(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230725BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G06F1/16 312J
G06F1/16 312E
H05K5/02 V
(21)【出願番号】P 2021022167
(22)【出願日】2021-02-15
(62)【分割の表示】P 2020170187の分割
【原出願日】2018-10-17
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】511304154
【氏名又は名称】株式会社モノコト
(72)【発明者】
【氏名】松岡 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】曽我 修
(72)【発明者】
【氏名】武田 智宏
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-033116(JP,A)
【文献】特開2015-204568(JP,A)
【文献】特開2005-149109(JP,A)
【文献】特開2003-288151(JP,A)
【文献】特開2011-232843(JP,A)
【文献】特開2018-014074(JP,A)
【文献】特開2010-204917(JP,A)
【文献】特開2017-045339(JP,A)
【文献】特表2015-520838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16- 1/18
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に表裏をなす第1の面及び第2の面を有する第1の筐体と、
相互に表裏をなす第3の面及び第4の面を有する第2の筐体と、
前記第1の面が前記第3の面に対向する第1の状態から前記第2の面が前記第4の面に対向する第2の状態までの位置関係をとることができるように前記第1の筐体及び前記第2の筐体を回動可能に連接し、当該回動に伴って回動する連接部と、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体間の位置関係が、前記第1の状態と前記第2の状態の間に位置する境界状態をはさんで前記第1の状態と該境界状態との間の第1の範囲内にあるか又は前記第2の状態と該境界状態との間の第2の範囲内にあるかを検出することができる検出部と、
を備え、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、当該前記第1の筐体および当該第2の筐体が連接する辺に平行な回動軸により相互に回動可能であり、
前記第1の筐体は、前記第1の状態から前記第2の状態への回動中に前記境界状態を超えて前記第2の筐体に対して前記回動軸で第1の角度分回動させることにより前記第2の状態に達し、当該第2の状態から当該第1の状態への回動中に当該境界状態を超えて当該第2の筐体に対して当該回動軸で第2の角度分回動させることにより、当該第1の状態に達するように構成され、
前記検出部は、前記第2
の状態から前記第1
の状態への回動中に前記境界状態を超えたこと、および、当該第1
の状態から当該第2
の状態への回動中に当該境界状態を超えたことの何れかに応じて状態を切り換えることができるスイッチと、当該第1の筐体および当該第2の筐体の回動と当該回動に伴う前記連接部の回動とに伴って当該スイッチの状態を変更することができるスイッチ変更部と、を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の面に設けられ、所定の画像を表示することができる表示部と、
全部又は一部が前記第1の面に設けられた第1の操作インターフェースと、
全部又は一部が前記第3の面に設けられた第2の操作インターフェースと、
前記表示部、前記検出部、前記第1の操作インターフェース及び前記第2の操作インターフェースとそれぞれ接続されると共に、前記第1の操作インターフェースを介した操作が可能な第1のアプリケ-ションプログラム及び前記第2の操作インターフェースを介した操作が可能な第2のアプリケーションプログラムを実行可能に制御することができる制御部と、
を備え、
前記第1のアプリケーションプログラムおよび前記第2のアプリケーションプログラムは、前記表示部に表示された当該第1のアプリケーションプログラムおよび当該第2のアプリケーションプログラムのメニューの中から使用者による選択操作に基づいて実行されるアプリケーションプログラムであって、
前記制御部は、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の筐体間位置関係が前記第1範囲内にあるときは前記第1のアプリケ-ションプログラムの実行を不可能に制御し、前記筐体間位置関係が前記第2範囲内にあるときは前記第2のアプリケ-ションプログラムの実行を不可能に制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記筐体間位置関係が前記第1の範囲内にあるときは、前記第1の操作インターフェースを介した操作を実行不可能に制御し、前記筐体間位置関係が前記第2の状態寄りにあるときは、前記第2の操作インターフェースを介した操作を実行不可能に制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記筐体間位置関係が前記第1の範囲内にあるときは、前記第1のアプリケーションプログラムの前記表示部におけるメニュー表示を不可能に制御し、前記筐体間位置関係が前記第2の範囲内にあるときは、前記第2のアプリケーションプログラムの前記表示部におけるメニュー表示を不可能に制御する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記スイッチは、前記スイッチの状態を変更することができる可動部を含み、
前記境界状態は、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の回動に伴った前記可動部の移動により、前記スイッチの状態が導通状態または開放状態に切り換わる状態である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記筐体間位置関係が前記第2の範囲内にあるときは前記スイッチの状態が導通状態であり、
