(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/08 20060101AFI20230726BHJP
B65D 43/04 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
B65D43/08 210
B65D43/04 200
(21)【出願番号】P 2019118103
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
(72)【発明者】
【氏名】平山 学
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-056961(JP,A)
【文献】特開2014-201353(JP,A)
【文献】特開2018-122924(JP,A)
【文献】特開2018-131227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に嵌合可能な蓋を備えた包装用容器において、
容器本
体に設け、容器外方に突き出る摘み片部と、
該摘み片部の面上に形成し、容器外方に向かいつつ
蓋側に突き出るように傾斜させた傾斜面と、
該傾斜面上に設け、容器内外方向に延びる凸部又は凹部からなる補強部と、
蓋に設け、閉蓋状態において該摘み片部に対面する押下片部と、
該押下片部に設け、該摘み片部側に膨出し、閉蓋状態において先端部が該傾斜面
上に設けた該補強部に当接する膨出部と、
を備えた包装用容器。
【請求項2】
前記補強部を直線状に形成した請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記摘み片部の外縁部に、下方に向くスカート部を設けた請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記スカート部の下端部から容器外方に横向きに突き出る突片部を設けた請求項3に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記傾斜面を凹曲面とした請求項1~4のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項6】
前記摘み片部を二つ以上設けた請求項1~5のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に開蓋できる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当、生鮮食料品やお惣菜などが、薄肉樹脂製包装用容器に包装されて陳列されているのがよく見かけられる。
このような包装用容器は、不用意に容器が開封しないように容器本体と蓋とを嵌合構造としてあるものが見かけられる。しかし、嵌合構造とした場合、嵌合部分が強固に嵌り合い、開蓋しにくくなるという問題がある。特に内嵌合構造は蓋が容器本体内に納まる構造となるため開蓋しにくいものであった。
【0003】
そこで、容器本体と蓋とを嵌合する嵌合部の構造を、内嵌合、外嵌合の少なくとも一方を備えた構造とした包装用容器において、容器本体又は蓋の一方に嵌合部の外側に備えた摘み片部と、摘み片部の面上に備え、容器外方に向かいつつ容器本体又は蓋の他方側に突出するように傾斜させた傾斜面と、容器本体又は蓋の他方に、閉蓋状態において摘み片部に対向する押下片部と、押下片部の容器外方側に備え、摘み片部側に膨らむ形状であり、先端部が傾斜面をスライド可能な外側膨出部と、押下片部の容器内方側に備え、摘み片部側に膨らむ形状であり、閉蓋状態において先端部が傾斜面にスライド可能に当接する内側膨出部と、を備えた包装用容器が開発されている(下記特許文献1参照)。
【0004】
この包装用容器100は、例えば、
図9に示すように、人差し指Iと親指Tとで摘み片部101と押下片部102とを挟み、押下片部102を摘み片部102側に押し下げることにより開封できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年では、資源の節約化のため包装用容器を作製する樹脂シートの厚みを薄くし薄肉化を図る傾向にある。樹脂シートを薄肉化すると当然に強度が弱くなるため、上記特許文献1に示した容器では開蓋時に摘み片部或いは押下片部が変形したり、裂けたりしてしまうことがあった。
また、軽量化を図るため発泡樹脂シートで上記特許文献1に示した容器を作製した場合も、剛性がなく、開蓋時に摘み片部或いは押下片部が変形したり、裂けたりしてしまうことがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、薄肉化又は発泡化した樹脂シートから作製した場合でも、開蓋作業が容易にできる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の包装用容器の一形態は、容器本体に嵌合可能な蓋を備えた包装用容器において、容器本体に設け、容器外方に突き出る摘み片部と、摘み片部の面上に形成し、容器外方に向かいつつ蓋側に突出るように傾斜させた傾斜面と、傾斜面上に設け、容器内外方向に延びる凸部又は凹部からなる補強部と、蓋に設け、閉蓋状態において該摘み片部に対面する押下片部と、押下片部に設け、摘み片部側に膨出し、閉蓋状態において先端部が該傾斜面上に設けた該補強部に当接する膨出部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記形態の包装用容器は、摘み片部及び押下片部の先端部を摘み、押下片部を摘み片部側に押し下げることにより、膨出部の先端部が傾斜面を滑りながら容器内方に移動し、嵌合部の嵌合状態を解除させる。この際、傾斜面上には補強部が設けてあるため、摘み片部が変形しにくくなる。また、開蓋の際、膨出部の先端部が補強部上を滑ることになるため、摩擦が小さくなり、スムーズに開蓋作業ができる。
