IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッドの特許一覧

特許7319690ライダーシステムの分解能を向上させるための光学設計および検出器設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ライダーシステムの分解能を向上させるための光学設計および検出器設計
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230726BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20230726BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/89
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020529120
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 US2018062994
(87)【国際公開番号】W WO2019108752
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】62/593,105
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/203,422
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/203,430
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518379544
【氏名又は名称】セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】マッコード,マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】ペイ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,トンイ
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-100842(JP,A)
【文献】特開2007-214564(JP,A)
【文献】特開2003-028960(JP,A)
【文献】特開2016-109517(JP,A)
【文献】国際公開第2017/189185(WO,A1)
【文献】特開2000-098027(JP,A)
【文献】特開平11-118419(JP,A)
【文献】特開平08-307006(JP,A)
【文献】特開2005-019804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0254638(US,A1)
【文献】滝田 好宏 他,3D-LIDARに揺動機構を用いた測量システムの研究,第35回日本ロボット学会学術講演会[CD-ROM],日本,一般社団法人日本ロボット学会,2017年09月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
17/00 - 17/95
G01B 11/00 - 11/30
G01C 3/00 - 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に第1の幅を有し、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有し、前記第1の幅が前記第1の高さより大きい、第1の照射領域を有する第1のレーザ源と、
負の屈折率を有し、前記第1のレーザ源の前方に配置された第1の円柱レンズであって、前記第1の円柱レンズが、前記第1の円柱レンズのパワー軸が実質的に前記第1の方向に沿うように向けられ、前記第1の円柱レンズが、前記第1のレーザ源によって照射された第1のレーザビームの前記第1の照射領域を仮想幅および仮想高さを有する第1の仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が前記第1の幅より小さい、第1の円柱レンズと、
前記第1のレーザ源と第2のレーザ源とがレーザアレイを形成するように、前記第1のレーザ源の隣に配置された第2のレーザ源と、
負の屈折率を有し、前記第2のレーザ源の前方に配置され、前記第2のレーザ源によって照射された第2のレーザビームの第2の照射領域を第2の仮想照射領域に変換するように構成された、第2の円柱レンズと、
前記第1の円柱レンズおよび前記第2の円柱レンズの下流に配置された回転対称レンズであって、前記回転対称レンズが前記第1のレーザビームおよび前記第2のレーザビームをコリメートして、遠視野に向けて差し向けるように配置される、回転対称レンズと、
を備える、光学システム。
【請求項2】
前記第1のレーザ源、前記第1の円柱レンズ、および前記回転対称レンズが、ライダーシステムで使用される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記第1のレーザ源および前記第1の円柱レンズが、前記第1のレーザビームを走査するために、前記回転対称レンズの焦点面において一緒に並進移動されるように構成される、請求項2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記第1のレーザ源を封入する第1の透明カバーであって、前記第1の円柱レンズが、前記第1の透明カバーに直接成形され、第1の単一パッケージに前記第1のレーザ源と一体化される第1の透明カバーと、
前記第2のレーザ源を封入する第2の透明カバーであって、前記第2の円柱レンズが、前記第2の透明カバーに直接成形され、第2の単一パッケージに前記第2のレーザ源と一体化される第2の透明カバーと、
をさらに備える、請求項2または3に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1のレーザ源が固体レーザ源を含む、請求項1乃至4に記載の光学システム。
【請求項6】
三次元イメージングのためのライダーシステムであって、前記ライダーシステムが、
第1の複数のレーザパルスを照射するように構成された第1のレーザ源であって、前記第1のレーザ源が、
第1の方向に第1の幅を有し、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有し、前記第1の幅が前記第1の高さより大きい、第1の照射領域を有する、第1のレーザ源と、
負の屈折率を有し、前記第1のレーザ源の前方に配置された第1の円柱レンズであって、前記第1の円柱レンズが、前記第1の円柱レンズのパワー軸が実質的に前記第1の方向に沿うように向けられ、前記第1の円柱レンズが、前記第1の照射領域を仮想幅および仮想高さを有する第1の仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が前記第1の幅より小さい、第1の円柱レンズと、
前記第1のレーザ源と第2のレーザ源とがレーザアレイを形成するように、前記第1のレーザ源の隣に配置された第2のレーザ源であって、第2の複数のレーザパルスを照射するように構成された第2のレーザ源と、
負の屈折率を有し、前記第2のレーザ源の前方に配置され、前記第2のレーザ源によって照射された第2のレーザビームの第2の照射領域を第2の仮想照射領域に変換するように構成された、第2の円柱レンズと、
前記第1の円柱レンズおよび前記第2の円柱レンズの下流に配置された照射レンズであって、前記照射レンズが、回転対称であり、前記第1の複数のレーザパルスおよび前記第2の複数のレーザビームをコリメートし、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように配置され、前記1つまたは複数の対象物が、前記第1の複数のレーザパルスおよび前記第2の複数のレーザビームを反射して、複数の戻りレーザパルスを生成する、照射レンズと、
回転対称であり、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、受光レンズの焦点面で戻りビームスポットに集束させるように配置される受光レンズと、
前記受光レンズの前記焦点面に配置された検出面を有し、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光および検出するように配置された検出器と、
前記レーザアレイおよび前記検出器に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサが、
前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定し、
前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの前記判定された飛行時間に基づいて前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築する、
ように構成される、プロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
【請求項7】
前記第1のレーザ源および前記第1の円柱レンズ、前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な少なくとも1つの方向に、複数の照射位置を通して並進移動されるように配置され、前記第1の複数のレーザパルスのそれぞれが、前記複数の照射位置のそれぞれ1つにおいて照射され、
前記検出器が、前記受光レンズの前記焦点面における複数の検出位置を通して前記少なくとも1つの方向に並進移動されるように構成され、前記複数の検出位置が、前記複数の照射位置に対応し、前記レーザアレイおよび前記検出器が、互いに対して同期して並進移動される、請求項に記載のライダーシステム。
【請求項8】
前記照射レンズが、前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも1つの方向に前記レーザアレイに対して並進移動されるように構成され、前記受光レンズが、前記少なくとも1つの方向に前記検出器に対して並進移動されるように構成され、前記照射レンズおよび前記受光レンズが、互いに同期して並進移動される、請求項に記載のライダーシステム。
【請求項9】
前記レーザアレイおよび前記検出器が、前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に同期して並進移動されるように構成され、前記照射レンズおよび前記受光レンズが、前記ライダーシステムの前記光軸に実質的に垂直な少なくとも第2方向に同期して並進移動されるように構成される、請求項に記載のライダーシステム。
【請求項10】
前記レーザアレイおよび前記検出器が、2つの方向に並進移動されるように構成される、またはリサージュパターンで並進移動されるように構成される、請求項またはに記載のライダーシステム。
【請求項11】
前記照射レンズおよび前記受光レンズのそれぞれが、2つの方向に並進移動される、またはリサージュパターンで並進移動される、請求項またはに記載のライダーシステム。
【請求項12】
前記第1のレーザ源を封入する第1の透明カバーであって、前記第1の円柱レンズが、前記第1の透明カバーに直接成形され、第1の単一パッケージに前記第1のレーザ源と一体化される第1の透明カバーと、
前記第2のレーザ源を封入する第2の透明カバーであって、前記第2の円柱レンズが、前記第2の透明カバーに直接成形され、第2の単一パッケージに前記第2のレーザ源と一体化される第2の透明カバーと、
をさらに備える、請求項乃至11に記載のライダーシステム。
