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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ユニット建物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20230725BHJP
   E04B 1/348 20060101ALI20230725BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20230725BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20230725BHJP
   E04B 1/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
E04H1/04 B
E04B1/348 V
E04B1/348 E
E04B1/348 Z
E04H1/12 B
E04B1/343 W
E04B1/00 501H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020039284
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021139213
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木和田 康聖
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-176571(JP,A)
【文献】特開2008-208650(JP,A)
【文献】特開平06-146418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/04
E04B 1/348
E04H 1/12
E04B 1/343
E04B 1/00
E04H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階で構成された建物本体において、上階に設けられると共に、建物外壁から張り出して片持ち構造とされ、居住空間又は非居住空間の一部を成す張出部と、
前記張出部の下方側に設けられ、前記張出部の下面と当該張出部の下方側の建物外壁とを含んで構成される下部空間と、
前記下部空間を含む建物外壁に設けられ、当該下部空間と屋内空間とを連通させる勝手口と、
前記下部空間に設けられ、当該下部空間内を遮蔽し上端部が前記張出部の下端部と重なる高さとなるように設定されたルーバーと、
を有するユニット建物。
【請求項2】
前記張出部は、建物北側又は建物西側に設けられている請求項1に記載のユニット建物。
【請求項3】
前記屋内空間は、キッチン又はサニタリーを含んでいる請求項1又は請求項2に記載のユニット建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユニット建物にガレージを形成する場合に、ガレージユニットの上階に積層された建物ユニットの隣に拡張ユニットが設置された技術が開示されている。この先行技術では、当該拡張ユニットが建物ユニットに対してオーバーハング(張り出す)されることによって、当該拡張ユニットの下方空間をガレージの一部とし、当該拡張ユニットがガレージの開口部の一部を構成している。
【0003】
これにより、先行技術では、ガレージを形成するのに必要なガレージユニットの数を低減しつつ、ガレージ内に車両を完全に収容することができ、車両を雨や埃等から保護することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-146418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術では、拡張ユニットの下方空間は、ガレージとして利用することを想定しているため、拡張ユニットはファサード面に設けられることとなり、設計の自由度が小さくなる。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、張出部が設けられた建物本体において設計の自由度を向上させることが可能となるユニット建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係るユニット建物は、複数階で構成された建物本体において、上階に設けられると共に、建物外壁から張り出して片持ち構造とされ、居住空間又は非居住空間の一部を成す張出部と、前記張出部の下方側に設けられ、前記張出部の下面と当該張出部の下方側の建物外壁とを含んで構成される下部空間と、前記下部空間を含む建物外壁に設けられ、当該下部空間と屋内空間とを連通させる勝手口と、を有している。
【0008】
第1の態様に係るユニット建物では、張出部と、下部空間と、勝手口と、を備えている。