前記筐体間位置関係が前記第1の範囲内にあるときは前記スイッチの状態が開放状態である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記可動部は、前記第1の筐体及び前記第2の筐体のいずれかにおいて前記連接部の近傍に設けられ、
前記スイッチ変更部は、当接により前記可動部を移動させることができる当接部を含み、
前記当接部は、前記連接部の前記回動の軸に垂直な断面における周方向の一部に設けられたリブの少なくとも一部を含んで構成され、
前記リブの少なくとも一部が前記可動部に接触することにより、前記可動部を移動させることができる、
請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記リブは、前記周方向に沿って延在し、
前記周方向に沿って延在する前記リブの外周面の少なくとも一部が前記可動部に接触することにより、前記可動部を移動させることができる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二筐体を有してなる情報処理装置及び情報処理用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
モバイル型情報端末として、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ(以下、タブレット型PC)及びノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノート型PC)が知られている。スマートフォン及びタブレット型PCは多くの機種が一筐体からなり、当該筐体の一面の大部分を覆うサイズの液晶や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)パネルからなる表示部を備え、当該表示部に組み込まれたタッチスクリーンを指やスタイラスで触れたりなぞったりすることによりほとんどの操作を行えるように構成されている。
【0003】
一方、ノート型PCの多くの機種では、表示部側と操作部側に分れた二筐体が連接部を介して相互に回動可能に連接され、使用しないときは表示部と操作部を向かい合わせて二筐体を閉じ、使用時には操作部が水平で表示部が斜め上方から見やすい角度になるように二筐体を開くことができる。表示部はタブレット型PCと同様に液晶や有機ELパネルから構成され、操作部はキーボード及びポインティングデバイス(マウス、タッチパッド等)から構成される。
【0004】
タブレット型PCとノート型PCを使用する立場から比較すると、前者は直観的な操作により迅速に情報を閲覧するのに好適であり、後者はキーボードを使って大量かつ迅速に情報を入力するのに好適である。そこで、このような両者の特徴を合わせ持つような形態の製品も登場している。例えばノート型PCの表示部側と操作部側の筐体を相互に着脱可能にして、ノート型PCとしても用いることができるし、表示部側だけをタブレット型PCのように用いることもできる製品が知られている。
【0005】
ノート型PCの連接部の回動方向を二通りにして、普通にノート型PCとして使用できるほか、表示部を外向きにして折り畳んだ形でタブレット型PCのように使用することもできるという従来技術も知られている。例えば特許文献1に記載された技術によれば、本体側と表示部側の二筐体を連接するヒンジ部は、本体側のキーボードと表示部を対向させて通常のノート型PCのように開閉する(表示部を隠すように二筐体を閉じる。)だけでなく、二筐体を閉じたときに表示部が外を向くように本体側に対して表示部側を回転させることもできる。そうすると、表示部を外向きに二筐体を閉じてタブレット型PCのように使用することができる旨が、記載されている。二筐体を閉じたときに表示部が隠されているか外向きにされているかを、非接触センサ(例えば磁気センサ及び磁石)により検出して表示の向きを切換えることも、特徴として記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
二筐体を相互に回動可能に連接して構成された情報端末や情報処理装置では、ノート型PCの形態にしたときとタブレット型PCの形態にしたときとで、形態に適した異なる操作インターフェースが使用されることがある。しかし、特に学童や幼児など低年齢層向けの教育・遊戯目的の情報処理装置においては、複数の操作インターフェースが利用できる場合、誤操作が生じ易い。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、情報処理装置の形態に応じて、使用される操作インターフェースが異なる場合の誤操作の抑制または防止を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、相互に表裏をなす第1の面及び第2の面を有する第1の筐体と、相互に表裏をなす第3の面及び第4の面を有する第2の筐体と、前記第1の面が前記第3の面に対向する始状態から前記第2の面が前記第4の面に対向する終状態までの位置関係をとることができるように前記第1の筐体及び前記第2の筐体を回動可能に連接する連接部と、前記第1の筐体及び前記第2の筐体間の位置関係が、前記始状態と前記終状態の間に位置する境界状態をはさんで前記始状態寄りにあるか又は前記終状態寄りにあるかを検出することができる検出部と、前記第1の面に設けられ、所定の画像を表示することができる表示部と、全部又は一部が前記第1の面に設けられた第1の操作インターフェースと、全部又は一部が前記第3の面に設けられた第2の操作インターフェースと、前記表示部、前記検出部、前記第1の操作インターフェース及び前記第2の操作インターフェースとそれぞれ接続されると共に、前記第1の操作インターフェースを介した操作が可能な第1のアプリケ-ションプログラム及び前記第2の操作インターフェースを介した操作が可能な第2のアプリケーションプログラムを実行可能に制御することができる制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の筐体間位置関係が前記始状態寄りにあるときは前記第1のアプリケ-ションプログラムの実行を不可に制御し、前記筐体間位置関係が前記終状態寄りにあるときは前記第2のアプリケ-ションプログラムの実行を不可に制御する。