(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ねじ
(51)【国際特許分類】
F16B 25/10 20060101AFI20230725BHJP
F16B 25/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
F16B25/10 A
F16B25/00 Z
(21)【出願番号】P 2021160172
(22)【出願日】2021-09-29
【審査請求日】2021-09-29
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506317200
【氏名又は名称】寛仕工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】林 昭圍
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-109321(JP,A)
【文献】実開昭63-128308(JP,U)
【文献】特開2009-264395(JP,A)
【文献】特開平06-193621(JP,A)
【文献】特許第2866462(JP,B2)
【文献】特開平11-230141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 25/00
F16B 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と、
前記頭部から延伸しているものであって、前記頭部に接続されている円筒部と、前記円筒部の延伸先から、前記頭部から離れるように段々に細くなるように錐状に延伸している先細り部と、を有する軸部と、
前記軸部に、前記円筒部から第1のリード角で締め付け方向に沿って前記先細り部の先端まで螺旋状に延伸している、外径が3mm~16mmである主螺旋突起と、
前記軸部に、前記円筒部から前記軸部の径方向における高さが常に前記主螺旋突起の前記径方向における高さより小さく且つ前記第1のリード角より大きい第2のリード角で前記締め付け方向に沿って、前記先細り部の先端と所定の距離が開いているように前記先細り部まで螺旋状に延伸している3本~5本の順方向螺旋突起と、を備え、
前記順方向螺旋突起の横断面においては、前記軸部に連接し、且つ前記締め付け方向と同じ方向に面する第1の外縁と、前記軸部と前記第1の外縁とに連接し、且つ長さが前記第1の外縁の長さより短く、前記締め付け方向の反対方向と同じ方向に面する第2の外縁と、を有
し、
前記順方向螺旋突起の横断面において、
前記第1の外縁の長さの前記第2の外縁の長さに対する比は、1.25~2.6にあることを特徴とするねじ。
【請求項2】
前記主螺旋突起は、外径が3mm~10mmにあり、
前記順方向螺旋突起の本数は、3本であることを特徴とする請求項1に記載のねじ。
【請求項3】
前記主螺旋突起は、外径が10mmより大きく且つ14mm以下にあり、
前記順方向螺旋突起の本数は、4本であることを特徴とする請求項1に記載のねじ。
【請求項4】
前記主螺旋突起は、外径が14mmより大きく且つ16mm以下にあり、
前記順方向螺旋突起の本数は、5本であることを特徴とする請求項1に記載のねじ。
【請求項5】
前記順方向螺旋突起の前記第2のリード角は、50°~60°にあることを特徴とする請求項1~請求項
4のいずれか一項に記載のねじ。
【請求項6】
前記順方向螺旋突起は、前記締め付け方向に沿って、前記軸部を150°~270°にわたって延伸するように形成されていることを特徴とする請求項1~請求項
5のいずれか一項に記載のねじ。
【請求項7】
前記順方向螺旋突起の前記第1の外縁は、直線、前記軸部に向かって凹んだ曲線または前記軸部から離れるように突起した曲線に形成されていることを特徴とする請求項1~請求項
6のいずれか一項に記載のねじ。
【請求項8】
前記順方向螺旋突起の前記第2の外縁は、直線、前記軸部に向かって凹んだ曲線または前記軸部から離れるように突起した曲線に形成されていることを特徴とする請求項1~請求項
7のいずれか一項に記載のねじ。
【請求項9】
前記軸部に、少なくとも1本の前記順方向螺旋突起と共に屑収容槽を画成するように前記順方向螺旋突起と反対になるように螺旋状に延伸している少なくとも1本の逆方向螺旋突起を更に備えていることを特徴とする請求項1~請求項
8のいずれか一項に記載のねじ。
【請求項10】
前記逆方向螺旋突起の前記軸部の径方向における高さは、前記順方向螺旋突起の前記軸部の径方向における高さより小さいことを特徴とする請求項
9に記載のねじ。
【請求項11】
前記逆方向螺旋突起の横断面においては、
前記軸部に連接し、且つ前記締め付け方向と同じ方向に面する第3の外縁と、前記軸部と前記第3の外縁とに連接し、且つ長さが前記第3の外縁と異なり、前記締め付け方向の反対方向と同じ方向に面する第4の外縁と、を有することを特徴とする請求項
9または請求項
10に記載のねじ。
【請求項12】
前記逆方向螺旋突起の本数は、前記順方向螺旋突起の本数と同じであることを特徴とする請求項
9~請求項
