IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 陽光電源股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7319333光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法
<>
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図1
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図2
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図3
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図4
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図5
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図6
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図7
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図8
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図9
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図10
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図11
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図12
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図13
  • 特許-光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】光起電力システム、及びストリング内の各機器の位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20230725BHJP
   H02S 40/30 20140101ALI20230725BHJP
【FI】
H02S50/00
H02S40/30
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021135727
(22)【出願日】2021-08-23
(65)【公開番号】P2022040046
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】202010869779.6
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517112122
【氏名又は名称】陽光電源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】兪 雁飛
(72)【発明者】
【氏名】李 暁迅
(72)【発明者】
【氏名】姜 安営
(72)【発明者】
【氏名】王 新宇
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136802(JP,A)
【文献】特開2020-005423(JP,A)
【文献】特開2016-082716(JP,A)
【文献】特開2020-099190(JP,A)
【文献】特表2017-513452(JP,A)
【文献】特開2013-162627(JP,A)
【文献】特開2015-121870(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109039277(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0176504(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0034411(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/078
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力システムに含まれるストリング内の各MLPE機器の位置決め方法であって、
光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得することと、
前記通信ホストが各累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得ることと、
前記通信ホストが前記順序付けの結果及びストリング内の各MLPE機器の取付順序を用いて、各MLPE機器の累計運転時間の長さと対応するストリング内の光起電力ユニットの配列に対する各MLPE機器の取付順序との間に存在する対応関係であって、ストリング内の光起電力ユニットの配列はあらかじめ設計されたものであり、光起電力ユニットの配列に対する各MLPE機器の配置及び取付順序は所定の規則に従う、前記対応関係に応じて、ストリング内の各MLPE機器の物理的な位置を確定することと、を有することを特徴とするストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項2】
前記光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が計時を同期に停止することを有することを特徴とする請求項1に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項3】
前記各MLPE機器が計時を同期に停止することは、
各MLPE機器が同期停止信号を検出した後、計時を同期に停止することを有することを特徴とする請求項2に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項4】
前記同期停止信号は、出力電圧変化、出力電流変化、出力ショート、または特定コードの通信信号のうちの、少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項5】
前記同期停止信号は、光起電力システムにおける各MLPE機器の後段の変換器、スイッチ機器、別に増設された同期機器、通信ホスト、または電力網から発生することを特徴とする請求項4に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項6】
