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  • 特許-消去方法及び消去システム 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】消去方法及び消去システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/60 20130101AFI20230726BHJP
   G06F 21/56 20130101ALI20230726BHJP
【FI】
G06F21/60
G06F21/56 380
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020121648
(22)【出願日】2020-07-15
(62)【分割の表示】P 2018514558の分割
【原出願日】2017-04-21
(65)【公開番号】P2020170560
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2020-07-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2016087307
(32)【優先日】2016-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】新井 貴之
【合議体】
【審判長】林 毅
【審判官】須田 勝巳
【審判官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-008100(JP,A)
【文献】特開2015-026358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F21/55-56
G06F21/60
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置が接続される第1接続部と、情報処理装置が接続される第2接続部とを備える消去装置における消去方法であって、
前記記憶装置及び前記情報処理装置が接続された後、前記記憶装置内の管理領域の全てを任意の値で上書きし、前記記憶装置が前記情報処理装置から未フォーマットであると認識される状態にすることにより前記記憶装置に記憶された情報を消去するステップと、
前記記憶装置に記憶された情報が消去された後、前記情報処理装置が前記記憶装置にアクセスができない状態からアクセスできる状態にするステップと、
前記情報処理装置が前記記憶装置にアクセスできる状態になった後、前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを検知するステップと、
前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを検知したとき、前記情報処理装置を前記記憶装置にアクセスできない状態にするステップと、
を有することを特徴とする消去方法。
【請求項2】
前記記憶装置及び前記情報処理装置が接続された後、消去確認ランプを点灯させて消去確認スイッチが操作されるまで待機するステップを更に有し、
前記記憶装置に記憶された情報を消去するステップは、前記消去確認スイッチが操作された後に行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の消去方法。
【請求項3】
記憶装置と、情報処理装置と、消去装置と、を備える消去システムであって、
前記消去装置は、
前記記憶装置が接続される第1接続部と、
前記情報処理装置が接続される第2接続部と、
前記記憶装置及び前記情報処理装置が接続された後、前記記憶装置内の管理領域の全てを任意の値で上書きし、前記記憶装置が前記情報処理装置から未フォーマットであると認識される状態にすることにより前記記憶装置に記憶された情報を消去するデータ消去部と、
前記データ消去部により前記記憶装置に記憶された情報が消去された後、前記情報処理装置が前記記憶装置にアクセスができない状態からアクセスできる状態にするアクセス制御部と、
前記情報処理装置が前記記憶装置にアクセスできる状態になった後、前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを検知する接続確認検知部と、を備え、
前記アクセス制御部は、前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを前記接続確認検知部が検知したとき、前記情報処理装置を前記記憶装置にアクセスできない状態にする
ことを特徴とする消去システム。
【請求項4】
前記記憶装置の接続が検知されると点灯する消去確認ランプを備えることを特徴とする請求項3に記載の消去システム。
【請求項5】
前記記憶装置に記憶された情報を消去させるための消去確認スイッチを備えており、
前記データ消去部は、前記消去確認スイッチが操作された後に、前記記憶装置に記憶された情報を消去する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の消去システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消去方法及び消去システムに関し、より具体的には、USBメモリなどの記憶装置の情報を消去する消去方法及び消去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部ネットワークに接続されていない情報処理装置では、当該情報処理装置で発生する情報を外部に持ち出す際にUSBメモリなどの大容量記憶装置が使用されることがある。情報処理装置としては、例えば、生産制御システム内の帳票サーバである。生産制御システムは、その生産実績情報を帳票サーバに記憶している。
