(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230726BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20230726BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20230726BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230726BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20230726BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20230726BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
H01L29/78 652K
H01L29/78 652S
H01L29/78 652F
H01L29/78 653C
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652P
H01L29/78 655B
H01L29/78 658F
H01L29/78 658G
H01L29/06 301V
H01L29/06 301G
H01L29/58 G
H01L29/44 S
H01L29/44 P
(21)【出願番号】P 2020138686
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】財満 康太郎
(72)【発明者】
【氏名】西川 幸江
(72)【発明者】
【氏名】足立 絵美子
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/114803(WO,A1)
【文献】特開2016-062981(JP,A)
【文献】特開2019-021871(JP,A)
【文献】特開2005-327762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/06
H01L 29/739
H01L 21/336
H01L 29/423
H01L 29/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体部と、
前記半導体部の裏面に設けられた第1電極と、
前記半導体部の表面に設けられた第2電極と、
前記半導体部の前記表面側において、前記表面に沿った第1方向に延在する第1トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁された第3電極と、
前記第1トレンチの内部に設けられ、前記第2電極と前記第3電極との間に位置し、前記半導体部から第2絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第3電極から第3絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第2電極から第4絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、
前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1トレンチと並び、前記第1方向に延在する第2トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第2の第1絶縁膜により電気的に絶縁された第2の第3電極と、
前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチに並び、前記第1方向に延在する第3トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第3の第1絶縁膜により電気的に絶縁された第3の第3電極と、
を備え、
前記半導体部は、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1導電形の第3半導体層と、を含み、
前記第1半導体層は、前記第1電極と前記第2電極との間に延在し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層と前記第2電極との間において、前記第2絶縁膜を介して前記制御電極に向き合うように設けられ、
前記第3半導体層は、前記第2半導体層と前記第2電極との間において、前記第2絶縁膜に接し、前記第2電極に電気的に接続され、
前記第2トレンチは、前記第1トレンチと前記第3トレンチとの間に設けられ、
前記第1トレンチおよび前記第2トレンチは、前記第1方向におけるそれぞれの端につながる接続部を介して相互に接続され、前記第3電極および前記第2の第3電極は、前記接続部において相互につながるように設けられ、
前記第3の第3電極は、前記第3トレンチの内部において前記第1方向に延伸し、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの前記端よりも長く伸びた半導体装置。
【請求項2】
前記第2電極と前記第2の第3電極との間に設けられ、前記半導体部から第2の第2絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第2の第3電極から第2の第3絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第2電極から第2の第4絶縁膜により電気的に絶縁された第2の制御電極をさらに備え、
