(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】光源制御装置、及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/185 20200101AFI20230725BHJP
H05B 45/31 20200101ALI20230725BHJP
【FI】
H05B47/185
H05B45/31
(21)【出願番号】P 2019126110
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2018129094
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内藤 孝平
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212095(JP,A)
【文献】特開2014-038789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
H05B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧に基づいて光源部に電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を制御する制御信号を生成する制御信号生成部と
を備え、
前記制御信号生成部は、
前記交流電圧の波形に基づいて前記交流電圧の制御方式を判定し、
前記判定の結果に基づいて前記電力供給部の制御方式を決定し、
決定した前記制御方式に基づいて前記制御信号を生成し、
前記交流電圧の制御方式は、少なくとも1種類の導通角制御方式と、少なくとも1種類のデータ制御方式とを含み、
前記導通角制御方式は、前記交流電圧の導通角を制御する制御方式であり、
前記データ制御方式は、前記交流電圧の少なくとも1つの半波の少なくとも一部を切欠く制御方式であ
り、
前記光源部は、互いに光色が異なる複数種類の光源を有し、
前記制御信号生成部は、
プルレス操作が行われたか否かを判定し、
前記プルレス操作が行われたと判定した場合、前記光源部から発生する光の光色を切り替える前記制御信号を生成し、
前記プルレス操作は、前記交流電圧の導通が遮断された後、第1所定期間内に前記交流電圧の導通が開始される操作を示す、光源制御装置。
【請求項2】
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の波形が制御されているか否かを判定する、請求項1に記載の光源制御装置。
【請求項3】
前記制御信号生成部は、
前記光源部の消灯時の光色を記憶し、
前記光源部の点灯時に、前記光源部から前記消灯時の光色の光を発生させる前記制御信号を生成する、請求項1
又は請求項
2に記載の光源制御装置。
【請求項4】
前記制御信号生成部は、
前記光源部の消灯時の光色を記憶し、
前記プルレス操作が行われたと判定した場合、前記光源部から発生する光の光色を前記消灯時の光色から切り替える前記制御信号を生成し、
前記プルレス操作が行われなかったと判定した場合、前記光源部から前記消灯時の光色の光を発生させる前記制御信号を生成する、
請求項1又は請求項2に記載の光源制御装置。
【請求項5】
前記少なくとも1種類の導通角制御方式は、
前記交流電圧の半波の導通開始位相を制御する正位相調光方式と、
前記交流電圧の半波の導通遮断位相を制御する逆位相調光方式と
を含み、
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の制御方式が、前記正位相調光方式であるか前記逆位相調光方式であるかを判定する、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の光源制御装置。
【請求項6】
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の半波の導通開始位相が、前記交流電圧の半波が開始するゼロクロス点よりも後側に位置する場合、前記交流電圧の制御方式が前記正位相調光方式であると判定する、請求項
5に記載の光源制御装置。
【請求項7】
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の半波の導通遮断位相が、前記交流電圧の半波が終了するゼロクロス点よりも前側に位置し、かつ、前記交流電圧の半波の導通角が所定値よりも小さい場合、前記交流電圧の制御方式が前記逆位相調光方式であると判定する、請求項
5又は請求項
6に記載の光源制御装置。
【請求項8】
前記少なくとも1種類のデータ制御方式は、前記交流電圧の半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、少なくとも1つの前記半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第1データ制御方式を含む、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の光源制御装置。
【請求項9】
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の少なくとも1つの半波が前側及び後側に切り欠きを含む場合、前記交流電圧の制御方式が前記第1データ制御方式であると判定する、請求項
8に記載の光源制御装置。
【請求項10】
前記少なくとも1種類のデータ制御方式は、制御信号設定区間において、前記交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第2データ制御方式を含む、請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載の光源制御装置。
【請求項11】
前記制御信号生成部は、前記交流電圧の導通開始時に前記交流電圧が正弦波状の波形を有し、前記導通開始時から第2所定期間経過後に前記交流電圧の半波が前側に切り欠きを含む場合、前記交流電圧の制御方式が前記第2データ制御方式であると判定する、請求項
10に記載の光源制御装置。
【請求項12】
光源部と、請求項1から請求項
11のいずれか1項に記載の光源制御装置とを備える照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源制御装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明用光源として、白熱電球や蛍光灯に代わり、LED(Light Emitting Diode)が普及してきている。LED照明器具の制御方式には、導通角制御方式と、データ制御方式とがある。
【0003】
導通角制御方式には、正位相調光方式と逆位相調光(Trailing Edge Dimming)方式とがある。正位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が開始する導通開始位相を制御する制御方式である。逆位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が遮断される導通遮断位相を制御する制御方式である。特許文献1に記載の照明器具は、交流電圧の導通角制御の有無、及び、導通角制御が正位相調光方式か逆位相調光方式かを判定する。
【0004】
データ制御方式には、4線式又は3線式に対応するデータ制御方式と、2線式に対応するデータ制御方式とがある。特許文献2には、4線式又は3線式に対応するデータ制御方式が記載されている。具体的には、特許文献2には、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠くデータ制御方式が記載されている。特許文献3には、2線式に対応するデータ制御方式が記載されている。具体的には、特許文献3には、交流電圧の半波の後側の一部を切欠くとともに、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠くデータ制御方式が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-182660号公報
【文献】特開2015-211014号公報
【文献】特開2017-183169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、交流電圧の制御方式が導通角制御方式であるかデータ制御方式であるかを判定できる光源制御装置、及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する光源制御装置は、電力供給部と、制御信号生成部とを備える。前記電力供給部は、交流電圧に基づいて光源部に電力を供給する。前記制御信号生成部は、前記電力供給部を制御する制御信号を生成する。前記制御信号生成部は、前記交流電圧の波形に基づいて前記交流電圧の制御方式を判定し、前記判定の結果に基づいて前記電力供給部の制御方式を決定する。前記制御信号生成部は、決定した前記制御方式に基づいて前記制御信号を生成する。前記交流電圧の制御方式は、少なくとも1種類の導通角制御方式と、少なくとも1種類のデータ制御方式とを含む。前記導通角制御方式は、前記交流電圧の導通角を制御する制御方式である。前記データ制御方式は、前記交流電圧の少なくとも1つの半波の少なくとも一部を切欠く制御方式である。前記光源部は、互いに光色が異なる複数種類の光源を有する。前記制御信号生成部は、プルレス操作が行われたか否かを判定する。前記制御信号生成部は、前記プルレス操作が行われたと判定した場合、前記光源部から発生する光の光色を切り替える前記制御信号を生成する。前記プルレス操作は、前記交流電圧の導通が遮断された後、第1所定期間内に前記交流電圧の導通が開始される操作を示す。
【0008】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記交流電圧の波形が制御されているか否かを判定する。
【0011】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記光源部の消灯時の光色を記憶する。前記制御信号生成部は、前記光源部の点灯時に、前記光源部から前記消灯時の光色の光を発生させる前記制御信号を生成する。
【0012】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記光源部の消灯時の光色を記憶する。前記制御信号生成部は、前記プルレス操作が行われたと判定した場合、前記光源部から発生する光の光色を前記消灯時の光色から切り替える前記制御信号を生成する。前記制御信号生成部は、前記プルレス操作が行われなかったと判定した場合、前記光源部から前記消灯時の光色の光を発生させる前記制御信号を生成する。
【0013】
本願に開示する光源制御装置において、前記少なくとも1種類の導通角制御方式は、前記交流電圧の半波の導通開始位相を制御する正位相調光方式と、前記交流電圧の半波の導通遮断位相を制御する逆位相調光方式とを含む。前記制御信号生成部は、前記交流電圧の制御方式が、前記正位相調光方式であるか前記逆位相調光方式であるかを判定する。
【0014】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記交流電圧の半波の導通開始位相が、前記交流電圧の半波が開始するゼロクロス点よりも後側に位置する場合、前記交流電圧の制御方式が前記正位相調光方式であると判定する。