【0009】
張出部は、複数階で構成された建物本体の上階に設けられると共に、建物外壁から張り出して片持ち構造とされており、居住空間又は非居住空間の一部を成している。このように、張出部が居住空間又は非居住空間の一部を成すことで、狭小住宅の場合において、何れにしても居住空間を増やすことができる。
【0010】
一方、下部空間は、張出部の下方側に設けられており、張出部の下面と当該張出部の下方側の建物外壁とを含んで構成されている。また、勝手口は、当該下部空間の一部を成す建物外壁に設けられており、当該下部空間と屋内空間とを連通可能としている。
【0011】
このように、ユニット建物の建物本体に設けられた張出部によって形成された下部空間の一部を成す建物外壁に勝手口を設けることによって、当該勝手口を介して、ユニット建物の屋内空間と当該下部空間とを繋げることが可能となる。
【0012】
例えば、当該張出部の下方側に設けられた下部空間と繋がる屋内空間がキッチンの場合、当該下部空間をゴミの仮置き場として利用してもよい。つまり、当該下部空間をガレージ以外に利用することが可能となる。当該張出部の下方側に設けられた下部空間をガレージとして利用する場合、当該下部空間は道路側に設ける必要があり、張出部は必然的にユニット建物のファサード面に設けられることとなる。
【0013】
しかしながら、本態様では、前述のように、当該下部空間をガレージ以外に利用することが可能となるため、張出部は必ずしもユニット建物のファサード面に設ける必要はなくなる。したがって、本態様では、張出部をユニット建物のファサード面に設けるという制約がなくなり、設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0014】
ここで、本態様において、「上階」は、建物本体の2階部分が好ましいが、「上階」には、建物本体の2階部分以外に、建物本体の1.5階部分等も含まれる。また、「非居住空間」として、例えば、洗面室、脱衣室、廊下、玄関、トイレ等が挙げられる。
【0015】
また、本態様における「下部空間」は、屋外空間に設けられているが、当該下部空間はユニット建物を構成する一部とされる。なお、本態様では、ユニット建物の敷地内において、建物本体の外側(屋外)に設けられた構造物(例えば、塀、柵、庭、物置等)についてもユニット建物に含まれる。
【0016】
第2の態様に係るユニット建物は、第1の態様に係るユニット建物において、前記張出部は、建物北側又は建物西側に設けられている。
【0017】
第2の態様に係るユニット建物では、張出部は、建物北側又は建物西側に設けられている。本態様では、張出部をユニット建物のファサード面に設けるという制約がないため、当該張出部を建物北側又は建物西側に設けることができる。
【0018】
第3の態様に係るユニット建物は、第1の態様又は第2の態様に係るユニット建物において、前記屋内空間は、キッチン又はサニタリーを含んでいる。
【0019】
第3の態様に係るユニット建物では、張出部によって形成された下部空間の下方側の建物外壁に設けられた勝手口を介して、下部空間と連通する屋内空間は、キッチン又はサニタリーを含んでいる。
【0020】
ここで、例えば、屋内空間がキッチンの場合、当該下部空間をゴミの仮置き場として利用してもよい。また、屋内空間がサニタリー、例えば、洗濯機が設置された脱衣場の場合、当該下部空間を洗濯物の干し場として利用してもよい。すなわち、本態様では、家事動線を短くすることが可能となり、これにより、家事効率を向上させることが可能となる。
【0021】
第4の態様に係るユニット建物は、第1の態様~第3の態様の何れか1の態様に係るユニット建物において、前記下部空間には、前記建物本体の敷地外から当該下部空間内を遮蔽する遮蔽部がさらに設けられている。
【0022】
第4の態様に係るユニット建物では、張出部によって形成された下部空間に遮蔽部が設けられており、当該遮蔽部によって建物本体の敷地外から当該下部空間内を遮蔽可能としている。
【0023】
第5の態様に係るユニット建物は、第4の態様に係るユニット建物において、前記遮蔽部は、高さ方向の上端部が前記張出部に到達する高さとなるように設定されている。
【0024】
第5の態様に係るユニット建物では、遮蔽部は、高さ方向の上端部が張出部に到達する高さとなるように設定されており、張出部によって形成された下部空間が高さ方向の全域に亘って遮蔽されている。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本態様に係るユニット建物は、張出部が設けられた建物本体において設計の自由度を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施の形態に係るユニット建物の側面図である。
図2図1に示すユニット建物の1階部分を部分的に示す平面図である。