前記第2半導体層は、前記第2の第2絶縁膜を介して前記第2の制御電極に向き合うように設けられる請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1~第3トレンチに並び、前記第1方向に延在する第4トレンチの内部に設けられた第4の第3電極と、
前記第4トレンチの内部において、前記第2電極と前記第4の第3電極との間に設けられ、前記半導体部から第3の第2絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第2電極に電気的に接続された第4電極をさらに備えた請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3電極、前記第2の第3電極および前記第3の第3電極は、前記第2電極に電気的に接続された請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体部は、その前記表面に沿って延在し、前記第1トレンチ、前記第2トレンチおよび前記第3トレンチを囲むように設けられた第2導電形の第4半導体層をさらに含み、
前記第4半導体層は、前記第1方向に伸びる第1辺と、前記半導体部の前記表面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に伸びる第2辺と、前記第1辺と前記第2辺とをつなぐ角と、を含む外縁を有し、
前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの前記端は、前記第4半導体層の前記角に近接した位置に設けられる請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第2電極につながった第1配線と、
前記半導体部と前記第1配線との間に設けられ、前記半導体部から前記第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第3電極、前記第2の第3電極および前記第1配線に電気的に接続されたコンタクト部をさらに備えた請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1配線と前記第2電極との間において、前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記制御電極に電気的に接続された第2配線をさらに備える請求項6記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力制御用半導体装置には、高耐圧および低オン抵抗であることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、高耐圧および低オン抵抗の半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、半導体部と、前記半導体部の裏面に設けられた第1電極と、前記半導体部の表面に設けられた第2電極と、前記半導体部の前記表面側において、前記表面に沿った第1方向に延在する第1トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁された第3電極と、前記第1トレンチの内部に設けられ、前記第2電極と前記第3電極との間に位置し、前記半導体部から第2絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第3電極から第3絶縁膜により電気的に絶縁され、前記第2電極から第4絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1トレンチと並び、前記第1方向に延在する第2トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第2の第1絶縁膜により電気的に絶縁された第2の第3電極と、前記半導体部の前記表面に沿って、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチに並び、前記第1方向に延在する第3トレンチの内部に設けられ、前記半導体部と前記第2電極との間に位置し、前記半導体部から第3の第1絶縁膜により電気的に絶縁された第3の第3電極と、を備える。前記半導体部は、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1導電形の第3半導体層と、を含み、前記第1半導体層は、前記第1電極と前記第2電極との間に延在し、前記第2半導体層は、前記第1半導体層と前記第2電極との間において、前記第2絶縁膜を介して前記制御電極に向き合うように設けられ、前記第3半導体層は、前記第2半導体層と前記第2電極との間において、前記第2絶縁膜に接し、前記第2電極に電気的に接続される。前記第2トレンチは、前記第1トレンチと前記第3トレンチとの間に設けられ、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチは、前記第1方向におけるそれぞれの端につながる接続部を介して相互に接続される。前記第3電極および前記第2の第3電極は、前記接続部において相互につながるように設けられる。前記第3の第3電極は、前記第3トレンチの内部において前記第1方向に延伸し、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの前記端よりも長く伸びる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式平面図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る半導体装置の製造過程を示す模式図である。
【
図8】第1実施形態に係る半導体装置の製造過程の一部を示す模式図である。
