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特許7319888情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20230726BHJP
【FI】
G06F3/0488
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019189714
(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公開番号】P2021064291
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 俊治
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-169097(JP,A)
【文献】特開2019-169096(JP,A)
【文献】特開2008-152773(JP,A)
【文献】特開2006-154890(JP,A)
【文献】特開2007-034663(JP,A)
【文献】国際公開第2017/051782(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/098189(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01、3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、
ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、当該ユーザに提示する表現提示部と、
提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対するユーザの選択を受け付ける第2受付部と、
ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部と
を備え
前記情報提供部は、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
記情報提供部は、
ユーザにより選択された前記表現と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体との関係性に応じた表示態様で前記表示を行う
ことを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項3】
記表現提示部は、
ユーザにより指定された画像又は音を象徴するオブジェクトがユーザに示されている位置に対応する表示エリアに、当該画像又は当該音に対応する表現群を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
記表現提示部は、ユーザにより指定された画像又は音に対応する表現を、当該ユーザの香り又は味に関する嗜好に応じた表示態様で表示する
ことを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項5】
記表現提示部は、ユーザにより指定された画像又は音に対応する表現を、当該表現の属性に応じた表示態様で表示する
ことを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項6】
記第2受付部が、提示された前記表現群のうち複数の表現に対するユーザの選択を受け付けた場合に、
前記情報提供部は、選択された前記複数の表現に対する優先度をそれぞれ特定し、特定した優先度に応じた態様で、前記物体に関する情報をユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ンピュータを、
ユーザによる画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、
ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、当該ユーザに提示する表現提示部と、
提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対するユーザの選択を受け付ける第2受付部と、
ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部であって、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行う情報提供部として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
作装置と、
表示装置と、
前記操作装置を用いたユーザの操作による画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、前記表示装置を制御して当該ユーザに提示する表現提示部と、提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対する、前記操作装置を用いたユーザの選択を受け付ける第2受付部と、前記表示装置を制御して、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部であって、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行う情報提供部とを備える情報処理装置と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の香り又は味に関する情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