図3】変形例1としてのユニット建物の要部を示す正面図である。
図4図3に示すユニット建物の1階部分を部分的に示す平面図である。
図5】(A)は、変形例2としてのユニット建物の要部を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示すユニット建物の1階部分を部分的に示す平面図である。
図6】(A)は、変形例3としてのユニット建物の要部を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示すユニット建物の1階部分を部分的に示す平面図である。
図7】(A)は、衝立を示す斜視図であり、(B)は、棚を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係るユニット建物について説明する。
<ユニット建物の構成>
まず、本実施の形態に係るユニット建物の構成について説明する。
【0028】
図1には、本実施の形態に係るユニット建物10の側面図が示されている。図1に示されるように、ユニット建物(建物本体)10は、鉄骨によって枠組みされた鉄骨ラーメン構造の躯体で構成された複数の建物ユニット12が縦横に配列して形成された2階建てとされており、下階部分(以下、「1階部分」という)14と、上階部分(以下、「2階部分」という)16と、を含んで構成されている。
【0029】
当該ユニット建物10の1階部分14は、図示しない基礎の上に当該1階部分14を構成する建物ユニット12Aが組み付けられており、ユニット建物10の2階部分16は、当該建物ユニット12Aの上方側に当該2階部分16を構成する建物ユニット12Bが組み付けられている。
【0030】
なお、本実施形態のユニット建物10は、説明を分かりやすくするために1階部分14及び2階部分16に単一の建物ユニット12A、12Bが組み付けられているが、建物ユニットの個数は適宜変更可能とされる。
【0031】
また、建物ユニット12A、12Bは、図示はしないが、四隅に立設された鉄製の4本の柱と、当該柱の上端部に結合された矩形枠状の鉄製の天井フレームと、当該柱の下端部に結合された矩形枠状の鉄製の床フレームと、によって構成されている。
【0032】
当該天井フレームは、互いに対向して配置された長辺側の一対の天井大梁及び短辺側の一対の天井大梁を含んで構成されており、長辺側の一対の天井大梁間には、所定間隔で架け渡された複数の天井小梁が設けられている。
【0033】
また、床フレームは、天井フレームと同様に、互いに対向して配置された長辺側の一対の床大梁及び短辺側の一対の床大梁を含んで構成されており、長辺側の一対の床大梁間には、所定間隔で架け渡された複数の床小梁が設けられている。
【0034】
ここで、本実施形態では、ユニット建物10の2階部分16には、例えば、ユニット建物10の建物北側又は建物西側に張出部18が設けられている。
【0035】
当該張出部18は、片持ち構造とされており、ユニット建物10の1階部分14の外壁部(建物外壁)20の外壁面20Aから屋外22側へ張り出した状態で、2階部分16の建物ユニット12Bに連結されている。
【0036】
また、張出部18は、ユニット建物10の2階部分16を構成する建物ユニット12Bで形成される居住空間24と繋がる居住空間26を形成している。つまり、本実施形態では、張出部18は、居住空間24の一部を成すこととなる。なお、当該張出部18が非居住空間の一部を成してもよいのは勿論のことである。この場合、非居住空間として、例えば、洗面室、トイレ等が挙げられる。
【0037】
また、前述のように、張出部18は、ユニット建物10の2階部分16に設けられている。このため、張出部18の下方側には、当該張出部18の下面18Aと、ユニット建物10の1階部分14を構成する建物ユニット12Aの外壁部20の外壁面20Aと、を含んで構成される下部空間28が設けられている。
【0038】
なお、本実施形態では、張出部18は、ユニット建物10の2階部分16に設けられているが、当該張出部18の下方側に下部空間28を設けることができればよいため、これに限るものではない。例えば、図示はしないが、ユニット建物10の1、5階部分等に張出部18が設けられてもよい。
【0039】
一方、図2には、ユニット建物10の1階部分14を部分的に示す平面図が示されている。図2に示されるように、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28の一部を成す外壁部20に勝手口30が設けられており、勝手口30を介して、当該下部空間28とユニット建物10の屋内空間32とが連通可能とされる。
【0040】
ここで、屋内空間32として、本実施形態では、例えば、キッチン34が設けられている。このため、張出部18の下方側に設けられた下部空間28を仮ゴミ置き場としてもよい。なお、本実施形態では、当該下部空間28に面してキッチン34の隣には浴室35が設けられている。