【請求項13】
三次元イメージングの方法であって、前記方法が、
プロセッサを使用して、第1のレーザ源および第1の円柱レンズを一緒に並進移動させるステップであって、前記第1のレーザ源が、第1の高さを有し、かつ前記第1の高さより大きい第1の幅を有する照射領域を有し、前記第1の円柱レンズが、負の屈折率を有し、前記第1のレーザ源の前方に配置され、前記第1の円柱レンズが、前記第1の円柱レンズのパワー軸が実質的に幅方向になるように向けられ、前記第1のレーザ源が、照射面内の第1の複数の照射位置のそれぞれに並進移動される、ステップと、
前記プロセッサによって前記第1のレーザ源を使用して、第1の複数のレーザパルスを照射するステップであって、前記第1の複数のレーザパルスのそれぞれが、前記第1の複数の照射位置のそれぞれ1つで照射される、ステップと、
前記プロセッサを使用して、前記第1のレーザ源と第2のレーザ源とがレーザアレイを形成するように、前記第1のレーザ源の隣に配置された前記第2のレーザ源を並進移動させるステップであって、第2の円柱レンズが、負の屈折率を有し、前記第2のレーザ源の前方に配置され、前記第2のレーザ源は、前記照射面内の第2の複数の照射位置に並進移動される、ステップと、
前記プロセッサによって前記第2のレーザ源を使用して、第2の複数のレーザパルスを照射するステップと、
照射レンズを使用して、前記第1の複数のレーザパルスおよび前記第2の複数のレーザパルスをコリメートし、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップであって、前記1つまたは複数の対象物が、前記第1の複数のレーザパルスおよび前記第2の複数のレーザパルスを反射して複数の戻りレーザパルスを生成する、ステップと、
受光レンズを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、検出面内の複数の対応する検出位置に集束させる、ステップであって、各対応する検出位置がそれぞれの照射位置と共役である、ステップと、
前記プロセッサを使用して、前記検出面内の前記複数の対応する検出位置のそれぞれに検出器を並進移動させるステップと、
前記プロセッサによって前記検出器を使用して、前記複数の対応する検出位置の各それぞれの検出位置における前記複数の戻りレーザパルスの各それぞれの戻りレーザパルスを検出するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの前記飛行時間に基づいて、前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、
を含む、三次元イメージングの方法。
【請求項14】
前記受光レンズおよび前記照射レンズが同じレンズを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の円柱レンズが、前記第1のレーザ源の前記照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が、前記照射領域の前記第1の幅より小さい、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザアレイおよび前記検出器が、前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に並進移動される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサを使用して、前記照射レンズおよび前記受光レンズを、前記照射レンズの前記光軸に実質的に垂直な少なくとも第2の方向に同期して並進移動させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザアレイおよび前記検出器が、二次元で並進移動される、またはリサージュパターンで並進移動されるように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のレーザ源を封入する第1の透明カバーであって、前記第1の円柱レンズが、前記第1の透明カバーに直接成形され、第1の単一パッケージに前記第1のレーザ源と一体化される第1の透明カバーと、
前記第2のレーザ源を封入する第2の透明カバーであって、前記第2の円柱レンズが、前記第2の透明カバーに直接成形され、第2の単一パッケージに前記第2のレーザ源と一体化される第2の透明カバーと、
をさらに備える、請求項13乃至18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本PCT出願は、2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/593,105号の利益、ならびに2018年11月28日に出願された「OPTICAL DESIGNS USING CYLINDRICAL LENSES FOR IMPROVED RESOLUTION IN LIDAR SYSTEMS」と題する米国特許出願第16/203,422号、および2018年11月28日に出願された「DETECTOR DESIGNS FOR IMPROVED RESOLUTION IN LIDAR SYSTEMS」と題する米国特許出願第16/203,430号の優先権を主張するものであり、これらの内容の全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]三次元センサは、自律車両、ドローン、ロボット工学、セキュリティアプリケーションなどに適用され得る。走査型ライダーセンサは、このようなアプリケーションに適した良好な角度分解能を手頃なコストで実現できる。しかしながら、より優れた分解能のライダーシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]いくつかの実施形態によれば、光学システムは、第1の方向に第1の幅を有し、かつ第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有する照射領域を有するレーザ源を備える。第1の幅は第1の高さより大きい。光学システムは、負の屈折率を有し、レーザ源の前方に配置された円柱レンズをさらに備える。円柱レンズは、円柱レンズのパワー軸が実質的に第1の方向に沿うように向けられる。円柱レンズは、レーザ源によって照射されたレーザビームの照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、仮想幅が、レーザ源の照射領域の第1の幅より小さい。光学システムは、円柱レンズの下流に配置された回転対称レンズをさらに備える。回転対称レンズは、レーザビームをコリメートして、遠視野に向けて差し向けるように構成される。
【0004】
[0004]いくつかの実施形態によれば、ライダーシステムは、複数のレーザパルスを照射するように構成されたレーザ源を備える。レーザ源は、第1の方向に第1の幅を有し、かつ第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有する照射領域を有する。第1の幅は第1の高さより大きい。ライダーシステムは、負の屈折率を有し、レーザ源の前方に配置された円柱レンズをさらに備える。円柱レンズは、円柱レンズのパワー軸が実質的に第1の方向に沿うように向けられる。円柱レンズは、照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、仮想幅が、第1の幅より小さい。ライダーシステムは、円柱レンズの下流に配置された照射レンズをさらに備える。照射レンズは回転対称であり、複数のレーザパルスをコリメートし、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように構成される。1つまたは複数の対象物は、複数のレーザパルスを反射して、複数の戻りレーザパルスを生成することができる。ライダーシステムは受光レンズをさらに備える。受光レンズは回転対称であり、複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光して、受光レンズの焦点面において戻りビームスポットに集束させるように構成される。ライダーシステムは検出器をさらに備える。検出器は、受光レンズの焦点面に配置された検出面を有し、複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光および検出するように構成される。ライダーシステムは、レーザ源および検出器に接続されたプロセッサをさらに備える。プロセッサは、複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定し、複数の戻りレーザパルスのそれぞれについて判定された飛行時間に基づいて、1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するように構成される。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態によれば、三次元イメージングの方法が、レーザ源および円柱レンズを一緒に並進移動させるステップを含む。レーザ源は、照射面内の複数の照射位置のそれぞれに並進移動される。レーザ源は、第1の高さを有し、かつ第1の高さより大きい第1の幅を有する照射領域を有する。円柱レンズは、負の屈折率を有し、レーザ源の前方に配置される。円柱レンズは、円柱レンズのパワー軸が実質的に幅の方向になるように向けられる。本方法は、レーザ源を使用して、複数のレーザパルスを照射するステップをさらに含む。複数のレーザパルスのそれぞれは、複数の照射位置のそれぞれ1つで照射される。本方法は、照射レンズを使用して、複数のレーザパルスをコリメートして、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップをさらに含む。1つまたは複数の対象物は、複数のレーザパルスのそれぞれを反射して、複数の戻りレーザパルスを生成することができる。本方法は、受光レンズを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、検出面内の複数の対応する検出位置に集束させるステップをさらに含む。各対応する検出位置が、それぞれの照射位置と共役である。本方法は、検出面内の複数の対応する検出位置のそれぞれに検出器を並進移動させるステップと、検出器を使用して、複数の検出位置の各それぞれの検出位置における複数の戻りレーザパルスの各それぞれの戻りレーザパルスを検出するステップと、をさらに含む。本方法は、プロセッサを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定するステップと、プロセッサを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間に基づいて、1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、をさらに含む。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態によれば、ライダーシステムは、電磁信号を運ぶレーザビームを照射するように構成されたレーザ源と、レーザビームをコリメートして、レーザビームの視野内の1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように構成された照射レンズと、を備える。1つまたは複数の対象物は、レーザビームを反射して、戻りレーザビームを生成することができる。ライダーシステムは、戻りレーザビームを受光し、受光レンズの焦点面において戻りビームスポットに集束させるように構成された受光レンズと、検出器と、をさらに備える。