(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】オープンフィールドハンドヘルド蛍光イメージングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
A61B10/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132340
(22)【出願日】2021-08-16
(62)【分割の表示】P 2019540067の分割
【原出願日】2017-05-10
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521535973
【氏名又は名称】ストライカー ヨーロピアン オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Stryker European Operations Limited
【住所又は居所原語表記】Anngrove, IDA Business & Technology Park, Carrigtwohill, County Cork, T45HX08 Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, フレドリック, アレン
(72)【発明者】
【氏名】ランプレヒト, アントン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】オトシグ, レスリー ミュロン
(72)【発明者】
【氏名】ウエストウィック, ポール ロアルド
(72)【発明者】
【氏名】ズルカフライ, ムハマド ナシール アル-ディン ビン
(72)【発明者】
【氏名】マリー, ギャビン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タイナン, アダム ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン, ジェームス エリオット
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, グレゴリー ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】フォンテーン, イサベル
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, バーナード
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-518241(JP,A)
【文献】特開2006-326153(JP,A)
【文献】特開2015-016332(JP,A)
【文献】特開平10-151104(JP,A)
【文献】特開2011-110272(JP,A)
【文献】特開2005-326777(JP,A)
【文献】特開平10-014926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージング視野を有するイメージングデバイスであって、
ターゲットを照らすための光を出力するよう構成された少なくともひとつの照明ポートと、
イメージングセンサであって、光路に沿って該イメージングセンサへと伝搬する光を検出するイメージングセンサと、
前記光路に沿った光の伝搬方向に関して前記イメージングセンサの上流に設けられた第1可動ウインドウ
であって、前記第1可動ウインドウが、前記ターゲットから受けた光を変更するために、配備された位置において、前記光路の中へと移動するよう構成される
、前記第1可動ウインドウと、
前記光路に沿った光の前記伝搬方向に関して前記イメージングセンサの上流に設けられた第2可動ウインドウであって、前記第2可動ウインドウが、前記ターゲットから受けた光を変更するために、配備された位置において、前記光路の中へと移動するよう構成される、第2可動ウインドウと、を備え、
前記第1可動ウインドウが、光軸に対して垂直に延びる第1ピボット軸の周りでピボットするよう構成され、前記第2可動ウインドウが、前記光軸に対して垂直に延びる第2ピボット軸の周りでピボットするよう構成され、前記第1ピボット軸および第2ピボット軸が、前記光軸に対して垂直に広がる平面と同一平面内にある、イメージングデバイス。
【請求項2】
前記第1可動ウインドウがフィルタを含む請求項1に記載のイメージングデバイス。
【請求項3】
前記フィルタが可視光をフィルタリングするよう構成される請求項2に記載のイメージングデバイス。
【請求項4】
前記第1可動ウインドウおよび前記第2可動ウインドウがリンケージに結合され、該リンケージが第1ピボットウインドウおよび第2ピボットウインドウを同時に動かすよう構成される請求項
1から3のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項5】
前記第1可動ウインドウが前記配備された位置にある場合、前記第2可動ウインドウが収納位置において前記光路から出るように動かされる請求項
1から4のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項6】
前記イメージングセンサが、前記第1可動ウインドウに対して変位可能である請求項1から
5のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項7】
前記第1可動ウインドウが、前記配備された位置において、光軸に対して垂直に広がり、前記イメージングセンサが、前記光軸に沿って変位可能である請求項
6に記載のイメージングデバイス。
【請求項8】
前記イメージングセンサは、前記ターゲットからの光であって可視光および励起光による照明により生じた光を検出するよう構成された単一のセンサである請求項1から
7のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項9】
前記イメージングセンサの上流に波長依存開口を備え、前記波長依存開口は中央領域の外側の可視光を遮るよう構成される請求項
8に記載のイメージングデバイス。
【請求項10】
前記イメージングデバイスに入射する光の量を検出するためのひとつ以上のセンサを備える請求項1から
9のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項11】
前記ひとつ以上のセンサからの出力に基づいて、少なくともひとつのイメージ取得パラメータを調整するよう構成された制御システムを備える請求項
10に記載のイメージングデバイス。
【請求項12】
前記少なくともひとつのイメージ取得パラメータが、露光期間、励起照明期間、励起照明パワー、またはイメージングセンサ利得を含む請求項
11に記載のイメージングデバイス。
【請求項13】
前記ひとつ以上のセンサのうちの少なくともひとつは、可視光および近赤外光を検出するよう構成される請求項
10から12のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項14】
前記ひとつ以上のセンサのうちの少なくともひとつは、近赤外光を検出するよう構成される請求項
10から13のいずれか一項に記載のイメージングデバイス。
【請求項15】
ターゲットをイメージングする方法であって、
イメージングデバイスの照明器で前記ターゲットを照らすことと、
第1イメージングモードにおいて、前記イメージングデバイスのイメージングセンサで前記ターゲットからの光を受けることであって、前記第1イメージングモードにおいて前記イメージングセンサで受けた前記光のうちの少なくともいくらかが第1帯域内の波長を含む、ことと、
第2イメージングモードに切り替えることと、
前記第2イメージングモードにある間に、
前記ターゲットから前記イメージングセンサへ伝搬する光が沿う光路の中へ第1可動フィルタを移動し、前記光路の外へ第2可動フィルタを移動することであって、前記第1可動フィルタが、光軸に対して垂直に延びる第1ピボット軸の周りでピボットするよう構成され、前記第2可動フィルタが、前記光軸に対して垂直に延びる第2ピボット軸の周りでピボットするよう構成され、前記第1ピボット軸および第2ピボット軸が、前記光軸に対して垂直に広がる平面と同一平面内にある、ことと、
前記イメージングデバイスの
前記第1可動フィルタを用いて、前記ターゲットから受けた光のうち第2帯域の外側の波長の光が、前記イメージングセンサに到達することを阻止することであって、前記阻止される光のうちの少なくともいくらかが前記第1帯域内の波長を含む、ことと、
前記イメージングセンサにおいて、前記ターゲットから受けた光のうち前記第2帯域内の波長の光を受けることと、を含む方法。
【請求項16】
前記第2帯域が近赤外波長を含む請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1帯域が可視光波長を含む請求項
15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出することと、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、を含む請求項
15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出することと、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、を含む請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2イメージングモードに切り替えることが、前記第1可動フィルタを光路の中へと動かすことを含み、前記ターゲットからの光が当該光路に沿って前記イメージングセンサへと伝搬する請求項
15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2イメージングモードに切り替えることが、クリアウインドウを前記光路から出るように動かすことを含む請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1イメージングモードが、ユーザ要求に応じて前記第2イメージングモードに切り替えられる請求項
15から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザ要求が前記イメージングデバイスに対するユーザ入力を含む請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2イメージングモードにある間に、ユーザから、前記第1イメージングモードに切り替えることを求める要求を受けることと、
前記ユーザから前記第1イメージングモードに切り替えることを求める前記要求を受けることに応じて、可動フィルタを光路から出るように動かすことと、を含む請求項
15から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出すること、および前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、
前記ユーザから前記第1イメージングモードに切り替えることを求める前記要求を受けることに応じて、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいた、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上の調整を止めることと、を含む請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記照明器の照明ビームを少なくとも部分的に阻止するオブジェクトを検出することと、前記オブジェクトの検出に応じて、前記照明器の照明パワーを調整することと、を含む請求項
15から25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのリファレンス
本願は、「OPEN-FIELD HANDHELD FLUORESCENCE IMAGING SYSTEMS AND METHODS」というタイトルの2017年2月10日に提出された米国特許仮出願第62/457,690号の優先権の利益を享受する。その出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は主に医療用照明およびイメージングに関する。本開示は特にターゲット物質の照明およびイメージングに関する。
【背景技術】
【0003】
照明は、例えば自己充足的照明を伴うブロードバンドイメージングシステムなどのイメージングシステムの重要なコンポーネントである。医療イメージングや特に蛍光医療イメージングなどのイメージングシステムの多くのアプリケーションにおいて、イメージング視野の一様なフルフィールド照明を得つつ、十分に強いイメージング信号を生じさせるのに十分な強度の照明を提供することは困難である。イメージング視野に照明プロファイルをマッチさせることは照明の省電力化の一方法であり、一方、複数の照明ポートを用いることで視野に亘って一様な照明を提供してもよい。イメージングシステムにおける既存の照明投影は、イメージング視野にマッチさせるためのアナモルフィック投影を特徴としうるが、多くの場合、単一の照明ポートのみを特徴とし、近い作業距離用には構成されていない。単一ポート照明システムでは、例えば人の解剖学的構造や他の生体物質などの複雑な形を照らす場合、実質的に影になり視認性に欠ける領域が生じる。オープンフィールド手術イメージングおよび照明デバイスの既存のデザインは、イメージング光学系を囲むリング光などの複数の照明ポートを用いることで影領域を最小化している。しかしながら、これらのデザインは視野の外側に落ちる照明を無駄にしており、作業距離の範囲に亘る視野の一様な照明を達成できていない。
【発明の概要】
【0004】
ある実施の形態によると、イメージング視野を有するイメージングデバイスは、ターゲットを照らすための光を出力するよう構成された少なくともひとつの照明ポートと、イメージングセンサであって、光路に沿って該イメージングセンサへと伝搬する光を検出するイメージングセンサと、光路に沿った光の伝搬方向に関してセンサの上流に設けられた第1可動ウインドウと、を備えてもよく、第1可動ウインドウが、ターゲットから受けた光を変更するために、配備された位置において、光路の中へと移動するよう構成される。
【0005】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、配備された位置において、前記光路の中へと回転するよう構成されてもよい。
【0006】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、配備された位置において、前記光路の中へと変位するよう構成されてもよい。
【0007】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、前記配備された位置において、光軸に対して垂直に広がってもよい。
【0008】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、配備された位置において、前記光路の中へとピボットするよう構成されてもよい。
【0009】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、光軸に対して垂直に延びる第1ピボット軸の周りでピボットするよう構成されてもよい。
【0010】
これらの実施の形態のうちのいずれかでは、前記第1可動ウインドウはフィルタを含んでもよい。
【0011】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記フィルタが可視光をフィルタリングするよう構成されてもよい。
【0012】
これらの実施の形態のいずれかでは、第2可動ウインドウは、前記光路に沿った光の前記伝搬方向に関して前記イメージングセンサの上流に設けらてもよい。前記第2可動ウインドウが、前記ターゲットから受けた光を変更するために、配備された位置において、前記光路の中へと移動するよう構成される
【0013】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第2可動ウインドウが、光軸に対して垂直に延びる第2ピボット軸の周りでピボットするよう構成されてもよい。
【0014】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、前記光軸に対して垂直に延びる第1ピボット軸の周りでピボットするよう構成されてもよく、前記第1ピボット軸および前記第2ピボット軸が、前記光軸に対して垂直に広がる平面と同一平面内にあってもよい。
【0015】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウおよび前記第2可動ウインドウがリンケージに結合されてもよく、該リンケージが前記第1ピボットウインドウおよび前記第2ピボットウインドウを同時に動かすよう構成されてもよい。
【0016】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが前記配備された位置にある場合、前記第2可動ウインドウが収納位置において前記光路から出るように動かされてもよい。
【0017】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記イメージセンサが、前記第1可動ウインドウに対して変位可能であってもよい。
【0018】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1可動ウインドウが、前記配備された位置において、光軸に対して垂直に広がってもよく、前記イメージセンサが、前記光軸に沿って変位可能であってもよい。
【0019】
これらの実施の形態のいずれかは、第1照明ポートと第2照明ポートとを備えてもよく、前記第1照明ポートが前記ターゲットにおける第1照明分布を生成するよう構成され、前記第2照明ポートが前記ターゲットにおける第2照明分布を生成するよう構成され、前記第2照明ポートが前記第1照明ポートから離間しており、前記第1および第2照明分布が前記ターゲットに対して同時に提供され、かつ、前記ターゲットにおいて重なり合っており、前記第1および第2ポートからの前記照明が前記イメージング視野と同じアスペクト比および視野カバレッジにマッチされる。
【0020】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1および第2照明ポートが互いに対して固定されてもよい。
【0021】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記少なくともひとつの照明ポートが可視光および/または励起光を出力するよう構成されてもよい。
【0022】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記イメージセンサは、前記ターゲットからの光であって可視光および励起光による照明により生じた光を検出するよう構成された単一のセンサであってもよい。
【0023】
これらの実施の形態のいずれかでは、イメージセンサは、ターゲットからの光であって可視光による照明から生じる光を、励起光による照明から生じる光とは個別に検出するよう構成された個別のセンサを含んでもよい。
【0024】
これらの実施の形態のいずれかは、前記イメージセンサの上流に波長依存開口を備えてもよく、前記波長依存開口は中央領域の外側の可視光を遮るよう構成される。
【0025】
これらの実施の形態のいずれかは、前記デバイスに入射する光の量を検出するためのひとつ以上のセンサを含んでもよい。
【0026】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のセンサからの出力に基づいて、少なくともひとつのイメージ取得パラメータを調整するよう構成された制御システムを含んでもよい。
【0027】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記少なくともひとつのイメージ取得パラメータが、露光期間、励起照明期間、励起照明パワー、またはイメージングセンサ利得を含んでもよい。
【0028】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のセンサのうちの少なくともひとつは、可視光および近赤外光を検出するよう構成されてもよい。
【0029】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のセンサのうちの少なくともひとつは、近赤外光を検出するよう構成されてもよい。
【0030】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記デバイスに取り付けられるドレープを検出するよう構成されたひとつ以上のドレープセンサを含んでもよい。
【0031】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のドレープセンサによる検出のために光を発するためのひとつ以上の光エミッタを含んでもよい。
【0032】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のドレープセンサが、前記ひとつ以上の光エミッタから発せられた光を、前記発せられた光が前記ドレープのひとつ以上の反射材から反射された後に、検出するよう構成されてもよい。
【0033】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上の反射材がプリズムを含んでもよい。
【0034】
ある実施の形態によると、イメージングシステムは、上述の実施の形態のいずれかに記載のイメージングデバイスと、前記イメージングデバイスに照明を提供するための照明源と、前記イメージングデバイスによって生成されたイメージングデータを受信するためのプロセッサアセンブリと、を備えてもよい。
【0035】
ある実施の形態によると、ターゲットをイメージングするための方法は以下を含んでもよい。イメージングデバイスの照明器で前記ターゲットを照らすことと、第1イメージングモードにおいて、前記イメージングデバイスのイメージングセンサで前記ターゲットからの光を受信することであって、前記第1イメージングモードにおいて前記イメージングセンサで受信された前記光のうちの少なくともいくらかが第1帯域内の波長を含む、受信することと、第2イメージングモードに切り替えることと、前記第2イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスの第1可動フィルタを用いて、前記ターゲットから受けた光のうち第2帯域の外側の波長の光が、前記イメージングセンサに到達することを阻止することであって、前記阻止される光のうちの少なくともいくらかが前記第1帯域内の波長を含む、阻止することと、前記イメージングセンサにおいて、前記ターゲットから受けた光のうち前記第2帯域内の波長の光を受けること。
【0036】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第2帯域が近赤外波長を含んでもよい。
【0037】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1帯域が可視光波長を含んでもよい。
