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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ペレット暖房蔵置の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F23B 50/12 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
F23B50/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019132638
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021018006
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003229
【氏名又は名称】株式会社トヨトミ
(72)【発明者】
【氏名】西川 正純
(72)【発明者】
【氏名】小林 康人
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-267709(JP,A)
【文献】特開2009-024983(JP,A)
【文献】特開2005-257121(JP,A)
【文献】特開2002-267132(JP,A)
【文献】特開2004-347168(JP,A)
【文献】特開2015-017786(JP,A)
【文献】特開2017-172833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23B 50/12
F24B 1/00ー15/00
F23N 1/00ー5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体内には燃焼室と、前記燃焼室内に設置されたバーナと、燃料タンクから燃料を搬送して前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼空気を供給する燃焼ファンとを設け、
燃焼量設定手段によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段と前記燃焼ファンの回転数を制御する燃焼制御手段を備えたペレット暖房装置において、
前記燃焼制御手段は前記バーナの燃焼時間をカウントするカウント手段を備え、
前記バーナの連続燃焼時間が予め定めた設定時間に到達したときに、前記バーナ内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し
前記除去モードには、前記燃焼ファンの回転数を前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ高くなるように変更し、その後一定時間経過すると前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ低くなるように変更し、一定時間ごとに回転数の変更を繰り返し出力する回転数変更指令を備え、
前記所定回転数は各燃焼量に対応して定められた異なる回転数が設定されていることを特徴とするペレット暖房装置の制御装置。
【請求項2】
枠体内には燃焼室と、前記燃焼室内に設置されたバーナと、燃料タンクから燃料を搬送して前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼空気を供給する燃焼ファンとを設け、
燃焼量設定手段によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段と前記燃焼ファンの回転数を制御する燃焼制御手段を備えたペレット暖房装置において、
前記燃焼制御手段は前記バーナの燃焼時間をカウントするカウント手段を備え、
前記バーナの連続燃焼時間が予め定めた設定時間に到達したときに、前記バーナ内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し
前記除去モードには、前記燃焼ファンの回転数を前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ高くなるように変更する回転数変更指令と、前記燃料供給手段の運転と停止を一定時間毎に繰り返し、燃料を断続して供給する間欠駆動指令を備え、
前記所定回転数は各燃焼量に対応して定められた異なる回転数が設定されていることを特徴とするペレット暖房装置の制御装置。
【請求項3】
枠体内には燃焼室と、前記燃焼室内に設置されたバーナと、燃料タンクから燃料を搬送して前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼空気を供給する燃焼ファンとを設け、
燃焼量設定手段によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段と前記燃焼ファンの回転数を制御する燃焼制御手段を備えたペレット暖房装置において、
前記燃焼制御手段は前記バーナの燃焼時間をカウントするカウント手段を備え、
