(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】可撓性エネルギー蓄積装置
(51)【国際特許分類】
H01G 4/33 20060101AFI20230725BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20230725BHJP
H01G 11/28 20130101ALI20230725BHJP
H01G 11/72 20130101ALI20230725BHJP
H01G 4/38 20060101ALI20230725BHJP
H01G 4/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
H01G4/33
H01G11/10
H01G11/28
H01G11/72
H01G4/38 B
H01G4/00 B
H01G4/38 A
(21)【出願番号】P 2020546859
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 GB2019050645
(87)【国際公開番号】W WO2019171069
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-11-02
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515207499
【氏名又は名称】パワー ロール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ジョン・トッピング
【審査官】西間木 祐紀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-086053(JP,A)
【文献】国際公開第2020/065298(WO,A1)
【文献】英国特許出願公告第01298228(GB,A)
【文献】国際公開第2018/069682(WO,A1)
【文献】特表2020-501337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/33
H01G 11/10
H01G 11/28
H01G 11/72
H01G 4/38
H01G 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー蓄積装置であって、
可撓性基板の長さ方向に沿って互いに間隔をおいて配置された少なくとも2つのパターン化された領域を含む可撓性基板を含み、
それぞれのパターン化された領域は、第1面と第2面を有する基板の長手方向(ウエブ方向)に延びる少なくとも1つの溝を含み、
第1面および第2面の上の導体間に直接的な電気的接続が無いように、第1面および第2面はそれぞれ導体で被覆され、
少なくとも1つの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含み、
それぞれのパターン化された領域の少なくとも1つの溝の第1面および第2面の上の導体は、可撓性基板の対向するエッジで導電体と電気的に接続され、
第1および第2のパターン化された領域は、互いに電気的に接続可能であるエネルギー蓄積装置。
【請求項2】
第1および第2のパターン化された領域は、直列または並列に電気的に接続可能である請求項1に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項3】
第1および第2のパターン化された領域は、隣り合うパターン化された領域の間の基板の表面上の導体材料によって、互いに直列に電気的接続されている請求項1または2に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項4】
少なくとも1つの溝の第1面の上の導体材料は、パターン化された領域のエッジまで延び、少なくとも1つの溝の第2面の上の導体材料は、パターン化された領域のエッジまで延びる請求項1~3のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項5】
少なくとも1つの溝の第1面の上の導体材料は、パターン化された領域のエッジまで延び、それによって溝の1つの面と電気的に接続したパターン化された領域の正極を形成し、
少なくとも1つの溝の第2面の上の導体材料は、パターン化された領域の対向するエッジまで延び、それによって溝の他の面と電気的に接続したパターン化された領域の負極を形成する請求項1~4のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項6】
それぞれの溝の端部には導体材料が無い請求項1~5のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項7】
第1および第2のパターン化された領域が、基板の厚さを通して導体材料によって互いに直列に電気的接続された請求項1~6のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項8】
それぞれのパターン化された領域は、一連の溝を含む請求項1~7のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項9】
可撓性基板は、可撓性基板の長さに沿って互いに間隔をあけて配置された3つまたはそれ以上のパターン化された領域を含む請求項1~8のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項10】
隣り合うパターン化された領域は、直列に電気的接続されている請求項1~9のいずれかに記載の蓄電装置。
【請求項11】
隣り合うパターン化された領域は、並列に電気的接続されている請求項1~10のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項12】
それぞれのパターン化された領域は、1つまたはそれ以上のユニットセルを含む請求項1~7のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項13】
それぞれのユニットセルは、パターン化された領域中で、1つまたはそれ以上の他のユニットセルと電気的に接続されている請求項12に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項14】
それぞれのユニットセルは、溝または電気的に接続された一連の溝を含む請求項12または13に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項15】
それぞれのパターニングされた領域は、ウエブに沿って長手方向に配置された複数のユニットセルを含む請求項12~14のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項16】
それぞれのパターン化された領域は、ウエブに沿って横方向に配置された複数のユニットセルを含む請求項12~15のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項17】
ウエブを横切って配置された複数のユニットセルは、互いに直列に電気的接続されている請求項16に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項18】
それぞれのパターン化された領域は、ウエブの長手方向に配置された複数のユニットセルを含み、可撓性基板がアセンブリの時点で巻かれた場合に、互いに平行に電気的接続される請求項12~17のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項19】
溝の第1面および/または第2面がプロファイル化されている(例えば、加工されている、粗くされている、テクスチャ化されている)請求項1~18のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項20】
エネルギー蓄積装置のための被覆ウエブであって、
互いに分離可能で、可撓性基板の幅を渡って横方向に配置された少なくとも2つのパターン化された領域を含む可撓性基板を含み、
それぞれのパターン化された領域は、第1面および第2面を有する少なくとも1つの溝を含み、
第1面および第2面の上の導体間に直接電気的な接続がないように、第1面および第2面は、それぞれ、導体で被覆され、
少なくとも1つの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含み、
それぞれのパターン化された領域の少なくとも1つの溝の第1面および第2面は、それぞれ、可撓性基板の表面上の電気導体コーティング層と電気的に接続されており、
可撓性基板は、電気導体と可撓性基板と隣り合うパターン化された領域との中に少なくとも1つの変形を含む被覆ウエブ。
【請求項21】
可撓性ポリマーまたは他の電気的に絶縁性の基板を含む請求項20に記載の被覆ウエブ。
【請求項22】
少なくとも1つの変形は、開口部、リセス、ディンプルなどである請求項20
または21に記載の被覆ウエブ。
【請求項23】
可撓性基板は、そこを通る少なくとも1つの開口部を含む請求項20~
22のいずれかに記載の被覆ウエブ。
【請求項24】
少なくとも1つの開口部は、パターン化された領域に位置している請求項
23に記載の被覆ウエブ。
【請求項25】
それぞれのパターン化された領域は、そこを通る少なくとも1つの開口部を含む請求項
23または24に記載の被覆ウエブ。
【請求項26】
可撓性基材は、それぞれの対向するエッジで可撓性基材を貫通する複数の開口部を含む請求項20~
25のいずれかに記載の被覆ウエブ。
【請求項27】
それぞれの開口部は、開口壁を含む請求項
23~26のいずれかに記載の被覆ウエブ。
【請求項28】
開口壁は、導体材料で被覆されている請求項
27に記載の被覆ウエブ。
【請求項29】
開口壁は、プロファイリングされている(例えば、加工されている、粗くされている、テクスチャされている)請求項
27または28に記載の被覆ウエブ。
【請求項30】
エネルギー蓄積装置であって、
その表面に少なくとも2つの溝を含み、それぞれの溝は第1面と第2面を有している可撓性基板を含み、
それぞれの溝は、その長さに沿って互いに間隔をあけて配置され、その間に溝間の空間を形成し、
それぞれの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含み、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料は、それぞれの溝に過充填されて、それぞれの溝の第1面および第2面に隣り合う基板表面の少なくとも一部および溝間の空間にわたって電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層を形成し、
溝間の間隔の、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する比は、少なくとも1:1であるエネルギー蓄積装置。
【請求項31】
溝間の間隔の、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する比は、約1:1と約5:1との間である請求項
30に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項32】
溝間の間隔の、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する比は、少なくとも2:1である請求項
30または31に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項33】
電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、約10μm未満である請求項
30~32のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項34】
電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、約2μmと薬20μmとの間である請求項
33に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項35】
可撓性基板は、オーバーレイヤーを含む請求項
