(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】充電サービスシステム、および、充電サービス方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230725BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20230725BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20230725BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20230725BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G06Q50/10
B60L53/16
B60L53/65
B60L53/68
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
(21)【出願番号】P 2020034114
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2021-05-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】向後 宏亮
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】鹿野 博嗣
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-146162(JP,A)
【文献】特開2013-198230(JP,A)
【文献】特開2002-369315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
B60L50/00
H02J7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両用の充電装置の利用を希望する利用者が所有し、前記充電装置の充電開始命令を送信する利用者端末と、
前記充電開始命令を送信した前記利用者端末の認証を行う認証部と、
前記充電装置に接続され、前記認証部による認証が成功すると前記充電装置を制御して充電を開始させる充電制御装置と、を備えた充電サービスシステムであって、
前記利用者端末は、前記充電装置の充電終了命令を送信し、
前記充電制御装置は、前記利用者端末から前記充電終了命令が送信されると前記充電装置を制御して充電を終了し、
前記充電制御装置は、充電開始時
のみに充電開始情報を送信し、充電終了時
のみに充電終了情報を送信し、
前記充電制御装置から送信された前記充電開始情報および前記充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金するサーバをさらに備え、
前記サーバは、前記充電終了時
のみに送信された前記充電終了情報および前記充電開始時
のみに送信された前記充電開始情報に基づいて前記充電装置の空き情報を求め、前記充電装置の空き情報を前記利用者端末に提供する、
充電サービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電サービスシステムであって、
前記充電制御装置は、充電ケーブルが差し込まれるコンセントと、前記コンセントに差し込まれた前記充電ケーブルをロックするロック機構と、充電開始時に前記ロック機構を制御して前記充電ケーブルをロックし、充電終了時に前記充電ケーブルのロックを解除するロック制御部と、を有する、
充電サービスシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充電サービスシステムであって、
前記充電制御装置は、前記充電装置に着脱可能に設けられている、
充電サービスシステム。
【請求項4】
電動車両用の充電装置の利用を希望する利用者が所有する利用者端末が、前記充電装置の充電開始命令を送信するステップと、
認証部が、前記充電開始命令を送信した前記利用者端末の認証を行うステップと、
前記充電装置に接続された充電制御装置が、前記認証部による認証が成功すると前記充電装置を制御して充電を開始させるステップと、
前記充電制御装置が、充電開始時
のみに充電開始情報を送信するステップと、
前記利用者端末が充電終了命令を送信するステップと、
前記充電制御装置が、前記利用者端末から前記充電終了命令が送信されると前記充電装置を制御して充電を終了させるステップと、
前記充電制御装置が、充電終了時
のみに充電終了情報を送信するステップと、
サーバが、前記充電制御装置から送信された前記充電開始情報および前記充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金するステップと、
前記サーバが、前記充電終了時
のみに送信された前記充電終了情報および前記充電開始時
