(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】包装機におけるプリント情報表示装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/02 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
B65B61/02
(21)【出願番号】P 2020064274
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】浜本 福政
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235159(JP,A)
【文献】特開2000-203537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を所定のプリントスタイルでフィルムにプリントするプリント装置を備え、
該プリント装置でプリントする前記表示情報を、プリント情報として表示する包装機の表示手段と、
前記表示情報のプリントスタイルをデータ設定する設定手段と、を備え、
前記プリント情報を、前記設定手段で設定したプリントスタイルと
すると共に、包装機において搬送するフィルムの予め設定された搬送向きに応じて、前記表示情報が設定したプリントスタイルとしてフィルムにプリントされる態様を、運転操作側から見て、実際にプリントされる向きとなるよう自動変換して前記表示手段に視認可能に表示するよう構成した
ことを特徴とする包装機におけるプリント情報表示装置。
【請求項2】
包装機の運転操作側を変えることなく該包装機において搬送するフィルムの搬送向きが、運転操作側から見て、第1の搬送向きとなる仕様および該第1の搬送向きと逆向きの第2の搬送向きとなる仕様の何れかに包装機を構成可能であると共に、仕様の種類を設定する仕様設定手段を備え、
前記プリント情報を、前記仕様設定手段で設定した仕様の種類に応
じた向きのプリントスタイルとして前記表示手段に表示するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の包装機におけるプリント情報表示装置。
【請求項3】
前記表示手段の表示画面にフィルム画像を表示し、該表示画面において前記プリント情報を、フィルムの搬送向きに対応する1包装分のフィルム画像に対して配置されるプリント位置とプリント向きとが認識できるプリントスタイルで視認可能に表示するよう構成したことを特徴とする請求項2記載の包装機におけるプリント情報表示装置。
【請求項4】
前記表示画面に、撮像手段で得た搬送時のフィルム画像を表示すると共に、1包装分のフィルムの始端と終端の位置を、識別可能に前記表示画面に表示するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の包装機におけるプリント情報表示装置。
【請求項5】
前記表示手段に表示したフィルム画像上で前記プリントスタイルのプリント情報を移動表示して、前記プリント位置を設定可能に構成し、
前記フィルム画像上にて位置付けて設定したプリントスタイルのプリント情報に応じて、該プリントスタイルのプリント情報を、前記プリント装置で1包装分のフィルムの所定位置にプリントするよう信号出力するようにしたことを特徴とする請求項3または4記載の包装機におけるプリント情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムに各種情報をプリントするプリント装置を備えた包装機におけるプリント情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横形製袋充填機などの包装機では、原反ロールなどの供給源から引き出した搬送中の帯状フィルムに、包装品の製造年月日、消費期限、賞味期限などの日付や、製造者コードその他の文字、数字、記号などの各種情報をプリントするプリント装置を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の包装機は、包装品種毎に決められた印刷情報が登録されており、表示器の画面を見ながらキーボード操作により包装品種を選択すると、対応する印刷情報を読み出して該印刷情報で特定される製造年月日などの情報を帯状フィルムにプリントするよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記帯状フィルムにプリントする各種情報の配置や向きなどのプリントスタイルには、情報の配列方向が、フィルム搬送方向に沿う横向きのものや、フィルム搬送方向と交差する縦向きのものなど各種のスタイルがある。特許文献1に開示の包装機では、帯状フィルムにプリントする情報を表示器に表示して内容を確認することはできるものの、帯状フィルムに印刷情報をプリントして、求めるスタイルでプリントされたか否かを確認する必要があり、帯状フィルムに対する情報の最終的なプリントスタイルを確認するのに手間取る問題が指摘される。
【0005】
また、横形製袋充填機では、作業者が運転操作を行う操作手前側から見て、筒状フィルムの搬送路において、フィルムが左側から右側に移動する搬送向きとなる操作勝手の仕様を右勝手仕様(以下右勝手と称す)と呼び、フィルムが右側から左側に移動する搬送向きとなる操作勝手の仕様を左勝手仕様(以下左勝手と称す)と呼び、これら両勝手の何れかに構成されて、設置場所などに応じて使い分けられる。このような搬送向きが異なる横形製袋充填機において、該充填機の運転操作を行う操作手前側から見た、最終的にプリントされる情報の態様は勝手仕様によって異なる。しかし、横形製袋充填機が備えるモニターなどの表示器に表示される情報の表示スタイルが一定であると、特許文献1に開示の包装機と同様に、帯状フィルムにプリントする情報の最終的なスタイルを確認するのに手間取る問題が指摘される。
