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特許7319225コンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】コンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20230725BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230725BHJP
【FI】
G06Q30/0283
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020105874
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022000735
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】舛田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】小川 知紘
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】河原 鷹志
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 雄規
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-288553(JP,A)
【文献】特開2004-280620(JP,A)
【文献】特開2015-130045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからコンテンツの提供要求を受け付けることで、前記コンテンツを前記ユーザが所有するユーザ端末に送信するコンテンツ提供部であって、前記コンテンツとして、当該コンテンツの開始点から終了点までが連続し、前記ユーザ端末において、前記開始点から前記終了点までが順に出力され、前記開始点から前記終了点までの間にピーク点を有するコンテンツを送信するコンテンツ提供部と、
前記ユーザの前記コンテンツに対する満足度を検出する満足度検出部と、
前記満足度に基づいて、前記ユーザへの前記コンテンツの提供に係る課金額を設定する課金額設定部と、
前記ユーザの操作によって前記コンテンツの表示が終了された点である離脱点を取得する離脱点取得部と、
前記コンテンツを閲覧した複数のユーザの前記離脱点に基づいて、前記ピーク点を設定するピーク点設定部と
を備え、
前記満足度検出部は、前記ユーザ端末で出力させる前記コンテンツの前記開始点からの表示量を前記満足度として検出し、
前記課金額設定部は、前記開始点からの前記表示量によって、前記表示量の単位増加量当たりの前記課金額の増額量である課金増額量を変化させ、前記開始点から前記ピーク点までの間、前記開始点からの前記表示量が増加するに従って、前記課金増額量を増加させ、前記ピーク点を超えた後、前記課金増額量を減少させる
ことを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ提供装置において、
前記コンテンツは、少なくともテキスト文を含み、前記ユーザ端末で所定の閲覧アプリケーションが実行されることで前記ユーザ端末の表示画面に表示される記事であり、当該閲覧アプリケーションは、前記ユーザが前記ユーザ端末の前記表示画面をスクロール操作することで、前記表示画面に表示させる前記コンテンツの前記表示量を所定量増加させ、
前記満足度検出部は、前記スクロール操作のスクロール量に基づいて前記表示量を検出する
ことを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項3】
コンピュータにより、ユーザが所有するユーザ端末にコンテンツを提供するコンテンツ提供方法であって、
前記コンピュータは、コンテンツ提供部と、満足度検出部と、課金額設定部と、離脱点取得部と、ピーク点設定部と、を備え、
前記コンテンツ提供部が、前記ユーザから前記コンテンツの提供要求を受け付けることで、前記コンテンツを前記ユーザ端末に送信し、前記コンテンツとして、当該コンテンツの開始点から終了点までが連続し、前記ユーザ端末において、前記開始点から前記終了点までが順に出力され、前記開始点から前記終了点までの間にピーク点を有するコンテンツを送信するコンテンツ提供ステップと、
前記満足度検出部が、前記ユーザの前記コンテンツに対する満足度を検出する満足度検出ステップと、
前記課金額設定部が、前記満足度に基づいて、前記ユーザへの前記コンテンツの提供に係る課金額を設定する課金額設定ステップと、
前記離脱点取得部が、前記ユーザの操作によって前記コンテンツの表示が終了された点である離脱点を取得する離脱点取得ステップと、
前記ピーク点設定部が、前記コンテンツを閲覧した複数のユーザの前記離脱点に基づいて、前記ピーク点を設定するピーク点設定ステップと、
を実施し、
前記満足度検出ステップでは、前記ユーザ端末で出力させる前記コンテンツの前記開始点からの表示量を前記満足度として検出し、
前記課金額設定ステップでは、前記開始点からの前記表示量によって、前記表示量の単位増加量当たりの前記課金額の増額量である課金増額量を変化させ、前記開始点から前記ピーク点までの間、前記開始点からの前記表示量が増加するに従って、前記課金増額量を増加させ、前記ピーク点を超えた後、前記課金増額量を減少させる
ことを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項4】
コンピュータにより読み取り実行可能なコンテンツ提供プログラムであって、
前記コンピュータを、請求項1または請求項2に記載のコンテンツ提供装置として機能させる
