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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】整形外科用インプラントキット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20230725BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022020629
(22)【出願日】2022-02-14
(62)【分割の表示】P 2020073757の分割
【原出願日】2014-04-24
(65)【公開番号】P2022058981
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2013/053892
(32)【優先日】2013-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515314867
【氏名又は名称】ネオ・メディカル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】バイアー, モーテン
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-283101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61B 17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用スクリュのためのスクリュエキステンダに取り外し可能に取り付けるための組織拡張スリーブ(9)であって、
前記スクリュエキステンダを囲むための円筒部と、
前記円筒部の一端に取り付けられた可撓性円錐部(21)であって、各々が実質的に三角形の形状を有する複数の長手方向の可撓性ブレード(22)を含み、隣接する可撓性ブレード(22)は、間隙によって互いに隔てられており、前記可撓性円錐部は、前記円筒部から離れる方向に先細りになっている前記可撓性円錐部と、
前記スクリュエキステンダの長手方向軸に沿って前記スクリュエキステンダから前記組織拡張スリーブを手動で引いて取り外すために、前記円筒部の他端に取り付けられたハンドルと、を備え
前記ハンドルによって前記スクリュエキステンダから前記組織拡張スリーブを手動で引いて取り外すと、前記円錐部の前記可撓性ブレードは、前記スクリュエキステンダから離れるように半径方向に曲がるように構成されており、それにより、前記組織拡張スリーブが前記長手方向軸に沿って前記スクリュエキステンダから引かれて取り外されることができる、組織拡張スリーブ(9)。
【請求項2】
前記可撓性円錐部は、前記組織拡張スリーブが前記スクリュエキステンダに取り付けられているときに、前記スクリュエキステンダの遠位部によって保持されたスクリュを覆うように構成されている、請求項1に記載の組織拡張スリーブ(9)。
【請求項3】
前記ハンドルは、前記円筒部の他端に取り付けられたリングを含み、前記リングは、前記長手方向軸に沿って前記スクリュエキステンダから前記組織拡張スリーブを引いて取り外すために、使用者の指と係合するように構成されている、請求項1に記載の組織拡張スリーブ(9)。
【請求項4】
スクリュ(1)を保持するためのスクリュエキステンダ(6)と、
請求項1に記載の組織拡張スリーブ(9)と、
を備える整形外科用インプラントキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科学に関し、より正確には、椎弓根スクリュ(pedicle screw)、ロッド、および脊椎ケージ(spine cage)などの整形外科用の物品に関する。本発明はまた、それらの物品を操作するために用いられる器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の物品を含む整形外科用インプラントキット、特に容易に分解可能な2つの半分のシェルで作られた取り付けチューブに固定された、椎弓根スクリュを開示している。従来技術の椎弓根スクリュは、2つの主要なグループに分けることができる:
- 単軸スクリュ:スクリュの主軸の方向が、スクリュヘッドに対して固定される;
- 多軸スクリュ:スクリュの主軸の向きを、スクリュヘッドに対して自由に変更することができる。
