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特許7319786ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20230726BHJP
   A63F 13/57 20140101ALI20230726BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20230726BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
A63F13/285
A63F13/57
A63F13/533
G06F3/01 560
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019027163
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020130551
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越仮 康雅
(72)【発明者】
【氏名】坂下 智也
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106598(JP,A)
【文献】特開平11-175766(JP,A)
【文献】特開2010-252977(JP,A)
【文献】特開2018-201816(JP,A)
【文献】特開2018-102587(JP,A)
【文献】モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver. スプラトゥーン2 ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて スナックワールド トレジャラーズ,週刊ファミ通 2017年9月21日号,株式会社Gzブレイン,2017年09月07日,第32巻 第38号 通巻1501号,p.24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
身体オブジェクトに接合され、前記身体オブジェクトの動作に応じて反動による往復運動の揺れを生じる仮想オブジェクトの前記揺れを検出する揺れ検出処理部、
前記揺れの検出内容に基づいて、所定の振動波形を編集する波形編集処理部、
前記仮想オブジェクトの前記反動による往復運動の前記揺れが折り返すタイミングで、編集された前記振動波形を前記入力装置に送信して前記入力装置を振動させる振動実行処理部、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記揺れ検出処理部は、
前記仮想オブジェクトの揺れの速度を検出し、
前記振動実行処理部は、
前記揺れの速度が所定のしきい値よりも大きい状態から当該しきい値以下となったタイミングで、前記編集された振動波形を前記入力装置に送信して前記入力装置を振動させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記揺れ検出処理部は、
前記仮想オブジェクトの揺れの速度を検出し、
前記波形編集処理部は、
前記揺れの速度の最大値に基づいて前記振動波形の振幅比を変更する、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記揺れ検出処理部は、
前記仮想オブジェクトの揺れの方向を検出し、
前記振動実行処理部は、
前記揺れの方向が第1の方向範囲である場合には前記入力装置を振動させず、前記揺れの方向が第2の方向範囲である場合には前記入力装置を振動させる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記振動実行処理部は、
前記揺れの方向が鉛直上方向を中心とする所定の角度範囲内である場合には前記入力装置を振動させず、前記揺れの方向が鉛直下方向を中心とする所定の角度範囲内である場合には前記入力装置を振動させる、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
前記仮想オブジェクトの種類に対応して予め設定された複数種類の振動波形の中から、前記揺れを検出した前記仮想オブジェクトの種類に対応した前記所定の振動波形を取得する波形取得処理部、
としてさらに機能させ、
前記波形編集処理部は、
取得された前記所定の振動波形を編集する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記情報処理装置を、
前記振動実行処理部による前記入力装置の振動を有効化又は無効化させる選択入力を受け付ける入力受付処理部、
前記選択入力に基づいて、前記仮想オブジェクトの表示画面を切り替える表示切替処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、第1の入力装置及び第2の入力装置と通信可能に接続されており、
前記揺れ検出処理部は、
関連して動作する第1の仮想オブジェクト及び第2の仮想オブジェクトの揺れをそれぞれ検出し、
前記波形編集処理部は、
前記第1の仮想オブジェクト及び前記第2の仮想オブジェクトのそれぞれの前記揺れの検出内容に基づいて、前記所定の振動波形をそれぞれ編集し、
前記振動実行処理部は、
前記編集された振動波形を前記第1の入力装置及び第2の入力装置にそれぞれ送信することにより、前記第1の仮想オブジェクトの揺れに対応して前記第1の入力装置を振動させ、前記第2の仮想オブジェクトの揺れに対応して前記第2の入力装置を振動させる、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
