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特許7318921砕石杭形成用のアタッチメント及びそれを備える砕石杭形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】砕石杭形成用のアタッチメント及びそれを備える砕石杭形成装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/08 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
E02D3/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019171353
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021046755
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】507301486
【氏名又は名称】株式会社 尾鍋組
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾鍋 哲也
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-248885(JP,A)
【文献】実開昭61-079020(JP,U)
【文献】特開2014-152471(JP,A)
【文献】実開平06-079895(JP,U)
【文献】特開2003-074045(JP,A)
【文献】特開2010-144347(JP,A)
【文献】特開平08-134892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に形成した空間に砕石杭を形成する砕石杭形成装置に取付けられ、前記地中に挿入されて前記空間を形成し、前記地中から上昇しつつ前記空間に砕石杭を形成する砕石杭形成用のアタッチメントであって、
円筒部と、
前記円筒部内に回転可能に配置されており、駆動装置からの駆動力により回転するシャフトであって、基端側シャフトと先端側シャフトとの少なくとも2つに分離可能なシャフトと、
前記円筒部内に配置されており、前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部とを接続する接続構造と、
前記円筒部内に配置されており、前記接続構造の周囲を覆うカバーと、を備えており、
前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部のうち一方の端部は、
前記シャフトの軸線方向に伸びており、前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部のうち他方の端部が挿入される挿入穴と、
前記シャフトの軸線に対して垂直に貫通する貫通孔と、を備えており、
前記接続構造は、前記貫通孔内に配置され、前記挿入穴に挿入された前記他方の端部と係合して前記他方の端部が前記一方の端部から脱落することを規制するピンを備えており、
前記カバーは、前記貫通孔を覆っている、アタッチメント。
【請求項2】
地中に形成した空間に砕石杭を形成する砕石杭形成装置に取付けられ、前記地中に挿入されて前記空間を形成し、前記地中から上昇しつつ前記空間に砕石杭を形成する砕石杭形成用のアタッチメントであって、
円筒部と、
前記円筒部内に回転可能に配置されており、駆動装置からの駆動力により回転するシャフトであって、基端側シャフトと先端側シャフトとの少なくとも2つに分離可能なシャフトと、
前記円筒部内に配置されており、前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部とを接続する接続構造と、
前記円筒部内に配置されており、前記接続構造の周囲を覆うカバーと、を備えており、
前記基端側シャフトの先端部は、
前記先端側シャフトの基端部と接続される第1部分と、
前記第1部分に隣接し、前記第1部分より基端側に配置される第2部分と、を備えており、
前記第1部分の外周の径は、前記第2部分の外周の径より大きくされており、
前記カバーは、前記カバーの基端側に設けられ、前記第1部分の基端に係合する突起を備え、前記突起が前記第1部分の基端に係合することで前記カバーが前記基端側シャフトに支持されている、アタッチメント。
【請求項3】
地中に形成した空間に砕石杭を形成する砕石杭形成装置に取付けられ、前記地中に挿入されて前記空間を形成し、前記地中から上昇しつつ前記空間に砕石杭を形成する砕石杭形成用のアタッチメントであって、
円筒部と、
前記円筒部内に回転可能に配置されており、駆動装置からの駆動力により回転するシャフトであって、基端側シャフトと先端側シャフトとの少なくとも2つに分離可能なシャフトと、
前記円筒部内に配置されており、前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部とを接続する接続構造と、
前記円筒部内に配置されており、前記接続構造の周囲を覆うカバーと、を備えており、
前記先端側シャフトの基端部は、
前記基端側シャフトの先端部と接続される第3部分と、