前記バーナの連続燃焼時間が予め定めた設定時間に到達したときに、前記バーナ内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し
前記除去モードには、前記燃焼ファンの回転数を前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、
前記所定回転数は各燃焼量に対応して定められた異なる回転数が設定されており、
前記枠体内には燃焼ガスの温度を検出する温度検出手段を備え、
前記燃焼制御手段は、前記除去モードを開始してから所定時間経過する前に前記温度検出手段の検出温度が所定温度以下まで低下したときに前記除去モードを終了することを特徴とするペレット暖房装置の制御装置。
【請求項4】
枠体内には燃焼室と、前記燃焼室内に設置されたバーナと、燃料タンクから燃料を搬送して前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼空気を供給する燃焼ファンとを設け、
燃焼量設定手段によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段と前記燃焼ファンの回転数を制御する燃焼制御手段を備えたペレット暖房装置において、
前記燃焼制御手段は前記バーナの燃焼時間をカウントするカウント手段を備え、
前記バーナの連続燃焼時間が予め定めた設定時間に到達したときに、前記バーナ内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し
前記除去モードには、前記燃焼ファンの回転数を前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、
前記所定回転数は各燃焼量に対応して定められた異なる回転数が設定されており、
前記燃焼制御手段は前記バーナの連続燃焼時間が第2の設定時間に到達したときに、前記除去モードを開始する前記設定時間を短く変更することを特徴とするペレット暖房装置の制御装置。
【請求項5】
枠体内には燃焼室と、前記燃焼室内に設置されたバーナと、燃料タンクから燃料を搬送して前記バーナに供給する燃料供給手段と、前記バーナに燃焼空気を供給する燃焼ファンとを設け、
燃焼量設定手段によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段と前記燃焼ファンの回転数を制御する燃焼制御手段を備えたペレット暖房装置において、
前記燃焼制御手段は前記バーナの燃焼時間をカウントするカウント手段を備え、
前記バーナの連続燃焼時間が予め定めた設定時間に到達したときに、前記バーナ内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し
前記除去モードには、前記燃焼ファンの回転数を前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量に対応した回転数から予め定めた所定回転数だけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、
前記所定回転数は各燃焼量に対応して定められた異なる回転数が設定されており、
前記燃焼制御手段は前記バーナの連続燃焼時間が第3の設定時間に達したときは、前記バーナの燃焼停止指令を出力し、前記温度検出手段の検出温度が所定温度以下まで低下すると前記バーナの燃焼開始指令を出力し、前記温度検出手段の検出温度が所定温度以上に達するまでの時間を計時し、所定時間より短いときはエラーの警報を出力する検査モードを備えていることを特徴とするペレット暖房装置の制御装置。
【請求項6】
前記燃焼量設定手段によって設定された燃焼量が大きくなるほど、前記除去モードにおける前記所定回転数が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のペレット暖房装置の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は木質ペレットを燃焼させて暖房を行なうペレット暖房装置の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペレット暖房装置は、運転開始すると燃焼ファンによってバーナに燃焼用空気が送られ、枠体内の燃料タンクに収容した燃料が燃料供給手段によってバーナに供給され、点火用ヒータに通電して燃料が加熱される。燃料に着火して燃焼を開始すると、発生した燃焼ガスは燃焼室から熱交換室に送られる。枠体背面に設けた給・排気管がペレット暖房装置が設置された部屋の壁を貫通して屋内外を連絡する給排気筒と接続され、バーナに供給する空気を屋外から取り入れ、熱交換室を出た燃焼ガスを屋外に排出している。
【0003】
また、枠体内の下部から枠体前面に連続する送風経路が形成され、送風経路の入口側に対流ファンを配置し、送風経路の出口となる枠体前面に温風吹出口を設け、送風経路には熱交換室内を貫通する熱交換パイプを備えている。対流ファンによって送風経路内に送られた空気が熱交換パイプを通過するときに熱交換室の燃焼ガスと熱交換し、温風となって温風吹出口から吹出して暖房している。
