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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】多通路回転継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 27/087 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
F16L27/087
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020520012
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018054538
(87)【国際公開番号】W WO2019074781
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/569,913
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596016627
【氏名又は名称】デューブリン カンパニー、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ペトロウ、アントン エー.
(72)【発明者】
【氏名】フリード、リサ
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-097761(JP,A)
【文献】特開2011-007274(JP,A)
【文献】特開2014-169769(JP,A)
【文献】国際公開第2006/080280(WO,A1)
【文献】特開2016-211596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 27/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転継手であって、当該回転継手は:
ハウジングを有し、該ハウジングは、前記ハウジングの本体を通って延びる円柱状ボアを有し、該円柱状ボアは、実質的に直線状であり;
前記円柱状ボアに回転可能に取り付けられたシャフトを有し、該シャフトは、前記ボアの中心線に沿って延びる長手方向軸線を有し;
前記シャフト上に取り付けられた複数の環状プレートを有し、該複数の環状プレートは、前記長手方向軸線に沿って規則的な間隔で互いに離間しており、前記の複数の環状プレートはそれぞれ、前記ボア内を前記シャフトから半径方向距離だけ延びており、かつ、それを通って延びる半径方向通路を有し、前記の複数の環状プレートは、前記シャフトと回転するように回転可能かつ封止可能に係合されており;
前記の複数の環状プレートの間に交互に配置された複数のスプールを有し、前記の複数のスプールは、前記円柱状ボアに封止可能に係合しており、かつ、前記シャフトとともに回転しないように前記ハウジングと回転可能に係合されており、前記の複数のスプールはそれぞれ、前記の複数の環状プレートのうちの2つの隣接する環状プレートの間に配置されており、前記の複数のスプールはそれぞれ:
半径方向に延びる壁部を有し、該半径方向に延びる壁部は、それを通って半径方向に延びる流体通路を有し;かつ、
2つの封止リングを有し、該2つの封止リングは、前記長手方向軸線に沿ってスライド可能に配置されており、かつ、相対する方向に付勢されており、前記の2つの封止リングが、前記シャフトが回転するときに、前記の2つの隣接する環状プレートの側面に対してスライドするようになっており;
前記シャフト、前記の複数の環状プレートおよび前記の複数のスプールは、積み重ねられた配置構成にて組み立てられるように構成されており、該積み重ねられた配置構成は、前記ハウジングの前記円柱状ボアの中に全体が挿入可能であり、
当該回転継手は、前記シャフトの自由端部上にネジ山で係合したナットをさらに有し、該ナットは、前記の積み重ねられた配置構成上に軸線方向の力を加える、
前記回転継手。
【請求項2】
多通路回転継手であって、当該多通路回転継手は:
一体的な本体を含むハウジングを有し、該一体的な本体は、2つのボア開口部の間をそれを通って延びるボアを有し、前記ハウジングは複数の流体出口開口部を含んでおり、該複数の流体出口開口部は、前記ボアの中心線に沿って異なる軸線方向位置に配置されており、かつ、前記ボアから前記ハウジングを通って延びており;
前記の2つのボア開口部のそれぞれに配置されたベアリングを有し;
前記ボアを通って延びるシャフトを有し、該シャフトは前記ベアリングを介して前記ボアに回転可能に取り付けられており、前記シャフトはそれを通る複数の流体通路を形成しており、該複数の流体通路はそれぞれ、前記ボアの端面上の軸線方向開口部から、前記シャフトの長手方向軸線に沿って軸線方向距離に配置された半径方向開口部へと延びており、前記の複数の通路のそれぞれの前記軸線方向開口部および前記半径方向開口部は、媒体チャンネルを介して流体的に接続されており、該媒体チャンネルは、前記シャフト内を延びており、かつ、前記シャフトの中心線に対してオフセットされた半径方向距離において前記長手方向軸線に対して平行であり、前記シャフトの前記中心線は、前記シャフトが前記ボアに配置されているとき、前記ボアの前記中心線と一致しており;
前記の複数の流体通路は、以下の項目を少なくとも含んでおり、該項目は:
第1の媒体チャンネルによって第1の半径方向開口部に接続された第1の軸線方向開口部を有する第1の通路であり;
第2の媒体チャンネルによって第2の半径方向開口部に接続された第2の軸線方向開口部を有する第2の通路であり;かつ、