【0015】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記交流電圧の半波の導通遮断位相が、前記交流電圧の半波が終了するゼロクロス点よりも前側に位置し、かつ、その半波の導通角が所定値よりも小さい場合、前記交流電圧の制御方式が前記逆位相調光方式であると判定する。
【0016】
本願に開示する光源制御装置において、前記少なくとも1種類のデータ制御方式は、前記交流電圧の半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、少なくとも1つの前記半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第1データ制御方式を含む。
【0017】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記交流電圧の少なくとも1つの半波が前側及び後側に切り欠きを含む場合、前記交流電圧の制御方式が前記第1データ制御方式であると判定する。
【0018】
本願に開示する光源制御装置において、前記少なくとも1種類のデータ制御方式は、制御信号設定区間において、前記交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第2データ制御方式を含む。
【0019】
本願に開示する光源制御装置において、前記制御信号生成部は、前記交流電圧の導通開始時に前記交流電圧が正弦波状の波形を有し、前記導通開始時から第2所定期間経過後に前記交流電圧の半波が前側に切り欠きを含む場合、前記交流電圧の制御方式が前記第2データ制御方式であると判定する。
【0020】
本願に開示する照明器具は、光源部と、上記した光源制御装置のいずれかとを備える。
【発明の効果】
【0021】
本願に開示する光源制御装置、及び照明器具によれば、交流電圧の制御方式が導通角制御方式であるかデータ制御方式であるかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態1に係る照明システムを示すブロック図である。
【
図2】(a)は、交流電源から照明制御装置へ供給される交流電圧を示す図である。(b)~(e)は、照明制御装置から照明器具へ供給される交流電圧を示す図である。
【
図3】実施形態1に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る制御信号生成部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る制御信号生成部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1に係る制御信号生成部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】(a)は、実施形態1に係る照明器具が備える整流回路の出力の一例を示す図である。(b)は、実施形態1に係る照明器具が備える比較回路の出力の一例を示す図である。
【
図8】(a)は、実施形態1に係る照明器具が備える整流回路の出力の一例を示す図である。(b)は、実施形態1に係る照明器具が備える比較回路の出力の一例を示す図である。
【
図9】(a)は、
図8(a)の一部を拡大して示す図である。(b)は、
図8(b)の一部を拡大して示す図である。(c)は、実施形態1に係る判定用パルス信号を示す図である。
【
図10】(a)は、実施形態1に係る照明器具が備える整流回路の出力の一例を示す図である。(b)は、実施形態1に係る照明器具が備える比較回路の出力の一例を示す図である。
【
図11】(a)は、実施形態1に係る照明器具が備える整流回路の出力の一例を示す図である。(b)は、実施形態1に係る照明器具が備える比較回路の出力の一例を示す図である。
【
図12】(a)は、
図11(a)の一部を拡大して示す図である。(b)は、
図11(b)の一部を拡大して示す図である。(c)は、実施形態1に係る判定用パルス信号を示す図である。
【
図13】実施形態1に係る照明システムの他例を示すブロック図である。
【
図14】(a)は、交流電源から照明制御装置へ供給される交流電圧を示す図である。(b)は、4線式又は3線式の照明コントローラから照明器具へ供給される交流電圧を示す図である。
【
図15】実施形態2に係る制御信号生成部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図16】(a)は、実施形態2に係る照明器具が備える整流回路の出力の一例を示す図である。(b)は、実施形態2に係る照明器具が備える比較回路の出力の一例を示す図である。
【
図17】実施形態3に係る照明システムを示すブロック図である。
【
図18】実施形態3に係る照明制御装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0024】
[実施形態1]
まず、
図1を参照して、本実施形態の照明システム1を説明する。
図1は、本実施形態に係る照明システム1を示すブロック図である。
図1に示すように、照明システム1は、照明制御装置3と、照明器具4とを備える。
【0025】
照明制御装置3は、ユーザーの操作に応じて照明器具4を制御する。具体的には、照明制御装置3は、電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、逆位相調光(Trailing Edge Dimming)方式の調光器、又は、データ制御方式の照明コントローラである。なお、以下の説明において、データ制御方式の照明コントローラを「照明コントローラ」と記載する場合がある。
【0026】
電源スイッチは、例えば壁スイッチである。電源スイッチによって照明器具4の点灯及び消灯を切り替えることができる。具体的には、電源スイッチがオンの状態になると、交流電源2から照明器具4に電力が供給されて、照明器具4が点灯する。また、電源スイッチがオフの状態になると、交流電源2から照明器具4への電力の供給が遮断されて、照明器具4は消灯する。なお、後述するように、ユーザーは電源スイッチをプルレス操作して、照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0027】
正位相調光方式の調光器は、光量操作部と、電源スイッチとを備える。逆位相調光方式の調光器も同様に、光量操作部と、電源スイッチとを備える。光量操作部は、例えば、つまみ(ボリューム)、複数個の押しボタン、又は、タッチパネルである。ユーザーは、光量操作部を操作して、照明器具4から発生する光の光量を変化させることができる。また、後述するように、ユーザーは、調光器の電源スイッチをプルレス操作して、照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0028】
正位相調光方式は、導通角制御方式の1種である。逆位相調光方式も同様に、導通角制御方式の1種である。導通角制御方式は、交流電源2から供給される交流電圧の導通角を制御して、照明器具4から発生する光の光量を制御する制御方式である。
【0029】
正位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が開始する導通開始位相を制御する制御方式である。正位相調光方式の調光器は、ユーザーによる光量操作部の操作に応じて、交流電源2から供給される交流電圧の導通開始位相を制御する。正位相調光方式では、交流電圧の半波が開始するゼロクロス点よりも後側に導通開始位相が位置する。したがって、正位相調光方式では、交流電圧の半波は、交流電圧の半波が開始するゼロクロス点と導通開始位相との間に切り欠きを含む。切り欠きは、交流電圧の導通が遮断されている期間を示す。以下、交流電圧の半波が開始するゼロクロス点と導通開始位相との間の切り欠きを「前欠け」と記載する場合がある。
【0030】
逆位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が遮断される導通遮断位相を制御する制御方式である。逆位相調光方式の調光器は、ユーザーによる光量操作部の操作に応じて、交流電源2から供給される交流電圧の導通遮断位相を制御する。逆位相調光方式では、交流電圧の半波が終了するゼロクロス点よりも前側に導通遮断位相が位置する。したがって、逆位相調光方式では、交流電圧の半波は、交流電圧の半波が終了するゼロクロス点と導通遮断位相との間に切り欠きを含む。切り欠きは、交流電圧の導通が遮断されている期間を示す。以下、交流電圧の半波が終了するゼロクロス点と導通遮断位相との間の切り欠きを「後ろ欠け」と記載する場合がある。
【0031】
照明コントローラは、光色操作部と、光量操作部と、電源スイッチとを備える。光色操作部及び光量操作部は、例えば、複数個の押しボタン、又はタッチパネルである。ユーザーは、光色操作部を操作して、照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。また、ユーザーは、光量操作部を操作して、照明器具4から発生する光の光量を変化させることができる。
【0032】
照明コントローラは、制御信号設定区間において、交流電源2から供給される交流電圧の波形を、ユーザーの操作に対応する波形に変化させる。詳しくは、ユーザーの操作に応じた前欠けのパターンが設定される。そして、制御信号設定区間の交流電圧の波形が、設定された前欠けのパターンを含む波形となる。具体的には、設定された前欠けのパターンに応じて、制御信号設定区間の少なくとも1つの半波が前側に切り欠きを含む。ここで、半波の前側は、半波が開始するゼロクロス点から半波の絶対値が最大となるまでの部分である。
【0033】
前欠けのパターンは、光色の設定値と光量の設定値とのうちの少なくとも一方を示すデータ列(ビット列)に対応する。光色の設定値は、ユーザーによる光色操作部の操作に応じて決定される。光量の設定値は、ユーザーによる光量操作部の操作に応じて決定される。例えば、前欠けを含む半波は値「1」のデータを示し、前欠けを含まない半波、すなわち正弦波状の半波は、値「0」のデータを示す。
【0034】
データ制御方式によれば、互いに光色が異なる光源の光量を個別に制御して、調光調色を行うことができる。なお、制御信号設定区間は、半波の数によって予め規定される。したがって、制御信号設定区間には所定数の半波が含まれる。
【0035】
本実施形態において、照明コントローラは、2線式である。2線式に対応するデータ制御方式は、交流電圧の各半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の一部を切り欠く制御方式である。したがって、2線式の照明コントローラから出力される交流電圧の各半波は、後ろ欠けを含む。また、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波は、前欠けと後ろ欠けとを含む。2線式の照明コントローラが交流電圧の各半波の後側の一部を切り欠くのは、照明コントローラの動作電圧を確保するためである。ここで、半波の後側は、半波の絶対値が最大となってから半波が終了するゼロクロス点までの部分である。
【0036】
なお、2線式に対応するデータ制御方式では、逆位相調光方式と異なり、ユーザーは導通遮断位相を制御できない。また、2線式に対応するデータ制御方式では、正位相調光方式と異なり、ユーザーは、前欠けを含む半波の導通開始位相を制御できない。2線式に対応するデータ制御方式は、特開2017-183169号公報(上記の特許文献3)に記載されている。以下、2線式に対応するデータ制御方式を「第1データ制御方式」と記載する場合がある。