前記第3部分に隣接し、前記第3部分より先端側に配置される第4部分と、
前記第3部分と前記第4部分との間に配置され、前記第3部分の外周面より外周側に突出する突起と、を備えており、
前記カバーは、その先端が前記突起に当接し、前記突起によって前記カバーが前記先端側シャフトに支持される、アタッチメント。
【請求項4】
前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部のうち一方の端部は、
前記シャフトの軸線方向に伸びており、前記基端側シャフトの先端部と前記先端側シャフトの基端部のうち他方の端部が挿入される挿入穴と、
前記シャフトの軸線に対して垂直に貫通する貫通孔と、を備えており、
前記接続構造は、前記貫通孔内に配置され、前記挿入穴に挿入された前記他方の端部と係合して前記他方の端部が前記一方の端部から脱落することを規制するピンを備えており、
前記カバーは、前記貫通孔を覆っている、請求項2又は3に記載のアタッチメント。
【請求項5】
地中に形成した空間に砕石杭を形成する砕石杭形成装置であって、
前記地中に挿入されて前記空間を形成し、前記地中から上昇しつつ前記空間に砕石杭を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載のアタッチメントと、
回転駆動力を発生させる駆動装置と、
を備えている、砕石杭形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、砕石杭形成用のアタッチメント及びそれを備える砕石杭形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液状化対策等の地盤改良のために、地中に砕石杭を形成する方法が用いられている。地中に砕石杭を形成する方法としては、地中に挿入されて空間を形成し、地中から上昇しつつ空間に砕石杭を形成するアタッチメントを用いることがある。この種のアタッチメントは、円筒部と、円筒部内に回転可能に配置され、基端側と先端側に分離可能なシャフトと、シャフトの基端側と先端側を接続する接続構造を備えている。シャフトの基端側と先端側との接続構造は、円筒部内に配置されている。シャフトを正転方向の回転することによってアタッチメントを挿入しながら地中に空間を形成する。アタッチメントが地中に挿入されると、円筒部の内部空間には砕石が投入され、シャフトを反転方向の回転することによってアタッチメントを引き抜きながら砕石杭を形成する。例えば、特許文献1には、砕石杭形成用のアタッチメントの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-248885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアタッチメントでは、シャフトの基端側と先端側部は接続構造により接続されており、先端側は取り換え可能となっている。接続構造は円筒部内に配置されているため、砕石杭を形成する際には、砕石が投入された円筒部の内部空間で、シャフトと共に接続構造が回転する。すなわち、接続構造は、円筒部内に投入された砕石の中で砕石と接触しながら回転する。このため、円筒部内の砕石との接触により、接続構造に摩耗等の不具合が生じることがあった。本明細書は、シャフトの基端側と先端側との接続構造に不具合が生じることを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示するアタッチメントは、地中に形成した空間に砕石杭を形成する砕石杭形成装置に取付けられ、地中に挿入されて空間を形成し、地中から上昇しつつ空間に砕石杭を形成する砕石杭形成用のアタッチメントである。アタッチメントは、円筒部と、基端側シャフトと先端側シャフトとの少なくとも2つに分離可能なシャフトシャフトと、接続構造と、カバーを備えている。シャフトは、円筒部内に回転可能に配置されており、駆動装置からの駆動力により回転する。接続構造は、円筒部内に配置されており、基端側シャフトの先端部と先端側シャフトの基端部とを接続する。カバーは、円筒部内に配置されており、接続構造の周囲を覆う。
【0006】
上記のアタッチメントでは、基端側シャフトと先端側シャフトを接続する接続構造を覆うカバーを備えることによって、砕石杭を形成する際に円筒部内に投入される砕石と接続構造とが直接接触することを抑制することができる。これにより、円筒部内に投入される砕石によって接続構造に不具合が生じることを抑制することができる。
【0007】
また、本明細書に開示する砕石杭形成装置は、地中に形成した空間に砕石杭を形成する。砕石杭形成装置は、地中に挿入されて空間を形成し、地中から上昇しつつ空間に砕石杭を形成するアタッチメントと、回転駆動力を発生させる駆動装置と、を備えている。アタッチメントは、円筒部と、基端側シャフトと先端側シャフトとの少なくとも2つに分離可能なシャフトシャフトと、接続構造と、カバーを備えている。シャフトは、円筒部内に回転可能に配置されており、駆動装置からの駆動力により回転する。接続構造は、円筒部内に配置されており、基端側シャフトの先端部と先端側シャフトの基端部とを接続する。カバーは、円筒部内に配置されており、接続構造の周囲を覆う。