【0038】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記第2イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出することと、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、を含んでもよい。
【0039】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記第1イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出することと、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、を含んでもよい。
【0040】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第2イメージングモードに切り替えることが、前記第1可動フィルタを光路の中へと動かすことを含んでもよく、前記ターゲットからの光が当該光路に沿って前記イメージングセンサへと伝搬する。
【0041】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第2イメージングモードに切り替えることが、クリアウインドウを前記光路から出るように動かすことを含んでもよい。
【0042】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第2イメージングモードに切り替えることが、第2可動フィルタを前記光路から出るように動かすことを含んでもよい。
【0043】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記第1イメージングモードが、ユーザ要求に応じて前記第2イメージングモードに切り替えられてもよい。
【0044】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ユーザ要求が前記イメージングデバイスへのユーザ入力を含んでもよい。
【0045】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記第2イメージングモードにある間に、前記ユーザから、前記第1イメージングモードに切り替えることを求める要求を受信することと、前記ユーザから前記第1イメージングモードに切り替えることを求める要求を受けることに応じて、前記可動フィルタを前記光路から出るように動かすことと、を含んでもよい。
【0046】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記第2イメージングモードにある間に、前記イメージングデバイスのひとつ以上の光レベルセンサにおいて光レベルを検出することと、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいて、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上を調整することと、前記ユーザから前記第1イメージングモードに切り替えることを求める前記要求を受けることに応じて、前記ひとつ以上の光レベルセンサの出力に基づいた、イメージセンサ信号利得、照明パルス継続期間、イメージセンサ露光、および照明パワーのうちのひとつ以上の調整を止めることと、を含んでもよい。
【0047】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記照明器の照明ビームを少なくとも部分的に阻止するオブジェクトを検出することと、前記オブジェクトの検出に応じて、前記照明器の照明パワーを調整することと、を含んでもよい。
【0048】
ある実施の形態によると、オブジェクトをイメージングするためのキットは、蛍光イメージング剤と、上述の実施の形態のうちのいずれかのデバイスまたは上述の実施の形態のうちのいずれかのシステムと、を含んでもよい。
【0049】
ある実施の形態によると、蛍光イメージング剤は、上述の実施の形態のいずれかのデバイス、上述の実施の形態のいずれかのシステム、上述の実施の形態のいずれかの方法、または上述の実施の形態のいずれかのキットで用いられる蛍光イメージング剤を含んでもよい。
【0050】
これらの実施の形態のいずれかでは、オブジェクトをイメージングすることが、血流イメージング中、組織灌流イメージング中、リンパイメージング中、またはそれらの組み合わせのイメージング中にオブジェクトをイメージングすることを含んでもよい。
【0051】
これらの実施の形態のいずれかでは、血流イメージング、組織灌流イメージング、および/またはリンパイメージングは、侵襲的手術中、最低侵襲的手術中、または非侵襲的手術中の血流イメージング、組織灌流イメージング、および/またはリンパイメージングを含んでもよい。
【0052】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記侵襲的手術は、心臓関連手術または再建手術を含んでもよい。
【0053】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記心臓関連手術は、心臓冠動脈バイパス(CABG)手術を含んでもよい。
【0054】
これらの実施の形態のいずれかでは、CABG手術はオンポンプまたはオフポンプを含んでもよい。
【0055】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記非侵襲的手術は、傷治療手術を含んでもよい。
【0056】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記リンパイメージングは、リンパ節、リンパ節ドレナージ、リンパマッピング、またはそれらの組み合わせの特定を含んでもよい。
【0057】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記リンパイメージングは前記女性の生殖システムに関してもよい。
【0058】
いくつかの実施の形態によると、ターゲットをイメージングするためのシステムは、ひとつ以上のプロセッサと、メモリと、ひとつ以上のプログラムと、を含み、ここで、前記ひとつ以上のプログラムが前記メモリに保持され、かつ、前記ひとつ以上のプロセッサによって実行されるよう構成され、前記ひとつ以上のプログラムは、ある期間内に、励起光源を活性化することで、前記ターゲットを照らすための励起パルスを生成することと、前記励起光源が活性化されていない前記期間の一部中に、センサから、環境光強度信号を受信することと、前記励起パルス中に、蛍光露光時間の間、イメージセンサを曝すことと、前記イメージセンサからの出力を受信することと、前記環境光強度信号に基づいて環境光を補償することと、結果として得られるイメージを前記メモリに格納することと、を行うためのインストラクションを含む。
【0059】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のプログラムは、前記期間内に、白色光源を活性化させることで、前記ターゲットを照らすための白色光パルスを生成することであって、前記白色光パルスが前記励起パルスと重ならない、ことと、少なくともひとつの白色光パルス中に、可視露光時間の間、前記イメージセンサを曝すことと、を行うためのインストラクションを含んでもよい。
【0060】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のプログラムは、前記ターゲットが照らされていないとき、バックグラウンド露光時間の間、前記イメージセンサを露光するためのインストラクションを含んでもよい。
【0061】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のプログラムは、前記環境光強度の周期的周波数を検出するためのインストラクションを含んでもよい。
【0062】
これらの実施の形態のいずれかでは、環境光を補償することが、前記バックグラウンド露光時間の間の前記イメージセンサの露光の前、かつ、前記励起パルス中の前記蛍光露光時間の間の前記イメージセンサの露光の前に、イメージ取得フレームレートを、前記周期的周波数の倍数に等しく設定することと前記蛍光露光時間の間に受信されたイメージセンサ出力から、前記バックグラウンド露光時間の間に受信されたイメージセンサ出力を減じることによって、前記結果として得られるイメージを形成することと、を含んでもよい。
【0063】
これらの実施の形態のいずれかでは、環境光を補償することが、ひとつ以上の受信された環境光強度信号から、前記検出された周期的周波数を有する環境光強度の完全な周期サイクルを合成または抽出することと、前記環境光強度周期サイクルを、前記蛍光露光時間に対応する期間に延ばすことと、バックグラウンド露光時間の間の環境光強度の前記曲線の下の面積に対応する第1累積環境光値を算出することと、前記蛍光露光時間の間の前記環境光強度の前記曲線の下の面積に対応する第2累積環境光値を算出することと、前記第1累積環境光値と前記第2累積環境光値との比に基づいて、前記バックグラウンド露光時間の間の前記受信されたイメージセンサ出力と、前記蛍光露光時間の間の前記受信されたイメージセンサ出力と、をスケーリングすることと、前記蛍光露光時間の間の前記スケーリングされたイメージセンサ出力から、前記バックグラウンド露光時間の間の前記スケーリングされたイメージセンサ出力を減じることによって、前記結果として得られるイメージを形成することと、を含んでもよい。
【0064】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のプログラムは、前記バックグラウンド露光時間の間に前記センサから環境光強度信号を受信するためのインストラクションを含んでもよい。
【0065】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記ひとつ以上のプログラムは、前記環境光強度周期サイクルを、前記蛍光露光時間に対応する前記期間に延ばすためのインストラクションを含んでもよい。
【0066】
ある実施の形態によると、ターゲットをイメージングするための方法は、ひとつ以上のプロセッサおよびメモリを有するシステムにおいて、励起光源を活性化することで、前記ターゲットを照らすための励起パルスを生成することと、前記励起光源が活性化されていない前記期間の一部中に、センサから、環境光強度信号を受信することと、前記励起パルス中に、蛍光露光時間の間、イメージセンサを曝すことと、前記イメージセンサからの出力を受信することと、前記環境光強度信号に基づいて環境光を補償することと、結果として得られるイメージを前記メモリに格納することと、を含む。
【0067】
これらの実施の形態のいずれかでは、方法は、前記期間内に、白色光源を活性化させることで、前記ターゲットを照らすための白色光パルスを生成することであって、前記白色光パルスが前記励起パルスと重ならない、ことと、少なくともひとつの白色光パルス中に、可視露光時間の間、前記イメージセンサを曝すことを含んでもよい。
【0068】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記方法は、前記ターゲットが照らされていないとき、バックグラウンド露光時間の間、前記イメージセンサを露光することを含んでもよい。
【0069】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記方法は、前記環境光強度の周期的周波数を検出することを含んでもよい。
【0070】
これらの実施の形態のいずれかでは、環境光を補償することが、前記バックグラウンド露光時間の間の前記イメージセンサの露光の前、かつ、前記励起パルス中の前記蛍光露光時間の間の前記イメージセンサの露光の前に、イメージ取得フレームレートを、前記周期的周波数の倍数に等しく設定することと前記蛍光露光時間の間に受信されたイメージセンサ出力から、前記バックグラウンド露光時間の間に受信されたイメージセンサ出力を減じることによって、前記結果として得られるイメージを形成することと、を含んでもよい。
【0071】
これらの実施の形態のいずれかでは、環境光を補償することが、ひとつ以上の受信された環境光強度信号から、前記検出された周期的周波数を有する環境光強度の完全な周期サイクルを合成または抽出することと、前記環境光強度周期サイクルを、前記蛍光露光時間に対応する期間に延ばすことと、バックグラウンド露光時間の間の環境光強度の前記曲線の下の面積に対応する第1累積環境光値を算出することと、前記蛍光露光時間の間の前記環境光強度の前記曲線の下の面積に対応する第2累積環境光値を算出することと、前記第1累積環境光値と前記第2累積環境光値との比に基づいて、前記バックグラウンド露光時間の間の前記受信されたイメージセンサ出力と、前記蛍光露光時間の間の前記受信されたイメージセンサ出力と、をスケーリングすることと、前記蛍光露光時間の間の前記スケーリングされたイメージセンサ出力から、前記バックグラウンド露光時間の間の前記スケーリングされたイメージセンサ出力を減じることによって、前記結果として得られるイメージを形成することと、を含んでもよい。
【0072】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記方法は、前記バックグラウンド露光時間の間に前記センサから環境光強度信号を受信することを含んでもよい。
【0073】
これらの実施の形態のいずれかでは、前記方法は、前記環境光強度周期サイクルを、前記蛍光露光時間に対応する前記期間に延ばすことを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
例示的な実施の形態を添付の図面を参照して詳細に説明することにより、特徴が当業者に明らかになるであろう。
【0075】
【
図1】実施の形態に係る、照明およびイメージングのためのシステムの模式図を示す。
【0076】
【
図2】実施の形態に係る、照明モジュールの模式図を示す。
【0077】
【
図3A】
図3Aおよび3Bはそれぞれ、実施の形態に係る、操舵可能ハウジング内の例示的なレンズモジュールの模式的な側面図および平面図を示す。
【
図3B】
図3Aおよび3Bはそれぞれ、実施の形態に係る、操舵可能ハウジング内の例示的なレンズモジュールの模式的な側面図および平面図を示す。
【0078】
【
図4A】実施の形態に係る、イメージングシステムの合焦および照明システムの操舵の同期のためのリンケージの模式図を示す。
【0079】
【
図4B】
図4Bおよび4Cはそれぞれ、実施の形態に係る、イメージングシステムの合焦および照明システムの操舵の同期のためのリンケージの、下面図および上面図を示す。
【
図4C】
図4Bおよび4Cはそれぞれ、実施の形態に係る、イメージングシステムの合焦および照明システムの操舵の同期のためのリンケージの、下面図および上面図を示す。
【0080】
【
図5A】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、実施の形態に係る、遠い作業距離および近い作業距離におけるリンケージの下面図を示す。
【
図5B】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、実施の形態に係る、遠い作業距離および近い作業距離におけるリンケージの下面図を示す。
【0081】
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、実施の形態に係る、照明およびイメージングシステムの斜視上面図および斜視下面図を示す。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、実施の形態に係る、照明およびイメージングシステムの斜視上面図および斜視下面図を示す。
【0082】
【0083】
【
図8A】
図8Aおよび8Bは、システムを例示的な異なる位置で利用可能なときのその異なる位置の斜視図を示す。
【
図8B】
図8Aおよび8Bは、システムを例示的な異なる位置で利用可能なときのその異なる位置の斜視図を示す。
【0084】
【
図9A】実施の形態に係る、システムで用いられるドレープを示す。
【
図9B】
図9Bから9Eはそれぞれ、実施の形態に係る、システムで用いられるドレープレンズおよびフレームの斜視図、前面図、上面図および側面図を示す。
【
図9C】
図9Bから9Eはそれぞれ、実施の形態に係る、システムで用いられるドレープレンズおよびフレームの斜視図、前面図、上面図および側面図を示す。
【
図9D】
図9Bから9Eはそれぞれ、実施の形態に係る、システムで用いられるドレープレンズおよびフレームの斜視図、前面図、上面図および側面図を示す。
【
図9E】
図9Bから9Eはそれぞれ、実施の形態に係る、システムで用いられるドレープレンズおよびフレームの斜視図、前面図、上面図および側面図を示す。
【
図9F】実施の形態に係る、システムの筐体に取り付けられたドレープレンズおよびフレームを示す。
【
図9G】
図9Fのシステムの筐体に取り付けられたドレープレンズおよびフレームの断面図を示す。
【0085】
【0086】
【
図11A】実施の形態に係る、可視照明および励起照明ならびにイメージセンサ露光についてのタイミング図を示す。
【0087】
【
図11B】実施の形態に係る、可視照明および励起照明ならびにイメージセンサ露光についてのタイミング図を示す。
【0088】
【
図11C】実施の形態に係る、可視照明および励起照明ならびにイメージセンサ露光についてのタイミング図を示す。
【0089】
【
図11D】実施の形態に係る、可視照明および励起照明ならびにイメージセンサ露光についてのタイミング図を示す。
【0090】
【
図11E】実施の形態に係る、可視照明および励起照明、イメージセンサ露光ならびに環境光測定についてのタイミング図を示す。
【0091】
【
図12A】
図12Aから12Cは、実施の形態に係る、画素レイアウトおよび内挿スキームを示す。
【
図12B】
図12Aから12Cは、実施の形態に係る、画素レイアウトおよび内挿スキームを示す。
【
図12C】
図12Aから12Cは、実施の形態に係る、画素レイアウトおよび内挿スキームを示す。
【0092】
【
図13A】
図13Aから13Cはそれぞれ、蛍光強度がない領域、高い相対正規化蛍光強度の領域および中程度の相対正規化蛍光強度の領域上にターゲットレクチルが置かれた場合のディスプレイ方法出力の実施の形態の図を示す。
【
図13B】
図13Aから13Cはそれぞれ、蛍光強度がない領域、高い相対正規化蛍光強度の領域および中程度の相対正規化蛍光強度の領域上にターゲットレクチルが置かれた場合のディスプレイ方法出力の実施の形態の図を示す。
【
図13C】
図13Aから13Cはそれぞれ、蛍光強度がない領域、高い相対正規化蛍光強度の領域および中程度の相対正規化蛍光強度の領域上にターゲットレクチルが置かれた場合のディスプレイ方法出力の実施の形態の図を示す。
【0093】
【
図13D】ディスプレイ上の正規化蛍光強度値の信号時間履歴プロットを含むディスプレイ方法出力の実施の形態の図を示す。
【0094】
【
図14】正規化蛍光強度を表示するディスプレイ方法出力の実施の形態を特徴付ける、解剖学的蛍光イメージングファントムの記録イメージを示す。
【0095】
【
図15】
図1に示される照明のためのシステムの例示的な照明源の例示的な光源を示す。
【0096】
【
図16】
図1の蛍光イメージングシステムの例示的なイメージングモジュールであってカメラモジュールを含むイメージングモジュールを示す。
【0097】
【
図17A】実施の形態に係る、照明およびイメージングシステムの斜視上面図を示す。
【0098】
【
図17B】実施の形態に係る、
図17Aの照明およびイメージングのための可動フィルタアセンブリの模式的側面図を示す。
【0099】
【0100】
【
図17E】実施の形態に係る、筐体の前方部分におけるセンサおよび光源構成を示す。
【0101】
【
図18】実施の形態に係る、照明およびイメージングシステムのコンポーネントの模式図を示す。
【0102】
【
図19】実施の形態に係る、ドレープ検出モジュールの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0103】
以下に添付の図面を参照して例示的な実施の形態をより十分に説明するが、例示的な実施の形態は異なる態様で実現されうるものであり、本明細書で説明されるものに限定されるとみなされるべきではない。むしろ、これらの実施の形態は、本開示が完全であり、当業者に例示的な実装を十分に伝えるように提供される。種々のデバイス、システム、方法、プロセッサ、キットおよびイメージング剤が本明細書で説明される。デバイス、システム、方法、プロセッサ、キットおよびイメージング剤の少なくとも二つのバリエーションが説明されるが、他のバリエーションは、本明細書で説明されるデバイス、システム、方法、プロセッサ、キットおよびイメージング剤の態様を任意の適切なやり方で組み合わせたものであって説明される態様のうちの全てまたはいくつかの組み合わせを有するものを含みうる。
【0104】
総じて、対応するかまたは同様な参照符号が、図面を通じて、同じまたは対応する部材を参照するために可能な場面で使用されるであろう。
【0105】
空間的に相対的な語、例えば「の下」、「の下方」、「より低い」、「の上」、「の上方」など、は、本明細書において、図に示される、ある要素またはフィーチャと他の要素またはフィーチャとの関係の説明を容易にするために用いられてもよい。空間的に相対的な語が、図に示される配置構成に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる配置構成をも包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図のデバイスが裏返された場合、他の要素またはフィーチャ「より下」や「より下方」として説明される要素は、今度は該他の要素またはフィーチャ「の上」に配置されることとなるであろう。したがって、例示的な語である「より下」は、上方および下方の両方の配置を包含しうる。デバイスはそうでないよう(90度回転や他の配置構成など)に配置構成されてもよく、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子はそれにしたがい解釈されてもよい。
【0106】
図1は、実施の形態に係る、照明およびイメージングシステム10の模式図を示す。
図1に示されるように、システム10は、照明モジュール11と、イメージングモジュール13と、ビデオプロセッサ/照明器(VPI)14と、を含んでもよい。VPI14は、照明モジュール11に照明を提供するための照明源15と、制御信号を送信すると共に照明モジュール11によって出力された光によって照らされたターゲット12からの光であってイメージングモジュール13によって検出された光についてのデータを受信するプロセッサアセンブリ16と、を含んでもよい。一変形例では、ビデオプロセッサ/照明器14は別個に収容された照明源15及びプロセッサアセンブリ16を含むことができる。一変形例では、ビデオプロセッサ/照明器14は、プロセッサアセンブリ16を備えることができ、一方、1つまたは複数の照明源15は照明モジュール11のハウジング内に別々に収容される。照明源15は、調査対象の特性およびターゲット12の材質に依存して、例えば白色(RGB)光やターゲット12に蛍光を誘起するための励起光やそれらの組み合わせなどの、異なる波長帯領域での光を出力してもよい。異なる波長帯での光は、照明源15によって同時に、順番に、またはその両方で出力されてもよい。照明およびイメージングシステム10は、例えば手術中の、医療(例えば、手術)意思決定を容易化するために用いられてもよい。ターゲット12は複雑な形状を有するターゲットであってもよい。例えば、組織や解剖学的構造や、照明時に影を作り出す輪郭及び形状を伴う他のオブジェクトを含む生体物である。VPI14は、結果として得られるイメージおよび関連情報を記録し、処理し、表示させてもよい。
