(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、携帯通信端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20230725BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230725BHJP
【FI】
G06Q20/10 320
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022155829
(22)【出願日】2022-09-29
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】大野 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】小岩井 航介
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-344215(JP,A)
【文献】特開2018-015864(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0038713(KR,A)
【文献】インターネット口座振替契約受付サービス:三井住友銀行,[online],2021年08月13日,[2023年2月16日検索],インターネット <URL:https://web.archive.org/web/20210813085750/https://www.smbc.co.jp/kojin/furikomi/koufuri/>
【文献】振込を行う お取引操作ガイド(パソコン版) - 新生パワーダイレクト|新生銀行,[online],2022年05月22日,[2023年2月16日検索],インターネット <URL:https://web.archive.org/web/20220522045023/https://www.shinseibank.com/service/newpd/guide/furikomi.html>
【文献】Web口座振替受付サービス|りそな銀行,[online],2021年08月14日,[2023年2月16日検索],インターネット <URL:https://web.archive.org/web/20210814024153/https://www.resonabank.co.jp/hojin/service/eb/urikakekin/webkouza/index.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信する絞込用情報受信部と、
複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて
前記端末のユーザが属する国を特定し、特定した国に関連付けられている機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するリスト生成部と、
生成した前記リストを前記端末に送信するリスト送信部と、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させる表示制御部と、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付ける申込受付部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記絞込用情報受信部は、前記端末が二次元コード、バーコード又は画像に基づいて抽出した情報を前記絞込用情報として取得し、
前記リスト生成部は、前記二次元コード、バーコード又は画像に基づく前記絞込用情報に基づいて前記ユーザが属する国を特定する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記端末は、携帯電話機であり、
前記絞込用情報受信部は、前記端末に割り当てられている電話番号を前記絞込用情報として取得し、
前記リスト生成部は、前記絞込用情報としての前記電話番号に基づいて前記ユーザが属する国を特定する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信する絞込用情報受信部と、
前記所定の申込を行うために必要な個人情報の種別を特定し、金融機関、通信キャリア、教育機関、公共機関のうち少なくともいずれかの機関を含む複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関
のうち、特定した全ての種別それぞれに対応する個人情報を保有する複数の機関を示すリストを生成するリスト生成部と、
生成した前記リストを前記端末に送信するリスト送信部と、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させる表示制御部と、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付ける申込受付部と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信する絞込用情報受信部と、
複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するリスト生成部と、
生成した前記リストを前記端末に送信するリスト送信部と、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させる表示制御部と、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付ける申込受付部と、
前記申込受付部が前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けた後、前記端末のユーザが前記所定の申込を受け付ける事業者との間で前記所定の申込に係る所定の契約を締結することの同意を受け付けるための画面を前記端末に表示させる同意受付部と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の申込は、通信サービスに係る利用契約の締結に係る申込であり、
前記同意受付部は、前記通信サービスに係る利用契約を締結することの同意を受け付ける前記画面を前記端末に表示させる、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の申込は、eSIM(Embedded-SIM)の利用契約の締結に係る申込であり、
前記同意受付部が前記eSIMの利用契約を締結することの同意を受け付けると、前記eSIMのプロファイルデータを前記端末に提供する提供部をさらに有する、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記機関は金融機関であり、
前記個人情報には、金融機関における前記ユーザの口座情報が含まれており、