前記同期停止信号が出力ショートである場合、前記同期停止信号は前記変換器の短絡、前記スイッチ機器の短絡、またはストリングの手動による短絡から発生することを特徴とする請求項5に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項7】
前記各MLPE機器が計時を同期に停止した後、
各MLPE機器が計時起動信号を検出したかどうかを判定することと、
判定結果がYESであれば、各MLPE機器が計時を回復させ、前記同期停止信号を再び検出した時、計時を同期に停止することと、を有することを特徴とする請求項3に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項8】
前記光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が計時起動信号を検出した後、計時を開始することを有することを特徴とする請求項1に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項9】
各MLPE機器が前記計時起動信号を検出した方式は、
各MLPE機器が所定の電気的変化を検出したこと、各MLPE機器に所定の一時的または永久的な機械的変化が生じたこと、及び、各MLPE機器が通信伝送された計時開始信号を受信したことのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項8に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項10】
前記電気的変化は、電気エネルギーを取得したこと、または、入力端または出力端に電気パラメータの変化が生じたことを含むことを特徴とする請求項9に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項11】
前記一時的または永久的な機械的変化は、所定の部材が取り付けられたかまたは取り外されたこと、所定の部材がオンまたはオフにされたこと、または、所定の部材の相対的な状態が変更されたことを含むことを特徴とする請求項9に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項12】
前記計時開始信号は活性化信号であることを特徴とする請求項9に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項13】
各MLPE機器が計時を同期に停止した後、且つ前記光起電力システムの通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が所定の規律に応じて、それぞれの累計運転時間を報告することを有することを特徴とする請求項2に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項14】
前記所定の規律は、それぞれが計時を停止した後、ランダムな時間長さだけ待つ順序であることを特徴とする請求項13に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項15】
前記所定の規律は、それぞれが計時を停止した後、それぞれの対応する所定の時間長さだけ待つ順序であることを特徴とする請求項13に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項16】
前記所定の時間長さは、前記累計運転時間に関する値、または、機器配列番号に関する値であることを特徴とする請求項15に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項17】
前記所定の規律は、いずれかのMLPE機器が報告した後、他のMLPE機器が自身と報告したMLPE機器との間の累計運転時間の差に応じて、自身の報告時間を確定することで得られた順序であることを特徴とする請求項13に記載のストリング内の各MLPE機器の位置決め方法。
【請求項18】
光起電力システムであって、通信ホストと少なくとも1つのストリングとを有し、
前記ストリングは、相応的なMLPE機器を介して並列接続または直列接続を実現する複数の光起電力ユニットを含み、
前記通信ホストと各MLPE機器とは、通信を介して接続されることで、請求項1~17のいずれか1項に記載の前記ストリング内の各MLPE機器的位置決め方法を実現することを特徴とする光起電力システム。
【請求項19】
同一のストリング内の各MLPE機器の出力端が並列接続され、前記MLPE機器はマイクロインバータ装置であることを特徴とする請求項18に記載の光起電力システム。
【請求項20】
同一のストリング内の各MLPE機器の出力端が直列接続され、前記MLPE機器が電力オプティマイザ、遮断器、またはユニットモニタであり、
さらに、前記ストリングの電気エネルギーを受信し、変換するための変換器を有することを特徴とする請求項18に記載の光起電力システム。
【請求項21】
前記通信ホストは、光起電力システムにおけるコントローラ、前記光起電力システムにおけるコントローラに通信接続された近端のコントローラ、または、いずれかのコントローラに通信接続されたリモートまたはクラウドのサーバ或いは表示端末であることを特徴とする請求項20に記載の光起電力システム。
【請求項22】
前記光起電力システムにおけるコントローラは独立のシステムコントローラ、または前記変換器の内部コントローラであることを特徴とする請求項21に記載の光起電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光起電力発電という技術分野に関わり、特に光起電力システム及びストリング内の各機器の位置決め方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
現在、光起電力システムにおいて、MLPE(Module level power electronics、モジュールレベルのパワーエレクトロニクス)機器の応用はますます普遍になり、該MLPE機器は光起電力ユニットに対して最大電力点追従、オフ/オン操作またはデータの採集監視などを行うことができる。
【0003】
一般的に、1つまたは複数の光起電力ユニットには1つのMLPE機器が配置されるから、光起電力システムにおけるMLPE機器の数量が多く、後続のメンテナンスなどの作業を便利にするために、各々のMLPE機器の位置を明らかにしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、一般的に、各々のMLPE機器には対応するタグコード(例えばQRコード(登録商標)、バーコードなど)が貼られており、作業者は各MLPE機器の取付過程において、各MLPE機器のタグコードを外し、該MLPE機器の位置が標識された対応用紙に貼って、全てのMLPE機器の取付がいずれも完了した後、タグコードが貼られた用紙に応じて、相応的な各MLPE機器の取付位置を上位機に入力する。