【0037】
照明器具4は、照明制御装置3から出力された交流電圧の波形が制御されているか否かを判定する。具体的には、照明器具4は、交流電圧の波形が正弦波状であるか否かを判定する。換言すると、照明器具4は、交流電圧の波形が前欠け又は後ろ欠けを含むか否かを判定する。
【0038】
照明器具4は、交流電圧の波形が制御されている場合、交流電圧の波形に基づいて、交流電圧の制御方式を判定する。具体的には、照明器具4は、交流電圧の制御方式が正位相調光方式、逆位相調光方式、及び第1データ制御方式のうちのいずれであるかを判定する。
【0039】
本実施形態の照明器具4は、プルレス操作が行われたか否かを判定する。具体的には、照明器具4は、交流電圧の波形が制御されていない場合に、プルレス操作が行われたか否かを判定する。また、照明器具4は、交流電圧の制御方式が正位相調光方式、又は逆位相調光方式である場合に、プルレス操作が行われたか否かを判定する。
【0040】
プルレス操作は、交流電圧の導通が遮断された後、所定期間内に交流電圧の導通が開始される操作である。換言すると、プルレス操作は、照明制御装置3の電源スイッチがオンの状態からオフの状態に切り替えられた後、所定期間内に照明制御装置3の電源スイッチがオンの状態に切り替えられる操作である。所定期間は、例えば、交流電圧の導通が遮断されてから0.8秒以後1.4秒以内の期間である。照明器具4は、プルレス操作に応じて、照明器具4から発生する光の光色を段階的に切り替える。本実施形態の照明器具4は、プルレス操作に応じて光色を3段階で変化させる。
【0041】
続いて
図1及び
図2(a)~
図2(e)を参照して、照明制御装置3から照明器具4に供給される交流電圧101aの波形について説明する。具体的には、電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、逆位相調光方式の調光器、及び2線式の照明コントローラから出力される交流電圧101aの波形について説明する。
【0042】
図2(a)は、交流電源2から照明制御装置3へ供給される交流電圧101を示す図である。
図2(b)~
図2(e)は、照明制御装置3から照明器具4へ供給される交流電圧101aを示す図である。具体的には、
図2(b)は、電源スイッチから出力される交流電圧101aを示す。
図2(c)は、正位相調光方式の調光器から出力される交流電圧101aを示す。
図2(d)は、逆位相調光方式の調光器から出力される交流電圧101aを示す。
図2(e)は、2線式の照明コントローラから出力される交流電圧101aを示す。
【0043】
図2(a)に示すように、交流電圧101は正弦波状の波形を有する。即ち、交流電圧101は、正弦波状の半波102から構成される。また、交流電圧101は、ゼロクロス点103を含む。交流電源2が商用電源である場合、交流電圧101の周波数は50Hz又は60Hzである。
【0044】
図2(b)は、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後の交流電圧101aの波形を示す。
図2(b)に示すように、電源スイッチから出力される交流電圧101aは、正弦波状の波形を有する。即ち、交流電圧101aは、交流電圧101と同様の波形を有する。
【0045】
図2(c)は、調光器の電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後の交流電圧101aの波形を示す。
図2(c)に示すように、正位相調光方式の調光器は、前欠け111を含む半波102を出力する。また、正位相調光方式の調光器は、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、所謂スロースタートを実行する。
【0046】
具体的には、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後、導通開始位相111aは、半波102が開始するゼロクロス点103から離れた特定の位相に設定される。その後、半波102ごとに、半波102が開始するゼロクロス点103に導通開始位相111aが徐々に近づく。そして、所定の周期後に、導通開始位相111aは一定に設定される。この結果、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、照明器具4は、まず低輝度で点灯し、その後、照明器具4の輝度が徐々に高くなる。
【0047】
図2(d)は、調光器の電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後の交流電圧101aの波形を示す。
図2(d)に示すように、逆位相調光方式の調光器は、後ろ欠け112を含む半波102を出力する。また、逆位相調光方式の調光器は、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、所謂スロースタートを実行する。
【0048】
具体的には、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後、導通遮断位相112aは、半波102が終了するゼロクロス点103から離れた特定の位相に設定される。その後、半波102ごとに、半波102が終了するゼロクロス点103に導通遮断位相112aが徐々に近づく。そして、所定の周期後に、導通遮断位相112aは一定に設定される。この結果、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、照明器具4は、まず低輝度で点灯し、その後、照明器具4の輝度が徐々に高くなる。
【0049】
図2(e)は、照明コントローラの電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後の交流電圧101aの波形を示す。
図2(e)に示すように、2線式の照明コントローラは、後ろ欠け112を含む半波102を出力する。そして、所定の周期以後に、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102を出力する。即ち、所定の周期後に、制御信号設定区間が開始される。2線式に対応するデータ制御方式では、導通遮断位相112aは一定であり、半波102の後側に位置する。具体的には、導通遮断位相112aは、半波102の絶対値が最大となってから半波102が終了するゼロクロス点103までの間に位置する。また、前欠け111を含む半波102の導通開始位相111aは一定であり、半波102の前側に位置する。具体的には、導通開始位相111aは、半波102が開始するゼロクロス点103から半波102の絶対値が最大となるまでの間に位置する。2線式に対応するデータ制御方式では、例えば、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102は値「1」のデータを示し、後ろ欠け112のみを含む半波102は値「0」のデータを示す。
【0050】
続いて
図3を参照して、照明器具4の構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る照明器具4の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、照明器具4は、光源制御装置5と、光源部6とを備える。
【0051】
光源制御装置5は、光源部6を制御する。光源制御装置5は電源装置であり得る。本実施形態の光源部6は、第1光源6a及び第2光源6bを有する。第1光源6a及び第2光源6bは、互いに光色が異なる光を発生させる。本実施形態において、第1光源6aから発生する光の光色は2700K(ケルビン)であり、第2光源6bから発生する光の光色は5000K(ケルビン)である。第1光源6a及び第2光源6bは、例えばLED又は有機EL素子である。
【0052】
光源制御装置5は、照明制御装置3の電源スイッチの操作に応じて、光源部6から発生する光の点灯及び消灯を制御する。また、照明制御装置3が電源スイッチ又は調光器である場合、光源制御装置5は、プルレス操作に応じて、光源部6から発生する光の光色を3段階で切り替える。詳しくは、光源制御装置5は、光源部6から発生する光の光色を2700K(ケルビン)、3500K(ケルビン)、5000K(ケルビン)の順に切り替える。更に、照明制御装置3が調光器である場合、光源制御装置5は、光量操作部の操作に応じて、光源部6から発生する光の光量を制御する。なお、以下の説明において、光源部6から発生する光の光色を「光源部6の光色」と記載する場合がある。また、光源部6から発生する光の光量を「光源部6の光量」と記載する場合がある。
【0053】
光源制御装置5は、照明制御装置3が照明コントローラである場合、光色操作部の操作に応じて、光源部6の光色を制御する。詳しくは、光源制御装置5は、2700K以上5000K以下の範囲において光色を制御する。また、光源制御装置5は、光量操作部の操作に応じて、光源部6の光量を制御する。
【0054】
続いて
図3を参照して、光源制御装置5を更に説明する。
図3に示すように、光源制御装置5は、電力供給部7と、制御信号生成部8とを備える。電力供給部7には、照明制御装置3から、
図2(b)~
図2(e)を参照して説明した交流電圧101aが入力される。電力供給部7は、交流電圧101aに基づいて光源部6に電力を供給する。制御信号生成部8は、電力供給部7を制御する制御信号を生成する。
【0055】
本実施形態において、制御信号生成部8は、交流電圧101aの波形が制御されているか否かを判定する。交流電圧101aの波形が制御されていない場合、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式に決定し、第1制御方式に基づいて制御信号を生成する。
【0056】
第1制御方式において、制御信号生成部8は、光源部6の光色を切り替える制御信号のみを生成する。具体的には、制御信号生成部8は、プルレス操作に応じて光源部6の光色を切り替える。
【0057】
交流電圧101aの波形が制御されている場合、制御信号生成部8は、交流電圧101aの波形に基づいて交流電圧101aの制御方式を判定する。本実施形態において、制御信号生成部8は、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式、逆位相調光方式、及び第1データ制御方式のうちのいずれであるかを判定する。制御信号生成部8は、判定の結果に基づいて電力供給部7の制御方式を決定し、決定した制御方式に基づいて制御信号を生成する。
【0058】
詳しくは、制御信号生成部8は、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式であると判定した場合、電力供給部7の制御方式を第2制御方式に決定し、第2制御方式に基づいて制御信号を生成する。第2制御方式は、正位相調光方式であり、制御信号生成部8は、
図2(c)を参照して説明した導通開始位相111aに基づいて、光源部6の光量を制御する制御信号を生成する。また、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第2制御方式に決定した場合、プルレス操作に応じて、光源部6の光色を切り替える制御信号を生成する。
【0059】
制御信号生成部8は、交流電圧101aの制御方式が逆位相調光方式であると判定した場合、電力供給部7の制御方式を第3制御方式に決定し、第3制御方式に基づいて制御信号を生成する。第3制御方式は、逆位相調光方式であり、制御信号生成部8は、