【0010】
上記形態の包装用容器において、補強部を直線状に形成することができる。このようにすることにより、補強部が、膨出部の移動の際にガイドの役割を果たし、力が分散されずに開蓋ができるようになる。
【0011】
上記形態の包装用容器において、摘み片部の外縁部に下方に向くスカート部を設けることができ、さらに、スカート部の下端部から容器外方に向かい横向きに突き出る突片部を設けることができる。このように摘み片部の周辺にスカート部や突片部を設けることにより、摘み片部の撓みを防ぐことができて剛性が増し、開封作業がしやすくなる。
【0012】
上記形態の包装用容器において、傾斜面を凹曲面にすることができる。このようにすることにより、開蓋する際に、膨出部の先端部が傾斜面を滑る際に容器内方に向かいやすく、開蓋作業がしやすくなる。
【0013】
上記形態の包装用容器において、摘み片部を二つ以上設けることができる。このようにすることにより、好適な位置の摘み片部を選択して開蓋することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一の実施形態の包装用容器を示し、開蓋状態の斜視図である。
【
図2】
図1の包装用容器において、開蓋状態の側面図である。
【
図3】
図1の包装用容器の容器本体の平面図である。
【
図5】
図1の包装用容器の摘み片部及び押下片部付近を示した部分拡大断面図であり、(A)は開蓋状態、(B)は閉蓋状態、(C)は開蓋作業時を示す。
【
図6】本発明の第二の実施形態の包装用容器を示し、(A)は蓋の平面図、(B)は容器本体の平面図である。
【
図7】
図6の包装用容器において、開蓋状態の側面図である。
【
図8】
図6の包装用容器の摘み片部及び押下片部付近を示した、開蓋状態の部分拡大断面図である。
【
図9】従来の包装用容器の一例を示した部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の包装用容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の第一の実施形態の包装用容器1は、
図1に示すように、容器本体2と蓋3とを備え、例えば、食品などを包装することができ、お弁当の容器や惣菜、サラダ、米飯類、麺類等を収容する容器などとして用いることができる。
【0017】
容器本体2及び蓋3は、特に限定するものではないが、シート厚0.1mm~4mmの合成樹脂シートを熱成形して製造することができ、合成樹脂シートは、非発砲樹脂シート、発泡樹脂シートのいずれでもよい。容器本体2を発泡樹脂シート、蓋3を非発泡樹脂シートから形成するなど両者が相違してもよい。
【0018】
包装用容器1は、特に、薄肉化された非発砲樹脂シートや発泡樹脂シートから形成するのが好ましく、より具体的には、0.15mm以上、特に0.3mm~2mmの厚みの非発砲樹脂シートや0.5mm~3mm、特に1mm~2mmの厚みの発泡樹脂シートから形成するのが好ましい。発泡樹脂シートの場合は、発泡倍率を1.01倍~20倍、特に1.05倍~10倍にするのが好ましい。
【0019】
非発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂シートやポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートや耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを挙げることができる。なかでも、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートが好ましい。
【0020】
発泡樹脂シートとしては、例えば、発泡ポリオレフィン系樹脂シート、発泡ポリスチレン系樹脂シート、発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡ポリエステル系樹脂シートを挙げることができる。
また、合成樹脂シートを積層した積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、非発泡樹脂シート又は発泡樹脂シートに樹脂フィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。なかでも、発泡樹脂シートの片面又は両面に樹脂フィルムをラミネートした積層シートを用いるのが好ましく、この際の樹脂フィルムの厚みは5μm~200μm、特に10μm~100μmが好ましい。樹脂フィルムを積層することにより、表面が滑らかになり、かつ、硬くできるので開蓋作業をしやすくなる。
