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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022529255
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(86)【国際出願番号】 JP2020022132
(87)【国際公開番号】W WO2021245885
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】今本 恕
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-096509(JP,A)
【文献】特開2013-033791(JP,A)
【文献】特開2018-056447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板を検査する検査装置と、前記実装機及び前記検査装置とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備える部品実装システムであって、
前記実装機は、
部品を供給するフィーダーと、
前記フィーダーにより供給された前記部品の吸着保持が可能な吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着保持された前記部品を前記基板に搭載する部品搭載動作を、前記基板に設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれを算出し、当該位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータを、前記搭載ヘッドによる前記部品搭載動作毎に取得する実装認識部と、
前記部品搭載動作毎の前記吸着位置ずれデータの各々と、前記各吸着位置ずれデータに各々関連付けられる複数のパラメータの情報によって構成される関連情報と、を出力する実装出力部と、を含み、
前記検査装置は、
前記部品搭載基板における前記部品の実搭載位置を認識し、認識した実搭載位置の前記複数の目標搭載位置の各々に対する位置ずれをそれぞれ算出し、当該位置ずれの量を示す搭載位置ずれデータをそれぞれ取得する検査認識部と、
前記各搭載位置ずれデータを出力する検査出力部と、を含み、
前記管理装置は、
前記各吸着位置ずれデータ及び前記各搭載位置ずれデータを、前記関連情報を構成する前記複数のパラメータの各々と関連付けて、蓄積して記憶する記憶部と、
前記複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した前記各吸着位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布と、前記特定パラメータに着目した前記各搭載位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布とを、前記特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示する表示部と、を含み、
前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とを重ねて同時に表示する、部品実装システム。
【請求項2】
前記複数のパラメータの情報は、前記部品の種別を特定するためのパラメータが登録された部品情報、前記搭載ヘッドの種別を特定するためのパラメータが登録されたヘッド情報、前記吸着ノズルの種別を特定するためのパラメータが登録されたノズル情報、及び、前記フィーダーの種別を特定するためのパラメータが登録されたフィーダー情報を含む、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布において、前記実吸着位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の吸着ずれ許容閾値を超える前記吸着位置ずれデータが存在する場合、当該データの存在を警告するための吸着ずれ警告情報を表示する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記搭載位置ずれ分布において、前記実搭載位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の搭載ずれ許容閾値を超える前記搭載位置ずれデータが存在する場合、当該データの存在を警告するための搭載ずれ警告情報を表示する、請求項に記載の部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)を搭載して部品搭載基板を生産する実装機を備えた部品実装システムが知られている。この種の部品実装システムにおいて実装機は、部品を供給するフィーダーと、フィーダーにより供給された部品を吸着ノズルによって吸着保持して基板に搭載する部品搭載動作を行う搭載ヘッドと、を備える。搭載ヘッドは、基板に予め設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、前記部品搭載動作を行う。
【0003】
搭載ヘッドの部品搭載動作において、吸着ノズルによる部品の実際の吸着位置(実吸着位置)と、目標吸着位置との間に位置ずれが生じる場合がある。このような吸着位置の位置ずれは、基板上における部品の実際の搭載位置(実搭載位置)の目標搭載位置に対する位置ずれの発生要因となり得る。基板上において部品の実搭載位置の位置ずれが生じた場合には、実装機によって生産される部品搭載基板の品質に影響を与える。
【0004】
特許文献1には、基板上における部品の実搭載位置の位置精度を高めるための技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、吸着ノズル(治具)によって部品を吸着保持した搭載ヘッド(ヘッド部)が、基板上の目標搭載位置(実装位置)に停止した状態で、部品を撮像して画像認識する。この画像認識によって、吸着ノズルに吸着保持された部品の中心位置と目標搭載位置との位置の差が求められる。そして、当該位置の差を用いて、基板上における部品の実搭載位置の位置精度を高めるための実装機のキャリブレーションが行われる。
【0005】
ところで、吸着ノズルの経年劣化などにより、部品の実吸着位置の位置ずれが許容範囲を超えて大きくなる場合がある。この場合、特許文献1に開示される技術のように、吸着ノズルに吸着保持された部品の中心位置と目標搭載位置との位置の差に基づき実装機のキャリブレーションを行ったとしても、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消することができない虞がある。特許文献1に開示される技術では、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因を特定することが困難であるため、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消するための適切な対策を講じることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-223499号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を確認し、当該位置ずれの発生要因を特定することが可能な部品実装システムを提供することにある。