検出器は、受光レンズの焦点面にアレイとして配置された複数の光センサを備える。各それぞれの光センサは、それぞれの感知領域を有し、レーザビームの視野のそれぞれのセクションに対応する戻りレーザビームのそれぞれの部分を受光および検出するように構成される。ライダーシステムは、レーザ源および検出器に接続されたプロセッサをさらに備える。プロセッサは、検出器のそれぞれの光センサで検出された戻りレーザビームのそれぞれの部分のそれぞれの飛行時間を判定し、戻りレーザビームの各それぞれの部分のそれぞれの飛行時間に基づいて1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するように構成される。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態によれば、三次元イメージングの方法が、レーザ源を使用してレーザパルスを照射するステップと、照射レンズを使用して、レーザパルスをコリメートして、レーザパルスの視野内にある1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップと、を含む。1つまたは複数の対象物は、レーザパルスを反射して、戻りレーザパルスを生成することができる。本方法は、受光レンズを使用して、戻りレーザパルスを受光し、受光レンズの焦点面において戻りビームスポットに集束させるステップをさらに含む。本方法は、受光レンズの焦点面においてアレイとして構成された複数の光センサを備える検出器を使用して、各それぞれの光センサにおいて受光された戻りレーザパルスのそれぞれの部分を検出するステップと、をさらに含む。戻りレーザパルスのそれぞれの部分は、レーザパルスの視野のそれぞれのセクションに対応する。本方法は、レーザ源および検出器に接続されたプロセッサを使用して、戻りレーザパルスの各それぞれの部分の飛行時間を判定するステップと、戻りレーザパルスの各それぞれの部分の飛行時間に基づいて1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、をさらに含む。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態によれば、ライダーシステムは、電磁信号を運ぶレーザビームを照射するように構成されたレーザ源と、レーザビームをコリメートして、レーザビームの視野内の1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように構成されたレンズと、を備える。1つまたは複数の対象物は、レーザビームを反射して、戻りレーザビームを生成することができる。レンズは、戻りレーザビームを受光し、レンズの焦点面において戻りビームスポットに集束させるようにさらに構成される。ライダーシステムは検出器をさらに備える。検出器は、レンズの焦点面にアレイとして配置された複数の光センサを備える。各それぞれの光センサは、それぞれの感知領域を有し、レーザビームの視野のそれぞれのセクションに対応する戻りレーザビームのそれぞれの部分を受光および検出するように構成される。ライダーシステムは、レーザ源および検出器に接続されたプロセッサをさらに備える。プロセッサは、検出器のそれぞれの光センサで検出された戻りレーザビームのそれぞれの部分のそれぞれの飛行時間を判定し、戻りレーザビームの各それぞれの部分のそれぞれの飛行時間に基づいて1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のいくつかの実施形態による三次元イメージングのためのライダーセンサを概略的に示す。
図2】細長い照射領域と、水平方向と垂直方向とに異なる拡がり角とを有するレーザ源を概略的に示す。
図3A】ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムを概略的に示す。
図3B】ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムを概略的に示す。
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムを概略的に示す。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムを概略的に示す。
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、遠視野ビームスポット形状に対する円柱レンズの効果を概略的に示す。
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、遠視野ビームスポット形状に対する円柱レンズの効果を概略的に示す。
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、遠視野ビームスポット形状に対する円柱レンズの効果を概略的に示す。
図5D】本発明のいくつかの実施形態による、遠視野ビームスポット形状に対する円柱レンズの効果を概略的に示す。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムで使用され得るレーザ源および円柱レンズの例示的な構成を概略的に示す。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、レーザ源および円柱レンズの別の例示的な構成を概略的に示す。
図7A】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムの断面図を示す。
図7B】本発明のいくつかの実施形態による、2つのレーザ源を備えるライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムの断面図を示す。
図8】本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングの方法を説明する簡略化した流れ図を示す。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムを概略的に示す。
図10A】本発明のいくつかの実施形態による検出器構成を示す。
図10B】単一の光センサを備える検出器を示す。
図11図11A乃至Cに本発明のいくつかの実施形態による、図9および図10に示される例におけるレーザパルスのタイミング図を概略的に示す。
図12A】本発明のいくつかの実施形態による検出器の概略平面図を示す。
図12B】本発明のいくつかの実施形態による検出器の概略平面図を示す。
図13】本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステムを概略的に示す。
図14】本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングの方法を説明する簡略化した流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0027]本発明は、概して、三次元イメージングのためのライダーシステムおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、ライダーシステムにおける分解能を改善するための光学設計および検出器設計ならびに方法に関する。単に例として、本発明の実施形態は、非対称の照射領域および非対称の拡がり角を有する、レーザ源によって照射されたレーザビームを投影するための光学システムを提供する。光学システムは、レーザ源の前方に配置された負の屈折率を有する円柱レンズ(例えば、平凹円柱レンズ)を備え得る。円柱レンズは、レーザ源の照射領域を実質的に対称であり、物理的照射領域より小さい仮想照射領域に変換するように構成され得る。回転対称の投影レンズ(例えば、球面レンズ)と組み合わせて、円柱レンズなしで実現されるものより小さい、対称的な遠視野ビームスポット(または戻りビームスポット)が実現され得る。ライダーシステムの分解能は遠視野ビームスポットサイズに依存し得るため、このような光学システムはライダーシステムの分解能を向上させ得る。本発明の実施形態はまた、光センサのアレイを備える検出器を提供する。アレイ内の各光センサは、戻りレーザビームの一部を受光および検出するように構成され得る。そのような検出器を備えたライダーシステムは、単一の光センサを備えた検出器と比較して、分解能を向上し得る。
【0011】
[0028]図1は、本発明のいくつかの実施形態による三次元イメージングのためのライダーセンサ100を概略的に示す。ライダーセンサ100は、照射レンズ130と受光レンズ140とを備える。ライダーセンサ100は、照射レンズ130の後焦点面に実質的に配置されたレーザ源110aを備える。レーザ源110aは、照射レンズ130の後焦点面内のそれぞれの照射位置からレーザパルス120を照射するように動作する。照射レンズ130は、レーザパルス120をコリメートして、ライダーセンサ100の前方に位置する対象物150に向けて差し向けるように構成される。レーザ源110aの所与の照射位置に対して、コリメートされたレーザパルス120’は、対象物150に向かって対応する角度で差し向けられる。
【0012】
[0029]レーザパルス120は、対象物150から反射され、それにより、受光レンズ140に向かって差し向けられた戻りレーザパルス122を生成し得る。受光レンズ140は、戻りレーザパルス122を、受光レンズ140の焦点面内の対応する検出位置に集束させるように構成される。ライダーセンサ100は、受光レンズ140の焦点面に実質的に配置された検出器160aをさらに備える。検出器160aは、対応する検出位置で、戻りレーザパルス122を受光および検出するように構成される。検出器160aの対応する検出位置は、レーザ源110aのそれぞれの照射位置と共役である。
【0013】
[0030]レーザパルス120は、短い持続時間、例えば100nsのパルス幅とすることができる。ライダーセンサ100は、レーザ源110aおよび検出器160aに接続されたプロセッサ190をさらに備える。プロセッサ190は、戻りレーザパルス122の飛行時間(TOF)を判定するように構成される。戻りレーザパルス122は光の速さで伝播するため、ライダーセンサ100と対象物150との間の距離は、判定された飛行時間に基づいて判定され得る。
【0014】
[0031]いくつかの実施形態によれば、照射レンズ130と受光レンズ140とは固定され得る。レーザ源110aは、照射レンズ130の後焦点面内の複数の照射位置に対してラスタ走査され、複数の照射位置で複数のレーザパルスを照射するように構成される。それぞれの照射位置で照射された各レーザパルスは、照射レンズ130によってコリメートされ、対象物150に向かってそれぞれの角度で差し向けられ、対象物150の表面上の対応する点に入射する。よって、レーザ源110aが照射レンズ130の後焦点面内の特定の領域内でラスタ走査されると、対象物150上の対応する対象物領域が走査される。検出器160aは、受光レンズ140の焦点面内の複数の対応する検出位置に対してラスタ走査される。検出器160aの走査は、レーザ源110aの走査と同期して行われるため、検出器160aとレーザ源110aとは、いかなる時も常に互いに共役である。
【0015】