【0107】
図2は、実施の形態に係る、
図1の照明モジュール11の模式的斜視図を示す。
図2に示されるように、照明モジュール11は、VPIボックス14に含まれていてもよい照明源23から、例えば矩形ターゲットフィールド24へと照明を導く少なくとも二つの照明ポートを含んでもよい。いくつかの変形例では、照明源23は照明モジュール11と共にデバイスのハウジング内に配置されてもよい。各照明ポートは、ターゲット材12(
図1に示される)において例えば実質的にまたは完全に光が重なり合うように、ターゲットフィールド24上に照明を提供するためのものである。二つより多い照明ポートが用いられてもよい。照明分布は実質的に同様であってかつターゲット12において(例えば、実質的にまたは完全に)重なり合い、これによりターゲット12の一様な照明が提供される。少なくとも二つの照明ポートを用いることによって、解剖学的形状に起因する影の影響の低減が促進され、ターゲットフィールド24上に一様な照明を提供することを助けることができる。照明モジュール11から矩形ターゲットフィールド24(これは、他の実施の形態では、矩形以外の構成を有しうる)へと照明を導くことによって、照明領域と矩形イメージング視野(これは、他の実施の形態では、矩形以外の構成を有しうる)とをマッチングすることができ、これにより一様な照明を提供することを助けることができ、また、無駄な照明を低減することによって照明モジュールの効率を高めることができる。照明フィールドとイメージング視野とのマッチングはまた、現在撮像されている解剖学的領域の位置および広がりの役に立つ目安を提供する。いくつかの変形例では、照明モジュール11からの照明は、照明領域を矩形のイメージング視野に一致させることなく、ターゲット12の均一な照明を提供するように向けられてもよく、
図2の矩形ターゲットフィールド24は非矩形ターゲットフィールドに置き換えられてもよい。
【0108】
ある実施の形態では、光パイプを用いることで、一様な照明プロファイルを生じさせるための照明光の混合を達成することができる。光パイプによる照明光の混合によって、光源の構造が照明プロファイルに及ぼす影響を除去することができる。そのような影響は、除去されない場合は、照明プロファイルの一様性に悪影響を及ぼしうる。例えば、光パイプを用いて光ファイバ光ガイドから出力される照明光を混合することによって、照明プロファイルから、個々の光ファイバの構造のイメージを除去することができる。ある実施の形態では、矩形光パイプを用いることで、照明パワーを効率的に利用しつつ照明プロファイルと矩形イメージング視野とをマッチングしてもよい。ある実施の形態では、光学ガラス材N-SF11などの、可視光および近赤外光の両方についての屈折率が高い光パイプ材が用いられると、照明パワー伝送の効率を高めることができる。
【0109】
ある実施の形態によると、イメージング視野のアスペクト比にマッチするアスペクト比を伴う(例えば、両方のアスペクト比が16:9である)矩形光パイプを、回転対称照明光学要素と連携して用いてもよい。
【0110】
ある実施の形態によると、イメージング視野とは異なるアスペクト比を伴う(例えば、正方形光パイプに対して16:9イメージング視野アスペクト比)矩形光パイプを、円柱照明光学要素と連携して用いてもよい。円柱光学要素を用いることで、イメージング視野のアスペクト比にマッチするよう矩形照明プロファイルの一方のまたは両方の寸法を個別に適合させることができる。
【0111】
作業距離の範囲および照明の一様性についての所望のシステム要件に依存して、照明をイメージング視野に重なるようにマッチさせるための種々のアプローチを用いることができる。例えば、広範囲の作業距離および高い照明の一様性を要求するアプリケーションは、照明とイメージング視野とを十分にマッチさせるために動的に操舵される照明光学系および/またはポートの使用を必要とし得る一方、より低い要求を伴うアプリケーションには、照明と視野とをマッチさせるための固定照明光学系および/またはポートが用いられてもよい。
【0112】
いくつかの実施の形態では、照明の方向は、視野との対応を維持するように照明フィールドを操縦するために、視野の調節と同期して複数の照明ポートから調節される。
【0113】
ある実施の形態では、照明を操舵するために、ドライバがひとつ以上の照明光学要素を回転させてもよい。
【0114】
ある実施の形態では、照明を操舵するために、ドライバがひとつ以上の照明光学要素をイメージング光軸に対して垂直に移動させてもよい。
【0115】
ある実施の形態では、ひとつ以上の照明光学要素は、関連するイメージングシステムの生来的な歪みに対応するために、照明プロファイルにいくらかの歪みを提供するよう構成されてもよい。
【0116】
ある実施の形態では、指定された作業距離の範囲に亘るイメージング視野の一様な照明は、照明光学系の固定位置および向きで達成可能である。照明光学系のイメージング光軸からのオフセット距離は、照明光学系の向きと共に、指定された作業距離の範囲内のある作業距離における照明プロファイルとイメージング視野とのマッチングを最適化しつつ指定された範囲内の他の作業距離における照明プロファイルとイメージング視野との実質的なマッチングを維持するように、設定されてもよい。
【0117】
図2に示されるように、各照明ポートは、レンズモジュール20と、照明光源23へと接続する接続ケーブル22と、接続ケーブル22の大きな開口数をレンズモジュール20のより小さい開口数へと適合させる光パイプ21と、を含んでもよい。レンズモジュール20は、後に詳述されるように、操舵可能であってもよい。あるシナリオでは、操舵なしでも許容可能なパフォーマンスを達成することができる。言い換えると、少なくとも二つの照明ポートを用いるイメージングシステムの視野であって、各ポートが照明の勾配をその視野に生成し、オブジェクト面におけるその和の照明光束が照明フィールドの各ポイントでほぼ同じである視野、とマッチする矩形フォームファクタ(または矩形以外の構成)を有する照明フィールドを提供する(例えば、イメージング視野に亘って一様な照明を提供する)照明モジュールおよびそれを備えるイメージングデバイスだけで十分であってもよい。
【0118】
照明光源23が照明モジュール11と一緒にデバイスのハウジング内に含まれ得るいくつかの変形例では、
図2の接続ケーブル22は1つ以上の照明光源23によって置き換えられ得る。いくつかの変形例では、
図2の接続ケーブル22および光パイプ21を、1つまたは複数の照明光源23に置き換えることができる。いくつかの変形例では、
図2のレンズモジュール20は照明光源23を含むことができる。いくつかの変形例では、
図2からのレンズモジュール20の別個の変形例は、個別に、照明光源23の白色光源および蛍光励起光源を含んでもよい。ある実施の形態では、3つ以上のレンズモジュール20は、照明ポートのリング、照明ポートの別の機能的に同等の構成、または照明ポートの連続的または非連続的な分布/配置を含む別の構成を備えるように構成されてもよく、各レンズモジュール20はイメージング視野に収束し、そこに亘って均一な照明を提供するように配向される。いくつかの変形例では、照明ポートのリングを備える3つ以上のレンズモジュール20は、必ずしも照明を矩形フィールドに制約しなくてもよく、
図2の矩形ターゲットフィールド24は例えば円形/楕円形ターゲットフィールドなどの非矩形ターゲットフィールドによって置き換えられてもよい。
【0119】
図3Aおよび3Bはそれぞれ、レンズモジュール20の側面図および平面図を示す。レンズモジュール20は、操舵可能レンズハウジング30に取り付けられたレンズを含んでもよい。本明細書で用いられる場合、レンズは、屈折要素により実装されるか回折要素によって実装されるかにかかわらず、光学パワーを有する任意の光学要素である。図示を簡単化するため、レンズモジュールを囲むカバー(
図2参照)などの理解のために本質的ではない他の要素は図示されない。
【0120】
本明細書に示される特定の例では、レンズは、一対の水平軸円柱レンズ31-32と、一対の垂直軸円柱レンズ33-34と、を含んでもよい。照明光を意図する出力光軸に揃えることができるプリズム要素35も示されている。特に、ある実施の形態によると、デバイスをよりコンパクトにするために、プリズム要素35は光パイプ21によって導入された角度を補正してもよい。各レンズ要素31-35の取り付けデザインは、照明光学系の倍率およびフォーカスの調整を可能としてもよい。この実施の形態によると、操舵可能レンズハウジング30は三つの円柱レンズ31、33、34およびプリズムレンズ要素35を、例えばグループとしてまとめて、収容し操舵する。このレンズの例は単に説明のためのものであり、レンズモジュール20のレンズは適宜変更されてもよい。
【0121】
この特定の実施の形態では、操舵可能ハウジング30のベース部分は、例えばハウジング孔37に挿入されたピン46(
図6B参照)を用いて、ピボットポイント36の周りで、それぞれ後に詳述される固定筐体フレーム90(
図6A参照)および機械的リンケージ40(
図4Aから4C参照)に、ピン止めされる。一方、レンズ32は筐体90に堅く接続される(すなわち、ハウジング30には接続されない)(
図6B参照)。
【0122】
図4Aは、リンケージ40の種々のコンポーネントにより提供される運動方向を示す模式図である。リンケージ40は、ドライブカム41と、照明カム45a、45b(各照明ポートにつきひとつ)と、イメージングカム43と、を含んでもよい。ドライブカム41はユーザから入力を受け(
図7参照)、その入力を、対応するハウジング30(
図3B参照)およびピン46(
図6B参照)を介して、対応する照明カム45a、45bに取り付けられたレンズモジュール20a、20bの同期的な動きに変換し、また、カムフォロワピンを介して、イメージングカム43に取り付けられたイメージングレンズ51およびイメージングセンサ52(
図5Aおよび5B参照)の同期的な動きに変換する。ここで、イメージングレンズ51は単一の視野レンズとして描かれているが、ターゲット20からの光をイメージングセンサ52上に集束させるための追加的および/または代替的レンズを用いてもよい。各ポートはそれ自身の関連照明カム45Aまたは45Bを有しており、ここではそれらはターゲット12からの光を受けるための入力ウインドウの左右にあるものとして描かれている。ここで、ドライブカム41はレンズモジュール20a、20bの後部を越えて延在する前端縁を伴うプレートとして示されるが、ドライブカム41はプレートの形態である必要はなく、代わりに、3つ以上のレンズモジュールとインタフェースしそれを駆動するための複数の面を備えてもよく、その場合、ドライブカム41の前端縁および照明カム45a、45bの後縁は追加のレンズモジュールおよび対応する照明カムを収容するために、さらに後ろに設定されてもよい。
【0123】
特に、ドライブカム41の移動はイメージングカム43をx軸に沿って移動させ、次いで、そのようなイメージングカム43の移動はイメージングカム43がイメージングレンズ51およびイメージングセンサ52をz軸に沿って移動させることおよび照明カム45a、45bを移動させることを引き起こし、次いで、そのような照明カム45a、45bの移動は対応するレンズモジュール20a、20bを対応するピボットポイント36の周りで同時に操舵し、その結果、レンズモジュール20a、20bの操舵は、ターゲットからの光のセンサ52上への適切な集束を保証するイメージングレンズ51とイメージングセンサ52との位置調整と同期的に行われる。あるいはまた、イメージングカム43はイメージングレンズ51のみをz軸に沿って移動させてもよく、またはターゲットからの光のセンサ52上への適切な集束を保証するためにイメージング光学要素の任意の他の組み合わせを移動させてもよい。
【0124】
図4Bは、実施の形態に係る、リンケージ40の底面図を示し、
図4Cはリンケージ40の上面図を示す。ドライブカム41は二つのドライブパーツ41aおよび41bと、操舵が含まれる場合は、第3ドライブパーツ41cと、を含んでもよく、それら全てはここでは堅く取り付けられることにより剛体的ドライブカム41を形成しているように描かれている。同様に、イメージングカム43は二つのイメージングパーツ43aおよび43bを含んでもよい。ドライブカム41は第1ドライブパーツ41aを介してユーザから(制御面62を介して)入力を受け、ドライブパーツ41b内のカムフォロワピンを介してイメージングカム43を移動させる。その結果、イメージングカムパーツ43aはセンサ52を移動させ、イメージングカムパーツ43bはイメージングレンズ51を移動させる。リンケージに操舵が含まれる場合、第3ドライブパーツ41cは、照明カムパーツ45aおよび45bを移動させることによって、照明カムパーツ45aおよび45bのそれぞれに関連付けられたピン46(
図6B参照)を用いてレンズモジュール20a、20bを同時に操舵する(回転させる)。ピン46は、照明カム45a、45bのそれぞれのスロット49およびレンズモジュール20a、20bの対応するハウジング孔37を通じて挿入されてもよい。ドライブパーツ41cはレンズモジュール20a、20bを同時に、それら両方が依然としてターゲット12のターゲット視野において互いと同じ視野を照らすように、操舵する。
【0125】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、実施の形態に係る、遠い作業距離および近い作業距離における、レンズモジュール20a、20b、イメージング視野レンズ51およびセンサ52と組み合わされたリンケージの下面図を示す。それらの図に示されるように、リンケージ40は、二つのサンプル作業距離照明操舵セッティングにおいて、照明源の操舵をイメージングシステムの合焦と同期させる。
図5A-5Bは、ユーザ入力から得られる二つの合焦位置における、レンズモジュール20a、20b(ピボットピン37の周りで回転する)ならびにレンズ51およびセンサ52(イメージングシステムの光軸55に沿っておよびz軸に沿って移動する)の位置を示す。
【0126】
図5Aおよび5Bに示されるように、運動中の摩擦を最小化または低減するために、リンケージ機構40内で軸方向に動く各部材は、二つの固定転がり要素47およびひとつのバネ付勢転がり要素48によってガイドされてもよい。リンケージ40はまた、ドライブカム入力接続ポイント42を含んでもよい。
【0127】
図6Aおよび6Bは、実施の形態に係る、デバイス10の斜視上面図および斜視底面上面図を示す。
図6Aおよび6Bでは、照明モジュール11およびイメージングモジュール13は筐体90に取り付けられている。筐体90の上部は明確性のために取り除かれている。また、ドライブカム入力接続ポイント42を介してユーザ入力からの動きをドライブカム41の動きに変換するフォーカス駆動機構70が示されている。
【0128】
図6Aに見られるように、イメージングモジュール13の光軸55はイメージングモジュールの中心を通り、またレンズモジュール20a、20bはイメージング光軸55に対して対称に配置される。ターゲット12からの結像されるべき光は、光軸55に沿って進み、レンズ51およびセンサ52に入射する。波長依存開口53は、可視光および蛍光、例えば近赤外(NIR)光、の全ての透過を許すより小さな中央開口と、可視光を遮るが蛍光の透過を許すより大きな環囲開口と、を含み、レンズ51の上流に設けられてもよい。
【0129】
図6Bおよび4A-4Bを参照すると、ピン46は、ハウジング30のハウジング孔37を介して、レンズモジュール20と、リンケージ40のスロット49とを繋ぐ。また、ピボットポイントピン44は、レンズモジュール20を筐体90に繋ぐ。
【0130】
図7は、照明モジュール11およびイメージングモジュール13を囲む人間工学的筐体60の実施の形態を示す。人間工学的筐体60は、異なる利用モード/設定で把持されるようデザインされている。例えば、走査イメージング姿勢における前方イメージングのためのピストルスタイルのグリップ(
図8A)であり、また、上からのイメージング姿勢において下向きにイメージングする際に用いられる垂直方向グリップ(
図8B)である。
図7に示されるように、筐体60は、制御面62と、グリップディテール64と、ウインドウフレーム68と、ノーズピース66と、を含む。人間工学的筐体60は光ガイドケーブル67およびデータケーブル65を介してVPIボックス14と接続可能であり、光がその光ガイドケーブル67を通って照明ポート20a、20bに提供される。データケーブル65は電力、センサデータおよび任意の他の(非光)接続を伝える。
【0131】
制御面62は、リンケージ40を制御するためのフォーカスボタン63a(作業距離を減らす)および63b(作業距離を増やす)を含む。制御面62上の他のボタンはプログラム可能であってもよく、種々の他の機能、例えば励起レーザ電源オン/オフ、ディスプレイモード選択、白色光イメージングのホワイトバランス、スクリーンショットの保存などのために用いられてもよい。フォーカスボタンに対して代替的にまたは追加的に、筐体に近接センサが設けられ、リンケージ40を自動的に調整するために用いられてもよい。
【0132】
図8Aに見られる通り、イメージングウインドウが前方を向くように筐体60を持つ場合、親指は制御面62上に置かれ、オペレータの手の他の指はグリップディテール64の底部の周りに緩く巻かれている。
図8Bに見られる通り、イメージングウインドウが下を向くように筐体60を持つ場合、グリップディテール64は親指と人差し指との間にあり、指は制御面62上の制御ボタンやスイッチにアクセスするよう巻き回される。グリップディテール64は、垂直方向グリップにおいて手首の上でデバイスの重さの部分的なサポートを提供するよう形作られる。この場合、筐体60は緩くぶら下がり、筐体60をきつく握る必要がなくなる。したがって、筐体60は複数の姿勢においてひとつの手で操作可能である。種々の他の実施の形態では、筐体60はサポート(例えば、移動可能サポート)上で支持されてもよい。
【0133】
ウインドウフレーム68(
図9Aも参照)は、筐体60の異なるウインドウを規定する。言い換えると、ウインドウフレーム68は、二つのレンズモジュール20a、20bに対応するウインドウ68a、68bを規定すると共に、ターゲットからの光であってセンサ52に入射すべき光のための入力ウインドウとして機能するウインドウ68cを規定する。
【0134】
図17A-Dは、ある実施の形態に係る、イメージングシステム300を示す。イメージングシステム300は、
図1のイメージングシステム10の1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、イメージングシステム300は、システム10の照明モジュール11及びイメージングモジュール13を含むことができる。システム300はシステム10に関して本明細書で説明される方法およびプロセスのいずれかのために、またはそれらと共に使用されてもよい。
【0135】
斜視上面図である
図17Aに示すように、イメージングシステム300は2つの照明ポート311と、イメージングモジュール313と、プレート302とを含み、それぞれがフレームまたはシャーシ(図示せず)に取り付けられる。ターゲット12から結像されるべき光は、ターゲット12によって反射された、照明ポート311からの光及び/又はターゲット12から放たれた蛍光を含むことができ、光軸355に沿って、プレート302を通って、1つ以上のイメージングセンサを収容するイメージングモジュール313内に進む。以下に説明するように、イメージングモジュール313は、イメージングモジュールに入る光をフィルタリングするための可動フィルタを含むことができる。いくつかの実施の形態では、イメージングモジュール313は、すべての可視光および蛍光、例えばNIR光、の透過を可能にするより小さい中央開口と、可視光を遮断するが蛍光の透過を可能にする周囲のより大きい開口とを含む、1つまたは複数の波長依存開口を含むことができる。
【0136】
各照明ポート311は、レンズモジュール320と、照明光源23へと接続する接続ケーブル322と、接続ケーブル322の大きな開口数をレンズモジュール320のより小さい開口数へと適合させる光パイプ321と、を含む。レンズモジュール320は、イメージングシステム300の視野に一致する矩形のフォームファクタを有する照明を提供することができる。各照明ポート311はオブジェクト面内の合計照明フラックスが照明フィールド内の各点で合理的に同じになるように、例えば、イメージング視野にわたって均一な照明を提供するように、照明の勾配を生成することができる。レンズモジュール320はそれぞれ、アプリケーションの要件を満たすように照明を成形し、方向付けるための1つまたは複数のレンズおよび/またはプリズム要素を含む。例えば、2つの照明ポート311は、イメージングシステム300の光軸355の中心から水平方向にオフセットされて位置するので、プリズムをレンズモジュール320に含めることで、ビームを視野の中心に向けることができる。方向の程度は、特定のアプリケーション、または一組の特定のアプリケーションに合わせて調整することができる。例えば、いくつかの変形例では、方向の程度は、ビームが25cmの公称イメージング距離で重なるように選択される。いくつかの変形例では、照明ポート311の水平オフセットおよび方向の程度は、ビームが実質的に重なり合い、18~40cmの距離などの作業距離の範囲にわたって視野を実質的に覆うように選択される。
図17 Aに示す実施の形態では、照明ポートはフレームに対して固定されている。他の実施の形態では、照明ポートは上述の原理に従って操縦可能である。
【0137】
イメージングモジュール313は、光軸355に沿って整列されたイメージセンサアセンブリ352と、光学モジュール351と、可動フィルタアセンブリ330と、を含む。イメージセンサを含み、1つまたは複数のレンズ、フィルタ、または他の光学コンポーネントを含むことができるイメージセンサアセンブリ352は、フォーカス駆動アセンブリ370を介して光軸355に沿ってフレームに対して移動可能である。フォーカス駆動アセンブリ370は、イメージセンサアセンブリ352のハウジングに固定されたリードナット372を含む。リードナット372は、フォーカスモータ376から延びるリードねじ374に結合される。フォーカスモータ376はフレームに固定され、リードねじ374を回転させるために前後方向に作動させることができ、これにより、リードナット372をリードねじ軸に沿って平行移動させ、イメージセンサアセンブリ352を光軸355に沿って前後に移動させる。リードナット372および/またはフォーカス駆動アセンブリ370は、例えば、1つ以上のリニアボールベアリングまたはブッシングを使用して横方向および角度方向の遊びを抑制するように、フレーム上のマウンティング内でスライドするシャフト上に取り付けられてもよい。ある実施の形態では、イメージセンサアセンブリ352は、ターゲットからの光であって可視光および励起光による照明により生じた光を検出するよう構成された単一のイメージセンサを含んでもよい。他の実施の形態では、イメージセンサアセンブリ352は複数のイメージセンサを備えることができる。例えば、イメージセンサアセンブリ352は、ターゲットからの光であって可視光および励起光による照明とは別個の可視光による照明により生じた光を検出するよう構成された別のイメージセンサを含んでもよい。