【0006】
本発明は、表示情報がフィルムにプリントされるプリントスタイルを容易に確認することができる包装機におけるプリント情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明の包装機におけるプリント情報表示装置は、
表示情報を所定のプリントスタイルでフィルム(11)にプリントするプリント装置を備え、
該プリント装置でプリントする前記表示情報を、プリント情報(35)として表示する包装機の表示手段(25)と、
前記表示情報のプリントスタイルをデータ設定する設定手段(25)と、
前記プリント情報(35)を、前記設定手段(25)で設定したプリントスタイルとすると共に、包装機において搬送するフィルム(11)の予め設定された搬送向きに応じて、前記表示情報が設定したプリントスタイルとしてフィルム(11)にプリントされる態様を、運転操作側から見て、実際にプリントされる向きとなるよう自動変換して前記表示手段(25)に視認可能に表示するよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、表示情報のプリント情報を、フィルムにプリントする態様のプリントスタイルとして表示手段に表示するので、フィルムに最終的にプリントされる表示情報のプリントスタイルが表示画像により一目で判るようになり、作業者による確認作業が容易となる。すなわち、表示情報をフィルムにプリントしなくても、最終的なプリントスタイルを確認することができるので、確認作業に手間取ることもない。また、表示画像によって表示情報のプリントスタイルを確認し得るので、操作ミスを抑制することができる。
また、表示情報を、フィルムの搬送向きに応じた向きのプリントスタイルで自動表示することができるので、直感的にプリントスタイルを即座に確認することができると共に、作業者が表示情報のプリントスタイルの向きをフィルムの搬送向きに合わせて変更する作業を不要とすることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、包装機の運転操作側を変えることなく該包装機において搬送するフィルム(11)の搬送向きが、運転操作側から見て、第1の搬送向きとなる仕様および該第1の搬送向きと逆向きの第2の搬送向きとなる仕様の何れかに包装機を構成可能であると共に、仕様の種類を設定する仕様設定手段(25)を備え、
前記プリント情報(35)を、前記仕様設定手段(25)で設定した仕様の種類に応じた向きのプリントスタイルとして前記表示手段(25)に表示するよう構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、仕様設定手段によってフィルムの搬送向きの仕様の種類を設定することで、表示情報を、フィルムの搬送向きに応じた向きのプリントスタイルで自動表示することができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記表示手段(25)の表示画面にフィルム画像(55)を表示し、該表示画面において前記プリント情報(35)を、フィルム(11)の搬送向きに対応する1包装分のフィルム画像(55)に対して配置されるプリント位置とプリント向きとが認識できるプリントスタイルで視認可能に表示するよう構成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、フィルム画像において、1包装分のフィルムに表示情報がプリントされるプリント位置を認識できるようにプリント情報を表示するようにしたので、フィルムに対して表示情報がどのようにプリントされるかが、一目で判るようになり、確認が容易となる。すなわち、フィルムに対して表示情報をプリントするプリント位置を表示画像で見ることができるので、これまで勘に頼って調節していたプリント位置の設定や、その設定補正時などにおいても、画面上でプリント情報の位置を確認した上で設定操作を行うことができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記表示画面に、撮像手段(22)で得た搬送時のフィルム画像(55)を表示すると共に、1包装分のフィルム(11)の始端と終端の位置を、識別可能に前記表示画面に表示するよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、実際のフィルム画像に重ねてプリント情報を表示するので、フィルムとプリント情報との正確な位置関係を把握することができる。また、1包装分のフィルムの始端や終端と、プリント情報との位置関係を直感的に認識することができる。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記表示手段(25)に表示したフィルム画像(55)上で前記プリントスタイルのプリント情報(35)を移動表示して、前記プリント位置を設定可能に構成し、
前記フィルム画像(55)上にて位置付けて設定したプリントスタイルのプリント情報(35)に応じて、該プリントスタイルのプリント情報(35)を、前記プリント装置で1包装分のフィルムの所定位置にプリントするよう信号出力するようにしたことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、フィルム画像上でプリント情報を移動してプリント位置を変更することができるので、表示情報を適切な位置にプリントすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルムへプリントする表示情報を、実際にプリントする向きや配置などのプリントスタイルとしたプリント情報として表示手段に表示するので、実際に目で見たプリント向きなども含めて表示画面によって一目で視認できるので、表示情報の設定時における作業者の設定ミスなどを未然に防ぐことができる。また、表示情報をフィルムに一旦プリントした上で確認することなく、設定されたプリントスタイルを画面表示によって直ちに確認することができ、確認作業に手間を掛けることがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】プリント情報表示装置を備えた横形製袋充填機を示す要部概略正面図である。