【0021】
熱成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
容器本体2及び蓋3は、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように透明乃至半透明であることが好ましい。蓋3を透明、容器本体2を白色にするなど両者が相違してもよい。
【0022】
容器本体2は、
図1~
図3に示すように、平面視長円乃至楕円形状の浅鉢状の容器としてあり、底面部21の周縁部に壁面部22を立ち上げて形成してある。
底面部21は、平面視長円乃至楕円形状の水平面状に形成してあり、中央付近が一段隆起するようにしてある。壁面部22は、底面部21の周縁部から湾曲しながら上方に向かう湾曲面形状としてある。壁面部22の上縁部には、外側横向きに突き出すフランジ部23が形成してある。フランジ部23は、所定幅で容器全周に渡り形成してある。フランジ部23の外縁部には、下方に垂下する被嵌合面部24が形成してある。被嵌合面部24の面上には、凹溝部25を容器全周に渡り設けて蓋3を外嵌合できるようにしてある。
【0023】
被嵌合面部24の下端部の所定箇所には、
図1又は
図3に示すように、容器外方に舌片状に延出した摘み片部4が形成してある。摘み片部4の面上には、容器外方に向かい上昇する上向き傾斜の傾斜面41が形成してある。傾斜面41は、平面視において山形状に形成し、裾野部から頂部に向かい上向き傾斜するようにしてある。傾斜面41は、凹曲面状になるように形成することが好ましい。
本実施形態では、摘み片部4は、容器本体2の一か所に形成してあるが、これに限定されるものではなく、二か所以上形成してもよい。
【0024】
傾斜面41は、
図1又は
図3に示すように、面上に容器内外方向に延びる凸部又は凹部からなる補強部5が形成してある。本実施形態では、容器内外方向に沿い適宜間隔をおいて並行状に配した三条の凸部で補強部5を形成してある。傾斜面41に補強部5を設けることにより、傾斜面41に荷重が加わっても撓みにくくなるため開蓋作業がしやすくなる。本実施形態では、補強部5の断面形状を半球状としてあるが、これに限定されるものではない。
補強部5は、容器内外方向に沿う直線状に形成するのが好ましい。また、補強部5は、少なくとも一条設けてあればよく、傾斜面41の中心線付近に設けるのが好ましい。
【0025】
摘み片部4の外縁部には、下方に向かうスカート部6が形成してある。スカート部6は、
図2又は
図5(A)に示すように、摘み片部4の撓みを防止する観点から階段状に形成するのが好ましい。また、スカート部6の下端部には、容器外方に向かい横向きに所定幅で突き出る突片部61が形成してある。突片部61を設けることにより、より一層、摘み片部4の撓みを防止することができる。突片部61は、凹凸が連続する波形状に形成するのが好ましく、例えば、メッシュ状やローレット状などに形成することができる。これにより、突片部61の剛性が高まり撓みにくくなり、ひいては摘み片部4の撓みも防止できる。
【0026】
蓋3は、
図1、
図2又は
図4に示すように、平面視長円乃至楕円状の平板状に形成してあり、容器本体2に嵌合して閉蓋できるようにしてある。
蓋3の天板部31は、平面視長円乃至楕円状の水平面状に形成し、中央付近を一段隆起させて形成してある。天板部31の周縁部に、容器本体2に嵌合可能な構造とした蓋嵌合部32が全周に渡り形成してある。蓋嵌合部32は、断面倒コの字状に形成してあり、その外側の垂直面部33には、容器内側に向けて突出する突条34が周方向に適宜長さで複数個所に設けてある。突条34は、閉蓋状態で容器本体2の凹溝部25に嵌まり容器本体2と蓋3とが外嵌合するように形成してある。
蓋3には、垂直面部33の下端部から横向きに舌片状に延びる押下片部7が形成してあり、押下片部7は、閉蓋状態において摘み片部4に対面するように形成してある。
【0027】
押下片部7には、
図2に示すように、下方に膨出させた膨出部8が形成してあり、膨出部8の先端部は、
図5(B)に示すように、閉蓋状態において傾斜面41の面上に当接するようにしてあり、補強部5上に当接するのが好ましい。膨出部8は、
図4に示すように、平面視においてへの字状に形成してあり、また、傾斜面41を滑りやすいように断面U状に形成してある。
【0028】
容器本体2に蓋3を被覆させるには、蓋3を容器本体2の上方から押込み、
図5(B)に示すように、凹溝部25に蓋嵌合部32の突条34を嵌め合わせて嵌合させればよい。この際、
図5(B)に示すように、膨出部8の先端部が傾斜面41に当接した状態になる。
【0029】
容器本体2から蓋3を開蓋するには、
図5(C)に示すように、例えば、人差し指を摘み片部4の突片部61の外縁部に下側から当て、親指を押下片部7の外縁部に上側から当てるようにして力を加えて摘むことにより、押下片部7の外縁部が押し下げられて凹溝部25と突条34との嵌合が解除され開蓋できる。また、突片部61を凹凸が連続する波形状にしておけば、指先の滑り防止になり開蓋作業がしやすくなる。
【0030】