第3の媒体チャンネルによって第3の半径方向開口部に接続された第3の軸線方向開口部を有する第3の通路であり、前記の第3の半径方向開口部は、前記シャフトの前記中心線に沿う軸線方向位置に対して前記の第1および第2の半径方向開口部の間に配置されており;
前記の第1の半径方向開口部を含む前記シャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合された第1の環状プレートを有し、該第1の環状プレートは、それを通って延びる半径方向通路を有し、該半径方向通路は、前記シャフトの前記の第1の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第1の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、前記シャフトの前記の第1の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第1の流体出口開口部と流体連通しており;
前記の第2の半径方向開口部を含む前記シャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合された第2の環状プレートを有し、該第2の環状プレートは、それを通って延びる半径方向通路を有し、該半径方向通路は、前記シャフトの前記の第2の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第2の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、前記シャフトの前記の第2の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第2の流体出口開口部と流体連通しており;かつ、
前記の第1および第2の環状プレートの間にある前記シャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合されたスプールを有し、該スプールは、それを通って延びる半径方向通路を含んでおり、該半径方向通路は、前記シャフトの前記の第3の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第3の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、前記シャフトの前記の第3の半径方向開口部および前記ハウジングの対応する第3の流体出口開口部と流体連通しており、前記スプールはさらに:
前記スプール上に軸線方向にスライド可能かつ封止可能に配置された第1の封止リングを有し、該第1の封止リングは、前記の第1の環状プレートの環状面に封止可能に係合して、スライドする機械的な端面シールを形成し;かつ、
前記スプール上に前記軸線方向にスライド可能かつ封止可能に配置された第2の封止リングを有し、該第2の封止リングは、前記の第2の環状プレートの環状面に封止可能に係合して、スライドする機械的な端面シールを形成し、
当該多通路回転継手は、前記シャフトの前記の第1、第2および第3の軸線方向開口部と反対側の前記シャフトの自由端部上にネジ山で係合したナットをさらに有し、該ナットは、軸線方向の力を加えて、前記の第1の環状プレート、前記スプールおよび前記の第2の環状プレートを前記中心線に沿って一緒に押し進める、
前記多通路回転継手。
【請求項3】
多通路回転継手を組み立てるための方法であって、当該方法は:
自由端部およびフランジ端部を有するシャフト、複数の環状プレートならびに複数のスプールを提供することを有し、前記シャフトは、前記の複数の環状プレートおよびスプールを含むセグメントにわたって均一な外径を有し;
前記の複数の環状プレートのうちの1つ、および、前記の複数のスプールのうちの1つを、交互に前記自由端部から前記シャフト上に挿入して積み重ねを作成することを有し;
前記積み重ねを、ファスナーを用いて前記シャフト上に固定することを有し;かつ、
前記積み重ねをハウジングのボアの中に挿入することを有する、
前記方法。
【請求項4】
前記の複数の環状プレートを前記シャフトと封止可能かつ回転可能に係合させることをさらに有する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記の複数のスプールを前記ハウジングと封止可能かつ回転可能に係合させることをさらに有する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本開示は、2017年10月9日付けで出願され、かつ、この参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、仮米国特許出願シリアルNo.62/569,913号の利益を主張する。
【0002】
開示の分野
本開示は回転継手(rotary union)に関し、かつ、いっそう具体的には多数の通路を有する回転継手に関する。
【背景技術】
【0003】
開示の背景
本開示は回転継手に関し、かつ、いっそう具体的には多数の通路を有する回転継手に関する。多数の通路を有する回転継手は、回転する機械コンポーネントと回転しない機械コンポーネントとの間に、封止された、または、封止可能な流体通路を作り出すことが知られている。それらの複雑さに起因して、多通路(multiple passage)回転継手はしばしば、磨滅に起因して漏洩する傾向にあるか、または、デバイスの不完全もしくは不正確な組立に起因して漏洩する傾向にある場合もある。さらに、かかる継手を保守点検することと関連付けられる、複雑な組立または解体プロセスは、時間がかかり、かつ、高価な仕事を提起する。
【発明の概要】
【0004】
開示の簡略な概要