【0003】
このとき、上記大容量記憶装置がコンピュータウイルス等の不正プログラム(以下「ウイルス」と総称する)に感染していると、ウイルスに感染した大容量記憶装置を情報処理装置に接続した際に、情報処理装置にウイルス感染が拡大する恐れがある。
【0004】
そこで、ウイルス検知ソフトを用いて大容量記憶装置のウイルスを検知することが提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、未知のウイルスについては感染を防止できない。また、自動実行ファイルのファイル名変更や隠蔽などにより、ウイルスファイルの自動実行を防止するものが提案されている(特許文献3、4)。しかしながら、自動実行ファイル形式でないウイルスについては感染を防止できない。
【0005】
そこで、大容量記憶装置に複数の接続インタフェイスを設け、接続インタフェイスの何れにも情報処理装置が接続されていない状態から、いずれかの接続インタフェイスに情報処理装置が接続された際、大容量記憶装置が、自身の記憶領域を初期化することが提案されている(特許文献5)。これによれば、未知のウイルスであっても、自動実行ファイル形式でないウイルスであっても、関係なく感染を防止できる。
【0006】
しかしながら、特許文献5の大容量記憶装置は、情報の渡し手の情報処理装置と受け手の情報処理装置とに同時に大容量記憶装置に接続する必要があり、渡し手と受け手とが離れた場所にあり同時に接続できない場合には適用できない。即ち、上記大容量記憶装置は、情報の渡し手の情報処理装置に接続して情報を受け取っても、渡し手の情報処理装置との接続を切って、受け手の情報処理装置と接続すると情報が消去されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-071887号公報
【文献】特開2013-190880号公報
【文献】特開2013-125523号公報
【文献】特開2010-262335号公報
【文献】特開2012-173798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、記憶装置から情報処理装置へのウイルス感染を防止しつつ記憶装置を用いて遠隔にある情報処理装置間での情報の受け渡しを行うことができる消去方法及び消去システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の消去装置は、記憶装置が着脱自在に接続される第1接続部と、情報処理装置が着脱自在に接続される第2接続部と、前記記憶装置及び前記情報処理装置が接続された後、前記記憶装置に記憶された情報を消去するデータ消去部と、前記消去部により前記記憶装置に記憶された情報が消去された後、前記情報処理装置が前記記憶装置にアクセスができない状態からアクセスできる状態にするアクセス制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記記憶装置及び前記情報処理装置が接続された後に、消去操作が行われるのを待って、前記データ消去部による消去を開始させる消去開始確認部をさらに備えていてもよい。
【0011】
前記消去部による消去が失敗したとき、その旨を通知する異常通知部をさらに備えていてもよい。
前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを検知する接続確認検知部さらに備えてもよい。
前記記憶装置が前記情報処理装置から取り外されたことを前記接続確認検知部が検知したとき、前記情報処理装置を前記記憶装置にアクセスできない状態にするアクセス制御部さらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当該消去装置を介して記憶装置と渡し手の情報処理装置とを接続すると、記憶装置に記憶された情報が消去されるため、記憶装置から渡し手の情報処理装置へのウイルス感染を防止できる。その後、記憶装置を消去装置から外して受け手の情報処理装置に直接、接続することにより、記憶装置に記憶された情報が消去されることなく、記憶装置から受け手の情報処理装置に情報を渡すことができる。これにより、記憶装置を用いて遠隔にある情報処理装置間での情報の受け渡しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の消去装置の使用方法を説明するための説明図である。
図1B】本発明の消去装置の使用方法を説明するための説明図である。
図2】消去時における本発明の消去装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
図3】使用時における本発明の消去装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