【0005】
明らかに、従来技術の方法において、各MLPE機器の取付位置を確定する過程は複雑すぎて、操作時間が長すぎるとともに、人件費が増える。
【0006】
これに鑑みると、従来技術に存在する、操作時間が長く、フローが複雑であり、及び人件費が高いという問題を解決するために、本発明の実施例は光起電力システム及びストリング内の各機器の位置決め方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を実現するために、本発明の実施例は以下の技術案を提供し、
本発明の第1態様はストリング内の各機器の位置決め方法を提供し、
光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得することと
前記通信ホストが各累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得ることと、
前記通信ホストが前記順序付けの結果及びストリング内の各機器の取付順序に応じて、ストリング内の各機器の物理的な位置を確定することと、を有する。
【0008】
好ましくは、前記光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が計時を同期に停止することを有する。
【0009】
好ましくは、前記各MLPE機器が計時を同期に停止することは、
各MLPE機器が同期停止信号を検出した後、計時を同期に停止することを有する。
【0010】
好ましくは、前記同期停止信号は、出力電圧変化、出力電流変化、出力ショート、または特定コードの通信信号のうちの、少なくとも1つである。
【0011】
好ましくは、前記同期停止信号は、光起電力システムにおける各MLPE機器の後段の変換器、スイッチ機器、別に増設された同期機器、通信ホスト、または電力網から発生する。
【0012】
好ましくは、前記同期停止信号が出力ショートである場合、前記同期停止信号は前記変換器の短絡、前記スイッチ機器の短絡、またはストリングの手動による短絡から発生する。
【0013】
好ましくは、前記各MLPE機器が計時を同期に停止した後、
各MLPE機器が計時起動信号を検出したかどうかを判定することと、
判定結果がYESであれば、各MLPE機器が計時を回復させ、前記同期停止信号を再び検出した時、計時を同期に停止することと、を有する。
【0014】
好ましくは、前記光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が計時起動信号を検出した後、計時を開始することを有する。
【0015】
好ましくは、各MLPE機器が前記計時起動信号を検出した方式は、
各MLPE機器が所定の電気的変化を検出したこと、MLPE機器に所定の一時的または永久的な機械的変化が生じたこと、及び、各MLPE機器が通信伝送された計時開始信号を受信したことのうちの少なくとも1つである。
【0016】
好ましくは、前記電気的変化は、電気エネルギーを取得したこと、または入力端または出力端に電気パラメータの変化が生じたことを含む。
【0017】
好ましくは、前記一時的または永久的な機械的変化は、所定の部材が取り付けられたかまたは取り外されたこと、所定の部材がオンまたはオフにされたこと、または所定の部材の相対的な状態が変更されることを含む。
【0018】
好ましくは、前記計時開始信号は活性化信号である。
【0019】
好ましくは、各MLPE機器が計時を同期に停止した後、且つ前記光起電力システムの通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得する前に、さらに、
各MLPE機器が所定の規律に応じてそれぞれの累計運転時間を報告することを有する。
【0020】
好ましくは、前記所定の規律は、それぞれが計時を停止した後、ランダムな時間長さだけ待つ順序であることを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記所定の規律は、それぞれが計時を停止した後、それぞれの対応する所定の時間長さだけ待つ順序である。
【0022】
好ましくは、前記所定の時間長さは、前記累計運転時間に関する値、または、機器配列番号に関する値である。
【0023】
好ましくは、前記所定の規律は、いずれかのMLPE機器が報告した後、他の機器が自身と報告した機器との間の累計運転時間の差に応じて、自身の報告時間を確定することで得られた順序である。
【0024】
好ましくは、前記ストリング内の機器は光起電力ユニット、またはその後段のモジュールレベルのパワーエレクトロニクスMLPE機器である。
【0025】
本発明の第2態様はさらに、通信ホストと少なくとも1つのストリングとを有する光起電力システムを提供し、
前記ストリングは、相応的なMLPE機器を介して並列接続または直列接続を実現する複数の光起電力ユニットを含み、
前記通信ホストと各MLPE機器とは、通信を介して接続されることで、前記いずれか1項に記載のMLPE機器の位置決め方法を実現する。
【0026】
好ましくは、同一のストリング内の各前記主回路の出力端が並列接続され、前記MLPE機器はマイクロインバータ装置である。
【0027】
好ましくは、同一のストリング内の各前記主回路の出力端が並列接続され、前記MLPE機器は電力オプティマイザ、遮断器、またはユニットモニタであり、
前記光起電力システムはさらに、前記ストリングの電気エネルギーを受信し、変換するための変換器を有する。
【0028】
好ましくは、前記通信ホストは、光起電力システムにおけるコントローラ、前記光起電力システムにおけるコントローラに通信接続された近端のコントローラ、または、いずれかのコントローラに通信接続されたリモートまたはクラウドのサーバ或いは表示端末である。
【0029】
好ましくは、前記光起電力システムにおけるコントローラは独立のシステムコントローラ、または前記変換器の内部コントローラである。
【0030】
前記本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、まず、光起電力システムにおける通信ホストによって各ストリング内の各MLPE機器の累計運転時間を取得し、そして、各累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得る。各MLPE機器の累計運転時間の長さと対応するストリング内の各機器の取付順序とは対応関係を有するから、該順序付けの結果とストリング内の各機器の取付順序に応じて、各累計運転時間のMLPE機器をストリング内の各機器に対応付け、さらにストリング内の各機器の物理的な位置を確定する。本発明が提供した位置決め方法において、各MLPE機器にはタグコードが貼られる必要がなく、且つ取付過程において、作業者が各々MLPE機器の番号を記録する必要もなく、操作過程を簡略化し、操作時間を節約するとともに、人件費を低減させる。