本開示は回転継手に関し、当該回転継手は、それと関連付けられた多数の流体通路を有する。本開示による多通路回転継手では、ハウジングが、当該継手のモジュール組立を可能にする略直線状のボア(内腔)を形成し、このことは、既知の回転継手構成に対する改善である。さらに、本開示による回転継手は、先行して提案された設計に対して、改善された封止およびインターフェースポイントを提供する。
【0005】
1つの態様では、本開示には回転継手が記載されている。当該回転継手はハウジングを含んでおり、該ハウジングは、ハウジングの本体を通って延びる円柱状ボアを有し、該円柱状ボアは実質的に直線状である。当該回転継手はさらに、円柱状ボアに回転可能に取り付けられたシャフトを含んでおり、該シャフトは、該ボアの中心線に沿って延びる長手方向軸線を有する。シャフト上には複数の環状プレートが取り付けられており、該複数の環状プレートは、長手方向軸線に沿って規則的な間隔で互いに離間しており、該複数の環状プレートはそれぞれ、ボアの中をシャフトから半径方向距離だけ延びており、かつ、それを通って延びる半径方向通路を有し、該複数の環状プレートは、シャフトとともに回転するように回転可能かつ封止可能に係合されている。複数の環状プレートの間には、複数のスプールが交互に配置されている。複数のスプールは、円柱状ボアに封止可能に係合し、かつ、ハウジングとともに軸線方向に拘束されており、シャフトとともに回転しないようになっている。多数のスプールはそれぞれ、複数の環状プレートのうちの2つの隣接する環状プレートの間に配置されており、かつ、半径方向に延びる壁部を含んでおり、該壁部はそれを通って半径方向に延びる流体通路を有する。2つの封止リングが、長手方向軸線に沿ってスライド可能に配置されており、かつ、相反する方向に付勢されて(biased)、シャフトが回転しているときに、2つの封止リングが2つの隣接する環状プレートの側面に対してスライドするようになっている。シャフト、複数の環状プレートおよび複数のスプールは、積み重ねられた(stacked)配置構成にて組み立てられるように構成されており、該積み重ねられた配置構成は、ハウジングの円柱状ボアの中に全体が挿入可能である。
【0006】
別の態様では、本開示には多通路回転継手が記載されている。当該多通路回転継手は、一体化した本体を含むハウジングを含んでおり、該一体化した本体は、それを通って2つのボア開口部の間を延びるボアを有する。ハウジングは複数の流体出口開口部を含んでおり、該複数の流体出口開口部は、ボアの中心線に沿って異なる軸線方向位置に配置されており、かつ、ハウジングを通ってボアから延びており、かつ、ハウジングは、2つのボア開口部のそれぞれに配置されたベアリングを含んでいる。ボアを通ってシャフトが延びており、かつ、ベアリングを介してボアに回転可能に取り付けられている。シャフトはそれを通る複数の流体通路を形成しており、該複数の流体通路はそれぞれ、ボアの端面上の軸線方向開口部から、シャフトの長手方向軸線に沿って軸線方向距離にて配置された半径方向開口部へと延びている。複数の通路のそれぞれの軸線方向開口部および半径方向開口部は、媒体チャンネルを介して流体的に接続されており、該媒体チャンネルは、シャフトの中を延びており、かつ、シャフトの中心線(シャフトがボアの中に配置されているときには、ボアの中心線と一致する)に対してオフセットされた半径方向距離にて、長手方向軸線に対して平行である。複数の流体通路は、第1の通路、第2の通路および第3の通路を少なくとも含んでおり、第1の通路は、第1の媒体チャンネルによって第1の半径方向開口部に接続された第1の軸線方向開口部を有し、第2の通路は、第2の媒体チャンネルによって第2の半径方向開口部に接続された第2の軸線方向開口部を有し、第3の通路は、第3の媒体チャンネルによって第3の半径方向開口部に接続された第3の軸線方向開口部を有し、第3の半径方向開口部は、シャフトの中心線に沿った軸線方向位置に対して第1および第2の半径方向開口部の間に配置されている。
【0007】
1つの実施形態では、第1の環状プレートが、第1の半径方向開口部を含むシャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合されている。第1の環状プレートは、それを通って延びる半径方向通路を有し、該半径方向通路は、シャフトの第1の半径方向開口部およびハウジングの対応する第1の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、それらと流体連通している。第2の環状プレートが、第2の半径方向開口部を含むシャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合されている。第2の環状プレートは、それを通って延びる半径方向通路を有し、該半径方向通路は、シャフトの第2の半径方向開口部およびハウジングの対応する第2の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、それらと流体連通している。スプールが、第1および第2の環状プレートの間にあるシャフトの軸線方向位置の周りに封止可能に係合されている。スプールは、それを通って延びる半径方向通路を含んでおり、該半径方向通路は、シャフトの第3の半径方向開口部およびハウジングの対応する第3の流体出口開口部と軸線方向に位置合わせされており、かつ、それらと流体連通している。スプールはさらに、スプール上に軸線方向にスライド可能かつ封止可能に配置された第1の封止リングを含んでいる。第1の封止リングは、第1の環状プレートの環状面に係合して、スライドする機械的な端面シール(mechanical face seal)を形成する。スプールはさらに、スプール上に軸線方向にスライド可能かつ封止可能に配置された第2の封止リングを含んでいる。第2の封止リングは、第2の環状プレートの環状面に係合して、スライドする機械的な端面シールを形成する。