前記所定の契約は、コード決済のサービスの利用契約であり、
前記同意受付部が前記所定の契約を締結することの同意を受け付けると、前記コード決済のサービスにおいて前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報を生成し、前記個人情報に含まれる前記口座情報と、生成した前記ユーザ識別情報とを関連付ける生成部をさらに有する、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記機関は金融機関であり、
前記所定の申込は、所定のサービスの利用及び前記所定のサービスの利用に対する利用料の引き落としに係る申込であり、
前記表示制御部は、前記端末において選択された前記一の機関の前記機関サーバが、前記所定の申込に対して前記個人情報を提供するとともに、前記利用料を引き落とすことの許諾を受け付けるための画面を前記端末に表示させる、
請求項1
、4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信するステップと、
複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて
前記端末のユーザが属する国を特定し、特定した国に関連付けられている機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するステップと、
生成した前記リストを前記端末に送信するステップと、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させるステップと、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信するステップと、
前記所定の申込を行うために必要な個人情報の種別を特定し、金融機関、通信キャリア、教育機関、公共機関のうち少なくともいずれかの機関を含む複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関
のうち、特定した全ての種別それぞれに対応する個人情報を保有する複数の機関を示すリストを生成するステップと、
生成した前記リストを前記端末に送信するステップと、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させるステップと、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信するステップと、
複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するステップと、
生成した前記リストを前記端末に送信するステップと、
前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させるステップと、
前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けるステップと、
前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けた後、前記端末のユーザが前記所定の申込を受け付ける事業者との間で前記所定の申込に係る所定の契約を締結することの同意を受け付けるための画面を前記端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報
として前記ユーザが属する国を特定するための情報を取得する絞込用情報取得部と、
前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから前記絞込用情報に基づいて
特定された前記ユーザが属する国に関連付けられている機関を含むリストを取得するリスト取得部と、
前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部と、
前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部と、
前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部と、
を有する携帯通信端末。
【請求項14】
前記絞込用情報取得部は、二次元コード、バーコード又は画像を読み込み、前記二次元コード、バーコード又は画像が示す情報を前記絞込用情報として取得する、
請求項
13に記載の携帯通信端末。
【請求項15】
前記携帯通信端末は、携帯電話機であり、
前記絞込用情報取得部は、前記携帯通信端末に割り当てられている電話番号を前記絞込用情報として取得する、
請求項
13に記載の携帯通信端末。
【請求項16】
コンピュータを、
所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を取得する絞込用情報取得部、
前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから
、前記絞込用情報に基づいて
特定された前記ユーザが属する国に関連付けられている機関を含むリストを取得するリスト取得部、
前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部、
前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部、及び、
前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部、
として機能させるプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を取得する絞込用情報取得部、
前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから、
金融機関、通信キャリア、教育機関、公共機関のうち少なくともいずれかの機関を含む複数の機関のうち、前記絞込用情報に基づいて絞り込まれ
、前記所定の申込を行うために必要な全ての個人情報の種別それぞれに対応する個人情報を保有する機関を含むリストを取得するリスト取得部、
前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部、
前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部、及び、
前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部、
として機能させるプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を取得する絞込用情報取得部、
前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから前記絞込用情報に基づいて絞り込まれた機関を含むリストを取得するリスト取得部、