【0008】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、基板上に部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板を検査する検査装置と、前記実装機及び前記検査装置とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備えるシステムである。この部品実装システムにおいて、前記実装機は、部品を供給するフィーダーと、前記フィーダーにより供給された前記部品の吸着保持が可能な吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着保持された前記部品を前記基板に搭載する部品搭載動作を、前記基板に設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う搭載ヘッドと、前記吸着ノズルによる前記部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれを算出し、当該位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータを、前記搭載ヘッドによる前記部品搭載動作毎に取得する実装認識部と、前記部品搭載動作毎の前記吸着位置ずれデータの各々と、前記各吸着位置ずれデータに各々関連付けられる複数のパラメータの情報によって構成される関連情報と、を出力する実装出力部と、を含む。前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の実搭載位置を認識し、認識した実搭載位置の前記複数の目標搭載位置の各々に対する位置ずれをそれぞれ算出し、当該位置ずれの量を示す搭載位置ずれデータをそれぞれ取得する検査認識部と、前記各搭載位置ずれデータを出力する検査出力部と、を含む。そして、前記管理装置は、前記各吸着位置ずれデータ及び前記各搭載位置ずれデータを、前記関連情報を構成する前記複数のパラメータの各々と関連付けて、蓄積して記憶する記憶部と、前記複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した前記各吸着位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布と、前記特定パラメータに着目した前記各搭載位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布とを、前記特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示する表示部と、を含む。前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とを重ねて同時に表示する。
【0009】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る部品実装システムの全体構成を示す図である。
図2】部品実装システムに備えられる実装機のブロック図である。
図3】実装機における実装機本体の構成を示す平面図である。
図4】実装機本体のヘッドユニットの部分を拡大して示す図である。
図5】部品実装システムに備えられる検査装置のブロック図である。
図6】部品実装システムに備えられる管理装置のブロック図である。
図7】管理装置に備えられる表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布が表示された状態を示す図である。
図8】表示部に表示される吸着位置ずれ分布の表示態様の他の例を示す図である。
図9】表示部の表示画面を示す図であって、搭載位置ずれ分布が表示された状態を示す図である。
図10】表示部に表示される搭載位置ずれ分布の表示態様の他の例を示す図である。
図11】表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とが並べて表示された状態を示す図である。
図12】表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とが重ねて表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システム100の全体構成を示す図である。部品実装システム100は、実装機1と検査装置5とが連結されてなる部品実装ライン100Lと、管理装置6とを備える。
【0013】
部品実装ライン100Lにおいて、実装機1と検査装置5とは、プリント基板等の基板PPの搬送方向に沿って、連結コンベアによって直線状に並ぶように連結されており、検査装置5が実装機1よりも搬送方向下流側に配置される。実装機1は、基板PP上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板PPSを生産する装置である。なお、部品実装ライン100Lを構成する実装機1の数は、特に限定されるものではなく、1台の実装機1が配置されていてもよいし、2台以上の複数の実装機1が配置されていてもよい。実装機1により生産された部品搭載基板PPSは、検査装置5に搬送される。検査装置5は、部品搭載基板PPSを検査する装置である。管理装置6は、実装機1及び検査装置5とデータ通信可能に接続される装置である。
【0014】
部品実装システム100に備えられる実装機1について、図2図4を参照して説明する。図2は実装機1のブロック図であり、図3は実装機1における実装機本体2の構成を示す平面図であり、図4は実装機本体2のヘッドユニット25の部分を拡大して示す図である。なお、図3では、水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて方向関係が示されている。
【0015】
実装機1は、実装機本体2と、実装制御部4と、実装通信部40と、実装記憶部40Mとを備える。実装機本体2は、部品搭載基板PPSの生産時において、基板PPに部品を搭載する部品搭載動作等を行う構造部分を構成する。実装通信部40は、管理装置6とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置6に向けて出力する実装出力部としての機能を有する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に従って実装機本体2の部品搭載動作等を制御すると共に、実装通信部40のデータ通信動作を制御する。
【0016】
実装機本体2による部品の搭載前において基板PPには、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、実装機本体2は、パターン形成装置により半田ペーストのパターンが印刷された基板PPに部品を搭載する。実装機本体2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給ユニット24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28とを備える。
【0017】
本体フレーム21は、実装機本体2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板PPは、所定の作業位置(基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持ユニット28によって位置決めされるようになっている。基板支持ユニット28は、基板PPを下方側から支持することによって、当該基板PPをコンベア23上において位置決めする。
【0018】
部品供給ユニット24は、本体フレーム21におけるY軸方向の両端部のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。部品供給ユニット24は、本体フレーム21において、フィーダー24Fが複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット25に備えられる搭載ヘッド251による保持対象の部品毎に、各フィーダー24Fのセット位置が区画されている。フィーダー24Fは、部品供給ユニット24に着脱自在に装着される。フィーダー24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給できるものであれば特に限定されず、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品を供給するように構成されたフィーダーである。
【0019】
ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動すると共に、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動するようになっている。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と基板支持ユニット28に支持された基板PPとの間で移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と基板PPとの間で移動することにより、部品を基板PPに搭載する部品搭載動作を実行する。
【0020】
ヘッドユニット25は、図4に示すように、複数の搭載ヘッド251を備えている。各搭載ヘッド251は、その先端(下端)に装着された吸着ノズル2511を有する。吸着ノズル2511は、フィーダー24Fにより供給された部品の吸着保持が可能なノズルである。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品の吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511により吸着保持された部品を基板PPに搭載する部品搭載動作を、基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う。
