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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】グラブ
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/14 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
A63B71/14 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021095873
(22)【出願日】2021-06-08
(65)【公開番号】P2022187726
(43)【公開日】2022-12-20
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 裕史
(72)【発明者】
【氏名】山田 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】藤川 良宏
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-023376(JP,U)
【文献】米国特許第05113530(US,A)
【文献】実開昭55-119770(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中指部と、薬指部とを含む指部と、
前記指部に接続されかつポケット部を含む手掌部と、
前記指部をつなぐ第1紐部と、
前記手掌部の前記ポケット部と前記第1紐部との間に配置された第2紐部とを備え、
前記第2紐部は、少なくとも前記中指部または前記薬指部のいずれかの表面に配置されており、
前記第2紐部は、受球面において、指先側、中央側および根元側の部分に分けられており、
前記指先側の部分と前記中央側の部分とは隣接しており、
前記中央側の部分と前記根元側の部分とは隣接している、グラブ。
【請求項2】
前記第2紐部は、前記ポケット部に向けて延びるように構成されている、請求項1に記載のグラブ。
【請求項3】
前記中指部に配置された前記第2紐部の幅は、前記中指部の幅の半分以下である、請求項2に記載のグラブ。
【請求項4】
前記指部は、人差し指部を含み、
前記第2紐部は、さらに前記人差し指部に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のグラブ。
【請求項5】
前記第2紐部の材料は、抗張積が4MPa・%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のグラブ。
【請求項6】
前記指部に複数の前記第2紐部が配置されている、請求項1~のいずれか1項に記載のグラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
グラブのポケットまたはウェブ以外でボールが捕球された場合、ボール速度が落ちずにボールがポケットを通過してグラブから飛び出すことがある。
【0003】
例えば、実公昭58-16793号公報(特許文献1)には、捕球したボールの脱落を防止するための捕球具が記載されている。この捕球具では、ボールの捕球面に、捕球面中心部を取り囲むような適当数本の突条から成るボールの脱落防止手段が施されている。脱落防止手段の突条は、捕球面側に位置する外皮材の内面側に、軸状部材を接着剤及び当皮を用いて固定することにより形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭58-16793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の公報に記載された捕球具では、脱落防止手段の突条は緩やかである。したがって、捕球時にボールがグラブから飛び出すことを抑制することは困難である。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、捕球時にボールがグラブから飛び出すことを抑制することができるグラブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のグラブによれば、第2紐部は、ポケット部と第1紐部との間に配置されており、少なくとも中指部または薬指部のいずれかの表面に配置されている。このため、第2紐部によりボール速度を落とすことができる。したがって、捕球時にボールがグラブから飛び出すことを抑制することができる。第2紐部は、受球面において、指先側、中央側および根元側の部分に分けられている。指先側の部分と中央側の部分とは隣接している。中央側の部分と根元側の部分とは隣接している。
【発明の効果】
【0008】
本発明のグラブによれば、第2紐部は、ポケット部と第1紐部との間に配置されており、少なくとも中指部または薬指部のいずれかの表面に配置されている。このため、第2紐部によりボール速度を落とすことができる。したがって、捕球時にボールがグラブから飛び出すことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るグラブを受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