30~34のいずれかに記載のエネルギー蓄積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー蓄積装置、およびエネルギー蓄積装置用の被覆された織物に関する。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギー源の需要は、太陽電池のコストと効率に大きな著しい改良をもたらしたが、従来技術は、なおも電気を生成する比較的高価な方法を表す。
【0003】
再生可能エネルギー源の需要は、電気蓄積においても改良をもたらした。再生可能エネルギーが世界のエネルギー需要のより多くに適用されるには、電気蓄積効率を増加すべきであり、および/または電気蓄積のコストを低下すべきである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来のエネルギー蓄積装置の1つまたはそれ以上の欠点の低減を目的とする
【0005】
本発明の第1の形態では、エネルギー蓄積装置であって、
可撓性基板の長さ方向に沿って互いに間隔をおいて配置された少なくとも2つのパターン領域を含む可撓性基板を含み、
それぞれのパターン化された領域は、第1面と第2面を有する基板の長手方向(ウエブ方向)に延びる少なくとも1つの溝を含み、
第1面および第2面の上の導体間に直接的な電気的接続が無いように、第1面および第2面はそれぞれ導体で被覆され、
少なくとも1つの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含み、
それぞれのパターン化された領域の少なくとも1つの溝の第1面および第2面の上の導体は、可撓性基板の対向するエッジで導電体と電気的に接続され、
第1および第2のパターン化された領域は、互いに電気的に接続可能であるエネルギー蓄積装置を提供する。
【0006】
少なくとも1つの溝は、パターン化された領域でのパターニングを提供する。
【0007】
ここにおいて「ウエブ方向」、「長手方向」、および「長さ」の全ては、可撓性基板および/または被覆されたウエブの最も長い寸法を言う。「横方向」は、ウエブ方向に直交する方向の可撓性基板および/または被覆されたウエブの最も短い寸法の方向を言う。
【0008】
所定の具体例では、第1および第2のパターン化された領域は、互いに直列または並列に電気的に接続可能である。より具体的には、少なくとも2つのパターン化された領域のそれぞれの少なくとも1つの溝は、パターン化された領域の少なくとも1つの溝にさらに電気的に接続可能である。さらに具体的には、パターン化された領域の少なくとも1つの溝は、直列または並列の電気的接続で、さらなるパターン化された領域の別の少なくとも1つの溝に電気的に接続可能である。このようにして、2つの別々のパターン化された領域の溝が互いに直列に電気的に接続された場合、電気的導電のために設けられた電気的導電経路に従って、パターン化された領域の溝のそれぞれが、連続して到達する。2つの別個のパターン化された領域の溝が互いに並列に電気的に接続されている場合、パターン化された領域の溝間の電気導電のために設けられた電気導電経路に従って、パターン化された領域の溝のいずれかが、少なくとも2つのパターン化された領域のいずれかの他の1つの溝と交差することなく、電荷によって到達することができる。
【0009】
所定の具体例では、第1および第2のパターン化された領域は、隣り合うパターン化された領域の間の基板の表面の上の導電材料により、互いに直列に、電気的に接続される。
【0010】
所定の具体例では、導電材料は基板の表面上に堆積される。
【0011】
所定の具体例では、導電材料は、印刷可能な導電材料である。さらに、導電材料は導電性インクである。
【0012】
所定の具体例では、導電材料は被覆され、即ち基板表面の上に被覆を形成する。
【0013】
所定の具体例では、導電材料は、導電性ホイルである。さらに、導電性ホイルは、パターン化された領域のエッジに沿って重ねられる。さらに、導電性ホイルは、隣り合うパターン化された領域のエッジを電気的に接続するストリップから形成されても良い。このように、隣り合うパターン化された領域の間の電気的接続は、相互接続導電性ホイルストリップにより形成される。所定の接続は、領域の間の導電性ホイルを除去(即ち破壊)することにより(例えば導電性ホイルを引っかいてまたはレーザで除去することにより)、パターン化された領域の間を不接続にできる。所定の具体例では、導電性ホイルは導電性金属ホイルである。
【0014】
所定の具体例では、少なくとも1つの溝の第1面の上の導体材料は、パターン化された領域のエッジまで延びる。しかしながらこの導体材料は、少なくとも1つの溝の先端部を覆わない。
【0015】
所定の具体例では、少なくとも1つの溝の端部には導体が無い。さらに、所定の具体例では、溝の端部において溝の第1面および第2面には導体が無い。
【0016】
所定の具体例では、溝の端部において基板に孔を形成することにより、溝の端部において溝の第1面および第2面から導体が除去されても良い。例えば、基板に孔を形成することにより、溝の端部が除去されてもよい。
【0017】
所定の具体例では、溝の端部はマスクされて、その端部において溝の表面上への導体の堆積を防止する。さらに、マスクは1つまたはそれ以上の除去可能なテープおよびオイルパターン印刷プロセスで使用するためのオイル系材料である。
【0018】
溝の端部において表面から導体材料が無くなることで、溝間での短絡の可能性を確実に無くす。
【0019】
所定の具体例では、少なくとも1つの溝の第2面の上の導体材料がパターン化された領域のエッジまで延びる。しかしながら、導体は、少なくとも1つの溝の先端部を覆わない。
【0020】
所定の具体例では、少なくとも1つの溝の第1面の上の導体材料はパターン化された領域のエッジまで延び、少なくとも1つの溝の第2面の上の導体材料はパターン化された領域の反対のエッジまで延びる。このように、溝のそれぞれの面は、パターン化された領域のエッジと電気的に接続される。しかしながらこの導体は、少なくとも1つの溝の先端部を覆わない。
【0021】
所定の具他例では、少なくとも1つの溝の第1面の上の導体材料はパターン化された領域のエッジまで延び、これにより溝の1つの面と電気的に接続したパターン化された領域の陽極を形成し、少なくとも1つの溝の第2面の上の導体材料はパターン化された領域の反対のエッジまで延び、これにより溝の他の面と電気的に接続したパターン化された領域の陰極を形成する。しかしながら、この導体は、少なくとも1つの溝の先端部を覆わない。
【0022】
所定の具体例では、基板から電荷を引き出すために、陽極をパターン化された領域の負極に接続する電気回路が形成される。所定の具体例では、それぞれの溝の端部には、導体がない。さらに、溝の端部は、パターン化された領域の導電性に被覆された部分の外部に横たわる。
【0023】
導体材料は、それぞれが少なくとも1つの溝を含む少なくとも2つのパターン化された領域を含む可撓性基板の表面上に堆積される。少なくとも2つのパターン化された領域のそれぞれは、導電性材料により選択的に被覆され、パターン化された領域の殆どは電気的に導電性である。溝の第1面と第2面との間の空間と、溝の端部には導体材料が無い。さらに2つのパターン化された領域の間の基板の表面上に堆積された導体材料は、少なくとも2つのパターン化された領域の間の電気的接続を可能にし、記載された直列および/または並列の電気的接続が提供される。
【0024】
所定の具体例では、第1および第2のパターン化された領域が、基板の厚みを通る導電材料により、互いに直列に、電気的に接続される。さらに、第1および第2のパターン化された領域のそれぞれは、基板を通りパターン化された領域を電気的に接続する導体材料を含む開口部を含む。さらに、導体材料は、導電性接着材料でも良い。このように、可撓性基板が巻かれて2つの端末装置を組み立てた場合、第1および第2のパターン化された領域は互いに重なり、開口部に含まれた導電性材料は、第1および第2のパターン化された領域と電気的に接続する。
【0025】
所定の具体例では、開口部はパターン化された領域の間で、直列、並列、および/または直列と並列の組み合わせの電気的接続を提供するように形成(適用、配置)される。さらに、1つまたはそれ以上の開口部は溝の第1側に配置され、1つまたはそれ以上の開口部はパターン化された領域の溝の第2側に配置される。このように、少なくとも2つのパターン化された領域のそれぞれの、少なくとも1つの溝の両側の上の開口部の全てを使用して、並列が形成される。代わりに、少なくとも2つのパターン化された領域の、少なくとも1つの溝の1つだけの側の上の開口部が使用されて、基板のウエブ方向の続いた領域中で交互に、直列接続を形成しても良い。
【0026】
装置が電気エネルギーを蓄積するための信頼性のある方法を提供すること、特に装置は他の公知の蓄積装置と比較して短絡を減らしやすいことが、本発明の特徴である。短絡はキャパシタまたはスーパーキャパシタの有用なキャパシタンスの不利な影響を与える。
【0027】
本発明のさらなる特徴は、組み立て時点において、並列接続を通るより大きなキャパシタンスおよび可撓性基板の上のパターン化された領域の直列接続を通るより大きな操作電圧を形成できることにより、装置は、装置を横切って与えられる負荷に、電圧および/またはキャパシタンスを提供するための信頼性のある方法を提供することである。
【0028】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、1つまたは一連の溝を含む。所定の具体例では、一連の溝において、一連の第1の溝の第2面は、一連の第2の溝の第1面に電気的に接続されている。このように、一連の溝は、互いに直列に電気的に接続された複数の溝を含む。
【0029】
所定の具体例では、少なくとも2つのパターン化された領域は、いくつかのまたは異なる溝パターンを含む。
【0030】
所定の具体例では、可撓性基板は、可撓性基板の長さに沿って互いに間隔を隔てた複数のパターン化された領域を含む。さらに、可撓性基板は、可撓性基板の長さに沿ってパターン化された領域の繰り返しパターンを含む。さらに、可撓性基板は、可撓性基板の長さに沿って互いに間隔を隔てた3つまたはそれ以上のパターン化された領域を含む。
【0031】
所定の具体例では、隣り合うパターン化された領域は、直列に電気的に接続される。
【0032】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、少なくとも1つの開口部を含む。さらに、開口部は、隣り合うパターン化された領域中の開口部を埋める導電材料で電気的に接続された導電材料で埋められる。この方法で、隣り合うパターン化された領域は、導電材料により直列に電気的に接続される。
【0033】
所定の具体例では、開口部中の導電材料は、パターン化された領域の溝の第1面または第2面と電気的に接続される。
【0034】
所定の具体例では、第1のパターン化された領域の溝の第2面を、第2の溝の第1面と電気的に接続する導電材料により開口部が埋められることにより、隣り合うパターン化された領域は、電気的に直列に接続される。代わりに、第1のパターン化された領域の溝の第2面を、第2の溝の第2面と電気的に接続する導電材料により開口部が埋められることにより、隣り合うパターン化された領域は、電気的に直列に接続される。直列に電気的に接続される複数のパターン化された領域では、直列の第1のパターン化された領域中の少なくとも1つの溝の第2面は、直列の第2のパターン化された領域中の少なくとも1つの溝の第1面と電気的に接続され、次に、直列の第2のパターン化された領域中の少なくとも1つの溝の第1面は、直列の第3のパターン化された領域中の少なくとも1つの溝の第1面と電気的に接続されることが理解されるであろう。
【0035】
所定の具体例では、隣り合うパターン化された領域は、並列に電気的に接続される。
【0036】
所定の具体例では、第1のパターン化された領域の第1面を第2のパターン化された領域の第1面に接続する導電材料で埋められた開口部により、さらに第1のパターン化された領域の第2面を第2のパターン化された領域の第2面に接続する導電材料で埋められた開口部により、隣り合うパターン化された領域は並列に電気的に接続される。
【0037】
このように、製造(即ち、アセンブリ)の時点で、可撓性基板が巻かれた場合、第2のパターン化された領域に重なる第1のパターン化された領域は、パターン化された領域中の開口部を通して互いに直列または並列に電気的に接続できる。このように、可撓性基板の上のパターン化された領域の間で、並列接続および直列接続の双方が可能である。このように、装置の電圧およびキャパシタンスは、製造(即ち、アセンブリ)の時点で変化および制御が可能である。