図4図2及び図3に示すマイクロプロセッサの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の消去方法及び消去システムの一実施形態を、図1A図3に基づいて説明する。同図に示すように、消去装置1は、USBメモリ、SDカードメモリ、USBハードディスクなどの大容量記憶装置(=記憶装置)3と、サーバやPCなどのデータの渡し手の情報処理装置21と、の間を接続するアダプタであり、大容量記憶装置3及び情報処理装置21とは別体に設けられている。
【0015】
図2及び図3に示すように、消去装置1は、大容量記憶装置インタフェイス11と、情報処理装置インタフェイス12と、電源線L1と、信号線L2と、インタフェイス継断部13と、マイクロプロセッサ(以下、MPC)14と、消去確認ランプ15と、消去確認スイッチ16と、異常通知部17と、を備えている。
【0016】
第1接続部としての大容量記憶装置インタフェイス11は、大容量記憶装置3が着脱自在に接続される外部接続端子を有している。
【0017】
第2接続部としての情報処理装置インタフェイス12は、情報処理装置21が着脱自在に接続される外部接続端子を有している。
【0018】
電源線L1は、情報処理装置21からの電源を後述するMPC14などの消去装置1内の電子部品に供給する。また、電源線L1は、大容量記憶装置インタフェイス11を介して情報処理装置21からの電源を大容量記憶装置3に供給する。
【0019】
信号線L2は、大容量記憶装置3と情報処理装置21との間で授受される信号を伝送するための電線である。
【0020】
インタフェイス継断部13は、スイッチ回路などから構成され、大容量記憶装置インタフェイス11及び情報処理装置インタフェイス12間の信号線L2を切断したり(図2)、接続したりする(図3)。
【0021】
MPC14は、消去装置1全体の制御を司る。MPC14は、図2などに示すように、接続確認検知部14aと、消去開始確認部14bと、データ消去部14cと、データ消去確認部14dと、アクセス制御部14eと、を有する。
【0022】
接続確認検知部14aは、情報処理装置21から電源供給を受けている状態で、大容量記憶装置インタフェイス11に大容量記憶装置3が接続されたことを検知する。消去開始確認部14bは、大容量記憶装置3が接続されたことを検知した後、消去確認ランプ15を点灯させて、ユーザの操作により消去確認スイッチ16がオン(消去操作)されるのを確認する。
【0023】
データ消去部14cは、大容量記憶装置インタフェイス11に接続された大容量記憶装置3内のデータ(情報)の一部又は全てを消去する。データ消去部14cは、データ消去が何らかの理由で失敗した場合、異常ランプやブザーなどから構成される異常通知部17を制御して、ユーザにその旨を報知する。大容量記憶装置3内のデータ(情報)であってファイルシステムの管理部分を消去することで、情報処理装置から情報処理装置21から未フォーマットとみなされる状態にすることができる。このため、大容量記憶装置3内のデータ(情報)の全部ではなく、ファイルシステムの管理部分を含む一部を消去してもよい。尚、ファイルシステムの管理部分としては、パティションテーブルやFATを例として挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0024】
データ消去確認部14dは、データ消去部14cが大容量記憶装置3に書き込んだデータ消去用のデータを読み取ることによって、データ消去部14cによる消去が成功したか否かを確認する。データ消去確認部14dは、データ消去が何らかの理由で失敗した場合、異常ランプやブザーなどから構成される異常通知部17を制御して、ユーザにその旨を報知する。また、データ消去確認部14dは、消去が成功した場合、インタフェイス継断部13を制御して、大容量記憶装置インタフェイス11及び情報処理装置インタフェイス12間に信号線L2を接続する。
アクセス制御部14eは、大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されたことを接続確認検知部14aが検知したとき、情報処理装置21を大容量記憶装置3にアクセスできない状態にして、初期状態(S1)に戻り、接続確認検知部14aによって大容量記憶装置3が検出されるのを待つ。これによって、大容量記憶装置3が情報処理装置21に接続された後に、大容量記憶装置3が取りはずされ、図示しない別の大容量記憶装置3が接続された場合における図示しない別の大容量記憶装置3からのウイルス感染を防止する。
【0025】
次に、上記概略で説明した消去装置の動作を図4のフローチャートを参照して以下説明する。最初に、渡し手の情報処理装置21のデータを大容量記憶装置3に渡す手順について説明する。まず、消去装置1を大容量記憶装置3にも情報処理装置21にも接続しない状態にする。
【0026】
その後、消去装置1の大容量記憶装置インタフェイス11に大容量記憶装置3を接続する。この時点では、消去装置1は、情報処理装置21に接続されておらず、電源が供給されないため、何も動作しない。
【0027】
また、図1Aに示すように、消去装置1の情報処理装置インタフェイス12に渡し手の情報処理装置21を接続する。これにより、情報処理装置インタフェイス12に接続された電源線L1からMPC14に電源が供給され、MPC14が図4に示す消去処理を開始する。なお、MPC14は、電源が供給されたことで、情報処理装置インタフェイス12に情報処理装置21が接続されたことが分かる。
【0028】