入力装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
身体オブジェクトに接合され、前記身体オブジェクトの動作に応じて反動による往復運動の揺れを生じる仮想オブジェクトの前記揺れを検出するステップと、
前記揺れの検出内容に基づいて、所定の振動波形を編集するステップと、
前記仮想オブジェクトの前記反動による往復運動の前記揺れが折り返すタイミングで、編集された前記振動波形を前記入力装置に送信して前記入力装置を振動させるステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、当該ゲームプログラムが記録された記録媒体、及びゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの状況に応じて入力装置であるコントローラを振動させるゲームシステムが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、コントローラの姿勢や動きに基づいて仮想オブジェクトの運動を演算し、仮想オブジェクトが他のオブジェクトと接触するときの運動状態に応じて振動波形を生成し、生成された複数の振動波形を合成し、合成した合成波形を示す信号をコントローラの振動子に出力する情報処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-106598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コントローラを振動させることで、仮想的なオブジェクトの揺れをプレイヤに感じさせることが可能なゲームプログラムが求められていた。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、仮想的なオブジェクトの揺れをコントローラの振動によって感じさせることが可能なゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、入力装置と通信可能に接続された情報処理装置を、仮想オブジェクトの揺れを検出する揺れ検出処理部、前記揺れの検出内容に基づいて、所定の振動波形を編集する波形編集処理部、編集された前記振動波形を前記入力装置に送信して前記入力装置を振動させる振動実行処理部、として機能させる。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、入力装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、仮想オブジェクトの揺れを検出するステップと、前記揺れの検出内容に基づいて、所定の振動波形を編集するステップと、編集された前記振動波形を前記入力装置に送信して前記入力装置を振動させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、仮想的なオブジェクトの揺れをコントローラの振動によってプレイヤに感じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】情報処理装置及びゲームコントローラの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】揺れの検出対象である乳房を備えた女性キャラクタの一例を表す図である。
図4】乳房が小さい女性キャラクタに対応した振動波形とこれに対する振幅比の編集の一例を表す説明図である。
図5】乳房が中程度の大きさである女性キャラクタに対応した振動波形とこれに対する振幅比の編集の一例を表す説明図である。
図6】乳房が大きい女性キャラクタに対応した振動波形とこれに対する振幅比の編集の一例を表す説明図である。
図7】ゲームコントローラを振動させる方向範囲と振動させない方向範囲の一例を表す説明図である。
図8】通常のゲーム画面の一例を表す図である。
図9】揺れの検出対象である女性キャラクタの拡大画面の一例を表す図である。
図10】情報処理装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図11】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、情報処理装置3と、2つのゲームコントローラ5L,5Rと、表示装置7を有する。ゲームコントローラ5L,5R及び表示装置7の各々は、情報処理装置3と有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、スマートフォン、携帯電話、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0015】
プレイヤは、ゲームコントローラ5L,5R(入力装置の一例)を用いて各種の操作入力を行う。ゲームコントローラ5L,5Rは、1人のプレイヤが両手で把持して使用してもよい。この場合、例えばゲームコントローラ5L(第1の入力装置の一例)は左手用、ゲームコントローラ5R(第2の入力装置の一例)は右手用となる。また、2人以上のプレイヤでゲームコントローラ5L,5Rを分けて使用してもよい。図1に示す例では、ゲームコントローラ5L,5Rは、ジョイスティック9L,9R及び複数のボタン11L,11R等をそれぞれ有する。なお、ゲームコントローラ5L,5Rは上記に代えて又は加えて、例えば十字キーやタッチパッド等を有してもよい。また、ゲームコントローラの数を3以上としてもよい。