【0138】
コントローラは焦点合わせのためにイメージセンサアセンブリ352の動きを制御するために使用されてもよく、これはユーザ入力に基づいてもよい。例えば、システム300は、ユーザが焦点を調整することを可能にするために、ボタンまたはタッチスクリーン制御部などの1つまたは複数の制御部を備えることができる。ユーザは所望の焦点が達成されるまで焦点制御を作動させることができ、又は所望の焦点に関連する値を入力することができ、コントローラは、所望の焦点が達成されるまでイメージセンサアセンブリ352を作動させることができる。いくつかの実施の形態では、イメージセンサアセンブリ352のハウジング上に取り付けられた磁気位置センサは、コントローラによるフォーカス駆動アセンブリ370の閉ループ制御のために、イメージセンサアセンブリ352の位置を検出する。いくつかの実施の形態では、コントローラは、例えば、ステッパモータを使用することによって、フォーカス駆動アセンブリ370の開ループ制御を使用することができる。
【0139】
イメージセンサアセンブリ352の前方に位置する光学モジュール351は、フレームに対して固定され、イメージセンサに到達する前に光路に沿って進行する光を調整するための1つ以上の光学コンポーネント(例えば、レンズ、アパーチャ、フィルタなど)を含んでもよい。例えば、光学モジュール351は、すべての可視光および蛍光、例えばNIR光、の透過を可能にするより小さい中央開口と、可視光を遮断するが蛍光の透過を可能にする周囲のより大きい開口とを含む波長依存開口(例えば、
図6Aの開口53と同様のもの)を含むことができる。
【0140】
可動フィルタアセンブリ330は、光学モジュール351の前方(ターゲットからイメージセンサへの光の進行方向に対して上流)に配置され、第1ウインドウ334aおよび第2ウインドウ334bを含み、これらのウインドウの各々は、ブラケット(それぞれ、第1ウインドウブラケット332aおよび第2ウインドウブラケット332b)内に収容される。第1および第2ウインドウ334a、334bは、交互に光路に出入りするように移動させることができる。いくつかの実施の形態では、第1および第2ウインドウ334a、334bはフィルタモータ338によって作動されるリンケージアセンブリ336を介して、交互に光路に出入りするように移動させることができる。いくつかの変形例では、第1および/または第2ウインドウは、回転(例えば、回転ホイール上で)および/または並進を含む運動の任意の組合せを介して移動させることができる。ウインドウ334a、334bの一方または両方は、光がイメージセンサに到達する前に光をフィルタリングするためのフィルタを含むことができる。フィルタを光路に出入りさせることによって、イメージングシステム300を異なるイメージングモードで動作させることができる。例えば、いくつかの実施の形態では、ウインドウのうちの1つ(例えば、第1ウインドウ334a)は可視光を遮断するためのフィルタを含み、他のウインドウ(例えば、第2ウインドウ334b)は光を遮断しない透明なガラスプレートを含む。光路にブロッキングフィルタを設けることにより、イメージングシステムを第1のモードで動作させることができ、光路に透明ガラスを設けることにより、イメージングシステムを第2のモードで動作させることができる。モードを切り替えるとき、一方のウインドウは光路内に移動し、他方のウインドウは光路外に移動する。いくつかの実施の形態では、830~900nmの間のNIR光のみを透過させる可視光排除フィルタは、蛍光のみのイメージングモードのための第1ウインドウに含まれ、すべての光を通過させる反射防止コーティングされたガラスプレートは、第2のモードで使用するための第2ウインドウに含まれる。ガラスプレートは、モードに関わらず、同一の光路長を確保することができる。いくつかの変形例では、システム300のコントローラは例えば、ユーザ入力に応答してモードを変更するように可動フィルタアセンブリ330を制御することができる。
【0141】
図17Aに示す構成では、第2ウインドウブラケット332bは、第2ウインドウ334bが光路内に配置され、光軸355に対して垂直に向けられるように、配備された位置(展開位置)にある。リンケージアセンブリ336を作動させるフィルタモータ338を作動させることによって、第2ウインドウブラケット332bおよび第2ウインドウ334bは、光軸355に垂直に延びるピボット軸の周りを旋回(ピボット)することによって光路外に移動する。同時に、第1ウインドウブラケット332aおよび第1ウインドウ334aは、光軸355に垂直に延びるピボット軸の周りを旋回することによって光路内に移動する。いくつかの実施の形態では、第1ウインドウブラケットのピボット軸および第2ウインドウブラケットのピボット軸は垂直に整列され、第1および第2ウインドウブラケットおよびウインドウはモードにかかわらず、一致する光路長を提供するように対称である。
【0142】
リンケージアセンブリ336は、システム300のコントローラによって制御され得るフィルタモータ338によって作動される。フィルタモータ338は、フィルタリードねじ341を回転させ、フィルタリードナット342を前後に移動させる。リンケージ344は、第1の端部でフィルタリードナット342に旋回可能に接続され、第2の端部でスライダ346aに旋回可能に接続される。ピボットリンク348aは、一端でスライダ346aに旋回可能に接続され、他端で第1ウインドウブラケット332aに旋回可能に接続される。
図17Bに示すように、スライダ346bおよびピボットリンク348b(
図17Aには図示せず)は第2ウインドウブラケット332bを作動させるために、スライダ346aおよびピボットリンク348aの下に設けられる。
【0143】
可動フィルタアセンブリ330は、
図17Bに概略的に示されている。フレームに対して固定されたフィルタモータ338は、フィルタリードねじ341を時計回り及び反時計回りに回転させ、フィルタリードナット342をフィルタリードねじ軸に沿って前方及び後方に並進させる。フィルタリードナット342の並進は、リンケージ344を介してスライダ346aの並進を引き起こす。スライダ346aの並進は、ピボットリンク348aの並進を引き起こす。ピボットリンク348aは、第1ウインドウブラケット332aのフレームとのピボット接続部349aの中心から外れた位置で第1ウインドウブラケット332aに旋回可能に接続される。したがって、ピボットリンク348aの移動は、第1ウインドウブラケット332aの回転を引き起こす。例えば、
図17Bの構成から、スライダ346aの前方(プレート302に向かう)への並進は、第1ウインドウブラケット332aを光路から90度回転させる。
【0144】
ドライブリンケージ345は、第1の端部でリンケージ344に旋回可能に接続され、接続点345aでフレームにピン留めされ、第2の端部でスライダ346bに旋回可能に接続される。したがって、リンケージ344の並進は、スライダ346bを並進させるドライブリンケージ345の回転を引き起こす。スライダ346bはピボットリンク348bを介して第2ウインドウブラケット332bに接続され、ピボットリンク348bは第2ウインドウブラケット332bのフレームとのピボット接続部349bの中心から外れた位置で第2ウインドウブラケット332bに旋回可能に接続される。したがって、スライダ346bの並進は、第2ウインドウブラケット332bの回転を引き起こす。
図17Bの構成から、スライダ346bの後方への並進(スライダ346aが前方に移動するとき)は、第2ウインドウブラケット332bを光路内へと90度回転させる。閉ループ制御のためにコントローラにフィードバックを提供するために、可動フィルタアセンブリ330のコンポーネントのうちの1つまたは複数の位置を感知するために、1つまたは複数のセンサを含めることができる。
【0145】
プレート302は、ハウジングを封止し、照明光学系およびイメージング光学系を保護するための平坦なプレートである。いくつかの実施の形態では、プレート302はガラスの単一プレートである。レンズなどの1つまたは複数の光学コンポーネントを、ガラスプレートと可動フィルタアセンブリ330との間に取り付けることができる。いくつかの変形例では、プレート302上に入射する光を測定するために、1つ以上のセンサがプレート302の後側に配置される。これらのセンサのうちの1つまたは複数は、環境光、ターゲットから反射された光、ターゲットによって放たれた光、および/または非ターゲットオブジェクトから反射された光を検出することができる。いくつかの実施の形態では、ドレープの存在を検出するためにドレープ検出器が含まれる。ドレープ検出器は例えば、赤外線エミッタと、イメージングシステム上に配置されたドレープによって反射された赤外線を検出する光検出器と、を含むことができる。
【0146】
図17C~Dは、ある変形例による、照明ポート311およびイメージングモジュール313を囲む人間工学的筐体360のある実施の形態を示す。人間工学的筐体360は、ピストル型グリップに保持されるように設計される。筐体360は、制御面362と、グリップ364と、ウインドウフレーム368と、ノーズピース366と、を含んでもよい。人間工学的筐体360は光ガイドケーブル367およびデータケーブル365を介してVPIボックス14と接続可能であり、光がその光ガイドケーブル67を通って照明ポート311に提供される。データケーブル365は電力、センサデータおよび任意の他の(非光)接続を伝える。
【0147】
制御面362は、フォーカス駆動アセンブリ370を制御するフォーカスボタン363aおよび363bを含む。制御面362上の他のボタンはプログラム可能であってもよく、種々の他の機能、例えば励起レーザ電源オン/オフ、ディスプレイモード選択、白色光イメージングのホワイトバランス、スクリーンショットの保存などのために用いられてもよい。フォーカスボタンに対して代替的にまたは追加的に、筐体に近接センサが設けられ、フォーカス駆動アセンブリ370を自動的に調整するために用いられてもよい。
【0148】
筐体360は、ピストルグリップスタイルの向きで、片方の手で操作可能である。種々の他の実施の形態では、筐体360はサポート(例えば、移動可能サポート)上で支持されてもよい。いくつかの実施の形態では、筐体360が
図9Aのドレープ80または
図9Bのドレープ390などのドレープと協働して使用されてもよい。
【0149】
いくつかの実施の形態では、ウインドウフレーム368はプレート302の前方の筐体360の前方部分に設けられる。他の実施の形態では、ウインドウフレーム368はプレート302の背後の筐体360の前方部分に設けられ、プレート302は筐体の外面を提供する。他の実施の形態では、フレームは設けられず、プレート302は筐体の外面を提供する。ウインドウフレーム368は、二つのレンズモジュール320に対応するウインドウ368a、368bを含むと共に、ターゲットからの光であってイメージセンサに入射すべき光のための入力ウインドウとして機能するウインドウ368cを含んでもよい。ウインドウフレーム368はまた、プレート302の背後に設けられたセンサのための1つ以上のウインドウ369を含んでもよい。
【0150】
図17Eは、ある変形例による、筐体360の前方部分上のプレート302の後ろに設けられたセンサ構成の実施の形態を示す。この実施の形態では、後述するように、自動利得制御機能への入力用の反射照明光を検出するために、1つまたは複数のセンサ392を備える中央センサ群391が設けられる。また、この実施の形態では、周辺センサ群393aおよび393bは、各々が1つまたは複数のセンサ394を含み、以下に説明するように、イメージングターゲットへの近接検出の目的で反射照明光を検出するために、または筐体360の前方部分に近い任意の物体を検出するために設けられる。近接検出用の照明光の光源は主照明ビームであってもよいし、近接検出用の1つ以上の専用エミッタであってもよい。また、この実施の形態では、以下で説明するように、設置されたドレープレンズの存在を検出するために、1つまたは複数のセンサ387および1つまたは複数の光源386が設けられる。また、この実施の形態では、本明細書で説明するように、環境室内光強度を検出することによって、パルス状の室内光成分から生じるイメージ強度アーチファクトの補正を容易にするために、1つまたは複数のセンサ395を設けることができる。
【0151】
作業距離を変化させた場合であっても、照明及びイメージングパラメータの最適化を容易にし、一貫した及び/又は滑らかに変化するイメージ輝度を提供するために使用することができる自動利得制御(AGC)機能(
図18参照)のための入力を提供するために、反射光レベルを検出するためにセンサ392を使用することができる。AGCはまた、イメージ信号対雑音比の最適化または最大化を容易にするために、または光漂白を最小化することを容易にするために照明強度を最小化するために、使用されてもよい。例えば、AGCは、イメージ信号利得、照明パルス持続時間、露光、および/または照明パワーを動的に調整するために使用されてもよい。センサ392によって検出される反射照明光は、可視光および/またはNIR光などの蛍光励起光を含むことができる。ある実施の形態では、センサ392は、環境可視光および白色光照明がセンサ392からの光レベル信号に寄与しないように、NIR光には感応するが可視光には感応しない。いくつかの変形例では、センサ392はフォトダイオードから構成される。
【0152】
反射光レベルセンサ392は、白色光イメージングモードおよび/または多重結合白色光および蛍光イメージングモードを含む任意のイメージングモードにおいてAGCへの入力値として使用されてもよく、蛍光のみのイメージングモードにおいて特に重要であってもよい。例えばフィルタ334aが可視光がイメージセンサに到達するのを阻止する蛍光のみのイメージングモードで動作する場合、反射された白色光輝度イメージは記録されず、これは、さもなければ、AGCへの入力値として使用されるものであり、一方、記録された蛍光イメージはイメージング光学系内のノッチフィルタの使用によって、反射された蛍光励起光(さもなければ、蛍光信号の電力を大きく上回る)を必然的に排除する。したがって、センサ392は、反射光の唯一の測定値を提供することができる。一変形例では、蛍光のみのイメージングモードにおけるAGCの操作は、露光持続時間を最大化し、利得を最小化することを優先する。
【0153】
センサ392が励起光に感応するいくつかの実施の形態では、動作距離にかかわらず、所与の蛍光サンプルについて一定のイメージ輝度を達成するために、利得、励起期間(例えば、イメージセンサ露光時間と同じであってもよい)、および瞬間励起電力を以下のように調整することができる。センサ392によって測定された反射励起光Eに基づいて、AGCは、励起期間T、瞬間励起電力P、およびイメージセンサ利得Gを、E*T*G=K(Kは所望のターゲット輝度に基づく定数である)となるように調整することができる。T、G、およびPを調整する優先順位は、励起光への組織の最大露出を制限しながら、雑音を最小限に抑えるように最適化することができる。
【0154】
ある実施の形態では、
図17Eに示すように、センサ392はそれらの検出コーンがイメージング視野をほぼ覆うように配置される。例えば、本実施の形態では、センサ群391はイメージングポートを囲む矩形パターン状に配置された4つのセンサ392から構成されている。
【0155】
ある実施の形態によれば、AGCは、初期利得g0、初期露出e0、および初期照明パワーp0の設定から開始することによって動作する。ユーザ定義の輝度パラメータは例えば、ターゲットピーク輝度Ptおよびターゲット平均輝度Mtなどのターゲット値を、AGCモードの選択と共に、ピーク値、平均値、またはピーク値と平均値との両方のバランスのとれた組合せに基づくものとして規定することができる。
【0156】
各イメージ取得フレーム中に、ピークセンサ輝度Psは取得期間中のセンサ392の中からのピーク信号に基づいて計算されてもよく、平均センサ輝度Msは期間中のセンサ392からの信号の平均に基づいて計算されてもよい。そして、これらの値に基づいて調整係数Fが算出され、ターゲット露光値etおよびターゲット利得値gtの算出に用いられる。例えば、ピークモードではF=Pt/Ps、平均モードではF=Mt/Ms、およびバランスモードではF=(1/2)(Pt/Ps+Mt/Ms)。ある変形例では、バランスモードは、F=(k1*Ps+k2*Ms)のようなPsおよびMsの加重平均(k1およびk2は定数である)のようなセンサ信号値の加重結合であってもよい。ある変形例では、定数k1およびk2は制約k1+k2=1および0≦k1≦1を満たすことができる。ターゲット露光はet=Fe0として計算され、ターゲット利得はgt=Fg0として計算される。
【0157】
ある実施の形態によれば、AGCは、現在の露光e0とターゲット露光etとの間の値の半分に等しいステップだけ露光持続時間(および対応する励起照明持続時間)を調整する。その結果、新しい露光el=e0+(et-e0)/2。このようにして、露光は最大露光量emaxを超えて増大することはできないし、最小露光量eminを下回って減少することもできない。
【0158】
ある実施の形態によれば、現在の露光e0が最大露光emaxにあり、調整係数Fが1より大きい場合、AGCは、利得を新しい利得gl=g0+(gt-g0)/4に調整する。現在の利得が1より大きく、Fが1より小さい場合、利得は代わりに新しい利得gl=g0-(go-go(emax/e0))/4に調整される。そうでなければ、新しい利得は代わりに、gl=g0として不変のままである。
【0159】
ある実施の形態によれば、励起電力は、最も低い調整優先度として調整されてもよい。
【0160】
各AGCサイクルに続いて、露光、利得、および電力の新しい値が、次のAGCサイクルの現在の値として扱われる。
【0161】
センサ394は、照明ビームの周辺部に入って筐体360の前方付近に位置するオブジェクトから反射された反射照明光を検出するために使用されてもよい。例えば、そのような近くのオブジェクトの検出は、近くのオブジェクトに送達される照明電力の過剰による可能な安全リスクを低減するために、低減された照明電力設定への切り替えをトリガするために使用され得る。センサ394によって検出される反射照明光は、可視光および/またはNIR光などの蛍光励起光を含むことができる。ある実施の形態では、センサ394は、環境可視光および白色光照明がセンサ394からの検出信号に寄与しないように、NIR光には感応するが可視光には感応しない。いくつかの変形例では、センサ394はフォトダイオードや飛行時間センサから構成される。ある変形例では、センサ394は、イメージング視野内にない照明ビームに入るオブジェクトを検出することができるように配置される。
【0162】
いくつかの実施の形態では、ターゲットをイメージングするための方法は、イメージングシステム300の照明ポート3 1 1などのイメージングシステムの照明器でターゲットを照らすステップと、非制限イメージングモードにおいてイメージングシステムのイメージングセンサでターゲットから光を受け取るステップとを含む。いくつかの実施の形態では、ターゲットから受け取られる光はターゲットによって反射される光と、ターゲットによって放たれる光とを含む。いくつかの実施の形態では、反射光は可視光を含み、放出光はターゲットからの蛍光を含む。イメージングモードは、非制限イメージングモードから、所望の1つまたは複数の波長帯域外の波長の光がイメージングセンサに到達するのを阻止される制限イメージングモードに切り替えられる。光は、イメージングデバイスの可動フィルタを使用して遮断される。フィルタを通過した光は、イメージングセンサによって受光される。イメージングモードは、非制限イメージングモードに切り替えて戻され、そこでは、フィルタが光路から外れるように移動され、その結果、それはもはや光路内の光を遮らない。
【0163】
例えば、システム300は、第1ウインドウ334aが光路内の配備された位置にある非制限イメージングモードで動作することができる。第1ウインドウ334aは、全ての光がそれを通過することを可能にする透明なプレートを含んでもよい。この非制限イメージングモードでは、イメージセンサは第1ウインドウ334aに到達する光の全て又は大部分を受け取ることができる。システム300は上述の原理に従って、制限イメージングモードに切り替わることができ、そこでは、第1ウインドウ334aが光路外の収納位置にあり、第2ウインドウ334bが光路内の配備された位置にある。第2ウインドウ334bは、所望の波長帯域または波長帯域のセットにない光を除去するフィルタを含むことができる。例えば、フィルタは全ての可視光を除去するが、赤外光(例えば、NIR光)を通過させることができる。したがって、制限イメージングモードの間、イメージングセンサは、フィルタを通過した光のみのイメージングデータを提供する。
【0164】
システム300は、ユーザから(例えば、制御面362上の1つ以上のボタンの作動を介して)受信されてもよく、または外部制御システムから受信されてもよい要求に応答して、制限イメージングモードに切り替えられてもよい。上記の説明は制限モードおよび非制限モードに言及しているが、同じ原理を使用して、2つの制限モードの間で切り替えを行うことができる(すなわち、いくつかの光は両方のモードでブロックされる)。例えば、システムは、第1波長帯域または波長帯域の集合をブロックするように構成された第1フィルタと、第1フィルタとは異なる、第1フィルタとは異なる波長帯域または波長帯域の集合をブロックするように構成された第2フィルタとを含むことによって、2つの制限イメージングモード間で切り替えることができる。
【0165】
いくつかの実施の形態では、上述の自動利得制御プロセスは、制限イメージングモードへの切り替え時に開始されてもよく、非制限イメージングモードへの切り替え時に停止されてもよい(例えば、AGCはシステム300のコントローラによって自動的に開始および停止することができる)。他の実施の形態では、AGCは制限イメージングモードの間および非制限イメージングモードの間の両方で実行される。
【0166】
図9Aに示されるように、
図7の筐体60はドレープ80と協働して用いられてもよい。ドレープ80は手術中の使用に適した手術ドレープであってもよい。ドレープは、ドレープ材81と、ドレープレンズ82と、ドレープレンズを囲むドレープウインドウフレーム83と、ドレープウインドウフレーム83と一体化されたインターロックインタフェース84と、を含む。ドレープ材81は、筐体60内のデバイスを包み、また必要に応じて他の任意のものをカバーするためのものである。ドレープウインドウフレーム83は筐体ノーズピース66の形状に従っており、この場合、ドレープウインドウフレーム83は、ウインドウ68aから68cを邪魔することなく筐体ノーズピース66に挿入されてもよい。ドレープ80は、ドレープレンズ82がイメージングおよび照明ウインドウフレーム68と例えば0.5mm内で同一平面内となることを保証することによって、反射およびイメージゴーストを最小化するよう設計される。ドレープ80はインターロックインタフェース84を用いてもよい。これは筐体ノーズピース66の内側の面の縁に係合することでそれと同一平面となるよう係止されてもよい。ある変形例では、インターロックインタフェース84は筐体ノーズピース66の内側の面上の凹部に嵌まってもよい。