【0008】
さらに別の態様では、本開示には多通路回転継手を組み立てるための方法が記載されている。当該方法は、自由端部およびフランジ付き端部を有するシャフト、複数の環状プレートならびに複数のスプールを提供することを含んでいる。複数の環状プレートのうちの1つと複数のスプールのうちの1つが、交互に自由端部からシャフト上に挿入されて積み重ねを作り出す。積み重ねは、ファスナーを用いてシャフト上に固定され、かつ、ハウジングのボアの中へと挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面のいくつかの図の簡単な説明
【0010】
図1図1は、本開示による多通路回転継手の、斜め前方からの外観図である。
図2図2は、本開示による多通路回転継手の、斜め後方からの外観図である。
図3図3は、図1および2に示されている多通路回転継手の断面図である。
図4図4および図5は、図3の断面図の拡大された詳細である。
図5図4および図5は、図3の断面図の拡大された詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面の詳細な説明
図1および2にはそれぞれ、回転継手100の、斜め前方および斜め後方からの外観図が示されている。図示されている実施形態における回転継手100は8つの流体通路を含んでいるが、そのモジュール構成は、8つより少ない、または、8つより多い通路を有する回転継手に適合することが把握されるべきである。図示されているように、回転継手100はハウジング102を含んでおり、該ハウジング102はローターシャフト104を包囲しているが、このことは図3の断面図において見られ得る。ローターシャフト104は、回転継手100を通って延びる種々の流体通路についての流体界面を提供するフランジ106に接続されている。これらの流体通路は、以下でさらに詳細に記載されるように、当該継手を通って延びており、かつ、回転可能なローターシャフト104とハウジング102との間に取り付けられたコンポーネントのスライドする界面に沿って形成されたスライドする機械的な端面シールの使用によって、互いから、および、環境から流体的に隔離されている。
【0012】
図示されている実施形態では、フランジ106は、フランジ106の背面112上に、回転軸線110の周りに配置された1つ以上の回転する流体ポート108(8つが示されている)を含んでいる。配置構成は、対称または非対称であり得る。フランジ106の形状は、回転する機械コンポーネント(図示せず)への接続のために構成された円形を有する平坦なプレートとして示されている。フランジ106は、種々の機械への継手100の接続を容易にする位置に配置される種々のその他の通路と流体ポートとを含む順応性または機会を提供する。例えば、図3に示されているように、それぞれの回転する流体ポート108はまた、回転する流体ポート108に対して半径方向外側に配置された、半径方向に延びる通路114および追加の軸線方向に延びるポート116に、または、接続通路118(これもまた、軸線110に対して半径方向に延びている)を介してフランジ106の外周に沿って配置された半径方向向き流体ポート120に接続され得る。これらの配置構成およびその他の配置構成は、継手100への回転する機械コンポーネントの順応性があり、かつ、便宜な接続を可能にする。例えば半径方向シール(図示せず)または任意のその他のタイプのシールもしくはガスケットを収容する封止溝122もまた、フランジ106の背面において平面112に組み込まれ得、回転する機械コンポーネント(図示せず)にフランジ(したがって、継手100)を取り付けるための取り付け穴124も同様である。
【0013】
ここで図3の断面ならびに図4および図5の拡大された詳細を見ると、回転する流体ポート108はそれぞれ、複数の媒体チャンネル126のうちの1つに流体的に接続されているか、または、複数の媒体チャンネル126のうちの1つに対して開いている。媒体チャンネル126は、ローターシャフト104の本体に沿って内側に延びている。図3の図では2つの媒体チャンネル126が示されているが、複数の媒体チャンネル126(この場合、8つ)がローターシャフト104を通って延びているが、図3においてとった断面では2つのみが視認可能であることが把握されるべきである。各媒体チャンネル126は概して直線状であり、かつ、ガンドリル加工操作またはローターシャフト104に適用されるその他の形成操作によって形成されている。所定の媒体メディア126が接続される特定の出口ポートに基づいて、チャンネルの長さ(言い換えれば、フランジ106の端面112に対するローターシャフト104の中へのチャンネルの深さ)は異なるであろう。さらに、各媒体チャンネル126は軸線110に対して平行であるが、そこからオフセットされた半径方向距離にて延びており、多数の媒体チャンネルがローターシャフト104の任意の円形断面の周りに形成され、かつ、隣接する媒体チャンネル126に対して平行に延び得るようになっている。1つの実施形態では、複数の媒体チャンネル126は、軸線100の周りに配置されている。
【0014】
各媒体チャンネル126は交差通路128に接続されており、該交差通路128は、軸線110に対して半径方向外側に延びており、かつ、ローターシャフト104の長さに沿った特定の軸線方向位置Lにて各々の媒体チャンネル126をローターシャフト104の外面130と流体的に接続している。複数の媒体チャンネル126のそれぞれについて異なる長さLは、対応する分配チャンネル132が形成されている、ハウジング102に沿った対応する軸線方向位置と位置が合うように構成されている。図示されている実施形態では、各媒体チャンネル126および各々の長さLにおけるその各々の交差通路128に対応する、1つの分配チャンネル132が存在している。