図2(d)を参照して説明した導通遮断位相112aに基づいて、光源部6の光量を制御する制御信号を生成する。また、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第3制御方式に決定した場合、プルレス操作に応じて、光源部6の光色を切り替える制御信号を生成する。
【0060】
制御信号生成部8は、交流電圧101aの制御方式が第1データ制御方式であると判定した場合、電力供給部7の制御方式を第4制御方式に決定し、第4制御方式に基づいて制御信号を生成する。第4制御方式は、データ制御方式であり、制御信号生成部8は、
図1及び
図2(e)を参照して説明した前欠け111のパターンに基づいて、光源部6の光量及び光色を制御する制御信号を生成する。具体的には、制御信号生成部8は、制御信号設定区間において交流電圧101aの波形が示すデータ列に基づいて、光源部6の光量及び光色を制御する。
【0061】
本実施形態において、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式に決定した場合、光源部6の光色を2700K、3500K、及び5000Kのいずれかに設定する制御信号を生成する。光源部6の光色を2700Kに設定する場合、制御信号生成部8は、第1光源6aにのみ電力が供給されるように電力供給部7を制御する。光源部6の光色を5000Kに設定する場合、制御信号生成部8は、第2光源6bにのみ電力が供給されるように電力供給部7を制御する。光源部6の光色を3500Kに設定する場合、制御信号生成部8は、第1光源6a及び第2光源6bに電力が供給されるように電力供給部7を制御する。
【0062】
また、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式、第2制御方式及び第3制御方式のいずれかに設定した場合、光源部6の消灯時の光色を記憶する。具体的には、光源部6の消灯直前の光色を記憶する。また、制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式、第2制御方式及び第3制御方式のいずれかに設定した場合、プルレス操作が行われたか否かを判定する。詳しくは、制御信号生成部8は、交流電圧101aの導通が遮断された後、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始されたか否かを判定する。換言すると、制御信号生成部8は、照明制御装置3の電源スイッチがオフの状態となった後、所定期間内に照明制御装置3の電源スイッチがオンの状態となったか否かを判定する。
【0063】
制御信号生成部8は、交流電圧101aの導通が遮断された後、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始されなかった場合、プルレス操作が行われなかった判定し、光源部6から前回消灯時の光色の光を発生させる制御信号を生成する。
【0064】
制御信号生成部8は、交流電圧101aの導通が遮断された後、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始された場合、プルレス操作が行われたと判定し、光源部6の光色を前回消灯時の光色から切り替える制御信号を生成する。例えば、前回消灯時の光色が3500Kである場合、制御信号生成部8は、光源部6の光色が5000Kとなるように電力供給部7を制御する。
【0065】
なお、光源部6の光色を3500Kに設定する場合、光源部6の光色が5000Kである際に第2光源6bに供給される電力の50%の電力が第2光源6bに供給されるとともに、光源部6の光色が2700Kである際に第1光源6aに供給される電力の50%の電力が第1光源6aに供給される。この結果、光源部6の光色が3500Kである際に、光源部6の光色が5000K又は2700Kである際に光源部6から発生する光と略同じ輝度の光が発生する。
【0066】
制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第4制御方式に設定した場合、光源部6の点灯時の光色及び光量が前回消灯時の光量及び光色となるように電力供給部7を制御する。詳しくは、制御信号生成部8は、光源部6の消灯時(消灯直前)の光色及び光量を記憶する。具体的には、制御信号生成部8は、前欠け111のパターンに対応するデータ列(ビット列)を生成し、生成したデータ列に基づいて制御信号を生成する。制御信号生成部8は、生成したデータ列を記憶することにより、光源部6の消灯時の光色及び光量を記憶する。制御信号生成部8は、光源部6の点灯時に、記憶しているデータ列に基づいて、光源部6の光色及び光量が前回消灯時の光量及び光色となるように電力供給部7を制御する。
【0067】
続いて
図1~6を参照して、制御信号生成部8が実行する処理について説明する。
図4~
図6は、実施形態1に係る制御信号生成部8が実行する処理を示すフローチャートである。より具体的には、
図4~
図6は、照明制御装置3から照明器具4へ交流電圧101aの供給が開始された直後に制御信号生成部8が実行する処理を示す。
【0068】
図4に示すように、照明制御装置3の電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、照明制御装置3から交流電圧101aが出力される(ステップS1)。
【0069】
交流電圧101aの出力が開始されると、制御信号生成部8は、交流電圧101aが正弦波状の半波102を含むか否かを判定する(ステップS2)。換言すると、制御信号生成部8は、交流電圧101aの波形が制御されているか否かを判定する。
【0070】
図2(b)~
図2(e)を参照して説明したように、照明制御装置3が電源スイッチである場合にのみ、正弦波状の半波102が出力される。制御信号生成部8は、交流電圧101aが正弦波状の半波102を含むと判定した場合(ステップS2のYes)、電力供給部7の制御方式を、
図3を参照して説明した第1制御方式に設定する(ステップS3)。
【0071】
制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式に設定すると、プルレス操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。
【0072】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われていないと判定した場合(ステップS4のNo)、光源部6から前回消灯時の光色の光を発生させる制御信号を生成する(ステップS5)。
【0073】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われたと判定した場合(ステップS4のYes)、光源部6の光色を前回消灯時の光色から異なる光色へ切り替える制御信号を生成する(ステップS6)。
【0074】
制御信号生成部8は、交流電圧101aが正弦波状の半波102を含まないと判定した場合(ステップS2のNo)、
図5に示すように、全ての半波102が前欠け111を含むか否かを判定する(ステップS7)。
【0075】
図2(b)~
図2(e)を参照して説明したように、照明制御装置3から照明器具4へ交流電圧101aの供給が開始された直後は、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式である場合にのみ、前欠け111を含む半波102が出力される。制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含むと判定した場合(ステップS7のYes)、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式であると判定し、電力供給部7の制御方式を、
図3を参照して説明した第2制御方式(正位相調光方式)に設定する(ステップS8)。
【0076】
制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第2制御方式に設定すると、プルレス操作が行われたか否かを判定する(ステップS9)。
【0077】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われていないと判定した場合(ステップS9のNo)、光源部6から前回消灯時の光色の光を発生させる制御信号を生成する(ステップS10)。
【0078】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われたと判定した場合(ステップS9のYes)、光源部6の光色を前回消灯時の光色から異なる光色へ切り替える制御信号を生成する(ステップS11)。
【0079】
制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含まないと判定した場合(ステップS7のNo)、
図6に示すように、後ろ欠け112の幅の割合が、予め規定された参照値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。換言すると、後ろ欠け112を含む半波102の導通角が所定値未満であるか否かを判定する。参照値は、第1データ制御方式の後ろ欠け112の幅(
図2(e)参照)の割合よりも大きい値に設定する。
【0080】
制御信号生成部8は、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上であると判定した場合(ステップS12のYes)、交流電圧101aの制御方式が逆位相調光方式であると判定し、電力供給部7の制御方式を、
図3を参照して説明した第3制御方式(逆位相調光方式)に設定する(ステップS13)。
【0081】
制御信号生成部8は、電力供給部7の制御方式を第3制御方式に設定すると、プルレス操作が行われたか否かを判定する(ステップS14)。
【0082】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われていないと判定した場合(ステップS14のNo)、光源部6から前回消灯時の光色の光を発生させる制御信号を生成する(ステップS15)。
【0083】
制御信号生成部8は、プルレス操作が行われたと判定した場合(ステップS14のYes)、光源部6の光色を前回消灯時の光色から異なる光色へ切り替える制御信号を生成する(ステップS16)。
【0084】
制御信号生成部8は、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上ではないと判定した場合(ステップS12のNo)、逆位相調光方式と第1データ制御方式とを判別する判別モードに遷移する(ステップS17)。例えば、後ろ欠け112の幅の割合と参照値との差が小さい場合、実際の後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上であっても、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上ではないと制御信号生成部8が誤判定する可能性がある。このような場合に、制御信号生成部8は判別モードに遷移する。
【0085】