また、本発明の情報処理装置は、相互に表裏をなす第1の面及び第2の面を有する第1の筐体と、相互に表裏をなす第3の面及び第4の面を有する第2の筐体と、前記第1の面が前記第3の面に対向する第1の状態から前記第2の面が前記第4の面に対向する第2の状態までの位置関係をとることができるように前記第1の筐体及び前記第2の筐体を回動可能に連接し、当該回動に伴って回動する連接部と、前記第1の筐体及び前記第2の筐体間の位置関係が、前記第1の状態と前記第2の状態の間に位置する境界状態をはさんで前記第1の状態と該境界状態との間の第1の範囲内にあるか又は前記第2の状態と該境界状態との間の第2の範囲内にあるかを検出することができる検出部と、を備え、前記検出部は、前記筐体間位置関係が前記第1の範囲内にあるか前記第2の範囲内にあるかに応じて状態を切り換えることができるスイッチと、前記第1の筐体および前記第2の筐体の回動と当該回動に伴う前記連接部の回動とに伴って前記スイッチの状態を変更することができるスイッチ変更部と、を含む。また、本発明の情報処理装置は、相互に表裏をなす第1の面及び第2の面を有する第1の筐体と、相互に表裏をなす第3の面及び第4の面を有する第2の筐体と、前記第1の面が前記第3の面に対向する第1の状態から前記第2の面が前記第4の面に対向する第2の状態までの位置関係をとることができるように前記第1の筐体及び前記第2の筐体を回動可能に連接し、当該回動に伴って回動する連接部と、前記第1の筐体及び前記第2の筐体間の位置関係が、前記第1の状態と前記第2の状態の間に位置する境界状態をはさんで前記第1の状態と該境界状態との間の第1の範囲内にあるか又は前記第2の状態と該境界状態との間の第2の範囲内にあるかを検出することができる検出部と、を備え、前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、当該前記第1の筐体および当該第2の筐体が連接する辺に平行な回動軸により相互に回動可能であり、前記第1の筐体は、前記第1の状態から前記第2の状態への回動中に前記境界状態を超えて前記第2の筐体に対して前記回動軸で第1の角度分回動させることにより前記第2の状態に達し、当該第2の状態から当該第1の状態への回動中に当該境界状態を超えて当該第2の筐体に対して当該回動軸で第2の角度分回動させることにより、当該第1の状態に達するように構成され、前記検出部は、前記第2の状態から前記第1の状態への回動中に前記境界状態を超えたこと、および、当該第1の状態から当該第2の状態への回動中に当該境界状態を超えたことの何れかに応じて状態を切り換えることができるスイッチと、当該第1の筐体および当該第2の筐体の回動と当該回動に伴う前記連接部の回動とに伴って当該スイッチの状態を変更することができるスイッチ変更部と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用者は情報処理装置の形態に応じた操作インターフェースで操作可能な適切なアプリケーションプログラムを利用することが可能となり、誤操作を抑制または防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は情報処理装置の機械的構成を示す外観図である。(実施の形態1)
【
図2】
図2は表示面が操作面に対向した状態を側面から回動軸に平行に見て表す図である。(実施の形態1)
【
図3】
図3は表示背面が操作背面に対向した状態を側面から回動軸に平行に見て表す図である。(実施の形態1)
【
図4】
図4は情報処理装置の電気的構成を示すブロック図である。(実施の形態1)
【
図5】
図5は検出部の配置及び構成を説明する図である。(実施の形態1)
【
図6】
図6は第1筐体と第2筐体のなす角が0度のときのスイッチ可動部とリブ付き部材の位置関係を表す図である。(実施の形態1)
【
図7】
図7は第1筐体と第2筐体のなす角が110度のときのスイッチ可動部とリブ付き部材の位置関係を表す図である。(実施の形態1)
【
図8】
図8は第1筐体と第2筐体のなす角が180度のときのスイッチ可動部とリブ付き部材の位置関係を表す図である。(実施の形態1)
【
図9】
図9は第1筐体と第2筐体のなす角が290度のときのスイッチ可動部とリブ付き部材の位置関係を表す図である。(実施の形態1)
【
図10】
図10は第1筐体と第2筐体のなす角が360度のときのスイッチ可動部とリブ付き部材の位置関係を表す図である。(実施の形態1)
【
図11】
図11は情報処理装置の処理フローを表すフローチャートである。(実施の形態1)
【
図12】
図12は第1変形例に係る情報処理装置の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。(実施の形態2)
【
図13】
図13は第2変形例に係る情報処理装置の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。(実施の形態2)
【
図14】
図14は第3変形例に係る情報処理装置の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。(実施の形態2)
【
図15】
図15は筐体間位置関係を終状態寄りから始状態寄りへ変えられた場合の処理フローを説明するフローチャートである。(実施の形態3)
【
図16】
図16は筐体間位置関係を始状態寄りから終状態寄りへ変えられた場合の処理フローを説明するフローチャートである。(実施の形態3)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
【0013】
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報処理装置100の機械的構成を示す外観図である。情報処理装置100は、例えば学童・幼児向けの教育・遊戯用の電子機器であるが、これに限定するものではない。情報処理装置100は、第1筐体110と第2筐体120が、連接部130により、連接部130の長手方向の回動軸(
図1に一点鎖線で示す。)の周りを相互に回動可能に連接されて構成される。第1筐体110と第2筐体120は、それぞれの内部の回路が連接部130を通して相互に接続されている。
【0014】
第1筐体110は、
図1において手前に表した表示面111と、その裏面に当る(