【0031】
本発明の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載中の図面は本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労力をかけない前提で、さらに提供した図面に基づき、他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図3】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、他の各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図4】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、他の各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図5】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、他の各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図6】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、他の各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図7】本発明の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法において、他の各MLPE機器の累計運転時間の順序付けと各光起電力ユニットの取付順序との対応関係図である。
図8】本発明の他の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法のフローチャートである。
図9】本発明の他の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法のフローチャートである。
図10】本発明の他の実施例が提供した、ストリング内の各機器の位置決め方法のフローチャートである。
図11】本発明の他の実施例が提供した、光起電力システムの構成模式図である。
図12】本発明の他の実施例が提供した、光起電力システムにおいて、MLPE機器がBuck型オプティマイザである構成模式図である。
図13】本発明の他の実施例が提供した、光起電力システムにおいて、MLPE機器が遮断器である構成模式図である。
図14】本発明の他の実施例が提供した、光起電力システムには変換器が設けられた構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下は本発明の実施例に係る図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労力をかけない前提で取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0034】
本出願において、用語である「含む」、「包含」、またはそのいずれの他の変体は、非排他的な包含をカバーすることで、一連の要素を含む過程、方法、物品、または機器はそれらの要素だけではなく、さらに明らかに挙げられていない他の要素を含み、このような過程、方法、物品、または機器の固有の要素を含む。より多い限定がない場合、「1つ・・・・を含む」という語句により限定された要素は、 前記要素が含まれた過程、方法、物品、または機器にはさらに他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0035】
従来技術に存在する、操作時間が長く、フローが複雑であり、及び人件費が高いという問題を解決するために、本発明の実施例は、ストリング内の各機器の位置決め方法を提供する。
【0036】
該位置決め方法のフローチャートは図1に示すように、
S101:光起電力システムにおける通信ホストは各MLPE機器の累計運転時間を取得する。
【0037】
該通信ホストは、光起電力システムにおけるコントローラ、例えば、変換器の内部コントローラ、またはシステムコントローラであってもよいし、光起電力システムにおける、コントローラに通信接続される、ローカルのパソコンのような近端のコントローラであってもよいし、さらに、前記いずれかのコントローラに通信接続される上位機、リモート端末、クラウドサーバのうちのいずれか1つであってもよい。
【0038】
実際応用において、光起電力システムにおける各MLPE機器は、入力端が光起電力ユニットに接続され、電気エネルギーを取得した後、各MLPE機器自身の内部プログラムはパワーオン後の累計運転時間を記録するとともに、光起電力システムにおける通信ホストに送信する。そして、ステップS102を実行する。
【0039】
S102:通信ホストは各累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得る。
【0040】
一般的に、1つのストリングには複数の光起電力ユニット及び複数のMLPE機器が含まれ、ストリングのMLPE機器の取付が完了した後、通信ホストは各MLPE機器の累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得る。各光起電力ユニット及びMLPE機器の取付はいずれも一定の時間を必要とするから、各MLPE機器の累計運転時間はそれぞれ異なる。好ましくは、長い順番に応じて、各累計運転時間を順序付け、例えば、ストリング内の12個のMLPE機器の累計運転時間の順序付けの結果は、3、9、11、4、7、5、10、8、1、12、6、2であるが、これに限定されず、短い順番に応じて順序付けてもよく、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0041】
S103:通信ホストは順序付けの結果及びストリング内の各機器の取付順序に応じて、ストリング内の各機器の物理的な位置を確定する。
【0042】
ストリング内の機器は光起電力ユニットまたはモジュールレベルのパワーエレクトロニクスMLPE機器である。光起電力システムにおいて、光起電力ユニットの配列は一般的に事前に設計され、取付順序も規則があり、例えば、ストリングの取付過程において、順序に応じて、#1、#2・・・・#12号の光起電力ユニット及びそれぞれと対応するMLPE機器を順に取り付ける。これに限定されず、当業者は実際必要に応じて光起電力ユニットの取付順序を設定すれば、各MLPE機器は累計運転時間の順序付けの結果及び各光起電力ユニットまたはMLPE機器の取付順序に応じて、それを#1~#12号の光起電力ユニットに対応づけ、対応結果は図2に示すように、図面における矢印は、各光起電力ユニットの取付順序を示す。このように、ストリング内の各機器(即ち、各光起電力ユニットまたはMLPE機器)の物理的な位置を確定する。