【0008】
上記の砕石杭形成装置は、接続構造の周囲を覆うカバーを備えたアタッチメントを備えている。このため、上記のアタッチメントと同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1、2に係る砕石杭形成装置の概略構成を示す図。
図2】アタッチメントを別の角度からみた図。
図3】ロッドと螺旋部と回転入力軸の概略構成を示す図。
図4】ロッドと螺旋部と回転入力軸の概略構成を示す分解図。
図5図3の要部Vの拡大断面図。
図6図5のVI-VI線における断面図。
図7】実施例2に係る砕石杭形成装置の接続構造とカバーの概略構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0011】
(特徴1)本明細書に開示するアタッチメントでは、基端側シャフトの先端部と先端側シャフトの基端部のうち一方の端部は、シャフトの軸線方向に伸びており、基端側シャフトの先端部と先端側シャフトの基端部のうち他方の端部が挿入される挿入穴と、シャフトの軸線に対して垂直に貫通する貫通孔と、を備えていてもよい。接続構造は、貫通孔内に配置され、挿入穴に挿入された他方の端部と係合して他方の端部が一方の端部から脱落することを規制するピンを備えていてもよい。カバーは、貫通孔を覆っていてもよい。このような構成によると、カバーによって、基端側シャフトと先端側シャフトを接続するピンが貫通孔から抜けることを防止できる。また、カバーが貫通孔内に土砂等が侵入することを抑制するため、接続構造に不具合が生じることを抑制することができる。
【0012】
(特徴2)本明細書に開示するアタッチメントでは、基端側シャフトの先端部は、先端側シャフトの基端部と接続される第1部分と、第1部分に隣接し、第1部分より基端側に配置される第2部分と、を備えていてもよい。第1部分の外周の径は、第2部分の外周の径より大きくされていてもよい。カバーは、カバーの基端側に設けられ、第1部分の基端に係合する突起を備え、突起が第1部分の基端に係合することでカバーが基端側シャフトに支持されていてもよい。このような構成によると、カバーが突起を備えることによって、簡易な構成でカバーを接続構造の周囲に固定することができる。
【0013】
(特徴3)本明細書に開示するアタッチメントでは、先端側シャフトの基端部は、基端側シャフトの先端部と接続される第3部分と、第3部分に隣接し、第3部分より先端側に配置される第4部分と、第3部分と第4部分との間に配置され、第3部分の外周面より外周側に突出する突起と、を備えていてもよい。カバーは、その先端が突起に当接し、突起によってカバーが先端側シャフトに支持されていてもよい。このような構成によると、先端側シャフトの基端部が突起を備えることによって、簡易な構成でカバーを接続構造の周囲に固定することができる。また、上記の構成を備えると、先端側シャフトを取り換える際には、カバーを接続構造に配置した後で先端側シャフトを取り付けることになる。多くの場合、基端側シャフトより先端側シャフトのほうが短いため、上記の構成を備えることによって、先端側シャフトを取り換える際にカバーを配置する作業を容易にすることができる。
【実施例
【0014】
(実施例1)
以下、本実施例に係る砕石杭形成装置100について説明する。図1に示すように、砕石杭形成装置100は、地盤改良機40と、地盤改良機40に装着されるアタッチメント10を備えている。地盤改良機40は、地盤改良機本体構造1と、運転席としてのキャビン7と、低接地圧で不整地を移動可能な無限軌道であるクローラ6と、施工時において地盤改良機40の揺動を抑制するアウトリガー5を備えている。
【0015】
地盤改良機40は、さらに、アタッチメント10を操作するための構成を備えている。すなわち、地盤改良機40は、アタッチメント10にモータ出力軸27を介して回転駆動力を供給する駆動装置11と、昇降ガイドレール9を有するリーダー4と、リーダー4を支持するためのリーダー取付ベース2と、リーダー4の傾きを操作する油圧シリンダー3と、リーダー4の下端部においてリーダー4と一体的に形成されている延長脚柱8と、を備えている。
【0016】
図2、3に示すように、アタッチメント10は、フィン13が設けられた円筒部12と、螺旋部42と、円筒部12の振れ止め用の包囲枠30と、円筒部12の上端に取付けられるトップカバーケース16と、砕石投入装置32と、包囲枠30を支持する取付プレート37と、砕石投入装置32を支持する支持アーム39と、アタッチメント10による施工状態を管理する施工管理装置41と、を備えている。
【0017】
円筒部12には、砕石投入孔15が形成され、砕石投入孔15は開閉蓋20によって塞がれている。砕石投入装置32は、ホッパー部33と、ホッパー部33の下部に配置されるシュート部34を備えている。砕石投入孔15は、アタッチメント10が地中を掘削する際には開閉蓋20によって閉じられている。これによって、砕石投入孔15から土砂が侵入することを防止できる。また、円筒部12内に砕石を投入する際には開閉蓋20が開けられる。これによって、砕石投入装置32に投入した砕石を砕石投入孔15から円筒部12内に投入することができる。通常用いられる砕石は、岩石を粉砕したものであるため一定の形状ではなく、約2~50mmの直径を有するが、これに限定されない。砕石は、2mmよりも小さな直径のものを含んでいてもよいし、50mmより大きな直径のものを含んでいてもよい。アタッチメントの形状を変えることで50mmより大きな直径のものも扱うことができる。また、砕石は、地盤改良用の杭として用いられる種々の材料を含み、例えば、自然砕石や砂利、砂といった自然物、あるいはコンクリートの破片、廃瓦、鉱津といった人工物などを含む。