【0038】
このように、可撓性基板が少なくとも1つのパッチを含むセグメントに切断された場合、その部分は積み重ねることができ、直列および並列の相互接続スキームが、平坦な可撓性キャパシタの製造に使用されても良い。このように、可撓性基板の上で、パターン化された領域の間の並列接続および直列接続の双方が可能である。このように、装置の電圧およびキャパシタンスは、製造(即ち、アセンブリ)の時点で変化および制御が可能である。
【0039】
所定の具体例では、隣り合うパターン化された領域の間の電気的な接続が、パターン化された領域を互いに電気的に接続する隣り合うパッチの間に基板上に導電材料を堆積することにより形成される。
【0040】
所定の具体例では、隣り合うパターン化された領域の間の意図しない電気的短絡を防止するために、それぞれのパターン化された領域は、隣り合うパターン化された領域から距離を隔てられる。
【0041】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、基板のエッジと直交するように基板に延びる。さらに、パターン化された領域のエッジは、基板のエッジに近くなる。
【0042】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、ウエブの長手方向に、1つまたはそれ以上の隣り合うパターン化された領域から間隔を開ける。
【0043】
所定の具体例では、パターン化された領域を有する可撓性基板のパターニング中に、隣り合うパターン化された領域の間の空間は、導電材料の適用から可撓性基板を保護するマスクにより形成される。これは、導電材料が、溝の第1面および第2面のそれぞれ、および第1面と第2面との間の可撓性基板の表面、および基板のそれぞれ対向するエッジに適用された場合、マスクが、可撓性基板に沿って所定の間隔で提供され、パターン化された領域の間の基板表面上への導電材料の望まない堆積を防止する。
【0044】
所定の具体例では、少なくとも2つのパターン化された領域の間の導電材料の被覆を防止するマスキングの機能は、基板の上への導電材料の被覆を防止または遮ることができるいずれかの技術により行われ、少なくとも2つのパターン化された領域の間の領域、および少なくとも2つのパターンの、始まりおよび終わりの部分が、導電材料で覆われずに残る。例えば、導電材料で覆われた後の開口は、導体および基板を少なくとも2つのパターン化された領域の間の部分から導体を除去する。さらなる例では、インラインオイルの印刷またはテーピングによる少なくとも2つのパターン化された領域の間の基板のマスキングは、基板上への導体の堆積を防止する。
【0045】
所定の具体例では、パターン化された領域は、1つまたはそれ以上のユニットセルを含む。
【0046】
所定の具体例では、ユニットセルは、パターン化された領域の1つまたはそれ以上他のユニットセルに電気的に接続される。
【0047】
所定の具体例では、ユニットセルは、溝または直列に電気的に接続された溝を含む。
【0048】
上述のように、溝の第1面および第2面またはそれぞれの溝は導体で覆われ、第1面および第2面の上の導体の間は直接電気的に接続せず、またはそれぞれの溝は電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えばキャパシタ材料)を含む。
【0049】
所定の具体例では、第1面および/または第2面、またはそれぞれの溝は、1つより多くの材料で覆われる。さらに、第1面および/または第2面または、それぞれの溝は、1つより多くの導体材料で覆われる。所定の具体例では、導体材料は、導体または半導体材料の1つまたはそれ以上でも良い。
【0050】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブの長手方向に沿って配置された複数のユニットセルを含む。
【0051】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブを横切るように配置された複数のユニットセルを含む。
【0052】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブを横切るように配置された複数のユニットセル(ウエブ直交方向、TD)と、ウエブに沿って配置された複数のユニットセル(即ち、機械またはウエブ方向、MDまたはWD)を含む。
【0053】
所定の具体例では、ウエブを横切るように配置された複数のユニットセルは、互いに直列に電気的に接続される。
【0054】
所定の具体例では、ウエブを横切る直列に接続されたユニットセルの全電圧は、以下の式により与えられる。
ここで、V
Tは、パターン化された領域中でウエブを横切る直列に接続されたユニットセルの全電圧、
V
1、V
2は、ウエブを横切る直列に接続されたそれぞれのユニットセルの個々の電圧、
nは、パターン化された領域中のウエブを横切る直列に接続されたユニットセルの全数、である。
【0055】
ウエブを横切る直列に接続されたユニットセルの全キャパシタンスは、以下の式により与えられる。
ここで、C
Tは、パターン化された領域中のウエブを横切る直列に接続された複数のユニットセルの全キャパシタンス、
C
1、C
2は、ウエブを横切る直列に接続されたそれぞれのユニットセルの個々のキャパシタンス、
nは、ウエブを横切る直列に接続されたユニットセルの全数、である。
【0056】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブの長手方向に配置された複数のユニットセルを含み、可撓性基板がアセンブリ時に巻かれた場合、これらは互いに直列に電気的に接続される。さらには、パターン化された領域は、巻かれた基板のそれぞれの端部に、導体材料を適用することにより、並列に接続される。
【0057】
この配置では、ウエブの長手方向に並列に接続された複数のユニットセルの全電圧は、ウエブを横切る直列のユニットの全電圧(VT)と同じままである。
【0058】
ウエブの長手方向に並列に接続された複数のユニットセルの全キャパシタンスは、以下の式により与えられる。
ここで、C
Tは、パターン化された領域中のウエブの長手方向に並列に接続された複数のユニットセルの全キャパシタンス、
C
1、C
2は、ウエブの長手方向に並列に接続されたそれぞれのユニットセルの個々のキャパシタンス、
nは、ウエブの長手方向に並列に接続されたユニットセルの全数、である。
【0059】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブを横切るように配置された、1つまたはそれ以上のユニットの列を含む。それぞれの列は、互いに並列に電気的に接続された、ウエブの長手方向に配置された複数のユニットセルを含む。
【0060】
所定の具体例では、パターン化された領域は、ウエブを横切るように配置された、1つより多くのユニットの列を含みそれぞれの列は、隣り合う列と、直列接続に電気的に接続される。
【0061】
このように、本発明は、装置の電圧およびキャパシタンス出力が、パターン化された領域の間および/またはそれぞれのパターン化された領域中にユニットセルの間の電気的接続(例えば、直列および/または並列)により選択可能である、可変電圧および可変キャパシタンスの装置を提供する。
【0062】
所定の具体例では、可撓性基板は、ウエブの長手方向に配置された弱くする線(例えば、ミシン目の線)を含む。さらに、弱くする線は、可撓性基板の長手方向の線を規定し、ここで基板は第1および第2の長いストリップに分離できる。
【0063】
所定の具体例では、弱くする線は、ウエブを通る直列のミシン目を含む。
【0064】
所定の具体例では、弱くする線は、少なくとも2つのパターン化された領域のそれぞれを、分離可能な長いストリップに分離する。
【0065】
このように、可撓性基板を長いストリップ(例えば、基板を長手方向に細長く切ることにより)に変え、最終組み立てと、ウエブを横切る方向に延びるパターン化された領域のそれぞれの間を電気的に接続するために、ウエブのエッジに平行なウエブ方向に走る直線で直列のミシン目はあっても良い。
【0066】
所定の具体例では、少なくとも2つのパターン化された領域に導電材料の被覆を提供するのと同じ被覆プロセスで、このミシン目が導体材料で被覆されても良い。
【0067】
所定の具体例では、直線で直列のミシン目は可撓性基板を長手方向に分離するための参照点を提供する(分離されていない可撓性基板より少ない寸法を有し、ウエブ方向に走る少なくとも2つのパターン化された領域を含む基板のストリップを形成する)。このミシン目はその壁の上が導電的に被覆されているため、細長く切った場合、電気導体のためにより大きな表面積を提供し、一旦、エッジ接続が必要とされた場合、細長く着られたエッジに存在するミシン目の増加したコンタクト面積のために、その接続は容易になる。
【0068】
所定の具体例では、弱くする線は、可撓性基板のウエブ方向に、長手方向の間隔を隔てた直列の窪みを含む。
【0069】
所定の具体例では、弱くする線は、可撓性基板の長手方向に走る窪みを含む。
【0070】
所定の具体例では、可撓性基板を長いストリップ(例えば、基板を長手方向に細長く切ることにより)に変え、最終組み立てと、ウエブを横切る方向に延びるパターン化された領域のそれぞれの間を電気的に接続するために、ウエブ方向の基板の表面に直線に窪んだ特徴の変形(チャネル特徴)を有し、この特徴は、少なくとも2つのパターン化された領域に導体被覆を形成するのと同じ被覆プロセスにより被覆されても良い。直線の窪んだ特徴は、可撓性基板の長手方向に分離するための参照ポイントを提供する分離していない可撓性基板より少ない寸法の基板のストリップを形成し、少なくとも2つのパターン化された領域を含む。窪んだ特徴はその壁の中で導電的に被覆されているため、細長く切った場合、電気導体のためにより大きな表面積を提供し、一旦エッジ接続が必要とされた場合、細長く切られたエッジに存在する窪みの特徴の増加したコンタクト面積のために、その接続は容易になる。
【0071】
所定の具体例では、それぞれのユニットセルは、1つまたは一連の溝を有する。所定の具体例では、溝の第1面および第2面またはそれぞれの溝は、可撓性基板の上のエッジコネクタと電気的に接続される。
【0072】
所定の具体例では、一連の溝において、一連の第1の溝の第2面は、一連の第2の溝の第1面と電気的に接続される。このように、直列の溝は、互いに直列に電気的に接続された複数の溝を含む。
【0073】
所定の具体例では、溝またはそれぞれの溝は、一般的には細長い溝である。
【0074】
所定の具体例では、それぞれのユニットセルは、実質的に平行な、一般的には平行な溝を含む。
【0075】
所定の具体例では、パターン化された領域は、導体材料を含むエッジコネクタにより、可撓性基板のエッジに接続される。
【0076】
所定の具体例では、装置のエッジコネクタは、可撓性基板が巻かれた場合に、互いに並列に接続される。
【0077】
所定の具体例では、可撓性基板が巻かれて、導体材料がロールの端部に適用された場合に、装置のエッジコネクタは互いに並列に接続される。所定の具体例では、導体材料は金属導体である。
【0078】
所定の具体例では、可撓性基板は、それぞれが基板の対向するエッジで第1および第2のエッジコネクタを含み、負荷に対して電気的に接続するように配置された複数のパターン化された領域を含む。このように、この装置は、装置の電圧とキャパシタンスが、装置に与えられるであろう電気的負荷により要求されるように形成された、エネルギー蓄積装置を提供するように形成される。
【0079】
所定の具体例では、少なくとも2つのパターン化された領域は、それぞれ、1つまたはそれ以上の溝を含む。さらに、溝の第1面および第2面、またはそれぞれの溝は、可撓性基板のエッジにおいて、それぞれエッジコネクタと電気的に接続される。さらに、溝の第1面および第2面、またはそれぞれの溝は、可撓性基板の対向するエッジにおいて、それぞれエッジコネクタと電気的に接続される。
【0080】
所定の具体例では、可撓性基板は細長い。さらに、可撓性基板はウエブを横切る方向より、ウエブ方向の寸法が大きくなっている。
【0081】
電気的ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料は、化学エネルギー、静電エネルギー、疑似容量、および静電二重層キャパシタンス(EDLC)の1つまたはそれ以上の形態で、電気的ポテンシャルエネルギーを蓄積する。
【0082】