香りは、人間の感情や行動、記憶を司る大脳辺縁系に働きかけることで様々な効用を人間に与えることが知られている。例えば特許文献1には、香りを嗅いだ被験者に対し、その香りを嗅いだことによって想起された心的事象について質問を提示し、その回答を数値として取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-180830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、或る香りがどのようなものであるかを的確に表現することは、それほど簡単ではない。これは、大半の人間にとっては香りに関して表現する機会が少ないために、香りを表現する語彙に乏しかったり、また、香りとその香りの表現との対応関係を正確に認識できていなかったり、という事情があるためだと考えられる。
【0005】
上記のように香りを表現する行為とは逆に、或る表現からその表現に合った香りを創造することができれば、ユーザにとって新しい体験になり得る。例えばユーザ自らが画像や音楽を指定すると、その画像や音楽のイメージに合った香りを創り出すというような、今までにない新しいサービスの提供が考えられる。このようなサービスは、物体の香りに限らず、物体の味についても適用可能である。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザによって指定された画像又は音に応じた香り又は味の物体に関する情報をそのユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明は、ユーザによる画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、当該ユーザに提示する表現提示部と、提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対するユーザの選択を受け付ける第2受付部と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部とを備え、前記情報提供部は、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行うことを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0008】
前記表現提示部は、ユーザにより指定された画像又は音を象徴するオブジェクトがユーザに示されている位置に対応する表示エリアに、当該画像又は当該音に対応する表現群を表示するようにしてもよい。
【0009】
前記表現提示部は、ユーザにより指定された画像又は音に対応する表現を、当該ユーザの香り又は味に関する嗜好に応じた表示態様で表示するようにしてもよい。
【0010】
前記表現提示部は、ユーザにより指定された画像又は音に対応する表現を、当該表現の属性に応じた表示態様で表示するようにしてもよい。
【0012】
前記情報提供部は、ユーザにより選択された前記表現と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体との関係性に応じた表示態様で前記表示を行うようにしてもよい。
【0013】
前記第2受付部が、提示された前記表現群のうち複数の表現に対するユーザの選択を受け付けた場合に、前記情報提供部は、選択された前記複数の表現に対する優先度をそれぞれ特定し、特定した優先度に応じた態様で、前記物体に関する情報をユーザに提供するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明は、コンピュータを、ユーザによる画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、当該ユーザに提示する表現提示部と、提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対するユーザの選択を受け付ける第2受付部と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部であって、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行う情報提供部として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、操作装置と、表示装置と、前記操作装置を用いたユーザの操作による画像又は音の指定を受け付ける第1受付部と、ユーザによって指定された画像又は音に対応する表現群を、前記表示装置を制御して当該ユーザに提示する表現提示部と、提示された前記表現群のうち少なくとも1以上の表現に対する、前記操作装置を用いたユーザの選択を受け付ける第2受付部と、前記表示装置を制御して、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体に関する情報をユーザに提供する情報提供部であって、ユーザにより選択された前記表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された前記表現に応じた香り又は味の物体が存在する位置とを関連付ける表示を行う情報提供部とを備える情報処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザによって指定された画像又は音に応じた香り又は味の物体に関する情報をそのユーザに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る情報提供システムの全体構成を例示するブロック図である。