【0018】
図3を参照して、螺旋部42について説明する。図3では、螺旋部42とロッド50と回転入力軸26を見易くするために、円筒部12の図示を省略している。以下、円筒部12の軸方向に沿って、駆動装置11が配置されている方向(+Z方向)を「基端」といい、その反対方向(-Z方向)を「先端」ということがある。
【0019】
図3に示すように、螺旋部42は、円筒部12内でロッド50に接続されている。具体的には、螺旋部42の基端部44は、接続構造60により、ロッド50の先端部52に接続されている(図4参照)。接続構造60は、その周囲をカバー70によって覆われている。なお、接続構造60とカバー70については、後に詳述する。ロッド50の基端部は、回転入力軸26の先端部に接続されており、回転入力軸26の基端部は、駆動装置11のモータ出力軸27に接続されている(図1参照)。回転入力軸26は、モータ出力軸27の回転駆動力に応じて回転し、その回転駆動力を、回転入力軸26に接続されるロッド50に伝達し、さらに、ロッド50を介して螺旋部42に伝達する。螺旋部42の先端には掘削翼が設けられている。掘削翼は、螺旋部42の先端に向かうにしたがって径が大きくなる螺旋状に形成されている。掘削翼の略全体は円筒部12内に配置されており、掘削翼の先端の一部のみが円筒部12の先端から突出している(図1及び図2参照)。なお、掘削翼は地中を掘削できる形状であればよく、その形状は特に限定されない。また、掘削翼の先端は、円筒部12から突出していなくてもよい。
【0020】
図1及び図2に示すように、円筒部12の周囲には、螺旋状のフィン13が形成されている。フィン13は、螺旋部42の螺旋(すなわち、掘削翼)と同一方向の螺旋形状を有している。後述するように、アタッチメント10が地中を掘削する際は、円筒部12と螺旋部42は、同一方向に回転するようになっている。これにより、螺旋部42の掘削によって生じた掘削土砂がフィン13によって上方に運搬されることになる。なお、本実施例では、円筒部12の周囲にフィン13が設けられているが、フィン13は設けられていなくてもよい。この場合には、螺旋部42の掘削によって生じた掘削土砂が上方に運搬されないため、掘削の際に地表に掘削土砂が排出されない。
【0021】
なお、トップカバーケース16の内部には、図示しないワンウエイクラッチ機構を備えている。ワンウエイクラッチ機構は、掘削時の回転方向の駆動においては、自動的に螺旋部42と円筒部12とが一体として回転する作動状態とする。一方、掘削時の回転方向と逆方向の回転駆動においては、ワンウエイクラッチ機構は、螺旋部42に駆動装置11の回転駆動力を伝達する一方で、円筒部12には駆動装置11の回転駆動力が伝達されない。その結果、螺旋部42で砕石に圧力を印加する一方で、円筒部12の回転は停止する。以下、円筒部12と螺旋部42が同一方向に回転する方向、すなわち、掘削時の回転方向を「正転方向」といい、掘削時の回転方向と逆方向に回転する方向、すなわち、螺旋部42で砕石に圧力を印加する回転方向を「反転方向」ということがある。
【0022】
ここで、図4図6を参照して、接続構造60及びカバー70について説明する。図4図3に示すロッド50と螺旋部42と回転入力軸26の分解図であり、ロッド50と螺旋部42が接続されておらず、また、ロッド50と回転入力軸26が接続されていない状態を示す。なお、図4では、カバー70の図示を省略している。図5は、図3の要部Vの拡大断面図であり、図6は、図5のVI-VI線における断面図である。
【0023】
まず、接続構造60について説明する。図4図6に示すように、接続構造60は、螺旋部42の基端部44とロッド50の先端部52を接続している。螺旋部42は地中を掘削するために用いられるため、ロッド50や回転入力軸26等の他の部材と比較して消耗し易い。螺旋部42が接続構造60によってロッド50に着脱可能に接続されることによって、消耗した螺旋部42のみを取り換えることができる。螺旋部42の基端部44は、螺旋部42をその軸方向に沿って上方から見たときに、略正六角形となっている。すなわち、図6に示すように、基端部44の軸線と直行する断面は、略正六角形となっている。
【0024】
ロッド50の先端部52は、その外形が略円形となっている。すなわち、先端部52は、ロッド50を軸方向に沿って見たときの形状、及び、先端部52の軸線と直行する断面の外形が、略円形となっている(図6参照)。先端部52は、図5に示すように、螺旋部42と接続される第1部分52aと、第1部分52aに隣接し、第1部分52aより基端部側に配置される第2部分52bを備えている。第1部分52aの外周の径は、第2部分52bの外周の径より大きくされている。
【0025】
