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特許7319761非アルコール性脂肪肝疾患および他の使用のためのブドウ生成物
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  • 特許-非アルコール性脂肪肝疾患および他の使用のためのブドウ生成物 図1
  • 特許-非アルコール性脂肪肝疾患および他の使用のためのブドウ生成物 図2
  • 特許-非アルコール性脂肪肝疾患および他の使用のためのブドウ生成物 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】非アルコール性脂肪肝疾患および他の使用のためのブドウ生成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/87 20060101AFI20230726BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230726BHJP
   A61K 131/00 20060101ALN20230726BHJP
【FI】
A61K36/87
A61P1/16
A61K131:00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017533218
(86)(22)【出願日】2015-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-12-28
(86)【国際出願番号】 US2015066585
(87)【国際公開番号】W WO2016100774
(87)【国際公開日】2016-06-23
【審査請求日】2018-12-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】62/094,963
(32)【優先日】2014-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514275509
【氏名又は名称】ソノマシューティカルズ・エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】514275417
【氏名又は名称】ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ザ・セクレタリー・オブ・アグリカルチャー
【氏名又は名称原語表記】The United States of America as Represented by the Secretary of Agriculture
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】トーリー・ジェイムズ・アーヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスーク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス・エイチ・ヨコヤマ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・フォースバーグ
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】齋藤 恵
【審判官】岡崎 美穂
(56)【参考文献】
【文献】Khoshbaten M et al,Grape seed extract to improve liver function in patients with nonalcoholic fatty liver change,Saudi Journal of Gastroenterology,2010年 7月,Vol.16, No.3,p.194-197,doi: 10.4103/1319-3767.65197
【文献】Kim H et al.,Dietary supplementation of chardonnay grape seed flour reduces plasma cholesterol concentration, hepatic steatosis, and abdominal fat content in high-fat diet-induced obese hamsters,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2014年 2月,Vol.62, No.8,p.1919-1925,doi: 10.1021/jf404832s
【文献】Charradi K et al.,Protective effect of grape seed and skin extract against high-fat diet-induced liver steatosis and zinc depletion in rat,Digestive Diseases and Sciences,2014年 4月,Vol.59, No.8,p.1768-1778,doi: 10.1007/s10620-014-3128-0
【文献】Choi SK et al.,Suppression of oxidative stress by grape seed supplementation in rats,Nutrition Research and Practice,2012年,Vol.6, No.1,p.3-8,doi: 10.4162/nrp.2012.6.1.3
【文献】満尾 正,ハーブサプリメント,炎症と免疫,2002年,第10巻,第4号,p.439-444
【文献】メルクマニュアル 第18版 日本語版,日経BP社,2007年 4月25日,p.1380
【文献】Hwang IK et al.,Effects of grape seed extract and its ethylacetate/ethanol fraction on blood glucose levels in a model of type 2 diabetes,Phytotherapy Research,2009年,Vol.23, No.8,p.1182-1185
【文献】メルクマニュアル 第18版 日本語版,日経BP社,2007年 4月25日,p.1358-1359
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K36/00-9068
A61K45/00-08
A61K31/00-80
A23L33/00-29
PubMed
医中誌WEB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
類の、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)を処置するための、処置するために有効な量のブドウ生成物を含む医薬組成物であって、前記ブドウ生成物は、シャルドネの種子粉末、シャルドネの種子抽出物、シャルドネ搾りかすミール又はシャルドネ搾りかす粉末であり、該組成物は、哺乳動物の肝臓に沈着した脂肪の量を減少させることを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項2】
類の、脂肪肝、脂肪肝炎または肝線維症を減少させるための、処置するために有効な量のブドウ生成物を含む医薬組成物であって、前記ブドウ生成物は、シャルドネの種子粉末、シャルドネの種子抽出物、シャルドネ搾りかすミール又はシャルドネ搾りかす粉末であり、該組成物は、哺乳動物の肝臓に沈着した脂肪の量を減少させることを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項3】
ブドウ生成物は、シャルドネの種子粉末、又はシャルドネ搾りかす粉末である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ブドウ生成物は、シャルドネ搾りかす抽出物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ブドウ生成物は、シャルドネ種子抽出物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
抽出物は、メタノールまたはエタノール抽出物である、請求項又はに記載の医薬組成物。
【請求項7】
哺乳類は、高脂肪食餌中である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
哺乳類は、30から50カロリー%含有量の脂肪を含む食餌中である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
シャルドネのブドウ種子粉末又はシャルドネのブドウ種子抽出物は、1mgから15,000mgの有効な量で投与される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
哺乳類は、ヒト、愛玩用動物、飼育動物、畜産動物又は家畜である、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、それに限定されないが、シャルドネブドウ生成物を含めたブドウ生成物の使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、重要な公衆衛生の問題として認識されている。NAFLDの有病率は、西欧諸国の一般人口の20%から30%である。NAFLDは、脂肪肝(単純脂肪肝)から、肝臓に関連した罹患率および死亡率を増大する状態である、非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)の範囲にわたる。過剰な肝脂質蓄積、酸化的および小胞体(ER)ストレス、およびインスリン耐性は、この疾患が進行していることを示す主要な兆候である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
なんら特定の理論に拘束されるものではないが、NAFLDは、例えば、過剰な肝脂質蓄積により引き起こされ、続いて酸化的ストレスおよび炎症の増大により、肝臓損傷を生じる。NAFLDは、継続的な問題である。本明細書に記載される実施形態は、これらの問題および他のものに対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置または予防する方法であって、哺乳類に、NAFLDを処置または予防するために有効な量のブドウ種子生成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での脂肪肝を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での脂肪肝炎を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝炎を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での肝線維症を減少させる方法であって、哺乳類に、肝線維症を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、哺乳類での肝線維症を減少させる方法を提供する。
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)を処置または予防する方法であって、哺乳類に、NASHを処置または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0009】
本明細書に開示される実施形態は、哺乳類での健康な肝臓を支持する方法であって、哺乳類に、健康な肝臓を支持するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0010】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、哺乳類は、非アルコール性脂肪肝疾患を有すると同定されてきた。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、肝臓に沈着した脂肪の量を減少させる。
【0011】
本明細書に記載される実施形態は、ブドウ生成物および少なくとも1種の追加の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書に記載されるとおりの1つまたはそれ以上の遺伝子の発現を調節する方法であって、1つまたはそれ以上の遺伝子を発現する哺乳類にブドウ生成物を投与することを含む、1つまたはそれ以上の遺伝子の発現を調節する方法を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子粉末、全搾りかすまたはその画分(例えば、種子、皮、葉、茎などの画分)、ブドウ抽出物(例えば、種子抽出物、皮抽出物など)、ブドウの皮生成物(例えば、皮フラワー(skin flower)、皮粉体など)、もしくはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらの任意の抽出物である。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、限定されないが、シャルドネのブドウ種子粉末のようなシャルドネ生成物である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】血漿脂質におけるシャルドネのブドウ種子粉末(ChrSd)の影響を示すグラフである。雄の食餌性肥満マウス(DIO)を、5週間、5% 結晶セルロース(MCC、対照)または10%(w/w)ChrSdを含有する高脂肪(HF)食餌で飼育し、血液を、絶食状態で採取した。VLDL、超低密度リポタンパク質;LDL、低密度リポタンパク質;HDL、高密度リポタンパク質。データは、平均±SEとして表される;n=8~10/群。P<0.05。
図2図2Aおよび2Bは、パネルA。5週間、5%結晶セルロース(MCC、対照)または10%(w/w)シャルドネのブドウ種子粉末(ChrSd)のいずれかで補充された高脂質(HF)食餌で飼育された肥満マウスでのグルコース耐性。(A)グルコース負荷試験(GTT)を、絶食状態で行った。パネルB。曲線下面積(AUC)値(Aに由来)。データは、平均±SEとして表される。n=8~9/群。P<0.05。
図3図3Aおよび3Bは、パネルA。5週間、5%結晶セルロース(MCC、対照)または10%(w/w)シャルドネのブドウ種子粉末(ChrSd)のいずれかで補充された高脂肪(HF)食餌で飼育された肥満マウスでのインスリン耐性。(A)インスリン負荷試験(ITTs)を、絶食状態で行った。パネルB。曲線下面積(AUC)値(Aに由来)。データは、平均±SEとして表される。n=8~9/群。P<0.05。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的および学術的用語は、当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または等しい方法および材料は、実地または試験で使用されるが、適切な方法および材料は、本明細書に記載される。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、全体的に参照によって本明細書に組み入れられる。矛盾する場合には、定義を含めた本明細書が、規制する。さらに、材料、方法および実施例は、例示のみであり、限定することは意図されない。本明細書に開示される実施形態の他の特徴および利点は、本詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0016】
用語「塩」または「塩類」は、遊離酸の付加塩または遊離塩基の付加塩を含めた任意の酸付加塩を指す。これらの塩の全ては、(または他の類似の塩)は、従来の手段により調製される。このような塩の全ては、その塩が、非毒性であり、実質的に所望の薬物動態活性を妨げないという条件で許容される。
【0017】
用語「医薬上許容しうる」および/または「治療上許容しうる」は、生理学的に許容でき、好ましくは、ヒトに投与される場合、異常亢進、目まいなどのようなアレルギーまたは類似の不都合な反応を一般に生じない分子実体および組成物を指す。本明細書で使用される場合、いくつかの実施形態では、用語「医薬上許容しうる」は、連邦または州政府の当局により認可されるか、米国薬局方または他の一般に認識されている薬局方(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、1985年))で、動物、さらに特にヒトでの使用について列挙されていることを意味する。
【0018】
用語「約」または「およそ」は、プラスまたはマイナス5%を意味する。
【0019】
本明細書でおよび添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が明確にそれ以外を指示しない限り、複数形の言及を含む。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」およびそれらの同語源の語は、本明細書で使用される場合、「それを含むが、それに限定されないこと」を意味する。種々の組成物、方法およびデバイスが、種々の成分または工程を「含む(comprising)」という用語で記述される(「それを含むが、それに限定されないこと」を意味すると解釈される)が、その組成物、方法およびデバイスは、種々の成分および工程「から本質的になる」または「からなる」こともある。