【0021】
各搭載ヘッド251は、ヘッドユニット25のフレームに対してZ軸方向(鉛直方向)に昇降可能であると共に、Z軸方向に延びるヘッド軸回りの回転が可能とされている。各搭載ヘッド251は、部品の吸着ノズル2511による吸着保持が可能な吸着可能位置と、吸着可能位置に対して上方側の退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。つまり、部品を吸着ノズル2511によって吸着保持するときには、各搭載ヘッド251は、退避位置から吸着可能位置へ向かって下降し、当該吸着可能位置において部品を吸着保持する。一方、部品の吸着保持後の各搭載ヘッド251は、吸着可能位置から退避位置へ向かって上昇する。更に、各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511によって吸着保持された部品を基板PP上の予め定められた目標搭載位置に搭載することが可能な搭載可能位置と、前記退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。
【0022】
実装機本体2は、図2及び図3に示すように、実装撮像部3を更に備える。実装撮像部3は、撮像対象を撮像する撮像動作を行って撮像画像を取得する。実装撮像部3は、第1撮像部31と、第2撮像部32と、第3撮像部33とを含む。
【0023】
第1撮像部31は、本体フレーム21上において部品供給ユニット24とコンベア23との間に設置され、例えばCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)やCCD(Charged-coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第1撮像部31は、各搭載ヘッド251が前記部品搭載動作を実行しているときに、部品供給ユニット24から基板支持ユニット28により支持された基板PPへ向かってヘッドユニット25が移動している間において、各搭載ヘッド251の吸着ノズル2511によって吸着保持された部品を、下方側から撮像して第1部品認識画像を取得する。第1撮像部31により取得された第1部品認識画像は後記の実装制御部4に入力され、実装認識部46による吸着位置ずれの算出の際に参照される。
【0024】
第2撮像部32は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第2撮像部32は、各搭載ヘッド251が前記部品搭載動作を実行しているときに、基板支持ユニット28により支持された基板PPの上面に付設されている各種マークを認識するために、当該マークを上方側から撮像する。第2撮像部32による基板PP上のマークの認識によって、基板PPの原点座標に対する位置ずれ量が検知される。
【0025】
第3撮像部33は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第3撮像部33は、各搭載ヘッド251が前記部品搭載動作を実行しているときに、基板PPに対する部品の搭載直前において、吸着ノズル2511に吸着保持された部品を、側方から撮像して第2部品認識画像を取得する。第3撮像部33により取得された第2部品認識画像によって、基板PPに対する部品の搭載直前における吸着ノズル2511からの部品の落下等が検知される。
【0026】
実装記憶部40Mは、実装制御部4によって参照される基板データD25を記憶する。基板データD25は、実装制御部4による実装機本体2の部品搭載動作等の制御に必要な複数のパラメータによって構成されるデータである。基板データD25は、複数のパラメータの情報として、実装機情報D20と、部品情報D21と、ヘッド情報D22と、ノズル情報D23と、フィーダー情報D24と、目標吸着位置情報DAPと、目標搭載位置情報DPPとを含む。
【0027】
実装機情報D20は、実装機1の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。部品情報D21は、基板PPに搭載される部品の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。部品情報D21には、部品の種別を特定するためのパラメータとして、部品の種類を示す部品名、部品のX軸方向及びY軸方向の外形寸法、部品の厚みなどが登録されている。ヘッド情報D22は、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ヘッド情報D22には、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータとして、搭載ヘッド251の番号(Head No)などが登録されている。ノズル情報D23は、吸着ノズル2511の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ノズル情報D23には、吸着ノズル2511の種別を特定するためのパラメータとして、吸着ノズル2511の種類(Nozzle Type)、吸着ノズル2511の識別子(Nozzle ID)などが登録されている。フィーダー情報D24は、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。フィーダー情報D24には、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータとして、フィーダー24Fの種類、フィーダー24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置(Feeder Set Position)などが登録されている。
【0028】
目標吸着位置情報DAPは、吸着ノズル2511による部品の吸着時における目標の吸着位置(目標吸着位置)がパラメータとして登録された情報である。目標吸着位置情報DAPには、吸着ノズル2511に対する部品の目標吸着位置のX軸方向及びY軸方向の各座標がパラメータとして登録されている。目標吸着位置は、通常、部品の被吸着面上の中心位置に設定される。目標搭載位置情報DPPは、基板PPに設定された部品の目標搭載位置がパラメータとして登録された情報である。目標搭載位置情報DPPには、基板PP上における目標搭載位置のX軸方向及びY軸方向の各座標がパラメータとして登録されている。
【0029】
実装制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。実装制御部4は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、実装機本体2の各構成要素の動作を制御すると共に、実装通信部40のデータ通信動作を制御し、更には各種演算処理を実行する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に従って実装機本体2の各構成要素の動作を制御する。実装制御部4は、図2に示すように、主たる機能構成として、通信制御部41と、基板搬送制御部42と、部品供給制御部43と、ヘッド制御部44と、撮像制御部45と、実装認識部46とを含む。
【0030】
通信制御部41は、実装通信部40を制御することにより、実装機1と管理装置6との間のデータ通信を制御する。通信制御部41によって制御された実装通信部40は、後記の実装認識部46によって取得される各吸着位置ずれデータD1と、関連情報D2とを管理装置6に向けて出力する。吸着位置ずれデータD1は、詳細については後述するが、搭載ヘッド251による部品搭載動作毎に実装認識部46によって取得されるデータであって、吸着ノズル2511による部品の実際の吸着位置(実吸着位置)の、目標吸着位置情報DAPで示される目標吸着位置に対する位置ずれの量を示すデータである。
【0031】
