(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ビールテイスト飲料
(51)【国際特許分類】
C12G 3/04 20190101AFI20230726BHJP
【FI】
C12G3/04
(21)【出願番号】P 2019036314
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】滝井 慎也
(72)【発明者】
【氏名】単 小遠
(72)【発明者】
【氏名】阿部 央行
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064502(JP,A)
【文献】特開2018-183125(JP,A)
【文献】特開2014-117205(JP,A)
【文献】特開平10-057063(JP,A)
【文献】Brauwissenschaft,1979年,32(6),160-166
【文献】Frontiers in Bioengineering and Biotechnology,2018年11月29日,vol.6,Article 180
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリン体を含むビールテイスト発酵飲料であって、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合が50質量%以下であり、
プリン体塩基の総含有量が7.5ppm以下であり、エタノール含量が容量比で1%~10%である、
原料として麦芽を含むビールテイスト発酵飲料。
【請求項2】
プリン体塩基の総含有量が0.2ppm以上である、請求項1に記載のビールテイスト発酵飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールテイスト飲料には、厚みが求められることが多い。一般には麦芽含有比率を上げることで厚みが増すことが知られているが、一方で厚みが増す場合には雑味が増し、ビールテイスト飲料の味のバランスが悪くなることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では雑味に寄与する一部のペプチドを除去することで、雑味が低減されたビールテイスト飲料を提供しようとする試みもなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プリン体と雑味の関連に着目して雑味を低減する試みはこれまでなかった。
【0006】
本発明の課題は、雑味が少ないビールテイスト飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プリン体を含むビールテイスト飲料であって、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合が50質量%以下である、ビールテイスト飲料に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、雑味が少ないビールテイスト飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合を50質量%以下とすることで、雑味が少ないビールテイスト飲料が得られることを見出し、本発明の完成に至った。このメカニズムは定かではないが、可能性としては、プリン骨格を有するヌクレオシドに含まれる糖分子が舌に作用し、雑味として感じられること、また、プリン骨格を有するヌクレオシドに対しそれ以外のプリン体分子がマスキング剤として働いているものと推定される。
【0010】
本発明のビールテイスト飲料はプリン体を含む。プリン体は、プリン骨格を持つ化合物の総称であり、プリン体のうち、特に核酸の一部などは厚みやコクに寄与することが知られている。本発明のビールテイスト飲料におけるプリン体の由来は特に限定されるものではなく、原料としての麦芽やホップ、醸造酵母に由来するものでもよいし、市販のプリン体を含む製剤に由来してもよい。原料は麦芽やホップに限らず、大麦や小麦、小麦麦芽、大豆、米、とうもろこしなどビールテイスト飲料の製造に用いることのできる植物であれば何でもよく、必要に応じて抽出や精製をしてもよい。
【0011】
本発明のビールテイスト飲料において、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合は、雑味を少なくする観点から、50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、下限値は特に限定されるものではないが、0質量%以上とすることができ、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。本明細書において、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合は、プリン体塩基の総含有量に対するプリン骨格を有するヌクレオシドの含有量(プリン骨格を有するヌクレオシドの含有量/プリン体塩基の総含有量)から算出される。ここで、プリン体塩基の総含有量は、ビールテイスト飲料に対して過塩素酸による加水分解処理して得られるプリン体塩基の量を意味する。具体的には、過塩素酸による加水分解後に液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC-MS/MS)で測定する(「酒類中のプリン体の微量分析のご案内」日本食品分析センターhttp://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html)。プリン骨格を有するヌクレオシドは、グアノシン、アデノシン、イノシン、キサントシンを指し、それぞれグアニン、アデニン、ヒポキサンチン、キサンチンにリボースが結合したものである。プリン骨格を有するヌクレオシドの含有量は、液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC-MS/MS)で測定する。プリン骨格を有するヌクレオシドの含有量はリボースを含む質量として測定されるため、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合が100質量%を超える場合もあり得る。なお、何点かの市販のビールテイスト飲料についてプリン体中に占めるヌクレオシドの割合を算出したところ、70質量%~110質量%の範囲内であった。
【0012】
本発明のビールテイスト飲料におけるプリン体塩基の総含有量は、特に限定されるものではないが、プリン体のうち、特に核酸の一部などは厚みやコクに寄与することが知られているため、ビールテイスト飲料の味の骨格形成の観点から、好ましくは0.2ppm以上であり、より好ましくは0.5ppm以上であり、さらに好ましくは1.0ppm以上である。また、近年痛風予防を目的とした低プリン体嗜好から、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下であり、さらに好ましくは15ppm以下であり、これらいずれの組み合わせによる範囲としてもよい。
【0013】
本発明のビールテイスト飲料は、プリン体中に占めるヌクレオシドの割合を50質量%以下に調整する以外は、公知のビールテイスト飲料と同様にして製造することができる。プリン体中に占めるヌクレオシドの割合を50質量%以下に調整する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ヌクレオシド以外のプリン体分子であるグアニン、アデニン、ヒポキサンチン、キサンチンといったプリン体塩基を添加する方法などが挙げられる。ここで、ビールテイスト飲料は、アルコールを含有するビールテイスト飲料であっても、ノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。以下にプリン体塩基を添加する工程を含む製造方法を例示するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
【0014】
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、アルコールを含有するビールテイスト飲料が挙げられるが、プリン体塩基を添加する以外は、一般的なアルコールを含有するビールテイスト飲料と同様にして製造できる。このときのアルコールとはエタノールを指し、エタノール含量としては容量比で1%~10%が好ましいが、特に限定されるものではない。さらに、該ビールテイスト飲料に含まれるアルコール分の由来としては、醗酵、非醗酵に限定されるものではない。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造工程を示す。一般的なビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり、以下のように製造することができる。
【0015】