椎弓根スクリュを骨に移植するときには、複数の工程が必要になる。そうした工程のそれぞれでは、ほとんどの場合、専用の器具が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0012999号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、整形外科用インプラント(椎弓根スクリュ、ナット、ロッドなど)の操作および固定に必要とされる物品の数を減らすことである。他の目的は、それらの物品を操作するための器具の数を減らすことである。他の目的は、器具の取り扱いを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それらの目的は、特許請求の範囲に定められるインプラントキット、ならびに関連する物品および器具によって満たされる。
【0006】
第1の実施形態において、本発明は、ロック可能な多軸スクリュと、組織拡張スリーブ(tissue dilatation sleeve)と、スクリュドライバと、スクリュエキステンダ(screw extender)と、ロッドと、ロッド短縮手段(rod-reduction means)と、セットスクリュドライバと、トルク制限機構と、スクリュ解放器具と含む整形外科用インプラントキットにある。
【0007】
本発明によるロック可能な多軸の整形外科用スクリュは、2つの別個の要素を形成し、互いに固定されたヘッドおよびねじ付部分を含むが、各要素は、特定の方向に沿って独立に方向付けることができる。ねじ付部分は、たとえばスクリュヘッドのまわりを回転し、複数の可能な向きをとることができる。より正確には、ねじ付部分は、円錐の頂部がヘッドとねじ付部分の間の接点に対応する円錐形の容積内において、任意の場所で方向付けることができる。スクリュは、起動されたとき、ねじ付部分とヘッドの間の相対的な動きを抑えるロッキング要素をさらに含む。この構成は、ねじ付部分をヘッドに対して単一の(固定された)軸に沿って方向付けることができるため、「単軸」と呼ばれる。一実施形態によれば、ロッキング要素は、U字形を有するクリップである。この場合、ヘッドおよびねじ付部分は、U字形クリップの分岐部を受けるように適用された空洞を含む。
【0008】
好ましくは、単軸モードにおいて、ヘッドは、それ自体の軸のまわりで、ねじ付部分に対して依然として自由に回転することができる。そうした機構は、U字形クリップ、およびねじ付部分の上部のまわりに配置された環状溝によって得ることができる。この場合、クリップの分岐部は、環状溝の中を摺動する。
【0009】
他の実施形態において、スクリュヘッドは、スクリュエキステンダの遠位端に配置された隆起部または溝などの対応するレリーフを受けるように寸法を定められた溝または隆起部など、少なくとも1つの長手方向のレリーフ(relief)を含む。
【0010】
他の実施形態において、スクリュは、ねじ付部分の近位端に配置された凹形座部、スクリュヘッドの遠位部に配置された対応する凸形体を含む。この構成によって、スクリュの長さが短縮され、システムの強度および剛性が高められる。
【0011】
本発明によるスクリュエキステンダは、円筒体遠位部の方を向く開放端を有する2つの相対する長手方向スロットによって隔てられた2つの半分のチューブで作られた中空円筒体を含み、遠位部は、スクリュヘッドを受け、保持するように寸法を定められる。円筒体は、内部のねじ付部をさらに含む。
【0012】
一実施形態によれば、円筒体は、単一の部片で作られ、遠位部は、スクリュヘッドの簡単なクリップ留めおよびその後の解放を可能にするように、それ自体の弾性によって半径方向に伸長可能である。
【0013】
その半径方向の伸長を容易にするために、スクリュエキステンダは、たとえば、回転させたときに2つの半分のチューブを互いから離すように押す内部の回転可能なチューブなどの伸長手段を含むことができる。
【0014】
好ましい実施形態において、円筒体遠位端の内部は、前述のように、対応するレリーフを含むスクリュヘッドの長手方向のレリーフに受け入れられるように寸法を定められた隆起部または溝など、少なくとも1つのレリーフを含む。この構成では、それによって半分のチューブの遠位部がそれ自体の弾性によって互いに分離することが妨げられ、したがって、スクリュエキステンダとスクリュヘッドの間にきわめて強い連結部がもたらされる。さらなる利益は、スクリュヘッドと円筒体の間の相対回転が回避されることである。
【0015】
好ましい実施形態では、円筒体の中にロッド短縮器具が配置される。有利には、ロッド短縮器具は本質的に、円筒体の内部のねじ付部の対応物である、ねじ付の遠位部を有する軸で作られる。したがって、それを円筒体の中で回転させると、軸は円筒体の主軸に沿って動くことができる。
【0016】
他の実施形態では、(さらに、または別法として)前記円筒体の中にセットスクリュドライバが配置される。この場合も、セットスクリュドライバは本質的に、ねじ付の遠位部を有する軸で作られる。
【0017】
有利には、セットスクリュドライバはトルク制限機構を含む。
【0018】