制御信号生成部8は、判別モードに遷移すると、交流電圧101aの制御方式が逆位相調光方式であるか第1データ制御方式であるかを判定できるまで、ステップS18の処理とステップS19の処理とを繰り返す。なお、ステップS18の処理とステップS19の処理とを繰り返す間、制御信号生成部8は、第3制御方式に基づいて電力供給部7を制御する。
【0086】
ステップS18において、制御信号生成部8は、ステップS12と同様に、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上であるか否かを判定する。制御信号生成部8は、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上であると判定した場合(ステップS18のYes)、電力供給部7の制御方式を第3制御方式(逆位相調光方式)に設定する(ステップS13)。一方、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上ではないと制御信号生成部8が判定した場合(ステップS18のNo)、処理はステップS19に移る。例えば、ユーザーが調光器の光量操作部を操作した結果、後ろ欠け112の幅の割合が、制御信号生成部8が誤判定しない程度に参照値よりも大きくなった場合に、制御信号生成部8は、後ろ欠け112の幅の割合が参照値以上であると判定する(ステップS18のYes)。
【0087】
ステップS19において、制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含むか否かを判定する。換言すると、半波102が後ろ欠け112に加えて前欠け111を含むか否かを判定する。
【0088】
図2(d)を参照して説明したように、逆位相調光方式の半波102は前欠け111を含まない。一方、
図2(e)を参照して説明したように、第1データ制御方式では、照明制御装置3から照明器具4へ交流電圧101aの供給が開始されてから所定の周期以後に、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102が出力される。制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含むと判定した場合(ステップS19のYes)、交流電圧101aの制御方式が第1データ制御方式であると判定し、電力供給部7の制御方式を、
図3を参照して説明した第4制御方式(データ制御方式)に設定する(ステップS20)。一方、半波102が前欠け111を含まないと制御信号生成部8が判定した場合(ステップS19のNo)、処理はステップS18に戻る。
【0089】
続いて、再び
図3を参照して、電力供給部7及び制御信号生成部8を更に説明する。
図3に示すように、本実施形態の電力供給部7は、整流回路71と、平滑回路72と、第1定電流回路73aと、第2定電流回路73bとを備える。
【0090】
整流回路71には、照明制御装置3から、
図2(b)~
図2(e)を参照して説明した交流電圧101aが入力される。整流回路71は、交流電圧101aを整流する。整流回路71は、例えば全波整流回路である。平滑回路72は、整流回路71の出力を平滑化する。第1定電流回路73aは、平滑回路72の出力から第1定電流を生成する。第1定電流は第1光源6aに供給される。第2定電流回路73bは、平滑回路72の出力から第2定電流を生成する。第2定電流は第2光源6bに供給される。
【0091】
また、
図3に示すように、本実施形態の制御信号生成部8は、比較回路81と、パルス信号生成回路82と、制御部83とを備える。
【0092】
比較回路81は、整流回路71の出力と閾値とを比較する。比較回路81は、例えば、コンパレータを含む。比較回路81の出力は、整流回路71の出力と閾値との比較の結果を示す。
【0093】
パルス信号生成回路82は、整流回路71の出力からパルス信号を生成する。交流電圧101aの波形が制御されていない場合、パルス信号の各パルスは、
図2(b)を参照して説明した正弦波状の半波102に対応するパルス幅を有する。交流電圧101aの制御方式が導通角制御方式(正位相調光方式又は逆位相調光方式)である場合、パルス信号の各パルスは、交流電圧101aの各半波102の導通角に対応するパルス幅を有する。交流電圧101aの制御方式がデータ制御方式である場合、パルス信号の各パルスは、前欠け111の有無(前欠け111を含む半波102の有無)を示す。詳しくは、各パルスのパルス幅が、前欠け111の有無を示す。
【0094】
制御部83は、比較回路81の出力と、パルス信号生成回路82の出力とに基づいて、第1定電流回路73aを制御する第1制御信号と、第2定電流回路73bを制御する第2制御信号とを生成する。より具体的には、制御部83は、処理部831と、記憶部832とを備える。
【0095】
処理部831は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサである。処理部831は、記憶部832に記憶された制御プログラムに基づいて、第1制御信号と第2制御信号とを生成する。記憶部832は、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)のような半導体メモリーを備える。記憶部832は更に、HDD(Hard Disk Drive)のようなストレージデバイスを備えてもよい。記憶部832は、処理部831が実行する制御プログラムを記憶する。なお、制御部83は、マイクロコンピュータであり得る。
【0096】
詳しくは、処理部831は、比較回路81の出力に基づいて、交流電圧101aの波形が制御されているか否かを判定する。処理部831は、交流電圧101aの波形が制御されていないと判定した場合、電力供給部7の制御方式を第1制御方式に設定する。
【0097】
処理部831は、交流電圧101aの波形が制御されていると判定した場合、比較回路81の出力に基づいて、交流電圧101aの制御方式が、正位相調光方式、逆位相調光方式、及び第1データ制御方式のいずれであるかを判定する。処理部831は、判定の結果に応じて、電力供給部7の制御方式を第2制御方式~第4制御方式のうちのいずれかに設定する。
【0098】
処理部831は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式~第3制御方式のいずれかに設定した場合、光源部6の消灯時(消灯直前)の光色を示す情報を記憶部832に記憶させる。また、処理部831は、電力供給部7の制御方式を第1制御方式~第3制御方式のうちのいずれかに設定した場合、パルス信号生成回路82の出力(パルス信号)に基づいて、プルレス操作が行われたか否かを判定する。具体的には、処理部831はタイマー機能を有する。交流電圧101aの導通が遮断されると、処理部831は計時を開始して、交流電圧101aの導通が遮断された後、所定期間が経過したか否かを判定する。処理部831は、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始されない場合、プルレス操作が行われなかったと判定する。処理部831は、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始された場合、プルレス操作が行われたと判定する。
【0099】
処理部831は、プルレス操作が行われなかったと判定した場合、記憶部832に記憶した前回消灯時の光色の情報に基づいて、第1制御信号及び第2制御信号のうちの少なくとも一方を生成する。具体的には、前回消灯時の光色が2700Kである場合、処理部831は第1制御信号を生成して、第1定電流回路73aから第1光源6aへの電流の供給を開始させる。この結果、第1光源6aが発光して、2700Kの光が光源部6から発生する。前回消灯時の光色が5000Kである場合、処理部831は第2制御信号を生成して、第2定電流回路73bから第2光源6bへの電流の供給を開始させる。この結果、第2光源6bが発光して、5000Kの光が光源部6から発生する。前回消灯時の光色が3500Kである場合、処理部831は第1制御信号及び第2制御信号を生成して、第1定電流回路73aから第1光源6aへの電流の供給を開始させるとともに、第2定電流回路73bから第2光源6bへの電流の供給を開始させる。この結果、第1光源6a及び第2光源6bが発光して、3500Kの光が光源部6から発生する。
【0100】
処理部831は、プルレス操作が行われたと判定した場合、記憶部832に記憶した前回消灯時の光色の情報に基づいて、光源部6の光色を前回消灯時の光色から切り替える。具体的には、前回消灯時の光色が2700Kである場合、処理部831は第1制御信号及び第2制御信号を生成して、3500Kの光を光源部6から発生させる。前回消灯時の光色が3500Kである場合、処理部831は第2制御信号を生成して、5000Kの光を光源部6から発生させる。前回消灯時の光色が5000Kである場合、処理部831は第1制御信号を生成して、2700Kの光を光源部6から発生させる。
【0101】
処理部831は、電力供給部7の制御方式を第2制御方式又は第3制御方式に設定した場合、パルス信号生成回路82から出力される各パルスのパルス幅に応じて、第1制御信号及び/又は第2制御信号のデューティ比を変化させる。
【0102】
具体的には、光源部6の光色が2700Kである場合、処理部831は、交流電圧101aの導通開始位相111a又は導通遮断位相112aの変化に応じて、第1制御信号のデューティ比を変化させる。この結果、第1定電流回路73aから第1光源6aへ供給される電流の電流値が変化して、光源部6の光量(第1光源6aから発生する光の光量)が変化する。
【0103】
光源部6の光色が3500Kである場合、処理部831は、交流電圧101aの導通開始位相111a又は導通遮断位相112aの変化に応じて、第1制御信号のデューティ比、及び第2制御信号のデューティ比を変化させる。この結果、第1定電流回路73aから第1光源6aへ供給される電流の電流値が変化するとともに、第2定電流回路73bから第2光源6bへ供給される電流の電流値が変化して、光源部6の光量(第1光源6aから発生する光の光量と第2光源6bから発生する光の光量とを合計した光量)が変化する。
【0104】
光源部6の光色が5000Kである場合、処理部831は、交流電圧101aの導通開始位相111a又は導通遮断位相112aの変化に応じて、第2制御信号のデューティ比を変化させる。この結果、第2定電流回路73bから第2光源6bへ供給される電流の電流値が変化して、光源部6の光量(第2光源6bから発生する光の光量)が変化する。
【0105】
処理部831は、電力供給部7の制御方式を第4制御方式に設定した場合、パルス信号生成回路82から出力される各パルスのパルス幅に対応するデータ列(ビット列)を生成する。データ列は、
図1及び
図2(e)を参照して説明した前欠け111のパターンに対応する。処理部831は、生成したデータ列に基づいて、第1制御信号及び/又は第2制御信号を生成する。また、処理部831は、生成したデータ列に基づいて、第1制御信号及び/又は第2制御信号のデューティ比を決定する。この結果、第1光源6aの光量と第2光源6bの光量とが個別に制御されて、前欠け111のパターンに対応する光色及び光量を有する光が光源部6から発生する。
【0106】
また、処理部831は、電力供給部7の制御方式を第4制御方式に設定した場合、光源部6を消灯させる際に、光源部6の光色を示す情報(データ列)と、光源部6の光量を示す情報(データ列)とを記憶部832に保持させる。処理部831は、光源部6の点灯時に、記憶部832が保持する情報に基づいて、第1定電流回路73a及び/又は第2定電流回路73bを制御する。詳しくは、処理部831は、前回消灯時と同じ光量及び光色を有する光が光源部6から発生するように、第1制御信号及び/又は第2制御信号を生成する。