麦芽を原料として使用して製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から発酵貯酒工程終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程において、プリン体塩基の添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
【0016】
麦芽を原料として使用せずに製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から発酵貯酒工程終了前のどの段階で混合してもよい。醗酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた醗酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。前記各工程において、プリン体塩基の添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
【0017】
非醗酵かつアルコールを含有するビールテイスト飲料は、麦芽を使用する、しないに限らず、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。原料用アルコールの添加は、糖化工程から充填工程までのどの工程で行ってもよい。前記各工程において、プリン体塩基の添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
【0018】
本発明にかかるビールテイスト飲料の一態様として、ノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられるが、プリン体塩基を添加する以外は、一般的なノンアルコールビールテイスト飲料と同様にして製造できる。以下に、一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料の製造工程を下記に示す。酵母による発酵工程を有さないことにより、ノンアルコールビール等のノンアルコールビールテイスト飲料を容易に製造することができる。一般的な非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料は麦芽を原料として使用するものとしないものとがあり以下のように製造することができる。
【0019】
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から発酵貯酒工程終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程において、プリン体塩基の添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
【0020】
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後の液糖溶液に対して、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。前記各工程において、プリン体塩基の添加は、充填までのどの工程で行ってもよい。
【0021】
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。このうち、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、アルコール度数が1%未満のビールテイスト飲料であり、好ましくは、アルコールを実質的に含まない。ここで、アルコールを実質的に含まない態様の飲料は、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、ノンアルコールビールテイスト飲料に包含される。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。なお、ここでの「アルコール度数(アルコール含有量)」はエタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。
【0022】
本発明にかかるビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
【0023】
本発明にかかるビールテイスト飲料に、酒感を付与する観点から、脂肪族アルコールを添加してもよい。脂肪族アルコールとしては、公知のものであれば特に制限されないが、炭素数4~5の脂肪族アルコールが好ましい。本発明において、好ましい脂肪族アルコールとしては、炭素数4のものとして、2-メチル-1-プロパノール、1-ブタノール等が、炭素数5のものとして、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合せで用いることができる。炭素数4~5の脂肪族アルコールの含有量は好ましくは0.0002~0.0007質量%であり、より好ましくは0.0003~0.0006質量%である。本明細書において、脂肪族アルコールの含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
【0024】
(酸味料)
本発明にかかるビールテイスト飲料において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
【0025】
酸味料の含有量は、本発明にかかるビールテイスト飲料中、クエン酸換算で、ビールテイスト感の付与の観点から、200ppm以上が好ましく、550ppm以上がより好ましく、700ppm以上がさらに好ましく、また、酸味の観点から、15000ppm以下が好ましく、5500ppm以下がより好ましく、2000ppm以下がさらに好ましい。従って、本発明において、酸味料の含有量は、クエン酸換算で、200ppm~15000ppm、好ましくは550ppm~5500ppm、より好ましくは700ppm~1500ppmなどの好適範囲が挙げられる。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100ppmに相当するクエン酸換算量は120ppm、リン酸100ppmに相当するクエン酸換算量は200ppm、リンゴ酸100ppmに相当するクエン酸換算量は125ppmとして換算する。
【0026】
ビールテイスト飲料中の酸味料の含有量については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により分析して算出されたものを指す。
【0027】
(ホップ)
本発明にかかるビールテイスト飲料においては、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001~1重量%程度である。
【0028】
(その他の原料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、乳清などの動物タンパク質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
【0029】
かくして本発明にかかるビールテイスト飲料が得られる。本発明にかかるビールテイスト飲料のpHは、飲料の風味を良好にする観点から、3.0~5.0である。
【0030】
(容器詰飲料)
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0032】
<ビールテイスト飲料の調製>
実施例1~2、比較例1~2、参考例1
麦汁とホップ、糖類、食物繊維を混合して酵母を加え、発酵させた後に水と小麦スピリッツを加えてアルコール度数4%のビールテイスト飲料(参考例1)を製造した。参考例1の飲料に表1に記載した量のキサンチン(ナカライテスク社製)を添加して、実施例1のビールテイスト飲料を調製した。同様に参考例1の飲料に表1に記載した量のアデノシン(ナカライテスク社製)、キサンチン(ナカライテスク社製)を添加して、実施例2および比較例1~2のビールテイスト飲料を調製した。ここで、各含有量、各添加量の単位ppmは各実施例等の飲料中における成分の濃度を表す。
【0033】
実施例3、参考例2
麦芽エキスを含む市販のビールテイスト飲料に炭酸水とエタノールを加えてアルコール度数4%のビールテイスト飲料(参考例2)を製造した。参考例2の飲料に表2に記載した量のキサンチン(ナカライテスク社製)を添加して、実施例3のビールテイスト飲料を調製した。ここで、各含有量、各添加量の単位ppmは各実施例等の飲料中における成分の濃度を表す。
【0034】
得られたビールテイスト飲料について、専門パネリスト5名により、雑味について以下の評価基準をもとに実施し、評価点の平均点を算出した。結果を表1、2に示す。
(雑味の評価)
0:感じられない。
1:やや感じられる。
2:ある程度感じられる。
3:強く感じられる。
【0035】
【0036】
【0037】
表1、2の官能結果から、プリン体含有量に関わらずプリン体中に占めるプリン骨格を有するヌクレオシドの割合が低いほど雑味が低減され、特にその比率が50質量%以下である場合に良好であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、雑味が少ない新たなテイストのビールテイスト飲料を提供できる。