ことを特徴とするコンテンツ提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにコンテンツを提供するコンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがコンテンツに対する料金を支払うことで、ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、サービス(コンテンツ)を提供するサーバ装置のアクセス集中度を検出し、アクセス集中度に応じて課金レートを変更する課金制御システムが開示されている。この課金制御システムでは、課金方式が時間課金方式である場合、アクセス集中度に応じて、単位時間当たりに係る課金レートの値を変動させる。また、データ量課金方式である場合、アクセス集中度に応じて、単位データ量当たりに係る課金レートを変動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-15237公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンテンツに対する価値は、ユーザによって様々である。例えば、単位データ量が100円であり、全てのデータ量を取得すると1000円となるコンテンツに関して説明する。上記のようなコンテンツに関して、あるユーザ(第一ユーザ)にとっては満足できるコンテンツである場合でも、他のユーザ(第二ユーザ)とっては、満足できないコンテンツである場合がある。この場合、第一ユーザにとっては、単位データ量当たり100円を支払う価値があり、全データ量を取得して1000円を支払うことも許容できる。一方、第二ユーザにとっては、単位データ量当たりに100円を支払うことに抵抗を感じることがある。
特許文献1に記載の課金制御システムでは、サーバ装置のアクセス集中度が高くなることで、単位データ量当たりの課金レートや、単位時間当たりの課金レートを変動させているが、上記のようなユーザの満足度に応じた課金ができない。つまり、第二ユーザは、サーバ装置のアクセス集中度が高くならない限り、興味が低いコンテンツに対して予め定められた課金レートで、料金を支払う必要がある。
【0005】
本発明は、ユーザに提供するコンテンツに対して、より適切な課金額を設定可能なコンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ提供装置は、ユーザからコンテンツの提供要求を受け付けることで、前記コンテンツを前記ユーザが所有するユーザ端末に送信するコンテンツ提供部と、前記ユーザの前記コンテンツに対する満足度を検出する満足度検出部と、前記満足度に基づいて、前記ユーザへの前記コンテンツの提供に係る課金額を設定する課金額設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ユーザのコンテンツに対する満足度を検出し、検出した満足度に基づいて、ユーザが支払うべきコンテンツに対する課金額が設定される。これにより、ユーザの納得する適切な課金額でコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態のコンテンツ提供システムを示す概略図。
図2】第一実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】第一実施形態のユーザ端末の概略構成を示す図。
図4】第一実施形態におけるコンテンツ提供方法を示すフローチャート。
図5】スクロール操作による記事表示例を示す図。
図6】スクロール操作による他の記事表示例を示す図。
図7】第一実施形態におけるコンテンツに対する課金額の一例を示す図
図8】第二実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図9】第二実施形態のコンテンツ提供方法を示すフローチャート。
図10】第二実施形態におけるコンテンツに対する課金額の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について説明する。
[コンテンツ提供システムの概要]
図1は、本実施形態のコンテンツ提供システムを示す概略図である。
本実施形態のコンテンツ提供システムは、図1に示すように、コンテンツ提供装置であるサーバ装置10、サーバ装置10に対してインターネットを介して接続された複数のユーザ端末20を備える。
このコンテンツ提供システムは、サーバ装置10からユーザ端末20にコンテンツを提供するシステムであり、ユーザ端末20でのコンテンツの表示量に基づいて、ユーザに対して当該コンテンツの利用や閲覧に係る料金(課金額)を設定する。
以下、このようなコンテンツ提供システムの構成について詳細に説明する。
【0010】
[サーバ装置10の構成]
図2は、サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
サーバ装置10は、一般的なコンピュータにより構成されており、図2に示すように、通信部11、記憶部12、プロセッサ13等の、コンピュータを構成する各部を備えている。なお、サーバ装置10を構成するコンピュータの数は特に限定されない。本実施形態では、説明の簡略化のため、1台のコンピュータによってサーバ装置10が構成される例を示すが、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバをサーバ装置10としてもよい。
【0011】
通信部11は、インターネットに接続され、インターネットを介してユーザ端末20や金融機関が所有する決済サーバ(図示略)等の各装置と通信する。
【0012】
記憶部12は、サーバ装置10を制御するための各種情報やコンテンツ提供プログラムを記録する。
また、記憶部12は、コンテンツを記録するコンテンツ蓄積部121、コンテンツ詳細蓄積部122、及びユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報蓄積部123等を備える。
なお、ここでは、サーバ装置10の記憶部12に、コンテンツ蓄積部121、コンテンツ詳細蓄積部122、及びユーザ情報蓄積部123が設けられる例を示すが、サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに、これらの情報が記録される構成としてもよい。例えば、コンテンツやコンテンツ詳細情報を記憶するコンテンツデータサーバ、ユーザ情報を記憶するユーザデータサーバ等が、サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に設けられる構成としてもよい。