先端部52には、挿入穴54と、第1貫通孔56と、第2貫通孔58が設けられている。挿入穴54は、ロッド50の軸線方向に伸びており、先端側が開口している。挿入穴54は、ロッド50の軸線方向に沿ってロッド50を下方から見たときに、略正六角形となっている。すなわち、図6に示すように、挿入穴54の軸線と直行する断面は、螺旋部42の基端部44の形状に倣った略正六角形となっている。挿入穴54は、螺旋部42の基端部44の外形よりわずかに大きくされている。このため、螺旋部42の基端部44は、挿入穴54内に挿入可能となる。また、図5に示すように、挿入穴54と基端部44との間の距離d1は、比較的小さい。この距離d1が小さいほど、挿入穴54と基端部44が係合して基端部44が挿入穴54とから外れ難くなる。なお、本実施例では、挿入穴54と螺旋部42の基端部44が略正六角形であるが、このような構成に限定されない。挿入穴と螺旋部の基端部が相対回転不能に係合する形状であればよく、その形状は特に限定されない。
【0026】
第1貫通孔56は、ロッド50の軸線に対して垂直に伸びている。第1貫通孔56は、挿入穴54の表面から陥入した溝56aと、螺旋部42の基端部44の表面から陥入した溝46に接続しており、これらの溝56a、46は挿入穴54及び基端部44の略六角形のうちの1辺と平行に設けられている。すなわち、溝56aと溝46によって、後述するピン62を案内する貫通孔が形成され、この貫通孔の両端に第1貫通孔56が接続されている。先端部52には、2つの第1貫通孔56が設けられている。第1貫通孔56のうちの一方は、基端側に設けられ、第1貫通孔56のうちの他方は、先端側に設けられる。また、2つの第1貫通孔56のそれぞれには対応する溝56a,46が接続されており、溝56a,46は挿入穴54の略六角形の対辺に沿って設けられている。
【0027】
第1貫通孔56及び溝56a、46内には、ピン62が挿入されている。詳細には、挿入穴54内に螺旋部42の基端部44が挿入された状態で、ピン62は第1貫通孔56及び溝56a、46内に挿入される。ピン62が溝56a,46内に挿入されることで、ロッド50の挿入穴54から、螺旋部42の基端部44が脱落することが防止される。すなわち、挿入穴54内に挿入された螺旋部42の基端部44が固定され、螺旋部42の基端部44とロッド50の先端部52が接続される。また、2つの第1貫通孔56とそれらに対応する溝56a、46のそれぞれに、ピン62が挿入される。上述したように、2つの第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a、46)は、基端側と先端側に設けられると共に、挿入穴54の略六角形の対辺に沿って設けられる。このため、2つの第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a,46)内にピン62を挿入することにより、螺旋部42の基端部44とロッド50の先端部52を安定して接続することができる。なお、本実施例では、ロッド50の先端部52には第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a,46)が2つ設けられているが、ロッド50の先端部52に設けられる第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a,46)の数は特に限定されない。例えば、ロッド50の先端部52に第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a,46)を3つ以上設けてもよい。
【0028】
第2貫通孔58は、ロッド50の軸線に対して垂直、かつ、第1貫通孔56の軸線に対して垂直に伸びている。第2貫通孔58は、その一端が第1貫通孔56と対応する溝56a、46に接続し、先端部52内を貫通し、その他端が先端部52の外部に接続している。第2貫通孔58の一端は、第1貫通孔56に対応する溝56a,46で形成される貫通孔の軸線の略中心に接続している。先端部52に設けられる第2貫通孔58の数は、第1貫通孔56と同数となっている。本実施例では、先端部52に第2貫通孔58が2つ設けられており、第2貫通孔58のうちの一方は、2つの第1貫通孔56のうちの一方に対応する溝56a、46に接続され、第2貫通孔58のうちの他方は、第1貫通孔56のうちの他方に対応する溝56a、46に接続されている。
【0029】
第2貫通孔58内には、ボルト64が挿入されている。詳細には、第1貫通孔56及び対応する溝56a、46内にピン62が挿入された状態で(すなわち、挿入穴54内に螺旋部42の基端部44が挿入され、さらに第1貫通孔56内にピン62が挿入された状態で)、ボルト64は第2貫通孔58内に挿入される。ボルト64は、第1貫通孔56及び対応する溝56a、46内に挿入されたピン62に当接するまで挿入される。これにより、ピン62が螺旋部42の基端部44に押し付けられ、ピン62が第1貫通孔56から抜けることをより適切に抑制することができる。
【0030】