関連情報D2は、各吸着位置ずれデータD1に各々関連付けられる複数のパラメータの情報によって構成される。複数のパラメータの情報は、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に含まれるものである。関連情報D2を構成する前記複数のパラメータの情報は、基板データD25の一部としての部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、及びフィーダー情報D24を含む。搭載ヘッド251による1回の部品搭載動作の実行時においては、複数種の部品の中から1種の部品が使用され、複数の搭載ヘッド251の中から1つの搭載ヘッド251が使用され、複数の吸着ノズル2511の中から1つの吸着ノズル2511が使用され、複数のフィーダー24Fの中から1つのフィーダー24Fが使用される。つまり、搭載ヘッド251による部品搭載動作毎に、使用される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511、及びフィーダー24Fが一義的に決まる。このため、搭載ヘッド251による部品搭載動作毎に実装認識部46によって取得される各吸着位置ずれデータD1と、関連情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24に登録された各パラメータとは、互いに関連付けられたものとなる。
【0032】
基板搬送制御部42は、コンベア23による基板PPの搬送動作を制御する。部品供給制御部43は、基板データD25の部品情報D21及びフィーダー情報D24に従って、部品供給ユニット24に配列された複数のフィーダー24Fの各々の部品供給動作を制御する。ヘッド制御部44は、基板データD25の部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、目標吸着位置情報DAP、及び目標搭載位置情報DPPに従って、ヘッドユニット25を制御することにより搭載ヘッド251を制御する。これにより、ヘッド制御部44は、吸着ノズル2511により吸着保持された部品を基板PPに搭載する部品搭載動作を、基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、搭載ヘッド251に実行させる。撮像制御部45は、実装撮像部3を構成する第1撮像部31、第2撮像部32及び第3撮像部33による撮像動作を制御する。
【0033】
実装認識部46は、第1撮像部31によって取得された第1部品認識画像に基づいて、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の、目標吸着位置情報DAPで示される目標吸着位置に対する位置ずれを算出する。そして、実装認識部46は、実吸着位置と目標吸着位置との間の位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータD1を、搭載ヘッド251による部品搭載動作毎に取得する。実装認識部46によって取得された部品搭載動作毎の各吸着位置ずれデータD1は、関連情報D2と関連付けられた状態で、実装通信部40を介して管理装置6へ出力される。
【0034】
実装機1により生産された部品搭載基板PPSは、コンベア23によって検査装置5へ搬送される。検査装置5は、部品搭載基板PPSを検査するための装置である。検査装置5の構成について、図5のブロック図を参照して説明する。検査装置5は、検査通信部51と、検査撮像部52と、検査制御部53とを備える。
【0035】
検査通信部51は、管理装置6とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置6に向けて出力する検査出力部としての機能を有する。検査通信部51は、後記の検査認識部533によって取得される各搭載位置ずれデータD3を管理装置6に向けて出力する。各搭載位置ずれデータD3は、詳細については後述するが、部品搭載基板PPSにおける部品の実際の搭載位置(実搭載位置)の、目標搭載位置情報DPPで示される目標搭載位置に対する位置ずれの量を示すデータである。
【0036】
検査撮像部52は、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。検査撮像部52は、実装機1から搬送された部品搭載基板PPSを上方から撮像して検査画像を取得する。
【0037】
検査制御部53は、CPU、制御プログラムを記憶するROM、CPUの作業領域として使用されるRAM等から構成されている。検査制御部53は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、検査通信部51及び検査撮像部52を制御すると共に、各種演算処理を実行する。検査制御部53は、主たる機能構成として、通信制御部531と、撮像制御部532と、検査認識部533とを含む。
【0038】
通信制御部531は、検査通信部51を制御することにより、検査装置5と管理装置6との間のデータ通信を制御する。撮像制御部532は、検査撮像部52による撮像動作を制御する。
【0039】
検査認識部533は、検査撮像部52によって取得された検査画像に基づいて、部品搭載基板PPSにおける複数の部品の各々の実搭載位置を認識し、認識した複数の実搭載位置と、目標搭載位置情報DPPで示される複数の目標搭載位置との各々の位置ずれをそれぞれ算出する。そして、検査認識部533は、実搭載位置と目標搭載位置との間の位置ずれの量を示す搭載位置ずれデータD3を、基板PPに設定された複数の目標搭載位置毎に取得する。検査認識部533によって取得された各搭載位置ずれデータD3は、検査通信部51を介して管理装置6へ出力される。
【0040】
管理装置6は、実装機1及び検査装置5とデータ通信可能に接続され、例えばマイクロコンピュータによって構成される。管理装置6には、実装機1の実装通信部40から出力された各吸着位置ずれデータD1及び関連情報D2と、検査装置5の検査通信部51から出力された各搭載位置ずれデータD3とが入力される。管理装置6は、各吸着位置ずれデータD1に基づく吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の位置ずれと、各搭載位置ずれデータD3に基づく部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の位置ずれと、の確認に用いられる装置である。管理装置6を用いた各位置ずれの確認は、オペレータによって行われる。
【0041】
管理装置6の構成について、図6のブロック図を参照して説明する。管理装置6は、管理通信部61と、表示部62と、操作部63と、記憶部64と、管理制御部65とを備える。管理制御部65は、機能構成として、通信制御部651と表示制御部652とを含む。
【0042】
管理通信部61は、実装機1及び検査装置5とデータ通信を行うためのインターフェースであり、実装機1からの各吸着位置ずれデータD1及び関連情報D2が入力されると共に、検査装置5からの各搭載位置ずれデータD3が入力される。管理通信部61による実装機1及び検査装置5と管理装置6との間のデータ通信は、通信制御部651によって制御される。
【0043】
記憶部64は、管理通信部61を介して管理装置6に入力された各吸着位置ずれデータD1及び各搭載位置ずれデータD3を、関連情報D2を構成する複数のパラメータの情報の各々と関連付けて、蓄積して記憶する。
【0044】
表示部62は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。表示部62は、各吸着位置ずれデータD1に基づく吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の位置ずれの確認のための情報や、各搭載位置ずれデータD3に基づく部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の位置ずれの確認のための情報を表示する。表示部62の表示動作は、表示制御部652によって制御される。
【0045】
操作部63は、キーボード、マウス、または、表示部62に設けられたタッチパネル等によって構成され、オペレータによる各種指令の入力に関する入力操作を受け付ける部分である。操作部63には、吸着ずれ表示指令C1、搭載ずれ表示指令C2、同時表示指令C3が各種指令として入力される。吸着ずれ表示指令C1は、吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の位置ずれ状況を、表示部62へ表示させるための指令である。搭載ずれ表示指令C2は、部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の位置ずれ状況を、表示部62へ表示させるための指令である。同時表示指令C3は、部品の実吸着位置の位置ずれ状況と、部品の実搭載位置の位置ずれ状況とを、同時に表示部62へ表示させるための指令である。
【0046】