【0004】
バーナに送られたペレット燃料は燃焼によって灰になり、バーナの下方に配置した受皿に落下するか、燃焼ガスと一緒に屋外に排出されているが、使用するペレット燃料の種類によっては燃えにくい成分が含まれるものがあり、燃えにくい成分が含まれた燃料を使用すると灰が多く生成され、また、灰に含まれる不純物などによって灰が固まりやすく、燃焼生成物としてバーナ内に残ることがある。
【0005】
バーナ内に燃焼生成物が発生すると燃焼空気の流れが阻害され、空気不足によって燃焼が悪化して立炎や煤が発生しやすくなり、さらに燃焼生成物が発生してバーナ内に溜まってしまう。また、燃焼できない燃料がバーナ内にたまってしまい、消火時にはバーナ内に残る燃料や燃焼生成物によって消火時間が長くなってしまうなどの問題が発生する。
【0006】
そのため、運転前にバーナ内の点検を行ない、受皿に溜まった灰やバーナに溜まった燃焼生成物を掃除してもらうよう案内をしているが、点検されないまま使用されてしまうことが多く、その結果バーナ内に多量の燃焼生成物が堆積する。
【0007】
また、ペレット暖房装置は長時間連続して運転可能であるため、バーナが長時間連続して燃焼すると、正常に燃焼していても灰や燃焼生成物が堆積することがあり、長時間連続して燃焼するときは一定時間おきにクリーニング運転を行なうことが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-267709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のクリーニング運転では、バーナに供給する燃焼空気を増加しつつ燃料供給を停止して空気過剰の状態を作り出し、バーナ内の燃焼生成物を燃焼させるものであるが、バーナ内に燃焼生成物が発生していないときや燃焼生成物の量が少ないときは、バーナ内の燃料が短時間の間に燃焼してなくなってしまい、クリーニング運転の途中で失火する恐れがある。
【0010】
この発明では、クリーニング運転の途中で失火することなく、バーナ内の燃焼生成物を確実に除去することができる制御装置を備えたペレット暖房装置を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上記の課題を解決するもので、枠体1内には燃焼室4と、前記燃焼室4内に設置されたバーナ5と、燃料タンク2から燃料を搬送して前記バーナ5に供給する燃料供給手段3と、前記バーナ5に燃焼空気を供給する燃焼ファン9とを設け、燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段3と前記燃焼ファン9の回転数を制御する燃焼制御手段17を備えたペレット暖房装置において、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段22を備え、前記バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達したときに、前記バーナ5内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し前記除去モードには、前記燃焼ファン9の回転数を前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ高くなるように変更し、その後一定時間経過すると前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ低くなるように変更し、一定時間ごとに回転数Nの変更を繰り返し出力する回転数変更指令を備え、前記所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた異なる回転数が設定されていることを特徴とするペレット暖房装置の制御装置である。
【0012】
また、枠体1内には燃焼室4と、前記燃焼室4内に設置されたバーナ5と、燃料タンク2から燃料を搬送して前記バーナ5に供給する燃料供給手段3と、前記バーナ5に燃焼空気を供給する燃焼ファン9とを設け、燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段3と前記燃焼ファン9の回転数を制御する燃焼制御手段17を備えたペレット暖房装置において、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段22を備え、前記バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達したときに、前記バーナ5内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し前記除去モードには、前記燃焼ファン9の回転数を前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ高くなるように変更する回転数変更指令と、前記燃料供給手段3の運転と停止を一定時間毎に繰り返し、燃料を断続して供給する間欠駆動指令を備え、前記所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた異なる回転数が設定されていることにより、燃料の供給を停止するときにバーナ5内の燃焼生成物を燃焼させ、燃料の供給を再開することでバーナ5内の燃料がなくなって失火することを防止できる。