図2】情報提供システムの構造を例示する側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】情報処理装置が記憶するカードDBの一例を示す図である。
図5】情報処理装置が記憶するサンプルDBの一例を示す図である。
図6】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】情報提供システムの利用時において、センサ装置のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。
図9】情報提供システムの利用時において、センサ装置のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。
図10】情報提供システムの利用時において、センサ装置のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。
図11】情報提供システムの利用時において、センサ装置のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。
図12】情報提供システムの利用時において、センサ装置のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
本発明の一実施形態に係る情報提供システム1の全体構成について説明する。情報提供システム1は、ユーザが指定した画像に合う香りの物体を知るための情報提供を行うシステムである。情報提供システム1は、図1に示すように情報処理装置10と、プロジェクタ装置20と、センサ装置40と、複数のサンプル60と、複数のカード70とを備えている。情報処理装置10、プロジェクタ装置20及びセンサ装置40は、有線又は無線によって通信可能に接続されている。情報処理装置10は、本発明に係る情報処理装置の一例であり、情報提供システム1において中枢的な制御を司る装置である。プロジェクタ装置20は、ユーザに対して情報を表示する表示装置の一例である。センサ装置40は、ユーザの操作を受け付ける操作装置の一例である。
【0019】
複数のサンプル60はいずれも、ユーザの嗅覚を刺激する香りを発する物体である。例えば、サンプル60は、香りを発する自然物(例えばラベンダーという植物そのもの)であってもよいし、その香りを含む人工生成物(例えばラベンダーの香りが抽出された揮発性の液体や、その液体をしみこませたシートなど)であってもよい。本実施形態では、サンプル60として、香りを発する自然物から抽出された香りを含むアロマオイルと呼ばれる液体を収容した円筒状の蓋付き小瓶を用いる。各サンプル60には、そのサンプルの名称(例えば「ラベンダー」という植物の名称)が記されたシールや札が付されている。ユーザはこの名称を参照することによって、各サンプルを視覚的に識別する。
【0020】
複数のカード70は、それぞれ異なる画像が標記された媒体である。つまり、カード70は、画像を象徴するオブジェクトである。カード70に記された画像は、予め用意されたものであり、例えば風景、絵画、人物、動物、植物、地図、抽象画等の画像である。
【0021】
図2は、情報提供システム1の構造を例示する側面図、より具体的には、プロジェクタ装置20、センサ装置40、サンプル60及びカード70を水平方向から見たときの位置関係を例示する図である。センサ装置40は、例えば薄い矩形の板状であり、その上面が水平なセンシング面となっている。サンプル60には、各サンプル60を識別する識別情報(サンプルIDという)を記憶した記憶媒体であるタグ61が設けられている。カード70には、各カード70を識別する識別情報(カードIDという)を記憶した記憶媒体であるタグ71が設けられている。
【0022】
センサ装置40は、センシング面にサンプル60が置かれると、例えばNFC(Near Field Communication)と呼ばれる近距離無線通信規格を用いて、そのサンプル60のタグ61に記憶されたサンプルIDを読み取るとともに、そのサンプル60が置かれた位置(つまりセンシング面におけるタグ61の読み取り位置)を検出する。また、センサ装置40は、センシング面にカード70が置かれると、NFC等の近距離無線通信規格を用いて、そのカード70のタグ71に記憶されたカードIDを読み取るとともに、そのカード70が置かれた位置(つまりセンシング面におけるタグ71の読み取り位置)を検出する。さらに、センサ装置40は、いわゆるタッチスクリーンとしても機能し、例えばユーザの指や所定の操作子でセンシング面がタッチされると、センシング面においてタッチされた位置を検出する。サンプル60が置かれた位置やユーザによりタッチされた位置は、センシング面の或る位置を原点とした2次元座標平面におけるX,Y座標として表現される。
【0023】
プロジェクタ装置20は、センサ装置40の上方(例えば部屋の天井)に設置されている。プロジェクタ装置20は、図2の破線で示すようにセンサ装置40のセンシング面の全範囲を投影範囲としており、上記X,Y座標に基づいて、センシング面の任意の位置に光を投影して画像を表示することができるようになっている。つまり、センサ装置40のセンシング面は、画像が表示される表示面としても機能する。