図7は、表示部62の表示画面DS1を示す図であって、吸着位置ずれ分布ADが表示された状態を示す図である。操作部63に吸着ずれ表示指令C1が入力された場合、表示制御部652は、記憶部64に記憶された各吸着位置ずれデータD1及び関連情報D2に基づいて、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す吸着位置ずれ分布ADを表示部62の表示画面DS1に表示させる。吸着位置ずれ分布ADは、各吸着位置ずれデータD1で示される吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれ量について、X座標及びY座標の位置ずれの分布を示す「XYずれ分布」と、X座標の位置ずれの分布を示す「Xずれ分布」と、Y座標の位置ずれの分布を示す「Yずれ分布」とを含む。
【0047】
オペレータは、表示部62の表示画面DS1に表示された吸着位置ずれ分布ADに基づいて、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。
【0048】
この際、表示制御部652は、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の統計を示す吸着位置ずれ統計情報ASTが、吸着位置ずれ分布ADと同一の表示画面DS1上に表示されるように、表示部62を制御してもよい。吸着位置ずれ統計情報ASTは、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群について、位置ずれ量の平均、データの散らばりの大きさの指標となる分散や標準偏差(3σ)、位置ずれ量の最大や最小、などの情報を含む。このような吸着位置ずれ統計情報ASTには、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群のデータ点数や、吸着位置ずれ量の許容範囲の上限値及び下限値などの情報が関連付けられていてもよい。
【0049】
また、表示制御部652は、吸着位置ずれ分布ADが表示された表示画面DS1に、部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24によって構成される関連情報D2や、基板データD25を構成する実装機情報D20などが表示されるように、表示部62を制御してもよい。
【0050】
表示制御部652は、関連情報D2を構成する複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した吸着位置ずれ分布ADを、前記特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示部62に表示させる。前記特定パラメータの選択は、オペレータによる操作部63への入力操作によって行われる。図7では、関連情報D2を構成する部品情報D21に登録されたパラメータである「部品名P001」が特定パラメータとして選択され、当該「部品名P001」に着目した吸着位置ずれ分布ADが表示部62の表示画面DS1に表示された例が示されている。関連情報D2を構成するヘッド情報D22に登録されたパラメータである「Head No」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Head No」に着目した吸着位置ずれ分布ADを表示部62に表示させる。同様に、関連情報D2を構成するノズル情報D23に登録されたパラメータである「Nozzle Type」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Nozzle Type」に着目した吸着位置ずれ分布ADを表示部62に表示させる。また、関連情報D2を構成するフィーダー情報D24に登録されたパラメータである「Feeder Set Position」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Feeder Set Position」に着目した吸着位置ずれ分布ADを表示部62に表示させる。
【0051】
フィーダー24Fによって供給された部品の姿勢や部品の形状は、吸着ノズル2511による部品の吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の動作特性や経年劣化の状況についても、吸着ノズル2511による部品の吸着保持性に影響を与える。すなわち、部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fの各々の種別によっては、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因となり得る。このような部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fに関する複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した吸着位置ずれ分布ADが切り替え可能に、表示部62の表示画面DS1に表示される。オペレータは、特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示される吸着位置ずれ分布ADに基づいて、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因を特定することが可能となる。オペレータは、吸着位置ずれの発生要因を特定した後、当該発生要因に対して適切な対策を講じることができ、これによって吸着位置ずれに起因した基板PP上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消することができる。
【0052】
吸着位置ずれの発生要因として部品が特定された場合、オペレータは、例えば、基板データD25の部品情報D21に登録されている部品の外形寸法などのパラメータの入力値を確認する。そして、オペレータは、部品情報D21のパラメータが誤入力されている場合などに、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、部品情報D21のデータを変更するデータ変更作業を行う。
【0053】
吸着位置ずれの発生要因として搭載ヘッド251が特定された場合、オペレータは、例えば、吸着ノズル2511による部品の吸着時における、搭載ヘッド251の下降位置として設定された吸着可能位置が適正であるかを確認する。そして、オペレータは、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置が適正ではない場合などに、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置を調整する作業を行う。また、搭載ヘッド251に経年劣化が認められた場合には、オペレータは、搭載ヘッド251を交換する作業などを行う。
【0054】
吸着位置ずれの発生要因として吸着ノズル2511が特定された場合、オペレータは、例えば、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、吸着ノズル2511の洗浄や交換などの作業を行う。
【0055】
吸着位置ずれの発生要因としてフィーダー24Fが特定された場合、オペレータは、例えば、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、フィーダー24Fを交換する作業などを行う。
【0056】
図7に示すように、表示部62の表示画面DS1には、操作部63を用いた入力操作の対象となる日付選択領域B1とLine選択領域B2とが設定されている。
【0057】
オペレータは、操作部63を用いて日付選択領域B1を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1の、実装認識部46による取得日又は取得期間を選択することができる。例えば、日付選択領域B1に対する入力操作によって所定の日付又は期間が選択された場合、表示制御部652は、当該所定日又は所定期間に実装認識部46によって取得された各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、表示部62に表示させる。
【0058】
また、オペレータは、操作部63を用いてLine選択領域B2を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1の出力元となる実装機1の選択や、部品実装ライン100Lを構成する全ての実装機1の選択を行うことができる。例えば、Line選択領域B2に対する入力操作によって所定の実装機1が選択された場合、表示制御部652は、当該所定の実装機1の実装通信部40から出力された各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、表示部62に表示させる。一方、Line選択領域B2に対する入力操作によって部品実装ライン100Lを構成する全ての実装機1が選択された場合、表示制御部652は、当該全ての実装機1の各実装通信部40から出力された各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、表示部62に表示させる。