【0021】
本明細書で使用される場合、語句「それを必要とする」は、動物または哺乳類が、特定の方法または処置についての必要性を有すると認識または推定されたことを意味する。いくつかの実施形態では、認識は、診断のいずれかの手段によりうる。本明細書に記載される方法および処置のいずれかで、動物または哺乳類は、それを必要としていることがある。いくつかの実施形態では、動物または哺乳類は、特定の疾患、障害または状態が、広く蔓延している環境にあるか、または環境に移行しつつある。
【0022】
本明細書で使用される場合、互換的に使用される用語「対象」、「個人」または「患者」は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、またはヒトのような霊長類のような哺乳類を含めたあらゆる動物を意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「動物」は、それらに限定されないが、ヒト、および野生、家畜および畜産動物のような非ヒト脊椎動物が挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、語句「XからYの整数」は、端点を含む任意の整数を意味する。すなわち、範囲が開示される場合、端点を含む範囲にある各整数が開示される。例えば、語句「整数1から5」は、1、2、3、4または5、ならびに1から5の範囲を開示する。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「哺乳類」は、げっ歯類(すなわち、マウス、ラットまたはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタまたはヒトを意味する。いくつかの実施形態では、哺乳類は、ヒトである。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「処置する(treat)」、「処置された(treated)」または「処置すること(treating)」は、目的が、望ましくない生理学的状態、障害または疾患を予防または下げる(減少させる)こと、または有益なまたは所望の臨床的結果を得ることである治療的処置および/または防止的もしくは予防的措置を指す。本明細書に記載される実施形態の目的については、有益なまたは所望の臨床結果としては、それに限定されないが、症状の緩和;状態、障害または疾病の範囲の軽減;状態、障害または疾病の安定化(すなわち、悪化していない)状態;発症の遅延または状態、障害または疾患進行の低減;検出可能または非検出可能にかかわらず、状態、障害または疾患状態の改善または回復(部分的または全体的にかかわらず);必ずしも患者により認識されることはない、少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの改善;または状態、障害または疾患の増強または改善が挙げられる。処置としては、過剰なレベルの副作用なしに、臨床的に有意な応答を導くことも挙げられる。処置は、処置を受けないとしても予想される生存と比較した場合、生存を延ばすことも含む。
【0027】
本明細書に記載される場合、シャルドネのブドウ生成物のようなブドウ生成物は、ヒトでの非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)およびそのさらに重篤な形態である非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)についての処置として使用される。他の実施形態が、本明細書に記載される。
【0028】
本明細書に記載される実施形態は、ブドウ生成物の使用に関する。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、シャルドネのブドウ生成物である。他のブドウ生成物も、本明細書に記載される。
【0029】
いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子生成物である。いくつかの実施形態では、種子生成物は、搾りかすミール、搾りかす粉末、種子ミールのような種子の脱脂部分(例えば、ブドウ種子)、またはいくつかの実施形態では、種子粉末を含有する。いくつかの実施形態では、種子生成物は、有機溶媒により抽出可能でない、例えばエタノールおよび/またはメタノールにより抽出可能でない脱脂種子の内容物を含む。いくつかの実施形態では、種子生成物は、100gの種子当たり少なくとも600mgのエピカテキンのエピカテキン含有量、または100gの種子当たり少なくとも700mgのエピカテキンのエピカテキン含有量を有する種子から調製される。いくつかの実施形態では、エピカテキン含有量は、600~800mg/100gの種子または650~800mg/100gの種子の範囲にある。
【0030】
本明細書に記載される場合、ブドウ生成物は、全搾りかすまたはその一部、ブドウの皮生成物、ブドウ種子生成物、もしくはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらの任意の抽出物でありうる。生成物またはその抽出物の各々は、単独で、または互いに任意に組み合わせて使用される。生成物または抽出物は、シャルドネのブドウ、カベルネソービニヨンのブドウ、ピノノワールのブドウ生成物、ソービニヨンブランのブドウ生成物、ホワイトリースリングのブドウ生成物など、またはそれらの任意の組み合わせに由来する。いくつかの実施形態では、ブドウは、沿岸地域で生育したブドウである。いくつかの実施形態では、ブドウは、ウィンクラー地域気候のI、II、III、IVまたはV型で育成されたブドウである。
【0031】
疑問を避けるために、ブドウ生成物は、全体的に無傷のブドウではなく、むしろ加工されたブドウである。ブドウ生成物の例は、本明細書に記載される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「種子ミール」は、破砕された全種子であり、「種子粉末」は、油が抽出された後の破砕された種子である。種子粉末は、種子から油を抽出して、脱脂種子粉末を生じる技術として知られている「コールドプレス」、「ホットプレス」および溶媒抽出プロセスを使用して得られる。ミールまたは粉末は、食品生成物を乾燥させるために適切な従来の乾燥技術を使用して所望の水分含有量に乾燥される。
【0033】
乾燥ミールまたは粉末は、周囲温度条件下でさらに破砕して、流動性粒子を有する種子粉体を形成できる。いくつかの実施形態では、流動性粒子は、841ミクロン(20メッシュ)を超えないサイズから37ミクロン(400メッシュ)を超えないサイズまでの範囲にある。特定の実施形態では、サイズは、20メッシュ、40メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、100メッシュ、200メッシュ、300メッシュまたは400メッシュを超えない。
【0034】
いくつかの実施形態では、種子粉末は、例えば、ブドウジュース(例えば、ワインを製造するために)を生成するためにブドウが加圧された後に生成される搾りかすから、ブドウ種子を分離し、乾燥させることにより製造される。ブドウ種子は、それらを脱脂するために「コールドプレス」にかけられる(副産物として種子油を生成する)。ブドウ種子粉末は、油が放出された後のプレスケークから破砕される。一実施形態では、ブドウを絞った後に、種子は、皮から分離され、洗浄し、機械で脱脂し、微細に破砕し、篩にかけて、100~80メッシュ(149~177ミクロン)流動性粉体を作り出す。
【0035】
種子粉末は、多様な源からも購入される。例えば、特定のタイプのブドウ種子粉末は、Apres Vin(Yakima、Washington)、Botanical Oil Innovations(Spooner、Wisconsin)またはFruitsmart,Inc.(Grandview、Washington)から購入される。種子粉末は、しばしば、80メッシュの流動性粉体として購入される。いくつかの実施形態では、この生成物をさらに破砕し、篩にかけて、より小さい粒子サイズを有する粉末を生成する。
【0036】
いくつかの実施形態では、加圧前に、皮、茎および葉(搾りかすの残り)は、種子から除去される。皮、茎および葉の除去が、最適な搾油を可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、全ブドウ搾りかすまたは種子、皮、葉、茎などの画分を含めた、それらの一部である。これらの画分は、様々な比の混合物でも存在する。
【0038】
「種子抽出物」は、エタノールまたはメタノールのような適切な溶媒で、ブドウの種子の溶媒抽出により製造される。例えば、それに限定されないが、シャルドネの種子抽出物などのブドウ種子抽出物が、抽出溶媒として40%エタノール溶液を使用して製造される。抽出プロセスは、溶媒可溶性成分を含有する抽出物に加えて、不溶性固体の残渣も生成する。その後、種子抽出物は、本明細書に記載される他のブドウ生成物と組み合わせるか、または単独で使用される。搾りかすの他の抽出物も使用される。皮の抽出物も、使用または調製される。
【0039】
本明細書に開示されるブドウ種子生成物に加えて、他のブドウ生成物も、本方法で使用される。他のブドウ種子生成物は、シャルドネの種子生成物の代わりに、または組み合わせて使用される。他のブドウ種子生成物の例としては、それらに限定されないが、シラーのブドウ種子生成物、カベルネソービニヨンのブドウ種子生成物、ピノノワールのブドウ種子生成物、ソービニヨンブランのブドウ種子生成物、ホワイトリースリングのブドウ種子生成物などが挙げられる。
【0040】
種子生成物は、栄養飲料(例えば、栄養シェーク)、焼き製品(例えば、クッキー、ブラウニー、ケーキ、パン、ビスケット、クラッカー)、プディング、砂糖菓子(すなわち、キャンディ)、スナック食品(例えば、プレッツエル)、アイスクリーム、冷凍砂糖菓子および商品、または健康またはエネルギーバーを含めたバーのような非焼き(non-baked)で押出食品生成物のような多様な食品生成物に含まれる。シャルドネの種子生成物は、錠剤もしくはカプセル剤形態でのいずれかで栄養サプリメントとして、または栄養食品もしくは飲料添加剤として使用するための粉体としても提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、種子生成物は、種子生成物が豊富な食品生成物の調製での使用のための他の乾燥食品材料と混合される。乾燥食品材料としては、例えば、乾燥スタート含有材料、乾燥タンパク質含有材料またはそれらの組み合わせが挙げられる。適切なスターチ含有材料は、例えば、米、トウモロコシ、大豆、アサ、ヒマワリ、セイヨウアブラナ(canola)、小麦、エンバク、ライムギ、ジャガイモまたはそれらの任意の組み合わせに由来する。適切な乾燥タンパク質含有材料は、例えば、食肉、ミルク、魚またはそれらの任意の組み合わせに由来する。パン焼き用途については、種子生成物は、3%から15%の乾燥食品材料(例えば、白小麦または小麦の全粒粉)の範囲にある量で適切に使用される。乾燥食品は、場合によりビタミン、ミネラル増強剤、塩、着色剤、風味、風味増強剤または甘味剤などの追加の成分も含みうる。
【0042】
種子生成物は、飲料、加工食肉、冷凍デザート、砂糖菓子生成物、乳製品型生成物、ソース組成物および穀物粒生成物に組み入れられる。飲料生成物としては、例えば、スムージー、調製粉乳、フルーツジュース飲料、ヨーグルト飲料、コーヒー飲料、ビール、乾燥飲料ミックス、茶の融合飲料(tea fusion beverage)、スポーツ飲料、ソイリカー(soy liquor)、カスカセカ(casca seca)、ソーダ、スラッシュおよび冷凍飲料ミックスが挙げられる。食肉生成物としては、例えば、トリ挽肉生成物、加水したハム製品、ボローニャ、ホットドッグ、フランクフルト、チキンパテ、チキンナゲット、ビーフパテ、フィッシュバテ、すり身(surimi)、ベーコン、ランチョンミート、サンドイッチの具、デリミート、食肉スナック、ミートボール、干し肉、ファヒータ、ベーコンビット、注入した食肉(injected meat)およびブラットブルストが挙げられる。砂糖菓子生成物としては、例えば、チョコレート、ムース、チョコレートコーティング、ヨーグルトコーティング、ココア、砂糖衣、 キャンディー、エネルギーバーおよびキャンディーバーが挙げられる。冷凍デザート生成物としては、例えば、アイスクリーム、麦芽、シェイク、氷菓子、シャーペットおよび冷凍プディング生成物が挙げられる。乳製品タイプの生成物としては、例えば、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、泡立てたトッピング(whipped topping)、コーヒークリーム、クリームチーズ、サワークリーム、カテージチーズ、バター、マヨネーズ、ミルクを加えたソース(milk-based sauce)、ミルクを加えたサラダドレッシング、およびチーズカードが挙げられる。穀物粒生成物としては、例えば、パン、マフィン、ベーグル、ペストリー、ヌードル、クッキー、パンケーキ、ワッフル、ビスケット、セモリナ、チップス、トルティーヤ、ケーキ、クラッカー、朝食用シリアル(インスタントおよび調理済みシリアルの両方を含めて)、プレッツエル、乾燥ベーカリーミックス、メルバトースト、棒状パン、クルトン、詰め物、エネルギーバー、ドーナッツ、ケーキ、ポップコーン、タコスシェル、フライ用ころも、練粉、パン粉づけ(breading)、クラスト、ブラウニー、パイ、泡立てソイケーキ(puffed soy cake)、クレープ、クロワッサン、小麦粉(flour)、およびポレンタが挙げられる。ソース組成物としては、サラダドレッシング、ナッツバタースプレッド(例えば、ピーナッツバタースプレッド)、マリネ、ソース、サルサ、ジャム、チーズソース、マヨネーズ、タルタルソース、大豆ユーマス、ディップ、果実シロップ、およびメープルシロップが挙げられる。ソース組成物は、組成物の均一性を維持する上で助けになる懸濁剤も含みうる。適切な懸濁剤の例としては、スターチ、セルロース(例えば、結晶セルロース)およびカラギーナンのような多糖、ならびにペクチンのようなポリウロニドが挙げられる。ゼラチンは、同様に飲料組成物で使用されうる懸濁剤の別の例である。本明細書に記載されるプレミックスを使用して調製された追加の補充食品生成物の例としては、それらに限定されないが、トーフ、配合ソイエッセンス、タンパク質サプリメント末、ジュース混合用タンパク質サプリメント、発泡剤、白濁剤、ベビーフード、ミートレスボール、食肉類似物、卵生成物(例えば、スクランブルエッグ)、スープ、チャウダー、ブイヨン、ミルク代用品、豆乳生成物、チリ、スパイスミックス、スプリンクル(sprinkle)、ソイウィズ(soy whiz)、サラダ用トッピング、食用フィルム、食用スティック、チューインガム、ベーコンビット、ベジビット、ピザクラストバリヤー、ソイパイ、ガスなし合成ビーンズ(no-gas synthetic beans)、ソイヘルパー、ソイコットンキャンディ、フルーツビット、ピザロール、マッシュポテト、スパンソイタンパク質ファイバー(spun soy protein fiber)、ソイロールアップ、押出スナック、調味料、ローション、フライ、ゼラチンデザート製品、ビタミンサプリメント、栄養バー、ドライケーキ、パンまたはマフィンミックスおよび電子レンジ用インスタント乾燥ミックスが挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、種子生成物は、エネルギーバー(身体的活動の間の消費のために適した)または食事代替バーとして提供される。エネルギーバーまたは食事代替バーは、1つまたはそれ以上のビタミン、ミネラル、食品サプリメント、植物、または植物もしくはハーブ抽出物もしくは当業界で公知の成分を含有しうるか、またはフルーツジュースまたは抽出物、ハーブまたはバーブフレーバー、天然または人工フレーバー、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質含有抽出物、補酵素Q、オメガ-3脂肪酸、ガラナ、カフェイン、テオブロミン、マルトデキストリンおよびタンパク質のようなエネルギーバーまたは食事代替バーで使用される。いくつかの実施形態では、エネルギーバーまたは食事代替バーは、それぞれ40/30/30の炭水化物/タンパク質/脂肪の総利用可能エネルギーレベルを有しうる。
【0044】
エネルギーおよび食事代替バーは運動能力増強、精神的能力または認知焦点増強(cognitive focus enhancement)、および/または栄養面での恩恵についてさらに補充される。例示のサプリメントとしては、それらに限定されないが、ビンポセチン、ビンカミン・ギンコー・ビロバ(Ginkgo Biloba)、L-アルギニン、アセチル-L-カルニチン、ナツシロギク、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、DMAE酒石酸水素塩、P-クロロフェノキシアセテート、ビタミンB-複合体、人参、5HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)、L-テアニン、アンドロステンジオン、L-グルタミン、L-チロシン、L-グリシン、L-リジン、乳清タンパク質およびDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)または任意のそれらの組み合わせが挙げられる。