【
図3】横形製袋充填機とプリント装置の制御ブロック図である。
【
図4】タッチパネルにおけるプリンタ設定画面を表す説明図である。
【
図5】タッチパネルにおけるプリンタ詳細設定画面を表す説明図である。
【
図6】タッチパネルにおけるフィルム位置表示画面を表す説明図である。
【
図7】フィルム位置表示画面のフィルム表示部を示す説明図であって、(a),(c)は右勝手仕様を示し、(b),(d)は左勝手仕様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る包装機におけるプリント情報表示装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、包装機として横形製袋充填機を挙げて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、実施例に係るプリント装置を備えた横形製袋充填機を示すものであって、包装機は、フィルム原反ロール(原反ロール)10から引き出した帯状フィルム(フィルム)11を、製袋手段12で筒状に成形し、筒状フィルムの長手方向の重合端縁部に縦シール手段で連続的に縦シールを施しつつ、給送手段により筒状フィルムを搬送下流側に向けて搬送する。また、製袋手段12で成形された筒状フィルム中へ供給コンベヤ13によって物品が所定間隔毎に供給され、筒状フィルム中に供給された各物品間において、横シール手段でフィルム搬送方向と交差する横シールを施すと共に切断することでピロー包装品(包装品)が得られる。包装機の背面フレーム14に対し、作業者が包装機の運転操作やメンテナンスなどを行う操作手前側(運転操作側)に、前記供給コンベヤ13や製袋手段12などが配置されると共に、該背面フレーム14には、供給コンベヤ13の上方において奥側から操作手前側に向けて水平に延在するフィルム原反ロール10が回転可能に支持される。また、フィルム原反ロール10と製袋手段12との間において、背面フレーム14から操作手前側に離間する支持部材17と背面フレーム14との間に、帯状フィルム11の搬送方向(フィルム搬送方向)と交差するフィルム幅方向に延在する複数の案内ローラ15が回転自在に支持され、フィルム原反ロール10から引き出した帯状フィルム11が案内ローラ15に巻き掛けられて搬送案内される。更に、フィルム原反ロール10と製袋手段12との間のフィルム搬送路に、前記案内ローラ15で搬送案内される帯状フィルム11の所定のプリント予定位置に、包装品の消費期限や製造者コードなどの各種情報をプリントするプリンタ本体16を有するプリント装置が設けられる。
【0016】
図2に示す如く、前記プリント装置は、前記背面フレーム14と支持部材17との間に架設されてフィルム幅方向の前後(手前と奥)に延在する取付け台18と、該取付け台18に配設され、サーボモータなどの駆動モータ(駆動手段)20の駆動により作動するボールねじによってスライダ19をフィルム幅方向に直線移動する移動手段としてのリニア移動手段21と、スライダ19に配設されて一体的に移動する箱状の前記プリンタ本体16と、を備える。プリンタ本体16は、インクリボンをサーマルヘッドによって加熱して搬送中の帯状フィルム11に、製造年月日や製造者コードなどの各種情報を、後述する各種のプリントスタイルでプリントするサーマルプリンタが用いられる。プリンタ本体16は、包装品種に応じたデザインが施された帯状フィルム11の品種毎に設定されたプリント予定位置に合わせて各種情報をプリント可能に、リニア移動手段21によってフィルム幅方向に移動して、帯状フィルム11に設定されたプリント予定位置に対応するプリント位置に位置付けられる。
【0017】
前記プリント装置の下流に、帯状フィルム11に1包装長単位で付されたレジマークやデザイン、およびプリント装置によりプリントされた各種情報を光学的に読み取るラインスキャナなどの撮像手段としての画像読取装置22が配設される。画像読取装置22は後述する制御部23に接続され、該制御部23は、画像読取装置22により搬送中の帯状フィルム11で得た(読み取った)レジマークやデザインなどの画像データから、1包装サイクルで搬送される1包装分の帯状フィルム11の始端と終端の位置を認識可能であると共に、プリンタ本体16によるプリント位置を設定可能に構成される。
【0018】
包装機は、制御部23によって、供給コンベヤ13、縦シール手段、横シール手段などの各作動機構およびプリント装置を制御する。
図3に示す如く、制御部23は、各作動機構に対応した動作データ、その他の各種制御データを記憶する記憶部24を有する。制御部23には、各作動機構を所定の動作パラメータで作動制御するためのデータ値の入力など、各種動作データを設定するための入力手段と、その設定されたデータ値や包装機の運転に係る様々な設定情報などを表示する表示手段とからなる操作部としてのタッチパネル(表示手段)25および前記画像読取装置22が接続される。タッチパネル25は、その表示画面を操作手前側に向けて操作盤26に配設されると共に、該タッチパネル25は、制御部23によって、各種設定や運転状況などの情報からなる設定画面が表示される。
【0019】