図2】実施の形態1に係るグラブを背面側から見た状態を概略的に示す背面図である。
図3】実施の形態1に係るグラブの変形例1を受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
図4】実施の形態1に係るグラブの変形例2を受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
図5】実施の形態2に係るグラブを受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
図6】実施の形態2に係るグラブを背面側から見た状態を概略的に示す背面図である。
図7】実施の形態2に係るグラブの変形例を受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
図8】実施の形態3に係るグラブを受球面側から見た状態を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、実施の形態1に係るグラブ1の構成について説明する。実施の形態1に係るグラブ1は、野球用またはソフトボール用の捕球具である。
【0012】
実施の形態1に係るグラブ1は、装着者(使用者)の手100に装着されるものである。実施の形態1に係るグラブ1は、指部2と、手掌部3と、ウェブ部4と、第1紐部5と、手口6と、受球面7と、背面8と、手口ベロ9とを主に備えている。
【0013】
指部2は、装着者の手100の親指101、人差し指102、中指103、薬指104および小指105を受け入れ可能に構成されている。指部2は、親指部2a、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eを含んでいる。親指部2a、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eは、装着者の手100の親指101、人差し指102、中指103、薬指104および小指105をそれぞれ受け入れ可能に構成されている。親指部2a、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eの各々は、装着者の手100の親指101、人差し指102、中指103、薬指104および小指105の各々をそれぞれ受け入れるように袋状に構成されている。
【0014】
手掌部3は、装着者の手100の手掌を受け入れ可能に構成されている。手掌部3は、装着者の手100の手掌を受け入れるように構成されている。手掌部3は、装着者の手100の手掌を覆うように構成されている。手掌部3は、指部2に接続されている。手掌部3は、親指部2a、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eにそれぞれ接続されている。手掌部3は、ポケット部Pを含んでいる。ポケット部Pは、ボールが捕球される部分である。
【0015】
ウェブ部4は、親指部2aと人差し指部2bとの間に配置されている。ウェブ部4は、ウェブ状に構成されている。ウェブ部4は、親指部2aと人差し指部2bとの間の領域の少なくとも一部を覆うように構成されている。
【0016】
第1紐部5は、指部2をつなぐように構成されている。第1紐部5は、隣り合う指部2同士をつなぐように構成されている。第1紐部5は、人差し指部2bと中指部2cとをつなぐように構成されている。また、第1紐部5は、中指部2cと薬指部2dとをつなぐように構成されている。また、第1紐部5は、薬指部2dと小指部2eとをつなぐように構成されている。第1紐部5は、指部2の指先側に配置されている。第1紐部5の材料は、皮革である。
【0017】
手口6は、グラブ1に装着者の手100を挿入するための挿入口である。手口6は、手掌部3および手口ベロ9の各々の指部2と反対側の端部に設けられている。手口6は、装着者の手100の手首110に沿うように設けられている。
【0018】
受球面7は、装着者の手100の手掌側に配置されている。受球面7はボールを受けるためのものである。受球面7は、指部2、手掌部3、ウェブ部4の各部の装着者の手100の手掌側に配置された部分を含んでいる。手掌部3は、受球面7の一部を構成している。
【0019】
背面8は、装着者の手100の甲106側に配置されている。背面8は、指部2、ウェブ部4、手口ベロ9の各部の装着者の手100の甲106側に配置された部分を含んでいる。手口ベロ9は、背面8の一部を構成している。
【0020】
手口ベロ9は、指部2に接続されている。具体的には、手口ベロ9は、親指部2aと小指部2eとに接続されている。手口ベロ9は、甲106の親指101側から小指105側に向けて延びている。手口ベロ9は、装着者の手100の甲106に沿うように構成されている。
【0021】
第2紐部10は、受球面7から背面8に対して反対側に突き出すように構成されている。また、図示はしないが背面8に第2紐部10が突き出さない構成も実施可能である。本実施の形態では、第2紐部10は、延在方向に交差する断面における形状が矩形状に構成されている。第2紐部10は、延在方向に交差する断面における形状が矩形状に限定されない。第2紐部10は、延在方向に交差する断面において角の丸みを有していても良いし、繊維をより合わせたもの、中空のチューブ状のものを用いても良い。また、第2紐部10は、指部2を貫通した状態で背面8において結ばれている。尚、第2紐部10は、結ぶ位置を限定せず、受球面側で結ばれていても良いし、また通すだけでも良い。
