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特許7319423学習支援装置、学習支援方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20230725BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022070244
(22)【出願日】2022-04-21
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 倫也
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-053270(JP,A)
【文献】特開2019-113865(JP,A)
【文献】特開2008-180838(JP,A)
【文献】理系入試数学~基礎理論とその応用~[オンライン],日本,2021年02月06日,[令和5年4月27日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/ web/20210206000033/https://gpzemi.gakken.jp/prime/class/2491/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得する学習データ取得部と、
取得した前記学習データに基づいて、対応する前記段階における前記ユーザの理解度に関するポイントを算出するポイント算出部と、
対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出された前記ポイントを用いて、学習データが取得された時期、または対応する段階の単元における重要度に基づいて定まる重みに基づいて前記スコアを更新するスコア更新部と、
ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得する志望校データ取得部と、
前記志望校データに示された学校の過去の合格者の集団における前記スコアの推移を示す目標データと、対応するユーザにおける前記スコアの推移を比較して呈示するデータ呈示部を含む
学習支援装置。
【請求項2】
各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得する学習データ取得部と、
取得した前記学習データに基づいて、対応する前記段階における前記ユーザの理解度に関するポイントを算出するポイント算出部と、
対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出された前記ポイントを用いて、前記スコアを更新するスコア更新部と、
ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得する志望校データ取得部と、
所定のユーザにおける前記スコアの推移から、対応する前記ユーザにおける将来のスコアの推移を予測するスコア予測部と、
前記志望校データに示された学校の過去の合格者の集団における前記スコアの推移を示す目標データと、予測された将来のスコアの推移を比較して呈示するデータ呈示部を含む
学習支援装置。
【請求項3】
各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得する学習データ取得部と、
取得した前記学習データに基づいて、対応する前記段階における前記ユーザの理解度に関するポイントを算出するポイント算出部と、
対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出された前記ポイントを用いて、前記スコアを更新するスコア更新部と、
ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得する志望校データ取得部と、
前記志望校データに示された学校の過去の合格者の集団における前記スコアの推移を複数年度に亘り示した目標データと、対応するユーザにおける前記スコアの推移を前記目標データと時期、学年を揃えて比較して呈示するデータ呈示部を含む
学習支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の学習支援装置であって、
前記データ呈示部は、
前記志望校データに示された学校の過去の合格者の集団における前記スコアの推移を複数年度に亘り示した目標データと、対応するユーザにおける前記スコアの推移を前記目標データと時期、学年を揃えて比較して呈示する
学習支援装置。
【請求項5】
学習支援装置が実行する学習支援方法であって、
各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得するステップと、
取得した前記学習データに基づいて、対応する前記段階における前記ユーザの理解度に関するポイントを算出するステップと、
対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出された前記ポイントを用いて、学習データが取得された時期、または対応する段階の単元における重要度に基づいて定まる重みに基づいて前記スコアを更新するステップと、
ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得するステップと、
前記志望校データに示された学校の過去の合格者の集団における前記スコアの推移を示す目標データと、対応するユーザにおける前記スコアの推移を比較して呈示するステップを含む
学習支援方法。
【請求項6】