【
図9】第1実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図10】第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図11】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図12】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図13】第2実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図14】第2実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。
図1(a)は、半導体装置1の断面図である。
図1(b)は、半導体装置1の上面を示す平面図である。半導体装置1は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、実施形態は、これに限定される訳ではなく、例えば、半導体装置1は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であっても良い。
【0010】
図1(a)に示すように、半導体装置1は、半導体部10と、第1電極20と、第2電極30と、制御電極40と、第3電極50と、を備える。半導体部10は、例えば、シリコンである。
【0011】
第1電極20は、半導体部10の裏面側に設けられる。第1電極20は、例えば、コレクタであり、チタニウム、ニッケル、銀などを含む金属層である。
【0012】
第2電極30は、半導体部10の表面側に設けられる。第2電極30は、例えば、エミッタであり、タングステン、アルミニウムなどを含む金属層である。
【0013】
制御電極40および第3電極50は、半導体部10の表面側に設けられたトレンチGTの内部に設けられる。トレンチGTは、複数設けられ、半導体部10の表面に沿った方向(X方向)に並ぶ。制御電極40は、第2電極30と第3電極50との間に設けられる。制御電極40および第3電極50は、例えば、導電性を有するポリシリコンである。
【0014】
制御電極40は、絶縁膜43により半導体部10から電気的に絶縁される。また、制御電極40は、絶縁膜45により第2電極30から電気的に絶縁される。第3電極50は、絶縁膜53により半導体部10から電気的に絶縁される。また、第3電極50は、絶縁膜55により制御電極40から電気的に絶縁される。
【0015】
半導体部10は、例えば、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層13と、第1導電形の第3半導体層15と、第2導電形の第4半導体層17と、第2導電形の第5半導体層21と、第1導電形の第6半導体層23と、第7半導体層19(
図7(b)を参照)と、を含む。以下、第1導電形をn形、第2導電形をp形として説明する。
【0016】
第1半導体層11は、例えば、n形ベース層であり、第1電極20と第2電極30との間に延在する。また、第1半導体層11は、複数のトレンチGTのうちの隣り合う2つのトレンチGTの間に延在する部分を含む。
【0017】
第2半導体層13は、第1半導体層11と第2電極30との間に設けられる。第2半導体層13は、例えば、p形ベース層である。第2半導体層13は、隣り合うトレンチGTの間において、絶縁膜43を介して制御電極40に向き合うように設けられる。
【0018】
第3半導体層15は、第2半導体層13と第2電極30との間に設けられ、第2電極30に電気的に接続される。第3半導体層15は、例えば、n形エミッタ層である。第3半導体層15は、隣り合うトレンチGTの間において、絶縁膜43に接するように設けられる。
【0019】
第4半導体層17は、半導体部10の表面に沿って延在し、第2半導体層13、第3半導体層15およびトレンチGTを囲むように設けられる(
図1(b)、
図3(a)、
図3(b)参照)。第4半導体層17は、例えば、p形ガードリングである。
【0020】
第5半導体層21は、第1半導体層11と第1電極20との間に設けられる。第5半導体層21は、例えば、p形コレクタ層である。第5半導体層21は、第1電極20に電気的に接続される。
【0021】
第6半導体層23は、第1半導体層11と第5半導体層21との間に設けられる。第6半導体層23は、例えば、n形バッファ層である。第6半導体層23は、第1半導体層11のn形不純物の濃度よりも高濃度のn形不純物を含む。
【0022】
図1(b)に示すように、半導体部10の上には、第2電極30、第1配線30cp、30cq、制御パッド60、第2配線60cpおよび60cqが設けられる。
【0023】
第2電極30は、例えば、第3半導体層15が設けられた領域を覆うように配置される。この例では、2つの第2電極30が、Y方向に並べて配置されているが、これに限定される訳ではない。トレンチGTは、第2電極30の下に設けられ、Y方向に延在する。複数のトレンチGTは、X方向に並ぶ。なお、
図1(b)では、簡単のために、複数のトレンチGTのうちの幾つかを記載し、その他は省略している。
【0024】
第1配線30cpは、第2電極30の外縁に沿って、トレンチGTの延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に伸びる。第1配線30cpは、第2電極30から離間した位置に延在し、その端において、第2電極30につながるように設けられる。
【0025】
別の第1配線30cqは、2つの第2電極30の間に設けられる。第1配線30cqは、トレンチGTの延在方向と交差する方向に伸びる。第1配線30cpおよび30cqは、2つの第2電極30の少なくとも一方に電気的に接続される。