上記インタフェイス継断部13は、初期状態(即ち消去装置1に電源が入っていない状態)において図2に示すように、大容量記憶装置インタフェイス11と情報処理装置インタフェイス12との間の信号線L2を切断した状態となっている。よって、消去装置1に情報処理装置21及び大容量記憶装置3の両方を接続しても、接続した直後は情報処理装置21は、大容量記憶装置3にアクセスできない状態である。
【0029】
消去処理においてMPC14は、接続検知部14aとして機能し、大容量記憶装置3の接続を検知する(ステップS1)。ステップS1において、MPC14は、大容量記憶装置インタフェイス11への電気的な接続を検知することにより、大容量記憶装置3の接続を検知する。MPC14は、大容量記憶装置3の接続を検知後、接続された大容量記憶装置3に対してデバイス情報を取得するコマンドを送信し、その応答を解析することで、接続された大容量記憶装置3の種別を検知する。
【0030】
MPC14は、大容量記憶装置3の接続が検知されると(ステップS2でY)、消去開始確認部14bとして機能し、消去確認ランプ15を点灯させる(ステップS3)。これにより、ユーザに大容量記憶装置3内のデータを消去するか否かの判断を促す。その後、MPC14は、消去確認スイッチ16が操作されるまで待機する(ステップS4でN)。なお、情報処理装置21が大容量記憶装置3にアクセスできない状態は維持されている。
【0031】
MPC14は、消去確認スイッチ16が操作されると(ステップS4でY)、データ消去部14cとして働き、大容量記憶装置3内の全てのデータを消去する(ステップS5)。このとき、MPC14は、ステップS1で検知した大容量記憶装置3の種別に適合した方法(大容量記憶装置3の種別に対応した書き込み、初期化指示コマンド)でデータを消去する。なお、データ消去としては、例えば、下記の第1手法、及び第2手法:で示す方法で行われる。
【0032】
第1手法:MPC14は、大容量記憶装置3内のパーティション領域やディレクトリ領域などの管理領域を任意の値で上書きする。この状態の大容量記憶装置3を情報処理装置21がアクセスすると、情報処理装置21上は大容量記憶装置3が未フォーマットであると認識する。このため、情報処理装置21では、接続される毎に大容量記憶装置3をフォーマットする必要があり、手間と時間がかかる。しかしながら、情報処理装置21自身が大容量記憶装置3のフォーマットを行うため、互換性の問題が発生して、情報処理装置21が大容量記憶装置3にデータを書き込めないという事態は発生しない。
【0033】
第2手法:MPC14は、上記管理領域の記録内容を初期値で上書きし、ファイルやディレクトリが存在していない状態にする。この状態の大容量記憶装置3を情報処理装置21がアクセスすると、情報処理装置21上はファイルやディレクトリが存在していない空の状態と認識する。このため、情報処理装置21では、接続される毎に大容量記憶装置3をフォーマットする必要はない。しかしながら、消去装置1が用意した初期値で上書きするため、その初期値に適合した情報処理装置21では使用できない恐れがある。消去装置1には、対象となる情報処理装置21に適合した初期値を内蔵させる必要がある。
【0034】
次に、MPC14は、ステップS5のデータ消去が失敗したか否かを判断する(ステップS6)。この判断方法としては、例えば、下記の(A)~(C)で示すものが挙げられる。
【0035】
(A)MPC14は、データ消去に際し大容量記憶装置3からの応答がない、または、異常を示す応答があった場合、データ消去が失敗したと判断する。
【0036】
(B)MPC14は、大容量記憶装置3から書き込み禁止状態であるとの応答があった場合、データ消去が失敗したものと判断する。
【0037】
(C)MPC14は、データ消去確認部14dとして機能し、データ消去のために大容量記憶装置3に書き込んだデータを確認のために読み出して、書き込んだデータと異なるデータが読み出された場合は、消去が失敗したものと判断する。
【0038】
MPC14は、ステップS6のデータ消去が失敗したと判断すると(ステップS6でY)、異常通知部17を制御して、その旨を通知して(ステップS7)、処理を終了させる。
【0039】
これに対して、MPC14は、ステップS5のデータ消去が成功したと判断すると(ステップS6でN)、アクセス制御部14eとして機能し、インタフェイス継断部13を制御して、図2に示すように、大容量記憶装置インタフェイス11と情報処理装置インタフェイス12との間の信号線L2を接続し、情報処理装置21が大容量記憶装置3にアクセスできる状態にする。(ステップS8)。更に、大容量記憶装置3が図示しない別の大容量記憶装置3と差し替えられた際のウイルス感染を防止する観点から、大容量記憶装置3の差し替えを監視し、差し替えが発生した場合には、大容量記憶装置3と情報処理装置21の接続を切断する。具体的には、以下の処理を行う。接続確認検知部(14a) によって、大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されたことを検知する(ステップS9)。すなわち、大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されことを電気的手法により検知する。大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されことを接続確認検知部(14a)により検知した場合(ステップS10でY)、アクセス制御部(14e)によって情報処理装置21が大容量記憶装置3にアクセスできない状態にして(ステップS11)、初期状態(ステップS1)に戻り、MPC14が、大容量記憶装置インタフェイス11への電気的な接続を検知し、大容量記憶装置3の接続を検知する。その後、前述したステップS2乃至ステップS5を経て、データ消去を行う。一方、大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されことを接続確認検知部(14a)が検知しなかった場合(ステップS10でN)、接続確認検知部(14a) によって、大容量記憶装置3が情報処理装置21から取り外されことを検知する処理(ステップS9)に戻る。