【0107】
続いて
図3、
図7(a)及び
図7(b)を参照して、交流電圧101aが制御されているか否かを判定する処理について説明する。
図7(a)は整流回路71の出力の一例を示す図であり、
図7(b)は比較回路81の出力の一例を示す図である。詳しくは、
図7(a)は、照明制御装置3が電源スイッチである場合に整流回路71から出力される電圧121の波形の一例を示す。
図7(b)は、
図7(a)に示す電圧121を閾値と比較することによって比較回路81から出力されるパルス信号131を示す。
【0108】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、整流回路71によって交流電圧101aが整流されると、電圧121が生成される。電圧121の波形は、交流電圧101aの半波102に対応する半波102aからなる。照明制御装置3が電源スイッチである場合、電圧121の波形は、正弦波状の半波102aからなる。
【0109】
比較回路81によって電圧121が閾値と比較されると、パルス信号131が生成されて制御部83(処理部831)に入力される。本実施形態では、パルス信号131は、電圧121が閾値以上である際にHレベルとなり、電圧121が閾値未満である際にLレベルとなる。
【0110】
具体的には、照明制御装置3が電源スイッチである場合、正弦波状の半波102aに応じて、パルス幅T0を有するパルス132が生成される。処理部831は、パルス幅T0を有するパルス132が入力されると、交流電圧101aが制御されていないと判定する。パルス信号131のパルス幅は、例えばシステムクロックを参照して判定し得る。
【0111】
続いて
図3、
図8(a)、
図8(b)、及び
図9(a)~
図9(c)を参照して、交流電圧101aの制御方式を判定する処理について説明する。
図8(a)は整流回路71の出力の一例を示す図であり、
図8(b)は比較回路81の出力の一例を示す図である。詳しくは、
図8(a)は、照明制御装置3が正位相調光方式の調光器である場合に整流回路71から出力される電圧121の波形の一例を示す。
図8(b)は、
図8(a)に示す電圧121を閾値と比較することによって比較回路81から出力されるパルス信号131を示す。
図9(a)は、
図8(a)の一部を拡大して示す図である。
図9(b)は、
図8(b)の一部を拡大して示す図である。
図9(c)は、判定用パルス信号201を示す図である。
【0112】
図8(a)及び
図8(b)に示すように、電圧121の波形は、前欠け111を含む半波102aからなる。比較回路81によって電圧121が閾値と比較されると、パルス幅T1を有するパルス132が生成される。
【0113】
本実施形態において、処理部831は、
図1を参照して説明した交流電源2から供給される交流電圧101を用いて判定用パルス信号201を生成する。判定用パルス信号201は、交流電圧101のゼロクロス点の直前に立下り、そのゼロクロス点の直後に立ち上がる。処理部831は、比較回路81の出力と判定用パルス信号201とに基づいて、半波102aが前欠け111を含むか否かを判定する。
【0114】
図9(a)~
図9(c)に示すように、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式である場合、パルス132の立ち上がりエッジは、判定用パルス信号201の立ち上がりエッジに対して遅延する。処理部831は、パルス132の立ち上がりエッジと判定用パルス信号201の立ち上がりエッジとを比較する。処理部831は、パルス132の立ち上がりエッジが判定用パルス信号201の立ち上がりエッジに対して遅延している場合、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式であると判定する。
【0115】
続いて
図3、
図10(a)及び
図10(b)を参照して、交流電圧101aの制御方式を判定する処理について説明する。
図10(a)は整流回路71の出力の一例を示す図であり、
図10(b)は比較回路81の出力の一例を示す図である。詳しくは、
図10(a)は、照明制御装置3が逆位相調光方式の調光器である場合に整流回路71から出力される電圧121の波形の一例を示す。
図10(b)は、
図10(a)に示す電圧121を閾値と比較することによって比較回路81から出力されるパルス信号131を示す。
【0116】
図10(a)及び
図10(b)に示すように、電圧121の波形は、後ろ欠け112を含む半波102aからなる。比較回路81によって電圧121が閾値と比較されると、パルス幅T2を有するパルス132が生成される。処理部831は、パルス信号131のLレベル区間の幅T3を取得する。Lレベル区間の幅T3は、パルス信号131の周期Tと、パルス132のパルス幅T2との差から算出し得る。パルス信号131の周期Tは、システムクロックを参照して判定し得る。処理部831は、パルス信号131の周期Tに対するLレベル区間の幅T3の割合(T3/T)が、予め規定された参照値以上であるか否かを判定する。割合(T3/T)が参照値以上である場合、処理部831は、照明制御装置3の制御方式が逆位相調光方式であると判定する。
【0117】
続いて
図3、
図11(a)、
図11(b)、及び
図12(a)~
図12(c)を参照して、交流電圧101aの制御方式を判定する処理について説明する。
図11(a)は整流回路71の出力の一例を示す図であり、
図11(b)は比較回路81の出力の一例を示す図である。詳しくは、
図11(a)は、照明制御装置3が2線式の照明コントローラである場合に整流回路71から出力される電圧121の波形の一例を示す。
図11(b)は、
図9(a)に示す電圧121を閾値と比較することによって比較回路81から出力されるパルス信号131を示す。
図12(a)は、
図11(a)の一部を拡大して示す図である。
図12(b)は、
図11(b)の一部を拡大して示す図である。
図12(c)は、判定用パルス信号201を示す図である。
【0118】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、電圧121の波形は、後ろ欠け112のみを含む半波102aと、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102aとからなる。比較回路81によって電圧121が閾値と比較されると、後ろ欠け112のみを含む半波102aに応じて、パルス幅T4を有するパルス132が生成される。また、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102aに応じて、パルス幅T5を有するパルス132が生成される。
【0119】
図12(a)~
図12(c)に示すように、前欠け111及び後ろ欠け112を含む半波102aが生成されると、パルス132の立ち上がりエッジが、判定用パルス信号201の立ち上がりエッジに対して遅延する。処理部831は、パルス132の立ち上がりエッジと判定用パルス信号201の立ち上がりエッジとを比較する。処理部831は、パルス132の立ち上がりエッジが判定用パルス信号201の立ち上がりエッジに対して遅延した場合、交流電圧101aの制御方式が第1データ制御方式であると判定する。
【0120】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、照明器具4は、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式と、逆位相調光方式と、第1データ制御方式とのいずれであるかを判別して、交流電圧101aの制御方式に対応する制御方式で光源部6を制御することができる。したがって、照明制御装置3が、電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、逆位相調光方式の調光器、及び2線式の照明コントローラのうちのいずれであっても、照明制御装置3により照明器具4を制御することができる。
【0121】
なお、本実施形態では、照明制御装置3が1つの照明器具4を制御したが、
図13に示すように、照明制御装置3は複数の照明器具4を制御してもよい。以下、
図13を参照して、本実施形態の照明システム1の他例を説明する。
【0122】
図13は、本実施形態に係る照明システム1の他例を示すブロック図である。
図13に示す照明システム1は、照明制御装置3と、複数の照明器具4とを備える。
図13は、3つの照明器具4を例示している。
図13に示す照明システム1において、照明制御装置3は、ユーザーの操作に応じて複数の照明器具4を制御する。
【0123】
具体的には、照明制御装置3が電源スイッチである場合、ユーザーは、照明制御装置3(電源スイッチ)を操作して、複数の照明器具4の点灯及び消灯を切り替えることができる。また、ユーザーは、照明制御装置3(電源スイッチ)をプルレス操作して、複数の照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0124】
照明制御装置3が正位相調光方式又は逆位相調光方式の調光器である場合、ユーザーは、照明制御装置3(調光器)の電源スイッチを操作して、複数の照明器具4の点灯及び消灯を切り替えることができる。また、ユーザーは、照明制御装置3(調光器)の光量操作部を操作して、複数の照明器具4から発生する光の光量を変化させることができる。また、ユーザーは、照明制御装置3(調光器)の電源スイッチをプルレス操作して、複数の照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0125】
照明制御装置3が照明コントローラである場合、ユーザーは、照明制御装置3(照明コントローラ)の電源スイッチを操作して、複数の照明器具4の点灯及び消灯を切り替えることができる。また、ユーザーは、照明制御装置3(照明コントローラ)の光量操作部を操作して、複数の照明器具4から発生する光の光量を変化させることができる。また、ユーザーは、照明制御装置3(照明コントローラ)の光色操作部を操作して、複数の照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0126】
なお、電源スイッチがプルレス操作されると、複数の照明器具4のそれぞれの処理部831(
図3)が、プルレス操作が行われたか否かをそれぞれ判定する。具体的には、各処理部831(
図3)は、交流電圧101aの導通が遮断された後、所定期間内に交流電圧101aの導通が開始されるか否かを判定する。より詳しくは、各処理部831(
図3)は、交流電圧101aの導通が開始されるタイミングと、所定期間の終了タイミングとを比較して、プルレス操作が行われたか否か判定する。ここで、交流電圧101aの導通が開始されるタイミングと、所定期間の終了タイミングとの差は、一定ではなく、ユーザーによる電源スイッチの操作タイミングに依存する。そのため、交流電圧101aの導通が開始される操作タイミングと、所定期間の終了タイミングとの差が小さい場合があり、そのような場合、各処理部831(
図3)の製造バラツキによっては、プルレス操作が行われたか否かの判定結果にバラツキが生じる可能性がある。したがって、ユーザーが電源スイッチをプルレス操作した際に、ある照明器具4の光色が変化する一方で、他の照明器具4の光色が変化しない可能性がある。換言すると、複数の照明器具4の間で光色のずれが発生する可能性がある。光色のずれが発生すると、それ以降のプルレス操作により、光色がずれた状態のまま、複数の照明器具4の光色が順次切り替わる可能性がある。