より詳しくは、
図5(C)に示すように、押下片部7の外縁部を矢印A方向に押し下げることにより、膨出部8の先端部が矢印B方向に傾斜面41を滑降しながら、容器内側に入り込む。そのため、垂直面部33が容器外側に引っ張られ、突条34が凹溝部25から外れて嵌合状態が解除する。同時に、膨出部8の先端部を支点として押下片部7が傾き、外縁部が押し下げられることにより、垂直面部33が矢印C方向に移動する。そのため、蓋3が上方に持ち上げられて容器本体2から離反し、開蓋することができる。
【0031】
包装用容器1は、傾斜面41に凸部の補強部5を設けたことにより、傾斜面41が補強されたため、膨出部8が強く押し当てられても変形しにくくなる。そのため、容器1を薄肉化や発泡化などしても開蓋作業をスムーズに行うことができる。また、膨出部8の下端部を補強部5上に位置させることにより、接触面積が小さくなるため、膨出部8が傾斜面41上を滑りやすくなり、開蓋作業がしやすくなる。
補強部5を凹部とした場合、傾斜面41が補強されるだけでなく、補強部5が膨出部8のガイドとなり膨出部8が補強部5に沿い移動しやすくなる。そのため、凹部の補強部5を容器内外方向に沿う直線状に形成しておけば、膨出部8が容器内側に向かい直線状に滑ることになり、開蓋作業がしやすくなる。
【0032】
さらに、摘み片部4の外縁部にスカート部6を設けることや、さらにスカート部6の下端部に突片部61を設けることをすることにより、摘み片部4が撓みにくくなり、開蓋作業がより一層しやすくなる。
【0033】
なお、包装用容器1は、容器本体2に摘み片部4を設け、蓋3に押下片部7を設けた構造としてあるが、蓋3に摘み片部4を設け、容器本体2に押下片部7を設ける構造にしてもよい。
【0034】
第一の実施形態では、蓋3が容器本体2に外嵌合する構造としてあるが、容器本体3と蓋2とを嵌合する嵌合部の構造を、内嵌合、外嵌合の少なくとも一方を備えた構造としてあればよく、内嵌合、外嵌合のいずれかを採用してもよく、また、内嵌合と外嵌合の両方を備えた内外嵌合としてもよい。
例えば、
図6~
図8には、第二の実施形態の包装用容器11が示してあり、この容器11は、内嵌合構造としてある。
【0035】
包装用容器11の基本的な構造は包装用容器1と共通するため詳しい説明は省略し、近似する構造部分は、同一名称・符号を用いて説明する。
【0036】
容器本体2は、
図6(A)又は
図7に示すように、平面視円形状の深鉢状の容器としてあり、底面部21の周縁部に壁面部22を立ち上げて形成してある。
壁面部22の上縁部付近は、
図8に示すように、容器外側に膨らませ蓋3を内嵌合できる凹溝部25aを容器全周に渡り設けてある。
【0037】
凹溝部25aの上縁部には、外側横向きに突き出すフランジ部23が形成してある。フランジ部23の一部箇所に、
図6(B)に示すように、容器外方に舌片状に延出した摘み片部4が形成してある。摘み片部4の面上には、傾斜面41が形成してある。
傾斜面41には、
図6(B)に示すように、一条の凸部からなる補強部5を形成してある。摘み片部4の外縁部には、
図8に示すように、スカート部6が形成してあり、その下端部には、突片部61が形成してある。
【0038】
蓋3は、
図6(A)又は
図7に示すように、平面視円形状の平板状に形成してあり、容器本体2に嵌合して閉蓋できるようにしてある。
蓋3の天板部31の周縁部には、断面倒コの字状の蓋嵌合部32が全周に渡り形成してある。その内側の垂直状に立ち上がる垂直面部33には、容器外側に向けて突出する突条34aが全周に渡り形成してある。突条34aは、閉蓋状態で容器本体2の凹溝部25aに嵌まり容器本体2と蓋3とが内嵌合するように形成してある。
蓋3には、蓋嵌合部32から外側横向きに舌片状に延びる押下片部7が形成してあり、押下片部7は、閉蓋状態において摘み片部4に対面するように形成してある。
【0039】
押下片部7には、
図6又は
図7に示すように、下方に膨出させた膨出部8が形成してあり、膨出部8の先端部は、閉蓋状態において傾斜面41の面上に当接するようにしてある。
【0040】
容器本体2に蓋3を被覆させるには、蓋3を容器本体2の上方から押込み、凹溝部25aに突条34aを嵌め合わせて嵌合させればよい。
【0041】
包装用容器11は、包装用容器1と同様に、例えば、人差し指を摘み片部4の突片部61の外縁部に下側から当て、親指を押下片部7の外縁部に上側から当てるようにして力を加えて摘むことにより、突条34aと凹溝部25aとの嵌合が解除され開蓋できる。
【0042】
包装用容器11は、傾斜面41に補強部5を設けたことにより、傾斜面41が補強されたため、膨出部8が強く押し当てられても変形しにくくなる。そのため、容器11を薄肉化や発砲化などしても開蓋作業をスムーズに行うことができる。
【0043】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0044】
1,11包装用容器
2容器本体
21底面部
22壁面部
23フランジ部
24嵌合面部
25,25a凹溝部
3蓋
31天板部
32蓋嵌合部
33垂直面部
34,34a突条
4摘み片部
41傾斜面
5補強部
6スカート部
61突片部
7押下片部
8膨出部