【0024】
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成を例示する図である。情報処理装置10は、CPU101(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、補助記憶装置104及び通信IF(Interface)105を有するコンピュータである。
【0025】
CPU101は、各種の演算を行うプロセッサである。ROM102は、例えば情報処理装置10の起動に用いられるプログラム及びデータを記憶した不揮発性メモリである。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性メモリである。補助記憶装置104は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置であり、情報処理装置10において用いられるプログラム及びデータを記憶する。CPU101はこのプログラムを実行することにより、後述する機能を実現し、また、後述する動作を実行する。通信IF105は、所定の通信規格に従って通信を行うためのインターフェースである。この通信規格は、有線通信の規格であってもよいし、無線通信の規格であってもよい。なお、情報処理装置10は、図3に例示した構成以外に、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置やキーボード等の操作装置などの、他の構成を含んでいてもよい。
【0026】
補助記憶装置104は、図4に示すようなカードデータベース(以下、データベースをDBと表現する)と、図5に示すようなサンプルDBとを記憶している。図4に示すように、カードDBにおいては、各々のカードIDと、そのカードIDに対応するカードに表記された画像の属性と、その画像に対応付けられている、香りに関する1以上の表現(関連表現という)と、これらの関連表現の各々を表示するときの表示態様が含まれている。関連表現群は、画像に関連する表現群であるが、風景や絵画のような画像に比べると、香りをユーザが想起しやすい、つまり香りを意味する表現として慣用されている表現群である。関連表現は、例えば名詞や形容詞等のあらゆる品詞を用いた表現であってもよいし、複数の単語から成る言葉や文章であってもよい。このような画像と関連表現とその表示態様との関係は、このシステム管理者等によって、それぞれの画像を見たときのイメージを参考にして予め決められてこのカードDBに格納される。さらに、これらの画像と関連表現とその表示態様との関係は、このシステムを利用したユーザの反応に関する履歴やアンケート等を参考にして、このシステム管理者等によってさらに最適化されてこのカードDBに格納されてもよい。センサ装置40にカード70が置かれると、そのカード70の周囲に、そのカード70に表記された画像(画像)に対応付けられた関連表現群が表示されるようになっている。
【0027】
関連表現の表示態様は、例えば、関連表現を表示する位置、関連表現を表示する位置とカード70の位置との距離、カード70に対する関連表現の表示位置の方向、関連表現を表示するときの色、関連表現を表示するときの大きさ、表現を表示するときのフォント、関連表現を表示するときの修飾、関連表現を表示する時間、関連表現を表示する時期、関連表現の動き(表現の空間的な変化又は時間的な変化を含む)、又は、関連表現に用いられる言語等を含む。この表示態様は、画像と関連表現との関係や、関連表現の属性に応じて変わる。画像と関連表現との関係とは、例えば画像と関連表現との関係の強さ/大きさであり、両者の関係が強い(つまり画像から関連表現を連想しやすい)場合には、カード70の近くにその関連表現を表示するとか、その関連表現を大きく又は目立つ色で表示するとか、その関連表現を振動するように動くことで目立つように表示するといった例が考えられる。画像と関連表現との関係の強さ/大きさは、このシステム管理者等によって、画像を見たときのイメージを参考にして決められる。関連表現の属性とは、例えば、関連表現から受けるイメージ、関連表現の品詞の別、関連表現に用いる文字の種別(ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット等)、関連表現を構成する文字数/単語数等を含む。例えば「甘い」という関連表現は、暖色で表示したり、丸ゴシック体で表示する例が考えられる。
【0028】
図4の例では、カードID「CID001」のカード70には或る「風景」の画像が記されており、関連表現1として「甘い」、関連表現2として「さわやか」…が設定されている。これらの関連表現のうち、「甘い」という関連表現1の表示態様は、関連表現を表示する位置とカード70の位置との距離が「2単位」であり(1単位は、センシング面において任意に決められる長さ)、色は「赤」であり、フォントは「ゴシック体」であり、サイズ(大きさ)は「25ポイント」であり、動きは「点滅」である。なお、関連表現Nにおいて、Nの値が小さいほど、画像との関係が強い又は大きいことを意味している。つまり、図4の例において、画像に対して関係が最も強い又は最も大きい関連表現は、「甘い」である。
【0029】