【0026】
第2配線60cpは、2つの第2電極30の外周に沿って設けられ、第1配線30cpと第2電極30との間に延在する部分を含む。第2配線60cpは、制御パッド60につながるように設けられる。第2配線60cpは、制御パッド60に電気的に接続される。
【0027】
別の第2配線60cqは、2つの第2電極30の間に設けられ、トレンチGTの延在方向と交差する方向に伸びる。第2配線60cqは、第1配線30cqと第2電極30との間に延在する。第2配線60cqは、例えば、第2配線60cpに接続され、第2配線60cpの一部を介して、制御パッド60に電気的に接続される。
【0028】
図1(b)中に破線で示す第4半導体層17の外縁は、例えば、トレンチGTの延在方向と交差する第1辺17SXと、延在方向に伸びる第2辺17SYと、第1辺17SXと第2辺17SYとをつなぐ角17PCと、を含む。角17PCは、所定の曲率半径を有する円弧状に設けられる。これにより、第4半導体層17の外縁における電界集中を緩和し、半導体装置1のオフ耐圧を向上させることができる。
【0029】
図2(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式平面図である。
図2(a)は、第4半導体層17の角17PCに近接した領域に設けられるトレンチGTを示す平面図である。
図2(b)は、
図2(a)中に示すトレンチGT、GTBおよびGTCの内部に設けられた制御電極40および第3電極50を示す平面図である。
【0030】
図2(a)に示すように、第4半導体層17の角17PCの外縁に沿って、Y方向における端の位置が異なる複数のトレンチGTが設けられる。すなわち、図中の第1位置Y1に端を有するトレンチGTの第1群と、第2位置Y2に端を有する第2群と、第3位置Y3に端を有する第3群と、をX方向に順に配置する。第2位置Y2から角17PCの外縁までのY方向に沿った距離は、第1位置Y1から角17PCの外縁までのY方向に沿った距離よりも短い。また、第3位置Y3から角17PCの外縁までのY方向に沿った距離は、第2位置Y2から角17PCの外縁までのY方向に沿った距離よりも短い。
【0031】
このようなトレンチGTの配置により、隣り合うトレンチGT間に設けられる第2半導体層13をY方向に拡張することができる。このため、制御電極40により第2半導体層13と絶縁膜43との間に誘起される反転層を広げることができる。すなわち、半導体装置1のチャネル幅を拡張し、オン抵抗を低減することができる。
【0032】
図2(a)に示す例では、第3位置Y3にY方向の端を有する第3群のトレンチGTのうちのトレンチGTAは、第2位置Y2にY方向の端を有する第2群のトレンチGTのうちのトレンチGTBと隣り合うように設けられる。第2群のトレンチGTのうちのトレンチGTBおよびトレンチGTCは、隣り合う位置に設けられ、Y方向の端において相互につながるように設けられる。また、第1位置Y1にY方向の端を有する第1群のトレンチGTのうちの第2群のトレンチGTに隣り合う2つのトレンチGTは、Y方向の端において、相互につながるように設けられる。
【0033】
図2(b)に示すように、各トレンチGTの内部には、制御電極40が設けられる。各トレンチGTのY方向の端と制御電極40との間には、第3電極50の一部が設けられる。
【0034】
図2(b)に示すように、トレンチGTBとトレンチGTCは、Y方向の端において、接続部GTJを介してつながるように設けられる。トレンチGTBおよびトレンチGTCにそれぞれ設けられる第3電極50は、接続部GTJを介してつながるように設けられる。
【0035】
図3(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。
図3(a)は、
図2(a)中のB-B線に沿った断面図である。
図3(b)は、
図2(a)中のC-C線に沿った断面図である。
【0036】
図3(a)に示すように、制御電極40および第3電極50は、トレンチGTBの内部において、Y方向に延在する。制御電極40は、第3電極50の上に設けられる。第3電極50は、Y方向の端において、接続部GTJ内に位置する部分を有する。第3電極50は、接続部GTJ内において、上方(Z方向)に延伸する。
【0037】
制御電極40は、コンタクト部40exを有する。コンタクト部40exは、例えば、半導体部10の表面に沿って、X方向に延在し、X方向に並んだ複数の制御電極40により共有される(
図11(b)参照)。
【0038】
コンタクト部40exの上方には、第2配線60cpが設けられる。第2配線60cpは、絶縁膜45中に延伸したコンタクトプラグ60pを有する。コンタクトプラグ60pは、コンタクト部40exに接続される。すなわち、制御電極40は、コンタクト部40exおよびコンタクトプラグ60pを介して第2配線60cpに電気的に接続される。
【0039】
図3(b)に示すように、制御電極40および第3電極50は、トレンチGTCの内部において、Y方向に延在する。制御電極40は、第3電極50の上に設けられる。制御電極40は、コンタクト部40exおよびコンタクトプラグ60pを介して第2配線60cpに電気的に接続される。
【0040】
第3電極50は、Y方向の端において、上方(Z方向)に延伸する。さらに、第3電極50は、トレンチGTCの端から半導体部10の表面にそって延在するコンタクト部50exにつながる。コンタクト部50exは、X方向に並ぶ複数のトレンチGTの内部に設けられた第3電極50に電気的に接続される。
【0041】