所定の具体例では、電気的ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料は、溝の中のキャパシタまたはスーパーキャパシタ材料である。
【0083】
所定の具体例では、キャパシタ材料は、スーパーキャパシタのキャパシタンス特性を有する。溝中のスーパーキャパシタ材料は任意的である。キャパシタ材料は、高誘電体キャパシタ材料でも良い。溝中の高誘電体キャパシタ材料は一般的である。
【0084】
所定の具体例では、高誘電体キャパシタは、空気以外の材料である。
【0085】
エネルギー蓄積装置は、一般には、電気エネルギー蓄積装置である。
【0086】
キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料が溝中にある場合、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、部分的に溝を埋めても、完全に溝を埋めても、または溝から溢れても良い。
【0087】
溝の第1面および/または第2面は、導体(例えば金属)で覆われても、即ち導体の被覆を有しても良い。導体(例えば金属)は、溝中のキャパシタまたはスーパーキャパシタ材料と接続し、一般的には電気的に接続する。導体(例えば金属)は、導体および一般的には電導体と呼ばれても良い。溝の第1面の上の導体(例えば金属)と第2面の上の導体(例えば金属)との間には一般には隙間がある、隙間は、一般には、溝の第1面の上の導体(例えば金属)が、第2面の上の導体(例えば金属)と電気接続しないことを意味する。隙間は、一般には、溝の底である。
【0088】
溝が第1面の上の導体(例えば金属)と第2面の上の導体(例えば金属)との間に空間を規定することが、本発明の特徴でも良い。第1面の上の導体(例えば金属)の間の距離は、一般には正確に規定され、通常比較的正確に規定および/または整合する。
【0089】
溝の中のキャパシタまたはスーパーキャパシタ材料が、他の公知のキャパシタまたはスーパーキャパシタに比較して、電圧破壊の影響を受けにくいことは、本発明の特徴でも良い。本発明にかかるエネルギー蓄積装置は、それぞれの溝を横切る低減した個々の電圧を有する。溝の数は、装置の操作電圧に関連する。多重積層を必要とする他の公知のキャパシタ/スーパーキャパシタ装置と違い、本発明にかかるエネルギー蓄積装置は、多重積層を必要とせず、1つの層の中の直列の溝を使用する。装置は多くの溝で電圧を分けて、個々の溝の電圧は、溝中のキャパシタまたはスーパーキャパシタ材料の電圧破壊のレベルより低くなる。
【0090】
エネルギー蓄積装置は、また、二端子装置でも良い。さらに、装置は、電気負荷が接続された二端子装置でも良い。溝の第1面は導体材料で覆われ、即ち導電材料の被覆を有し、溝の第2面は導体材料で覆われ、即ち導電材料の被覆を有しても良い。
【0091】
キャパシタ材料は、一般には高誘電体材料または高耐圧材料で、一般には、高耐圧誘電体材料である。高誘電体材料が、装置がオンに切り替わった場合のサージのような、エネルギー需要スパイクを平坦にすることでエネルギー蓄積装置から供給される電力の操作を助けることが、本発明の特徴でも良い。高誘電体材料は、高誘電体キャパシタ材料でも良い。
【0092】
導電材料は、溝中のキャパシタ材料と接続する。キャパシタまたはスーパーキャパシタは、一般には、導電材料で占領されない溝の体積を充填する。
【0093】
キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、一般には、ウルトラキャパシタとも呼ばれる、スーパーキャパシタの機能を提供する。スーパーキャパシタの機能は、スーパーキャパシタ材料のみによって提供されても良く、またはスーパーキャパシタ材料と導電材料との相互作用を必要としても良い。
【0094】
キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、静電二重層キャパシタ、電気的に形成された弾性変形、および/または電気化学疑似キャパシタンス、および電気分極または電荷メカニズムの分離/分極を用いて静電エネルギーを蓄積しても良い。
【0095】
溝の第1面が導電材料で被覆され、溝の第2面が導電材料で被覆され、および溝中にキャパシタ材料がある場合に、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は溝の中にあっても、溝を過充填しても良い。キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料が溝を過充填した場合、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、誘電体および/または2つの隣り合う溝の間の絶縁体である。
【0096】
キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料が溝を過充填することは、材料が溝の残りの体積を完全に満たし、さらに溝の体積および/または外側に延びるように、有利であってもよい。キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料が複数の溝の上に層を形成して複数の溝を跨いで橋渡しする程度に、このようにして複数の溝を過充填してもよい。キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、2つ以上の隣接する溝の間の誘電体であってもよい。 溝を過充填することは、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料の基板および/またはデバイスの他の構成要素へのより大きな付着をもたらし、および/またはデバイスの結果として生じるキャパシタンスを増加させてもよい。
【0097】
所定の具体例では、キャパシタは1つまたはそれ以上の以下の材料:金属/混合金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタニウム、チタン酸亜鉛マグネシウム、チタン酸亜鉛ストロンチウム、五酸化ニオブ、チタン酸ジルコン酸鉛、五酸化タンタル、酸化ニオブ亜鉛、酸化ニオブマグネシウム、酸化タンタル亜鉛、酸化タンタルマグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム);有機重合体(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびクロロトリフロロエチレン、トリフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、クロロフロロエチレンの1つまたはそれ以上のフッ化ビニリデンの共重合体);セルロース、および例えばセルロースアセテート、セルロースジアセテート、またはセルローストリアセテート、アルキルシリルセルロース、シアノアルキル化セルロース、またはアルキル化セルロースのようなセルロース派生物、から形成される。
【0098】
所定の具体例では、キャパシタ材料は、上述の重合体と、大きさが5nm~1μmの上述の金属酸化物の1つまたはそれ以上の粒子との合成物を含む。
【0099】
所定の具体例では、キャパシタ材料は、上述の重合体と、上述の金属の1つまたはそれ以上のナノ粒子との合成物を含む。
【0100】
所定の具体例では、キャパシタ材料は塩溶液を含み、塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化カリウム、アルキルアンモニウム、またはアルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェイト、および硫酸またはアジピン酸の塩、の1つまたはそれ以上である。
【0101】
所定の具体例では、キャパシタ材料は、絶縁性の足場中のイオン(溶液中の他の材料に塩)溶液を含み、その塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムのテトラフルオロホウ酸塩、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムのテトラフルオロホウ酸塩、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムのテトラフルオロホウ酸塩、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、アルキルアンモニウムまたはアルキルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、硫酸またはアジピン酸、の1つまたはそれ以上である。所定の具体例では、足場は、絶縁性ナノ粒子(例えば、酸化ケイ素);高誘電性ナノ粒子;多孔質ポリマー;またはイオン溶液を受け入れる絶縁媒体から形成されてもよい。
【0102】
所定の具体例では、塩溶液は、以下の溶媒の1つまたはそれ以上:水、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、エチレングリコールおよびプロピレングリコール;および/または以下のポリマーのうちの1つまたはそれ以上:ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、を含む。
【0103】
所定の具体例では、溝またはそれぞれの溝は、溝の第1面が金属で被覆され、溝の第2面が金属および酸化物/絶縁層で被覆され、溝が、酸化物層の頂部を第1面の金属に接続する導電性液体を含む電解キャパシタを提供する。代わりに、溝またはそれぞれの溝は、溝の第2面が金属で被覆され、溝の第1面が金属および酸化物/絶縁層で被覆され、溝が、酸化物層の上面を第2面の金属に接続する導電性液体を含む電解キャパシタを提供する。
【0104】
所定の具体例では、スーパーキャパシタ材料は、1つまたはそれ以上のキャパシタ材料を含み、溝の第1面および/または第2面は、面の表面積を増加させるように形成される。
【0105】
溝は、それらの導入によって、溝の面上の分離された導体材料の間の溝中に存在する周囲雰囲気だけのものよりも、溝の電荷蓄積能力の測定可能な増加をもたらすキャパシタ材料のための受容構造と考えることができる。このキャパシタ材料は、分離された導体の間の空間の逆数の分離された導体の重なりの面積にキャパシタンスが比例する静電キャパシタを形成するものでもよい。代わりに、溝に導入されたキャパシタ材料は、容量が分離された導体の表面に隣り合う帯電した原子/分子層によって支配される二重層キャパシタンス効果を形成することができる。
【0106】
所定の具体例では、受容構造(すなわち、溝)は、分離された導体を横切って外部電場が適用されて、材料の中で双極子を形成または操作することができる材料で充填され、高度の材料分極と、この変位が蓄積された電荷/エネルギーの源である材料の平衡状態をもたらす、材料の中で双極子を形成または操作することができる材料で充填することができる。
【0107】
所定の具体例では、溝を横切る電気導通を制限するが、少なくとも周波数のいくつかの範囲で高度な電荷の自己分極または分離を可能にする材料が、溝を充填し、有用なキャパシタシステムを形成するために考慮される、適した材料である。
【0108】
使用時に、装置は典型的には電気エネルギーを蓄積する。装置は、負荷と電気的に接続されても良い。負荷は、典型的には電気エネルギーを消費する電気部品である。負荷は、例えば、電球であってもよい。
【0109】
使用時に、キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、典型的には、負荷が消費しない電気エネルギーまたは電荷を蓄積する。このようにして、過剰な電気エネルギーを、負荷による将来の使用のために蓄えることができる。したがって、電気エネルギー源が電気エネルギーまたは十分な電気エネルギーを生成していない場合、負荷が利用可能な電気エネルギーが存在する。
【0110】
溝の第1側面は、典型的には、溝の第1面と、溝と隣り合う基板の第1表面とを含む。溝の第2の側面は、典型的には、溝の第2面と、溝と隣り合う基板の第2平面とを含む。溝と隣り合う第1平面および第2平面は、典型的には、基板と少なくとも実質的に平行であり、および/または基板と同じ平面である。溝の第1側および第2側は、典型的には、基板の同一面上にある。
【0111】
所定の具体例では、溝の第1面および第2面は、約2μmから約20μmの高さを有する。即ち、溝の空の深さは、約2μmと約20μmとの間である。
【0112】