【0045】
種子生成物または組成物は、第1の種子生成物でない量の1つまたはそれ以上の追加のブドウ種子またはブドウの皮生成物も含有しうる。いくつかの実施形態では、第1の種子生成物の量は、第2のブドウ種子またはブドウの皮生成物の量を有する種子組成物に置換される。所与の量の種子生成物と同じ利益を達成する種子組成物に追加される必要がある第2のブドウ種子またはブドウの皮生成物の量は、当業者により容易に決定される。
【0046】
本明細書に記載の方法により調製される種子生成物は、例えば、医薬組成物および製剤でも使用される。医薬組成物は、1つまたはそれ以上生理学的に許容しうる担体または賦形剤を使用した標準技術により製剤される。いくつかの実施形態では、製剤は、緩衝剤および/または保存剤を含有しうる。化合物およびそれらの生理学的に許容しうる塩および溶媒和物は、1つまたはそれ以上医薬上許容しうる担体を含むビヒクル中で吸入を介して、局所に、鼻腔内に、経口で、非経口で(例えば、静脈内で、腹腔内で、膀胱内でまたはクモ膜下内で)または直腸でを含めて、任意の適切な経路により投与のために製剤される。その比率は、ペプチドの可溶性および化学的特性、選択される投与の経路、および標準的な生物学的実践により決定される。
【0047】
いくつかの実施形態により、例えば、医薬上許容しうる希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または他の担体と一緒に、本明細書に記載される方法により製造される1つまたはそれ以上の化合物の有効量を含む医薬組成物が提供される。このような組成物は、種々の緩衝剤含有量の希釈剤(例えば、TRISまたは他のアミン、炭酸塩、リン酸塩、アミノ酸、例えば、グリシンアミド塩酸塩(特に生理学的pH範囲で)、N-グリシルグリシン、リン酸ナトリウムもしくはカルシウム(二塩基性、三塩基性)など、またはTRIS-HClもしくはアセテート)、pHおよびイオン強度;洗剤および可溶化剤(例えば、プルロニック(Pluronics)、Tween20、Tween80(ポリソルベート(Polysorbate)80)、クレモフォール(Cremophor)のような界面活性剤、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールのようなポリオールなど)のような添加剤、抗酸化物質(例えば、アスコルビン酸、二亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チメルソール、ベンジルアルコール、パラベンなど)および増量物質(例えば、ショ糖、ラクトース、マンニトールのような糖、ポリビニルピロリドンまたはデキストランのようなポリマーなど)を含み;および/またはポリ乳酸、ポリグリコール酸のような重合体化合物の顆粒調製物(particulate preparation)に、またはリポソームにその材料を組み込むことを含む。ヒアルロン酸も使用される。このような組成物は、身体状態、安定性、本発明の化合物のインビボ放出の速度、および本発明の化合物のインビボクレアランスの速度に影響するように使用される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(1990年、Mack Publishing Co.,Easton,Pa.18042)1435~1712頁を参照されたい。それらは、参照によって本明細書に組み入れられる。組成物は、例えば、液体形態で調製されるか、または凍結乾燥形態のような乾燥粉末でありうる。このような組成物を投与する特定の方法は、以下に記載される。組成物は、結晶化または沈殿もされる。結晶化または沈殿の方法の例は、例えば、2014年2月7日に出願された米国仮出願第61/936,914号で見い出され、それは、全体的に参照によって本明細書に組み入れられる。
【0048】
緩衝剤が、製剤に含まれる場合、緩衝剤は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンまたはそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定の緩衝剤の各1つは、代替実施形態を構成する。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、グリシルグリシン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはそれら混合物である。
【0049】
医薬上許容しうる保存剤は、本発明の製剤に含まれる場合、保存剤は、フェノール、m-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノールおよびチオメロサール(thiomerosal)またはそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定の保存剤の各1つが、代替実施形態を構成する。いくつかの実施形態では、保存剤は、フェノールまたはm-クレゾールである。
【0050】
いくつかの実施形態では、保存剤は、約0.1mg/mlから約50mg/mlの濃度で、約0.1mg/mlから約25mg/mlの濃度で、または約0.1mg/mlから約10mg/mlの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、保存剤は、約1mg/mlから約50mg/mlの濃度で、約1mg/mlから約25mg/mlの濃度で、または約1mg/mlから約10mg/mlの濃度で存在する。
【0051】
医薬組成物での保存剤の使用は、当業者に周知である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年が便宜上参照される。
【0052】
いくつかの実施形態では、製剤は、キレート剤をさらに含み、ここでキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸およびアスパラギン酸の塩、ならびにそれらの混合物から選択される。これらの特定のキレート剤の各1つが、代替実施形態を構成する。
【0053】
いくつかの実施形態では、キレート剤は、0.1mg/mlから5mg/ml、0.1mg/mlから2mg/ml、または2mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。
【0054】
医薬組成物でのキレート剤の使用は、当業者に周知である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年が便宜上参照される。
【0055】
いくつかの実施形態では、製剤は、高分子量ポリマーまたは低分子量化合物の群から選択される安定剤をさらに含み、ここでこのような安定剤は、それらに限定されないが、ポリエチレングリコール(例えば、PEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、様々の塩(例えば、塩化ナトリウム)、L-グリシン、L-ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニンおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの特定の安定剤の各1つは、代替実施形態を構成する。いくつかの実施形態では、安定剤は、L-ヒスチジン、イミダゾールおよびアルギニンからなる群から選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、高分子量ポリマーは、0.1mg/mlから50mg/ml、0.1mg/mlから5mg/ml、5mg/mlから10mg/ml、10mg/mlから20mg/ml、20mg/mlから30mg/mlまたは30mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する。
【0057】
いくつかの実施形態では、低分子化合物は、0.1mg/mlから50mg/ml、0.1mg/mlから5mg/ml、5mg/mlから10mg/ml、10mg/mlから20mg/ml、20mg/mlから30mg/mlまたは30mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する。
【0058】
医薬組成物での安定剤の使用は、当業者に周知である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年が便宜上参照される。
【0059】
いくつかの実施形態では、製剤は、界面活性剤をさらに含み、ここで、界面活性剤は、洗剤、エトキシ化ひまし油、ポリグリコライズドグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、188および407のようなポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル化およびアルコキシ化誘導体(ツイーン類、例えばTween-20またはTween-80)のようなポリオキシンエチレン誘導体、モノグリセリドまたはそのエトキシ化誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、グリセロール、コール酸またはその誘導体、レシチン、アルコールおよびリン脂質、グリセロリン脂質(レシチン、ケファリン、ホスファチジルセリン)、グリセロ糖脂質(ガラクトピラノシド)、スピンゴリン脂質(スフィンゴミエリン)およびスフィンゴ糖脂質(セラミド、ガングリオシド)、DSS(ドクサートナトリウム、ドクサートカルシウム、ドクサートカリウム、SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、ジパルミトイルホスファチジン酸、カプリル酸ナトリウム、胆汁酸およびその塩ならびにグリシンまたはタウリン接合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、アニオン性(アルキル-アリール-スルホン酸)一価界面活性剤、パルミトイルリゾホスファチジル-L-セリン、リゾリン脂質(例えば、エタノールアミンの1-アシル-sn-グリセロ-3-リン酸エステル、コリン、セリンまたはスレオニン)、アルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、リゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えば、リゾホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体,ジパルミトイホスファチジルコリン、およびコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、および正に負荷されたDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニンである極性頭部の修飾、双極界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-クロロアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、ドデシルホスホコリン、ミリストイルリソホスファチジルコリン、鶏卵リソレシチン)、陽イオン性界面活性剤(四級アンモニウム塩基)(例えば、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド)、非イオン性界面活性剤、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体(Pluronics/Tetronics、Triton X-100、ドデシルβ-D-グルコピラノシド)または重合体界面活性剤(Tween-40、Tween-80、Brij-35)、フシジン酸誘導体(例えば、ナトリウムタウロ-ジヒドロフシデートなど)、長鎖脂肪酸およびその塩C6~C12(例えば、オレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンの任意の組み合わせを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、および中性もしくは酸性アミノ酸、中性アミノ酸および2価アミノ酸の任意の組み合わせを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体から選択され、または界面活性剤は、イミダゾリン誘導体またはそれらの混合物の群から選択される。これらの特定の界面活性剤の各1つは、代替実施形態を構成する。
【0060】
医薬組成物での界面活性剤の使用は、当業者に周知である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、19版、1995年を便宜上参照される。
【0061】
いくつかの実施形態では、組成物は、医薬上許容しうる甘味剤を含めた甘味剤を含むことができる。医薬上許容しうる甘味剤の例としては、サッカリン、サッカリンナトリウムまたはカルシウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サイクラミン酸ナトリウム、アリターム、ジヒドロカルコン甘味剤、モネリン、ステビオシドまたはスクラロース(4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクロース)のような少なくとも1つの強い甘味剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、医薬上許容しうる甘味剤の例としては、サッカリン、サッカリンナトリウムまたはカルシウム、場合によりソルビトール、マンニトール、フルクトース、ショ糖、マルトース、イソマルト、グルコース、水素化グルコースシロップ、キシリトール、キャラメルまたはハチミツのようなバルク甘味料が挙げられる。
【0062】
強い甘味剤は、例えば、低濃度でも使用される。例えば、サッカリンナトリウムの場合には、濃度は、最終製剤の総体積に基づいて0.04%から0.1%(w/v)の範囲にあり、低用量製剤で約0.06%であり、高用量のもので約0.08%でありうる。バルク甘味剤は、約10%から約35%または約10%から15%(w/v)の範囲にある大量で有効に使用される。
【0063】
製剤は、従来の技術により、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、1985年で、またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年に記載されるとおりに調製され、ここで、製薬業界のこのような従来の技術は、成分を適切に溶解および混合して、所望の最終生成物を得ることを含む。
【0064】
本明細書に記載される組成物および生成物は、当業界で公知の任意の方法によっても投与される。例えば、投与は、経皮、非経口、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼用、脳室内、関節内、脊髄内、大槽内、腹腔内で、脳室内、くも膜下腔内、鼻腔内、エアロゾル、坐剤により、または経口投与である。いくつかの実施形態では、本明細書で調製される化合物の医薬組成物は、注射用、または経口、肺、鼻腔、経皮、眼科投与のためである。
【0065】
経口投与については、組成物は、カプセル剤または錠剤のような単位剤形で製剤にされる。錠剤またはカプセル剤は、結合剤、例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース;フィラー、例えば、ラクトース、結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム;または湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含めた医薬上許容しうる賦形剤で従来の方法により調製される。錠剤は、当業界で周知の方法により被覆される。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液、シロップまたは懸濁液の形態を取ることができ、またはそれらの製剤は、使用前に、水または他の適切なビヒクルとの構成のために乾燥生成物として存在しうる。このような液体製剤は、医薬上許容しうる添加剤、例えば、懸濁剤、例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または水素化食用脂;乳化剤、例えば、レシチンまたはアカシア;非水性ビヒクル、例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコールまたは機能性植物油;および保存剤、例えば、メチルまたはプロピル-p-ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸で従来の手段により調製される。製剤は、必要に応じて、緩衝剤塩、風味剤、着色剤および/または甘味剤も含有しうる。所望の場合、経口投与用の製剤は、活性化合物の放出制御を得るために適切に製剤される。その化合物は経口吸着を促進するためにシクロデキストリンまたは他の大型分子と共に調製される。
【0066】
局所投与については、組成物は、0.1から10パーセントまたは0.5から5パーセントの活性化合物を含有する医薬上許容しうるビヒクルで製剤される。そのような製剤は、クリーム、ローション、舌下錠、エアゾールおよび/またはエマルジョンの形態であってよく、この目的のために当業界で従来からあるマトリックスまたはリザーバー型の経皮または頬パッチに含まれる。