【0167】
筐体ノーズピース66の内側の面または外側の面上でひとつ以上のインターロックインタフェース84を用いることで、ウインドウフレーム68に対してドレープレンズ82がしっかり密に嵌まることを確かにしてもよい。示される特定の実施の形態では、二つのインタフェース84が用いられており、ひとつはドレープウインドウフレーム83の上部、もうひとつは下部にあり、それぞれ筐体ノーズピース66の内側の面に係合する。
【0168】
いくつかの変形例によれば、ドレープレンズが筐体ノーズピース上に正しく取り付けられたときを示すために、フィードバックがユーザに提供されてもよい。ある変形例では、ドレープウインドウフレームの少なくとも一部の周りの隆起リッジは、筐体ノーズピースの内面上の1つまたは複数の戻り止め機構上に押し込まれたときに、触覚および/または聴覚フィードバックを提供することができる。別の変形例では、ドレープウインドウフレームの少なくとも一部の周りの隆起リッジは、筐体ノーズピースの外面上の1つまたは複数の戻り止め機構上に押し込まれたときに、触覚および/または聴覚フィードバックを提供することができる。別の変形例では、1つまたは複数のインターロックインタフェースは、筐体ノーズピースの内面と係合するように所定の位置に押し込まれたときに、触覚および/または聴覚フィードバックを提供することができる。別の変形例では、1つまたは複数のインターロックインタフェースは、筐体ノーズピースの外面と係合するように所定の位置に押し込まれたときに、触覚および/または聴覚フィードバックを提供することができる。これに加えて、またはこれに代えて、以下に説明するように、ドレープレンズが正しく取り付けられたときを示すために、ドレープ検出モジュールはフィードバックを提供してもよい。
【0169】
ある実施の形態によると、ドレープはその中心軸(例えば、イメージング光軸と揃えられた軸)の周りに180度回転することができるように対称であってもよく、このような回転の前後の両方で筐体ノーズピース上に正しく取り付けることができる。
【0170】
ドレープレンズの材料は例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンテレフタレートグリコール変性などの透明なポリマ材料を含むことができる。ある実施の形態では、ドレープレンズの材料は、ドレープレンズでの反射によって引き起こされるアーチファクトを最小限に抑え、照明およびイメージング伝送を最大限にするために、他の候補材料と比較して、可視帯域およびNIR帯域において比較的低い屈折率および高い光透過率を有することに部分的に基づいて選択されてもよい。例えば、PMMAのようなドレープレンズの材料は、約1.5未満の屈折率と、可視及びNIR帯域において約92%を超える光透過率とを有することができる。ドレープレンズ及び/又はドレープウインドウフレームは、射出成形によって製造することができる。
【0171】
ある変形例では、ドレープレンズは、ウインドウでの反射からのイメージング及び照明アーチファクトを低減するために、反射防止コーティングでコーティングされてもよい。
【0172】
図9B~Gは、
図17C~Dの筐体360を覆うために、ドレープ材料81(
図9A参照)などのドレープ材料(図示せず)と組み合わせて使用されるドレープレンズ380およびドレープウインドウフレーム381を備えるドレープ390の実施の形態を示す。ドレープ390は手術中の使用に適した手術ドレープであってもよい。ドレープは、ドレープ材(不図示)と、ドレープレンズ380と、ドレープレンズを囲むドレープウインドウフレーム381と、ドレープウインドウフレーム381と一体化されたインターロックインタフェース384と、反射フィーチャ388と、を含む。ドレープ材は、筐体360内のデバイスを包み、また必要に応じて他の任意のものをカバーするためのものである。ドレープウインドウフレーム381は、ドレープウインドウフレーム381を筐体360の前方部分に挿入できるように、筐体360の前方部分の形状にしたがってもよい。ドレープ390は、ドレープレンズ380が
図17A-Bのプレート302などの筐体360の前面と例えば0.5mm内で同一平面内となることを保証することによって、反射およびイメージゴーストを最小化するよう設計される。ドレープ390はインターロックインタフェース384を用いてもよい。これは筐体360の前部の内面の縁383に係合することでそれと同一平面となるよう係止されてもよい。
【0173】
ある実施の形態では、筐体ノーズピース上へのドレープレンズの取り付けを検出するために、ドレープ検出モジュールを設けることができる。例えば、ドレープ検出モジュールは、筐体へのドレープレンズの取り付けを検出するために、1つ以上の超音波センサ、誘導センサ、容量センサ、光センサ、発光器、無線周波数識別チップおよびアンテナ、ホール効果センサ、近接センサ、または電気接点の任意の組み合わせを使用してもよい。ある実施の形態では、LEDなどのドレープ検出光源386(
図17E参照)を使用することで、フォトダイオードなどの対応するセンサ387によって検出される光を、設置されたドレープレンズから反射された場合にのみ、送信することができる。例えば、ある実施の形態によれば、光源386は約905nmを中心とする狭い放射波長帯域を有することができ、センサ387は、約905nmの波長を含む狭い波長検出帯域を有することができる。ある実施の形態では、光源386およびセンサ387はプレート302の背後の筐体360の前方部分の近くに配置される。ある実施の形態では、
図9Cに示すように、反射フィーチャ388は、光源386およびセンサ387と整列した位置でドレープレンズ380上に配置され、その結果、光源386からの光は反射フィーチャ388の1つまたは複数のインタフェースからセンサ387上に反射される。例えば、
図19に示すようなドレープ検出モジュール385のある実施の形態によれば、反射フィーチャ388はドレープレンズ380の表面から突出する三角プリズムを含むことができ、この三角プリズムは、光源386からの検出光389をセンサ387上に反射することができる。例えば、反射フィーチャ388は、全反射を使用して検出光389を反射することができる。ある変形例では、センサ387からの出力は、ドレープ検出信号を増幅するためにトランスインピーダンス増幅器に供給されてもよい。ある変形例では、光源386およびセンサ387は筐体ノーズピース上に配置されてもよい。ある変形例では、センサ387で検出された反射光信号の強度をフィードバックとして使用することによって、ドレープレンズ380の取り付け位置を評価しかつ調整して、ドレープレンズの不整合によって引き起こされるアーチファクトを最小限に抑えることができる。ある変形例では、ドレープ検出モジュール385によって示されるようなドレープレンズ380の設置の検出は、照明および/またはイメージングパラメータの自動調整、またはプロセッサアセンブリによって実行される画像処理の自動変更をトリガすることができる。例えば、イメージングおよび照明システムは、ドレープレンズ380の設置によって引き起こされる照明および/またはイメージングに対する歪み、減衰、または他の影響を補正するように較正および/または構成されてもよい。
【0174】
ある実施の形態によれば、筐体上にドレープを取り付けるためのプロセスは、ドレープを開梱することと、(インターロックインタフェースが筐体ノーズピース内の対応するリッジと係合したことを示す)ユーザによって可聴および/または触覚クリックが感知されるまで、ドレープレンズを所定の位置に押すことによって、ドレープレンズを筐体ノーズピース上に取り付けることと、ドレープバッグをカメラの上に巻き戻すことと、必要に応じて、筐体の前部および後部で、筐体ケーブルに沿ってドレープバッグを固定することとを含む。筐体からドレープを取り外すために、ドレープインターロックインタフェース上のクリップは、リッジから係合解除するために内側に押圧され、次いで筐体から引き離されてもよい。上記のプロセスによれば、ドレープレンズの取り付けおよび除去の両方は、ドレープレンズと接触する片手で実行されてもよい。
【0175】
図10Aから10Cは、照明リング(
図10A)、一対の固定アナモルフィック投影照明源(
図10B)、実施の形態に係る一対の操舵アナモルフィック投影照明源(
図10C)、および操舵照明リング(
図10D)についての、矩形イメージング視野(輪郭)に対する典型的な照明分布(塗り)を示しており、それぞれ10cm(左列)、15cm(中央列)、および20cm(右列)の作業距離のものが示される。
図10Aは、陰影を最小化するための照明ポートのリングの使用を示すが、照明とイメージング視野とのマッチングを行っておらず、全ての作業距離において一様な照明は提供されていない(例えば、距離にしたがい分布が変わる)
図10Dは、ある実施の形態による、シャドウイングの最小化を容易にし、動作距離を変更するときに均一な照明を提供するために、3つ以上の照明ポートの操舵リングの使用を示すが、これは照明をイメージング視野に制約しない。
図10Bは、固定された二つの照明源(例えば、円柱レンズや加工されたディフューザを特徴とする照明レンズ構成を用いる)からのアナモルフィック投影を示しており、したがって、それらは固定の作業距離、例えば15cm、におけるイメージング視野とマッチする一様な照明のために良く較正されているが、他の距離においてはそれが大きいか小さいかに関わらず、同等な一様性はなく、マッチングも不良である。上述の通り、そのような照明は多くの場合、それ自体で許容可能である。
図10Cは、実施の形態に係る、作業距離(およびイメージング焦点)を変えるときに、照明を操舵することによって、一様な照明を良好に維持し、かつ、照明を視野へ良好に制限する能力を示す。
【0176】
上述の通り、用いられる照明は、白色光と、ターゲットからのNIR光を励起するための例えばレーザからの蛍光励起照明と、の両方を含んでもよい。しかしながら、環境光がターゲットからの光と干渉する可能性がある。
【0177】
図11Aは、白色光(RGB)および蛍光励起(レーザ)照明のタイミング図、並びに単一のセンサで蛍光信号からの環境部屋光の減算を可能とするよう構成される可視(VIS)およびNIR蛍光(FL)イメージングセンサ露光を示す。本明細書で用いられる場合、白色パルスは白色光(RGB)がターゲットを照らすことを示し、励起パルスはレーザがターゲットを照らすことを示す。
【0178】
偶数(Exp1)および奇数(Exp2)センサピクセル行の露光が、異なる露光時間でインターリーブされているように示されており、これにより、環境部屋光信号成分の評価の分離が促進される。そのようなインターリーブ化露光読み出しモードは、CMOSIS CMV2000センサで提供される「High Dynamic Range Interleaved Read-out」モードなどのように、あるイメージングセンサで提供される。
【0179】
80Hzで白色光照明をパルス出力すると、点滅光の周波数が、人の目で知覚可能な周波数またはてんかん発作をトリガしうる周波数を超える。可視光イメージ露光は、RGB照明よりも例えば2倍長くてもよい。これにより、60Hzの露光フレームレートと80HzのRGB照明パルスとの間の重複が確保される。可視露光中に取得された余分な環境光は無視されてもよい。RGB照明パルスおよびターゲット12からの信号の強度の方がはるかに強いからである。
【0180】
NIR蛍光イメージ露光時間Exp1およびExp2をそれぞれ1/2フレーム周期分、1/4フレーム周期分、取得するようセットしつつ、2フレームおきに最後の1/4フレームのみにおいて励起レーザを駆動することによって、偶数行(Exp1)はNIR蛍光の1/4フレームに加えて環境部屋光の1/2フレームを記録し、一方、奇数行(Exp2)はNIR蛍光の1/4フレームおよび環境部屋光の1/4フレームを記録する。各可視またはNIR蛍光フレーム内でこれらの断片露光を行うことで、そうでなければ環境部屋光減算のためにフレームシーケンスに挿入される追加的な露光フレームによって生じうる動きの乱れを最小化できる。
【0181】
そのような取得デザインでは、環境部屋光のイメージ信号への寄与の評価は、Exp1センサ行(Exp2画素位置に合うよう内挿される)からNIR蛍光イメージのExp2センサ行を減じることによって分離可能であり、これにより環境部屋光信号の1/4フレームの評価が生じる。環境部屋光信号の1/4フレームの評価は次いでNIR蛍光イメージのExp2センサ行から減じられ、その結果環境部屋光の1/4フレームが除去されたNIR蛍光信号の評価が生じる。照明および露光の制御はVPIボックス14によって行われてもよい。
【0182】
ある実施の形態では、上述の部屋光減算方法は、ベイヤーパターンカラーセンサの使用を許容するために変えられてもよい。
図12Aは、カラーセンサ画素のベイヤーパターン配列を示す。そこでは、偶数センサ行および奇数センサ行は異なるフィルタ配列を有し(例えば、偶数センサ行には赤画素がなく、奇数センサ行には青画素がない)、そのため偶数行で記録された環境光は、同じ期間中に奇数行に至った環境光のよい評価とはならないであろう。しかしながら、個々全ての行は緑画素信号を含み、それはまたNIR蛍光にも感度を有する。緑画素のみを用いることで、および、緑画素信号から他の画素位置への二次元内挿を行うことで、環境光信号成分の評価を得ることができ、したがって、NIR光イメージおよび可視光イメージのそれぞれについて、NIR蛍光成分の評価および可視光成分の評価を得ることができる。
【0183】
所与の位置でのNIR信号値を計算するために、その位置の近くのExp1(偶数行)およびExp2(奇数行)の緑画素値を計算し、それらの値のうちの一方または両方は内挿される必要がある。
図12Bは例を示しており、そこでは、赤画素位置において、Exp1(偶数行)の緑値の最良の評価は直上および直下の緑値の平均であり、一方、Exp2(奇数行)の緑値の最良の評価はすぐ左およびすぐ右の緑値の平均である。
【0184】
以下の数学的例は、環境部屋光減算方法の実施の形態を説明するのに役に立つ。A=1/4フレーム周期中における入射環境光、およびF=1/4フレーム周期中における入射蛍光、とするとき、
Exp1=2A+F
Exp2=A+F
Fについて解くと、
F=2*Exp2-Expl
【0185】
図11Aに示される特定の例では、検出周期は3フレームであり、白色光パルスおよび励起パルスは同じ継続期間または幅を有するが、異なる周波数を有し、可視光は2フレーム、例えば最初の二つのフレーム、の間に検出され、蛍光は二つの異なる露光時間でひとつのフレーム、例えば三番目または最後フレーム、の間に検出される。図に示されるように、可視露光時間は白色光パルスの継続時間の二倍であってもよく、第1蛍光露光時間は励起パルスの継続時間と等しくてもよく、第2蛍光露光時間は励起パルスよりも例えば2倍長いパルスであってもよい。さらに、可視露光は白色光パルスとは異なる周波数を有してもよい。例えば、可視露光は個々全ての白色光パルスに伴って生じなくてもよく、一方、蛍光露光は励起パルスと同じ周波数を有してもよい。
【0186】
以下に、代替的なタイミングおよび露光ダイアグラムを説明する。そこでは、共通露光継続時間の間全てアクティブである行を有するセンサが用いられてもよいが、依然として、単一のセンサを用いて環境光が補償される。例えば、ターゲットが照らされていないときに、センサによって背景光が直接検出されてもよい。パルス、暴露および検出についての他の変形例は当業者には明らかであろう。
【0187】
図11Bは、白色光(RGB)および蛍光励起(レーザ)照明の代替的なタイミング図、並びに単一のセンサで蛍光信号からの環境部屋光の減算を可能とするよう構成される可視(VIS)およびNIR蛍光(FL)イメージングセンサ露光を示す。可視光の露光および蛍光の露光が、環境光に起因する背景(BG)イメージ信号を取得するための露光と共に、シーケンスで示されている。上述の通り、白色光照明は80Hzでパルス出力されてもよい。蛍光励起照明は20Hzでパルス出力されてもよく、パルス継続時間または幅は、白色光パルス継続時間の例えば二倍まで増やされてもよく、これにより対応する蛍光露光をより長くすることができる。グローバルシャッターを伴うイメージングセンサを用いる場合、各センサ露光は、イメージングフレームの終端において、読み出し周期で終わらなければならない。環境光背景イメージ信号を取得するための露光は、パルス化白色光も励起光もないときに、フレームの終わりの部分で行われてもよい。
図11Bの例に示されるように、ビデオを60Hzのフレームレートで取得する場合、白色光照明パルス幅として1/4フレーム継続時間を用いてもよく、このとき、白色光照明パルスの終わりがフレームの終わりと揃うフレームにおいて1/4フレーム継続時間の可視光露光が生じる。
【0188】
ひとつ以上の背景露光中に記録されたスケール済みイメージ信号を、各蛍光露光イメージから減じることで、蛍光イメージから環境光の寄与を除去してもよい。例えば、1/4フレーム継続時間の背景露光からのイメージ信号を二倍にスケールアップして、1/2フレーム継続時間の蛍光露光からの後続イメージ信号から減じてもよい。他の例として、1/2フレーム継続時間の蛍光露光のイメージ信号の前の1/4フレーム継続時間の背景露光のイメージ信号と、蛍光露光に続く第2の1/4フレーム背景イメージ信号と、の両方を蛍光イメージ信号から減じてもよい。第1背景露光および第2背景露光からのイメージ信号のスケーリングは、第1露光時点および第2露光時点からの画素値の内挿により、中間時点に対応する画素値を予測することを含んでもよい。
【0189】
より高いビデオフレーム取得レートを可能にする高速読み出しを伴うイメージングセンサを用いることで、所与の白色光パルス周波数についての照明および露光タイミングスキーム内で、追加的な露光期間を割り当てることが可能となる。例えば、上述のような80Hzの白色光照明パルスを維持しつつ、120Hzなどのより高いビデオフレーム取得レートを伴うセンサを用いることで、60Hzなどのより遅いビデオフレーム取得レートを用いる場合と比べて、所与の期間内で、白色光露光、環境背景露光、または蛍光露光を追加することができる。
【0190】
図11Bに示される特定の例では、検出周期は3フレームであり、励起パルスは白色光パルスの幅の二倍の幅を有し、可視光はひとつのフレーム、例えば最初のフレーム、の間に検出され、背景光はひとつのフレーム、例えば二番目のフレーム、の間に検出され、蛍光はひとつのフレーム、例えば三番目または最後フレーム、の間に検出される。ここで、可視露光時間は白色光パルスの継続時間と等しくてもよく、背景露光時間は白色光パルスの継続時間と等しくてもよく、蛍光露光時間は励起パルスの継続時間と等しくてもよい。さらに、可視露光は白色光パルスとは異なる周波数を有してもよい。例えば、可視露光は個々全ての白色光パルスに伴って生じなくてもよく、一方、蛍光露光は励起パルスと同じ周波数を有してもよい。最後に、蛍光露光は期間内にただ一度のみ生じてもよい。
【0191】
図11Cは、白色光(RGB)および蛍光励起(レーザ)照明の代替的なタイミング図、並びに120Hzのビデオフレーム取得レートを伴う単一のセンサで蛍光信号からの環境部屋光の減算を可能とするよう構成される可視(VIS)およびNIR蛍光(FL)イメージングセンサ露光を示す。80Hzの白色光パルス周波数が用いられ、白色光照明パルス幅として1/2フレーム継続時間を用いてもよく、このとき、白色光照明パルスの終わりがフレームの終わりと揃うフレームにおいて1/2フレーム継続時間の可視光露光が生じる。蛍光励起照明は40Hzでパルス出力され、パルス継続期間は1フレームであるように示されており、これにより、対応する蛍光露光の周波数を高めることができる。環境光背景イメージ信号を取得するための露光は、パルス化白色光も励起光もないときに、フレームの終わりの部分で行われてもよい。例えば、この例示的な実施の形態に示されるように、蛍光露光とその次の白色光露光との間のフレームにおいて1/2フレーム継続期間の露光が生じてもよい。
【0192】
図11Cに示される特定の例では、検出周期は3フレームであり、励起パルスは白色光パルスの幅の二倍の幅を有し、可視光はひとつのフレーム、例えば二番目のフレーム、の間に検出され、背景光はひとつのフレーム、例えば最初のフレーム、の間に検出され、蛍光はひとつのフレーム、例えば三番目または最後フレーム、の間に検出される。ここで、可視露光時間は白色光パルスの継続時間と等しくてもよく、背景露光時間は白色光パルスの継続時間と等しくてもよく、蛍光露光時間は励起パルスの継続時間と等しくてもよい。さらに、可視露光は白色光パルスとは異なる周波数を有してもよい。例えば、可視露光は個々全ての白色光パルスに伴って生じなくてもよく、一方、蛍光露光は励起パルスと同じ周波数を有してもよい。最後に、蛍光露光は期間内にただ一度のみ生じてもよい。
【0193】
用いられる蛍光励起光の強度に依存して、励起光パルスの継続時間や周波数を制限する安全への配慮が存在しうる。適用される励起光強度を低減するためのひとつのアプローチは、励起光パルスの継続時間および対応する蛍光露光を低減することである。追加的にまたは代替的に、励起光パルス(および対応する蛍光露光)の周波数を低減してもよく、そうでなければ蛍光露光のために用いられるはずの読み出し期間を代わりに背景露光のために用いることで、環境光の測定を改善してもよい。
【0194】
図11Dは、白色光(RGB)および蛍光励起(レーザ)照明の代替的なタイミング図、並びに120Hzのビデオフレーム取得レートを伴う単一のセンサで蛍光信号からの環境部屋光の減算を可能とするよう構成される可視(VIS)およびNIR蛍光(FL)イメージングセンサ露光を示す。80Hzの白色光パルス周波数が用いられ、白色光照明パルス幅として1/2フレーム継続時間を用いてもよく、このとき、白色光照明パルスの終わりがフレームの終わりと揃うフレームにおいて1/2フレーム継続時間の可視光露光が生じる。蛍光励起照明は20Hzでパルス出力され、パルス継続期間は1フレームであるように示される。環境光背景イメージ信号を取得するための露光は、パルス化白色光も励起光もないときに、フレームの終わりの部分で行われてもよい。例えば、この例示的な実施の形態に示されるように、蛍光露光とその次の第1白色光露光との間のフレームにおいて1/2フレーム継続期間の背景露光が生じてもよく、また、第1白色光露光とその次の第2白色光露光との間のフレームにおいて1フレーム継続期間の第1背景露光および1/2フレーム継続期間の第2背景露光の両方が生じてもよい。
【0195】
図11Dに示される特定の例では、検出周期は6フレームであり、励起パルスは白色光パルスの幅の二倍の幅を有し、可視光は2フレーム、例えば二番目および五番目のフレーム、の間に検出され、背景光は3フレーム、例えば最初、三番目および四番目のフレーム、の間に検出され、蛍光はひとつのフレーム、例えば六番目または最後フレーム、の間に検出される。ここで、可視露光時間は白色光パルスの継続時間と等しくてもよく、背景露光時間は白色光パルスの継続時間と等しいかその二倍であってもよく、蛍光露光時間は励起パルスの継続時間と等しくてもよい。さらに、可視露光は白色光パルスとは異なる周波数を有してもよい。例えば、可視露光は個々全ての白色光パルスに伴って生じなくてもよく(例えば、期間内に二回だけ)、一方、蛍光露光は励起パルスと同じ周波数を有してもよい。最後に、背景露光は期間内に三回生じ、その総継続時間は白色光パルスの継続時間の四倍であってもよい。
【0196】