図1では見えない方の)表示背面112を有する。表示面111には、例えば液晶パネルから構成された表示部113(
図1に斜線のハッチングを付して示す。)が設けられている。表示部113には、情報処理装置100の操作インターフェースとして機能するタッチスクリーン114が組み込まれている。
【0015】
第2筐体120は、
図1において上側に表した操作面121と、その裏面に当る(
図1では見えない下側の)操作背面122を有する。操作面121には、キーボード123(
図1では格子状のシンボルで表す。)が設けられている。第2筐体120の
図1における右側の側面には、コネクタ124が設けられている。コネクタ124には、図示しないマウスを接続することができる。操作面121に、図示しないポインティングデバイス(例えばタッチパッド)が設けられていてもよい。
【0016】
第1筐体110は、第2筐体120に対して、表示面111が操作面121に対向するように連接部130の回動軸の周りを回動することができる(
図1に反時計回りの矢印付き破線で示す。なお、これと逆向きの回動も可能である。)。
図2は、表示面111が操作面121に対向した状態を、
図1の右側面から回動軸に平行に見て表す図である。
図2に表した構成はそれぞれ、
図1に同じ符号を付して表した構成と同じであるから、説明を省略する。
図2に表した筐体間の位置関係に係る状態を、筐体間回動の初期状態という意味で、始状態と呼ぶ。
【0017】
第1筐体110は、第2筐体120に対して、表示背面112が操作背面122に対向するように連接部130の回動軸の周りを回動することができる(
図1に時計回りの矢印付き破線で示す。なお、これと逆向きの回動も可能である。)。
図3は、表示背面112が操作背面122に対向した状態を、
図1の右側面から回動軸に平行に見て表す図である。
図3に表した構成はそれぞれ、
図1に同じ符号を付して表した構成と同じである。
図3に表した筐体間の位置関係に係る状態を、筐体間回動の最終状態という意味で、終状態と呼ぶ。
【0018】
第1筐体110は、第2筐体120に対して、回動軸の周りを始状態から終状態まで360度にわたって回動する。これに伴って、連接部130も回動軸の周りを始状態から終状態まで180度にわたって回動する(
図2で連接部130の第1筐体111側の上側部分に表示された黒丸が、
図3では180度反転した位置に表示される。)。
【0019】
図4は、情報処理装置100の電気的構成を示すブロック図である。
図4に表した情報処理装置100の構成のうち、表示部113、タッチスクリーン114及びキーボード123については、それぞれ
図1を参照して説明した通りである。情報処理装置100はさらに、検出部140を備える。検出部140は連接部130の一部及び近傍に設けられ、後述するように、第1筐体110と第2筐体120の筐体間位置関係がある境界状態をはさんで始状態寄りであるか又は終状態寄りであるかを検出して、検出結果を示す信号を制御部150に送ることができる。
【0020】
情報処理装置100は、制御部150を備える。制御部150は、第1筐体110及び第2筐体120のいずれかに設けられた例えばマイクロプロセッサ等の演算手段である。制御部150はメモリを内蔵し、当該メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することができる。
【0021】
制御部150は表示部113に接続され、画像や文字を表示部113の画面に表示させることができる。制御部150はタッチスクリーン114に接続され、タッチスクリーン114は、指先やスタイラスによって触れられたりなぞられたりする操作を検出したとき、どのような操作がされたかを示す検出信号を制御部150に送る。制御部150はキーボード123に接続され、キーボード123はどのキーが操作されたかを示す検出信号を制御部150に送る。
【0022】
情報処理装置100は、以上に述べた各構成のほか、
図4に図示しない例えばストレージデバイス、マイクやスピーカー等のオーディオデバイス、カメラ等を備えてもよい。また、
図1に示したコネクタ124を経て図示しないマウスを制御部150に接続し、当該マウスの操作信号を制御部150に送るようにしてもよい。又は、図示しないワイヤレス型のマウスを使用可能にしてもよい。
【0023】
図4において、制御部150以外の構成を破線で囲んで示している。これは、破線で囲まれた部分が情報処理装置100のうち操作・表示装置として位置づけられる部分であることを示している。
【0024】
図5を参照して、検出部140の構成及び動作原理を説明する。
図5は、情報処理装置100における検出部140の配置及び構成を説明する図である。
図5において、符号100、110、113、114、120、123及び130を付して表した構成は、それぞれ
図1に同じ符号を付して表した構成と同じであるから、説明を省略する。検出部140は、
図5に破線の円で示した箇所に設けられている。
【0025】
図5の右上の箇所に、検出部140の構成を拡大して示す。検出部140はスイッチ141とリブ付き部材144を有する。スイッチ141は本体部142と可動部143を有し、可動部143の移動により、スイッチ141の状態が変更される。本実施の形態では、
図5に示した状態においてはスイッチ開放の状態にあり、可動部143が本体部142に向けて押し込まれるとスイッチ導通の状態になるものとしているが、
図5に示した状態においてスイッチ導通の状態とし、可動部143が本体部142に向けて押し込まれるとスイッチ開放の状態となるようにしてもよい。スイッチ141の本体部142は、第1筐体110内の連接部130近傍の位置に固定して設けられている。
【0026】
リブ付き部材144は連接部130に固定して設けられ、一点鎖線で示す回動軸に垂直な断面における周方向の一部にリブ145を設けたものである。第1筐体110を第2筐体120に対して始状態から終状態の向き(
図5に太い矢印付き破線で示す。)へ360度回動させると、第1筐体110に固定されたスイッチ141の本体部142は同じ向きに360度回動する。このとき連接部130に固定されたリブ付き部材144は、回動軸の周りを同じ向きへ180度回動する(
図2及び