【0043】
本実施例が提供した該MLPE機器の位置決め方法において、まず、光起電力システムにおける通信ホストによって、各MLPE機器の累計運転時間を取得し、そして、各累計運転時間を順序付けて、順序付けの結果を得る。各MLPE機器の累計運転時間の長さと対応するユニットの取付順序とは対応関係を有するから、該順序付けの結果と各ユニットまたはMLPE機器の取付順序とに応じて、各累計運転時間のMLPE機器を各ユニットに対応させ、さらにストリング内の各機器の物理的な位置を確定する。従って、各MLPE機器にはタグコードが貼られる必要がなく、且つ取付過程において、作業者が各々のMLPE機器の番号を記録する必要もなく、操作過程を簡略化し、操作時間を節約するとともに、人件費を低減させる。
【0044】
説明に値するのは、前記図2に示す光起電力システムにおける各ストリングのモデルは、オペレーターが実際の必要に応じて、表示インタフェースを有する通信ホストの専用ソフトウェアで構築してもよい。例えば、相応的なAPPまたはWebインタフェースがインストールされたタブレット、スマートフォン、コンピューディスプレイなどの表示インタフェースで操作し、実際の取付順序に応じて、光起電力ユニットを1つずつドラッグして、ストリングのモデルを構築する。または、まず、全ての光起電力ユニットの順序付けを完成して、そして、ジェスチャー(例えば図2における矢印線)で光起電力ユニットの取付順序を描画し、または、まず、多種の取付順序図面を事前に記憶し、オペレーターが対応する取付順序図面を簡単にチェックする。
【0045】
図3及び図4に示すように、両者はそれぞれ、取付順序が異なるストリングのモデルを代表し、図面における矢印線は、各光起電力ユニットと対応するMLPE機器との取付順序を示し、光起電力ユニットの取付順序が変化すると、各MLPE機器の累計運転時間と各光起電力ユニットとの対応関係も変化する。
【0046】
光起電力システムには複数のストリングが存在すると、1つのストリングごとに、各ストリングにおける光起電力ユニットとMLPE機器に対して、それぞれ順序付け及び対応を行って、そのストリングのモデルは図2図4から類推してもよく、さらに、2つのストリングに対して順位の順序付けを行ってもよい。例えば、1つ目のストリングは相変わらず12個の光起電力ユニットと12個のMLPE機器を有し、2つ目のストリングは#13~#16号の光起電力ユニットを有する。まず、1つ目のストリングを取り付け、そして、2つ目のストリングを取り付ける場合、各MLPE機器の累計運転時間に応じて、長い順番に順序付けると、3、9、11、4、7、5、10、8、1、12、6、2、17、18、13、15、14、16になるとともに、各光起電力ユニットまたはMLPE機器の取付順序に対応付け、その対応関係は図5に示される。
【0047】
同じように、複数の光起電力ユニットが同一のMLPE機器に接続される場合でも、前記類似方式でストリングのモデルを構築してもよく、図6に示すように、各々MLPE機器は2つの光起電力ユニットに接続され、前記方式で、同じように各MLPE機器を相応的な光起電力ユニットに対応付けることができる。この場合、より正確に対応するために、MLPE機器が2つの光起電力ユニットの取付位置に配置されるように選択してもよい。
【0048】
または、ストリングにおいて、各光起電力ユニットのいずれにもMLPE機器が取り付けられていることなく、個別の光起電力ユニットにはMLPE機器が取り付けられている場合でも、前記方式に応じて、即ち、各MLPE機器の累計運転時間に基づき、順に相応的な光起電力ユニットに対応付ける。図7に示すように、#2、#9、#8という3つの光起電力ユニットのみにMLPE機器が取り付けられると、各光起電力ユニットの取付順序に応じて、各MLPE機器に対応付ける。
【0049】
本発明の他の実施例はさらに、MLPE機器の位置決め方法を提供し、そのフローチャートは図8に示すように、前記実施例に基づき、ステップS101を実行する前に、さらに、S201、すなわち、各MLPE機器が計時を同期に停止するステップを有する。
【0050】
各MLPE機器の取付時間は一定の時間差を有し、即ち、各MLPE機器の計時開始時刻はそれぞれ異なるから、全てのMLPE機器の取付が完了したと確定した後、計時を同期に停止するように、各MLPE機器を制御し、取得した各MLPE機器の初期メッセージにおける累計運転時間がそれぞれ異なる場合に、各MLPE機器は前記アドホックネットワークという方式でそれぞれの順番を確定できる。
【0051】
具体的に、各MLPE機器が同期停止信号を検出した後、計時を同期に停止し、該同期停止信号は、出力電圧変化、出力電流変化、出力ショート、または特定コードの通信信号のうちの少なくとも1つである。
【0052】
この場合、前記同期停止信号は光起電力システムにおける各MLPE機器の後段の変換器、スイッチ機器、別に増設された同期機器、通信ホスト、または電力網から発生してもよい。別に増設された同期機器を例として説明し、計時を同期に停止するように各MLPE機器を制御する具体的な過程は以下の通りである。すなわち、作業者が全てのMLPE機器の取付が完了したと確定した後、別に増設された同期機器を光起電力ストリングに接続し、別に増設された同期機器により光起電力ストリングに電圧、電流を印加し、または、トリガ信号を各MLPE機器に送信することで、計時の同期停止をトリガする。
【0053】
説明しようとするのは、別に増設された携帯型同期機器はシステムのインストール、デバッグの際に利用され、システムのインストール、デバッグが完成した後、取り外される。
【0054】
光起電力ストリングまたは後段の変換器を電力網に接続する場合、電力網は光起電力ストリングで電圧、電流、周波数などの変化を発生させ、または変換器が電力網に接続された後、グリッド接続作業を開始し、光起電力ストリングで電圧、電流、周波数などの変化を発生させるから、電力網の接続も同期停止信号が生じることができる。
【0055】
同期停止信号は出力ショートであれば、該同期停止信号の発生由来は以下のいずれか1つである。すなわち、
(1)後段変換器の短絡から発生し、例えば、後段変換器はBoost回路であり、Boostトランジスタスイッチが直通するように、ストリングの出力ショートを形成する。
(2)スイッチ機器の短絡から発生し、例えば、光起電力ストリングの2本のケーブルにスイッチ機器を取り付け、スイッチ機器をオフにすることで、ストリングを短絡させる。
(3)ストリングの手動による短絡から発生し、例えば、光起電力ストリングの2本ケーブルでの専用のオス端子とメス端子とを対向挿入することで、出力ショートを形成する。
【0056】
