、誘導指標prが負の値に固定され、電力装置Bの解列状態が維持されている。
【0051】
時刻4:00において、目標消費電力が80kWから110kWに変化したことで、全体の消費電力が目標消費電力を下回って、誘導指標prが増加している。これにより、判断指標Xが減少して、所定値以下になったときに、10台の電力装置Bが一斉に連系する。10台の電力装置Bが連系したことで、全体の消費電力が目標消費電力を上回ったので、誘導指標prが減少している。これにより、判断指標Xが増加して、所定値以上になったときに、10台の電力装置Bが一斉に解列する。しかし、時刻4:30頃以降では、判断指標Xが減少して所定値以下になる前に抽選が行われて、数台の電力装置Bが先に連系している。これにより、10台の電力装置Bが一斉に連系する前に、一部の電力装置Bを連系させることができる。また、10台の電力装置Bが一斉に連系した場合と比べると、全体の消費電力の増加は抑制されるので、誘導指標prの減少も緩やかになっている。
【0052】
このように、図4(b)におけるシミュレーションでは、一斉連系および一斉解列が発生しにくくなる。また、一斉連系および一斉解列が抑制されることで、全体の消費電力は、変動が抑制され、目標消費電力から大きく離れないように制御されている。
【0053】
本実施形態においても、切替装置A’は、集中管理装置Fから受信した誘導指標prに基づいて、接続された電力装置Bの連系と解列とを、自律的に切り替える。集中管理装置Fは、入出力電力を制御できない電力装置Bに対して誘導指標prに基づくオンオフ制御を行わせることができるので、電力システムGにおいて、集中管理装置Fによる管理対象を、入出力電力を制御できない電力装置Bまで拡張することができる。また、各切替装置A’はパラメータa2によって優先順位が設定されているので、優先順位に応じて、接続されている電力装置Bの連系と解列との切り替えのタイミングを異ならせることができる。よって、同時に大量の電力装置Bが連系したり、解列したりすることが抑制される。
【0054】
さらに、本実施形態によると、優先順位が同じ切替装置A’が複数あった場合でも、比較部112は抽選処理を行って当選した場合に連系させるので、優先順位が同じ切替装置A’が一斉に解列したり連系したりすることが抑制される。
【0055】
図6は、第3実施形態に係る切替装置A”を説明するための図であり、切替装置A”の内部構成を示すブロック図である。図6において、第1実施形態に係る切替装置Aと同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。本実施形態に係る切替装置A”は、開閉器12を備えていない点で、第1実施形態に係る切替装置Aとは異なる。
【0056】
切替装置A”は、開閉器12によって電力装置Bを連系状態と解列状態とで切り替えるのではなく、電力装置Bの電源スイッチをオンオフさせることで、電力装置Bを稼動状態と停止状態とで切り替える。各切替装置A”は、それぞれ異なる電力装置Bに対応付けられている。切替装置A”の比較部112は、対応する電力装置Bを稼動状態とするか停止状態とするかの判断結果を、対応する電力装置Bに出力する。電力装置Bは、比較部112より入力される判断結果に応じて、電源スイッチをオンオフする。切替装置A”は、対応する電力装置Bを稼動状態に切り替えることで、当該電力装置Bが電力を受電(または送電)している通電状態に切り替える。一方、対応する電力装置Bを停止状態に切り替えることで、電力装置Bが電力を受電(または送電)しない不通状態に切り替える。
【0057】
本実施形態においても、切替装置A”は、集中管理装置Fから受信した誘導指標prに基づいて、対応する電力装置Bの稼動状態と停止状態とを、自律的に切り替える。集中管理装置Fは、入出力電力を制御できない電力装置Bに対して誘導指標prに基づくオンオフ制御を行わせることができるので、電力システムGにおいて、集中管理装置Fによる管理対象を、入出力電力を制御できない電力装置Bまで拡張することができる。また、各切替装置A”はパラメータa2によって優先順位が設定されているので、優先順位に応じて、対応する電力装置Bの稼動状態と停止状態との切り替えのタイミングを異ならせることができる。よって、同時に大量の電力装置Bが稼動したり、停止したりすることが抑制される。
【0058】
さらに、本実施形態によると、開閉器12を備えていないので、切替装置A”の製造コストを切替装置Aより抑制することができる。また、もともと接続されている電力装置Bに、比較部112からの判断結果を入力するための配線を接続するだけなので、切替装置Aのように電力装置Bが接続されている電力線の途中に挿入する必要がなく、設置が容易である。
【0059】
なお、上記第1~第3実施形態においては、電力システムGが、太陽電池が接続されたパワーコンディショナC1~Cnと、蓄電池が接続されたパワーコンディショナD1~Dmとを備えている場合について説明したが、これに限られない。電力システムGは、パワーコンディショナC1~Cnを備えていなくてもよいし、パワーコンディショナD1~Dmを備えていなくてもよい。また、電力システムGは、BEMS(Building Energy Management System)などの需要家の消費電力を管理する電力管理システムも管理対象に含めてもよい。
【0060】
本発明に係る切替装置および電力システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る切替装置および電力システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0061】
A:切替装置、111:判断指標演算部、112:比較部、113:計時部、114:抽選部、12:開閉器、B:電力装置、E:電力系統、F:集中管理装置、G:電力システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6