のみに送信された前記充電開始情報に基づいて前記充電装置の空き情報を求め、前記充電装置の空き情報を前記利用者端末に提供するステップと、を備えた、
充電サービス方法。
【請求項5】
請求項4に記載の充電サービス方法であって、
前記利用者端末が、前記充電開始命令を送信する前に、前記利用者が充電ケーブルを用いて前記充電装置と前記電動車両とを接続するステップとを備えた、
充電サービス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に搭載した電池を充電する充電装置を利用するための充電サービスシステム、充電制御装置、および、充電サービス方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
電池を搭載した電動車両としては、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動自転車、電動車椅子などがある。ところで、電動車両(特に電気自動車)の普及課題のひとつとして、充電スタンドが全国を網羅するように増えないと外出先で電池切れになったときに充電できないという不安がある。
【0003】
そこで、個人の住宅や会社に設置した充電装置を所有者が使用しない間、他者に使用許可する充電サービスが考えられている。しかしながら、このような充電サービスでは、充電装置を利用したい利用者が誤って利用許可されていない充電装置を使用してしまう恐れがあった。
【0004】
また、充電装置に設けられた操作部を操作して認証を行うものも考えられているが(特許文献1)、他者に使用許可する充電サービスには向いていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者が誤って利用許可されていない充電装置を使用してしまうことを抑制できる充電サービスシステム、および、充電サービス方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る充電サービスシステム、および、充電サービス方法は、下記[1]~[5]を特徴としている。
[1]
電動車両用の充電装置の利用を希望する利用者が所有し、前記充電装置の充電開始命令を送信する利用者端末と、
前記充電開始命令を送信した前記利用者端末の認証を行う認証部と、
前記充電装置に接続され、前記認証部による認証が成功すると前記充電装置を制御して充電を開始させる充電制御装置と、を備えた充電サービスシステムであって、
前記利用者端末は、前記充電装置の充電終了命令を送信し、
前記充電制御装置は、前記利用者端末から前記充電終了命令が送信されると前記充電装置を制御して充電を終了し、
前記充電制御装置は、充電開始時のみに充電開始情報を送信し、充電終了時のみに充電終了情報を送信し、
前記充電制御装置から送信された前記充電開始情報および前記充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金するサーバをさらに備え、
前記サーバは、前記充電終了時のみに送信された前記充電終了情報および前記充電開始時のみに送信された前記充電開始情報に基づいて前記充電装置の空き情報を求め、前記充電装置の空き情報を前記利用者端末に提供する、
充電サービスシステムであること。
[2]
[1]に記載の充電サービスシステムであって、
前記充電制御装置は、充電ケーブルが差し込まれるコンセントと、前記コンセントに差し込まれた前記充電ケーブルをロックするロック機構と、充電開始時に前記ロック機構を制御して前記充電ケーブルをロックし、充電終了時に前記充電ケーブルのロックを解除するロック制御部と、を有する、
充電サービスシステムであること。
[3]
[1]又は[2]に記載の充電サービスシステムであって、
前記充電制御装置は、前記充電装置に着脱可能に設けられている、
充電サービスシステムであること。
[4]
電動車両用の充電装置の利用を希望する利用者が所有する利用者端末が、前記充電装置の充電開始命令を送信するステップと、
認証部が、前記充電開始命令を送信した前記利用者端末の認証を行うステップと、
前記充電装置に接続された充電制御装置が、前記認証部による認証が成功すると前記充電装置を制御して充電を開始させるステップと、
前記充電制御装置が、充電開始時のみに充電開始情報を送信するステップと、
前記利用者端末が充電終了命令を送信するステップと、
前記充電制御装置が、前記利用者端末から前記充電終了命令が送信されると前記充電装置を制御して充電を終了させるステップと、
前記充電制御装置が、充電終了時のみに充電終了情報を送信するステップと、
サーバが、前記充電制御装置から送信された前記充電開始情報および前記充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金するステップと、
前記サーバが、前記充電終了時のみに送信された前記充電終了情報および前記充電開始時のみに送信された前記充電開始情報に基づいて前記充電装置の空き情報を求め、前記充電装置の空き情報を前記利用者端末に提供するステップと、を備えた、