【0013】
コンテンツ蓄積部121は、コンテンツを蓄積する。このコンテンツは、コンテンツの開始点から終了点までが連続する内容を有し、ユーザ端末20でコンテンツを再生するときに、開始点から終了点までが順次再生されるコンテンツである。つまり、ユーザは、コンテンツの途中から当該コンテンツを再生することができない。本実施形態では、このようなコンテンツとして、テキスト文に構成された記事を例示する。なお、記事は、テキスト文のみにより構成されていてもよく、複数のマルチメディア情報(静止画、動画、音声等)が埋め込まれていてもよい。このような記事は、コンテンツ配信者(例えば、記事を作成する作者等)から入稿されることで、コンテンツ蓄積部121に蓄積される。また、各コンテンツには、それぞれ、コンテンツを識別するためのコンテンツIDが関連付けられている。
【0014】
コンテンツ詳細蓄積部122は、コンテンツ蓄積部121に蓄積される各コンテンツの詳細を示すコンテンツ詳細情報を記録する。なお、本実施形態では、コンテンツ蓄積部121とは別に、コンテンツ詳細蓄積部122を備える構成を例示するが、コンテンツ詳細情報が、対応するコンテンツに関連付けられてコンテンツ蓄積部121に記録されていてもよい。
本実施形態のコンテンツ詳細情報には、コンテンツID、総表示量情報、及び課金情報が含まれる。なお、コンテンツ詳細情報は、その他、記事が入稿された入稿日時に関する情報、記事の作者に係る作者情報、記事において作者が最も主張したい位置或いは視聴ユーザが最も興味がある位置が記載された位置(ピーク点)を示すピーク情報等が含まれてもよい。
コンテンツIDは、コンテンツ詳細情報がどのコンテンツに対応するかを示す識別情報である。
【0015】
総表示量情報は、コンテンツである記事の表示量を示す情報である。
本実施形態では、コンテンツである記事をユーザ端末20で表示させる場合、ユーザ端末20にインストールされた専用の閲覧アプリケーションを用いて記事を表示させる。この閲覧アプリケーションは、表示画面21(図1参照)に、所定の表示量の記事の内容を表示させ、ユーザにより、記事のスクロール操作が実施されることで、スクロール量に応じた表示量だけ続きの記事の内容を表示させる。つまり、ユーザがスクロールした分だけ、続きの記事が表示される。
総表示量情報は、コンテンツである記事の総表示量が記録されている。つまり、コンテンツに含まれる全ての記事を表示させるために必要なスクロール量が記録されている。
【0016】
課金情報は、コンテンツの閲覧に係る料金に関する情報である。この課金情報は、ユーザ端末20で表示される記事の表示増加量に対する、課金増額量を示す情報である。本実施形態では、表示増加量が増大するに従って、課金増額量が増大する。この課金増額量は、コンテンツによってそれぞれ異なる値に設定されていてもよく、全てのコンテンツに対して同値であってもよい。
【0017】
ユーザ情報蓄積部123は、複数のユーザ情報が記録されている。このユーザ情報は、ユーザID、ユーザ属性情報、閲覧履歴情報、決済方法情報等を含む。
ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。
ユーザ属性情報は、ユーザの様々な属性を記録する。例えば、ユーザの性別、年齢層、居所等の個人情報が含まれてもよく、ユーザの趣味等の嗜好性が記録されていてもよい。
閲覧履歴情報は、ユーザ閲覧したコンテンツの履歴情報である。閲覧履歴情報には、ユーザが閲覧したコンテンツの記事において、どこまで閲覧したかを示す既読点あるいは、ユーザが記事の閲覧を中断したことを示す離脱点が記録されていてもよい。例えば、記事の開始点からのスクロール量、あるいは、総表示量に対して、ユーザ端末20で表示された表示量が記録されていてもよい。この場合、ユーザがコンテンツの記事の全てを読んだか、途中で読むのをやめて離脱したか、さらに離脱した場合にどの部分まで読んだかを予測することができる。
決済方法情報は、コンテンツの閲覧に対してユーザが課金を行う場合の課金額の決済の方法を示す情報であり、例えば、クレジット決済、銀行振込決済、電子マネー決済等を利用できる。
【0018】
プロセッサ13は、CPU等の演算回路、RAM等の記録回路により構成される。プロセッサ13は、記憶部12に記録されている情報処理プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
そして、プロセッサ13は、情報処理プログラムを読み込み実行することで、図2に示すように、コンテンツ提供部131、満足度検出部132、課金額設定部133、及び課金処理部134等として機能する。
【0019】
コンテンツ提供部131は、ユーザ端末20から送信されたコンテンツの提供要求に基づいて、コンテンツをユーザ端末20に提供、すなわち送信する。
満足度検出部132は、ユーザのコンテンツに対する満足度を検出する。具体的には、満足度検出部132は、ユーザ端末20から、ユーザが表示したコンテンツの表示量を受信することで、ユーザのコンテンツの記事に対する満足度を検出する。本実施形態では、上述したように、ユーザ端末20において、所定の閲覧アプリケーションが実行されることで、表示画面21にコンテンツの記事の開始点を含む冒頭部分を表示させる。そして、ユーザによりスクロール操作が実施されることで、さらに冒頭部分に続く記事を表示させる。このようにして、ユーザがスクロール操作を行うことで、閲覧アプリケーションは、表示画面21に表示されていた既表示の記事に続けて、続きの記事を表示させていく。したがって、ユーザは、スクロール操作を行うことで当該記事を読み進めることができる。言い換えると、記事に満足しているユーザは、続きの記事を読み進めるべく、スクロール操作を順次行う。よって、満足度検出部132は、ユーザ端末20から、ユーザのスクロール操作の操作量(スクロール量)を受信し、当該スクロール量に基づいて、ユーザのコンテンツに対する満足度として検出できる。記事に満足していないユーザは、途中でコンテンツの記事から離脱することができ、この場合、スクロール量が少ない、もしくはスクロール量が「0」であるため、満足度検出部132は、コンテンツに対するユーザの満足度が低いと検出することができる。