次に、サンプルDBにおいては、図5に示すように、各々のサンプルIDと、そのサンプルIDに対応するサンプル60によって刺激される嗅覚に関する1以上の表現(つまりサンプル60の香りを表した1以上の表現)が対応付けられている。この表現は、上述したカードDBにおける関連表現群と同じものが用いられる。図5の例では、サンプルID「SID001」のサンプル60のサンプル名称は「A」であり、そのサンプル60の香りを表す表現1として「甘い」、表現2として「花」、表現3として「春」…が設定されている。なお、表現Mにおいて、Mの値が小さいほど、サンプル60との関係が強い又は大きいことを意味している。つまり、図5の例において、サンプル「A」に対して関係が最も強い又は最も大きい表現は、「甘い」である。
【0030】
次に、図6は、情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、サンプル特定部11、サンプル位置特定部12、第1受付部13、第2受付部14、表現提示部151及び情報提供部152という機能を実現する。なお、表現提示部151及び情報提供部152によって出力部15が構成される。
【0031】
サンプル特定部11は、センサ装置40のセンシング面にサンプル60が置かれると、そのサンプル60のタグ61に記憶されたサンプルIDの読み取り結果に基づいて、どのサンプル60がセンシング面に置かれたかを特定する。
【0032】
サンプル位置特定部12は、センサ装置40のセンシング面にサンプル60が置かれると、そのサンプル60のタグ61に記憶されたサンプルIDが読み取られた位置に基づいて、サンプル60がセンシング面のどの位置に置かれたか(つまりセンサ装置40においてサンプル60が置かれる操作がなされた位置)を特定する。
【0033】
第1受付部13は、センサ装置40のセンシング面にカード70が置かれると、そのカード70のタグ71に記憶されたカードIDの読み取り結果に基づいて、どのカード70(つまり、どの画像)がセンシング面のどこに置かれたかを特定する。
【0034】
表現提示部151は、ユーザによって指定された画像に対応する関連表現群を、当該ユーザに提示する。より具体的には、表現提示部151は、プロジェクタ装置20を制御して、第1受付部13により特定されたカード70の位置に対応する表示領域に、そのカード70に表記された画像に対応付けられている関連表現群を表示する。このとき、表現提示部151は、カードDBにおいて、第1受付部13により特定された関連表現に対応する表示態様で表示する。カード70の位置に対応する表示領域とは、例えばそのカード70の位置から決められた距離の範囲内のセンシング面上の領域であり、具体的には、センシング面においてカード70の位置を中心とした半径10センチ以内の円形の領域であるという例が考えられる。ただし、カード70の位置に対応する表示領域はこの例に限らず、表示された表現がどのカード70に関する表現であるかをユーザが認識することができるような領域であればよい。
【0035】
表現提示部151は、上述したような関連表現群を表示するべく、記憶部1511及び表現生成部1512という構成を含む。記憶部1511は、図4に例示したカードDBを記憶する。表現生成部1512は、カードDBを参照して、第1受付部13により特定されたカード70に表記された画像に対応付けられている関連表現群を特定し、特定した関連表現群をカード70の位置に対応する表示領域に表示するためのデータを生成する。
【0036】
第2受付部14は、表現提示部151によって提示された関連表現群のうち少なくとも1以上の関連表現に対するユーザの選択を受け付ける。
【0037】
情報提供部152は、表現提示部151によって表示された関連表現群のうちユーザにより選択された関連表現に応じた香りの物体に関する情報をユーザに提供する。具体的には、情報提供部152は、図5に例示したサンプルDBを参照して、ユーザにより選択された関連表現と、その関連表現によって表される香りの物体(サンプル)との関係を示す画像である関係画像を表示する。つまり、情報提供部152は、ユーザにより選択された関連表現が提示されている位置と、ユーザにより選択された関連表現に応じた香りの物体(サンプル)が存在する位置とを関連付ける表示を行う。ここで、第2受付部14が、ユーザに提示された関連表現群のうち複数の関連表現に対するユーザの選択を受け付けた場合に、情報提供部152は、選択された複数の関連表現に対する優先度をそれぞれ特定し、特定した優先度に基づいて、当該複数の表現に応じた香りの物体(サンプル)を特定し、その物体(サンプル)に関する情報をユーザに提供する。例えばユーザにより複数の関連表現が順番に指定された場合、その指定された順番が早いほうの関連表現の優先度が高くなる。
【0038】
[動作]
次に、図7のフローチャートに沿って、本実施形態の動作を説明する。まず、ユーザは、サンプル60に付されたサンプルの名称を参考にして、興味があるサンプル60をいくつか選び、これらをセンサ装置40のセンシング面に置く。
【0039】
ここで、図8は、センサ装置40のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。この例では、センサ装置40のセンシング面に、6つのサンプル60a~60fが置かれている。このとき、情報処理装置10のサンプル特定部11及びサンプル位置特定部12は、センサ装置40によるサンプルIDの読み取り結果に基づいて、どのサンプルIDのサンプル60がセンシング面のどの位置に置かれているかを特定する(図7のステップS11)。これにより、サンプル60a~60fが図8に例示した各々の位置に置かれたことが特定される。
【0040】