充電サービス方法であること。
[5]
[4]に記載の充電サービス方法であって、
前記利用者端末が、前記充電開始命令を送信する前に、前記利用者が充電ケーブルを用いて前記充電装置と前記電動車両とを接続するステップとを備えた、
充電サービス方法であること。
【0008】
上記[1]、[4]および[5]の構成の充電サービスシステム、および、充電サービス方法によれば、充電制御装置は、利用者端末の認証が成功すると充電装置による充電を開始させるので、利用者が誤って利用許可されていない充電装置を使用してしまうことを抑制できる。
【0009】
また、利用者端末は、前記充電装置の充電終了命令を送信し、充電制御装置は、利用者端末から充電終了命令が送信されると充電装置を制御して充電を終了する。これにより、利用者が充電を終了したいタイミングで充電を終了することができる。また、サーバは、充電開始情報、充電終了情報に基づいて求めた充電時間に応じた料金を課金することができる。また、サーバが、充電開始情報、充電終了情報から充電装置の空き状況を把握することができる。
【0010】
上記[2]の構成の充電サービスシステムによれば、ロック制御部が、充電開始時にロック機構を制御して充電ケーブルをロックし、充電終了時に充電ケーブルのロックを解除する。これにより、利用者が充電中に充電装置から離れている間、充電ケーブルが盗難にあうのを抑制することができる。
【0013】
上記[3]の構成の充電サービスシステムによれば、充電制御装置が充電装置に着脱可能に設けられているので、充電装置に充電制御装置を装着するだけ容易に充電装置の認証機能を持たせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者が誤って利用許可されていない充電装置を使用してしまうことを抑制できる充電サービスシステム、充電制御装置、および、充電サービスを提供できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態の充電サービス方法を実施した充電サービスシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す充電制御装置の詳細を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す通信端末の詳細を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すサーバの詳細を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すサーバ、充電制御装置、通信端末の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図1に示すサーバ、充電制御装置、通信端末の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図1に示す通信端末に表示される登録画面の一例である。
【
図8】
図8は、
図1に示す通信端末に表示される登録画面の一例である。
【
図9】
図9は、
図1に示す通信端末に表示される検索画面、メニュー画面、検索結果画面の一例である。
【
図10】
図10は、
図1に示す通信端末に表示される検索画面、検索結果画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0018】
本実施形態の充電サービスシステム1は、個人の住宅や会社などに設置された充電装置を検索して、予約できるシステムである。本実施形態において、電動車両として電気自動車を例に説明するが、電動車両は電池を駆動源として走行する車両であればよく、ハイブリッド自動車、電動自転車、電動バイクなどであってもよい。
【0019】
充電サービスシステム1は、
図1に示すように、複数の充電装置2と、充電装置2に着脱自在に取り付けられた充電制御装置3と、これら充電装置2の利用を希望する利用者4が所有する通信端末5(利用者端末)と、通信端末5との通信により充電装置2の検索、予約などを実行するサーバ6と、を備えている。本実施形態において、通信端末5及びサーバ6は、インターネット通信網7を介して互いに通信可能に構成されている。また、通信端末5及び充電制御装置3は、回線使用料がかからない無線通信規格の一つである例えばBT(Bluetooth(登録商標))通信を用いて互いに無線通信可能に構成されている。
【0020】
充電装置2は、全国各地の戸建て住宅、店舗などに設置され、電動車両の充電用のコンセント(図示せず)を有している。通常、このコンセントに電動車両に接続された充電ケーブル9のプラグを差し込むことにより、電動車両の充電を行うことができる。
【0021】
充電制御装置3は、充電装置2のコンセントに差し込み可能(着脱可能)に設けられ、充電装置2の充電を制御する装置である。充電制御装置3は、