【0041】
また、図1に示されるように、張出部18の下方側に設けられた下部空間28には、ユニット建物10の敷地内において、例えば、略鉛直方向に沿って延設された複数の羽根板36が水平方向に沿って所定のピッチで複数配列されることで構成されたルーバー(遮蔽部)38が設けられている。
【0042】
当該ルーバー38は、高さ方向の上端部38Aが張出部18に到達する高さとなるように設定されている。つまり、張出部18によって形成された下部空間28が、当該ルーバー38によって高さ方向の全域に亘って遮蔽されている。
【0043】
なお、遮蔽部として、ルーバー38以外に、塀や柵等が設けられてもよい。また、ルーバー38は、ユニット建物10の屋外22側に設けられているが、本実施形態では、ユニット建物10の一部を成すものとする。
【0044】
<ユニット建物の作用及び効果>
次に、本実施の形態に係るユニット建物の作用及び効果について説明する。
【0045】
図1に示されるように、本実施形態では、ユニット建物10の2階部分16に張出部18が設けられており、当該ユニット建物10の2階部分16を構成する建物ユニット12Bの居住空間24と繋がる居住空間26を形成している。このように、張出部18が居住空間24の一部(居住空間26)を成すことで、狭小住宅の場合において、居住空間を増やすことができる。
【0046】
また、本実施形態では、張出部18の下方側には当該張出部18とユニット建物10の1階部分14の外壁部20とを含んで構成される下部空間28が設けられている。また、図1図2に示されるように、ユニット建物10の1階部分14の外壁部20には、勝手口30が設けられ、当該勝手口30を介して、下部空間28とユニット建物10の屋内空間32とが連通可能とされる。
【0047】
このように、ユニット建物10に設けられた張出部18によって形成された下部空間28の一部を成す外壁部20に勝手口30を設けることによって、当該勝手口30を介して、ユニット建物10の屋内空間32と当該下部空間28とを繋げることが可能となる。
【0048】
そして、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28と繋がる屋内空間32がキッチン34である。このため、当該下部空間28をゴミの仮置き場として利用している。
【0049】
このように、勝手口30を介して、キッチン34と仮ゴミ置き場を繋げることによって、本実施形態では、家事動線を短くすることが可能となり、これにより、家事効率を向上させることが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28を仮ゴミ置き場として利用しているが、これ以外にも、炭火調理が可能な空間として利用することもできる。勿論、当該下部空間28をタイヤ等の季節物や普段使用しない脚立等を収納する収納スペースとして利用してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28と繋がる屋内空間32がキッチン34であるため、当該下部空間28をゴミの仮置き場としたが、これに限るものではない。
【0052】
例えば、図示はしないが、当該下部空間28と繋がる屋内空間32が脱衣場であってもよい。脱衣場には洗濯機が設置されているため、当該下部空間28を洗濯物の干し場として利用してもよい。この場合においても、当該屋内空間32がキッチン34である場合と同様に、家事動線を短くすることが可能となり、家事効率を向上させることが可能となる。
【0053】
ところで、本実施形態では、以上のように、張出部18の下方側に設けられた下部空間28をガレージ以外に利用することが可能となる。当該下部空間28をガレージとして利用する場合、当該下部空間28は道路側に設ける必要があり、張出部18は必然的にユニット建物10のファサード面に設けられることとなる。
【0054】
しかしながら、本実施形態では、前述のように、当該下部空間28をガレージ以外に利用することが可能となるため、張出部18は必ずしもユニット建物10のファサード面に設ける必要はなくなる。
【0055】
したがって、本実施形態では、張出部18をユニット建物10のファサード面に設けるという制約がなくなり、当該張出部18を建物北側又は建物西側に設けることができる。つまり、本実施形態では、結果的に、設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28に面してキッチン34の隣には浴室35が設けられている。一方、当該下部空間28には、ユニット建物10の敷地内においてルーバー38が設けられており、当該ルーバー38は、高さ方向の上端部38Aが張出部18に到達する高さとなるように設定され、当該下部空間28は、ルーバー38によって高さ方向の全域に亘って遮蔽されている。
【0057】