前記制御部23に、前記プリント装置のプリンタ制御部61が接続される。プリンタ制御部61に、前記プリンタ本体16および駆動モータ20が接続されると共に、プリンタ制御部61は、プリンタ本体16やリニア移動手段21に対応した動作データ、その他の各種制御データをプリンタ記憶部62に記憶する。また、プリンタ制御部61には、プリンタ本体16の位置移動を手動操作によって実行可能な手動操作スイッチ(操作スイッチ)30が接続され、制御部23は、プリンタ制御部61からの手動操作スイッチ30の操作信号を受けると、プリンタ制御部61から駆動モータ20の駆動制御信号を出力して、該手動操作スイッチ30の操作によって、プリンタ本体16の前記プリント位置を補正したり、メンテナンスなどを容易に行い得る操作手前側のメンテナンス位置(
図2の二点鎖線位置)にプリンタ本体16を移動したりすることができる。手動操作スイッチ30は、前記支持部材17の手前面に配設されている。
【0020】
前記プリンタ制御部61には、包装品種毎に帯状フィルム11に表示情報をプリントするプリントスタイルの情報が、専用のパソコンなどの入力設定手段によって入力されてプリンタ記憶部62にデータ設定(記憶)される。プリンタ記憶部62に記憶されるプリントスタイルの情報は、帯状フィルム11にプリントする表示情報の内容およびプリント向きを特定可能な情報であって、該プリントスタイルの情報に基づいてプリンタ本体16を制御することで、帯状フィルム11に、プリンタ記憶部62に記憶した内容およびプリント向きで表示情報がプリントされる。例えば、包装品種Aに対し、製造年月日および製造者コードをプリントする内容を、該製造年月日および製造者コードを1列で、帯状フィルム11の搬送向きに対して沿う方向に配列される横方向スタイルでプリントするプリントスタイルの情報が記憶され(
図5の品種番号No.1参照)、包装品種Bに対し、製造年月日および製造者コードをプリントする内容を、該製造年月日および製造者コードを2行で、帯状フィルム11の搬送向きに対して交差する方向に配列される縦方向スタイルでプリントするプリントスタイルの情報が記憶される(
図5の品種番号No.2参照)。
【0021】
前記タッチパネル25により、包装品種毎にプリンタ設定に関する各種データが入力設定可能に構成されて、タッチパネル25に表示された後述する各種の設定画面において、包装品種の選択や、プリンタ本体16のプリント位置の記憶などの設定操作を行うことができる。前記記憶部24には、包装品種に応じて設定される前記プリンタ本体16のプリント位置が、タッチパネル25の操作によって、包装品種に応じて帯状フィルム11にプリントする表示情報に対応付けて記憶される。実施例では、包装品種に応じて設定される基準となるプリント位置について、基準プリント位置と指称する。
【0022】
次に、前記タッチパネル25に表示された各種設定画面を用いた設定操作について説明する。
図4は、タッチパネル25の項目選択エリア31に表示された各種の設定項目(設定項目1、設定項目2、設定項目3・・・)から、プリンタ設定32の項目をタッチ操作することで表示されるプリンタ設定画面33であって、該プリンタ設定画面33の中央上部に、プリント内容表示部34が表示され、該プリント内容表示部34に、製造年月日や製造者コードなどの現在選択設定されている包装品種(品種番号)にプリントする表示情報を、プリント情報として示すスタイル表示35が表示される。また、プリンタ設定画面33の下部に、基本プリント設定部36が表示される。この基本プリント設定部36には、オペレータが通常運転時に使用する頻度が高い設定項目の表示であり、本例では、帯状フィルム11の1包装分に対応するフィルム搬送方向のプリント位置に関して、サーマルプリンタでの印字タイミングについてプリント開始位置とプリント継続期間とを、1包装分のフィルムを360度で角度換算した入力値によるプリント範囲設定37、プリントする表示情報の濃度に関するコントラスト設定38などが表示される。そして、各設定37,38の項目をタッチ操作して設定データの設定、変更が行われる。例えば、プリント範囲設定37の左右の設定表示部をタッチ操作すると、文字、数値、記号などの入力補助キーがポップアップウインドウとして表示され、該入力補助キーのタッチ操作により、前記プリント開始位置または前記プリント継続期間とのいずれかを、現在の設定値から変更設定することができる。
【0023】
ここで、包装機は、運転操作側(操作手前側)を変えることなく該包装機において搬送するフィルムの搬送向きが異なる右勝手(第1の搬送向きとなる仕様)および左勝手(第1の搬送向きと逆向きの第2の搬送向きとなる仕様)の何れかに構成可能である。そして、包装機の前記制御部23には、前記タッチパネル25における仕様設定画面などにおいて、右勝手と左勝手とのいずれかの仕様が登録設定される。詳しくは、前記項目選択エリア31に表示された勝手仕様設定66の項目をタッチ操作することで仕様設定画面が表示され、該仕様設定画面において表示された「右勝手」または「左勝手」のボタンのいずれかをタッチ操作して選択決定する選択設定操作によって、右勝手と左勝手とのいずれかの仕様が登録設定されて、当該包装機の仕様が右勝手か左勝手であるかを制御部23が認識するよう構成される。実施例では、タッチパネル25が、包装機の仕様の種類を設定する仕様設定手段となる。
【0024】
図4に示す如く、前記プリンタ設定画面33の右上部に、プリント装置に対して設定変更可能な項目を表示する画面切り替えウインドウ40が表示される。画面切り替えウインドウ40には、プリンタ詳細設定41、時刻設定42、プリント位置設定43などの複数の項目が選択可能に表示される。
図5は、画面切り替えウインドウ40に表示されたプリンタ詳細設定41をタッチ操作により選択した場合に表示されるプリンタ詳細設定画面44であって、該プリンタ詳細設定画面44の中央部に、調整可能な複数の項目を上下方向にスクロール可能に表示するプリント条件設定部45が表示される。プリント条件設定部45には、例えば、プリント装置によるプリントの有効・無効を選択するプリント項目46、賞味期限をプリントする・しないを選択する賞味期限項目47、前記基準プリント位置を保存(記憶)する・保存(記憶)しないを選択する基準プリント位置項目48などが表示される。プリンタ詳細設定画面44では、プリント条件設定部45の側部に配置される縦スクロールボタン49をタッチ操作することで、プリント条件設定部45の表示を上下に縦スクロールして画面に表示されていない範囲のその他のプリンタ詳細設定を表示することができる。