[0032]それぞれの照射位置で照射される各レーザパルスの飛行時間を判定することによって、ライダーセンサ100から対象物150の表面上の対応する各点までの距離を判定することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ190は、各照射位置におけるレーザ源110aの位置を検出する位置エンコーダと接続される。照射位置に基づいて、コリメートされたレーザパルス120’の角度を判定することができる。対象物150の表面上の対応する点のXY座標は、ライダーセンサ100に対する角度および距離に基づいて判定されてもよい。よって、対象物150の三次元画像が、ライダーセンサ100から対象物150の表面上の様々な点までの測定された距離に基づいて構築され得る。いくつかの実施形態では、三次元画像は、点群、すなわち、対象物150の表面上の点のX、Y、およびZ座標の組として表すことができる。
【0016】
[0033]代替的な実施形態では、レーザ源110aと検出器160aとは固定され得る。照射レンズ130は、レーザ源110aに対して走査されてもよく、受光レンズ140は、照射レンズ130の走査と同期して検出器160aに対して走査されてもよい。いくつかのさらなる実施形態では、レーザ源110aおよび検出器160aは、少なくとも第1の方向に走査されてもよく、照射レンズ130および受光レンズ140は、少なくとも第2の方向に走査される。例えば、レーザ源110aおよび検出器160aは水平方向に走査されてもよく、照射レンズ130および受光レンズ140は垂直方向に走査される。いくつかの実施形態では、レーザ源110aおよび検出器160aは2つの方向に走査され、照射レンズ130および受光レンズ140も2つの方向に走査される。いくつかの実施形態では、レーザ源110aおよび検出器160aは、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。照射レンズ130および受光レンズ140はまた、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。
【0017】
[0034]いくつかの実施形態では、レーザ源110aは、周波数変調連続波(FMCW)レーザビームを照射するように構成され得、プロセッサ190は、戻りレーザビームを復調することによって対象物150とライダーセンサ100との間の距離を判定するように構成され得る。
【0018】
[0035]いくつかの実施形態では、照射レンズ130および受光レンズ140は、同じレンズを含み得る、すなわち、単一のレンズが、レーザ源110aによって照射されたレーザパルス120をコリメートして対象物150に向けて差し向けるように構成され、かつ戻りレーザパルス122を検出器160a上に集束させるように構成され得る。
【0019】
[0036]いくつかの実施形態では、検出器の飽和を防止する、目の安全性を高める、または全体的な電力消費を低減するために、戻りレーザパルスの強度が測定され、同じ照射点からの後続のレーザパルスの出力を調整するために使用される。レーザパルスの出力は、レーザパルスの持続時間、レーザに印加される電圧もしくは電流、またはレーザに給電するために使用されるコンデンサに蓄積された電荷を変えることによって変えることができる。後者の場合、コンデンサに蓄えられた電荷は、コンデンサに対する充電時間、充電電圧、または充電電流を変えることによって変えることができる。いくつかの実施形態では、強度を使用して、画像に別の次元を追加することもできる。例えば、画像は、X、Y、およびZ座標、ならびに反射率(または輝度)を含むことができる。
【0020】
[0037]ライダーセンサ100の角度視野(AFOV)は、レーザ源110aの走査範囲および照射レンズ130の焦点距離に基づいて次式で推定することができる。

ここで、hは、特定の方向に沿ったレーザ源110aの走査範囲であり、fは、照射レンズ130の焦点距離である。所与の走査範囲hに対して、より短い焦点距離はより広いAFOVを生じる。所与の焦点距離fに対して、より広い走査範囲はより広いAFOVを生じる。
【0021】
[0038]いくつかの実施形態では、ライダーセンサ100は、照射レンズ130の後焦点面にアレイとして配置された複数のレーザ源を備えることができ、その結果、各個々のレーザ源の走査範囲を比較的小さく保ちながら、より大きな総AFOVを達成できる。これに応じて、ライダーセンサ100は、受光レンズ140の焦点面にアレイとして配置された複数の検出器を備えることができ、各検出器は、それぞれのレーザ源と共役である。例えば、ライダーセンサ100は、図1に示すように、第2のレーザ源110bと第2の検出器160bとを備えることができる。他の実施形態では、ライダーセンサ100は、4つのレーザ源と4つの検出器とを備えることができる、または8つのレーザ源と8つの検出器とを備えることができる。一実施形態では、ライダーセンサ100は、4×2アレイとして構成された8つのレーザ源と、4×2アレイとして構成された8つの検出器と、を備えることができ、その結果、ライダーセンサ100は、水平方向のAFOVを、垂直方向のAFOVより幅広にできる。様々な実施形態によれば、ライダーセンサ100の総AFOVは、照射レンズの焦点距離、各レーザ源の走査範囲、およびレーザ源の数に応じて、約5度から約15度、または約15度から約45度、または約45度から約90度の範囲であり得る。
【0022】
[0039]レーザ源110aは、紫外線、可視光線、または近赤外線の波長範囲のレーザパルスを照射するように構成されてもよい。各レーザパルスのエネルギーは、通常、KHz範囲の繰り返し率に対して「アイセーフ(eye-safe)」であると考えられるマイクロジュールのオーダーであり得る。約1500nmより長い波長で動作するレーザ源の場合、目がそれらの波長で焦点を合わせないため、エネルギーレベルはより高くなり得る。検出器160aは、シリコンアバランシェフォトセンサ、光電子増倍管、PINダイオード、または他の半導体センサを備えることができる。
【0023】
[0040]固体レーザなどのいくつかのレーザ源は、遠視野だけでなく近視野にも非対称の照射領域および非対称のビームプロファイルを有し得る。図2は、細長い照射領域220を有するレーザ源210、例えば、半導体レーザ源を概略的に示す。照射領域220は、垂直方向に高さhを有し、かつ水平方向に高さhよりも大きい幅wを有し得る。例えば、ライダーシステムで使用される固体レーザの場合、高さhは約10μmであり、幅wは約200μmであり得る。照射領域220は、図2では長方形の形状を有するものとして示されているが、照射領域220は、丸い角を有する長方形の形状または楕円形の形状を有してもよい。
【0024】
[0041]そのようなレーザ源によって照射されたレーザビームはまた、水平方向と垂直方向とで異なる拡がり角を有し得る。図2に示されるように、(例えば、接線平面における)水平照射扇240は、角度φ(これは、本明細書では、拡がり角と呼ばれ得る)の範囲を定め得、(例えば、矢状面における)垂直照射扇230は、φより大きい角度φの範囲を定め得る。例えば、水平照射扇240の拡がり角φは、約10度であってもよく、垂直照射扇230の拡がり角φは、約25度であってもよい。換言すれば、光線は、水平方向における光源の寸法が大きく、拡がりが小さく、垂直方向における光源の寸法が小さく、拡がりが大きい。レーザビームは垂直方向により速く拡がるため、垂直方向は高速軸と呼ばれ、水平方向は遅軸と呼ばれ得る。
【0025】
[0042]上述のようなレーザビームの非対称の照射領域および非対称の拡がり角は、球面レンズまたは非球面レンズなどの回転対称レンズを使用してレーザビームをコリメートすることを水平方向および垂直方向の両方でより困難にし得る。図3Aおよび図3Bは、ライダーシステムにおいてレーザビームをコリメートするための光学システムを概略的に示す。光学システムは、レーザ源210の前方に配置された球面レンズ310を備える(球面レンズ310は、例えば、図1に示される照射レンズ130であり得る)。図3Aは、水平照射扇の光路を示し、図3Bは、垂直照射扇の光路を示す。
【0026】
[0043]図3Bに示すように、レーザ源210の照射面がレンズ310のほぼ後焦点面に配置されている場合、垂直照射扇の光線は、レンズ310によって実質的にコリメートされ得る、すなわち、光路に沿ったレンズ310の後の光線は、互いにほぼ平行であり得る。一方、図3Aに示すように、垂直照射扇の拡がり角φより小さい拡がり角φを有する水平照射扇をコリメートするにはレンズ310の屈折率が大きすぎる場合があるため、水平照射扇の光線は、光路に沿ったレンズ310の後に集束し得る。換言すれば、水平照射扇をコリメートするために、レンズ310より小さい屈折率(したがって、より長い焦点距離)を有するレンズが必要とされ得る。
【0027】
[0044]上述のようなレーザ源の非対称の照射領域および非対称の拡がり角のために、ライダーシステムの検出器上に結像される戻りビームスポットも非対称であり得る。例えば、図1に示されるライダーシステム100において、球面照射レンズ130を用いると、対象物150における遠視野ビームスポットは非対称であり得、その結果、球面受光レンズ140によって検出器160a上に結像される戻りビームスポットも非対称であり得る。ライダーシステムの角度分解能は戻りビームのスポットサイズに依存し得るため、非対称の戻りビームスポットはライダーシステムの分解能を制限し得る。
【0028】
I.分解能を向上させるための光学設計
[0045]
本発明のいくつかの実施形態によれば、負の屈折率を有する円柱レンズが回転対称照射レンズと組み合わせて使用されて、水平方向および垂直方向において比較的均一な角度分解能を達成し得る。図4Aおよび図4Bは、いくつかの実施形態による、ライダーシステムにおいてレーザビームを投影するための光学システムを概略的に示す。光学システムは、レーザ源210の前方に配置された平凹円柱レンズ410を備える。円柱レンズ410のパワー軸は、実質的に水平方向に沿っていてもよい。すなわち、円柱レンズ410は、図4Aに示すように、水平方向に非ゼロの屈折率を有することができ、図4Bに示すように、垂直方向にほとんど屈折率を持たない。
【0029】
[0046]図4Aに示すように、円柱レンズ410は、水平照射扇の拡がり角をφからφ’に拡大するように構成され得る。拡大された水平照射扇は、実際の幅wより小さい仮想幅w’を持つ仮想照射領域から照射されているように見え得る。いくつかの実施形態では、円柱レンズ410は、仮想幅w’が垂直照射扇の高さhに実質的に等しいように構成され得る。
【0030】
[0047]図4Bに示すように、円柱レンズ410は垂直方向に屈折率を持たないため、垂直照射扇の拡がり角φは、円柱レンズ410による影響を受けない。いくつかの実施形態では、水平照射扇の拡大された拡がり角φ’は、垂直照射扇の拡がり角φと実質的に等しくてもよい。よって、図4Aおよび図4Bに示すように、水平照射扇と垂直照射扇との両方をレンズ310によってコリメートすることができる。
【0031】
[0048]図4Aおよび図4Bは、円柱レンズ410が平凹形状を有する例示的な実施形態を示すが、いくつかの実施形態によれば、他のタイプの円柱レンズ(例えば、両凹円柱レンズまたはメニスカス円柱レンズ)が使用され得る。
【0032】
[0049]図5A図5Dは、円柱レンズ410が遠視野ビームスポット形状に対して有し得る効果を概略的に示す。図5Aおよび図5Cに示すように、円柱レンズ410がなければ、遠視野ビームスポット510は、非対称の照射領域および非対称の拡がり角のために、水平方向に細長くなり得る。図5Bに示すように、レーザ源210と照射レンズ310との間に円柱レンズ410を挿入することにより、水平照射扇の光線と垂直照射扇(図示せず)の光線とがコリメートされ得る。その結果、遠視野ビームスポット520は、図5Dに示すように、水平方向および垂直方向において実質的に対称になり得る。
【0033】