溝がV形状の断面を有する場合、溝の第1面の高さは、通常、溝の第1面と基板の第1表面との間の接合部と、溝の第1面と第2面との間の接合部とから測定される。溝の第2面の高さは、通常、溝の第2面と基板の第2表面との接合部と、溝の第2面と第1面との接合部とから測定される。溝が正方形または円形の断面を有する場合、溝の第1面の高さは、通常、溝の第1面と基板の第1表面との接合部と、溝の第1面と第の面との間に位置する溝の最下点から測定される。溝の第2面の高さは、通常、第1面と第2面との間に位置する溝の最下点から測定される。
【0113】
溝の第1面と第2面の高さは、少なくとも実質的に同じであってもよいし、異なってもよい。
【0114】
所定の具体例では、溝の幅は、約0.3μmから約10μm、典型的には約1μmから約10μmの範囲にある。即ち、溝の口を横切って、溝と隣り合う基板の第1表面と、溝と隣り合う基板の第2表面との間の距離は、約0.3μmと約10μmの間、典型的には1μmと約10μmの間の範囲である。
【0115】
所定の具体例では、溝の第1面および/または第2面は、プロファイリングされている(例えば、工作され、粗くされ、テクスチャされている)。このようにして、第1面および/または第2面の表面積は、滑らかな溝の面と比較して増加する。
【0116】
溝の第1側および第2側は、通常、それぞれ導体材料で被覆されている。溝の第1側上の導体材料と、溝の第2側上の導体材料とは、通常、溝中のキャパシタ材料と接触している。
【0117】
溝の第1面は、通常、基板からの法線に対して第1の角度であり、溝の第2面は、通常、基板からの法線に対して第2の角度である。第1の角度および第2の角度は、通常、0から90°未満である。所定の具体例では、第1の角度および第2の角度は、通常、0から75°である。
【0118】
溝の第1面および第2面は、通常、その間に溝の中空を規定する。
【0119】
溝の第1面と第2面は、それぞれ第1の端部と第2の端部を有してもよい。第1の端部は、典型的には、溝の中央部および/またはキャビティの底部で接触し、第2の端部はキャビティの上部で切り離される。代わりの実施例では、第1面と第2面は、別々に溝のベースに接触する。溝のベースは、溝の底部でもよい。
【0120】
導体材料は、少なくとも1つの導体材料の層でもよい。導体材料は、通常、溝の第1面、第1表面、第2面および第2表面の1つまたはそれ以上と接触してもよい。
【0121】
導体材料は、通常、溝の第2面および溝と隣り合う基板の第2表面の上、これと接触、およびこれを被覆する、のうちの1つまたはそれ以上である。導体材料は、さらに、溝と隣り合う基板の第1表面の上、これと接触、およびこれを被覆する、のうちの1つ以上でもよい。
【0122】
溝は、任意の形状であってもよく、対称であってもよく、非対称なV形状でもよい。溝の第1面は、溝の第2面よりも長くてもよく、または溝の第2面は、溝の第1面よりも長くてもよい。
【0123】
導体材料が、溝の第2面および/または第1面のそれぞれ約50%、好ましくは約85%をコートおよび/または被覆することにより、装置のキャパシタンス、耐圧および電流能力のうちの1つまたはそれ以上が増加する。
【0124】
導体材料のコートは、20nm~1000nmの厚さでもよく、通常は25nm~500nmの厚さであり、典型的には30nm~200nmの厚さである。したがって、導体材料のコートは、比較的薄いコートと呼ばれてもよい。
【0125】
他の導体の厚さが約200nmであると、装置のキャパシタンス、耐圧、および電流能力のうちの1つまたはそれ以上が増加することは、本発明の利点であるかもしれない。
【0126】
キャパシタまたはスーパーキャパシタ材料は、誘電体材料および/または絶縁体材料と呼ばれてもよい。絶縁体材料は、典型的には電気絶縁体材料である。
【0127】
導体材料は、電気導体であってもよい。
【0128】
所定の具体例では、導体材料は金属である。
【0129】
所定の具体例では、導体材料は非金属である。より具体的には、導体は、炭素導体または導電性セラミックである。
【0130】
導体材料は、アルミニウム、ビスマス、カドミウム、クロム、銅、ガリウム、金、インジウム、鉛、マグネシウム、マンガン、サマリウム、スカンジウム、銀、スズ、亜鉛、テルビウム、セレン、モリブデン、イットリウム、ホルミウム、カルシウム、ニッケル、タングステン、白金、パラジウム、バナジウム、炭素、およびステンレス鋼のうちの1つまたはそれ以上を含んでも良い。導体材料は、電気絶縁体以外の、任意の材料であってもよいことが理解されるであろう。導体材料は、半導体材料でもよい。このように、導体材料は、電荷の移動を可能にする。
【0131】
少なくとも1つの溝を構成する基板の表面は、パターン化された領域と呼ばれる。パターン化された領域は、典型的には平坦ではない。基板は、平坦な別の表面を有していてもよい。
【0132】
装置は、2端子装置と呼ばれてもよい。
【0133】
装置が複数の溝を含む場合、複数の溝は、カスケード溝構造と呼ばれる第1および第2の直列の溝に形成されてもよい。使用時には、装置は直列配置で製造され、並列配置、または直列配置と並列配置の組み合わせで動作してもよい。
【0134】
それぞれの溝および/またはパターン化された領域の溝は、0.3m~200mの長さであってもよく、通常は3m~300mの長さである。パターン化された領域のそれぞれの溝および/または溝は、通常100m以上の長さであり、任意に1000m以上の長さであり、通常5000m以上の長さであり、10000m以上の長さであってもよい。パターン化された領域の各溝および/または溝は、典型的には0.3~100μmの幅であり、通常は0.3~10μmの幅である。より具体的には、パターン化された領域の溝および/または溝は、1μm~から5μmの幅である。
【0135】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、溝、または並列に電気的に接続された直列の溝を含み、100,000,000mまでの有効長さを有していてもよい。
【0136】
基板は、硬化性樹脂、特に紫外線硬化性樹脂を含んでもよい。基材は、硬化性樹脂層と可撓性ベース層とを含んでもよい。ベース層は、絶縁層を含んでもよい。可撓性基材は、塩化ビニル(PVC)上にアクリル樹脂をコーティングしたもの、ポリエチレンテレフタレート(PET)上にアクリル樹脂をコーティングしたもの、ポリエチレンナフタレート(PEN)上にアクリル樹脂をコーティングしたもの、塩化ビニル(PVC)上にバイオポリマーをコーティングしたもの、ポリエチレンテレフタレート(PET)上にバイオポリマーをコーティングしたもの、およびポリエチレンナフタレート(PEN)上にバイオポリマーをコーティングしたもののうちの、1つまたはそれ以上を含んでもよい。
【0137】
エネルギー蓄積装置は、第1と第2の実質的に平坦な面を含んでもよい。
【0138】
パターン化された領域は、典型的には、第1の実質的に平坦な面内にある。
【0139】
所定の具体例では、溝は、第1の最外溝および第2の最外溝を含む。
【0140】
それぞれのパターン化された領域の基板には、少なくとも第1孔および第2孔が存在してもよい。第1孔は、通常、第1の最外溝と基板の第2の実質的に平坦な面との間の電気的接続を提供し、第2孔は、第2の最外溝と基板の第2の実質的に平坦な面との間の別個の電気的接続を提供する。
【0141】
第1孔および第2孔の側面は、通常、第1の導体材料および第2の導体材料のうちの1つまたはそれ以上で被覆される。
【0142】
第1孔は、典型的には、第1の外周溝に近接した基板の第1の実質的に平坦を通過し、基板の第2の実質的に平坦な面上の第1の電気導体を通過する。第2孔は、典型的には、第2の外周溝に近接した基板の第1の実質的に平坦な面を貫通し、基板の第2の実質的に平坦な面上の第2の電気導体を貫通する。
【0143】
孔は、典型的には、0.5μm~2000μmの直径を有する。孔は細長くてもよい。孔は、スロットであってもよい。
【0144】
第1孔および第2孔は、通常、少なくとも部分的に電気導体材料で満たされている。電気導体材料は、導電性インクでもよい。
【0145】
また、基板は、第1孔および第2孔を含んでもよい。
【0146】
溝の第1面上の導電体を第1導体と呼んでも良い。溝の第2面上の導体は、第2の導体と呼んでもよい。
【0147】
所定の具体例では、第1および/または第2の導体は、金属である。
【0148】
所定の具体例では、第1および/または第2の導体は、非金属(例えば、炭素)である。
【0149】
特定の実施形態では、第1および/または第2の導体は、半導体である。
【0150】
第1面および第2面の上の導体間の距離の統計的なばらつきは、使用中に、未処理のままにしておくと、製造のばらつきに起因して装置内でいくつかの短絡が発生するかもしれないことを意味する。導体が基板に塗布された後、短絡検出および緩和/除去工程を実施してもよい。例えば、まず、導電性コーティングされた基板のキャパシタンスおよび/または電気的特性を測定してもよい。測定されたキャパシタンスおよび/または電気的特性により、その中に短絡が存在するかどうかを評価することができる。短絡の緩和または除去が望まれる場合には、可変周波数AC電圧、DC電圧、パルスDC電圧、またはAC電圧を導電性コーティング基板上の導体に通過してもよい。
【0151】
欠陥領域(パッチ)を介した必要な電流の通過は、パッチの配置の電気的に絶縁された性質のため、電圧の印加はパッチに隣り合う導通領域とパッチ自体に制限されるため容易になる。これは、多くのパッチからなるウエブ全体のごく一部だけが通電されることを意味し、処理された領域の外側の電気導体が制限され、コーティングされたウエブと接触する続く電気的に導体のローラーやエレメントが緩和技術により影響を受けないので、標準的な変換システムや機械を使用することを可能となる。
【0152】
この、またはそれぞれの溝は、典型的には1層である。使用時には、装置は、通常、多数の溝に亘って電圧を共有する。さらには、この、またはそれぞれの溝は、典型的には、可撓性基板の樹脂層内にある。
【0153】
第1の溝の第2面は、典型的には、第2の溝の第1面と電気的に接続している。第1の溝の第2面は、第2の溝の第1面と電気的に接続してもよい。
【0154】
溝の数は任意の数であってもよい。溝の数は、典型的には、溝内のキャパシタまたはスーパーキャパシタ材料のタイプ、および/または溝の幅に依存する。
【0155】
それぞれのパターン化された領域には、通常、1から約2000個の溝がある。1つの溝と比較して直列に2つの溝を有することは、電圧を2倍にし、エネルギー蓄積装置の容量を半分にする。1つの溝に対して3つの溝を直列に持つと、電圧は3倍になり、エネルギー蓄積装置の容量は3分の1になる。
【0156】
本発明の他の形態は、エネルギー蓄積装置用の被覆ウエブであって、
互いに分離可能で、可撓性基板の幅を横切って配置された少なくとも2つのパターン化された領域を含む可撓性基板を含み、
それぞれのパターン化された領域は、第1面および第2面を有する少なくとも1つの溝を含、
第1面および第2面の導体間に直接電気的な接続がないように、第1面および第2面はそれぞれ導体で被覆されており、
少なくとも1つの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含んでおり、
それぞれのパターン化された領域の少なくとも1つの溝の第1面および第2面は、それぞれ、可撓性基板の表面上の電気導体コーティング層と電気的に接続されており、
可撓性基板は、電気導体と可撓性基板と隣り合うパターン化された領域との中に少なくとも1つの変形を含む。
【0157】
所定の具体例では、被覆されたウエブは、可撓性ポリマーまたは他の電気的に絶縁性の基板を含む。さらに、本発明の具体例にかかる被覆されたウエブが処理されて(例えば、長手方向に切断)、本発明の具体例にかかる可撓性基板を形成しても良い。そのように形成された可撓性基板は、本発明にかかるエネルギー蓄積装置を形成するために巻くことができる。さらには、そのように形成された可撓性基板は、本発明の第1の形態にかかるエネルギー蓄積装置の可撓性基板でもよい。
【0158】
所定の具体例では、被覆されたウエブは、ポリマーベース層と樹脂層とを含む可撓性基材を含んでも良い。
【0159】
所定の具体例では、少なくとも1つの変形は、可撓性基材の幅を横切って配置された隣り合うパターン化された領域の間に、弱くする線を形成する。
【0160】
所定の具体例では、弱くする線は、可撓性基板の長手方向軸と平行である。即ち、弱くする線は、可撓性基板のウエブ方向に延びている。
【0161】