【0015】
各分配チャンネル132は、ハウジング102の内側ボア面134に沿って形成されている。ハウジング102は、外周面136と、ハウジング102に沿って中心方向に延びる階段状ボア138とを含む、略円筒形状を有する。各分配チャンネル132は、複数の交差通路128のうちの対応する1つと軸線方向に位置合わせされており、かつ、ハウジング102に対するローターシャフト104の角度配向に関わらず各々の交差通路128から流体を受け取り、または、各々の交差通路128へと流体を提供するように構成されている。
【0016】
説明のために、図3に示されている特定の分配チャンネル132に関して、ハウジング102は接続通路140を形成しており、該接続通路140は、階段状ボア138のセグメントの内側ボア面134と外周面136との間を、ハウジング102を通って半径方向に延びている。プラグ142が接続通路140の半径方向外側端部を流体的に閉じており、かつ、ハウジング102に形成され、かつ、軸線110に対して平行に延びている軸線方向通路144が、各接続通路140をハウジング102の外面148に形成された端部ポート146と接続している。図示されているように、端部ポート146はプラグ150を含んでいる。回転しない流体ポート152が半径方向通路153の自由端部に形成されており、該半径方向通路153は、ハウジング102に形成されており、各々の軸線方向通路144と回転しない流体ポート152との間を半径方向に延びており、かつ、回転しない流体ポート152を対応する分配チャンネル132と流体的に接続している。図示されている実施形態では、8つのかかる構造および通路のセットがハウジングに形成されており、それぞれが、8つの分配チャンネル132のうちの1つを、対応する1つの回転しない流体ポート152と接続している。この配置構成では、継手100の回転しない流体接続部はすべて、ハウジング102の周囲の周りの角度方向に離間した位置におけるハウジングの端部の周りの位置にて作られ得る。
【0017】
ハウジング102およびローターシャフト104を取り付けるために、ハウジング102の内側端部には、ハウジング102に形成された開口部158にネジ山で係合するファスナー156によってアダプターリング154が接続されている。ファスナー156は、フランジ106に形成された開口部160を通してアクセスされ得る。アダプターリング154は、ハウジング102に回転的に係合しており、かつ、ローターシャフト104とハウジング102との間に配置されたベアリング装置(bearing arrangement)164の軌道輪に隣接するレッジ(ledge)162を含んでいる。位置合わせピン165もまた配置されて、組立および作動の最中にアダプターリング154をハウジング102とともに回転的に配向し、かつ、アダプターリング154をハウジング102と係合させてもよい。ハウジング102の外側端部においては、第2のベアリング装置166が、ローターシャフト104の自由端部をハウジング102の自由または外側端部と回転可能に接続している。
【0018】
作動の最中、液体または気体のような流体が、継手100を通って定められた流体通路を通って、1つの回転する流体ポート108(または、先行して記載されたような、それと関連付けられた回転するポートのうちの1つ)と対応する1つの回転しない流体ポート152のそれぞれの対応するペアの間に、封止された様式で提供され得る。かかる流体通路は、その他の同様の流体通路(継手100を通って定められており、かつ、回転する流体ポート108および回転しない流体ポート152の残りのペアのうちのいずれか1つに接続している)から流体的に分離している。各流体通路は、継手100の種々の構造物に形成された流体導管を含んでおり、また、流体通路を隣接する流体通路および環境から隔離する、スライドする機械的な端面シールも含んでいる。
【0019】
図示されている実施形態では、継手100を通って複数の流体通路が定められていてもよい。複数のかかる流体通路のうちの1つが、図3の断面に見られ得る。流体通路は、回転する流体ポート108、媒体チャンネル126、交差通路128、分配チャンネル132、接続通路140、軸線方向通路144、半径方向通路153および回転しない流体ポート152を順不同で含むように定められている。この流体通路を通り、かつ、継手100を通って定められたその他の同様の流体通路を通る流体の流れは、いずれの方向でもあり得る(すなわち、回転する流体ポート108から回転しないポート252へと向かうか、または、その逆)。
【0020】
各通路に沿ってスライドするシールを提供するために、継手100は、0~1のバランス比(balance ratio)を有する、スライドするリングシールを利用する。本明細書で用いられるとき、バランス比は、機械的な端面シールを結び付け、かつ、作り出すのに用いられる封止リングの正味の閉じている液圧的表面積と正味の開いている液圧的表面積との間の比である。図3に示されているように、継手100は、ローターシャフト104に沿って配置された4つの封止リングアセンブリー168を含んでいる。図4の拡大された詳細図には、リングアセンブリー168の詳細図が示されている。この図を参照すると、各リングアセンブリー168は支持スプール170を含んでおり、該支持スプール170は、2つの封止リング支持体172を取り付け、かつ、支持し、各封止リング支持体172は、図示されているように「L」形の断面を有する。封止リング支持体172は、付勢された様式で支持スプール170上にスライド可能かつ封止可能に支持されている。図示されているように、各封止リング支持体172とスプール170との間にはバネ174が配置されており、バネ174が封止リング支持体172を軸線方向に押して、スプール170から離すように配向されている。2つの封止リング支持体172がスプール170の両方の軸線方向側に接続されているときには、したがって、2つのリングは離れるように促される。