[0050]従来、正の屈折率を持つ円柱レンズ(例えば、平凸円柱レンズ)は、レーザと球面コリメートレンズとの間に配置されて、レーザビームを円形にする。例えば、正の屈折率を有する円柱レンズは、垂直照射扇の拡がり角を減少させるように、パワー軸が垂直方向と整列するように向けられ得る。その結果、図4Aおよび図4Bに示される構成と比較して、焦点距離が増えたコリメートレンズが、レーザビームをコリメートするために必要とされ得る。コリメートレンズの焦点距離が長くなると、ライダーシステムの物理的なサイズが大きくなり、ひいてはライダーシステムの製造コストが増加し得る。
【0034】
[0051]負の屈折率の円柱レンズを使用することは、走査型ライダーシステムで特に有利であり得る。例えば、図1に示される走査型ライダーシステムでは、照射レンズ130および受光レンズ140は固定され、レーザ源110aおよび110b、ならびに検出器160aおよび160bがそれぞれ照射レンズ130および受光レンズ140の焦点面で走査される。走査距離は、所与の視野角(FOV)を実現するために、照射レンズ130の焦点距離に比例し得る。よって、より短い焦点距離を有する照射レンズ130を使用することによって、同じFOVを維持しながら走査距離を短くすることができる。
【0035】
[0052]図6Aは、ライダーシステムで使用され得るレーザ源610および円柱レンズ640の例示的な構成を概略的に示す。レーザ源610は、透明カバー630によって封入されたレーザダイ620を備え得る。いくつかの実施形態によれば、円柱レンズ640の焦点距離は、-約0.2mm~-約5mmの範囲であり得る。図6Aに示すように、平凹形状の円柱レンズ640の場合、凹面の曲率半径は、-約0.1mm~-約2mmの範囲(例えば、-約0.5mm)であり得る。円柱レンズ640は、レーザダイ620の照射面から約0.2mm~約5mmの範囲(例えば、約1mm)の距離dに配置されてもよい。円柱レンズの特定の望ましくない光学的影響(例えば、非点収差と呼ばれ得る、水平方向と垂直方向でわずかに異なる最良焦点面)を最小化するために、円柱レンズ640をレーザダイ620の照射面に近接して配置すると有利であり得る。円柱レンズ640とレーザダイ620の照射面との間の距離dは、円柱レンズ640の焦点距離と類似しているが同一ではなく、円柱レンズ640の厚さおよび円柱レンズ640の形状(例えば、円柱レンズ640が平凹か両凹か)に依存し得る。
【0036】
[0053]図6Bは、いくつかの実施形態による、レーザ源650および円柱レンズ670の別の例示的な構成を概略的に示す。ここで、円柱レンズ670は、レーザダイ660を封入するカバーに直接成形される。いくつかの実施形態では、円柱レンズ670の焦点距離は、-約0.1mm~-約2mmの範囲であり得る。凹面の頂点とレーザダイ660の照射面との間の距離d’は、約0.1mm~約2mmの範囲であり得る。距離d’は、円柱レンズ670の焦点距離と類似しているが同一ではない場合がある。
【0037】
[0054]図7Aは、いくつかの実施形態による、ライダーシステムにおいてレーザビームを投影するための光学システムの断面図を示す。円柱レンズ720は、レーザ源710(例えば、レーザダイオード)の前方に配置される。球面照射レンズ730は、円柱レンズ720の前方に配置される。照射レンズ730は、いくつかのレンズ構成要素を含む複合レンズであり得る。いくつかの実施形態では、照射レンズ730は、約5mm~約50mmの範囲(例えば、約16mm)の焦点距離を有し得る。照射レンズ730の直径(例えば、開口)は、約5mm~約100mmの範囲(例えば、40mm)であり得る。
【0038】
[0055]いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、単一の球面照射レンズによって投影されるアレイに構成された複数のレーザ源を備え得る。そのような場合、各レーザ源は、それ自身の円柱レンズとペアにされ得る。図7Bは、ライダーシステムが2つのレーザ源710aおよび710bを備える例示的な実施形態を示す。第1の円柱レンズ720aは第1のレーザ源710aとペアにされ、第2の円柱レンズ720bは第2のレーザ源710bとペアにされる。2つのレーザ源710aおよび710bは、同じ球面照射レンズ730を共有する。
【0039】
[0056]図8は、本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングの方法800を説明する簡略化した流れ図を示す。
【0040】
[0057]方法800は、802において、レーザ源および円柱レンズを一緒に並進移動させるステップを含み得る。レーザ源は、照射面内の複数の照射位置のそれぞれに並進移動される。レーザ源は、第1の高さを有し、かつ第1の高さより大きい第1の幅を有する照射領域を有する。円柱レンズは、負の屈折率を有し、レーザ源の前方に配置される。円柱レンズは、円柱レンズのパワー軸が実質的に幅の方向になるように向けられる。円柱レンズは、レーザ源の照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され得、仮想幅が、照射領域の第1の幅より小さい。円柱レンズは、平凹円柱レンズであってもよいし、両凹円柱レンズであってもよい。いくつかの実施形態では、円柱レンズは、レーザ源と単一のパッケージに一体化されてもよい。
【0041】
[0058]方法800は、804において、レーザ源を使用して、複数のレーザパルスを照射するステップをさらに含み得る。複数のレーザパルスのそれぞれは、複数の照射位置のそれぞれ1つで照射される。本方法800は、806において、照射レンズを使用して、複数のレーザパルスをコリメートして、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップをさらに含み得る。1つまたは複数の対象物は、複数のレーザパルスのそれぞれを反射して、複数の戻りレーザパルスを生成することができる。
【0042】
[0059]方法800は、808において、受光レンズを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、検出面内の複数の対応する検出位置に集束させるステップをさらに含み得る。各対応する検出位置が、それぞれの照射位置と共役である。いくつかの実施形態では、受光レンズと伝送レンズとは同じレンズであってもよい、つまり、複数のレーザパルスをコリメートして1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように構成され、かつ複数の戻りレーザパルスを集束させるように構成された同じレンズであってもよい。
【0043】
[0060]方法800は、810において、検出面内の複数の対応する検出位置のそれぞれに検出器を並進移動させるステップと、812において、検出器を使用して、複数の検出位置の各それぞれの検出位置における複数の戻りレーザパルスの各それぞれの戻りレーザパルスを検出するステップと、をさらに含み得る。
【0044】
[0061]方法800は、814において、プロセッサを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定するステップと、816において、プロセッサを使用して、複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間に基づいて、1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、をさらに含み得る。
【0045】
[0062]いくつかの実施形態では、レーザ源および検出器のそれぞれが、一次元または二次元で並進移動される。いくつかの実施形態では、レーザ源および検出器は、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズは固定され、レーザ源および検出器が並進移動される。
【0046】
[0063]いくつかの他の実施形態では、方法800は、照射レンズの光軸に実質的に垂直な平面内でレーザ源に対して照射レンズを並進移動させるステップと、照射レンズの並進移動と同期して、平面内で検出器に対して受光レンズを並進移動させるステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズのそれぞれが、一次元または二次元において並進移動される。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズは、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。
【0047】
[0064]図8に示す特定のステップは、本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングを実行する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態による、他の一連のステップを実行することもできる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上に概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図8に示す個々のステップは、個々のステップに応じて様々な順番で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加し、いくつかのステップを削除することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0048】
II.分解能を向上させるための検出器設計
[0065]
いくつかの実施形態によれば、ライダーシステムの分解能を改善するための別の手法が検出器側で実施され得る。図5Aおよび図5Cに示すように、円柱レンズを使用しなければ、遠視野ビームスポット510は、水平方向に細長くなり得る。結果として、検出器(例えば、図1に示される検出器160aまたは160b)上の受光レンズ(例えば、図1に示される受光レンズ140)によって形成される遠視野ビームスポット510の像もまた、水平方向に細長くなり得る。
【0049】
[0066]図9は、いくつかの実施形態によるライダーシステム900を概略的に示す。図1に示すライダーシステム100と同様に、ライダーシステム900は、レーザ源910と、レーザ源910によって照射されたレーザビームをコリメートするための照射レンズ930とを備え得る。コリメートされたレーザビームは、1つまたは複数の対象物950aおよび950bから反射され得る。ライダーシステム900は、戻りレーザビームを集束させるための受光レンズ940と、集束された戻りレーザビームを検出するために受光レンズ940の焦点面に配置された検出器920とをさらに備え得る。上述のように、照射されたレーザビームの非対称のプロファイルのために、検出器920での戻りレーザビームの集束スポットは細長くなり得る。図10は、受光レンズ940の焦点面に結像される、水平方向に細長い戻りビームスポット1010を概略的に示す。
【0050】
[0067]いくつかの実施形態によれば、検出器920は、光センサのアレイを備え得る。例えば、検出器920は、水平方向に一次元アレイとして互いに隣接して配置された2つの光センサ922aおよび922bを備え得る。図9および図10に示すように、各光センサ922aまたは922bは、戻りビームスポット1010の一部をカバーする感知領域を有する。よって、第1の光センサ922aは、戻りレーザビームの左半分を検出することができ、第2の光センサ922bは、戻りレーザビームの右半分を検出することができる。
【0051】