【0016】
<2.ゲームの概略内容>
次に、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法が情報処理装置3によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
【0017】
本実施形態に係るゲームでは、プレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタが、ゲームに登場するキャラクタとコミュニケーションをとりながらゲームを進行させる。この手のゲームの一例として例えば恋愛シミュレーションゲームが挙げられるが、ゲームのジャンルはこれに限定されるものではない。
【0018】
また、本実施形態に係るゲームは、プレイヤキャラクタの視点による画像が表示される、いわゆる一人称視点のゲームである。これにより、プレイヤはプレイヤキャラクタになりきってゲームに登場するキャラクタとのコミュニケーション等をよりリアルに体験することができる。但し、例えばプレイヤキャラクタの背後や上方に位置する視点による画像を表示する等、三人称視点のゲームとしてもよい。
【0019】
ゲームに登場するキャラクタは、例えば人間の男性キャラクタや女性キャラクタに限定されるものではなく、人間以外の動物、人間や動物以外の生物、仮想的な生物(例えば怪物、ゴースト、妖怪等)、ロボットやアンドロイド、物品や物体などのオブジェクト等も含まれる。本実施形態では女性キャラクタである場合を一例として説明する。
【0020】
また、本実施形態に係るゲームでは、プレイヤがゲームを進行させながら、登場するキャラクタを鑑賞することを楽しむことができる。そこで、キャラクタを鑑賞するための鑑賞モードが用意されている。鑑賞モードでは、所定のイベント(例えばスポーツ競技等)を開催して参加しているキャラクタを見ることができたり、ゲーム内で閲覧したグラビアやエピソードを自由に見ることができたり、キャラクタに所望のポーズをとってもらい、自由に写真撮影をすることができる。
【0021】
このようにして、プレイヤはキャラクタを様々な方法で鑑賞することができる。このとき、ゲームコントローラ5L,5Rが振動機能を備えており、プレイヤは女性キャラクタの身体部位の揺れ(例えば後述する乳房の揺れ)を振動によって体感することができる。以下、この詳細について説明する。
【0022】
<3.情報処理装置の機能的構成>
次に、図2及び図3図9を用いて、情報処理装置3及びゲームコントローラ5L,5Rの機能的構成の一例について説明する。
【0023】
図2に示すように、情報処理装置3は、画像生成処理部13と、揺れ検出処理部15と、波形データベース17と、波形取得処理部19と、波形編集処理部21と、振動実行処理部23と、入力受付処理部25と、表示切替処理部27とを有する。また、ゲームコントローラ5L,5Rのそれぞれは、前述のボタン11L,11Rと、振動子29L,29Rとを有する。
【0024】
画像生成処理部13は、ゲームに関連する様々な画像を生成して表示装置7に表示する。例えば、仮想的な3次元空間内において仮想カメラ(視点)から見える画像(キャラクタや背景等)を生成する。またその他にも、アイテムや各種の設定画面等の画像を生成して表示する。
【0025】
揺れ検出処理部15は、女性キャラクタの身体部位の揺れを検出する。具体的には、図3に示すように、女性キャラクタ31は、振動可能なオブジェクトとして、左右の乳房33L,33R(仮想オブジェクトの一例)を備えている。乳房33L(第2の仮想オブジェクトの一例)と乳房33R(第1の仮想オブジェクトの一例)は、共通の身体に接合されると共に互いに接触する場合もあることから、例えば同様の周期の揺れが異なる位相で生じたり反対の方向に生じる等、関連して動作する。乳房33L,33Rの少なくとも一部は、着用された水着35により覆われている。
【0026】
各乳房33L,33Rには、それらの形状を表現するために制御上使用される複数の制御点(図示省略)が設定されている。複数の制御点は、例えば各乳房33L,33Rを包含するように格子状に配列されている。揺れ検出処理部15は、それらの制御点のうち予め指定された1つの制御点37L,37Rの速度及び方向をそれぞれ検出することにより、各乳房33L,33Rの揺れの速度及び揺れの方向をそれぞれ検出する。また、揺れ検出処理部15は、検出した速度が所定のしきい値TH1より大きい場合に揺れが有ると判定し、所定のしきい値TH1以下である場合には揺れが無いと判定する。
【0027】
なお、揺れ検出処理部15により検出される制御点37L,37Rの速度及び方向は、3次元仮想空間に設定されたワールド座標系(X,Y,Z)に対する速度及び方向であってもよいし、例えば女性キャラクタ31の身体に設定された基準点(いわゆるボーン。図示省略)に対する相対的な速度及び方向であってもよい。また、各乳房33L,33Rに対してそれぞれ複数の制御点の速度及び方向を検出し、適宜の演算(例えば平均等)を行ってもよい。
【0028】
また、上述した制御点以外の手法で揺れを検出してもよい。例えば、乳房33L,33Rの画像を入力し、所定の画像認識処理を実行することによって揺れを検出してもよい。
【0029】