所定の具体例では、少なくとも1つの変形は、開口部、凹部、窪みなどである。このようにして、変形が基板の表面に対して垂直な角度で切り開かれたとき、変形の領域内のエッジで基板の露出表面積は、変形を含まないエッジにおける基板の露出表面積よりも大きい。
【0162】
所定の具体例では、可撓性基板は、そこを通る少なくとも1つの開口部を含む。
【0163】
所定の具体例では、可撓性基板は、可撓性基板を通る複数の開口部を含む。
【0164】
所定の具体例では、少なくとも1つの開口部は、パターン化された領域に配置される。
【0165】
所定の具体例では、可撓性基板は、そこを通る複数の開口部を含む。
【0166】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、底を通る少なくとも1つの開口部を含む。
【0167】
所定の具体例では、それぞれのパターン化された領域は、パターン化された領域の第1の表面および第2の表面の両方を通る開口部を含む。
【0168】
所定の具体例では、可撓性基板は、それぞれの対向するエッジにおいて可撓性基板を通る複数の開口部を含む。
【0169】
所定の具体例では、それぞれの開口部は、開口壁を含む。
【0170】
所定の具体例では、開口壁は、導体材料で被覆されている。さらには、開口壁は、導電性コーティングを有する。導電性コーティングは、金属または非金属導電性材料であってもよい。
【0171】
所定の具体例では、開口壁は、プロファイリングされている(例えば、エンジニアリングされ、粗面化され、テクスチャリングされている)。このようにして、開口壁の表面積は、平滑な開口壁と比較して増加する。
【0172】
所定の具体例では、可撓性基板の表面上の電気導体コーティング層は、金属被覆層である。さらには、金属被覆層は、可撓性基板の表面上に金属層として形成される。
【0173】
所定の具体例では、溝は、可撓性基板の長さ方向に進行する。
【0174】
所定の具体例では、溝は、ウエブの長手方向および直交方向に延びている。さらには、溝は、基板上にジグザグパターンに延びる。代わりに、溝は基材上に鋸歯状、矩形波状、または類似のパターン、またはそれらの任意の組み合わせで延びる。
【0175】
所定の具体例では、溝は横方向に延びる部分と縦方向に延びる部分を含む。
【0176】
本発明の被覆ウエブの使用では、ウエブは、その長さに沿って長手方向のスリットであり、基材の開口部を貫通する。このようにして、複数のより小さい被覆されたウエブのストリップが形成され、それぞれが、その対向するそれぞれのエッジに少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を有する。このようにして、開口壁の上の導電性材料は、被覆されたウエブストリップ上にエッジコネクタを形成する。
【0177】
本発明のさらに他の形態は、エネルギー蓄積装置であって、
その表面に少なくとも2つの溝を含む可撓性基板であって、それぞれの溝は第1面と第2面を有する可撓性基板を含み、
それぞれの溝は、その長さに沿って互いに間隔をあけ、その間に溝間の間隔を提供し、
それぞれの溝は、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料(例えば、キャパシタ材料)を含み、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料は、それぞれの溝の第1面および第2面と隣り合う基板表面の少なくとも一部と、溝間の空間との上に渡って電位エネルギーを蓄積するための材料の層を提供するように、それぞれの溝を埋め尽くし、電位エネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する溝間の間隔の比は、少なくとも1:1である、エネルギー蓄積装置を提供する。
【0178】
所定の具体例では、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する溝間の間隔の比は、約1:1から約5:1の間である。さらには、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さに対する溝間の間隔の比は、少なくとも2:1である。
【0179】
所定の具体例では、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、約10μm未満である。さらには、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、約2μmから約20μmの間である。
【0180】
電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、その層の上面から、溝を備えた基板層の表面までで測定される。
【0181】
所定の具体例では、可撓性基板は、被覆層を含む。さらには、被覆層は、ベース層に対向する樹脂の表面上にある。
【0182】
所定の具体例では、被覆層は、約0.8μmから約30μmの厚さである。
【0183】
所定の具体例では、溝間の間隔と、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さとの比は、1:1よりも大きい。すなわち、電気ポテンシャルエネルギーを蓄積するための材料の層の深さは、溝間の間隔の距離よりも小さい。このように、材料の層は、溝のキャパシタンスが単一の溝として振る舞う深さには達しない。
【0184】
本発明の具体例は、ここで、単に例示の方法で、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【
図1a】本発明の1つの具体例にかかる過充填を示すエネルギー蓄積装置の溝の断面図である。
【
図1b】本発明の1つの具体例にかかる部分充填を示すエネルギー蓄積装置の溝の断面図である。
【
図2a】本発明の1つの具体例にかかる装置の組み立てに先立った、巻かれていない可撓性基板を備えたエネルギー蓄積装置の一部を示す。
【
図2b】本発明の1つの具体例にかかるキャパシタからのエネルギー蓄積装置の溝の断面図である。
【
図2c】
図2aのエネルギー蓄積装置の端面図である。
【
図3a】
図2aのエネルギー蓄積装置から電荷を取り出すための電気回路を示す。
【
図3b】
図2aのエネルギー蓄積装置から電荷を取り出すための電気回路を示す。
【
図4】本発明の第2の形態の具体例にかかる被覆されたウエブを示す。
【
図5】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板を示す。
【
図6】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板上の代表的なパッチを示す。
【
図7】本発明の他の具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板を示す。
【
図8a】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板の平面図を示す。
【
図8b】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板の側面立面図を示す。
【
図9】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のため可撓性基板を示す。
【
図10】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板を示す。
【
図11】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板を示す。
【
図12】本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置のための可撓性基板を示す。
【
図13a】本発明の1つの具体例にかかる可撓性基板の少なくとも1つの溝のための多数の断面溝形状を示す。
【
図13b】部分的に巻かれた(即ち、組み立てられた形態の)本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置を示す。
【
図14】完全に巻かれた(即ち、組み立てられた形態の)本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置を示す。
【
図15】組み立てられた形態の本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置の側面立面図である。
【
図16a】完全に巻かれた(即ち、組み立てられた状態の)本発明の1つの具体例にかかるエネルギー蓄積装置を示す。
【
図16b】接続ワイヤが取り付けられた状態の
図16aのエネルギー蓄積装置を示す。
【
図17】本発明の1つの具体例にかかる可撓性基板の一連の溝の断面図を示す。
【
図18】本発明の1つの具体例にかかる代わりのエネルギー蓄積装置を示す。
【
図19】本発明の1つの具体例にかかる過充填を示すエネルギー蓄積装置の溝の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0186】
図を通して、可能な場合には、同様の特徴は、同一または類似の参照番号によって示されている。
【0187】
図1aは、一連の溝14とキャパシタ/スーパーキャパシタ材料99を含むエネルギー蓄積装置10を示す。溝14の壁には、金属導体18の被覆を有する。
【0188】
溝14の第1面16a上の金属のコート18と、溝14の第2面16b上の金属のコート18とは、電気的に接続していない。溝14の第1面16a上の金属18のコートと、溝14の第2面16b上の金属18のコートとの間には、溝14の底部に隙間92が形成されている。また、金属のそれぞれコート18は、導体材料と呼ばれても良い。
【0189】
図1aでは、キャパシタ/スーパーキャパシタ材料99が溝14に過充填されている。
図1bは、本発明にかかるエネルギー蓄積装置の同様の特徴を示すが、キャパシタ/スーパーキャパシタ材料99は、溝14を部分的に充填する。
【0190】
【0191】
図2Aは、可撓性基板12がウエブ18の長手方向に延びる溝14を含む可撓性基板12を備えたエネルギー蓄積装置10の一部を示す。パターン化された領域38は溝14を含み、溝14の端部はパターン化された領域38の端部を越えて延びている。溝14は、ジグザグパターン化されており、ウエブの横方向19に延びる方向性成分を有する。溝14は、溝14の第1面16aおよび第2面16bのそれぞれの上の金属18のコートと接触するキャパシタ/スーパーキャパシタ材料(99、
図2b参照)を含む。溝14の第1面16aの上の金属18のコートと、溝14の第2面16bの上の金属18のコートとの間の溝14の底部には、隙間92が形成されている。金属導体18のコートは、また、可撓性基板12の第1面22の上および第2面24の上にも堆積されている。第1の表面22上の金属18のコートは、溝14の第1面16a上の金属18のコートと接触している。第2の表面24上の金属18のコートは、溝14の第2面16b上の金属18のコートと接触している。
【0192】
第1の表面22上の金属18のコートは、可撓性基板12の第1エッジ26まで延び、可撓性基板12の第1のエッジ表面26に位置するエッジコネクタ32を覆う金属(または他の導体材料)のコート(図示せず)と接触している。
【0193】
第2の表面24上の金属18のコートは、可撓性基板12の第2エッジ28まで延び、可撓性基板12の第2のエッジ表面28に位置するエッジコネクタ32を覆う金属(または他の導体材料)のコート(図示せず)と接触している。
【0194】
パターン化された領域38は、その両端にマスクされた領域42を有する。マスクされた領域では、可撓性基板の表面は、金属コーティングを有しておらず、導体材料は無い。このようにして、隣り合うパターン化された領域38(記載された具体例ではそのうちの1つのみが示されている)は、マスクされた領域42によって、巻かれていない可撓性基板12上では互いに電気的に絶縁されている。
【0195】
溝14は、マスクされた領域42の中へ延びている。このようにして、溝14の端部44a、44bにおける溝14の面16a、16bには、導体(金属18のコート)は無い。
【0196】
図2cに最もよく示されているように、エッジコネクタ32は、可撓性基板12の長手方向21において互いに間隔をあけて配置されている。それぞれのエッジコネクタ32は、金属層のような導体材料(図示せず)で被覆された壁を有する。このようにして、エッジコネクタ32は、負荷に電気的に接続することができる。
【0197】