コンタクト部50exの上方には、第1配線30cpが設けられる。第1配線30cpは、絶縁膜45および絶縁膜55中においてZ方向に延伸するコンタクトプラグ30pを有する。コンタクトプラグ30pは、コンタクト部50exに接続される。すなわち、第3電極50は、コンタクト部50exおよびコンタクトプラグ30pを介して、第1配線30cpに電気的に接続される。
【0042】
図3(a)に示すように、トレンチGTBの内部に設けられた第3電極50は、コンタクト部50exにつながらず、接続部GTJを介して、トレンチGTCの第3電極50に電気的に接続される。すなわち、トレンチGTBの第3電極50は、トレンチGTCの第3電極50を介して第1配線30cpに電気的に接続される。
【0043】
次に、
図4(a)~
図7(b)を参照して、第1実施形態に係る半導体装置1の製造方法を説明する。
図4(a)~
図7(b)は、半導体装置1の製造過程を示す模式図である。
【0044】
図4(a)~
図7(b)は、
図5(b)を除いて、半導体ウェーハ100の断面を表す模式断面図である。
図5(b)は、半導体ウェーハ100の表面側を示す平面図である。半導体ウェーハ100は、例えば、n形シリコンウェーハであり、第1半導体層11のn形不純物の濃度と同じ濃度のn形不純物を含む。
【0045】
図4(a)に示すように、半導体ウェーハ100の表面側に、トレンチGTを形成する。トレンチGTは、例えば、図示しないエッチングマスクを用いて、半導体ウェーハ100を選択的にエッチングすることにより形成される。トレンチGTは、例えば、異方性RIE(Reactive Ion Etching)により形成される。
【0046】
図4(b)に示すように、半導体ウェーハ100の表面およびトレンチGTの内面を覆うように、絶縁膜53を形成する。絶縁膜53は、例えば、半導体ウェーハ100を熱酸化することにより形成される。絶縁膜53は、トレンチGTの内部にスペースSP1を残して形成される。
【0047】
図4(c)に示すように、導電層50fを絶縁膜53の上に形成する。導電層50fは、半導体ウェーハ100の表面を覆い、トレンチGT内のスペースSP1を埋め込むように形成される。導電層50fは、例えば、ポリシリコン層であり、CVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて形成される。
【0048】
図5(a)に示すように、第3電極50をトレンチGTの下部に形成する。第3電極50は、絶縁膜53により半導体ウェーハ100から電気的に絶縁される。第3電極50は、例えば、CDE(Chemical Dry Etching)により、トレンチGTの下部に設けられた部分を残して、導電層50fを選択的に除去することにより形成される。
【0049】
図5(b)に示すエッチングマスク105を用いて、導電層50fは、選択的に除去される。エッチングマスク105は、トレンチGTのY方向の端を覆うように設けられる。すなわち、エッチングマスク105は、コンタクト部50ex(
図3(b)参照)になる部分を覆う。
【0050】
図6(a)に示すように、絶縁膜53を選択的に除去し、トレンチGTの上部にスペースSP2を形成する。絶縁膜53の半導体ウェーハ100の表面上に形成された部分も、コンタクト部50exに覆われた部分を残して除去される。
【0051】
図6(b)に示すように、半導体ウェーハ100の表面およびスペースSP2に露出された部分の上に、絶縁膜43を形成する。絶縁膜55も、同時に、第3電極50の上に形成される。
【0052】
絶縁膜43は、例えば、半導体ウェーハ100を熱酸化することにより形成される。絶縁膜43の膜厚は、絶縁膜53の膜厚よりも薄く形成される。絶縁膜43は、例えば、シリコン酸化膜である。絶縁膜55は、スペースSP2に露出された第3電極50の上端を、例えば、熱酸化することにより形成される。絶縁膜55は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0053】
図6(c)に示すように、スペースSP2の内部に、制御電極40を形成する。制御電極40は、例えば、スペースSP2を埋め込んだ部分を残して、絶縁膜43上に設けられたポリシリコン膜を選択的に除去することにより形成される。
【0054】
図7(a)に示すように、半導体ウェーハ100の表面側に、第2半導体層13および第3半導体層15を形成する。第2半導体層13は、絶縁膜43を介して制御電極40に向き合うように形成される。第3半導体層15は、第2半導体層13の上に、絶縁膜43に接するように形成される。
【0055】
第2半導体層13は、例えば、p形不純物であるボロンをイオン注入し、熱処理によりp形不純物を活性化および拡散させることにより形成される。第3半導体層15は、例えば、n形不純物であるリンをイオン注入し、熱処理によりn形不純物を活性化させることにより形成される。
【0056】
図7(b)に示すように、半導体ウェーハ100の表面側に、第7半導体層19を選択的に形成する。
図7(b)は、
図7(a)中に示すD-D線に沿った断面図である。第7半導体層19は、隣り合うトレンチGTの間に設けられ、Y方向において、第3半導体層15と交互に配置される。
【0057】
第7半導体層19は、例えば、p形不純物であるボロンをイオン注入し、熱処理によりp形不純物を活性化することにより形成される。第7半導体層19は、半導体部10の表面から第2半導体層13に至る深さに形成され、第2半導体層13のp形不純物よりも高濃度のp形不純物を含む。
【0058】
図7(c)に示すように、制御電極40の上に絶縁膜45を形成した後、第2電極30を形成する。例えば、半導体ウェーハ100の表面側に、制御電極40および絶縁膜43(