【0067】
非経口投与については、化合物は、医薬上許容しうるビヒクルまたは担体との組成物で静脈内、皮下、または筋肉内注射により投与される。組成物は、注射により、例えば、ポーラス注入または持続注入により非経口投与のために製剤される。注射用の製剤は、単位剤形で、例えば、アンプルで、または複数回用量容器で、添加された保存剤と共に存在する。組成物は、油状または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形態を取ることができ、製剤化剤、例えば、懸濁、安定化および/または分散剤を含有することができる。代わりに、活性成分は、使用の前に、適切なビヒクル、例えば、滅菌発熱物質不含水との構成のために粉体形態でありうる。
【0068】
注射による投与については、組成物は、緩衝剤または保存剤のような他の溶質、ならびに溶液を等張にするために十分な量の医薬上許容しうる塩またはグルコースも含有しうる滅菌水性ビヒクル中の溶液で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射用投与のための滅菌溶液または懸濁液を提供するために医薬上許容しうる担体と製剤される。特に、注入物質は、液体溶液または懸濁液、注射の前に液体中に溶解もしくは懸濁するのに適した固形形態として、またはエマルジョンとしてのいずれかとして、従来の形態で調製される。適切な賦形剤は、例えば、水、サリン、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システインなどである。さらに、所望の場合、注射用医薬組成物は、湿潤剤、pH緩衝剤などの微量の非毒性補助物質を含有してもよい。所望の場合、吸着増強製剤(例えば、リポソーム)が利用される。適切な医薬担体は、E.W.Martinによる「Remington’s pharmaceutical Sciences」に記載されている。
【0069】
吸引による投与については、組成物は、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガスの使用と共に加圧パックまたはネブライザーからエアゾール噴霧プレゼンテーションの形態で都合よく送達されうる。加圧エアゾールの場合には、投薬量単位は、定量を送達するバルブを供することにより測定される。インヘラーまたは吸入器で使用するための例えば、ゼラチンのカプセル剤およびカートリッジは、製剤にできて、化合物および適切な粉体基材、例えば、ラクトースまたはスターチの粉体ミックスを含有する。鼻腔内投与については、本発明の組成物は、例えば、液体スプレーとして、粉末として、または液滴の形態で使用される。
【0070】
組成物は、例えば、従来の坐剤基材、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドを含有する直腸組成物、例えば、坐剤または滞留浣腸でも製剤される。
【0071】
さらに、組成物は、デポ製剤として製剤される。このような長時間作用性製剤は、移植(例えば、皮下でまたは筋肉内で)または筋肉内注射により投与される。したがって、例えば、化合物は、適切な重合体もしくは疎水性材料(例えば、許容しうる油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として製剤される。
【0072】
所望の場合、組成物は、活性成分を含有する1つまたはそれ以上の単位剤形を含有できるパックまたはディスペンサーデバイスに存在する。パックは、例えば、金属またはプラスチック製箔、例えば、ブリスターパックを含むことができる。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与についての指示書を伴うことができる。
【0073】
本明細書に記載される方法により調製される組成物は、本明細書に記載される疾患および障害を予防、処置または制御するために治療的に有効な用量を含めて、有効な用量で患者に投与される。それらは、本明細書に記載されるとおりの健康な肝臓を回復または維持するためにも使用される。医薬組成物は、患者における有効な維持、保護、回復または治療的応答を引き出すために十分な量で患者に投与されうる。これを達成するために適切な量は、「治療的に有効な用量」として定義される。その用量は、使用される特定の組成物の効力、および対象の状態、ならびに体重または処置されるべき領域の表面積により決定される。用量のサイズも、特定の対象での特定の化合物またはベクターの投与に付随する存在、特性、および任意の有害影響の範囲により決定される。
【0074】
このような組成物の毒性および治療効率は、細胞培養物または実験動物での標準薬学的手段により、例えば、LD50(集団の50%に対する致死用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定することにより決定される。毒性および治療効果の間の用量比は、治療指数であり、比、LD50/ED50として表される。大きな治療指数を示す組成物が好ましい。毒性の副作用を示す組成物を使用できるが、正常な細胞に対する潜在的損傷を最小にし、それにより、副作用を減らすために、そのような化合物を冒されている組織の部位に向けて導くデリバリーシステムを設計するのに注意を払うべきである。
【0075】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトで使用するための投薬量範囲を処方するために使用される。このような化合物の投薬量は、ほとんどまたは全く毒性なしのED50を含む循環濃度の範囲内にあるのが好ましい。投薬量は、使用される剤形および投与の経路によりこの範囲内で変動しうる。本明細書に記載される方法で使用される任意の組成物については、治療的に有効な用量は、例えば、細胞培養アッセイから最初に見積もられる。用量は、細胞培養で決定されるとおりIC50(症状の最大阻害の半分値を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成する動物モデルで処方される。そのような情報は、ヒトでの有用な用量をいっそう厳密に決定するために使用される。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定される。一般に、調節因子の用量等価物は、典型的な対象について、または本明細書の他のどこかに記載されるとおり約1ng/kgから10mg/kgである。
【0076】
組成物の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態およびサイズのような因子、ならびに処置されるべき症状の重症度を考慮して、使用者または担当する臨床医の判断により調整される。通常の技術を習得した医師または獣医師は、症状の進行を予防、対抗または妨げるために必要とされる有効な量の薬物を容易に決定および処方できる。一般に、有効な量は、0.001mg/kgから10mg/kg体重、特に、0.01mg/kgから1mg/kg体重、または本明細書に記載されるとおりであることが、意図される。いくつかの実施形態では、有効な量が、12時間から14日の期間、0.01マイクログラム/kg体重/分から100マイクログラム/kg体重/分の静脈内投与により連続して注入されることが、意図される。その1日を通して適切な間隔で、2回、3回、4回またはそれ以上のサブ用量として必要とされる用量を投与することが適切である。上記サブ用量は、例えば、単位剤形当たり、0.01から500mg、特に0.1mgから200mgの組成物を含有する単位剤形として製剤される。
【0077】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、単位剤形にある。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分、例えば、所望の目的を達成するために有効な量を含有する適切にサイズ分けされた単位用量に分割される。製剤の単位用量中の活性化合物の量は、特定の用途により、約0.01mgから約1000mg、約0.01mgから約750mg、約0.01mgから約500mg、または約0.01mgから約250mgに変動または調整される。使用される実際の投薬量は、患者の必要性および処置されるべき症状の重症度により変動しうる。特定の状況についての適切な投薬量レジメンの決定は、当業界の技術の範囲内である。便宜上、総投薬量は、必要に応じて1日の間に部分的に分割して投与される。
【0078】
本方法のいくつかの実施形態では、毎日の食餌の百分率として消費されるブドウ生成物の量は、少なくとも3質量%、少なくとも5質量%、または少なくとも8質量%である。いくつかの実施形態では、毎日の食餌の5から10質量%、7質量%、または10質量%が消費される。
【0079】
本方法のいくつかの実施形態では、毎日の食餌の百分率として消費されるブドウ生成物の量は、消費される総カロリーの少なくとも3%、少なくとも5%または少なくとも8%である。いくつかの実施形態では、毎日のカロリーの5~10%、7%または10%が、ブドウ生成物から得られる。
【0080】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせが、約1mgから約15,000mg、約1mgから約14,000mg、約1mgから約13,000mg、約1mgから約12,000mg、約1mgから約11,000mg、約1mgから約10,000mg、約1mgから約9,000mg、約1mgから約8,000mg、約1mgから約7,000mg、約1mgから約6,000mg、約1mgから約5,000mg、約1mgから約4,000mg、約1mgから約3,000mg、約1mgから約2,000mg、約1mgから約1,000mg、約1mgから約900mg、約1mgから約800mg、約1mgから約700mg、約1mgから約600mg、約1mgから約500mg、約1mgから約400mg、約1mgから約300mg、約1mgから約200mg、約1mgから約100mg、約1mgから約75mg、約1mgから約50mg、または約1mgから約25mgの量で投与される。
【0081】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約5mgから約15,000mg、約5mgから約14,000mg、約5mgから約13,000mg、約5mgから約12,000mg、約5mgから約11,000mg、約5mgから約10,000mg、約5mgから約9,000mg、約5mgから約8,000mg、約5mgから約7,000mg、約5mgから約6,000mg、約5mgから約5,000mg、約5mgから約4,000mg、約5mgから約3,000mg、約5mgから約2,000mg、約5mgから約1,000mg、約5mgから約900mg、約5mgから約800mg、約5mgから約700mg、約5mgから約600mg、約5mgから約500mg、約5mgから約400mg、約5mgから約300mg、約5mgから約200mg、約5mgから約100mg、約5mgから約75mg、約5mgから約50mg、または約5mgから約25mgの量で投与される。
【0082】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末、もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約10mgから約15,000mg、約10mgから約14,000mg、約10mgから約13,000mg、約10mgから約12,000mg、約10mgから約11,000mg、約10mgから約10,000mg、約10mgから約9,000mg、約10mgから約8,000mg、約10mgから約7,000mg、約10mgから約6,000mg、約10mgから約5,000mg、約10mgから約4,000mg、約10mgから約3,000mg、約10mgから約2,000mg、約10mgから約1,000mg、約10mgから約900mg、約10mgから約800mg、約10mgから約700mg、約10mgから約600mg、約10mgから約500mg、約10mgから約400mg、約10mgから約300mg、約10mgから約200mg、約10mgから約100mg、約10mgから約75mg、約10mgから約50mg、または約10mgから約25mgの量で投与される。
【0083】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせが、約25mgから約15,000mg、約25mgから約14,000mg、約25mgから約13,000mg、約25mgから約12,000mg、約25mgから約11,000mg、約25mgから約10,000mg、約25mgから約9,000mg、約25mgから約8,000mg、約25mgから約7,000mg、約25mgから約6,000mg、約25mgから約5,000mg、約25mgから約4,000mg、約25mgから約3,000mg、約25mgから約2,000mg、約25mgから約1,000mg、約25mgから約900mg、約25mgから約800mg、約25mgから約700mg、約25mgから約600mg、約25mgから約500mg、約25mgから約400mg、約25mgから約300mg、約25mgから約200mg、約25mgから約100mg、約25mgから約75mg、または約25mgから約50mgの量で投与される。
【0084】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、またはその上述のものの組み合わせが、約50mgから約15,000mg、約50mgから約14,000mg、約50mgから約13,000mg、約50mgから約12,000mg、約50mgから約11,000mg、約50mgから約10,000mg、約50mgから約9,000mg、約50mgから約8,000mg、約50mgから約7,000mg、約50mgから約6,000mg、約50mgから約5,000mg、約50mgから約4,000mg、約50mgから約3,000mg、約50mgから約2,000mg、約50mgから約1,000mg、約50mgから約900mg、約50mgから約800mg、約50mgから約700mg、約50mgから約600mg、約50mgから約500mg、約50mgから約400mg、約50mgから約300mg、約50mgから約200mg、約50mgから約100mg、または約50mgから約75mgの量で投与される。
【0085】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約75mgから約15,000mg、約75mgから約14,000mg、約75mgから約13,000mg、約75mgから約12,000mg、約75mgから約11,000mg、約75mgから約10,000mg、約75mgから約9,000mg、約75mgから約8,000mg、約75mgから約7,000mg、約75mgから約6,000mg、約75mgから約5,000mg、約75mgから約4,000mg、約75mgから約3,000mg、約75mgから約2,000mg、約75mgから約1,000mg、約75mgから約900mg、約75mgから約800mg、約75mgから約700mg、約75mgから約600mg、約75mgから約500mg、約75mgから約400mg、約75mgから約300mg、約75mgから約200mgまたは約75mgから約100mgの量で投与される。
【0086】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約100mgから約15,000mg、約100mgから約14,000mg、約100mgから約13,000mg、約100mgから約12,000mg、約100mgから約11,000mg、約100mgから約10,000mg、約100mgから約9,000mg、約100mgから約8,000mg、約100mgから約7,000mg、約100mgから約6,000mg、約100mgから約5,000mg、約100mgから約4,000mg、約100mgから約3,000mg、約100mgから約2,000mg、約100mgから約1,000mg、約100mgから約900mg、約100mgから約800mg、約100mgから約700mg、約100mgから約600mg、約100mgから約500mg、約100mgから約400mg、約100mgから約300mgまたは約100mgから約200mgの量で投与される。
【0087】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約200mgから約15,000mg、約200mgから約14,000mg、約200mgから約13,000mg、約200mgから約12,000mg、約200mgから約11,000mg、約200mgから約10,000mg、約200mgから約9,000mg、約200mgから約8,000mg、約200mgから約7,000mg、約200mgから約6,000mg、約200mgから約5,000mg、約200mgから約4,000mg、約200mgから約3,000mg、約200mgから約2,000mg、約200mgから約1,000mg、約200mgから約900mg、約200mgから約800mg、約200mgから約700mg、約200mgから約600mg、約200mgから約500mg、約200mgから約400mgまたは約200mgから約300mgの量で投与される。