【0059】
更に、表示制御部652は、吸着位置ずれ分布ADにおいて、吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の吸着ずれ許容閾値AATを超える吸着位置ずれデータD1が存在する場合、吸着ずれ警告情報W1を、表示部62に表示させる。吸着ずれ警告情報W1は、吸着位置ずれ分布ADにおいて吸着ずれ許容閾値AATを超えるデータが存在することを警告するための情報である。吸着ずれ警告情報W1は、例えば、「吸着ずれ許容閾値を超えた吸着ずれが検出されました」などの文字列で示される情報である。オペレータは、表示部62に表示された吸着ずれ警告情報W1を確認することにより、吸着位置ずれの発生要因に対する対策を、早期に講じることができる。なお、表示部62における吸着位置ずれ分布ADの「XYずれ分布」の表示について、吸着ずれ警告情報W1に対応した吸着位置ずれデータの表示態様は、吸着ずれ許容閾値AATを超えていない吸着位置ずれデータの表示態様とは異なる態様であり、例えば、吸着ずれ警告情報W1に対応した吸着位置ずれデータのプロットの表示色は、吸着ずれ許容閾値AATを超えていない吸着位置ずれデータのプロットの表示色と異なる。また、吸着ずれ警告情報W1に対応した吸着位置ずれデータのプロットの形状が、吸着ずれ許容閾値AATを超えていない吸着位置ずれデータのプロットの形状と異なるようにしてもよい。
【0060】
図8は、表示部62に表示される吸着位置ずれ分布ADの表示態様の他の例を示す図である。表示制御部652は、吸着位置ずれ分布ADの「XYずれ分布」において、中心(X座標及びY座標が共にゼロとなる位置)からの位置ずれ量と各吸着位置ずれデータD1の重なり具合とに応じて、所定の領域AR内に存在する各吸着位置ずれデータD1のデータ群について、一部のデータの表示態様が他のデータの表示態様と異なるように、表示部62を制御してもよい。例えば、所定の領域AR内に存在する吸着位置ずれデータD1のデータ点数が所定の閾値を超えた場合、表示制御部652は、所定の領域AR内の一部のデータの表示色が他のデータの表示色と異なるように、表示部62を制御する。この際、表示制御部652は、所定の領域AR内に存在する吸着位置ずれデータD1のデータ点数と位置ずれ量との乗算値が所定の閾値を超えた場合に、所定の領域AR内の一部のデータの表示態様が他のデータの表示態様と異なるように、表示部62を制御してもよい。
【0061】
図9は、表示部62の表示画面DS2を示す図であって、搭載位置ずれ分布PDが表示された状態を示す図である。操作部63に搭載ずれ表示指令C2が入力された場合(図6参照)、表示制御部652は、記憶部64に記憶された各搭載位置ずれデータD3及び関連情報D2に基づいて、各搭載位置ずれデータD3で構成されるデータ群の搭載ずれの分布を示す搭載位置ずれ分布PDを表示部62の表示画面DS2に表示させる。搭載位置ずれ分布PDは、各搭載位置ずれデータD3で示される部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の目標搭載位置に対する位置ずれ量について、X座標及びY座標の位置ずれの分布を示す「XYずれ分布」と、X座標の位置ずれの分布を示す「Xずれ分布」と、Y座標の位置ずれの分布を示す「Yずれ分布」とを含む。
【0062】
オペレータは、表示部62の表示画面DS2に表示された搭載位置ずれ分布PDに基づいて、実装機1により生産された部品搭載基板PPSにおける、部品の実搭載位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。また、オペレータは、表示部62に表示される上記の吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを比較することにより、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPS上における部品の実搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。
【0063】
この際、表示制御部652は、各搭載位置ずれデータD3で構成されるデータ群の統計を示す搭載位置ずれ統計情報PSTが、搭載位置ずれ分布PDと同一の表示画面DS2上に表示されるように、表示部62を制御してもよい。また、表示制御部652は、搭載位置ずれ分布PDが表示された表示画面DS2に、部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24を含む関連情報D2や、基板データD25を構成する実装機情報D20などが表示されるように、表示部62を制御してもよい。
【0064】
表示制御部652は、関連情報D2を構成する複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した搭載位置ずれ分布PDを、前記特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示部62に表示させる。前記特定パラメータの選択は、オペレータによる操作部63への入力操作によって行われる。図9では、関連情報D2を構成する部品情報D21に登録されたパラメータである「部品名P001」が特定パラメータとして選択され、当該「部品名P001」に着目した搭載位置ずれ分布PDが表示部62の表示画面DS2に表示された例が示されている。関連情報D2を構成するヘッド情報D22に登録されたパラメータである「Head No」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Head No」に着目した搭載位置ずれ分布PDを表示部62に表示させる。同様に、関連情報D2を構成するノズル情報D23に登録されたパラメータである「Nozzle Type」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Nozzle Type」に着目した搭載位置ずれ分布PDを表示部62に表示させる。また、関連情報D2を構成するフィーダー情報D24に登録されたパラメータである「Feeder Set Position」が特定パラメータとして選択された場合には、表示制御部652は、当該「Feeder Set Position」に着目した搭載位置ずれ分布PDを表示部62に表示させる。
【0065】
図9に示すように、表示部62の表示画面DS2には、操作部63を用いた入力操作の対象となる日付選択領域B1とLine選択領域B2とが設定されている。
【0066】
オペレータは、操作部63を用いて日付選択領域B1を操作することによって、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD3の、検査認識部533による取得日又は取得期間を選択することができる。例えば、日付選択領域B1に対する入力操作によって所定の日付又は期間が選択された場合、表示制御部652は、当該所定日又は所定期間に検査認識部533によって取得された各搭載位置ずれデータD3で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す搭載位置ずれ分布PDを、表示部62に表示させる。
【0067】
また、オペレータは、操作部63を用いてLine選択領域B2を操作することによって、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD3に対応した実装機1の選択や、部品実装ライン100Lを構成する全ての実装機1の選択を行うことができる。例えば、Line選択領域B2に対する入力操作によって所定の実装機1が選択された場合、表示制御部652は、当該所定の実装機1で生産された部品搭載基板PPSに対応した各搭載位置ずれデータD3で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す搭載位置ずれ分布PDを、表示部62に表示させる。一方、Line選択領域B2に対する入力操作によって部品実装ライン100Lを構成する全ての実装機1が選択された場合、表示制御部652は、当該全ての実装機1で生産された部品搭載基板PPSに対応した各搭載位置ずれデータD3で構成されるデータ群の位置ずれの分布を示す搭載位置ずれ分布PDを、表示部62に表示させる。