図3参照。)。スイッチ141はリブ付き部材144に比較して平均2倍の速度で回動するから、スイッチ141とリブ付き部材144を相互に近接させて位置関係を調整すれば、始状態と終状態の間のいずれかの状態において可動部143とリブ145を相互に接触し、リブ145は、可動部143を移動させることができる。リブ145による可動部143の移動によって、スイッチ141の状態が切り換わる。このようにスイッチ141の状態が切り換わる状態を境界状態とする。
【0027】
可動部143がリブ145に接触して本体部142に向けて押し込まれると、スイッチ141は始状態におけるスイッチ開放の状態からスイッチ導通の状態へ切り換わる。すなわち、リブ付き部材144は、第1筐体110及び第2筐体120の回動に伴ってスイッチ141の状態を変更することができるスイッチ変更部であり、リブ145は、可動部143に接触(当接)することにより可動部143を移動させることができる当接部であるともいえる。導通信号をスイッチ141から制御部150に送ることにより、制御部150は、境界状態よりも始状態寄りにあった第1筐体110と第2筐体120の筐体間位置関係が、境界状態よりも終状態寄りに変化したことを認識する。
【0028】
逆に第1筐体110を第2筐体120に対して終状態から始状態の向きへ回動させたときは、境界状態においてスイッチ141が導通状態から開放状態へ切り換わり、制御部150は境界状態よりも終状態寄りにあった筐体間位置関係が境界状態よりも始状態寄りに変化したことを認識する。制御部150は、このようにして筐体間位置関係が境界状態よりも始状態寄りにあるか終状態寄りにあるかを識別し、後述するように、使用する操作インターフェースや実行するアプリケーションプログラムを筐体間位置関係に合わせて選択的に制御することができる。
【0029】
図6ないし
図10は、第1筐体110を第2筐体120に対して始状態から終状態の向きへ回動させるときのスイッチ141(のうち特に可動部143)とリブ付き部材144(のうち特にリブ145)の位置関係の変化を、順を追って表す図である。
図6ないし
図10に符号付きで表した構成は、それぞれ
図5に同じ符号を付して表した構成に等しい。
【0030】
図6の上の図は、情報処理装置100を
図5の左方から回動軸の向きに見て表す図である。ただし、情報処理装置100は始状態にあり、第1筐体110が第2筐体120に対してなす角度は0度である。
図6の下の図は、始状態において第1筐体内部に設けられたスイッチ141(本体部142及び可動部143)と連接部130内部に設けられたリブ付き部材144及びリブ145の位置関係を、上の図と同じ向きに見て表す図である。図示するように、始状態において可動部143とリブ145は離間しており、スイッチ141は開放状態にある。
【0031】
図7の上の図は、第1筐体110が第2筐体120に対して110度の角度をなす状態を
図6と同じ向きに見て表す図である。
図7の下の図は、このときのスイッチ141(本体部142及び可動部143)並びにリブ付き部材144及びリブ145の位置関係を、上の図と同じ向きに見て表す図である。図示するように、この状態においても可動部143とリブ145は離間しており、スイッチ141は依然として開放状態にある。
【0032】
図8の上の図は、第1筐体110が第2筐体120に対して180度の角度をなす状態を
図6と同じ向きに見て表す図である。
図8の下の図は、このときのスイッチ141(本体部142及び可動部143)並びにリブ付き部材144及びリブ145の位置関係を、上の図と同じ向きに見て表す図である。図示するように、この状態においても可動部143とリブ145は離間しており、スイッチ141は依然として開放状態にある。
【0033】
図9の上の図は、第1筐体110が第2筐体120に対して290度の角度をなす状態を
図6と同じ向きに見て表す図である。
図9の下の図は、このときのスイッチ141(本体部142及び可動部143)並びにリブ付き部材144及びリブ145の位置関係を、上の図と同じ向きに見て表す図である。図示するように、第1筐体110の第2筐体120に対する角度が290度に達すると、可動部143とリブ145が接触する。そして、第1筐体110の第2筐体120に対する角度が290度を所定角度分超えて、可動部143が本体部142に向けて押し込まれたとき、スイッチ141の導通状態が切り換わる。上述の所定角度は、極小さい角度であるため、
図9に示した状態が、上述した境界状態に近い状態を表しているといえる。
【0034】
図10の上の図は、第1筐体110が第2筐体120に対して360度の角度をなす終状態を
図6と同じ向きに見て表す図である。
図10の下の図は、このときのスイッチ141(本体部142及び可動部143)並びにリブ付き部材144及びリブ145の位置関係を、上の図と同じ向きに見て表す図である。図示するように、第1筐体110の第2筐体120に対する角度が境界状態の角度(290度より上述の所定角度分大きい角度)を超えて360に至る間は、可動部143は本体部142に向けて押し込まれている状態であり、スイッチ141を導通状態に保つ。
【0035】
以上述べたように、第1筐体110が第2筐体120に対して境界状態よりも筐体間位置関係が始状態寄り(筐体間のなす角度が290度以下の状態)にあるときは、スイッチ141は開放状態にある。第1筐体110及び第2筐体120の筐体間位置関係が境界状態よりも終状態寄り(筐体間のなす角度が境界状態の角度以上)にあるときは、スイッチ141は導通状態にある。
【0036】
図11に表したフローチャートを参照して、情報処理装置100の処理フローを説明する。制御部150は、タッチスクリーン114を操作インターフェースとして用いるタブレット型のアプリケーションプログラム(以下、TAB型APと略称する。)と、キーボード123を操作インターフェースとして用いるPC型のアプリケーションプログラム(以下、PC型APと略称する。)を選択的に実行することができるものとする。TAB型APには、例えばタッチスクリーン114上の操作により表示部113上に描画することができる描画用アプリケーションプログラムが含まれる。PC型APには、例えばタイピング練習教材のアプリケーションプログラムが含まれる。
【0037】
図11は、情報処理装置100の処理フローを表すフローチャートである。処理を開始すると(START)、制御部150はスイッチ141の導通信号が検出されているか否かを確認する(ステップS1100)。検出されていれば(ステップS1100の“YES”)、制御部150は第1筐体110と第2筐体120の筐体間位置関係が境界状態よりも終状態寄りにあると判断し、PC型APを実行できないように設定する(ステップS1111)。