【0088】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約300mgから約15,000mg、約300mgから約14,000mg、約300mgから約13,000mg、約300mgから約12,000mg、約300mgから約11,000mg、約300mgから約10,000mg、約300mgから約9,000mg、約300mgから約8,000mg、約300mgから約7,000mg、約300mgから約6,000mg、約300mgから約5,000mg、約300mgから約4,000mg、約300mgから約3,000mg、約300mgから約2,000mg、約300mgから約1,000mg、約300mgから約900mg、約300mgから約800mg、約300mgから約700mg、約300mgから約600mg、約300mgから約500mgまたは約300mgから約400mgの量で投与される。
【0089】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約400mgから約15,000mg、約400mgから約14,000mg、約400mgから約13,000mg、約400mgから約12,000mg、約400mgから約11,000mg、約400mgから約10,000mg、約400mgから約9,000mg、約400mgから約8,000mg、約400mgから約7,000mg、約400mgから約6,000mg、約400mgから約5,000mg、約400mgから約4,000mg、約400mgから約3,000mg、約400mgから約2,000mg、約400mgから約1,000mg、約400mgから約900mg、約400mgから約800mg、約400mgから約700mg、約400mgから約600mg、約400mgから約500mgの量で投与される。
【0090】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはそれらの任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約500mgから約15,000mg、約500mgから約14,000mg、約500mgから約13,000mg、約500mgから約12,000mg、約500mgから約11,000mg、約500mgから約10,000mg、約500mgから約9,000mg、約500mgから約8,000mg、約500mgから約7,000mg、約500mgから約6,000mg、約500mgから約5,000mg、約500mgから約4,000mg、約500mgから約3,000mg、約500mgから約2,000mg、約500mgから約1,000mg、約500mgから約900mg、約500mgから約800mg、約500mgから約700mg、または約500mgから約600mgの量で投与される。
【0091】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはそれらの任意の部分、皮生成物、種子粉末、もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約600mgから約15,000mg、約600mgから約14,000mg、約600mgから約13,000mg、約600mgから約12,000mg、約600mgから約11,000mg、約600mgから約10,000mg、約600mgから約9,000mg、約600mgから約8,000mg、約600mgから約7,000mg、約600mgから約6,000mg、約600mgから約5,000mg、約600mgから約4,000mg、約600mgから約3,000mg、約600mgから約2,000mg、約600mgから約1,000mg、約600mgから約900mg、約600mgから約800mgまたは約600mgから約700mgの量で投与される。
【0092】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはそれらの任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約700mgから約15,000mg、約700mgから約14,000mg、約700mgから約13,000mg、約700mgから約12,000mg、約700mgから約11,000mg、約700mgから約10,000mg、約700mgから約9,000mg、約700mgから約8,000mg、約700mgから約7,000mg、約700mgから約6,000mg、約700mgから約5,000mg、約700mgから約4,000mg、約700mgから約3,000mg、約700mgから約2,000mg、約700mgから約1,000mg、約700mgから約900mgまたは約700mgから約800mgの量で投与される。
【0093】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約800mgから約15,000mg、約800mgから約14,000mg、約800mgから約13,000mg、約800mgから約12,000mg、約800mgから約11,000mg、約800mgから約10,000mg、約800mgから約9,000mg、約800mgから約8,000mg、約800mgから約7,000mg、約800mgから約6,000mg、約800mgから約5,000mg、約800mgから約4,000mg、約800mgから約3,000mg、約800mgから約2,000mg、約800mgから約1,000mgまたは約800mgから約900mgの量で投与される。
【0094】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約900mgから約15,000mg、約900mgから約14,000mg、約900mgから約13,000mg、約900mgから約12,000mg、約900mgから約11,000mg、約900mgから約10,000mg、約900mgから約9,000mg、約900mgから約8,000mg、約900mgから約7,000mg、約900mgから約6,000mg、約900mgから約5,000mg、約900mgから約4,000mg、約900mgから約3,000mg、約900mgから約2,000mgまたは約900mgから約1,000mgの量で投与される。
【0095】
本方法のいくつかの実施形態では、ブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせは、約1,000mgから約15,000mg、約1,000mgから約14,000mg、約1,000mgから約13,000mg、約1,000mgから約12,000mg、約1,000mgから約11,000mg、約1,000mgから約10,000mg、約1,000mgから約9,000mg、約1,000mgから約8,000mg、約1,000mgから約7,000mg、約1,000mgから約6,000mg、約1,000mgから約5,000mg、約1,000mgから約4,000mg、約1,000mgから約3,000mgまたは約1,000mgから約2,000mgの量で投与される。
【0096】
いくつかの実施形態では、毎日消費されるブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせの量は、少なくとも、もしくは約0.1gであり、少なくとも、もしくは約0.5g、少なくとも、もしくは約1gであり、少なくとも、もしくは約2gであり、少なくとも、もしくは約3gであり、少なくとも、もしくは約4gであり、少なくとも、もしくは約5g、少なくとも、もしくは約10g、少なくとも、もしくは約15g、少なくとも、もしくは約20g、少なくとも、もしくは約25g、少なくとも、もしくは約30g、少なくとも、もしくは約35g、少なくとも、もしくは約40g、または少なくとも、もしくは約45gである。いくつかの実施形態では、少なくとも、もしくは約50gのブドウ生成物が、毎日消費される。
【0097】
いくつかの実施形態では、毎日消費されるブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせの量は、少なくとも大さじ1杯、少なくとも大さじ2杯、少なくとも大さじ3杯、少なくとも大さじ4杯、または少なくとも大さじ5杯である。
【0098】
いくつかの実施形態では、毎日消費されるブドウ生成物、全搾りかすもしくはその任意の部分、皮生成物、種子粉末もしくは種子生成物、もしくはそれらの任意の抽出物、または前述のものの任意の組み合わせの量は、重量:体重基準で、少なくとも0.2g/kg、少なくとも0.5g/kg、または少なくとも0.7g/kgである。いくつかの実施形態では、体重のkg当たり少なくとも1gのブドウ生成物が、1日当たりに消費される。
【0099】
種子粉末は、全搾りかすもしくはその任意の部分、搾りかすミール、搾りかす粉末、皮粉末、皮生成物、種子生成物もしくは種子ミール、またはその任意の抽出物と置換または組み合わせられ、または前述のものの任意の組み合わせは、本明細書に記載の方法または実施形態のいずれかで投与される。所与の量の種子粉末と同じ利益を得るために毎日消費される必要がある搾りかすミール、搾りかす粉末、皮粉末、種子抽出物または種子ミールの量は、当業者により、本明細書に記載されるとおり容易に決定される。例えば、対象は、所与の量の種子粉末と同じ利益を達成するために約3倍多くの皮粉末を消費する必要があると考えられる。
【0100】
いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、週に少なくとも2回、週に少なくとも3回、または一日おきに摂取される。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、毎日の食事に組み入れられる。いくつかの実施形態では、生成物は、日に2回、日に3回、または日に4回投与される。
【0101】
ブドウ生成物は、本明細書に記載のとおり種子生成物により処置および/または予防することを受け入れられる状態を処置および/または予防するために十分な期間にわたり摂取される。ブドウ生成物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも6か月、少なくとも1年、または不確定の間、摂取される。
【0102】
本方法のいくつかの実施形態では、第1のブドウ生成物ではない、第2のブドウ生成物が、個体に投与される。いくつかの実施形態では、第1のブドウ生成物および第2のブドウ生成物(種子、皮、搾りかすなど)の組み合わせが、第1のブドウ生成物単独の投与の効果より大きい治療効果または健康利益を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1のブドウ生成物の量、および第2のブドウ生成物またはブドウ種子、搾りかすまたは皮生成物の量は、達成される効果が、単独で投与される第1の種子生成物の所与の量により達成される効果と少なくとも同じであるように選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、哺乳類での非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置または予防する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、哺乳類に、NAFLDを処置または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子生成物である。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、本明細書に記載される様々のブドウ生成物の組み合わせまたは抽出物である。いくつかの実施形態では、種子生成物は、シャルドネの種子生成物である。非アルコール性脂肪肝疾患は、ほとんどまたは全くアルコール飲まない人々の肝臓での脂肪の蓄積を記述するために使用される用語である。いくつかの実施形態では、哺乳類は、アルコールを消費しない。いくつかの実施形態では、哺乳類は、肝臓の炎症を有する。いくつかの実施形態では、哺乳類は、肝臓に瘢痕がある。瘢痕を有するNAFLDの形態は、非アルコール性脂肪肝肝炎を指すことができる。いくつかの実施形態では、NAFLDを有する哺乳類は、肝不全も有する可能性がある。本明細書に記載される組成物は、これらの状態のいずれかを処置または緩和するために使用される。
【0105】
いくつかの実施形態では、哺乳類での脂肪肝を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝を減少されるのに有効な量のブドウ生成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、シャルドネのブドウ生成物である。
【0106】
いくつかの実施形態では、哺乳類での脂肪肝炎を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝炎を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、シャルドネのブドウ生成物である。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子生成物またはその抽出物である。
【0107】
いくつかの実施形態では、哺乳類での肝線維症を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、哺乳類に、肝線維症を減少させるために有効な量のブドウ種子生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、シャルドネのブドウ生成物である。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子生成物またはその抽出物である。
【0108】
いくつかの実施形態では、哺乳類での非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)を処置または予防する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、哺乳類に、NASHを処置または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、シャルドネのブドウ生成物である。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、ブドウ種子生成物またはその抽出物である。
【0109】
いくつかの実施形態では、哺乳類での健康な肝臓を支持する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、哺乳類に、健康な肝臓を支持するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、健康な肝臓は、肝臓の正常な機能を保存することにより支持される。これは、例えば、エネルギーを代謝する肝臓の能力を増強または保存することにより行われる。いくつかの実施形態では、これは、肝臓を外部損傷から保護および/または支持するために免疫応答を支持することにより行われる。
【0110】
いくつかの実施形態では、環境的毒素および/または消費された生成物への曝露により、対象における肝臓に急性ストレスで誘発される損傷を制御する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、対象に、本明細書に記載されるとおりの量のブドウ生成物を投与することを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、毒性ストレス応答を改善する対象の肝臓でmiRNAを調節する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、対象に、本明細書に記載されるとおりの量のブドウ生成物を投与することを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、対象での肝臓が再生および/または治癒する能力を増大する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、対象に、本明細書に記載されるとおりの量のブドウ生成物を投与することを含む。
【0113】
ブドウ生成物は、酸化的ストレスを阻害または処置するためにも使用される。その生成物は、哺乳類での健康な酸化的ストレスレベルを維持するためにも使用される。その方法は、哺乳類に、本明細書に記載される有効な量のブドウ種子生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、酸化的ストレスが、肝臓に存在する。いくつかの実施形態では、ブドウ種子生成物は、肝臓炎症を減少させるために使用される。
【0114】
いくつかの実施形態では、哺乳類の肝臓での酸化的ストレスを減少または予防する方法が提供される。いくつかの実施形態では、その方法は、哺乳類に、哺乳類の肝臓での酸化的ストレスを減少または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、その方法は、肝臓での脂質過酸化を減少または予防する。