【0068】
更に、表示制御部652は、搭載位置ずれ分布PDにおいて、部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の搭載ずれ許容閾値PATを超える搭載位置ずれデータD3が存在する場合、搭載ずれ警告情報W2を、表示部62に表示させる。搭載ずれ警告情報W2は、搭載位置ずれ分布PDにおいて搭載ずれ許容閾値PATを超えるデータが存在することを警告するための情報である。搭載ずれ警告情報W2は、例えば、「搭載ずれ許容閾値を超えた搭載ずれが検出されました」などの文字列で示される情報である。オペレータは、表示部62に表示された搭載ずれ警告情報W2を確認することにより、搭載位置ずれの発生要因に対する対策を、早期に講じることができる。なお、表示部62における搭載位置ずれ分布PDの「XYずれ分布」の表示について、搭載ずれ警告情報W2に対応した搭載位置ずれデータの表示態様は、搭載ずれ許容閾値PATを超えていない搭載位置ずれデータの表示態様とは異なる態様であり、例えば、搭載ずれ警告情報W2に対応した搭載位置ずれデータのプロットの表示色は、搭載ずれ許容閾値PATを超えていない搭載位置ずれデータのプロットの表示色と異なる。また、搭載ずれ警告情報W2に対応した搭載位置ずれデータのプロットの形状が、搭載ずれ許容閾値PATを超えていない搭載位置ずれデータのプロットの形状と異なるようにしてもよい。
【0069】
図10は、表示部62に表示される搭載位置ずれ分布PDの表示態様の他の例を示す図である。表示制御部652は、搭載位置ずれ分布APDの「XYずれ分布」において、中心(X座標及びY座標が共にゼロとなる位置)からの位置ずれ量と各搭載位置ずれデータD3の重なり具合とに応じて、所定の領域PR内に存在する各搭載位置ずれデータD3のデータ群について、一部のデータの表示態様が他のデータの表示態様と異なるように、表示部62を制御してもよい。例えば、所定の領域PR内に存在する搭載位置ずれデータD3のデータ点数が所定の閾値を超えた場合、表示制御部652は、所定の領域PR内の一部のデータの表示色が他のデータの表示色と異なるように、表示部62を制御する。
【0070】
図11は、表示部62の表示画面DS3を示す図であって、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが並べて表示された状態を示す図である。図12は、表示部62の表示画面DS3Aを示す図であって、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが重ねて表示された状態を示す図である。操作部63に同時表示指令C3が入力された場合(図6参照)、表示制御部652は、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを同時に表示部62に表示させる。この際、表示制御部652は、図11に示すように、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが同一画面DS3に並んで表示されるように表示部62を制御してもよいし、図12に示すように、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが重ねられて表示されるように表示部62を制御してもよい。なお、表示部62が吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを重ねて表示する場合には、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとの区別が可能となるように、例えば各分布の表示色を互いに異ならせるようにして、各分布の表示態様を互いに異ならせる。
【0071】
上記のように表示部62は、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを、同一画面に並べて表示するか、若しくは重ねて表示することにより、双方の位置ずれ分布を同時に表示する。これにより、オペレータは、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとの比較を容易に行うことができる。このため、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPSにおける部品の実搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、容易に確認することができる。
【0072】
表示制御部652は、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを同時に表示部62に表示させるときに、吸着位置ずれ統計情報AST及び搭載位置ずれ統計情報PSTが各分布と同一画面上に表示されるように、表示部62を制御してもよい。また、表示制御部652は、搭載位置ずれ分布PDと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示された表示画面DS3,DS3Aに、基板データD25を特定するための情報や、部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24を含む関連情報D2、基板データD25を構成する実装機情報D20、検査結果データを特定するための情報D41、検査装置5を特定するための検査装置情報D42などが表示されるように、表示部62を制御してもよい。更に、表示制御部652は、搭載位置ずれ分布PDと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示された表示画面DS3,DS3Aに、吸着ずれ警告情報W1や搭載ずれ警告情報W2が表示されるように、表示部62を制御してもよい。
【0073】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0074】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、基板上に部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記実装機とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備えるシステムである。この部品実装システムにおいて、前記実装機は、部品を供給するフィーダーと、前記フィーダーにより供給された前記部品の吸着保持が可能な吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着保持された前記部品を前記基板に搭載する部品搭載動作を、前記基板に設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う搭載ヘッドと、前記吸着ノズルによる前記部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれを算出し、当該位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータを、前記搭載ヘッドによる前記部品搭載動作毎に取得する実装認識部と、前記部品搭載動作毎の前記吸着位置ずれデータの各々と、前記各吸着位置ずれデータに各々関連付けられる複数のパラメータの情報によって構成される関連情報と、を出力する実装出力部と、を含む。そして、前記管理装置は、前記各吸着位置ずれデータと前記関連情報を構成する前記複数のパラメータの各々とを関連付けて、蓄積して記憶する記憶部と、前記複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した前記各吸着位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布を、前記特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示する表示部と、を含む。
【0075】