図2に示すように、プラグ31と、コンセント32と、スイッチ33と、第1通信部34と、電磁ロック機構35(ロック機構)と、マイクロコンピュータ(以下、μCOM)36と、これらを収容する筐体(図示せず)と、を有している。
【0022】
プラグ31は、充電装置2に設けられたコンセントに差し込み可能となっており、筐体の一面に設けられている。コンセント32は、プラグ31から供給された充電装置2の充電電力が出力される。コンセント32は、筐体のプラグ31が設けられている一面と相対する面に設けられている。スイッチ33は、プラグ31とコンセント32との間に設けられ、オンするとコンセント32から上記充電電力が出力され、オフするとコンセント32から出力される上記充電電力が遮断される。
【0023】
第1通信部34は、通信端末5とBT通信を行うための通信部である。電磁ロック機構35は、コンセント32に接続された充電ケーブル9を電磁ロックするものであり、ロック/ロック解除は後述するμCOM36によって制御される。μCOM36は、CPU、ROM、RAMから成る周知のマイクロコンピュータであり、充電制御装置3全体の制御を司る。μCOM36のROMには、予め充電制御装置3の認証キーが格納されている。μCOM36は、通信端末5から受信した認証キーとROMに格納された認証キーを用いて認証を行い、認証が成功するとスイッチ33をオンして充電を開始する。
【0024】
通信端末5は、例えばタブレットやスマートフォンなどから構成されている。通信端末5は、
図3に示すように、第1通信部51と、第2通信部52と、操作部53と、表示部54と、μCOM55と、を備えている。第1通信部51は、充電制御装置3とBT通信を行うための通信部である。第2通信部52は、インターネット通信網7に接続するための通信部である。操作部53は、充電サービスシステム1を利用するための各種操作が行われる。表示部54には、サーバ6から送信された情報が表示される。μCOM55は、通信端末5全体の制御を司る。
【0025】
本実施形態では、上記操作部53及び表示部54として、これら一体に形成したタッチパネルから構成されている例について説明する。上記通信端末5には、充電サービスシステム1を運営する運営会社が配信する充電サービスアプリがダウンロードされ、記憶される。μCOM55は、充電サービスアプリを立ち上げると、インターネット通信網7を介してサーバ6と通信を行い、充電装置2の予約が行えるようになる。また、μCOM55は、サーバ6から予約した充電装置2に取り付けられた充電制御装置3の認証キーを受信した後、BT通信を用いて充電制御装置3と通信を行い、充電制御装置3に認証キーを送信して予約した充電装置2を利用できるようにする。
【0026】
サーバ6は、
図4に示すように、第2通信部61と、DB62と、μCOM63と、を備えている。第2通信部61は、インターネット通信網7に接続するための通信部である。DB62には、配布した充電制御装置3に取り付けられた充電装置2の認証キー、充電制御装置3が取り付けられた充電装置2の登録情報(設置場所、利用条件、周辺情報など)や予約状況、利用者4の登録情報(名前、車種、連絡先、決済情報など)が記憶されている。μCOM63は、サーバ6全体の制御を司り、通信端末5からの入力に応じてDB62から充電装置2を検索し、その検索結果を通信端末5に送信する。μCOM63は、通信端末5からの入力に応じて充電装置2の予約を確定し、確定した充電装置2を使用できるようにするために充電装置2に取り付けられた充電制御装置3の認証キーを通信端末5に送信する。
【0027】
次に、上述した構成の充電サービスシステム1の動作について
図5及び
図6を参照して説明する。利用者4は、充電サービスシステム1を利用して、充電装置2を予約するために通信端末5を操作して充電サービスアプリを立ち上げる。
【0028】
これに応じて、通信端末5のμCOM55(以下、「通信端末5」と略記)は、充電サービスアプリを実行する。通信端末5は、充電サービスアプリを実行すると、利用者4が充電サービスアプリに登録済みであるか否かを判定する(S1)。登録済みであれば(S1でY)、通信端末5は直ちにS6に進む。登録済みでなければ(S1でN)、通信端末5は、
図7に示すような登録画面Sc1を表示部54に表示する(S2)。利用者4が、登録画面Sc1の「使用プラン選択へ」をタッチすると、通信端末5は
図8に示す使用プラン登録画面Sc2を表示する。
【0029】
利用者4が登録画面Sc1、使用プラン登録画面Sc2に登録情報(ユーザ名、車種、電話番号、E-mail、クレジットカード番号、有効期限、使用プラン)を入力すると(S3)、通信端末5は、登録情報をサーバ6に送信した後(S4)、S6に進む。サーバ6は、登録情報を受信してDB62に格納する(S5)。
【0030】
S6において、通信端末5は、
図9に示すような検索画面Sc3を表示部54に表示する。