図2bに最もよく示されているように、キャパシタC1は、溝14の1つの部分34によって形成されている。金属のコート18は、溝14の第1面16aおよび可撓性基板12の第1の表面22の上に堆積される。金属のコートは、装置10の1つの電極を形成する。金属のコート18は、溝14の第2面16bおよび可撓性基板12の第2の表面24上に堆積される。金属のコートは、装置10のさらなる対向する電極を形成する。キャパシタ材料99は、溝14内に収容され、溝14のそれぞれの面16a、16b上の金属のコート18と接触する。溝14を介して基板12から電荷を取り出すための電極を接続することにより、可撓性基板12上に電気回路を形成することができる。
【0198】
図2aに示すように、可撓性基板12上には、キャパシタC1、C2、C3、およびCnが互いに並列に電気的に接続されて設けられている。
【0199】
図3aおよび
図3bは、
図2aのエネルギー蓄積装置10から電荷を取り出すための電気回路36を示す。キャパシタC1、C2、C3、C4は、ジグザグパターンの頂点が明確になるように除去された溝14(
図2bに示す構造を有する)によって形成されている。第1の面22および第2の面24のいずれの上にある金属18のコートは、キャパシタC1、C2、C3、C4とエッジコネクタ32との間の電気的接続を形成する。
【0200】
パターン化された領域38の合計キャパシタンスは、キャパシタC1、C2、C3、C4のキャパシタンスの加算された値に等しい。
【0201】
図2a、2b、2cおよび
図3a、3bは、同じエネルギー蓄積装置10を示す。
【0202】
図4は、エネルギー蓄電装置を形成するための被覆されたウエブ部100を示す。被覆されたウエブ100は、エンボス樹脂(図示せず)で被覆されたポリマーベース層から形成された可撓性基板12を含む。
【0203】
被覆されたウエブ部100は、最初は弱くする線46に沿って一緒に接合されている、可撓性基材12a、12b、12c、12d、12eの、複数のストリップを含む。弱くする線は、長手方向のウエブ方向21において、可撓性基板12を貫通して延びるミシン目104によって形成される。
【0204】
複数のパターン化されたセクション38A~38Fは、可撓性基板12のウエブ方向21においてマスクされた領域42によって互いに間隔をあけられている。
【0205】
それぞれのパターン化されたセクション38A~38Fは、それぞれの端部にマスクされた領域42を有する。マスクされた領域では、可撓性基板の表面は、金属コーティングを有しておらず、導体材料が無い。このようにして、隣り合ったパターン化されたセクション38A~38Fは、マスクされた領域42によって、巻き取られていない可撓性基板12上で互いに電気的に絶縁されている。それらの領域における溝の端部が導体を有さないことを確実にするために、2つの隣り合ったパターン化されたセクション38C、38Dの間の基板に孔43が打ち抜かれる。記載された具体例およびその変形例のいずれにおいても、それらの領域における溝の端部が導体を有さないことを確実にするために、2つの隣り合うパターン化された領域の間で、孔43は可撓性基板に打ち抜き可能であることが理解されるであろう。このようにして、マスクされた領域は、最初に導体でコーティングされ、隣り合ったパターン化された領域間の導通経路を除去するために導体を塗布した後に孔を打ち抜くことができる。
【0206】
それぞれのパターン化された部分38A~38Fは、2つのパターン化された領域38と隣り合うミシン目46に沿って互いに分離可能な少なくとも2つのパターン化された領域38(
図2aでは38)を含む。パターン化された領域38は、可撓性基板12の幅を横切って配置されている。
【0207】
それぞれのパターン化された領域38は、少なくとも1つの溝114を有する単位セル(例えばパッチ)101を含む。
【0208】
パターン化された領域38のそれぞれのパッチ101は溝114を含み、溝114の端部は、パターン化された領域38の端部を越えて延びる。このようにして、溝114の端部は、導体コーティング102によって被覆されないままである。それらの領域内の溝の端部に導体が無いことを確実にするように、2つの隣り合うパッチ101の間の基板に、孔43が打ち抜かれる。
【0209】
可撓性基板ストリップ12a~12eのそれぞれのパターン化された領域38内のパッチ101は、少なくとも1つの溝114を含む。可撓性基板ストリップ12a上の溝114は、ジグザグ形状を有する。可撓性基板ストリップ12b上の溝114は、溝の横方向要素がストリップ12bの端部に対して法線方向に延びるジグザグ構成を有する。可撓性基板ストリップ12c上の第1パッチ101中の溝114は、溝の横方向要素がストリップ12bの端部に対して法線方向に延び、溝の長手方向要素がストリップの幅を横切って延びないジグザグ構成を有する。
【0210】
可撓性基板ストリップ12d上の第1パッチ101は、ジグザグ構成を有する一連の平行な溝を含む。
【0211】
被覆されたウエブ100上のそれぞれのパッチ101は、任意の好適な溝構成を有してもよいことが理解されるであろう。
【0212】
それぞれの溝114は、
図1a、
図1bおよび
図2a~
図2cに示され記載された溝の構造を有する。
【0213】
弱くする線46に沿ったミシン目104の一部または全部は、ミシン目の壁の上に導電性コーティング102を有する。このようにして、被覆されたウエブが、エネルギー蓄積装置10(
図1および
図2)の可撓性基板12a~12eを形成するために、弱くする線46に沿って切断された場合、切断されたストリップ12a~12eの端部にエッジコネクタ(
図2および
図3の32)が形成される。
【0214】
図示しない代わりの具体例では、ミシン目104は、可撓性基板表面12の、開口部、リセス(46b)、窪み、または他の変形の形態をとってもよい。このようにして、変形が基板12の表面に対して垂直な角度で切り開かれると、変形の領域の端部における基板の露出した表面積は、変形を含まない端部における基板の露出した表面積よりも大きい。
【0215】
被覆ウエブ100は、基板12を貫通する開口部(例えば、孔)106を有する。可撓性基板12a~12eがエネルギー蓄積装置10に組み立てられた場合に、異なるパッチ101間で導電性接続が形成されるように、それぞれの開口部106は金属(図示せず)で被覆されている。
【0216】
使用時には、被覆されたウエブ100は、基板12の弱くする線106に沿ってミシン目104で切断し、その長さに沿って長手方向に細く切られる。このようにして、複数のより小さな被覆されたウエブストリップ12a~12eが形成され、それぞれの対向する端部に少なくともミシン目104の少なくとも一部が形成される。このようにして、ミシン目の壁の上の導電材料は、被覆されたウエブストリップ上にエッジコネクタを形成する。
【0217】
図5は、
図4の被覆されたウエブ100が弱くする線46に沿って細長く切られた場合に形成される可撓性基板12のストリップを示す。
【0218】
可撓性基板12は、2つの長手方向に間隔をあけたパターン化された領域38を含む。パターン化された領域38は、基板12の表面に導体材料が堆積されていない、マスクされた領域42によって間隔をあけて配置される。
【0219】
それぞれのパターン化された領域38は、それぞれが1つまたは一連の溝14を含む2つの単位セル(すなわちパッチ)101を含む。溝14は、それぞれ、
図1および
図2に最もよく見られるように、金属導体(図示せず)中に被覆され、キャパシタ材料(図示せず)で充填された第1面および第2面を含む。導電性金属18は、パッチ101を形成するために、パターン化された領域18内の可撓性基板18の表面上に被覆される。それぞれのパッチ101は、導電性材料の無いマスク領域によって、隣り合うパッチ101から分離されている。
【0220】
導電性インクストリップ18a~18gは、基板12の表面に印刷される。このようにして、パッチ101a、101bは互いに並列に電気接続され、パッチ101c、101dは互いに並列に電気接続される。一対のパッチ101a/101bとパッチ101c/101dとの間には、直列の電気接続が設けられている。
【0221】
パッチ101a~101dは、直列接続、並列接続、またはそれらの組み合わせの、任意の所望の構成で電気的に接続されていてもよい。このようにして、基板12のストリップから形成されたエネルギー蓄積装置10のキャパシタスおよび電圧は、そこから装置を組み立てる前に変化させることができる。
【0222】
図6は、可撓性基板212を形成する樹脂被覆されたベース層の上にパターン化領域38を形成する代表的な単一パッチ201を示す。
【0223】
パターン化された領域38は、基板212の表面に堆積された金属導体材料の被覆部218を含む。パッチ201は、第1面16aおよび第2面16bを有する溝14を有する。記載された配置では、溝14の面16a、16bは、面16a、16bの表面積を増加させるために、粗面化された表面でテクスチャ化されている。このようにして、溝14内に誘電体材料(図示せず)が収容されると、スーパーキャパシタが形成される。
【0224】
溝部44a、44bの端部は、被覆領域218の外側となる非被覆部である。溝14の端部の非被覆部44a、44bは、導体材料を有さない。
【0225】
相互接続孔206は、導電性接着剤のような導電性媒体(図示せず)で充填され、溝14のそれぞれの面16a、16bと電気的に接続している被覆部218を、隣り合うパッチ(図示せず)上の被覆部に電気的に接続することにより、電気的接続が達成される。可撓性基板がそれを巻くことによってエネルギー蓄積装置10に組み立てた場合、導電性材料を含む開口部206は、巻かれた可撓性基板内のさらなるパターン化された領域に重なるパターン化された領域を電気的に接続するために使用することができる。このようにして、可撓性基板上のパターン化された領域間の直列接続および/または並列接続を提供することができる。
【0226】
図7は、樹脂エンボス加工された可撓性基板312上に単一のパッチ301を有するパターン化された領域338を示す。溝314は、溝壁316a、316bの金属コーティングされた部分に沿って、非コーティング(導体なし)端部344a、344bを有する。溝314は、正方形の断面形状を有し、ジグザグ状の長手方向構成を有する。
【0227】
可撓性基板312は、パターン化された領域338の対向するエッジに窪み305a、305bの形態の、エッジコネクタを有する。窪み305a、305bの壁上の金属コーティング306b、306aは、溝314のそれぞれの面316a、316b上の金属導体(図示せず)と電気的に接続している被覆領域318a、318bと、電気的に接続している導電体を提供する。
【0228】
窪み305a、305bの壁上の金属コーティング306b、306aは、可撓性基板312がエネルギー蓄積装置10に巻かれた(すなわち、組み立てられた)場合に、パターン化された領域間および/または電気的負荷(図示せず)との間のエッジ接続を容易にすることを提供する。
【0229】
図8aおよび
図8bは、それぞれ、被覆されたウエブ(例えば、
図4に示すようなもの)を弱くする線に沿って切断することによって形成された可撓性基板412の平面図および側面立面図を示す。
【0230】
弱くする線を形成する被覆されたウエブ内のミシン目は、切断されると、エッジコネクタ432a、432bを形成する。組み立てられたときに、ウエブ全体の厚さがエッジ接続のために利用されるように、導電性コーティング406a、406bは、エッジコネクタ432a、432bに適用される。隣り合うパターン化された領域438の溝414への導電性経路は、基板412上の金属コーティング418によって提供される。
【0231】
溝414は、導体材料で被覆されていない導体自由端444a、444bを有する。
【0232】
図9は、本発明の具体例にかかるエネルギー蓄積装置10を形成するための可撓性基板512を示す。可撓性基板512は、マスクされた領域542によって互いに間隔をあけて配置された5つのパターン化された領域538a~538eを含む。それぞれのパターン化された領域538は、可撓性基板512を横切るように互いに間隔をあけて配置された2つのユニットセル(すなわちパッチ)501を有する。それぞれのパッチは、ウエブ方向21の長手方向に延びる溝(図示せず)を有する。溝は、
図1~
図8に関連して説明し、示されている通りである。
【0233】