上記動作により、大容量記憶装置3が図示しない別の大容量記憶装置3と差し替えられた場合、情報処理装置21が大容量記憶装置3にアクセスできない状態にして、初期状態に戻り、消去処理を行うことで、図示しない大容量記憶装置3がウイルスに感染していても情報処理装置21がウイルスに感染することを防止する。
【0040】
これにより、情報処理装置21は、初めて大容量記憶装置3にアクセスできる状態となる。このため、大容量記憶装置3が感染していたとしてもウイルスが消去された状態で接続される。また、MPC14は、インタフェイス継断部13を制御して、大容量記憶装置3にアクセスできない状態となる。即ち、情報処理装置21にデータが全て消去された空の大容量記憶装置3が直接接続されたのと同じ状態になる。そして、渡し手の情報処理装置21から大容量記憶装置3への書き込みが可能な状態となる。
【0041】
その後、ユーザは、情報処理装置21を操作して大容量記憶装置3にデータを書き込む。書き込みが完了したら、消去装置1を情報処理装置21から取り外す。大容量記憶装置3に書き込まれたデータを受け手の情報処理装置22に渡す際には、図1Bに示すように、大容量記憶装置3を消去装置1から外して、直接、受け手の情報処理装置22に接続する。そして、受け手の情報処理装置22を操作して大容量記憶装置3に書き込まれたデータを参照する。
【0042】
上述した実施形態によれば、消去装置1は、大容量記憶装置3が着脱自在に接続される大容量記憶装置インタフェイス11と、情報処理装置21が着脱自在に接続される情報処理装置インタフェイス12と、を備えている。また、MPC14が、大容量記憶装置3及び情報処理装置21が接続された後、大容量記憶装置3に記憶されたデータを消去し、その後、情報処理装置21が大容量記憶装置3にアクセスできない状態からアクセスができる状態にする。
【0043】
これにより、消去装置1を介して大容量記憶装置3と渡し手の情報処理装置21とを接続すると、大容量記憶装置3に記憶されたデータが消去されるため、大容量記憶装置3から渡し手の情報処理装置21へのウイルス感染を防止できる。その後、大容量記憶装置3を消去装置1から外して受け手の情報処理装置22に直接、接続することにより、大容量記憶装置3に記憶されたデータが消去されることなく、大容量記憶装置3から受け手の情報処理装置22にデータを渡すことができる。これにより、大容量記憶装置3を用いて遠隔にある情報処理装置21、22間での情報の受け渡しを行うことができる。
【0044】
また、上述した実施形態によれば、MPC14は、大容量記憶装置3及び情報処理装置21が接続された後に、消去操作が行われるのを待って、消去を行うようにしている。これにより、消去装置1に大容量記憶装置3及び情報処理装置21を接続するだけで自動的に消去されることがない。このため、誤ってデータを消したくない大容量記憶装置3を消去装置1に接続しても、ユーザは消去操作をしなければ、データが消されることはない。
【0045】
また、上述した実施形態によれば、MPC14は、消去が失敗したとき、その旨を報知する異常通知部17をさらに備えている。これにより、ユーザが消去できなかったことを知ることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態によれば、消去装置1に大容量記憶装置3を接続した後、情報処理装置21を接続していたが、これに限ったものではない。消去装置1に情報処理装置21を接続した後、大容量記憶装置3を接続しても、同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、上述した実施形態によれば、MPC14は、ユーザにより消去操作が行われるのを待って、大容量記憶装置3内のデータを消去していたが、これに限ったものではない。例えば、MPC14は、消去装置1に大容量記憶装置3及び情報処理装置21が接続されたら自動的に大容量記憶装置3内のデータを消去するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態によれば、消去装置1は情報処理装置21からの供給を受けていたが、これに限ったものではない。バッテリなどの電源を備え、そこから電源供給を受けてもよい。この場合、消去装置1は、情報処理装置21が接続されたことを検知する必要がある。
【0049】
なお、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の給紙装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 消去装置
11 大容量記憶装置インタフェイス(第1接続部)
12 情報処理装置インタフェイス(第2接続部)
14b 消去開始確認部
14c データ消去部
14e アクセス制御部
17 異常通知部
図1A
図1B
図2
図3
図4