【0021】
各封止リング支持体172は、それに取り付けられた回転しない封止リング176を含んでいる。回転しない封止リング176はそれぞれ、回転する封止リング178にスライド可能かつ封止可能に接触して、それとともに2つのリングの間の接触界面に沿って機械的な端面シールを形成する。回転する封止リング178は環状プレート180上に取り付けられており、該環状プレート180は、ローターシャフト104の周りに配置されており、かつ、それと回転可能に係合されており、環状プレート180(したがって、その上に配置された回転する封止リング178)が一緒に回転するようになっている。図4に見られ、かつ、図3にも見られ得るように、図示されている実施形態については、ハウジング102の内側ボア面134に沿って形成された分配チャンネル132と軸線方向に一致する規則的な間隔でローターシャフト104に接続された5つの環状プレート180が存在している。各環状プレート180は任意選択的には、ローターシャフトに沿った遠位端部位置に配置されたプレートを除いて、環状プレート180の両方の軸線方向端部上に配置された2つの回転する封止リング178を含んでいる。最も外側の媒体チャンネル126について図3の右側に見られ得るように、プレートに形成された穴、開口部またはチャンネルであり得る半径方向通路182が、プレートの半径方向内側部分および外側部分に接続しており、かつ、特定の交差通路128とローターシャフト104に沿って軸線方向に位置合わせされている。
【0022】
ここで図4に戻ると、図面に示されているもののような特定の交差通路128は、スプール170の半径方向に延びる壁部186内に形成された半径方向通路184と、ローターシャフト104に沿って軸線方向に位置合わせされていることもまた、見られ得る。環状プレート180と同様に、内側スリーブ171(図4)が、環状プレート180と交互にローターシャフト104に沿って積み重ねられており、かつ、開口部を含んでおり、該開口部は、交差通路128、対応するスプール170の半径方向に延びる壁部186およびその中に形成された半径方向通路184、ならびに、ハウジング102の内側ボア面134に沿って形成された分配通路132と軸線方向に位置合わせされている。図3に示されているように一緒に見たとき、環状プレート180のローターシャフト104およびスプール170の半径方向に延びる壁部186に沿った軸線方向位置は、隣接する分配通路132について交互に配置されており、継手100の端部を除いて、各環状プレート180が、2つの隣接する半径方向に延びる壁部186の間に配置されるようになっていることが見られ得る。同様に、半径方向に延びる壁部186はそれぞれ、2つの隣接する環状プレート180の間に配置されており、交互になっている環状プレート180および半径方向に延びる壁部186がそれぞれ、複数の分配チャンネル132のうちの1つと位置合わせされている。
【0023】
上記のように、各スプール170は、スプール170の両方の軸線方向端部上に配置された2つの封止リング支持体172を含んでおり、このことは、各封止リング支持体172、および、それによって運搬される回転しない封止リング176が、各環状プレート180によって軸線方向に対向するペアにて運搬される回転する封止リング178とスライド可能かつ封止可能に接続することを可能にする。スプール170およびプレート180の交互の位置決めは、各プレート180(継手の両方の軸線方向端部に配置されたプレートを除く)の両方の軸線方向側であって、各スプール170の両方の軸線方向端部上にも、スライドする機械的な端面シール188のペアを作り出す。図3を参照すると、継手100は5つの環状プレート180の間に交互に配置された4つのスプール170を含んでいることが見られ得る。この配置構成では、継手100は、ローターシャフト104に沿って9つの軸線方向に延びる封止されたセグメントを流体的に分離する、8つのスライドする機械的な端面シール界面188を含んでいる。図3に示されている継手100の配向にて最も左側の封止されたセグメントが環境に開かれていることを考慮すると、8つの封止されたセグメントが後に残り、かつ、それぞれが、当該継手を通って延びるそれぞれの封止された流体通路に対応するように構成されている。図3の右側の遠位方向の封止されたセグメントもまた、ハウジング102のボア138を封止するキャップ189によって封止されていることが注目される。図示されている実施形態では、最も左側の封止されたセグメントは、機械的に取り囲まれて、その中を流れる任意の流体または潤滑剤を収集し、かつ、任意のかかる流体を、ハウジング102を通って延びる流出管(図示せず)へとルーティングする。
【0024】
回転する封止リング178と回転しない封止リング176との間のスライドする界面に沿って形成された機械的なシール188に加えて、継手100はさらに静止シールを含んでおり、該静止シールは、ハウジング102の内側ボア面134およびローターシャフト104の外面130に対して流体的に封止して、上記のように、ローターシャフト104とボア138との間に定められた、封止された軸線方向チャンバーを分離する。図示されている実施形態では、これらの静止シールはそれぞれ、半径方向シールまたはOリングによって形成されており、該半径方向シールまたはOリングは、チャンネルに配置されており、かつ、両側に裏当てリングを有し、例えば高い流体圧の存在下での継手100の作動中に、封止要素の回転または押し出し防止する。これらの静止シールは、各分配チャンネル132の両方の軸線方向側に配置されており、かつ、片側で内側ボア面134に封止可能に係合しており、かつ、各交差通路128の両方の軸線方向側でローターシャフト104の外面130にも封止可能に係合している。