前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部、
前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部
、
前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部、
及び、
前記個人情報取得部が前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記個人情報を取得させ、前記申込受付サーバが前記所定の申込を受け付けた後、前記ユーザが前記所定の申込を受け付ける事業者との間で前記所定の申込に係る所定の契約を締結することの同意を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる同意受付部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、携帯通信端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが新たなサービスの利用を申し込むにあたり、サービスを提供する事業者にユーザの個人情報を提供することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、新たにサービスの利用を申し込むにあたり、毎回個人情報の入力を行う必要があり、ユーザにとって申込作業が煩雑であるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、所定の申込を行う際のユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信する絞込用情報受信部と、複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するリスト生成部と、生成した前記リストを前記端末に送信するリスト送信部と、前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させる表示制御部と、前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付ける申込受付部と、を有する。
【0007】
前記リスト生成部は、前記絞込用情報に基づいて前記端末のユーザが属する国を特定し、特定した国に関連付けられている機関を選択してもよい。
前記絞込用情報受信部は、前記端末が二次元コード、バーコード又は画像に基づいて抽出した情報を前記絞込用情報として取得し、前記リスト生成部は、前記二次元コード、バーコード又は画像に基づく前記絞込用情報に基づいて前記ユーザが属する国を特定してもよい。
【0008】
前記端末は、携帯電話機であり、前記絞込用情報受信部は、前記端末に割り当てられている電話番号を前記絞込用情報として取得し、前記リスト生成部は、前記絞込用情報としての前記電話番号に基づいて前記ユーザが属する国を特定してもよい。
【0009】
前記リスト生成部は、複数の種類の機関である、金融機関、通信キャリア、教育機関、公共機関のうち少なくともいずれかの機関を含む前記リストを生成してもよい。
前記リスト生成部は、前記所定の申込を行うために個人情報の種別を特定し、特定した全ての種別それぞれに対応する個人情報を保有する複数の機関を示す前記リストを生成してもよい。
【0010】
前記機関は金融機関であり、前記所定の申込は、所定のサービスの利用及び前記所定のサービスの利用に対する利用料の引き落としに係る申込であり、前記表示制御部は、前記端末において選択された前記一の機関の前記機関サーバが、前記所定の申込に対して前記個人情報を提供するとともに、前記利用料を引き落とすことの許諾を受け付けるための画面を前記端末に表示させてもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記申込受付部が前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けた後、前記端末のユーザが前記所定の申込を受け付ける事業者との間で前記所定の申込に係る所定の契約を締結することの同意を受け付けるための画面を前記端末に表示させる同意受付部をさらに有してもよい。
【0012】
前記所定の申込は、通信サービスに係る利用契約の締結に係る申込であり、前記同意受付部は、前記通信サービスに係る利用契約を締結することの同意を受け付ける前記画面を前記端末に表示させるものとしてもよい。
【0013】
前記所定の申込は、eSIM(Embedded-SIM)の利用契約の締結に係る申込であり、前記情報処理装置は、前記同意受付部が前記eSIMの利用契約を締結することの同意を受け付けると、前記eSIMのプロファイルデータを前記端末に提供する提供部をさらに有するものとしてもよい。
【0014】
前記機関は金融機関であり、前記個人情報には、金融機関における前記ユーザの口座情報が含まれており、前記所定の契約は、コード決済のサービスの利用契約であり、前記同意受付部が前記所定の契約を締結することの同意を受け付けると、前記コード決済のサービスにおいて前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報を生成し、前記個人情報に含まれる前記口座情報と、生成した前記ユーザ識別情報とを関連付ける生成部をさらに有するものとしてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信するステップと、複数の機関の中から、前記絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するステップと、生成した前記リストを前記端末に送信するステップと、前記端末において前記リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して前記個人情報を提供することの許諾を前記機関サーバが受け付けるための画面を前記端末に表示させるステップと、前記機関サーバが前記端末から前記許諾を受け付けた後、前記機関サーバが保有している前記個人情報を取得し、前記所定の申込を受け付けるステップと、を有する、コンピュータが実行する情報処理方法である。
【0016】
本発明の第3の態様に係る携帯通信端末は、所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を取得する絞込用情報取得部と、前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから前記絞込用情報に基づいて絞り込まれた機関を含むリストを取得するリスト取得部と、前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部と、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部と、前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部と、を有する。