11のいずれか一項に記載のねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじに関し、特に木材に使用する木ねじに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されるように、特許文献1には、木材に使用する木ねじ1が開示されている。該木ねじ1は、木材にねじ込む際の抵抗力を下げるために、木ねじ1の軸部11に主螺旋突起12と同じ方向に互いに平行するように延伸する複数の順方向螺旋突起13が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の順方向螺旋突起13はある程度抵抗力を下げることができるが、順方向螺旋突起13の本数や形の設定の不適切によって、例えば、木ねじ1がねじ込みにくかったり、その反対に木材の繊維を過度に破壊したりといった問題点がある。また、木材の繊維が押し込まれて木材が破裂する恐れがある。
【0005】
また、木ねじ1が木材にねじ込まれた後ある期間経つと、振動や環境などの要因で締め付け方向の反対方向へ回転してしまって締め付けが緩くなり、建築や設備の構造に悪影響をもたらし得る。
【0006】
上記の問題点に鑑みて、本発明は、ねじ込み時の木材の破裂防止及びねじ込み後の緩み防止が達成できるねじを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明は、
頭部と、
前記頭部から延伸しているものであって、前記頭部に接続されている円筒部と、前記円筒部の延伸先から、前記頭部から離れるように段々に細くなるように錐状に延伸している先細り部と、を有する軸部と、
前記軸部に、前記円筒部から第1のリード角で締め付け方向に沿って前記先細り部の先端まで螺旋状に延伸している、外径が3mm~16mmである主螺旋突起と、
前記軸部に、前記円筒部から前記軸部の径方向における高さが常に前記主螺旋突起の前記径方向における高さより小さく且つ前記第1のリード角より大きい第2のリード角で前記締め付け方向に沿って、前記先細り部の先端と所定の距離が開いているように前記先細り部まで螺旋状に延伸している3本~5本の順方向螺旋突起と、を備え、
前記順方向螺旋突起の横断面においては、前記軸部に連接し、且つ前記締め付け方向と同じ方向に面する第1の外縁と、前記軸部と前記第1の外縁とに連接し、且つ長さが前記第1の外縁の長さより短く、前記締め付け方向の反対方向と同じ方向に面する第2の外縁と、を有することを特徴とするねじを提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、本発明のねじによれば、主螺旋突起の外径及び順方向螺旋突起の本数と形を限定することで、本発明のねじをねじ込む際に、木材の繊維の密集により、ねじ込みに必要となる締め付けトルク(tightening torque)が過大になることを防止できるばかりでなく、木材の繊維の押し込みにより木材が破裂することも防止できる。更に、木材の繊維を過度に破壊することも防止でき、木材の安定的な構造を維持し安全性を確保する。
【0009】
また、本発明のねじを締め付け方向に沿って回転してねじ込む際に、順方向螺旋突起の第1の外縁が推進面として、より低い締め付けトルクで木材にねじ込みながら元の位置にある木材の繊維を完全に破壊せずに木材において穴を広げることで、必要な締め付けトルクが下がるばかりでなく、一部の木材が自身の慣性のため元の位置に戻ることにより、ねじを包み込んでねじの引抜力が大きくなり安全性を確保できる。そして、第2の外縁が抵抗面として、ねじに対して締め付け方向の反対方向に沿って回転する力が働いた際に、その力に対する抵抗力を提供できるので、ねじが緩むことを防止でき、木材の破裂防止及び緩み防止効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明のねじの第1の実施形態の側面図である。
【
図4】上記第1の実施形態の順方向螺旋突起の断面図である。
【
図9】本発明のねじの第2の実施形態の側面図である。
【
図11】上記第2の実施形態の逆方向螺旋突起の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明のねじの実施形態の一例について詳しく説明する。
【0012】
なお、本実施形態の説明に附された図面は、要旨を表示する方法で本発明の基本構想を説明するものであり、即ち図面は、実際に実施する時の構成要件の数、形状、寸法に基づいて描いたものではなく、本発明に関わる構成要件のみを表すものである。実際に実施する時の各構成要件の形態、数量、比率は適宜に変更でき、構成要件の構成形態もより複雑であり得る。
【0013】
図2は本発明のねじの第1の実施形態の側面図である。
図3は
図2のB-B線の断面図である。
図4は上記第1の実施形態の順方向螺旋突起の断面図である。
図5~
図8は順方向螺旋突起の各種変化態様の断面図である。
【0014】
<第1の実施形態>
ねじ2は、
図2及び
図3に示されるように、締め付け方向Aに沿って回転することにより木材にねじ込むものである。締め付け方向Aは時計回り方向又は反時計回り方向であり得る。