次に、ユーザは、カード群70に表記された画像を見て、自身が好む画像や対応する香りを知りたいと思う画像のカード70を選び、センサ装置40のセンシング面に置く。図9は、センサ装置40のセンシング面を上方から見たときの様子を例示する平面図である。この例では、センサ装置40のセンシング面に、或る画像が標記されたカード70が置かれている。このとき、情報処理装置10の第1受付部13は、センサ装置40によるカードIDの読み取り結果に基づいて、どのカードIDのカード70がセンシング面のどの位置に置かれているかを特定する(図7のステップS12)。これにより、カード70が図9に例示した位置に置かれたことが特定される。
【0041】
次に、表現提示部151は、カード70のカードIDをキーにして、カードDBにおいてそのカードIDに対応する画像を特定して、対応する関連表現を検索する(図7のステップS13,S14)。そして、表現提示部151は、プロジェクタ装置20を制御して、第1受付部13により特定されたカード70の位置に対応する表示領域に、ステップS14で検索した関連表現を、その関連表現について対応付けられた表示態様で表示する(図7のステップS15)。
【0042】
これにより、図10に例示するように、カード70に表記された画像に関連する関連表現が、例えばそのカード70の位置を中心とした任意の大きさの円の内部に表示される。これら関連表現は、前述したとおり、カードDBによって規定された表示態様で表示される。例えば図10の例では、カード70の周囲に、「甘い」「さわやか」「苦い」「軽い」「温もり」「花」「朝」というような関連表現群が、それぞれについて決められた表示態様で表示されている。
【0043】
次に、ユーザは、表示されている関連表現群のうち、自身が香りのイメージとして好む関連表現を選択し、その関連表現に対して、それ以外の関連表現よりも高い優先度を指定する操作を行う。この操作は、例えば優先したい関連表現をタッチする、優先したい関連表現をいわゆるピンチアウト操作でより大きく表示させる、優先したい関連表現をいわゆるドラッグ操作でカード70のより近くに移動させる等である。一方、ユーザは優先したくない関連表現を指定する操作を行い、その結果として、優先したい関連表現を指定するようにしてもよい。ユーザは優先したくない関連表現を指定する操作とは、例えば優先したくない関連表現を所定の操作で非表示とする、優先したくない関連表現をタッチする、優先したくない関連表現をいわゆるピンチイン操作で小さく表示させる、優先したくない関連表現をいわゆるドラッグ操作でカード70からより遠くに移動させる等の操作である。これらの操作は第2受付部14により受け付けられる。
【0044】
情報提供部152は、このような操作がなされると(図7のステップS16;YES)、ユーザによりどの関連表現が選択されたかを特定し、さらに、選択された各関連表現に対して指定された優先度を特定する(図7のステップS17)。このとき、どの関連表現に対して高い優先度が特定されたかをユーザが分かるように、表現提示部151がその関連表現の背景を特定の色の画像で表示したり、その関連表現を反転表示したりすることが望ましい。ここでは、図10に例示した「甘い」「さわやか」「苦い」「軽い」「温もり」「花」「朝」のうち、ユーザは「甘い」と「さわやか」という関連表現を順番にタッチすることで、「甘い」に対して第1順位の優先度が指定され、「さわやか」に対して第2順位の優先度が指定されたと仮定する。
【0045】
次に、情報提供部152は、サンプルDBにおいて、ステップS11において特定されたサンプルID群のうち、ステップS17において特定された優先度の高い関連表現と同じ表現に対応付けられているサンプルIDを検索する(図7のステップS18)。この検索の結果、優先度の高い関連表現と同じ表現に対応付けられたサンプルIDがあれば(図7のステップS19;YES)、情報提供部152は、プロジェクタ装置20を制御して関係画像を表示する(ステップS20)。この関係画像は、例えば、優先度の高い関連表現の表示位置と、検索されたサンプルIDに対応するサンプル60が置かれた位置とを結ぶ線状の画像である。
【0046】
これにより、図11に例示するように、ユーザにより最も高い優先度が指定された「甘い」という関連表現と、その「甘い」という関連表現に対応付けられたサンプル(ここでは、サンプル60a及びサンプル60cとする)とを結ぶ線状の関係画像R1,R2が表示される。この関係画像R1,R2により、ユーザは、自身が指定した「甘い」という関連表現の香りを発するサンプルとして、サンプル60a及びサンプル60cがあることが分かる。また、ユーザにより次に高い優先度が指定された「さわやか」という関連表現と、その「さわやか」という関連表現に対応付けられたサンプル(ここでは、サンプル60eとする)とを結ぶ線状の関係画像R3が表示される。この関係画像R3により、ユーザは、「さわやか」という関連表現の香りを発するサンプルとして、サンプル60eがあることが分かる。なお、図11において、どの関連表現に対して高い優先度が指定されたかは、その関連表現の背景を特定の色の画像S1,S2で表示することで、ユーザに分かるようにしている。高い優先度が指定された複数の関連表現における優先度の高低は、画像S1,S2の色や大きさを変えることで、ユーザに分かるようにしている。
【0047】
この関係画像の色、太さ、大きさ、動き等の表示態様は、関連表現に対して指定された優先度に応じて異なる。例えば、関連表現に対して指定された優先度が高いほど、その関連表現とサンプル60とを結ぶ関係画像がより目立つような色、太さ、大きさ、動き等の表示態様となるし、その優先度が低いほどその逆の表示態様となる。図11の例では、第1順位の「甘い」という関連表現に対する関係画像は、第2順位の「さわやか」という関連表現に対する関係画像よりも濃い色の画像になっている。つまり、情報提供部152は、関連表現と、その関連表現によって表される香りの物体との関係を、特定された優先度に応じた表示態様で表示する。