波形データベース17には、仮想オブジェクトの種類、すなわちこの例では女性キャラクタの種類(例えば乳房が小さいキャラクタ、乳房が中程度の大きさのキャラクタ、乳房が大きいキャラクタ)に対応して予め設定された複数種類の振動波形が記録されている。波形取得処理部19は、波形データベース17から、揺れ検出処理部15により揺れを検出した女性キャラクタ31の種類に対応した所定の振動波形を取得する。なお、女性キャラクタの種類(乳房の大きさ)に応じて異なる振動波形を用意する他にも、例えば同じキャラクタであっても着用する着衣や装備によって身体の拘束度合いが異なる場合には、その着衣や装備の種類ごとに異なる振動波形を用意してもよい。
【0030】
波形編集処理部21は、揺れ検出処理部15による揺れの検出内容に基づいて、波形取得処理部19により取得された振動波形を編集する。具体的には、波形編集処理部21は、揺れ検出処理部15により検出された速度が所定のしきい値TH2(0又は0に近い値)よりも大きい状態から当該しきい値TH2以下となったタイミングで、当該揺れ(検出した速度がしきい値TH1より大きくなってからしきい値TH2以下となるまでの揺れ)の速度の最大値を判定し、その最大値に基づいて振動波形の振幅比(ゲイン)を変更する。なお、振動波形の編集は、乳房33L,33Rのそれぞれに対して個別に行われるため、左右の乳房33L,33Rにおいて異なる振動が生じうる。
【0031】
図4図6に、複数種類の振動波形とそれらに対する振幅比の編集の一例を示す。図4図6に示す例では、波形データベース17に3種類の振動波形1~3が記録されている。図4に示す振動波形1は、例えば乳房が小さい女性キャラクタに対応している。また図5に示す振動波形2は、例えば乳房が中程度の大きさである女性キャラクタに対応している。また図6に示す振動波形3は、例えば乳房が大きい女性キャラクタに対応している。なお、この例では各振動波形1~3の時間長を一定としているが(例えば0.5秒~1秒程度)、時間長を異ならせてもよい。
【0032】
図4図6では、各振動波形1~3について波形編集処理部21により振幅比(ゲイン)が1.0、0.5、0.2に変更された波形を一例として示している。例えば、検出された最大速度が比較的大きい場合には振幅比を1.0、最大速度が中程度である場合には振幅比を0.5、最大速度が比較的小さい場合には振幅比を0.2とする。なお、振幅比は、検出された最大速度に応じて連続的な値で変更されてもよいし、予め複数の段階を設定しておいて段階的に変更されてもよい。また、検出された最大速度に応じて、振幅比以外の要素、例えば波形の形状、時間長、周波数等を変更してもよい。
【0033】
図2に戻り、振動実行処理部23は、波形編集処理部21により編集された振動波形をゲームコントローラ5L,5Rにそれぞれ送信し、ゲームコントローラ5L,5Rをそれぞれ振動させる。具体的には、振動実行処理部23は、揺れ検出処理部15により検出された速度が所定のしきい値TH2よりも大きい状態から当該しきい値TH2以下となったタイミングで、振動波形を送信してゲームコントローラ5L,5Rをそれぞれ振動させる。
【0034】
ゲームコントローラ5Lは振動子29Lを有し、ゲームコントローラ5Rは振動子29Rを有する。振動子29L,29Rは、例えばリニア振動モータである。リニア振動モータは、回転運動をする回転型のモータとは異なり、入力される電圧に応じて所定方向に駆動されるため、入力される電圧の波形に応じた振幅、周波数で振動を発生することができる。ゲームコントローラ5L,5Rはそれぞれ駆動信号生成部(図示省略)を有しており、この駆動信号生成部が情報処理装置3から受信した振動波形に基づいて振動子29L,29Rを駆動するための駆動信号(例えば電圧波形)を生成し、振動子29L,29Rへ出力する。
【0035】
なお、振動実行処理部23は、揺れ検出処理部15により検出された揺れの方向が第1の方向範囲である場合には、振動波形の送信を行わず、ゲームコントローラ5L,5Rを振動させない。一方、揺れの方向が第2の方向範囲である場合には、振動波形を送信し、ゲームコントローラ5L,5Rを振動させる。
【0036】
図7に、ゲームコントローラ5L,5Rを振動させる方向範囲と振動させない方向範囲の一例を示す。なお、図7には乳房33Lを示すが、乳房33Rも同様である。また、図7に示す左右方向はプレイヤから見た左右方向である(キャラクタから見た左右方向とは反対の方向)。
【0037】
図7に示す例では、揺れ検出処理部15により検出された揺れの方向が鉛直上方向を中心とする角度θ1の範囲内(例えばθ1=80°。第1の方向範囲の一例)である場合には、ゲームコントローラ5L,5Rを振動させない。一方、揺れの方向が鉛直下方向を中心とする角度θ2の範囲内(例えばθ2=280°。第2の方向範囲の一例)である場合には、振動波形を送信し、ゲームコントローラ5L,5Rを振動させる。なお、図7では角度範囲θ1,θ2を平面的に図示しているが、角度範囲θ1,θ2は鉛直上下方向(ワールド座標系のY軸)を中心軸とする半径方向のいずれの方向に対しても有効である。これにより、乳房33L,33Rが下方向及び前後左右方向に揺れた場合にはゲームコントローラ5L,5Rは振動するが、乳房33L,33Rが上方向に揺れた場合にはゲームコントローラ5L,5Rは振動しない。
【0038】
図2に戻り、入力受付処理部25は、振動実行処理部23によるゲームコントローラ5L,5Rの振動を有効化又は無効化させる選択入力を受け付ける。具体的には、プレイヤにより例えば複数のボタン11L,11Rのうちの特定のボタン(以下適宜「振動モードONボタン」という)が押されている間はゲームコントローラ5L,5Rの振動が共に有効化され、振動モードONボタンが押されていない場合にはゲームコントローラ5L,5Rの振動が共に無効化される。
【0039】