【0017】
前記絞込用情報取得部は、前記絞込用情報として前記ユーザが属する国を特定するための情報を取得し、前記リスト取得部は、前記絞込用情報に基づいて特定された前記ユーザが属する国に関連付けられている機関を含む前記リストを取得してもよい。
【0018】
前記絞込用情報取得部は、二次元コード、バーコード又は画像を読み込み、前記二次元コード、バーコード又は画像が示す情報を前記絞込用情報として取得してもよい。
前記携帯通信端末は、携帯電話機であり、前記絞込用情報取得部は、前記携帯通信端末に割り当てられている電話番号を前記絞込用情報として取得してもよい。
【0019】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、コンピュータを、所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を取得する絞込用情報取得部、前記申込を受け付ける申込受付サーバに前記絞込用情報を送信し、前記申込受付サーバから前記絞込用情報に基づいて絞り込まれた機関を含むリストを取得するリスト取得部、前記リスト取得部が取得した前記リストを表示部に表示させ、前記リストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける選択受付部、前記一の機関のサーバである機関サーバが前記所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾受付部、及び、前記許諾受付部が前記許諾を受け付けたことに応じて、前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得、又は前記申込受付サーバに前記一の機関のサーバから前記個人情報を取得させる個人情報取得部、として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所定の申込を行う際のユーザの負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図5】情報処理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図6】
図5に示すシーケンスに続く処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、インバウンドの旅行者等のユーザが所定の申込を行う際に必要な個人情報を銀行等の機関から取得して所定の申込を行うことができるようにするシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザが使用する携帯通信端末としてのユーザ端末2と、機関が使用する機関サーバ3とを有する。
【0023】
所定の申込は、例えば、通信サービスに係る利用契約の締結と、当該サービスの利用に対する利用料の引き落としとに係る申込である。以下の実施の形態では、通信サービスに係る利用契約が、eSIM(Embedded-SIM)サービスの利用契約であるものとして説明を行う。
【0024】
情報処理装置1は、所定の申込を受け付ける申込受付サーバとして機能する。ユーザ端末2は、例えばスマートフォン等の携帯電話機である。機関は、例えば金融機関であり、機関サーバ3は、機関を利用するユーザの個人情報を保有している。情報処理装置1と、ユーザ端末2と、機関サーバ3とは、インターネットや無線LAN等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、
図1においてユーザ端末2及び機関サーバ3は、それぞれ1つずつ示されているが、実際には複数のユーザ端末2及び複数の機関サーバ3が存在するものとする。
【0025】
ユーザは、航空機等を利用して渡航先の国に到着すると、ユーザ端末2を操作し、所定の申込を行うための申込画面の表示要求を情報処理装置1に送信する(
図1における(1))。情報処理装置1は、申込画面の表示要求をユーザ端末2から受け付けると、申込画面をユーザ端末2に表示させる(
図1の(2))。申込画面には、ユーザの個人情報を保有している機関を絞り込むための絞込用情報をユーザ端末2に取得させるためのメッセージが付されている。メッセージは、例えば、航空機の搭乗券等に表示されている二次元コードを読み取ることを指示するメッセージである。
【0026】
ユーザ端末2は、二次元コードを読み取り、二次元コードから抽出した情報を絞込用情報として情報処理装置1に送信する(
図1における(3))。情報処理装置1は、受信した絞込用情報に基づいてユーザが属する国を特定し、複数の機関のうち、特定した国に対応する機関を示す機関リストを生成する(
図1における(4))。渡航元情報に基づいて生成された機関リストに含まれる機関は、ユーザが利用している蓋然性が高い機関である。情報処理装置1は、生成した機関リストをユーザ端末2に送信する(
図1における(5))。
【0027】
情報処理装置1は、ユーザ端末2において、機関リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると(
図1における(6))、一の機関のサーバである機関サーバ3が所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を機関サーバ3が受け付けるための許諾画面をユーザ端末2に表示させる。例えば、情報処理装置1は、ユーザ端末2に、許諾画面の表示を指示する表示指示情報を送信する(
図1における(7))。
【0028】
ユーザ端末2は、表示指示情報を受信すると、許諾画面取得要求を選択された一の機関に対応する機関サーバ3に送信し(
図1における(8))、機関サーバ3から許諾画面を受信する(
図1における(9))。機関サーバ3は、所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾をユーザ端末2から受け付けると(
図1における(10))、ユーザ端末2のユーザの個人情報を情報処理装置1に送信する(
図1における(11))。
【0029】
情報処理装置1は、所定の申込を行うための個人情報の入力画面に対し、取得した個人情報を入力し、個人情報が入力された状態の入力画面をユーザ端末2に送信する(
図1における(12))。ユーザ端末2のユーザは、入力画面に入力されている個人情報が正しいことを確認し、所定の申込の申請操作を行う。ユーザ端末2は、入力画面に入力されている個人情報を含む所定の申込に係る申請情報を情報処理装置1に送信する(
図1における(13))。
【0030】
このようにすることで、ユーザは、所定の申込に必要となる個人情報を入力することなく、所定の申込を進めることができるので、情報処理装置1は、所定の申込を行う際のユーザの負担を軽減することができる。