【0048】
また、この関係画像の色、太さ、大きさ、動き等の表示態様は、関連表現と、その関連表現によって表される香りのサンプル60との関係に応じて異なる。例えば、関連表現とサンプル60との関係が強い場合には、関係画像がより目立つような色、太さ、大きさ、動き等の表示態様となるし、関係が弱い場合にはその逆の表示態様となる。関連表現とサンプル60との関係の強さ/大きさは、前述したように、サンプルDBにおいて表現に付された「M」という数値によって特定し得る。つまりMが小さいほど、関連表現とサンプル60との関係が強い又は大きい。図11の例では、「甘い」という関連表現に対してサンプル60cはより強い関係があるため、「甘い」という関連表現とサンプル60cとを結ぶ関係画像R1は、「甘い」という関連表現とサンプル60aとを結ぶ関係画像R2よりも太い画像になっている。
【0049】
ユーザはこれらの表示を見て、画像及び関連表現とサンプル60との関係を意識しながら、サンプル60を嗅ぐことで、自身が指定した画像のイメージに合う香りを発する物体を知ることができる。ユーザがさらに他の画像について試してみたい場合には、いったん終了操作を行い(ステップS21;YES)、今度は別のカード70をセンサ装置40のセンシング面に置くことで上記のステップS11~S20が繰り返される。
【0050】
以上説明した実施形態によれば、ユーザは自身が指定した画像に合う香りを発する物体を知ることが可能となる。
【0051】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0052】
[変形例1]
本発明は、香りを対象としたものに限らず、味を対象としたもの(例えばワイン、日本酒、スパイス、調味料等)にも適用可能である。つまり、実施形態における「香り」を「味」に置き換えて本発明を実施してもよい。
【0053】
[変形例2]
本発明において、ユーザが指定する対象は画像に限らず音であってもよい。例えば、カード70には、様々な音楽のCDジャケットの写真が記されており、ユーザはそのカード70群から好きなものを選び、センサ装置40の上に置く。カード70の裏面には音楽のIDを格納したタグ71が設けられており、センサ装置40はそのタグ71からIDを読み取って、ユーザが選択した音楽を再生するとともに、その(音楽)音を特定する。つまり、この場合、カード70は、ユーザにより指定された音を象徴するオブジェクトに相当する。
【0054】
[変形例3]
上記実施形態において、ユーザが関連表現群から指定した関連表現を、優先度の高い関連表現として特定していたが、優先度を特定する方法はこれに限らない。例えば、ユーザの属性、嗜好又は行動のうち少なくともいずれかに関するデータを蓄積しておき、その蓄積内容からユーザの属性、嗜好又は行動のうち少なくともいずれかに合致する関連表現(例えば20代女性が好む表現、映画を趣味としたユーザが好む表現、旅行好きなユーザが好む表現等)を推定して優先度を特定してもよい。ユーザの属性、嗜好又は行動と、そのような属性、嗜好又は行動のユーザが高い優先度を指定する関連表現との関係は、例えばユーザが好む関連表現として指定した履歴に基づいてディープラーニング等の機械学習により学習したアルゴリズムを用いて特定すればよい。
【0055】
[変形例4]
上記実施形態においては、1つの画像が指定される例で説明したが、複数の画像が指定されてもよい。この場合、表現提示部151は、指定された複数の画像のいずれにも対応付けられていて、且つ、画像に比べてユーザが香りを想起しやすい表現として決められている関連表現群を優先的に表示するようにしてもよい。例えば「初恋」と記されたカード70と「青空」と記されたカード70がセンサ装置40のセンシング面に置かれた場合を想定する。この例において、「初恋」という画像には、「甘い」「さわやか」「苦い」「軽い」「温もり」「花」「朝」という関連表現群が対応付けられており、「青空」という画像には、「さわやか」「透明感」「すっきり」「爽快」「朝」という関連表現群が対応付けられているとする。このような場合は、表現提示部151は、これらの画像に共通する関連表現である「さわやか」「朝」を、その共通性が分かるように、例えば太い線、目立つ色、目立つ動き、大きい文字等の優先的な表示を行う。以上は、画像に限らず、音であっても同様である。
【0056】
[変形例5]
上記実施形態において、優先度が高い関連表現として複数のものが特定された場合、図11に例示したように、優先度が高い関連表現の各々とサンプル60との関係が表示されていたが、これ以外に、優先度が高い複数の関連表現全体とサンプル60との関係が表示されてもよい。具体的には、情報提供部152は、図12に例示するように、ユーザにより高い優先度が指定された「甘い」という関連表現及び「さわやか」という関連表現と、「甘い」という関連表現に対応付けられたサンプル60a、60c及び「さわやか」という関連表現に対応付けられたサンプル60eとを結ぶ線状の関係画像R1,R2,R3を表示する。つまり、情報提供部152は、優先度が高い(優先度が閾値を超える)関連表現が複数ある場合には、当該複数の関連表現と、当該複数の関連表現の全てによって表される香りの物体との関係を表示するようにしてもよい。
【0057】