[0068]例示的な例として、図9は、レーザビームが、遠視野のレーザビームのFOV960内に位置する2つの対象物950aおよび950b(例えば、2人の人々)に投影され得ることを示す。遠視野におけるレーザスポットサイズは、レーザ源の照射領域の寸法にレーザ源から対象物までの距離を乗じて、照射レンズ930の焦点距離で割ったものにほぼ等しくなり得る。(実線で示される光線によって表される)第1の対象物950aから反射される戻りレーザビームの第1の部分は、戻りビームスポット1010の左半分に結像されてもよく、(点線で示される光線によって表される)第2の対象物950bから反射される戻りレーザビームの第2の部分は、戻りビームスポット1010の右半分に結像されてもよい。図9および図10Aに示すように、第1の光センサ922aは、第1の対象物950aから反射された戻りレーザビームの第1の部分を検出し、第2の光センサ922bは、第2の対象物950bから反射された戻りレーザビームの第2の部分を検出し得る。したがって、ライダーシステム900は、2つの対象物950aおよび950bを分解し得る。当業者には明らかであるように、「垂直」および「水平」の向きは、図面および説明の文脈において切り替えられる場合がある、または向きは任意に回転される場合があることを理解されたい。
【0052】
[0069]比較のために、図10Bは、戻りビームスポット1010全体を取り囲む感知領域を備えた単一の光センサ1030を備える検出器1020を示す。この構成では、単一の戻りレーザパルスが検出器1020によって検出され得るため、ライダーシステム900は、2つの対象物950aおよび950bを分離できない場合がある。よって、図9および図10Aに示すように、水平方向にアレイとして構成された2つの光センサ922aおよび922bを有することにより、ライダーシステム900の水平方向の分解能は、単一の光センサ1030を有する検出器1020と比較して約2倍になる。
【0053】
[0070]いくつかの実施形態によれば、検出器920は、個々の光センサにおいて別個の出力を有し得、その結果、各光センサによって検出される戻りレーザパルスの各部分の飛行時間は、独立して判定され得る。図11A図11Cは、図9および図10に示される例におけるレーザパルスのタイミング図を概略的に示す。図11Aに示されるように、レーザパルス1110は、時間tの第1の瞬間にレーザ源910によって照射され得る。レーザパルス1110は、第1の対象物950aおよび第2の対象物950bから反射され得る。図11Bに示されるように、第1の対象物950aから反射された戻りレーザパルスの第1の部分は、時間tの第2の瞬間に第1の光センサ922aによって検出され得る。tとtとの間の経過時間は、Δtとして判定され得る。ライダーシステム900と第1の対象物950aとの間の距離Lは、Δtに基づいて判定され得る。同様に、図11Cに示されているように、第2の対象物950bから反射された戻りレーザパルスの第2の部分は、時間tの第3の瞬間に第2の光センサ922bによって検出され得る。tとtとの間の経過時間は、Δtとして判定され得る。ライダーシステム900と第2の対象物950bとの間の距離Lは、Δtに基づいて判定され得る。したがって、別個の出力を有する2つの光センサ922aおよび922bを検出器920内に有することによって、ライダーシステム900は、2つの対象物950aおよび950bの異なる距離LおよびLを分解可能であり得る。
【0054】
[0071]図12Aは、いくつかの実施形態による検出器1210の概略平面図を示す。検出器1210は、光センサ1212aおよび1212bを備える、1×2アレイなどの光センサの一次元アレイを備え得る。1×2アレイの光センサが図12Aに示されているが、検出器1210は、1×3アレイの光センサ、1×4アレイの光センサなどを備えることができる。例えば、1×3アレイを使用することにより、アレイの方向における分解能の約3倍の改善が実現され得る。
【0055】
[0072]図12Bは、いくつかの実施形態による検出器1220の概略平面図を示す。検出器1220は、光センサ1222a~1222fを備える、2×3アレイなどの二次元アレイを備え得る。よって、一方向での分解能の約2倍の改善、および直交方向での分解能の約3倍の改善を実現することができる。2×3アレイの光センサが図12Bに示されているが、検出器1220は、様々な実施形態に従って、2×4アレイの光センサ、2×5アレイの光センサ、または他の構成を備え得る。
【0056】
[0073]いくつかの実施形態では、光センサのアレイは、アレイの総表面積が、受光レンズ940によって形成される戻りレーザビームの結像スポットの面積とほぼ一致するように構成され得る。例えば、結像スポットのアスペクト比が1×2の場合、検出器は、(各光センサの表面積が正方形であると仮定して)1×2アレイの光センサまたは2×4アレイの光センサを備えることができる。光センサ間のデッドスペースは、好適には、検出効率の損失を回避するために低減または最小化され得る。
【0057】
[0074]様々な実施形態によれば、光センサは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ、光電子増倍管、マイクロチャネルプレート検出器、電荷結合素子(CCD)などを含み得る。
【0058】
[0075]いくつかの他の実施形態によれば、バイセルまたはクワッドセル検出器が使用され得る。そのような場合、検出器は、光が検出器に入射する位置に対応する複数の出力を有するように設計された単一の検出器を含む。
【0059】
[0076]上述のアレイ検出器の概念は、複数のレーザ源および複数の検出器を備えるライダーシステムに拡張できる。そのような場合、各レーザ源はそれ自身のアレイ検出器とペアにされ得る。例えば、図1を参照すると、第1のレーザ源110aは第1の検出器160aとペアにされ得、第2のレーザ源110bは第2の検出器160bとペアにされ得、第1の検出器160aおよび第2の検出器160bのそれぞれが光センサアレイを備える。
【0060】
[0077]いくつかの実施形態によれば、アレイ検出器は、分解能のさらなる向上のために、(例えば、図4Aおよび図4B図6Aおよび図6B、ならびに図7に関連して上述したように)円柱レンズを備えるコリメート光学システムと組み合わせてライダーシステムで使用され得る。
【0061】
[0078]図13は、本発明のいくつかの実施形態による、ライダーシステム1300を概略的に示す。ライダーシステム1300は、レーザ源1310と検出器1320とを備える。図1および図9に示すように別個の照射レンズおよび受光レンズを使用する代わりに、ライダーシステム1300は、レーザ源1310によって照射されたレーザビームをコリメートするため、および1つまたは複数の対象物から反射した戻りレーザビームを集束させるために単一のレンズ1330を備える。ライダーシステム1300は、レーザ源1310とレンズ1310との間に配置されたビームスプリッタ1350を備え得る。ビームスプリッタ1350は、レーザ源1310によって照射されたレーザビームを部分的に透過し、戻りレーザビームを検出器1320に向かって部分的に反射するように構成され得る。
【0062】
[0079]いくつかの実施形態では、ライダーシステム1300は、レーザ源1310の前方に配置された任意の円柱レンズ1340をさらに備え得る。円柱レンズ1340は、図4Aおよび4Bに示される円柱レンズ410と同様に、負の屈折率を有する。図4Aおよび図4Bに関連して上述したように、円柱レンズ1340は、図5Dに示されるように、比較的対称的な遠視野ビームスポットをもたらし得る。
【0063】
[0080]いくつかの実施形態では、検出器1320は、図9図10A、ならびに図12Aおよび図12Bに示される検出器920と同様に、アレイとして構成された複数の光センサ1322および1324を備え得る。図9に関連して上述したように、各光センサ1322または1324は、戻りレーザビームのそれぞれの部分を検出するように構成され得る。円柱レンズ1340およびアレイ検出器1320の両方を有することにより、ライダーシステム1300は、円柱レンズのみを備えるライダーシステムまたはアレイ検出器のみを備えるライダーシステムよりもさらに優れた分解能を実現し得る。
【0064】
[0081]図14は、本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングの方法1400を説明する簡略化した流れ図を示す。
【0065】
[0082]方法1400は、1402において、レーザ源を使用してレーザパルスを照射するステップと、1404において、照射レンズを使用してレーザパルスをコリメートして、レーザパルスの視野内にある1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップと、を含み得る。1つまたは複数の対象物は、レーザパルスを反射して、戻りレーザパルスを生成することができる。
【0066】
[0083]方法1400は、1406において、受光レンズを使用して戻りレーザパルスを受光して、受光レンズの焦点面において戻りビームスポットに集束させる、ステップと、1408において、受光レンズの焦点面においてアレイとして構成された複数の光センサを備える検出器を使用して、各それぞれの光センサにおいて受光された戻りレーザパルスのそれぞれの部分を検出するステップと、をさらに含み得る。戻りレーザパルスのそれぞれの部分は、レーザパルスの視野のそれぞれのセクションに対応する。
【0067】
[0084]方法1400は、1410において、レーザ源および検出器に接続されたプロセッサを使用して、戻りレーザパルスの各それぞれの部分の飛行時間を判定するステップと、1412において、プロセッサを使用して、戻りレーザパルスの各それぞれの部分の飛行時間に基づいて1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、をさらに含み得る。
【0068】
[0085]いくつかの実施形態では、検出器の各それぞれの光センサは、戻りレーザパルスのそれぞれの部分を受光するためのそれぞれの感知領域を有する。複数の光センサが、複数の光センサの全感知領域が戻りビームスポットに実質的に一致するように配置される。
【0069】
[0086]いくつかの実施形態では、方法1400は、照射レンズの光軸に実質的に垂直な照射平面内の複数の照射位置を通してレーザ源を並進移動させるステップと、受光レンズ焦点面の複数の検出位置を通して検出器を並進移動させるステップと、をさらに含み得る。複数の検出位置の各それぞれの検出位置は、複数の照射位置のそれぞれの照射位置に対応する。いくつかの実施形態では、レーザ源および検出器のそれぞれが、一次元または二次元で並進移動される。いくつかの実施形態では、レーザ源および検出器は、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズは固定され、レーザ源および検出器が並進移動される。
【0070】
[0087]いくつかの他の実施形態では、方法1400は、照射レンズの光軸に実質的に垂直な平面内で、レーザ源に対して照射レンズを並進移動させるステップと、照射レンズの並進移動と同期して、平面内で検出器に対して受光レンズを並進移動させるステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズのそれぞれが、一次元または二次元において並進移動される。いくつかの実施形態では、照射レンズおよび受光レンズは、リサージュパターンで2つの方向に走査され得る。いくつかの実施形態では、レーザ源および検出器はまた、照射レンズおよび受光レンズが並進移動されている間、互いに同期して並進移動される。
【0071】