【0127】
これに対し、第4制御方式(データ制御方式)では、複数の照明器具4の光色を制御する際に、照明制御装置3(照明コントローラ)から複数の照明器具4の各々に対し、ある光色を指定する前欠け111のパターン(データ列)を含む交流電圧101aが送信され、複数の照明器具4のそれぞれの処理部831(
図3)が、前欠け111のパターン(データ列)に基づいて、光源部6の光色を指定された光色に制御する。より具体的には、各処理部831(
図3)は、制御信号設定区間において、各半波102が前欠けを含むか否かを判定することによって前欠け111のパターン(データ列)を解析して、光色を制御する。ここで、半波102が前欠けを含むか否かを判定する処理は、電源スイッチに対してプルレス操作が行われたか否かを判定する処理と異なり、ユーザーによる操作のタイミングの影響を受けない。したがって、第4制御方式(データ制御方式)では、複数の照明器具4間で光色のずれが発生しない。
【0128】
[実施形態2]
続いて
図3、
図14(a)、
図14(b)、
図15、及び
図16を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、第2データ制御方式を判別できる点が実施形態1と異なる。第2データ制御方式は、4線式又は3線式の照明コントローラに採用される。したがって、本実施形態の照明制御装置3は、電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、逆位相調光方式の調光器、2線式の照明コントローラ、あるいは、4線式又は3線式の照明コントローラのうちのいずれかである。
【0129】
第2データ制御方式は、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の一部を切り欠く制御方式である。つまり、第2データ制御方式では、第1データ制御方式と異なり、各半波は後ろ欠け112を含まず、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波が、前欠け111のみを含む。なお、第2データ制御方式では、第1データ制御方式と同様に、ユーザーは、前欠け111を含む半波の導通開始位相を制御できない。第2データ制御方式は、特開2015-211014号公報(上記の特許文献2)に記載されている。
【0130】
まず
図14(a)及び
図14(b)を参照して、4線式又は3線式の照明コントローラから出力される交流電圧の波形について説明する。
図14(a)は、交流電源2から照明制御装置3へ供給される交流電圧101を示す図である。
図14(b)は、4線式又は3線式の照明コントローラから照明器具4へ供給される交流電圧101aを示す図である。詳しくは、
図14(b)は、照明コントローラの電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移した直後の交流電圧101aの波形を示す。
【0131】
図14(b)に示すように、4線式又は3線式の照明コントローラは、電源スイッチがオフの状態からオンの状態に遷移すると、まず、正弦波状の半波102を出力する。そして、所定の周期以後に、前欠け111を含む半波102を出力する。即ち、所定の周期後に、制御信号設定区間が開始される。第2データ制御方式では、前欠け111を含む半波102の導通開始位相111aは一定であり、半波102の前側に位置する。
【0132】
続いて
図3を参照して、実施形態2に係る制御信号生成部8について説明する。実施形態2に係る制御信号生成部8は、交流電圧101aの波形に基づいて、交流電圧101aの制御方式が正位相調光方式、逆位相調光方式、第1データ制御方式、及び第2データ制御方式のうちのいずれであるかを判定する。
【0133】
実施形態2に係る制御信号生成部8は、交流電圧101aの制御方式が第2データ制御方式であると判定した場合、電力供給部7の制御方式を第5制御方式に決定し、第5制御方式に基づいて制御信号を生成する。第5制御方式はデータ制御方式である。制御信号生成部8は、第4制御方式と同様に、前欠け111のパターンに基づいて、光源部6の光量及び光色を制御する制御信号を生成する。すなわち、制御信号生成部8は、制御信号設定区間において交流電圧101aの波形が示すデータ列に基づいて、光源部6の光量及び光色を制御する。
【0134】
続いて、
図3及び
図15を参照して、実施形態2に係る制御信号生成部8が実行する処理について説明する。
図15は、実施形態2に係る制御信号生成部8が実行する処理を示すフローチャートである。
図15に示す処理は、ステップS21~ステップS23の処理を含む点で、
図4に示す処理と異なる。
【0135】
図2(b)及び
図14(b)を参照して説明したように、交流電圧101aの出力が開始された直後は、照明制御装置3が電源スイッチであるか、あるいは4線式又は3線式の照明コントローラである場合に、正弦波状の半波102が出力される。制御信号生成部8は、交流電圧101aが正弦波状の半波102を含むと判定した場合(ステップS2のYes)、交流電圧101aの出力が開始されてから所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS21)。制御信号生成部8は、所定期間が経過していないと判定すると(ステップS21のNo)、再度、所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS21)。制御信号生成部8は、所定期間が経過するまで、ステップS21の処理を繰り返す。
【0136】
制御信号生成部8は、所定期間が経過したと判定すると(ステップS21のYes)、半波102が前欠け111を含むか否かを判定する(ステップS22)。
図2(b)を参照して説明したように、照明制御装置3が電源スイッチである場合、交流電圧101aの各半波102は前欠け111を含まない。一方、
図14(b)を参照して説明したように、照明制御装置3が4線式又は3線式の照明コントローラである場合、照明制御装置3から照明器具4へ交流電圧101aの供給が開始されてから所定の周期以後に、前欠け111を含む半波102が出力される。
【0137】
制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含むと判定した場合(ステップS22のYes)、交流電圧101aの制御方式が第2データ制御方式であると判定し、電力供給部7の制御方式を第5制御方式(データ制御方式)に設定する(ステップS23)。一方、制御信号生成部8は、半波102が前欠け111を含まないと判定した場合(ステップS22のNo)、電力供給部7の制御方式を第1制御方式に設定する(ステップS3)。
【0138】
続いて
図3、
図16(a)及び
図16(b)を参照して、交流電圧101aの制御方式を判定する処理について説明する。
図16(a)は整流回路71の出力の一例を示す図であり、
図16(b)は比較回路81の出力の一例を示す図である。詳しくは、
図16(a)は、照明制御装置3が4線式又は3線式の照明コントローラである場合に整流回路71から出力される電圧121の波形の一例を示す。
図16(b)は、
図16(a)に示す電圧121を閾値と比較することによって比較回路81から出力されるパルス信号131を示す。
【0139】
図16(a)及び
図16(b)に示すように、電圧121の波形は、正弦波状の半波102aと、前欠け111を含む半波102aとからなる。具体的には、正弦波状の半波102aに応じて、パルス幅T0を有するパルス132が生成される。また、前欠け111を含む半波102aに応じて、パルス幅T6を有するパルス132が生成される。処理部831は、パルス幅T0を有するパルス132が入力された後に、パルス幅T6を有するパルス132が入力されると、交流電圧101aの制御方式が第2データ制御方式であると判定する。
【0140】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、正位相調光方式、逆位相調光方式、及び第1データ制御方式に加えて、第2データ制御方式を判別することができる。したがって、照明制御装置3が、電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、逆位相調光方式の調光器、2線式の照明コントローラ、及び4線式又は3線式の照明コントローラのうちのいずれであっても、照明制御装置3により照明器具4を制御することができる。
【0141】
なお、第4制御方式と同様に、第5制御方式(データ制御方式)では、処理部831(
図3)は前欠け111のパターンに基づいて光色を制御する。したがって、照明制御装置3が4線式又は3線式の照明コントローラである場合、複数の照明器具4を制御する照明システム1において、複数の照明器具4間で光色のずれは発生しない。
【0142】
[実施形態3]
続いて
図3、
図17及び
図18を参照して本発明の実施形態3を説明する。但し、実施形態1、2と異なる事項を説明し、実施形態1、2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、照明制御装置3の構成が実施形態1、2と異なる。
【0143】
まず
図17を参照して、本実施形態の照明システム1を説明する。
図17は、本実施形態に係る照明システム1を示すブロック図である。
図17に示すように、本実施形態の照明システム1は、照明制御装置3と、複数の照明器具4とを備える。
図17は、3つの照明器具4を例示している。本実施形態の照明システム1において、照明制御装置3は、ユーザーの操作に応じて複数の照明器具4を制御する。
【0144】
続いて
図17を参照して、本実施形態の照明制御装置3を説明する。本実施形態の照明制御装置3は、4線式又は3線式の照明コントローラである。以下、本実施形態の照明制御装置3を、「照明コントローラ3A」と記載する場合がある。
図17に示すように、照明コントローラ3Aは、スイッチ部31、駆動部32、入力部33、表示部34、及び制御部35を備える。
【0145】
スイッチ部31は、制御信号設定区間における交流電圧101aの波形が、設定された前欠け111のパターンを含む波形となるように、交流電圧101の導通を制御する。駆動部32は、スイッチ部31を駆動する駆動信号を生成する。制御部35は、駆動部32を介して、スイッチ部31の動作を制御する。
【0146】
スイッチ部31に含まれるスイッチ素子は、例えば、半導体スイッチである。より具体的には、交流電源2が商用電源である場合、スイッチ素子は双方向サイリスタ(所謂トライアック)であり得る。スイッチ素子が双方向サイリスタである場合、駆動部32は、双方向サイリスタのゲートを駆動する駆動信号を生成する。詳しくは、駆動部32は、双方向サイリスタをターンオン及びターンオフさせるパルス状の駆動信号を発生する。なお、本実施形態において、交流電源2は商用電源である。
【0147】
入力部33は、ユーザーインターフェースであり、実施形態1において説明した光色操作部33a、光量操作部33b、及び電源スイッチ33cを備える。本実施形態において、入力部33は、プルレス操作スイッチ33dを更に備える。プルレス操作スイッチ33dは、プルレス操作を受け付ける。プルレス操作スイッチ33dは、例えば、片切スイッチのようなスイッチ、又は押しボタンであり得る。