つまり、本実施形態では、当該ルーバー38によって当該下部空間28内は遮蔽され、ユニット建物10の敷地外から勝手口30、浴室35等が見えないようになっている。
【0058】
ところで、遮蔽部として、ルーバー38が用いられることによって、図3に示されるように、隣り合う羽根板36間には隙間Sが設けられる。このため、遮蔽部が塀の場合と比較して、ルーバー38では、当該隙間Sを通じて採光可能とされ、下部空間28内を明るくすることも可能となる。
【0059】
<本実施形態の補足事項>
以下、本実施形態の補足事項として、本実施形態に係るユニット建物10の変形例を説明する。
【0060】
(変形例1)
図1図2に示すユニット建物10の変形例1として、図3には、ユニット建物(建物本体)40の要部を示す正面図が示されている。また、図4には、当該ユニット建物40の1階部分42を部分的に示す平面図が示されている。本実施形態と略同じ内容については、同じ符号を用い、ここでの説明は割愛する。
【0061】
図3図4に示されるように、本実施形態では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28において、玄関44が設けられてもよい。この場合、ユニット建物40では、いわゆる北入り玄関とされてもよい。
【0062】
この場合、張出部18はユニット建物40のファサード面に設けることとなるが、張出部18の下方側に設けられた下部空間28は、ルーバー38によって遮蔽されているため、ユニット建物40の美観を損なうことはない。
【0063】
(変形例2)
図1図2に示すユニット建物10の変形例2として、図5(A)には、ユニット建物(建物本体)46の要部を示す斜視図が示されており、図5(B)には、ユニット建物46の1階部分47を部分的に示す平面図が示されている。
【0064】
図5(A)、(B)に示されるように、ユニット建物46では、張出部18が入隅部48に設けられている。ここで、隣の敷地に設けられた塀などにより、張出部18の下方側に設けられた下部空間28がユニット建物46の敷地外から見えない場合、必ずしも遮蔽部を設ける必要はない。なお、ユニット建物46の下部空間28とユニット建物46の正面側とは、矢印で示されるように、出隅部49を回って往来可能となっている。
【0065】
(変形例3)
図1図2に示すユニット建物10の変形例3として、図6(A)には、ユニット建物(建物本体)50の要部を示す斜視図が示されており、図6(B)には、ユニット建物50の1階部分51を部分的に示す平面図が示されている。
【0066】
図6(A)、(B)に示されるように、ユニット建物50では、張出部18の下方側に設けられた下部空間28において衝立(遮蔽部)52が設けられてもよい。本実施形態では、衝立52によって、当該下部空間28を2つの空間(例えば、ゴミの仮置き場54、箱庭56)に区画する。
【0067】
このように、衝立52を設けることによって、例えば、下部空間28に沿って設けられた浴室35からはゴミの仮置き場54側は遮蔽される。このため、当該下部空間28において浴室35の前方側に箱庭56を設けることで、入浴時にリラックス効果を得ることが可能となる。
【0068】
ここで、図7(A)に示されるように、例えば、箱庭56が衝立52によって区画されている場合、当該衝立52には、箱庭56に対して出入り可能な扉58が設けられてもよい。
【0069】
また、衝立52に代えて、図7(B)に示されるように、棚部(遮蔽部)60が設けられてもよい。本実施形態では、当該棚部60によって、張出部18の下方側に設けられた下部空間28を2つに区画すると共に、棚部60内に物を収納することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、当該棚部60は、例えば、高さ方向に沿って3分割されると共に、水平方向に沿って2分割されており、棚部60には、6つの収納部62が設けられているが、分割方法はこれに限るものではなく、収納部62の数も6つに限るものではない。また、各収納部62には、それぞれ開閉蓋64が設けられているが、開閉蓋64は必ずしも必要ではない。
【0071】
以上のように、ここでは、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
10 ユニット建物(建物本体)
12 建物ユニット(建物本体)
16 2階部分(上階)
18 張出部
18A 下面(張出部の下面)
20 外壁部(建物外壁)
24 居住空間
26 居住空間
28 下部空間
30 勝手口
32 屋内空間
34 キッチン(屋内空間)
38 ルーバー(遮蔽部)
38A 上端部(遮蔽部の高さ方向の上端部)
40 ユニット建物(建物本体)
46 ユニット建物(建物本体)
50 ユニット建物(建物本体)
52 衝立(遮蔽部)
60 棚部(遮蔽部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7