【0115】
いくつかの実施形態では、哺乳類の肝臓でのチトクロムP450および/または第II相の酵素的解毒系を保護、支持、増強または維持する方法であって、哺乳類に、哺乳類の肝臓でのチトクロムP450および/または第II相の酵素的解毒系を保護、支持、増強または維持するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む方法が提供される。
【0116】
いくつかの実施形態では、哺乳類での解毒酵素の産生を制御する遺伝子の発現を上方制御する方法であって、哺乳類に、哺乳類での解毒酵素の産生を制御する遺伝子の発現を上方制御するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、遺伝子は、NRF2である。
【0117】
いくつかの実施形態では、哺乳類での抗酸化物質の産生を増大する方法であって、哺乳類に、哺乳類での抗酸化物質の産生を増大するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、増大した抗酸化物質は、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、またはカタラーゼである。
【0118】
本明細書に記載される種々の実施形態で、哺乳類または対象は、それを必要とする哺乳類または対象である。いくつかの実施形態では、哺乳類は、非アルコール性脂肪肝疾患または関連状態を有すると同定され、それは本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物は、哺乳類での肝臓に沈着した脂肪の量を減少させる。
【0119】
本明細書に記載される場合、ブドウ種子生成物は、ブドウ種子粉末でありうる。したがって、いくつかの実施形態では、種子粉末は、シャルドネの種子粉末でもありうる。いくつかの実施形態では、ブドウ種子生成物は、ブドウ種子抽出物である。いくつかの実施形態では、抽出物は、シャルドネの種子抽出物である。
【0120】
本明細書に記載される場合、組成物は、ブドウ生成物および少なくとも1つの追加の化合物を含有しうる。いくつかの実施形態では、化合物は、抗酸化物質である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンE、シナモン、黒熊の胆(black bear bile)、オベチコール酸、2,4-ジニトロフェノール(DNP)、DNP-メチルエーテル(DNPME)、抗血糖化合物、または抗コレステロール化合物である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンA、ビタミンC、カロテノイド、リポ酸、ユビキノール、ユビキノンまたはグルタチオンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、第2のタイプのブドウ種子生成物である。すなわち、組成物は、2つまたはそれ以上の異なるタイプのブドウに由来するブドウ種子組成物を含みうる。そのタイプのブドウは、それに限定されないが、本明細書に記載されるブドウのタイプなどの任意のタイプでありうる。
【0121】
いくつかの実施形態では、抗血糖化合物は、インスリン感受性改善薬である。インスリン感受性改善薬の例としては、それらに限定されないが、ピオグリタゾン、メトホルミン、スルホニル尿素またはチアゾリジンジオンが挙げられる。
【0122】
いくつかの実施形態では、抗コレステロール化合物は、HMG-CoA還元酵素阻害剤である。これらは、しばしば、口語的に「スタチン」と称される。いくつかの実施形態では、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンである。
【0123】
いくつかの実施形態では、その方法は、同時に、または連続して、ブドウ生成物および追加の生成物を投与することを含む。したがって、その生成物は、連続して、または同時に投与される。いくつかの実施形態では、ブドウ生成物および少なくとも1つの追加の化合物または組成物は、同じ製剤または単位剤形に組み込まれ、一緒に投与される。本明細書に記載される場合、単位剤形は、例えば、粉剤、カプセル剤または錠剤でありうる。いくつかの実施形態では、様々な組成物が、別個の製剤で投与される。
【0124】
ブドウ生成物および少なくとも1つの追加の化合物または組成物を含む製剤も、提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物または組成物は、第2のタイプのブドウ生成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、ブドウ生成物および少なくとも1つの追加の化合物を含む。いくつかの実施形態では、それは、抗酸化物質である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンE、オベチコール酸、2,4-ジニトロフェノール(DNP)、DNP-メチルエーテル(DNPME)、抗血糖化合物または抗コレステロール化合物である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンA、ビタミンC、カロテノイド、リポ酸、ユビキノール、ユビキノンまたはグルタチオンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、それらに限定されないが、s-アデノシル-メチオニン、トリメチルグリシンまたはメチオニンのようなメチル供与体である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、それらに限定されないが、ホスファチド、必須脂肪酸、コリンまたはBビタミンのような代謝栄養物である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の化合物は、それらに限定されないが、ミルクシスル、チョウセンゴミシ、ゴボウ、タンポポ、アーティチョーク、ウコン、クサノオウ、葛、チコリもしくはイエロードック(yellow dock)またはそれらの任意の抽出物のような植物または植物性抽出物である。抗血糖化合物または抗コレステロール化合物の例は、本明細書に記載される。例えば、いくつかの実施形態では、抗血糖化合物は、インスリン感受性改善薬である。いくつかの実施形態では、インスリン感受性改善薬は、ピオグリタゾン、メトホルミン、チアゾリジンジオンまたはスルホニル尿素である。いくつかの実施形態では、組成物は、抗コレステロール化合物、HMG-CoA還元酵素阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、またはシンバスタチンである。
【0125】
いくつかの実施形態では、組成物は、哺乳類(例えば、ヒト、家畜、畜産動物、ペット)消費にとって適合性がある。いくつかの実施形態では、組成物は、ウシ、家禽、イヌ、ネコなどにとって適合性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、生菌と組み合わせられる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法で、対象は、哺乳類(例えば、ヒト、家畜、畜産動物、ペット)である。いくつかの実施形態では、対象は、ウシ、家禽、イヌ、ネコなどである。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、インスリン耐性を増大するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、正常な(例えば、健康な)インスリン耐性を維持するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、健康なレベルの肝臓レプチンを維持するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、健康または正常なレベルに肝臓レプチンを回復するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、それを必要とする哺乳類を含めて、哺乳類での肝臓レプチン感受性を改善、維持または回復するために使用される。したがって、組成物は、脂肪肝を減少させるために使用される。
【0127】
いくつかの実施形態では、組成物は、ブドウ生成物(例えば、種子抽出物または粉末)なしの食餌での哺乳類と比較した場合、肝臓および/または精巣上体の脂肪組織重量を30~40%まで減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、組成物は、対照食餌での哺乳類と比較した場合、高脂肪食餌での哺乳類で、肝臓の脂質含有量を、約40~50%まで減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、組成物は、哺乳類での肝臓の脂質含有量を減少させるために使用される。組成物は、例えば、本明細書に記載される量で、本明細書に記載される種々の方法により投与される。
【0128】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の遺伝子の発現を調節する方法も提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたはそれ以上の遺伝子を発現する哺乳類にブドウ抽出物(例えば、種子抽出物、搾りかすまたは粉末)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子の発現を調節するために有効な量で、哺乳類に、ブドウ種子抽出物を投与することを含む哺乳類での遺伝子の発現を調節する方法が提供される。いくつかの実施形態では、遺伝子発現は、増大される。いくつかの実施形態では、遺伝子発現は、減少される。いくつかの実施形態では、哺乳類は、遺伝子発現の調節を必要とする哺乳類である。いくつかの実施形態では、遺伝子の発現は、ブドウ種子抽出物を投与されない哺乳類と比較して少なくとも1.5倍に増大または減少される。いくつかの実施形態では、遺伝子の発現は、少なくとも2、3、4、5または6倍に増大、減少される。いくつかの実施形態では、遺伝子の発現は、約1.5から6、1.5から5、1.5から4、1.5から3、1.5から2、2から6、2から5、2から4、2から3、3から6、3から5、3から4、4から6、4から5、5から6または6から7倍に増大または減少される。いくつかの実施形態では、遺伝子発現は、実施例で示される量により調節される。
【0129】
いくつかの実施形態では、遺伝子は、Chi3l1、Ces1d、Adra1b、Slc13a3、Ntrk2、Cyp21a1、Aqp8、Gck、Pfkm、Txn1、Ckb、Gckr、Fen1、Cyp46a1、Vldlr、Ppcdc、Bdh2、Scd1、Acot11、Mlxipl(ChREBP)、Lcn13、Prodh、Gstt3、Mc5r、Tas2r104、Vmn1r192、Rasl2-9、Cfd、Ctse、Orm2、Rorc、Tlr5、Hnmt、Cyp2b13、Cyp2d40、Hao2、Gdf15、Sptlc3、Mogat1、Plin4、Ifna9、Asns、Got1、Atp6v0d2、Cyp7b1、Cyp17a1、Id1、Avpr1a、Ocln、Cyp51、Fdft1、Hmgcr、Hsd17b7、Insig1、Lss、Mvd、Mvk、Nsdhl、Sc4mol、Tm7sf2、Apom、Lepr、Pcsk9、Sqle、Il17rb、Acsl3、Agxt、Aldoc、Pgk2、Tlr13、Hmgcs1、Stard4、Mmp7およびIgfbp2のうちの1つまたはそれ以上である。いくつかの実施形態では、遺伝子は、前述のリストの2、3、4または5である。いくつかの実施形態では、遺伝子は、前述のリストの遺伝子の各々である。
【0130】
本明細書で提供される実施形態は、それらに限定されないが、以下のものも含まれる:
1.哺乳類での非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置または予防する方法であって、哺乳類に、NAFLDを処置または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
2.哺乳類での脂肪肝を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
3.哺乳類での脂肪肝炎を減少させる方法であって、哺乳類に、脂肪肝炎を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
4.哺乳類での肝線維症を減少させる方法であって、哺乳類に、肝線維症を減少させるために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
5.哺乳類での非アルコール性脂肪肝肝炎(NASH)を処置または予防する方法であって、哺乳類に、NASHを処置または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
6.哺乳類での健康な肝臓を支持する方法であって、哺乳類に、健康な肝臓を支持するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
7.哺乳類が、非アルコール性脂肪肝疾患を有すると同定された、実施形態6の方法。
8.哺乳類の肝臓での酸化的ストレスを減少または予防する方法であって、哺乳類に、哺乳類の肝臓での酸化的ストレスを減少または予防するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
9.脂質過酸化を減少または予防する、実施形態8の方法。
10.哺乳類の肝臓でのチトクロムP450および/または第II相の酵素的解毒系を保護、支持、増強または維持する方法であって、哺乳類に、哺乳類の肝臓でのチトクロムP450および/または第II相の酵素的解毒系を保護、支持、増強または維持するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
11.哺乳類での解毒酵素の産生を制御する遺伝子の発現を上方制御する方法であって、哺乳類に、哺乳類での解毒酵素の産生を制御する遺伝子の発現を上方制御するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
12.遺伝子は、NRF2である、実施形態11の方法。
13.哺乳類での抗酸化物質の産生を増大する方法であって、哺乳類に、哺乳類での抗酸化物質の産生を増大するために有効な量のブドウ生成物を投与することを含む、方法。
14.抗酸化物質は、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼまたはカタラーゼである、実施形態13の方法。
15.ブドウ生成物は、肝臓に沈着した脂肪の量を減少させる、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
16.哺乳類は、それを必要とする哺乳類である、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
17.ブドウ生成物は、全搾りかすもしくはその一部、ブドウ種子生成物、ブドウの皮生成物、もしくはその任意の抽出物、またはそれらの任意の組み合わせである、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
18.ブドウ種子生成物は、ブドウ種子粉末である、実施形態17の方法。
19.ブドウ生成物は、ブドウの皮抽出物、ブドウの皮粉末またはブドウの皮粉体である、実施形態17の方法。
20.ブドウ生成物は、搾りかす抽出物である、実施形態17の方法。
21.ブドウ生成物は、ブドウ種子抽出物である、実施形態17の方法。
22.ブドウ抽出物は、メタノールまたはエタノール抽出物である、実施形態21の方法。
23.ブドウ生成物は、約1mgから約15,000mgの有効な量で投与される、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
24.哺乳類は、ヒト、愛玩用動物、飼育動物、畜産動物または家畜である、実施形態1~23のいずれか1つの方法。
25.少なくとも1つの追加の化合物をさらに含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
26.少なくとも1つの追加の化合物は、抗酸化物質、抗コレステロール薬剤、抗血糖化合物またはインスリン感受性改善薬である、実施形態25の方法。
27.少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、カロテノイド、リポ酸、ユビキノール、ユビキノンまたはグルタチオンである、実施形態25の方法。
28.少なくとも1つの追加の化合物は、s-アデノシル-メチオニン、トリメチルグリシンまたはメチオニンである、実施形態25の医薬組成物。
29.少なくとも1つの追加の化合物は、ホスファチド、必須脂肪酸、コリンまたはBビタミンである、実施形態25の医薬組成物。
30.少なくとも1つの追加の化合物は、植物またはその抽出物である、実施形態25の医薬組成物。
31.植物またはその抽出物は、ミルクシスル、チョウセンゴミシ、ゴボウ、タンポポ、アーティチョーク、ウコン、クサノオウ、葛、チコリもしくはイエロードック、またはそれらの任意の抽出物である、実施形態30の医薬組成物。