図7(a)参照)を覆う絶縁膜45を形成した後、第3半導体層15および第7半導体層19を露出させるように、絶縁膜45および絶縁膜43を選択的に除去する。その後、第2電極30を、第3半導体層15および第7半導体層19に接し、絶縁膜45を覆うように形成する。
【0059】
第2電極30は、第3半導体層15および第7半導体層19に接するように形成される。第2電極30は、第3半導体層15に電気的に接続されると共に、第7半導体層19を介して第2半導体層13に電気的に接続される。
【0060】
なお、第1配線30cp、30cq、第2配線60cp、60cqおよび制御パッド60は、例えば、絶縁膜45の上に、第2電極30と同時に形成される。第1配線30cp、30cq、第2配線60cp、60cqおよび制御パッド60は、絶縁膜43および45により、半導体部10から電気的に絶縁される。
【0061】
さらに、半導体ウェーハ100の裏面側を研削もしくはエッチングすることにより、半導体ウェーハ100を所定の厚さに薄層化する。その後、半導体ウェーハ100の裏面側に、例えば、イオン注入を用いて第5半導体層21および第6半導体層23を形成する。続いて、半導体ウェーハ100の裏面側に、第1電極20を形成し、半導体装置1を完成させる。
【0062】
図8(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1の製造過程の一部を示す模式図である。
図8(a)は、半導体ウェーハ100の表面側を示す部分平面図である。
図8(b)は、
図8(a)中に示すE-E線に沿った断面図である。
【0063】
図8(a)および(b)は、エッチングマスク105を用いて、導電層50fを選択的にエッチングする過程を示している(
図5(a)および(b)参照)。例えば、導電層50fをCDEにより選択的に除去する場合、エッチングマスク105と半導体ウェーハ100との間に侵入するエッチングガスによるエッチングが等方的に進み、サイドエッチングが生じる。
【0064】
図8(b)に示すように、エッチングマスク105の外縁から内側にサイドエッチングが進み、コンタクト部50exが縮小される。この際、サイドエッチング量WSが、例えば、X方向に並ぶトレンチGTの周期と同じか、トレンチGTの周期よりも大きくなると、エッチングマスク105の外縁に近いトレンチGTBにおいて、第3電極50は、コンタクト部50exにつながらない(
図3(a)参照)。
【0065】
本実施形態では、隣り合うトレンチGTBとトレンチGTCとをつなぐ接続部GTJを形成することにより、それぞれに設けられる第3電極50がつながるように構成される(
図2(b)参照)。このため、トレンチGTBに設けられる第3電極50は、トレンチGTCに設けられる第3電極50を介して、第1配線30cpに接続される。これにより、トレンチGTB中の第3電極50の電位を安定させ、半導体装置1の特性を向上させることができる。
【0066】
図9(a)および(b)は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置1を示す模式図である。
図9(a)および(b)は、トレンチGTの配置を示す部分平面図である。
【0067】
図9(a)に示す例では、トレンチGTB、トレンチGTC、トレンチGTDおよびトレンチGTEは、それぞれの端において、接続部GTJを介してつながる。これにより、導電層50fのサイドエッチング量WSが大きくなるか、もしくは、エッチングマスク105のミスアライメントによるずれが大きくなったとしても、トレンチGTB、GTC、GTDにそれぞれ設けられる第3電極50は、少なくともトレンチGTEの第3電極50を介して第1配線30cpに接続される。
【0068】
また、
図9(b)に示す例では、トレンチGTBの端とトレンチGTEの端とが、接続部GTJを介して接続されている。これにより、トレンチGTBの第3電極50は、トレンチGTEの第3電極50を介して第1配線30cpに接続される。このように、トレンチGTBの端を、トレンチGTC、GTDおよびGTEのいずれかの端に接続部GTJを介して接続する構成であっても良い。
【0069】
図10(a)~(c)は、第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置1を示す模式図である。
図10(a)~(c)は、トレンチGTの別の配置を示す部分平面図である。
【0070】
図10(a)に示すように、トレンチGTBとトレンチGTCとを接続部GTJを介して接続すると共に、隣り合うトレンチGTAとトレンチGTFとを別の接続部GTJを介して接続しても良い。このような構成は、例えば、トレンチGTBおよびGTCのそれぞれの端を覆うエッチングマスクと、トレンチGTAおよびGTFの端を覆うエッチングマスクと、が離間して設けられ、相互に離間した複数のコンタクト部50exを形成する場合に有効である。すなわち、それぞれのエッチングマスクにおけるサイドエッチングにより、トレンチGTAおよびGTBに設けられる第3電極50につながるべきコンタクト部50exが除去されたとしても、トレンチGTCおよびGTFに設けられる第3電極50を介して、トレンチGTAおよびGTBの第3電極50を第1配線30cpに接続することができる。
【0071】
図10(b)に示す例では、トレンチGTB、GTC、GTDおよびGTEを接続部GTJを介して接続し、さらに、トレンチGTA、GTF、GTGおよびGTHを別の接続部GTJを介して接続する。これにより、導電層50fのエッチング過程におけるサイドエッチングもしくはミスアライメントによるマスクずれに対する許容範囲を大きくし、各トレンチ内に設けられる第3電極50を第1配線30cpに接続することができる。
【0072】