【0025】
図5に示す如く、前記プリンタ詳細設定画面44の右側部に、プリント装置のプリンタ制御部61に予めデータ記憶された製造年月日や製造者コードなど、異なるスタイルのプリント情報を複数種類のスタイルデータで選択可能に表示するスタイル選択部51が表示される。プリンタ詳細設定画面44では、スタイル選択部51の表示ウインドウ内をタッチして上下方向にスライドすることで、複数種のスタイル表示35を選択可能に切り替え表示することができる。また、スタイル選択部51には、複数種類の包装品種毎に対応付けられて前記記憶部24に記憶されている複数の品種番号65がスタイル表示35と共に表示され、表示された品種番号65またはスタイル表示35をタッチ操作することで、当該品種番号65やスタイル表示35を現在の包装品種に対する設定データとすることができる。プリンタ詳細設定画面44内に決定ボタン52が表示され、該決定ボタン52をタッチ操作することで、プリンタ詳細設定画面44においてプリント条件設定部45の各設定項目に対応した設定値、およびスタイル選択部51で選択されたスタイル表示35の設定値を、新規または更新登録データとして前記記憶部24に記憶できる。そして、プリンタ詳細設定画面44において記憶部24に記憶されたスタイル表示35に関するデータが、プリンタ設定画面33におけるプリント内容表示部34に表示される。
【0026】
ここで、スタイル表示35としては、プリント情報を構成する数字や文字、記号などのサイズ、字間、行間、配列、プリント内容、フィルムの搬送向きに対するプリント向きなどの品種毎に利用される複数種のプリントスタイルが、予めプリンタ制御部61に記憶されているデータとして選択設定可能に表示される。品種設定操作におけるプリント設定にあたり、プリンタ制御部61に記憶された夫々のプリントスタイルの品種番号が品種毎にコード変換されて、スタイル表示情報として記憶され、前記プリント内容表示部34に、実施のフィルムへのプリントスタイルにより表されて表示される。各プリント情報の配列方向には、基本的には、フィルム搬送方向に対して各情報の並び方向が横並びとなった横向きスタイルと、該横向きスタイルをフィルム搬送方向に対して直交する方向に向けた縦向きスタイルの種別がある。また、それらスタイル毎に、複数行の文字、数字が並ぶスタイルなどもある。
図5では、前記包装品種Aに対応する品種番号65であるNo.1と、製造年月日(2020.01.06)および製造者コード(A-001)を1列で配置した横方向スタイルのプリントスタイルとしたスタイル表示35とを関係付けて表示すると共に、前記包装品種Bに対応する品種番号65であるNo.2と、製造年月日および製造者コードを2行で配置した縦方向スタイルのプリントスタイルとしたスタイル表示35とを関係付けて表示した例を示している。なお、スタイル選択部51に表示される品種番号65やスタイル表示35の数は一例であって、該スタイル選択部51における品種番号65やスタイル表示35が表示されていない部分をタッチして上下方向にスライドすることで、品種番号65やスタイル表示35の表示を上下に縦スクロールして画面に表示されていない範囲のその他の品種番号65やスタイル表示35を表示することができる。実施例では、スタイル選択部51においてスタイル表示35を選択設定するタッチパネル25が、表示情報を帯状フィルム11にプリントする際のプリントスタイルをデータ設定する設定手段を構成する。
【0027】
実施例では、前記記憶部24に、品種番号65と、該品種番号65で特定される包装品種に対応するプリントスタイルが対応付けて記憶される。また実施例では、表示情報を帯状フィルム11にプリントする際のプリントスタイルは、前記右勝手に設定された包装機の操作手前側から見て、帯状フィルム11に表示情報をプリントする態様で記憶部24に設定記憶される。プリンタ詳細設定画面44の右下部に決定ボタン52が表示され、該決定ボタン52をタッチ操作することで、プリンタ詳細設定画面44においてプリント条件設定部45に表示された全ての項目のデータおよびスタイル選択部51で選択された品種番号65(スタイル表示35)に対応する包装品種のデータを更新データとして前記記憶部24に一括して記憶できる。そして、プリンタ詳細設定画面44において記憶部24に記憶された更新データが、プリンタ設定画面33に反映され、選択した品種番号65(包装品種)に対応するプリントスタイルのスタイル表示35がプリント内容表示部34に表示される。実施例では、タッチパネル25が、包装品種を複数種類から選択する選択手段を構成する。また、実施例では、品種番号65は、プリンタ記憶部62に記憶されている包装品種に対応するプリントスタイルの情報と紐付けられている。
【0028】
図6は、前記画面切り替えウインドウ40に表示されたプリント位置設定43をタッチ操作により選択した場合に表示されるフィルム位置表示画面53であって、該フィルム位置表示画面53の中央部にフィルム表示部54が表示される。そして、このフィルム表示部54に、前記画像読取装置22で得られた帯状フィルム11の実際のフィルム画像55が表示される。
図6および
図7では、フィルム画像55に、他の表示と識別するためにドットのハッチングを付してある。また、フィルム表示部54には、画像読取装置22で得た(読み取った)レジマーク56および該レジマーク56の位置に基づいて、1包装分の帯状フィルム11におけるフィルム長の区切り位置である始端と終端とを示す、例えば左右に離間した赤色の2本の実線(