【0031】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2、機関サーバ3等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0032】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、及びSSD(Solid State Drive)等を有する。記憶部12は、制御部13が実行することにより、制御部13を、絞込用情報受信部131、リスト生成部132、リスト送信部133、表示制御部134、申込受付部135、同意受付部136、生成部137、及び提供部138として機能させるプログラムを記憶する。
【0033】
また、記憶部12は、複数の国それぞれの機関を示す国別機関情報を記憶する。
図3は、国別機関情報の一例を示す図である。
図3に示すように、国別機関情報は、国名と、当該国名が示す国において利用可能な機関を識別する機関コードと、機関の名称と、機関が保有している個人情報である保有個人情報とを関連付けた情報である。国別機関情報に含まれる機関は、ユーザの許諾に応じて個人情報を提供することを許可している機関である。機関コードは、複数の機関それぞれを識別するための機関識別情報である。国別機関情報は、ユーザが利用している機関を選択するための機関リストを生成するために参照される。
【0034】
個人情報は、ユーザの氏名、生年月日、年齢、性別、居住地の住所、家族構成等である。また、個人情報には、ユーザが利用している金融機関における口座情報が含まれている。国別機関情報に含まれている機関は、eSIMサービスの利用に対する利用料を引き落とすための口座情報を個人情報として保有している機関であり、例えば、金融機関である。
【0035】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、絞込用情報受信部131、リスト生成部132、リスト送信部133、表示制御部134、申込受付部135、同意受付部136、生成部137、及び提供部138として機能する。これらの機能の詳細については後述する。
【0036】
[ユーザ端末2の機能構成]
続いて、ユーザ端末2の構成の詳細を説明する。
図4は、ユーザ端末2の機能構成を示す図である。ユーザ端末2は、操作部21と、通信部22と、撮像部23と、表示部24と、記憶部25と、制御部26とを有する。
【0037】
操作部21は、ユーザの操作を受け付ける操作デバイスであり、例えば表示部24の表面に設けられたタッチパネルである。操作部21は、ユーザがタッチした位置を示す信号を制御部26に通知する。
通信部22は、インターネット等のネットワークを介して情報処理装置1、機関サーバ3等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0038】
撮像部23は、例えば、カメラである。撮像部23は、例えば、搭乗券に表示された二次元コードやバーコード、文字などを撮像することにより、二次元コードやバーコードを読み取る。
表示部24は、各種の情報を表示するディスプレイである。
【0039】
記憶部25は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM、RAM、ハードディスク、及びSSD等を有する。記憶部25は、制御部26が実行するプログラムを記憶する。記憶部25は、制御部26を、申込要求部261、絞込用情報取得部262、リスト取得部263、選択受付部264、許諾受付部265、個人情報取得部266、申請部267、及び設定部268として機能させるプログラムを記憶する。
【0040】
制御部26は、例えばCPUである。制御部26は、記憶部25に記憶されたプログラムを実行することにより、申込要求部261、絞込用情報取得部262、リスト取得部263、選択受付部264、許諾受付部265、個人情報取得部266、申請部267、及び設定部268として機能する。
【0041】
続いて、情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図を参照しながら、制御部13及び制御部26の機能の詳細について説明する。
図5は、情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図6は、
図5に示すシーケンスに続く処理の流れを示すシーケンス図である。
【0042】
まず、ユーザ端末2の申込要求部261は、ユーザから所定の申込に係る申込を開始するための申込開始画面の表示操作を受け付けると、申込開始画面の表示要求を情報処理装置1に送信する(S1)。
【0043】
続いて、情報処理装置1の絞込用情報受信部131は、申込開始画面の表示要求を受信したことに応じて、申込開始画面をユーザ端末2に送信する(S2)。申込要求部261は、受信した申込開始画面を表示部24に表示させる。
【0044】
図7は、申込開始画面の一例を示す図である。
図7に示すように、申込開始画面には、ユーザの個人情報を記憶している機関を絞り込むための絞込用情報をユーザ端末2に取得させるために、「搭乗券の二次元コードを読み取ってください。」等のメッセージが表示されているとともに、撮像部23を起動するための起動ボタンが設けられている。絞込用情報取得部262は、申込開始画面において起動ボタンが押下されたことに応じて撮像部23を起動する。絞込用情報取得部262は、撮像部23が撮像した二次元コードから抽出した情報を絞込用情報として取得する(S3)。
【0045】
絞込用情報は、所定の申込を行うために必要な個人情報であって、ユーザの個人情報を保有する機関を絞り込むための情報である。絞込用情報は、例えば、ユーザが属する国を特定するための情報である。ここで、機関は、本人確認が取れている個人情報を保有しているものとしてもよい。
【0046】
なお、絞込用情報取得部262は、航空機の搭乗券に表示されている二次元コードから抽出した情報を絞込用情報として取得したが、これに限らない。例えば、絞込用情報取得部262は、搭乗券に表示されているバーコードや、搭乗ゲートにおいてユーザが搭乗券を提示することにより搭乗ゲートの表示部等に表示される渡航情報の画像等に基づいて抽出した情報を絞込用情報として取得してもよい。
【0047】
ユーザ端末2のリスト取得部263は、情報処理装置1に、絞込用情報取得部262が取得した絞込用情報を送信する(S4)。
情報処理装置1の絞込用情報受信部131は、ユーザ端末2から絞込用情報を受信する。具体的には、絞込用情報受信部131は、ユーザ端末2が、搭乗券に示されている二次元コードに基づいて抽出した情報を絞込用情報として取得する。
【0048】
情報処理装置1のリスト生成部132は、複数の機関の中から、絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成する(S5)。例えば、情報処理装置1は、絞込用情報に基づいて、ユーザ端末2のユーザが属する国を特定し、特定した国に関連付けられている機関を選択する。