図10(c)に示す例では、トレンチGTBの端とトレンチGTEの端とが、接続部GTJを介して接続され、トレンチGTAの端とトレンチGTHの端とが、別の接続部GTJを介して接続されている。このように、トレンチGTC、GTDおよびGTEのいずれかの端に、トレンチGTBの端を接続部GTJを介して接続し、トレンチGTAの端を、トレンチGTF、GTGおよびGTHのいずれかの端に接続する構成であっても良い。
【0073】
なお、
図9(a)、(b)、
図10(a)~(c)に記載のトレンチGTの構成は、本実施形態に限定される訳ではなく、以下の第2実施形態に適用しても良い。
【0074】
(第2実施形態)
図11(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置2を示す模式図である。
図11(a)は、
図11(b)中に示すF-F線に沿った断面図である。
図11(b)は、トレンチGT1およびGT2の配置を示す平面図である。
【0075】
図11(a)に示すように、半導体装置2は、トレンチGT1およびGT2を有する。トレンチGT1の内部には、制御電極40と第3電極50とが設けられる。制御電極40は、第2電極30と第3電極50との間に設けられる。
【0076】
トレンチGT2は、例えば、隣り合う2つのトレンチGT1の間に設けられる。トレンチGT2の内部には、第3電極50と第4電極70とが設けられる。
【0077】
第4電極70は、第2電極30と第3電極50との間に設けられる。第4電極70は、絶縁膜43により半導体部10から電気的に絶縁される。第4電極70は、絶縁膜43を介して第2半導体層13に向き合う。また、第2電極30と第4電極70との間には、例えば、絶縁膜45が設けられる。第4電極70は、絶縁膜55により第3電極50から分離される。
【0078】
図11(b)に示すように、複数のトレンチGT1および複数のトレンチGT2が設けられる。トレンチGT1およびトレンチGT2は、例えば、Y方向に延在し、第2電極30の下に位置する領域において、交互に配置される。複数のトレンチGT1のうちの隣り合う2つのトレンチGT1は、接続部GTJにより接続される。
【0079】
複数のトレンチGT1は、X方向に並べて配置される。トレンチGT1のY方向の端には、コンタクト部50exが設けられる。トレンチGT1の内部にそれぞれ設けられた第3電極50は、コンタクト部50exを介して、第1配線30cpに電気的に接続される(
図3(b)参照)。複数のトレンチGT1は、接続部GTJにより接続された2つのトレンチGT1を含む。接続部GTJは、複数のトレンチGT1のうちのコンタクト部50exが設けられないトレンチGT1と、それに隣り合い、コンタクト部50exが設けられるトレンチGT1と、を接続する。
【0080】
コンタクト部40exは、複数のトレンチGT1に跨って、X方向に延在する。コンタクト部40exは、複数のトレンチGT1にそれぞれ設けられる制御電極40に共有される。制御電極40は、コンタクト部40exを介して、第2配線60cpに電気的に接続される(
図3(a)および(b)参照)。
【0081】
複数のトレンチGT2は、X方向に並べて配置される。トレンチGT2の-Y方向(Y方向の反対方向)の端には、コンタクト部50exfが設けられる。コンタクト部50exfは、複数のトレンチGT2にそれぞれ設けられる第3電極50につながるように設けられる。
【0082】
半導体装置2は、コンタクト部70exをさらに含む。コンタクト部70exは、複数のトレンチGT2に跨って、X方向に延在する。コンタクト部70exは、複数のトレンチGT2にそれぞれ設けられる第4電極70に共有される(
図12(a)参照)。
【0083】
図12(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置2を示す模式断面図である。
図12(a)は、
図11(b)中に示すG-G線に沿った断面図である。
図12(b)は、
図12(a)中に示すH-H線に沿った断面図である。
【0084】
図12(a)に示すように、コンタクト部70exは、X方向に延在し、複数の第4電極70につながる。コンタクト部70exは、半導体部10と第2電極30との間に設けられる。コンタクト部70exは、絶縁膜43により半導体部10から電気的に絶縁される。また、コンタクト部70exは、例えば、第2電極30に接し、且つ、電気的に接続される。すなわち、第4電極70は、コンタクト部70exを介して、第2電極30に電気的に接続される。
【0085】
半導体部10の第1半導体層11とコンタクト部70exとの間には、例えば、第2半導体層13が設けられる。第2半導体層13は、隣り合う2つのトレンチGT2の間において、絶縁膜43を介して第4電極70に向き合うように設けられる。また、第2半導体層13とコンタクト部70exとの間には、例えば、第3半導体層15は設けられない。
【0086】
図12(b)に示すように、トレンチGT2の内部において、第4電極70は、Y方向に延在する。第4電極70は、コンタクト部70exを介して、第2電極30に電気的に接続される。
【0087】
第3電極50は、-Y方向の端において、Z方向に延伸し、コンタクト部50exfにつながる。第3電極50は、トレンチGT2の-Y方向の端と第4電極70との間に位置する部分を有する。第1配線30cqは、絶縁膜45および絶縁膜55中に伸び、コンタクト部50exfに接続されるコンタクトプラグ30pを有する。すなわち、トレンチGT2中の第3電極50は、コンタクト部50exfおよびコンタクトプラグ30pを介して、第1配線30cqに電気的に接続される。
【0088】
本実施形態において、第4電極70は、制御電極40と同時に形成される。また、コンタクト部70exは、制御電極40および第4電極70をトレンチGT1およびGT2に形成する過程(