【0038】
制御部150は、続いてキーボード123による操作を実行できないように設定する(ステップS1112)。具体的には、キーボード123のいずれかのキーが押されても受け付けないようにする。このとき、操作面121に設けられたポインティングデバイス又はコネクタ124に接続されたマウス若しくはワイヤレス型マウスによる操作を実行できないように設定してもよい。
【0039】
制御部150は、続いてPC型APのメニューを表示部113上に表示することができないように設定する(ステップS1113)。制御部150は、ステップS1112及びステップS1113の実行の順序を入れ換えてもよい。また、ステップS1112及びステップS1113の両方又はいずれか一方をバイパスしてもよい。
【0040】
制御部150は、続いてTAB型APのメニューを表示部113上に表示する(ステップS1114)。タッチスクリーン114上においてメニューの中から「終了」以外のいずれかのアプリケーションプログラムを選択する操作がされると(ステップS1115の“NO”)、制御部150は当該アプリケーションプログラムを実行する(ステップS1116)。
【0041】
制御部150は、タッチスクリーン114上において「メニューに戻る」操作がされると(ステップS1117の“YES”)、処理フローをステップS1114に戻す。「メニューに戻る」操作がされない間は(ステップS1117の“NO”)、処理フローをステップS1116にとどめる。
【0042】
ステップS1115において、タッチスクリーン114上で「終了」を選択する操作がされると(ステップS1115の“YES”)、制御部150は処理フローをステップS1100に戻す。
【0043】
ステップS1100においてスイッチ141の導通信号が検出されなければ(ステップS1100の“NO”)、制御部150は第1筐体110と第2筐体120の筐体間位置関係が境界状態よりも始状態寄りにあると判断し、TAB型APを実行できないように設定する(ステップS1121)。
【0044】
制御部150は、続いてタッチスクリーン114による操作を実行できないように設定する(ステップS1122)。具体的には、タッチスクリーン114からの感圧信号があっても受け付けないようにする。
【0045】
制御部150は、続いてTAB型APのメニューを表示部113上に表示することができないように設定する(ステップS1123)。制御部150は、ステップS1122及びステップS1123の実行の順序を入れ換えてもよい。また、ステップS1122及びステップS1123の両方又はいずれか一方をバイパスしてもよい。
【0046】
制御部150は、続いてPC型APのメニューを表示部113上に表示する(ステップS1124)。キーボード123(又はマウス若しくは操作面121に設けられたポインティングデバイス)を用いてメニューの中から「終了」以外のいずれかのアプリケーションプログラムを選択する操作がされると(ステップS1125の“NO”)、制御部150は当該アプリケーションプログラムを実行する(ステップS1126)。
【0047】
制御部150は、キーボード123(又はマウス若しくは操作面121に設けられたポインティングデバイス)を用いて「メニューに戻る」操作がされると(ステップS1127の“YES”)、処理フローをステップS1124に戻す。「メニューに戻る」操作がされない間は(ステップS1127の“NO”)、処理フローをステップS1126にとどめる。
【0048】
ステップS1125において、キーボード123(又はマウス若しくは操作面121に設けられたポインティングデバイス)を用いて「終了」を選択する操作がされると(ステップS1125の“YES”)、制御部150は処理フローをステップS1100に戻す。なお、
図11に表した処理フローのいずれかのステップにおいて、制御部150が電源ボタン(図面上は省略。)の長押しを検出したか、又は内蔵するバッテリー(図面上は省略。)の電圧が所定値を下回ったことを検出したときは、処理を終了する(END、図面上は省略。)。
【0049】
本発明の実施の形態1によれば、情報処理装置の二筐体の位置関係に合わせて複数通りの操作インターフェースの中から最適なものを選択し、選択した操作インターフェースに適合しないアプリケーションプログラムを実行不可にして、使用者の誤解や誤操作を抑制または防止することができる。また、スイッチ141が可動部143の移動により状態を変更されるものである場合は、可動部143がリブ145(当接部)により押し込まれた状態を筐体間位置関係が終状態寄りであるとし、可動部143がリブ145(当接部)により押し込まれていない状態(可動部143がリブ145に接触していない状態または可動部143がリブ145に接触した時点)を筐体間位置関係が始状態寄りであると設定することにより、情報処理装置100が使用されず長時間が経過することが想定される保管状態(第1筐体110が第2筐体120に対してなす角度が0度である状態)においては、可動部143は押し込まれた状態とならないため、可動部143の摩耗を抑制することができる。実施の形態1の説明において、筐体間のなす角度が290度の状態が境界状態に近い状態であるとしたが、境界状態をこの290度に近い値に限るものではない。また、第1筐体110と第2筐体120とがなす角度に関しても、始状態に対応する角度が0度であること、終状態に対応する角度が360度に限るものではなく、保管及び使用時の利便性を考慮して、適宜設定することが可能である。
<実施の形態2>
【0050】
図12ないし
図14を参照して、本発明の実施の形態2を説明する。これらの図面は、実施の形態1における検出部140の3通りの変形例を実施の形態2として記載したものである。
図12は、実施の形態2のうち第1変形例に係る情報処理装置201の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。情報処理装置201は、第1筐体110、第2筐体120及び連接部231を備える。
【0051】