【0049】
具体的には、リスト生成部132は、二次元コード、バーコード又は画像に基づいて抽出した絞込用情報に含まれるユーザの渡航情報を解析することにより、ユーザの渡航元の国をユーザが属する国として特定する。なお、搭乗券に表示される二次元コードには、絞込用情報に渡航元の国名が含まれる代わりに、ユーザの渡航情報を管理する管理サーバのアドレスであって、ユーザの渡航情報に対応するパラメータが含まれているアドレスが含まれていることがある。この場合、リスト生成部132は、絞込用情報に含まれているアドレスに基づいて管理サーバにアクセスし、管理サーバからユーザの渡航情報を取得することにより、ユーザが属する国を特定してもよい。
【0050】
リスト生成部132は、ユーザが属する国を特定すると、記憶部12に記憶されている国別機関情報を参照し、特定した国を示す国名に関連付けられている一以上の機関を選択する。そして、リスト生成部132は、選択した機関の機関名を含む機関リストを示すリスト画面を生成する。
図8は、リスト画面の一例を示す図である。
図8には、機関リストに含まれる複数の機関の中からプルダウン形式で一の機関の選択を受け付けるリストが表示されていることが確認できる。また、
図8には、「銀行IDでログイン」と表示された決定ボタンが設けられており、決定ボタンが押下されると、選択された機関を示す選択情報が情報処理装置1に送信される。
【0051】
ここで、リスト生成部132は、所定の申込を行うために必要な個人情報の種別を特定し、特定した全ての種別それぞれに対応する個人情報を保有する複数の機関を示す機関リストを生成してもよい。この場合、記憶部12に、所定の申込を行うために必要な個人情報の種別を示す情報を記憶させておく。
【0052】
リスト生成部132は、記憶部12を参照し、所定の申込を行うために必要な個人情報の種別を示す情報を特定する。また、リスト生成部132は、国別機関情報を参照し、特定した国に関連付けられている機関の中から、所定の申込を行うために必要な全ての個人情報の種別を保有している複数の機関を選択する。そして、リスト生成部132は、選択した機関のみを含む機関リストを生成する。このようにすることで、情報処理装置1は、所定の申込を行うための個人情報が不足している機関が選択されることを抑制することができる。
【0053】
情報処理装置1のリスト送信部133は、生成された機関リストを含むリスト画面をユーザ端末2に送信する(S6)。ユーザ端末2のリスト取得部263は、情報処理装置1から、絞込用情報に基づいて絞り込まれた機関を含む機関リストを示すリスト画面を取得する。
【0054】
ユーザ端末2の選択受付部264は、リスト取得部263が取得したリスト画面を表示部24に表示させ、当該リスト画面が示すリストに含まれる機関の中から一の機関の選択を受け付ける。選択受付部264は、リスト画面において一の機関が選択されたことに応じて、選択された機関を示す選択情報を情報処理装置1に送信する(S7)。
【0055】
情報処理装置1の表示制御部134は、ユーザ端末2において機関リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、選択情報をユーザ端末2から受信する。表示制御部134は、選択情報を受信すると、選択された一の機関のサーバである機関サーバ3が所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を機関サーバ3が受け付けるための許諾画面をユーザ端末2に表示させる。表示制御部134は、機関サーバ3が所定の申込に対して個人情報を提供するとともに、所定の申込に係る通信サービスの利用料を機関サーバ3が示す機関に開設されているユーザの口座から引き落とすことの許諾を受け付けるための許諾画面をユーザ端末2に表示させる。
【0056】
表示制御部134は、例えば、IDA(OpenID Connect for Identity Assurance)において規定された処理の流れに従って、許諾画面をユーザ端末2に表示させ、機関サーバ3から、機関サーバ3において保有されている個人情報を取得する。
【0057】
例えば、表示制御部134は、機関サーバ3が所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を機関サーバ3が受け付ける許諾画面をユーザ端末2に表示させるために、許諾画面の表示を指示する表示指示情報をユーザ端末2に送信する(S8)。表示指示情報には、選択された一の機関に対応する機関サーバ3を宛先とし、ユーザの認証を行うためのログイン画面のURLが含まれている。
【0058】
ユーザ端末2の許諾受付部265は、ログイン画面のURLを受信すると、当該URLに基づいて機関サーバ3に対し、ログイン画面の取得要求を送信する(S9)。機関サーバ3は、ログイン画面の取得要求を受信すると、ユーザ端末2にログイン画面を送信する(S10)。許諾受付部265は、ログイン画面を表示部24に表示させ、ユーザからログイン情報の入力を受け付けたことに応じて、ログイン情報を機関サーバ3に送信する(S11)。
【0059】
機関サーバ3は、ログイン情報に基づいてユーザの認証を行う。機関サーバ3は、ユーザの認証に成功したと判定すると、所定の申込に対して機関サーバ3が個人情報を提供することの許諾を受け付ける許諾画面をユーザ端末2に送信する(S12)。ユーザ端末2の許諾受付部265は、許諾画面を表示部24に表示させ、ユーザから、所定の申込に対して機関サーバ3が個人情報を提供することと、所定の申込に係る通信サービスの利用料を引き落とすこととの許諾を受け付ける。
【0060】
図9は、許諾画面の一例を示す図である。
図9に示す例では、A銀行から、所定の通信サービスを提供する通信キャリアK社に対して個人情報を提供すること、及び通信サービスの利用料をA銀行の口座から引き落とすことの許諾を受け付けていることが確認できる。許諾受付部265は、ユーザから許諾を受け付けると、許諾されたことを示す許諾情報を機関サーバ3に送信する(S13)。
【0061】
図6に説明を移す。機関サーバ3は、許諾情報を受信すると、所定の申込を受け付ける情報処理装置1が、個人情報の提供先であることを特定するための認可コードをユーザ端末2に送信する(S14)。ユーザ端末2の許諾受付部265は、機関サーバ3から認可コードを受信する。
【0062】
ユーザ端末2の個人情報取得部266は、許諾受付部265が許諾を受け付けたことに応じて、一の機関の機関サーバ3から個人情報を取得、又は情報処理装置1に機関サーバ3から個人情報を取得させる。また、情報処理装置1の申込受付部135は、機関サーバ3がユーザ端末2から、個人情報を提供することの許諾を受け付けた後、機関サーバ3が保有している個人情報を取得し、所定の申込を受け付ける。