図6(c)参照)において、コンタクト部40exと共に形成される。
【0089】
第4電極70、コンタクト部40exおよび70exは、例えば、導電性のポリシリコンである。コンタクト部40exも、半導体部10の上方に延在し、コンタクト部70exと同じように、絶縁膜43により半導体部10から電気的に絶縁される(
図12(a)参照)。
【0090】
図13(a)~(c)は、第2実施形態の変形例に係る半導体装置3を示す模式図である。
図13(a)は、トレンチGT1およびトレンチGT2の配置を示す平面図である。
図13(b)は、
図13(a)中に示すI-I線に沿った断面図である。
図13(c)は、
図13(a)中に示すJ-J線に沿った断面図である。
【0091】
図13(a)に示すように、複数のトレンチGT1および複数のトレンチGT2が、X方向に交互に配置される。この例では、隣り合うトレンチGT1およびトレンチGT2が、接続部GTJを介して接続される。接続部GTJは、例えば、複数のトレンチGT2のうちのコンタクト部50exが設けられないトレンチGT2と、それに隣り合うトレンチGT1と、を接続する。
【0092】
トレンチGT1およびトレンチGT2のY方向の端に、コンタクト部50exが設けられる。また、トレンチGT1およびトレンチGT2の-Y方向の端(図示しない)に、コンタクト部50exfが設けられても良い。この例では、コンタクト部40exおよびコンタクト部70exは設けられない(
図11(b)参照)。
【0093】
図13(b)に示すように、制御電極40は、コンタクトプラグ60pを介して、第2配線60cpに電気的に接続される。コンタクトプラグ60pは、第2配線60cpから絶縁膜45中に延伸し、トレンチGT1に設けられた制御電極40に直接接続される。
【0094】
図13(c)に示すように、第4電極70は、コンタクトプラグ30pを介して、第2電極30に電気的に接続される。コンタクトプラグ30pは、第2電極30から絶縁膜45中に延伸し、トレンチGT2に設けられた第4電極70に直接接続される。
【0095】
図14(a)および(b)は、第2実施形態の別の変形例に係る半導体装置4を示す模式図である。
図14(a)は、
図14(b)中に示すK-K線に沿った断面図である。
図14(b)は、トレンチGT1およびGT2の配置を示す平面図である。
【0096】
図14(a)に示すように、半導体装置4は、トレンチGT1とトレンチGT2とを含む。トレンチGT1の内部には、制御電極40および第3電極50が設けられる。トレンチGT2の内部には、第4電極70と第3電極50とが設けられる。この例では、隣り合う2つのトレンチGT1の間に、2つのトレンチGT2が設けられる。
【0097】
図14(b)に示すように、複数のトレンチGT1および複数のトレンチGT2が設けられ、X方向に並べて配置される。隣り合うトレンチGT1の間には、2つのトレンチGT2がそれぞれ配置される。複数のトレンチGT1のうちの隣合う2つのトレンチGT1は、接続部GTJにより接続される。
【0098】
トレンチGT1のY方向の端に、コンタクト部50exが設けられる。トレンチGT1のそれぞれに設けられた第3電極50は、コンタクト部50exを介して、第1配線30cpに電気的に接続される(
図3(b)参照)。接続部GTJは、複数のトレンチGT1のうちのコンタクト部50exが設けられないトレンチGT1と、それに隣り合うトレンチGT1と、を接続する。また、トレンチGT1の内部に設けられた制御電極40は、コンタクト部40exを介して、第2配線60cpに電気的に接続される(
図3(b)参照)。
【0099】
トレンチGT2の-Y方向の端に、コンタクト部50exfが設けられる。トレンチGT2のそれぞれに設けられた第3電極50は、コンタクト部50exfを介して、第1配線30cqに電気的に接続される(
図12(b)参照)。また、トレンチGT2の内部に設けられた第4電極70は、コンタクト部70exを介して、第2電極30に電気的に接続される(
図12(b)参照)。
【0100】
上記のように、実施形態に係る各半導体装置では、複数のトレンチGTのうちのコンタクト部50exにつながらない第3電極50を含むトレンチGTと、それと隣り合うトレンチGTと、を接続する。これにより、両者の第3電極50を接続し、第1配線30cpと複数の第3電極50とを確実に接続する。その結果、半導体装置を安定に動作させることができる。
【0101】
なお、上記の実施形態は、これらに限定される訳ではなく、例えば、
図11(b)および
図14(b)に示すトレンチGT1およびGT2の配置において、トレンチGT1を-Y方向に延伸させ、トレンチGT2をY方向に延伸させ、それぞれの第3電極50がコンタクト部50exおよび50exfの両方につながるように構成しても良い。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1、2、3、4…半導体装置、 10…半導体部、 11…第1半導体層、 13…第2半導体層、 15…第3半導体層、 17…第4半導体層、 17PC…角、 17SX…第1辺、 17SY…第2辺、 19…第7半導体層、 20…第1電極、 21…第5半導体層、 23…第6半導体層、 30…第2電極、 30cp、30cq…第1配線、 30p、60p…コンタクトプラグ、 40…制御電極、 40ex、50ex、50exf、70ex…コンタクト部、 43、45、53、55…絶縁膜、 50…第3電極、 50f…導電層、 60…制御パッド、 60cp、60cq…第2配線、 70…第4電極、 100…半導体ウェーハ、 105…エッチングマスク、 GT、GT1、GT2、GTA~GTH…トレンチ、 GTJ…接続部、 SP1、SP2…スペース、 WS…サイドエッチング量