なお、本実施形態では、満足度検出部132は、表示量(スクロール量)に基づいて、満足度を検出する例を示すが、例えばコンテンツの総表示量に対する表示量の割合を満足度として検出してもよい。
【0020】
課金額設定部133は、ユーザのコンテンツに対する満足度に基づいて、ユーザに対する課金額を設定する。つまり、課金額設定部133は、ユーザが実施したスクロール操作のスクロール量に基づいて、課金額を設定する。
【0021】
課金処理部134は、課金額設定部133により設定された課金額の支払いを請求する課金処理(決済処理)を実施する。課金処理部134による課金処理に関しては、周知の技術を利用でき、例えば、ユーザ情報と、課金額と、を含む請求情報を、ユーザが指定した決済機関が管理する決済サーバに送信する。
【0022】
[ユーザ端末20の構成]
図3は、ユーザ端末20の概略構成を示す図である。
ユーザ端末20は、ユーザが管理するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等により構成されている。
ユーザ端末20は、一般的なコンピュータが有する基本的な構成を有し、図3に示すように、コンテンツの記事等の各種画像を表示させる表示画面21、ユーザの操作を受け付ける入力操作部22、各種情報を記録する端末記録部23、各種情報を演算処理する端末プロセッサ24、サーバ装置10等と通信する端末通信部25等を備えている。
【0023】
表示画面21は、各種情報を表示させるディスプレイである。
入力操作部22は、ユーザの入力操作に応じた操作信号を受け付ける。入力操作部22としては、例えば、表示画面21と一体型のタッチパネルにより構成されていてもよく、キーボードやマウス等により構成されていてもよい。
端末記録部23は、各種プログラムや各種データを記憶する。端末記録部23に記憶されるプログラムとして、上述した閲覧アプリケーションが含まれる。
【0024】
端末プロセッサ24は、端末記録部23に記憶されるプログラムを読み込み実行することで、各種機能を提供する。
例えば、端末プロセッサ24は、閲覧アプリケーションを実施することで、コンテンツ表示部241、及び表示量送信部242等として機能する。
【0025】
コンテンツ表示部241は、ユーザ操作によって閲覧対象のコンテンツが選択されることで、サーバ装置10にコンテンツの提供要求を送信する。また、コンテンツ表示部241は、サーバ装置10から送信されるコンテンツを受信すると、当該コンテンツの記事の開始点を含む冒頭部分を表示画面21に表示させ、ユーザによりスクロール操作が実施されることで、順次記事の続きを表示画面21に表示する。
表示量送信部242は、スクロール操作によるスクロール量に基づくコンテンツの記事の表示量としてサーバ装置10に送信する。
【0026】
[情報処理方法]
次に、本実施形態のコンテンツ提供システムでのコンテンツ提供方法について説明する。
図4は、本実施形態におけるコンテンツ提供方法を示すフローチャートである。
ユーザ端末20のコンテンツ表示部241は、ユーザ操作によって、閲覧アプリケーションが実行されることで、コンテンツの一覧を要求する旨の一覧要求をサーバ装置10に送信する(ステップS11)。
サーバ装置10は、一覧要求を受信すると、所定数のコンテンツを選択して、ユーザ端末20に送信する(ステップS21)。ここで選択されるコンテンツは、例えば、所定の条件に基づいて選択されるコンテンツである。例えば、サーバ装置10のコンテンツ提供部131は、ユーザ属性とコンテンツの記事とに基づいたスコアを算出して、スコアが高い順に所定数のコンテンツを選択してもよい。或いは、入稿日時が新しい所定数のコンテンツを選択してもよく、記事のジャンル毎に入稿日時が新しい所定数のコンテンツをそれぞれ選択してもよく、複数のユーザの閲覧履歴情報に基づいて、多くのユーザにより閲覧されている所定数のコンテンツを選択してもよい。コンテンツの選択条件は複数であってもよく、例えば、入稿日時が新しいコンテンツの一覧、スコアが高いコンテンツの一覧、多数のユーザに閲覧されている人気の高いコンテンツの一覧をそれぞれ選択してもよい。
【0027】
ユーザ端末20のコンテンツ表示部241は、サーバ装置10からコンテンツの一覧を受信すると、表示画面21に、コンテンツの一覧を所定のフォーマットで配置したトップ画面を表示させる(ステップS12)。
例えば、コンテンツ表示部241は、コンテンツに含まれる記事のタイトルを抽出したり、コンテンツに含まれる画像をトリミングしてサムネイル画像として抽出したりする。そして、これらの抽出したタイトルやサムネイル画像を順に配置して、コンテンツの一覧を表示させる。複数の条件によって、それぞれの条件に対するコンテンツの一覧が取得されている場合、例えば、表示画面21の一部に、条件を切り替えるためのタブを表示させ、ユーザによって選択されたタブに対応したコンテンツの一覧を表示画面21に表示させればよい。
【0028】
この後、ユーザの入力操作により、表示画面21に表示されたコンテンツの一覧から、コンテンツが選択されると、コンテンツ表示部241は、サーバ装置10に選択されたコンテンツの提供する旨の提供要求を送信する(ステップS13)。
【0029】
サーバ装置10のコンテンツ提供部131は、ステップS13により送信された提供要求を受信すると、提供要求で指定されたコンテンツを、コンテンツ蓄積部121から読み出し、ユーザ端末20に送信する(ステップS22:コンテンツ提供ステップ)。
これにより、ユーザ端末20のコンテンツ表示部241は、表示画面21に、送信されたコンテンツの開始点を含む冒頭部を表示させる(ステップS14)。
【0030】
そして、コンテンツ表示部241は、ユーザによるスクロール操作が実施されると、表示画面21に表示させるコンテンツの記事をスクロールさせて、冒頭部に続く記事を表示させる(ステップS15)。