【0013】
また、枠体1内には燃焼室4と、前記燃焼室4内に設置されたバーナ5と、燃料タンク2から燃料を搬送して前記バーナ5に供給する燃料供給手段3と、前記バーナ5に燃焼空気を供給する燃焼ファン9とを設け、燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段3と前記燃焼ファン9の回転数を制御する燃焼制御手段17を備えたペレット暖房装置において、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段22を備え、前記バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達したときに、前記バーナ5内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し前記除去モードには、前記燃焼ファン9の回転数を前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、前記所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた異なる回転数が設定されており、前記枠体1内には燃焼ガスの温度を検出する温度検出手段19を備え、前記燃焼制御手段17は、前記除去モードを開始してから所定時間経過する前に前記温度検出手段19の検出温度が所定温度以下まで低下したときに前記除去モードを終了することにより、バーナ5内の燃料がなくなる前に除去モードを終了して通常運転に復帰することで失火することなく燃焼を継続することができる。
【0014】
また、枠体1内には燃焼室4と、前記燃焼室4内に設置されたバーナ5と、燃料タンク2から燃料を搬送して前記バーナ5に供給する燃料供給手段3と、前記バーナ5に燃焼空気を供給する燃焼ファン9とを設け、燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段3と前記燃焼ファン9の回転数を制御する燃焼制御手段17を備えたペレット暖房装置において、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段22を備え、前記バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達したときに、前記バーナ5内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し前記除去モードには、前記燃焼ファン9の回転数を前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、前記所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた異なる回転数が設定されており、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の連続燃焼時間が第2の設定時間T2に到達したときに、前記除去モードを開始する前記設定時間Tを短く変更することにより、バーナ5の連続燃焼時間が長くなるときには除去モードを開始するタイミングを早くする。
【0015】
また、枠体1内には燃焼室4と、前記燃焼室4内に設置されたバーナ5と、燃料タンク2から燃料を搬送して前記バーナ5に供給する燃料供給手段3と、前記バーナ5に燃焼空気を供給する燃焼ファン9とを設け、燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量で燃焼するように前記燃料供給手段3と前記燃焼ファン9の回転数を制御する燃焼制御手段17を備えたペレット暖房装置において、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段22を備え、前記バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達したときに、前記バーナ5内の燃焼生成物を燃焼させる除去モードを開始し前記除去モードには、前記燃焼ファン9の回転数を前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pに対応した回転数Nから予め定めた所定回転数nだけ高くなるように変更する回転数変更指令を備え、前記所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた異なる回転数が設定されており、前記燃焼制御手段17は前記バーナ5の連続燃焼時間が第3の設定時間T3に達したときは、前記バーナ5の燃焼停止指令を出力し、前記温度検出手段19の検出温度が所定温度以下まで低下すると前記バーナ5の燃焼開始指令を出力し、前記温度検出手段19の検出温度が所定温度以上に達するまでの時間を計時し、所定時間より短いときはエラーの警報を出力する検査モードを備えていることにより、バーナ5内に燃焼生成物が堆積していていることを使用者に知らせることができる。