例えば、実際の応用において、各々MLPEの取付が完成した後、所定の電圧、例えば、1Vほどの安全電圧を変換器に出力し、1つのストリングには直列接続された12個のMLPE機器が含まれると、出力電圧は12Vほどである。
【0057】
変換器は12Vほどの入力電圧を受信した後、通信ホストを介して1つの提示信号を送信することで、現在、ストリングの取付が完成したように作業者に知らせる。
【0058】
全てのMLPE機器の取付が完成した後、ソフトウェアにより、変換器またはスイッチ機器を短絡するように制御し、または作業者が手動でストリングを短絡させてもよく、いずれもストリングの出力電圧を0にしてもよく、各MLPE機器はストリングの短絡を検出した後、計時を同期に停止する。2つのストリングがある場合、さらに2つのストリングをエンドツーエンド接続することで、より大きいショートループを形成し、2つのストリングにおけるMLPE機器を一緒に順序付けてもよい。
【0059】
計時を同期に停止するように各MLPE機器をトリガする他の方式も本出願の保護範囲内に該当し、以上は2つの好適な例示のみであり、これに限定されていない。
【0060】
説明に値するのは、実際の応用シーンにはいくつかの特殊状況が存在する可能性があると考慮し、例えば、作業者は当日、光起電力ストリングの一部の取付のみを完成し、残りの光起電力ユニットとMLPE機器を取り付ける十分な時間がない。この場合、夜になるとき、光起電力ユニットのパワーダウンのランダム性の、計時に対する干渉を避けるために、計時を同期に停止するように、光起電力ストリングにおける、取り付けられた各MLPE機器を早めにトリガしてもよい。取り付けられた各MLPE機器は当日のそれぞれの累計運転時間を記録する。翌日、残りの光起電力ユニットとMLPE機器とを取り付ける場合、前日の計時に基づいて計時を引き続けるように取り付けられた各MLPE機器をトリガする。即ち、前記ステップS201を実行し、各MLPE機器が計時を同期に停止した後、さらに、各MLPE機器は計時起動信号を検出したかどうかを判定するステップであって、判定結果がYESであれば、各MLPE機器は計時を回復させるステップを有する。最後は、光起電力ストリング全体の計時を同期に停止し、光起電力ストリングにおける各MLPE機器は、それぞれの最終の累計運転時間を取得する。
【0061】
他の原理は前記実施例と同様であるから、ここで詳細な説明を省略する。
【0062】
本発明の他の実施例はさらにMLPE機器の位置決め方法を提供し、光起電力システムにおける通信ホストによって各MLPE機器の累計運転時間を取得するという前記ステップS101を実行する前に、まず、ステップS401を実行し、そのフローチャートは図9に示される。
【0063】
S401:各MLPE機器によって、計時起動信号を検出した後、計時を開始する。
【0064】
説明しようとするのは、前記各実施例が提供した、MLPE機器の位置決め方法において、光起電力ストリングにおける各MLPE機器がパワーオンされると、計時が開始すると黙認するから、各MLPE機器は計時を同期に停止すると、それぞれ対応する累計運転時間を取得できる。ただし、いろんな要因の影響が考えられる。例えば、出荷の際、事前にMLPE機器が装着され、またはジャンクションボックスにはMLPE機器が集積された光起電力ユニットの場合、MLPE機器が光照射を受けると、電気エネルギーを取得でき、この場合、光起電力ユニットはまだ現場に搬送されて取り付けられない可能性がある。この場合、計時を同期に停止するように各MLPE機器を制御することで、取得された各累計運転時間はもはや正確ではない。
【0065】
従って、本実施例はステップS101を実行する前に、まず、ステップS401を実行し、異なる光起電力ユニットとMLPE機器について、対応する計時起動信号を選択して、計時を開始させ、そして、ステップS201を実行し、さらに、各MLPE機器の正確な累計運転時間を取得する。
【0066】
該計時起動信号は、各MLPE機器が取付段階で検出できる信号である。同一の光起電力システムまたは光起電力ストリングにおいて、各々MLPE機器の取付時刻が異なるから、各MLPE機器は取付時刻で計時起動信号を検出し、計時を開始させるようにトリガされると、各々MLPE機器の計時開始時刻もそれぞれ異なっている。
【0067】
具体的に、各MLPE機器が計時起動信号を検出した方式は、各MLPE機器が所定の電気的変化を検出したこと、各MLPE機器に所定の一時的または永久的な機械的変化が生じたこと、及び、各MLPE機器が通信伝送された計時開始信号を受信したことのうちの、少なくとも1つである。
【0068】
該電気的変化は、電気エネルギーを取得することである。例えば、新規の光起電力システムについて、光起電力ユニットとMLPE機器とは、一般的に、現場でともに取り付けられ、まず、MLPE機器をユニットのフレームまたはホルダーに固定し、MLPE機器の入力端を光起電力ユニットに接続する。従って、先に取り付けられたMLPE機器は、先に光起電力ユニットに接続され、先に電気エネルギーを取得し、先に累計運転時間を記録する。異なるMLPE機器は、取付には時間差が存在するから、記録された累計運転時間が異なる。
【0069】
光起電力システムの改造に対しても同様である。システムの改造において、光起電力ユニットの取付が既に完成し、この場合、MLPE機器を追加すると、先に光起電力ユニットに接続されたMLPEは、先に電気エネルギーを取得し、先に累計運転時間を記録する。異なるMLPE機器は、取付には時間差が存在するから、記録された累計運転時間が異なる。
【0070】
該電気的変化は、入力端または出力端に電気パラメータの変化が生じることであってもよく、電気パラメータは電圧、電流、または電力などを指す。例えば、あるMLPE機器は入力電圧が20Vを超えたと検出すれば、該MLPE機器が既に光起電力ユニットに取り付けられ、計時が開始できることを示す。または、あるMLPE機器は出力電圧が1Vであると検出すれば、該MLPE機器が既にパワーオンされるとともに、初期状態にあり、計時が開始できることを示す。別の機器を利用して各MLPE機器の入力端または出力端から発生する電気パラメータの変化を検出することで、計時するように各MLPE機器をトリガしてもよく、例えば、MLPE機器の出力端に1つの電圧発生装置を接続し、MLPE機器に正確に感知させるように、1つの所定の規律の変化電圧を発生させる。
【0071】
ただし、出荷の際、事前にLPE機器が装着され、またはジャンクションボックスにはMLPE機器が集積された光起電力ユニットについて、MLPE機器が光照射を受けると、電気エネルギーを取得できる。この場合、光起電力ユニットがまだ現場に搬送されて取り付けられない可能性があるので、これは、電気エネルギーを取得するなどの、いくつかの電気変更を利用して、計時をトリガする以上の方式はもはや効果がなくなることを示す。従って、さらに以下の方式で計時起動信号を検出してもよく、即ち、各MLPE機器に所定の一時的または永久的な機械的変化が生じる。