図9に示す例では、目的地や、利用日、利用時間帯などの絞り込み条件を検索条件として入力する検索画面Sc3が表示される。また、検索画面Sc3の左下にメニュー画面Sc4が表示され、右下に検索結果画面Sc5が表示される。メニュー画面Sc4には、ユーザの登録画像、ユーザ名、使用プランが表示されると共に、登録情報変更画面、使用プラン変更画面、予約一覧画面、ヘルプ画面に切り替えるためのタッチボタンが表示される。検索画面Sc3には、検索条件が入力される前は周辺地図が表示されている。通信端末5は、利用者4が検索画面Sc3をスワイプすると、
図10に示すようにメニュー画面Sc4を消して検索画面Sc3を拡大する。
【0031】
利用者4が検索画面Sc3に検索条件を入力すると(S7)、通信端末5は、検索条件をサーバ6に送信する(S8)。サーバ6は、検索条件を受信すると(S9)、検索条件に合った充電装置2を、DB62内に登録された充電装置2から検索する(S10)。その後、サーバ6は、検索結果を通信端末5に送信する(S11)。通信端末5は、検索結果を受信すると(S12)、検索画面Sc3に検索結果を表示する。
【0032】
検索結果の表示例としては、
図9に示すように、地図上に検索された充電装置2のうち利用可能なものを示すアイコンI1と、利用不可なものを示すアイコンI2を表示することが考えられる。利用者4がアイコンI2をタッチすると、予約ができませんと表示される。利用者4がアイコンI1をタッチすると、充電装置2が設置されている場所の画像、住所、予約日時(利用日、利用時間帯)、駐車のしやすさ、料金、予約ボタンB1が表示される。
【0033】
利用者4が、予約したい利用可能な充電装置2のアイコンI1をタッチして、予約ボタンB1をタッチすると、通信端末5には、タッチしたアイコンI1に対応する充電装置2が予約したい充電装置2として入力される(S13)。充電装置2が入力されると(S13)、通信端末5は、予約したい充電装置2をサーバ6に送信する(S14)。
【0034】
サーバ6は、予約したい充電装置2を受信すると(S15)、検索条件に含まれている利用日、利用時間帯に受信した充電装置2の予約を確定して(S16)、各充電装置2の予約状況を更新する(即ち、予約が確定された充電装置2の利用時間帯を予約不可にする)。その後、サーバ6は、予約が確定された充電装置2の認証キーを通信端末5に送信する(S17)。通信端末5は、認証キーを受信すると(S18)、認証キーを保存する(S19)。
【0035】
その後、利用者4は、電動車両8で予約した利用日、利用時間帯に充電装置2の場所に行く。利用者4は、所有する充電ケーブル9の一端を充電制御装置3のコンセント32に差し込み、他端を電動車両8に設けられたコンセントに差し込む。即ち、充電ケーブル9を用いて充電装置2と電動車両8とを接続する。次に、利用者4は、通信端末5を操作して再び充電サービスアプリを立ち上げて、充電開始命令と、保存した認証キーと、をBT通信により充電制御装置3に送信する(S20)。充電制御装置3のμCOM36(以下、「充電制御装置3」と略記)は、通信端末5から充電開始命令、認証キーを受信すると(S21)、自身に格納された認証キーと比較して認証を行う(S22)。
【0036】
その後、充電制御装置3は、認証結果を通信端末5に送信し(ステップS23)、認証結果が失敗であれば(S24でN)、直ちに処理を終了し、認証結果が成功であれば(S24でY)、スイッチ33をオンして充電を開始すると共にロック制御部として機能し電磁ロック機構35を制御して充電ケーブル9をロックする(S25)。一方、通信端末5は、認証結果を受信し(S26)、認証結果が成功であれば(S27でY)、サーバ6に対して充電開始情報を送信する(S28)。充電制御装置3は、認証が成功すると充電を開始するので、上述した認証成功を示す認証結果は充電開始情報とも言える。即ち、本実施形態では、充電制御装置3から送信された充電開始情報が、通信端末5を経由してサーバ6に送信される。
【0037】
その後、利用者4は、電動車両8から離れて周辺で用事を済ませた後に戻ると、通信端末5の充電サービスアプリケーションを立ち上げ、充電終了操作を行う。これにより、通信端末5は、充電終了命令、認証キーを充電制御装置3に送信する(S29)。充電制御装置3は、通信端末5から充電終了命令、認証キーを受信すると(S30)、自身に格納された認証キーと比較して認証を行う(S31)。充電制御装置3は、認証が失敗すれば(S32でN)、S30に戻る。充電制御装置3は、認証が成功すれば(S32でY)、スイッチ33をオフして充電を停止すると共にロック制御部として機能し電磁ロック機構35を制御して充電ケーブル9のロックを解除する(S33)。その後、充電制御装置3は、通信端末5に対して充電終了情報を送信して(S34)、処理を終了する。
【0038】
通信端末5は、充電制御装置3からの充電終了情報を受信すると(S35)、サーバ6に対して充電終了情報を送信する(S36)。その後、通信端末5は、認証キーを破棄して(S37)、処理を終了する。
【0039】