32.抗血糖化合物は、インスリン感受性改善薬である、実施形態26の方法。
33.インスリン感受性改善薬は、ピオグリタゾン、メトホルミン、スルホニル尿素またはチアゾリジンジオンである、実施形態32の方法。
34.抗コレステロール化合物は、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、実施形態26の方法。
35.HMG-CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンである、実施形態34の方法。
36.ブドウ生成物および追加の化合物は、同時にまたは連続して投与される、実施形態25の方法。
37.ブドウ生成物および追加の化合物は、同じ製剤で、または異なる製剤で投与される、実施形態25の方法。
38.哺乳類は、高脂肪食餌中である、実施形態1~37のいずれか1つの方法。
39.哺乳類は、30から50カロリー%含有量の脂肪を含む食餌中である、実施形態1~37のいずれか1つの方法。
40.ブドウは、シャルドネのブドウである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
41.ブドウは、カベルネソービニヨンのブドウ、ピノノワールのブドウ、ソービニヨンブランのブドウ、またはホワイトリースリングのブドウである、実施形態1~39のいずれか1つの方法。
42.ブドウ生成物および少なくとも1つの追加の化合物を含む、医薬組成物。
43.ブドウ生成物は、全搾りかすもしくはその一部、ブドウ種子生成物、ブドウの皮生成物、もしくはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらの任意の抽出物である、実施形態42の医薬組成物。
44.ブドウ種子生成物は、ブドウ種子粉末である、実施形態43の医薬組成物。
45.ブドウの皮生成物は、ブドウの皮抽出物である、実施形態43の医薬組成物。
46.ブドウは、シャルドネのブドウ、カベルネソービニヨンのブドウ、ピノノワールのブドウ、ソービニヨンブランのブドウ、またはホワイトリースリングのブドウ生成物である、実施形態42~45の医薬組成物。
47.少なくとも1つの追加の化合物は、抗酸化物質である、実施形態42の医薬組成物。
48.少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンE、オベチコール酸、2,4-ジニトロフェノール(DNP)、DNP-メチルエーテル(DNPME)、抗血糖化合物または抗コレステロール化合物である、実施形態42の医薬組成物。
49.少なくとも1つの追加の化合物は、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、カロテノイド、リポ酸、ユビキノール、ユビキノンまたはグルタチオンである、実施形態42の医薬組成物。
50.少なくとも1つの追加の化合物は、s-アデノシル-メチオニン、トリメチルグリシンまたはメチオニンである、実施形態42の医薬組成物。
51.少なくとも1つの追加の化合物は、ホスファチド、必須脂肪酸、コリンまたはBビタミンである、実施形態42の医薬組成物。
52.少なくとも1つの追加の化合物は、植物またはその抽出物である、実施形態42の医薬組成物。
53.植物またはその抽出物は、ミルクシスル、チョウセンゴミシ、ゴボウ、タンポポ、アーティチョーク、ウコン、クサノオウ、葛、チコリもしくはイエロードックまたはそれらの任意の抽出物である、実施形態52の医薬組成物。
54.抗血糖化合物は、インスリン感受性改善薬である、実施形態48の医薬組成物。
55.インスリン感受性改善薬は、ピオグリタゾン、メトホルミン、チアゾリジンジオンまたはスルホニル尿素である、実施形態54の医薬組成物。
56.抗コレステロール化合物は、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、実施形態48の医薬組成物。
57.HMG-CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、またはシンバスタチンである、実施形態56の医薬組成物。
58.表3の1つまたはそれ以上の遺伝子の発現を調節する方法であって、1つまたはそれ以上の遺伝子を発現する哺乳類にブドウ生成物を投与することを含む、方法。
59.遺伝子は、Chi3l1、Ces1d、Adra1b、Slc13a3、Ntrk2、Cyp21a1、Aqp8、Gck、Pfkm、Txn1、Ckb、Gckr、Fen1、Cyp46a1、Vldlr、Ppcdc、Bdh2、Scd1、Acot11、Mlxipl(ChREBP)、Lcn13、Prodh、Gstt3、Mc5r、Tas2r104、Vmn1r192、Rasl2-9、Cfd、Ctse、Orm2、Rorc、Tlr5、Hnmt、Cyp2b13、Cyp2d40、Hao2、Gdf15、Sptlc3、Mogat1、Plin4、Ifna9、Asns、Got1、Atp6v0d2、Cyp7b1、Cyp17a1、Id1、Avpr1a、Ocln、Cyp51、Fdft1、Hmgcr、Hsd17b7、Insig1、Lss、Mvd、Mvk、Nsdhl、Sc4mol、Tm7sf2、Apom、Lepr、Pcsk9、Sqle、Il17rb、Acsl3、Agxt、Aldoc、Pgk2、Tlr13、Hmgcs1、Stard4、Mmp7およびIgfbp2のうちの1つまたはそれ以上である、実施形態58の方法。
60.ブドウ生成物は、ブドウ種子粉末抽出物である、実施形態58の方法。
61.ブドウ生成物は、ブドウ種子粉末である、実施形態58の方法。
62.ブドウは、シャルドネのブドウである、実施形態58~61のいずれか1つの方法。
63.ブドウは、カベルネソービニヨン、ピノノワールのブドウ、ソービニヨンブランのブドウまたはホワイトリースリングのブドウである、実施形態58~61のいずれか1つの方法。
【0131】
実施形態は、実施例を参照してさらには記載されないが、非限定的である。
【実施例
【0132】
〔実施例1〕
食餌性肥満(DIO)ハムスターを、10週間、高脂肪(HF)食餌で飼育した。低グルコース耐性を示し、最も重いカテゴリーにあった動物が、種々の処置を受けた。動物を、それぞれ、10および20週間、部分的に脱脂されたシャルドネのフラボノイド-リッチワインブドウ種子粉末(ChrSd)、市販の抽出物またはChrSdの実験室で生成されたエタノール抽出物を含有する食餌で飼育した。10週目に半数を犠牲にし、肝不全の兆候について試験し、他の半数は、20週後に試験した。処置中の動物は、恩恵を受けた。ChrSd全粉末処置中の動物は、肝臓での異所性脂肪の兆候を示さなかったのに対して、HF対照食餌にあるものは、肝臓での広範な脂肪沈着を示した。種々の処置下の動物の肝臓は、HF対照でのものより有意に少なく秤量された。種々のブドウ種子処置中の動物の血中脂質プロファイルは、血中脂質プロファイルが改善されたことを示した。したがって、ChrSdは、動物が、高脂肪食餌にかけられているような場合に、健康な血中脂質プロファイルを維持するために使用される。
【0133】
〔実施例2〕
ChrSdが、インスリン耐性および脂肪肝の病原性を改善したかどうかを決定するために、食餌性肥満(DIO)マウスを、5週間、部分的に脱脂されフラボノイド-リッチのシャルドネのブドウ種子粉末(ChrSd)または結晶セルロース(MCC、対照)のいずれかを含有する高脂肪(HF)食餌で飼育した。2時間のインスリンおよびグルコース曲線下面積は、ChrSdにより有意に低下され、ChrSdが、インスリン感受性およびグルコース代謝を改善することを示した。ChrSd摂取は、食物摂取での顕著な増加にもかかわらず、体重増加、肝臓および脂肪組織重量、肝臓脂質含有量、および血漿中低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールも有意に減少させた。肝臓遺伝子発現のエクソンマイクロアレイ分析は、トリグリセリドおよびセラミド合成、免疫応答、酸化的ストレスおよび炎症に関連した遺伝子の下方制御、ならびに脂肪酸酸化、コレステロール、および胆汁酸合成に関連した遺伝子の上方制御を明らかにした。レプチン受容体の発現が上方制御されたことから、増強された肝臓のレプチン感受性を示唆している。マイクロアレイデータの経路分析は、脂質およびコレステロール代謝、ならびに感染性および代謝性疾患経路が、ChrSdにより差次的に制御されたことを明らかにした。結論として、ChrSdは、酸化的ストレス、炎症ならびに脂質およびコレステロール代謝に関連した遺伝子の肝臓発現の調節を介して、DIOマウスでの体重増加、インスリン耐性、および脂肪肝の進行におけるHF食餌の効果を改善した
【0134】
動物および食餌。
雄のC57BL/6Jマウスを、環境を制御した部屋(20~22℃、相対湿度60%、12時間の明/暗サイクルを交互)で個々に収容した。マウスを順応させ、実験的食餌の開始前に、1週間、水およびマウス用チャウ食餌(LabDiet 5015、PMI International、Redwood、CA、USA)を自由に利用させた。マウスを秤量し、各々30匹のマウスの2つの群にランダム化させた。マウス用チャウ食餌またはエネルギーの17%をタンパク質として、37%を炭水化物として、および47%を脂肪として、0.1%コレステロールと共に含有するHF食餌のいずれかで、マウスを自由に飼育した。5週間後、マウスを秤量し、食餌性肥満(DIO)マウスを、チャウで飼育したマウスより有意にいっそう重量を得たものと識別した。その後、DIOマウスを、2つの群にランダム化し(各々n=10)、10%ChrSd(Sonomaceuticals、LLC/WholeVine Products、Santa Rosa、CA)または5%結晶セルロース(MCC、対照食餌;Dyets Inc.、Bethlehem、PA)のいずれかを含有するHF食餌で5週間、自由に飼育した(表1)。不溶性ファイバーであるMCCは、ステロール代謝にほとんど効果を示さない(Horton、1994、56番)。シャルドネのブドウ搾りかすは、カリフォルニア州ソノマカウンティ-の沿岸ブドウ園から得た。2010年醸造ワインから得た種子を、加熱空気(55~70℃)を使用して乾燥させ、皮と茎から分離した。油が種子から押し出された後に、残留プレスケークを破砕し、85メッシュ篩を通した。ChrSdの総フラボノイド、総カテキン、カテキンおよびエピカテキン含有量は、それぞれ、12,000、1610、701および732mg/100gであった。体重を、毎週記録し、食物摂取を、週当たり2回観察した。研究プロトコル、番号P-04-02は、実験動物委員会(the Animal Care and Use Committee)、Western Regional Research Center, USDA, Albany, CA, USA.により承認された。
【0135】
血漿および肝臓採取
マウスを、12時間絶食させ、イソフルラン(Phoenix Pharmaceutical、St.Joseph、MO、USA)で麻酔にかけた。血液を、EDTAカリウム溶液(15%w/v)で予め洗浄したシリンジでの心臓穿刺により採取した。血漿を、2,000×gで30分間、4℃で遠心分離後に分離した。肝臓および精巣上体の脂肪組織を採取し、秤量し、後の分析のために、液体窒素ですぐに凍結した。凍結乾燥後、肝臓末を秤量し、2mLのCHCl/MeOH(2:1)と混合し、5分間超音波処理し、その後、一夜インキュベートした。サンプルを、10分間、1000rpmで遠心分離し、上澄を除去した。別の2mLのCHCl3/MeOHを添加し、超音波処理し、一夜静置して抽出させた。溶媒を、窒素下で合わせた抽出物から除去し、総肝臓総脂質含有量を、重量測定法で測定した。
【0136】
血漿中脂質分析
血漿中リポタンパク質コレステロールを、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。簡潔には、温度制御された水ジャケット(Aura Industrials、Staten、NY、USA)中のミキシングコイル(1615-50 Bodman、Aston、PA、USA)からなるSuperose6HR HPLCカラム(Pharmacia LKB Biotechnology、Piscataway、NJ、USA)と共にAgilentの1100HPLCクロマトグラフィーを使用して、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。Hewlett-PackardのHPLCポンプ(79851-A;Agilent Technologies、Palo Alto、CA、USA)を、0.2mL/分の流速でコレステロール試薬(Roche Diagnostics、Indianapolis、IN、USA)を送達するために使用した。仔ウシコレステロールリポタンパク質基準は、ピーク領域の原則でのシグナルを較正するために使用された。
【0137】
グルコース負荷試験(GTT)およびインスリン負荷試験(ITT)
3時間の絶食の後、マウスに、腹腔内でグルコース(2g/kg体重)を投与し、尾部静脈血グルコースレベルを、OneTouch Ultrameter(LifeScan Inc.、Wayne、PA)を使用したグルコース注射の0、15、30、60および120分後に測定した。マウスに、腹腔内にインスリン(0.5U/kg体重)を投与した後にITTを行った。OneTouch Ultrameter(LifeScan Inc.)を使用したインスリン注射の0、30および60分後に尾部静脈血でグルコースレベルを測定した
【0138】
遺伝子発現およびエクソンマイクロアレイ分析。
総肝臓RNAは、TRIzolplus RNA精製キット(Invitrogen,
Life Technologies、Carlsbad、CA、USA)を使用して、各群内の3つの生物学的複製から抽出した。2100 Bioanalyzer装置およびRNA6000Nano LabChipアッセイ(Agilent Technologies、Palo Alto、CA、USA)を使用して、総RNAの質を測定した。その後、総RNA(10μg)を使用して、1サイクルcDNA(第1の鎖および第2の鎖cDNA合成)を合成し、続いて二重鎖cDNAを除去し、ビオチンで標識されたcRNAを合成した。1サイクル標的標識および対照試薬(Affymetrix、Santa Clara、CA、USA)を使用して、ビオチンで標識されたcRNAを、断片化した。断片化されたcRNAサンプルを、120万のプローブセットを含む発現おびエクソンスプライシングアレイである、80000遺伝子を提示するAffymetrix GeneChipマウスエクソン1.0STアレイにハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションシグナルが、獲得され、GeneChip Scanner 3000高解像度スキャナー(Affymetrix)およびAffymetrix GeneChip Operatingソフトウェア(GCOS)を使用して、分析した。GeneSpringGXバージョン11.0プログラム(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して、マイクロアレイデータから遺伝子発現およびエクソン選択的スプライシングの両方の分析を行った。変化が、1.5倍以上であることが見出された場合、遺伝子発現は、有意であると決定された。スプライス指数は、遺伝子レベル発現にわたるエクソンレベル発現の比の対数として定義された。処置および対照群の間のスプライス指数値での倍数変化≧2は、差次的にスプライスされたと考えられた。少なくとも1つの差次的にスプライスしたエクソンを有する転写産物は、差次的に制御されたスプライシングであると考えられた。
【0139】
統計的分析
全てのデータは、平均±SEとして表される。血漿中脂質レベルでの処置の効果、体重および組織重量、総エネルギー摂取、および供給効率比における処置の効果を試験するために、JMP7統計学的プログラム(SAS Institute、Cary、NC、USA)を使用して、分散分析(ANOVA)を行った。有意性は、P<0.05として定義された。Ingenuity Pathways Analysisツール(IPAバージョン8.7、Ingenuity Systems Inc.、Redwood City、CA、USA;http://www.ingenuity.com)を使用して、エクソンマイクロアレイデータを分析し、差次的に発現した遺伝子から生物学的機構、経路および機能を測定した。右側フィッシャー直接検定(Right-tailed Fisher's exact test)を、P値を計算するために使用した。P値は、各データセットの生物学的機能、各データセットについて特定のネットワークに割当てられる生物学的機能および疾患、およびデータセットでの遺伝子と対応する標準経路の間の関連性が、偶然であると解釈された可能性を表す。
【0140】
代謝効果
5週間のHF食餌のChrSd補給は、総エネルギー摂取の有意な増加にもかかわらず、DIOマウスの体重増加を有意に低下させ、これらのマウスの72%低いエネルギー効率比を生じた(表2)。ChrSdを補充した食餌は、対照食餌でのマウスと比較してそれぞれ38%および35%まで肝臓および精巣上体の脂肪組織重量を有意に低下させた(表2)。総肝臓脂質含有量は、対照食餌と比較して、ChrSdで飼育したDIOマウスで43%低かった(P<0.05)(表2)。食餌性ChrSd補給は、60分でのピーク血中グルコース応答(P<0.05)および2時間のグルコース応答の間の曲線下面積(AUC)を有意に低下させた(図2AおよびB)。ChrSd補給は、30分での(P<0.05)および60分での(P<0.05)インスリン応答の著しい減少も生じた(図3AおよびB)。