一実施形態において、この機構は、壊すことができるピン、およびねじ山のない回転可能な軸を含む。ピンは、回転可能な軸を横方向に横断し、その端部は、ねじ付の回転可能な軸の中に固定される。ねじ付の軸およびねじ山のない軸は、互いに回転可能に連結されるが、ある特定のトルクに達すると、ピンが壊れ、各軸は他の軸に対して自由に回転することができるようになる。
【0019】
他の実施形態では、(さらに、または別法として)前記円筒体の中にスクリュ解放器具が配置される。
【0020】
有利には、スクリュ解放器具は本質的に、ねじ付の遠位部を有する軸で作られる。
【0021】
特に興味深い実施形態では、ねじ付の遠位部を有する同じ軸が、ロッド短縮器具(および潜在的な脊椎すべり症)、セットスクリュドライバ、ならびにスクリュ解放機構に用いられる。
【0022】
本発明による組織拡張スリーブは、前の請求項に定められるスクリュエキステンダのような器具の遠位部に一時的に固定されるように適用された、可撓性の円錐部材を含む。
【0023】
一実施形態において、円錐部材は、それぞれが略三角形を有する複数の長手方向の可撓性ブレードで作られる。
【0024】
以下の図によって非限定的な例を示すが、本文書の以下の部分において、本発明がより適切に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明によるインプラントキットを示す図である。
図2】本発明によるロック可能な多軸の椎弓根スクリュの一例を示す図である。
図3】A~Cは、図2のスクリュの断面図および部分切断図である。
図4図2のスクリュの異なる図(全体および一部)である。
図5図2のスクリュと共に、本発明によるスクリュエキステンダの遠位部を示す図である。
図6】スクリュエキステンダの遠位部の断面図である。
図7】スクリュを伴うスクリュエキステンダの全体図である。
図8】A~Cは、スクリュヘッド内でのロッドの位置決め、ロッドの短縮、およびセットスクリュの締結を示す図である。
図9】A~Cは、スクリュエキステンダに対するスクリュの解放を示す図である。
図10】スクリュエキステンダの遠位部を横方向に伸長するための機構を含む、スクリュエキステンダを示す図である。
図11図10のスクリュエキステンダの他の図である。
図12】本発明による椎弓根スクリュの他の実施形態を示す図である。
図13】A~Cは、ロッド短縮器具、セットスクリュドライバおよびスクリュ解放器具に使用される回転可能な軸の様々な図である。
図14】トルク制限機構を示す図である。
図15】トルク制限機構を示す図である。
図16】組織拡張スリーブの使用を示す図である。
図17】組織拡張スリーブの使用を示す図である。
図18】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図19】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図20】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図21】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図22】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図23】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図24】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図25】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図26】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図27】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図28】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図29】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図30】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図31】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図32】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図33】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図34】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図35】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図36】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図37】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