次に、カバー70について説明する。カバー70は、接続構造60の外周を覆うカバー円筒部72と、カバー円筒部72の基端側に設けられ、カバー円筒部72よりカバー70の内周側に突出する突出部74を備えている。カバー円筒部72は、周方向に全周に亘って設けられ、その内周の径がロッド50の先端部52の第1部分52aの外周の径よりわずかに大きくされている。カバー円筒部72の軸方向の寸法は、第1部分52aの軸方向の寸法と略一致している。
【0031】
突出部74は、周方向に全周に亘って設けられ、その外周の径がカバー円筒部72の外周の径と略一致している。突出部74の内周の径は、ロッド50の先端部52の第1部分52aの外周の径より小さく、かつ、第2部分52bの外周の径より大きくされている。これにより、突出部74が第1部分52a(別言すると、第1部分52aと第2部分52bの境界に形成される段差部)に係合し、カバー70がロッド50に支持される。このため、カバー円筒部72が第1部分52a(すなわち、接続構造60)の外周を覆う位置に配置される。すなわち、カバー70は、カバー70の自重によって接続構造60の周囲の位置に回転可能に配置される。このため、カバー70を径方向に押し付けて固定することなく、カバー70を接続構造60の周囲に配置することができる。
【0032】
また、図5に示すように、カバー70と第1部分52aとの間の距離d2は、挿入穴54と基端部44との間の距離d1より大きくされている。この距離d2が小さ過ぎると、カバー70と第1部分52aとの間に侵入した砕石がカバー70と第1部分52aとの間に挟まり、カバー70と第1部分52aが挟まった砕石によって相対的に固定されることがある。そのような状態になると、カバー70を接続構造60の周囲から取り外すことが困難となる。この距離d2が比較的大きくされていることによって、カバー70と第1部分52aとの間に砕石が侵入した場合であっても、カバー70が侵入した砕石によって取り外し難くなることを抑制できる。また、上述したように、カバー70は自重によって接続構造60の周囲に配置されており、径方向に固定されていない。このため、カバー70と第1部分52aとの間の周方向の一部に砕石が挟まったとしても、カバー70が径方向にずれることによってカバー70と第1部分52aとの間に挟まった砕石が移動し、カバー70と第1部分52aが固定され難くなる。なお、本実施例では、カバー70の外周面と第1部分52aの内周面の間への異物の侵入をより防止するため、突出部74は周方向に全周に亘って設けられているが、このような構成に限定されない。突出部74によってカバー70がロッド50に支持される構成であればよく、例えば、突出部は周方向の一部に設けられていてもよい。
【0033】
螺旋部42は、取り換え可能となっている。ロッド50への螺旋部42の取付けは、以下の手順で実行される。まず、螺旋部42の基端部44をロッド50の挿入穴54内に挿入する。次いで、第1貫通孔56及び対応する溝56a、46内にピン62を挿入する。これにより、螺旋部42がロッド50に取付けられる。次いで、第2貫通孔58内にボルト64を挿入して、ピン62を固定する。次いで、カバー70の先端側(突出部74が設けられていない端部)からロッド50の基端部を挿入する。カバー70をロッド50の先端側に移動させると、突出部74がロッド50の第1部分52aに係合して、カバー70はロッド50に支持される。これにより、カバー70が接続構造60の外周を覆う位置に配置され、螺旋部42の取付けが完了する。
【0034】
次に、砕石杭形成装置100が砕石杭を形成する際の砕石杭形成装置100の動作について説明する。
【0035】
まず、アタッチメント10の位置合わせを行う。アタッチメント10の位置合わせは、クローラ6の駆動によって地盤改良機40の位置と方向とを調整することによって行われる。なお、地盤改良機40の位置と方向を調整した後、地盤改良機40は、アウトリガー5によって地面に固定されてもよい。これにより、施工時における地盤改良機40の揺動や位置ずれを抑制することができる。
【0036】
次いで、アタッチメント10を地中に挿入して、地中を掘削する。具体的には、地盤改良機40を地面に固定した後、駆動装置11を駆動させながらアタッチメント10を下降させる。この際、駆動装置11は、正転方向の回転駆動力を発生するように駆動する。上述したように、駆動装置11が正転方向の回転駆動力を発生すると、螺旋部42及び円筒部12が正転方向に回転する。これによって、アタッチメント10が地中に挿入されて掘削される。地中の掘削によって排出される土砂は、円筒部12の外周に運ばれ、フィン13によって地表に排出される。アタッチメント10が所定の深さまで到達すると、駆動装置11の正転回転の駆動を停止し、掘削を終了する。
【0037】
次いで、アタッチメント10を上昇させ、地中に砕石杭を形成する。砕石杭の形成は、以下の手順で行われる。まず、開閉蓋20を開いた状態で、砕石投入装置32に砕石を投入する。砕石投入装置32に投入された砕石は、砕石投入孔15を介して円筒部12内に投入される。次に、反転方向の回転駆動力が発生するように、駆動装置11を駆動する。上述したように、駆動装置11が反転方向の回転駆動力を発生すると、螺旋部42のみが反転方向に回転し、円筒部12は正転方向にも反転方向にも回転しない状態となる。すると、アタッチメント10は、反転方向に回転しながら上昇すると共に、円筒部12内に投入された砕石を螺旋部42から押圧しながら円筒部12外に排出する。これによって、アタッチメント10が地中から押し出されると共に、円筒部12で形成した空間に砕石杭が形成される。