【0072】
実際の応用において、各MLPE機器には一時的または永久的な機械的変化が生じることは、所定の部材が取り付けられたかまたは取り外されたこと、所定の部材がオンまたはオフにされること、或いは、所定の部材の相対的な状態が変更されたことであってもよい。
【0073】
MLPE機器内の所定の部材が取り外され、例えば、MLPE機器は出荷の際、内部の2つのノードの間の接続を連通しまたは切断するための1つのピンが事前に装着され、MLPE機器、またはMLPE機器が事前に装着/集積されたユニットの取付段階で、該ピンを一時または永久に取り外し、内部の2つのノードの間の連通方式を変更させ、MLPE機器は2つのノードの間の連通方式が変更されたと感知した後、計時を開始させるようにトリガされる。該部品は、例えば、磁気ステッカー、NFC近距離通信チップを有する部品などのような、電磁誘導の機器であってもよく、該部品が一時的または永久的に取り外された後、MLPEの内部は磁場の変化、通信信号の変化を感知して、計時を開始させるようにトリガされる。
【0074】
同じように、所定の部材が取り付けられ、例えば、MLPE機器は出荷の際、1つのジャックを予備し、MLPE機器または光起電力ユニットの取付現場で、部品を挿入することで、計時をトリガしようとする場合、該部品はMLPE機器の包装に付けられた部品、または取付現場でよく使用されるネジ回しなどの工具であってもよい。部品は永久的に取り外され、または挿入されることで、計時するようにMLPE機器をトリガしてもよいし、または一時的に取り外され、または1回だけ挿入され、例えば、ネジ回しが1回だけ挿入されると抜けられ、計時をトリガしてもよい。該部品は、例えば磁気ステッカー、NFC近距離通信チップを有する部品などのような、電磁誘導の機器であってもよく、該部品は一時的または永久的にMLPE機器に取り付けられた後、MLPEの内部は磁場の変化、通信信号の変化を感知して、計時を開始させるようにトリガされる。MLPE機器において、取り付けられたかまたは取り外された以上の所定の部材は本実施例の一部の例示のみであり、これに限定されていない。
【0075】
各MLPE機器の所定の部材がオンにされた場合、例えば、MLPE機器またはMLPE機器が事前に装着/集積されたユニットの出荷の場合、出力端子が宙ぶらり状態にあり、取付現場で、MLPE機器に感知させるように、仮に出力端子を対向挿入して連通し、計時のトリガを開始させる。
【0076】
または、各MLPE機器の所定の部材がオフにされ、例えば、MLPE機器またはMLPE機器が事前に装着/集積されたユニットの出荷の場合、出力端子の両端が短絡状態にあり、取付現場で、MLPE機器に感知させるように、出力端子を抜き離して、計時のトリガを開始させる。
【0077】
また、所定の部材の相対的な状態が変更され、例えば、MLPE機器で1つのボタン、ノブ、またはダイヤルスイッチを予備し、取付現場で、ボタン、ノブ、またはダイヤルスイッチの状態を変更することで、計時するようにMLPE機器をトリガする。
【0078】
また、該計時起動信号を検出する方式はさらに以下の通りである。すなわち、各MLPE機器が通信伝送された計時開始信号を受信したことである。実際の応用において、外部機器を利用してMLPE機器に計時開始信号を通信伝送し、即ち、外部通信信号により、計時を開始するように各MLPE機器をトリガしてもよい。例えば、スマートフォン、通信機能を有するスマートウェア機器(例えば、スマートブレスレット、スマートグラス、スマートリングなど)などの携帯型機器により通信信号を発生させ、そして、近距離通信に適する通信技術、例えばNFC近距離通信、ブルートゥース(登録商標)通信などを利用して、スマートフォン、通信機能を有するスマートウェア機器などをMLPE機器に近接させる場合、該通信信号をMLPE機器に送信し、計時を開始するようにMLPE機器をトリガする。説明しようとするのは、近距離通信を採用する優勢は、計時するようにあるMLPE機器をトリガする場合、距離が近い他のMLPE機器が間違ってトリガされることを招致することがないことにある。
【0079】
前記計時をトリガする通信信号は、MLPE機器の活性化信号としてもよい。MLPE機器は非活性化状態にある場合、安全電圧を出力し、活性化されると、外部に電力を正常に出力できる。
【0080】
他の原理は前記実施例と同様であるから、ここで詳細な説明を省略する。
【0081】
本発明の他の実施例はさらにMLPE機器の位置決め方法を提供し、前記実施例において、各MLPE機器が計時を同期に停止した後、且つ各MLPE機器がそれぞれの累計運転時間を光起電力システムにおける通信ホストに送信する前に、それぞれの累計運転時間を報告する際に信号衝突が生じることを避けるために、本実施例が提供した位置決め方法はフローチャート10に示すように、さらに、S301、すなわち、各MLPE機器が所定の規律に応じてそれぞれの累計運転時間を報告するステップを有する。
【0082】
各MLPE機器は計時を同期に停止した後、それぞれの累計運転時間を光起電力システムにおける通信ホストに主動的に報告する。各MLPE機器の信号衝突の発生確率を低減させるために、各MLPE機器は所定の規律に応じてそれぞれの累計運転時間を報告してもよい、該所定の規律は以下の方式で取得される。
【0083】
第1の方式:計時を停止した後、ランダムな時間長さだけ待って報告する。各々MLPE機器の対応するランダムな時間長さはそれぞれ異なる可能性があり、同じものがあっても、その数が少ないから、衝突を招致しない。
【0084】
第2の方式:計時を停止した後、それぞれの対応する所定の時間長さだけ待って報告する。説明しようとするのは、該所定の時間長さはそれぞれの累計運転時間に応じて取得される。例えば、累計運転時間と相関する(正の相関または負の相関)値に設定され、例えば、MLPE機器の主動的な報告時刻を計時停止のT時間後にして、Tはいずれの値の範囲であってもよく、例えば、Tが累計運転時間/3600である。例えば、MLPE機器1の累計運転時間は62分33秒であり、MLPE機器2の累計運転時間は57分15秒であれば、計時を停止した後、MLPE機器1の主動的な報告時刻は、62分33秒/3600=1.0425秒であり、一方、計時を停止した後、MLPE機器2の主動的な報告時刻は、57分15秒/3600=0.9542秒である。このように類推すれば、各累計運転時間長さが異なるから、各MLPE機器の主動的な報告時刻も異なる。または、該所定の時間長さを各MLPE機器の配列番号と相関する値にして、例えば、各MLPE機器の配列番号(または配列番号の一部)を、累計運転時間を主動的に報告する時刻に換算し、各々MLPE機器の配列番号が異なるから、換算された、主動的な報告時刻が必然として異なる。
【0085】