なお、ボタン11Lのうちの特定のボタンによりゲームコントローラ5Lの振動が有効化又は無効化され、ボタン11Rのうちの特定のボタンによりゲームコントローラ5Rの振動が有効化又は無効化されるというように、振動の有効化及び無効化をゲームコントローラ5L,5Rのそれぞれに対して個別に選択できるようにしてもよい。また、ボタン11L,11R以外の操作としてもよい。また、振動モードONボタンの押し操作が継続されなくても、例えば振動の有効化又は無効化の切り替え操作が一旦行われた後は次に切り替え操作が行われるまでその状態が保持されるようにしてもよい。
【0040】
表示切替処理部27は、入力受付処理部25により受け付けた選択入力に基づいて表示画面を切り替える。具体的には、プレイヤにより振動モードONボタンが押されていない場合(ゲームコントローラ5L,5Rの振動が無効化されている場合)には通常のゲーム画面を表示しておき、振動モードONボタンが押されている間(ゲームコントローラ5L,5Rの振動が有効化されている間)だけ、乳房33L,33Rの揺れを検出している女性キャラクタ31の正面から見た上半身の拡大画面に切り替える。
【0041】
図8及び図9に、表示画面の切り替えの一例を示す。図8に示すゲーム画面では、味方チームを構成する2人の女性キャラクタ31,39と、相手チームを構成する2人の女性キャラクタ41,43とが、ネットを介してサーブ、トス、スパイク、フェイント等を実行しつつボール45を打ち合うビーチバレーの試合を実行しており、プレイヤはその試合を鑑賞する。そして、プレイヤにより振動モードONボタンが押されると、押されている間だけ、図9に示すように、揺れの検出対象として設定されている女性キャラクタ31の正面から見た上半身の拡大画面に切り替わる。これにより、プレイヤはビーチバレーを実行している女性キャラクタ31の乳房33Rの揺れを対応するゲームコントローラ5Lの振動により、乳房33Lの揺れを対応するゲームコントローラ5Rの振動により体感しつつ、女性キャラクタ31の上半身が拡大表示されることで視覚的にも楽しむことができる。
【0042】
なお、上記のように複数のキャラクタが登場している場合に、揺れの検出対象となるキャラクタを、プレイヤがゲームコントローラ5L,5Rを操作することで、任意に選択又は切り替えできるようにしてもよい。また例えば、揺れを検出するセンサを各キャラクタごとに用意しておき、プレイヤキャラクタが特定のキャラクタ用のセンサを装備又は使用等することで、検出対象となるキャラクタを選択できるようにしてもよい。あるいは、揺れを検出するセンサを特定のキャラクタに装備又は使用等させることで、検出対象となるキャラクタを選択できるようにしてもよい。
【0043】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の図11参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0044】
<4.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、図10を用いて、情報処理装置3のCPU101によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0045】
ステップS5では、情報処理装置3は、入力受付処理部25により、ゲームコントローラ5L,5Rの振動を有効化させる選択入力を受け付けているか否か、すなわち振動モードONボタンが押されているか否かを判定する。振動モードONボタンが押されていない場合には(ステップS5:NO)、ステップS10に移る。
【0046】
ステップS10では、情報処理装置3は、表示切替処理部27により、通常のゲーム画面を表示する。その後、後述のステップS55に移る。
【0047】
一方、上記ステップS5において、振動モードONボタンが押されている場合には(ステップS5:YES)、ステップS15に移る。
【0048】
ステップS15では、情報処理装置3は、表示切替処理部27により、揺れの検出対象である女性キャラクタ31の正面から見た上半身の拡大画面を表示する。
【0049】
ステップS20では、情報処理装置3は、揺れ検出処理部15により、女性キャラクタ31の乳房33L,33Rの揺れを検出したか否かを判定する。具体的には、乳房33L,33Rの制御点37L,37Rの揺れの速度を検出し、当該検出した速度が所定のしきい値TH1より大きいか否かを判定する。乳房33L,33Rの揺れを検出しない場合には(ステップS20:NO)、後述のステップS55に移る。一方、乳房33L,33Rの揺れを検出した場合には(ステップS20:YES)、ステップS25に移る。
【0050】
ステップS25では、情報処理装置3は、波形取得処理部19により、波形データベース17から、上記ステップS20で乳房33L,33Rの揺れを検出した女性キャラクタ31の種類に対応した所定の振動波形を取得する。
【0051】
ステップS30では、情報処理装置3は、揺れ検出処理部15により、上記ステップS20で検出された揺れの方向が所定の方向範囲(鉛直下方向を中心とする角度θ2の範囲内。第2の方向範囲)であるか否かを判定する。揺れの方向が所定の方向範囲でない場合には(ステップS30:NO)、後述のステップS55に移る。一方、揺れの方向が所定の方向範囲である場合には(ステップS30:YES)、ステップS35に移る。
【0052】