図6,7では、他の線と識別可能に一点鎖線で表している)からなる識別画像としての一対の境界ライン57a,57bが、フィルム画像55に重ねて表示される。更に、フィルム表示部54には、スタイル選択部51で選択した品種番号65に対応するスタイル表示35が、1包装分のフィルム画像55に重ねて、帯状フィルム11に対するプリント位置とプリント向きとが認識できるプリントスタイルで初期位置(例えばフィルム画像55の左下)に表示される。なお、
図6は、右勝手の包装機において、スタイル表示35を初期位置からプリント位置に移動すると共に、後述する実プリント情報画像58を表示したフィルム位置表示画面53を示している。
【0029】
前記フィルム位置表示画面53では、1包装分のフィルム画像55と該フィルム画像55に重ねるスタイル表示35とのサイズの比率を、該スタイル表示35で示すプリント情報の表示情報を帯状フィルム11にプリントした場合の、1包装分の帯状フィルム11と表示情報とのサイズの比率と同じとして、フィルム画像55に重ねてスタイル表示35を表示し、1包装分の帯状フィルム11に対してプリントする表示情報のサイズや位置を、実際のプリントスタイルで認識可能に構成される。また、フィルム位置表示画面53では、スタイル表示35を指でタッチし、タッチしたまま指を画面上でスライドすることでスタイル表示35が移動し、指を離すことで、帯状フィルム11に対してスタイル表示35に対応する表示情報をプリントする際のプリンタ本体16のプリント位置が決められる。そして、フィルム位置表示画面53の右下部に表示されている決定ボタン52をタッチ操作することで、フィルム位置表示画面53のフィルム表示部54に表示されているスタイル表示35の位置データが、新たな基準プリント位置の更新データとして前記記憶部24に記憶される。実施例の前記制御部23は、フィルム画像55上にて位置付けて設定したプリントスタイルのスタイル表示35のプリント情報に応じて、該プリントスタイルのプリント情報を、前記プリンタ本体16で1包装分の帯状フィルム11の所定位置にプリントするよう信号出力し、前記プリンタ制御部61を経てプリンタ本体16を制御する。
【0030】
また、前記フィルム位置表示画面53では、包装品種を変更する品種切替操作後に実施される、包装機の各作動機構の同期位置合わせのためのセット運転において、基準プリント位置に位置付けられたプリンタ本体16によってプリントされ、前記画像読取装置22で得た(読み取られた)実プリント情報画像58が表示される。フィルム位置表示画面53では、実プリント情報画像58を囲う検査エリア表示枠59と、基準プリント位置を決める際に移動したスタイル表示35を囲う設定エリア表示枠60とが異なる配色(例えば、一方が青色で他方が赤色)や異なる線種にしたり、検査画像のエリアの背景色を変色したりするなど、実プリント情報画像58と基準プリント位置を示すスタイル表示35とを判別可能に表示する。そして、設定位置と検査結果の位置との位置ズレ状況に応じて、スタイル表示35を画面上で移動して決定ボタン52をタッチ操作することで、位置補正設定結果を基準プリント位置として更新登録することができる。実施例では、タッチパネル25が、包装品種に応じた基準プリント位置を記憶部24に記憶させると共に、位置補正した基準プリント位置を新たな基準プリント位置として更新する設定手段として機能する。
【0031】
ここで、前記包装機は、前述したように、フィルム搬送向きが異なる前記右勝手または左勝手として構成された場合は、前記タッチパネル25に表示される「右勝手」または「左勝手」のボタンの選択操作によって右勝手と左勝手とのいずれかの仕様が登録設定されて、当該包装機の仕様が右勝手か左勝手であるかを制御部23が認識する。これに対し、前記タッチパネル25は、右勝手および左勝手の何れにおいても、操作手前側に位置する作業者が正対して普通に表示を識別し得るように構成される。すなわち、前記プリンタ詳細設定画面44のスタイル選択部51では、横方向スタイルのスタイル表示35は、プリント情報が正立で左側から右側へ順に読むことができる向きで表示されると共に、縦方向スタイルのスタイル表示35は、プリント情報における製造年月日が右側(右勝手でのフィルム搬送方向の下流側)で生産者コードが左側(右勝手でのフィルム搬送方向の上流側)に位置すると共に上側から下側へ順に読むことができる向きで表示される。スタイル選択部51に表示されるスタイル表示35は、右勝手の包装機において、帯状フィルム11の搬送向きとの関係で、操作手前側から見てプリント装置により帯状フィルム11に実際に表示情報をプリントしたプリントスタイルとなる(
図7(a),(c)参照)。これに対し、左勝手の包装機において、スタイル選択部51に表示されたスタイル表示35を、そのままのプリントスタイルで前記フィルム位置表示画面53においてフィルム画像55に重ねて表示すると、帯状フィルム11の搬送向きとの関係で、操作手前側から見たプリントスタイルは、プリント装置により帯状フィルム11に実際に表示情報をプリントした場合のプリントスタイルとは180度反転した態様となる。実施例の制御部23は、左勝手の包装機において、スタイル選択部51に表示された横方向スタイルのスタイル表示35に対応する品種番号65が選択された場合は、
図7(b)に示す如く、フィルム位置表示画面53において、スタイル表示35を倒立で右側から左側へ順に読むことができるプリントスタイルに自動変換して表示し、スタイル選択部51に表示された縦方向スタイルのスタイル表示35に対応する品種番号65が選択された場合は、