【0015】
また、ねじ2は、
図2及び
図3に示されるように、頭部21と、頭部21から延伸している軸部22と、主螺旋突起23と、複数の順方向螺旋突起24と、を備える。
【0016】
軸部22は、
図2に示されるように、頭部21から延伸している円筒部221と、円筒部221の延伸先から段々に細くなるように錐状に延伸している先細り部222と、を有する。
【0017】
主螺旋突起23は、
図2に示されるように、外径(
図3における最外周の円)が3mm~16mmにあり、軸部22に、円筒部221から第1のリード角βで締め付け方向Aに沿って先細り部222の先端223まで螺旋状に延伸している。
【0018】
また、
図2に示されるように、主螺旋突起23は、頭部21と所定の距離が開いているが、該所定の距離は必要に応じて適宜に設定することができ、所定の距離を開けなく、主螺旋突起23が頭部21に連接する形態に構成することもできる。
【0019】
順方向螺旋突起24は、軸部22に、円筒部221から周方向に互いに同じ角度間隔で、先細り部222の先端223と所定の距離が開いているように先細り部222まで螺旋状に延伸している。
【0020】
各順方向螺旋突起24は、締め付け方向Aに沿って、軸部22を150°~270°にわたって延伸するように形成されている。
【0021】
順方向螺旋突起24の本数は、例えば3本~5本である。この実施形態においては、
図2及び
図3に示されるように、3本設けた例が示されている。
【0022】
順方向螺旋突起24の本数は、主螺旋突起23の外径に応じて決められるものであり、例えば、主螺旋突起23の外径が3mm~10mmにある場合には、順方向螺旋突起24の本数は3本とすることができ、主螺旋突起23の外径が10mmより大きく且つ14mm以下にある場合には、順方向螺旋突起24の本数は4本とすることができ、主螺旋突起23の外径が14mmより大きく且つ16mm以下にある場合には、順方向螺旋突起24の本数は5本とすることができる。
【0023】
上記した主螺旋突起23の外径及び順方向螺旋突起24の本数の組み合わせにより、本発明のねじ2を木材にねじ込む際に、木材の繊維の密集により過大の締め付けトルクが必要することを防止でき、木材の繊維の押し込みにより木材が破裂することも防止できる。
【0024】
また、
図3に示されるように、各順方向螺旋突起24の軸部22の径方向における高さh1は、常に主螺旋突起23の前記径方向における高さh2より小さく、且つ、
図2に示されるように、各順方向螺旋突起24の第2のリード角αは、主螺旋突起23の第1のリード角βより大きく、第2のリード角αは、50°~60°にあることが好ましい。
【0025】
図2~
図4に示されるように、順方向螺旋突起24の横断面(即ち軸部22の径方向に沿った断面)においては、軸部22に連接し、且つ締め付け方向Aと同じ方向に面する第1の外縁241と、軸部22と第1の外縁241とに連接し、且つ長さL2が第1の外縁241の長さL1より短く、締め付け方向Aの反対方向と同じ方向に面する第2の外縁242と、を有する。即ち、第1の外縁241は、軸部22の表面から立ち上がって締め付け方向Aの反対方向に偏りながら順方向螺旋突起24の先端である突起先端243まで延伸したものであり、第2の外縁242は、長さL2が第1の外縁241の長さL1より短い上、軸部22の表面から立ち上がって締め付け方向Aに偏りながら突起先端243まで延伸したものである。且つ、第1の外縁241の傾きは、第2の外縁242の傾きより小さい。
【0026】
上記第1の外縁241と第2の外縁242との構成により、本実施形態のねじ2を締め付け方向Aに沿ってねじ込む際に、順方向螺旋突起の第1の外縁241が推進面として、より低い締め付けトルクで木材にねじ込みながら元の位置にある木材の繊維を完全に破壊せずに木材において穴を広げることで、ねじ2の締め付けトルクが下がるばかりでなく、一部の木材が自身の慣性のため元の位置に戻ることにより、ねじを包み込んでねじの引抜力が大きくなり安全性を確保できる。そして、第2の外縁242が抵抗面として、ねじ2に対して締め付け方向Aの反対方向に沿って回転する力が働いた際にも、その力に対する抵抗力を提供できる。
【0027】
また、好ましくは、順方向螺旋突起24の横断面において、第1の外縁241の長さL1の第2の外縁242の長さL2に対する比の値(即ちL1:L2の値)は、1.25~2.6にあり、それにより、木材の破裂防止効果及び緩み防止効果を同時に達成できる。
【0028】
更に、
図5~
図8に示されるように、必要に応じて、第1の外縁241と第2の外縁242とのそれぞれを、直線、軸部22に向かって凹んだ曲線または軸部22から離れるように突起した曲線に形成することができる。
【0029】