ステップS35では、情報処理装置3は、揺れ検出処理部15により、上記ステップS20で検出された揺れの速度が所定のしきい値TH2よりも大きい状態から当該しきい値TH2以下となったか否かを判定する。揺れの速度がしきい値TH2よりも大きい場合には(ステップS35:NO)、本ステップS35を繰り返して待機し、揺れの速度がしきい値TH2以下となった場合には(ステップS35:YES)、ステップS40に移る。
【0053】
ステップS40では、情報処理装置3は、波形編集処理部21により、上記ステップS20で検出した揺れの最大速度を判定する。
【0054】
ステップS45では、情報処理装置3は、波形編集処理部21により、上記ステップS40で判定した最大速度に基づいて振動波形を編集(例えば振幅比の変更)する。
【0055】
ステップS50では、情報処理装置3は、振動実行処理部23により、上記ステップS45で編集した振動波形をゲームコントローラ5L,5Rにそれぞれ送信し、ゲームコントローラ5L,5Rをそれぞれ振動させる。
【0056】
ステップS55では、情報処理装置3は、ゲームを終了するための所定の操作入力があったか否かを判定する。ゲーム終了の操作入力がない場合には(ステップS55:NO)には、先のステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。一方、ゲーム終了の操作入力があった場合には(ステップS55:YES)、本フローを終了する。
【0057】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0058】
<5.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、ゲームコントローラ5L,5Rと通信可能に接続された情報処理装置3を、女性キャラクタ31の乳房33L,33Rの揺れを検出する揺れ検出処理部15、揺れの検出内容に基づいて、所定の振動波形を編集する波形編集処理部21、編集された振動波形をゲームコントローラ5L,5Rに送信してゲームコントローラ5L,5Rを振動させる振動実行処理部23、として機能させる。
【0059】
このようにすることで、乳房33L,33Rの揺れを検出した際に、その検出内容に応じて振動波形をリアルタイムに編集してゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができる。これにより、乳房33L,33Rの揺れ方(例えば揺れの速さ、揺れ幅、方向、周期、減衰の度合い等)に応じて、ゲームコントローラ5L,5Rの振動の態様(例えば波形、振幅、振動のタイミング、周期、減衰の度合い等)を変化させることができる。その結果、例えばただ単に乳房33L,33Rが揺れている最中にゲームコントローラ5L,5Rを単調に振動させるような場合に比べて、ゲームコントローラ5L,5Rの振動による表現の幅を向上できるので、乳房33L,33Rの揺れをゲームコントローラ5L,5Rの振動によってプレイヤに感じさせることができる。
【0060】
また、本実施形態では特に、揺れ検出処理部15は、乳房33L,33Rの揺れの速度を検出し、振動実行処理部23は、揺れの速度が所定のしきい値TH2よりも大きい状態から当該しきい値TH2以下となったタイミングで、編集された振動波形をゲームコントローラ5L,5Rに送信して振動させる。
【0061】
乳房33L,33Rが揺れる動作は往復運動となるため、その揺れ幅の範囲の中央付近では速度が最大となり、両端付近では速度が0に近づく。本実施形態では、検出した揺れの速度が所定のしきい値TH2よりも大きい状態から当該しきい値TH2以下となったタイミングでゲームコントローラ5L,5Rを振動させるので、乳房33L,33Rが揺れ幅の範囲の中央付近を移動するタイミングではなく、両端付近に到達したタイミング(揺れ動作が折り返すタイミング)で振動させることができる。これにより、あたかも乳房33L,33Rがプレイヤに当たったかのようにゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができるので、乳房33L,33Rの揺れをよりリアルにプレイヤに感じさせることができる。
【0062】
また、本実施形態では特に、揺れ検出処理部15は、乳房33L,33Rの揺れの速度を検出し、波形編集処理部21は、揺れの速度の最大値に基づいて振動波形の振幅比(ゲイン)を変更する。
【0063】
これにより、例えば乳房33L,33Rの揺れの速度が速い場合には振動波形の振幅比を小さくし(振幅大)、揺れの速度が遅い場合には振動波形の振幅比を大きくする(振幅小)ことができる。このようにして、ゲームコントローラ5L,5Rを乳房33L,33Rの揺れの速さや大きさ(速い場合には揺れ幅も大きくなるので「揺れの大きさ」とも言うことができる)に応じた振幅で振動させることができるので、乳房33L,33Rの揺れをよりリアルにプレイヤに感じさせることができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、揺れ検出処理部15は、乳房33L,33Rの揺れの方向を検出し、振動実行処理部23は、揺れの方向が第1の方向範囲である場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させず、揺れの方向が第2の方向範囲である場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させる。
【0065】