【0025】
静止シールは、各スプール170および内側スリーブ171の内側半径方向端部ならびに外側半径方向端部に形成されたチャンネルに配置されている。いっそう具体的には、かつ、図4に示されているように、各スプール170は2つの外側チャンネルを含んでおり、該2つの外側チャンネルはそれぞれ、裏当てリング192によって両方の軸線方向側で包囲された外側シール190を含んでいる。裏当てリング192は、図示されている実施形態では略長方形の断面を有する。各内側スリーブ171はさらに2つの内側チャンネルを含んでおり、該2つの内側チャンネルはそれぞれ、2つの裏当てリング196によって包囲された内側シール194を含有している。裏当てリング196は略三角形の断面を有し、該略三角形の断面は、各々の封止チャンネルの両側で三角形の造作部に嵌合して係合し、かつ、各々のチャンネルにおける空間を満たして、高い流体圧力が存在するときに内側シール194の押し出しを回避する。この封止設計は有利であり、かつ、各内側シール194の周りの3つの分離した加圧領域の間の漏洩を回避する。さらに、各スプール170は2つの中間チャンネルを含んでおり、該2つの中間チャンネルはそれぞれ、両方の軸線方向側に裏当てリング200を有する補助的なシール198を含んでいる。補助的なシール198は、作動中に移動することが可能とされるスプール170と封止リング支持体172との間に封止機能を封止可能かつスライド可能に提供するように配置されている。
【0026】
継手100は有利なことに、先行して提案された多通路継手設計に伴う既知の困難および問題を回避する、モジュール組立および構成に適合する。例えば、多数の通路を有する既知の継手の組立は、反転した配向でのコンポーネントの据え付けを必要とし、封止リング、バネなどが継手の中への挿入の最中にずれてしまうようになっている。継手100では、上記のようにすべての関連するコンポーネントを既にその上に組み立てられた状態で有するスプール170および内側スリーブ171は、環状プレートと交互にハウジングのボアの中に、または、ローターシャフトの周りに挿入されて、第1の組立ステップとして積み重ねを形成し得る。把握され得るように、半径方向の流体開口部を除いてリッジ、チャンネルまたはその他の造作部を含まないシャフトの滑らかな外面は、シャフトに沿ったコンポーネントのスライドを容易にして、所望の積み重ねが形成される。第2の組立ステップでは、その上で組み立てられた積み重ねを有するローターシャフトは、ハウジングのボアの中へと押されて、据え付けを完成させ得る。この配置構成はまた、保守点検または部品の取り換えのための継手の解体を容易にする。
【0027】
組み立てられた継手における内部コンポーネントの適切な位置決めを確実にするために、スプール170および内部スリーブ171は、所望の数のスプールが一緒に積み重ねられたときに、ローターシャフトに対するすべての内部コンポーネントの所望の軸線方向位置をもたらす軸線方向の長さを有するように構成されている。積み重ねられたコンポーネントを所定の位置で保持するために、かつ、積み重ねられたスプールアセンブリーおよびローターシャフト104に予め張力を加え、または、それらを予め歪ませるために、ナット202が、図5の拡大された詳細に示されているように、ローターシャフト104の自由端部に形成されたネジ204に係合する。ナット202の予め決められた、または、所望の締め付けが、記載された種々の積み重ねられた円筒形アセンブリーをローターシャフト104上に据え付け得、また、ローターシャフト104が引っ張られた状態であり、それに接続された周囲のコンポーネントが圧縮された状態になるような軸線方向の力を加えることによって、ローターシャフト104および内側スリーブ171に予めストレスを加え、または、それらを予め歪ませ得、封止コンポーネント上への流体圧力の循環的印加から生じるローターシャフト上への動的負荷が、コンポーネントの位置合わせに影響を与えず、かつ、アセンブリー全体の疲労度を減少させるようになっている。
【0028】
スプール170、および、それに接続されたコンポーネントを含む残りの積み重ねられたコンポーネントは、「浮揚する」ことが可能とされ、それらが、継手100の組立が完成した後で、それらの各々の位置に収まり得るようになっている。止めネジ206がナット202とのネジ式の係合へと挿入されており、かつ、チャンネル208に隣接して、ナット202をローターシャフト104に回転可能に固定し、かつ、作動の最中のスプール170または内側スリーブ171の積み重ねの弛緩に抵抗する。代替的な実施形態では、止めネジ206は、ピン、キーなどを含む任意のその他の適切な反回転デバイスによって置き換えられ得る。ローターシャフト104がハウジング102の中に挿入されるとき、ベアリング210および212は、ハウジング102のボア138内でのローターシャフト104の回転を容易にする。ハウジング102に対するスプール170の回転を防止するために、スペーサー155および167が、最も外側のスプール170とハウジング102との間の図3に示されている位置にて、ハウジング102の両側に挿入されている。
【0029】