【0141】
肝臓遺伝子発現プロファイルのマイクロアレイ分析
5%MCCまたは10%ChrSd粉末のいずれかで補充したHF食餌で飼育したDIOマウスでの肝臓遺伝子の総合的発現は、エクソンマイクロアレイ分析により評価された。多数の遺伝子が、5%MCCで飼育したものと比較した場合、10%ChrSdで飼育したマウスで差次的に発現された(P<0.05、倍数変化≧1.5)(表3)。これらの遺伝子のうち、いくつかは、下方制御され、いくつかは、上方制御された。表3は、ChrSdにより差次的に下方および上方制御され、生物学的プロセスにより分類された遺伝子を示す。核内因子-カッパB(NF-κB)-誘発キナーゼ活性の活性化に関与したタンパク質をコードし、炎症および組織リモデリングに関与したキチナーゼ様1(Chi3l1;倍数変化、-1.5)が、下方制御された。コルチコステロイド(cortiscosteroid)生合成に関与した酵素をコードする遺伝子(C21-ステロイドホルモン生合成、チトクロムP450、ファミリー21、サブファミリーのポリペプチド1(Cyp21a1;倍数変化、-1.6))を下方制御した。細管胆汁酸輸送に関連したタンパク質をコードするアクアポリン8(Aqp8;倍数変化、-1.8)の発現レベルは、下方制御された。遺伝子コード化タンパク質は、ジアシルグリセロールおよびトリアシルグリセロール生合成プロセス(ステアロイル補酵素A不飽和化酵素1[Scd1]に関与した;モノアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1[Mogat1])が下方制御された(両方について、倍数変化、-1.6)。グルコースおよび脂質代謝に関与した匂い分子結合タンパク質2A(Lcn13)の発現が、下方制御された(倍数変化、-3.5)。補体因子D(Cfd;倍数変化,-2.4)、カテプシンE(Ctse;倍数変化,-1.7)、オロソムコイド2(Orm2、倍数変化、-1.7)、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体ガンマ(Rorc;倍数変化-1.5)およびトール様受容体5(Tlr5;倍数変化,-2)を含めた免疫系プロセスに関与した遺伝子が下方制御された。スフィンゴ脂質代謝に関与したセリンパルミトイルトランスフェラーゼ、長鎖ベースサブユニット3(Sptlc3;倍数変化,-1.7)は、下方制御された。トリグリセリド代謝プロセスに関与した脂肪滴関連タンパク質ペリリピン4(Plin4;倍数変化,-3.5)の発現は、MCCで飼育されたマウスと比較した場合、ChrSdで飼育されたマウスも下方制御された。宿主免疫防御応答に関連したタンパク質をコードする遺伝子であるインターフェロンアルファ9(Ifna9;倍数変化,1.8)は、上方制御された。胆汁酸代謝に関連したチトクロムP450、ファミリー7、サブファミリーb、ポリペプチド1(Cyp7b1;倍数変化、1.6)およびチトクロムP450、ファミリー17、サブファミリーa、ポリペプチド1(Cyp17a1;倍数変化,2.5)をコードする遺伝子の発現は、上方制御された。ステロール14-デメチラーゼ(Cyp51;倍数変化,5.6)、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリール-補酵素A還元酵素(Hmgcr;倍数変化,2.5)、ヒドロキシステロイド(17-β)脱水素酵素7(Hsd17b7;倍数変化,2.8)、インスリン誘発遺伝子1(Insig1;倍数変化,1.8)、ステロール-C4-メチルオキシダーゼ様(Sc4mol;倍数変化,4.5)、およびレプチン受容体(Lepr;倍数変化,1.6)を含めたコレステロール代謝に関与した遺伝子が上方制御された。脂肪酸β-酸化に関与したアシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー3(Acsl3)の発現レベルが、上方制御された。
【0142】
IPAシステムを使用する経路分析は、ChrSd補給により差次的に制御された数種の生物学的機能および標準遺伝子経路を同定した(表4)。生物学的機能によりグループ分けした場合、脂質代謝、血液学的疾患、および代謝性疾患に関連した遺伝子の発現レベルは、ChrSd補給により有意に影響された。標準経路の観点から、ChrSdは、コレステロール生合成スーパーパスウエイおよびチモステロール生合成経路に影響を及ぼした。脂質代謝および感染性疾患に関与するネットワークは、ChrSd補給により影響される。コレステロール濃度を制御するInsig1は、主要な制御効果ネットワークとして同定された(データは示されず)。GeneSpringGX11.0プログラムを使用するエクソンマイクロアレイデータの分析は、ChrSd補給の存在下でSI>|2.0|で84遺伝子の同定を生じた(データは示されず)。RT-PCRを使用することによるさらなる分析は、これらの遺伝子の選択的スプライシングを確認するために行われる必要がある。
【0143】
最近の研究では、エクソンマイクロアレイ分析が、DIOマウスでの差次的に発現された肝臓遺伝子を同定して、HF食餌性脂肪肝でのChrSd補給の効果に新規生物学的洞察を提供するために使用された。発明者らは、コレステロール、胆汁酸および脂質代謝に関与した遺伝子の発現に影響を及ぼすことに加えて、食物性ChrSd補給が、C21-ステロイド代謝、免疫系プロセス、炎症、組織リモデリングおよび脂質貯蔵に関与した遺伝子の肝臓発現に有意に影響を及ぼしたことを見出した。ChrSd補給は、胆汁酸およびコレステロール合成に関連した遺伝子(Cyp17a1、Cyp51、HmgcrおよびInsig1)の肝臓発現、ならびに脂肪酸β-酸化(Acsl3)を著しく上方制御したのに対して、それは、脂肪酸生合成(Scd1、Acot11およびMlxipl/炭水化物応答配列結合タンパク質[ChREBP])、トリアシルグリセロール生合成(Mogat1)、酸化的ストレス(成長分化因子15、Gdf15)、炎症および免疫プロセス(Cfd、Chi3l1、Ctse、Orm2、RorcおよびTlr5)、セラミド生合成(Sptlc3)、および脂質貯蔵(Plin4)に関連した遺伝子の発現を有意に下方制御した。肝臓組織でのこれらの改変された遺伝子発現プロファイルは、MCCで補充した対照群と比較して、血漿中LDL-コレステロール濃度、肝臓、脂肪および体重、供給効率比およびインスリン耐性で有意な減少を伴った。特に、ChrSd補給は、Insig-1、lepR、神経栄養性チロシンキナーゼ受容体、2型(Ntrk2)、メラノコルチン5受容体(Mc5r)およびマトリックスメタロペプチダーゼ7(Mmp7)を含めて、肥満における役割を有する遺伝子の肝臓発現を低下させた。
【0144】
なんら特定の理論に拘束されるものではないが、発明者らは、多量のフラボノイドを含有するChrSdでの補給が、反応性酸素種(ROS)およびフリーラジカルの捕捉に関連した遺伝子を上方制御でき、酸化的ストレス、炎症および脂肪酸生合成に関連した遺伝子を下方制御できて、HFで誘発されたインスリン耐性およびNAFLDの改善にいたることを仮定する。フラボノイドの抗酸化物質活性に関与すると示唆された機構は、:1)フリーラジカル捕捉および金属キレート活性;2)細胞から細胞へのシグナル経路;および3)抗酸化物質酵素遺伝子発現である。ブドウ種子生成物の抗酸化物質活性は、インビトロで観察された。インビトロ活性のインビボ生物学的有意性は、オリゴマーおよび大型フラボノイドは、あまり吸収されないので明らかでない一方で、モノマーは、迅速に代謝され、体から消える。本研究では、ストレス応答性遺伝子(Gdf15およびChREBP)の発現は、ChrSd補給に続いて下方制御された。形質転換成長因子(TGF)βスーパーファミリーのメンバーであるGdf15の肝臓発現は、ERストレス下での脂肪肝に関連している。酸化的ストレスは、脂質生成および解糖遺伝子を転写的に調節するChREBPを活性化し、脂肪肝を生じる。まとめると、これらの知見は、フラボノイド-リッチChrSdサプリメントが、抗酸化物質活性を増強でき、酸化的ストレスを減少させ、肝臓でのChREBPおよび脂質生成性遺伝子(Scd1、Acot11、Mogat1)の転写下方制御を生じることを示した。ストレス関連遺伝子の下方制御にもかかわらず、標準経路分析は、ChrSdで補充したDIOマウスの肝臓でのフリーラジカルおよびERストレス関連シグナル経路で顕著な変化を明らかにしなかった。酸化的ストレスおよび炎症は、肥満に密接に連関する。しかし、改善された酸化的ストレスおよび炎症は、肝臓の脂質レベルでの減少に対して二次的であるか、独立的であるかは明確でない。さらに、発明者らは、10週間HF食餌(脂肪としてエネルギーの47%)で飼育したC57BL/6Jマウスが、肥満関連のERストレス応答をすでに通過し、脂質生成ステージに入った可能性を排除できなかった。ERストレスから脂質生成へのこの移行は、16週間のHF食餌でのApoE3Lマウスの先の研究で示された;これらの動物は、ストレス経路に関連した遺伝子での変化、続いて脂質蓄積に関連した遺伝子を含む後期相により特徴づけられるHF食餌に対する初期相の肝臓応答を示した。同様に、本研究では、フリーラジカルおよびER-ストレス応答に関連した遺伝子のChrSd誘発変化はほとんど見出されなかった。
【0145】
C57BL/6Jマウスは、脂肪肝を研究するために広く使用されてきている。この動物モデルは、BALB/cマウスより、HF食餌性脂肪肝疾患に罹患しやすいことを示す。15週間HF食餌(脂肪として40%エネルギー)で飼育した野生型C57BL/6Jマウスでの26Sプロテアソームおよびユビキチンプロテアソームシステムに関連した遺伝子は、プロテアソーム活性が低下したトランスジェニックマウスと比較して、上方制御され、肥満および脂肪肝を生じた。対照的に、ER-ストレスおよび炎症に関連した遺伝子の有意な調節は観察されなかった。別の研究では、HF食餌(脂肪としてエネルギーの60%)で飼育されたC57BL/6Jマウスは、24週後に、脂肪肝および炎症を発生した。本研究では、発明者らは、5週間HF食餌で飼育し、その後さらに5週間、ChrSdまたはMCC(対照)のいずれかで補充したHF食餌で処置するためにDIOマウスを選択することにより、肥満応答性マウスを選択した。低い程度のフリーラジカル捕捉応答は、酸化的ストレス応答を示す先の研究と比較した場合、その研究のChrSd補給相の短い期間、および低レベルの食物性脂肪のためでありうる。
【0146】
これらの研究のほとんどが、インビトロで行われ、非常に少数が、インビボまたはヒト分析で行われるが、フラボノイドは、免疫調節および抗炎症特性を示すことが報告された。ヒトでは、4週間の600mg/日のブドウ種子抽出物の消費は、インスリン耐性のマーカー(例えば、血中C-反応性タンパク質[CRP]濃度)および心臓血管疾患についての高い危険がある2型糖尿病患者での炎症を改善した。この研究では、ChrSd補給は、免疫および炎症プロセスに関連した遺伝子(Cfd、Chi3l1、Ctse、Orm2、Rorc、Tlr5)の肝臓発現を下方制御した。Cfd(アジプシン)は、外来性抗原および病原体の除去で宿主応答因子として関与したセリンプロテアーゼである。Chi3l1遺伝子は、NF-κB-誘発キナーゼ活性および炎症の活性化に関連する。Ctseは、マクロファージのような免疫関連細胞で高度に発現される細胞内アスパラギン酸プロテイナーゼであり、その主な役割は、マクロファージ侵入、脂質生成、および脂肪肝に関連する。Orm2は、肝細胞および脂肪細胞で発現され、急性期反応物質免疫調節因子タンパク質として代謝性および炎症性ストレス下で血漿に分泌される。Rorcは、Th17細胞分化を制御し、炎症性サイトカインの産生を制御する。Tlr5は、腸粘膜の上皮細胞で優先的に発現され、肝臓および脂肪組織でのそれの発現は、比較的非常に低い。興味深いことに、HF食餌は、マウスの精巣上体の脂肪組織でのTlr5発現を増大することが示された。それは、細菌性フラジェリンタンパク質により活性化され、生来の免疫応答およびNF-κBを誘発する。肝臓のTlr5下方制御の生物学的有意性は不明であるが、ChrSd補給は、HF誘発ストレスに対する腸内細菌滞留由来の炎症反応を減少する可能性がある。発明者らの先の研究は、肝臓のコレステロール代謝が、ChrSd補給に続いてハムスターでの腸内微生物群の組成により、および腸内線維芽細胞成長因子(FGF)15遺伝子発現により影響されることを示唆した。集合的に、これらの知見は、ChrSd補給が、免疫/炎症経路に関連した遺伝子の肝臓発現の下方制御を介して肝臓でのHF食餌性炎症を予防しうることを示す。
【0147】
ChrSd補給は、対照と比較して、1.5倍まで肝臓のレプチン受容体発現を上方制御した。脂肪組織により産生されるホルモンであるレプチンは、エネルギー摂取および支出を制御し、肝臓および筋肉での脂肪酸酸化を増強する。DIOマウスでは、肝臓のレプチン受容体発現の下方制御が観察され、肥満が、レプチンに対する肝臓の非感受性を誘発することを示唆する。したがって、肝臓のレプチン受容体発現でのChrSd関連上方制御は、肝臓のレプチン感受性は、このサプリメントにより改善され、これは、部分的に、脂肪肝の減少に貢献する可能性があることを示唆した。
【0148】
いくつかの研究は、酸化的ストレスが、インスリン耐性および2型糖尿病のような肥満関連の合併症の発生に重要な役割を果たしうることを示唆した。赤ブドウ抽出物の消費は、2型糖尿病患者に関連の健康な肥満度1でのフルクトース誘発ERストレスおよびインスリン感受性を改善した。同様に、発明者らの研究は、フラボノイド-リッチのChrSdを用いた補給が、対照と比較した場合、それぞれ、2時間のITTおよびGTTの間のAUCでの26%および19%減少により示されるとおり、インスリン感受性およびグルコース代謝を有意に改善したことを明らかにした。ChrSd補給は、絶食中のグルコース濃度も有意に低下させた。さらに、このインスリン感受性の改善は、肝臓Gdf15発現の下方制御に匹敵する。Gdf15発現は、酸化的ストレスおよび炎症に応答して誘発され、そのレベルは、異常な肥満、CVDおよびインスリン耐性を有する個体で増大することが報告された。炎症および免疫プロセスに関連した遺伝子の肝臓発現の抑制が、HF誘発脂肪肝の肝臓機能が改善されることに関連したことを示した。他方では、セラミドのような脂質誘導体は、細胞ストレスの重要な調節因子であり、それらの蓄積は、インスリンシグナル伝達を阻害する。フラボノイドは、スフィンゴ脂質代謝に影響し、損傷を受けた肝臓細胞の上昇したセラミド含有量を正常化させることができることが見出された。これらの観察は、セラミド生合成に関連した遺伝子である肝臓Sptlc3のChrSd関連の下方制御、および本研究で報告された肝臓脂質含有量の減少およびインスリン感受性の改善の間の潜在的関係を示した。したがって、インスリン耐性の改善および肝臓の脂質含有量の減少は、ChrSdで補充されたDIOマウスでの酸化的ストレスおよび炎症での減少により媒介されていると思われた。
【0149】
グルコキナーゼ(Gck)活性化は、この酵素が、グルコースをリン酸化して、グルコース-6-ホスフェートを産生するのでげっ歯類での脂肪肝を誘発する可能性がある;これは、肝臓のグルコース除去を制御し、肝臓の脂質生成を刺激する。最近の研究は、肝臓でのGck過剰発現が、肝臓の脂質生成および循環脂質濃度を増大させることを示した。さらに、肝臓のGck発現は、ヒトの肝臓生検の肝臓の脂質生成遺伝子発現および脂質含有量に関連した。ChrSd補給は、GckおよびGckr(グルコキナーゼ制御タンパク質)の肝臓の発現を下方制御し、これは、HF誘発された肝臓の脂質含有量を減少させるのにも貢献する可能性がある。
【0150】
要約すると、ブドウ酒造りの副産物であるフラボノイド-リッチのChrSdが、HF誘発脂肪肝、血漿中脂質プロファイル、体重増加ならびにインスリン耐性を改善したことが本明細書で実証された。これらの改善は、胆汁酸、コレステロール、および脂肪酸代謝に関連した遺伝子の肝臓発現の調節、酸化的ストレス、炎症および免疫応答に関連した。エクソンマイクロアレイデータの分析は、脂質およびコレステロール代謝に関与した経路、感染性および代謝性疾患が、ChrSdにより差次的に制御されたことを明らかにした。供給効率比の減少、および肝臓脂質含有量、脂肪組織重量、肝臓セラミド合成、および酸化的ストレスでの減少は、インスリン感受性で観察された改善に貢献した。これらの結果は、フラボノイド-リッチのChrSdの消費が、酸化的ストレスおよび炎症の減少、コレステロールおよび胆汁酸合成の調節、肝臓での脂質代謝の調節、およびインスリン耐性の改善、ならびに全体的肝臓の健康の促進により、NAFLDおよび他の代謝性疾患の予防および/または処置にとって有益でありうることを示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】
【表7】
【0158】
【表8】
【0159】
実施形態は、例示の実施形態を参照して描写および記載されてきたが、そのような参照は、範囲の限定を暗示せず、そのような限定は推定されるものはない。実施形態は、本開示の利益を有する、関連技術の当業者が想起するように、形態および機能で相当な変更、改変および等価物が可能である。本明細書に引用される全ての参照は、全体的に参照によって、およびそれらの意図される目的のために本明細書に組み入れられる。
図1
図2
図3