【0063】
具体的には、ユーザ端末2の個人情報取得部266は、機関サーバ3から受信した認可コードを情報処理装置1に送信する(S15)。情報処理装置1の申込受付部135は、ユーザ端末2から認可コードを受信する。
【0064】
申込受付部135は、ユーザ端末2から受信した認可コードを機関サーバ3に送信する(S16)。機関サーバ3は、情報処理装置1から受信した認可コードと、ユーザ端末2に送信した認可コードとが一致するか否かを判定する。機関サーバ3は、認可コードが一致すると判定すると、情報処理装置1が個人情報の提供先であると特定し、IDトークンを発行して情報処理装置1に送信する(S17)。IDトークンは、個人情報を提供するユーザ、すなわちユーザ端末2のユーザを識別するユーザIDと関連付けられているものとする。情報処理装置1の申込受付部135は、IDトークンを受信すると、IDトークンを含む個人情報の取得要求を機関サーバ3に送信する(S18)。
【0065】
機関サーバ3は、個人情報の取得要求を受信すると、受信した取得要求に含まれるIDトークンに関連付けられているユーザの個人情報を情報処理装置1に送信する(S19)。情報処理装置1の申込受付部135は、機関サーバ3からユーザの個人情報を受信すると、個人情報の入力を受け付ける入力画面に、受信した個人情報のうち所定の申込に必要となる個人情報を入力する。そして、申込受付部135は、個人情報が入力された入力画面をユーザ端末2に送信し(S20)、所定の申込を受け付ける。ユーザ端末2の申請部267は、入力画面を表示部24に表示させ、ユーザから所定の申込の申請を受け付ける。入力画面にはユーザが入力することなく、機関サーバ3から取得した個人情報が表示されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0066】
申請部267は、ユーザから所定の申込の申請を受け付けると、申請情報を情報処理装置1に送信する(S21)。申請情報には、入力画面に入力された個人情報が含まれる。申込受付部135は、ユーザ端末2から申請情報を受信することにより、所定の申込、すなわち、通信サービスに係る利用契約の締結と、当該サービスの利用に対する利用料の引き落としとに係る申込を受け付ける。
【0067】
同意受付部136は、申込受付部135が個人情報を取得し、所定の申込を受け付けた後、ユーザ端末2のユーザが所定の申込を受け付ける事業者との間で所定の申込に係る所定の契約を締結することの同意を受け付けるための画面をユーザ端末2に表示させる。具体的には、同意受付部136は、所定の申込に係る通信サービスであるeSIMの利用契約を締結するための同意受付画面をユーザ端末2に送信し(S22)、同意受付画面をユーザ端末2に表示させる。
【0068】
ユーザ端末2の申請部267は、受信した同意受付画面を表示部24に表示させ、ユーザから当該利用契約を締結することの同意を受け付ける。申請部267は、ユーザから利用契約を、eSIMサービスの提供者と締結することの同意を受け付けると、同意を受け付けたことを示す同意情報を情報処理装置1に送信する(S23)。
【0069】
情報処理装置1の同意受付部136は、同意情報を受信することにより、eSIMの利用契約を締結することの同意を受け付ける。同意受付部136は、eSIMの利用契約を締結することの同意を受け付けると、当該利用契約の締結が完了したことを示す締結完了画面をユーザ端末2に表示させるようにしてもよい。
【0070】
情報処理装置1の生成部137は、同意受付部136がeSIMの利用契約の締結の同意を受け付けると、eSIMサービスにおいてユーザを識別するためのユーザIDを生成するとともに、eSIMのプロファイルデータを生成する(S24)。また、生成部137は、個人情報に含まれるeSIMサービスの利用料金を引き落とす金融機関の口座情報と、生成したユーザIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。また、生成部137は、当該口座情報の口座から、ユーザによる通信サービスの利用料を引き落とす口座振替依頼を機関サーバ3に送信し、当該利用料の口座引き落としを可能とする。
【0071】
情報処理装置1の提供部138は、生成部137がeSIMのプロファイルデータを生成すると、当該プロファイルデータをユーザ端末2に送信する(S25)。ユーザ端末2の設定部268は、情報処理装置1からプロファイルデータを受信すると、eSIMの設定を行う(S26)。具体的には、設定部268は、ユーザ端末2に内蔵されているeSIMのプロファイルデータを受信したプロファイルデータに書き換える。これにより、ユーザは、所定の申込に対応する通信キャリアが提供するeSIMサービスを利用して、通信を行うことができる。
【0072】
[変形例1]
上述の実施の形態において、所定の申込は、eSIMサービスの利用契約の締結と、当該サービスの利用に対する利用料の引き落としとに係る申込であることとしたが、これに限らない。所定の申込は、所定のサービスの利用契約の締結に係る申込であり、当該サービスの利用料の引き落としに係る申込が含まれないこととしてもよい。
【0073】
この場合、記憶部12に記憶されている国別機関情報には、利用料を引き落とすための口座に係る口座情報を有している金融機関の他に、当該口座情報を有していない複数の種類の機関が含まれていてもよい。例えば、国別機関情報には、金融機関の他に、教育機関、公共機関、通信キャリアのうち少なくともいずれかの機関が含まれていてもよい。
【0074】
また、所定の申込に、所定のサービスの利用料の引き落としに係る申込が含まれておらず、国別機関情報に、複数の種類の機関が含まれている場合、リスト生成部132は、金融機関、通信キャリア、教育機関、公共機関のうち少なくともいずれかの機関を含む機関リストを生成してもよい。
【0075】
例えば、リスト生成部132は、選択された機関の機関名と、当該機関の機関種別情報とを関連付けた機関リストを生成してもよい。また、リスト生成部132は、ユーザ端末2から一以上の機関の種別を受け付け、受け付けた機関の種別に対応する機関を含み、受け付けていない機関の種別に対応する機関を含まない機関リストを生成してもよい。このようにすることで、ユーザは、自身が希望する機関の種別に対応する機関を、個人情報の取得元の機関として選択することができる。
【0076】
[変形例2]
また、所定の申込は、eSIMの利用申込であるものとしたが、これに限らず、コード決済サービスの利用申込であってもよい。そして、利用申込を受け付けた後に行われる所定の契約は、コード決済のサービスの利用契約であってもよい。この場合、生成部137は、同意受付部136が所定の契約を締結することの同意を受け付けると、コード決済のサービスにおいてユーザを識別するためのユーザIDを生成し、個人情報に含まれるeSIMの利用料金を引き落とす金融機関の口座の口座情報と、生成したコード決済のサービスに対応するユーザIDとを関連付けて記憶部12に記憶させるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、所定の申込を行うことにより、コード決済サービスを利用することができる。