この部品実装システムによれば、実装機と管理装置とがデータ通信可能に接続される。実装機においては、実装認識部が、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータを搭載ヘッドによる部品搭載動作毎に取得する。各吸着位置ずれデータは、当該データに関連付けられる複数のパラメータの情報によって構成される関連情報と共に、実装出力部から管理装置へ出力される。管理装置においては、記憶部が、各吸着位置ずれデータと関連情報とを蓄積して記憶する。そして、管理装置の表示部は、記憶部に記憶された各吸着位置ずれデータと関連情報とに基づいて、各吸着位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布を表示する。オペレータは、表示部に表示された吸着位置ずれ分布に基づいて、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。
【0076】
表示部は、吸着位置ずれ分布を表示するときに、関連情報を構成する複数のパラメータから選択される特定パラメータに着目した吸着位置ずれ分布を、特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示する。関連情報を構成する複数のパラメータは、各吸着位置ずれデータと関連付けられるものであるから、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因となり得る。このため、オペレータは、特定パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に表示される吸着位置ずれ分布に基づいて、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因を特定することが可能となる。オペレータは、吸着位置ずれの発生要因を特定した後、当該発生要因に対して適切な対策を講じることができ、これによって吸着位置ずれに起因した基板上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消することができる。
【0077】
上記の部品実装システムにおいて、前記複数のパラメータの情報は、前記部品の種別を特定するためのパラメータが登録された部品情報、前記搭載ヘッドの種別を特定するためのパラメータが登録されたヘッド情報、前記吸着ノズルの種別を特定するためのパラメータが登録されたノズル情報、及び、前記フィーダーの種別を特定するためのパラメータが登録されたフィーダー情報を含むものであってもよい。
【0078】
フィーダーによって供給された部品の姿勢や部品の形状は、吸着ノズルによる部品の吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル及び搭載ヘッドの動作特性や経年劣化の状況についても、吸着ノズルによる部品の吸着保持性に影響を与える。すなわち、部品、搭載ヘッド、吸着ノズル及びフィーダーの各々の種別によっては、吸着位置ずれの発生要因となり得る。このような部品、搭載ヘッド、吸着ノズル及びフィーダーに着目した吸着位置ずれ分布が切り替え可能に表示部に表示されることにより、オペレータは、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因を容易に特定することが可能となる。
【0079】
上記の部品実装システムは、前記管理装置とデータ通信可能に接続され、前記搭載ヘッドの前記部品搭載動作によって得られた前記部品搭載基板を検査する検査装置を、更に備える構成であってもよい。前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の実搭載位置を認識し、認識した実搭載位置の前記複数の目標搭載位置の各々に対する位置ずれをそれぞれ解析し、当該位置ずれの量を示す搭載位置ずれデータをそれぞれ取得する検査認識部と、前記各搭載位置ずれデータを出力する検査出力部と、を含む。そして、前記管理装置において、前記記憶部は、前記各搭載位置ずれデータを、前記関連情報を構成する前記複数のパラメータの各々と関連付けて、蓄積して記憶し、前記表示部は、前記複数のパラメータから選択された前記特定パラメータに着目した前記各搭載位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布を、表示することが可能に構成される。
【0080】
この態様では、表示部は、検査装置の検査出力部から出力された各搭載位置ずれデータで構成されるデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布を表示する。オペレータは、表示部に表示された搭載位置ずれ分布に基づいて、実装機により生産された部品搭載基板における、部品の実搭載位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。また、オペレータは、表示部に表示される吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とを比較することにより、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。
【0081】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とを、同時に表示する構成であってもよい。この際、前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とを、同一画面に並べて表示する構成であってもよい。また、前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とを、重ねて表示する構成であってもよい。
【0082】
この態様では、表示部は、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とを、同一画面に並べて表示するか、若しくは重ねて表示することにより、双方の位置ずれ分布を同時に表示する。これにより、オペレータは、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布との比較を容易に行うことができる。このため、オペレータは、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、容易に確認することができる。
【0083】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示部は、前記吸着位置ずれ分布において、前記実吸着位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の吸着ずれ許容閾値を超える前記吸着位置ずれデータが存在する場合、当該データの存在を警告するための吸着ずれ警告情報を表示する構成であってもよい。
【0084】
また、上記の部品実装システムにおいて、前記表示部は、前記搭載位置ずれ分布において、前記実搭載位置の位置ずれ量の許容範囲を示す所定の搭載ずれ許容閾値を超える前記搭載位置ずれデータが存在する場合、当該データの存在を警告するための搭載ずれ警告情報を表示する構成であってもよい。
【0085】
この態様では、表示部は、吸着位置ずれ分布において吸着ずれ許容閾値を超える吸着位置ずれデータが存在する場合には吸着ずれ警告情報を表示し、搭載位置ずれ分布において搭載ずれ許容閾値を超える搭載位置ずれデータが存在する場合には搭載ずれ警告情報を表示する。オペレータは、表示部に表示された吸着ずれ警告情報や搭載ずれ警告情報を確認することにより、位置ずれの発生要因に対する対策を、早期に講じることができる。
【0086】
以上説明した通り、本発明によれば、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を確認し、当該位置ずれの発生要因を特定することが可能な部品実装システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 実装機
2 実装機本体
24 部品供給ユニット
24F フィーダー
25 ヘッドユニット
251 搭載ヘッド
2511 吸着ノズル
4 実装制御部
40 実装通信部(実装出力部)
46 実装認識部
5 検査装置
51 検査通信部(検査出力部)
53 検査制御部
533 検査認識部
6 管理装置
61 管理通信部
62 表示部
63 操作部
64 記憶部
65 管理制御部
651 通信制御部
652 表示制御部
100 部品実装システム
AAT 吸着ずれ許容閾値
AD 吸着位置ずれ分布
D1 吸着位置ずれデータ
D2 関連情報
D21 部品情報
D22 ヘッド情報
D23 ノズル情報
D24 フィーダー情報
D3 搭載位置ずれデータ
PAT 搭載ずれ許容閾値
PD 搭載位置ずれ分布
W1 吸着ずれ警告情報
W2 搭載ずれ警告情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12