第1筐体110は実施の形態1で説明したものと同じで、実施の形態1と同じ表示部113及びタッチスクリーン114を備える。第2筐体120は実施の形態1で説明したものと同じで、実施の形態1と同じキーボード123を備える。第1筐体110は、第2筐体120に対して、実施の形態1について説明したのと同様に連接部231の回動軸の周りを始状態から終状態まで回動することができる。連接部231は、実施の形態1の連接部130に固定して設けられたリブ付き部材144を、次に述べるカム付き部材244に置き換えたものである。
【0052】
情報処理装置201は、検出部241を備える。検出部241は連接部231の一部及び近傍に設けられ、
図12の右上の箇所に拡大して示す構成を有する。検出部241は、スイッチ141(実施の形態1に同じ。)とカム付き部材244を有する。カム付き部材244は連接部231に固定して設けられ、カム付き部材244の一部には図示するようにカム部245が形成されている。
【0053】
第1筐体110を第2筐体120に対して始状態から終状態の向き(
図12に太い矢印付き破線で示す。)へ360度回動させると、第1筐体110に本体部142が固定されたスイッチ141は同じ向きに360度回動する。このとき連接部231に固定されたカム付き部材244は、回動軸の周りを同じ向きへ180度回動する(
図2及び
図3参照。)。
【0054】
このときスイッチ141はカム付き部材244に比較して平均2倍の速度で回動するから、スイッチ141とカム付き部材244を相互に近接させて位置関係を調整すれば、始状態と終状態の間のいずれかの状態において可動部143とカム部245を相互に接触させることができる。その結果、情報処理装置201は、実施の形態1と同様に、第1筐体110及び第2筐体120の筐体間位置関係が境界状態をはさんで始状態寄りにあるか終状態寄りにあるかを識別し、使用する操作インターフェースや実行するアプリケーションプログラムを筐体間位置関係に合わせて選択的に制御することができる。実施の形態1と同様に、カム付き部材244は、第1筐体110及び第2筐体120の回動に伴ってスイッチ141の状態を変更することができるスイッチ変更部であり、カム245は、可動部143に接触(当接)することにより可動部143を移動させることができる当接部であるともいえる。
【0055】
図13は、実施の形態2のうち第2変形例に係る情報処理装置202の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。情報処理装置202は、第1筐体210、第2筐体120及び連接部232を備える。第1筐体210は、実施の形態1で説明した第1筐体110に本体部142を固定して設けたスイッチ141を、後述するロータリエンコーダ247に置き換えたものである。第2筐体120、表示部113、タッチスクリーン114及びキーボード123は、実施の形態1で説明したものと同じである。第1筐体210は、第2筐体120に対して、実施の形態1について説明したのと同様に連接部232の回動軸の周りを始状態から終状態まで回動することができる。連接部232は、実施の形態1の連接部130に固定して設けられたリブ付き部材144を、次に述べる軸側部材246に置き換えたものである。
【0056】
情報処理装置202は、検出部242を備える。検出部242は連接部232の一部及び近傍に設けられ、
図13の右上の箇所に拡大して示す構成を有する。検出部242は、軸側部材246とロータリエンコーダ247(本体部248及び軸249を有する。)を備える。本体部248は第1筐体210に固定して設けられ、軸249は軸側部材246に固定されている。軸側部材246は、連接部232に固定して設けられている。
【0057】
第1筐体210を第2筐体120に対して始状態から終状態の向き(
図14に太い矢印付き破線で示す。)へ360度回動させると、第1筐体210に固定された本体部248は同じ向きに360度回動する。このとき軸側部材246を介して連接部232に固定された軸249は、回動軸の周りを同じ向きへ180度回動する(
図2及び
図3参照。)。したがって、ロータリエンコーダ247の出力と筐体間位置関係(第1筐体210及び第2筐体120間の角度)を1対1に対応づけることができ、境界状態に対応するエンコーダ出力を定めることもできる。このようにして情報処理装置202は、第1筐体210及び第2筐体120の筐体間位置関係が境界状態をはさんで始状態寄りにあるか終状態寄りにあるかを識別することができる。
【0058】
図14は、実施の形態2のうち第3変形例に係る情報処理装置203の構成及び検出部の配置と構成を説明する図である。情報処理装置203は、実施の形態1の情報処理装置100における検出部140の構成を、磁気センサ251及び磁石252で代替するものである。情報処理装置203は第1筐体211、第2筐体220及び連接部233を備え、これらはそれぞれ検出部の構成を除いて第1筐体110、第2筐体120及び連接部130と同じであり、第1筐体211を第2筐体220に対して連接部233の回動軸の周りに始状態から終状態まで回動させることができる。
図14は、終状態に近い状態を示す。
【0059】
情報処理装置203の検出部は、磁気センサ251及び磁石252を備える。第1筐体211は、表示背面の一箇所に磁気センサ251を追加して設けたものである。第2筐体220は、操作背面の一箇所に磁石252を追加して設けたものである。磁気センサ251及び磁石252は、終状態において相互に対向する位置に設けられている。
【0060】
図14に示したように、第1筐体211を第2筐体220に対して回動させ、筐体間位置関係を終状態に近づけると、境界状態において磁気センサ251が磁石252の生じる磁界を検出し始める。このようにして情報処理装置203は、第1筐体211及び第2筐体220の筐体間位置関係が境界状態をはさんで始状態寄りにあるか終状態寄りにあるかを識別することができる。ただし、本変形例においては、表示部と操作部を向かい合わせて二筐体を閉じた状態(使用しない保管状態)と終状態とを区別可能にしておくために、境界状態における磁気センサ251と磁石252との距離を、二筐体を閉じた状態の磁気センサ251と磁石252との距離よりも小さくなるように設定し、そのように設定された距離において境界状態から終状態寄りにあることを識別可能に磁気センサ251が磁石252の磁界を検出する検出条件を調整しておく必要がある。なお、磁石及び磁気センサの配置は一例であり、磁石及び磁気センサを第1筐体211及び第2筐体220のどちらに配置するか等は、適宜選択することが可能である。また、情報処理装置203の検出部は、磁気センサ251及び磁石252を配置する代わりに、表示背面112の所定の位置に押圧型スイッチ(図示省略)を設け、境界状態において押圧型スイッチが操作背面122に所定距離押し込まれていることを検出することで終状態寄りであることを識別可能にしてもよい。