【0022】
第2紐部10は、手掌部3のポケット部Pと第1紐部5との間に配置されている。つまり、第2紐部10は、第1紐部5よりもポケット部P側に配置されている。第2紐部10は、少なくとも中指部2cまたは薬指部2dのいずれかの表面に配置されている。本実施の形態では、第2紐部10は、中指部2cおよび薬指部2dの各々の表面に配置されている。また、第2紐部10は、さらに人差し指部2bの表面に配置されている。
【0023】
第2紐部10は、装着者の中指103と第1紐部5との間に配置されている。つまり、第2紐部10は、装着者の中指103よりも第1紐部5側に配置されている。本実施の形態では、第2紐部10は、装着者の人差し指102と第1紐部5との間に配置されている。また、第2紐部10は、装着者の薬指104と第1紐部5との間に配置されている。
【0024】
第2紐部10は、ポケット部Pに向けて延びるように構成されている。第2紐部10は、受球面7において、ポケット部Pに向けて直線状に延びるように構成されている。第2紐部10は、中指部2cにおいてポケット部Pに向けて延びるように構成されている。本実施の形態では、第2紐部10は、人差し指部2bにおいてポケット部Pに向けて延びるように構成されている。また、第2紐部10は、薬指部2dにおいてポケット部Pに向けて延びるように構成されている。
【0025】
中指部2cに配置された第2紐部10の幅は、中指部2cの幅の半分以下である。つまり、中指部2cの短手方向において、第2紐部10の幅は、中指部2cの幅の半分以下である。本実施の形態では、人差し指部2bに配置された第2紐部10の幅は、人差し指部2bの幅の半分以下である。さらに、薬指部2dに配置された第2紐部10の幅は、薬指部2dの幅の半分以下である。
【0026】
第2紐部10の材料は、捕球時のボールとの衝突の衝撃に繰り返し耐える必要性があることから、抗張積が4MPa・%以上であるものが望ましい。本発明における抗張積とは、チャック間距離50mmで紐部が速度100mm/分にて引っ張られるように引張試験(JIS B7721:引張試験機・圧縮試験機-力計測系の校正方法及び検証方法、JIS K6550:革試験方法を参考にした。)が行われた際の、最大応力時強度(MPa)とその時点での伸び(%)の積とした。尚、本試験に用いた引張試験機は島津オートグラフAGS-X(5kN)である。試験片は、チャック間の断面が均質である必要があり、例えば断面が矩形状であるならば、幅10mm、厚み2~10mmにて測定することが望ましい。矩形状以外の断面を有するものを用いる場合は、断面が均質であれば、断面をマイクロスコープ、例えばキーエンス製デジタルマイクロスコープ VHX-1000などを用いて、画像解析により計測することもできる。繊維をより合わせたものの場合の断面積は、正円に整え直径を定規で測定して断面積を算出することとした。製品から取り出す場合、チャック間距離が50mmを確保できる試験片の採取が難しい場合が考えられるが、この場合は、50mmに満たない長さで計測しても差支えない。抗張積4MPa・%以上の材料を例示すると、皮革、ゴム、樹脂(ナイロン、ポリエステル、ウレタン)などが挙げられる。抗張積4MPa・%以上の材料は、これらに限定されない。第2紐部10の材料は、上記に例示した材料の中から1種類を選択しても良く、また複数種を選択し組み合わせて使用しても良い。
【0027】
第2紐部10は、少なくとも中指部2cまたは薬指部2dのいずれかの表面に配置されていればよい。例えば、第2紐部10は、グラブの表面にあけた穴に通されていてもよく、グラブの表面に接着されていてもよい。続いて、第2紐部10が固定された場合について説明する。中指部2cに配置された第2紐部10は、中指部2cに固定された固定部分と、固定されていない非固定部分とを含んでいる。つまり、中指部2cに配置された第2紐部10は、受球面7において、中指部2cに固定された固定部分と、固定されていない非固定部分とを含んでいる。人差し指部2bに配置された第2紐部10は、受球面7において、人差し指部2bに固定された固定部分と、固定されていない非固定部分とを含んでいる。薬指部2dに配置された第2紐部10は、受球面7において、薬指部2dに固定された固定部分と、固定されていない非固定部分とを含んでいる。
【0028】
中指部2cに配置された第2紐部10は、受球面7において、第2紐部10の両端で中指部2cに固定されている。つまり、第2紐部10の両端の間の部分(中央)は、中指部2cに固定されていない。本実施の形態では、人差し指部2bに配置された第2紐部10は、受球面7において、第2紐部10の両端で人差し指部2bに固定されている。また、薬指部2dに配置された第2紐部10は、受球面7において、第2紐部10の両端で薬指部2dに固定されている。
【0029】
また、指部2に複数の第2紐部10が配置されていても良い。
続いて、図3を参照して、実施の形態1に係るグラブ1の変形例1について説明する。
【0030】