それぞれのパターン化された領域538は、基板512のエッジ526と528の間の基板512の表面上に堆積された金属コーティングのような導電性コーティング518を含む。導電性コーティング518は、それぞれのパターン化された領域538a~538e内のパッチ501を電気的に接続する。
【0234】
エッジコネクタ532a、532bは、導電層(図示せず)で被覆されている。
【0235】
それぞれのパターン化された領域538a~538e内のパッチペア501は、パターン化された領域538内の導電性コーティング518によって直列に接続され、印刷された導電性要素(例えば、導電性インクストリップ)510a、510bによって並列および直列に接続されている。
【0236】
図10は、エッジコネクタ632a、632bと、マスクされた領域642によって互いに間隔をあけて配置された2つのパターン化された領域638とを有する可撓性基板612を示す。マスクされた領域642には、導体材料が無い。それぞれのパターン化された領域638は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層618によってウエブの横方向に電気的に接続された一対のパッチ601を含む。溝614の被覆されていない端部644a、644bは、導電性コーティングが施されていない。溝614の面(図示せず)上の導体材料(図示せず)は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層618と電気的に接続しており、溝は誘電体(キャパシタ)材料(図示せず)で充填れている。このようにして、それぞれのパターン化された領域638上の一対のパッチ601内の溝と溝の第1面および第2面の上の導体材料と、そこにある誘電体材料とによって形成されたキャパシタンスは、直列に電気的に接続されている。2つのパターン化領域638は、可撓性基板612を巻いて形成された組立てられたエネルギー蓄積装置に必要なキャパシタンスおよび電圧に応じて、直列に電気的に接続されていてもよいし、並列に電気的に接続されていてもよい。
【0237】
図11は、マスクされた領域742によって互いに間隔をあけて配置された3つのパターン化された領域738を有する可撓性基板712を示す。マスクされた領域742には、導体材料が無い。それぞれのパターン化された領域738は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層718によってウエブの横方向に電気的に接続された一対のパッチ701を含む。それぞれのパッチ701は、先に説明したように、溝または一連の溝(図示せず)を含む。溝(図示せず)の面(図示せず)の上の導体材料(図示せず)は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層718と電気的に接続しており、溝には誘電体(キャパシタ)材料(図示せず)で充填されている。このようにして、それぞれのパターン化領域738に設けられた一対のパッチ701のうち、溝と溝の第1面および第2面に設けられた導体材料とそこに設けられた誘電体材料とによって形成されたキャパシタは、直列に電気的に接続されている。3つのパターン化領域738は、印刷された導電性素子710a、710bによって直列に接続されている。
【0238】
図12は、3つのパターン化された領域838がマスクされた領域842によって互いに間隔をあけて配置された可撓性基板812を示す。マスクされた領域842には、導体材料が無い。それぞれのパターン化された領域838は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層818によって、ウエブのエッジに電気的に接続されたパッチ801を含む。それぞれのパッチ801は、先に説明したように、溝または一連の溝(図示せず)を含む。溝(図示せず)の面(図示せず)上の導体材料(図示せず)は、導電性コーティング(例えば金属コーティング)層818と電気的に接続し、溝は誘電体(キャパシタ)材料(図示せず)で充填される。このようにして、それぞれのパターン化された領域838上のパッチ801において、溝と、溝の第1面および第2面の上の導体材料と、そこにある誘電体材料とによってキャパシタが形成される。3つのパターン化された領域838は、それぞれのパターン化された領域838の導電性コーティング(例えば金属コーティング)層818に接触した印刷された導電性要素810a、810bにより、並列に接続される。
【0239】
図13aは、6つの異なる溝構造の断面図である。
図13aの1において、溝14は、単一のU字型の溝である。
図13aの2において、溝14は、部分的な断面で示された一連の2つの溝である。第1の溝は、滑らかな面を有する正方形断面を有し、第2の溝(そのうちの面16aのみが示されている)は、テクスチャー化された第1の面16aを有する。
図13aの3は、一連の2つの平行な溝14の正方形断面を示す。
図13aの4は、V字形断面を有する一連の平行溝14を示す。
図13aの5では、一連の平行溝14は、正弦波状の断面形状を有する。
図13aの6は、U字形の断面を有する、一連の3つの平行溝を示す。
図13aに示された溝のプロファイルのいずれも、
図1~
図12および
図13b~
図18に示された具体例に適用可能である。
【0240】
図13bは、本発明の具体例にかかるエネルギー蓄積装置10を示す。装置10は、部分的に巻かれてない(組み立てられていない)形態で示されている。可撓性基板912は、基板912に沿って長手方向に互いに間隔をあけて配置された3つのパターン化された領域938を含む。それぞれのパターン化された領域938は、ジグザグ形状の溝914と被覆された導電性領域918とを有する単一のパッチ(ユニットセル)901を含む。溝914は、特に、
図1aおよび
図2と関連して先に説明した構造を有する。基板912の対向するエッジ932a、932bのエッジコネクタ932a、932bは、導電性金属層で被覆されており、二端子の装置10を提供するために、互いにおよび/または電気的負荷に接続することができる。溝914の端部944bは、導体材料によってコーティングされず、このようにして、ウエブに形成される不利な短絡を防止する。
【0241】
図14は、装置10を組み立てるために、可撓性基板1012が巻線1011の中心軸の周りに巻かれた、組み立てられたエネルギー蓄積装置10を示す。装置10の端部の露出したエッジコネクタ1032は、パターン化された領域(図示せず)との電気的接続の領域を提供する。
図15は、エッジコネクタ1032a、1032bがそれぞれ導電性ワイヤ1113a、1133bに接続された
図14の装置10を示す。エッジコネクタ1032a、1032bは、ウエブ表面(図示せず)の上の導電性金属コーティング(図示せず)と、その中のパターン化された領域の中の溝(図示せず)に直接接続されている。
【0242】
図16aは、巻かれた可撓性基板1212から形成されたエネルギー蓄積装置1210を示す。少なくとも最初のパターン化された領域に電気的に接続された巻かれた基板1232aの中央のエッジコネクタと、少なくとも最後のパターン化された領域に電気的に接続された巻かれた基板の最外周のエッジコネクタは、それぞれ、導電性材料1232aおよび1232bで覆われている。
図16bでは、導電性材料1232a、1232bは、それぞれ外部ワイヤ1213a、1213bに接続されている。記載された配置は、装置1210内の直列接続を提供し、そこからワイヤ1213a、1213bを介して電荷を取り出すことができる。
【0243】
図17は、それぞれの溝の、それぞれの面1316の上に金属コーティング18を有する一連の溝1314を示す。金属コーティング18と接続された溝1314のそれぞれの中の高誘電体材料1399は、直列の3つのキャパシタを形成している。
【0244】
第1の溝1314の第1面1316a上の導電性金属コーティング18は、第1面1316aから、溝1314が配置されている可撓性基板(図示せず)の端部エッジ(図示せず)まで延びる導体と導電接続している。第1の溝1314の第2面1316b上の導電性金属コーティング18は、第2の溝1314の第1面1316a’上の導電性金属コーティング18と接続している。第2の溝1314の第2面1316b’上の導電性金属コーティング18は、第3の溝1314の第1面1316a”上の導電性金属コーティング18と接続している。直列に並んだ第3の溝1314の第2面1316b’上の導電性金属コーティング18は、第2面1316b”から溝1314が配置されている可撓性基板(図示せず)のエッジ(図示せず)まで延びる導体と導電的に接触している。それぞれの溝は、それぞれの溝の第1面1316上の金属コーティングと、それぞれの溝の第2面1316上の金属コーティングとを電気的に絶縁する間隙1392を有する。このようにして、それぞれの溝およびその材料は、キャパシタを形成する。直列のそれぞれの溝は、異なる充填レベルなで、誘電体材料が充填される。第1の溝は部分的に充填され、第2の溝は充填され、第3の溝は誘電体材料1399で過充填される。
【0245】
図18は、本発明の1つの具体例にかかる代わりのエネルギー蓄積装置1410を示す。3つの実質的に平面的な可撓性基板1412が、互いに重ねて敷設されている。図を明確にするために、基板1412は、その間に間隔を置いて示されている。組み立てられた装置1410では、3つの基板1412は、層が互いに接続している層構造を形成するであろう。
【0246】
それぞれの可撓性基板1412は、単一のパッチ(ユニットセル)1401を含むパターン化された領域1438を有する。それぞれのパッチ1401内の溝は、明確にするために、図示されていない。それぞれのパターン化領域1438は、孔1406中の導電性材料によって、隣り合う可撓性基板のパターン化領域と電気的に接続されている。孔1406の中の導電性材料は、隣り合うパッチ1401を電気的に接続して、必要に応じて隣り合うパターン化された領域の間の並列(または直列)の相互接続を得る。
【0247】
図19は、一連の3つの平行な溝14と、キャパシタ/スーパーキャパシタ材料99とを含むエネルギー蓄積装置10を示す。溝14の壁は、金属導体18の被覆を有する。
【0248】
それぞれの溝14の第1面16aに形成された金属のコート18は、それぞれの溝14の第2面16bに形成された金属のコート18と電気的に接続していない。それぞれの溝14の第1面16a上の金属導体のコート18と、それぞれの溝14の第2面16b上の金属のコート18との間には、それぞれの溝14の底部に隙間92が形成されている。また、それぞれの金属のコート18は、導体材料と呼ばれても良い。
【0249】
キャパシタ/スーパーキャパシタ材料99は、基板12の表面22、24の上に”y”の深さまで溝14を過充填する。
【0250】
隣り合う溝14の間の溝間間隔距離”x”と、キャパシタ材料99の深さ”y”との比は、2:1である。
【0251】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」および「含む(contain)」という用語およびそれらの変形例は、「含むが、これに限定されない」という意味であり、他の部分、添加物、成分、整数または工程を排除することを意図するものではない(また、排除しない)。本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が別段の要求をしない限り、単数形だけでなく複数形も考慮しているものと理解される。
【0252】
本発明の特定の形態、具体例または例に関連して記載された、整数、特徴、化合物、化学的部分またはグループは、それと矛盾しない限り、本明細書に記載された他の形態、実施例または例にも適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されている特徴のすべて(添付の請求の範囲、要約および図面を含む)、および/またはそのように開示されている任意の方法またはプロセスのすべての工程は、そのような長所および/または工程の少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、前述の任意の実施例の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書に開示された長所の任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせ(添付の請求の範囲、要約および図面を含む)、または開示された任意の方法またはプロセスの工程の任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせにも適用される。