以降、同様にして、ユーザによるスクロール操作が実施される毎に、コンテンツ表示部241は、表示画面21に表示させるコンテンツ記事をスクロールさせて、現在表示されている記事に続いて表示させる。
この後、コンテンツ表示部241は、ユーザによる記事の閲覧が終了したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16でNOと判定される場合、ステップS15に戻る。
ステップS16において、コンテンツの記事の終了点まで表示画面21に表示された場合、または、ユーザによってコンテンツの閲覧を終了させる(離脱する)旨の入力操作が行われた場合に、ステップS16でYESと判定される。ステップS16でYESと判定されると、表示量送信部242は、記事の表示量をサーバ装置10に送信する(ステップS17)。
【0031】
ここで、ステップS14及びステップS15による記事の表示と、ステップS17で送信される表示量について、図面を用いて説明する。
図5は、スクロール操作による記事表示例を示す図である。図5において、Nはコンテンツの記事の全体であり、表示画面21で現在表示中の記事が現表示部Nである。現表示部Nより上方は、既に表示画面21に表示された既読部Nであり、現表示部Nより下方は、表示画面21に表示されていない未読部Nである。図5(A)の現表示部Nは、コンテンツの開始点を含む冒頭部Nから所定のスクロール量xだけスクロールされることで表示される。したがって、図5(A)の状態では、記事の表示増加量は、スクロール量xとなる。なお、ユーザが一度スクロール操作を行って現表示部Nとされた部分は、既読部Nとなり、課金額の増額なく、スクロール操作によって自由に閲覧が可能となる。
そして、図5(A)に示す状態から、ユーザがスクロール量Δxだけスクロール操作を実施すると、図5(B)のように、未読部Nのうち、Δxに相当する記事N(図中斜線部)が表示画面21に表示され、現表示部Nに加わる。
この場合、図5(A)の段階でユーザによる記事の閲覧が終了すると、ステップS17で、表示量送信部242は、表示量としてxをサーバ装置10に送信し、図5(B)の段階でユーザによる記事の閲覧が終了すると、表示量送信部242は、表示量としてx+Δxをサーバ装置10に送信する。
【0032】
図6は、スクロール操作による他の記事表示例を示す図である。
図5の例では、ユーザが記事をスクロールする際の実際のスクロール量を表示量とした。これに対して、図6の例では、スクロール量とは、ユーザが実施したページ更新のためのスクロール操作の回数であり、ページ更新のためのスクロール操作とは、具体的には、現表示部Nから下方に表示画面21をスクロールさせる操作である。以降、当該スクロール操作を、図5に示すスクロール操作と区別するために更新要求操作と称する場合がある。ユーザが1回の更新要求操作を実施することで、予め設定された所定表示量の記事が閲覧可能となる。
例えば、図6(A)は、コンテンツの記事を表示させた際のユーザが閲覧可能となる冒頭部Nであり、当該冒頭部Nが既読部Nとなる。つまり、ユーザは、スクロール操作によって、当該既読部Nの範囲内で表示画面21に表示させる現表示部Nを任意の位置に移動させることができる。
そして、現表示部Nが冒頭部Nの最後部分が表示された状態(図6(A))で、ユーザが下方に向かってスクロールする更新要求操作を行うことで、サーバ装置10からユーザ端末20に、未読部Nの内の所定量の一部の記事Nが送信され、図6(B)に示すように、既読部NがN+Nの範囲となる。これにより、ユーザは、スクロール操作によって表示画面21に表示させる現表示部Nを、新たな既読部N(N+N)の範囲内で任意の位置に移動させることができる。以降、同様にして、閲覧可能な表示量が増加させることができる。なお、更新要求により新たに既読部に加わるNは、場所によって異なっていてもよい。例えば、冒頭部Nの表示から最初に実施される更新要求操作で既読部Nに加えられる記事Nの表示量と、2回目の更新要求操作で既読部Nに加えられる記事Nの表示量とが異なっていてもよい。
図6のパターンでは、ステップS17で、表示量送信部242は、各々の更新要求操作によって増加する表示量Iの合計値をサーバ装置10に送信する。例えば、更新要求操作の入力位置によらず、増加する記事Nの表示量Iが同一である場合、「更新要求操作の回数」×「記事Nの表示量I」を表示量として送信する。なお、表示量として、更新要求操作の回数のみがサーバ装置10に送信されてもよい。各々のコンテンツについて、更新要求操作が実施された際に追加される記事Nの表示量Iは予め設定されているので、更新要求操作の回数のみが送信されても、コンテンツの表示量を検出することができる。
【0033】
なお、ステップS22でサーバ装置10がユーザ端末20に対して送信されるコンテンツは、当該コンテンツに含まれる全ての記事であってもよく、一部の記事のみを送信してユーザ端末20でスクロール操作が行われる度に、スクロール量に応じた分の記事だけ記事を送信してもよい。図5のように、微小なスクロール量を検出する場合では、通信頻度が多くなることを回避するために、サーバ装置10からユーザ端末20にコンテンツに含まれる全ての記事を一度に送信した方が好ましい。一方、図6のように、ページ単位等、1回の更新要求操作により所定量の記事を表示可能にする場合では、スクロール操作が実施される度に、続きの記事を送信するようにしてもよい。
【0034】
この後、サーバ装置10の満足度検出部132は、コンテンツに対する満足度を検出する(ステップS23:満足度検出ステップ)。つまり、満足度検出部132は、ステップS17によりユーザ端末20から受信した表示量をコンテンツに対する満足度として検出する。したがって、図5のパターンではスクロール量が満足度となり、図6のパターンでは更新要求回数×表示量Iが満足度となる。なお、ここでは、上述したように、満足度検出部132は、総表示量に対する表示量の割合を満足度として検出してもよい。
【0035】
この後、課金額設定部133は、満足度に応じた課金額を設定する(ステップS24:課金額設定ステップ)。
図7は、本実施形態におけるコンテンツに対する課金額の一例を示す図である。図7の横軸は表示量(スクロール量)であり、ユーザがどの程度記事を読み進めたかを示す。