[変形例6]
図11において、ユーザが例えば「甘い」という関連表現を指定すると、「甘酸っぱい」「蜂蜜の甘さ」「ほんのりした甘さ」などの、「甘い」という関連表現に類似する類似表現群がさらに表示され、ユーザはその中から任意の類似表現について高い優先度を指定すると、指定された類似表現とサンプル60との関係が表示されるようにしてもよい。つまり、表現提示部151は、関連表現に類似する表現である類似表現群を表示し、第2受付部14は、表示された類似表現群についての優先度を特定し、情報提供部152は、表示された類似表現群のうち少なくとも1以上の類似表現と、当該類似表現によって表される香りの物体との関係を、特定された優先度に応じた表示態様で表示するようにしてもよい。
【0058】
[変形例7]
この表示態様は、画像と関連表現との関係や、関連表現の属性に応じて変わる。画像と関連表現との関係とは、例えば画像と関連表現との関係の強さ/大きさであり、両者の関係が強い(つまり画像から関連表現を連想しやすい)場合には、カード70の近くにその関連表現を表示するとか、その関連表現を大きく又は目立つ色で表示するとか、その関連表現を振動するように動くことで目立つように表示するといった例が考えられる。画像と関連表現との関係の強さ/大きさは、このシステム管理者等によって、画像を見たときのイメージを参考にして決められる。関連表現の属性とは、例えば、関連表現から受けるイメージ、関連表現の品詞の別、関連表現に用いる文字の種別(ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット等)、関連表現を構成する文字数/単語数等を含む。例えば「甘い」という関連表現は、暖色で表示したり、丸ゴシック体で表示する例が考えられる。
【0059】
[変形例8]
関係画像は、図11,12に例示した線状の画像に限らず、関連表現とその関連表現によって表されるサンプル60とが関係していることが分かるような画像であればよい。例えば、図11,12において、「甘い」という関連表現を囲む円環画像と、その「甘い」という表現によって表されるサンプル60a,60cの位置を囲む円環画像とを、関係画像としてもよい。同様に、図11,12において、「さわやか」という関連表現を囲む円環画像と、その「さわやか」という表現によって表されるサンプル60ecの位置を囲む円環画像とを、関係画像としてもよい。
【0060】
[変形例9]
上記実施形態において、情報提供部152は、高い優先度の関連表現と、その関連表現によって表される香りの物体との関係を、その優先度に応じた表示態様で表示していたが、これに限らず、全ての関連表現と、各々の関連表現によって表される香りの物体との関係を示す関係画像を表示し、且つ、その関係画像を特定された優先度に応じた表示態様で表示すればよい。例えば図11の例において、情報提供部152は、「甘い」「さわやか」「苦い」「軽い」「温もり」「花」「朝」という各関連表現と、各々の関連表現に対応付けられたサンプル60とを結ぶ関係画像を表示する。このとき、情報提供部152は、優先度が高い関連画像とサンプル60との関係画像については、それ以外の関係画像とは異なる色、太さ、大きさ、動き等の表示態様で表示する。つまり、情報提供部152は、表示された関連表現群に含まれる少なくとも1以上の関連表現と、当該関連表現によって表される香りの物体との関係を、特定された優先度に応じた表示態様で表示すればよい。
【0061】
[変形例10]
表示装置や操作装置は、図1で例示したプロジェクタ装置20やセンサ装置40に限定されない。例えば表示装置は、実施形態のように操作装置であるセンサ装置40のセンシング面に画像を投影するものに限らず、例えば操作装置自体が表示装置であってもよい。また、表示装置は壁面に画像を表示するものであってもよい(壁面に画像を投影する場合や壁面自体が表示装置である場合を含む)。また、表示装置はいわゆる拡張現実を実現する表示装置であってもよい。具体的には、スマートホンやタブレット或いはグラス型ウェアラブル装置の撮像装置でサンプル60を撮像すると、その撮像画像中のサンプル60の周囲に、対応する表現群を表示するものであってもよい。また、操作装置は、ユーザの操作を画像認識技術によって検知する装置であってもよい。
【0062】
[変形例11]
表現の提示の形態は、実施形態のような2次元的な表示であってもよいし、3次元的な表示であってもよい。
【0063】
本発明は、情報処理装置10において行われる処理のステップを備える情報処理方法として提供されてもよい。また、本発明は、情報処理装置10において実行されるプログラムとして提供されてもよい。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることが可能である。
【0064】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0065】
1…情報提供システム、20…プロジェクタ装置、40…センサ装置、60…サンプル、61…タグ、70…カード、71…タグ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…補助記憶装置、105…通信IF、11…サンプル特定部、12…サンプル位置特定部、13…第1受付部、14…第2受付部、15…出力部、151…表現提示部、1511…記憶部、1512…表現生成部、152…情報提供部。
図1
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