【0077】
[変形例3]
また、所定の申込は、複数種別存在してもよい。また、所定の申込を行うユーザは、インバウンドの旅行者に限定されなくてもよい。例えば、所定の申込は、商品の購入申し込み、所定のサービスの利用申込、公的機関における補助金申請の申込等であってもよい。
【0078】
この場合、記憶部12に、複数の申込の種別それぞれと、必要となる個人情報の種別とを関連付けて記憶させておく。絞込用情報受信部131は、ユーザが選択した種別の申込に対応する申込開始画面の表示要求を受信する。リスト生成部132は、記憶部12を参照し、ユーザが選択した申込の種別に対し、必要な個人情報の種別を示す情報を特定する。そして、リスト生成部132は、国別機関情報を参照し、特定した国に関連付けられている機関の中から、選択した申込の種別に対して必要な全ての個人情報の種別を保有している複数の機関を選択する。そして、リスト生成部132は、選択した機関のみを含む機関リストを生成する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが選択した申込の種別に対し、必要な個人情報を保有する機関のみを含む機関リストを生成することができる。
【0079】
[変形例4]
また、上述の実施の形態において、絞込用情報取得部262は、二次元コード、バーコード又は画像を読み込み、当該二次元コード、バーコード又は画像が示す情報を絞込用情報として取得したが、これに限らない。絞込用情報取得部262は、ユーザ端末2に割り当てられている電話番号を絞込用情報として取得してもよい。この場合、申込開始画面には、絞込用情報としての電話番号をユーザ端末2に取得させるために、「空のショートメッセージを#1234に送ってください。」等のメッセージが表示されている。絞込用情報取得部262は、ユーザからショートメッセージの送信操作を受け付けると、ユーザ端末2に割り当てられており、記憶部25に記憶されている電話番号を取得し、当該電話番号を用いてショートメッセージを情報処理装置1又は情報処理装置1と連携する連携装置に送信する。
【0080】
情報処理装置1の絞込用情報受信部131は、ユーザ端末2又は連携装置から、ユーザ端末2が送信したショートメッセージを受信することにより、当該ショートメッセージの送信元である、ユーザ端末2に割り当てられている電話番号を絞込用情報として取得する。してもよい。そして、リスト生成部132は、絞込用情報としての電話番号に基づいて、ユーザが属する国を特定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、ショートメッセージを送信するという簡単な操作をユーザに行わせることによりユーザが属する国を特定することができる。
【0081】
また、絞込用情報取得部262は、申込開始画面に対して国名のリストをユーザ端末2に表示させ、当該リストから選択された一の国名を示す情報を絞込用情報として取得してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、簡易な構成により、ユーザが属する国を特定することができる。
【0082】
[変形例5]
また、上述の実施の形態において、ユーザ端末2の許諾受付部265は、
図9に示すように、個人情報を提供することの許諾と、利用料を引き落とすことの許諾とを受け付ける許諾画面を表示部24に表示させたが、これに限らない。許諾受付部265は、個人情報を提供することの許諾を受け付ける第1の許諾画面と、利用料を引き落とすことの許諾を受け付ける第2の許諾画面とを表示させ、個人情報を提供することの許諾と、利用料を引き落とすことの許諾とを別々に受け付けるようにしてもよい。
【0083】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末2から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信し、複数の機関の中から、絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含む機関リストを生成してユーザ端末2に送信する。そして、情報処理装置1は、ユーザ端末2において機関リストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、一の機関のサーバである機関サーバが所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を機関サーバ3が受け付けるための許諾画面をユーザ端末2に表示させ、機関サーバ3がユーザ端末2から当該許諾を受け付けた後、機関サーバ3が保有している個人情報を取得し、所定の申込を受け付ける。このようにすることで、情報処理装置1は、所定の申込を行う際のユーザの負担を軽減することができる。
【0084】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0086】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
3 機関サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 絞込用情報受信部
132 リスト生成部
133 リスト送信部
134 表示制御部
135 申込受付部
136 同意受付部
137 生成部
138 提供部
21 操作部
22 通信部
23 撮像部
24 表示部
25 記憶部
26 制御部
261 申込要求部
262 絞込用情報取得部
263 リスト取得部
264 選択受付部
265 許諾受付部
266 個人情報取得部
267 申請部
268 設定部
【要約】 (修正有)
【課題】所定の申込を行う際のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】情報処理装置1は、ユーザ端末から、所定の申込を行うために用いられる個人情報を保有する機関を絞り込むための絞込用情報を受信する絞込用情報受信部131と、複数の機関の中から、絞込用情報に基づいて機関を選択し、選択した機関を含むリストを生成するリスト生成部132と、生成したリストをユーザ端末に送信するリスト送信部133と、ユーザ端末においてリストに含まれる複数の機関の中から一の機関が選択されると、当該一の機関のサーバである機関サーバが所定の申込に対して個人情報を提供することの許諾を機関サーバが受け付けるための画面をユーザ端末に表示させる表示制御部134と、機関サーバがユーザ端末から許諾を受け付けた後、機関サーバが保有している個人情報を取得し、所定の申込を受け付ける申込受付部135と、を有する。
【選択図】
図2