第3の方式:いずれかのMLPE機器が報告した後、他の機器が自身と報告した機器との間の累計運転時間の差に応じて、自身の報告時間を確定する。具体的に、いずれかのMLPE機器が自身の累計運転時間を報告した後、他のMLPE機器が該累計運転時間を受信し、解析して、自身と報告した機器との間の累計運転時間の差を取得し、さらに自身の報告時間を確定する。例えば、MLPE機器1は主動的に報告した後、MLPE機器2は、自身とMLPE機器1の累計運転時間との時間差が7分24秒であることを算出し、7分24秒/360=1.233s後、累計運転時間を報告してもよい。
【0086】
説明しようとするのは、以上の3つの方式は本実施例の一部の例示のみであるが、これに限定されず、該所定の規律は各MLPE機器に信号衝突が生じることを避ければよく、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0087】
他の原理は前記実施例と同様であるから、ここで詳細な説明を省略する。
【0088】
本発明の他の実施例はさらに光起電力システムを提供し、該システムの構成模式図は図11に示すように、通信ホスト110、及び少なくとも1つのストリング120を備え、
ストリング120は相応的なMLPE機器により並列接続(図11に示すように)または直列接続(如図14に示すように)を実現する複数の光起電力ユニットを有し、通信ホスト110と各MLPE機器とは通信を介して接続されることで、前記実施例が提供したいずれかのストリング内の各機器の位置決め方法を実現する。
【0089】
実際の応用において、該ストリング120におけるMLPE機器は、光起電力ユニットに対して最大電力点追従(Maximum power point tracking、MPPT)を行うための電力オプティマイザ、または光起電力ユニットに対してオン及びオフ操作を行うための遮断器、或いはユニットモニタであってもよい。この場合、同一ストリング内の各主回路の出力端が順に直列接続され、電力オプティマイザはさらに、直流電力オプティマイザと交流電力オプティマイザという2つに分けられ、直流電力オプティマイザは入力低圧直流を出力低圧直流に変換し、そして高圧直流になるように直列接続される。交流電力オプティマイザは入力低圧直流を出力低圧交流に変換し、そして、高圧交流になるように直列接続される。MLPE機器はマイクロインバータ装置であれば、同一のストリング内の各主回路の出力端は並列接続されるが、これに限定されていない。図12図13に示すように、それぞれはBuck型オプティマイザと遮断器との基本構成である。
【0090】
説明しようとするのは、MLPE機器はマイクロインバータであれば、後段の変換器を必要とすることなく(図11に示すように)、直接に電力網に出力できる。ただし、MLPE機器はBuck型オプティマイザまたは遮断器である時、ストリングの電気エネルギーを受信し、変換するための後段変換器を必要とする。この場合、該光起電力システムの構成模式図は図14に示すように、変換器は、例えば、光起電力インバータまたはエネルギー貯蔵コンバータなどのようなDCDC変換器、またはDCAC変換器であってもよいが、これに限定されていない。MLPE機器は交流オプティマイザであれば、複数の交流オプティマイザから出力された低圧交流は高圧交流になるように直列接続され、直接的にグリッド接続されることができるから、図14における後段変換器を省略してもよい。
【0091】
該通信ホスト110は光起電力システム内部のコントローラ、例えば、独立のシステムコントローラまたは変換器の内部コントローラであってもよいし、光起電力システムにおけるコントローラに通信接続される、近端のコントローラ、例えばローカルのパソコンであってもよいし、さらに、前記いずれかのコントローラに通信接続されるリモート、またはクラウドのサーバ、スマートフォンなどの表示端末であってもよいが、これに限定されていない。
【0092】
通信ホスト110と各MLPE機器との間の通信は、例えば、RS485またはイーサネットなどのような有線通信であってもよいし、例えば、WIFI、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(ジグビー)、Lora(低消費電力広域ネットワークの1つ )などのような無線通信であってもよいし、さらに、電力線キャリア通信のうちの1つであってもよく、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0093】
且つ、他の原理は前記実施例と同様であるから、ここで詳細な説明を省略する。
【0094】
本明細書における各実施例に対して、いずれも漸進するように記載し、各実施例の間の同じまたは類似の部分は互いに参照すればよく、各々の実施例について主に他の実施例との相違点を説明する。特に、システムまたはシステムの実施例は、基本的に方法の実施例に類似するから、簡単に記載され、関連するところについて、方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。以上の記載のシステム及びシステムの実施例は、概略的であり、前述において別体部材として説明された手段は、物理的な別体としてもよく、そうでなくてもよい。手段として示された部材は、物理的な手段であってもよく、そうでなくてもよく、即ち、1つの箇所に位置してもよく、または複数のネットワーク手段に分布されてもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部または全てのモジュールを選択して、本実施例の技術案の目的を実現できる。当業者が進歩性に値する労力をかけなくても、理解し且つ実施できる。
【0095】
当業者がさらに認識できるように、本明細書に開示された実施例に記載の各例示的な手段及びアルゴリズムステップを結合して、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の結合を介して実現でき、ハードウェアとソフトウェアとの互換可能性を明らかに説明するために、前記説明において、既に機能に応じて、各例示の構成及びステップを一般的に記載した。これらの機能は、ハードウェア、それともソフトウェアの方式で実行されることは、技術案の特定の応用及び設計の制限条件に依存する。当業者は各々特定の応用に応じて、異なる方法を利用することで、記載の機能を実現でき。このような実現は、本発明の範囲に含まれる。
【0096】
開示された実施例についての前記説明により、当業者は本発明の実現または利用をすることができる。これらの実施例に対する様々な修正は、当業者にとって自明であり、本明細書に定義された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱しない場合、他の実施例において実現されることができる。従って、本発明は、本明細書に開示されたこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14