【0016】
また、前記燃焼量設定手段20によって設定された燃焼量Pが大きくなるほど、前記除去モードにおける前記所定回転数nが大きくなるように設定されていることにより、バーナ5内の燃料に対して空気量が多くなりすぎて失火することを防止でき、燃焼生成物を燃焼させることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明では、ペレット暖房装置の連続燃焼時間が設定時間Tに達すると燃焼制御手段17が除去モードを開始し、燃焼ファン9の回転数をバーナ5の燃焼量に対応した回転数Nよりも所定回転数nだけ高くなるように変更するから、バーナ5内に供給される燃料に対して燃焼空気量が多くなり、バーナ5内に燃焼生成物が溜まっているときには燃焼生成物を燃焼させて除去することができる。除去モードにおける所定回転数nは各燃焼量Pに対応して定められた回転数となっており、燃焼バランスを大きく変化させないようにしてスムーズに除去モードに移行できるものとなり、バーナ5に供給される燃料に対して空気量が多くなりすぎないようにして、燃焼生成物が少ないときでも失火することがなくなった。
【0019】
また、バーナ5の燃焼量が大きくなるほど所定回転数nを大きく設定しており、バーナ5の燃焼量が大きいときは空気量を多くすることで燃焼生成物を燃焼させることができ、バーナ5の燃焼量が小さいときは空気量の増加を抑えることで、燃焼生成物が少ないときに失火することを防止することができるものである。
【0020】
また、除去モードにおいて燃焼ファン9の回転数を燃焼量に対応した回転数Nから所定回転数n高く変更し、一定時間経過すると燃焼量に対応した回転数Nから所定回転数n低く変更し、一定時間毎に回転数の変更を繰り返し行なう回転数変更指令を備えており、燃焼ファン9の回転数が高くなるときにバーナ5内の燃焼生成物を燃焼させ、回転数が低くなるときにバーナ5に供給される燃料に対して燃焼空気が少なくなるので、バーナ5内の燃料が短時間で燃え尽きて失火することを防いでいる。
【0021】
また、除去モードにおいて燃料供給手段3の運転と停止を一定時間毎に繰り返し、バーナ5に燃料を断続して供給する間欠駆動指令を備えており、燃料供給手段3が停止している間にバーナ5内の燃焼生成物を燃焼させ、燃料供給手段3が駆動して燃料を供給することで失火することを防止できる。また、バーナ5に落下する燃料によってバーナ5内の灰を巻き上げ、燃焼ファン9の空気流よって灰を運ぶことができるので、バーナ5内の灰の堆積を抑制できる。
【0022】
また、枠体1内には燃焼ガスの温度を検出する温度検出手段19を備え、除去モードを開始してから終了するまでの間に温度検出手段19が所定温度以下を検出しないか確認している。バーナ5内の燃料が減ってくると徐々に炎が小さくなり燃焼ガスの温度が低下し、温度検出手段19の検出温度が所定温度以下となったときは除去モードを終了する。このようにするとバーナ5内の燃焼生成物が少ないときは、短時間で除去モードを終了して、通常燃焼に復帰することができ、バーナ5内の燃料がなくなって失火することがなくなったものである。
【0023】
また、バーナ5の連続燃焼時間が第2の設定時間T2に達したときは、バーナ5の連続燃焼時間の設定時間Tを短く変更し、次回以降の除去モードを開始するタイミングを早くしている。ペレットストーブは運転を停止することなく連続して使用を続けることができるが、バーナ5の連続燃焼時間が長くなると燃焼生成物が発生しやすくなるため、バーナ5の連続燃焼時間が長くなるときに除去モードを早く開始することでバーナ5内の燃焼生成物の発生を抑えることができる。
【0024】
また、バーナ5の連続燃焼時間が第3の設定時間T3に達したときは、バーナ5の燃焼停止指令を出力して温度検出手段19の検出温度が所定温度以下になるまでバーナ5の燃焼を停止し、所定温度以下になるとバーナ5の燃焼開始指令を出力する。バーナ5の燃焼開始指令から温度検出手段19の検出温度が所定温度以上に達するまでの時間が所定時間より長いときはそのまま通常の運転に戻るが、所定時間より短いときはエラーの警報を出力するものである。このようにするとバーナ5内に燃焼生成物が溜まっていることを使用者に知らせることができ、使用者がバーナ5内の掃除を実施して燃焼生成物を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の実施例を示すペレット暖房装置のブロック図である。
図2】この発明の実施例を示すペレット暖房装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図に示す実施例によってこの発明を説明すると、1はペレット暖房装置の枠体、2は枠体1内の背面側に設けた上方が開放された燃料タンク、2aは枠体1の上面に開閉可能に設けられた燃料タンク2のタンク蓋、3は燃料タンク2の底部に取り付けられた燃料供給手段であり、枠体1上面のタンク蓋2aを開いてペレット燃料を投入する。
【0027】