実施の形態1に係るグラブ1の変形例1では、中指部2cに配置された第2紐部10は、互いに隙間をあけて配置された2つの部分を有している。つまり、第2紐部10は、受球面7において、指先側と根元側とに隙間をあけて配置されている。変形例1では、人差し指部2bに配置された第2紐部10は、受球面7において、互いに隙間をあけて配置された2つの部分を有している。また、薬指部2dに配置された第2紐部10は、受球面7において、互いに隙間をあけて配置された2つの部分を有している。
【0031】
第2紐部10は、一本ではなく、複数の紐が並列に設置されていてもよい。また、第2紐部10は、ジグザクに配置されていてもよい。
【0032】
さらに、図4を参照して、実施の形態1に係るグラブ1の変形例2について説明する。
実施の形態1に係るグラブ1の変形例2では、中指部2cに配置された第2紐部10は、連続して配置された3つの部分を有している。つまり、第2紐部10は、受球面7において、指先側、中央側および根元側の部分に分けられている。指先側の部分と中央側の部分とは隣接しており、中央側の部分と根元側の部分とは隣接している。変形例1では、人差し指部2bに配置された第2紐部10は、受球面7において、連続して配置された3つの部分を有している。また、薬指部2dに配置された第2紐部10は、受球面7において、連続して配置された3つの部分を有している。
【0033】
続いて、実施の形態1に係るグラブ1の変形例3について説明する。
実施の形態1に係るグラブ1の変形例3では、第2紐部10は、少なくとも中指部2cまたは薬指部2dのいずれかの表面に接着されている。つまり、第2紐部10は、少なくとも中指部2cまたは薬指部2dのいずれかの表面に接着剤で貼られている。また、第2紐部10は、人差し指部2bに接着されている。
【0034】
第2紐部10が中指部2cに接着されている場合、中指部2cに接着された第2紐部10の幅は、中指部2cの幅の半分以上でも良い。同様に、人差し指部2bに接着された第2紐部10の幅は人差し指部2bの幅の半分以上でも良く、薬指部2dに接着された第2紐部10の幅は、薬指部2dの幅の半分以上でも良い。
【0035】
次に、実施の形態1に係るグラブ1の作用効果について説明する。
実施の形態1に係るグラブ1によれば、第2紐部10は、ポケット部Pと第1紐部5との間に配置されており、少なくとも中指部2cまたは薬指部2dのいずれかの表面に配置されている。捕球時にボールによって中指部2cまたは薬指部2dに他の指よりも大きな力が作用する。実施の形態1に係るグラブ1では、第2紐部10によりボール速度を落とすことができる。したがって、捕球時にボールがグラブ1から飛び出すことを抑制することができる。
【0036】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、第2紐部10は、ポケット部Pに向けて延びるように構成されている。このため、第2紐部10によってポケット部Pにボールを導くことができる。
【0037】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、中指部2cに配置された第2紐部10の幅は、中指部2cの幅の半分以下である。このため、第2紐部10と中指部2cの受球面7との段差に沿わせてポケット部Pにボールを導くことができる。
【0038】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、第2紐部10の材料は、抗張積が4MPa・%以上である。このため、第2紐部10は、ボールとの衝突の衝撃に十分耐え、第2紐部自身の撓みや、中指部2cとの間に生じる段差の効果により高摩擦を実現することができる。また、上記理由により、第2紐部10は、低反発も実現することができる。よって、第2紐部10によりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0039】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、指部2に複数の第2紐部10が配置されている。このため、複数の第2紐部10によりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0040】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、中指部2cに配置された第2紐部10は、中指部2cに固定された固定部分と、固定されていない非固定部分とを含んでいる。このため、第2紐部10の非固定部分がクッションとして機能する。これにより、第2紐部10によりボールの衝撃力を吸収することができる。したがって、第2紐部10によりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0041】
実施の形態1に係るグラブ1の変形例1によれば、中指部2cに配置された第2紐部10は、互いに隙間をあけて配置された2つの部分を有している。このため、第2紐部10は、互いに隙間をあけて配置された2つの部分によりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0042】
実施の形態1に係るグラブ1の変形例2によれば、中指部2cに配置された第2紐部10は、連続して配置された3つの部分を有している。このため、第2紐部10は、連続して配置された3つの部分によりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0043】