【0038】
本実施例の砕石杭形成装置100では、接続構造60がカバー70に覆われている。このため、砕石杭の形成する際に円筒部12内に投入された砕石が、接続構造60に直接接触することを抑制することができる。カバー70が配置されていないと、円筒部12内に砕石を投入したときに、投入された砕石が接続構造60の外表面に直接接触する。投入された砕石が接続構造60の外表面、特に、第1貫通孔56に接触ないし侵入すると、第1貫通孔56内に挿入されたピン62が砕石により移動し、第1貫通孔56から抜けてしまうことがある。すると、螺旋部42の基端部44を挿入穴54内に固定できなくなり、螺旋部42の基端部44とロッド50の先端部52が接続できなくなる。これにより、螺旋部42がロッド50から外れてしまう。本実施例では、接続構造60の周囲にカバー70が配置されるため、投入された砕石が、接続構造60、特に、第1貫通孔56に直接接触し難くなる。このため、ピン62が第1貫通孔56から抜けることが抑制され、螺旋部42がロッド50から外れてしまうことを抑制できる。また、カバー70により、投入された砕石が接続構造60に直接接触し難くなるため、接続構造60に不具合が生じることを抑制できる。
【0039】
また、カバー70は突出部74に係合し、カバー70の自重によって接続構造60の周囲に配置される。すなわち、カバー70を径方向に押し付けるためにビス等の部材を用いる必要がない。このため、カバー70の外表面に砕石が接触してもカバー70の配置位置に影響が生じることがなく、カバー70を接続構造60の周囲の位置に固定させることができる。
【0040】
なお、本実施例では、カバー70の軸方向の寸法は、第1部分52aの軸方向の寸法と略同一であったが、このような構成に限定されない。第1貫通孔56をカバー70によって覆うことができればよい。例えば、カバー70の軸方向の寸法は、第1部分52aの軸方向の寸法より大きくてもよいし、先端側に設けられる第1貫通孔56を覆う寸法であれば、第1部分52aの軸方向の寸法より小さくてもよい。
【0041】
また、本実施例では、ロッド50の先端部52に第2貫通孔58が設けられ、ボルト64が第2貫通孔58内に挿入されていたが、このような構成に限定されない。ロッドの先端部に第2貫通孔58が設けられていなくてもよく、ピン62はボルト64によって固定されなくてもよい。アタッチメント10はカバー70を備えているため、円筒部12内に投入された砕石がピン62の端部に接触し難くなる。また、カバー70によって覆われるため、ピン62が第1貫通孔56から抜けることが回避される。このため、ピン62はボルト64により固定されていなくてもよい。
【0042】
また、本実施例では、ロッド50の基端部と回転入力軸26の先端部が接続されていたが、この部位の接続方法については特に限定されない。接続構造60と異なる接続方式であってもよいし、接続構造60と同様の構成であってもよい。また、ロッド50と回転入力軸26は一体に形成されていてもよい。
【0043】
また、本実施例の接続構造60では、ロッド50の先端部52に挿入穴54が設けられ、挿入穴54内に螺旋部42の基端部44が挿入されていたが、このような構成に限定されない。例えば、接続構造は、螺旋部の基端部に挿入穴が設けられ、その挿入穴にロッドの先端部が挿入される構成であってもよい。
【0044】
また、本実施例の砕石杭形成装置100では、円筒部12の側面に砕石投入孔15が設けられ、側面に設けられた砕石投入孔15から砕石が投入されていたが、このような構成に限定されない。例えば、円筒部の上部から砕石を投入する構成であってもよい。
【0045】
(実施例2)
上記の実施例1では、カバー70が、ロッド50の先端部52の第1部分52aに係合する突出部74を備えていたが、このような構成に限定されない。例えば、図7に示すように、接続構造を覆うカバー170は円筒状であってもよい。なお、本実施例の砕石杭形成装置は、接続構造とカバー170の構成が実施例1の砕石杭形成装置100と相違しており、その他の構成については略同一となっている。そこで、実施例1の砕石杭形成装置100と同一の構成については、その説明を省略する。
【0046】
ロッド150の先端部152は、その外形が略円形になっている。先端部152には、挿入穴154と、第1貫通孔156(及び対応する及び溝156a、146)と、第2貫通孔158が設けられている。なお、挿入穴154と、第1貫通孔156(及び対応する及び溝156a、146)と、第2貫通孔158の構成は、実施例1の挿入穴54と、第1貫通孔56(及び対応する及び溝56a、46)と、第2貫通孔58の構成と略同一であるため、詳細な説明は省略する。また、本実施例では、先端部152の外形は略同一であるが、このような構成に限定されない。先端部152のうち挿入穴154が設けられている部分の外径は、挿入穴154が設けられていない部分の外径以上であればよく、例えば、挿入穴154が設けられていない部分の外径より大きくされていてもよい。先端部152のうち挿入穴154が設けられている部分の外径を大きくすることによって、挿入穴154内に挿入される螺旋部142の基端部144(特に、後述する第3部分144a)の外径が小さくなることを回避することができ、接続構造の強度が低下することを抑制することができる。