これにより、乳房33L,33Rの全ての方向の揺れに対してゲームコントローラ5L,5Rを振動させるのではなく、特定の方向の揺れに対してのみゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができる。これにより、乳房33L,33Rの揺れの方向が、例えば視覚的あるいは物理法則的により効果の高い方向であるような場合に限定してゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができるので、プレイヤの体感効果をより高めることができる。
【0066】
また、本実施形態では特に、振動実行処理部23は、乳房33L,33Rの揺れの方向が鉛直上方向を中心とする所定の角度範囲内である場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させず、揺れの方向が鉛直下方向を中心とする所定の角度範囲内である場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させる。
【0067】
これにより、乳房33L,33Rが上方向に揺れる場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させず、下方向に揺れる場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができる。その結果、乳房33L,33Rが重力により落下して揺れた場合にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させ、例えばその反動で上方向に揺れた場合には振動させないようにすることができる。また例えば、女性キャラクタ31がジャンプ等をする場合に、女性キャラクタ31が空中にいる際にはゲームコントローラ5L,5Rを振動させず、着地した際にゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができる。このようにして、プレイヤに乳房33L,33Rの重みを体感させることができると共に、乳房33L,33Rの重力による自然な動作を表現できる。
【0068】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、女性キャラクタの種類(乳房33L,33Rの大きさ)に対応して予め設定された複数種類の振動波形の中から、揺れを検出した女性キャラクタの種類に対応した所定の振動波形を取得する波形取得処理部19、としてさらに機能させ、波形編集処理部21は、取得された所定の振動波形を編集する。
【0069】
このように本実施形態では、女性キャラクタの種類に応じた複数種類の振動波形が予め用意されており、揺れを検出した女性キャラクタの種類に対応した振動波形が読み出されて、リアルタイムに編集されて使用される。これにより、女性キャラクタの種類(乳房33L,33Rの大きさ)に応じた波形でゲームコントローラ5L,5Rを振動させることができるので、乳房33L,33Rの揺れをよりリアルにプレイヤに感じさせることができる。
【0070】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、振動実行処理部23によるゲームコントローラ5L,5Rの振動を有効化又は無効化させる選択入力を受け付ける入力受付処理部25、選択入力に基づいて、表示画面を切り替える表示切替処理部27、としてさらに機能させる。
【0071】
これにより、プレイヤによりゲームコントローラ5L,5Rの振動が無効化された場合には通常のゲーム画面としておき、有効化された場合には検出対象である女性キャラクタの上半身の拡大画面に切り替えることができる。これにより、プレイヤに対し乳房33L,33Rの揺れをゲームコントローラ5L,5Rの振動によって体感させるのに加えて、その揺れを視覚的にも強調表示することで演出効果を高めることができ、興趣性を向上できる。
【0072】
また、本実施形態では特に、揺れ検出処理部15は、関連して動作する乳房33R及び乳房33Lの揺れをそれぞれ検出し、波形編集処理部21は、乳房33R及び乳房33Lのそれぞれの揺れの検出内容に基づいて所定の振動波形をそれぞれ編集し、振動実行処理部23は、編集された振動波形をゲームコントローラ5L,5Rにそれぞれ送信することにより、乳房33Rの揺れに対応してゲームコントローラ5Lを振動させ、乳房33Lの揺れに対応してゲームコントローラ5Rを振動させる。
【0073】
これにより、プレイヤは、女性キャラクタ31の乳房33R及び乳房33Lのそれぞれの揺れを、両手に把持したゲームコントローラ5L,5Rのうちの対応する側のコントローラの振動により同時且つ個別に体感することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上できる。
【0074】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0075】
例えば、以上では、プレイヤがゲームに登場するキャラクタを鑑賞する際にゲームコントローラ5L,5Rを振動させる場合について説明したが、これに限らず、プレイヤがキャラクタを操作してゲームをプレイしている最中に振動させてもよい。この場合、例えば振動の有効化又は無効化の切り替え操作が行われるとその状態(モード)が保持されるようにすることで、プレイヤはゲームコントローラ5L,5Rを操作してゲームプレイを実行することができる。
【0076】
また以上では、ゲームシステム1が2つのゲームコントローラ5L,5Rを有する場合について説明したが、1つのゲームコントローラとしてもよい。この場合、例えば左右の乳房33L,33Rの揺れに対応する振動波形を合成して1つの振動波形とし、ゲームコントローラに送信してもよい。