コンピュータを請求項1から4の何れかに記載の学習支援装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置、学習支援方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
模擬試験の偏差値に基づいて、進路指導支援をするプログラムの従来技術として特許文献1が開示されている。
【0003】
特許文献1の進路指導支援プログラムは、指導対象とする指導対象者を指定する情報を入力する第1の工程、志望校を指定する情報を入力する第2の工程、第2の工程で指定された志望校について、各々所定の偏差値範囲に合否可能性判定が割り当てられた複数の可能性偏差値範囲を示す情報を取得する第3の工程、第1の工程で指定された指導対象者の複数回の模擬試験の偏差値の最高偏差値と最低偏差値とを取得する第4の工程、第3の工程で取得した複数の可能性偏差値範囲を区別して帯状に示す第1の帯表示と、第4の工程で取得した最高偏差値と最低偏差値とを帯状に示す第2の帯表示とを、偏差値の表示位置を合わせて同一画面上で関連づけて表示する第5の工程をコンピュータに実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-180833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
模試の得点から算出した偏差値に基づいて合格可能性を推定する方法は良く知られているが、課題がある。模試における偏差値は、模試を解答した学生の集団において、対象となる学生が上位何%に位置するかを示すにすぎないため、例えば高校1年生を対象とする模試において偏差値を算出して、何れかの大学に対する合格可能性を推定したとしても精度が低い。模試の試験範囲が既に学習した範囲に限定されているからである。学生の中には、高校1年生の時点で高校2、3年の学習範囲を先取り学習している者もいるが、試験範囲を限定した模試では、この効果を測定することができない。さらに、模試の偏差値は出題された問題の学習範囲に限定される点も精度が低い原因である。高校入試においても中学1年時、2年時に行われる模試について同様のことがいえる。中学入試についても同様である。
【0006】
また、大学入試関連の模試は高校3年生向けのものは多く開催されるが、他学年においては、頻繁には開催されないため、学生のモチベーションを維持しながら短期目標、中長期目標を呈示し続けるペースメーカーとしては不十分である。高校、中学入試においても同様のことがいえる。
【0007】
そこで本発明では、合格可能性を高精度に推定でき、ユーザのモチベーションを維持しながら短期目標、中長期目標を呈示し続けることができる学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の学習支援装置は、学習データ取得部と、ポイント算出部と、スコア更新部と、志望校データ取得部と、データ呈示部を含む。
【0009】
学習データ取得部は、各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得する。ポイント算出部は、取得した学習データに基づいて、対応する段階におけるユーザの理解度に関するポイントを算出する。スコア更新部は、対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出されたポイントを用いて、スコアを更新する。志望校データ取得部は、ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得する。データ呈示部は、志望校データに示された学校の過去の合格者の集団におけるスコアの推移を示す目標データと、対応するユーザにおけるスコアの推移を比較して呈示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の学習支援装置によれば、合格可能性を高精度に推定でき、ユーザのモチベーションを維持しながら短期目標、中長期目標を呈示し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の学習支援装置の機能構成を示すブロック図。
図2】実施例1の学習支援装置の動作を示すフローチャート。
図3】実施例1の学習データ取得部の動作を説明する図。
図4】実施例1のポイント算出部、スコア更新部の動作例を説明する図。
図5】実施例1のデータ呈示部が呈示するグラフを例示する図。
図6】実施例1の志望校データ取得部の動作例を説明する図。
図7】実施例1のデータ呈示部が呈示する指導例を示す図。
図8】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
以下、図1を参照して実施例1の学習支援装置の機能構成について説明する。同図に示すように本実施例の学習支援装置1は、学習データ取得部11と、学習履歴データベース10Aと、ポイント算出部12と、スコア更新部13と、理解度データベース10Bと、志望校データ取得部14と、スコア予測部15と、データ呈示部16を含む。
【0014】
以下、図2図7を参照して各構成要件の動作を説明する。
【0015】
<学習データ取得部11>
学習データ取得部11は、各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データと、対応するユーザIDをユーザから取得する(S11)。
【0016】
≪段階≫