スペーサー155および167は、ハウジングおよびスプール170に嵌合して係合し得る、キー固定された(keyed)配置構成を有し得る。図示されているように、ベアリング212の外側軌道輪と階段状ボア138の端部における段との間でスプール170に加えられる軸線方向の負荷、および、このように作り出された摩擦が、スプール170とハウジングとの間のキー固定された配置構成の必要性を伴わずに、ハウジング102に対するスプール170の回転を防止する。各スプール170はまた、スペーサー155および167ならびに隣接するスプールにも嵌合して係合する、キー固定された配置構成を有し、積み重ねられたスプール170ならびにスペーサー155および167の配置構成全体が、ハウジング102と回転可能に係合されるようになっている。特定の応用例では、ハウジング102、および、それと回転可能に接続されたコンポーネントは固定的であり得、シャフト104、および、それと回転可能に係合されたコンポーネントは回転し得ることが注目される。特定のその他の応用例(例えば、インデックステーブルまたはその他)では、シャフト104および関連するコンポーネントが固定的なままであってもよく、ハウジング102および関連するコンポーネントがシャフト104および関連するコンポーネントに対して、かつ、シャフト104および関連するコンポーネントの周りを回転するか、または、少なくともピボット回転する。
【0030】
継手100が組み立てられたとき、補助的なシールを含む種々の内部コンポーネントの位置または最終的に据え付けられた位置は、視覚的に容易に確認され得ないことが把握され得る。1つの実施形態では、ハウジングが除去された状態で、内部構造は外側から封止されて、種々の内部封止コンポーネントが存在しており、適切に位置しており、かつ、適切に適合しているか否かを確証する急速漏洩試験が実行され得る。継手が完全に組み立てられた状態で、かつ、継手100の種々の内部コンポーネントの適切な位置決めおよび機能を確認するために、圧力試験が実行されて、継手内の隣接する封止されたチャンバーの間の所望の流体漏洩(例えば、空気の)を確認し得る。かかる圧力試験は、空気圧および/または真空を加えること、ならびに、継手100の回転するポートおよび/または回転しないポートの間の封止の程度をチェックすることによって自動的に実行され得る。
【0031】
刊行物、特許出願および特許を含む、本明細書で引用されたすべての文献は、各文献が個別かつ具体的に参照したことによって組み込まれることが示され、かつ、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで、参照したことによって本明細書に組み込まれる。
【0032】
本発明を説明する文脈(とりわけ、添付の請求の範囲の文脈)における用語「a(ある)」および「an(ある)」および「the(その)」および「at least one(少なくとも1つの)」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がないか、または、明らかに文脈に矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ以上の項目の列挙が後に続く用語「at least one」の使用(例えば、「at least one of A and B(AおよびBのうちの少なくとも1つ)」は、本明細書に別段の指示がないか、または、明らかに文脈に矛盾しない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(AもしくはB)または列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせ(AおよびB)を意味すると解釈されるべきである。用語「有する(comprising)」、「持つ(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」は、別段の記載が無ければ、限定されない(open―ended)用語(即ち、「含むが、それに限定されない」ということを意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、その範囲内に入る各個別の値を個別に言及する簡易な方法としての役目を持つことを単に意図しており、かつ、各個別の値は、それが個別に本明細書に記載されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載したすべての方法は、本明細書に別段の指示がないか、または、明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供された、任意およびすべての例または例示的な言葉使い(例、「といったような(such as)」の使用は、本発明をいっそう良好に明らかにすることを単に意図しており、別段の請求が無ければ、本発明の範囲を制限しない。本明細書中の言葉使いは、あらゆる非請求の要素が本発明の実施に不可欠であることを指示していると解釈されるべきではない。
【0033】
本発明者らが知っている、本発明を実施するための最良の態様を含めて、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態のバリエーションは、上記の説明を読んだ当業者に明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がそのようなバリエーションを適宜採用することを予測しており、かつ、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されたものとは異なるようにして実施されることを意図している。したがって、本発明は、本明細書に添付の請求の範囲に記載されている主題の、適用法によって許容されるあらゆる修正および均等物を含む。また、上記された要素のすべての可能なバリエーションでの任意の組み合わせが、本明細書に別段の指示がないか、または明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5