実施の形態1に係るグラブ1の変形例3によれば、第2紐部10は、少なくとも中指部2cに接着されている。このため、第2紐部10を中指部2cに接着剤や粘着剤等により取り付けることができる。
【0044】
(実施の形態2)
実施の形態2に係るグラブ1は、特に言及しない限り、実施の形態1に係るグラブ1と同様の構成を備えている。
【0045】
図5および図6を参照して、実施の形態2に係るグラブ1の構成について説明する。実施の形態2に係るグラブ1は、第2紐部10の構成が実施の形態1に係るグラブ1と異なっている。
【0046】
実施の形態2に係るグラブ1は、第2紐部10は、第1部10aを含んでいる。第1部10aは、人差し指部2bと中指部2cとを跨ぐように配置されている。本実施の形態では、第1部10aは、第1紐11および第2紐12を含んでいる。第1紐11および第2紐12は、人差し指部2bと中指部2cとを跨ぐように配置されている。第1紐11および第2紐12は、互いに交差するように構成されている。
【0047】
本実施の形態では、第2紐部10は、第2部10bを含んでいる。第2部10bは、中指部2cと薬指部2dとを跨ぐように配置されている。第1紐11および第2紐12は、中指部2cと薬指部2dとを跨ぐように配置されている。これらの第1紐11および第2紐12は、互いに交差するように構成されている。
【0048】
続いて、図7を参照して、実施の形態2に係るグラブ1の変形例について説明する。
実施の形態2に係るグラブ1の変形例では、第2紐部10は、第3部10cを含んでいる。第3部10cは、薬指部2dと小指部2eとを跨ぐように配置されている。第1紐11および第2紐12は、薬指部2dと小指部2eとを跨ぐように配置されている。これらの第1紐11および第2紐12は、互いに交差するように構成されている。
【0049】
次に、実施の形態2に係るグラブ1の作用効果について説明する。
実施の形態2に係るグラブ1によれば、第2紐部10の第1部10aは、人差し指部2bと中指部2cとを跨ぐように配置されている。このため、人差し指部2bと中指部2cとにわたって第2紐部10の第1部10aによりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0050】
実施の形態2に係るグラブ1によれば、第1部10aの第1紐11および第2紐12は、互いに交差するように構成されている。このため、第1部10aの受球面7からの突出量を大きくすることができる。よって、第2紐部10の第1部10aによりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0051】
実施の形態1に係るグラブ1によれば、第2紐部10の第2部10bは、中指部2cと薬指部2dとを跨ぐように配置されている。このため、中指部2cと薬指部2dとにわたって第2紐部10の第1部10aによりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0052】
実施の形態2に係るグラブ1の変形例によれば、第2紐部10の第3部10cは、薬指部2dと小指部2eとを跨ぐように配置されている。このため、薬指部2dと小指部2eとにわたって第2紐部10の第1部10aによりボール速度を効果的に落とすことができる。
【0053】
(実施の形態3)
実施の形態3に係るグラブ1は、特に言及しない限り、実施の形態1に係るグラブ1と同様の構成を備えている。
【0054】
図8を参照して、実施の形態3に係るグラブ1の構成について説明する。実施の形態3に係るグラブ1は、第2紐部10の構成が実施の形態1に係るグラブ1と異なっている。
【0055】
実施の形態3に係るグラブ1では、第2紐部10は、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eの部材の中から選択される、隣接する複数の部材に跨って配置されている。図8では、第2紐部10は、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eの部材の全てに跨って配置されている。
【0056】
次に、実施の形態3に係るグラブ1の作用効果について説明する。
実施の形態3に係るグラブ1によれば、第2紐部10は、人差し指部2b、中指部2c、薬指部2dおよび小指部2eの部材の中から選択される、隣接する複数の部材に跨って配置されている。このため、捕球時に第2紐部10によりボール速度を落とすことができる。したがって、捕球時にボールがグラブ1から飛び出すことを抑制することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0058】
1 グラブ、2 指部、2a 親指部、2b 人差し指部、2c 中指部、2d 薬指部、2e 小指部、3 手掌部、4 ウェブ部、5 第1紐部、6 手口、7 受球面、8 背面、9 手口ベロ、10 第2紐部、10a 第1部、10b 第2部、10c 第3部、11 第1紐、12 第2紐、100 手、P ポケット部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8