本明細書で説明される様々な実施の形態によるデバイスなどのオープンフィールドイメージングデバイスのいくつかの使用環境では、環境室内照明が連続的ではなく、パルス状または周期的な光を含むことができる。そのようなパルス状光コンポーネントは例えば、いくつかの室内光源とそれらの電源のAC周波数との間の相互作用によるものであり得る。例えば、白熱灯、幾つかのLED灯、低周波安定器を有する蛍光灯を含む幾つかの蛍光灯、又はアークランプは、共通の50Hz又は60HzのAC主電源又は他のAC電源に接続されたときにパルス状光を発することができる。背景光信号内のパルス状光コンポーネントの存在は、背景光内のパルス状光コンポーネントから異なる累積光強度寄与を受け取る連続露光に起因して、連続するイメージの取得中に気を散らすイメージ強度アーチファクトを導入する可能性があり、したがって、そのようなアーチファクトを低減または除去するために取得イメージを補正することが有用である可能性がある。このような補正は、室内光減算技法を使用しても使用しなくても有用であり、1つまたは複数の例示的な以下の技法を含むことができる:パルス状光コンポーネントの電源のAC周波数を検出すること、イメージ取得フレームレートを変更すること、蛍光および/または背景光露光の露光持続時間を変更すること、デバイス照明がオフにされている期間中にパルス状光強度を測定すること、パルス状光強度の完了周期的サイクルを合成すること、蛍光および/または背景光露光と一致するパルス状光強度の周期的サイクルの部分を識別すること、蛍光露光中の累積環境光強度に対応する蛍光累積環境光値FLaccを計算すること、背景露光中の累積環境光強度に対応する背景累積環境光値BGaccを計算すること、それぞれの累積光値FLaccおよびBGaccの比率に基づいて蛍光イメージまたは背景イメージのイメージ強度をスケーリングすること、ならびに蛍光イメージから背景イメージを減算して結果のイメージを出力すること。
【0197】
いくつかの実施の形態では、環境室内照明のパルス状光コンポーネントのための電源のAC周波数FACは、例えば、使用環境においてデバイス較正中にユーザが既知の周波数値を設定することに起因して、デバイスメモリから取り出されてもよいく、またはイメージングデバイスによる測定に基づいて検出されてもよい。例えば、1つまたは複数のセンサ395(
図17E参照)を使用することによって、デバイス白色光照明がオフにされ、蛍光励起照明がオフにされる1つまたは複数の期間中に環境光強度を測定することができる。ある実施の形態では、1つまたは複数のセンサ395は、フォトダイオードとすることができ、可視光およびNIR光に対する応答性など、蛍光イメージに使用されるセンサと同様の応答性を有することができ、入力コーンはイメージングデバイスの視野を近似する。別の例として、NIR光のみに応答するイメージセンサ、または可視光または他の非NIR光がセンサに到達するのを阻止するイメージセンサの前方に設けられた別個のフィルタを有するイメージセンサが蛍光イメージングに使用される1つの変形例では、1つまたは複数のセンサ395はNIR光のみに応答するフォトダイオードであってもよい。
【0198】
センサ395による測定期間は、最大で連続する蛍光露光の間の時間程度にわたって捕捉される連続する測定期間との組み合わせとして、完全な完了周期的サイクルを構成するパルス状環境光強度の部分を捕捉するのに十分な、かつ、サポートされ得る周波数FACの下限を制約し得るパルス状環境光の周期的サイクルを合成するのを助けるために、連続する測定期間についてサイクルカバレージの少なくとも部分的な重複が存在するのに純分な、持続時間および数であるべきである。しかしながら、30Hz未満であるFACの周波数値は、一般的な使用において顕著で気を散らす可視光フリッカを誘発する可能性があるため、室内照明での使用には実用的でない可能性がある。室内光源は典型的にはACサイクルの正および負の電圧半分の各々に対して同等の応答を有するので、パルス状光強度の周波数は典型的にはFACの対応する値の2倍である。
【0199】
図11Eは、白色光(RGB)および蛍光励起(レーザ)照明、センサ395による環境光測定の周期、および蛍光信号からの環境部屋光の減算および単一のセンサでのパルス状環境光強度の補正を可能とするよう構成される可視(VIS)および蛍光(FL)イメージングセンサ露光の例示的なタイミング図を示す。この実施の形態では、蛍光励起照明および対応する蛍光露光の周波数は20Hzであり、白色光照明の周波数は80Hzであり、環境光測定期間は白色光照明および蛍光励起照明の両方がオフにされるすべての期間である。示されるタイミングスキームは、複数の測定期間についてのサイクルカバレージの少なくとも部分的な重なりを伴う、完全な周期的サイクルを構成するパルス状環境光強度の部分を、複数の測定期間の組み合わせで捕捉することによって、連続する蛍光露光間の時間内の測定に基づいて、30Hz以上のFACについてのすべての実用的な周波数値に対応するパルス状環境光強度信号が検出されることを可能にし得る。60HzのFACに対応する、120Hzの周波数を有する単純化されたパルス状環境光強度プロファイルが参照のためにここに示されるが、ここに記載されるようなパルス状環境光補正技術は任意のパルス状または周期的な環境光強度プロファイルのために使用されてもよい。ここに見られるように、サンプルのパルス状環境光強度プロファイルは蛍光露光およびバックグラウンド露光の累積環境光強度の異なる寄与をもたらし、これらの差は、これらの露光がパルス状環境光強度プロファイルの異なる部分を捕捉するため、単に露光持続時間の差によって説明されるものではない。蛍光露光周波数の倍数ではない周波数を有するような他のパルス状環境光強度プロファイルもまた、一般に、1つの蛍光露光から次の蛍光露光への累積環境光強度の異なる寄与をもたらし得る。
【0200】
いくつかの実施の形態では、センサ395のための各測定期間内の最小サンプリングレートは、FACの2倍の周期的周波数を伴う完全なパルス状環境光強度サイクルの正確な合成を可能にするために、予想される最大周波数FACおよび測定期間デューティサイクルの商の少なくとも4倍に設定されてもよい。いくつかの変形例では、より高いセンササンプリングレートを使用することによって、部分的重複領域においてより多くの測定点を提供し、および/またはより高い可能なFAC値をサポートしてもよい。例えば、
図11Eに示されるように、測定周期デューティサイクル50%で少なくとも480Hzのセンササンプリングレートを環境光強度測定期間内に使用することによって、最大60HzのFACおよび最大120Hzの対応するパルス環境光強度周波数に対する周波数値をサポートすることができる。サイクルカバレッジの部分的な重複は、周波数FAC(またはパルス状環境光強度の対応する周波数)を検出するための、複数の測定周期から得られた測定値の比較を可能にし、これは例えば、最良の時間位置合わせに対応する周波数FAC(またはパルス状環境光強度の対応する周波数)を算出することによってなされ、これは例えば、複数の測定周期で捕捉された周期的サイクルの部分の、候補時間位置合わせにおける対応する測定点間の平均誤差の尺度を最小化することによる。最良の時間的位置合わせに従って複数の測定期間によって捕捉された周期的サイクルの部分を配置することにより、持続時間1/(2FAC)の完全な周期的サイクルの合成を得ることができる。いくつかの変形例では、完全な周期的サイクルは、完全な周期的サイクルよりも持続時間が長い単一の測定期間から直接抽出されてもよい。完全な周期的サイクルの合成または抽出は、センサ395による測定が行われた期間を超えてパルス状環境光信号を延長/外挿することを可能にする。
【0201】
いくつかの実施の形態では、イメージングデバイスのイメージ取得フレームレートは、環境室内照明のパルス状光コンポーネントについての電源の既知のまたは検出されたAC周波数、またはその倍数に一致するように設定されてもよく、それにより、所与の持続時間の各蛍光露光においてパルス状光コンポーネントからの同等の寄与が存在する。このようなイメージ取得フレームレートの設定に対応するために、パルス白色光源の周波数、パルス蛍光励起光源の周波数、およびイメージ露光の周波数の対応するスケーリングを実行することができる。また、バックグラウンド光露光を行うことを含む室内光減算技法を使用する実施の形態では、バックグラウンド光露光の露光持続時間と蛍光露光の露光持続時間とは等しくなるように設定されてもよく、その結果、パルス状光コンポーネントからの同等の寄与が両方の露光に存在するようになる。
【0202】
バックグラウンド光露光を行うことを含む室内光減算技法を使用するいくつかの実施の形態では、スケーリングされたイメージ強度がパルス状室内光からの同等の寄与に対応するように、背景露光イメージ強度および/または蛍光露光イメージ強度を、パルス状室内光強度の測定値に基づいてスケーリングすることができる。本明細書に記載されるように、パルス状光強度を測定し、パルス状光強度の完全な周期的サイクルを合成した後、蛍光露光およびバックグラウンド光露光と一致するパルス状光強度の周期的サイクルの部分の同定は、それぞれの対応する露光が亘る時間と一致する部分を見つけるように必要に応じて周期的サイクルを繰り返す/外挿することによって実行されてもよい。次に、蛍光露光中の累積環境光強度に対応する蛍光累積環境光値FLaccの計算は、その露光のパルス状光強度の周期的サイクルの部分によってマークされた曲線の下の面積を計算することによって実行されてもよく、背景露光中の累積環境光強度に対応する背景累積環境光値BGaccの計算は、その露光と一致する周期的パルス状光強度の部分の曲線の下の面積を計算することによって実行され得る。次に、累積環境光の等価な寄与を反映するようにスケーリングされたイメージを正規化するために、それぞれの累積光値FLaccおよびBGaccの比率に基づいて、蛍光イメージまたは背景イメージのイメージ強度のスケーリングを実行することができる。スケーリングに続いて、スケーリングされた蛍光イメージからスケーリングされた背景イメージを減算することによって、環境光信号を除去し、パルス状環境光の寄与に対する補正を含む補正された蛍光イメージを生成することができる。ある実施の形態では、蛍光イメージまたは背景イメージの一方または他方が1倍にスケーリングされる。
【0203】
室内光減算が採用されない実施の形態では、蛍光露光イメージ強度は、パルス状室内光から生じるイメージ強度アーチファクトを低減することを容易にするために、パルス状室内光強度の測定値に基づいてスケーリングされてもよい。例えば、スケーリングは、連続する蛍光イメージについて測定された強度の比に基づいて実行されてもよい。
【0204】
本明細書で説明される環境部屋光補償方法のパフォーマンスを改善するために、可視光およびNIR光の全ての透過を許すより小さな中央開口と可視光を遮るがNIR光の透過を許すより大きな環囲開口とを含む波長依存開口(例えば、
図6Aの要素55)を用いてもよい。そのような波長依存開口を用いることで、可視光信号に対してより大きな割合でNIR信号を収集することができ、これにより、環境部屋光成分の評価および除去のためのイメージ信号減算のパフォーマンスを改善することができる。波長依存開口はまた、可視光およびNIR光の両方を遮るより大きな第3開口であって、他のより小さな開口を囲む第3開口を特徴としてもよい。例として、波長依存開口はフィルム開口を備えてもよい。可視光の透過をブロックするがNIR光の透過を許す物質のフィルム(例えば、プラスチックまたはガラスフィルム)は、可視光およびNIR光の両方の透過を許す中央開口(例えば、孔)を有する。そのようなフィルム開口は、反射を通じて可視光の透過をブロックする物質、および/または吸収を通じて可視光の透過をブロックする物質を含んでもよい。他の例として、波長依存開口は、単一の基板上へのマスクされた薄膜形成により形成されたダイクロイック開口を備えてもよい。可視光およびNIR光の透過を許す薄膜はより小さい中央開口に形成され、可視光の透過をブロックするがNIR光の透過を許す第2薄膜はより大きな環囲開口に形成される。波長依存開口のより小さな中央開口およびより大きな環囲開口のそれぞれの開口サイズは、イメージングシステムによる撮像の際に可視光の被写界深度およびNIR光の被写界深度が実質的に同様になるように、設定されてもよい。ひとつ以上の波長依存フィルタは、デバイス全体に亘って異なる位置に置かれてもよい。そこでは、可視信号の拒絶とNIR信号の通過とが最適化されてもよい。例えば、そのような波長依存フィルタをレンズ51の直前においてもよい。他の例として、ひとつ以上の波長依存フィルタをイメージングレンズの瞳面においてもよい。
【0205】
撮像されている視野内の領域の周りにターゲットレクチルを表示し、正規化蛍光強度をその領域内に計算して表示すると、例えば異なる領域の蛍光信号をより容易に比較するために、便利であろう。測定された蛍光強度値の正規化は、複数のイメージおよび対応する値の意味のある比較を可能とする。測定された蛍光強度の作業距離(例えば、撮像されている解剖学的構造とイメージングシステムとの距離)による変動を補正するために、正規化された蛍光強度値は、測定された蛍光強度値とターゲットレクチル領域内の反射光値との間の比に基づいてもよい。
【0206】
ターゲットレクチル領域内の正規化蛍光強度値の数値表現はイメージフレームに、またはイメージフレームの近くに、表示されてもよい。これにより、ターゲットレクチルを撮像されている解剖学的構造上の異なる位置に向けたときの値の比較がより容易となる。例えば、数値表現は、ターゲットレクチル領域内の全てのイメージ画素に亘る、正規化蛍光強度値の平均値であってもよい。
【0207】
追加的にまたは代替的に、ターゲットレクチル領域内の正規化蛍光強度値の数値表現の時間履歴プロットはイメージフレームに、またはイメージフレームの近くに、表示されてもよい。これにより、ターゲットレクチルを撮像されている解剖学的構造上の異なる位置に、または、一連の時点に亘る同じ位置に、向けたときの値の比較がより容易となる。そのような時間履歴プロットは、ユーザが、解剖学的関心領域に亘って走査し、相対正規化蛍光強度プロファイルプロットを見ることによって、撮像された組織表面における蛍光プロファイルを評価するのをさらに助けることができる。
【0208】
図13Aは、ディスプレイ方法の実施の形態から出力されるサンプルディスプレイの図を示す。ターゲットレクチル125は撮像されている解剖学的構造120の蛍光強度が無い領域122の上に位置し、蛍光強度の数値表現126はターゲットレクチル125の近くに表示される。
図13Bは、他のサンプルディスプレイ出力の図を示す。ターゲットレクチル125は高い相対正規化蛍光強度の領域124の上に位置し、対応する比較的高い蛍光強度の数値表現126を示している。
図13Cは、他のサンプルディスプレイ出力の図を示す。ターゲットレクチル125は中程度の相対正規化蛍光強度の領域124の上に位置し、対応する比較的中程度の蛍光強度の数値表現126を示している。
図13Dは、サンプルディスプレイ出力の図を示す。ターゲットレクチル125は中程度の相対正規化蛍光強度の領域124の上に位置し、正規化蛍光強度の数値表現の時間履歴プロット128を示している。このプロット128は、ゼロ相対正規化蛍光強度の領域、高い相対正規化蛍光強度の領域および中程度の相対正規化蛍光強度の領域を順にイメージングしたことと整合している。ターゲット上に数値表現および/または履歴プロットを表示することに対して代替的にまたは追加的に、例えばデバイス自身または他のディスプレイ上のターゲットレクチルに関連付けられたディスプレイ領域がこの情報を表示してもよい。
【0209】
図14は、正規化蛍光強度を表示するディスプレイ方法出力の実施の形態を特徴付ける、解剖学的蛍光イメージングファントムの記録イメージを示す。特に、ターゲット110は実施の形態にしたがい励起光により照らされ、ターゲットレクチル115は蛍光強度の領域112の上に位置する。ターゲットレクチル115の数値表現は、ターゲットレクチル115に関連付けられた領域116に表示される。レクチル115の異なる位置のイメージングに起因する正規化蛍光強度の数値表現の時間履歴プロット118が表示されてもよい。
【0210】
測定された蛍光強度値の正規化は、追加的に又は代替的に、取得された蛍光イメージ全体又は一連のイメージについてピクセルベースで実行されてもよく、これは、作業距離を変化させる場合であっても、一貫した及び/又は滑らかに変化するイメージ輝度を提供することを容易にすることができる。測定された蛍光強度の作業距離(例えば、撮像されている解剖学的構造とイメージングシステムとの距離)による変動を補正するために、取得された蛍光イメージ内のピクセルごとの正規化された蛍光強度値は、そのピクセルの測定された蛍光強度値と、取得された反射光イメージ内の同じピクセルの反射光値または反射光値の成分との間の比に基づいてもよい。ある実施の形態では、そのような正規化に使用される反射光イメージは可視白色光照明の反射から形成される白色光イメージである。例えば、反射光イメージを取得するためにカラーイメージセンサが使用される実施の形態では、全体的な輝度値、またはカラーイメージセンサから各ピクセルについて検出された1つ以上のカラーチャネル強度の組み合わせが使用されてもよい。
【0211】
そのようなディスプレイ方法および/または本明細書で説明されたもののいずれかのような測定された強度値の正規化手法は、種々の蛍光イメージングシステムにおいて役に立つものであろう。そのような種々の蛍光イメージングシステムは、内視鏡または腹腔鏡蛍光イメージングシステムや、オープンフィールド蛍光イメージングシステムやそれらの組み合わせを含む。蛍光強度値のそのような正規化および表示は、イメージングセッション内の種々の時点からのイメージデータ間での相対蛍光強度の定量的比較の役に立ちうる。適切に標準化された蛍光剤投与およびイメージングプロトコル並びにイメージングデバイスの標準化された較正と組み合わせることで、蛍光強度値のそのような正規化および表示は、さらに、異なるイメージングセッションからのイメージデータ間での相対蛍光強度の定量的比較の役に立ちうる。
例
イメージデータの取得のための蛍光医療イメージングシステム
【0212】
ある実施の形態では、対象の照明およびイメージングのためのシステム(ある実施の形態では、デバイスとも呼ばれる)は、例えば蛍光医療イメージングデータを取得するための蛍光医療イメージングシステムなどの医療イメージングシステムと共に用いられるか、またはそれのコンポーネントとして用いられてもよい。そのような蛍光医療イメージングシステムの例は、
図1に模式的に示される蛍光イメージングシステム10である。この実施の形態では、蛍光イメージングシステム10は、蛍光イメージング剤が組織を通過するのを取得する蛍光信号強度データ(例えば、イメージ、ビデオ)の時系列を取得するよう構成される。
【0213】
蛍光イメージングシステム10(
図1)は、対象の組織を照らすことで対象の組織における(例えば、血中の)蛍光イメージング剤17からの蛍光放射を誘導する照明源15および照明モジュール11と、蛍光放射からの蛍光イメージの時系列を取得するよう構成されたイメージングモジュール13と、本明細書に記載された種々の実施の形態にしたがい蛍光イメージ(蛍光信号強度データ)の取得された時系列を用いるよう構成されたプロセッサアセンブリ16と、を備える。
【0214】
種々の実施の形態では、照明源15(
図1)は例えば光源200(
図15)を備え、該光源200は、蛍光イメージング剤17を励起するのに適切な強度および波長を有する励起光を生成するよう構成された蛍光励起源を含む。
図15の光源200は、蛍光イメージング剤17(不図示)を励起するための励起光を提供するよう構成されたレーザダイオード202(例えば、これは例えばひとつ以上のファイバ結合ダイオードレーザを含んでもよい)を備える。種々の実施の形態において用いられ得る励起光の他のソースの例は、ひとつ以上のLED、アークランプ、または組織内(例えば、血液内)の蛍光イメージング剤17を励起するのに十分な強度および適切な波長の他の照明技術を含む。例えば、血中の蛍光イメージング剤17の励起(該蛍光イメージング剤17は近赤外線励起特性を伴う蛍光色素)は、DILAS Diode Laser Co, Germanyから入手可能なひとつ以上の793nm、伝導冷却、シングルバー、ファイバ結合レーザダイオードモジュールを用いて実行されてもよい。
【0215】
種々の実施の形態では、
図15の光源200からの光出力を光学要素(例えば、ひとつ以上の光学要素)を通じて投影することで、組織の関心領域を照らすのに用いられている出力を形成しかつ導いてもよい。形成光学系は、イメージングモジュール13の視野の実質的全体に亘る平坦なフィールドが得られるように、ひとつ以上のレンズ、光ガイド、および/または回折要素を含んでもよい。特定の実施の形態では、蛍光励起源は、蛍光イメージング剤17(例えば、ICG)の最大吸収に近い波長で放射するよう選択される。例えば、
図15の光源200の実施の形態を参照すると、レーザダイオード202からの出力204はひとつ以上の収束レンズ206を通過し、例えばNewport Corporation, USAから普通に取得可能なライトパイプなどの均質化ライトパイプ208を通過する。最後に、光は、例えばNewport Corporation, USAから取得可能なすりガラス回折要素などの光学回折要素214(例えば、ひとつ以上の光学ディフューザ)を通過する。レーザダイオード202自身への電力は、例えばLumina Power Inc., USAから取得可能な大電流レーザドライバなどによって提供されてもよい。レーザは、オプションで、イメージ取得プロセス中、パルスモードで動作してもよい。本実施の形態では、ソリッドステートフォトダイオード212などの光学センサは光源200に組み込まれ、光源200によって生成される照明強度を、種々の光学要素からの散乱や拡散反射を介してサンプリングする。種々の実施の形態では、追加的な照明源を用いることで、関心領域の上でモジュールを整列させ位置決めするときのガイドを提供してもよい。種々の実施の形態では、
図15に示される光源200のコンポーネントのうちの少なくともひとつは、照明源15を備えるおよび/または照明モジュール11を備えるコンポーネントであってもよい。
【0216】
図1を再度参照すると、種々の実施の形態では、イメージングモジュール13は例えば蛍光イメージングシステム10のコンポーネントであってもよく、蛍光イメージング剤17からの蛍光放射から蛍光イメージの時系列(例えば、ビデオ)を取得するよう構成されてもよい。
図16を参照すると、カメラモジュール250を備えるイメージングモジュール13の例示的な実施の形態が示される。
図16に示されるように、カメラモジュール250は、蛍光放射を少なくともひとつの二次元ソリッドステートイメージセンサを含むイメージセンサアセンブリ264上に集束させるためのイメージングオプティクスのシステム(例えば、フロント要素254、排除フィルタ256、ダイクロイック260およびリア要素262)を用いることで、組織内(例えば、血液中)(不図示)の蛍光イメージング剤17からの蛍光放射252のイメージを取得してもよい。排除フィルタ256は、例えば、励起光に対応する波長帯を排除するために用いられるノッチフィルタであってもよい。ダイクロイック260は、例えば、入来光波長スペクトルのある部分集合を選択的に通過させ、残りの波長を排除のために光路から離れるようまたは別個のイメージセンサに向けて再方向付けするのに用いられるダイクロイックミラーであってもよい。ソリッドステートイメージセンサは、電荷結合デバイス(CCD)、CMOSセンサ、CIDまたは同様の二次元センサ技術であってもよい。イメージセンサアセンブリ264によって変換された光信号から得られる電荷は、カメラモジュール250内の適切な読み出しおよび増幅エレクトロニクスによって、デジタルビデオ信号およびアナログビデオ信号の両方を含む電子ビデオ信号に変換される。