3aは燃料タンク2の底部に設けられた燃料の搬送経路を形成する筒状のカバー、3bはカバー3a内に配置された燃料を搬送するスクリュー、3cはスクリュー3bを駆動するモータであり、燃料供給手段3を構成している。燃料タンク2の底部の燃料はカバー3a下部に設けられた開口からカバー3a内に入り、モータ3cが駆動してスクリュー3bが回転するとカバー3a下部の燃料が搬送され、カバー3a内の上部まで運ばれる。
【0028】
4は枠体1内の前面側に配置した燃焼室、5は燃焼室4内に設置したバーナ、4aはバーナ5よりも高所の燃焼室4壁に設けた燃料供給口、6はカバー3aの上部に設けた開口と燃焼室4の燃料供給口4aとを連通する燃料案内経路であり、スクリュー3bによってカバー3a内の上部まで運ばれた燃料は燃料案内経路6を経て燃料供給口4aから落下してバーナ5に供給される。
【0029】
7は枠体1の背面に設けた給気管7aで構成する給気口、8は給気管7aの内側に配置した排気管8aで構成する排気口であり、給気管7aと排気管8aは壁を貫通して取り付けられた給排気筒トップに接続されている。9はバーナ5に燃焼空気を供給するための燃焼ファン、10は燃焼室4の上部に連続する熱交換室、11は熱交換室10と排気管8aとを接続する排気経路であり、燃焼ファン9は排気経路11と排気管8aとの間に配置されている。
【0030】
12は給気管7aとバーナ5の背面に設けた燃焼空気孔5aを接続する給気経路、13はバーナ5の燃焼空気孔5aの付近の給気経路12内に配置された点火ヒータであり、燃焼ファン9が駆動すると給気口7から吸い込まれた屋外空気が燃焼空気孔5aからバーナ5に供給されるが、このとき空気の一部が点火ヒータ13によって加熱されてからバーナ5に供給される。バーナ5に供給された燃料は高温の熱気によって加熱されて着火し、空気と混合してバーナ5内で燃焼を開始する。発生した高温の燃焼ガスは燃焼室4内を上昇して熱交換室10、排気経路11を経て排気口8から屋外へ排出される。
【0031】
14は枠体1内の下部から枠体1の前面上部に連続する送風経路、15は送風経路14の入口側に設けた対流ファン、16は送風経路14の出口側に形成した温風吹出口、14aは熱交換室10内を貫通するように配置された複数本の熱交換パイプであり、対流ファン15によって送風経路14内に送られた風は熱交換パイプ14aを通過するときに熱交換室10の燃焼ガスと熱交換し、温風となって温風吹出口16から吹出す。
【0032】
17はペレット暖房装置の運転を制御するマイクロコンピュータを内装した燃焼制御手段、18はペレット暖房装置の運転・停止操作を行なうための運転スイッチであり、運転スイッチ18の入/切信号が燃焼制御手段17に送られ、燃焼制御手段17は運転スイッチ18の信号に基づいて燃料供給手段3を構成するモータ3c、燃焼ファン9、対流ファン15、点火ヒータ13などに駆動・停止指令を出してペレット暖房装置の運転を制御する。
【0033】
19は排気経路11に設けたサーミスタで構成する温度検出手段であり、排気経路11を流れる燃焼ガス温度を検出している。運転スイッチ18の入信号が燃焼制御手段17に送られると、燃焼制御手段17は燃焼ファン9、燃料供給手段3を構成するモータ3c、点火ヒータ13の順に駆動し、バーナ5に供給された燃料に着火して燃焼を開始すると排気経路11の温度が上昇し、温度検出手段19で検出される温度が一定温度以上になると対流ファン15を駆動し、点火ヒータ13の通電を停止する。
【0034】
20はバーナ5の燃焼量を設定するための燃焼量設定手段であり、燃焼量設定手段20を操作して燃焼量を設定すると、燃焼制御手段17は燃焼ファン9の回転数と燃料供給手段3のモータ3cの回転数を変更して、燃焼量設定手段20で設定された燃焼量で燃焼するように制御する。21は風量設定手段であり、風量設定手段21を操作して風量を設定すると、燃焼制御手段17は対流ファン15の回転数を変更して、設定された風量となるように制御する。
【0035】
この発明の実施例ではバーナ5の燃焼量は最小燃焼量P1~最大燃焼量P5までの5段階あり、各燃焼量に対応して燃焼ファン5の回転数がN1~N5、燃料供給手段3のモータ3cの回転数がM1~M5にそれぞれ設定されている。
【0036】
また、運転スイッチ18の切信号が燃焼制御手段17に送られると、燃焼制御手段17は燃料供給手段3を構成するモータ3cを停止し、温度検出手段19で検出される温度が一定温度以下になると対流ファン15を停止し、設定された時間が経過すると燃焼ファン9を停止する。
【0037】
5bはバーナ5下方に配置した灰受部であり、ペレット燃料はバーナ5で燃焼すると灰になり、燃焼ファン9によって燃焼ガスと一緒に屋外に排出されたり、バーナ5の底面に設けた孔から落下して灰受部5bに溜まるものとなっている。使用者はバーナ5や灰受部5bに溜まった灰を捨てて定期的に掃除する必要がある。
【0038】
バーナ5や灰受部5bの掃除をしないままバーナ5が長時間連続して燃焼すると、ペレット燃料に含まれる水分や不純物などの燃えにくい成分によって灰が固まってしまい、燃焼生成物としてバーナ5内に残ることがあり、バーナ5内に発生した燃焼生成物によって燃焼空気の流れが阻害されてさらに燃焼を悪化させ、バーナ5内に多量の燃焼生成物が堆積することがある。
【0039】