上述したように、学習カリキュラムにおいて、各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の「段階」に分割しておく。例えば、教科「数学IIB」の単元「軌跡と領域」について入学試験までに必要となる学習内容を、(1)~(6)までの段階(STEPとも表現する)に分割して設定する。各段階は、例えば、(1)媒介変数表示、(2)軌跡、(3)領域、…などと設定される。段階はもっと多くてもよい。例えば一つの単元を数十~数百STEPに分割してもよい。ユーザの学習は段階(1)からスタートするものとし、ある段階のユーザの理解度が十分に(またはある程度)深まったと判断された時点で、ユーザはその段階よりも1つ上の数字の段階への挑戦をスタートする。また、段階(1)と段階(2)を並行して学習し、両方の理解度が十分に深まったと判断された時点で、段階(3)への挑戦をスタートしてもよいし、段階(1)と段階(2)を飛ばして段階(3)から学習をスタートしてもよい。
【0017】
例えば、デジタル教材や練習問題などを予め各単元における何れかの段階に対応付けておき、図3に例示するように、ユーザ(生徒)がデジタル教材を学習した結果、ユーザ(生徒)が提出した答案などを学習データとして取得することができる。同図の例では、単元Aの段階(6)について〇、単元Bの段階(5)について×、単元Cの段階(2)について〇、単元Dの段階(2)について×という学習データを取得した。
【0018】
〇と×の意味としては、例えば、該当の段階における理解が十分でない、該当の段階の提出物が不足、該当の段階における演習問題に誤答がある、該当の段階における演習問題の成績が基準を超えていない、該当の段階において受講すべき授業を全て受講していないなどの場合(またはこれらの何れか1つに該当する場合)に×とし、それ以外の場合に〇を付与すればよい。前述したように段階(STEP)を数十~数百と設定した場合、各段階に対して、1つの演習問題のみを割当て、該当の演習問題が正解である場合に〇、不正解である場合に×を付与してもよい。
【0019】
<学習履歴データベース10A>
学習履歴データベース10Aは、ステップS11で取得した学習データをユーザIDと共に記憶する。
【0020】
<ポイント算出部12>
ポイント算出部12は、取得した学習データに基づいて、対応する段階におけるユーザの理解度に関するポイントを算出する(S12)。例えば図4に示すように、前述の例における〇を1ポイント、×を0ポイントに換算し、単元Aの段階(6)について1ポイント、単元Bの段階(5)について0ポイント、単元Cの段階(2)について1ポイント、単元Dの段階(2)について0ポイントとすることができる。ポイントの付け方に特に制限はない。〇に5ポイント、×に0ポイントを付与してもよいし、〇に10ポイント、×に1ポイントを付与してもよい。また、〇に3ポイント、×に-1ポイントを付与してもよい。
【0021】
<スコア更新部13>
スコア更新部13は、対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアにおいて、算出されたポイントを用いて、スコアを更新する(S13)。
【0022】
スコア更新部13は、学習データが取得された時期、または対応する段階の単元における重要度に基づいて定まる重みに基づいてスコアを更新すれば好適である。例えば図4の例では、単元Eは10の段階からなり、そのうちの(1)の段階においてポイントが+1となっているので、スコアを10と更新した。また、例えば単元Aは段階(1)が10、段階(2)から(19)が5の重みを持っており、前回スコアは段階(5)までの30であるところで、段階(6)のポイントが+1だったために、単元Aの最新スコアが35と更新された。
【0023】
また、この状況で仮に単元Aの段階(1)~(6)でポイントが追加されたとしてもその分のスコアは既に加算されているとして最新スコアを35から変更しないとしてもよい。
【0024】
また、スコア更新部13は、学習データが取得された時期、または対応する段階の単元における重要度に基づいて定まる重みに基づいてポイントを重み付けして過去の理解度を表すスコアに加算してもよい。例えば図4の例では、単元C-(3)は単元Cにおける重要度が高いため、+10(重み付け係数=10)とし、単元C-(2)は単元Cにおける重要度が中程度であるため、+5(重み付け係数=5.0)として、重みづけ加算することにより、単元Cの前回理解度(スコア)=40に対し、単元Cの最新理解度(スコア)=55と更新された。例えば1か月前のスコアを前回理解度(スコア)として用いることができる。
【0025】
学習データが取得された時期が受験から遠い時期であればあるほど、重み付けの係数を小さくしてもよい。例えば高1春に取得された学習データに対して、重み付け係数=0.75を付与し、高3秋に取得された学習データに対して重み付け係数=1.25を付与してもよい。
【0026】
<理解度データベース10B>
理解度データベース10Bは、スコア更新部13で更新された単元ごとのスコアをユーザIDと対応付けて記憶する。
【0027】
<志望校データ取得部14>
志望校データ取得部14は、ユーザが志望する学校に関するデータである志望校データを取得する(S14)。
【0028】
<スコア予測部15>
スコア予測部15は、所定のユーザにおけるスコアの推移から、対応するユーザにおける将来のスコアの推移を予測する(S15)。スコア予測部15は、予測の方法として、最も簡単には、例えば現在までのスコアの推移から平均変化率を取得し、この平均変化率を傾きとした直線のグラフで補完する方法を用いてもよい。
【0029】
またスコア予測部15は、全ユーザのスコア推移の傾向を平均化した曲線パターンを予め保持しておき、この曲線パターンと、対象ユーザの現在までのスコアの推移との当てはまりが良くなるように調整して、現在までのスコアの推移に重ね合わせる方法を用いてもよい。
【0030】