上記の構成によれば、本実施形態のねじ2は、順方向螺旋突起の第1の外縁241が推進面として、より低い締め付けトルクで木材にねじ込みながら元の位置にある木材の繊維を完全に破壊せずに木材において穴を広げることで、ねじ2を締め付けるのに必要な締め付けトルクが下がり、作業の効率が向上する。また、主螺旋突起23の外径及び順方向螺旋突起24の本数の設計、及び、一部の木材が自身の慣性のため元の位置に戻ってねじを包み込むことにより、ねじ2をねじ込む際に、ねじの引抜力が大きくなり安全性を確保でき、且つ、木材の繊維を完全に破壊しないことで、木材の安定的な構造を維持し安全的な強度を維持することができる。また、ねじ2がねじ込まれた後、第2の外縁242が抵抗面として、ねじ2に対して締め付け方向Aの反対方向に回転する力が働いた際に、その反対方向の力に対する抵抗力を提供できるので、ねじ2が締め付け方向Aの反対方向へ回転して緩むことを防止でき、締め付け効果を維持できる。
【0030】
更に、主螺旋突起23の外径、順方向螺旋突起24の本数、第1の外縁241及び第2の外縁242の設計により、木材の破裂防止及びねじの緩み防止効果があり、更に、その両者の長さL1、L2の比の値の最適化により、使用効率の向上及び木材の安定且つ安全的な構造維持の両方が達成できる。
【0031】
図9は本発明のねじの第2の実施形態の側面図である。
図10は
図9のC-C線の断面図である。
図11は上記第2の実施形態の逆方向螺旋突起の断面図である。
【0032】
<第2の実施形態>
本発明のねじ2の第2の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここで第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点のみ説明する。
【0033】
図9~
図11に示されるように、本発明のねじ2の第2の実施形態は、軸部22に、少なくとも1本の順方向螺旋突起24と共に屑収容槽26を画成するように順方向螺旋突起24と反対になるように螺旋状に延伸している少なくとも1本の逆方向螺旋突起25を更に備えている。
【0034】
この実施形態において、
図9に示されるように、逆方向螺旋突起25の本数は、順方向螺旋突起24の本数と同じであるが、必要に応じて1本のみ形成することもできる。
【0035】
図10に示されるように、逆方向螺旋突起25の軸部22の径方向における高さh3は、順方向螺旋突起24の軸部22の径方向における高さh1より小さい。
【0036】
図10及び
図11に示されるように、逆方向螺旋突起25の横断面においては、軸部22に連接し、且つ締め付け方向Aと同じ方向に面する第3の外縁251と、軸部22と第3の外縁251とに連接し、締め付け方向Aの反対方向と同じ方向に面する第4の外縁252と、を有する。即ち、第3の外縁251は、軸部22の表面から立ち上がって締め付け方向Aの反対方向に偏りながら逆方向螺旋突起25の先端である突起先端253まで延伸したものであり、第4の外縁252は、長さL4が第3の外縁251の長さL3と異なる上、軸部22の表面から立ち上がって締め付け方向Aに偏りながら突起先端253まで延伸したものである。
【0037】
第3の外縁251の長さL3は、第4の外縁252の長さL4より長くまたは短くてもよい。
【0038】
同じく、必要に応じて、第3の外縁251と第4の外縁252とのそれぞれを、直線、軸部22に向かって凹んだ曲線または軸部22から離れるように突起した曲線に形成することができる。
【0039】
本発明のねじ2の第2の実施形態は、第1の実施形態の効果を有する上、逆方向螺旋突起25により、ねじ2が締め付け方向Aの反対方向へ回転して緩くなることを防止できる面積が増えて、ねじの緩み防止効果が更に向上するので、必要及び環境(振動が多い環境や気象の変化が大きい環境など)に応じて、本発明のねじ2の第2の実施形態を使用することが好適である。そして、順方向螺旋突起24が既により低い締め付けトルクで木材にねじ込み、且つ逆方向螺旋突起25の軸部22の径方向における高さh3が順方向螺旋突起24の軸部22の径方向における高さh1より小さいので、逆方向螺旋突起25は、ねじ2の締め付けに対する妨害にならず、不要な抵抗力が生じることなく、順方向螺旋突起24が上記の効果を維持できる。
【0040】
そして、屑収容槽26でねじ込み過程で生成された木材の屑を均一に収容できるので、木材の屑の不均一な分散により蓄積された木材の屑の押し込みで木材が破裂することも防止できる。
【0041】
上記実施形態は例示的に本発明の原理及び効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する当業者であれば本発明の精神及び範囲から離れないという前提の下、上記の実施形態に対して若干の変更や修飾が可能である。従って、当業者が本発明の主旨から離れないという前提の下、行った全ての変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のねじは、一般の固着、締結に適用でき、特に木材に使用することが好適である。
【符号の説明】
【0043】
2 ねじ
21 頭部
22 軸部
221 円筒部
222 先細り部
223 先端
23 主螺旋突起
24 順方向螺旋突起
241 第1の外縁
242 第2の外縁
243、253 突起先端
25 逆方向螺旋突起
251 第3の外縁
252 第4の外縁
26 屑収容槽
β 第1のリード角
α 第2のリード角
A 締め付け方向
L1、L2、L3、L4 長さ
h1、h2、h3 高さ