この発明では、燃焼制御手段17にバーナ5の燃焼生成物を燃焼させて除去するための除去モードを備えており、22はバーナ5の燃焼時間をカウントするカウント手段であり、カウント手段22はバーナ5の燃焼開始指令が出力されると燃焼時間のカウントを開始し、バーナ5が燃焼している間はカウントを継続し、バーナ5の燃焼停止指令が出力されると燃焼時間のカウントを終了する。バーナ5の連続燃焼時間が予め定めた設定時間Tに到達すると燃焼制御手段17は除去モードを開始する。
【0040】
除去モードを開始すると燃焼ファン9の回転数を燃焼量設定手段20で設定された燃焼量Pに対応する回転数Nから予め定めた所定回転数nを加算した回転数に変更する。このとき燃料供給手段3のモータ3cの回転数Mはそのままであり、燃料供給量に対して燃焼空気量が多くなるから、バーナ5内に燃焼生成物が存在しているときには、燃焼生成物を燃焼させることができる。
【0041】
所定回転数nは同一の値ではなく、各回転数N1~N5に対応して異なる所定回転数n1~n5が設定されており、除去モードにおける燃焼ファン9の回転数は、各燃焼量P1~P5に対応した回転数N1~N5に所定回転数n1~n5を加算した回転数に変更されるものである。このようにするとバーナ5内の燃焼生成物の量が少ないときに除去モードを開始したときでも、燃料供給量に対して燃焼空気量が多くなりすぎることがなく、除去モード中にバーナ5内の燃料がなくなって失火してしまうことがない。
【0042】
具体的な構成として、最小燃焼量P1に対応する回転数N1のときの所定回転数n1の値が最も小さくなるよう設定し、燃焼量P2に対応する回転数N2の時の所定回転数n2は所定回転数n1よりも大きくする。そして、燃焼量P2、P3、P4と大きくなるほど所定回転数n2、n3、n4の値も大きくなり、最大燃焼量P5に対応する回転数N5のときの所定回転数n5の値が最も大きくなるように設定している。
【0043】
除去モード開始前の燃焼量が最小燃焼量P1であった場合はバーナ5に供給される燃料が少ないため、燃料供給量に対して燃焼空気量を少し増加するだけでバーナ5内の燃焼生成物を燃焼させることができる。また、除去モード開始前の燃焼量が最大燃焼量P5であった場合はバーナ5に供給される燃料が多くなるため、燃料供給量が多くなる分だけ燃焼空気量を大きく増加させることで、バーナ5内の燃焼生成物を確実に燃焼させることができるものとなる。
【0044】
また、各燃焼量P1~P5に対応して所定回転数n1~n5を設定することで、除去モードを開始して燃焼空気量を増加したときに、燃焼空気量と燃料供給量のバランスを大きく変化させないから、バーナ5内の燃焼生成物が少ない場合でも燃料供給量に対して燃焼空気量が多くなりすぎることはなく、除去モード中にバーナ5内の燃料がなくなって失火することを防ぐことができるものである。
【0045】
また、除去モードは予め定めた所定時間が経過すると終了し、通常の燃焼制御に復帰するが、この発明では所定時間が経過する前に温度検出手段19が所定温度以下を検出したときは、除去モードを終了して通常の燃焼に復帰する構成としている。
【0046】
バーナ5内に燃焼生成物が発生していない場合は、バーナ5内のペレット燃料の燃焼が促進され、バーナ5への燃料の供給が追い付かなくなり、除去モード中にバーナ5内の燃料が不足してしまう恐れがある。バーナ5内の燃料が不足すると徐々に炎が小さくなり燃焼ガス温度が低下するので、温度検出手段19が所定温度以下を検出する。所定時間経過する前に温度検出手段19が所定温度以下を検出したときは除去モードを終了し、燃焼ファン5の回転数をバーナ5の燃焼量Pに対応した回転数Nに戻すので、除去モード中にバーナ5の燃料がなくなって失火することを防ぐことができる。
【0047】
なお、除去モード中に温度検出手段19が所定温度以下を検出したときは、バーナ5内の温度が低下している可能性があるため、点火ヒータ13に通電指令を出力し、バーナ5内の燃料を加熱することによってバーナ5の温度を上昇させ、確実に通常の燃焼に復帰できるようにしている。
【0048】
また、この発明の他の実施例では、除去モードにおいて燃焼ファン9の回転数Nから所定回転数nだけ高くする回転数Nhと、回転数Nから所定回転数nだけ低くする回転数Nlの2つの回転数を設定し、回転数Nhと回転数Nlを一定時間ごとに交互に繰り返し変更する回転数変更指令を備えている。除去モードを開始すると燃焼ファン9の回転数Nから所定回転数nだけ高くした回転数Nhに変更し、一定時間経過すると所定回転数nだけ低くした回転数Nlに変更し、その後一定時間ごとに回転数Nhと回転数Nlを交互に繰り返し変更するものである。
【0049】
このようにすると、燃焼ファン9の回転数Nから所定回転数nだけ高い回転数Nhに変更したときは、バーナ5の燃料供給量に対して燃焼空気量が多くなるのでバーナ5内の燃焼が促進されて燃焼生成物を燃焼させることができる。バーナ5内の燃焼生成物が少ないときは燃料が短時間で減ってしまうが、一定時間で回転数Nhから回転数Nlに変更すると燃料供給量に対して燃焼空気量が少なくなってバーナ5内の燃焼が抑えられ、この間にバーナ5内の燃料が増えるので、燃料が不足して除去モード中に失火することを防ぐことができる。このため、バーナ5内の燃焼生成物を確実に燃焼させ除去することができるものである。また、燃焼ファン9が低い回転数Nlから高い回転数Nhに変更するときの風の変化によってバーナ5内の灰を巻き上げて、燃焼ガスと一緒に排出することができ、バーナ5内の燃焼生成物を除去することができるものとなった。