図38】本発明によるインプラントキットを使用する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の例は、より正確には、使い捨ての器具と組み合わせた椎弓根スクリュおよびロッドからなる胸腰部固定システム(thoracolumbar fusion system)に関する。典型的な椎弓根スクリュシステムは、スクリュインプラント、およびスクリュを配置するための器具からなる。
【0027】
図1は、本発明によるインプラントキットの一例を示している。このキットは、組織拡張スリーブ9と、ハンドル25と、ロッド7と、ロッド挿入器具27と、ロッド短縮器具、および/もしくはセットスクリュドライバ、および/もしくはスクリュ解放器具として使用可能な軸26と、椎弓根スクリュ1と、スクリュエキステンダ6と、スクリュドライバ24とを含む。
【0028】
特に図2~4に示すロック可能な多軸スクリュ1は、ヘッド2およびねじ付部分4を含む。また図2は、ロッド7の挿入後にヘッドに固定可能なセットスクリュ3を示している。スクリュ1は、U字形を有するロッキング要素5をさらに含む。ロッキング要素5がスクリュヘッド2に完全に挿入されると、ねじ付部分4の向きがヘッド2に対してブロックされる。逆に、ロッキング要素が回収されると、ねじ付部分4は、スクリュヘッド2に対して自由に方向付けることが可能になる。
【0029】
したがって、本発明によるロック可能な多軸スクリュを単軸スクリュに変えることができ、したがって、同じ製品で単軸および多軸の能力を有することが可能になる。これまでに明示したブロッキングシステムによって、外科医が単軸または多軸モードでスクリュを使用したいと望む場合には選択することが可能になる。前述のように、単軸の能力はロッキング要素(クリップ)5を押すことによって得られ、多軸の能力はクリップ5を取り外すことによって得られる。クリップ5は、ブロッキングシステムの単なる一例であり;ピンなどの他の技術的解決策も考えられる。
【0030】
好ましくは、単軸モードにおいて、ヘッドは、それ自体の軸のまわりでねじ付部分対して依然として自由に回転することができる。そうした機構は、U字形クリップ、およびねじ付部分の上部のまわりに配置された環状溝によって得ることができる。この場合、クリップの分岐部は環状溝の中を摺動する。
【0031】
単軸を用いるとき、軸の任意の向きを考慮することができる、すなわち、スクリュの軸およびスクリュヘッドを、様々な方向に沿って方向付けることができる。図5~7は、スクリュヘッド2を遠位端16の中に挿入することによる、椎弓根スクリュ1のスクリュエキステンダ6の遠位端16への取り付けを示している。この操作では、ヘッド2は、遠位端16の中に配置された複数の隆起部17、およびヘッド2の上に配置された溝によって案内される。そうしたシステムでは、スクリュヘッドは、スクリュエキステンダ6の中により適切に保持される。スクリュエキステンダ6には、任意の適切な材料を用いることができる(プラスチック、ポリマー、金属など)
【0032】
図8A~8Cは、スクリュヘッド2内でのロッド7の位置決め、ロッドの短縮、およびスクリュヘッド2内でのセットスクリュ3の締結を示している。多用途の(multi-use)器具26(図13A~13Bも参照)は、上側部分8および下側(ねじ付)部分20によって画成される。多用途の器具26を円筒体14の中で回転させることによって、ロッド7を下方に押すことができる。ロッドがヘッド2の中に挿入された後、多用途の器具26をさらに回転させることによって、セットスクリュ3がヘッド2に固定される。
【0033】
多用途の器具26は、トルク制限機構(図14および15参照)も備える。セットスクリュ3をヘッド2の中に固定し、多用途の器具26をさらに回転させると、トルクはピン28が壊れる時点まで増大する。したがって、多用途の器具26をさらに回転させても、セットスクリュ3にはもはや影響を及ぼさない。その時点からは、多用途の器具26をさらに回転させても、スクリュヘッド2に対する下向きの圧力を生じさせるだけである。したがって、スクリュ1は、次第にスクリュエキステンダから分離される(図9A~9C参照)。
【0034】