【0077】
また以上では、乳房33L,33Rの揺れの速度を検出するようにしたが、加速度を検出してもよい。この場合、加速度が所定の負の値を下回ったタイミングでゲームコントローラ5L,5Rを振動させてもよい。また、加速度の最大値(絶対値)に基づいて振動波形の振幅比(ゲイン)を変更してもよい。
【0078】
また以上では、乳房33L,33Rの揺れを検出してゲームコントローラ5L,5Rを振動させている最中に(ゲームコントローラ5L,5Rに送信した振動波形による振動が終わる前に)、別の揺れを重ねて検出した場合の処理について特に説明しなかったが、次のように処理してもよい。例えば、実行中の振動波形に対して次の揺れに対応する振動波形をそのまま重ね合わせて(振幅を足し合わせて)もよい。この場合、処理負荷が増加するのを抑制できる。また例えば、実行中の振動波形の振幅比(ゲイン)を徐々に大きくしてフェードアウトさせると共に、次の揺れに対応する振動波形の振幅比(ゲイン)を徐々に小さくしてフェードインさせてもよい。この場合、振動波形を自然につなげることができる。
【0079】
また以上では、ベースとなる複数種類の振動波形を予め用意しておき、揺れを検出したキャラクタに対応した振動波形を取得するようにしたが、例えば揺れを検出したキャラクタに応じてベースとなる波形自体をリアルタイムに生成してもよい。この場合、処理負荷は増大するが、多種多様な振動が可能となり、ゲームコントローラ5L,5Rの振動による表現の幅をさらに向上することができる。
【0080】
また以上では、女性キャラクタの乳房の揺れに対応してゲームコントローラ5L,5Rを振動させる場合について説明したが、乳房以外にも、例えば尻、太もも、腹、二の腕、髪、その他振動可能な程度に柔らかい身体部位に対して本発明を適用してもよい。また、身体部位に限らず、装備品、所持品、着衣等が振動可能な程度に柔らかいオブジェクトである場合には、それらに対して本発明を適用してもよい。
【0081】
さらに、人間のキャラクタ以外にも、例えば動物や架空の生物等のキャラクタや、例えばボール、ゴム、風船、食品、スライム、粘土等の振動可能な程度に柔らかい物品や物体などのオブジェクトに対して本発明を適用してもよい。この場合、それらのオブジェクトの種類、大きさ、形状、重量、材質等に応じた複数種類の振動波形を予め用意しておいてもよい。
【0082】
また、以上では、本発明が恋愛シミュレーションゲーム等に適用される場合を一例に説明したが、その他のジャンルのゲーム、例えば、ホラーゲーム、育成シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム等、ゲームのジャンルを問わずに本発明は適用可能である。
【0083】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0084】
<7.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図11を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置3のハードウェア構成の一例について説明する。
【0085】
図11に示すように、情報処理装置3は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0086】
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、記録装置117等に記録しておくことができる。
【0087】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0088】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0089】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0090】
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の揺れ検出処理部15、波形取得処理部19、波形編集処理部21、振動実行処理部23等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
【0091】
また、CPU101は、必要に応じて、前述のゲームコントローラ5L,5Rを含む、例えばマウス、キーボード、マイク等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0092】
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0093】
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示装置7を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0094】
3 情報処理装置
5L ゲームコントローラ(入力装置、第1の入力装置)
5R ゲームコントローラ(入力装置、第2の入力装置)
15 揺れ検出処理部
19 波形取得処理部
21 波形編集処理部
23 振動実行処理部
25 入力受付処理部
27 表示切替処理部
33L 乳房(仮想オブジェクト、第2の仮想オブジェクト)
33R 乳房(仮想オブジェクト、第1の仮想オブジェクト)
125 記録媒体
TH2 しきい値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11