図7(d)に示す如く、フィルム位置表示画面53において、スタイル表示35を製造年月日が左側(左勝手でのフィルム搬送方向の下流側)で生産者コードが右側(左勝手でのフィルム搬送方向の上流側)に位置すると共に下側から上側へ順に読むことができるプリントスタイルに自動変換して表示する。すなわち、左勝手の包装機のフィルム位置表示画面53において表示されるスタイル表示35は、プリント装置により帯状フィルム11に実際にプリントした表示情報を操作手前側から見たときと同じ態様となる。実施例の包装機は、右勝手および左勝手の何れの勝手仕様においても、包装品種に対応付けられているスタイル表示(プリント情報)35の夫々を、タッチパネル25のスタイル選択部51で選択設定したプリントスタイルとして、登録設定されている勝手仕様の種類に応じて、操作手前側から見た搬送向きで搬送される帯状フィルム11に実際に表示情報をプリントする態様でタッチパネル25に視認可能に表示する。すなわち、プリント情報を、タッチパネル25で設定した仕様の種類に応じて、表示情報が帯状フィルム11にプリントされる態様を操作手前側から見たままのプリントスタイルとしてタッチパネル25に表示する。
【0032】
次に、実施例に係るプリント装置を備えた横形製袋充填機の作用について、右勝手とした場合を主として説明する。
包装品種を変更する場合は、
図5に示す如く、前記タッチパネル25にプリンタ詳細設定画面44を表示し、前記スタイル選択部51に表示されている、例えばNo.1の品種番号65を選択し、決定ボタン52をタッチ操作することで、該品種番号65で特定される包装品種のデータが更新データとして前記記憶部24に記憶される。また、選択した品種番号65(包装品種)に対応するスタイル表示35が、プリント内容表示部34に表示される(
図4参照)。
【0033】
前記スタイル選択部51で包装品種を選択する品種切替操作後に実施されるセット運転において、タッチパネル25にフィルム位置表示画面53を表示すると、前記フィルム表示部54に、前記画像読取装置22で得られた帯状フィルム11の実際のフィルム画像55が表示されると共に、1包装分の帯状フィルム11の始端と終端とを示す一対の境界ライン57a,57bおよびプリンタ詳細設定画面44で選択した品種番号65に対応する横方向スタイルのスタイル表示35が、フィルム画像55に重ねて表示される(
図6、
図7(a)参照)。なお、制御部23は、仕様設定画面におけるボタンの選択操作によって登録設定された仕様が右勝手であることを認識しており、選択されたスタイル表示35を、スタイル選択部51に表示されているままのプリントスタイルで表示する。フィルム位置表示画面53において、初期位置に表示されるスタイル表示35をタッチ操作により移動し、決定ボタン52をタッチ操作することでフィルム表示部54に表示されているスタイル表示35の位置データが、新たな基準プリント位置の更新データとして前記記憶部24に記憶される。また、前記スタイル選択部51に表示されている、No.2の品種番号65を選択した場合、右勝手であることを認識している制御部23は、選択した品種番号65に対応する縦方向スタイルのスタイル表示35を、スタイル選択部51に表示されているままのプリントスタイルでフィルム表示部54に表示する(
図7(c)参照)。すなわち、右勝手の包装機では、選択した品種番号65に対応する包装品種に付応付けられているプリント情報を示すスタイル表示35を、前記記憶部24に設定記憶されているプリントスタイル(帯状フィルム11に表示情報をプリントする態様)でフィルム表示部54に表示する。
【0034】
前記制御部23は、基準プリント位置が更新されると、前記プリンタ制御部61に対してプリンタ本体16を基準プリント位置に移動する指令を出力し、プリンタ制御部61は、プリンタ本体16を更新された基準プリント位置に位置付けるように駆動モータ20を駆動制御し、帯状フィルム11の搬送に合わせた所定タイミングでプリント信号を出力する。帯状フィルム11へのプリントが開始され、該帯状フィルム11に実際にプリントされて前記画像読取装置22で得られた表示情報は、
図6に示す如く、実プリント情報画像58として前記フィルム画像55に重ねて表示される。このとき、フィルム位置表示画面53では、検査エリア表示枠59と設定エリア表示枠60との配色の違いによって、基準プリント位置を決める際に移動したスタイル表示35と実プリント情報画像58との位置ズレを認識することができる。位置ズレが許容範囲内であれば、通常運転に移行して包装品種に応じた表示情報がプリントされた帯状フィルム11で包装された包装品が製造される。また、位置ズレが許容範囲外であった場合、フィルム表示部54においてスタイル表示35を再び移動して決定ボタン52をタッチ操作することで、位置補正した位置が新たな基準プリント位置として更新される。
【0035】
包装機の運転中にプリント装置で実際にプリントした位置に位置ズレが生じ、その位置補正が必要な場合は、前記タッチパネル25にフィルム位置表示画面53を表示した状態で、前記手動操作スイッチ30を操作して前記プリンタ本体16の位置補正を行うことができる。この手動操作スイッチ30による位置補正において、前記駆動モータ20の駆動により前記プリンタ本体16が移動することで、前記フィルム表示部54の画面上でスタイル表示35が対応して移動し、画面上で表示情報がプリントされる位置を確認することができる。また、プリンタ本体16のインクリボンの交換やメンテナンスを行う場合、包装機の運転を停止し、前記手動操作スイッチ30を操作してプリンタ本体16をメンテナンス位置まで移動することで、包装機の操作手前側に位置する作業者によるリボン交換やメンテナンスを容易に行うことができ、作業性を向上できる。
【0036】
次に、左勝手の包装機の作用について、前記タッチパネル25のフィルム表示部54での表示について説明する。前記タッチパネル25の前記スタイル選択部51に表示されている、例えばNo.1の品種番号65を選択し、決定ボタン52をタッチ操作することで、該品種番号65で特定される包装品種のデータが更新データとして前記記憶部24に記憶される。スタイル選択部51のスタイル表示35は、右勝手の包装機で実際に表示情報をプリントした態様を操作手前側から見たままの態様(向き)で表示されている。前記制御部23は、仕様設定画面におけるボタンの選択操作によって登録設定された仕様が左勝手であることを認識しており、選択された品種番号65に対応するスタイル表示35を、