【0050】
また、この発明の他の実施例では、除去モードにおいて燃料供給手段3のモータ3cの駆動と停止を一定時間ごとに繰り返す間欠駆動指令を備えている。除去モードを開始すると燃焼ファン9の回転数Nから所定回転数nだけ高い回転数に変更し、一定時間経過すると燃料供給手段3のモータ3cを停止し、さらに一定時間経過すると燃料供給手段3のモータ3cを駆動し、一定時間ごとに燃焼供給手段3のモータ3cの駆動と停止を繰り返している。
【0051】
燃料供給手段3のモータ3cが停止してバーナ5への燃料の供給が停止すると、燃焼空気量に対してバーナ5内の燃料が少なくなるので燃焼生成物が燃焼しやすくなる。バーナ5内の燃焼生成物が少ないときは短時間で燃料が減ってしまうが、一定時間で燃料供給手段3のモータ3cが駆動してバーナ5に燃料が供給され、この間にバーナ5内の燃料が増えるので、燃料が不足して失火することはなく燃焼を継続することができ、除去モード開始から短時間でバーナ5内の燃焼生成物を除去することができるものとなった。
【0052】
また、燃料供給手段3のモータ3cが停止している間に燃焼生成物が燃焼して灰になりバーナ5内にたまるが、モータ3cが駆動を再開してバーナ5に燃料が供給されると、燃料が灰の上に落下して灰が巻き上げられ、燃焼ガスと一緒に排出することができ、バーナ5内の燃焼生成物を除去することができるものとなった。
【0053】
また、燃焼制御手段17はバーナ5が連続して燃焼している間は、カウント手段22が設定時間Tをカウントするごとに除去モードを行なうが、バーナ5が長時間停止することなく連続して燃焼を継続していると燃焼生成物が発生しやすくなり、所定時間Tごとに除去モードを行なっていてもバーナ5内に燃焼生成物が除去しきれなくなることがある。
【0054】
この発明ではカウント手段22のカウント時間が予め定めた第2の設定時間T2に到達すると除去モードを開始する設定時間Tを短く変更し、次回以降の除去モードを開始するタイミングを早くするように構成しており、バーナ5内の燃焼生成物が多くなる前に除去モードを開始することで、バーナ5内に燃焼生成物を発生させることなく長時間連続して燃焼することができるようになったものである。
【0055】
また、燃焼制御手段17はバーナ5の検査を行なう検査モードを備えており、バーナ5の燃焼を停止することなく長時間連続して燃焼を継続し、バーナ5の連続燃焼時間が第3の設定時間T3に到達すると検査モードを開始する。検査モードを開始するとバーナ5の燃焼停止指令が出力され、燃焼制御手段17は燃料供給手段3に停止指令を出力してモータ3cが停止し、バーナ5への燃料供給が停止するとバーナ5内の炎が徐々に小さくなっていき消火する。燃焼ガス温度が低下して温度検出手段19で検出される温度が所定温度以下まで低下するとバーナ5の燃焼開始指令を出力し、燃料供給手段3に駆動指令を出力してモータ3cが駆動してバーナ5へ燃料が供給され、点火ヒータ13に通電してバーナ5に供給された燃料に着火し燃焼を開始する。
【0056】
燃焼制御手段17は燃焼開始指令が出力されてから温度検出手段19の検出温度が所定温度以上となるまでの時間を計時しており、この時間が所定時間より長いときはそのまま燃焼を継続して通常運転に復帰する。一方、温度検出手段19の検出温度が所定温度以上となるまでの時間が所定時間より短いときは、バーナ5の燃焼停止指令を出力し、運転を停止する。23はランプやブザーで構成する警報手段であり、警報手段23が作動して使用者に異常を知らせる。
【0057】
点火ヒータ13はバーナ5の底部よりも高い位置に取り付けられており、バーナ5内に一定量の燃料が供給され、バーナ5内の燃料が点火ヒータ13の高さまで届くと着火するものであるが、バーナ5内に燃焼生成物が溜まっている場合は燃料が燃焼生成物の上に落下し、燃料が点火ヒータ13の高さに届くまでの時間が短くなり、通常よりも早く着火して燃焼を開始するため、バーナ5の燃焼開始指令を出力してから温度検出手段19が所定温度以上を検出するまでの時間も短くなる。
【0058】
このため、温度検出手段19が所定温度以上を検出するまでの時間が所定時間より短いときは、バーナ5内に燃焼生成物が堆積し掃除が必要になったことを意味しているから、バーナ5の燃焼を停止すると共に警報手段23を作動して使用者に知らせることで、使用者が掃除を行なってバーナ5内に溜まった燃焼生成物を除去することができるようになり、バーナ5内に燃焼生成物が溜まった状態のまま長時間連続して運転させることがなくなるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 枠体
2 燃料タンク
3 燃料供給手段
4 燃焼室
5 バーナ
9 燃焼ファン
17 燃焼制御手段
19 温度検出手段
20 燃焼量設定手段
22 カウント手段
図1
図2