これ以外にスコア予測部15は、過去のユーザのスコア推移をいくつかのパターン(類型)に分類してこれらに対応する曲線パターンを記憶しておき、対象ユーザの現在までのスコアの推移が、何れのパターン(類型)に最も良く当てはまるかを判断したうえで、最も当てはまりが良いパターン(類型)に対応付けられている曲線パターンを現在までのスコアの推移に重ね合わせる方法を用いてもよい。
【0031】
<データ呈示部16>
データ呈示部16は、志望校データに示された学校の過去の合格者の集団におけるスコアの推移を示す目標データと、対応するユーザにおけるスコアの推移を学年、時期を揃えて比較して呈示する(S16)。呈示例として図5を示す。同図の一点鎖線のグラフは過去の志望校(○○大学理学部)合格者の集団における単元Aのスコアの推移(目標データ)を複数年度に亘り示したものである。これに対し、同図の実線のグラフは、対象となるユーザにおける単元Aのスコアの推移を、目標データと時期、学年を揃えて示したものである。
【0032】
ステップS16のデータ呈示により、ユーザは、自身の現在の学力が過去の合格者の集団の同時期の学力に対してどの程度の位置にあるかを知ることができるだけでなく、自身の学力の推移(グラフの傾き)が過去の合格者の集団における学力の推移(グラフの傾き)と比較して、良い傾向にあるか否かを直感的に捉えることができる。
【0033】
データ呈示部16は、ステップS15で予測された将来のスコアの推移を、目標データと比較して呈示すればさらに好適である。図5の破線のグラフは、対象となるユーザにおける将来のスコアの推移を予測したグラフである。
【0034】
志望校データに示された学校の過去の合格者の集団におけるスコアの統計値(平均値、中央値、25パーセンタイル値などでもよい)として、図6の例を示す。この例では、志望校データに示された学校の過去の合格者の集団におけるスコアの統計値(平均値、中央値、25パーセンタイル値など)が、単元Aにおいて80、単元Bにおいて70、単元Cにおいて90、…などであったことを示している。
【0035】
データ呈示部16は、このスコアの統計値を用いて、図7に示すデータの呈示を行ってもよい。図7に示す表では、対象となるユーザの前回のスコア、現在のスコア、図6で取得されたスコア(目標スコア)、直近に取得した学習データについての評価(同図の例では正誤)を表している。
【0036】
データ呈示部16は、目標スコアの高低、現在のスコアの高低、スコアの推移、直近に取得した学習データについての評価に基づいて、指導メッセージを呈示することができる。指導メッセージは、ユーザに呈示してもよいし、ユーザを指導する指導者に指導の補助のために呈示してもよい。例えば同図の例では、目標スコアに対する現在のスコアの高低について、現在が「低」×目標が「高」のパターンであり、スコアの推移として「成績が落ちている」パターンであり、直近に取得した学習データの評価「×」に対し、映像によるサジェスト+激励メッセージを呈示している。また、目標スコアに対する現在のスコアの高低について、現在が「高」×目標が「高」のパターンであり、スコアの推移として「成績維持」パターンであり、直近に取得した学習データの評価「〇」に対し、発展問題の紹介+順調メッセージを呈示している。
【0037】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0038】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0039】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0040】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0041】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0042】
上述の各種の処理は、図8に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0043】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0044】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0045】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0046】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【要約】      (修正有)
【課題】合格可能性を高精度に推定しユーザのモチベーションを維持しながら短期目標と中長期目標を呈示し続ける学習支援装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】学習支援装置1において、学習データ取得部11は、各教科の各単元において入学試験までに必要となる学習内容を複数の段階に分割した各段階のうち、何れかの段階に関する学習データをユーザから取得する。ポイント算出部12は、取得した学習データに基づき対応する段階でのユーザの理解度に関するポイントを算出する。スコア更新部13は、対応するユーザの対応する単元の過去の理解度を表すスコアを、算出したポイントを用いて更新する。志望校データ取得部14は、ユーザの志望校に関する志望校データを取得する。データ呈示部16は、志望校データに示された学校の過去の合格者の集団におけるスコアの推移を示す目標データと、対応するユーザにおけるスコアの推移を比較して呈示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8