【0217】
ある実施の形態によると、ICG蛍光イメージング用のNIR互換光学系と共に、約800nm+/-10nmの励起波長および>820nmの放射波長が用いられる。当業者であれば、他のイメージング剤用に、他の励起波長および放射波長が用いられうることを理解するであろう。
【0218】
図1に戻り、種々の実施の形態では、プロセッサアセンブリ16は例えば以下を含む。
・種々の処理動作を行うよう構成されたプロセッサモジュール(不図示)であって、処理動作がコンピュータ可読媒体に保持されるインストラクションを実行することを含み、インストラクションが本明細書で説明されたシステムのうちのひとつ以上に本明細書で説明された方法および技術を実行させる、プロセッサモジュール。
・動作からのデータを記録し保持するための、また、ある実施の形態ではプロセッサモジュールによって実行可能なインストラクションを保持するためのデータストレージモジュール(不図示)であって、該インストラクションは本明細書で開示された方法および技術を実装するためのものである、データストレージモジュール。
【0219】
種々の実施の形態では、プロセッサモジュールは、例えばタブレットやラップトップやデスクトップやネットワークコンピュータや専用スタンドアローンマイクロプロセッサなどの任意のコンピュータまたは計算手段を含む。入力は、例えば、
図16に示されるカメラモジュール250のイメージセンサ264から、
図15の光源200のソリッドステートフォトダイオードから、およびフットスイッチまたは遠隔制御などの外部制御ハードウエアのいずれかから、取得される。出力は、レーザダイオードドライバおよび光学アライメント器に提供される。種々の実施の形態では、プロセッサアセンブリ16(
図1)は、内部メモリ(例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ)などの実体的非一時的コンピュータ可読媒体に入力データ(例えば、イメージデータ)の時系列を保存する能力を伴うデータ格納モジュールを有してもよく、それによりデータの記録および処理が可能となる。種々の実施の形態では、プロセッサモジュールは内部クロックを有してもよく、これにより種々の要素の制御が可能となり、また照明およびセンサシャッタの正しいタイミングが保証される。種々の他の実施の形態では、プロセッサモジュールはユーザ入力と出力のグラフィカル表示とを提供してもよい。蛍光イメージングシステムはオプションで、ビデオディスプレイ(不図示)を備えてもよい。このビデオディスプレイは、イメージが取得されているときにまたは記録された後の再生においてイメージを表示し、または上述したようにさらに方法の種々の段階において生成されたデータを可視化してもよい。
【0220】
動作中、および
図1、15および16の例示的な実施の形態を引き続き参照し、対象の関心解剖学的エリアが照明モジュール11およびイメージングモジュール13の両方の下に置かれるようなイメージング位置に対象を配置する。その結果、関心領域の実質的に全体に亘って実質的に一様な照明フィールドが生成される。種々の実施の形態では、対象に蛍光イメージング剤17を投与する前に、背景除去のために関心エリアのイメージが取得されてもよい。例えば、これを行うために、
図1の蛍光イメージングシステム10のオペレータは、遠隔スイッチまたはフットコントロールを押し込むことで、またはプロセッサアセンブリ16に接続されたキーボード(不図示)を介して、蛍光イメージの時系列(例えば、ビデオ)の取得を始めてもよい。その結果、照明源15がオンされ、プロセッサアセンブリ16は、イメージ取得アセンブリ13によって提供される蛍光イメージデータの記録を開始する。上述のパルスモードの代わりに、ある実施の形態では、照明源15がイメージ取得シーケンス中連続的にオンとなる放射源を備えうることは理解されるであろう。実施の形態のパルスモードで動作する場合、カメラモジュール250(
図16)のイメージセンサ264は、光源200(
図15)のダイオードレーザ202によって生成されるレーザパルスに続く蛍光放射を集めるように同期される。このようにすることで、最大の蛍光放射強度が記録され、信号対ノイズ比は最適化される。この実施の形態では、蛍光イメージング剤17は対象に投与され、動脈流を介して関心エリアに運ばれる。蛍光イメージの時系列の取得は、例えば、蛍光イメージング剤17の投与の後すぐに開始され、関心エリアの実質的に全体からの蛍光イメージの時系列は蛍光イメージング剤17の入来を通じて取得される。関心領域からの蛍光放射は、カメラモジュール250の収集光学系によって集められる。残留雰囲気励起光および反射励起光は、カメラモジュール250の後続の光学要素(例えば、
図16の光学要素256であってこれはフィルタであってもよい)によって減衰する。その結果、蛍光放射はイメージセンサアセンブリ264によって、他のソースからの光との最小の干渉を伴って、取得されうる。
【0221】
種々の実施の形態において、プロセッサはイメージングシステムと通信するか、またはイメージングシステムのコンポーネントである。種々の実施の形態に係るプログラムコード手段または他のコンピュータ可読インストラクションを任意の適切なプログラミング言語で記述可能および/または保持可能であり、かつ、多くの形態でプロセッサに提供可能である。そのような多くの形態は、例えば、書き込み不可保持媒体(例えば、ROMやCD-ROMディスクなどのリードオンリーメモリデバイス)に恒久的に保持される情報や、書き込み可能保持媒体(例えば、ハードドライブ)に変更可能に保持される情報や、一時的媒体(例えば、信号)を介してプロセッサに渡される情報や、ローカルエリアネットワーク、インターネットなどの公衆ネットワーク、または電子的インストラクションを保持するのに適切な任意のタイプの媒体などの通信媒体を通じてプロセッサに運ばれる情報、を含むがそれらに限定されない。種々の実施の形態では、実体的非一時的コンピュータ可読媒体は全てのコンピュータ可読媒体を含む。ある実施の形態では、本明細書で説明された方法または技術のうちのひとつ以上を実行するためのコンピュータ可読インストラクションはそれだけで、非一時的コンピュータ可読媒体に保持されてもよい。
【0222】
ある実施の形態では、照明およびイメージングシステムは、医療イメージングデータを取得する蛍光医療イメージングシステム10などの医療イメージングシステムのコンポーネントであってもよい。照明およびイメージングシステムが上述の蛍光イメージングシステムなどのイメージングシステムのコンポーネントである実施の形態では、医療イメージングシステムの光源、照明モジュール、イメージングモジュールおよびプロセッサは、照明およびイメージングシステムのカメラアセンブリおよびプロセッサとして機能してもよい。当業者であれば、行われるイメージングのタイプに依存して、上述のもののような照明および/またはイメージングシステムでの使用のために、蛍光イメージングシステム以外のイメージングシステムを用いてもよいことを理解するであろう。
イメージデータを生成する際に用いられる例示的なイメージング剤
【0223】
ある実施の形態によると、蛍光医療イメージングアプリケーションにおいて、イメージング剤は、インドシアニングリーン(ICG)色素などの蛍光イメージング剤である。ICGは対象に投与されると、血液タンパクと結合し血液と共に組織内を循環する。蛍光イメージング剤(例えば、ICG)は、(例えば、静脈または動脈への)ボラース投与として、イメージングに適した濃度で、対象に投与されてもよい。この場合、ボラースは血管系を循環し、毛細血管系を通過する。複数の蛍光イメージング剤が用いられる他の実施の形態では、そのような複数の薬剤は同時に(例えば、単一のボラースで)投与されてもよいし、順番に(例えば、別個のボラースで)投与されてもよい。ある実施の形態では、蛍光イメージング剤はカテーテルによって投与されてもよい。ある実施の形態では、蛍光イメージング剤は、蛍光イメージング剤から生じる信号強度の測定を行う前一時間以内に、対象に投与されてもよい。例えば、蛍光イメージング剤は、測定を行う前三十分以内に対象に投与されてもよい。さらに他の実施の形態では、蛍光イメージング剤は、測定を行う少なくとも三十秒前に投与されてもよい。さらに他の実施の形態では、蛍光イメージング剤は、測定を行うのと同時に投与されてもよい。
【0224】
ある実施の形態によると、蛍光イメージング剤は、所望の循環血中濃度を達成するために種々の濃度で投与されてもよい。例えば、蛍光イメージング剤がICGである実施の形態では、それが約2.5mg/mLの濃度で投与されることで、約5μMから約10μMの循環血中濃度が達成されてもよい。種々の実施の形態では、蛍光イメージング剤の投与についての上限濃度は、蛍光イメージング剤が循環血液中で臨床毒性となる濃度であり、下限濃度は、蛍光イメージング剤を検出するために血液と共に循環する蛍光イメージング剤から生じる信号強度データを取得するための装置の限界である。種々の他の実施の形態では、蛍光イメージング剤の投与についての上限濃度は、蛍光イメージング剤が自己失活となる濃度である。例えば、ICGの循環濃度は約2μMから約10mMの範囲であってもよい。したがって、ある態様では、方法は、対象へのイメージング剤(例えば、蛍光イメージング剤)の投与ステップと、種々の実施の形態にしたがい信号強度データ(例えば、ビデオ)を処理する前の信号強度データ取得ステップと、を含む。他の態様では、方法はイメージング剤の対象への投与ステップを除いてもよい。
【0225】
ある実施の形態によると、蛍光イメージングアプリケーションにおいて蛍光イメージデータを生成するのに用いられる適切な蛍光イメージング剤は、血液と共に循環可能(例えば、リポタンパクや血中の血漿血清などの血液成分と共に循環可能な蛍光色素)であり、かつ、組織の血管系(すなわち、大血管および毛細血管)を通過し、かつ、適切な光エネルギ(例えば、励起光エネルギや吸光エネルギ)に曝されると信号強度が生じるイメージング剤である。種々の実施の形態では、蛍光イメージング剤は、蛍光色素、その類似物、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。蛍光色素は非毒性蛍光色素を含む。ある実施の形態では、蛍光色素は、近赤外線スペクトルにおいて最適に蛍光を発する。ある実施の形態では、蛍光色素はトリカルボシアニン色素であるかそれを含む。所定の実施の形態では、蛍光色素はインドシアニングリーン(ICG)やメチレンブルーやそれらの組み合わせであるか、それを含む。他の実施の形態では、蛍光色素は、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、オルトフタルアルデヒド、フルオレサミン、ローズベンガル、トリパン青、フルオロゴールド、またはそれらの組み合わせであって各色素にとって適切な励起光波長を用いて励起可能なものであるか、それを含む。ある実施の形態では、蛍光色素の類似物または誘導体が用いられてもよい。例えば、蛍光色素類似物または誘導体は、化学的に変更されたが、適切な波長の光エネルギに曝された場合に蛍光を発する能力を維持する蛍光色素を含む。
【0226】
種々の実施の形態では、蛍光イメージング剤は凍結乾燥粉末、固体、または液体として提供されてもよい。ある実施の形態では、蛍光イメージング剤はバイアル(例えば、無菌バイアル)で提供されてもよく、バイアルは、無菌注射器で無菌流体を調製することにより適切な濃度での再構成を可能としてもよい。再構成は適切なキャリアや希釈剤を用いて行われてもよい。例えば、蛍光イメージング剤は、投与の直前に水性希釈剤で再構成されてもよい。種々の実施の形態では、溶液中で蛍光イメージング剤を維持するであろう任意の希釈剤またはキャリアが用いられてもよい。一例として、ICGは水で再構成可能である。ある実施の形態では、蛍光イメージング剤が再構成されると、それは追加的な希釈剤およびキャリアと混合されうる。ある実施の形態では、例えば溶解性、安定性、イメージング特性、またはそれらの組み合わせを強化するために、蛍光イメージング剤を他の分子、例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、合成高分子、糖など)と複合化してもよい。トリスアミノメタン、HCl、NaOH、リン酸緩衝剤、および/またはHEPESを含む追加的な緩衝剤を追加してもよい。
【0227】
当業者であれば、上で蛍光イメージング剤が詳細に説明されたが、光学イメージングモダリティに依存して、本明細書で説明されるシステム、方法および技術との関連で他のイメージング剤を用いてもよいことを理解するであろう。
【0228】
ある変形例では、本明細書で説明される方法、システムおよびキットと組み合わせて用いられる蛍光イメージング剤は、血流イメージング、組織灌流イメージング、リンパイメージング、またはそれらの組み合わせのため用いられてもよく、それらは侵襲的手術、最低侵襲的手術、非侵襲的手術、またはそれらの組み合わせ中に行われてもよい。血流および組織灌流を含みうる侵襲的手術の例は、心臓関連手術(例えば、CABGオンポンプまたはオフポンプ)や再建手術を含む。非侵襲的または最小侵襲手術の例は、傷(例えば、褥瘡などの慢性傷)の治療および/または管理を含む。この点で、例えば、傷の大きさ(例えば、直径、面積)の変化などの傷の経時変化や、傷内および/または傷の周囲の組織灌流の変化は、方法およびシステムを適用することで、経時的に追跡されてもよい。リンパイメージングの例は、リンパ節、リンパ節ドレナージ、リンパマッピング、またはそれらの組み合わせの特定を含む。ある変形例では、そのようなリンパイメージングは女性の生殖システム(例えば、子宮、子宮頸部、外陰)に関してもよい。
【0229】
心臓への応用や任意の血管系への応用に関する態様では、イメージング剤(例えば、ICGのみやICGと他のイメージング剤との組み合わせ)を静脈に注入してもよい。例えば、イメージング剤を、中心静脈線、バイパスポンプおよび/または心筋保護線および/または他の血管系を通じて静注することで、冠状血管系、毛細血管および/またはグラフトに流しおよび/または灌流させてもよい。人工血管や他の血管系にICGを、希薄ICG/血液/生理食塩水溶液として投与してもよく、この場合、冠動脈や他の血管系(アプリケーションに依存)におけるICGの最終濃度は、中心線やバイパスポンプに約2.5mgの注入(すなわち、2.5mg/mlのものを1ml)をした結果得られるものとおよそ同じかそれよりも低いものとなる。ICGは、例えば25mgの固体を10mlの無菌水性溶媒に溶かすことによって調製されてもよく、そのような無菌水性溶媒は製造者によってICGと共に提供されてもよい。ICG溶液1ミリリットルを500mlの無菌生理食塩水と混合してもよい(例えば、ICG1mlを500mlの生理食塩水バッグに注入することによって、)。希薄ICG/生理食塩水溶液30ミリリットルを対象の血液10mlに加えてもよい。その血液は中心動脈線またはバイパスポンプから無菌的に得られてもよい。血液中のICGは血漿タンパク質と結合し、血管からの漏出の防止を促進する。滅菌手術分野内の標準的な滅菌技術を用いることで、ICGと血液との混合が行われてもよい。グラフトそれぞれについて、ICG/生理食塩水/血液混合物10mlを投与してもよい。針を用いてグラフトの壁を通して注入することによりICGを投与する代わりに、ICGはグラフトの(開放)近位端に取り付けられたシリンジにより投与されてもよい。グラフトが移植される際、手術者はルーチンとして、グラフトの近位端にアダプタを取り付ける。この場合、最初の吻合を行う前に、生理食塩水充填シリンジを取り付け、グラフトの遠位端を閉じ、グラフトに生理食塩水を注入し、グラフトに圧力をかけ、これにより導管の完全性(リークや側枝など)を評価する。他の態様では、心臓イメージングに関連して本明細書で説明される方法、用量またはそれらの組み合わせは任意の血管系および/または組織灌流イメージングアプリケーションにおいて用いられてもよい。
【0230】
リンパマッピングは、リンパ系を通じて広がるガン(例えば、乳ガン、胃ガン、婦人科系ガン)のための有効な手術ステージ決めの重要な部分である。特定のリンパ節の鉢(basin)からの複数のリンパ節の除去は、急性または慢性リンパ浮腫、感覚異常、および/または血清腫の形成を含む重大な余病を引き起こす可能性があり、実際、センチネルリンパ節が転移陰性であるなら、その周りのリンパ節もまたたいていの場合は陰性である。腫瘍ドレーンリンパ節(LN)の特定は、例えば乳ガン手術において、リンパ系を通じて広がるガンのステージ決めのための重要なステップになった。LNマッピングは、色素および/または放射トレーサを用いることで、生検または切除のいずれかのために、そして後続の転移の病理評価のために、LNを特定することを含む。手術ステージ決めのときのリンパ節郭清術の目的は、ガンの局所広がりのリスクが高いLNを特定して除去することである。乳ガンの治療において、センチネルリンパ節(SLN)マッピングは有効な手術戦略として登場した。これは総じて以下のコンセプトに基づく:転移(腋窩LNへのガンの広がり)は、もしあれば、SLNにあるはずであり、SLNは当該技術分野において、原発腫瘍から癌細胞が広がった先として最も蓋然性の高い最初のLNまたはリンパ節グループとして定義される。SLNが転移陰性である場合、周囲の第2、第3LNもまた陰性であるべきである。SLNマッピングの主な利点は、従来の部分的または完全リンパ節郭清術を受ける対象の数を低減することであり、したがって、リンパ浮腫やリンパ嚢胞などの関連疾患に苦しむ対象の数を低減することである。
【0231】
SLNマッピングの治療の現在標準は、原発腫瘍からのリンパ流経路を特定するトレーサの注入を含む。用いられるトレーサは、ガンマプローブでの手術中位置決め用の放射性同位体(例えば、テクネチウム-99またはTc-99m)であってもよい。放射能トレーサ技術(シンチグラフィとして知られている)は、放射性同位体へのアクセスを有する病院に限られ、原子核物理の医師の関与を必要とし、リアルタイムの視覚的ガイダンスを提供しない。色付き色素、イソスルファンブルー、もまた用いられてきたが、皮膚や脂肪組織を通じてこの色素を見ることはできない。加えて、青いシミは胸部のタトゥーとなって数ヶ月に亘って残り、また、真皮下注射では皮膚の壊死が生じることがあり、まれにアナフィラキシーを伴うアレルギー反応もまた報告されている。イソスルファンブルーの注射の後、(約2%の患者に)重大なアナフィラキシー反応が生じた。症状は、呼吸困難、ショック、血管浮腫、じんましんおよびかゆみを含む。気管支ぜん息が既往である患者やトリフェニルメタン色素に対するアレルギーや薬物反応がある患者において反応が生じる蓋然性が高い。イソスルファンブルーは、パルスオキシメトリによる酸素飽和度の測定およびガス分析器によるメトヘモグロビンの測定と干渉することが知られている。イソスルファンブルーの利用は、遷移的または長期の青色着色(タトゥー)を引き起こしうる。
【0232】
これに対して、SLN可視化、マッピングで用いられる種々の実施の形態にしたがう蛍光イメージングは、LNおよび/または求心性リンパチャネルの直接的な手術中リアルタイム可視的特定を容易にし、皮膚および脂肪組織を通じた高解像度光学的リアルタイムガイダンスを容易にし、血流、組織灌流またはそれらの組み合わせの可視化を容易にする。
【0233】
ある態様では、蛍光イメージング中のリンパ節の可視化、分類またはその両方はひとつ以上のイメージング剤のイメージングに基づいてもよく、これはさらにガンマプローブ(例えば、テクネチウムTc-99mは透明な無色の水溶液であり、標準的な治療によると乳輪の周りに注射される)、他の従来から用いられている有色イメージング剤(イソスルファンブルー)、および/または例えば組織学などの他の評価、での可視化および/または分類に基づいてもよい。対象の胸部に、例えば約1%のイソスルファンブルーを二回(比較のため)、約2.5mg/mlの濃度を有するICG溶液を二回、注射してもよい。イソスルファンブルーの注射はICGの注射に先んじてもよいし、その逆であってもよい。例えば、TBシリンジおよび30G針を用いて、麻酔が効いている対象の、胸部の乳輪の周りのエリアに、0.4ml(各サイトに0.2ml)のイソスルファンブルーを注射してもよい。右の胸部について、対象は12時および9時の位置に注射され、左の胸部について、12時および3時の位置に注射されてもよい。各胸部へのイソスルファンブルーの真皮内注射の総用量は約4.0mg(1%溶液:10mg/mlを0.4ml)であってもよい。10 mg/ml).他の例示的な態様では、対象はまずICG注射を受け、次いでイソスルファンブルーを(比較のために)受けてもよい。ひとつの25mgICGバイアルを10mlの注射用滅菌水で再構成することで、ICG投与の直前に2.5mg/ml溶液を生成してもよい。例えば、TBシリンジおよび30G針を用いて、対象の、胸部の乳輪の周りのエリアに、約0.1ml(各サイトに0.05ml)のICGを注射してもよい(右の胸部について、12時および9時の位置に注射が行われ、左の胸部について、12時および3時の位置に注射が行われてもよい)。各胸部へのICGの真皮内注射の総用量は、胸部ごとに、約0.25mg(2.5mg/ml溶液を0.1ml)であってもよい。ICGは例えば注射ごとに5から10秒のレートで注射されてもよい。ICGが真皮内に注射される場合、ICGのタンパク質結合特性により、ICGはリンパによって急速に吸収され、導管を通じてLNへと移動する。ある態様では、ICGは、5%より少ないヨウ化ナトリウムを伴う25mgICGを含む滅菌凍結乾燥粉末の形で提供されてもよい。ICGは注射用滅菌水からなる水性溶媒と一緒にパッケージ化されてもよく、その水性溶媒はICGを再構成するのに用いられる。ある態様では、乳ガンのセンチネルリンパマッピングにおけるICG用量(mg)は約0.5mgから約10mgの範囲にあり、投与の経路による。ある態様では、ICGの用量は約0.6mgから約0.75mg、約0.75mgから約5mg、約5mgから約10mgであってもよい。投与の経路は、例えば、真皮下、真皮内(例えば、乳輪の周りの領域)、乳輪の下、腫瘍を覆う皮膚、腫瘍に最も近い乳輪における真皮内、乳輪内の真皮下、腫瘍の上の真皮内、胸部全体の上の乳輪の周辺、またはそれらの組み合わせであってもよい。NIR蛍光陽性LN(例えば、ICGを用いて)は、例えば、白黒NIR蛍光イメージとして、および/または、完全または部分的カラー(白色光)イメージ、完全または部分的不飽和白色光イメージ、強化カラーイメージ、オーバレイ(例えば、他のイメージを伴う蛍光)、種々の色を有しうる合成イメージ(例えば、他のイメージに組み入れられた蛍光)、種々のレベルの不飽和、または種々の範囲の色として表されてもよく、これにより所定の関心特徴をハイライト化/可視化できる。イメージの処理はさらに、さらなる可視化および/または他の解析(例えば、定量化)のために行われてもよい。リンパ節およびリンパ管は、ICGおよびSLNのみ、または乳ガンの患者のSLN生検のためのAmerican Society of Breast Surgeons(ASBrS)の実務基準にしたがうガンマプローブ(Tc-99m)と組み合わされたICGおよびSLNの、種々の実施の形態にしたがう蛍光イメージングシステムおよび方法を用いて、(例えば、手術中にリアルタイムで)可視化されてもよい。LNの蛍光イメージングは、注射サイトから、腋窩のLNに至るリンパチャネルを追跡することにより始まってもよい。LNの視覚的イメージが特定されると、LNマッピングおよびLN特定は、切開された皮膚を通じてなされてもよく、LNマッピングはICG可視化されたリンパ節が特定されるまで行われてもよい。比較のため、「青い」リンパ節が特定されるまで、イソスルファンブルーでのマッピングがなされてもよい。ICGだけで、または他のイメージング技術(例えば、イソスルファンブルーおよび/またはTC-99m)と組み合わされたICGで、特定されたLNは、切除対象としてラベル付けされてもよい。対象は乳ガンの様々なステージ(例えば、IA、IB、IIA)を有しうる。