図7(b)に示す如く、前記フィルム表示部54において倒立で右側から左側へ順に読むことができるプリントスタイルに自動変換して表示する。また、スタイル選択部51に表示されている、No.2の品種番号65を選択した場合、左勝手であることを認識している制御部23は、選択された品種番号65に対応する縦方向スタイルのスタイル表示35を、
図7(d)に示す如く、製造年月日が左側で生産者コードが右側に位置すると共に下側から上側へ順に読むことができるプリントスタイルに自動変換して表示する。
【0037】
実施例の包装機では、前記タッチパネル25を用いて選択した包装品種毎に対応付けられている表示情報のプリント情報を示すスタイル表示35を、帯状フィルム11に表示情報をプリントする態様でタッチパネル25に視認可能に表示するので、帯状フィルム11に最終的にプリントされる表示情報のプリントスタイルが表示画像により一目で判るようになり、作業者による確認作業が容易となる。すなわち、表示情報を帯状フィルム11にプリントしなくても、最終的なプリントスタイルを確認することができるので、確認作業に手間取ることもない。また、表示画像によって表示情報の最終的なプリントスタイルを確認し得るので、プリント情報の設定時における作業者の設定ミスなどを未然に防ぐことができる。更に、表示情報を帯状フィルム11にプリントするプリントスタイルは、前記記憶部24に、包装品種毎に設定記憶されているので、包装品種を変更する際には、タッチパネル25上で品種番号65を選択するだけでよく、プリントするプリントスタイルを包装品種変更の都度設定変更する操作を必要としない。
【0038】
前記制御部23は、包装機が右勝手または左勝手の何れの仕様においても、前記フィルム位置表示画面53においてフィルム画像55に重ねて表示するスタイル表示35を、操作手前側から見た帯状フィルム11の搬送向きに対して実際に表示情報をプリントした場合のプリントスタイルで表示するので、帯状フィルム11に最終的にプリントされる表示情報のプリントスタイルが表示画像により一目で判るようになり、作業者による確認作業が容易となる。すなわち、包装機の操作手前側から目視により確認できる見たとおりのプリントスタイルでプリント情報を画面表示するので、直感的にプリントスタイルを即座に確認することができる。また、スタイル表示35は、制御部23によって自動で包装機の勝手仕様に応じたプリントスタイルで表示されるので、勝手仕様に応じてスタイル表示35のプリントスタイルを作業者が変換する作業が不要となる。
【0039】
前記フィルム表示部54には、実際のフィルム画像55に重ねてスタイル表示35を表示するので、帯状フィルム11とプリントする表示情報との正確な位置関係を把握することができ、帯状フィルム11に対して表示情報がどのようにプリントされるかが、一目で判るようになり、確認が容易となる。すなわち、帯状フィルム11にプリントされる表示情報の位置を表示画像で見ることができるので、これまで勘に頼って調節していたプリンタ本体16の位置設定や、その設定補正時などにおいても、画面上でスタイル表示35の位置を確認した上で設定操作を行うことができ、操作ミスを抑制することができる。また、フィルム表示部54には、1包装分のフィルム長の区切り位置を表す一対の境界ライン57a,57bを表示するので、1包装分の帯状フィルム11の始端や終端とスタイル表示35との位置関係を直感的に認識することができる。
【0040】
また、前記フィルム表示部54には、フィルム画像55に対し、実際に帯状フィルム11に表示情報をプリントした際の比率と同じ比率でスタイル表示35を表示するので、1包装分の帯状フィルム11のフィルム画像55に対するスタイル表示35のサイズと位置を、実際の態様と同じ感覚で把握でき、スタイル表示35をフィルム画像上で移動してプリント位置を変更する場合に、該スタイル表示35を意図する位置に適切に位置付けることができ、表示情報を適切な位置にプリントすることができる。
【0041】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例では、表示手段として、入力手段の機能を有するタッチパネル25を用いたが、フィルム画像などを表示する表示手段と、各種データを入力したり包装品種を選択したりする選択手段としての機能を有する入力手段とを別々に備える構成を採用することができる。
(2) 撮像手段は、帯状フィルム11を撮影するカメラなどのイメージセンサであってもよい。
(3) フィルム画像55は、フィルム搬送中に画像読取装置(ラインスキャナ)22やカメラによって撮影したフィルムの実画像データを画面表示するものに限らず、静止フィルムをカメラで撮影した画像データ、または外部記憶装置などに記憶されているフィルムの画像データを、包装機(の制御部)へ取り込んでフィルム画像として表示する構成を採用することができる。
(4) フィルム画像55は、フィルムを撮影した画像データによらず、作成されたイメージ画像データを画面表示する構成を採用することができる。
(5) 実施例では、スタイル表示35の画面表示態様を、勝手仕様の設定により自動変換して各画面に表示するようにしたが、一部画面のみに表示する構成を採用することができる。
(6) プリンタ制御部61と包装機の制御部23とを、ひとつの制御部にしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
11 帯状フィルム(フィルム),22 画像読取装置(撮像手段)
25 タッチパネル(表示手段,選択手段,設定手段,仕様設定手段)
35 スタイル表示(プリント情報),55 フィルム画像