サーバ6は、充電開始情報、充電終了情報を受信すると(S38、S39)、受信した充電開始情報および充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金する課金決算処理を行う(S40)。また、サーバ6は、充電開始情報および充電終了情報から充電装置2の空き情報を求めて、この空き情報に基づいて予約状況を更新した後(ステップS41)、処理を終了する。
【0040】
上述した実施形態によれば、充電制御装置3は、通信端末5の認証が成功すると充電装置2による充電を開始させるので、利用者4が誤って利用許可されていない充電装置2を使用してしまうことを抑制できる。
【0041】
また、上述した実施形態によれば、通信端末5は、充電装置2の充電終了命令を送信し、充電制御装置3は、通信端末5から充電終了命令が送信されると充電装置2を制御して充電を終了する。これにより、利用者が充電を終了したいタイミングで充電を終了することができる。
【0042】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3が、充電開始時に電磁ロック機構35を制御して充電ケーブル9をロックし、充電終了時に充電ケーブル9のロックを解除する。これにより、利用者が充電中に充電装置2から離れている間、充電ケーブル9が盗難にあうのを抑制することができる。
【0043】
また、上述した実施形態によれば、サーバ6は、充電開始情報、充電終了情報に基づいて求めた充電時間に応じた料金を課金することができる。また、上述した実施形態によれば、サーバ6の課金を停止するには、通信端末5を操作して充電終了命令を充電制御装置3に送信する必要がある。実運用では、利用者4が充電を終えた時点でいきなり充電ケーブル9を抜いて充電を終えてしまうことも想定される。このため、本実施形態では、充電終了命令が送信されるまで充電制御装置3が、電磁ロック機構35による電磁ロックを維持することにより、利用者4が充電ケーブル9を回収できないようにしている。これにより、利用者4が必ず通信端末5を操作して充電終了するように促して、サーバ6の課金を停止できるようになっている。
【0044】
また、上述した実施形態によれば、サーバ6が、充電開始情報、充電終了情報から充電装置2の空き状況を把握することができる。
【0045】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3が充電装置2に着脱可能に設けられているので、充電装置2に充電制御装置3を装着するだけ容易に充電装置2の認証機能を持たせることができる。
【0046】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3から送信された充電開始情報、充電終了情報は通信端末5を介してサーバ6に送信される。これにより、充電制御装置3は、回線使用料のかからないBT通信のみを行うことができればよく、回線使用料のかかるインターネット通信網7を介した通信を行う必要がない。このため、充電装置2の所有者にかかるコストを抑えることができ、より一層、充電装置2を提供しやすくなる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0048】
上述した実施形態によれば、充電制御装置3は、通信端末5とのみ直接通信可能であり、通信端末5を経由して充電開始情報、充電終了情報をサーバ6に送信していたが、これに限ったものではない。充電制御装置3とサーバ6とがインターネット通信網7を介して通信できるようにして、充電制御装置3が充電開始情報、充電終了情報を直接サーバ6に送信できるようにしてもよい。
【0049】
上述した実施形態によれば、充電制御装置3に認証を行わせていたが、これに限ったものではない。通信端末5やサーバ6で認証を行うようにしてもよい。例えば、通信端末5で認証を行う場合は、充電制御装置3が通信端末5に対して自身の認証キーを送信し、通信端末5が充電制御装置3から送信された認証キーと、事前にサーバ6から送信された認証キーと、を比較して認証を行うなどが考えられる。また、サーバ6で認証を行う場合は、例えば、充電制御装置3、通信端末5が各々サーバ6に対して自身の識別情報を送信し、サーバ6が予約状況に基づいて認証を行うなどが考えられる。
【0050】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3を充電装置2の所有者に配布していたが、これに限ったものではない。充電装置2を利用した利用者4に配布してもよい。
【0051】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3には電磁ロック機構35を設けていたが、これに限ったものではない。電磁ロック機構35は必須の構成ではなく、なくてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態によれば、サーバ6は、充電時間に基づいて料金を算出して、課金していたが、これに限ったものではない。サーバ6は、充電量に基づいて料金を算出して、課金するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態によれば、充電制御装置3は充電装置2に着脱可能に設けられ、充電装置2に後付けされていたが、これに限ったものではない。充電制御装置は、充電装置2内に予め組み込まれていてもよい。