本実施形態では、課金額設定部133は、図7の課金パターンT,Tに示すように、コンテンツに対する表示増加量が多くになるに従って、課金増額量が徐々に大きくなる。
図7の破線は、従来のデータ量に応じた従量課金の例を示した比較例である。この比較例では、表示量の単位増加量(以降、単に表示増加量と称する)に対する課金増額量(図7における傾き)は一定値であり、コンテンツの記事の閲覧量に対して線形的に課金額が増加する。つまり、記事の冒頭部Nから僅かに記事を読み進めただけでも、課金額が大きく増額される。この場合、ユーザが記事に対して満足しているか否かが不明であるにも関わらず、比較的高い課金増額量で課金額が増額されるので、ユーザの不満が蓄積しやすい。コンテンツの閲覧時間に基づいて線形的に課金額を増額させる場合も同様であり、この場合、ユーザの満足度に基づいた課金額の設定がより困難である。
【0036】
これに対して、本実施形態では、課金額設定部133は、ユーザの満足度に応じて表示増加量に対する課金増額量を変動させる。つまり、ユーザが記事の冒頭部Nから僅かに記事を読み進めただけで、ユーザがコンテンツの閲覧から離脱した場合、ユーザの記事に対する満足度は低いと判断できる。本実施形態では、図7の課金パターンTに示すように、コンテンツ表示量が少ない場合の、表示増加量当たりの課金増額量は、非常に低く設定される。そして、表示量が増大するに従って、表示増加量当たりの課金増額量を増大させる。なお、課金パターンTのように、ある程度スクロール量が増加した後、課金額を増額させるように設定してもよい。図7に示すような表示量に対する課金増額量は、コンテンツ詳細情報の課金情報に記録されており、課金額設定部133は、対象となるコンテンツのコンテンツ詳細情報の課金情報に基づいて、課金額を設定する。
なお、記事を全て読み終わった場合の課金額は、線形的に課金額を増加させる従来(比較例)と同様の課金額であり、ユーザが記事を完読することで、比較例に比べて課金額が超過することがない。
【0037】
なお、図4では、ステップS17の後、処理を終了させているが、記事を読み終えた、または記事の閲覧を途中で中断したユーザがトップ画面に戻る旨の操作を実施した場合、ステップS12に戻る。したがって、ユーザが他の記事を閲覧した場合、ステップS13からステップS17の処理が再度実施され、サーバ装置10は、各コンテンツの記事に対して、それぞれ課金額の設定を行う。
【0038】
以上の後、課金処理部134は、課金処理を実施する(ステップS25)。具体的には、課金処理部134は、ユーザ情報の決済方法情報に基づいて、ユーザに対する課金処理を実施する。例えば、課金処理部134は、決済方法情報に基づいて、所定の金融機関サーバに対して、ユーザ情報と請求額とを含む決済請求を送信する。これにより、金融機関サーバが決済処理を実施する。
なお、ステップS25の処理は、ユーザによりコンテンツが閲覧される毎に実施されてもよく、一定周期毎に実施されてもよい。例えば、ステップS24により設定された課金額を蓄積しておき、月末に蓄積された課金額の総額を算出してステップS25の課金処理を実施してもよい。
【0039】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のサーバ装置10は、記憶部12と、プロセッサ13とを備え、プロセッサ13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを読み込むことで、コンテンツ提供部131、満足度検出部132、課金額設定部133として機能する。コンテンツ提供部131は、ユーザからコンテンツの提供要求を受け付けることで、当該コンテンツをユーザが所有するユーザ端末20に送信する。満足度検出部132は、ユーザのコンテンツに対する満足度を検出する。課金額設定部133は、満足度に基づいて、コンテンツの提供に係る課金額を設定する。
つまり、本実施形態では、ユーザコンテンツに対する満足度に応じて、ユーザが当該コンテンツの提供に対して支払う課金額を設定する。これにより、各々のユーザが納得できる適切な課金額で、コンテンツを提供することができ、コンテンツ提供に係るユーザの満足度を向上させることができる。
【0040】
本実施形態におけるコンテンツは、コンテンツの開始点を含む冒頭部からコンテンツの終了点までが連続する内容を有し、ユーザ端末20で表示する際に、開始点である冒頭部Nからコンテンツの終了点までが順に表示されるコンテンツ(記事)である。そして、満足度検出部132は、ユーザ端末20で表示させるコンテンツの開始点(冒頭部N)からの表示量を満足度として検出する。
ユーザが当該コンテンツに興味を持っている場合、当該ユーザは、コンテンツの続きを閲覧するために、ユーザ端末20で表示させるコンテンツの表示量を増加させる可能性が高い。一方、ユーザがコンテンツに対して興味が無い場合では、コンテンツの閲覧を途中で中断し、コンテンツから離脱する可能性が高い。したがって、本実施形態のように、満足度検出部132は、ユーザのコンテンツの表示量を検出することで、ユーザのコンテンツに対する満足度を容易、かつ適切に検出することができる。
【0041】
本実施形態のコンテンツは、少なくともテキスト文を含み、ユーザ端末20で所定の閲覧アプリケーションが実行されることでユーザ端末20の表示画面21に表示される記事である。そして、この閲覧アプリケーションは、ユーザがユーザ端末20の表示画面21をスクロール操作することで、表示画面21に表示させるコンテンツ(記事)の表示量を所定量増加させ、満足度検出部132は、このスクロール量を表示量として検出する。
このような閲覧アプリケーションでは、ユーザがスクロール操作を行うことで、コンテンツを読み進めることができ、当該スクロール操作によるスクロール量により、容易に表示画面21に表示させたコンテンツの表示量を求めることができる。すなわち、満足度検出部132は、スクロール量を表示量とすることができ、容易に、ユーザのコンテンツに対する満足度を検出できる。
【0042】
本実施形態では、課金額設定部133は、開始点を含むコンテンツの冒頭部Nからのコンテンツの表示量(スクロール量)によって、表示量の単位増加量(表示増加量)当たりの課金額の課金増額量(図7における課金パターンT,Tの傾きに相当)を変化させる。