【0148】
制御部35は、例えばCPU又はMPUのようなプロセッサを有する。制御部35は更に、例えばRAM及びROMのような半導体メモリーを有する。半導体メモリーは、プロセッサが実行する処理を規定するプログラムを記憶する。制御部35は、例えばマイクロコンピュータであり得る。
【0149】
制御部35は、ユーザーによる入力部33の操作に応じて、前欠け111のパターンを設定する。そして、制御部35は、制御信号設定区間において、交流電圧101aの波形が、設定された前欠け111のパターンを含む波形となるように、駆動部32を介してスイッチ部31の動作を制御する。前欠け111のパターンの設定は、例えば、制御部35の半導体メモリーにルックアップテーブルを記憶させておくことで実現してもよい。
【0150】
表示部34は、ユーザーによる入力部33の操作に応じて設定された光量及び光色の情報を表示する。したがって、ユーザーは、表示部34を見ながら、照明器具4の光量及び光色を調整することができる。
【0151】
本実施形態では交流電源2が商用電源であるため、照明コントローラ3Aはゼロクロス検出部36を備える。ゼロクロス検出部36は、交流電圧101のゼロクロス点103を検出する。制御部35は、ゼロクロス検出部36の検出結果に基づいてスイッチ部31の動作を制御する。詳しくは、制御部35は、ゼロクロス検出部36の検出結果に基づいて、駆動部32が駆動信号を生成するタイミングを制御する。換言すると、制御部35は、スイッチ部31に含まれるスイッチ素子がターンオン及びターンオフするタイミングを制御する。
【0152】
本実施形態において、制御部35は、複数の照明器具4に対して前欠け111のパターンを含む交流電圧101aを出力する際に、設定した前欠け111のパターンを記憶する。換言すると、制御部35は、光源部6(
図3)の現在の光色を示す情報と、光源部6(
図3)の現在の光量を示す情報とを記憶する。制御部35は、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されると、前回設定した前欠け111のパターンに基づいて、今回の前欠け111のパターンを決定する。具体的には、制御部35は、今回の前欠け111のパターンとして、第1光色パターン、第2光色パターン、及び第3光色パターンのいずれかを設定する。ここで、第1光色パターンに対応するデータ列(ビット列)は、光源部6(
図3)の光色を2700Kに設定する指示を示す。第2光色パターンに対応するデータ列(ビット列)は、光源部6(
図3)の光色を3500Kに設定する指示を示す。第3光色パターンに対応するデータ列(ビット列)は、光源部6(
図3)の光色を5000Kに設定する指示を示す。
【0153】
続いて
図3、
図17及び
図18を参照して、照明コントローラ3Aの制御部35が実行する処理を説明する。
図18は、本実施形態に係る照明制御装置3(照明コントローラ3A)の制御部35が実行する処理を示すフローチャートである。
図18に示す処理は、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されることで開始する。なお、制御部35は、照明器具4と同様にプルレス操作が行われた否かを判定する。
【0154】
図18に示すように、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されると、制御部35は、前回設定した前欠け111のパターンに基づいて、光源部6の現在の光色が5000Kであるか否かを判定する(ステップS31)。
【0155】
制御部35は、光源部6の現在の光色が5000Kであると判定すると(ステップS31のYes)、今回の前欠け111のパターンとして第1光色パターンを設定して(ステップS32)、
図18に示す処理を終了する。この結果、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されると、光源部6の光色が5000Kから2700Kに変化する。
【0156】
制御部35は、光源部6の現在の光色が5000Kでないと判定すると(ステップS31のNo)、光源部6の現在の光色よりも相関色温度が高い光色に、3500K及び5000Kの両方が含まれるか否かを判定する(ステップS33)。
【0157】
制御部35は、光源部6の現在の光色よりも相関色温度が高い光色に、3500K及び5000Kの両方が含まれると判定すると(ステップS33のYes)、今回の前欠け111のパターンとして第2光色パターンを設定して(ステップS34)、
図18に示す処理を終了する。この結果、光源部6の光色が3500Kに変化する。したがって、光源部6の現在の光色が2700Kである場合、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されると、光源部6の光色が2700Kから3500Kに変化する。
【0158】
制御部35は、光源部6の現在の光色よりも相関色温度が高い光色に、3500K及び5000Kの両方が含まれないと判定すると(ステップS33のNo)、今回の前欠け111のパターンとして第3光色パターンを設定して(ステップS35)、
図18に示す処理を終了する。この結果、光源部6の光色が5000Kに変化する。したがって、光源部6の現在の光色が3500Kである場合、プルレス操作スイッチ33dがプルレス操作されると、光源部6の光色が3500Kから5000Kに変化する。
【0159】
以上、実施形態3について説明した。本実施形態によれば、ユーザーが照明コントローラ3Aのプルレス操作スイッチ33dを連続してプルレス操作すると、処理部831が、前欠け111のパターンに基づいて、光源部6の光色を2700K、3500K及び5000Kの順に順次切り替える。したがって、ユーザーは、照明制御装置3が電源スイッチ、正位相調光方式の調光器、及び逆位相調光方式の調光器である場合と同様に、照明コントローラ3Aをプルレス操作して、照明器具4から発生する光の光色を変化させることができる。
【0160】
また、本実施形態によれば、処理部831は前欠け111のパターンに基づいて光色を制御する。具体的には、処理部831は、プルレス操作スイッチ33dに対するプルレス操作に応じて光色を制御する際にも、前欠け111のパターンに基づいて光色を制御する。したがって、複数の照明器具4を制御する照明システム1において、ユーザーが照明コントローラ3Aのプルレス操作スイッチ33dをプルレス操作しても、電源スイッチに対するプルレス操作と異なり、複数の照明器具4間で光色のずれは発生しない。
【0161】
なお、本実施形態において、制御部35は、前欠け111のパターンを第2光色パターン及び第3光色パターンのいずれかに決定する際に、光源部6の現在の光色よりも相関色温度が高い光色に、3500K及び5000Kの両方が含まれるか否かを判定したが(ステップS33)、前欠け111のパターンを第2光色パターン及び第3光色パターンのいずれかに決定する処理は、そのような処理に限定されない。例えば、制御部35は、光源部6の現在の光色よりも相関色温度が高い光色に、3500K及び5000Kのうち、5000Kのみが含まれるか否かを判定してもよい。
【0162】
また、本実施形態において、照明制御装置3は、4線式又は3線式の照明コントローラであったが、照明制御装置3は、2線式の照明コントローラであってもよい。
【0163】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0164】
例えば、本発明による実施形態では、判定用パルス信号201は、交流電圧101のゼロクロス点の直前に立ち下り、そのゼロクロス点の直後に立ち上がったが、処理部831は、交流電圧101のゼロクロス点の直前に立ち上がり、そのゼロクロス点の直後に立ち下がる判定用パルス信号を生成してもよい。
【0165】
また、本発明による実施形態では、第1光源6aから2700Kの光が発生し、第2光源6bから5000Kの光が発生する構成を説明したが、第1光源6aから発生する光の光色、及び第2光源6bから発生する光の光色は、互いに異なる光色である限り、特に限定されない。
【0166】
また、本発明による実施形態では、プルレス操作に応じて光源部6の光色が2700K、3500K、5000Kの順に変化する構成を説明したが、プルレス操作に応じて変化する光源部6の光色は、特に限定されない。
【0167】
また、本発明による実施形態では、プルレス操作に応じて光源部6の光色が3段階で変化する構成を説明したが、光源部6の光色は、プルレス操作に応じて2段階で変化してもよいし、4段階以上で変化してもよい。
【0168】
また、本発明による実施形態では、照明器具4が、互いに光色が異なる2種類の光源を備える構成を説明したが、照明器具4は、互いに光色が異なる3種類以上の光源を備えてもよい。あるいは、照明器具4は、1種類の光源を備えてもよい。
【0169】
また、本発明による実施形態では、交流電源2として商用電源を例示したが、交流電源2は商用電源に限定されるものではなく、自家発電機等であってもよい。
【0170】
また、本発明による実施形態では、比較回路81は、整流回路71の出力(電圧121)が閾値以上である際にHレベルとなるパルス信号131を生成したが、整流回路71の出力が閾値未満である際にHレベルとなるパルス信号が生成されてもよい。
【0171】
本願は、更に以下の付記を開示する。なお、以下の付記は、本発明を限定するものではない。
【0172】
[付記1]
照明器具を制御する照明制御装置であって、
交流電圧の波形の一部を変化させるように、前記交流電圧の導通を制御するスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御する制御部と、
プルレス操作を受け付ける入力部と
を備え、
前記プルレス操作は、前記交流電圧の導通が遮断された後、所定期間内に前記交流電圧の導通が開始される操作を示し、
前記制御部は、前記入力部が前記プルレス操作を受け付けると、前記プルレス操作に対応する切り欠きのパターンを前記交流電圧の波形が含むように前記スイッチ部を制御する、照明制御装置。
【0173】
[付記2]
前記スイッチ部は、制御信号設定区間において、前記交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切欠く、付記1に記載の照明制御装置。
【0174】
[付記3]
前記スイッチ部は、前記交流電圧の半波の後側の一部を切欠くとともに、制御信号設定区間において、前記少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切欠く、付記1に記載の照明制御装置。
【0175】
[付記4]
前記プルレス操作に対応する切り欠きのパターンは、前記照明器具から発生する光の光色を、予め規定された複数の光色のうちのいずれかに変化させる指示を示す、付記1から付記3のいずれか1つに記載の照明制御装置。
【0176】
[付記5]
前記制御部は、前記照明器具から現在発生している光の光色に基づいて、前記予め規定された複数の光色のうちの1つを決定する、付記4に記載の照明制御装置。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、照明器具に使用される電源回路又は電源装置、あるいは照明器具に有用である。
【符号の説明】
【0178】
4 照明器具
5 光源制御装置
6 光源部
6a 第1光源
6b 第2光源
7 電力供給部
8 制御信号生成部