【0054】
また、サーバ6の動作も上述した実施形態に限定されるものではなく、利用者4が充電装置2を予約した際、利用者4が充電装置2により充電を開始した際、利用者4が充電装置2により充電を終了した際、などにメールなどの媒体で自動的にその旨を配信するようにしてもよい。これにより、所有者も充電装置2の利用状況を逐次確認することができる。
【0055】
ここで、上述した本発明に係る充電サービスシステム、充電制御装置、充電サービス方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電動車両(8)用の充電装置(2)の利用を希望する利用者(4)が所有し、前記充電装置(2)の充電開始命令を送信する利用者端末(5)と、
前記充電開始命令を送信した前記利用者端末(5)の認証を行う認証部(36)と、
前記充電装置(2)に接続され、前記認証部(36)による認証が成功すると前記充電装置(2)を制御して充電を開始させる充電制御装置(3)と、を備えた、
充電サービスシステム(1)。
[2]
[1]に記載の充電サービスシステム(1)であって、
前記利用者端末(5)は、前記充電装置(2)の充電終了命令を送信し、
前記充電制御装置(3)は、前記利用者端末(5)から前記充電終了命令が送信されると前記充電装置(2)を制御して充電を終了する、
充電サービスシステム(1)。
[3]
[2]に記載の充電サービスシステム(1)であって、
前記充電制御装置(3)は、充電ケーブル(9)が差し込まれるコンセント(32)と、前記コンセント(32)に差し込まれた前記充電ケーブル(9)をロックするロック機構(35)と、充電開始時に前記ロック機構(35)を制御して前記充電ケーブル(9)をロックし、充電終了時に前記充電ケーブル(9)のロックを解除するロック制御部(36)と、を有する、
充電サービスシステム(1)。
[4]
[2]又は[3]に記載の充電サービスシステム(1)であって、
前記充電制御装置(3)は、充電開始時に充電開始情報を送信し、充電終了時に充電終了情報を送信し、
前記充電制御装置(3)から送信された前記充電開始情報および前記充電終了情報から求めた充電時間に応じた料金を算出して、課金するサーバ(6)をさらに備えた、
充電サービスシステム(1)。
[5]
[4]に記載の充電サービスシステム(1)であって、
前記サーバ(6)は、前記充電終了情報および前記充電開始情報に基づいて前記充電装置(2)の空き情報を求め、前記充電装置(2)の空き情報を前記利用者端末(5)に提供する、
充電サービスシステム(1)。
[6]
[1]~[5]何れか1項に記載の充電サービスシステム(1)であって、
前記充電制御装置(3)は、前記充電装置(2)に着脱可能に設けられている、
充電サービスシステム(1)。
[7]
電動車両(8)の充電装置(2)に設けられたコンセントに差し込み可能なプラグ(31)と、
前記プラグ(31)から供給された前記充電装置(2)の充電電力を出力するコンセント(32)と、
前記充電装置(2)の利用を希望する利用者(4)が所有する利用者端末(5)と無線通信を行い、前記利用者端末(5)の認証が成功すると、前記コンセント(32)から前記充電電力を出力する充電制御部(36)と、
を備えた充電制御装置(3)。
[8]
電動車両(8)用の充電装置(2)の利用を希望する利用者(4)が所有する利用者端末(5)が、前記充電装置(2)の充電開始命令を送信するステップと、
認証部(36)が、前記充電開始命令を送信した前記利用者端末(5)の認証を行うステップと、
前記充電装置(2)に接続された充電制御装置(3)が、前記認証部(36)による認証が成功すると前記充電装置(2)を制御して充電を開始させるステップと、を備えた、
充電サービス方法。
[9]
[8]に記載の充電サービス方法であって、
前記利用者端末(5)が、前記充電開始命令を送信する前に、前記利用者(4)が充電ケーブルを用いて前記充電装置(2)と前記電動車両(8)とを接続するステップとを備えた、
充電サービス方法。
[10]
充電装置(2)の所有者に、前記充電装置(2)に着脱可能であり、利用者(4)の認証が成功したときのみ前記充電装置(2)を制御して充電を開始させる充電制御装置(3)を配布するステップと、
前記充電装置(2)の利用を希望する利用者(4)が所有する利用者端末(5)が、前記充電装置(2)の充電開始命令を送信するステップと、
を備えた充電サービス方法。
【符号の説明】
【0056】
2 充電装置
3 充電制御装置
4 利用者
5 通信端末(利用者端末)
8 電動車両
9 充電ケーブル
31 プラグ
32 コンセント
35 電磁ロック機構(ロック機構)
36 μCOM(認証部、ロック制御部、充電制御部)