これにより、本実施形態では、満足度によってそれぞれ異なる課金額を設定することができる。
【0043】
本実施形態では、課金額設定部133は、開始点を含むコンテンツの冒頭部Nから、表示量が増加するに従って、課金増額量を増大させる。
コンテンツの冒頭部N近傍のみを閲覧したユーザは、コンテンツに対して興味を抱いていない(満足していない)ことが多い。一方、表示量が多い場合は、ユーザがコンテンツを読み進めたことを示し、ユーザがそのコンテンツに対して高い興味を持っている(満足している)と推測できる。したがって、コンテンツの冒頭部N近傍では、課金増額量を低く設定し、表示量が多くなるに従って課金増額量を漸増させることで、満足度に応じた課金額を好適に設定することができる。
【0044】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、図7に示すように、課金額設定部133は、ユーザ端末20での記事の表示量が増大するに従って、徐々に、課金増額量が大きくして課金額を設定する例を示した。これに対して、本実施形態では、表示増加量によって課金増額量が増減する点で上記第一実施形態と相違する。
【0045】
なお、以降の説明において、既に説明した事項については、その説明を簡略化、または省略する。
図8は、本実施形態のサーバ装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態では、サーバ装置10のプロセッサ13は、第一実施形態と同様、コンテンツ提供部131、満足度検出部132、課金額設定部133、及び課金処理部134等として機能するとともに、さらに、離脱点取得部135、及びピーク点設定部136としても機能する。
【0046】
離脱点取得部135は、ユーザがコンテンツである記事を閲覧した際に、閲覧を中断した位置をそのコンテンツに対する離脱点として取得する。具体的には、離脱点取得部135は、満足度検出部132が取得した表示量(スクロール量または更新要求回数)から、ユーザがコンテンツから離脱した離脱点を取得し、ユーザ情報の閲覧履歴情報に記録する。
ピーク点設定部136は、コンテンツにおいて多くの人が興味を持つ位置(以降、ピーク点と称する)を設定する。複数のユーザで、コンテンツの閲覧を中断した離脱点が共通している場合、当該離脱点または当該離脱点よりも前の所定範囲内に、コンテンツにおけるピーク点が存在する可能性が高い。したがって、ピーク点設定部136は、各コンテンツに関し、複数のユーザの離脱点に基づいてピーク点を設定する。なお、このピーク点は1つであっても、複数であってもよい。例えば、コンテンツにおける第一点で多くのユーザが離脱し、第一点の後の第二点で残りのユーザのうちの多くが離脱した場合、第一点に基づいた第一のピーク点と、第二点に基づいた第二のピーク点とを設定してもよい。ピーク点設定部136は、これらのピーク点をコンテンツ詳細情報に記録する。
【0047】
図9は、本実施形態のコンテンツ提供方法を示すフローチャートである。
本実施形態では、第一実施形態と同様、サーバ装置10は、ステップS21からステップS24の処理を実施し、スクロール量に基づく満足度に応じて、コンテンツに対する課金額を設定する。
図10は、本実施形態におけるコンテンツに対する課金額の一例を示す図である。図10の課金パターンTは、1つのピーク点P1が設定された時の課金額の変化を示し、課金パターンTは、2つのピーク点P2,P3が設定された時の課金額の変化を示している。
本実施形態では、課金パターンTのコンテンツでは、課金額設定部133は、記事の冒頭部Nからピーク点P1にかけて、表示増加量に対する課金増額量(図10におけるT,Tの傾き)を徐々に増加させる。ピーク点P1を過ぎると、課金額設定部133は、表示増加量に対する課金増額量を徐々に低減させる。また、課金パターンTのコンテンツでは、課金額設定部133は、記事の冒頭部Nからピーク点P2にかけて、表示増加量に対する課金増額量を徐々に増加させる。また、ピーク点P2を過ぎると、表示増加量に対する課金増額量を徐々に低減させ、さらに、ピーク点P3に近づくにつれて、表示増加量に対する課金増額量を再び増額させ、ピーク点P3を過ぎたのち、課金増額量を低減させる。
【0048】
さらに、本実施形態では、ステップS24の後、離脱点取得部135は、ステップS17でユーザ端末20から送信される表示量に基づいて、コンテンツにおける離脱点を取得する(ステップS31)。表示量がコンテンツの総表示量の場合、つまり、記事の最後まで閲覧されている場合、離脱点はないとする。一方、表示量が総表示量ではない場合、当該表示量に応じたコンテンツの位置を離脱点として取得する。
【0049】
また、ピーク点設定部136は、ステップS31で取得した離脱点を、当該コンテンツを閲覧した全てのユーザについて集計し、当該コンテンツに対するピーク点を設定する(ステップS32)。例えば、ピーク点設定部136は、例えばクラスタリング処理等により、各ユーザの離脱点が多く集まる範囲を特定する。この離脱点が多く集まる範囲とは、例えば、所定距離内に他のユーザの離脱点が所定数以上存在する範囲である。この範囲は複数存在してもよく、この場合、各範囲に対してそれぞれピーク点を設定する。そして、ピーク点設定部136は、特定した範囲に属する離脱点を抽出し、例えば、その平均位置をピーク点として設定する。なお、ピーク点の設定はこれに限定されず、例えば、各範囲において最も先頭に位置する離脱点の位置をピーク点としてもよく、その他の設定方法であってもよい。
また、ピーク点設定部136は、コンテンツの開始点から所定値以上離れた位置をピーク点として設定することが好ましい。つまり、ユーザがコンテンツに対して興味が無い場合、冒頭部N又は冒頭部N近傍を閲覧した後離脱する場合もある。したがって、冒頭部Nやその近傍(開始点から所定値未満の範囲)のピーク点を除外することで、コンテンツにおいて多くのユーザが共通して興味を示すピーク点を良好に設定できる。
この後、課金額設定部133は、ステップS32で設定されたピーク点に対して、図10で示すような課金額を設定し、コンテンツ詳細情報の課金情報を更新する(ステップS33)。