【0061】
本発明の実施の形態2によれば、筐体間位置関係を検出する各種の手段を応用することができるという、付加的な効果が得られる。
<実施の形態3>
【0062】
図15及び
図16を参照して、本発明の実施の形態3を説明する。実施の形態1における制御部150の処理フローは、選択されたアプリケーションプログラムの実行中に二筐体の位置関係が境界状態をまたいで変えられることを想定しないものであった。実施の形態3では、そのような二筐体の位置関係の変更にも対処することができる情報処理装置の処理フローを説明する。
【0063】
実施の形態3に係る情報処理装置は、実施の形態1として説明した情報処理装置100とする(ただし、実施の形態2として説明した情報処理装置201ないし203のいずれかであってもよい。)。情報処理装置100の制御部150が、終状態寄りにある筐体間位置関係の下で、
図11に示すステップS1116において選択されたアプリケーションプログラムを実行中であるとき、筐体間位置関係を始状態寄りに変える回動操作がされる場合を考える。
図15の左側の図は、そのような場合の処理フローの一例を示す図である。
【0064】
筐体間位置関係を始状態寄りに変える回動操作がされなければ(ステップS1501の”NO”)、制御部150は処理フローを
図11のステップS1117に進める。一方、筐体間位置関係を始状態寄りに変える回動操作がされると(ステップS1501の”YES”)、制御部150はアプリケーションプログラムの実行を停止する(ステップS1502)。続いて制御部150は、タッチスクリーン114上において「メニューに戻る」操作がされると(ステップS1503の“YES”)、処理フローを
図11のステップS1124に戻す。「メニューに戻る」操作がされない間は(ステップS1503の“NO”)、処理フローをステップS1502にとどめる。
【0065】
図15の右側の図は、同じ場合の処理フローの他の例を示す図である。筐体間位置関係を始状態寄りに変える回動操作がされなければ(ステップS1511の”NO”)、制御部150は処理フローを
図11のステップS1117に進める。一方、筐体間位置関係を始状態寄りに変える回動操作がされると(ステップS1511の”YES”)、制御部150はアプリケーションプログラムの実行を停止すると共に、筐体間位置関係を終状態寄りに戻すよう促すメッセージ(プロンプト)を表示部113に表示する(ステップS1512)。
【0066】
その後、筐体間位置関係を終状態寄りに戻す操作がされない間は(ステップS1513の”NO”)、制御部150は処理フローをステップS1512にとどめる。筐体間位置関係を終状態寄りに戻す操作がされると(ステップS1513の“YES”)、処理フローを
図11のステップS1114に戻す。ステップS1114への回帰に代えて、アプリケーションプログラムの実行を再開してもよい。
【0067】
次に、情報処理装置100の制御部150が、始状態寄りにある筐体間位置関係の下で、
図11に示すステップS1126において選択されたアプリケーションプログラムを実行中であるとき、筐体間位置関係を終状態寄りに変える回動操作がされる場合を考える。
図16の左側の図は、そのような場合の処理フローの一例を示す図である。
【0068】
筐体間位置関係を終状態寄りに変える回動操作がされなければ(ステップS1601の”NO”)、制御部150は処理フローを
図11のステップS1127に進める。一方、筐体間位置関係を終状態寄りに変える回動操作がされると(ステップS1601の”YES”)、制御部150はアプリケーションプログラムの実行を停止する(ステップS1602)。続いて制御部150は、タッチスクリーン114上において「メニューに戻る」操作がされると(ステップS1603の“YES”)、処理フローを
図11のステップS1114に戻す。「メニューに戻る」操作がされない間は(ステップS1603の“NO”)、処理フローをステップS1602にとどめる。
【0069】
図16の右側の図は、同じ場合の処理フローの他の例を示す図である。筐体間位置関係を終状態寄りに変える回動操作がされなければ(ステップS1611の”NO”)、制御部150は処理フローを
図11のステップS1127に進める。一方、筐体間位置関係を終状態寄りに変える回動操作がされると(ステップS1611の”YES”)、制御部150はアプリケーションプログラムの実行を停止すると共に、筐体間位置関係を始状態寄りに戻すよう促すメッセージ(プロンプト)を表示部113に表示する(ステップS1612)。
【0070】
その後、筐体間位置関係を始状態寄りに戻す操作がされない間は(ステップS1613の”NO”)、制御部150は処理フローをステップS1612にとどめる。筐体間位置関係を始状態寄りに戻す操作がされると(ステップS1613の“YES”)、処理フローを
図11のステップS1124に戻す。ステップS1124への回帰に代えて、アプリケーションプログラムの実行を再開してもよい。
【0071】
本発明の実施の形態3によれば、選択されたアプリケーションプログラムの実行中に二筐体の位置関係が境界状態をまたいで変えられることがあっても処理フローを異常なく進めることができるという、付加的な効果が得られる。以上の実施の形態1ないし3に説明した情報処理装置の各部の構成、形状、動作、処理フローの順序等は例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0072】
100、201、202、203 情報処理装置
110、210、211 第1筐体
111 表示面
112 表示背面
113 表示部
114 タッチスクリーン
120、220 第2筐体
121 操作面
122 操作背面
123 キーボード
124 コネクタ
130、231、232、233 連接部
140、241、242 検出部
141 スイッチ
142、248 本体部
143 可動部
144 リブ付き部材
145 リブ
150 制御部
244 カム付き部材
245 カム部
246 軸側部材
247 ロータリエンコーダ
249 軸
251 磁気センサ
252 磁石