[0088]いくつかのさらなる実施形態では、方法1400は、レーザ源および検出器を、照射レンズの光軸に実質的に垂直な第1の方向に同期して並進移動させるステップと、照射レンズおよび受光レンズを、第1の方向に直行する、照射レンズの光軸に実質的に垂直な第2の方向に同期して並進移動させるステップと、をさらに含み得る。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、および改変形態を認識するであろう。
【0072】
[0089]図14に示す特定のステップは、本発明のいくつかの実施形態によるライダーシステムを使用した三次元イメージングを実行する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態による、他の一連のステップを実行することもできる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上に概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図14に示す個々のステップは、個々のステップに応じて様々な順番で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加し、いくつかのステップを削除することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0073】
[0090]特定の実施形態の特定の詳細は、本発明の実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、任意の適切な方法で組み合わせることができる。しかしながら、本発明の他の実施形態は、それぞれの個々の実施態様、またはこれらの個々の実施態様の特定の組み合わせに関する特定の実施形態に向けられ得る。
【0074】
[0091]「a」、「an」、または「the」の記載は、特に反対の指示がない限り、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。
【0075】
[0092]本明細書では、範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現され得る。本明細書では、「約」という用語は、およそ、ほぼ、大体、または前後を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用される場合、それは、記載された数値の上および下の境界を拡張することによってその範囲を修飾する。一般に、「約」という用語は、本明細書では、記載された値の上下10%の変動で数値を修飾するために使用される。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、ある特定の値から、および/または他の指定された値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって値が近似値として表される場合、指定された値が別の実施形態を形成することが理解されよう。さらに、各範囲の端点がその範囲に含まれることが理解されよう。
【0076】
[0093]本発明の例示的な実施形態の上記説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。本発明の例示的な実施形態の上記説明は、網羅的であることも本発明を記載された正確な形態に限定することも意図されておらず、上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際的な用途を説明し、それにより、当業者が、様々な実施形態において、また企図される特定の用途に適した様々な改変形態で本発明を利用できるように選択および記載した。
(項目1)
第1の方向に第1の幅を有し、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有し、前記第1の幅が前記第1の高さより大きい照射領域を有するレーザ源と、
負の屈折率を有し、前記レーザ源の前方に配置された円柱レンズであって、前記円柱レンズが、前記円柱レンズのパワー軸が実質的に前記第1の方向に沿うように向けられ、前記円柱レンズが、前記レーザ源によって照射されたレーザビームの前記照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が前記第1の幅より小さい、円柱レンズと、
前記円柱レンズの下流に配置された回転対称レンズであって、前記回転対称レンズが前記レーザビームをコリメートして、遠視野に向けて差し向けるように構成される、回転対称レンズと、
を備える、光学システム。
(項目2)
前記レーザ源が固体レーザ源を含む、項目1に記載の光学システム。
(項目3)
前記円柱レンズが、前記レーザ源と単一のパッケージに一体化される、項目2に記載の光学システム。
(項目4)
前記レーザ源、前記円柱レンズ、および前記回転対称レンズが、ライダーシステムで使用される、項目1に記載の光学システム。
(項目5)
前記レーザ源および前記円柱レンズが、前記レーザビームを走査するために、前記回転対称レンズの焦点面において一緒に並進移動されるように構成される、項目4に記載の光学システム。
(項目6)
前記レーザ源と第2のレーザ源とがレーザアレイを形成するように、前記レーザ源の隣に配置された第2のレーザ源と、
前記第2のレーザ源の前方に配置され、前記第2のレーザ源によって照射された第2のレーザビームの第2の照射領域を第2の仮想照射領域に変換するように構成された、第2の円柱レンズであって、
前記回転対称レンズが、前記第2のレーザビームをコリメートして、前記遠視野に向けて差し向けるようにさらに構成される、第2の円柱レンズと、
をさらに備える、項目4に記載の光学システム。
(項目7)
三次元イメージングのためのライダーシステムであって、前記ライダーシステムが、
複数のレーザパルスを照射するように構成されたレーザ源であって、前記レーザ源が、第1の方向に第1の幅を有し、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に第1の高さを有し、前記第1の幅が前記第1の高さより大きい照射領域を有する、レーザ源と、
負の屈折率を有し、前記レーザ源の前方に配置された円柱レンズであって、前記円柱レンズが、前記円柱レンズのパワー軸が実質的に前記第1の方向に沿うように向けられ、前記円柱レンズが、前記照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が前記第1の幅より小さい、円柱レンズと、
前記円柱レンズの下流に配置された照射レンズであって、前記照射レンズが、回転対称であり、前記複数のレーザパルスをコリメートし、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるように構成され、前記1つまたは複数の対象物が、前記複数のレーザパルスを反射して、複数の戻りレーザパルスを生成する、照射レンズと、
回転対称であり、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、受光レンズの焦点面で戻りビームスポットに集束させるように構成される受光レンズと、
前記受光レンズの前記焦点面に配置された検出面を有し、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光および検出するように構成された検出器と、
前記レーザ源および前記検出器に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサが、
前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定し、
前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの前記判定された飛行時間に基づいて前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築する、
ように構成される、プロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
(項目8)
前記円柱レンズが、前記レーザ源と単一のパッケージに一体化される、項目7に記載のライダーシステム。
(項目9)
前記レーザ源が、前記円柱レンズと共に、前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な少なくとも1つの方向に、複数の照射位置を通して並進移動されるように構成され、前記複数のレーザパルスのそれぞれが、前記複数の照射位置のそれぞれ1つにおいて照射され、
前記検出器が、前記受光レンズの前記焦点面における複数の検出位置を通して前記少なくとも1つの方向に並進移動されるように構成され、前記複数の検出位置の各それぞれの検出位置が、前記複数の照射位置のそれぞれの照射位置に対応し、前記レーザ源および前記検出器が、互いに対して同期して並進移動される、項目7に記載のライダーシステム。
(項目10)
前記レーザ源および前記検出器のそれぞれが、2つの方向に並進移動されるように構成される、項目9に記載のライダーシステム。
(項目11)
前記レーザ源および前記検出器のそれぞれが、リサージュパターンで並進移動されるように構成される、項目10に記載のライダーシステム。
(項目12)
前記照射レンズが、前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも1つの方向に前記レーザ源に対して並進移動されるように構成され、前記受光レンズが、前記少なくとも1つの方向に前記検出器に対して並進移動されるように構成され、前記照射レンズおよび前記受光レンズが、互いに同期して並進移動される、項目7に記載のライダーシステム。
(項目13)
前記照射レンズおよび前記受光レンズのそれぞれが、2つの方向に並進移動される、項目12に記載のライダーシステム。
(項目14)
前記照射レンズおよび前記受光レンズのそれぞれが、リサージュパターンで並進移動される、項目13に記載のライダーシステム。
(項目15)
前記レーザ源および前記検出器が、前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に同期して並進移動されるように構成され、前記照射レンズおよび前記受光レンズが、前記ライダーシステムの前記光軸に実質的に垂直な少なくとも第2方向に同期して並進移動されるように構成される、項目7に記載のライダーシステム。
(項目16)
三次元イメージングの方法であって、前記方法が、
レーザ源および円柱レンズを一緒に並進移動させるステップであって、前記レーザ源が、第1の高さを有し、かつ前記第1の高さより大きい第1の幅を有する照射領域を有し、前記円柱レンズが、負の屈折率を有し、前記レーザ源の前方に配置され、前記円柱レンズが、前記円柱レンズのパワー軸が実質的に幅方向になるように向けられ、前記レーザ源が、照射面内の複数の照射位置のそれぞれに並進移動される、ステップと、
前記レーザ源を使用して、複数のレーザパルスを照射するステップであって、前記複数のレーザパルスのそれぞれが、前記複数の照射位置のそれぞれ1つで照射される、ステップと、
照射レンズを使用して、前記複数のレーザパルスをコリメートし、1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップであって、前記1つまたは複数の対象物が、前記複数のレーザパルスのそれぞれを反射して複数の戻りレーザパルスを生成する、ステップと、
受光レンズを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれを受光し、検出面内の複数の対応する検出位置に集束させる、ステップであって、各対応する検出位置がそれぞれの照射位置と共役である、ステップと、