【0234】
例えば婦人科系ガン(例えば、子宮、子宮内膜、外陰部、および頸部の悪性腫瘍)におけるある態様では、ICGは、リンパ節、リンパチャネルまたはそれらの組み合わせの可視化のために細胞間に投与されてもよい。細胞間に注射される場合、ICGのタンパク質結合特性により、ICGはリンパによって急速に吸収され、導管を通じてSLNへと移動する。ICGは、5%より少ないヨウ化ナトリウムを伴う25mgICG(例えば、25mg/バイアル)を含む滅菌凍結乾燥粉末の形で、注射用に提供されてもよいICGは、次いで、使用前に市販の注射用水(滅菌)で再構成されてもよい。ある実施の形態によると、25mgのICGを含むバイアルを注射用水20mlで再構成し、1.25mg/ml溶液を得た。対象ごとに5mgのICGの合計用量を得るために、対象に、この1.25mg/ml溶液を合計で4ml注射する(4×1ml注射)。子宮頸部にはまた、1%イソスルファンブルー10mg/mlの溶液1mlを(比較を目的として)四(4)回注射してもよく、合計用量は40mgである。対象が手術室で麻酔下にある間に注射を行ってもよい。ある態様では、婦人科系ガンのセンチネルリンパ節検出および/またはマッピングにおけるICG用量(mg)は約0.1mgから約5mgの範囲にあり、投与の経路による。ある態様では、ICGの用量は約0.1mgから約0.75mg、約0.75mgから約1.5mg、約1.5mgから約2.5mg、約2.5mgから約5mgであってもよい。投与の経路は、例えば、子宮頸部注射、外陰部腫瘍周辺注射、子宮鏡子宮内膜注射、またはそれらの組み合わせであってもよい。LNが切除される際のマッピング手順と干渉するイソスルファンブルーまたはICGのこぼれを最小化するために、マッピングは骨盤の半分側で行われ、LNの切除の前にイソスルファンブルーおよびICGの両方でのマッピングが行われてもよい。臨床ステージIの子宮内膜ガンのLNマッピングは、子宮腫瘍のNCCNガイドライン、子宮内膜ガンの手術ステージ決めのSLNアルゴリズムにしたがって行われてもよく、臨床ステージIの子宮頸ガンのSLNマッピングは、子宮頸腫瘍のNCCNガイドライン、初期ステージ子宮頸ガンの手術/SLNマッピングアルゴリズムにしたがって行われてもよい。したがって、LNの特定は、ICG蛍光イメージングのみ、またはそれと比色分析色素(イソスルファンブルー)および/または放射能トレーサとの組み合わせ、またはそれと比色分析色素(イソスルファンブルー)および/または放射能トレーサとの同時投与、に基づいてもよい。
【0235】
リンパ節の可視化は定性的および/または定量的であってもよい。そのような可視化は、例えば、リンパ節検出、検出レート、リンパ節の解剖学的分布を含んでもよい。種々の実施の形態に係るリンパ節の可視化は、それだけで、または他の変形物(例えば、バイタルサイン、身長、体重、人口統計、手術予測因子、関連医療履歴およびその根本となる条件、組織可視化および/または評価、Tc-99m可視化および/または評価、併用療法)と組み合わせて用いられてもよい。排泄の日および後日(例えば、一ヶ月)に再診が生じてもよい。
【0236】
リンパ液は高レベルのタンパク質を含み、したがってICGはリンパ系に入ると内因性タンパク質と結合しうる。リンパマッピングのための蛍光イメージング(例えば、ICGイメージング)は、本明細書で説明される方法およびシステムにしたがって用いられる場合、以下の例示的な利点を提供する:NIRが顕著な自己蛍光を生成しないことによる高い信号対背景比(または腫瘍対背景比)、リンパマッピングのリアルタイム可視化特徴、組織決定(すなわち、構造的可視化)、血管系に入った後の急速な排泄および消失、および非電離放射の回避。さらに、NIRイメージングは、可視光のそれ(組織の1mmから3mm)に対する優れた組織貫通性(組織の約5ミリメートルから10ミリメートル)を有する。例えば、ICGの利用はまた、傍大動脈リンパ節の上にある腹膜を通じた可視化を容易にする。組織蛍光は長期間NIR光で観測可能であるが、それは可視光で見ることはできないので、LNの病理的評価または処理に影響を与えない。また、蛍光は、リンパ節の青色染色(イソスルファンブルー)よりも、手術中に検出容易である。他の態様では、リンパイメージングに関連して本明細書で説明される方法、用量またはそれらの組み合わせは任意の血管系および/または組織灌流イメージングアプリケーションにおいて用いられてもよい。
【0237】
組織灌流は単位組織体積ごとの微小循環性血流に関連しており、そこでは灌流対象の組織の毛細血管床へ酸素および栄養が提供され、そこから老廃物が除去される。組織灌流は、血管内の血流に関連するがそれとは別個の現象である。血管を通じた定量化血流は、フローを定義するターム(すなわち、体積/時間)で、またはスピードを定義するターム(すなわち、距離/時間)で、表現されてもよい。組織血液灌流は組織体積内における小動脈、細管、細静脈などの毛細血管を通る血液の動きを定義する。定量化組織血液灌流は、組織を通過する血流のタームで、すなわち、体積/時間/組織体積(または、組織質量)のタームで、表現される。灌流は栄養性血管(例えば、キャピラリとして知られている毛細血管)に関連付けられる。この栄養性血管は、より大きな径の非栄養性血管ではなく、血液と組織との間の代謝物の交換に関連付けられた血管を含む。ある実施の形態では、ターゲット組織の定量化は、ターゲット組織に関するパラメータまたは量、例えばレート、サイズ、体積、時間、距離/時間、および/または体積/時間、および/または変化量、を計算するか決定することを含んでもよい。それは前述のパラメータまたは量のうちの任意のひとつ以上に関する。しかしながら、より大きな径の血管を通じた血液の動きと比べて、個々のキャピラリを通じた血液の動きは大いに不規則でありうる。これは主に血管運動のためであり、血管拍での自発振動は赤血球の動きにおける脈動として現れる。
【0238】
まとめると、ひとつ以上の実施の形態は、作業距離の変化を許容しつつ、フラットな照明フィールドを提供し、かつ、照明フィールドをターゲットイメージングフィールドにマッチさせることができる。したがって、正確な定量的イメージングアプリケーションが可能となる。ターゲットからの光をセンサに集束させるイメージング要素は、照明フィールドの操舵と同期して動かされてもよい。追加的にまたは代替的に、ドレープレンズとデバイスのウインドウフレームとの間の密な嵌合を確かにするドレープを用いてもよい。追加的にまたは代替的に、ひとつ以上の実施の形態は、単一のセンサならびに照明および露光または検出の制御されたタイミングを用いることで、結像されるべき光から環境光を減じることができる。追加的にまたは代替的に、ひとつ以上の実施の形態は、イメージフレームのターゲットレクチル領域内で測定された正規化蛍光強度の表示を可能としてもよい。
【0239】
これに対して、照明及びイメージングデバイスが照明をターゲットイメージング視野に合わせない場合、または、フラット、すなわち一様または実質的に均一な照明フィールドを提供しない場合、照明及び画質は悪化するであろう。非一様な照明フィールドは、特にハンドヘルドイメージングデバイスにおいて様々な作業距離で用いられた場合、邪魔で不正確なイメージング乱れを引き起こしうる。また、イメージング視野外の余分な光はデバイスの効率を低下させ、デバイスを位置決めする際にユーザの邪魔となり得る。
【0240】
本明細書で説明される方法およびプロセスは、コンピュータやプロセッサやマネジャーやコントローラによって、またはハードウエアや他の回路で実行されるコードまたはインストラクションによって実行されてもよい。方法(またはコンピュータ、プロセッサまたはコントローラの動作)の基礎をなすアルゴリズムが詳細に説明されたので、方法の実施の形態の動作を実装するためのコードまたはインストラクションはコンピュータ、プロセッサまたはコントローラを、本明細書で説明される方法を実行するための専用プロセッサへと変換してもよい。
【0241】
また、他の実施の形態は、上述のコードまたはインストラクションを保持するための、例えば非一時的コンピュータ可読媒体などのコンピュータ可読媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、揮発性もしくは不揮発性メモリまたは他のストレージデバイスであってもよく、それはコンピュータ、プロセッサまたはコントローラに取り外し可能または固定的に結合されていてもよく、コンピュータ、プロセッサまたはコントローラは本明細書で説明された方法の実施の形態を実行するためにコードまたはインストラクションを実行するものである。
【0242】
ひとつ以上の実施の形態は、ターゲットを撮像するためのイメージング視野を有するイメージングシステムで用いられる照明モジュールであって、前記ターゲットにおける第1照明分布を有する第1光ビームを出力することで前記ターゲットを照らす第1照明ポートと、前記ターゲットにおける第2照明分布を有する第2光ビームを出力することで前記ターゲットを照らす第2照明ポートと、を含む照明モジュールを指向する。前記第2照明分布が前記ターゲットにおいて前記第1照明分布と実質的に似ており、前記第2照明ポートが前記第1照明ポートから離間しており、前記第1および第2照明分布が前記ターゲットに対して同時に提供され、かつ、前記ターゲットにおいて重なり合っており、前記第1および第2ポートからの前記照明が前記イメージング視野と同じアスペクト比および視野カバレッジにマッチされてもよい。
【0243】
前記第1および第2照明ポートからの光はそれぞれ重なりあうことで、ターゲット視野上に一様な照明を提供してもよい。
【0244】
照明モジュールは、異なる視野を通じて前記第1および第2照明ポートを同時に操舵するステアリングドライバを含んでもよい。
【0245】
前記第1および第2照明ポートのそれぞれは、少なくともひとつの固定レンズと操舵可能ハウジングと前記操舵可能ハウジングに取り付けられた少なくともひとつのレンズとを有するレンズモジュールを含んでもよく、前記操舵可能ハウジングは前記ステアリングドライバと通信する。
【0246】
照明モジュールは、前記第1および第2照明ポートならびに前記ステアリングドライバを収容する筐体を含んでもよい。
【0247】
前記筐体はハンドヘルド筐体であってもよく、前記ステアリングドライバを制御するための活性化デバイスを含む制御面を含んでもよい。
【0248】
前記第1および第2照明分布のそれぞれは矩形照明分布であってもよい。
【0249】
前記第1および第2照明ポートのそれぞれは、二組の円柱レンズを有するレンズモジュールを含んでもよい。
【0250】
前記第1および第2照明ポートは前記矩形照明分布の長手寸法正中線から対称的にオフセットしていてもよい。
【0251】
ひとつ以上の実施の形態は、イメージング視野を有するイメージングデバイスを指向し、前記イメージングデバイスは、ターゲットにおける第1照明分布を有する第1の光を出力することで前記ターゲットを照らす第1照明ポートと、前記ターゲットにおける第2照明分布を有する第2の光を出力することで前記ターゲットを照らす第2照明ポートであって、前記第2照明分布が前記ターゲットにおいて前記第1照明分布と実質的に似ており、前記第2照明ポートが前記第1照明ポートから離間しており、前記第1および第2照明分布が前記ターゲットに対して同時に提供され、かつ、前記ターゲットにおいて重なり合っており、前記第1および第2ポートからの前記照明が前記イメージング視野と同じアスペクト比および視野にマッチされる、第2照明ポートと、前記ターゲットからの光を検出するセンサと、を含む。
【0252】
イメージングデバイスは、前記第1および第2照明ポートならびに前記センサを収容する筐体を含んでもよい。
【0253】
イメージングデバイスは、異なる視野を通じて前記第1および第2照明ポートを同時に操舵するステアリングドライバを含んでもよい。
【0254】
イメージングデバイスは、前記センサに光を集束させるイメージング要素を含んでもよく、前記ステアリングドライバは前記第1および第2照明ポートの操舵と同期して前記イメージング要素を動かすためのものである。
【0255】
前記ステアリングドライバは前記筐体内にあってもよく、前記筐体は前記ステアリングドライバを制御するための活性化デバイスを含む制御面を含んでもよい。
【0256】
前記筐体は、一方の手で前記制御面を制御し複数の向きからの前記ターゲットの照明を制御することを可能にするフォームファクタを有するハンドヘルド筐体を有してもよい。
【0257】
イメージングデバイスは、前記第1および第2照明ポートへ光を出力する照明源であって、前記照明源が前記筐体の外側にある、照明源を含んでもよい。
【0258】
前記照明源は前記第1および第2照明ポートへ可視光および/または励起光を出力してもよい。
【0259】
前記センサは、前記ターゲットからの光であって可視光および励起光による照明により生じた光を検出するための単一のセンサであってもよい。
【0260】
イメージングデバイスは前記センサの上流に波長依存開口を含んでもよく、前記波長依存開口は中央領域の外側の可視光を遮るものである。
【0261】
イメージングデバイスは前記筐体の外側にあるビデオプロセッサボックスを含んでもよい。
【0262】
照明源はビデオプロセッサボックスと一体化されていてもよい。
【0263】
ひとつ以上の実施の形態は、ターゲットを調べる方法を指向し、該方法は、前記ターゲットにおける第1照明分布を有する第1光出力および前記ターゲットにおける第2照明分布を有する第2光出力で前記ターゲットを同時に照らすことであって、前記第2照明分布が前記第1照明分布と実質的に似ており、前記第1および第2照明分布が前記ターゲットにおいて重なり合っており、前記ターゲット上での前記照明がイメージング視野と同じアスペクト比および視野カバレッジにマッチされる、照らすこと、を含む。
【0264】
方法は、異なる視野を通じて前記第1および第2光出力を同時に操舵することを含んでもよい。
【0265】
方法は、前記ターゲットからの光を受けることと、イメージング要素を用いてセンサ上に光を集束させることであって、前記イメージング要素が前記第1および第2光出力の同時操舵と同期して動かされる、集束させることと、を含んでもよい。
【0266】
ひとつ以上の実施の形態はイメージングデバイスで用いられるドレープを指向し、該ドレープは、前記イメージングデバイスを包むバリア材と、前記バリア材における開口を定義するドレープウインドウフレームと、前記バリア材における前記開口内にあるドレープレンズと、前記ドレープウインドウフレームと一体化されたインタフェースであって、前記ドレープレンズを前記イメージングデバイスのウインドウフレームに固定するインタフェースと、を含む。
【0267】
前記ドレープは前記イメージングデバイスの前記ウインドウフレームに挿入可能であってもよい。
【0268】
前記インタフェースは、前記ドレープウインドウフレームの対向する側のそれぞれに対称的に組み込まれた二つのクランプを含んでもよい。
【0269】
前記二つのクランプは前記ドレープウインドウフレームの上部および下部にある。
【0270】
ひとつ以上の実施の形態は、ターゲットを撮像するプロセッサを指向する。該プロセッサは期間内に、励起光源を起動することで、前記ターゲットを照らすための励起パルスを生成することと、白色光源を起動することで前記ターゲットを照らすための白色パルスを、前記白色パルスが前記励起パルスと重ならず、かつ、前記白色パルスが前記期間内に少なくとも二回生成されるように、生成することと、前記励起パルス中に、蛍光露光時間の間、イメージセンサを曝すことと、少なくともひとつの白色パルス中に、可視露光時間の間、前記イメージセンサを曝すことと、前記イメージセンサからの出力を検出することと、環境光の補正を行うことと、結果として得られるイメージを出力することと、を行う。
【0271】
環境光の補正を行うために、前記プロセッサは、センサ画素行の第1集合についての前記蛍光露光時間のある割合の間、前記イメージセンサのセンサ画素行の第1集合を曝すことと、前記蛍光露光時間全体の間、前記イメージセンサのセンサ画素行の第2集合を曝すことと、を行ってもよく、前記第1および第2集合は互いに異なる少なくともひとつの色を検出するためのものである。
【0272】
前記ある割合は1/2であってもよい。
【0273】
前記プロセッサは、以下の式を用いて前記蛍光信号Fを決定してもよい。
F=2*Exp2-Exp1
ここで、Exp1は蛍光露光時間の前記ある割合の間の信号出力であり、Exp2は前記蛍光露光時間全体の間の信号出力である。
【0274】
前記露光時間の前記ある割合は前記励起パルスの幅と等しくてもよい。
【0275】
前記可視露光時間は前記少なくともひとつの白色パルスの幅よりも長くてもよい。
【0276】
前記可視露光時間は前記期間内のひとつの白色パルスについてのものであってもよい。
【0277】
前記可視露光時間は前記期間内の二つの白色パルスについてのものであってもよい。
【0278】
環境光の補正を行うために、プロセッサは、ターゲットが前記期間内に少なくとも一度照らされることがない場合、バックグラウンド露光時間の間、前記イメージセンサを曝してもよい。
【0279】
ひとつ以上の実施の形態は、ターゲットを撮像するための方法を指向する。該方法は期間内に、前記ターゲットを照らすための励起パルスを生成することと、前記ターゲットを照らすための白色パルスを、前記白色パルスが前記励起パルスと重ならず、かつ、前記白色パルスが前記期間内に少なくとも二回生成されるように、生成することと、前記励起パルス中に、蛍光露光時間の間、イメージセンサを曝すことと、少なくともひとつの白色パルス中に、可視露光時間の間、前記イメージセンサを曝すことと、前記イメージセンサからの出力を検出することと、環境光の補正を行うことと、結果として得られるイメージを出力することと、を含む。
【0280】
環境光の補正を行うことは、前記蛍光露光時間のある割合の間、前記イメージセンサのセンサ画素行の第1集合を曝すことと、前記蛍光露光時間全体の間、前記イメージセンサのセンサ画素行の第2集合を曝すことと、を含んでもよく、前記第1および第2集合は互いに異なる少なくともひとつの色を検出するためのものである。
【0281】
環境光の補正を行うことは、ターゲットが前記期間内に少なくとも一度照らされることがない場合、バックグラウンド露光時間の間、前記イメージセンサを曝すことを含んでもよい。
【0282】
前記励起パルスを生成することは、一様でアナモルフィックな照明を前記ターゲットに提供することを含んでもよい。
【0283】
一様でアナモルフィックな照明を前記ターゲットに提供することは、少なくとも二つの照明ポートからの照明を重ね合わせることを含む。
【0284】
ひとつ以上の実施の形態は、イメージに蛍光強度を表示させる方法を指向する。該方法は、前記イメージの領域をカバーするターゲットレクチルを表示させることと、前記ターゲットレクチル内の正規化蛍光強度を算出することと、前記ターゲットに関連付けられたディスプレイ領域に前記正規化蛍光強度を表示させることと、を含む。
【0285】
前記ディスプレイ領域は前記ターゲット上に投影されてもよい。
【0286】
前記正規化蛍光強度は単一の数値および/または正規化蛍光強度の履歴プロットを含んでもよい。
【0287】
ひとつ以上の実施の形態はキットを指向する。該キットは、互いに離間している少なくとも二つの照明ポートを含む照明モジュールであって、第1および第2照明分布がターゲットに同時に提供され、かつ、前記ターゲットにおいて重なり合うものである、照明モジュールと、前記ターゲットからの光を検出するセンサを含むイメージングモジュールと、を含む。
【0288】
キットは、前記照明モジュールと前記イメージングモジュールとを囲む筐体を含んでもよい。
【0289】
ひとつ以上の実施の形態は、例えば本明細書に記載のイメージングデバイスおよび方法で用いられる蛍光イメージング剤を指向する。ひとつ以上の実施の形態では、その使用は、血流イメージング、組織灌流イメージング、リンパイメージング、またはそれらの組み合わせを含んでもよく、それらは侵襲的手術、最低侵襲的手術、非侵襲的手術、またはそれらの組み合わせ中に生じてもよい。蛍光剤は本明細書で説明されるキットに含まれてもよい。
【0290】
ひとつ以上の実施の形態では、前記侵襲的手術は、心臓関連手術または再建手術を含んでもよい。前記心臓関連手術は、心臓冠動脈バイパス(CABG)手術を含んでもよく、それはオンポンプおよび/またはオフポンプであってもよい。
【0291】
ひとつ以上の実施の形態では、前記最低侵襲的手術または前記非侵襲的手術は、傷治療手術を含んでもよい。
【0292】
ひとつ以上の実施の形態では、前記リンパイメージングは、リンパ節、リンパ節ドレナージ、リンパマッピング、またはそれらの組み合わせの特定を含んでもよい。前記リンパイメージングは前記女性の生殖システムに関してもよい。
【0293】
例示的な実施の形態が本明細書で開示され、具体的な用語が用いられたが、それらは概括的なものおよび説明的なものとしてのみ使用され、かつそのようなものとして解釈されるべきであって、限定を目的としていない。ある例では、本願の出願時点の当業者には明らかであるように、特定の実施の形態との関連で説明された特徴、特性、および/または要素は単体で用いられてもよく、またはそうでないと特に断らない限り、他の実施の形態との関連で説明された特徴、特性、および/または要素との組み合わせで用いられてもよい。したがって、以下で規定される本発明の精神および範囲から逸脱すること無く、形態や詳細の種々の変更がなされうることは、当業者には理解されるであろう。
【0294】
詳述された種々の実施の形態と関連して本開示が説明されたが、示された詳細に限定されることを意図したものではない。本開示の範囲から外れることなく様々な変更や構造変形がなされうるからである。本開示の範囲から逸脱すること無く、説明された実施の形態の形態やコンポーネント配置やステップや詳細や動作順序の種々の変更を行うことができ、また本開示の他の実施の形態をなすこともでき、それらのものは本開示に触れた当業者には明らかであろう。したがって、添付の請求項は本開示の範囲に入るので、添付の請求項がそのような変形例および実施の形態をカバーすることが想定されている。簡潔明瞭な記載をするために、本明細書では特徴は同じまたは異なる実施の形態の一部として説明された。しかしながら、本開示の範囲は、説明された特徴の全てまたはいくつかの組み合わせを有する実施の形態を含むことが理解されよう。「例えば」および「など」という用語およびそれらの文法的等価物について、そうでないと明記されない限り、「および非限定的に」というフレーズが次に続くものとして理解される。本明細書で用いられるように、「a」、「an」及び「the」という単数形はコンテキストがそうでないと明示的に述べない限り複数の指示物を含む。