器具からのこのスクリュ解放機構は、スクリュエキステンダ6を横方向に伸長することなく、スクリュ1をスクリュエキステンダから解放する可能性をもたらす。この段階において、この機構が椎弓根スクリュの解放に限定されないことに言及すべきである。任意の他の物品を用いることができる。要約すれば、同じ器具26を、ロッドの短縮、セットスクリュのスクリュヘッドへの固定、およびスクリュのスクリュエキステンダからの解放に用いることが可能である。
【0035】
本発明が同じ器具のこの3種の用途に限定されないことが強調されるべきである。2種の用途も、たとえば、ロッドの短縮、およびスクリュセットのスクリュヘッドへの固定を含む。
【0036】
図10および11は、内側のチューブ(図示せず)を回転させることによって椎弓根スクリュをスクリュエキステンダに取り付ける代替的解決策を示しており、半分のチューブ23は、それ自体の弾性によって伸長される。これにより、たとえばスクリュのまわりの外面をクランプ留めすることによって、スクリュをチューブに挿入および固定することが可能になる。同じ原理を、スクリュエキステンダをスクリュから取り外す代替形態として用いることができる。
【0037】
クランピングシステムはまた、スクリュヘッドの支持面上にあることによって、その剛性の一部を得る。
【0038】
図12は、凸形の上側の半球33の内側の、凹形のスクリュの頂部32を示しているが、ロッド7およびセットスクリュ3をスクリュヘッド2内のさらに下方に設定することが可能になり、したがって、全体的な構造高さが低減され、システムの強度および剛性が高められる。
【0039】
図16および17は、互いに干渉され円錐21を形成する4つの三角形の可撓性ブレード22を含む、組織拡張スリーブ9を示している。円錐21は、切り取り式の(tear off)螺旋体と共にスクリュエキステンダ6の先端に取り付けられる。これによって、スクリュエキステンダ6が体内に挿入されるとき、組織をわきに押すことが可能になる。適所になると、外科医は、スクリュエキステンダが体内に留まっている間に、スリーブ9を取り外すことができる。円錐を形成するために、任意の適切な数のブレードを用いることができる。
【0040】
図18~38は、これまでに示した物品を用いる手順を示している。
【0041】
第1の工程(図18および19)では、2つの穿刺用の案内ワイヤ31が、脊椎の中に位置決めされる。次いで、拡張スリーブによって取り付けられ囲まれたスクリュ1を伴う第1のスクリュエキステンダ6が、組織を通り(図20および21)、案内ワイヤ31に沿って挿入される。スクリュエキステンダ6は、回転される、かつ/または押される。第2のスクリュエキステンダ6およびスクリュ1についても、同様の操作が実行される(図22および23)。スクリュエキステンダ6の中に、スクリュドライバ24が挿入される。その遠位端が、スクリュのねじ付部分4の上部の中に導入される。次いで、スクリュ1は回転され、椎骨に入る(図24および25)。組織拡張スリーブ9が取り外される(図26~28)。端部にロッド7を伴うロッド挿入器具27が、組織を横方向に横断する(図29および30)。ロッド7は、スクリュヘッド2より上に位置決めされ(図32)、多用途の器具26は、セットスクリュ3がスクリュヘッド2に従ってロッド7より上に位置決めされる程度まで、スクリュエキステンダ6の中に導入される(図31および32)。図33~36は、スクリュヘッド2内でのロッドの配置、およびスクリュヘッド2内でのセットスクリュ3の固定を示している。図37および38は、スクリュエキステンダ6からのスクリュの解放、ならびにその最終的な位置におけるスクリュ1、ロッド7およびスクリュセット3を示している。
【0042】
本発明はもちろん、そうした示された例に限定されない。本発明によるスクリュエキステンダは、単軸、多軸、またはロック可能な多軸のスクリュと共に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 椎弓根スクリュ
2 ヘッド
3 セットスクリュ
4 ねじ付部分
5 ロッキング要素
6 スクリュエキステンダ
7 ロッド
8 多用途の器具の上側部分
9 組織拡張スリーブ
10 トルクドライバ
11 ヘッドの通路
12 ねじ付部分の通路
13 分岐部
14 円筒体
15 スロット
16 円筒体遠位部
17 隆起部
18 溝
19 スクリュエキステンダの内部のねじ付部
20 多用途の器具の下側部分
21 円錐部材
22 ブレード
23 半分のチューブ
24 スクリュドライバ
25 ハンドル
26 多用途の器具(ロッド短縮/セットスクリュドライバ/スクリュ解放)
27 ロッド挿入器具
28 壊すことができるピン
29 横方向のピン
30 円形溝
31 穿刺針/案内ワイヤ
32 凹形のスクリュの頂部
33 凸形の上側の半球
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38