前記検出面内の前記複数の対応する検出位置のそれぞれに検出器を並進移動させるステップと、
前記検出器を使用して、前記複数の検出位置の各それぞれの検出位置における前記複数の戻りレーザパルスの各それぞれの戻りレーザパルスを検出するステップと、
プロセッサを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの飛行時間を判定するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記複数の戻りレーザパルスのそれぞれの前記飛行時間に基づいて、前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、
を含む、三次元イメージングの方法。
(項目17)
前記受光レンズおよび前記照射レンズが同じレンズを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記円柱レンズが、前記レーザ源の前記照射領域を仮想幅および仮想高さを有する仮想照射領域に変換するように構成され、前記仮想幅が、前記照射領域の前記第1の幅より小さい、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記レーザ源および前記検出器が、前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に並進移動される、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記照射レンズおよび前記受光レンズを、前記照射レンズの前記光軸に実質的に垂直な少なくとも第2の方向に同期して並進移動させるステップをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記レーザ源および前記検出器のそれぞれが、二次元で並進移動される、項目16に記載の方法。
(項目22)
前記レーザ源および前記検出器のそれぞれが、リサージュパターンで並進移動されるように構成される、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記円柱レンズが、前記レーザ源と単一のパッケージに一体化される、項目16に記載の方法。
(項目24)
三次元イメージングのためのライダーシステムであって、前記ライダーシステムが、
電磁信号を運ぶレーザビームを照射するように構成されたレーザ源と、
前記レーザビームをコリメートして、前記レーザビームの視野内の1つまたは複数の対象物に向かって差し向けるように構成された照射レンズであって、前記1つまたは複数の対象物が、前記レーザビームを反射して戻りレーザビームを生成する、照射レンズと、
前記戻りレーザビームを受光して、前記受光レンズの焦点面における戻りビームスポットに集束させるように構成された受光レンズと、
前記受光レンズの前記焦点面にアレイとして配置された複数の光センサを備える検出器であって、各それぞれの光センサが、それぞれの感知領域を有し、前記レーザビームの前記視野のそれぞれのセクションに対応する前記戻りレーザビームのそれぞれの部分を受光および検出するように構成される、検出器と、
前記レーザ源および前記検出器に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサが、
前記検出器の前記それぞれの光センサで検出された前記戻りレーザビームの各それぞれの部分のそれぞれの飛行時間を判定し、
前記戻りレーザビームの各それぞれの部分の前記それぞれの飛行時間に基づいて前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築する、
ように構成される、プロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
(項目25)
前記複数の光センサが、前記複数の光センサの全感知領域が前記戻りビームスポットに実質的に一致するように配置される、項目24に記載のライダーシステム。
(項目26)
前記複数の光センサが、一次元または二次元のアレイとして配置される、項目24に記載のライダーシステム。
(項目27)
前記複数の光センサが2つの光センサを含む、項目26に記載のライダーシステム。
(項目28)
前記照射レンズおよび前記受光レンズが同じレンズを含む、項目24に記載のライダーシステム。
(項目29)
第2の視野をカバーするために、前記レーザ源によって照射された前記レーザビームを走査するための走査機構をさらに備える、項目24に記載のライダーシステム。
(項目30)
前記走査機構が回転フレームを備え、前記レーザ源、前記照射レンズ、前記受光レンズ、および前記検出器が、前記回転フレームに取り付けられる、項目29に記載のライダーシステム。
(項目31)
前記走査機構が、前記レーザビームを反射するように構成された回転ミラーまたは微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える、項目29に記載のライダーシステム。
(項目32)
前記走査機構が、前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な平面内で前記照射レンズおよび前記受光レンズを同期して並進移動させるように構成される、項目29に記載のライダーシステム。
(項目33)
前記走査機構が、
前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な平面内で前記照射レンズに対して前記レーザ源を並進移動させ、
前記レーザ源の前記並進移動と同期して、前記平面内で前記受光レンズに対して前記検出器を並進移動させる、
ように構成される、項目29に記載のライダーシステム。
(項目34)
前記走査機構が、
前記ライダーシステムの光軸に実質的に垂直な平面内の少なくとも第1の方向に前記レーザ源および前記検出器を同期して並進移動させ、
前記照射レンズおよび前記受光レンズを前記平面内で少なくとも第2の方向に同期して並進移動させる、
ように構成される、項目29に記載のライダーシステム。
(項目35)
前記レーザビームが、レーザパルスまたは周波数変調連続波(FMCW)を含む、項目24に記載のライダーシステム。
(項目36)
三次元イメージングの方法であって、前記方法が、
レーザ源を使用して、レーザパルスを照射するステップと、
照射レンズを使用して、前記レーザパルスをコリメートし、前記レーザパルスの視野内の1つまたは複数の対象物に向けて差し向けるステップであって、前記1つまたは複数の対象物が、前記レーザパルスを反射して戻りレーザパルスを生成する、ステップと、
受光レンズを使用して、前記戻りレーザパルスを受光し、前記受光レンズの焦点面で戻りビームスポットに集束させるステップと、
前記受光レンズの前記焦点面にアレイとして配置された複数の光センサを備える検出器を使用して、各それぞれの光センサで受信された前記戻りレーザパルスのそれぞれの部分を検出するステップであって、前記戻りレーザパルスの前記それぞれの部分が、前記レーザパルスの前記視野のそれぞれのセクションに対応する、ステップと、
前記レーザ源および前記検出器に接続されたプロセッサを使用して、前記戻りレーザパルスの各それぞれの部分の飛行時間を判定するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記戻りレーザパルスの各それぞれの部分の前記飛行時間に基づいて、前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築するステップと、
を含む、方法。
(項目37)
各それぞれの光センサが、前記戻りレーザパルスの前記それぞれの部分を受光するためのそれぞれの感知領域を有し、前記複数の光センサが、前記複数の光センサの全感知領域が前記戻りビームスポットに実質的に一致するように配置される、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記戻りビームスポットが、第1の検出器方向に幅を有し、かつ前記第1の検出器方向に直交する第2の検出器方向に高さを有し、前記高さが前記幅とは異なる、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記複数の光センサが、一次元または二次元のアレイとして配置される、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に沿って複数の照射位置を通して前記レーザ源を並進移動させるステップと、
少なくとも前記第1の方向に沿って複数の検出位置を通して前記検出器を並進移動させるステップであって、前記複数の検出位置の各それぞれの検出位置が、前記複数の照射位置のそれぞれの照射位置に対応し、前記レーザ源および前記検出器が、互いに対して同期して並進移動される、ステップと、
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目41)
前記レーザ源および前記検出器のそれぞれが、2つの方向に沿って並進移動される、項目36に記載の方法。
(項目42)
前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に沿って前記レーザ源に対して前記照射レンズを並進移動させるステップと、
少なくとも前記第1の方向に沿って前記検出器に対して前記受光レンズを並進移動させるステップであって、前記照射レンズおよび前記受光レンズが、互いに対して同期して並進移動される、ステップと、
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目43)
前記照射レンズおよび前記受光レンズのそれぞれが2つの方向に沿って並進移動される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記レーザ源および前記検出器を、前記照射レンズの光軸に実質的に垂直な少なくとも第1の方向に同期して並進移動させるステップと、
前記照射レンズおよび前記受光レンズを、前記照射レンズの前記光軸に実質的に垂直な少なくとも第2の方向に同期して並進移動させるステップと、
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目45)
三次元イメージングのためのライダーシステムであって、前記ライダーシステムが、
電磁信号を運ぶレーザビームを照射するように構成されたレーザ源と、
前記レーザビームをコリメートして、前記レーザビームの視野内の1つまたは複数の対象物に向かって差し向けるように構成されたレンズであって、前記1つまたは複数の対象物が、前記レーザビームを反射して戻りレーザビームを生成し、前記レンズが、前記戻りレーザビームを受光して、前記レンズの焦点面における戻りビームスポットに集束させるようにさらに構成される、レンズと、
前記レンズの前記焦点面にアレイとして配置された複数の光センサを備える検出器であって、各それぞれの光センサが、それぞれの感知領域を有し、前記レーザビームの前記視野のそれぞれのセクションに対応する前記戻りレーザビームのそれぞれの部分を受光および検出するように構成される、検出器と、
前記レーザ源および前記検出器に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサが、
前記検出器の前記それぞれの光センサで検出された前記戻りレーザビームの各それぞれの部分のそれぞれの飛行時間を判定し、
前記戻りレーザビームの各それぞれの部分の前記それぞれの飛行時間に基づいて前記1つまたは複数の対象物の三次元画像を構築する、
ように構成される、プロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14