【0047】
螺旋部142の基端部144は、第3部分144aと第4部分144bと突出部144cを備えている。第3部分144aは、基端側に設けられ、その外形が挿入穴154の外形より小さい略六角形となっている。第3部分144aは、挿入穴154と係合し、ロッド150の先端部152に接続される。挿入穴154内に螺旋部142の第3部分144aが挿入された状態で、ピン62が第1貫通孔156(及び対応する及び溝156a、146)内に挿入される。これにより、挿入穴154内に挿入された螺旋部142の基端部144が固定され、螺旋部142の基端部144とロッド150の先端部152が接続される。また、第2貫通孔158内には、ボルト64が挿入され、ピン62が第1貫通孔156内で固定される。なお、本実施例においても、第2貫通孔158及びボルト64は設けられていなくてもよい。
【0048】
第4部分144bは、第3部分144aより先端側に配置されており、その先端には掘削翼が接続されている。突出部144cは、第3部分144aと第4部分144bの間に配置されている。突出部144cは、螺旋部142の中心から外周側に向かって突出している。突出部144cは、周方向に全周に亘って設けられている。突出部144cの外周の径は、後述するカバー170の外周の径より大きくされている。
【0049】
カバー170は、円筒状であり、その内周の径は、ロッド150の先端部152の外周の径より大きくされている。カバー170の先端は、螺旋部142の突出部144cに当接している。これにより、カバー170は、螺旋部142に支持される。カバー170の軸線方向の寸法は、ロッド150の先端部152の軸線方向の寸法と略一致している。このため、カバー170が螺旋部142に支持されると、カバー170は接続構造の外周を覆う位置に配置される。なお、本実施例では、螺旋部142の突出部144cは周方向に全周に亘って設けられているが、このような構成に限定されない。突出部144cによってカバー170が螺旋部142に支持される構成であればよく、例えば、突出部は周方向の一部に設けられていてもよい。
【0050】
ロッド150への螺旋部142の取付けは、以下の手順で実行される。まず、ロッド150の先端部152をカバー170内に挿入する。次いで、螺旋部142の基端部144をロッド150の挿入穴154内に挿入する。次いで、カバー170をロッド150の先端部152より基端部側に一時的に移動させ、第1貫通孔156及び第2貫通孔158をカバー170から露出させる。その状態で、第1貫通孔156(及び対応する及び溝156a、146)内にピン62を挿入し、第2貫通孔158内にボルト64を挿入する。次いで、カバー170をロッド150の先端側に移動させる。すると、カバー170は、突出部144cに係合して螺旋部142に支持される。これにより、カバー170が接続構造の外周を覆う位置に配置され、螺旋部142の取付けが完了する。
【0051】
本実施例においても、ロッド150の先端部152と螺旋部142の基端部144との間の接続構造の周囲が、カバー170によって覆われる。これにより、螺旋部142がロッド150から外れてしまうことを抑制できると共に、円筒部12内に投入された砕石により接続構造60に不具合が生じることを抑制できる。また、本実施例では、螺旋部142に設けられた突出部144cによってカバー170を支持するため、ロッド150に螺旋部142を取り付ける際には、カバー170をロッド150の先端側から取り付けることができる。一般的に、ロッド150の軸線方向の寸法は比較的長くされる。このため、本実施例では、カバー170をロッド150の基端部側から取り付ける場合と比較して、カバー170を容易に取付けることが可能となる。これにより、螺旋部142をロッド150に取付ける際に作業を容易にすることができる。
【0052】
実施例で説明した砕石杭形成装置100に関する留意点を述べる。実施例のロッド50、150は「基端側シャフト」の一例であり、螺旋部42、142は、「先端側シャフト」の一例であり、第1貫通孔56、156は、「貫通孔」の一例であり、突出部74、144cは、「突起」の一例である。
【0053】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
10:アタッチメント
11:駆動装置
12:円筒部
13:フィン
15:砕石投入孔
20:開閉蓋
32:砕石投入装置
40:地盤改良機
42、142:螺旋部
44、144:螺旋部の基端部
50、150:ロッド
52、152:ロッドの先端部
52a:第1部分
52b:第2部分
56、156:第1貫通孔
58、158:第2貫通孔
60:接続構造
62:ピン
64:ボルト
70、170:カバー
72:カバー円筒部
74:突出部
100:砕石杭形成装置
144a:第3部分
144b:第4部分
144c:突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7