なお、ステップS32及びステップS33は、ステップS31の直後に実施しなくてもよく、例えば、月末等、一定周期毎に実施されてもよい。
【0050】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、コンテンツには、開始点を含む冒頭部Nから終了点までの間に、多くの人が興味を持つ位置を示すピーク点が設けられている。そして、課金額設定部133は、冒頭部Nからピーク点までの間、表示量が増加するに従って、課金増額量を増加させ、単位課金額を増加させ、ピーク点を超えた後、課金増額量を減少させる。
ここで、ピーク点は、多くの人が興味を示した点であり、記事の冒頭部からピーク点に向かって徐々に課金増額量を増加させることで、第一実施形態と同様、適切な課金額を設定できる。つまり、ユーザが当該コンテンツに興味を持っている場合、当該ユーザはコンテンツの続きを閲覧する可能性が高く、ユーザ端末20で表示されたコンテンツの表示量が増加することで、コンテンツに対する適切な課金額を設定することができる。一方、コンテンツに興味がないユーザは、コンテンツの閲覧を途中で中断する可能性が高く、冒頭部N近傍の課金増額量が低い部分に対する課金額でよく、コンテンツの閲覧に関して過剰に金額を払う必要がないので、ユーザの不満が蓄積することも抑制できる。
さらに、コンテンツにおいてピーク点を超えた位置に表示される記事は、多くのユーザにとって、興味があまりないことを示している。この部分に対して、課金増額量を増大させると、ユーザは、興味のない部分に過剰な金額を支払うことになるが、本実施形態では、当該興味のない部分に対する課金増額量は低く、ユーザの不満が蓄積されることも抑制できる。つまり、本実施形態においても、ユーザの満足度に応じた課金額を設定することができる。
【0051】
本実施形態では、プロセッサ13は、離脱点取得部135及びピーク点設定部136としても機能する。離脱点取得部135は、コンテンツの表示がユーザのスクロール操作によって終了された点である離脱点をユーザ端末20から取得する。つまり、ユーザがコンテンツから離脱した際の、開始点からのスクロール量に基づいて離脱点を取得する。そして、ピーク点設定部136は、コンテンツを閲覧した複数のユーザの離脱点に基づいて、ピーク点を設定する。
これにより、複数のユーザのコンテンツの閲覧履歴に基づいて、容易にピーク点を設定することができる。
【0052】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
【0053】
[変形例1]
上記実施形態では、満足度検出部132は、スクロール量を満足度として検出したが、これに限定されない。
例えば、満足度検出部132は、スクロール量に加えて、その他のパラメータをユーザ端末20から取得して、満足度を検出してもよい。例えば、ユーザ端末20でのスクロール操作のスクロール速度をさらに取得し、スクロール速度に基づいて満足度を補正してもよい。具体例を挙げると、スクロール速度が所定の第一閾値未満であり、記事を読む速度が極めて遅い場合、そのユーザにとって理解しにくい内容であって満足度が低いコンテンツであるとして、課金額を所定の第一割合だけ低減させてもよい。また、スクロール速度が、第一閾値よりも大きい第二閾値から第三閾値の範囲であり、記事を読む速度が比較的早い場合、ユーザの記事に対する満足度が高いとして課金額を、所定の第二割合だけ増額させてもよい。さらに、スクロール速度が第三閾値よりも大きい第四閾値以上であり、記事を流し読みしている可能性が高い場合、ユーザの記事に対する満足度が低いとして、第一割合よりも大きく課金額を減額させてもよい。
【0054】
[変形例2]
第二実施形態では、離脱点取得部135及びピーク点設定部136により、コンテンツを閲覧したユーザの離脱点近傍をピーク点として設定する例を示したが、これに限定されない。例えば、コンテンツの管理者(記事の著者や、コンテンツを配信する配信者等)がピーク点を設定してもよい。
【0055】
[変形例3]
第二実施形態では、ピーク点設定部136は、多数のユーザのコンテンツに対する閲覧履歴から取得された離脱点に基づいて、ピーク点を設定したが、当該ピーク点をユーザ毎に異ならせてもよい。つまり、ピーク点設定部136は、ユーザ情報に含まれるユーザ属性や、閲覧履歴情報に記録された閲覧済みのコンテンツ等に基づいて、ユーザ属性や閲覧したコンテンツが類似するユーザ同士をまとめたグループを設定する。そして、ピーク点設定部136は、設定したグループ毎に、コンテンツに対するピーク点を設定してもよい。
【0056】
[変形例4]
上記第二実施形態や変形例3では、ピーク点設定部136は、ユーザにより閲覧されたコンテンツを対象としているが、さらに、新規に取得されたコンテンツ(入稿されたばかりの記事)に対して、当該コンテンツの作成者の過去のコンテンツに基づいてピーク点を設定してもよい。
例えば、コンテンツの作成者が作成した過去のコンテンツのピーク点の平均位置を算出し、当該平均位置を当該コンテンツのピーク点として設定してもよい。例えば、過去のコンテンツに対して設定されたピーク点の平均位置が、総表示量に対して70%の表示量の位置である場合、新規に入稿されたコンテンツに対する課金情報として、総表示量に対して70%の位置にピーク点を設定した課金情報を生成してもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…サーバ装置(コンテンツ提供装置)、13…プロセッサ、20…ユーザ端末、21…表示画面、22…入力操作部、121…コンテンツ蓄積部、122…コンテンツ詳細蓄積部、123…ユーザ情報蓄積部、131…コンテンツ提供部、132…満足度検出部、133…課金額設定部、134…課金処理部、135…離脱点取得部、136…ピーク点設定部、N…既読部、N…現表示部、N…未読部、N…冒頭部、P1,P2,P3…ピーク点、T,T,T,T…課金パターン、x,Δx…スクロール量。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10